説明

電子部品の位置決め方法、ならびに、電子部品およびその製造方法

【課題】電子部品を搭載する基板の特定箇所に、電子部品の特定部位を正確かつ高速で位置決めする方法を提供する。
【解決手段】電子部品の特定部位に他の部位よりも強い磁性を付与し、この電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、特定部位を所定方位に配列させる工程を有する位置決め方法。この方法において、基板の特定箇所もしくはその近傍に仮配置した電子部品に所定方向から磁場を印加する方法、および仮配置用部材の所定箇所に配置した電子部品に所定方向から磁場を印加した後、その配列状態を維持したまま電子部品を基板に移転させる方法が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を基板の所定位置に正確に位置決めする方法、その方法を効果的に実施するために有効な電子部品、およびその製造方法、ならびに、その電子部品を搭載した電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品およびこれを搭載した各種の機器および装置(電子装置)の高集積密度化が急速に進みつつある。これに伴い、例えば各種半導体部品、コンデンサおよび抵抗器などをはじめ、多岐にわたる電子部品の小型化が多様な形で進められている。半導体部品用の基板としては、高品質で大口径という特長を有する単結晶のシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。しかし、単結晶Siウエハの製造には、チャクラルスキー法などで単結晶バルクを製造する工程、ならびに単結晶バルクからSiウエハを製造するまでのカッティング、スライシングおよびポリッシングなどの繁雑な工程が必要であり、さらにこれらの工程での切削屑が多く、無駄になる原料が多い。
【0003】
最近では、Siの使用量を低減でき、さらに工程を簡略化できる半導体部品用材料として、球状のSi半導体が注目されている。球状半導体は、ウエハ状半導体基板よりも体積当たりの面積が大きいので、少ない半導体材料で広い表面積を確保でき、集積度を高められるという利点がある。球状Si半導体は、例えば、溶融Siの微小な液滴を不活性雰囲気中で自然落下させ、表面張力によって球形となった液滴を落下中に冷却し固化させることにより製造できる。これにより、Siウエハ半導体の場合よりも工程が簡略化され、工程中での材料損失も少なくなるので大幅なコスト低減が期待される。
【0004】
球状半導体を基板とする球状半導体部品として、各種の電子回路素子、センサーおよびフォトトランジスタなどの開発が進められおり、その代表的なものとして球状太陽電池素子がある。これは、直径約1.0mm前後という小さな球状Si半導体を第1または第2導電型半導体として用いることで出力当たりのSi使用量を低減し、さらに基板の製造工程を簡略化することにより、大幅な低コスト化を目指すものである。
【0005】
電子部品や電子部品間の隙間が比較的大きい場合には、搭載すべき電子部品を電子装置側基板上に所定の位置関係で位置決めすることが比較的容易である。しかし、小型化された電子部品を高密度に集積させて搭載した電子装置を構成する場合には、電子部品間の隙間が微小になるので、精密な位置関係で電子部品を高速で配置することが困難である。その中で特に、電子部品側の端子部が、それぞれ対応する基板側の端子接続部と正確に位置決めされた状態で、電子部品を基板の所定の位置に位置決めすることが大きな課題となっている。
【0006】
例えば、球状太陽電池素子を搭載したマイクロ集光型太陽電池を構成するに際しては、反射鏡となる多数の凹部を設けた基板(支持体)の個々の凹部に、微小な球状素子を所定の位置関係で配置する必要がある。球状素子を凹部内に容易に配置するために、底部に平面状の切り欠き部を設け、その形状の特異性を利用して、その部位を基板の特定箇所に位置決めする方法が試みられている。
【0007】
しかし、このような方法では、極めて高度に熟練した技能者による、実体顕微鏡などで目視しながらの長時間作業が必要なので、迅速に球状素子を基板に配置することが困難である。この問題は、球状素子を搭載した太陽電池はじめ、球状半導体部品などの小型電子部品を搭載した各種電子装置の工業化の大きな障害となっており、これを解決することが極めて重要な課題となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、電子部品を基板に搭載する際の上記の問題を解決し、基板に電子部品を正確な位置関係で迅速に位置決めする方法、この方法を効果的に実施するために有効な電子部品、およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、これら電子部品が正確に位置決めされて搭載された電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子部品の位置決め方法は、基板の特定箇所に搭載しようとする電子部品の特定部位を位置決めする方法であって、前記特定部位は前記電子部品の他の部位よりも強い磁性を有し、前記電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、前記電子部品の特定部位を所定方位に配列させる工程を有することを基本的な特徴とするものである。
【0010】
本発明の電子部品の第1の位置決め方法は、電子部品を基板の特定箇所もしくはその近傍に仮配置する工程、および、仮配置された電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、電子部品の特定部位を基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する。
【0011】
本発明の電子部品の第2の位置決め方法は、電子部品を仮配置用部材の所定箇所に配置し、配置された電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、電子部品の特定部位を仮配置用部材の所定箇所において所定方位に配列させる工程、および、特定部位が所定方位に配列された電子部品を、その配列を維持した状態で仮配置用部材から基板に移転させることにより、電子部品の特定部位を基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する。
【0012】
本発明の電子部品の位置決め方法における磁場を印加する手段は、複数の直方体の磁石を並列に接合してなる磁石集合体からなり、これら磁石の接合面に垂直な平面から磁場を印加し、これら磁石の接合部からの吸引力により、電子部品の特定部位を所定方位に配列させることが好ましい。
【0013】
本発明の電子部品の位置決め方法は、電子部品がSiを主体とし、さらにほほ球状である場合に適用することが有効である。特に、電子部品が、ほぼ球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を備えた太陽電池素子であり、その特定部位が、第2半導体層の一部から露出させた第1半導体の露出部に形成した電極、またはその上部もしくは周辺部であって、基板の特定箇所が、太陽電池素子を収納する基板に設けられた複数の凹部の底部に設けられた孔である場合に適用するのが効果的である。
【0014】
