MEMSセンサの製造方法
【課題】MEMSセンサによる物理量の検出精度を高める。
【解決手段】MEMSセンサの製造方法は、支持部と、支持部に一端が結合し支持部よりも薄い梁部と、梁部の他端に結合し梁部よりも厚い錘部と、梁部に設けられ梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えるMEMSセンサの製造方法であって、基板の表面上に膜を積層することによって膜によって構成される歪み検出手段と基板とを含む積層構造体を形成し、第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分とを形成し、第二の通孔から露出している基板をエッチングすることによって梁部の厚さを調整するとともに錘部の側面の基板からなる残部を形成する、ことを含む。
【解決手段】MEMSセンサの製造方法は、支持部と、支持部に一端が結合し支持部よりも薄い梁部と、梁部の他端に結合し梁部よりも厚い錘部と、梁部に設けられ梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えるMEMSセンサの製造方法であって、基板の表面上に膜を積層することによって膜によって構成される歪み検出手段と基板とを含む積層構造体を形成し、第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分とを形成し、第二の通孔から露出している基板をエッチングすることによって梁部の厚さを調整するとともに錘部の側面の基板からなる残部を形成する、ことを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、錘部に作用する慣性力によって生ずる梁部の変形をピエゾ抵抗素子などで検出することにより、加速度、姿勢(傾斜角)、角速度、振動などを検出するMEMSセンサが知られている。このようなMEMSセンサでは、錘部に作用する力に応じて錘部から梁部に作用する力が梁部を変形させるため、加速度、姿勢(傾斜角)、角速度、振幅などの物理量の検出精度は錘部と梁部との位置合わせ精度に依存する。
特許文献1、2には、基板の表裏両側からのエッチングにより錘部と梁部とを形成するMEMSセンサの製造方法が記載されている。
特許文献3には、梁部に低融点金属体を溶着することによって梁部と錘部とを形成するMEMSセンサの製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開2007−61956号公報
【特許文献2】特開2005−61840号公報
【特許文献3】特開平9−80070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1、2に記載された製造方法では、基板の表裏両側からエッチングすることによって錘部と梁部の形状が形成されるため、表裏両側からエッチングする際に用いる保護膜の位置のずれによって錘部と梁部の位置がずれる。また特許文献3に記載された製造方法では、梁部に低融点金属体を機械的に位置合わせする精度が問題となって錘部と梁部の位置合わせ精度を高くすることが困難であるし、機械的な逐次処理のために製造コストが増大する。
【0004】
本発明はこれらの問題に鑑みて創作されたものであって、MEMSセンサによる物理量の検出精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法は、支持部と、支持部に一端が結合し支持部よりも薄い梁部と、梁部の他端に結合し梁部よりも厚い錘部と、梁部に設けられ梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えるMEMSセンサの製造方法であって、基板の表面上に膜を積層することによって膜によって構成される歪み検出手段と基板とを含む積層構造体を形成し、第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分とを形成し、第二の通孔から露出している基板をエッチングすることによって梁部の厚さを調整するとともに錘部の側面の基板からなる残部を形成する、ことを含む。
【0006】
本発明によると、基板の2つの主面の一方である裏面上の保護膜を用いたエッチングにより梁部の側面全部と錘部の側面全部とが形成されるため、錘部と梁部の位置合わせ精度を高めることができる。したがって、本発明によるとMEMSセンサによる物理量の検出精度を高めることができる。なお、梁部の側面および錘部の側面は、基板の主面に対して垂直な面である。
【0007】
(2)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、薄肉部と薄肉部よりも厚い厚肉部とを有する単層の第一の保護膜を基板の裏面上に形成し、
第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングした後に、薄肉部が消失するまで第一の保護膜の表面全体をエッチングすることにより第一の保護膜の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
【0008】
本発明によると、単層の第一の保護膜を第二の保護膜に変形するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要になる。
(3)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、感光性樹脂膜を基板の裏面上に形成し、感光性樹脂膜を多階調マスクを通じて露光し、露光された感光性樹脂膜を現像することによって薄肉部と厚肉部とを形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、第一の保護膜と第二の保護膜を形成するための露光工程が1回ですむため、錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。このため、本発明によるとMEMSセンサによる物理量の検出精度をさらに高めることができる。
【0009】
(4)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、第一の保護膜の表面全体を異方性エッチングすることにより、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の厚肉部のエッジを含む第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、第一の保護膜の厚肉部の平面形状をそのまま第二の保護膜の平面形状にすることができる。また錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の厚肉部のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は厚肉部のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
(5)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、厚さが均一な単層の第一の保護膜を基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体をエッチングした後に、レーザーアブレーションによって第一の保護膜の一部を除去することにより錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜のエッジを含む第一の保護膜の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、単層の第一の保護膜を第二の保護膜に変形するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要になる。また錘部の側面の一部を形成した第一の保護膜のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は第一の保護膜のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
(6)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、第二の保護膜となる下層部と下層部を残してエッチング可能な材料からなる上層部とからなる第一の保護膜を基板の裏面全体に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体をエッチングした後に、上層部をエッチングにより除去することによって下層部を露出させ、レーザーアブレーションによって下層部の一部を除去することにより、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した下層部のエッジを含む下層部の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の下層部のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は第一の保護膜のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。ただし、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明の第一実施形態により製造されるMEMSセンサであるピエゾ抵抗型の加速度センサを図1に示す。加速度センサ1は互いに直交する3軸の加速度成分を検出するためのMEMSセンサである。
【0011】
加速度センサ1は、矩形枠の形態を有する支持部Sと、一端が支持部Sに結合している片持ち型の梁部F1、F2、F3、F4と、梁部F1、F2、F3、F4の他端に結合している十文字形の錘部Mと歪み検出手段としてのピエゾ抵抗素子40とを備え、図示しないパッケージに収容される。加速度センサ1を構成しているこれらの構造要素や電気的機能要素は、板状のバルク材料からなる基板100とシリコン層104と絶縁層106と配線層108とが一体に接合されている積層構造体によって構成されている。
【0012】
支持部Sは梁部F1、F2、F3、F4を支持するための構造要素である。支持部Sの形態は、梁部F1、F2、F3、F4の形態および配置と錘部Mの形態および配置とに応じて設計される。支持部Sは基板100とシリコン層104と絶縁層106とからなる。支持部Sは梁部F1、F2、F3、F4に比べて十分厚い基板100を含む複層構造体である。したがって支持部Sは実質的に変形しない。
【0013】
