説明

N−ベンゼンスルホニル置換アニリノ−ピリミジン類似物

本発明は、式Iの化合物に関し、ここで、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書中で定義されている。別の実施形態では、本発明は、式Iの好ましい置換基および特定の化合物を提供する。別の実施形態では、本発明はまた、本発明の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物を提供することにより、細胞におけるキナーゼ作用(特に、IKK)を阻害する方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年10月13日に出願された米国仮特許出願第60/617,668号から優先権を主張している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、キナーゼ活性を阻害するのに有用なアニリノ−ピリミジン類似物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
核因子−κB(NF−κB)は、細胞の生存に関する重要な遺伝子の発現を調節する転写因子である。NF−κBの活性は、炎症応答において中心的である。なぜなら、NF−κBは、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)のような炎症誘発性サイトカインの発現を調節するからである。TNF−αは、炎症を誘導するだけでなく、多くの癌についての生存因子として作用し、そして脈管形成因子の産生を刺激し得る。TNF−αは、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌および結腸直腸癌、ならびにリンパ腫および白血病において見出されている。癌におけるNF−κBの役割は、NF−κBがアポトーシスを抑制し、かつ細胞増殖を刺激することによって腫瘍形成を促すことを示す研究によってさらに解明された。非特許文献1。腫瘍形成および炎症におけるNF−κBの役割に起因して、NF−κBインヒビターは抗癌治療剤および抗炎症治療剤として有用であることが、分かり得る。
【0004】
NF−κBの一次形態は、IκB(NF−κBのインヒビター)によって、休止細胞の細胞質中に保持される。NF−κBは、IκBキナーゼ(「IKK」)複合体(サブユニットIKKα、サブユニットIKKβ、およびサブユニットIKKγを含む)として公知である細胞性キナーゼ複合体の刺激によって活性化される。例えば、毒素、サイトカイン(例えば、TNF−α)、または電離放射線による刺激の際に、IKKは、IκBをリン酸化し、そしてプロテアソーム経路を介してユビキチン依存性の分解を誘発する。破壊されたIκBによって、NF−κBは、自由に核に進入し、そして転写を活性化する。非特許文献2。非特許文献3。
【0005】
IKKの異常な発現は、NF−κBの活性化、ならびにその次の、腫瘍形成および細胞増殖と相関している。高いIKKレベルはまた、他の転写因子(例えば、FOXO因子)をネガティブに調節することによって腫瘍形成を促し得る。非特許文献2。したがって、IKKを阻害することは、細胞増殖および腫瘍形成を阻害し得る。他のアニリノ−ピリミジン誘導体は、不適切に高いキナーゼ活性を阻害することが示されている。例えば、特許文献1を参照のこと。しかし、選択的にキナーゼ活性を阻害する因子(IKKが挙げられる)に対する必要性が、存在したままである。本発明は、この必要性を充足する。
【特許文献1】米国特許第6,048,866号明細書
【非特許文献1】Haefner,B.、「NF−κB:arresting a major culprit in cancer」、Drug Discovery Today、2002年、第7巻、p.653−663
【非特許文献2】Hu,M.、「IκB Kinase Promotes Tumorigenesis through Inhibition of Forkhead FOXO3a」、Cell、2004年、第117巻、p.225−237
【非特許文献3】Haefner,B.、「NF−κB: arresting a major culprit in cancer」、Drug Discovery Today、2002年、第7巻、p.653−663
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
一実施形態では、本発明は、式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する:
【0007】
【化22】

ここで:
は、水素である;
は、NR、グアニジニル、ウレイド、必要に応じて置換したイミダゾリル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアルケニル、必要に応じて置換したアルキニル、ヒドロキシ、およびアルコキシからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環であるが、但し、該ヘテロアリール環は、ピリジン、フラン、イソオキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、またはチアゾールではない;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;−NR;−COOR;−CONR;および−SO10
は、水素である;
は、水素、メチル、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシメチル、およびアルキルアミノメチルからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;ハロゲン;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;−NR;−COOR;−CONR;−SO10;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;ヒドロキシ;アルコキシ;OR;およびSR
およびRは、別個に、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;必要に応じて置換したアリール;必要に応じて置換したヘテロアリール;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルアミノ;アリールアミノ;ヘテロアリールアミノ;−NCOR;−COR;−CONR;SO10;0個〜3個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜10員環状アミン;
必要に応じて、RおよびRは、一緒になって、0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜12員単環式または二環式を形成する;
は、水素、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、および必要に応じて置換したヘテロアリールからなる群から選択される;
10は、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、必要に応じて置換したヘテロアリール、およびNRからなる群から選択される。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、式Iの好ましい置換基および特定の化合物を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明はまた、本発明の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物を提供することにより、細胞におけるキナーゼ作用(特に、IKK)を阻害する方法を提供する。本発明はまた、本発明の化合物または薬学的組成物を投与することにより、哺乳動物(特に、ヒト)におけるキナーゼ活性(特に、IKK)を阻害する方法を提供する。本発明はまた、本発明の化合物を投与することにより、キナーゼ依存性病態(特に、炎症または癌)を治療する方法を提供する。
【0010】
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物を投与することにより、NF−κB活性化に関連した疾患を治療する方法を提供する。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、本発明の化合物を投与することにより、癌;炎症または自己免疫病態;心血管病態、代謝病態または虚血病態;感染症(特に、ウイルス感染)だけでなく、閉経前または閉経後病態(特に、骨粗鬆症)を治療する方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、NF−κB経路のプロテインキナーゼの追加阻害剤を投与する工程をさらに包含する方法を提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、上で定義したような式Iの化合物を製造する方法を提供する。本発明はまた、これらの方法の中間体を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(詳細な説明)
本発明は、アニリノ−ピリミジン類似物、薬学的組成物、およびそれらを使用する方法に関する。一実施形態では、本発明は、式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する:
【0015】
【化23】