本発明の電子部品は、強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品であって、前記磁性体部は、前記電子部品を搭載する基板の特定箇所に、前記特定部位を位置決めするために設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の電子部品の製造方法は、強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品を製造する方法であって、強磁性体材料を含むペーストを前記特定部位に塗布し、これを熱処理する工程を有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の電子装置は、強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品が、前記特定部位が所定方位に配列されて、基板の特定箇所に搭載されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、電子部品、特に小型電子部品を、所定の位置関係で基板に正確かつ迅速に位置決めすることができる。さらに、本発明による位置決め方法を効果的に実施するために有効な球状半導体素子などの電子部品を提供することができる。これらにより、電子部品を正確かつ高密度に搭載された太陽電池などの電子装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の電子部品の位置決め方法は、基板の特定箇所に搭載しようとする電子部品の特定部位を位置決めする方法であって、その特定部位には電子部品の他の部位よりも強い磁性が付与され、この電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、特定部位を所定方位に配列させる工程を有することを基本的な特徴とするものである。これにより、電子部品の例えば端子部などの特定部位を、基板の例えば端子接続部などの特定箇所に高速度で正確に位置合わせすることができ、電子部品を効率的かつ高密度に基板に搭載することができる。
【0019】
本発明の電子部品の位置決め方法において磁場を印加した場合、電子部品の特定部位以外の本体部は殆ど磁化されず、特定部位のみが強く磁化され、優先的に所定方向に引き付けられる。そのためには、電子部品の本体部は弱磁性体と総称される反磁性体および常磁性体から選ばれた材料が主成分であることが好ましい。従って本発明は、特に、反磁性体であるSiを本体部の主材料とする半導体電子部品を基板に搭載する場合に効果的である。
【0020】
さらに本発明は、小型電子部品、特に球状の電子部品を位置決めする場合に顕著な効果が得られる。球状電子部品は転がり易いので、強い磁性が付与された特定部位が、印加された磁場により、所定方向に優先的に引き寄せられ易く、より正確な位置関係で迅速かつ正確に配列される。特に本発明は、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を備えた多数の球状太陽電池素子を高密度に基板に搭載された太陽電池を製造する場合に適用するのが効果的である。
【0021】
上記の位置決め方法を効果的に実施するための本発明による電子部品には、強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられている。磁性体部は、電子部品を搭載しようとする基板の特定箇所に特定部位を位置決めするために設けられ、電子部品の他の部位よりも強い磁性を備えている。磁性体部は、特に、電子部品の端子部そのものであるか、端子部の上部もしくはその周辺部に設けることが好ましい。これにより、基板側の端子接続部に電子部品側の端子部を、より正確な位置関係で当接もしくは近接させることができ、双方を電気的に接続する作業を正確かつ迅速に行うことができる。電子部品が球状太陽電池素子である場合には、第2半導体層から露出した部分に形成した電極が上記の端子部に相当する。
【0022】
強磁性体材料は、外部磁界を加えなくても個々の構成原子が磁気モーメントを持ち、それらが同じ方向に整列したもの、即ち、自発磁化をもつ材料である。強磁性体は、反磁性体、常磁性体、および反強磁性体と区別され、一般的にこれらの磁性体より強い磁性を有する。強磁性体材料としては、Fe、Ni、およびCoの単体をはじめ、Ni、Fe、Co、Cr、およびMnよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む合金あるいは化合物が好ましい。上記合金および化合物の代表例として、Fe−Ni、Fe−Ni−Co−Al、体心立法晶Fe−Ni−Cr、Mn−Al、Ni−Fe、Mo−Ni−Fe、Co−Fe、Al−Si−Fe、Fe−Si、Mn−Zn−Fe23、Ni−Zn−Fe23、Mn−Mg−Zn−Fe23、Fe(CO)5、Fe34、SmCo5、Nd2Fe14B、γ−Fe23、およびBaFe1219などが挙げられる。
【0023】
〔電子部品の実施形態−その1〕
本発明の内容の理解を容易にするため、まず本発明の電子部品の代表的な実施形態から具体的に説明する。図1〜5に示す球状太陽電池素子は何れも、ほぼ球状の第1半導体21およびその表面を被覆する第2半導体層22からなり、第2半導体層22が第1半導体の一部を露出させる開口部23を有している。素子の第1半導体の露出部24には電極(端子部)25あるいは磁性体部を兼ねる電極(端子部)28が設けられている。
【0024】
図1(1)は、電極25の周囲に磁性体部29を形成した素子の縦断面図、図1(2)は、同素子の平面図、図2(1)は、電極25の上部から周辺にかけて磁性体部30を形成した素子の縦断面図、図2(2)は、同素子の平面図、図3は、電極25の上面に磁性体部31を形成した素子の縦断面図、図4は、電極25以外の特定部位に磁性体部32を形成した素子の縦断面図、図5は、電極28そのものが磁性体部である素子の縦断面図、をそれぞれ示している。
【0025】
磁性体部は、上記の各素子のように電子部品本体の表面に設けることが好ましい。その中でも、図5のように端子部そのものを磁性体部とするか、図1〜3のように磁性体部を端子部の上部もしくは周辺部に形成するのが特に好ましい。このように磁性体部を端子部とほぼ同じ位置に設けることにより、基板側の端子接続部に電子部品側の端子部を、より正確な位置関係で当接もしくは近接させることができ、双方を電気的に接続する作業を正確かつ迅速に行うことができる。
【0026】
図1〜4の電極25はいずれも、導電性が優れた材料を主成分として含むことが好ましく、磁性が弱くても良い。これらの電極は、例えば、Ag、Cu、およびAlなどの反磁性、常磁性あるいは反強磁性の導電材を含むペーストを塗布し、熱処理することにより形成できる。図5の磁性体部を兼ねた電極28は、強い磁性と優れた導電性を備えていることが必要である。この電極28は、前記電極形成用ペーストに、例えば、NiあるいはFeなどの導電性を有する強磁性材料を加えたペーストを塗布し、熱処理することにより形成することができる。
【0027】
図1、2および4の磁性体部29、30および32は、強い磁性を有することが必要であるが、必ずしも導電性を必要とせず、前記の導電性を有する強磁性材料に拘らず、γ−Fe23などの絶縁性もしくは低導電性の強磁性材料を含むペーストを用いて形成することもできる。図3の電極25の上部に形成されている磁性体部31は、通常、電極25を基板側に電気的に接続する場合に直接に基板側に接合するので、強い磁性と優れた導電性を兼ね備えていることが好ましい。この磁性体部31は、例えば、Ag、Cuなどの導電材および前記の導電性強磁性材料を含むペーストを塗布し、熱処理することにより形成することができる。尚、図4の磁性体部32に、図3の磁性体部31と同様の方法で導電性を付与することにより、磁性体部32が第2半導体層側の電極を兼ねることも可能である。
【0028】
上記のうち、図1および2の素子は、良好な導電性を備えた電極と、強い磁性を備えた磁性体部の双方を、近接させ、もしくは一部が重なるように形成することにより磁性と導電性を確保し、さらに、電極と磁性体部を実質的に同じ部位に配置させたものであり、正確な位置決めおよび低抵抗での電気的接続がともに容易である。また、工程中で素子の特性をチエックする場合に、電極を良好な電気接点として利用できる利点がある。
【0029】
図3の素子では、強い磁性を得ることを重視して調製したペーストを使用すると磁性体部31の導電性が低くなりがちであり、強い磁性と高い導電性を兼ね備えた磁性体部31を形成することが比較的困難である。従って、位置決めを終えた後、基板側に電極を電気的に接続する以前に磁性体部を剥離することが必要な場合もある。図5の素子では、電極28が磁性体部を兼ねるので工程が簡素化されるが、良好な導電性と強い磁性を確保するために、電極28の面積を拡大できる自由度が必要とされる。
【0030】
