説明

非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター

本出願では、式Ar1-X-W-Ar2の化合物が開示され、式中、Ar1及びAr2は、一般的に芳香族ヘテロ環(例えば、イミダゾリル若しくはテトラゾリル)又は炭素環(例えば、フェニル若しくはナフタレニル)として特徴づけられるアリール基を表し;該アリール基は任意に他のヘテロ環若しくは炭素環と置換され、又は縮合していてよく;該アリール基は、アルキル、ハロ又はO-アルキルのような置換基を有しうる。Xは、ヘテロ原子、原子価結合又は任意に置換されていてもよい二価メチレンであり、かつWはスペーサーを表し;典型的なスペーサーとして、二価アルキレン若しくはアルキレン-アミド、-アミド又は-オキシ基が挙げられ、任意に置換されていてもよい(例えば、ヒドロキシル又はオキソ)。典型的な化合物は、2-(N-ナフタレニルテトラゾリルチオ)-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミドの誘導体である。本化合物は、HIVの野生型及び単又は二重突然変異株に対して阻害活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、HIV感染症の治療又は予防における化合物及びその薬学的に許容しうる塩、それらの単独又は他の治療薬と組み合わせた使用、並びにHIV野生型及びNNRTI耐性突然変異体に対して活性な化合物を含む医薬組成物に関する。
【0002】
(発明の背景)
後天性免疫不全症候群(AIDS)として知られる病気は、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、特にHIV-1として知られる株によって引き起こされる。HIVを宿主細胞で複製させるため、ウイルスゲノムの情報を宿主細胞のDNA中に組み込まなければならない。しかし、HIVはレトロウイルスであり、その遺伝情報がRNAの形態であることを意味する。従って、HIV複製サイクルは、DNA中へのウイルスゲノム(RNA)の転写の段階を必要とし、これは事象の正常連鎖の逆である。適切に吹き替えられた酵素逆転写酵素(RT)は、ウイルスRNAのDNA中への転写を果たす。HIVビリオンは、ウイルスRNAと共にRTのコピーを含む。
逆転写酵素は、3つの既知の酵素機能を有し;逆転写酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼとして、リボヌクレアーゼとして、かつDNA依存性DNAポリメラーゼとして作用する。RNA依存性DNAポリメラーゼとして作用する場合、RTはウイルスRNAの一本鎖DNAコピーを転写する。リボヌクレアーゼとして作用する場合、RTは原ウイルスDNAを破壊し、かつ原RNAからちょうど生じたDNAを自由にする。最後に、DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用する場合、RTは、第1のDNA鎖を鋳型として用いて第2の相補DNA鎖を生じさせる。この2本の鎖が二本鎖DNAを形成し、インテグラーゼと呼ばれる別の酵素によって宿主細胞のゲノム中に組み込まれる。
【0003】
HIV-1逆転写酵素の酵素機能を阻害する化合物は、感染細胞内でのHIV-1の複製を阻害するだろう。このような化合物は、これまでのところAIDSの治療用途で承認されている主要薬物である3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI)、2',3'ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン(Nevirapine)、デラビルジン(Delavirdine)、エファビレンズ(Efavirenz)、アバカビル(Abacavir)、及びテノフォビル(Tenofovir)のような既知のRTインヒビターによって実証されるように、ヒト被験者のHIV-1感染症の予防又は治療に有用である。
いずれの抗ウイルス療法による場合も、AIDSの治療におけるRTインヒビターの使用は、究極的にその与えた薬物に低感受性のウイルスをもたらす。これら薬物に対する耐性(感受性低減)は、pol遺伝子の逆転写酵素セグメント内で起こる突然変異の結果である。HIVのいくつかの突然変異株が特徴づけされており、既知の治療薬に対する耐性は、RT遺伝子内の突然変異のためであると考えられる。非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターの臨床的にさらに一般的に観察される突然変異体の1つがK103N突然変異体であり、リジン(K)がコドン103でアスパラギン(N)残基に突然変異している。既知の抗ウイルス薬を用いた治療の間に変動頻度で現れる他の突然変異体として、単突然変異体、Y181C、G190A、Y188C、及びP236L、並びに二重突然変異体K103N/Y181C、K103N/P225H、K103N/V108I及びK103N/L100Iが挙げられる。
HIV感染症の治療及び予防で抗ウイルス薬を使用し続けると、新しい耐性株の出現が増えると予想される。従って、種々の耐性突然変異体に対して異なるパターンの有効性を有するRTの新規インヒビターが継続的に要望されている。
【0004】
この発明の化合物は、2個のアリール基がスペーサーで連結されていると特徴づけすることができる。比較して言うと、この連結ジアリール化合物の構造は、以前に報告されているHIV-1逆転写酵素インヒビターよりずっと簡単である。従って、この連結ジアリール化合物のこの活性の発見は意外である。実際、連結ジアリール化合物の一般分類は、写真用薬剤として記載されていることが多い。例えば、EP 0436190、米国特許第5,124,230及び米国特許第6,221,573号。ほんのいくつかの出版物だけが、この分類の薬効学又は治療特性について報告している。このような参考文献は以下のように要約できる。
米国特許第4,186,131号と米国特許第4,252,815号は、特定の(フェニルテトラゾリルオキシ)プロピルアリールアミンが抗不整脈及びβ-アドレナリン効果抑制作用を有することを開示している。
米国特許第4,399,285号は、置換テトラゾリルオキシカルボン酸アミドに関し、除草剤であると述べている。
Kejhaら, Cesk. Farm., 39,294(1990)は、一連の1-フェニル-5-チオ誘導体が鎮痛活性を示すことを報告した。
Toth及びSimon, Monatsh. Chem., 125(8-9), 977(1994)は、テトラゾール-5-チオールと結合した特定のカルバミン酸エステルが殺虫剤、除草剤及び抗真菌活性を示すことを報告している。
米国特許第5,990,126号は、特定のジアリールスルフィド誘導体がN-メチル-D-アスパラギン酸受容体アンタゴニストであることを開示している。
米国特許第6,245,817 B1号及び関連WO 98/35955は、α-アルコキシアミドとα-チオアルコキシアミド化合物がNPY5受容体のアンタゴニストであり、結果として該化合物が肥満症関連障害の治療に有用であると開示している。
【0005】
WO 01/16357A2は、N-(4-メトキシフェニル)-2-{(1-フェニル-1H-テトラゾール-5-イル)チオ}-アセトアミドが糖アルコールホスファターゼのインヒビターであり、抗真菌薬としての適用の可能性を報告している。
EP 0 035 046 B1及び関連米国特許第4,540,703号、第4,663,323号及び第4,766,120号は、さらに不飽和のヘテロ環式環を有するテトラゾール誘導体について述べており;該誘導体が抗潰瘍薬及び抗炎症薬であるとクレームしている。
Lagojaら, Helv. Chim. Acta, 85, 1883 (2002)は、HIV-1、HIV-2及びSIV複製を阻害する一連の1,2,4-トリアゾール誘導体に関する。
また、WO 02/070470は、ウイルス感染症の治療に有用なHIV逆転写酵素インヒビターとしての一連のベンゾフェノン架橋トリアリール誘導体を開示している。
さらに、CAS化学登録システム(2002)を検索すると、用途は不明だが、いくつかのN-アリール-2-アリールアセトアミド誘導体の構造が明らかになった。例えば、2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド、登録番号:310456-59-8;N-(4-ブロモフェニル)-2-{{1-(3, 4-ジメチルフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}アセトアミド、登録番号:431890-67-4;2-{{1-(2, 4-ジフルオロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}-N-(2, 6-ジメチルフェニル)アセトアミド、登録番号:335207-29-9;及びN-(2, 4, 6-トリメチルフェニル)-2-{{1-(2, 4, 6-トリメチルフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}アセトアミド、登録番号:385383-12-0。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、HIVに感染したヒトのHIV感染症を治療するための薬物の製造のための下記式1の化合物の使用を提供する。本化合物は、HIV-1 RTの野生型(WT)及び二重突然変異株、特に二重突然変異K103N/Y181Cの強力なインヒビターである。
第1局面では、本発明は、ヒトのHIV感染症を治療するための薬物製造のための、下記式1で表される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの使用を提供する。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
式中、Ar1は、
(i)N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-又は6-員芳香族ヘテロ環(前記ヘテロ環は、任意に(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい);及び/又は該ヘテロ環が1〜3個のN原子を含有するときはフェニルで置換されていてもよく;どちらの場合も、前記ヘテロ環は任意に、フェニル、フェニルメチル、5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環、縮合フェニル-{不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環)}メチル、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環で置換されていてもよく;前記フェニル、フェニルメチル、芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-炭素環、縮合フェニル-(炭素環)メチル又は縮合フェニル-芳香族ヘテロ環は、それぞれ順次任意に、
(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、フェニルメチル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、C(O)OR1、NR23、モルフォリノ又は1-ピロリル(ここで、R1はH又は(C1-4)アルキルであり、かつR2及びR3は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;前記置換基は立体的に両立する);或いは
【0007】
(ii)フェニル若しくはナフチルで置換されている不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環(前記不飽和若しくは飽和炭素環、又はフェニル若しくはナフチルは、任意に、セクション(i)で置換基について定義した同一の1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iii)任意にフェニル又は上記定義どおりの縮合フェニル-炭素環でN-置換されていてもよいベンズイミダゾールであり;
Xは、O、S、SO、SO2又はNR4(R4はH若しくは(C1-4)アルキルである)から選択されるヘテロ原子であり;或いはXは、原子価結合又はCR4A4B(R4A及びR4Bは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Xがヘテロ原子(NR4を含む)の場合、
Wは、以下の基:
(a)(CR55A)1-2-C(ZA)NR6 (R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり、かつZAはオキソ又はチオオキソである);
(b)D-C(ZB)(Dは(C1-4)アルキレン、(C1-4)アルキレン-O又は(C1-4)アルキレン-NR7(R7はH又は(C1-4)アルキルである)であり、かつZBはオキソ又はチオオキソである);
(c)CH2C(ZC)NR7A-(C1-4)アルキレン(ZCはオキソ又はチオオキソであり、かつR7AはH又は(C1-4)アルキルである);
(d)(C1-4)アルキレン-NR7BC(ZD)NR7C(R7B及びR7Cは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、かつZDはオキソ又はチオオキソである);
(e)(C1-4)アルキレン(任意にOHで置換されていてもよく、又は該(C1-4)アルキレンが2〜4個の炭素原子を含有する場合は任意にOHで二置換されていてもよい);任意にハロで置換されていてもよい(C2-4)アルケニル;又は
【0008】
【化1】

;又は
(f){(C1-4)アルキレン}-O(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよい);
(g){(C1-4)アルキレン}-NR8(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよく、かつR8はH又は(C1-4)アルキルである);
(h)(C1-4)アルキレン-C(ZE)(C1-4)アルキレン(ZEはオキソ又はチオオキソである);又は
(i)
【化2】

;又は
(j)(CR55A)1-2-NR6-(CR55A)1-2(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルである);
から選択される二価基であり;或いは
Xが原子価結合の場合、
Wは、{(C2-4)アルケニル}C(O)NR8A
【0009】
【化3】

(式中、R8A及びR8Bは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである)であり;或いは
Xが、上記定義どおりのCR4A4Bの場合、
Wは、{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8C、S-{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8D、O-{(C1-4)-アルキレン}C(O)NR8E、又はNR8F-{(C1-4)アルキレン}-NR8G(ここで、R8C、R8D、R8E、R8F及びR8Gは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から選択され;かつ
Ar2は、
(i)下記式から選択されるフェニル又はピリジニルであり;
【化4】

(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立的に以下の基:
H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-6)アルキル、S-(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルである)、C(O)NH2、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、S(O)-(C1-4)アルキル、SO2-(C1-4)アルキル、SO2NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリル(前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)を表し;
【0010】
該置換基R9、R10及びR11は立体的に両立し;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、ここで、RN1とRN2が相互に共有結合してそれらが結合しているN-原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3はH、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい);或いは
(ii)Ar2は、縮合フェニル-(飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環)(任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり;或いは
(iii)Ar2は、N、O若しくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員ヘテロ環であり(前記芳香族ヘテロ環又は縮合フェニル-ヘテロ環は、任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iv)Ar2がフタルイミドであり、かつWが(C1-4)アルキレンである。
【0011】
さらに、この発明の第2局面は、下記式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを提供する。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
式中、Ar1は、下記式の基
【化5】

(式中、R12は、下記式の基から成る群より選択され;
【化6】

13は、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し、かつ
9がNO2、Cl又はBrの場合、R13がF又はCH3を意味することもあり;
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し;
12Cは、下記式のフェニル
【0012】
【化7】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す(但し、R13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である))であり;或いはR12Cは、下記式の基
【化8】