ここで:
は、水素である;
は、NR、グアニジニル、ウレイド、必要に応じて置換したイミダゾリル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアルケニル、必要に応じて置換したアルキニル、ヒドロキシ、およびアルコキシからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環であるが、但し、該ヘテロアリール環は、ピリジンでも、フランでも、イソオキサゾールでも、ピラゾールでも、トリアゾールでも、イミダゾールでも、チアゾールでもない;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;−NR;−COOR;−CONR;および−SO10
は、水素である;
は、水素、メチル、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシメチル、およびアルキルアミノメチルからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;ハロゲン;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;−NR;−COOR;−CONR;−SO10;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;ヒドロキシ;アルコキシ;OR;およびSR
およびRは、別個に、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;必要に応じて置換したアリール;必要に応じて置換したヘテロアリール;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルアミノ;アリールアミノ;ヘテロアリールアミノ;−NCOR;−COR;−CONR;SO10;0個〜3個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜10員環状アミン;
必要に応じて、RおよびRは、一緒になって、0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜12員単環式または二環式を形成する;
は、水素、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、および必要に応じて置換したヘテロアリールからなる群から選択される;
10は、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、必要に応じて置換したヘテロアリール、およびNRからなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本発明のR基は、必要に応じて、置換されている。特に明記しない限り、必要に応じて置換したとは、0個、1個、または1個より多い置換基を意味する。特に明記しない限り、置換したとは、1個またはそれ以上の置換基を有することを意味する。置換基には、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、カルボニル、カルバモイル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、チオイル、−COOR、−CONR、NR(下記のような環状アミンを含めて)、SR、および−SO10が挙げられる。置換基がアリールまたはヘテロアリールであるとき、これらの置換基には、さらに、メチル基、および必要に応じて置換したC2〜10直鎖、分枝または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が挙げられる。これらのR基上の置換基はまた、必要に応じて、置換できる。
【0017】
代表的なハロゲンには、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
特に明記しない限り、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1個〜10個の炭素原子を有し、そして直鎖、分枝または環状であり得る。
【0019】
アルキルとは、直鎖または分枝、環状または非環状炭化水素を意味する。
【0020】
アルケニルとは、少なくとも2個の炭素原子を有し少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分枝、環状または非環状炭化水素を意味する。
【0021】
アルキニルとは、少なくとも2個の炭素原子を有し少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝炭化水素を意味する。
【0022】
ヘテロ原子とは、窒素(これは、四級化できる);酸素およびイオウ(スルホキシドおよびスルホンを含めて)から選択される原子を意味する。
【0023】
アルコキシとは、−OR基を意味し、ここで、Rは、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、これらは、1個またはそれ以上の官能基で置換できる。
【0024】
ヒドロキシとは、−OHを意味する。
【0025】
カルボニルとは、二重結合で酸素に結合された炭素(すなわち、C=O)を意味する。
【0026】
アミノとは、−NH基を意味する。
【0027】
水和物は、結晶の一体的な部分として明確な比で化合された水分子を含有する固形化合物である。
【0028】
溶媒和物は、結晶の一体的な部分として明確な比で化合された溶媒分子を含有する固形化合物である。アリール基の例には、フェニル基およびナフチル基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
ヘテロアリールとは、芳香族複素環を意味し、これには、単環式、二環式および三環式環系が挙げられ、ここで、環系の少なくとも1個の炭素原子は、ヘテロ原子(これは、別個に、窒素、酸素およびイオウから選択される)で置き換えられる。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピリミジル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロール、ピラジニル、およびチアゾリル基が挙げられるが、これらに限定されない。複素環基の例には、飽和または部分飽和ヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、これらには、ピラゾリン、オキサゾロン、チアゾロン、チアジアゾロン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ベンゾイミダゾロン、ベンゾキサゾロン、ベンゾジオキサゾール、ベンゾジオキサゾロン、ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、3,4−ジヒドロキノキサリン−2−オン、ベンゾ[1,4]ジオキセン−2−オン、および1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリンが挙げられるが、これらに限定されない。複素環に縮合されたベンゼン環の例には、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾピラン、ベンゾキサゾリジノン、ベンゾイミダゾリノン、ベンゾキサジノン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、キノリン、およびイソキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、これらのヘテロアリール基および複素環基は、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、このヘテロ原子は、イオウ、窒素および酸素からなる群から選択される。
【0030】
一実施形態では、Rは、NR、必要に応じて置換したイミダゾリル、および必要に応じて置換したアルキルからなる群から選択される。好ましい実施形態では、Rは、NRであり、そしてRおよびRは、別個に、水素、アルキル、アミノおよびアルキルアミノ(環状アミンを含めて)、アルキルヒドロキシ、アルカノイル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、アラルキル、必要に応じて置換したフェニル、ヘテロアリール、およびCOR(ここで、Rは、アルキルまたはアラルキルである)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、Rは、NH、−(ジメチルアミノ)エチル、または−(ジメチルアミノ)プロピルである。
【0031】
別の実施形態では、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換した3員〜12員単環式または二環式環を形成し、これは、0個〜4個のヘテロ原子を含有する。一実施形態では、Rは、必要に応じて置換した5員〜6員複素環基であり、これは、少なくとも1個の窒素原子と0個〜1個の追加ヘテロ原子とを含有する。Rは、例えば、必要に応じて置換したモルホリニル基、必要に応じて置換したピペラジニル基、または必要に応じて置換したピロリジニル基であり得る。
【0032】
一実施形態では、Rは、NRであり、そしてRは、セット2aとして列挙された基から選択される:
【0033】
【化24】

【0034】
【化25】

【0035】
【化26】


【0036】
別の実施形態では、Rは、セット2bとして列挙された基から選択される:
【0037】
【化27】


【0038】
一実施形態では、このSO基は、このフェニル環の3位にある。別の実施形態では、このSO基は、この化合物が式IIの化合物であるように、このフェニル環の4位にある:
【0039】
【化28】


【0040】
一実施形態では、Rは、必要に応じて置換したフェニル、必要に応じて置換したチエニル、必要に応じて置換したピラジニル、必要に応じて置換したピロリル、ナフチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、およびベンゼン環(これは、1個〜2個のヘテロ原子を含有する5員〜7員環に縮合され、必要に応じて、C=O基で中断され、そして必要に応じて、置換されている)からなる群から選択される。
【0041】
一実施形態では、Rは、必要に応じて置換したフェニル基である。この実施形態の好ましい置換基には、アルコキシ、トリフルオロメチル、フルオロ、ヒドロキシ、およびNR(ここで、Rは、CORであり、そしてRは、水素である)が挙げられる。一実施形態では、Rは、セット3aとして列挙された基から選択される:
【0042】
【化29】

【0043】
【化30】

【0044】
【化31】

【0045】
【化32】


【0046】
一実施形態では、Rは、必要に応じて置換したチエニル基である。この実施形態の好ましい置換基には、水素(すなわち、非置換チエニル基)、ブロモ、およびメチルが挙げられる。一実施形態では、Rは、セット3bとして列挙された基から選択される:
【0047】
【化33】


【0048】
別の実施形態では、Rは、セット3cとして列挙された基から選択される:
【0049】
【化34】


【0050】
一実施形態では、Rは、水素またはメチルである。好ましい実施形態では、Rは、水素である。
【0051】
一実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、クロロ、メトキシ、NH、またはトリフルオロメチルである。好ましい実施形態では、Rは、水素である。
【0052】
本発明の代表的な化合物には、以下の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物が挙げられる:
【0053】
【化35−1】

【0054】
【化35−2】

【0055】
【化35−3】

【0056】
【化35−4】

【0057】
【化35−5】

【0058】
【化35−6】

【0059】
【化35−7】

【0060】
【化35−8】

【0061】
【化35−9】

【0062】
【化35−10】

【0063】
【化35−11】

【0064】
【化35−12】

【0065】
【化35−13】

【0066】
【化35−14】


【0067】
式Iの化合物において特定の置換基が存在していることで、それらの化合物の塩が形成可能となり得る。適当な塩には、薬学的に受容可能な塩、例えば、無機酸または有機酸から誘導された酸付加塩、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導された塩が挙げられる。本明細書中で使用する「薬学的に受容可能な塩」との語句は、酸および薬学的に活性な試薬の塩基性窒素基から形成された塩である。例証的な塩には、硫酸塩;クエン酸塩、酢酸塩;シュウ酸塩;塩化物;臭化物;ヨウ化物;硝酸塩;硫酸水素塩;リン酸塩;酸リン酸塩;イソニコチン酸塩;乳酸塩;サリチル酸塩;酸クエン酸塩;酒石酸塩;オレイン酸塩;タンニン酸塩;パントテン酸塩;酒石酸水素塩;アスコルビン酸塩;コハク酸塩;マレイン酸塩;ゲンチシン酸塩;フマル酸塩;グルコン酸塩;グルカロン酸塩;サッカラート;ギ酸塩;安息香酸塩;グルタミン酸塩;メタンスルホン酸塩;エタンスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩;p−トルエンスルホン酸塩;パモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩));および脂肪酸の塩(例えば、カプロン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、およびリノレン酸塩)が挙げられるが、これらに限定されない。「薬学的に受容可能な塩」との語句はまた、酸性官能基(例えば、カルボン酸官能基)を有する薬学的に活性な薬剤と、薬学的に受容可能な無機塩基または有機塩基とから調製された塩を意味する。適当な塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウム)の水酸化物;アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)の水酸化物;他の金属(例えば、アルミニウムおよび亜鉛)の水酸化物;アンモニア、および有機アミン(例えば、非置換またはヒドロキシ置換モノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン);ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル,N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ、ビスまたはトリス(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)(例えば、モノ、ビスまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−第三級ブチルアミン、またはトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン))、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)アミン(例えば、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミン);N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
酸付加塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩またはイセチオン酸塩)、アリールスルホン酸塩(例えば、p−トルエンスルホン酸塩、ベシル酸塩またはナプシル酸塩)、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩が挙げられる。
【0069】
無機または有機塩基から誘導された塩には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩)、および有機アミン塩(例えば、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミン塩)が挙げられる。
【0070】
本発明に従った化合物の特に有用な塩には、薬学的に受容可能な塩(特に、薬学的に受容可能な酸付加塩)が挙げられる。
【0071】
別の実施形態では、本発明は、上で定義したような式Iの化合物を製造する方法を提供する。本発明はまた、これらの方法の中間体を包含する。これらの方法の記述の全体にわたって、番号を付けたR基は、式Iに関して上で定義されており、そして一般的な(番号を付けていない)R基は、上記のような別個の置換基を表わす。図で示された化合物は、図の番号が付けられており、そして適当な場合、対応する一般的な構造を指定している括弧の注釈もまた、含まれる。「反応させる」との用語には、加える、撹拌する、加熱する、還流状態まで加熱する、溶解する、粉砕する、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書中で提供された反応成分および実施例を考慮して、反応させることの意味を理解する。これらの方法は、好ましくは、式Iの化合物を単離する工程を包含する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、エナミノンとグアニジンとを反応させることにより式Iの化合物を調製する方法を提供する(スキーム1)。一実施形態では、式G−1のエナミノンは、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)の存在下にて、式G−2のグアニジンと反応される。
【0073】
【化36】

