説明

非常時情報通信システム、非常時情報通信方法及び非常時情報通信プログラム

【課題】災害対策本部や避難誘導員等の関係者間で情報を共有することにより、被災者に対して的確に避難誘導を行なうための非常時情報通信システム、非常時情報通信方法及び非常時情報通信プログラムを提供する。
【解決手段】非常時情報通信サーバ20の制御部21の情報取得手段211は、災害対策本部端末11、モバイル端末12、モニタリングポスト15等から各種情報を取得し、データ記憶部22に記録する。アクション支援手段212は、取得した情報に基づいて、避難路の特定や誘導員の配置を決定するための支援処理を実行する。画像編集処理手段213は、取得した情報や決定されたアクションに基づいて、地図画像上に各種情報を重畳する編集処理を実行する。情報配信手段214は、災害対策本部端末11やモバイル端末12に対して各種指示や編集された画像を配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に救助・救援活動を行なうための非常時情報通信システム、非常時情報通信方法及び非常時情報通信プログラムに関する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(国民保護法)が制定され、各自治体等は、この法律に基づき、国民保護措置を行なう実施体制、住民の避難や救援に関する事項等を規定する「国民保護計画」を策定している。この「国民保護計画」の枠組みにおいては、テロ・武力攻撃が起きた場合に、市町村は、ファースト・リスポンダ(災害発生時において最初に救助・救援活動に赴く組織・機関)として応急対応を行なうことになる。特に、NBC(核・化学・生物)テロの場合には、NBC剤の大気拡散などにより、事態の急激な変化等の予期せぬ事態に進展する可能性があり、迅速かつ効果的に被災者の集団避難誘導を行なうことが極めて重要になる。
【0003】
例えば、設定作業が容易で、かつ、非常時の的確な情報伝達と避難誘導のための非常時避難誘導支援システムが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献記載の技術では、非常時に避難情報を発報する発報手段と、既設防災設備に接続されて、当該既設防災設備から非常時情報が入力され、前記発報手段が発報する発報内容を当該非常時情報に基づいて決定するコントローラとを備えている。
【0004】
また、被災地域にいる人からのみ情報収集を行なってエリア毎に自動で分類し、情報提供者の情報提供を容易にし、エリア毎に分類された情報を簡単な操作で閲覧可能にするためのシステムも検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献記載の技術では、災害時に被災地域の住民やボランティアが持っている災害情報等を被災地域にいる人から収集し、この情報を共有することにより、公開する。このシステムの情報共有サーバは、基地局毎に携帯電話端末のインターネット接続による情報通信を制御し、情報収集が許された基地局を介して、携帯電話端末から情報を収集し、収集された情報を蓄積し、情報提供が許された基地局を介して、蓄積されている情報を情報提供が許された携帯電話端末に提供する。
【特許文献1】特開2005−234682号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2006−217411号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、国民保護措置を行なうべき範囲は広い。特に、被災地域において多数の被災者の集団避難誘導を行なう場合、非常時情報通信が減災の鍵を握る。非常時情報通信のうち、救助・救援活動を行う政府・応急機関間の通信は、災害救援通信(Telecommunication for Disaster Relief :TDR)と呼ばれている。このような緊急事態において迅速かつ効果的な集団避難誘導を行なうには、災害対策本部における情報収集・状況分析・意思決定に資するマルチメディア情報の統合的な編集・管理、災害対策本部と、被災現場で展開するファースト・リスポンダ間でのリアルタイムでのマルチメディア双方向通信(連絡・指示・報告)などが求められる。さらには、インターネット上で、大規模マルチメディア情報を高速で配信・閲覧できる環境も必要になる。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、この目的は、国民保護措置を含め、防災・危機管理の観点から、災害対策本部や避難誘導員等の関係者間で情報を共有する
ことにより、被災者に対して的確に避難誘導を行なうための非常時情報通信システム、非常時情報通信方法及び非常時情報通信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムであって、前記制御手段が、災害地域を特定する情報を取得する手段と、前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する手段と、前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する手段と、前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する手段と、前記特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非常時情報通信システムにおいて、位置情報と撮影画像データとを関連付けて記憶する画像記憶手段を更に備え、前記制御手段が、前記撮像端末から撮影画像データを取得した場合、前記撮像端末の所在情報を取得し、前記撮影画像データと前記所在情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶するとともに、前記災害対策地図にあわせて、前記撮影画像データを表示する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の非常時情報通信システムにおいて、前記制御手段が、災害地域の変更情報を取得する手段を更に備え、前記変更情報に応じて、避難所の特定、誘導路の特定、誘導員の配置場所の特定を再度実行し、災害対策地図を更新することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の非常時情報通信システムにおいて、前記制御手段が、特定した誘導路、誘導員の配置場所を時刻とともに記録する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の非常時情報通信システムにおいて、前記制御手段が、誘導員の所在に関する情報を取得し、誘導員の所在と誘導員の配置場所との組み合わせを生成し、各誘導員を配置場所に配置するための移動距離の合計が最小になるような組み合わせを決定することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の非常時情報通信システムにおいて、前記制御手段が、誘導員の人数に関する情報を取得し、前記誘導路におけるノードを特定し、前記ノードの形状情報に応じて優先順位を決定し、前記人数に応じたノードを前記優先順位に応じて、誘導員の配置場所を特定することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の非常時情報通信システムにおいて、前記制御手段が、環境情報を取得し、前記環境情報を用いて、災害地域の予測範囲をシミュレーションする手段と、前記シミュレーションの結果に応じて、災害地域の予測範囲に重複しない避難所及び誘導路を特定することを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムを用いる災害時の通信方法であって、前記制御手段が、災害地域を特定する情報を取得する段階と、前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する段階と、前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する段階と、前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する段階と、前記特定した災