同一形態を有する梁部F1、F2、F3、F4のそれぞれの一端は支持部Sに結合している。梁部F1、F2、F3、F4と支持部Sとは通孔であるスリットH1によって隔てられ、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとは通孔であるスリットH2によって隔てられている。梁部F1、F2は支持部Sおよび錘部Mの長手方向と平行に錘部Mを間に挟んで直列的に配列されている。また、梁部F3、F4は支持部Sおよび錘部Mの長手方向と平行に錘部Mを間に挟んで直列的に配列されている。梁部F1、F3のそれぞれの他端は錘部Mの一方の側面に結合し、梁部F2、F4のそれぞれの他端は錘部Mの他方の側面に結合している。梁部F1、F2、F3、F4は、シリコン層104絶縁層106とからなる。
【0014】
錘部Mは、十文字形の底面を有する柱形であって、その重心が梁部F1、F2、F3、F4に接する面から離れて位置する形態を有する。錘部Mは梁部F1、F2、F3、F4の長手方向に長く、梁部F1、F2、F3、F4の短手方向に短い。錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4の側面に対向している部分は、梁部F1、F2、F3、F4の側面と平行である。錘部Mは梁部F1、F2、F3、F4に比べて十分厚い基板100を含む。したがって、錘部Mは支持部Sに対して相対的に運動する剛体として振る舞う。
【0015】
梁部F1、F2、F3、F4の、支持部Sとの近接領域と錘部Mの近接領域とに合計12個のピエゾ抵抗素子40が設けられている。ピエゾ抵抗素子40は不純物濃度が相対的に低い抵抗部42と不純物濃度が高い接続抵抗低減部41とからなる。これらのピエゾ抵抗素子40はすべて、梁部F1、F2、F3、F4と支持部Sとの境界、あるいは梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの境界をまたいでいる。ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104に形成されている。梁部F1、F2、F3、F4の変形によって生ずる応力の向きは梁部F1、F2、F3、F4の表面と裏面とで逆になる。このため、ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104の界面の近くに薄く形成される。ピエゾ抵抗素子40は4つ1組で1つのブリッジ回路を構成し、各ブリッジ回路から直交する3軸の加速度成分に相当する出力信号が取り出せるように結線される。なお、ピエゾ抵抗素子40をブリッジ回路として接続するための配線の一部を構成する配線層108の線幅が狭くなっている部分は図1Aにおいて省略されている。
【0016】
(製造方法)
次に図2から図6に基づいて加速度センサ1の製造方法を説明する。
はじめに立体的な機械構造が形成されていない図2に示す積層構造体Wを基板100の表面に薄膜を積層したり改質したりエッチングする公知の方法によって形成する。例えば、単結晶シリコン(Si)からなり厚さ400〜625μmのベースウエハの表面を熱酸化することによって二酸化シリコン(SiO2)からなる厚さ1μmのエッチストッパ層102を形成し、残部からなる厚いシリコン層101とエッチストッパ層102とからなる基板100を形成する。ここで基板100は、基板100の表面上に積層される薄膜に対して十分厚く、支持部Sおよび錘部Mの剛性をほぼ支配する程度の厚さの板状のバルク材料からなるものであればよい。そして図2に示す積層構造体Wは基板100の2つの主面の一方である表面側から施す加工によって形成される。例えば、単結晶シリコンからなり厚さ5〜20μmの薄いシリコン層104となるボンドウェハを基板100のエッチストッパ層102に接合し、SOI(Silicon On Insulator)ウエハを得る。次に薄いシリコン層104の表面から不純物イオンを注入し、活性化することによりシリコン層104にピエゾ抵抗素子40を形成する。次に絶縁層106として、例えば厚さ1μmの二酸化シリコン、窒化シリコン(SiN)等の膜を熱酸化法や堆積法によってシリコン層104の表面に形成する。次に絶縁層106の表面にアルミニウム(Al)、銅(Cu)、AlSi等からなる配線層108を形成し、コンタクトホールを介して配線層108とピエゾ抵抗素子40とを接続する。
【0017】
次に図3A、図3Bおよび図3Cに示すように積層構造体Wを犠牲基板99に一時的に接着し、基板100の裏面上に第一の保護膜Rを形成する。犠牲基板99と積層構造体Wとはワックス、フォトレジスト、両面粘着シートなどからなる接着手段Bを用いて一時的に接着することができる。第一の保護膜Rは、感光性樹脂であるフォトレジストからなり、図1に示した支持部Sと錘部Mとに比べて梁部F1、F2、F3、F4を薄く形成するための薄肉部R2と、支持部Sと錘部Mとを梁部F1、F2、F3、F4に比べて厚く形成するための厚肉部R1とを有する。また第一の保護膜Rには、図1に示した通孔であるスリットH1、H2を形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。厚肉部R1の厚さは例えば10μmとし、薄肉部R2の厚さは例えば3μmとする。
【0018】
このような3次元形状を有する第一の保護膜Rは、多階調マスク(ハーフトーンマスクまたはグレートーンマスク)を通じて感光性材料を露光し、露光された感光性材料を現像することによって形成することが望ましい。なお、ナノインプリント法やレーザー直接描画法によって3次元形状を有する第一の保護膜Rを形成しても良い。
【0019】
次に図4Aおよび図4Bに示すように第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通するまでエッチングする。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分とが形成される。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4の側面と平行な部分が形成される。具体的には例えば、C4F8プラズマを用いたパッシベーションとSF6プラズマを用いたエッチングとを短い間隔で交互に繰り返すボッシュプロセスといわれるDeep−RIE(Reactive Ion Etching)によって基板100の厚いシリコン層101をエッチングする。続いて、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によって基板100の二酸化シリコンからなるエッチストッパ層102をエッチングする。続いてCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングによって単結晶シリコンからなる薄いシリコン層104をエッチングする。続いてCHF3ガスを用いた反応性イオンエッチングにより二酸化シリコンからなる絶縁層106をエッチングする。
【0020】
次に図5Aおよび図5Bに示すように薄肉部R2が消失するまでフォトレジストからなる第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすることにより、第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、第二の保護膜Rのパターンは第一の保護膜Rの厚肉部R1のパターンによって自己整合的に精度良く形成される。具体的には例えば酸素(O)プラズマを用いた反応性イオンエッチングによって異方的に第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすればよい。なお、アルゴン(Ar)イオンによるミリングによって第一の保護膜Rを異方的にエッチングしても良い。第一の保護膜Rを異方的にエッチングすることによって、基板100の裏面に対して垂直な方向から見た厚肉部R1の輪郭をほぼそのまま第二の保護膜Rの輪郭に転写することができる。また錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rの厚肉部R1のエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は厚肉部R1のパターンによって確定させる。また等方性エッチングにより第一の保護膜Rを第二の保護膜Rに変形しても良い。ただし等方性エッチングにより変形する場合、基板100の裏面と平行な方向へのエッチングを見越して厚肉部R1の輪郭を設計する必要がある。
【0021】
次に図6Aおよび図6Bに示すように第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の図1に示す梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4の厚さが調整されるとともに、錘部Mの側面の基板100からなる残部Msが形成される。具体的には例えば、前述したボッシュプロセスによって基板100の厚いシリコン層101の一部を除去し、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によって基板100のエッチストッパ層102の一部を除去する。エッチストッパ層102は、緩衝フッ酸または希フッ酸によって等法的にエッチングしても良いし、無水HFとアルコールの混合ガスを用いて気相で等方的にエッチングしても良い。
【0022】
その後、第二の保護膜Rと接着手段Bとを除去し、ダイシング等の工程を実施すると図1に示す加速度センサ1が完成する。
【0023】
以上説明した製造方法によると、基板100の2つの主面の一方である裏面上に形成する2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。その結果、加速度センサ1の可動部の形状精度を高めることができる。また、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜の輪郭を1度の露光によって制御することができるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度をさらに高めることができる。その結果、加速度センサ1の可動部の形状精度をさらに高めることができる。
【0024】
2.第二実施形態
本発明の第二実施形態により製造されるMEMSセンサである6軸のモーションセンサを図7A、7B、7C、7Dに示す。モーションセンサ2は互いに直交する3軸の加速度成分と互いに直交する3軸の角速度成分を検出するためのMEMSセンサを構成するダイである。
【0025】