上で示した代表的なスキーム1では、この方法は、式Iの化合物(ここで、Rは、NRであり、そしてR、R、Rは、それぞれ、水素である)を生じる。
【0074】
好ましくは、この反応は、塩基(例えば、炭酸カリウムまたは水酸化カリウム)の存在下にて、行われる。
【0075】
エナミノンG−1は、当該技術分野で公知の任意の方法(例えば、アセチル誘導体とアセタール(好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール)または第三級ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン)との反応)により、調製できる。図1を参照。
【0076】
グアニジンG−2は、式G−3のアミンとシアナミドまたは1−H−ピラゾール−1−カルボキシミジンとを反応させることにより、調製できる。また、図1を参照。
【0077】
【化37】


【0078】
あるいは、グアニジンG−2は、式G−4のハロゲン化スルホンアミドとグアニジンとを反応させることにより、調製できる。図2を参照。
【0079】
【化38】

スキーム1の別の実施形態では、このSO基は、このピリミジンの形成後に、付加される。この方法は、以下の工程を包含する:エナミノンG−1と式3−1のグアニジン誘導体およびNMPとを反応させて、ピリミジンを形成する工程;このピリミジンとクロロスルホン酸とを反応させて、式3−3の塩化スルホニルを形成する工程;および塩化スルホニル3−3と式HNRを有するアミンとを反応させて、式Iの化合物を形成する工程。図3を参照。
【0080】
別の実施形態では、本発明は、ハロゲン置換(スキーム2)により式Iの化合物を調製する方法を提供する。スキーム2の反応は、溶媒(好ましくは、ジオキサン)中で、行われ得る。スキーム2の反応の好ましい実施形態では、Rは、必要に応じて置換したフェニルまたは必要に応じて置換したチエニル基である。
【0081】
一実施形態では、アミンG−3は、式G−5のハロゲン化ピリミジンと反応される。好ましくは、このハロゲン化ピリミジンのハロゲンは、塩素である。好ましくは、この反応は、p−トルエンスルホン酸の存在下にて、行われる。
【0082】
【化39】


【0083】
スキーム2の別の実施形態では、式G−4のハロゲン化スルホンアミドは、式G−6のピリミジンと反応される。好ましくは、このハロゲン化スルホンアミドのハロゲンは、臭素である。好ましくは、この反応は、ナトリウム第三級ブトキシド(NaOtBu)を加える工程を包含する。また、この反応は、好ましくは、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pddba)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)の存在下にて、行われる。
【0084】
【化40】