害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムにおいて用いる非常時情報通信プログラムであって、前記制御手段を、災害地域を特定する情報を取得する手段、前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する手段、前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する手段、前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する手段、前記特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、8又は9に記載の発明によれば、制御手段が、災害地域を特定する情報を取得し、避難所情報記憶手段を用いて災害地域に含まれない避難所を特定する。次に、避難所までの誘導路であって、災害地域に重複しない誘導路を特定し、特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する。そして、特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、モバイル端末に出力する。これにより、安全な避難所、誘導路を、災害対策地図を用いて誘導員に指示することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、撮像端末から撮影画像データを取得した場合、撮像端末の所在情報を取得し、撮影画像データと所在情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶する。そして、災害対策地図にあわせて、撮影画像データを表示する。これにより、災害対策地図とともに、現場の状況を把握することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、災害地域の変更情報を取得する。そして、変更情報に応じて、避難所の特定、誘導路の特定、誘導員の配置場所の特定を再度実行し、災害対策地図を更新する。これにより、災害範囲は時々刻々変化するが、状況が変わった場合に、速やかに対応を行なうことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、特定した誘導路、誘導員の配置場所を時刻とともに記録する。これにより、後から対応履歴を見直すことができる。
請求項5に記載の発明によれば、制御手段が、誘導員の所在に関する情報を取得する。次に、誘導員の所在と誘導員の配置場所との組み合わせを生成する。そして、各誘導員を配置場所に配置するための移動距離の合計が最小になるような組み合わせを決定する。これにより、短時間に誘導員を配置させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、制御手段が、誘導員の人数に関する情報を取得する。更に、誘導路におけるノードを特定し、ノードの形状情報に応じて優先順位を決定する。そして、人数に応じたノードを優先順位に応じて、誘導員の配置場所を特定する。これにより、誘導を行なうことができる人数が限られている場合にも、的確な場所に誘導員を配置することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、制御手段は、環境情報を取得し、環境情報を用いて、災害地域の予測範囲をシミュレーションする。シミュレーションの結果に応じて、災害地域の予測範囲に重複しない避難所及び誘導路を特定する。これにより、安全な避難所及び誘導路を的確に決定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、災害対策本部や避難誘導員等の関係者間で、リアルタイムに近い情報
を共有することにより、被災者に対して的確に避難誘導を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した非常時情報通信システムの一実施形態を図1〜図13に従って説明する。本実施形態では、NBCテロのような非常事態が発生した場合に避難誘導を行なうために用いる非常時情報通信システム、非常時情報通信方法及び非常時情報通信プログラムとして説明する。
【0024】
本実施形態では、図1に示すように、災害対策本部端末11や非常時情報通信サーバ20を用いて、被災地域の住民等の避難誘導を行なう。
本実施形態では、図1に示すように、災害対策本部端末11は、ネットワークを介して非常時情報通信サーバ20に接続されている。この災害対策本部端末11は、災害時に設置された災害対策本部において利用される。災害対策本部端末11は、ネットワークを介して各種データを送信する機能や、受信した各種データを表示する機能等を有するコンピュータ端末である。この災害対策本部端末11は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、大型のスクリーンモニタ等の出力手段、通信手段等を有する。災害対策本部端末11は、このスクリーンモニタに、非常時情報通信サーバ20から取得した情報を逐次表示する。
【0025】
更に、常時情報通信サーバ20は、無線通信が可能なネットワークを介して、モバイル端末12やモニタリングポスト15と通信を行なう。このモバイル端末12は、危険物処理専門チーム(以下、HAZMATチームという)の構成員や避難誘導員(以下、「誘導員」という)等が所持する携帯端末である。このモバイル端末12は、無線通信機能部、撮影機能部(カメラ)、入力部(入力キーパネル)、出力部(ディスプレイ)、GPS(Global Positioning System :全地球測位システム)機能等を備えたPDA(Personal Digital Assistants )やスマートフォン等により実現される。本実施形態では、このモバイル端末12や、後述する防災ヘリに搭載された撮影カメラが撮像端末として機能する。
【0026】
一方、非常時情報通信サーバ20は、制御部21、データ記憶部22、災害拡散シミュレータ23を備えている。更に、非常時情報通信サーバ20は、インターネット等のネットワークを介して天候情報サーバ30に接続される。非常時情報通信サーバ20は、この天候情報サーバ30から、天候情報や風向き情報を取得する。
【0027】
この制御部21は、CPU、RAM、ROMからなる制御手段から構成されており、後述する処理(避難所特定段階、誘導路特定段階、配置場所特定段階、災害対策地図作成段階、出力段階等を含む処理)を行なう。このための非常時情報通信プログラムを実行することにより、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、図1に示すように、情報取得手段211、アクション支援手段212、画像編集処理手段213、情報配信手段214等として機能する。
【0028】
情報取得手段211は、災害対策本部端末11、モバイル端末12、モニタリングポスト15、災害拡散シミュレータ23等から各種情報を取得する処理を実行する。
アクション支援手段212は、モバイル端末12やモニタリングポスト15等から取得した情報に基づいて、アクションを決定するための支援処理を実行する。このアクションには、避難所や誘導路の決定が含まれる。
【0029】
画像編集処理手段213は、地図上に、モバイル端末12やモニタリングポスト15等から取得した情報や、決定された避難所や誘導路等に基づく情報を重畳させた災害対策地図を作成する編集処理を実行する。
【0030】
情報配信手段214は、災害対策本部端末11やモバイル端末12に対して、決定されたアクションに関する指示や画像編集処理手段213において編集された画像を配信する処理を実行する。
【0031】
更に、非常時情報通信サーバ20は、図1に示すように、取得した情報を蓄積し、共有するためのデータ記憶部22を備えている。このデータ記憶部22は、地図データベース22a、施設データベース22b、災害地域データベース22c、写真データベース22d、関係者所在データベース22eを含んで構成されている。更に、データ記憶部22は、モニタリングデータベース22f、避難誘導ポイントデータベース22g、誘導路データベース22h、報告データベース22i、指示履歴データベース22jを含んで構成されている。
【0032】
地図データベース22aには、図2(a)に示すように、全国の地図データが記録されている。本実施形態では、この地図データとして、通常の地図の他に、この地図に対応させて上空から撮影した航空写真データ(写真地図)が予め登録されている。この地図データは、位置、地図画像に関するデータを含んで構成される。
【0033】
位置データ領域には、地図に表示される地域を特定するための位置(緯度・経度)に関するデータが記録されている。
地図画像データ領域には、この地域の道路や建物を表わした地図画像データや航空写真画像データが記録されている。
【0034】
施設データベース22bは避難所情報記憶手段として機能し、図2(b)に示すように、被災者を援助し、避難させるための各種設備に関する施設データが記録されている。施設データは、新たな施設が登録された場合に記録される。この施設データは、施設種別、位置情報、施設名称、施設内容、時刻、ステータスに関するデータを含んで構成される。
