説明

MEMSセンサの製造方法

【課題】 特に、スティッキング防止構造を従来に比べて簡単且つ高精度に形成できるMEMSセンサを提供することを目的としている。
【解決手段】 図1(a)に示したように、第1の基板1と第2の基板2とを別々に単体で用意し、第1の基板1の下面1aに、予め、凸状のスティッキング防止部4を形成する。続いて、図1(b)の工程で酸化絶縁層3の形成、図1(c)工程で、第1の基板1と第2の基板2の接合を行う。その後は、従来の工程と同様である。本実施形態では、第1の基板1と第2の基板2を夫々、別々に用意し、これらを接合する前に、単体の前記第1の基板1に対してスティッキング防止部4を形成するから、従来に比べて簡単且つ高精度にスティッキング防止部4を形成することが可能になっている。また、本実施形態では、MEMSセンサの小型化に寄与することが出来る製造方法となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティッキング防止構造を備えるMEMSセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)センサは、例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を構成するSOI層を微細加工することで、可動部と固定部が形成される。この微細なセンサは、加速度センサ、圧力センサ、振動型ジャイロ、またはマイクロリレーなどとして使用される。
【0003】
ところで下記の特許文献にも記載されているように、MEMSセンサでは、可動部の下面(支持基板との対向面)に凸部を形成して、可動部と支持基板間でのスティッキングを防止する対策がとられている。
【0004】
従来、支持基板(シリコン基板)、酸化絶縁層(SIO2層)及びSOI層(シリコン基板)の積層構造のSOI基板を用いて、上記凸部を形成しようとすると、例えば、下記特許文献にも記載されているように、前記可動部と前記支持基板間に介在する酸化絶縁層(SiO2層)をエッチングにて除去するときに、前記酸化絶縁層が全て除去されないように、前記可動部を幅広に形成し、前記可動部の下面に前記酸化絶縁層を凸状に残すようにしていた。
【0005】
しかしながら上記した製造方法では、簡単かつ精度良く凸部を可動部の下面に形成できなかった。特に、可動部の幅、酸化絶縁層の膜厚、エッチングレート等、様々な条件を総合的に高精度に調整しないと適切に前記凸部を形成できないため、前記凸部のばらつきが大きくなりやすく、また歩留まりが低下しやすいといった問題があった。また可動部を幅広で形成しなければならないためMEMSセンサの小型化を促進できなかった。
【特許文献1】特開2001−102597号公報
【特許文献2】特開2004−294401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するものであり、特に、スティッキング防止構造を従来に比べて簡単且つ高精度に形成できるMEMSセンサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明におけるMEMSセンサの製造方法は、
(a) 第1の基板及び第2の基板を夫々用意し、前記第1の基板の少なくとも可動部となる領域の前記第2の基板との対向面に、凸状のスティッキング防止部を形成する工程、
(b) 前記第1の基板、あるいは第2の基板の各対向面の少なくとも一方に酸化絶縁層を形成する工程、
(c) 前記第1の基板と前記第2の基板を接合する工程、
(d) 前記第1の基板を加工して、少なくとも前記可動部を形成する工程、
(e) 前記可動部と前記第2の基板間に位置する前記酸化絶縁層を除去して、前記可動部と前記第2の基板の間に空間を形成する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、上記(a)工程に示すように、第1の基板の第2の基板との対向面に、予め、スティッキング防止部を形成しておき、続いて、(b)工程で酸化絶縁層の形成、(c)工程で、第1の基板と第2の基板の接合を行う。その後は、従来の工程と同様である。従来では例えば、第1の基板と第2の基板とが酸化絶縁層を介して接合されたSOI基板の状態から、前記酸化絶縁層の一部を残すようにして凸状のスティッキング防止部を形成していた。これに対して本発明では、第1の基板と第2の基板を夫々、別々に用意し、これらを接合する前に、単体の前記第1の基板に対してスティッキング防止部を形成するから、従来に比べて簡単且つ高精度にスティッキング防止部を形成することが可能になっている。また、本発明では、従来と違って、スティッキング防止部の形成のために可動部を幅広で形成する制約が無いため、MEMSセンサの小型化に寄与することが出来る製造方法となっている。