【0085】
上で示した代表的なスキーム2では、この方法は、式Iの化合物(ここで、Rは、NRであり、そしてR、R、Rは、それぞれ、水素である)を生じる。
【0086】
使用される出発物質は、市販されているか、あるいは当業者により容易に調製されるか、いずれかである。溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は、当業者により変更され得る。適当な場合、本明細書中で記述された方法は、固体支持体に結合された出発物質、中間体、および/または試薬を使って、実行され得る(例えば、Thompson,L.A.,Ellman,J.A.,Chemical Reviews,96,555−600(1996))。
【0087】
別の実施形態では、本発明はまた、本発明の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物を提供する。薬学的組成物は、受容可能な医薬手順(例えば、Remingtons Pharmaceutical Sciences,17th edition,ed.Alfonoso R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1985)で記載されているもの)に従って、調製される。薬学的に受容可能なキャリアには、その処方中の他の成分と適合性であり生物学的に受容可能なものがある。
【0088】
別の実施形態において、本発明は、本発明の1つ以上の化合物または本発明の薬学的組成物を提供することによって、キナーゼ活性(特に、IKK)を阻害する方法を提供する。提供することとしては、薬学的に受容可能な方法による投与および当業者にとって公知の投与経路による投与が挙げられるが、これらに限定されない。提供することはまた、曝露することまたは接触させることを意味する。本発明の化合物は、キナーゼ活性(特に、IKK)を阻害するのに有用である。阻害することとしては、完全な阻害、および低下させることまたは減少させることが挙げられる。理論に拘束されることはないが、IKKβとIκBαとの結合をブロックすることによって、本発明の化合物は、IκBをリン酸化するIKK複合体の能力を阻害すると考えられる。そのようにして、NF−κBは、放出されず、そしてNF−κBが、核に侵入して転写を活性化することはない。
【0089】
種々のアッセイは、本発明の化合物がIKKインヒビターとして有用であることを示す。例えば、結合アッセイは、本発明の化合物がIKKβとIκBαとの結合に影響することを示す。上記結合アッセイは、本発明の化合物と、IKKβ酵素およびIκBα基質とを接触させ、次いでその化合物がIKKβとIκBαとの結合を阻害するか否かを決定することによって行なわれる。IKKβとIκBαとの結合を阻害する本発明の化合物は、IκBをリン酸化するIKKの能力を阻害し、そしてそのようにして、NF−κBの放出およびNF−κBに制御される遺伝子の転写を阻害し得る。
【0090】
本発明はまた、キナーゼを阻害する量(特に、IKKを阻害する量)の、本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を投与することによって、哺乳動物(特に、ヒト)においてキナーゼ活性(特に、IKK)を阻害する方法を提供する。投与することは、当業者にとって公知の全ての薬学的に受容可能な方法および投与経路を含む。
【0091】
IKKは炎症、細胞増殖、および腫瘍形成において重要な役割を果たすので、IKKを阻害する化合物は、抗炎症剤および抗癌剤として有用であり得る。したがって、一実施形態は、キナーゼ依存性の状態(例えば、IKK依存性の状態)を処置する方法を提供し,この方法は、キナーゼを阻害する量(特に、IKKを阻害する量)の、本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を被験体に投与することを包含する。キナーゼ依存性の状態(IKK依存性の状態)としては、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)、多発性硬化症、および全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、対宿主性移植片病、高増殖性障害(例えば、腫瘍)、乾癬、関節リウマチにおけるパンヌス形成、血管形成術後およびアテローム硬化症後の再狭窄におけるパンヌス形成、骨粗鬆症におけるパンヌス形成ならびに細胞が炎症誘発性シグナルを受容する疾患(例えば、喘息、炎症性腸疾患、および膵炎)におけるパンヌス形成が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、キナーゼ活性(特に、IKK)を阻害し得る。キナーゼ阻害は、次に、キナーゼ依存性の状態(例えば、炎症および癌)を担う遺伝子の、下流の発現を阻害する。例えば、IKKを阻害することは、NF−κBの活性化を阻害し、NF−κBの活性化の阻害は、次に、NF−κB依存性の遺伝子の発現を減少させる。NF−κB依存性の遺伝子は、炎症および癌と相関しており、IKKを阻害する化合物を含有する薬学的組成物は、炎症および癌を処置するのに有用であり得る。
【0093】
本発明はまた、本発明の薬学的組成物を投与することによってNF−κBの活性化に関連する疾患を処置する方法を提供する。処置することとしては、完全な処置(症状が、認められない)、ならびに症状を減少させることおよび症状を寛解することが挙げられるが、これに限定されない。語句「処置すること(treating)」、「の処置」などは、指定された状態の寛解または休止を含む。NF−κBの活性化に関連した疾患としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:炎症性障害;特に、関節リウマチ、炎症性腸疾患、および喘息;皮膚病(乾癬およびアトピー性皮膚炎が挙げられる);自己免疫疾患;組織の拒絶および器官の拒絶;アルツハイマー病;脳卒中;癲癇;パーキンソン病、アテローム硬化症;再狭窄;癌(ホジキン病が挙げられる);および特定のウイルス感染(AIDSが挙げられる);変形性関節症;骨粗鬆症;ならびに毛細管拡張性運動失調(Ataxia Telangiestasia)。
【0094】
一実施形態において、本発明は、本発明の薬学的組成物を投与することによって癌を処置する方法を提供する。癌は、細胞の異常な成長を含み、その細胞は、制御されていない様式で増殖し、そしていくつかの場合において、転移(拡散)する。癌を処置することは、腫瘍細胞の増殖(腫瘍細胞の成長)を阻害すること、腫瘍細胞の増殖(腫瘍細胞の成長)を減少させること、および腫瘍形成を阻害することを包含するが、これらに限定されない。癌としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:結腸の癌、直腸の癌、前立腺の癌、肝臓の癌、肺の癌、気管支の癌、膵臓の癌、脳の癌、頭部の癌、頚部の癌、胃の癌、皮膚の癌、腎臓の癌、子宮頚癌、血液の癌、喉頭の癌、食道の癌、精巣の癌、膀胱の癌、卵巣の癌、または子宮の癌。
【0095】
別の実施形態において、本発明は、本発明の薬学的組成物を投与することによって炎症性の状態または自己免疫状態を処置する方法を提供する。炎症を処置することは、炎症を減少させることおよび炎症性の状態を処置することを包含するが、これらに限定されない。炎症性の状態および自己免疫状態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸管症候群、粘液性大腸炎(mucous colitis)、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)、潰瘍性大腸炎(diabrotic colitis)、クローン病、胃炎、食道炎、肝炎、膵炎、腎炎、乾癬、湿疹、皮膚炎、じんま疹、多発性硬化症、ルーゲーリック病、敗血症、結膜炎、急性呼吸窮迫症候群、紫斑病、鼻ポリープ、紅斑性狼瘡、結膜炎、春季カタル、慢性関節リウマチ、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、多発性筋炎、皮膚筋炎(DM)、結節性多発動脈炎(Polyaritis nodoa)(PN)、混合性結合組織病(MCTD)、およびシェーグレン症候群(Sjoegren’s syndrome)。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、本発明の薬学的組成物を投与することによって、心臓血管の状態、代謝の状態、または虚血性の状態を処置する方法を提供する。心臓血管の状態、代謝の状態、または虚血性の状態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アテローム性動脈硬化症、血管形成術後再狭窄、左心室肥大、インスリン抵抗性、I型糖尿病、II型糖尿病、高血糖、高インスリン血症、異脂肪血症、肥満、多嚢胞性卵巣疾患、高血圧、シンドロームX、骨粗鬆症、勃起不全、悪液質、心筋梗塞、心臓の虚血性疾患、腎臓の虚血性疾患、肝臓の虚血性疾患、脳の虚血性疾患、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、内毒素性ショック、ならびに多臓器不全。
【0097】
なお別の実施形態において、本発明は、本発明の薬学的組成物を投与することによって、感染症(特に、ウイルス感染)を処置する方法を提供する。ウイルス感染としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染、C型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる感染、ヒトT細胞白血病ウイルスによって引き起こされる感染、およびエプスタイン−バーウイルスによって引き起こされる感染。
【0098】
別の実施形態において、本発明は、本発明の薬学的組成物を投与することによって、閉経前の状態または閉経後の状態を処置する方法を提供する。特に、本発明の薬学的組成物は、骨粗鬆症を処置するために使用され得る。骨粗鬆症を処置することは、骨粗鬆症を予防すること、および存在する状態と闘うことを含む。
【0099】