これらの問題は、上記の強磁性材料および導電材に代わり、強磁性体材料の表面を導電材で被覆した複合粒子を含有するペーストを用いて、強い磁性と優れた導電性を兼ね備えた磁性体部31あるいは電極28を形成することにより解決される。この複合粒子は、母粒子となる強磁性材料とその表面層の導電材の特性を併せ持った材料であり、強い磁性と優れた導電性を兼ね備えている。
【0031】
上記の複合粒子は、その母粒子となる強磁性体材料として、Ni、Fe、Co、Cr、およびMnよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む金属、合金または化合物を用い、その表面を、Ag、Au、CuおよびCよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む導電材で被覆したものであることが好ましい。これらの複合粒子としては、例えば、無電解メッキ法により、母粒子の表面に導電材層を形成したもの、あるいは、メカノフュージョン法などの機械的な混合・圧縮操作により母粒子の表面に導電材の微粒子を結合させ、母粒子の表面を導電材で覆ったものなどを用いることができる。通常、複合粒子の平均粒径が1〜20μm、導電材は複合粒子に対する重量比で5〜30%である。
【0032】
次に、球状素子の製造工程を図6に沿って説明する。図6(1)に第1半導体21(球状Si粒子)の縦断面図を示す。第1半導体21は、例えば、溶融させた多結晶Si(p型半導体)を坩堝内に貯留し、細いノズル孔から滴下した融液が気相中を落下する間に細粒化させ、冷却して固化させることにより作製できる。第1半導体は、真球が好ましいが、ほぼ球状であればよく、その直径は、0.5〜2mmが好ましく、0.8〜1.2mmがさらに好ましい。本実施形態では、第1半導体がp型半導体であり、第2半導体がn型半導体である素子を例示するが、第1半導体がn型半導体であり、第2半導体がp型半導体であっても良い。
【0033】
次いで、例えばオキシ塩化リンを拡散源として、800〜900℃で10〜30分間熱処理することにより、第1半導体21の表面に燐を拡散させ、図6(2)に示すような、厚さ0.5〜1.0μm程度の第2半導体層22(n型半導体層)を形成する。次いで、この球体の一部をグラインディングなどにより除去し、図6(3)に示すように、第2半導体層の開口部23と第1半導体の露出部24とを、同時に形成する。尚、上記のグラインディングなどに代わり、例えば、硝酸と弗酸の混合液によるエッチング、あるいはサンドブラスト法などにより第2半導体層の一部を除去して開口し、その開口部内から第1半導体の一部を露出させてもよい。以上は図1〜5の素子に共通する製造工程である。
【0034】
次に、第1半導体の露出部に電極を形成する工程を、図1〜4の素子について説明する。第1半導体の露出部24に、電極形成用ペーストを、例えばディスペンサーあるいはインクジエットプリンターなどにより塗布し、550〜750℃で熱処理することにより、図6(4)に示すような、電極25を形成する。このペーストには、例えばガラスフリット、導電材、および適度な粘性と流動性を付与するための有機ヒビクルなどから調製した導電性ペーストを用いる。導電材としては、第1半導体21がp型の場合はAg粉末とAl粉末の混合物を用い、第1半導体21がn型の場合はAg粉末と燐もしくは燐化合物の粉末との混合物を用いるのが好ましい。上記の熱処理により、ペーストの塗布面に導電材と第1半導体との合金層もしくは導電材の拡散層が形成され、溶融したガラスフリットがバインダーとして作用して、接触抵抗および固有抵抗が小さく、かつ機械的強度に優れた電極25が形成される。
【0035】
磁性体部29〜32は、図1〜4の素子において磁性体部が形成されている所定の部位に、磁性体部形成用ぺーストをディスペンサーなどにより塗布し、100〜200℃での熱処理により形成することができる。磁性体部形成用ぺーストには、例えば、NiおよびFeなどの強磁性材料の粉末などをエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂バインダーなどに分散させたものを用いることができる。
【0036】
図5の素子の場合には、図1〜4の素子において電極25と磁性体部31を形成する工程の代わりに、例えば、バインダーのガラスフリット、導電材、強磁性材料および有機ヒビクルなどから調製したペーストを、ディスペンサーなどにより第1半導体の露出部に塗布し、550〜750℃で熱処理する工程を設けることにより、磁性体部兼端子部28を形成することができる。上記ペースト中の導電材としては、前記の電極形成用ペースト用と同様のものを用い、強磁性体としては、NiおよびFeなどの微粉末を用いる。
【0037】
図5の磁性体部兼電極28の磁性あるいは導電性を高める必要がある場合、および高い導電性を必要とする図3の強磁性体部31を形成する場合には、前記の強磁性体の表面を導電材で被覆した複合粉末を含むペーストを用いることが好ましい。磁性体部兼電極28は、例えば、前記複合粒子、ガラスフリット、および有機ヒビクルなどから調製されたペーストを用い、550〜750℃で熱処理することにより形成することができる。また、優れた導電性を必要とする磁性体部31は、例えば、前記複合粒子を熱硬化性樹脂などに混合して調製されたペーストを用い、100〜200℃で熱処理することにより形成することができる。
【0038】
これらのペーストは、必要に応じて、さらにAgなどの導電材およびNi、Feなどの導電性強磁性体を加えて調製してもよい。さらに電極28を形成する場合のペーストには、第1半導体がp型の場合にはAlを、n型の場合はPまたはリン化合物を、それぞれ加えることが好ましい。また、上記の磁性体部31と同様の方法により、必要に応じて、磁性体部29、30、32に導電性を付与することもできる。
【0039】
本発明における磁性体部は、Niなどの強磁性の金属を主成分とするメッキ層により構成しても良い。例えば、無電解メッキにより、電子部品本体の表面のうち、導電性を有する部分(例えば端子部など)のみに選択的にメッキ層を形成することが容易であり、このメッキ層を磁性体部とすることができる。例えば図3の素子の場合に、無電解メッキによりメッキ層を形成するには、半導体であるSiから構成される部分にはメッキ層は析出せず、導電性を有する第1半導体側の電極(端子部)のみに、選択的にメッキ層が形成され、これを磁性体部とすることができる。無電解によるNiメッキとしては、ニッケルリン(Ni−P)メッキ、ニッケルホウ素(Ni−B)メッキが一般的である。
【0040】
Ni−Pメッキの場合には、通常はPの含有率が2〜12wt%程度である。Pの含有率が3wt%以下のメッキ層は強磁性体であり、Pの含有率が3wt%を超えると磁性が弱まり、8wt%以上では弱磁性体となる。このように、Pの含有率が3wt%を超えるメッキ層は析出状態では強磁性体ではないが、400〜500℃で5〜10分程度の熱処理を施すことにより強磁性体化することができる。このことから、無電解によるNi−Pメッキ層の磁性体部としては、Pの含有率を3wt%未満として、析出状態のメッキ層を水洗乾燥してそのまま用いるか、Pの含有率を12wt%以下としたメッキ層を水洗乾燥後、上記の熱処理を施すことにより、強磁性化して用いることが好ましい。
【0041】
Ni−Bメッキの場合には、通常はBの含有率が0.3〜3wt%であり、このメッキ層は析出状態において強磁性を備えているので、水洗乾燥後、本発明における磁性体部としてそのまま用いることができる。上記のNi−Bメッキ層による磁性体部の耐薬品性および耐食性を向上させるためには、3wt%以下のPをメッキ層に含有させることが好ましい。
【0042】
〔電子部品の位置決め方法の実施形態−その1〕
次に、本発明の電子部品の位置決め方法の実施形態を、代表的な球状電子部品である球状太陽電池素子を基板に位置決めする場合を例にとって説明する。本発明の第1の位置決め方法は、電子部品を基板の特定箇所もしくはその近傍に仮配置する工程、および、仮配置された電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、電子部品の特定部位を基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する。以下に、上記第1の位置決め方法の好ましい2つの実施形態を詳細に説明する。
【0043】