【0035】
施設種別データ領域には、この施設の種別を特定するための識別子に関するデータが記録されている。この種別には、例えば、自治体組織、学校、病院、避難所等がある。
位置情報データ領域には、この施設の所在地(緯度・経度)を特定するための位置情報に関するデータが記録されている。
【0036】
施設名称データ領域には、この施設の名称に関するデータが記録されている。
施設内容データ領域には、この施設の代表者、連絡先、規模(例えば収容可能人数)等の仕様に関するデータが記録されている。
【0037】
時刻データ領域には、この施設が避難所として決定された時刻に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、避難所の利用状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、「決定」、「変更」等を示すフラグを用いて特定する。
【0038】
災害地域データベース22cには、図2(c)に示すように、災害地域データが記録される。この災害地域データは、災害発生の通報等により、災害発生の登録が行なわれた場合に生成されて記録される。この災害地域データは、災害発生地点、災害発生位置、災害種別、時刻毎の避難指定範囲に関するデータを含んで構成される。
【0039】
災害発生地点データ領域には、災害が発生した場所を特定するための名称(例えば、「○○スタジアム」)に関するデータが記録される。
災害発生位置データ領域には、この災害発生した場所を特定するための位置情報(緯度・経度)に関するデータが記録される。この災害発生場所データ領域には、地図データベ
ース22aに記録された地図上で特定された災害発生場所の位置情報を用いて設定される。
【0040】
災害種別データ領域には、災害の種別を特定するための識別子(例えば、「化学テロ」)に関するデータが記録される。
時刻データ領域には、避難指定範囲データが登録された時刻に関するデータが記録される。
避難指定範囲データ領域には、決定された避難指定範囲に関するデータが記録される。
【0041】
写真データベース22dは画像記憶手段として機能し、図2(d)に示すように、モバイル端末12等から取得した撮影画像データに関する写真データが記録される。この写真データは、モバイル端末12等から撮影画像データを取得した場合に記録される。この写真データは、時刻、送信者、送信場所、コメント、撮影画像に関するデータを含んで構成される。
【0042】
時刻データ領域には、撮影画像データを取得した時刻に関するデータが記録される。
送信者データ領域には、この写真を送信した者を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、撮影画像データを送信したモバイル端末12の端末識別子を用いて特定する。
【0043】
送信場所データ領域には、この写真が撮影された場所を特定するための位置情報(緯度・経度)に関するデータが記録される。本実施形態では、撮影画像データを送信したモバイル端末12から取得した所在情報(ここでは、GPSデータ)を用いて特定する。
【0044】
コメントデータ領域には、この撮影画像データの送信者が付したコメントに関するデータが記録される。
撮影画像データ領域には、モバイル端末12から取得した撮影画像データが記録される。
【0045】
関係者所在データベース22eには、図2(e)に示すように、災害対応者(HAZMATチームの構成員や誘導員等)を特定するための関係者所在データが記録される。この関係者所在データは、災害対応者が登録され、GPSデータを受信した場合に順次蓄積される。この関係者所在データは、関係者識別子、所属に関するデータを含んで構成される。更に、関係者識別子に対して時刻毎に場所に関するデータが記録される。
【0046】
関係者識別子データ領域には、この関係者が所持するモバイル端末12の端末識別子に関するデータが記録される。
所属データ領域には、この関係者の所属(HAZMATチームや誘導員)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0047】
時刻データ領域には、この関係者のモバイル端末12から位置情報を取得した時刻に関するデータが記録される。
場所データ領域には、この関係者の位置情報(緯度・経度)に関するデータが記録される。本実施形態では、この関係者が所持するモバイル端末12から取得したGPSデータを用いて特定する。
【0048】
モニタリングデータベース22fには、図3(a)に示すように、モニタリングポスト15から取得したモニタリングデータが記録される。モニタリングデータは、モニタリングポスト15が設置された場合に登録され、その後、このモニタリングポスト15から各種情報を取得した時に順次蓄積される。このモニタリングデータは、ポスト識別子、場所
に関するデータを含んで構成される。更に、ポスト識別子に対して、時刻毎に測定濃度、風速・風向きに関するデータが記録される。
【0049】
ポスト識別子データ領域には、モニタリングポスト15を特定するための識別子に関するデータが記録される。
場所データ領域には、このモニタリングポスト15が設置された場所を特定するための位置情報(緯度・経度)に関するデータが記録される。本実施形態では、設置されたモニタリングポスト15から取得したGPSデータを用いて特定する。
【0050】
時刻データ領域には、モニタリングポスト15からの各種情報を受信した時刻に関するデータが記録される。
測定濃度データ領域には、モニタリングポスト15において測定されたガス濃度に関するデータが記録される。
風速・風向きデータ領域には、モニタリングポスト15において測定された風速・風向きに関するデータが記録される。
【0051】
避難誘導ポイントデータベース22gには、図3(b)に示すように、避難誘導を行なう場所を特定するための避難誘導ポイントデータが記録される。この避難誘導ポイントデータは、決定された避難誘導ポイントが登録された場合に記録される。この避難誘導ポイントデータは、指示時刻、配置場所、誘導員、ステータスに関するデータを含んで構成される。
【0052】
指示時刻データ領域には、避難誘導ポイントが登録された時刻に関するデータが記録される。
配置場所データ領域には、避難誘導ポイントの位置を特定するための位置情報(緯度・経度)に関するデータが記録される。
【0053】
誘導員データ領域には、避難誘導ポイントに配置された誘導員を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、この誘導員が所持するモバイル端末12の端末識別子を用いて特定する。
【0054】
ステータスデータ領域には、避難誘導ポイントにおける配置状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、「決定」、「変更」、「配置完了」等を示すフラグを用いて特定する。
【0055】
誘導路データベース22hには、図3(c)に示すように、避難誘導を行なう経路を特定するための誘導路データが記録される。この誘導路データは、避難誘導路が決定されて登録された場合に記録される。この誘導路データは、誘導路識別子、配置、時刻、ステータスに関するデータを含んで構成される。
【0056】
誘導路識別子データ領域には、各誘導路を特定するための識別子に関するデータが記録される。
配置データ領域には、この誘導路について地図上における配置を特定するための位置情報に関するデータが記録される。
【0057】
時刻データ領域には、この誘導路が決定された時刻に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、誘導路の利用状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、「決定」、「変更」等を示すフラグを用いて特定する。
【0058】
報告データベース22iには、図3(d)に示すように、モバイル端末12から受信し
た報告データが記録される。この報告データは、モバイル端末12から受信した時に記録される。この報告データは、時刻、報告者、報告内容に関するデータを含んで構成される。
【0059】
時刻データ領域には、モバイル端末12から報告を受信した時刻に関するデータが記録される。
報告者データ領域には、この報告を送信した関係者を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、報告者が所持するモバイル端末12の端末識別子を用いて特定する。
報告内容データ領域には、この報告に含まれる内容に関するデータが記録される。
【0060】