モーションセンサ2は、矩形枠の形態を有する支持部Sと、固定端が支持部Sに結合している片持ち型の梁部Fと、梁部Fの自由端に結合している錘部Mと、ひずみ検出手段としてのピエゾ抵抗素子40と、ひずみ検出手段または駆動手段としての圧電素子Pとを備え、図示しないパッケージに収容される。モーションセンサ2を構成しているこれらの構造要素や電気的機能要素は、板状のバルク材料からなる基板100とシリコン層104と絶縁層106と配線層108と圧電層110と電極層112と保護層114と配線層115が一体に接合されている積層構造体によって構成されている。
【0026】
支持部Sは4つの梁部Fを支持するための枠形の構造要素である。支持部Sは基板100と薄いシリコン層104と絶縁層106と保護層114とからなる。支持部Sは梁部Fに比べて十分厚い基板100を含む複層構造体である。したがって支持部Sは実質的に変形しない。
【0027】
同一形態を有する4つの梁部Fは支持部Sの内側において十文字形に配列され、それぞれの一端が支持部Sに結合し、それぞれの他端が錘部Mに結合している。それぞれの梁部Fは薄いシリコン層104と絶縁層106と保護層114とからなる。
【0028】
錘部Mは、梁部Fに結合しているほぼ直方体形の中央部の4つの角部にそれぞれ直方体形の部分が結合している形態を有する。錘部Mは梁部Fに比べて十分厚い基板100を含む。したがって、錘部Mは支持部Sに対して相対的に運動する剛体として振る舞う。
【0029】
錘部Mと支持部Sと梁部Fとは通孔である4つのスリットHによって隔てられている。
梁部Fの支持部Sとの近接領域と錘部Mとの近接領域とに合計12個のピエゾ抵抗素子40が設けられている。ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104に形成されている。梁部Fの変形によって生ずる応力の向きは梁部Fの表面と裏面とで逆になる。このため、ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104の界面の近くに薄く形成される。ピエゾ抵抗素子40は4つ1組で1つのブリッジ回路を構成し、各ブリッジ回路から直交する3軸の加速度成分に相当する出力信号が取り出せるように結線される。
【0030】
圧電素子Pは、薄いシリコン層104の表面上に設けられる。圧電素子Pは、電極として機能する配線層108と電極層112との間に圧電層110が挟まれた構造を有する。複数の圧電素子Pの一部は、梁部Fを歪ませることによって錘部Mを周回運動させる駆動手段として機能し、残部は角速度に伴うコリオリ力によって生ずる梁部Fの歪みを検出する検出手段として機能する。
【0031】
(製造方法)
図8から図10に基づいてモーションセンサ2の製造方法を説明する。
はじめに立体的な機械構造が形成されていない図8に示す積層構造体Wを基板100の表面に薄膜を積層したり改質したりエッチングする公知の方法によって形成する。例えば、第一実施形態と同様にして基板100、薄いシリコン層104、絶縁層106を形成し、ピエゾ抵抗素子40を形成した後に、厚さ0.1μmの白金(Pt)からなる配線層108を絶縁層106の表面全体に形成する。次に、配線層108の表面全体に厚さ3μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電層110をスパッタ法またはゾルゲル法によって形成する。次に圧電層110の表面全体に白金からなる厚さ0.1μmの電極層112を形成する。その後、3種類の保護膜を用いて電極層112、圧電層110、配線層108を順にエッチングする。次に感光性ポリイミドからなる厚さ10μmの保護層114を形成し、露光・現像によってコンタクトホールを形成する。次にコンタクトホールから露出している配線層108および電極層112に接続するアルミニウム(Al)からなる厚さ0.5μmの配線層115を形成する。次に配線層115をエッチングによりパターニングすると、図8に示す積層構造体Wが得られる。
【0032】
次に図9A、図9B、図9Cに示すように積層構造体Wを接着手段Bを用いて犠牲基板99に仮接着し、次に第一実施形態と同様に、基板100の裏面上に第一の保護膜Rを形成する。第一の保護膜Rは、感光性樹脂であるフォトレジストからなり、図7に示した支持部Sと錘部Mとに比べて梁部Fを薄く形成するための薄肉部R2と、支持部Sと錘部Mとを梁部Fに比べて厚く形成するための厚肉部R1とを有する。また第一の保護膜Rには、図7に示した通孔であるスリットHを形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。厚肉部R1の厚さは例えば10μmとし、薄肉部R2の厚さは例えば3μmとする。
【0033】
次に図10A、図10Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通すまでエッチングする。このとき、図7に示す支持部Sと梁部Fと錘部Mとを隔てる通孔であるスリットHが一時に形成される。
【0034】
次に図11A、図11Bに示すように、第一実施形態と同様に、薄肉部R2が消失するまでフォトレジストからなる第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすることにより、第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、第二の保護膜Rのパターンは第一の保護膜Rの厚肉部R1のパターンによって自己整合的に精度良く形成される。また錘部Mの側面の梁部Fから離間している部分を形成した第一の保護膜Rの厚肉部R1のエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部Fから離間している部分は厚肉部R1のパターンによって確定する。
【0035】
次に図12A、図12Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部Fに重なっている部分を除去し、梁部Fの厚さを調整するとともに錘部Mの側面の基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図7に示す梁部Fと錘部Mとが完成する。
【0036】
本実施形態においても、基板100の2つの主面の一方である裏面上の2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部Fの側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部Fと錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。また、梁部Fの側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜の輪郭を1度の露光によって制御することができるため、梁部Fと錘部Mの位置合わせ精度をさらに高めることができる。
【0037】
3.第三実施形態
図13から図16に示すようにレーザーアブレーションによって第一の保護膜を第二の保護膜に変形してもよい。
具体的には、図13A、図13B、図13Cに示すように、厚さが均一な感光性材料からなる単層の第一の保護膜Rを基板100の裏面上に形成する。第一の保護膜Rには図1に示した通孔であるスリットH1、H2を形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。第一の保護膜Rの厚さは例えば10μmとする。
【0038】
次に図14A、図14Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通するまでエッチングする。
【0039】
次に図15A、図15Bに示すように、図1に示す基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている第一の保護膜Rの部分をレーザーアブレーションによって除去することによって第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rのエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は第一の保護膜Rのパターンによって確定させる。
【0040】
次に図16A、図16Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去し、梁部F1、F2、F3、F4の厚さを調整するとともに錘部Mの側面の基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mと支持部Sとが完成する。
【0041】
本実施形態においては、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜をいずれも基板100の主面の一方である裏面上に形成するため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度を高めることができる。また単層の第一の保護膜の一部を除去することによって第二の保護膜を形成するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要である。
【0042】
4.第四実施形態
基板100の主面の一方である裏面上に形成する第二の保護膜を、第一の保護膜の変形ではなく、第一の保護膜を完全に除去した後に、新たに形成しても良い。具体的には、図14A、図14Bにおいて示すように積層構造体Wを貫通するまでエッチングした後に、第一の保護膜Rを除去する。次に基板100の裏面上に図15A、図15Bに示す第二の保護膜Rを形成しても良い。
【0043】
本実施形態においても、基板100の2つの主面の一方である裏面上に形成する2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。
【0044】
5.第五実施形態
図17から図20に示すように、第一の保護膜を複層構造とし、選択的なエッチングにより第一の保護膜を第二の保護膜に変形してもよい。
【0045】
具体的には、図17Aおよび図17Bに示すように、択一的に除去できる下層部RPと上層部RRとからなる2層構造の第一の保護膜Rを基板100の裏面上に形成する。たとえば厚さ2μmのSixNy、SiO2、Al等からなる下層部RPを基板100の裏面全体に形成した後に、厚さ10μmのフォトレジストからなる上層部RRを下層部RPの表面全体に形成する。次にマスクを通じた露光と現像により上層部RPにスリットRSを形成する。次に上層部RPのスリットRSから露出している下層部RPをエッチングすることによりスリットRSを基板100の裏面まで貫通させると、2層構造の第一の保護膜Rが形成される。