(式中、R30、R31、R32、R33は前記定義どおりである)であり;かつ
20Aは、H、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい)である)であり;かつ
Xは、S又はOであり;
Wは、CH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2は、下記式の基
【0013】
【化9】

(式中、R9は、ハロ又はNO2であり;かつR13がCl又はBrの場合、R9が(C13)アルキルを意味することもあり;
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルである);
-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、2-、3-又は4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され、ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)から成る群より選択される。
【0014】
本発明の別の局面により、前述かつ後述する定義どおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの、HIV感染症の治療又は予防用薬物の製造のための使用が提供される。
本発明のさらに別の局面により、前述かつ後述する定義どおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの、1種以上の他の抗レトロウイルス薬と組み合わせた使用が提供される。
本発明のさらなる局面により、前述かつ後述する定義どおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含み、かつ任意に1種以上の薬学的に許容しうる担体を含んでよい医薬組成物が提供される。
本発明の別の局面により、前述かつ後述する定義どおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含み、かつ任意に1種以上の薬学的に許容しうる担体を含んでよい、HIV感染症の治療又は予防のための医薬組成物が提供される。
本発明の第6局面により、式1の化合物(Ar1及びAr2は、前述かつ後述する定義どおりであり、XはS又はOであり、かつWは(CR55A)1-2C(O)NR6(R5、R5A及びR6は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキル)である)の製造方法であって、以下の工程:
a)塩基の存在下、式Ar1-X-Hのチオール又はアルコールを式Y-(CR55A)1-2C(O)ORAのω-ハロアルカン酸アルキルエステル(式中、Yはハロであり、かつRAは(C1-4)アルキルである)と反応させて式Ar1-X-(CR55)1-2C(O)ORAの対応エステルを得た後、このエステルの加水分解によって対応する酸(RA=H)を得、かつこの酸をカップリング剤の存在下、一般式HNR6-Ar2の芳香族アミンとカップリングさせて対応する式1(Ar1、Ar2、X及びWは、ここで定義したとおりである)の化合物を得る工程;又は
b)塩基の存在下、式Ar1-X-H(Ar1及びXはここで定義したとおりである)を式Y-(CR55A)1-2C(O)NR6-Ar2のアニリド(式中、Y、R5、R5A、R6及びAr1は、ここで定義したとおりである)と反応させて対応する式1の化合物を得る工程;
を含む方法が提供される。
【0015】
(発明の詳細な説明)
定義
別に言及しない限り、以下の定義を適用する。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“(C1-4)アルキル”は、それぞれ1〜4個の炭素原子を含有する非環式の直鎖若しくは分岐鎖アルキ基を意味するものと意図する。このような基の例として、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、1-メチルエチル(iPr)、ブチル(Bu)、2-メチルプロピル(iBu)、及び1,1-ジメチルエチル(tBu)が挙げられ、本明細書で通常使用する略号を括弧内に示した。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“O-(C1-4)アルキル”は、1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ基を意味し、メトキシ(OMe)、エトキシ(OEt)、プロポキシ(OPr)、1-メチルエトキシ(OiPr)、ブトキシ(OBu)及び1,1-ジメチルエトキシ(OtBu)が挙げられ、本明細書で通常使用する略号を括弧内に示した。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“S-(C1-4)アルキル”は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキルチオ基を意味し、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、(1-メチルエチル)チオ、ブチルチオ及び(1,1-ジメチルエチル)チオが挙げられる。
本明細書では、用語“ハロ”は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードから選択されるハロ基を意味する。
【0016】
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“(C1-4)アルキレン”は、1〜4個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素から2個の水素原子の除去によって誘導される二価アルキル基を意味し、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH(Me)-、-CH2CH2CH2CH2-及び-CH2CH(Me)CH2-が挙げられる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“(C2-4)アルケニル”は、2〜4個の炭素原子を含有するオレフィン性炭化水素から2個の水素原子の除去によって誘導される二価アルケン基を意味し、-CH=CH-、-CH2CH=CH-、-CH2CH=CHCH2-及び-CH(Me)CH=CH-が挙げられる。この用語によって(C2-4)アルケニル基のシス及びトランス異性体、及びそれらの混合物を包含しうる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環”は、5〜6個の炭素原子を含有する不飽和若しくは飽和単環式炭化水素を意味し、例えば、フェニル、1シクロヘキセン、1,3-シクロヘキサジエニル、シクロヘキサニル、1-シクロペンテニル及びシクロペンタニルが挙げられる。以下、フェニルの略号として“Ph”を用いる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“縮合フェニル-(飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環)”又は“縮合フェニル-炭素環”は、飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環と縮合したフェニルを意味する。例として、ナフタレニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、2,3ジヒドロ-1H-インデニル及びインデニルが挙げられる。
【0017】
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“芳香族ヘテロ環”は、N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環から1個の水素原子の除去によって誘導される一価基を意味する。好適な芳香族ヘテロ環の例として、テトラゾリル、ピリジニル、イミダゾリル、1,2,4-トリアゾリル、イソキサゾリル及びチアゾリルが挙げられる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“ヘテロ環”は、N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員飽和若しくは不飽和(芳香族を含む)ヘテロ環から1個の水素原子の除去によって誘導される一価基を意味する。好適なヘテロ環の例として、1,3-ジオキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリル及びチアゾリルが挙げられる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語“縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環”は、1〜2個の窒素原子を有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環と縮合したフェニルを意味するものと意図する。例として、1H-ベンズイミダゾリル、キノリニル及びイソキノリニルが挙げられる。
【0018】
本明細書では、用語“HIV複製のインヒビター”は、RNA鋳型からDNAコピーを複製するためのHIV-1逆転写酵素の能力を実質的に減じ、或いは本質的に排除できる薬剤を意味する。
本明細書では、用語“単又は二重突然変異株”は、WT HIV-1株に存在する1又は2個のアミノ酸残基がWT株中では見られない残基で置換されていることを意味する。例えば、単突然変異株Y181Cは、部位特異的突然変異誘発によって調製され、残基181のチロシンがシステイン残基で置換されている。同様に、二重突然変異株K103N/Y181Cでは、アスパラギン残基が残基103のリジンと置換し、かつシステイン残基が残基181のチロシンと置換している。
本明細書では、用語“薬学的に許容しうる塩”は、ゾンデ医療判断の範囲内で、哺乳類及び下等動物の組織との接触用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、合理的な利益/危険比でよく釣り合っており、通常水又は油に溶解性又は分散性であり、かつ意図した用途に有効な化合物の塩を意味する。式1の化合物の化学的性質と適用可能かつ両立する場合、この用語は、薬学的に許容しうる酸付加塩及び薬学的に許容しうる塩基付加塩を包含する。好適な塩のリストは、例えば、S.M. Birgeら, J. Pharm. Sci., 1977, 66, pp. 1-19(ここに、引用によってその全体が取り込まれる)に開示されている。
【0019】
用語“薬学的に許容しうる酸付加塩”は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ生物学的又はその他の点で望ましくなくない、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、及び酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アルギニン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、酪酸、樟脳酸、樟脳スルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、ジグルコン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリセロリン酸、ヘミスルフィン酸(hemisulfic acid)、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ギ酸、フマル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、乳酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸(pamoic acid)、ペクチン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スクシン酸、スルファニル酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸などのような有機酸と形成される当該塩を意味する。
【0020】
用語“薬学的に許容しうる塩基付加塩”は、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ生物学的又はその他の点で望ましくなくない、アンモニア又はアンモニウム若しくはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等のような金属カチオンの水酸化物、カルボン酸塩若しくは炭酸水素塩のような無機塩基と形成される当該塩を意味する。アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩が特に好ましい。薬学的に許容しうる無毒の有機塩基から誘導される塩として、一級、二級、及び三級アミンの塩、四級アミン化合物、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン樹脂などが挙げられる。特に好ましい無毒の有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
【0021】
フェニル環又はヘテロ環式環上の原子価結合が以下のように示される場合:
【化10】

この表示は、原子価結合が環上のいずれの水素原子とも置換しうることである。
本明細書では、用語“プロドラッグ”は、薬理学的に許容しうる誘導体であって、その誘導体の生体内変換の結果として生じる産物が、式1の化合物で定義されるような活性薬物であるような誘導体を指す。このような誘導体の例として、限定するものではないが、エステル及びアミドが挙げられる(Goodman and Gilman in The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed., McGraw-Hill, Int. Ed. 1995, “Biotransformation of Drugs, p 11-16(引用によって本明細書に取り込まれる)参照)。
【0022】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の第1局面の第1実施形態により、感染したヒトに治療的に有効な量の下記式1で表される化合物を投与することを含むHIV感染症を治療するための薬物製造のための式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの使用が提供される。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
式中、Ar1は、
(i)N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-又は6-員芳香族ヘテロ環(前記ヘテロ環は、任意に(C1-4)アルキル又は該ヘテロ環が1〜3個のN原子を含有するときはフェニルで置換されていてもよく;どちらの場合も、前記ヘテロ環は任意に、フェニル、フェニルメチル、5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環、縮合フェニル-{不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環)}メチル、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環で置換されていてもよく;前記フェニル、炭素環又はヘテロ環は、それぞれ順次任意に、
(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、フェニル(任意にC1-6アルキルで置換されていてもよい)、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;前記置換基は立体的に両立する);或いは
(ii)フェニル若しくはナフチルで置換されている不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環(前記不飽和若しくは飽和炭素環、又はフェニル若しくはナフチルは、任意に、セクション(i)で置換基について定義した同一の1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
【0023】
(iii)任意にフェニル又は上記定義どおりの縮合フェニル-炭素環でN-置換されていてもよいベンズイミダゾールであり;
Xは、O、S又はNR4(R4はH又は(C1-4)アルキルである)から選択されるヘテロ原子であり;或いはXは、原子価結合又はCR4A4B(R4A及びR4Bは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Xがヘテロ原子の場合、
Wは、以下の基:
(a)(CR55A)1-2-C(ZA)NR6(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり、かつZAはオキソ又はチオオキソである);
(b)D-C(ZB)(Dは(C1-4)アルキレン、(C1-4)アルキレン-O又は(C1-4)アルキレン-NR7(R7はH又は(C1-4)アルキルである)であり、かつZBはオキソ又はチオオキソである);
(c)CH2C(ZC)NR7A-(C1-4)アルキレン(ZCはオキソ又はチオオキソであり、かつR7AはH又は(C1-4)アルキルである);
(d)(C1-4)アルキレン-NR7BC(ZD)NR7C(R7B及びR7Cは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、かつZDはオキソ又はチオオキソである);
(e)(C1-4)アルキレン(任意にOHで置換されていてもよく、又は該(C1-4)アルキレンが2〜4個の炭素原子を含有する場合は任意にOHで二置換されていてもよい);任意にハロで置換されていてもよい(C2-4)アルケニル;又は
【化11】

;又は
(f){(C1-4)アルキレン}-O(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよい);
(g){(C1-4)アルキレン}-NR8(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよく、かつR8はH又は(C1-4)アルキルである);
(h)(C1-4)アルキレン-C(ZE)(C1-4)アルキレン(ZEはオキソ又はチオオキソである);又は
(i)
【0024】
【化12】

から選択される二価基であり;或いは
Xが原子価結合の場合、
Wは、{(C2-4)アルケニル}C(O)NR8A
【化13】

(式中、R8A及びR8Bは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである)であり;或いは
Xが、上記定義どおりのCR4A4Bの場合、
Wは、{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8C、S-{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8D、O-{(C1-4)-アルキレン}C(O)NR8E、又はNR8F-{(C1-4)アルキレン}-NR8G(R8C、R8D、R8E、R8F及びR8Gは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から選択され;かつ
Ar2は、
(i)下記式のフェニルであり;
【化14】

(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立的に以下の基:
H、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、フェニル、フェニルメチル、(2-ニトロフェニル)メチル、2-メチルフェニル、-C(O)-(C1-4)アルキル、C(O)-NH2、S(O)-(C1-4)アルキル、-SO2NH2、2-、3-若しくは4-ピリジニル、モルフォリノ若しくは1-ピロリル、又は-C(O)OR22(R22はH又は(C1-4)アルキルを表す)を表し;該置換基R9、R10及びR11は立体的に両立する);或いは
(ii)Ar2は、縮合フェニル-飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環(任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり;或いは
(iii)Ar2は、N、0若しくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員ヘテロ環であり(前記芳香族ヘテロ環又は縮合フェニル-ヘテロ環は、任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iv)Ar2がフタルイミドであり、かつWが(C1-4)アルキレンである。
【0025】
前記第1実施形態より、この発明の使用は、好ましくは下記式1aで表される化合物に関する。
【化15】