本発明はまた、NF−κB経路のプロテインキナーゼのさらなるインヒビターを投与することをさらに包含する、阻害および処置の方法を提供する。NF−κB経路のプロテインキナーゼのインヒビターとしては、IKKインヒビターおよびGSK−3インヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。IKKインヒビターとしては、複素環式カルボキサミド、置換ベンズイミダゾール、置換インドール、β−カルボリン(例えば、PS−1145、SPC0023579、SPC839/AS602868(AS2868)、NVPIKK004、およびNVPIKK005)が挙げられるが、これらに限定されない。GSK−3インヒビターとしては、マレイミド(例えば、SB410111、SB495052、SB517955、SB216763、SB415286)、ジアミノ−1,2,4−トリアゾールカルボン酸誘導体および2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2,5,−ジオン誘導体、ジアミノチアゾール、二環式化合物、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体またはピリジン誘導体、およびプリン誘導体(例えば、CT98014、CT98023、CT99021)、2−アミノ−3−(アルキル)−ピリミドン誘導体、1H−イミダゾール−4−アミン誘導体、および3−インドリル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。Haefner,B.、(2002)、「NF−κB:arresting a major culprit in cancer」、Drug Discovery Today、7、658。
【0100】
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物を、単独かまたは他のキナーゼを阻害する化合物もしくは他のキナーゼを阻害する化学療法剤と組み合わせて、含有し得る。化学療法剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:エキセメスタン、フォルメスタン、アナストロゾール、レトロゾール、ファドロゾール、タキサンおよびその誘導体(例えば、パクリタキセルまたはドセタキセル)、カプセル化されたタキサン、CPT−11、カンプトテシン誘導体、アントラサイクリングリコシド(例えば、ドキソルビシン、イダルビジン、エピルビシン)、エトポシド、ナベルビン、ビンブラスチン、カルボプラチン、シスプラチン、エストラムスチン、セレコキシブ、タモキシフェン、ラロキシフェン、Sugen SU−5416、Sugen SU−6668、およびハーセプチン。
【0101】
本発明の薬学的組成物は、1種以上の賦形剤を含み得る。賦形剤は、種々の目的のために上記組成物に添加される。
【0102】
希釈剤は、固形薬学的組成物の嵩を増加させ、そしてその希釈剤は、その組成物を含む薬学的投薬形態を、患者および介護者にとって取り扱い易いようにし得る。固形組成物のための希釈剤としては、例えば、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微細なセルロース、ラクトース、デンプン、α化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、砂糖、デキストレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルク。
【0103】
錠剤のような投薬形態へと固められる(compacted)固形薬学的組成物は、賦形剤の機能が、圧縮後に活性成分と他の賦形剤とが1つに結合するのを補助することを含む賦形剤を含み得る。固形薬学的組成物のための結合剤としては、以下が挙げられる:アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グァーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、液状グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、α化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびデンプン。
【0104】
患者の胃における固められた固形薬学的組成物の溶解速度は、その組成物に崩壊剤を添加することによって増大され得る。崩壊剤としては、以下が挙げられる:アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グァーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリンカリウム(polacrilin potassium)、粉末セルロース、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))およびデンプン。
【0105】
流動促進剤(glidant)は、固められていない固形組成物の流動性を改良するため、および投薬の正確性を改良するために添加され得る。流動促進剤として機能し得る賦形剤としては、以下が挙げられる:コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルクおよび第三リン酸カルシウム。
【0106】
錠剤のような投薬形態が粉末組成物の圧密によって作製される場合、その組成物は、パンチおよびダイからの圧力に供される。いくつかの賦形剤および活性成分は、パンチおよびダイの表面に粘着する傾向を有し、パンチおよびダイは、製品にくぼみおよび他の表面の不規則性を有させ得る。滑沢剤は、粘着性を減少させ、そしてダイからの製品の解放を容易にするために、上記組成物に添加され得る。滑沢剤としては、以下が挙げられる:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛。
【0107】
香料および調味料は、上記投薬形態を、より患者の好みに合うようにする。本発明の組成物に含まれ得る薬学的生成物のための、香料および調味料としては、以下が挙げられ得る:マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトールおよび酒石酸。
【0108】
固形組成物および液体組成物はまた、それらの組成物の外見を改良するため、および/または製品および単位投薬レベルの患者による識別を容易にするために、任意の薬学的に受容可能な着色剤を使用して着色され得る。
【0109】
本発明の液体薬学的組成物において、式Iの化合物および任意の他の固形賦形剤は、液体キャリア(例えば、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリン)中に、溶解されるか、または懸濁される。
【0110】
液体薬学的組成物は、その組成物全体に、活性成分または液体キャリアに対して可溶性でない他の賦形剤を均一に分散させるために、乳化剤を含み得る。本発明の液体組成物において有用であり得る乳化剤としては、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、カラゲーン(chondrus)、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコールおよびセチルアルコールが挙げられる。
【0111】
本発明の液体薬学的組成物はまた、製品の口当たり(mouth−feel)を改良するため、および/または一連の胃腸管をコーティングするために、粘度増強剤を含み得る。このような薬剤としては、以下が挙げられる:アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グァーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカルボネート、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、トラガカントおよびキサンタンガム。
【0112】
甘味料(例えば、ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトールおよび転化糖)が、味を改良するために添加され得る。
【0113】
保存剤およびキレート剤(例えば、アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびエチレンジアミン四酢酸)が、保存安定性を改良するために、経口摂取について安全なレベルにて添加され得る。
【0114】
本発明に従って、液体組成物はまた、緩衝剤(例えば、グルコン酸(guconic acid)、乳酸、クエン酸または酢酸、グルコン酸ナトリウム(sodium guconate)、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム)を含み得る。賦形剤の選択およびその使用される量の選択は、経験ならびに当該分野における標準的手順および参考著作物の考慮に基づき、処方の科学者によって容易に決定され得る。
【0115】
本発明の固形組成物としては、粉末、顆粒、凝集物および固められた組成物が挙げられる。投薬量としては、経口投与、口腔粘膜(buccal)投与、直腸投与、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、および静脈内投与が挙げられる)、吸入および眼投与に適した投薬量が挙げられる。任意の所与の場合において最も適切な投与は、処置される状態の性質および重症度に依存する。上記投薬量は、単位投薬形態にて都合よく与えられ得、そして薬学分野において周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0116】
投薬形態としては、錠剤、散剤、カプセル、坐剤、サシェ、トローチ、およびロゼンジのような固形投薬形態、ならびに液体シロップ、懸濁剤およびエリキシルが挙げられる。
【0117】
本発明の投薬形態は、上記組成物(例えば、本発明の粉末の固形組成物または顆粒の固形組成物)を、硬質のシェル(shell)内または軟質のシェル内のいずれかに含むカプセルであり得る。上記シェルは、ゼラチンから作製され得、そしてそのシェルは、必要に応じて、可塑剤(例えば、グリセリンおよびソルビトール)、および乳化剤または着色剤を含む。
【0118】
上記活性成分および賦形剤は、当該分野において公知の方法に従って、組成物中および投薬形態中に処方され得る。
【0119】
錠剤にするための組成物またはカプセルにするための組成物は、湿式造粒によって調製され得る。湿式造粒において、いくつかまたは全ての、粉末形態である上記活性成分および賦形剤は、混和され、次いでそれらの粉末を顆粒へと凝集させる液体(代表的に、水)の存在下においてさらに混合される。上記顆粒は、篩い分けおよび/またはミリングされ、乾燥され、次いで所望の粒子サイズまで、篩い分けおよび/またはミリングされる。次いでその粒子が、錠剤にされ得るか、または他の賦形剤(例えば、流動促進剤および/または滑沢剤)が、錠剤にする前に添加され得る。
【0120】
錠剤化(tableting)組成物は、乾式混合によって慣習的に調製され得る。例えば、活性物質および賦形剤を混合した組成物は、スラッグまたはシートへと固められ得、次いで固められた顆粒へと粉砕され得る。その後、上記固められた顆粒は、錠剤へと圧縮され得る。