(1)電子部品の位置決め方法の実施形態−その1−1
本実施形態では、基板に設けられた複数の凹部のそれぞれに球状素子を一個ずつランダムな姿勢で仮配置し、これらの素子に対して、基板の背面側から磁場を印加し、電極(端子部)が凹部の底部の孔から基板の裏面側に臨むような方位に素子を配列させる。
【0044】
図7は、基板の部分的な斜視図である。非磁性体であるAl薄板を加工して作製した基板115に設けられた凹部116は、椀状で、蜂の巣状に連続して形成され、底部に孔117が形成されている。凹部116の開口端は正6角形で、その稜線部33の一辺の長さは約2mmである。基板115は素子の外周部の第2半導体層と電気的に導通する第2導電体として機能し、凹部116の内面は反射鏡として機能する。稜線部33の幅は約0.1mmである。
【0045】
本実施形態の工程を図8に沿って説明する。まず、図8(1)にその縦断面を示すような、図7の基板115を用意する。次いで、図3に示す素子27の多数を載せた基板115に微振動を与え、図8(2)に示すように、基板115に形成された全ての凹部116に、素子27をそれぞれ一個ずつランダムな方向に仮配置する。凹部116に配置されなかった残余の素子は基板115を傾斜させて基板の外に転がり落とす。
【0046】
次いで、基板115の孔117とほぼ等しい0.5〜0.9mmの直径を有する長さ10〜20mm程度の棒磁石34が所定の間隔で固定された鉄製の磁石保持板35を、基板115の背面側に近接させる。この際、図8(3)に示すように、それぞれの孔117の真下の位置に棒磁石34が近接して配置される。これにより各棒磁石34から対応する孔117に向けて垂直方向に磁場が印加され、各素子27の磁性体部31が孔117の方向に引き寄せられる。その結果、仮配置されていた各素子27は、それぞれ、磁性体部31が形成された第1半導体の露出部24が孔117に嵌まり込むように各凹部116内に所定方位で位置決めされる。棒磁石34としては、フェライト磁石、Ni−Fe−B磁石、Sm−Co磁石などの永久磁石を用いることができる。
【0047】
次いで、図8(4)に示すように、第1半導体の露出部24より少し上の部位の第2半導体22と孔117の開口部の接合部にディスペンサーなどにより導電性接着剤39を塗布し、これを熱処理することにより、第2半導体22と基板115を電気的に接続すると同時に、所定の位置関係で基板115に球状素子27を固定する。導電性接着剤としては、低融点ガラスフリットをバインダーとし、Ag粉末などの導電材を添加した低融点ガラスフリット型ペースト、もしくは熱硬化性樹脂をバインダーとし、Ag粉末などの導電材を有機溶剤や熱硬化性樹脂などに分散させた樹脂型ペーストを用いることができる。低融点ガラスフリット型の場合は200〜500℃、樹脂型の場合は100〜200℃で熱処理を行うことが好ましい。第2半導体層がp型半導体である場合には、Ag粉末などの導電材に代わり、Ag粉末とAl粉末との混合物を含むペーストを用いても良い。
【0048】
(2)電子部品の位置決め方法の実施形態−その1−2
本実施形態では、基板に設けられた複数の凹部の開口部に、それぞれの凹部に対応する球状素子を一個ずつランダムな姿勢で仮配置した部材を近接させ、凹部に近接した素子に対して、基板の背面側から磁場を印加する。これにより、電極(端子部)が凹部の底部の孔から基板の裏面側に臨むような方位に素子を配列させて、基板の凹部内に素子を位置決めする。
【0049】
本実施形態による工程を図9に例示する。まず、所定間隔で多数の窪み部36を設けた合成樹脂製の素子保持板38の各窪み部36に、図3に示す素子27の多数を載せ、素子保持板38に微振動を与えてランダムな方向で各窪み部36に素子27を一個ずつ仮配置するとともに残余の素子を排除する。次いで、図7と同様の基板115を裏返した状態で、図9(1)に示すように、各孔117の中央部と窪み部36の中央部が同軸になるように素子保持板38に近接させる。
【0050】
次いで、図9(2)に示すように、図8と同様の磁石保持板35に所定の間隔で固定された各棒磁石34を、対応する基板の各孔117に近接させる。この際、各棒磁石34から対応する素子27に向けて垂直方向に印加される磁場により、各素子の磁性体部31が孔117の方向に引き寄せられる。これにより、仮配置されていた各素子27は、それぞれの棒磁石34の方向にジャンプして、磁性体部が形成された第1半導体の露出部24が孔117の開口部に嵌まり込むように位置決めされる。
【0051】
素子保持板38を取り外した後、基板115と磁石保持板35の位置関係を維持したまま、これらを反転させることにより、図8(3)と同じ状態にすることができる。次いで、図8(4)と同じ方法により、第2半導体22と基板115を電気的に接続すると同時に、所定の位置関係で基板115に素子27を固定することができる。
【0052】
〔電子部品の位置決め方法の実施形態−その2〕
本発明の第2の電子部品の位置決め方法は、(1)電子部品を仮配置用部材の所定箇所に配置し、その電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、電子部品の特定部位を所定方位に配列する工程、および、(2)特定部位が所定方位に配列された電子部品を、その配列を維持した状態で仮配置用の部材から基板に移転させることにより、電子部品の特定部位を基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する。上記第2の位置決め方法の好ましい実施形態を、球状太陽電池素子を基板に位置決めする場合を例にとって、以下に詳細に説明する。
【0053】
本実施形態では、工程(1)として、球状素子を仮配置用部材の所定箇所にランダムな方向に配置し、さらに、その箇所において素子の電極(端子部)を所定方位に配列する。
【0054】
工程(1)の前半の工程として、球状素子が基板に配置される所定位置に対応させた位置関係で、素子を仮配置用部材にランダムな方位(姿勢)で仮配置する工程を図10に沿って説明する。仮配置用部材は吸脱着用フィルター40と整列用フィルター44からなり、素子の磁性体部よりも磁性が弱い。吸脱着用フィルター40には、後に図19により説明する基板の凹部と同じパターンで多数の突起部42が形成され、突起部42の中央部には、素子の第1半導体層の露出部よりやや小さい径の吸脱着孔41が基板を貫通して形成されている。整列用フィルター44には、素子よりやや大きく、突起部42よりやや小さい径の多数の仮配置孔43が、吸脱着孔41と同じパターンで形成されている。
【0055】
まず、図10(1)に示すように、吸脱着孔41およびこれと対応する仮配置孔43の中心が同軸になるように、整列フィルター44を吸脱着用フィルター40上に重ねあわせる。次に、これに振動を与え、吸脱着用フィルター40側の空気を減圧しながら、多数の素子37を整列フィルター44上に転がす。これにより、吸脱着孔41に素子37が吸引されて、図10(2)のように、全ての仮配置孔43に素子37が嵌まり込む。残余の素子37は整列フィルター44と吸脱着用フィルターを傾けることにより除去される。このようにして、整列フィルター44の仮配置孔43に素子37がランダムな姿勢で仮配置される。本工程には、図1〜5に示した素子をいずれも使用できるが、図10では電極25の周辺部にリング状の磁性体部29を設けた図1に示す素子37を使用している。
【0056】
次に工程(1)の後半の工程として、仮配置用部材の所定位置にランダムな姿勢で仮配置された球状素子(電子部品)に所定方向から磁場を印加することにより、仮配置された位置において、電極(端子部)が所定方位になるように姿勢制御された状態で素子を配列する。工程(1)の後半の工程の実施形態の具体的な説明に先立ち、まず、素子に磁場を印加する方法について簡単に説明する。
【0057】
本発明において、球状素子(電子部品)に磁場を印加するための好ましい方法は、複数の直方体の磁石が接合して構成される磁石集合体を構成し、それら磁石の接合面に垂直な平面から素子に向けて磁場を印加し、その平面における磁石の接合部からの吸引力により、素子の磁性体部を引き寄せ、素子を所定方位で配列させるものである。上記のように磁石を集合させて使用することで、単体の磁石を分離させて使用する場合よりも強い磁力が磁石接合部から得られる。本発明における磁石の実施形態については後に詳しく述べるが、以下に説明する本工程の実施形態においては、隣接する磁石が、両者の接合面に垂直な平面において相互に異なる磁性の磁極を有する第1の実施形態の磁石集合体を用いる。