式中、X、W及びAr2は上記定義どおりであり、かつR12は下記式のフェニルであり
【化16】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、Ph、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-NO2Ph)CH2、PhCH2、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12は下記式の基である。
【化17】

式中、R17はH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3又はNR1819(R18及びR19は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)である。
【0026】
最も好ましくは、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、tBu、OMe、OEt、OiPr、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、OCF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtを表し、但し、R13、R14及びR15の少なくとも1個は水素以外である.
さらに、最も好ましくは、R17は、H、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2から選択される。
前記第1実施形態の使用に関しては、R12が以下の基:
【化18】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にMe、Et、OMe、O-iPr、SMe、Br、Cl、F、CF3又はC(O)OMeである)から選択され;或いはR12が以下の基:
【化19】

から選択される式1aの当該化合物がさらに好ましい。
【0027】
最も好ましくは、R12が以下の基から選択される。
【化20】

【0028】
これとは別に、この発明の第1局面の第1実施形態により、使用する化合物は、好ましくは下記式1bで表される化合物である。
Ar3-X-W-Ar2 (1b)
式中、X、W及びAr2は前記定義どおりであり、かつAr3は、下記式の基から成る群より選択される。
【化21】

式中、R12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式のフェニルであり;
【化22】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、Ph、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-NO2-Ph)CH2、PhCH2、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式の基
【化23】

(式中、R17はH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3又はNR1819(R18及びR19は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)であり;
かつR20及びR20Aは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである。
【0029】
好ましくはAr3が下記式で表される。
【化24】

式中、R12Cは前記定義どおりであり、かつR20Aは、H、Me、Et、Pr又はiPrである。
最も好ましくはR12Cが下記式のフェニルであり
【化25】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtであり(但し、R13C、R14C、及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である)、かつR20AはH、Me又はEtである);或いはR12Cが下記式の基である。
【化26】

式中、R17Cは、H、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2であり;かつR20Aは、H、Me又はEtである。
【0030】
該化合物が、XがO又はS、最も好ましくはSである式1の化合物である、本発明の使用が好ましい。
好ましくは、本発明の使用は、XがO又はSであり、かつWがCR55A-C(O)NH(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又はMeである)である式1aの化合物に関する。さらに好ましくは、XがSであり、かつWがCH(R5)C(O)NH(R5はH又はMeである)である。
好ましくは、本発明の使用は、XがO又はSであり、かつWがD-C(ZB)(DはCH2CH2O、CH2CH2NH又はCH2CH2NMeであり、かつZBはOである)である式1aの化合物に関する。さらに好ましくは、XがSであり、かつWがCH2CH2OC(O)である。
好ましくは、本発明の使用は、XがO又はSであり、かつWがCH2CH2CH2、CH2CH2CH(OH)、CH2CH(OH)CH2、trans-CH2CH=CH、trans-CH2CF=CH又は下記式である式1aの化合物に関する。
【化27】

さらに好ましくは、XがSであり、かつWがCH2CH2CH(OH)、CH2CH(OH)CH2又は下記式である。
【化28】

好ましくは、本発明の使用は、XがO又はSであり、かつWがCH2CH2O、CH2CH2CH2O、CH2CH(OH)CH2O、CH2CH2NH、CH(OH)CH2NH、CH2CH2NMe又はCH2CH(OH)CH2NHである式1aの化合物に関する。さらに好ましくは、XがSであり、かつWがCH2CH(OH)CH2O、CH(OH)CH2NH又はCH2CH(OH)CH2NHである。
【0031】
好ましくは、本発明の使用は、Xが原子価結合であり、かつWがCH=CHC(O)NH又は下記式である式1aの化合物に関する。
【化29】

好ましくは、本発明の使用は、XがCH2であり、かつWがSCH2C(O)NH、OCH2C(O)NH、NHCH2C(O)NH又はNMeCH2C(O)NHである式1aの化合物に関する。さらに好ましくは、XがCH2であり、かつWがSCH2C(O)NHである。
最も好ましくは、本発明の使用は、XがSであり、かつWがCH2C(O)NH、CH(Me)C(O)NH、CH2CH2CH(OH)、CH2CH(OH)CH2、CH2CH(OH)CH2NH又は下記式である式1aの化合物に関する。
【化30】

【0032】
好ましくは、本発明の使用は、Ar2が下記式のフェニルである式1aの化合物に関する。
【化31】

式中、R9及びR10は、それぞれ独立的にH、Me、Et、iPr、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、I、CF3、OH、NO2、CN、Ph、C(O)OH、C(O)OMe、C(O)OEt、C(O)Me、C(O)Et、C(O)NH2、SO2Me、SO2NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-NO2Ph)CH2又はPhCH2を表す。さらに好ましくは、R9がハロ又はNO2であり、かつR10がOMe、ハロ、OH、NO2、Ph、C(O)OH又はC(O)OMeである。
【0033】
さらに好ましくは、Ar2が下記式の基から選択される。
【化32】

(式中、R9はMe、Cl、F、Br、I又はNO2である。)
なおさらに好ましくは、Ar2が下記式の基から選択される。
【化33】

(式中、R9はMe、Br、Cl、F、I又はNO2であり、かつR10はMe、OMe、Cl、F、OH、Ph、C(O)OH、C(O)OMe又はCNである。)
【0034】
最も好ましくは、Ar2が下記式の基:
【化34】

(式中、R9はCl、Br、I、又はNO2である);或いは下記式の基:
【化35】

(式中、R9及びR10は、それぞれFであり、又はR9及びR10は、それぞれClである);或いは下記式の基:
【化36】

(式中、R9はClであり、かつR10はOMe、Cl、OH、CN、Ph、C(O)OH又はC(O)OMeである)から選択される。
或いは、Ar2が5-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル)である。
【0035】
さらに、本発明の使用は、好ましくはAr3が下記式の基である式1bの化合物に関する。
【化37】

式中、R12Aは上記定義どおりである。さらに好ましくは、Ar3が最後の例で定義したとおりであり、かつR12Aが下記式のフェニル
【化38】

(式中、R13A、R14A、及びR15Aは、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、i-Pr、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtを表す(但し、R13A、R14A、及びR15Aの少なくとも1個は水素以外である))であり;或いはR12Aが下記式の基
【化39】

(式中、R17Aは、H、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、MHMe又はNMe2から選択される)である式1bの化合物の使用である。最も好ましくは、Ar3が下記式の基である式1bの化合物の使用である。
【化40】

(式中R12Aは、下記式の基である。)
【化41】

【0036】
好ましくは、Ar3が下記式の基
【化42】

(式中、R12Cは、ここで最初の例で定義したとおりであり、かつR20Aは、H、Me、Et、Pr 又はiPrである)である。さらに好ましくは、Ar3が最後の例で定義したとおりであり、かつR12Cが下記式のフェニル:
【化43】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれR13A、R14A及びR15Aについて上で定義したとおりであり、かつR20AはH、Me又はEtである)であり;或いはR12Cが下記式の基
【化44】

(式中、R17CはH、Me、OMe、Cl、F、CF、NH2、NHMe又はNMe2から選択される)であり、かつR20AがH、Me又はEtである式1bの化合物の使用。最も好ましくは、Ar3が最後の例で定義したとりであり、かつR12Cが下記式の基であり、
【化45】

かつR20AがH又はMeである式1bの化合物の使用。
【0037】
本発明の第1局面の第2実施形態により、感染したヒトに治療的に有効な量の下記式1aの化合物を投与することを含むHIV感染症を治療するための薬物製造のための式1aで表される化合物の使用が提供される。
【化46】

式中、X、W及びAr2は、前記定義どおりであり、かつR12は下記式のフェニル
【化47】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-ニトロフェニル)-CH2、フェニルメチル、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す)であり;或いは
12は下記式の基
【化48】

(式中、R31、R32、R33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;かつ
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表す)から成る群より選択される。
【0038】
前記第2実施形態により、この発明の使用は、R12が好ましくは下記式の基から選択される式1aの化合物に関する。
【化49】

式中、R13は、F、Cl、Br、CH3、COO(C1-4)アルキルを表し;
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;かつ
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表す。
【0039】
最も好ましくは、R12が下記式の基から成る群より選択される。
【化50】

【0040】
本発明の使用は、該化合物が、XがO又はS、最も好ましくはSである式1の化合物である使用が好ましい。
さらに、本発明の使用は、該化合物が、-X-Wが下記式:
-S-(CR55A)-CO-NR6
-O-(CR55A)-CO-NR6
-S-(C2-4)アルキレン-O-、及び
-S-(C2-4)アルキレン-NR6-
(式中、R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6は、H又は(C1-4)アルキルであり;かつ該(C2-4)アルキレン基は、任意にOHで置換されていてもよい)から成る群より選択される二価基である式1の化合物である使用が好ましい。
最も好ましくは、-X-W-が下記式:
-S-CH2-CO-NH-、
-OCH2-CO-NH-、
-S-CH2-CH2-CHOH-、
-S-CH2-CHOH-CH2-、
-S-CH2-CHOH-CH2-O-、及び
-S-CH2-CHOH-CH2-NH-
から成る群より選択される二価基である。
基Wの最も好ましい意味は、CH(R5)C(O)NH(R5はH又はMeである)である。
【0041】
本発明の使用は、該化合物が、Ar2が下記式の基
【化51】

(式中、R9は(C1-3)アルキル、ハロ又はNO2であり、かつ
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキルであり;R22はH又は(C1-4)アルキルであり;かつ
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい)
から成る群より選択される式1の化合物である使用が好ましい。
【0042】
最も好ましくはAr2が下記式の基
【化52】

(式中、R9はCl又はNO2であり;
10AはC1-4アルキルであり;かつ
10は、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキルであり;R22はH又は(C1-4)アルキルであり;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい)
から成る群より選択される。
【0043】
以下、新規化合物に関するこの発明の第2局面の好ましい実施形態について述べる。
本発明の第2局面の第1実施形態により、下記式1の新規化合物が提供される。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
式中、Ar1は下記式の基
【化53】

(式中、R12は下記式の基
【化54】

から成る群より選択される)であり;
XはSであり;
WはCH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2は下記式の基
【化55】

(式中、R9はハロ又はNO2である);或いは
Ar2は下記式の基
【化56】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はハロである);或いは
Ar2は下記式の基
【化57】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はOMe、ハロ、OH、NO2、フェニル、C(O)OH又はC(O)OMeである)である。
【0044】
最も好ましくは、新規化合物は、R12が下記式の基:
【化58】

から成る群より選択され;
かつX、W及びAr2が最後の例で定義したとおりである式1aで表される。
【0045】
これとは別に、本発明の第2局面の第1実施形態により、下記式1の新規化合物が提供される。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
式中、Ar1は下記式の基
【化59】

であり、かつR12Cは下記式のフェニル
【化60】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的に、H、Me、Et、Pr、iPr、tBu、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEt(但し、R13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である)を表す)であり;或いはR12Cは下記式の基
【化61】

(式中、R17は、H、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2から選択される)であり;かつR20AはH、Me、Et、Pr又はiPrである。
【0046】
最も好ましくは、R12が下記式の基:
【化62】

から成る群より選択され;
XがSであり;WがCH2C(O)NHであり、かつAr2が下記式の基
【化63】

であり;或いはAr1が下記式のであり、
【化64】

かつX、W及びAr2が最後の例で定義したとおりである式1の化合物である。
【0047】
本発明の第2局面の第2実施形態により、Ar1が下記式の基
【化65】

であり;かつR12が下記式の基
【化66】

(式中、R13、R14、R15、R20A、R30、R31、R32及びR33は、前述及び後述する定義どおりである)から成る群より選択される、式1の新規化合物が提供される。
【0048】
この第2実施形態により、置換基の好ましい意味は以下のとおりである。
13はCl又はBrを表し;かつ
9がNO2、Cl又はBrの場合、R13はF又はCH3を表すこともあり;
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;かつ
30は、Cl又はBrを表す。
最も好ましくは、WはCH2C(O)NHを表す。
最も好ましくは、-X-は-S-である。
【0049】
この第2実施形態により、最も好ましくは、Ar1が下記式の基:
【化67】

であり、かつR12が下記式の基:
【化68】

から成る群より選択される、式1の当該化合物である。
【0050】
さらに、Ar1が下記式の基:
【化69】

(式中、R12Cは上記定義どおりのR12の最も好ましい意味の1つを有し、かつR20Aは、H、Me、Et、iPr又は2-ヒドロキシ-エチルであり、好ましくはR20Aがメチル又はエチルである)である、式1の当該化合物が好ましい。
【0051】
さらに、本発明の第2実施形態の当該化合物は、Ar2が下記式の基:
【化70】