【0121】
乾式の顆粒化に代えて、混合した組成物は、直接圧縮技術を使用して、固められた投薬形態へと直接圧縮され得る。直接圧縮は、顆粒を用いずに、より均一な錠剤をもたらす。特に、直接圧縮の錠剤化によく適した賦形剤としては、微結晶性セルロース、噴霧乾燥した乳糖、二リン酸カルシウムおよびコロイダルシリカが挙げられる。直接圧縮の錠剤化におけるこれらの賦形剤および他の賦形剤の適切な使用は、特に、直接圧縮の錠剤化の処方課題における経験および技術を有する当業者にとって公知である。
【0122】
本発明のカプセル充填法は、錠剤化への参照によって記載された、上記の混合物および顆粒のいずれかを含み得るが、それらは、最終的な錠剤化工程に供されない。
【0123】
本発明によって包含される薬学的組成物の投与方法は、具体的に限定されず、そして患者の年齢、性別および症状に依存して種々の調製物で投与され得る。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、エマルジョン、顆粒剤およびカプセルは、経口で投与され得る。注射調製物は、個別に投与され得るか、注射輸液(例えば、静脈内用のグルコース溶液およびアミノ酸溶液)と混合され得る。必要な場合、上記注射調製物は、単独で、筋肉内、皮内、皮下または腹腔内に投与される。坐剤は、直腸に投与され得る。
【0124】
本発明に従う薬学的組成物中に含まれる式Iの化合物の量は、特に限定されないが、しかし、その用量は、標的とする症状を、処置するか、寛解するかまたは減少させるのに十分であるべきである。本発明に従う薬学的組成物の投薬量は、使用方法、患者の年齢、性別、および状態に依存する。
【0125】
本発明を記載してきたが、本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0126】
(スキーム1:グアニジンとエナミノンとの反応)
(実施例1:4−[4−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(代表的な化合物4)の調製) 図1を参照。
【0127】
工程1:2−アセチル−5−クロロチオフェン(0.8g、5mmol)をジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6ml)に溶解し、その溶液を、3時間にわたって、還流状態まで加熱する。溶媒を蒸発させて、粗1−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−3−ジメチルアミノ−プロペノンを得る。
【0128】
工程2:ニトロベンゼン3mL中のスルファニルアミド(0.86g、5mmol)および1−H−ピラゾール−1−カルボキサミジンHCl(0.73g、5mmol)の混合物を、2時間にわたって、還流状態まで加熱する。その溶液を、形成された固形物からデカントする。この固形物に、N−ブタノール(8ml)、NaOH水溶液(0.73mL、10N)、および粗1−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−3−ジメチルアミノ−プロペノンを加える。その反応物を、還流状態まで一晩加熱する。この反応物を冷却し、生成物を濾過により集め、そしてジエチルエーテルでリンスして、黄褐色固形物として、8.3mgの表題化合物を得る。LC/MSデータ(条件A;分子イオンおよび保持時間):m/z 367(M+H);2.85分間。
【0129】
この方法に従って、代表的な化合物5〜34もまた、調製できる。
【0130】
HPLC条件(条件A):ChemStation Softwareを備えるHewlett Packard 1100 MSD;Xterra C18カラム、30mm×2.1mm、5μの粒径、50℃;溶媒A:水(0.02%ギ酸緩衝液);溶媒B:アセトニトリル(0.02%ギ酸緩衝液);勾配:時間 0:5%B;0.3分間:5%B;3.0分間:90%B;90%Bを2分間保持;流速:1.0mL/分;検出:254nm DAD;API−ES Scanning Mode Negative 150−700;Fragmentor 70mV。
【0131】
(実施例1b:4−[4−(5−ピリジン−2−イルエチニル−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(代表的な化合物35)の調製) 図1を参照。
【0132】
工程1:実施例1aで記述した手順により、4−[4−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドを調製する。H NMR(d−DMSO,300MHz) δ7.19(s,1H),7.39(d,J=3.9Hz,1H),7.45(d,J=5.4Hz,1H),7.75(s,1H),7.86(s,1H),7.90−7.96(m,3H),8.58(d,J=5.4Hz,1H),10.12(s,1H);LC/MSデータ(条件A;分子イオンおよび保持時間):m/z 411および413(M+H);2.59分間。
【0133】
工程2:10mLのガラス製マイクロ波反応容器(これは、撹拌棒を備えている)に、酢酸パラジウム(5mg、22μmol)、トリ−o−トリルホスフィン(13mg、44μmol)および4−[4−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(80mg、200μmol)を入れる。この反応容器に、無水ジメチルホルムアミド(DMF)(3.5ml)、2−エチニルピリジン(46mg、450μmol)およびトリエチルアミン(50μl)を加える。この反応容器を密封し、そしてマイクロ波反応器(Emrys Microwave Reactor,personal Chemistry AB,Uppsala,Sweden)にて、660秒間にわたって、180℃まで加熱する。その反応物をセライトで濾過し、濃縮し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に再溶解し、そして逆相(RP)HPLCで精製して、10mgの表題化合物を得る。LC/MSデータ(条件A;分子イオンおよび保持時間):m/z 434(M+H);2.52分間。
【0134】
この方法に従って、代表的な化合物36〜38もまた、合成できる。
【0135】
(実施例2:N−[4−(モルホリン−4−イルスルホニル)フェニル]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−アミン(代表的な化合物39)の調製) 図2を参照。
【0136】
工程1:4−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]モルホリンの調製
塩化4−フルオロベンゼンスルホニル(3.97g、20mmol)の塩化メチレン(40ml)溶液に、0℃で、窒素下にて、撹拌しつつ、モルホリン(4.4ml、50mmol)を加える。その混合物を、0℃で、15分間撹拌し、次いで、18時間にわたって、室温まで温める。得られた懸濁液を濾過し、そして濾液を、10%炭酸カリウムと共に、2時間撹拌する。この塩化メチレンを蒸発させ、その水性懸濁液を濾過し、そして沈殿物を水で洗浄し、次いで、真空乾燥して、5.0gの白色固形物を得る;融点106〜107℃;MS(APCI)m/z 246.1(M+H)。
【0137】
工程2A:N−[4−(モルホリン−4−イルスルホニル)フェニル]グアニジンの調製
1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)2ml中の4−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]モルホリン(0.25g、1mmol)、炭酸セシウム(1.30g、4mmol)および炭酸グアニジン(1.08g、6mmol)の混合物を、85〜90℃で、24時間撹拌する。次いで、それを室温まで冷却し、そしてエーテルで希釈する。得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物をテトラヒドロフラン(THF)で抽出して、溶媒を蒸発させた後、0.12gの黄色固形物を得る;融点102〜105℃;MS(ESI)m/z 285.1(M+H);HRMS:C1116Sについての計算値、284.0943;実測値(ESI_FT)、285.1011(M+H)。
【0138】
工程2B:(2E)−3−(ジメチルアミノ)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパ−2−エン−1−オンの調製
4’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン(9.60g、50mmol)のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)25ml溶液を、105〜110℃で、20時間撹拌する。次いで、それを室温まで冷却し、そしてヘキサンで希釈する。得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物をヘキサンで洗浄して、10.93gの黄色固形物を得る;融点96.5〜98℃;MS(ESI)m/z 244.1(M+H)。
【0139】
工程3:N−[4−(モルホリン−4−イルスルホニル)フェニル]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピリミジン−2−アミンの調製
1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)1ml中のN−[4−(モルホリン−4−イルスルホニル)フェニル]グアニジン(85mg、0.3mmol)、(2E)−3−(ジメチルアミノ)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパ−2−エン−1−オン(43mg、0.18mmol)および炭酸カリウム(83mg、0.6mmol)の混合物を、105〜110℃で、18時間撹拌する。次いで、それを、室温まで冷却し、そして水(15ml)で希釈する。得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物を希クエン酸および水で洗浄し、次いで、酢酸エチルに溶解する。その有機溶液をシリカゲルのパッドに通し、そして濾液を蒸発させる。残渣を、塩化メチレンおよびヘキサンの混合物で粉砕して、63mgの黄色固形物を得る;融点240〜241℃;MS(ESI)m/z 465.2(M+H);HRMS:C2119Sについての計算値、464.1130;実測値(ESI_FT)、465.11835。
