説明

音および衝撃吸収性を有する取付け組立体、超軽量型構造体セットおよび取付組立体の使用

【課題】薄くて超軽量である音および衝撃吸収性を有する化粧張り構造部材を提供すること。
【解決手段】本発明は、少なくとも基台層(2)と、中間層(3)と、被覆層(6)とからなる、超軽量型の音および衝撃吸収構造体セットであって、中間層(3)は、互いに並列された複数の中空体(4)からなり、壁は穿孔されており、それにより中空空間の複雑な迷路を形成する。被覆層(6)は、好ましくは空気流抵抗を900Ns/m3<Rt<2000Ns/m3にする微小空洞の硬化層(8)を有している。中空体(4)の壁の寸法は、最大プラトー応力が0.5MPa<σ<1.2MPaのある場合に少なくとも50%の圧縮変形を行ない、約0.5MJ/m3の衝撃エネルギーを、非弾性的にかつ完全に変形作用に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載されているような、発動機付き車両用の音および衝撃吸収性を有する超軽量型構造体セットならびにその構造部材に関する。
【背景技術】
【0002】
床板、屋根板、エンジンボンネット、トランクカバーまたはドアおよびサイドパネルにおける化粧張りなどの車両において大面積の構造部材は、本来の強度が小さいために運転中に変形、振動または揺動する傾向にある。従来ではこのような特性に対抗するために減衰材料、具体的にはビチューメン製の重い層(Bitumenschwerchichten)が用いられている。走行騒音の車両内部への伝達を低減するために、自動車業界において以前から多層遮音組立体が用いられている。このような遮音組立体は基本的にバネ−質量系として設計されており、いずれも弾性を有するバネ層に連結される重い層を設けることによって車体における大面積の部分に受ける振動を減衰させて空気中の騒音の通過を遮断している。
【0003】
このような遮音組立体はたとえばヨーロッパ特許0 334 178号明細書において開示されており、本質的に揺動可能な車体の構造部材のために設けられ、バネ−質量系におけるバネとして機能する柔軟性を有する泡状層と、視覚的にコンパクトであり、バネ−質量系における質量として機能する、同じ素材からなる空気透過性を有しない層と、さらにはその上に設けられる装飾またはカーペット層とを含むものである。このような構成によって、重い層の重量を40%まで低減することが可能であるが、それによって遮音システム全体の重量をも公知であるバネ−質量系に対して低減することになり、音響上の有効性を犠牲にすることになる。一般的に、バネ−質量構造は、常に遮音における共鳴の低下を招き、これらはいつもとくに不都合である低いエンジン周波数と同じ周波数領域に存在している。したがってこのような現象によって極端な軽量構造が原則的に許されないこととなる。
【0004】
しかしながら自動車産業において一般的に車両重量、とくに内装の重量をさらに低減することが要求されている。したがって国際出願PCT/CH96/00381号明細書において、従来の遮音組立体よりも50%以上軽量である遮音性を有する構造部材を製造することが提案されている。この構造部材の構造では、従来のバネ−質量系における重い層が、軽量であり、比較的薄く、微小空洞を有する、硬い繊維層によって置き換えられている点、および車体部分と取付け組立体(Montagepaket)とのあいだにおける境界領域における空気の流動特性にとくに注目しているという点とにおいて前記遮断組立体と異なっている。これによって基本的に従来のバネ−質量系における比較的重い減衰メカニズムが軽量で、かつ効率的である吸音能力にとって有益であるように低減される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに、自動車産業においては、車両の衝突時において乗客が重傷を負わないように可能な限り保護するために内部空間においても衝撃吸収性を有する材料を装備する要求がなされている。その目的のために今日ではキャビンに衝撃吸収性を有する化粧張りを装備している。通常このような化粧張りは、その裏に衝撃吸収性を有する層が設けられた、多かれ少なかれ高価なカーペット層からなる。このような衝撃吸収性を有する内部化粧張りは、90ジュールの衝突エネルギーおよび400daN未満の力の衝撃を完全に吸収するのに適している。このような化粧張りもまたバネ−質量系として形成されており、よってそれらの公知である欠点を有している。その上、これらの組み合わされた衝撃および音吸収性を有する化粧張りは所望されないほど厚い。したがってスイス特許CH1415/96号明細書においてすでに、さらに改良された音および衝撃吸収特性を有する、薄い化粧張り構造部材を製造することが提案されている。このシステムもまた本質的にバネ−質量系であって、さらに車体部分と遮断構造体との境界領域において散逸的な機構をも付加的に用いるものである。