【0058】
本工程(1)の後半の実施形態を図11により説明する。まず、断面が四角形の細長い複数の磁石61を接合させた磁石集合体68を備えた複合磁石体60を用意する。磁石集合体68は、隣接する磁石61Aおよび61Bが接合している面に垂直な平面において異極性の磁極が交互に配列されるように構成されている。この磁石集合体68の一方の面に、磁石集合体の吸着力により板状のバックヨーク(継鉄)69が吸着して一体化された複合磁石体60が構成されている。この継鉄69の作用により、磁石集合体68の他方の面(磁力発生面)の磁石接合部52の吸引力が一層高められる。次に、球状素子37を仮配置した図10(2)の仮配置用部材の周縁部にスペーサ50を載置し、これに、上記複合磁石体60の磁力発生面を図11(1)のように近接させる。この際、磁力発生面の磁石接合部52が、整列用フィルター44の仮配置孔43の中心部と対向するように位置合わせする。
【0059】
次いで、複合磁石板60を垂直に押し下げてスペーサ50上に配置することにより素子37に磁場を印加し、磁石接合部52から仮配置孔43の中心部、即ち、仮配置された素子37の中心部に向けて吸引力を作用させる。同時に、吸脱着用フィルター40の裏側の空気を加圧し、吸脱着孔41から素子37に浮力を与える。電極25が孔43の横方向や下方向に向く姿勢で配置されている素子37では、磁性体部29に作用する吸引力が弱いので、磁石接合部52に磁性体部29が吸着されにくい。しかし、どのような姿勢で仮配置されている素子であっても、上記の浮力によって孔43の中で浮動させることにより、磁性体部29が孔43の上部に向く瞬間が形成され、その瞬間に作用する吸引力により磁性体部29を磁石接合部52に吸着させることができる。これにより、全ての素子37が、図11(2)のように、電極25および磁性体部29が上向きになる方位に姿勢制御される。
【0060】
次いで、吸脱着用フィルター40の裏側の空気を減圧し、吸着された素子37をそのままの姿勢で複合磁石体60から脱着させ、吸脱着孔41に吸着させる。これにより、図11(3)のように、全ての素子37が吸脱着用フィルターの吸脱着孔41に所定の方位で配列される。その後、減圧状態を維持したまま、複合磁石体60を取り除き、さらに、整列フィルター44を真上方向に引き上げて、素子37を吸着させた吸脱着用フィルター40から整列フィルター44を分離する。このようにして、全ての素子37が吸脱着用フィルター40の所定位置に所定の方位で姿勢制御されて配置された状態を図11(4)に示す。
【0061】
上記の工程(1)の実施形態では、球状素子を 仮配置用部材の所定位置にランダムな姿勢で仮配置する前半の工程を経て、その位置で素子を所定の姿勢に制御する方法を例示した。工程(1)の他の実施形態として、上記の仮配置工程を設けることなく、素子を仮配置用部材の所定位置に配置すると同時に所定の姿勢に制御する方法を図12により説明する。
【0062】
先ず、磁力発生面側を上にした複合磁石体60上に、所定の位置関係で整列フィルター44を固定する。次いで、その上に、図12(1)のように多数の素子37を転がす。この際、複合磁石体60と整列用フィルター44に微振動を加えることにより、素子37が仮配置孔43に迅速に入り込み、さらに仮配置孔43内で上下左右に運動する。この運動により素子の電極周辺の磁性体部29が磁石接合部52に近接すると、磁性体部29が磁石接合部52に吸着される。これにより、図12(2)のように、全ての仮配置孔43に素子37が電極25を下にした姿勢に制御されて配置される。図12の工程の後、図11(3)および(4)に準じた工程を経ることにより、全ての素子37を仮配置用部材(吸脱着用フィルター40)の所定位置に所定の姿勢に制御して配置することができる。
【0063】
上記の各工程において、仮配置用部材に磁石集合体を近接もしくは重ね合わせた時の、吸脱着用フィルターの吸脱着孔、整列用フィルターの仮配置用孔、および磁石集合体の磁石接合部の位置関係を説明する。図13は、図11(3)の底面図であり、素子、スペーサ、吸脱着用フィルターの突起部などは、説明の便宜上、図示していない。吸脱着孔41および仮配置孔43はそれぞれ千鳥状に同じパターンで形成され、同軸で重なり合っている。これらの孔41および43は、後に説明する基板(支持体)の凹部と同じパターンで形成されている。
【0064】
吸脱着孔41および仮配置用孔43は複数の等間隔かつ平行な直線上に等間隔で配列され、それらの直線に沿って、磁石集合体68の磁石接合部52が配列されている。これらの直線の間隔は、単体の磁石61の横方向の寸法Wに等しく、吸脱着孔41あるいは仮配置孔43(あるいは基板の凹部)の中心間の距離Rの約0.87倍である。磁石61の長さ方向の寸法は基板の幅とほぼ同じ寸法である。
【0065】
次に、工程(2)として、工程(1)で電極が仮配置用部材の所定位置において所定方位に配列された球状素子を、その配列を維持した状態で、仮配置用部材から基板に移転させることにより、電極が基板の凹部の底部の孔から基板の裏面側に臨むように、素子を基板に位置決めする。
【0066】
まず、本実施形態において用いる基板(支持体)を図19により説明する。図19(1)はその基板の平面図であり、図19(2)はそのA−B線断面図である。基板15はAl薄板を加工して、蜂の巣状に連続した多数の凹部16を備えている。凹部16の開口端は正6角形で、その稜線部の一辺の長さは約2mmである。凹部16の底部には孔17が形成されている。基板15は球状素子の外周部の第2半導体層と電気的に導通する第2導電体として機能し、凹部16の内面は反射鏡として機能する。図19の基板と図7の基板とは、表面から見た形状はほぼ同一であるが、前者はAl薄板をプレス加工したもので、後者はAl平板を切削加工したものである。
【0067】
図20は、工程(2)の実施形態を示す縦断面図である。まず、図19の基板15の凹部16の孔17の縁部に導電性接着剤20を塗布する。次いで図20(1)のように、球状素子37を吸着した図11(4)の吸脱着用フィルター40に、図19の基板15を、凹部16の中心部が対応する吸脱着用フィルター40の孔41の中心部に対向するように、凹部16の開口部を下にして、近接させる。次いで、基板15を押し下げて吸脱着用フィルター40上に重ね合わせることにより、素子37の第2半導体層22の開口部近辺を凹部の孔17に嵌合させる。同時に、第2半導体層22の開口部とその内側の第1半導体の露出部24、およびその露出部に形成された電極25と磁性体部29を、基板15の裏面側に露出させる。これにより、図20(2)に示すように、基板15に形成された全ての凹部16に、素子37がそれぞれ一個ずつ所定の方位で姿勢制御されて配置される。
【0068】
このように位置決めされた素子37の第2半導体層22の開口部周辺部は、凹部の孔17の縁部の導電性接着剤20に粘着し、素子37は位置決めされた姿勢で仮固定される。上記の仮固定を一層確実に行うためには、図20(3)に示すように、基板15をそのままの位置に固定し、吸脱着用フィルター40の裏側を空気加圧し、孔41から素子37を押し上げる工程を設けても良い。これを熱処理することにより、導電性接着剤20が固化し、素子37が固定され、同時に第2導電体である基板15と第2半導体層22が電気的に接続される。上記の導電性接着剤および熱処理条件は、前記の第1の位置決め方法の実施形態におけると同様である。
【0069】
上記の実施形態では、位置決めと同時に予め塗布された導電性接着剤20により素子37を仮固定する事例を示したが、本発明ではこれに拘ることなく、導電性接着剤を塗布していない基板を用いて、図20の方法に準じて位置決めしてもよい。この場合、次工程として、基板の凹部の孔17の開口端部と素子の接合部に導電性接着剤を塗布し、これを熱処理する工程を設けることが好ましい。
【0070】
工程(2)の上記の実施形態では、吸脱着用フィルターの所定位置に所定方位で姿勢制御された球状素子を、空気加圧により基板の凹部の所定箇所に移し変える方法を例示した。