【0009】
また、前記(d)工程では、前記第1の基板を、センサ部を構成する前記可動部と固定部とに分離加工し、
前記(a)工程では、前記スティッキング防止部を、前記センサ部の対向面全面に形成することが好ましい。この場合、固定部にも前記スティッキング防止部が形成されることになる。固定部へのスティッキング防止部の形成は特に必要ないものの、スティッキング防止部の形成を、可動部となる領域だけに規制せず、センサ部の対向面全面とすることで、スティッキング防止部を簡単に形成することが出来る。
【0010】
また本発明では、前記スティッキング防止部を、点状で形成したり、格子形状で形成することが好ましい。
【0011】
また本発明では、前記(b)工程では、平坦面で形成された第2の基板の表面に酸化絶縁層を形成することが好ましい。これにより、簡単且つほぼ一定厚で前記酸化絶縁層を形成でき、可動部と第2の基板の間にほぼ一定高さの空間を適切に形成できる。
【0012】
また本発明では、前記(a)工程に代えて、前記スティッキング防止部を、少なくとも前記可動部と対向する位置での前記第2の基板の対向面に形成することが出来る。
【0013】
また本発明では、前記(a)工程では、前記対向面をエッチング加工して、前記基板と同じ材質の前記凸状のスティッキング防止部を形成することが好ましい。これにより、簡単に、前記凸状のスティッキング防止部を形成できる。また、酸化絶縁層の除去工程で、前記第1の基板と同質で形成された凸状のスティッキング防止部を適切に可動部の対向面に残すことが可能である。
【0014】
また本発明では、前記(a)工程に代えて、前記スティッキング防止部を、前記対向面に凹状で形成することも出来る。
【発明の効果】
【0015】
本発明のMEMSセンサの製造方法によれば、従来に比べて簡単且つ高精度にスティッキング防止構造を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本実施形態のMEMSセンサの製造方法を示す工程図である。図1の各工程図は、厚さ方向から切断して示した断面図で示されている。
【0017】
図1(a)の工程では、MEMSセンサを構成するシリコンで形成された第1の基板1と、シリコンで形成された第2の基板2とを夫々単体で用意する。
【0018】
図1(a)に示すように、第1の基板1の下面(第2の基板2との対向面)1aに、エッチング加工により、凸状のスティッキング防止部4を複数個形成する。このスティッキング防止部4は少なくとも可動部5となる領域の下面に形成されていればよいが、この実施形態では、前記スティッキング防止部4は、固定部6となる領域の下面にも形成されている。
【0019】
図1(a)では、第1の基板1の下面1aをエッチング加工することにより微細な凸状のスティッキング防止部4を形成している。よって、このスティッキング防止部4は第1の基板1と同じシリコンで形成される。これにより、スティッキング防止部4を簡単に形成できる。なお凸状のスティッキング防止部4を、第1の基板1や第2の基板2と異なる材質で形成することも出来る。例えば異なる材質の凸部をスパッタ法で前記第1の基板1の下面1aに形成することが可能である。このとき、前記凸部を、図1(d)の酸化絶縁層3の除去工程で、酸化絶縁層3とともに除去されない材質で形成することが必要である。
【0020】
また図1(a)の工程では、スティッキング防止部4の形成とは別に、例えば、前記第1の基板1の下面1aにアライメントキーを形成してもよい。例えば、前記下面1aに凹状のアライメントキーを形成する。なお、アライメントキーを、可動部5及び固定部6で構成されるセンサ部7となる領域から離れた位置に形成する。
【0021】
次に図1(b)の工程では、第1の基板1の表面を熱酸化して、酸化絶縁層3を形成する。なお、酸化絶縁層3をスパッタ法やCVD法等で形成してもよいが、熱酸化により酸化絶縁層3を形成することが好適である。
【0022】
次に、図1(c)に示す工程では、第1の基板1と第2の基板2とを接合する。接合の方法として常温接合や熱圧着等を用いることが出来る。
【0023】
また図1(c)の工程では、第1の基板1の上面1bを所定厚となるまで研削する。例えば、第1の基板1の上面1bにCMG、あるいはCMP、又は、CMG及びCMPを施す。
【0024】
またこの図1(c)の工程では、上記で説明したアライメントキー(図示しない)を第1の基板1の上面1bから露出させる。
【0025】