【0006】
米国特許第4 479 992号明細書においてはバネ−質量系として設計されていない遮音性を有する構造部材が開示されている。これら構造部材は、少なくとも1つの開孔性の繊維層によって覆われている蜂の巣状の構造を呈している。これら構造部材は比較的かさばるものであり、容易に変形されるものであり、したがってショックアブソーバとしては適さないものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、従来の遮音材とショックアブソーバとの特性を兼ねているものでありながら結果として、これらよりも重くなったり嵩張ったりすることがない車両内部空間用の化粧張り構造部材を提供することにある。とくに、本発明の目的は薄くて超軽量である音および衝撃吸収性を有する化粧張り構造部材を提供することにある。
【0008】
この目的は、本発明において請求項1の特徴を有する取付け組立体によって解決され、とくに多層を有する重い層を設けない取付け組立体であって、これら複数の層のうちの1つは複数の並列された中空体を有しており、これらの壁は取付け平面に対して実質的に垂直に立設され、その横方向に穿孔、好ましくは少なくとも部分的にスリットが形成されていることによって、連通されている中空迷路が形成されるようなものによって解決される。
【0009】
このような中空迷路によって、一方では音響吸収能力を実質的な形で改善することができ、または取付け組立体の全体の厚さを従来のシステムに比して音響吸収能力を損なうことなく低減することが可能となる。一方、実質的には取付け平面に対して垂直に立設されている中空体の壁によってとくに有利な圧縮特性が得られる。物体が取付け組立体に衝突した場合、これらの衝撃力によって実質的に衝突方向に立設されている壁が圧縮し、またはこれら壁を折り曲げまたは折損する。
【0010】
当業者が、材質とその寸法を適宜選択することによって所望の圧縮特性が得られることはいうまでもない。本出願において、プラトー(台形(Plateau)型)の圧縮特性が好ましい。
【0011】
したがって好ましい実施の形態において、中空体の壁は、最大プラトー(台形)応力(maximalen Plateauspannung)が0.5MPa<σ<1.2Mpaである場合に少なくとも50%の圧縮を許容し、その場合約0.5MJ/m3の衝突エネルギーを非弾性的に完全に変形作用に変換するような寸法を有するように設けられる。
【0012】
また別の実施の形態においては、この取付け組立体は、その空気流抵抗が900Ns/m3<Rt<2000Ns/m3であり、曲げ剛性が0.027Nm<B<0.275Nm、また単位面積あたりの重量が0.3kg/m2<mF<0.7kg/m2であるような微小空洞の硬化層を有する。
【0013】
このような極めて軽量な硬化層は取付け組立体の音響上の有効性にとって重要である。空気流抵抗はこの層の吸収特性に対して実質的な影響を及ぼすものであり、適当な開孔性を有する構造(繊維層または泡状物)を選択することによって決定することができる。この層の比較的高い曲げ剛性は低周波数領域にとって有意義であり、取付け組立体全体の自立性に著しく寄与し得るものである。
【0014】
本発明による構造体セットのその他の実施の形態とそれらに特異な技術的特徴は従属クレームによって明らかになる。
【0015】
これら音響上有効なショックアブソーバ手段の利点は当業者にとって直接明らかであり、とくに重い層がなく、すなわち超軽量であり、薄い構造において明らかとなる。
【発明の効果】
【0016】
この取付け組立体は接着された場合に硬化する効果があるため、その他の車両部分にも装着され得ることはいうまでもない。とくにキャビン、エンジン室、トランク、A、BまたはC柱、車両の屋根部、足空間における衝突に対して敏感な部分、ドアサイドにおける化粧張り、トランク、スペアタイヤカバーまたは内外側におけるフロントパネルなどの化粧張り用に用いることができる。この付加的な硬化によって低周波数領域における遮音において所望しない共鳴の低下が移動されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、いくつかの実施の形態に基づいて図面を参照しつつ本発明を詳述する。
【0018】