(式中、R9はCl又はNO2であり、かつ
10Aは(C1-4)アルキルであり;
10は、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリル(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)から成る群より選択され;
21は(C1-4)アルキルであり;R22はH又は(C1-4)アルキルであり;
N1、RN2は、それぞれ独立的に、H又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2が相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3はH、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい)から成る群より選択される化合物が好ましい。
【0052】
最も好ましくは、R10が(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、CF3、OH、-NH2、-COOH、-C(O)NH2、-SO2-(C1-4)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2(前記フェニルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)から成る群より選択される。
最も好ましくは、Ar2は、下記式の基から成る群より選択される。
【化71】

【0053】
(特有の実施形態)
表1〜8に示される式1のすべての化合物は、この発明の範囲内に包含される。
式1の化合物は、野生型HIVの有効なインヒビターであるのみならず、二重突然変異酵素K103N/Y181Cをも阻害する。本発明の化合物は、単突然変異酵素V106A、Y188L、K103N、Y181C、P236L及びG190A(他にもあるが特に)をも阻害しうる。本化合物は、K103N/P225H、K103N/V108I及びK103N/L100Iを含む二重突然変異酵素をも阻害することができる。
式1の化合物は、HIV-1複製に対して阻害活性を有する。適切な剤形で投与すると、本化合物は、AIDS、ARC及びHIV-1感染に付随する関連障害の治療に有用である。従って、本発明の別の局面は、HIV-1感染症の治療方法であって、HIV-1に感染したヒトに、治療的に有効な量の上述したとおりの式1の化合物を投与することを含む方法である。治療又は予防のいずれを称しても、本化合物を用いて、子供の誕生前に母体に、また生涯の最初の日々内に子供に本化合物を投与することで母から新生児へのHIV-1の周産基伝達を防止することができる。
【0054】
式1の化合物は、経口、非経口又は局所経路で単回又は分割投与することができる。式1の化合物の適切な経口投薬量は、1日約0.5mg〜3gの範囲内である。式1の化合物の好ましい経口投薬量は、体重70kgの患者で1日約100mg〜800mgの範囲内である。非経口製剤では、適切な投薬単位は、0.1〜250mgの前記化合物、好ましくは1mg〜200mgを含んでよく、局所投与では、0.01〜1%の活性成分を含有する製剤が好ましい。しかし、投薬量管理は患者ごとに異なることを理解すべきである。いずれの特定患者の投薬量も臨床医の判断によって決まり、適切な投薬量を決定するための基準として患者の体格や状態及び患者の該薬物に対する反応を利用する。
本発明の化合物を経口投与する予定の場合、適合性の製薬担体材料と共に本化合物を含有する医薬製剤の形態の薬物として本化合物を投与することができる。このような担体材料は、経口投与に好適な不活性の有機又は無機担体材料でよい。このような担体材料の例は、水、ゼラチン、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレン-グリコール、石油ゼリー等である。
式1の化合物は、個体のHIV感染症を治療又は予防するために同時、分離又は逐次投与に有用な併用製剤として当該技術の当業者に周知の1種以上の他の抗レトロウイルス薬と併用することができる。式1の化合物との併用療法で使用しうる抗レトロウイルス薬の例として、限定するものではないが、NRTIs(AZTのような)、NNRTI's(ネビラピン(Nevirapine)のような)、CCR5アンタゴニスト(SCH-351125のような)、CXCR4アンタゴニスト(AMD-3100のような)、インテグラーゼインヒビター(L-870,810のような)、ウイルス融合インヒビター(T-20のような)、抗真菌若しくは抗細菌薬(フルコナゾールのような)、TIBO (テトラヒドロ-イミダゾ[4,5,1-jk][1,4]-ベンゾジアゼピン-2(1H)-オン及びチオン)-型の化合物、α-APA(α-アニリノフェニルアセトアミド)-型の化合物、TATインヒビター、プロテアーゼインヒビター(リタノビル(Ritanovir)のような)、及び免疫調節薬(レバミソール(Levamisole)のような)及び治験薬(DMP-450又はDPC-083のような)が挙げられる。さらに、式1の化合物を式1の別の化合物と併用することができる。
【0055】
通常の方法で医薬製剤を調製することができ、完成剤形は、固体剤形、例えば、錠剤、ドラギー剤(dragees)、カプセル剤など、或いは液体剤形、例えば溶液、懸濁液、エマルジョン等でよい。医薬製剤は、滅菌のような通常の製薬操作に供することができる。さらに、医薬製剤は、保存剤、安定剤、乳化剤、風味改良剤、湿潤剤、緩衝液、浸透圧を変えるための塩などのような通常のアジュバントを含むことができる。使用可能な固形担体材料として、例えば、デンプン、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、微結晶性セルロース、タルク、シリカ、二塩基性リン酸カルシウム、及び高分子量ポリマー(ポリエチレングリコールのような)が挙げられる。
非経口用途では、式1の化合物は、水溶液若しくは非水溶液、薬学的に許容しうる油中の懸濁液若しくはエマルジョン又は液体の混合物中で投与することができ、細菌剤、抗酸化剤、保存剤、緩衝液若しくは該溶液を血液と等張性にする他の溶質、増粘剤、懸濁剤又は他の薬学的に許容しうる添加剤を含有しうる。このタイプの添加剤として、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩及び酢酸塩緩衝液、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、錯化剤(EDTAのような)、抗酸化剤(亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、及びアスコルビン酸)、粘度調節用の高分子量ポリマー(液体ポリエチレンオキシドのような)及び無水ソルビトールのポリエチレン誘導体が挙げられる。必要な場合、安息香酸、メチル若しくはプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム及び他の四級アンモニウム化合物のような保存剤も添加しうる。
この発明の化合物は、経鼻投与用溶液として投与することもでき、この発明の化合物に加え、適切な緩衝液、張度調節剤、微生物防腐剤、抗酸化剤及び水性媒体中の増粘剤を含むことができる。粘度を高めるために使用する薬剤の例は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート又はグリセリンである。添加する微生物防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロ-ブタノール又はフェニルエチルアルコールが挙げられる。
さらに、本発明で提供される化合物は、座剤によって投与しうる。
【0056】
(方法論及び合成)
一般的に、式1の化合物は、容易に入手可能な出発原料から、反応物に適することが分かっている反応条件を用いて既知の方法で調製される。
本明細書で定義されるようなXがS又はO、かつWが(CR55A)1-2C(O)NR6である式1の化合物の製造方法は以下のとおりである。
【化72】

式中、Ar1及びAr2は本明細書の定義どおりであり、XはS又はO、RAはH又は(C1-4)アルキル、かつYはハロ、例えばBr又はClである。
【0057】
本方法は、以下の工程を含む。
a)塩基の存在下、式Ar1-X-H{1(i)}のチオール又はアルコールを式Y-(CR55A)1-2C(O)ORA(Yはハロ、かつRAは(C1-4)アルキルである)のω-ハロアルカン酸アルキルエステルと反応させて、式Ar1-X-(CR55)1-2C(O)ORA{1(ii)}の対応エステルを得た後、このエステルの式中RA=Hの対応する酸に加水分解し、この酸をカップリング剤の存在下で一般式HNR6-Ar2の芳香族アミンとカップリングさせて式1の対応する化合物(式中、Ar2は本明細書の定義どおりであり、XはS又はOであり、かつWは本明細書の定義どおりの(CR55A)1-2C(O)-NR6である)を得る工程;或いは
b)塩基の存在下、式Ar1-X-H(Ar1は本明細書の定義どおりでであり、かつXはS又はOである)のチオール又はアルコールを式Y-(CR55A)1-2C(O)NR6-Ar2のアニリドと反応させて式1の対応する化合物を得る工程。
【0058】
必要な式Ar1-X-Hの出発原料は、商業的に入手可能な芳香族イソシアネート又はイソチオシアネートをアジ化ナトリウムと反応させて直接所望の出発原料を得ることによって容易に調製することができる。芳香族アミンHNR6-Ar2は商業的に入手可能であり、或いは既知の方法で調製することができる。
必要な式Y-(CR55A)1-2-C(O)NR6-Ar2の芳香族アミドは、商業的に入手可能なアミンから既知の方法で容易に調製することができ;例えば、後記実施例2参照。
前記方法では数種の周知カップリング剤を使用できるが、オキシ塩化リンが実用的かつ効率的であることが分かった。
以下の実施例によって、式1の他の化合物を製造するための方法及び反応物をさらに説明する。
【0059】
(実施例)
以下の非限定例によって、本発明をさらに詳細に説明する。すべての反応は、別に言及しない限り窒素又はアルゴン雰囲気中で行った。室温は18〜22℃である(摂氏温度)。溶液のパーセンテージ又は割合は、別に言及しない限り体積-体積の関係を表す。
本明細書で用いる略語又は記号として以下が挙げられる:
Boc:tert-ブトキシカルボニル;
CHAPS:3-{(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ}-1-プロパンスルホネート;
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
dppf:1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;
DPPBE:4-ジフェニルホスファニル安息香酸、2-(トリメチルシリル)エチルエステル;
DTT:DL-ジチオスレイトール;
Et2O:ジエチルエーテル;
EtOAc:酢酸エチル;
GSH:グルタチオン;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
iPr:イソプロピル;
LDA:リチウムジイソプロピルアミド;
MCPBA:メタ-クロロ過安息香酸;
Me:メチル;
MeOH:メタノール;
MeCN:アセトニトリル;
Ph: フェニル;
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオライド;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン;
【0060】
(合成)
以下の実施例は、本発明の化合物の製造方法を例証する。
実施例1:(エントリー208)
N-(2-クロロフェニル)-2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}アセトアミド
【化73】

a)1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン
1,4-ジオキサン(25mL)と水(25mL)の混合物中のNaN3(1.76g,27.0mmol)の溶液に1-ナフタレニルイソチオシアネート(5.00g,27.0mmol)を室温で加えた。白色固体を含有する黄色溶液を102℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、pH 2に達するまで1N HCl水溶液を加えた。この水性混合物をEtOAc(250mL)で抽出した。有機層を1N NaOH水溶液で抽出した。水層を6N HCl水溶液で酸性にすると白色沈殿が生じた。懸濁液をろ過し、生じた固体をEt2O/ヘキサン(1/1)とこねて表題化合物(3.89g,収率63%)をオフホワイトの固体として得た。
【0061】
b)2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}酢酸
ピリジン(0.83mL,10.3mmol)と1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(2.14g,9.38mmol)をDMSO(50mL)中の2-ブロモ酢酸メチル(977μL,10.3mmol)の溶液に加えた。結果の明黄色溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(300ml)で希釈し、水(2×250ml)と食塩水(100ml)で連続的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。この粗製エステルをTHFに溶かし、1N NaOH水溶液を加えた。この溶液を室温で30分間撹拌した。減圧下THFをエバポレートし、残留物を1N NaOH水溶液に溶かした。溶液を0℃で1N HCl水溶液でpH 2までゆっくり酸性にした。この懸濁液をろ過し、生じた固体を水ですすぎ、減圧下乾燥させて表題化合物(2.48g,収率92%)を白色固体として得た。
c)N-(2-クロロフェニル)-2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}アセトアミド
2-{{1-(1-Naphthalenyl)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}酢酸(500mg,1.75mmol)と2-クロロアニリン(202μL,1.92mmol)を乾燥ピリジン(8mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却し、POCl3(0.179mL)を一滴ずつ加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、数滴の水でクエンチし、減圧下濃縮した。粗生成物をCH2Cl2(100mL)に溶かし、結果の溶液を水(2×30ml)と食塩水(30ml)で連続的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で精製して表題化合物(643mg,収率85%)を固体として得た。
【0062】
実施例2:(エントリー101)
2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
【化74】

a)2-ブロモ-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
2-ブロモアセチルブロマイド(173μL,1.99mmol)をCH2Cl2(9mL)中の2-ニトロアニリン(250mg,1.81mmol)とピリジン(293μL)の溶液に一滴ずつ加えた。反応混合物を室温で45分間撹拌した。混合物をCH2Cl2(10mL)で希釈し、1N HCl水溶液(10mL)、水(10ml)及び食塩水(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮して表題化合物(431mg,収率92%)を橙色固体として得た。
b)2-{{1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
DMSO(4mL)中の2-ブロモ-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド(186mg,0.718mmol)の溶液にピリジン(116μL,1.43mmol)、次いで1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(164mg,0.718mmol)を添加した。暗褐色溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、水(2×40mL)、食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、直接シリカゲル上に装填した。粗製試料をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して140mgの明黄色固体を得、水-MeCNから凍結乾燥して(136mg,収率47%)の表題化合物を得た。
【0063】
実施例3:(エントリー304)
1-(1-ナフタレニル)-N-(2-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-プロパンアミド
【化75】