続いて、図1(d)に示す工程では、ディープRIE(Deep RIE)を用いて、第1の基板1を、センサ部7を構成する可動部5と固定部6とに分離加工する。またこの実施形態ではセンサ部7の周囲にある第1の基板1を枠体8として残している。
【0026】
なお本実施形態では、可動部5及び固定部6の形成位置を、前記アライメントキーにより高精度に調整することができる。
【0027】
続いて、図1(d)の工程では、センサ部7と第2の基板2間にある酸化絶縁層3を、ウエットエッチングやドライエッチングによる等方性エッチング工程にて除去する。図1(d)では除去される酸化絶縁層3を点線で示している。
【0028】
このとき可動部5の下面5aに形成された凸状のスティッキング防止部4は可動部5と同質であるシリコンで形成されているため、酸化絶縁層3とともに除去されることなくそのまま残される。なおこの実施形態では固定部6の下面6aにも前記凸状のスティッキング防止部4が残される。
【0029】
そして、可動部5と第2の基板2間にある酸化絶縁層3が除去されることで、可動部5と第2の基板2間に空間9を形成することができる。
【0030】
また、図1(d)に示すように、枠体8は幅広で形成されているため、枠体8と第2の基板2間に介在する酸化絶縁層3は一部侵食されるものの一部残される。よって枠体8は、第2の基板2に酸化絶縁層3を介して固定された状態となっている。
【0031】
なお、可動部5には、第1の基板1から形成された薄い弾性支持部(図示せず)及び幅広のアンカ部(図示せず)が連設されている。前記弾性支持部も可動部5と同様に第2の基板2の表面から中に浮いているが、前記アンカ部は、枠体8と同様に第2の基板2に酸化絶縁層3を介して固定支持されている。よって、可動部5及び弾性支持部を第2の基板2の表面から中に浮いた状態に適切に維持できる。
【0032】
また、図1(d)に示すように、固定部6にも第1の基板1から形成された幅広のアンカ部(図示せず)が連設されている。前記アンカ部は、枠体8と同様に第2の基板2に酸化絶縁層3を介して固定支持されている。よって、図1(d)に示すように固定部6と第2の基板2間の酸化絶縁層3が除去されても、前記固定部6を第2の基板2の表面から中に浮いた状態に適切に維持できる。
【0033】
可動部5は物理量変化を受けて変位する領域である。例えば図1(d)に示すMEMSセンサは加速度センサであり、加速度に伴う力(慣性力)を受けて可動部5は変位する。この可動部5の変位により、可動部5と固定部6間で変化した静電容量に基づいて加速度を検出することができる。
【0034】
本実施形態では、可動部5の下面5aに凸状のスティッキング防止部4が形成されている。このため可動部5に下方向への強い物理量が加わって、可動部5が第2の基板2の表面に接触するような場合でも、可動部5と第2の基板2間の接触面積を効果的に小さくできるため、可動部5が第2の基板2の表面に吸着してしまうスティッキングを適切に防止できる。
【0035】
本実施形態の特徴的構成について説明する。
本実施形態では、図1(a)に示したように、第1の基板1と第2の基板2とを別々に単体で用意し、第1の基板1の下面1aに、予め、凸状のスティッキング防止部4を形成する。続いて、図1(b)の工程で酸化絶縁層3の形成、図1(c)工程で、第1の基板1と第2の基板2の接合を行う。その後は、従来の工程と同様である。従来では例えば、第1の基板と第2の基板とが酸化絶縁層を介して接合されたSOI基板の状態から、前記酸化絶縁層の一部を残すようにしてスティッキング防止部を形成していた。これに対して本実施形態では、第1の基板1と第2の基板2を夫々、別々に用意し、これらを接合する前に、単体の前記第1の基板1に対してスティッキング防止部4を形成するから、従来に比べて簡単且つ高精度にスティッキング防止部4を形成することが可能になっている。また、本実施形態では、従来と違って、スティッキング防止部4の形成のために可動部を幅広で形成する制約が無いため、MEMSセンサの小型化に寄与することが出来る製造方法となっている。
【0036】
図1(a)の工程後の図1(b)では、第1の基板1の表面に酸化絶縁層3を形成したが、図2(a)のように第2の基板2の表面に酸化絶縁層3を形成することが可能である。
【0037】
このとき第2の基板2の上面(第1の基板1との対向面)2aは平坦面であるから、前記上面2aに簡単且つほぼ一定厚で酸化絶縁層3を形成することが出来る。そして図2(b)のように、第1の基板1と第2の基板2を常温接合等で接合し、第1の基板1の上面1bに対して研削工程を施す。図2(b)では図面上、第2の基板2の上面2a以外の下面や側面に形成された酸化絶縁層3を除去しているが、製品として問題なければ酸化絶縁層3を残しておくことも可能である。