図1に基づいて、本発明の取付け組立体の構成と構造部材の操作方法とについて説明する。図1に示される取付け組立体1は、好ましくは多孔性繊維層(Vlies)、とくに好ましくは多孔性を有するポリプロピレン繊維層からなる基台層(Auflageschicht)2を有する。中間層3は複数の小筒状の要素4からなり、これらの壁は少なくとも部分的にスリットが形成されていることによって個々の小筒状の要素4における中空部がこれらスリット状の開口部5を通して互いに連結されて、これにより連通されている中空迷路を形成するものである。本発明において、これら小筒状の要素4が取付け平面10に対して実質的に垂直に、すなわち期待される衝突の方向に立設されていることが重要である。これら小筒状の要素4は熱可塑性を有するプラスチック材料、とくにポリエチレンを用いても製造され得、好ましい実施の形態においてそれらの直径は5〜12mmであり、またそれらの高さは10〜25mmである。これら小筒状の要素4の壁の強度は、車両領域における衝撃吸収性を有する部材に対する要求が満たされるように、いいかえれば中間層3が約90ジュールの衝突エネルギーを完全に変形作用に変換し得るように選択される。好ましい実施の形態において、これら小筒はポリエチレン製であり、これらの上部または下部の端部領域において互いに融合されている。これら小筒を、たとえばポリプロピレン、耐燃紙、アラミド、ケブラーまたはアルミニウムなど、その他の適当な材料を用いて製造することが可能であることはいうまでもない。この中間層3の上に、同様にポリプロピレン繊維層を用いて製造され得る被覆層6が設けられている。この被覆層6は複数の異なる層から形成されていてもよく、とくにたとえばポリプロピレン製の圧縮成形された繊維層7と、硬い微小空洞を有する層8と、装飾層9とからなるものであってもよい。
【0019】
この微小空洞を有する層8は、最適な吸音性を得るために重要であり、微小空洞を有する硬化層として形成されている。従来の被覆層に対して、このような微小空洞を有する硬化層は900Ns/m3<Rt<2000Ns/m3、とくに約1500Ns/m3である空気流抵抗を生じさせ、よって250Hzを越える周波数を60〜80%吸収することが可能である。なお比較のために述べると、通常、車両形成の際に用いられる空気透過性を有するカーペットは、約200Ns/m3の空気流抵抗を有するものである。しかしながら、これらカーペットは(吸音性の改善を目的として)空気透過性を有しないフィルムまたは泡状層によって裏張りされており、これら下の層によって効果的な吸音が妨げられているのが常である。
【0020】
本実施の形態における微小空洞を有する硬化層は、さらに0.027Nm<B<0.275Nmである曲げ剛性と、0.3kg/m2<mF<0.7kg/m2である単位面積あたりの重量とを有することが好ましい。
【0021】
騒音低減および衝撃吸収のために、この取付け組立体1は、車体部分11に設けられ、好ましくは単に上敷きされる。好ましい実施の形態において、基台層2は車体部分11に対向している面においてレリーフ状に変形されている。振動し揺動する車体部分11によって生じる空気圧変動と空気流とは実質的に中間層3によって吸収、または相殺される。とくに、中間層3によって得られた中空迷路によって局所的にその強度が異なる空気流が埋め合わされて分散される。レリーフ状に変形された基台層2によって、局所的にその強度とその方向とが異なる空気流が車体部分11と基台層2とのあいだの領域に導入されるという付加的な吸音機能がもたらされる。
【0022】
本発明の取付け組立体1は、音波の場によって生じる空気揺動が中空迷路内に導入されるように形成されている、硬いながらも空気透過性を有する中間層3を用いることによって、公知である吸音性を有する遮断組立体とは異なるものである。
【0023】
図2に示されている、本発明の取付け組立体1の実施の形態においてもまた中間層3が基台層2と被覆層6とのあいだに設けられている。本実施の形態において小筒状の要素4が孔の形状を有する細孔5を有し、これらの要素4の壁は取付け平面10に対して実質的に垂直に設けられている。これら細孔5によって中間層3において連通している中空迷路が形成される。本実施の形態において、取付け組立体1全体が減衰層17に連結されており、この層自体は車体部分11の上に上敷きされている。好ましい実施の形態において、この減衰層17はEPDM層であって車体部分側に構成されていて固定せずに単に上敷きされている。別の実施の形態において、この減衰層17は車体部分11に対してしっかり固着されており、取付け組立体1の基台層2が減衰層17の上に固定されずに上敷きされている。この実施の形態において、これら2つの層2、17のあいだに連通される空気層を形成するために、基台層2を減衰層の上に設けても減衰層17を基台層の上に設けてもよい。最も簡単な実施の形態において、これらの層2、17がたとえば接着によって固着されることはいうまでもない。図1に示される実施の形態と同様、被覆層6はここでも、好ましくは装飾層9、微細孔層8および圧縮成形された繊維層7などの複数の層を含むものであり得る。
【0024】