指示履歴データベース22jには、図3(e)に示すように、モバイル端末12に送信された指示についての指示履歴データが記録される。指示履歴データは、モバイル端末12に送信された時に記録される。この指示履歴データは、時刻、指示種別、指示内容に関するデータを含んで構成される。
【0061】
時刻データ領域には、モバイル端末12に対して指示が送信された時刻に関するデータが記録される。
指示種別データ領域には、この指示の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。この指示には、移動指示や避難指示等が含まれる。
指示内容データ領域には、この指示に含まれる内容に関するデータが記録される。
【0062】
(基本機能)
次に、図4を用いて、非常時情報通信サーバ20の制御部21の機能を説明する。
【0063】
まず、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害情報取得処理手段21aとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211は、災害対策本部端末11において入力された被災地、状況を取得する。そして、情報取得手段211は、災害地域データベース22cに災害地域データを記録する。
【0064】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、地図画像取得処理手段21bとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211が、防災ヘリにおいて撮影された航空写真を取得し、写真データベース22dに写真データとして記録する。そして、画像編集処理手段213は、この航空写真画像と地図データベース22aに記録された地図画像とをマッチングさせて、航空写真上の座標に対して緯度経度を設定する。これにより、防災ヘリにおいて撮影された航空写真が地図として機能する。
【0065】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、配信画像生成処理手段21cとして機能する。具体的には、制御部21の画像編集処理手段213が、後述する各種情報の配置情報を取得した場合や災害対策本部端末11において各種情報が入力された場合、航空写真の画像データ上に他のレイヤを設けて、このレイヤに後述する各種情報を配置して重畳させた画像を生成する。なお、これらのレイヤは、防災ヘリにおいて撮影された航空写真上だけではなく、地図データベース22aに登録されている通常の地図や写真地図上に設定して表示させることも可能である。
【0066】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、被災地天候情報取得処理手段21dとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211が、天候情報サーバ30から天候情報(天気、風向き)を取得する。
【0067】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害拡散モニタリング手段21eと
して機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211が、各モニタリングポスト15から、定期的にモニタリング情報(ガス濃度情報や風向き情報)を取得し、モニタリングデータベース22fに記録する。
【0068】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、濃度拡散シミュレーション手段21fとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211が、各モニタリングポスト15から取得したモニタリング情報や、天候情報サーバ30から取得した天候情報を災害拡散シミュレータ23に提供する。本実施形態では、モニタリング情報や天候情報が環境情報として利用される。具体的には、モニタリング情報を、天候情報サーバ30から取得した天候情報により補完する。そして、災害拡散シミュレータ23から、ガス拡散について化学剤拡散分布(健康影響濃度分布)のシミュレーション結果を取得する。
【0069】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、避難範囲特定処理手段21gとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、シミュレーション結果に基づいて、化学剤拡散分布から所定距離の範囲を避難指定範囲として特定する。そして、アクション支援手段212は、時刻とともに災害地域データベース22cに避難指定範囲として登録する。なお、災害対策本部端末11において、地図上で手書きにより、避難指定範囲を設定することも可能である。この場合には、制御部21の情報取得手段211が災害対策本部端末11から設定された避難指定範囲データを取得し、災害地域データベース22cに登録する。
【0070】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、周囲避難所特定処理手段21hとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、施設データベース22bに記録された避難所の中から、災害発生地点位置や化学剤拡散分布範囲から所定距離内の避難所を抽出する。
【0071】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、利用可能避難所特定処理手段21iとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、避難指定範囲に含まれない避難所を特定する。また、これまでに利用可能としていた避難所が利用できなくなった場合には、利用可能避難所特定処理手段21iは、災害対策本部端末11に対してアラームを出力する。
【0072】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導路特定処理手段21jとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、後述するように、利用可能避難所特定処理手段21iにおいて特定された避難所に対して避難を行なう場合の誘導路の特定について支援処理を実行する。そして、災害対策本部端末11において誘導路が決定された場合、アクション支援手段212は、この誘導路に関するデータを誘導路データベース22hに登録する。ここで、地図上で手書きにより誘導路を再設定することも可能である。この場合には、制御部21の情報取得手段211が災害対策本部端末11から設定された誘導路データを取得し、誘導路データベース22hに登録する。
【0073】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、対応可能人数情報取得処理手段21kとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、関係者所在データベース22eに登録された誘導員の数を計数することにより、避難誘導の対応可能な人数を算出する。なお、災害対策本部端末11において人数が入力された場合には、制御部21の情報取得手段211が対応可能人数情報を取得する。
【0074】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導員配置処理手段21mとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、特定された誘導路情報及び対応可能な人数情報を用いて、後述するように、誘導員配置の決定について支援処理
を実行する。そして、災害対策本部端末11において誘導員配置が決定された場合、アクション支援手段212は、この誘導員配置に関するデータを避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。ここで、地図上で手書きにより誘導員配置を再設定することも可能である。この場合には、制御部21の情報取得手段211が災害対策本部端末11から設定された誘導員配置データを取得し、避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。
【0075】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、モバイル端末情報取得処理手段21nとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211がモバイル端末12から各種情報(関係者の所在情報や写真)を取得し、写真データベース22dや関係者所在データベース22eに記録する。