【0038】
図2(b)の工程後、図1(d)の工程を施す。図2(a)では、酸化絶縁層3をほぼ一定厚で形成できるため、図1(d)の工程による酸化絶縁層3の除去により可動部5と第2の基板2間にほぼ一定高さの空間9を形成することが出来る。
【0039】
また図1(b)のように、第1の基板1の表面を熱酸化して酸化絶縁層3を形成した場合、凸状のスティッキング防止部4の幅寸法や高さ寸法は図1(a)のスティッキング防止部4の形成後と比べて多少小さくなる。一方、図2(a)のように第2の基板2側を熱酸化した場合には、第1の基板1に形成された凸状のスティッキング防止部4を形成後の大きさのまま維持できる。
【0040】
なお、本実施形態では、第1の基板1及び第2の基板2の双方に酸化絶縁層3を形成することも出来る。
【0041】
図3の他の実施形態では図1及び図2に代えて、スティッキング防止部4を第2の基板2の上面2a(第1の基板1との対向面)に形成している。その後は図1(b)〜図1(d)(あるいは図1(b)(c)に代えて図2(a)(b)でもよい)と同様の工程を施せばよい。なお、図3の形態では、形成したスティッキング防止部4は全てそのまま残されることになる。
【0042】
図4の他の実施形態では、可動部5の下面5aに凹状スティッキング防止部10を形成している。図4では、固定部6の下面6aにも凹状のスティッキング防止部10が形成されているが、図1(d)と同様に、固定部6の下面6aへのスティッキング防止部10の形成は必須でない。
【0043】
このようにスティッキング防止部10が凹状であっても、可動部5に下方向への強い物理量が加わって、可動部5が第2の基板2の表面に接触するような場合、可動部5と第2の基板2間の接触面積を非常に小さくできるため、スティッキングを適切に防止できる。
【0044】
図5、図6、及び図8を用いて、スティッキング防止部の平面形態を説明する。図5は、本実施形態のMEMSセンサを平面から見た模式図、図6は図5のA−A線から高さ方向に切断したMEMSセンサの部分拡大断面図、である。
【0045】
図5のMEMSセンサは加速度センサである。図5,図6に示すように固定部20は、アンカ部21から図示X方向に延出する支持腕部22,23と、支持腕部22,23の各両側面から図示Y方向に延出し、且つ図示X方向に所定の間隔を空けて配置された複数の固定電極24,25とを有して構成される。図6に示すように、アンカ部21は、第2の基板29に酸化絶縁層30を介して固定支持されている。
【0046】
また可動部26は固定電極24,25とX方向にて交互に配置される可動電極27,28を有して構成される。図5には、可動部26と連設される弾性支持部及びアンカ部の図示を省略している。
【0047】
可動部26と固定部20とでセンサ部35が構成される。図5に示すようにセンサ部35の周囲には間隔を空けて枠体32が形成されている。図6に示すように枠体32は第2の基板29に酸化絶縁層30を介して固定支持されている。
【0048】
図5の点線で示すように、平面視にて点状(ドット状)のスティッキング防止部が多数個形成されている。これらスティッキング防止部31は、例えば、センサ部35や枠体32を形成するための第1の基板の下面(第2の基板との対向面)に形成される。
【0049】
図5に示すスティッキング防止部31は、センサ部35の全域にわたって点在している。各スティッキング防止部31のうち、可動部26や固定部20の下面に形成されたスティッキング防止部31は図6に示すように残され、それ以外のスティッキング防止部31は図1(d)工程で除去される。
【0050】
図5では、多数のスティッキング防止部31を規則的に配列しているが、ランダムに形成してもよい。またスティッキング防止部31の形成工程で、可動部26となる領域を特定せずとも、各スティッキング防止部31の間隔や各スティッキング防止部31の大きさ等を適切に規制ことで、前記可動部26の下面に確実にスティッキング防止部31を形成すること(残すこと)が可能である。
【0051】
ところで、図6のように、アンカ部21は第2の基板29上に酸化絶縁層30を介して固定支持される部分であるから、広い接合面積を確保すべくアンカ部21の下面(第2の基板29との対向面)は平坦面であることが好適である。よってスティッキング防止部31の形成工程で、アンカ部21の領域を予め特定できる場合には、アンカ部21となる領域にスティッキング防止部31を形成しないように規制することが好適である。
【0052】
なお図5,図6にてスティッキング防止部31を、図4のように凹状で形成してもよい。