次に工程(2)の他の実施形態として、磁石の吸引力により磁性体部を基板側に引き寄せて素子を基板側に移し変える方法を図21により説明する。まず、素子37を配置した図11(4)の吸脱着用フィルター40に、突起部42の高さと同じ厚さで突起部42を嵌合する孔を有するスペーサ65を装着する。こうして吸脱着用フィルター40の上面を平らにする。その上に、凹部の孔17の中心と吸脱着孔41の中心が同軸になるように、基板15を載せ、図21(1)のように、凹部の孔17に素子の電極25を近接させる。
【0071】
次いで、スペーサ65の外周縁部上に外枠66を配し、磁石接合部52が吸脱着孔41の中心に対向するように複合磁石体60を外枠66上に配置する。これにより、素子37の電極25の周辺の磁性体部29が磁石接合部52に引き寄せられ、素子の第2半導体層22の開口部近辺が基板の凹部の孔17に嵌合し、第1半導体21の露出部24、電極25および磁性体部29が基板15の裏面側に露出する。これにより、図21(2)のように、基板15の全ての凹部16に、素子37がそれぞれ一個ずつ所定の方位で配置される。このように位置決めされた素子37の第2半導体層22の開口部の周辺部は、図20(2)と同様に、凹部の孔17の縁部に塗布された導電性接着剤20に粘着している。素子37をさらに確実に位置決めするために、基板15をそのままの位置に固定し、吸脱着用フィルター40の裏側から空気加圧し、孔41から素子37を押し上げる工程を設けても良い。
【0072】
〔電子部品の位置決め方法に用いる磁石の実施形態〕
次に、本発明の電子部品の位置決め方法において用いる二つの磁石の好ましい実施形態について説明する。これらの二つの形態の磁石集合体は、複数の直方体の磁石が接合してなる磁石集合体であり、磁石の接合面に垂直な平面から電子部品の磁性体部に磁場を印加し、上記平面の磁石接合部に生じる吸引力により、電子部品を所定方位で配列させるものであることが共通している。第1の実施形態の磁石集合体では、その平面において、隣接する磁石が相互に異なる極性の磁極を有することに特徴があり、以下に説明する第2の実施形態の磁石集合体では、隣接する磁石の接合面が同極性の磁極を有することに特徴がある。
【0073】
(1)位置決めに用いる磁石の実施形態−その1
まず、好ましい磁石の第1の実施形態として、図11および図12で用いた磁石集合体68、および複合磁石体60について詳細に説明する。図14にこの磁石集合体68の斜視図を示し、図15にその縦断面図を示す。磁石集合体68は断面が四角形の細長い複数の磁石61から構成される。磁石集合体68では、例えば隣接する磁石61Aおよび61Bが接合している面54に垂直な一方の平面53において、磁石61AのN磁極と、隣接する磁石61BのS磁極とが接しているように、異極性の磁極が交互に配列されている。磁石集合体68の一方の平面およびその裏側の平面では、図15に矢印で示すように、隣接する異極性の磁極の接合部(磁石接合部)52において最大の吸引力が作用し、この吸引力は、磁石集合体の端部の磁石61Cの吸引力よりも強い。
【0074】
複合磁石体は、図14に示した磁石集合体の一方の面に強磁性体、例えば鉄板製のバックヨーク(継鉄)69を吸着させることにより構成される。図16の複合磁石体60においては、継鉄69が磁石集合体68の一方の面に吸着されることによって、その面からの磁力線が遮られ、その代わりに、他方の面に新たな磁力線が加わる。これにより、磁力発生面の磁石接合部52における吸引力がさらに強化される。この磁石集合体68を単独で用いることもできるが、継鉄69と一体化した複合磁石体60として用いることにより、吸引力が一層高まる上に、単体の各磁石同士が吸引しあって強固に固定されるので取り扱いも容易になる。
【0075】
(2)位置決めに用いる磁石の実施形態−その2
次に、第2の好ましい実施形態の磁石集合体について説明する。図17は、第2の実施形態の磁石集合体78の縦断面図であり、図18は、磁石集合体78が容器79に収納された複合磁石体77の斜視図である。単体の磁石71は断面が四角形で細長の形状を有する。磁石集合体78では、隣接する磁石71Aおよび71Bの同極性の磁極を有する面74が互いに接合するように配列されている。この磁石集合体78の磁石接合部72においては、第1の実施形態の磁石集合体68の磁石接合部52よりも強い吸引力が得られる。
【0076】
しかし、隣接する磁石71Aおよび71Bには反発力が作用するので、実際には図17の磁石集合体78を構成するには外力により強制的に接合させることが必要である。そのため、容器79の中に 所定数の単体の磁石を殆ど隙間の無い状態で図17のように配列して図18の複合磁石体77を構成する。この場合、強磁性体である鉄、ニッケルなどからなる容器79を用いることにより、容器79は、互いに反発する複数の磁石71を集合体として収容する役割とともに、継鉄としての作用を果たし、吸引力を一層高める効果を発揮する。
【0077】
第1の実施形態の磁石集合体68は、隣接する磁石61AおよびBの相互間、並びに磁石61と継鉄69の間に吸引力が作用するので、複数の磁石61を一体化した磁石集合体68を単独で用いたり、簡略化された構造の複合磁石体60を容易に構成できる利点がある。一方、第2の実施形態の磁石集合体78は、隣接する磁石71Aおよび71Bの相互間に反発力が作用するので、磁石集合体78を単独では使用できず、また、複合磁石体77の構成が比較的難しいが、磁石接合面からの強い吸引力が得られる利点がある。
【0078】
〔電子装置の実施形態〕
本発明による電子装置は、強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品が、基板の特定箇所に特定部位が所定方位で配列されて、搭載されているものである。その代表的な実施形態として、球状太陽電池素子を搭載した太陽電池について説明する。
本発明による太陽電池は、前記電子部品が、ほぼ球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を備えた球状の太陽電池素子である。この素子の磁性体部が、第2半導体層の開口部から露出させた第1半導体の露出部に形成した電極そのもの、または前記電極の上部もしくは周辺部に設けられている。この素子は、その磁性体部は、前記基板に設けられた複数の凹部のそれぞれの底部に形成された、第2半導体層の開口部より大きいが太陽電池素子より小さい孔から、基板の裏面側に臨むような方位で配列されて、前記各凹部内に搭載されているものである。
【0079】
この太陽電池は、基板の凹部に設けられた孔の開口部に第1半導体の露出部が嵌まり込むように、球状素子が一個ずつ各凹部内に収納されており、第1半導体の露出部に形成された磁性体部を兼ねる電極もしくはその近傍に磁性体部が形成されている電極と、基板の背面側に位置し第2半導体から絶縁された第1導電体とが前記孔を通して電気的に接続されている。第2半導体層は第2導電体を兼ねる基板の凹部の内面と電気的に接続されている。
【0080】
次に、球状太陽電池素子を用いた本発明による太陽電池の製造工程を説明する。まず、球状素子が位置決めされた基板の裏面側に電気絶縁層を形成する。電気絶縁層の形成法としては、例えば、スクリーン印刷法、スプレー法、オフセット印刷法、インクジェット法などにより、有機溶媒や水に樹脂を溶解または分散させた樹脂ペーストを塗布し、乾燥する手法がある。樹脂ペーストの材料としては、エポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系などの各種の樹脂を用いることができる。
【0081】
図21(2)により球状素子37が位置決めされた基板15の裏面側にスプレー法により樹脂ペーストを塗布し、これを熱処理して電気絶縁体層を形成した状態を図22に示す。基板15の裏面側に突出した部位の球状素子(第2半導体層の開口部23とその周辺部、第1半導体の露出部24、電極25、および磁性体部29)、および基板15の裏面の全面に厚み約10μmの電気絶縁体層70が形成されている。
【0082】