【0140】
この方法に従って、代表的な化合物40〜67もまた、合成できる。
【0141】
(実施例3:N−(3−ヒドロキシプロピル)−4−({4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−ベンゼンスルホンアミド(代表的な化合物68)の調製) 図3を参照。
【0142】
工程1:N−フェニル−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−アミンの調製
(2E)−3−(ジメチルアミノ)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパ−2−エン−1−オン(0.49g、2mmol)および炭酸フェニルグアニジン塩(0.30g、2.2mmol)のNMP(4ml)溶液を、120℃で、2日間撹拌する。次いで、それを、室温まで冷却し、そして水(40ml)で希釈する。得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物を、50%塩化アンモニウム溶液、水およびヘキサンで洗浄し、次いで、真空乾燥して、0.56gの灰白色固形物を得る;融点162〜163℃;HRMS:C1712についての計算値、315.0983;実測値(ESI_FTMS、[M+H]1+)、316.1048。
【0143】
工程2:塩化4−({4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ベンゼンスルホニルの調製
N−フェニル−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−アミン(0.16g、0.5mmol)のクロロスルホン酸1.5ml溶液を、65〜70℃で、1時間撹拌する。次いで、それを、室温まで冷却し、そして氷および水の撹拌混合物にゆっくりと加える。得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物を水で洗浄し、次いで、真空乾燥して、0.24gの黄色固形物を得る;融点186〜188℃;HRMS:C1711ClFSについての計算値、413.0213;実測値(ESI−FTMS、[M+H]1+)、414.02984。
【0144】
工程3:N−(3−ヒドロキシプロピル)−4−({4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ベンゼンスルホンアミドの調製
塩化4−({4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ベンゼンスルホニル(0.10g、0.25mmol)の酢酸エチル2ml溶液に、撹拌しつつ、0℃で、3−アミノ−1−プロパノール(0.19g、2.5mmol)を加える。その混合物を、室温で、1時間撹拌し、次いで、水(10ml)でクエンチする。この酢酸エチルを蒸発させ、得られた懸濁液を濾過し、そして沈殿物を水およびヘキサンで洗浄し、次いで、真空乾燥して、0.10gの白色固形物を得る;融点204〜205℃;HRMS:C2019Sについての計算値、452.1130;実測値(ESI−FTMS、[M+H]1+)、453.12161。
【0145】
この方法に従って、代表的な化合物67もまた、合成できる。
【0146】
(実施例4:2−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジン第一級スルホンアミドを調製するための一般的な実験) 図4を参照。
【0147】
構造(I)のアニリン標的分子はまた、Bredereck(Bredereck,H.ら、Ber.,Dtsch.Chem.Ges.1964,97,3397)により最初に概説された手順を使用して、調製され得る。アミン(G−3)は、Bernatowicz(Bernatowicz,M.S.ら、J.Org.Chem.1992,57,2497)の手順に従って、ピラゾール−1−カルボキサミジンを使用して、対応するアリールグアニジン(G−2)に変換できる。このグアニジンは、塩基(例えば、KOH、NaOHまたはEtN)または酸(例えば、HOAC)の存在下にて、熱EtOHまたはMeOH中で、3−ジメチルアミノ−1−アリール/ヘテロアリール−プロペノン(G−1)(これは、メチルケトン(4−3)をDMF DMAと共に加熱することにより、調製される)と混合でき、所望の2−アミノピリミジン(I)が得られる。
【0148】
工程1:3−ジメチルアミノ−1−アリール/ヘテロアリール−プロペノン(G−1)の調製
メチルケトンの0.1M溶液を、130℃で、12時間加熱する。23℃まで冷却した後、全ての揮発性物質を蒸発させる。残留している物質を最小量のCHClに溶解し、そして短SPE SiOゲルカートリッジ(これは、追加CHClで溶出する)に通す。溶離液を最小容量まで濃縮し、そして同じ量のヘキサンを加える。5℃まで冷却すると、黄色または橙色固形物として、表題化合物の結晶が生成する。
【0149】
工程2:2−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジン第一級スルホンアミド(I)の調製
アニリン(1当量)を、0.1Mニトロベンゼン溶液としての1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩1.5当量と混ぜ合わせ、そして6時間にわたって、200℃まで加熱する。23℃まで冷却した後、3−ジメチルアミノ−1−アリール/ヘテロアリール−プロペノン1当量を加え、続いて、KOH(1.25当量)、EtOH(ニトロベンゼンと同じ容量)およびHO(EtOHの1/10の容量)を加える。この混合物を、120℃で、12時間加熱し、23℃まで冷却し、そしてSpeed−Vacにて蒸発させる。この粗製物質をDMSO(0.5ml):MeCN(1.5ml)に溶解し、0.45μm GMFで濾過し、そしてGilson HPLC(これは、Phenomenex LUNA C18カラム:60mm×21.20mm I.D.、5μmの粒径:ACN/水(これは、0.2%TFAまたはEtNを含有する)の勾配溶出を使う)で精製する。適当な画分をLC/MSで分析する。表題化合物を単離するために、純粋な画分を合わせ、そしてSpeed−Vacにて、溶媒を蒸発させる。
【0150】
この方法に従って、代表的な化合物1、4、9、10、12、13、15、16、18〜29、31、32、34、35、37、38、69、および70が合成できる。
【0151】
HPLC条件:機器−Agilent 1100;カラム:Keystone Aquasil C18(上記のとおり);移動相A:95%水/5%CAN中の10mM NHOAC;移動相B:5%水/95%CAN中の10mM NHOAC;流速:0.800ml/分;カラム温度:40℃;注入容量:5μl;UV:モニター215、230、254、280および300nm;純度は、特に明記しない限り、254nmで報告する。
【0152】
勾配表:
時間(分) %B
0.0 0
2.5 100
4.0 100
4.1 0
5.5 0。
【0153】
MS条件:機器:Agilent MSD;イオン化モード:API−ES;気体温度:350C;乾燥気体:11.0L/分;噴霧器圧力:55psig;極性:50%ポジティブ、50%ネガティブ;VCap:3000V(ポジティブ)、2500V(ネガティブ);フラグメンター(Fragmentor):80(ポジティブ)、120(ネガティブ);質量範囲:100〜1000m/z;閾値:150;ステップサイズ:0.15;ゲイン:1;ピーク幅:0.15分間。
【0154】
(実施例5)
このエナミノを、この置換グアニジンのNMP溶液に加え、その混合物を、105℃で、48時間加熱する。この反応物を室温まで冷却する。水を加え、そして水層をEtOAcで抽出する。蒸発して溶媒を除去し、そして残渣をプレ−プレート(pre−plate)(これは、DCM/EtOAc/MeOH(8:8:1)を使う)で精製する。
【0155】
この方法に従って、代表的な化合物45〜66および89〜92が合成できる。
【0156】
この方法に従って、代表的な化合物104、107、125、129、219、294、295、296、297もまた、合成できる。
【0157】
この方法に従って、代表的な化合物243〜244もまた、合成できる。
【0158】
(実施例6:4−[(4−{4−[(1E)−3−ヒドロキシプロパ−1−エン−1−イル]フェニル}ピリミジン−2−イル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド(代表的な化合物272)の調製) 図6aおよび6bを参照。
【0159】
工程1:第三級ブチル(ジメチル){[(2E)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロパ−2−エン−1−イル]オキシ}シラン
フラスコに、第三級ブチル−ジメチル−プロパ−2−イニルオキシ−シラン(3.00g、17.6mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサボロラン(2.80ml、2.50g、19.4mmol)、塩化水素化ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)(0.454g、1.76mmol)およびトリエチルアミン(0.250ml、0.178g、1.76mmol)を充填する。その反応混合物を、60℃で、20時間撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、ヘキサンで希釈し、そしてシリカゲルで濾過して、3.0gの無色油状物を得る。HRMS:C15H31BO3Si+H+についての計算値、299.22083;実測値(ESI−FTMS、[M+H]1+)、298.22459。
【0160】
工程2:4−{[4−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド
フラスコに、1−(4−ブロモ−フェニル)−3−ジメチルアミノ−プロペノン(1.05g、4.10mmol)、4−グアニジノ−ベンゼンスルホンアミド(1.33g、6.20mmol)およびNMP(30ml)を充填する。その反応混合物を、120℃で、20時間撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、そして濾過する。固形残渣を水で洗浄し、そして乾燥して、1.66gの白色固形物を得る。MS(ESI)m/z 405.1;HRMS:C16H13BrN4O2S+H+についての計算値、405.00153;実測値(ESI−FTMS、[M+H]1+)、405.00158。
【0161】