【0046】
次に図18Aおよび図18Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通すまでエッチングする。
【0047】
次に図19Aおよび図19Bに示すように、上層部RRをエッチングにより除去し、露出した下層部RPをレーザーアブレーションによってパターニングすることによって第一の保護膜Rを残部からなる第二の保護膜としての下層部RPに変形する。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rの下層部RPのエッジを残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は第一の保護膜Rのパターンによって確定させる。
【0048】
次に図20Aおよび図20Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去し、梁部F1、F2、F3、F4の厚さを調整するとともに錘部Mの基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとが完成する。
【0049】
本実施形態においては、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜をいずれも基板100の主面の一方である裏面上に形成するため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度を高めることができる。
【0050】
6.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。たとえば本発明は、振動センサ等の他のMEMSセンサに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図1B】図1Aに示すBB線に対応する断面図。
【図1C】図1Aに示すCC線に対応する断面図。
【図1D】図1Aに示すDD線に対応する断面図。
【図2】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図3A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図3B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図3C】図3Aおよび図3Bに対応する工程にかかる平面図。
【図4A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図4B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図5A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図5B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図6A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図6B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図7A】本発明の第二実施形態にかかる平面図。
【図7B】図7Aに示すBB線に対応する断面図。
【図7C】図7Aに示すCC線に対応する断面図。
【図7D】本発明の第二実施形態にかかる底面図。
【図8】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図9A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図9B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図9C】図7Aおよび図7Bに対応する工程にかかる平面図。
【図10A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図10B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図11A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図11B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図12A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図12B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図13A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図13B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図13C】図13Aおよび図13Bに対応する平面図。
【図14A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図14B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図15A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図15B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図16A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図16B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図17A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図17B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図18A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図18B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図19A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図19B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図20A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図20B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【符号の説明】
【0052】
1:加速度センサ、2:モーションセンサ、40:ピエゾ抵抗素子、41:接続抵抗低減部、42:抵抗部、99:犠牲基板、100:基板、101:シリコン層、102:エッチストッパ層、104:シリコン層、106:絶縁層、108:配線層、110:圧電層、112:電極層、114:保護層、115:配線層、B:接着手段、F:梁部、H:スリット、M:錘部、P:圧電素子、R:保護膜、R1:厚肉部、R2:薄肉部、RP:下層部、RR:上層部、RS:スリット、RT:通孔、S:支持部、W:積層構造体
【技術分野】
【0001】
本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、錘部に作用する慣性力によって生ずる梁部の変形をピエゾ抵抗素子などで検出することにより、加速度、姿勢(傾斜角)、角速度、振動などを検出するMEMSセンサが知られている。このようなMEMSセンサでは、錘部に作用する力に応じて錘部から梁部に作用する力が梁部を変形させるため、加速度、姿勢(傾斜角)、角速度、振幅などの物理量の検出精度は錘部と梁部との位置合わせ精度に依存する。
特許文献1、2には、基板の表裏両側からのエッチングにより錘部と梁部とを形成するMEMSセンサの製造方法が記載されている。
特許文献3には、梁部に低融点金属体を溶着することによって梁部と錘部とを形成するMEMSセンサの製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開2007−61956号公報
【特許文献2】特開2005−61840号公報
【特許文献3】特開平9−80070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1、2に記載された製造方法では、基板の表裏両側からエッチングすることによって錘部と梁部の形状が形成されるため、表裏両側からエッチングする際に用いる保護膜の位置のずれによって錘部と梁部の位置がずれる。また特許文献3に記載された製造方法では、梁部に低融点金属体を機械的に位置合わせする精度が問題となって錘部と梁部の位置合わせ精度を高くすることが困難であるし、機械的な逐次処理のために製造コストが増大する。
【0004】
本発明はこれらの問題に鑑みて創作されたものであって、MEMSセンサによる物理量の検出精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法は、支持部と、支持部に一端が結合し支持部よりも薄い梁部と、梁部の他端に結合し梁部よりも厚い錘部と、梁部に設けられ梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えるMEMSセンサの製造方法であって、基板の表面上に膜を積層することによって膜によって構成される歪み検出手段と基板とを含む積層構造体を形成し、第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分とを形成し、第二の通孔から露出している基板をエッチングすることによって梁部の厚さを調整するとともに錘部の側面の基板からなる残部を形成する、ことを含む。
【0006】
本発明によると、基板の2つの主面の一方である裏面上の保護膜を用いたエッチングにより梁部の側面全部と錘部の側面全部とが形成されるため、錘部と梁部の位置合わせ精度を高めることができる。したがって、本発明によるとMEMSセンサによる物理量の検出精度を高めることができる。なお、梁部の側面および錘部の側面は、基板の主面に対して垂直な面である。
【0007】
(2)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、薄肉部と薄肉部よりも厚い厚肉部とを有する単層の第一の保護膜を基板の裏面上に形成し、