次いで、電極25および磁性体部29の上部を覆う部位の電気絶縁体層70の全面もしくは一部にYAGレーザによりレーザ73を照射し、被照射部の電気絶縁体層70を除去する。この場合、レーザ照射用装置71の出力や照射時間などを調節することにより、照射部領域の電気絶縁体層70のみを除去したり、必要に応じて、電極の周辺部の磁性体部29を同時に除去することができる。電極25の周辺部に形成された磁性体部を電気絶縁体層とともに除去した状態を図23に示す。電極上もしくは電極上に跨って磁性体部が形成された図2および図3の素子を用いた場合にも、上記の方法に準じて磁性体部を除去することができる。磁性体部が電極と同等の十分な導電性を有する場合には、必ずしも磁性体部を除去する必要はない。
【0083】
次に、基板の所定位置に固定された各素子の第1半導体間を第1導電体層により電気的に接続する。例えば、電気絶縁体層から露出している各素子の電極間を相互に繋ぐように電気絶縁体層70上に導電性ペースト75を塗布し、加熱して固化させることにより、図24に示すように第1導電体層76を形成することができる。この第1導電体層76により、基板15に固定された各素子37の第1半導体側の電極25の相互間が電気的に接続される。
【0084】
上記の導電性ペーストは、電気絶縁体層が変形・変質などのダメージを受けない温度下で固化するものを選択することが好ましく、一般的には、100〜200℃で熱処理できる樹脂型導電性ペーストを用いることが好ましい。導電性ペーストの塗布方法としては、ディスペンサー法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、およびスプレー法がある。太陽電池の電気特性から判断すれば、導電性ペースト塗布層の線幅は310〜490μmが好ましい。
【0085】
第1導電体層を形成するために導電性ペーストを線状に塗布するパターンの一例として、一直線上に配列された複数の凹部16のそれぞれに固定された素子37の電極25を繋ぐように、線状のペースト塗布層75を電気絶縁体層50上に形成する。このペースト塗布層75の平行に配列された複数本の先端部を基板裏面の端部に形成された他の線状ペースト塗布層により連結する。
【0086】
〔電子部品の実施形態−その2〕
先に、本発明の電子部品の代表例として、球状太陽電池素子の各種の実施形態を詳細に説明したが、ここでは、他の小型電子部品の実施形態について説明する。まず、Siを主体とする球状電子部品の他の実施形態として球状フォトトランジスタについて図25の模式図により説明する。
【0087】
図25において、球状Si(p型半導体)からなる第1半導体10の外周部には第2半導体11(n型半導体層)が形成されており、その下部は部分的に切除されている。切除面には第1半導体10の一部が露出し、露出部にはコレクター端子部12が形成され、その端子部12には磁性体部20が形成されている。第2半導体11の外周部の一部にはベース端子部14、および第3半導体13(p型半導体層)が形成されている。第3半導体13の上面にはエミッター端子部19が設けられている。コレクター端子部12上には、強磁性体材料としてNiを含む磁性体部19が形成されている。コレクター端子部12および磁性体部20の代わりに、端子部を兼ねた磁性体部を形成しても良い。
【0088】
本発明は、上記の球状電子部品以外に、角型、扁平状など様々な形態の小型電子部品に適用して効果が得られる。次に、球状以外の電子部品の代表例について簡単に説明する。図26〜28に、本発明を適用したセラミックコンデンサなどのチップ状小型電子部品の外観を模式的に例示する。図26〜28の電子部品においては、非磁性体であるセラミックなどからなる本体部1の片面に平行に配列された一対の端子部を備えている。図26は、一対の端子部2および3のうち、一方の端子部2が磁性体部としての機能を兼ね備えた電子部品、図27は、一対の端子部4および5の中間部に磁性体部6が形成された電子部品、図28は、一対の端子部7および8のうち、一方の端子部7の上部に磁性体部9が形成された電子部品、をそれぞれ例示している。
【0089】
図26〜28の端子部は何れも導電性を有し、そのうち、端子部3、4、5、7および8は、何れも、比較的磁性が弱く、導電性が優れている。図26の端子部を兼ねた磁性体部2、および図28における端子部7上に形成された磁性体部9は、強い磁性と優れた導電性を備えている。図27の磁性体部6は、強い磁性を有するが、必ずしも導電性を必要としない。磁性体部は、図26〜28のように電子部品本体の表面に設けてもよいが、電子部品の内部に設けることもでき、例えば外装された電子部品では、包装部材と電子部品本体の間の特定部位に磁性体部を設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明により、基板に電子部品を正確な位置関係で迅速に位置決めすることができる。本発明は、特に小型電子部品が高密度に搭載される電子装置、例えば球状太陽電池素子を搭載した太陽電池の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による球状電子部品の第1の実施形態の縦断面図および平面図である。
【図2】本発明による球状電子部品の第2の実施形態の縦断面図および平面図である。
【図3】本発明による球状電子部品の第3の実施形態の縦断面図である。
【図4】本発明による球状電子部品の第4の実施形態の縦断面図である。
【図5】本発明による球状電子部品の第5の実施形態の縦断面図である。
【図6】本発明による球状電子部品の製造工程の1例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の位置決め方法の実施形態における太陽電池用基板の要部の斜視図である。
【図8】本発明の第1の位置決め方法の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第1の位置決め方法の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第2の位置決め方法の実施形態において仮配置用部材に電子部品を仮配置する工程の前半の工程を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第2の位置決め方法の実施形態において仮配置用部材に電子部品を仮配置する工程の後半の工程を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第2の位置決め方法の実施形態において仮配置用部材に電子部品を仮配置する他の方式による工程を示す縦断面図である。
【図13】本発明による磁石集合体に仮配置用部材を重ね合わせた底面図である。
【図14】本発明による磁石集合体の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図15】図14の縦断面図である。
【図16】図14の磁石集合体に継鉄を取り付けた縦断面図である。
【図17】本発明による磁石集合体の第2の実施形態の磁石配列を示す模式図である。
【図18】図17の磁石集合体を収納した容器の斜視図である。
【図19】本発明の位置決め方法の実施形態における他の太陽電池用基板の平面図およびA−B線の断面図である。
【図20】本発明の第2の位置決め方法の実施形態において仮配置用部材に仮配置された電子部品を基板に移転させる工程を示す縦断面図である。
【図21】本発明の第2の位置決め方法の実施形態において仮配置用部材に仮配置された電子部品を基板に移転させる他の方式による工程を示す縦断面図である。
【図22】本発明による球状太陽電池素子が固定された基板の裏面に電気絶縁体層が形成された状態を示す縦断面図である。
【図23】図22の電気絶縁体層の一部をレーザ光により除去する工程を示す縦断面図である。
【図24】図23の電気絶縁体層上に導電体層が形成された状態を示す縦断面図である。
【図25】本発明による球状電子部品の第6の実施形態を示す縦断面図である。
【図26】本発明によるチップ状電子部品の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図27】本発明によるチップ状電子部品の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図28】本発明によるチップ状電子部品の第3の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1 本体部