【0076】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、再評価指示処理手段21pとして機能する。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、災害対策本部端末11やモバイル端末12、モニタリングポスト15から変更情報を取得した場合に各処理の再実行を指示する。
【0077】
また、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、情報配信処理手段21qとして機能する。具体的には、制御部21の情報配信手段214が、災害対策本部端末11やモバイル端末12への各種情報の配信処理を実行する。
【0078】
(誘導路特定支援処理)
次に、誘導路特定処理手段21jについて、図5(a)を用いて説明する。
まず、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、避難地域から避難場所までのルート検索処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212が、地図データベース22aに記録された地図データを用いて、災害地域データベース22cに記録された災害発生地点から、利用可能避難所特定処理手段21iにおいて特定された利用可能避難所までのルートを公知の経路検索技術を用いて特定する。
【0079】
次に、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、避難ルートが災害地から所定距離以上かどうかについての判断処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、特定された避難ルートと現在の化学剤拡散分布範囲との距離を算出する。ここで、避難ルートと化学剤拡散分布範囲とが所定距離内にある場合(ステップS1−2において「NO」の場合)には、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、代替ルートの検索処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、再度、公知の経路検索技術を用いて、災害発生地点から避難所までの他のルートを検索する。
【0080】
そして、災害地から所定距離以上離れているルートを特定できた場合(ステップS1−2において「YES」の場合)には、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導路の仮登録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、このルートを誘導路データベース22hに仮記録する。そして、アクション支援手段212は、このルートを推奨ルートとして災害対策本部端末11に出力して誘導路の決定を促す。
【0081】
(誘導員配置支援処理)
次に、誘導員配置処理手段21mについて、図5(b)を用いて説明する。
非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導路の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、誘導員配置処理の処理対象となる誘導路を、誘導路データベース22hにおいて特定する。
【0082】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、曲がり角の特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、特定した誘導路において、線分の方位が変化しているノードを特定することにより、曲がり角を特定する。
【0083】
非常時情報通信サーバ20の制御部21は、曲がり角に応じて優先度の付与処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、各ノードにおいて、前後の線分の方位についての内積を算出することにより、曲がり角度を特定する。そして、アクション支援手段212は、内積値が小さく、曲がり角度が大きいノードから順番に高い優先度を付与する。
【0084】
次に、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、道なり評価調整処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、地図データベース22aに記録された地図データを用いて、各ノードにおいて接続されている他の道路を特定する。そして、この地図データを用いて各道路の幅を特定する。ここでは、画像処理により、道路を示す線分の間隔を算出する。更に、アクション支援手段212は、避難ルートとして設定された道路の幅が他の道路の幅よりも広い場合には、避難誘導路は「道なり」と判断する。この場合には、アクション支援手段212は、被災者が道に迷う可能性が低いので、先にこのノードに対して付与した優先度を低くする評価処理を実行する。
【0085】
非常時情報通信サーバ20の制御部21は、優先度順に誘導員配置の仮登録処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、対応可能人数情報取得処理手段21kにおいて取得した人数に応じたノードを優先度の高い順番に特定する。そして、アクション支援手段212は、特定したノードを誘導員の配置場所として避難誘導ポイントデータベース22gに仮記録する。そして、アクション支援手段212は、この誘導員配置を推奨配置として災害対策本部端末11に出力して誘導員配置の決定を促す。
【0086】
(災害対応例)
次に、上記のように構成されたシステムにおいて、災害が発生したときの非常時情報通信サーバ20の処理手順について説明する。
【0087】
ここでは、スタジアム内で化学テロがあった場合を想定する。この場合、住民の通報等により災害情報が通知され、行政機関により災害対策本部が立ち上げられ、住民避難措置が指示される。具体的には、スタジアムを閉鎖し、HAZMATチーム(危険物処理チーム)などに対して、スタジアムの観客の救助活動および地区周辺の住民避難誘導を指示する。更に、被災状況把握のため、防災ヘリHの出動を要請する。
【0088】
この場合、防災ヘリHは、搭載した撮影カメラを用いてスタジアム周辺の航空写真を撮影し、非常時情報通信サーバ20に対して航空写真を送信する。
非常時情報通信サーバ20の制御部21の地図画像取得処理手段21bは、防災ヘリHから取得したスタジアム周辺の航空写真を、写真データベース22dに格納する。この場合、「受信時刻」、「送信者:防災ヘリ」、「送信場所:航空写真」を含めて記録する。
【0089】
更に、HAZMATチームの構成員のモバイル端末12は、非常時情報通信サーバ20に対して位置情報を、数分単位で継続的に自動送信する。この場合、非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、災害地区周辺にいる構成員について関係者所在データを関係者所在データベース22eに登録する。この場合、「受信時刻」、「関係者識別子:モバイル端末12の識別子」、「場所:モバイル端末12
のGPS情報により特定された位置情報」を含めて記録する。
【0090】
更に、出動したHAZMATチームの構成員は、モバイル端末12を用いて、スタジアム周辺の現場写真を撮影し、非常時情報通信サーバ20に対して撮影画像データを送信する。
【0091】
撮影画像データを受信した非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、受信した撮影画像データを写真データベース22dに格納する。この場合、「受信時刻」、「送信者:モバイル端末12の識別子」、「送信場所:モバイル端末12のGPS情報により特定された位置情報」を含めて記録する。
【0092】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、この報告を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図6に示すように表示画面500が出力される。この表示画面500には、地図表示領域501や連絡表示領域502が設けられている。この地図表示領域501は多層レイヤ構成となっている。図6に示す表示画面500においては、配信画像生成処理手段21cは、航空写真上に、HAZMATチームの構成員の所在表示を地図表示領域501に重畳させる。また、連絡表示領域502には、HAZMATチームの構成員のモバイル端末12から取得した撮影画像データが表示される。この場合、画像編集処理手段213は、撮影画像データに対して写真データベース22dに記録された撮影場所を、地図表示領域501に重畳する。