a)1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-プロパン酸
THF中の0.5M DPPBE溶液(20.0mL,10.0mmol)、DIAD(1.97mL,10.0mmol)及びTMSN3(1.33mL,10.0mmol)を連続的にTHF(30mL)中の4-{(1-ナフタレニル)アミノ}-4-オキソブタン酸メチル(1.29g,5.00mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。THF中の1.0M TBAF溶液(5.00mL,5.00mmol;5.5時間後にさらに5.00mL添加)を加え、混合物を室温で6.5時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、残留物をEtOAc(250mL)に取った。この溶液を連続的に1N HCl水溶液(25mL)、水(25mL)、1N NaOH水溶液(2×15mL)、水(15mL)及び食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:CH2Cl2,3:1:1)で部分的に精製して不純エステルを得た。このエステルをTHF(10mL)とMeOH(5mL)に溶かし、この溶液に1N NaOH水溶液(3.0mL,3.00mmol)を加えた。混合物を60℃で1時間加熱した。減圧下有機溶媒を除去した。結果の水溶液をEtOAc(2×25mL)で洗浄した。水層に1N HCl水溶液(15mL)を添加して酸性にし、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮して表題化合物(768mg,収率58%)を白色固体として得た。
【0064】
b)1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-プロパノイルクロライド
CH2Cl2(1mL)中の(COCl)2(310μL,3.45mmol)の溶液をCH2Cl2(50mL)とDMF(50μL)中の1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-プロパン酸(738mg,2.75mmol)の懸濁液に一滴ずつ加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を濃縮して表題化合物を得た(789mg,収率100%)。
c)1-(1-ナフタレニル)-N-(2-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-プロパンアミド
THF(2mL)中の1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール-5-プロパノイルクロライド(112mg,0.39mmol)の溶液をTHF(2mL)中の2-ニトロアニリン(54.5mg,0.39mmol)とピリジン(79.3μL,0.98mmol)の溶液に室温でゆっくり加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈した。この溶液を連続的に1N HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、NaHCO3飽和水溶液(2×5mL)及び食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をEt2O:ヘキサン(1:1)とこね、乾燥後、表題化合物(72mg,収率47%)を黄色固体として得た。
【0065】
実施例4:(エントリー316)
トランス-5-{{{2-(2-クロロフェニル)シクロプロピル}メチル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
【化76】

a)トランス-3-(2-クロロフェニル)-2-プロペン-1-オール
THF(50mL)中の2-クロロケイ皮酸(5.00g,27.4mmol)の溶液をTHF(50mL)中のNaBH4(1.24g,32.9mmol)の懸濁液に室温でゆっくり添加した。ガスの発生が止むまで混合物を撹拌した。THF(50mL)中のI2(3.47g,13.7mmol)の溶液を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。3N HCl水溶液(10mL)を慎重に加え、混合物をEt2Oで抽出した。混ぜ合わせた有機層を連続的に1N NaOH水溶液と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で精製して表題化合物を得た(2.86g,収率62%)。
【0066】
b)トランス-2-(2-クロロフェニル)シクロプロパンメタノール
Pd(OAc)2(13.3mg,0.06mmol)をEt2O中CH2N2(約0.6M,25mL)中のトランス-3-(2-クロロフェニル)-2-プロペン-1-オール(100mg,0.59 mmol)の溶液の加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。追加量のEt2O中CH2N2溶液(25mL)を加え、混合物を1時間撹拌した。混合物をケイソウ土でろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で精製して表題化合物を得た(85.5mg,収率79%)。
c)トランス-5-{{{2-(2-クロロフェニル)シクロプロピル}メチル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
DIAD(87μL,0.44mmol)をTHF(10mL)中の1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(84.0mg,0.37mmol)、トランス-2-(2-クロロフェニル)シクロプロパンメタノール(80.5mg,0.44mmol)、及びPPh3(116mg,0.44mmol)の溶液に室温で一滴ずつ添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌してから減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で精製して表題化合物(81mg,収率56%)を白色固体として得た。
【0067】
実施例5:(エントリー317)
5-{{3-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロピル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
【化77】

a)2-クロロ-β-ヒドロキシベンゼンプロパン酸メチル
酢酸メチル(5.09mL,64.0mmol)をTHF(50mL)中の冷却(-78℃)溶液LDA[0℃でi-Pr2NH(10.5mL,74.7mmol)とヘキサン中2.0M n-BuLi(37.3mL,74.7mmol)から調製した]に一滴ずつ加えた。45分後、このエノラート溶液をTHF(50mL)中の2-クロロベンズアルデヒド(3.00g,21.3mmol)の冷却(-78℃)溶液にカニューレで添加した。反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液(15mL)を加え、混合物を徐々に室温に戻した。混合物を減圧下濃縮した。残留物をEt2O(300mL)に取り、結果溶液を水(2×50mL)と食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で部分的に精製して表題化合物を得た(2.9g,収率63%)。
b)1-(2-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール
LiAlH4(1.28g,33.8mmol)をTHF(70mL)中の2-クロロ-β-ヒドロキシベンゼンプロパン酸メチル(2.90g,13.5mmol)の氷冷溶液に加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物に連続的に水(4.0mL)、10% NaOH水溶液(4.0mL)及び水(12mL)を添加した。Et2O(300mL)を加え、混合物を水(2×100mL)と食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,1:1)で精製して表題化合物を得た(829mg,収率33%)。
c)5-{{3-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロピル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
DIAD(82μL,0.42mmol)を室温でTHF(10mL)中の1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(80.0mg,0.35mmol)、1-(2-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール(65.4mg,0.35mmol)、及びPPh3(110mg,0.42mmol)の溶液に一滴ずつ加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌してから減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,95:5)で精製して表題化合物(70mg,収率50%)を白色固体として得た。
【0068】
実施例6:(エントリー318)
5-{{3-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
【化78】

a)2-クロロ-1-(2,3-エポキシプロピル)ベンゼン
MCPBA(826mg,3.83mmol)をCH2Cl2(20mL)中の2-クロロ-1-アリルベンゼン(487mg,3.19mmol)の氷冷溶液に一滴ずつ加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。10% Na2CO3水溶液(10mL)とCH2Cl2(100mL)を添加した。この溶液を連続的に10% Na2S2O3(2×40mL)と食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,8:2)で精製して表題化合物を得た(512mg,収率95%)。
b)5-{{3-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
MeOH(5mL)中の1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(50.0mg,0.22mmol)、2-クロロ-1-(2,3-エポキシプロピル)ベンゼン(36.9mg,0.22mmol)及びEt3N(0.15mL,1.10mmol)の溶液を2時間加熱還流させた。混合物を減圧下濃縮し、TFA(0.1%)を含有するMeCN/H2Oの勾配を用いてHPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm,5μ,120Å)で残留物を精製した。純粋フラクションを濃縮して表題化合物(12mg,収率14%)を無色固体として得た。
【0069】
実施例7:(エントリー330)
5-{{3-{(2-クロロフェニル)アミノ}-2-ヒドロキシプロピル}チオ}-1-(1-ナフタレニル)-1H-テトラゾール
【化79】

MeOH(10mL)中の2-クロロアニリン(46.1μL,0.44mmol)、エピクロロヒドリン(51.4μL,0.66mmol)及びEt3N(0.30mL,2.19mmol)の溶液を16時間加熱還流させた。反応混合物を減圧下濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体(93.4mg)、1,2-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-5H-テトラゾール-5-チオン(50.0mg,0.22mmol)及びEt3N(0.30mL,2.19mmol)のMeOH(10mL)中溶液を3日間加熱還流させた。混合物を減圧下濃縮し、TFA(0.1%)を含有するMeCN/H2Oの勾配を用いてHPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm,5μ,120Å)で残留物を精製した。純粋フラクションを濃縮して表題化合物(11.7mg,収率13%)を黄色固体として得た。
【0070】
実施例8:(エントリー401)
2-{{4-(1-ナフタレニル)-1H-イミダゾール-2-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
【化80】

a)1,3-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-2H-イミダゾール-2-チオン
トルエン(10mL)中の1-ナフタレニルチオイソシアネート(893mg,4.82mmol)と2-アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(0.70mL,4.85mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。12N HCl水溶液(0.2mL)を加え、混合物を110℃で3時間加熱してから室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した。残留物を熱EtOAcとこねて表題化合物を得た(608mg,収率56%)。 b)2-{{4-(1-ナフタレニル)-1H-イミダゾール-2-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
DMSO(2mL)中の1,3-ジヒドロ-1-(1-ナフタレニル)-2H-イミダゾール-2-チオン(129mg,0.50mmol)の溶液を、室温でDMSO(1mL)中の2-ブロモ-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド(113mg,0.50mmol)とピリジン(121μL,1.49mmol)の溶液にゆっくり加えた。混合物を室温で18時間撹拌してから水で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を水(3×)と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。TFA(0.06%)を含有するMeCN/H2Oの勾配を用いてHPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm,5μ,120Å)で残留物を精製した。純粋フラクションを混ぜ合わせて凍結乾燥して表題化合物を得た(8.4mg,収率4%)。
【0071】
実施例9:(エントリー402)
2-{{4-(1-ナフタレニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
【化81】

a)2,4-ジヒドロ-4-(1-ナフタレニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン
1,4-ジオキサン(40mL)中の4-(1-ナフタレニル)-3-チオセミカルバジド(4.01g,18.4mmol)とN,N,-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.50mL,18.8mmol)の溶液を室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した。残留物をヘキサンとEt2Oに取り、この溶液を懸濁液が得られるまで撹拌した。懸濁液をろ過し、固体をヘキサン:Et2O(4:1)とこねてから減圧下乾燥させて表題化合物(4.19g,収率90%)をベージュ色固体として得た。
b)2-{{4-(1-ナフタレニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}チオ}-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド
DMSO(2mL)中の2,4-ジヒドロ-4-(1-ナフタレニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン(129mg,0.50mmol)の溶液を室温でDMSO(1mL)中2-ブロモ-N-(2-ニトロフェニル)アセトアミド(113mg,0.50mmol)とピリジン(121μL,1.49mmol)の溶液にゆっくり添加した。混合物を室温で18時間撹拌してから水で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を水(3×)と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。Et2Oとヘキサンの混合物(1:1)を加え、生じた懸濁液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。TFA(0.06%)を含有するMeCN/H2Oの勾配を用いてHPLC(CombiPrep ODS-AQ 50x20mm,5μ,120Å)で残留物を精製した。純粋フラクションを混ぜ合わせ、濃縮して表題化合物を得た(4.5mg,収率2%)。
【0072】
実施例10:(エントリー406)
2-{{2-(1-ナフタレニル)フェニル}チオ}-N-(2-クロロフェニル)アセトアミド
【化82】

a)2-{(2-ブロモフェニル)チオ}酢酸
2-ブロモチオフェノール(4.00g,21.6mmol)を室温でDMSO(50mL)中の2-ブロモ酢酸メチル(2.20mL,23.3mmol)とピリジン(1.88mL,23.3mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、結果溶液を水(2×250mL)と食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下濃縮濃縮した。残留物をTHF(50mL)に溶かし、1N NaOH水溶液(25mL,25mmol)を加え、混合物を室温で45分間撹拌した。混合物を濃縮し、この水溶液を1N NaOH水溶液で希釈した。この溶液を0℃に冷却し、1N HCl水溶液を添加して徐々に酸性にした(pH=2)。生じた懸濁液をろ過し、固体を水洗し、減圧下乾燥させて表題化合物(3.71g,収率71%)を白色固体として得た。
b)2-{(2-ブロモフェニル)チオ}-N-(2-クロロフェニル)アセトアミド
PCl3(0.39mL,4.45mmol)をピリジン(15mL)中の2-{(2-ブロモフェニル)チオ}酢酸(1.00g,4.05mmol)と2-クロロアニリン(0.47mL,4.45mmol)の氷冷溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。水(数滴)を加え、混合物を減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2)で精製して表題化合物(957mg,収率66%)を黄色固体として得た。
c)2-{{2-(1-ナフタレニル)フェニル}チオ}-N-(2-クロロフェニル)アセトアミド
PdCl2(dppf)(CH2Cl2との1:1複合体,41.0mg,56.0μmol)とdppf(31.1mg,56.1μmol)を、1,4-ジオキサン(5mL)中の2-{(2-ブロモフェニル)チオ}-N-(2-クロロフェニル)アセトアミド(200mg,0.56mmol)、1-ナフタレンホウ素酸(116mg,0.67mmol)及びK3PO4(357mg,1.68mmol)の脱気(N2,45分)溶液に加えた。反応混合物を100℃で3時間加熱した。冷ました混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:(CH3)2CO,98:2)で精製して表題化合物(147mg,収率65%)を淡橙色固体として得た。
【0073】
表1〜8は本発明のさらなる化合物を示し、前述した方法と同様に合成でき、任意に当該技術の当業者に周知の手順で変更することができる。
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
【表7】