2、28 磁性体部兼端子部(磁性体部兼電極)
3、4、5、7、8、12、14、19、25 端子部(電極)
6、7、9、20、29、30、31、32 磁性体部
10、21 第1半導体(n型半導体)
11、22 第2半導体層(p型半導体)
15、115 基板
16、116 凹部
17、117 (凹部の)孔
23 第2半導体層の開口部
24 第1半導体の露出部
27、37 球状太陽電池素子(球状素子)
38 素子保持板
40 吸脱着用フィルター
44 整列用フィルター
52、72 磁石接合部
53 磁石接合面に垂直な平面
54、74 (磁石の)接合面
60、77 複合磁石体
61、71 (単体の)磁石
68、78 磁石集合体
69 継鉄
79 (磁石集合体を収納する)容器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の特定箇所に搭載しようとする電子部品の特定部位を位置決めする方法であって、前記特定部位は前記電子部品の他の部位よりも強い磁性を有し、前記電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、前記電子部品の特定部位を所定方位に配列させる工程を有することを特徴とする電子部品の位置決め方法。
【請求項2】
前記電子部品を前記基板の特定箇所もしくはその近傍に仮配置する工程、および、前記仮配置された電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、前記電子部品の特定部位を前記基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する請求項1記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項3】
前記電子部品を仮配置用部材の所定箇所に配置し、配置された電子部品に所定方向から磁場を印加することにより、前記電子部品の特定部位を前記所定箇所において所定方位に配列させる工程、および、前記特定部位が所定方位に配列された電子部品を、前記配列を維持した状態で前記仮配置用部材から前記基板に移転させることにより、前記電子部品の特定部位を前記基板の特定箇所において所定方位に配列させる工程を有する請求項1記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項4】
前記磁場を印加する手段が、複数の直方体の磁石を並列に接合してなる磁石集合体からなり、前記磁石の接合面に垂直な平面から前記磁場を印加し、前記磁石の接合部からの吸引力により、前記電子部品の特定部位を所定方位に配列させる請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項5】
前記磁石集合体における隣接する磁石が、両者の接合面に垂直な平面において相互に異なる極性の磁極を有する請求項4記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項6】
前記磁石集合体における隣接する磁石が、両者の接合面において同極性の磁極を有する請求項4記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項7】
前記電子部品が、Siを主体とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項8】
前記電子部品が、ほぼ球状である請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項9】
前記電子部品が、ほぼ球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を備えた太陽電池素子であり、前記特定部位が、前記第2半導体層の一部から露出させた第1半導体の露出部に形成した電極、またはその上部もしくは周辺部であって、前記基板には、前記太陽電池素子を収納する複数の凹部が設けられ、前記特定箇所が、前記凹部の底部に設けられた孔である請求項1〜8のいずれかに記載の電子部品の位置決め方法。
【請求項10】
強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品であって、前記磁性体部は、前記電子部品を搭載しようとする基板の特定箇所に、前記特定部位を位置決めするために設けられていることを特徴とする電子部品。
【請求項11】
前記電子部品が、前記基板に接続される端子部を有し、前記磁性体部が、前記端子部そのもの、または前記端子部の上部もしくは周辺部に設けられている請求項10記載の電子部品。
【請求項12】
前記電子部品が、ほぼ球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を備えた太陽電池素子であって、前記端子部が、前記第2半導体層の一部から露出させた第1半導体の露出部に形成した電極である請求項11に記載の電子部品。
【請求項13】
前記強磁性体材料が、Ni、Fe、Co、Cr、およびMnよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む金属、合金または化合物である請求項10〜12のいずれかに記載の電子部品。
【請求項14】
前記磁性体部が、Niを主成分とし、重量比で0.3〜3%のB、および重量比で3%以下のPを含む無電解メッキ層である請求項10〜13のいずれかに記載の電子部品。
【請求項15】
強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品を製造する方法であって、強磁性体材料を含むペーストを前記特定部位に塗布し、これを熱処理する工程を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記ペーストが、強磁性体材料の表面を導電材で被覆した粒子を含有する請求項15記載の電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記強磁性体材料が、Ni、Fe、Co、Cr、およびMnよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む金属、合金または化合物であって、前記導電材が、Ag、Au、CuおよびCよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む請求項16記載の電子部品の製造方法。
【請求項18】
強磁性体材料を含む磁性体部が特定部位に設けられた電子部品が、前記特定部位が所定方位で配列されて、基板の特定箇所に搭載されていることを特徴とする電子装置。
【請求項19】
前記電子部品は、ほぼ球状の第1半導体、その表面を被覆する第2半導体層、および前記第2半導体層の開口部から露出した第1半導体の露出部に形成された電極を備えた太陽電池素子であり、前記基板は、前記太陽電池素子を一個ずつ搭載するための複数の凹部を有し、その凹部の底部には、前記第2半導体層の開口部より大きいが前記太陽電池素子より小さい孔を有しており、前記磁性体部が前記電極そのものであるか、またはその上部もしくは周辺部に設けられており、前記太陽電池素子は、前記磁性体部が前記孔から前記基板の裏面側に臨むような方位で配列されて前記基板の凹部内に搭載されている請求項18記載の電子装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−313871(P2006−313871A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308671(P2005−308671)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究に係る特許出願(平成16年度経済産業省近畿経済産業局地域新生コンソーシアム研究開発事業委託研究、産業再生法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(502139910)株式会社クリーンベンチャー二十一 (33)
【Fターム(参考)】