【0093】
更に、HAZMATチームの構成員は、災害地区周辺において、化学剤のモニタリングポスト15を設置する。この場合、モニタリングポスト15は測定開始情報を非常時情報通信サーバ20に対して送信する。この測定開始情報には、モニタリングポスト15のGPSデータ、化学剤の濃度、風速・風向きに関するデータを含める。
【0094】
測定開始情報を受信した非常時情報通信サーバ20の制御部21の災害拡散モニタリング手段21eは、モニタリングデータをモニタリングデータベース22fに登録する。この場合、受信時刻とともに、「ポスト識別子」、「場所:モニタリングポスト15のGPS情報により特定された位置情報」、「測定濃度」、「風速・風向き」を含めて記録する。以降、モニタリングポスト15は、定期的に測定結果情報を非常時情報通信サーバ20に対して、数分単位で継続的に送信する。この測定結果情報においては、「ポスト識別子」、「測定濃度」、「風速・風向き」に関するデータを含める。制御部21の災害拡散モニタリング手段21eは、「受信時刻」とともに「ポスト識別子」、「測定濃度」、「風速・風向き」に関するデータを含めたモニタリングデータをモニタリングデータベース22fに逐次記録する。
【0095】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、モニタリングポスト15から受信した情報を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図7に示すように表示画面510が出力される。この表示画面510における地図表示領域511においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、モニタリングポスト15の設置表示や、風向き表示を重畳させる。また、連絡表示領域512には、モニタリングポスト15により測定された測定結果情報を表示させる。
【0096】
更に、HAZMATチームの構成員は、モバイル端末12を用いて、非常時情報通信サーバ20に対して報告(例えば、被災地区での死者・負傷者数)を送信する。
災害状況報告を受信した非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、報告データを報告データベース22iに格納する。この場合、報告データには、「受信時刻」、「報告者:モバイル端末12の識別子」、「報告内容」を含
めて記録する。
【0097】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、この報告を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図8に示すように表示画面520が出力される。この表示画面520における地図表示領域521においては、画像編集処理手段213は、モニタリングデータベース22fに記録されたモニタリングデータに応じて、このときのモニタリングポスト15の設置状況や風向きに応じて生成された各表示を重畳させる。また、連絡表示領域522には、モバイル端末12からの報告を表示させる。
【0098】
非常時情報通信サーバ20の制御部21の濃度拡散シミュレーション手段21fは、モニタリングポスト15から受信した化学剤の拡散モニタリングデータおよび風向き・風速デ一タに基づき、化学剤大気拡散シミュレーションを実施する。本実施形態では、災害拡散シミュレータ23は、「現在」、「20分後」、「40分後」の化学剤拡散分布(健康影響濃度分布)の予測を算出する。この予測は数分〜10分間隔で更新するものとする。この場合、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害地区周辺の避難所、自治会、消防団、病院などの情報を施設データベース22bから取得する。
【0099】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、この予測結果を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図9に示すように表示画面530が出力される。この表示画面530における地図表示領域531においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、施設データベース22bに記録された施設データに応じて、各避難所の位置表示を重畳させる。更に、災害拡散シミュレータ23から取得した化学剤拡散分布を他のレイヤにおいて重畳させる。また、連絡表示領域532には、施設データベース22bに記録された各種情報を表示させる。
【0100】
災害対策本部では、避難実施要領に基づき、各誘導員(地区の消防署、消防団、市職員等)に対して、避難指定区域避難所、避難誘導ルート、避難誘導ポイントなどを決定する。この場合、上述したように、非常時情報通信サーバ20の制御部21の避難範囲特定処理手段21g〜誘導員配置処理手段21mが利用される。
【0101】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11やモバイル端末12において、この決定結果を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタのモバイル端末12ディスプレイには、図10に示すように表示画面540が出力される。この表示画面540における地図表示領域541においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、施設データベース22bに記録された施設データに応じて、各避難所への避難誘導ルート(太線表示)、避難誘導ポイント、避難指定地域の位置表示を重畳させる。また、連絡表示領域542には、各関係者への指示を表示させる。
【0102】
誘導員は、モバイル端末12を用いて指示を確認し、指定された所定の誘導ポイントに移動する。この場合も、モバイル端末12は逐次、GPSデータを非常時情報通信サーバ20に送信する。そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、「受信時刻」、「関係者識別子:モバイル端末12の識別子」、「場所:モバイル端末12のGPS情報により特定された位置情報」を含めた関係者所在データを関係者所在データベース22eに格納する。非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導員の現在位置が避難誘導ポイントの位置に一致した場合には配置完了を避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。
【0103】
誘導員は、モバイル端末12を用いて、各避難所での住民集合状況などに関する情報を含めて随時報告を送信する。災害状況報告を受信した非常時情報通信サーバ20の制御部
21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、報告データを報告データベース22iに格納する。この場合、「受信時刻」、「報告者:モバイル端末12の識別子」、「報告内容」を含めて記録する。非常時情報通信サーバ20は、災害対策本部端末11において、各避難所における住民収容状況等を逐次表示させる。
【0104】
ここで、災害地区周辺の風向きが急変(例えば、「北北西」から「西北西」に変化)した場合を想定する。モバイル端末12からの報告、或いはモニタリングポスト15からモニタリング情報を取得した場合、非常時情報通信サーバ20の制御部21の濃度拡散シミュレーション手段21fは、シミュレーション処理を実行する。利用可能避難所特定処理手段21iが、この風向きの変化により、所定の避難所(例えば、A避難所)方向にガスが拡散していることをシミュレーション結果において確認した場合、アラームを災害対策本部端末11に出力する。
【0105】
非常時情報通信サーバ20の制御部21の利用可能避難所特定処理手段21iは、利用できなくなった避難所(ここではA避難所)への避難誘導、収容を中止する。そして、利用可能避難所特定処理手段21iは、利用できなくなった避難所の最寄の避難所を代替避難所(E避難所)として指定する支援を行なう。これに伴い、非常時情報通信サーバ20の制御部21の誘導路特定処理手段21jは、避難ルートの変更の支援を行なう。更に、誘導員配置処理手段21mは避難誘導ポイントの変更、配置変更する誘導員を決定する支援を行なう。ここでは、誘導員配置処理手段21mは、複数の誘導員の配置を決定する場合には、各誘導員の所在に関する情報を関係者所在データベース22eから取得し、避難誘導ポイントと各誘導員の所在との組み合わせを生成する。そして、各避難誘導ポイントに着くための移動距離の合計が最小になるような組み合わせを決定する。また、避難誘導ポイントの変更を行なう場合にも、変更前の誘導員の所在と変更後の避難誘導ポイントとの組み合わせを生成し、移動距離の合計が最小になるような組み合わせを決定する。