【0080】
【表8】

【0081】
【表9】

【0082】
【表10】

【0083】
【表11】

【0084】
【表12】

【0085】
【表13】

【0086】
【表14】

【0087】
【表15】

【0088】
【表16】

【0089】
【表17】

【0090】
【表18】

【0091】
【表19】

【0092】
【表20】

【0093】
【表21】

【0094】
【表22】

【0095】
【表23】

【0096】
【表24】

【0097】
(逆転写酵素(RT)アッセイ)
酵素アッセイ(IC50)
利用した酵素アッセイを以下に述べる:逆転写酵素(RT)酵素アッセイは96-ウェルマイクロタイタープレート形式に適合させ、蛍光挿入物質としてPicoGreenTMを使用する。より明瞭には、HIV-1 RT酵素を解凍し、NaCl 60mM、MgCl2・6H2O 2mM、DTT 6mM、GSH 2mM及び0.02% w/v Chapsを含有するTris/HCl 50mM pH 7.8中に適宜希釈して約10nMの酵素を得た。この酵素溶液10μLに10μLのインヒビター溶液(4% v/v DMSOを含有する上記と同一のアッセイ緩衝液中40μM〜78nMインヒビター)を加えた。次工程に進む前にプレートを室温で15分間プレ-インキュベートした。このプレ-インキュベーション工程で、最高及び最低のインヒビター濃度はそれぞれ20μM及び1.016nMであり、DMSOの濃度は2% v/vだった。次に、20μLの基質溶液を添加して酵素反応を惹起した。最終反応混合物は、Tris/HCl 50mM pH 7.8、NaCl 60mM、MgCl2・6H2O 2mM、DTT 6mM、GSH 2mM、CHAPS 0.02% w/v、DMSO 1% v/v、poly rC 45nM、dG15 4.5nM、dGTP 3.6μM、及び約2.5nMの酵素を含有した。このインキュベーション工程では、最高及び最低インヒビター濃度は、それぞれ10μM及び0.508nMだった。基質反応混液の添加後、プレートをプラスチックシールで覆い、乾燥インキュベーター内37℃で50分間インキュベートした。5μLのEDTA 0.5Mを添加して反応をクエンチした。プレートを中間速度で30秒間振とうさせ、室温で5分間インキュベートした。次に、市販原液からの160μLのPicoGreenTM1:400希釈物(EDTA 1mMを有するTris 20mM pH 7.5中で希釈)を添加し、プレートを30秒間振とうさせ、室温で10分間インキュベートした。λex及びλemがそれぞれ485nm及び520nmのPOLARstar Galaxy蛍光光度計(BMG Labtechnologies)を用いてプレートを分析した。各ウェルを1.25秒間解読した。各列はその末端にブランクウェルと対照ウェルを含有した。
【0098】
P24細胞アッセイ(EC50)(下表9中、*で特定したデータ)
p24アッセイは、WO 01/96338(この内容は引用によって本明細書に取り込まれる)に記載されているとおりである。
C8166 HIV-1ルシフェラーゼアッセイ(EC50)
プラスミド:pGL3 Basic LTR/TAR #12
プラスミドは、ルシフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド-138〜+80(Sca1-HindIII)上流由来のHIV-1 HxB2 LTR配列とその中にクローン化したブラストサイジン耐性用遺伝子を添加したpGL3 Basic Vector(Promegaカタログ#E1751由来のプロモーターのないルシフェラーゼ発現ベクター)である。
細胞:C8166 LTRluc #A8-F5-G7
C8166細胞は、非発現系の臍帯血リンパ球以外不死化されているヒトT-リンパ増殖ウイルス1型であり、HIV-1感染に高度に許容性である。C8166細胞をpGL3 Basic LTR/TARと電気穿孔してからブラストサイジンを有する正のクローンを選択してリポーター細胞を作製した。ブラストサイジン選択下限定希釈という連続的な3ラウンドでクローンC8166-LTRluc #A8-F5-G7を選択した。
培地:RPMI 1640+10% FBS+10-5M β-メルカプトエタノール+10μg/mlのゲンタマイシンから成る完全培地。5μg/mlのブラストサイジンを有する完全培地内で培養を維持するが、アッセイ用では選択は除かれる。
【0099】
ルシフェラーゼアッセイプロトコル
化合物の調製
HIV-1インヒビター化合物の一連の希釈物は、10mMのDMSO原液から完全培地内で調製する。1mlのディープウェルタイタープレート(96ウェル)内で8倍の所望最終濃度で2.5倍の11の一連希釈物を調製する。12番目のウェルはインヒビターのない完全培地を含み、正対照として働く。すべての試料は同濃度のDMSO(≦0.1% DMSO)を含む。処理した96ウェル組織培養クリアビューブラックマイクロタイタープレート(Corning Costarカタログ#3904)の3通りのウェルにインヒビターを25μlずつ添加する。最後の列は非感染C8166 LTRluc細胞用に取っておき、バックグラウンドのブランク対照として働き、最初の列は培地のみである。
細胞の感染
C8166 LTRluc細胞を数え、組織培養フラスコ内最小体積の完全RPMI 1640に入れる(例えば、10mlの培地/25cm2のフラスコ内30×106個の細胞)。0.005のmoiでHIV-1で細胞を感染させる。5% CO2インキュベーター内回転ラック上37℃で1.5時間細胞をインキュベートする。再び完全RPMI内で細胞を懸濁させて最終濃度25,000-細胞/175μlを得る。25μlの8倍インヒビターを含有する96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに175μlの細胞混合物を添加する。バックグラウンド対照用最終列に200μlの完全PRMI内1ウェル当たり25,000個の非感染C8166-LTRluc細胞を添加する。5% CO2インキュベーター内37℃で3日間細胞をインキュベートする。
【0100】
ルシフェラーゼアッセイ
96ウェルプレートの各ウェルに50μlの定常Glo(ルシフェラーゼ基質T1/2=5時間,Promegaカタログ# E2520)を添加する。BMG LUMIstar Galaxyルミノメーターでルシフェラーゼの相対光単位(RLU)を決定する。1ウェル当たり2秒間240のゲインで底部からプレートを解読する。
インヒビターを含有する各ウェルの阻害のレベル(阻害%)を下記方程式で計算した。
阻害%={1−[(RLU・ウェル−RLU・ブランク)/(RLU・対照−RLU・ブランク)]}*100
計算した阻害%を用い、以下の方程式でSASの非線形回帰ルーチンNLIN手順によってEC50、傾き係数(n)及び最大阻害(Imax)を決定した。
阻害%=(Imax×[インヒビター]n)/([インヒビター]n+IC50n
結果をIC50(nM)及びEC50(nM)として表9に示す。
表の説明:A≧100;B=100〜50;C≦50;NT=試験せず
【0101】
この発明によれば、耐性突然変異体K103N/Y181Cに対して50nM以下(範囲C)のIC50値、最も好ましくは耐性突然変異体K103N/Y181Cに対して50nM以下(範囲C)のEC50値を有する当該化合物が好ましい。
【0102】
【表25】

【0103】
【表26】

【0104】
【表27】

【0105】
【表28】

【0106】
【表29】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
HIV感染したヒトに治療的に有効な量の下記式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを投与することを含むHIV感染症を治療又は予防するための薬物製造のための式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの使用。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
(式中、Ar1は、
(i)N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-又は6-員芳香族ヘテロ環(前記ヘテロ環は、任意に(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい);及び/又は該ヘテロ環が1〜3個のN原子を含有するときはフェニルで置換されていてもよく;どちらの場合も、前記ヘテロ環は任意に、フェニル、フェニルメチル、5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環、縮合フェニル-{不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環)}メチル、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環で置換されていてもよく;前記フェニル、フェニルメチル、芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-炭素環、縮合フェニル-(炭素環)メチル又は縮合フェニル-芳香族ヘテロ環は、それぞれ順次任意に、
(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、フェニルメチル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、C(O)OR1、NR23、モルフォリノ又は1-ピロリル(ここで、R1はH又は(C1-4)アルキルであり、かつR2及びR3は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;前記置換基は立体的に両立する);或いは
(ii)フェニル若しくはナフチルで置換されている不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環(前記不飽和若しくは飽和炭素環、又はフェニル若しくはナフチルは、任意に、セクション(i)で置換基について定義した同一の1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iii)任意にフェニル又は上記定義どおりの縮合フェニル-炭素環でN-置換されていてもよいベンズイミダゾールであり;
Xは、O、S、SO、SO2又はNR4(R4はH若しくは(C1-4)アルキルである)から選択されるヘテロ原子であり;或いはXは、原子価結合又はCR4A4B(R4A及びR4Bは、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Xがヘテロ原子(NR4を含む)の場合、
Wは、以下の基:
(a)(CR55A)1-2-C(ZA)NR6(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり、かつZAはオキソ又はチオオキソである);
(b)D-C(ZB)(Dは(C1-4)アルキレン、(C1-4)アルキレン-O又は(C1-4)アルキレン-NR7(R7はH若しくは(C1-4)アルキルである)であり、かつZBはオキソ又はチオオキソである);
(c)CH2C(ZC)NR7A-(C1-4)アルキレン(ZCはオキソ又はチオオキソであり、かつR7AはH又は(C1-4)アルキルである);
(d)(C1-4)アルキレン-NR7BC(ZD)NR7C(R7B及びR7Cは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、かつZDはオキソ又はチオオキソである);
(e)(C1-4)アルキレン(任意にOHで置換されていてもよく、又は該(C1-4)アルキレンが2〜4個の炭素原子を含有する場合は任意にOHで二置換されていてもよい);任意にハロで置換されていてもよい(C2-4)アルケニル;又は
【化1】

;又は
(f){(C1-4)アルキレン}-O(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよい);
(g){(C1-4)アルキレン}-NR8(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよく、かつR8はH又は(C1-4)アルキルである);
(h)(C1-4)アルキレン-C(ZE)(C1-4)アルキレン(ZEはオキソ又はチオオキソである);又は
(i)
【化2】

;又は
(j)(CR55A)1-2-NR6-(CR55A)1-2(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルである);
から選択される二価基であり;或いは
Xが原子価結合の場合、
Wは、{(C2-4)アルケニル}C(O)NR8A
【化3】

(式中、R8A及びR8Bは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである)であり;或いは
Xが、上記定義どおりのCR4A4Bの場合、
Wは、{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8C、S-{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8D、O-{(C1-4)-アルキレン}C(O)NR8E、又はNR8F-{(C1-4)アルキレン}-NR8G(ここで、R8C、R8D、R8E、R8F及びR8Gは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から選択され;かつ
Ar2は、
(i)下記式から選択されるフェニル又はピリジニルであり;
【化4】

(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立的に以下の基:
H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-6)アルキル、S-(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり;R22はH又は(C1-4)アルキルである)、C(O)NH2、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、S(O)-(C1-4)アルキル、SO2-(C1-4)アルキル、SO2NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリル(前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)を表し;
該置換基R9、R10及びR11は立体的に両立し;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、ここで、RN1とRN2が相互に共有結合してそれらが結合しているN-原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3はH、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH又は(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい);或いは
(ii)Ar2は、縮合フェニル-(飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環)(任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり;或いは
(iii)Ar2は、N、O若しくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員ヘテロ環であり(前記芳香族ヘテロ環又は縮合フェニル-ヘテロ環は、任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iv)Ar2がフタルイミドであり、かつWが(C1-4)アルキレンである。)
【請求項2】
式中、Ar1が、
(i)N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-又は6-員芳香族ヘテロ環(前記ヘテロ環は、任意に(C1-4)アルキル又は該ヘテロ環が1〜3個のN原子を含有するときはフェニルで置換されていてもよく;どちらの場合も、前記ヘテロ環は任意に、フェニル、フェニルメチル、5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環、縮合フェニル-{不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環)}メチル、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環で置換されていてもよく;前記フェニル、炭素環又はヘテロ環は、それぞれ順次任意に、
(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、フェニル(任意にC1-6アルキルで置換されていてもよい)、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;前記置換基は立体的に両立する);或いは
(ii)フェニル若しくはナフチルで置換されている不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環(前記不飽和若しくは飽和炭素環、又はフェニル若しくはナフチルは、任意に、セクション(i)で置換基について定義した同一の1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iii)任意にフェニル又は上記定義どおりの縮合フェニル-炭素環でN-置換されていてもよいベンズイミダゾールであり;
Xは、O、S又はNR4(R4はH若しくは(C1-4)アルキルである)から選択されるヘテロ原子であり;或いはXは、原子価結合又はCR4A4B(R4A及びR4Bは、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Xがヘテロ原子の場合、
Wは、以下の基:
(a)(CR55A)1-2-C(ZA)NR6(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり、かつZAはオキソ又はチオオキソである);
(b)D-C(ZB)(Dは(C1-4)アルキレン、(C1-4)アルキレン-O又は(C1-4)アルキレン-NR7(R7はH又は(C1-4)アルキルである)であり、かつZBはオキソ又はチオオキソである);
(c)CH2C(ZC)NR7A-(C1-4)アルキレン(ZCはオキソ又はチオオキソであり、かつR7AはH又は(C1-4)アルキルである);
(d)(C1-4)アルキレン-NR7BC(ZD)NR7C(R7B及びR7Cは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、かつZDはオキソ又はチオオキソである);
(e)(C1-4)アルキレン(任意にOHで置換されていてもよく、又は該(C1-4)アルキレンが2〜4個の炭素原子を含有する場合は任意にOHで二置換されていてもよい);任意にハロで置換されていてもよい(C2-4)アルケニル;又は
【化5】