第一の通孔から露出している積層構造体を貫通するまでエッチングした後に、薄肉部が消失するまで第一の保護膜の表面全体をエッチングすることにより第一の保護膜の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
【0008】
本発明によると、単層の第一の保護膜を第二の保護膜に変形するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要になる。
(3)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、感光性樹脂膜を基板の裏面上に形成し、感光性樹脂膜を多階調マスクを通じて露光し、露光された感光性樹脂膜を現像することによって薄肉部と厚肉部とを形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、第一の保護膜と第二の保護膜を形成するための露光工程が1回ですむため、錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。このため、本発明によるとMEMSセンサによる物理量の検出精度をさらに高めることができる。
【0009】
(4)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、第一の保護膜の表面全体を異方性エッチングすることにより、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の厚肉部のエッジを含む第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、第一の保護膜の厚肉部の平面形状をそのまま第二の保護膜の平面形状にすることができる。また錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の厚肉部のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は厚肉部のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
(5)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、厚さが均一な単層の第一の保護膜を基板の裏面上に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体をエッチングした後に、レーザーアブレーションによって第一の保護膜の一部を除去することにより錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜のエッジを含む第一の保護膜の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、単層の第一の保護膜を第二の保護膜に変形するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要になる。また錘部の側面の一部を形成した第一の保護膜のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は第一の保護膜のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
(6)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、第二の保護膜となる下層部と下層部を残してエッチング可能な材料からなる上層部とからなる第一の保護膜を基板の裏面全体に形成し、第一の通孔から露出している積層構造体をエッチングした後に、上層部をエッチングにより除去することによって下層部を露出させ、レーザーアブレーションによって下層部の一部を除去することにより、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した下層部のエッジを含む下層部の残部からなる第二の保護膜を形成する、ことを含んでもよい。
本発明によると、錘部の側面の梁部から離間している部分を形成した第一の保護膜の下層部のエッジを第二の保護膜に残存させるため、梁部の側面と錘部の側面の梁部から離間している部分は第一の保護膜のパターンによって確定する。したがって本発明によると錘部と梁部の位置合わせ精度をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。ただし、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明の第一実施形態により製造されるMEMSセンサであるピエゾ抵抗型の加速度センサを図1に示す。加速度センサ1は互いに直交する3軸の加速度成分を検出するためのMEMSセンサである。
【0011】
加速度センサ1は、矩形枠の形態を有する支持部Sと、一端が支持部Sに結合している片持ち型の梁部F1、F2、F3、F4と、梁部F1、F2、F3、F4の他端に結合している十文字形の錘部Mと歪み検出手段としてのピエゾ抵抗素子40とを備え、図示しないパッケージに収容される。加速度センサ1を構成しているこれらの構造要素や電気的機能要素は、板状のバルク材料からなる基板100とシリコン層104と絶縁層106と配線層108とが一体に接合されている積層構造体によって構成されている。
【0012】
支持部Sは梁部F1、F2、F3、F4を支持するための構造要素である。支持部Sの形態は、梁部F1、F2、F3、F4の形態および配置と錘部Mの形態および配置とに応じて設計される。支持部Sは基板100とシリコン層104と絶縁層106とからなる。支持部Sは梁部F1、F2、F3、F4に比べて十分厚い基板100を含む複層構造体である。したがって支持部Sは実質的に変形しない。
【0013】
同一形態を有する梁部F1、F2、F3、F4のそれぞれの一端は支持部Sに結合している。梁部F1、F2、F3、F4と支持部Sとは通孔であるスリットH1によって隔てられ、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとは通孔であるスリットH2によって隔てられている。梁部F1、F2は支持部Sおよび錘部Mの長手方向と平行に錘部Mを間に挟んで直列的に配列されている。また、梁部F3、F4は支持部Sおよび錘部Mの長手方向と平行に錘部Mを間に挟んで直列的に配列されている。梁部F1、F3のそれぞれの他端は錘部Mの一方の側面に結合し、梁部F2、F4のそれぞれの他端は錘部Mの他方の側面に結合している。梁部F1、F2、F3、F4は、シリコン層104絶縁層106とからなる。
【0014】
錘部Mは、十文字形の底面を有する柱形であって、その重心が梁部F1、F2、F3、F4に接する面から離れて位置する形態を有する。錘部Mは梁部F1、F2、F3、F4の長手方向に長く、梁部F1、F2、F3、F4の短手方向に短い。錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4の側面に対向している部分は、梁部F1、F2、F3、F4の側面と平行である。錘部Mは梁部F1、F2、F3、F4に比べて十分厚い基板100を含む。したがって、錘部Mは支持部Sに対して相対的に運動する剛体として振る舞う。
【0015】
梁部F1、F2、F3、F4の、支持部Sとの近接領域と錘部Mの近接領域とに合計12個のピエゾ抵抗素子40が設けられている。ピエゾ抵抗素子40は不純物濃度が相対的に低い抵抗部42と不純物濃度が高い接続抵抗低減部41とからなる。これらのピエゾ抵抗素子40はすべて、梁部F1、F2、F3、F4と支持部Sとの境界、あるいは梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの境界をまたいでいる。ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104に形成されている。梁部F1、F2、F3、F4の変形によって生ずる応力の向きは梁部F1、F2、F3、F4の表面と裏面とで逆になる。このため、ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104の界面の近くに薄く形成される。ピエゾ抵抗素子40は4つ1組で1つのブリッジ回路を構成し、各ブリッジ回路から直交する3軸の加速度成分に相当する出力信号が取り出せるように結線される。なお、ピエゾ抵抗素子40をブリッジ回路として接続するための配線の一部を構成する配線層108の線幅が狭くなっている部分は図1Aにおいて省略されている。
【0016】
(製造方法)
次に図2から図6に基づいて加速度センサ1の製造方法を説明する。
はじめに立体的な機械構造が形成されていない図2に示す積層構造体Wを基板100の表面に薄膜を積層したり改質したりエッチングする公知の方法によって形成する。例えば、単結晶シリコン(Si)からなり厚さ400〜625μmのベースウエハの表面を熱酸化することによって二酸化シリコン(SiO2)からなる厚さ1μmのエッチストッパ層102を形成し、残部からなる厚いシリコン層101とエッチストッパ層102とからなる基板100を形成する。ここで基板100は、基板100の表面上に積層される薄膜に対して十分厚く、支持部Sおよび錘部Mの剛性をほぼ支配する程度の厚さの板状のバルク材料からなるものであればよい。そして図2に示す積層構造体Wは基板100の2つの主面の一方である表面側から施す加工によって形成される。例えば、単結晶シリコンからなり厚さ5〜20μmの薄いシリコン層104となるボンドウェハを基板100のエッチストッパ層102に接合し、SOI(Silicon On Insulator)ウエハを得る。次に薄いシリコン層104の表面から不純物イオンを注入し、活性化することによりシリコン層104にピエゾ抵抗素子40を形成する。次に絶縁層106として、例えば厚さ1μmの二酸化シリコン、窒化シリコン(SiN)等の膜を熱酸化法や堆積法によってシリコン層104の表面に形成する。次に絶縁層106の表面にアルミニウム(Al)、銅(Cu)、AlSi等からなる配線層108を形成し、コンタクトホールを介して配線層108とピエゾ抵抗素子40とを接続する。
【0017】