【0106】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、この予測結果を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図11に示すように表示画面550が出力される。この表示画面550における地図表示領域551においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、災害拡散シミュレータ23から取得した化学剤拡散分布、避難所、誘導路等を他のレイヤにおいて重畳させる。この場合、画像編集処理手段213は、変更になった誘導路を点線表示させる。また、連絡表示領域552には、風向き変更のアラームや、避難所への影響に関する各種情報を表示させる。
【0107】
更に、非常時情報通信サーバ20の制御部21の情報配信処理手段21qは、誘導員のモバイル端末12に対して、風向の急変にともなう化学剤拡散分布(健康影響濃度分布)の予測図を送信する。この場合、モバイル端末12のディスプレイには、図12に示すように表示画面560が出力される。この表示画面560における地図表示領域561においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、災害拡散シミュレータ23から取得した化学剤拡散分布を他のレイヤにおいて重畳させる。また、連絡表示領域562には、風向き変更のアラームや、誘導員に対する指示を表示させる。これにより、誘導員は、A避難所方向にガスが拡散していること、A避難所への住民誘導・収容を中止することなどの情報を把握する。
【0108】
この指示に関係する誘導員は、非常時情報通信サーバ20からの指示に応じて、変更指示のあった避難誘導ポイントに移動する。この場合も、モバイル端末12は逐次、GPSデータを非常時情報通信サーバ20に送信する。そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、このGPSデータにより特定される位置情報を関係者所在データベース22eに格納する。誘導員の現在位置が避難誘導ポイ
ントの位置に一致した場合には配置完了を避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。
【0109】
そして、避難誘導を完了した場合、誘導員は、非常時情報通信サーバ20に対して、避難誘導完了報告を送信する。この報告内容には、各避難所での収容人数等が含まれる。非常時情報通信サーバ20の制御部21のモバイル端末情報取得処理手段21nは、避難誘導完了報告を受信し、報告データベース22iに格納する。この場合、「受信時刻」、「報告者:モバイル端末12の識別子」、「報告内容」を含めて記録する。
【0110】
そして、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害対策本部端末11において、この報告を表示する。この場合、災害対策本部端末11のスクリーンモニタには、図13に示すように表示画面570が出力される。この表示画面570における地図表示領域571においては、画像編集処理手段213は、航空写真上に、ガス拡散状況、避難所、誘導路等を重畳させる。また、連絡表示領域572には、完了報告を表示させる。
【0111】
本実施形態の非常時情報通信システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、非常時情報通信サーバ20は、取得した情報を蓄積し、共有するためのデータ記憶部22を備えている。このデータ記憶部22は、地図データベース22a、施設データベース22b、災害地域データベース22c、写真データベース22d、関係者所在データベース22e、モニタリングデータベース22fを含んで構成されている。そして、非常時情報通信サーバ20に蓄積された情報は災害対策本部端末11やモバイル端末12において共有できる。従って、災害対策本部は、HAZMATチームや誘導員から的確な情報を取得し、避難所や誘導路等の決定において的確な判断を行なうことができる。そして、避難誘導ポイントデータベース22g、誘導路データベース22hに蓄積された情報を用いて、モバイル端末12を介して指示することができる。
【0112】
・ 本実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導路特定処理手段21jとして機能する。ここでは、制御部21のアクション支援手段212は、災害地から所定距離以上離れたルートを誘導路として推奨する。これにより、安全なルートを誘導路として設定することができる。
【0113】
・ 本実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導員配置処理手段21mとして機能する。ここでは、誘導路の曲がる具合に応じて曲がり角に応じて優先度の付与処理を実行する(ステップS2−3)。更に、制御部21は、他の道路の幅と比較して道なり評価調整処理を実行する(ステップS2−4)。そして、制御部21は、優先度順に誘導員配置の仮登録処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、誘導員の人数には限りがあるが、曲がり角のように道を間違えやすい場所を避難誘導ポイントとして、誘導員の配置を決定することができる。
【0114】
・ 本実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導員の現在位置が避難誘導ポイントの位置に一致した場合には配置完了を避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。これにより、誘導員の手間を掛けることなく配置完了を効率的に確認することができる。
【0115】
・ 本実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、災害拡散シミュレータ23から、ガス拡散について化学剤拡散分布のシミュレーション結果を取得する。そして、制御部21のアクション支援手段212は、特定された避難ルートと現在の化学剤拡散分布範囲との距離を算出する。これにより、時々刻々変化する化学剤拡散分布範囲との位置関係を用いて的確な避難ルートを特定することができる。すなわち、災害発生時点で
は、より近いルートを利用し、ガスの拡散後には、この範囲を避けて避難ルートを設定することができる。
【0116】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、化学テロがあった場合を想定したが、災害の種類はこれに限定されるものではなく、NBCテロの他、自然災害(火山噴火、洪水等)、火災、有毒ガス漏洩事故、感染症(鳥インフルエンザ等)等にも適用可能である。
【0117】
○ 上記実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、濃度拡散シミュレーション手段21fとして機能する。具体的には、制御部21の情報取得手段211が、各モニタリングポスト15から取得したモニタリング情報や、天候情報サーバ30から取得した天候情報を災害拡散シミュレータ23に提供してシミュレーションを行なう。シミュレーションを行なう場合には、いずれか一方のみの情報を用いて行なったり、他の情報を用いて行なったりすることも可能である。
【0118】
○ 上記実施形態では、モニタリングポスト15の特定は、モニタリングポスト15のGPS機能を利用する場合に限定されるものではない。例えば、モニタリングポスト15を設置した者のモバイル端末12からGPSデータを取得し、ポスト識別子と関連付けてモニタリングデータベース22fに記録させることも可能である。
【0119】
○ 上記実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、誘導員の現在位置が避難誘導ポイントの位置に一致した場合には配置完了を避難誘導ポイントデータベース22gに登録する。配置完了の登録方法はこれに限定されるものではなく、誘導員のモバイル端末12から配置完了通知を受信するようにしてもよい。
【0120】