【0053】
また図7のようにスティッキング防止部40を平面視にて格子状で形成することも可能である。このときスティッキング防止部40の形成工程で、可動部26となる領域を特定せずとも、各幅細条部間の間隔や、各幅細条部の幅等を適切に規制することで、前記可動部26の下面に確実にスティッキング防止部40を形成すること(残すこと)が可能である。図7に示す格子状のスティッキング防止部40は凸状であっても凹状であってもどちらでもよい。
なおスティッキング防止部の形状は図5、図7以外であってもよい。
【0054】
本実施形態のMEMSセンサは加速度センサ以外の物理量センサ全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態におけるMEMSセンサの工程図(断面図)、
【図2】図1の一部を変更した本実施形態におけるMEMSセンサの工程図(断面図)、
【図3】図1の一部を変更した本実施形態におけるMEMSセンサの工程図(断面図)、
【図4】別の本実施形態のMEMSセンサの断面図、
【図5】本実施形態のMEMSセンサを平面から見た模式図、
【図6】図5のA−A線から高さ方向に切断したMEMSセンサの部分拡大断面図、
【図7】図5と異なる別の本実施形態のMEMSセンサを平面から見た模式図、
【符号の説明】
【0056】
1 第1の基板
2、29 第2の基板
3、30 酸化絶縁層
4、10、31、40 スティッキング防止部
5、26 可動部
6、20 固定部
7、35 センサ部
8、32 枠体
9 空間
21 アンカ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 第1の基板及び第2の基板を夫々用意し、前記第1の基板の少なくとも可動部となる領域の前記第2の基板との対向面に、凸状のスティッキング防止部を形成する工程、
(b) 前記第1の基板、あるいは第2の基板の各対向面の少なくとも一方に酸化絶縁層を形成する工程、
(c) 前記第1の基板と前記第2の基板を接合する工程、
(d) 前記第1の基板を加工して、少なくとも前記可動部を形成する工程、
(e) 前記可動部と前記第2の基板間に位置する前記酸化絶縁層を除去して、前記可動部と前記第2の基板の間に空間を形成する工程、
を有することを特徴とするMEMSセンサの製造方法。
【請求項2】
前記(d)工程では、前記第1の基板を、センサ部を構成する前記可動部と固定部とに分離加工し、
前記(a)工程では、前記スティッキング防止部を、前記センサ部の対向面全面に形成する請求項1記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項3】
前記(a)工程では、前記スティッキング防止部を、平面視にて点状で形成する請求項1又は2に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項4】
前記(a)工程では、前記スティッキング防止部を、平面視にて格子形状で形成する請求項1又は2に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項5】
前記(b)工程では、平坦面で形成された第2の基板の対向面に酸化絶縁層を形成する請求項1ないし4のいずれかに記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項6】
前記(a)工程に代えて、前記スティッキング防止部を、少なくとも前記可動部と対向する位置での前記第2の基板の対向面に形成する請求項1ないし4のいずれかに記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項7】
前記(a)工程では、前記対向面をエッチング加工して、前記基板と同じ材質の前記凸状のスティッキング防止部を形成する請求項1ないし6のいずれかに記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項8】
前記(a)工程に代えて、前記スティッキング防止部を、前記対向面に凹状で形成する請求項1ないし6のいずれかに記載のMEMSセンサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−117265(P2010−117265A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291335(P2008−291335)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】