;又は
(f){(C1-4)アルキレン}-O(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよい);
(g){(C1-4)アルキレン}-NR8(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよく、かつR8はH又は(C1-4)アルキルである);
(h)(C1-4)アルキレン-C(ZE)(C1-4)アルキレン(ZEはオキソ又はチオオキソである);又は
(i)
【化6】

から選択される二価基であり;或いは
Xが原子価結合の場合、
Wは、{(C2-4)アルケニル}C(O)NR8A
【化7】

(式中、R8A及びR8Bは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである)であり;或いは
Xが、上記定義どおりのCR4A4Bの場合、
Wは、{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8C、S-{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8D、O-{(C1-4)-アルキレン}C(O)NR8E、又はNR8F-{(C1-4)アルキレン}-NR8G(R8C、R8D、R8E、R8F及びR8Gは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から選択され;かつ
Ar2が、
(i)下記式のフェニルであり;
【化8】

(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立的に以下の基:
H、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、フェニル、フェニルメチル、(2-ニトロフェニル)メチル、2-メチルフェニル、-C(O)-(C1-4)アルキル、C(O)-NH2、S(O)-(C1-4)アルキル、-SO2NH2、2-、3-若しくは4-ピリジニル、モルフォリノ若しくは1-ピロリル、又は-C(O)OR22(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表し;該置換基R9、R10及びR11は立体的に両立する);或いは
(ii)Ar2が、縮合フェニル-飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環(任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり;或いは
(iii)Ar2が、N、0若しくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員ヘテロ環であり(前記芳香族ヘテロ環又は縮合フェニル-ヘテロ環は、任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iv)Ar2がフタルイミドであり、かつWが(C1-4)アルキレンである、式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの請求項1に記載の使用。
【請求項3】
HIVに感染したヒトに、治療的に有効な量の下記式1aで表される化合物を投与することを含むHIV感染症の治療のための、請求項1又は2に記載の使用。
【化9】

(式中、X、W及びAr2は請求項1又は2で定義したとおりであり、かつR12は下記式のフェニルであり
【化10】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-ニトロフェニル)-CH2、フェニルメチル、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12は、下記式の基から成る群より選択され、
【化11】

31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;かつ
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表す。)
【請求項4】
前記化合物が、下記式1aの化合物である、請求項2に記載の使用。
【化12】

(式中、R12は下記式
【化13】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、tBu、OMe、OEt、OiPr、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、OCF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtを表し、但しR13、R14及びR15の少なくとも1個は水素以外である)のフェニルである。)
【請求項5】
前記化合物が、下記式1aの化合物である、請求項2に記載の使用。
【化14】

(式中、R12は下記式の基
【化15】

(式中、R17はH、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、MHMe又はNMe2から選択される)である。)
【請求項6】
前記化合物が、式中R12が下記式の基
【化16】

(式中、R13はF、Cl、Br、CH3、COO(C1-4)アルキルを表し、かつ
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキである)から成る群より選択され;かつ
30はH、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表す)
から選択される式1aの化合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項7】
前記化合物が、式中R12が下記式の基
【化17】

から選択される式1aの化合物である、請求項4又は5に記載の使用。
【請求項8】
前記化合物が、式中R12が下記式の基
【化18】

から成る群より選択される式1aの化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物が、式中XがO又はSである式1の化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記化合物が、式中Wが下記基:
-S-(CR55A)-CO-NR6、-O-(CR55A)-CO-NR6、-S-(C2-4)アルキレン-O-及び-S-(C2-4)アルキレン-NR6-(ここで、R5及びR5Aはそれぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり;かつ該(C2-4)アルキレン基は任意にOHで置換されていてもよい)
から成る群より選択される二価基である式1の化合物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記化合物が、式中WがCH(R5)C(O)NH(R5はH又はMeである)である式1の化合物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
式中、Ar2が下記式の基から成る群より選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【化19】

(式中、R9は(C1-3)アルキル、ハロ又はNO2であり、
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキル、かつR22はH又は(C1-4)アルキルであり;かつ
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい。)
【請求項13】
式中、Ar2が下記式の基から成る群より選択される、請求項12に記載の使用。
【化20】

(式中、R9はCl又はNO2であり;
10AはC1-4アルキルであり;かつ
10は、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキルであり;かつR22はH又は(C1-4)アルキルであり;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい。)
【請求項14】
HIVに感染したヒトに、治療的に有効な量の下記式1bで表される化合物を投与することを含むHIV感染症の治療のための、請求項1に記載の使用。
Ar3-X-W-Ar2 (1b)
(式中、X、W及びAr2は請求項1で定義したとおりであり、かつAr3は、下記式の基から成る群より選択され、
【化21】

式中、R12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式のフェニルであり;
【化22】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、Ph、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-NO2-Ph)CH2、PhCH2、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式の基
【化23】

(式中、R17はH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3又はNR1819(R18及びR19は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)であり;
かつR20及びR20Aは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである。)
【請求項15】
前記化合物が、式中Ar3が下記式である式1bの化合物である、請求項14に記載の使用
【化24】

(式中、R12Cは請求項14で定義したとおりであり、かつR20Aは、H、Me、Et、Pr又はiPrである。)
【請求項16】
前記化合物が、式中R12Cが下記式のフェニルであり
【化25】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtであり(但し、R13C、R14C、及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である)、かつR20AはH、Me又はEtである);或いはR12Cが下記式の基
【化26】

(式中、R17Cは、H、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2から選択され;かつR20Aは、H、Me又はEtである)である式1bの化合物である請求項15に記載の使用。
【請求項17】
下記式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグ。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
(式中、Ar1は、下記式の基
【化27】

(式中、R12は、下記式の基から成る群より選択され;
【化28】

13は、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し、かつ
9がNO2、Cl又はBrの場合、R13がF又はCH3を意味することもあり;
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し;
12Cは、下記式のフェニル
【化29】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)を表し(但し、R13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である);或いはR12Cは、下記式の基:
【化30】

(式中、R30、R31、R32、R33は前記定義どおりである)であり;かつ
20Aは、H、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい)である)であり;かつ
Xは、S又はOであり;
Wは、CH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2は、下記式の基
【化31】

(式中、R9は、ハロ又はNO2であり;かつR13がCl又はBrの場合、R9が(C1-3)アルキルを意味することもあり;
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルである);
-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、2-、3-又は4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され、ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)から成る群より選択される。)
【請求項18】
式中Ar1が下記式の基であり;
【化32】

かつR12が下記式の基
【化33】

(式中、R13、R14、R15、R20A、R30、R31、R32及びR33は請求項17で定義したとおりである)から成る群より選択される、請求項17に記載の式1の化合物。
【請求項19】
式中R13がCl又はBrを表し、かつ
9がNO2、Cl又はBrの場合、R13はF又はCH3を意味することもあり;
14、R15
31、R32
33が、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)を表し;かつ
30がCl又はBrを表す、請求項18に記載の式1の化合物。
【請求項20】
式中WがCH2C(O)NHである、請求項17〜19のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【請求項21】
式中Ar1が下記式で定義され、
【化34】

かつR12が下記式の基から成る群より選択され;
【化35】

XがSであり;
WがCH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2が下記式の基
【化36】

(式中、R9はハロ又はNO2である)であり;或いは
Ar2が下記式の基
【化37】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はハロである)であり;或いは
Ar2が下記式の基
【化38】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はOMe、ハロ、OH、NO2、フェニル、C(O)OH又はC(O)OMeである)である、請求項17に記載の化合物。
【請求項22】
式中Ar1が下記式の基
【化39】

であり、かつR12Cが下記式のフェニル
【化40】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、tBu、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtを表す(但しR13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である))であり;或いはR12Cが下記式の基
【化41】

(式中、R17はH、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2から選択される)であり;
かつR20AがH、Me、Et、Pr又はiPrである、請求項17に記載の化合物。
【請求項23】
式中Ar1が下記式の基
【化42】

であり、かつR12が下記式の基
【化43】

から成る群より選択される、請求項17〜22のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【請求項24】
式中Ar1が下記式の基である、請求項17〜23のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【化44】

(式中、R12は請求項23の定義どおりであり、かつR20Aは請求項17の定義どおり、好ましくはメチルである。)
【請求項25】
式中Ar1が下記式の基から成る群より選択される、請求項17〜24のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【化45】

(式中、R9はCl又はNO2であり、かつ
10AはC1-4アルキルであり;
10は、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルであり;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい。)
【請求項26】
式中Ar2が下記式の基である、請求項25に記載の式1の化合物。
【化46】

【請求項27】
請求項1〜16のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項17〜26のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの、1種以上の他の抗ウイルス薬と組み合わせた使用。
【請求項28】
請求項1〜16のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項17〜26のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含み、かつ任意に1種以上の薬学的に許容しうる担体を含んでよい医薬組成物。
【請求項29】
請求項1〜16のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項17〜26のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含む、HIV感染症の治療又は予防用医薬組成物。
【請求項30】
式中Ar1及びAr2が請求項1の定義どおりであり、XがS又はOであり、かつWが(CR55A)1-2C(O)NR6(R5、R5A及びR6は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)である式1の化合物の製造方法であって、以下の工程:
a)塩基の存在下、式Ar1-X-Hのチオール又はアルコールを式Y-(CR55A)1-2C(O)ORAのω-ハロアルカン酸アルキルエステル(式中、Yはハロであり、かつRAは(C1-4)アルキルである)と反応させて式Ar1-X-(CR55)1-2C(O)ORAの対応エステルを得た後、このエステルの加水分解によって対応する酸(RA=H)を得、かつこの酸をカップリング剤の存在下、一般式HNR6-Ar2の芳香族アミンとカップリングさせて対応する式1(Ar1、Ar2、X及びWは、この請求項で定義したとおりである)の化合物を得る工程;又は
b)塩基の存在下、式Ar1-X-H(Ar1及びXはこの請求項で定義したとおりである)を式Y-(CR55A)1-2C(O)NR6-Ar2のアニリド(式中、Y、R5、R5A、R6及びAr1は、この請求項で定義したとおりである)と反応させて対応する式1の化合物を得る工程;
を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HIV感染したヒトに治療的に有効な量の下記式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを投与することを含むHIV感染症を治療又は予防するための薬物製造のための式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの使用。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
(式中、Ar1は、
(i)N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-又は6-員芳香族ヘテロ環(前記ヘテロ環は、任意に(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい);及び/又は該ヘテロ環が1〜3個のN原子を含有するときはフェニルで置換されていてもよく;どちらの場合も、前記ヘテロ環は任意に、フェニル、フェニルメチル、5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環、縮合フェニル-{不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環)}メチル、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環で置換されてい
てもよく;前記フェニル、フェニルメチル、芳香族ヘテロ環、縮合フェニル-炭素環、縮合フェニル-(炭素環)メチル又は縮合フェニル-芳香族ヘテロ環は、それぞれ順次任意に、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、フェニルメチル(任意にC1-6アルキル又はニトロで置換されていてもよい)、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、C(O)OR1、NR23、モルフォリノ又は1-ピロリル(ここで、R1はH又は(C1-4)アルキルであり、かつR2及びR3は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;前記置換基は立体的に両立する);或いは
(ii)フェニル若しくはナフチルで置換されている不飽和若しくは飽和5-若しくは6-員炭素環(前記不飽和若しくは飽和炭素環、又はフェニル若しくはナフチルは、任意に、セクション(i)で置換基について定義した同一の1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iii)任意にフェニル又は上記定義どおりの縮合フェニル-炭素環でN-置換されていてもよいベンズイミダゾールであり;
Xは、O、S、SO、SO2又はNR4(R4はH若しくは(C1-4)アルキルである)から選択されるヘテロ原子であり;或いはXは、原子価結合又はCR4A4B(R4A及びR4Bは、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Xがヘテロ原子(NR4を含む)の場合、
Wは、以下の基:
(a)(CR55A)1-2-C(ZA)NR6(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり、かつZAはオキソ又はチオオキソである);
(b)D-C(ZB)(Dは(C1-4)アルキレン、(C1-4)アルキレン-O又は(C1-4)アルキレン-NR7(R7はH若しくは(C1-4)アルキルである)であり、かつZBはオキソ又はチオオキソである);
(c)CH2C(ZC)NR7A-(C1-4)アルキレン(ZCはオキソ又はチオオキソであり、かつR7AはH又は(C1-4)アルキルである);
(d)(C1-4)アルキレン-NR7BC(ZD)NR7C(R7B及びR7Cは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、かつZDはオキソ又はチオオキソである);
(e)(C1-4)アルキレン(任意にOHで置換されていてもよく、又は該(C1-4)アルキレンが2〜4個の炭素原子を含有する場合は任意にOHで二置換されていてもよい);任意にハロで置換されていてもよい(C2-4)アルケニル;又は
【化1】