○ 上記実施形態では、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、避難ルートが災害地から所定距離以上かどうかについての判断処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のアクション支援手段212は、特定された避難ルートと現在の化学剤拡散分布範囲との距離を算出する。ここで、避難ルートと化学剤拡散分布範囲とが所定距離内にある場合(ステップS1−2において「NO」の場合)には、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、代替ルートの検索処理を実行する(ステップS1−3)。これに代えて、化学剤拡散分布範囲を除いた地図を用いて経路検索を行なうことにより、避難ルートを決定するようにしてもよい。
【0121】
○ 上記実施形態では、誘導員配置支援処理において、曲がり角を考慮して誘導員配置を決める。この場合、まず、非常時情報通信サーバ20の制御部21は、全体の誘導路の距離を算出し、この距離を対応可能人数で除算することにより、誘導間隔を決定する。そして、この誘導間隔を用いて誘導路上に避難誘導ポイントの仮割当てを行なう。そして、この誘導間隔の範囲内において、上述した曲がり角の特定処理(ステップS2−2)、道なり評価調整処理(ステップS2−4)を実行して、避難誘導ポイントを微調整するようにしてもよい。これにより、誘導員の間隔を維持した避難誘導ポイントを決定し、このように間隔が考慮された避難誘導ポイントにおいて避難誘導を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は地図データベース、(b)は施設データベース、(c)は災害地域データベース、(d)は写真データベース、(e)は関係者所在データベースに記録されたデータの説明図。
【図3】データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)はモニタリングデータベース、(b)は避難誘導ポイントデータベース、(c)は誘導路データベース、(d)は報告データベース、(e)は指示履歴データベースに記録されたデータの説明図。
【図4】本発明の実施形態の制御部の各機能の説明図。
【図5】本発明の実施形態の処理の説明図であって、(a)は誘導路特定支援処理、(b)は誘導員配置支援処理の説明図。
【図6】本実施形態の出力画面の説明図。
【図7】本実施形態の出力画面の説明図。
【図8】本実施形態の出力画面の説明図。
【図9】本実施形態の出力画面の説明図。
【図10】本実施形態の出力画面の説明図。
【図11】本実施形態の出力画面の説明図。
【図12】本実施形態の出力画面の説明図。
【図13】本実施形態の出力画面の説明図。
【符号の説明】
【0123】
11…災害対策本部端末、12…モバイル端末、15…モニタリングポスト、20…非常時情報通信サーバ、21…制御部、211…情報取得手段、212…アクション支援手段、213…画像編集処理手段、214…情報配信手段、22…データ記憶部、22a…地図データベース、22b…施設データベース、22c…災害地域データベース、22d…写真データベース、22e…関係者所在データベース、22f…モニタリングデータベース、22g…避難誘導ポイントデータベース、22h…誘導路データベース、22i…報告データベース、22j…指示履歴データベース、23…災害拡散シミュレータ、30…天候情報サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、
災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムであって、
前記制御手段が、
災害地域を特定する情報を取得する手段と、
前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する手段と、
前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する手段と、
前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する手段と、
前記特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する手段と
を備えたことを特徴とする非常時情報通信システム。
【請求項2】
位置情報と撮影画像データとを関連付けて記憶する画像記憶手段を更に備え、
前記制御手段が、
撮像端末から撮影画像データを取得した場合、前記撮像端末の所在情報を取得し、
前記撮影画像データと前記所在情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶するとともに、
前記災害対策地図にあわせて、前記撮影画像データを表示する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の非常時情報通信システム。
【請求項3】
前記制御手段が、災害地域の変更情報を取得する手段を更に備え、
前記変更情報に応じて、避難所の特定、誘導路の特定、誘導員の配置場所の特定を再度実行し、災害対策地図を更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の非常時情報通信システム。
【請求項4】
前記制御手段が、特定した誘導路、誘導員の配置場所を時刻とともに記録する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の非常時情報通信システム。
【請求項5】
前記制御手段が、
誘導員の所在に関する情報を取得し、
誘導員の所在と誘導員の配置場所との組み合わせを生成し、各誘導員を配置場所に配置するための移動距離の合計が最小になるような組み合わせを決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の非常時情報通信システム。
【請求項6】
前記制御手段が、
誘導員の人数に関する情報を取得し、
前記誘導路におけるノードを特定し、前記ノードの形状情報に応じて優先順位を決定し、
前記人数に応じたノードを前記優先順位に応じて、誘導員の配置場所を特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の非常時情報通信システム。
【請求項7】
前記制御手段が、
環境情報を取得し、前記環境情報を用いて、災害地域の予測範囲をシミュレーションする手段と、
前記シミュレーションの結果に応じて、災害地域の予測範囲に重複しない避難所及び誘導路を特定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の非常時情報通信システム。
【請求項8】
避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、
災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムを用いる災害時の通信方法であって、
前記制御手段が、
災害地域を特定する情報を取得する段階と、
前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する段階と、
前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する段階と、
前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する段階と、
前記特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する段階と
を実行することを特徴とする非常時情報通信方法。
【請求項9】
避難所の地図上の位置を記憶した避難所情報記憶手段と、
災害対応者が所持するモバイル端末と通信を行なう制御手段を備えた非常時情報通信システムにおいて用いる非常時情報通信プログラムであって、
前記制御手段を、
災害地域を特定する情報を取得する手段、
前記避難所情報記憶手段を用いて前記災害地域に含まれない避難所を特定する手段、
前記避難所までの誘導路であって、前記災害地域に重複しない誘導路を特定する手段、
前記特定した誘導路への誘導員の配置場所を特定する手段、
前記特定した災害地域、避難所、誘導路、誘導員の配置場所を表示させた災害対策地図を作成し、前記モバイル端末に出力する手段
として機能させることを特徴とする非常時情報通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−9233(P2009−9233A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167987(P2007−167987)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【出願人】(503029566)コンテンツ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】