図3aには、複数の円筒状の要素4から形成されている、本発明における中間層3の断面図が示されている。これら要素4は、好ましくはポリプロピレン製であり、これらの上端部または下端部において互いに融合されている。これによって硬い自立した層が形成され、取付け組立体1全体が自重に抗して自身の形状を保つことが可能となる。この中間層3における細孔5はスリット状に形成され得、円筒状の要素4の全長に亘って延伸し得る。これらスリットに代えて、たとえば複数の孔など、その他の形状を有する細孔を設けることが可能であることは理解され得る。本発明において細孔5は、個々の小筒状の中空部12とそれらのあいだにおける空間とが互いに迷路状に連結されるように配置されている。
【0025】
図3bは中間層3の蜂の巣状構造を示している。この構成においても個々の蜂の巣の壁13は穿孔されており、チャンバー14によって連通される中空迷路が形成されている。この実施の形態においても、壁は取付け組立体が衝撃吸収性を有する車両化粧張りに対する要求を満たすようにそれらの寸法が定められている。
【0026】
図3cには、開口部16によって互いに連結されている菱形状セル15を有する中間層3が図示されている。また当業者は、適当な細孔を設けることによって音響上も有効である、硬い衝撃吸収性を有する層を形成するために、複数のチャンバーによって形成される中間層をも考慮に入れることはいうまでもない。とくに、当業者は図3dにおいて図示されているように角柱状のセル18を有する中間層3をも考慮し得るものであり、それぞれの利用用途によって最も有利である構造を選択するものである。
【0027】
図4に示される測定曲線19は、本発明の取付け組立体の圧縮時における圧縮特性を示すものである。図において、X軸には百分率によって示された変形が記入されており、Y軸には付与された応力がN/mm2の単位によって記入されている。図示されている測定曲線19の形状より、0.5N/mm2(=MPa)以下の低い応力値の場合には取付け組立体1、具体的には中間層3における変形が生じないことが見受けられる。これらの値の場合、個々の小筒が付与された応力を弾性的に回避することが可能であり、生じ得る変形が再び完全にもとにもどる。これら応力を超えると個々の小筒が折り曲げおよび/または折損し始める。したがってこのプラトー領域において衝突エネルギーの実質的な部分が変形作用に変換され、応力が実質的に一定に保たれる。自動車製造業における当業者にとって相当する圧縮特性を有するショックアブソーバは公知であり、よって中間層3に対して必要とされる特性を有するようにその寸法を定めることは容易である。とくに、衝撃吸収性を有する構造部材に対する最小の要求を知っているため、圧縮特性が予め定められた公差領域内21にあることに注意を払うことであろう。
【0028】
図5に示されている測定曲線において、本発明の構造部材の異なる実施の形態における音響上の吸収特性が示されている。この曲線22は周波数に依存する取付け組立体の吸収の形状を示すものであって、この組立体はその高さが約10.5mmでありその単位面積あたりの重量が約730g/m2であるプラスチック小筒からなる中間層と、微小空洞を有する硬化層であって、とくに高度に圧縮成形され、約1.4mmの厚さを有し、その単位面積あたりの重量が約700g/m2である繊維層と、その単位面積あたりの重量が約240g/m2である装飾層とを有するものである。本実施の形態において1000Hzを越える周波数における吸収係数αは約0.8であって、1000Hz以下の周波数におけるこの係数は継続的に低下して約500Hzにおいて0.4の値となる。
【0029】
同じ図5において示されている測定曲線23において、単位面積あたりの重量が約1240g/m2である、約21mmの厚さを有するプラスチック小筒からなる中間層を有する、直接床の上に設けられた取付け組立体の周波数に依存する吸収特性が示されている。この取付け組立体もまた高度に圧縮成形された、約1.4mmの厚さを有する、その単位面積あたりの重量が約700g/m2である繊維層とその単位面積あたりの重量が約240g/m2である装飾部とを有するものである。本実施の形態においても1000Hzを越える周波数における吸収係数は約0.8である。吸収特性における明らかな改善は1000Hz以下の領域において見受けられる。
【0030】
この取付け組立体は衝撃および音吸収特性が必要とされるいかなる個所にも適応され得、したがって、とくに重量物車両あるいは自家用車における外側フロントパネルの上部領域にこれらを設けることが可能である。
【0031】
用途によっては、この取付け組立体の中空構造は、耐熱紙、ケブラー、アラミドまたはアルミニウムから形成され得る。とくに、このような取付け組立体はスペース・フレーム車両において適応され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の取付け組立体と構造体セットの概略図である。
【図2】本発明の取付け組立体および構造体セットの概略図である。
【図3a】本発明の取付け組立体における中間層の好ましい実施の形態の概略断面図である。