;又は
(f){(C1-4)アルキレン}-O(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよい);
(g){(C1-4)アルキレン}-NR8(任意に、該アルキレン部分でOHによって置換されていてもよく、かつR8はH又は(C1-4)アルキルである);
(h)(C1-4)アルキレン-C(ZE)(C1-4)アルキレン(ZEはオキソ又はチオオキソである);又は
(i)
【化2】

;又は
(j)(CR55A)1-2-NR6-(CR55A)1-2(R5及びR5Aは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルである);
から選択される二価基であり;或いは
Xが原子価結合の場合、
Wは、{(C2-4)アルケニル}C(O)NR8A





【化3】

(式中、R8A及びR8Bは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである)であり;或いは
Xが、上記定義どおりのCR4A4Bの場合、
Wは、{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8C、S-{(C1-4)アルキレン}C(O)NR8D、O-{(C1-4)-アルキレン}C(O)NR8E、又はNR8F-{(C1-4)アルキレン}-NR8G(ここで、R8C、R8D、R8E、R8F及びR8Gは、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)から選択され;かつ
Ar2は、
(i)下記式から選択されるフェニル又はピリジニルであり;
【化4】

(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立的に以下の基:
H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-6)アルキル、S-(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり;R22はH又は(C1-4)アルキルである)、C(O)NH2、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、S(O)-(C1-4)アルキル、SO2-(C1-4)アルキル、SO2NH2、フェニル、フェニルメチル、フェニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリル(前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)を表し;
該置換基R9、R10及びR11は立体的に両立し;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、ここで、RN1とRN2が相互に共有結合してそれらが結合しているN-原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3はH、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH又は(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい);或いは
(ii)Ar2は、縮合フェニル-(飽和若しくは不飽和5-若しくは6-員炭素環式環)(任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり;或いは
(iii)Ar2は、N、O若しくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員芳香族ヘテロ環、又は縮合フェニル-5-若しくは6-員ヘテロ環であり(前記芳香族ヘテロ環又は縮合フェニル-ヘテロ環は、任意に、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、NO2又はハロから独立的に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);或いは
(iv)Ar2がフタルイミドであり、かつWが(C1-4)アルキレンである。)
【請求項2】
HIVに感染したヒトに、治療的に有効な量の下記式1aで表される化合物を投与することを含むHIV感染症の治療のための、請求項1に記載の使用。
【化5】

(式中、X、W及びAr2は請求項1又は2で定義したとおりであり、かつR12は下記式のフェニルであり
【化6】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、フェニル、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1
-ピロリル、(2-ニトロフェニル)-CH2、フェニルメチル、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12は、下記式の基から成る群より選択され、
【化7】

31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;かつ
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表す。)
【請求項3】
前記化合物が、下記式1aの化合物である、請求項に記載の使用。




【化8】

(式中、R12は下記式の基
【化9】

(式中、R17はH、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、MHMe又はNMe2から選択される)である。)
【請求項4】
前記化合物が、式中XがO又はSである式1の化合物である、請求項に記載の使用。
【請求項5】
前記化合物が、式中-X-Wが下記基:
-S-(CR55A)-CO-NR6、-O-(CR55A)-CO-NR6、-S-(C2-4)アルキレン-O-及び-S-(C2-4)アルキレン-NR6-(ここで、R5及びR5Aはそれぞれ独立的にH又は(
1-4)アルキルであり、R6はH又は(C1-4)アルキルであり;かつ該(C2-4)アルキレン基は任意にOHで置換されていてもよい)
から成る群より選択される二価基である式1の化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記化合物が、式中WがCH(R5)C(O)NH(R5はH又はMeである)である式1の化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
式中、Ar2が下記式の基から成る群より選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の使用。
【化10】

(式中、R9は(C1-3)アルキル、ハロ又はNO2であり、
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(1-4)アルキル、-SO2-(1-4)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニ
ル、フェニルメチル、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキル、かつR22はH又は(C1-4)アルキルであり;かつ
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい。)
【請求項8】
HIVに感染したヒトに、治療的に有効な量の下記式1bで表される化合物を投与することを含むHIV感染症の治療のための、請求項1に記載の使用。
Ar3-X-W-Ar2 (1b)
(式中、X、W及びAr2は請求項1で定義したとおりであり、かつAr3は、下記式の基から成る群より選択され、
【化11】

式中、R12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式のフェニルであり;
【化12】

(式中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立的にH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OH、NO2、CN、Ph、2-メチルフェニル、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)NH2、モルフォリノ、1-ピロリル、(2-NO2-Ph)CH2、PhCH2、C(O)OR16(R16はH又は(C1-4)アルキルである)を表す);或いは
12A、R12B、R12C及びR12Dは、それぞれ下記式の基
【化13】

(式中、R17はH、(C1-4)アルキル、O-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3又はNR1819(R18及びR19は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)であり;
かつR20及びR20Aは、それぞれH又は(C1-4)アルキルである。)
【請求項9】
下記式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグ。
Ar1-X-W-Ar2 (1)
(式中、Ar1は、下記式の基
【化14】

(式中、R12は、下記式の基から成る群より選択され;
【化15】

13は、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し、かつ
9がNO2、Cl又はBrの場合、R13がF又はCH3を意味することもあり;
14、R15
31、R32
33は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)から成る群より選択され;
30は、H、Cl、Br、COO(C1-4)アルキルを表し;
12Cは、下記式のフェニル
【化16】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O-(C1-4)アルキル、S-(C1-4)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、SO2NH2、SO2-(C1-4)アルキル、C(O)OR1(R1はH若しくは(C1-4)アルキルである)、又はNR23(R2及びR3は、それぞれ独立的にH若しくは(C1-4)アルキルである)を表し(但し、R13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である);或いはR12Cは、下記式の基:
【化17】

(式中、R30、R31、R32、R33は前記定義どおりである)であり;かつ
20Aは、H、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-(前記アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルは-OHで一置換されていてもよい)である)であり;かつ
Xは、S又はOであり;
Wは、CH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2は、下記式の基から成る群より選択される:
【化18】

(式中、R9は、ハロ又はNO2であり;かつR13がCl又はBrの場合、R9が(C1-3)アルキルを意味することもあり;
10、R11は、相互独立的に、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22(R21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルである);
-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、2-、3-又は4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択されここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる)
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい)。)
【請求項10】
式中WがCH2C(O)NHである、請求項に記載の式1の化合物。
【請求項11】
式中Ar1が下記式で定義され、
【化19】

かつR12が下記式の基から成る群より選択され;
【化20】

XがSであり;
WがCH2C(O)NR6(R6はH又は(C1-4)アルキルである)であり;かつ
Ar2が下記式の基
【化21】

(式中、R9はハロ又はNO2である)であり;或いは
Ar2が下記式の基


【化22】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はハロである)であり;或いは
Ar2が下記式の基
【化23】

(式中、R9はハロ又はNO2であり、かつR10はOMe、ハロ、OH、NO2、フェニル、C(O)OH又はC(O)OMeである)である、請求項に記載の化合物。
【請求項12】
式中Ar1が下記式の基
【化24】

であり、かつR12Cが下記式のフェニル
【化25】

(式中、R13C、R14C及びR15Cは、それぞれ独立的にH、Me、Et、Pr、iPr、tBu、OMe、OEt、SMe、SEt、Br、Cl、F、CF3、NO2、C(O)OH、C(O)OMe又はC(O)OEtを表す(但しR13C、R14C及びR15Cの少なくとも1個は水素以外である))であり;或いはR12Cが下記式の基
【化26】

(式中、R17はH、Me、OMe、Cl、F、CF3、NH2、NHMe又はNMe2から選択される)であり;
かつR20AがH、Me、Et、Pr又はiPrである、請求項に記載の化合物。
【請求項13】
式中Ar1が下記式の基から成る群より選択される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【化27】

(式中、R9はCl又はNO2であり、かつ
10AはC1-4アルキルであり;
10は、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル、(C2-6)アルケニル、O(C1-6)アルキル、S(C1-6)アルキル、ハロ、CF3、OCF3、OH、NO2、CN、-NRN1N2、-C(O)R21、-(C1-3)アルキル-C(O)R21、-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-SO2-(C1-3)アルキル-C(O)OR22、-(C1-3)アルキル-C(O)NH2、C(O)NH2、-S(O)-(C1-6)アルキル、-SO2-(C1-6)アルキル、-SO2-フェニル、-SO2-NH2、フェニル、フェニルメチル、フェ
ニル-SO2-、2-、3-若しくは4-ピリジニル、1-ピロリルから成る群より選択され(ここで、前記フェニル、ピリジニル及びピロリルは、ハロ、NO2、C1-3-アルキル及びCF3から成る群より選択される1個以上の置換基を有しうる);
21は(C1-4)アルキルであり、かつR22はH又は(C1-4)アルキルであり;
N1、RN2は、それぞれ独立的にH又は(C1-6)アルキルを表し、RN1とRN2は、相互に共有結合して、それらが結合しているN原子と一緒に4〜7-員ヘテロ環を形成していてもよく、6若しくは7-員ヘテロ環の4位の-CH2-基は、-O-、-S-又は-NRN3-(RN3は、H、-C(O)OR22、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル(R22はH若しくは(C1-4)アルキルである)を表す)で置換されていてもよい。)
【請求項14】
請求項1〜のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項9〜13のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグの、1種以上の他の抗ウイルス薬と組み合わせた使用。
【請求項15】
請求項1〜のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項9〜13のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含み、かつ任意に1種以上の薬学的に許容しうる担体を含んでよい医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜のいずれか1項で定義したとおり、或いは請求項9〜13のいずれか1項で定義したとおりの式1の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エステル若しくはプロドラッグを含む、HIV感染症の治療又は予防用医薬組成物。
【請求項17】
式中Ar1及びAr2が請求項1の定義どおりであり、XがS又はOであり、かつWが(CR55A)1-2C(O)NR6(R5、R5A及びR6は、それぞれ独立的にH又は(C1-4)アルキルである)である式1の化合物の製造方法であって、以下の工程:
a)塩基の存在下、式Ar1-X-Hのチオール又はアルコールを式Y-(CR55A)1-2C(O)ORAのω-ハロアルカン酸アルキルエステル(式中、Yはハロであり、かつRAは(C1-4)アルキルである)と反応させて式Ar1-X-(CR55)1-2C(O)ORAの対応エステルを
得た後、このエステルの加水分解によって対応する酸(RA=H)を得、かつこの酸をカップリング剤の存在下、一般式HNR6-Ar2の芳香族アミンとカップリングさせて対応する式1(Ar1、Ar2、X及びWは、この請求項で定義したとおりである)の化合物を得る工程;又は
b)塩基の存在下、式Ar1-X-H(Ar1及びXはこの請求項で定義したとおりである)を式Y-(CR55A)1-2C(O)NR6-Ar2のアニリド(式中、Y、R5、R5A、R6及びAr1は、この請求項で定義したとおりである)と反応させて対応する式1の化合物を得る工程;を含む方法。

【公表番号】特表2006−514936(P2006−514936A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555920(P2004−555920)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001870
【国際公開番号】WO2004/050643
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】