次に図3A、図3Bおよび図3Cに示すように積層構造体Wを犠牲基板99に一時的に接着し、基板100の裏面上に第一の保護膜Rを形成する。犠牲基板99と積層構造体Wとはワックス、フォトレジスト、両面粘着シートなどからなる接着手段Bを用いて一時的に接着することができる。第一の保護膜Rは、感光性樹脂であるフォトレジストからなり、図1に示した支持部Sと錘部Mとに比べて梁部F1、F2、F3、F4を薄く形成するための薄肉部R2と、支持部Sと錘部Mとを梁部F1、F2、F3、F4に比べて厚く形成するための厚肉部R1とを有する。また第一の保護膜Rには、図1に示した通孔であるスリットH1、H2を形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。厚肉部R1の厚さは例えば10μmとし、薄肉部R2の厚さは例えば3μmとする。
【0018】
このような3次元形状を有する第一の保護膜Rは、多階調マスク(ハーフトーンマスクまたはグレートーンマスク)を通じて感光性材料を露光し、露光された感光性材料を現像することによって形成することが望ましい。なお、ナノインプリント法やレーザー直接描画法によって3次元形状を有する第一の保護膜Rを形成しても良い。
【0019】
次に図4Aおよび図4Bに示すように第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通するまでエッチングする。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分とが形成される。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4の側面と平行な部分が形成される。具体的には例えば、C4F8プラズマを用いたパッシベーションとSF6プラズマを用いたエッチングとを短い間隔で交互に繰り返すボッシュプロセスといわれるDeep−RIE(Reactive Ion Etching)によって基板100の厚いシリコン層101をエッチングする。続いて、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によって基板100の二酸化シリコンからなるエッチストッパ層102をエッチングする。続いてCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングによって単結晶シリコンからなる薄いシリコン層104をエッチングする。続いてCHF3ガスを用いた反応性イオンエッチングにより二酸化シリコンからなる絶縁層106をエッチングする。
【0020】
次に図5Aおよび図5Bに示すように薄肉部R2が消失するまでフォトレジストからなる第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすることにより、第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、第二の保護膜Rのパターンは第一の保護膜Rの厚肉部R1のパターンによって自己整合的に精度良く形成される。具体的には例えば酸素(O)プラズマを用いた反応性イオンエッチングによって異方的に第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすればよい。なお、アルゴン(Ar)イオンによるミリングによって第一の保護膜Rを異方的にエッチングしても良い。第一の保護膜Rを異方的にエッチングすることによって、基板100の裏面に対して垂直な方向から見た厚肉部R1の輪郭をほぼそのまま第二の保護膜Rの輪郭に転写することができる。また錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rの厚肉部R1のエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は厚肉部R1のパターンによって確定させる。また等方性エッチングにより第一の保護膜Rを第二の保護膜Rに変形しても良い。ただし等方性エッチングにより変形する場合、基板100の裏面と平行な方向へのエッチングを見越して厚肉部R1の輪郭を設計する必要がある。
【0021】
次に図6Aおよび図6Bに示すように第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の図1に示す梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4の厚さが調整されるとともに、錘部Mの側面の基板100からなる残部Msが形成される。具体的には例えば、前述したボッシュプロセスによって基板100の厚いシリコン層101の一部を除去し、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によって基板100のエッチストッパ層102の一部を除去する。エッチストッパ層102は、緩衝フッ酸または希フッ酸によって等法的にエッチングしても良いし、無水HFとアルコールの混合ガスを用いて気相で等方的にエッチングしても良い。
【0022】
その後、第二の保護膜Rと接着手段Bとを除去し、ダイシング等の工程を実施すると図1に示す加速度センサ1が完成する。
【0023】
以上説明した製造方法によると、基板100の2つの主面の一方である裏面上に形成する2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。その結果、加速度センサ1の可動部の形状精度を高めることができる。また、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜の輪郭を1度の露光によって制御することができるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度をさらに高めることができる。その結果、加速度センサ1の可動部の形状精度をさらに高めることができる。
【0024】
2.第二実施形態
本発明の第二実施形態により製造されるMEMSセンサである6軸のモーションセンサを図7A、7B、7C、7Dに示す。モーションセンサ2は互いに直交する3軸の加速度成分と互いに直交する3軸の角速度成分を検出するためのMEMSセンサを構成するダイである。
【0025】
モーションセンサ2は、矩形枠の形態を有する支持部Sと、固定端が支持部Sに結合している片持ち型の梁部Fと、梁部Fの自由端に結合している錘部Mと、ひずみ検出手段としてのピエゾ抵抗素子40と、ひずみ検出手段または駆動手段としての圧電素子Pとを備え、図示しないパッケージに収容される。モーションセンサ2を構成しているこれらの構造要素や電気的機能要素は、板状のバルク材料からなる基板100とシリコン層104と絶縁層106と配線層108と圧電層110と電極層112と保護層114と配線層115が一体に接合されている積層構造体によって構成されている。
【0026】
支持部Sは4つの梁部Fを支持するための枠形の構造要素である。支持部Sは基板100と薄いシリコン層104と絶縁層106と保護層114とからなる。支持部Sは梁部Fに比べて十分厚い基板100を含む複層構造体である。したがって支持部Sは実質的に変形しない。
【0027】
同一形態を有する4つの梁部Fは支持部Sの内側において十文字形に配列され、それぞれの一端が支持部Sに結合し、それぞれの他端が錘部Mに結合している。それぞれの梁部Fは薄いシリコン層104と絶縁層106と保護層114とからなる。
【0028】
錘部Mは、梁部Fに結合しているほぼ直方体形の中央部の4つの角部にそれぞれ直方体形の部分が結合している形態を有する。錘部Mは梁部Fに比べて十分厚い基板100を含む。したがって、錘部Mは支持部Sに対して相対的に運動する剛体として振る舞う。
【0029】
錘部Mと支持部Sと梁部Fとは通孔である4つのスリットHによって隔てられている。
梁部Fの支持部Sとの近接領域と錘部Mとの近接領域とに合計12個のピエゾ抵抗素子40が設けられている。ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104に形成されている。梁部Fの変形によって生ずる応力の向きは梁部Fの表面と裏面とで逆になる。このため、ピエゾ抵抗素子40はシリコン層104の界面の近くに薄く形成される。ピエゾ抵抗素子40は4つ1組で1つのブリッジ回路を構成し、各ブリッジ回路から直交する3軸の加速度成分に相当する出力信号が取り出せるように結線される。
【0030】
圧電素子Pは、薄いシリコン層104の表面上に設けられる。圧電素子Pは、電極として機能する配線層108と電極層112との間に圧電層110が挟まれた構造を有する。複数の圧電素子Pの一部は、梁部Fを歪ませることによって錘部Mを周回運動させる駆動手段として機能し、残部は角速度に伴うコリオリ力によって生ずる梁部Fの歪みを検出する検出手段として機能する。
【0031】
(製造方法)
図8から図10に基づいてモーションセンサ2の製造方法を説明する。
はじめに立体的な機械構造が形成されていない図8に示す積層構造体Wを基板100の表面に薄膜を積層したり改質したりエッチングする公知の方法によって形成する。例えば、第一実施形態と同様にして基板100、薄いシリコン層104、絶縁層106を形成し、ピエゾ抵抗素子40を形成した後に、厚さ0.1μmの白金(Pt)からなる配線層108を絶縁層106の表面全体に形成する。次に、配線層108の表面全体に厚さ3μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電層110をスパッタ法またはゾルゲル法によって形成する。次に圧電層110の表面全体に白金からなる厚さ0.1μmの電極層112を形成する。その後、3種類の保護膜を用いて電極層112、圧電層110、配線層108を順にエッチングする。次に感光性ポリイミドからなる厚さ10μmの保護層114を形成し、露光・現像によってコンタクトホールを形成する。次にコンタクトホールから露出している配線層108および電極層112に接続するアルミニウム(Al)からなる厚さ0.5μmの配線層115を形成する。次に配線層115をエッチングによりパターニングすると、図8に示す積層構造体Wが得られる。
【0032】
次に図9A、図9B、図9Cに示すように積層構造体Wを接着手段Bを用いて犠牲基板99に仮接着し、次に第一実施形態と同様に、基板100の裏面上に第一の保護膜Rを形成する。第一の保護膜Rは、感光性樹脂であるフォトレジストからなり、図7に示した支持部Sと錘部Mとに比べて梁部Fを薄く形成するための薄肉部R2と、支持部Sと錘部Mとを梁部Fに比べて厚く形成するための厚肉部R1とを有する。また第一の保護膜Rには、図7に示した通孔であるスリットHを形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。厚肉部R1の厚さは例えば10μmとし、薄肉部R2の厚さは例えば3μmとする。
【0033】
次に図10A、図10Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通すまでエッチングする。このとき、図7に示す支持部Sと梁部Fと錘部Mとを隔てる通孔であるスリットHが一時に形成される。