【図3b】本発明の取付け組立体における中間層が蜂の巣状に設けられた実施の形態の概略断面図である。
【図3c】本発明の取付け組立体における中間層が菱形状に設けられた実施の形態の概略断面図である。
【図3d】本発明の取付け組立体における中間層が角柱状に設けられた実施の形態の概略断面図である。
【図4】本発明の取付け組立体の圧縮特性を示す測定曲線である。
【図5】本発明の取付け組立体の吸収特性を示す測定曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基台層(2)と中間層(3)と被覆層(6)とを有し、音および衝撃吸収性を有する車両の化粧張り用の層がなく自立性を有する取付け組立体であって、前記中間層(3)が、取付け平面(10)に対して垂直に立設されている壁を有する複数の並列された中空体(4)からなり、
該中空体(4)の壁が横方向に穿孔、好ましくは部分的にスリットが形成されていることによって、連通されている中空迷路が形成され、かつ
前記中空体(4)の壁が、最大プラトー応力が0.5MPa<σ<1.2Mpaである場合に少なくとも50%の圧縮を許容し、その場合0.5MJ/m3の衝突エネルギーを非弾性的で、かつ完全に変形作用に変換するような寸法を有し、中間層(3)に印加される応力が0.5MPa以下の低い応力値の場合には中間層(3)における変形が生じず、個々の小筒が付与された応力を弾性的に回避することが可能であり、生じ得る変形が再び完全にもとにもどり、0.5MPaを超えると個々の小筒が折り曲げおよび/または折損して衝突エネルギーの実質的な部分が変形作用に変換され、応力が実質的に一定に保たれ、
全体の空気流抵抗が900Ns/m3/Rt<2000Ns/m3であり、曲げ剛性が0.027Nm<B<0.275Nmであり、さらに単位面積あたりの重量が0.3kg/m2<mF<0.7kg/m2であるような微小空洞の硬化層(8)を有ししていることを特徴とする取付け組立体。
【請求項2】
少なくとも1つの大面積の車体部分(11)と請求項1における特徴を有する取付け組立体(1)とがともに作用しており、この取付け組立体(1)と大面積の車体部分(11)とのあいだにおいて連通される空気層が形成される、車両における騒音低減および衝撃吸収のための超軽量な構造体セット。
【請求項3】
取付け組立体(1)と大面積の車体部分(11)とのあいだに減衰層(17)が形成されていることを特徴とする請求項2記載の構造体セット。
【請求項4】
前記減衰層(17)が、この層が部分的にのみ大面積の車体部分と接触し、大面積の車体部分(11)と減衰層(17)とのあいだにおける連通されている空気層に連続するような形でレリーフ状に形成されていることを特徴とする請求項11記載の構造体セット。
【請求項5】
少なくとも1つの大面積の車体部分(11)と請求項1における特徴を有する取付け組立体(1)とが互いにしっかり固着されている、車両における騒音低減および衝撃吸収のための超軽量な構造体セット。
【請求項6】
前記大面積の車体部分(11)が、複合ラミネート、アルミニウム板金、またはプラスチック部材、とくにGMTからなることを特徴とする請求項5記載の構造体セット。
【請求項7】
キャビン、エンジン室、荷物室、とくに車両におけるA、BまたはC柱、足空間における衝突に対して敏感な部分、ドアサイド化粧張り、トランク、スペアタイヤカバー、または内外側におけるフロントパネル、エンジンボンネット、貨物自動車における後壁またはスペース・フレーム車両における床メンバー、および車両の屋根部分における請求項1記載の取付け組立体の使用。
【請求項8】
前記足空間における衝突に対して敏感な部分、ドアサイドパネル、トランク、スペアタイヤカバー、または内外側におけるフロントパネル、エンジンボンネット、貨物自動車におけるリヤパネルまたはスペース・フレーム車両における床メンバーにおける請求項7記載の取付け組立体の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−284058(P2007−284058A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128652(P2007−128652)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【分割の表示】特願2004−110366(P2004−110366)の分割
【原出願日】平成11年1月6日(1999.1.6)
【出願人】(594164601)リーター アウトモーティブ (インターナツィオナール) アクティエン ゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】MATEC HOLDING AG
【Fターム(参考)】