【0034】
次に図11A、図11Bに示すように、第一実施形態と同様に、薄肉部R2が消失するまでフォトレジストからなる第一の保護膜Rの表面全体をエッチングすることにより、第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、第二の保護膜Rのパターンは第一の保護膜Rの厚肉部R1のパターンによって自己整合的に精度良く形成される。また錘部Mの側面の梁部Fから離間している部分を形成した第一の保護膜Rの厚肉部R1のエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部Fから離間している部分は厚肉部R1のパターンによって確定する。
【0035】
次に図12A、図12Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部Fに重なっている部分を除去し、梁部Fの厚さを調整するとともに錘部Mの側面の基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図7に示す梁部Fと錘部Mとが完成する。
【0036】
本実施形態においても、基板100の2つの主面の一方である裏面上の2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部Fの側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部Fと錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。また、梁部Fの側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜の輪郭を1度の露光によって制御することができるため、梁部Fと錘部Mの位置合わせ精度をさらに高めることができる。
【0037】
3.第三実施形態
図13から図16に示すようにレーザーアブレーションによって第一の保護膜を第二の保護膜に変形してもよい。
具体的には、図13A、図13B、図13Cに示すように、厚さが均一な感光性材料からなる単層の第一の保護膜Rを基板100の裏面上に形成する。第一の保護膜Rには図1に示した通孔であるスリットH1、H2を形成するための第一の通孔であるスリットRSが形成されている。第一の保護膜Rの厚さは例えば10μmとする。
【0038】
次に図14A、図14Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通するまでエッチングする。
【0039】
次に図15A、図15Bに示すように、図1に示す基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている第一の保護膜Rの部分をレーザーアブレーションによって除去することによって第二の通孔RTを形成し、第一の保護膜Rの残部からなる第二の保護膜Rを形成する。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rのエッジを第二の保護膜Rに残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は第一の保護膜Rのパターンによって確定させる。
【0040】
次に図16A、図16Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去し、梁部F1、F2、F3、F4の厚さを調整するとともに錘部Mの側面の基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mと支持部Sとが完成する。
【0041】
本実施形態においては、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜をいずれも基板100の主面の一方である裏面上に形成するため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度を高めることができる。また単層の第一の保護膜の一部を除去することによって第二の保護膜を形成するため、第二の保護膜の材料を追加する工程が不要である。
【0042】
4.第四実施形態
基板100の主面の一方である裏面上に形成する第二の保護膜を、第一の保護膜の変形ではなく、第一の保護膜を完全に除去した後に、新たに形成しても良い。具体的には、図14A、図14Bにおいて示すように積層構造体Wを貫通するまでエッチングした後に、第一の保護膜Rを除去する。次に基板100の裏面上に図15A、図15Bに示す第二の保護膜Rを形成しても良い。
【0043】
本実施形態においても、基板100の2つの主面の一方である裏面上に形成する2パターンの保護膜Rを用いたエッチングにより梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とが形成されるため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとの位置合わせ精度を高めることができる。
【0044】
5.第五実施形態
図17から図20に示すように、第一の保護膜を複層構造とし、選択的なエッチングにより第一の保護膜を第二の保護膜に変形してもよい。
【0045】
具体的には、図17Aおよび図17Bに示すように、択一的に除去できる下層部RPと上層部RRとからなる2層構造の第一の保護膜Rを基板100の裏面上に形成する。たとえば厚さ2μmのSixNy、SiO2、Al等からなる下層部RPを基板100の裏面全体に形成した後に、厚さ10μmのフォトレジストからなる上層部RRを下層部RPの表面全体に形成する。次にマスクを通じた露光と現像により上層部RPにスリットRSを形成する。次に上層部RPのスリットRSから露出している下層部RPをエッチングすることによりスリットRSを基板100の裏面まで貫通させると、2層構造の第一の保護膜Rが形成される。
【0046】
次に図18Aおよび図18Bに示すように、第一実施形態と同様に、第一の保護膜RのスリットRSから露出している積層構造体Wを貫通すまでエッチングする。
【0047】
次に図19Aおよび図19Bに示すように、上層部RRをエッチングにより除去し、露出した下層部RPをレーザーアブレーションによってパターニングすることによって第一の保護膜Rを残部からなる第二の保護膜としての下層部RPに変形する。このとき、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分を形成した第一の保護膜Rの下層部RPのエッジを残存させることにより、錘部Mの側面の梁部F1、F2、F3、F4から離間している部分は第一の保護膜Rのパターンによって確定させる。
【0048】
次に図20Aおよび図20Bに示すように、第一実施形態と同様に、第二の保護膜Rの第二の通孔RTから露出している基板100をエッチングすることによって基板100の梁部F1、F2、F3、F4に重なっている部分を除去し、梁部F1、F2、F3、F4の厚さを調整するとともに錘部Mの基板100からなる残部Msを形成する。その結果、図1に示す梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mとが完成する。
【0049】
本実施形態においては、梁部F1、F2、F3、F4の側面全部と錘部Mの側面全部とを形成するために必要な2パターンの保護膜をいずれも基板100の主面の一方である裏面上に形成するため、梁部F1、F2、F3、F4と錘部Mの位置合わせ精度を高めることができる。
【0050】
6.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。たとえば本発明は、振動センサ等の他のMEMSセンサに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図1B】図1Aに示すBB線に対応する断面図。
【図1C】図1Aに示すCC線に対応する断面図。
【図1D】図1Aに示すDD線に対応する断面図。
【図2】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図3A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図3B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図3C】図3Aおよび図3Bに対応する工程にかかる平面図。
【図4A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図4B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図5A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図5B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図6A】図1Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図6B】図1Aに示すDD線に対応する工程断面図。
【図7A】本発明の第二実施形態にかかる平面図。
【図7B】図7Aに示すBB線に対応する断面図。
【図7C】図7Aに示すCC線に対応する断面図。
【図7D】本発明の第二実施形態にかかる底面図。
【図8】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図9A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図9B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図9C】図7Aおよび図7Bに対応する工程にかかる平面図。
【図10A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図10B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図11A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図11B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図12A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図12B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図13A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図13B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図13C】図13Aおよび図13Bに対応する平面図。
【図14A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図14B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図15A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図15B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図16A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図16B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図17A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図17B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図18A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図18B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図19A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図19B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【図20A】図7Aに示すBB線に対応する工程断面図。
【図20B】図7Aに示すCC線に対応する工程断面図。
【符号の説明】
【0052】
1:加速度センサ、2:モーションセンサ、40:ピエゾ抵抗素子、41:接続抵抗低減部、42:抵抗部、99:犠牲基板、100:基板、101:シリコン層、102:エッチストッパ層、104:シリコン層、106:絶縁層、108:配線層、110:圧電層、112:電極層、114:保護層、115:配線層、B:接着手段、F:梁部、H:スリット、M:錘部、P:圧電素子、R:保護膜、R1:厚肉部、R2:薄肉部、RP:下層部、RR:上層部、RS:スリット、RT:通孔、S:支持部、W:積層構造体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、
前記支持部に一端が結合し前記支持部よりも薄い梁部と、
前記梁部の他端に結合し前記梁部よりも厚い錘部と、
前記梁部に設けられ前記梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、
を備えるMEMSセンサの製造方法であって、
基板の表面上に膜を積層することによって、前記膜により構成される前記歪み検出手段と前記基板とを含む積層構造体を形成し、
第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、前記梁部の側面と前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分とを形成し、
前記第二の通孔から露出している前記基板をエッチングすることによって前記梁部の厚さを調整するとともに前記錘部の前記側面の前記基板からなる残部を形成する、
ことを含むMEMSセンサの製造方法。
【請求項2】
薄肉部と前記薄肉部よりも厚い厚肉部とを有する単層の前記第一の保護膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体を貫通するまでエッチングした後に、前記薄肉部が消失するまで前記第一の保護膜の表面全体をエッチングすることにより前記第一の保護膜の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項3】
感光性樹脂膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記感光性樹脂膜を多階調マスクを通じて露光し、
露光された前記感光性樹脂膜を現像することによって前記薄肉部と前記厚肉部とを形成する、
ことを含む請求項2に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項4】
前記第一の保護膜の表面全体を異方性エッチングすることにより、前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記第一の保護膜の厚肉部のエッジを含む前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項2または3に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項5】
厚さが均一な単層の前記第一の保護膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体をエッチングした後に、レーザーアブレーションによって前記第一の保護膜の一部を除去することにより前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記第一の保護膜のエッジを含む前記第一の保護膜の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項6】
前記第二の保護膜となる下層部と前記下層部を残してエッチング可能な材料からなる上層部とからなる前記第一の保護膜を前記基板の裏面全体に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体をエッチングした後に、前記上層部をエッチングにより除去することによって前記下層部を露出させ、
レーザーアブレーションによって前記下層部の一部を除去することにより、前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記下層部のエッジを含む前記下層部の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項1】
支持部と、
前記支持部に一端が結合し前記支持部よりも薄い梁部と、
前記梁部の他端に結合し前記梁部よりも厚い錘部と、
前記梁部に設けられ前記梁部の歪みを検出する歪み検出手段と、
を備えるMEMSセンサの製造方法であって、
基板の表面上に膜を積層することによって、前記膜により構成される前記歪み検出手段と前記基板とを含む積層構造体を形成し、
第一の通孔が形成されている第一の保護膜と第二の通孔が形成されている第二の保護膜とを前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体を貫通するまでエッチングすることによって、前記梁部の側面と前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分とを形成し、
前記第二の通孔から露出している前記基板をエッチングすることによって前記梁部の厚さを調整するとともに前記錘部の前記側面の前記基板からなる残部を形成する、
ことを含むMEMSセンサの製造方法。
【請求項2】
薄肉部と前記薄肉部よりも厚い厚肉部とを有する単層の前記第一の保護膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体を貫通するまでエッチングした後に、前記薄肉部が消失するまで前記第一の保護膜の表面全体をエッチングすることにより前記第一の保護膜の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項3】
感光性樹脂膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記感光性樹脂膜を多階調マスクを通じて露光し、
露光された前記感光性樹脂膜を現像することによって前記薄肉部と前記厚肉部とを形成する、
ことを含む請求項2に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項4】
前記第一の保護膜の表面全体を異方性エッチングすることにより、前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記第一の保護膜の厚肉部のエッジを含む前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項2または3に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項5】
厚さが均一な単層の前記第一の保護膜を前記基板の裏面上に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体をエッチングした後に、レーザーアブレーションによって前記第一の保護膜の一部を除去することにより前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記第一の保護膜のエッジを含む前記第一の保護膜の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項6】
前記第二の保護膜となる下層部と前記下層部を残してエッチング可能な材料からなる上層部とからなる前記第一の保護膜を前記基板の裏面全体に形成し、
前記第一の通孔から露出している前記積層構造体をエッチングした後に、前記上層部をエッチングにより除去することによって前記下層部を露出させ、
レーザーアブレーションによって前記下層部の一部を除去することにより、前記錘部の側面の前記梁部から離間している部分を形成した前記下層部のエッジを含む前記下層部の残部からなる前記第二の保護膜を形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【公開番号】特開2010−91351(P2010−91351A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260189(P2008−260189)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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