工程3:4−[(4−{4−[(1E)−3−ヒドロキシプロパ−1−エン−1−イル]フェニル}ピリミジン−2−イル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
フラスコに、4−{[4−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド(0.681g、1.68mmol)、第三級ブチル(ジメチル){[(2E)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロパ−2−エン−1−イル]オキシ}シラン(1.00g、3.35mmol)、(Ph3)4Pd(0.194g、0.168mmol)、炭酸カリウム(0.695g、5.03mmol)、エタノール(3.0ml)、水(3.0ml)およびトルエン(25ml)を充填する。その反応混合物を、85℃で、4時間撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてトリフルオロ酢酸(1.0ml)を加える。次いで、この反応混合物を、室温で、16時間撹拌する。この反応混合物を濃縮し、そして分取HPLCで精製して、0.196gの黄色固形物を得る。MS(ESI)m/z 383.2;HRMS:C19H18N4O3S+H+についての計算値、383.11724;実測値(ESI−FTMS、[M+H]1+)、383.11752。
【0162】
この方法に従って、代表的な化合物269、270、272、280〜285および298が合成できる。
【0163】
(実施例7)
バイアルに、このアニリノ−ピリミジン、N,N−ジエチルアニリン、およびNMPを充填する。その混合物を0℃まで冷却し、そして塩化アシルを加える。この混合物を室温まで温め、そして4時間撹拌する。水を加え、そして沈殿物を、エーテル、DCMで洗浄する。
【0164】
この方法に従って、代表的な化合物221〜225が合成できる。
【0165】
(実施例8)
このアルデヒドをTHFに溶解し、そして0℃まで冷却する。このアミンを加え、続いて、Na(OAc)3BHを加え、その反応物を、0℃で、15分間撹拌する。HOAcを滴下し、この反応物を室温まで3時間温める。この反応物を水でクエンチする。生成物を酢酸エチルで抽出し、炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、そしてEtOAc/MeOH(10:1)で精製する。
【0166】
この方法に従って、代表的な化合物132〜134、141、および143〜149が合成できる。
【0167】
(スキーム2:ハロゲン置換)
(実施例9:2−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジンスルホンアミド 第二級および第三級スルホンアミドを調製するための一般的な実験) 図9を参照。
【0168】
アミノスルホンアミド(G−3)は、商業的に購入できるか、あるいは、図9で描写された方法により調製できる:塩化ニトロベンゼンスルホニル(9−1)は、アミン溶媒(例えば、ピリジン)または極性非プロトン性溶媒(例えば、CHClまたはTHF)中で、ヒンダードアミン塩基(例えば、I−PrNEtまたはEtN)およびDMAPの存在下にて、HNRとの反応を介して、対応するスルホンアミド(9−2)に変換できる。これらのニトロベンゼンスルホンアミド(9−2)は、10%Pd/C、NHHCO、MeOH、またはSnCl・HO、EtOH、加熱またはFe、HCl、EtOH、HO、加熱のような条件を使用して、対応するアミンに還元できる。
【0169】
工程1:置換−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(9−2)の調製
0.1M CHCl溶液としての塩化4−ニトロベンゼンスルホニル1当量に、i−PrNEt(1.25当量)、DMAP(0.1当量)およびアミン1.25当量を加える。この混合物を、23℃で、TLCにより完結したと判断されるまで、撹拌する。飽和NaHCO溶液でクエンチし有機層および水層を分離した後、この有機層を蒸発させて、灰白色から無色の固形物(収率範囲:56〜100%の収率)として、ほぼ純粋な4−ニトロベンゼンスルホンアミドを得る。
【0170】
工程2:4−アミノ−ベンゼンスルホンアミド第二級および第三級スルホンアミド(G−3)の調製
0.1M MeOH溶液としての4−ニトロベンゼンスルホンアミド1当量に、10%Pd/C(0.1重量当量)およびギ酸アンモニウム5当量を加える。その混合物を、23℃で、8時間撹拌する。セライトで濾過し蒸発させると、灰白色固形物または無色油状物として、表題化合物が得られる。
【0171】
工程3:2−クロロ−4−アリール/ヘテロアリール−ピリミジン(G−5)の調製
Ar/HetLi(10.66mmol、1.08当量、BrをLiで交換する脱プロトン化を介して生成する)のEtO(20ml)−30℃溶液に、15分間にわたって、2−クロロピリミジン(9.84mmol、1当量)のEtO(20ml)懸濁液を、2ml部分で少しずつ加えた。得られた懸濁液を、−30℃で、30分間、そして0℃で、60分間撹拌する。その反応をTHF(3ml)中のHO(0.27ml、1.5当量)でクエンチし、次いで、THF(15ml)中のDDQ(2.95g、10.66mmol、1当量)を加える。得られた懸濁液を、23℃で、15分間撹拌し、次いで、0℃まで冷却する。ヘキサン(10ml)を加え、続いて、NaOHの0℃溶液(10ml、3N)を加える。その懸濁液を、0℃で、5分間撹拌する。HO(100ml)を加え、そして層分離する。有機層を乾燥し(NaSO)、そして真空中で濃縮する。SiOゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られる
工程4:2−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジンスルホンアミド 第一級、第二級および第三級スルホンアミド(I)の調製
構造(I)のアニリン標的分子は、CzarnyおよびHardenの手順(Strekowski,Lら、J.Heterocyclic.Chem.1990,27,1393,and Harden D.B.et al.,J.Org.Chem.1988,53,4137)に従って、2−クロロピリミジン(9−4)とアリールまたはヘテロアリールリチウム(これは、臭化アリール/臭化ヘテロアリールと強塩基(例えば、n−BuLi、MeLiまたはPhLi)とを反応させることにより、またはアリール/ヘテロアリールの強塩基(例えば、n−BuLi、MeLi、PhLi、LDAまたはLiN(TMS)での脱プロトン化を介して、調製した)とを反応させることにより、続いて、DDQで酸化して、4−アリール/ヘテロアリール−2−クロロピリジン(G−5)を得ることにより、調製できる。Hattinger(Hattinger,G.ら、GB 2369359)の手順に基づいて、熱ジオキサン中で、p−TsOH・HOの存在下にて、アミノスルホンアミド(G−3)と引き続いて反応させると、所望の2−アミノピリジンスルホンアミド(I)が得られる。
【0172】
2−クロロ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジン(0.26mmol、1当量)、アニリン(0.26mmol、1当量)、および1,4−ジオキサン(2mL)溶液を、p−TsOH(0.21mmol、0.8当量)および1,4−ジオキサン(1ml)の溶液と混ぜ合わせる。得られた懸濁液を、100℃で、12〜18時間加熱する。分析用HP Agilent 1100 LC/MSを使用して、反応の進行をモニターする。
【0173】
HPLC:分析方法およびパラメーター:
機器:HP Agilent 1100 LC/MS
UV検出器:Agilent 1100 Diode Array Detector
質量分析計検出器:Agilent MSD
カラム:Waters Xterra MS C18 30mm×2.1mm(内径3.5μm)
流速:1.00ml/分
実行時間:5.00分間
勾配溶出:0分間 90%の水、10%のアセトニトリル;3分間 10%の水、90%のアセトニトリル
カラム温度:50℃
UV信号:215nm、254nm
MSパラメーター:質量範囲100〜1000、フラグメンター140、ゲインEMV 1.0
23℃まで冷却した後、Speed Vacにおいて、全ての揮発性物質を除去する。この粗製物質をDMSO(0.5ml):MeCN(1.5ml)に溶解し、GMF(0.45μm)で濾過し、そしてGilson HPLC(これは、Phenomenex LUNA C18カラム:60mm×21.20mm(内径)、5μm粒径:ACN/水(0.2%TFAまたはEtNを含有する)勾配溶出を使用する)で精製する。適当な画分をLC/MSで分析する。表題化合物を単離するために、純粋な画分を合わせ、そしてSpeed−Vacにて、溶媒を蒸発させる。
【0174】
この方法に従って、代表的な化合物2、3、71〜79、86、および87が合成できる。
【0175】
HPLC条件:機器−Agilent 1100;カラム:Keystone Aquasil C18(上記のとおり);移動相A:95%水/5%CAN中の10mM NHOAC;移動相B:5%水/95%CAN中の10mM NHOAC;流速:0.800ml/分;カラム温度:40℃;注入容量:5μl;UV:モニター215、230、254、280および300nm;精製は、特に明記しない限り、254nmで報告する。
【0176】
勾配表:
時間(分) %B
0.0 0
2.5 100
4.0 100
4.1 0
5.6 0。
【0177】
MS条件:機器:Agilent MSD;イオン化モード:API−ES;気体温度:350C;乾燥気体:11.0L/分;噴霧器圧力:55psig;極性:50%ポジティブ、50%ネガティブ;VCap:3000V(ポジティブ)、2500V(ネガティブ);フラグメンター(Fragmentor):80(ポジティブ)、120(ネガティブ);質量範囲:100〜1000m/z;閾値:150;ステップサイズ:0.15;ゲイン:1;ピーク幅:0.15分間。
【0178】
(実施例10:2−N(Me)−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジンスルホンアミドを調製するための一般的な実験) 図10を参照。
【0179】
図10で描写された方法に従って、4−メチルアミノベンゼン スルホンアミド(10−6)を調製する。N−メチルアセトアミド(10−1)は、Stojanovic(Stojanovic,O.K.ら、Chem.Abstr.1973,3902)の手順に従って、純粋なClSOHを使用して、塩化スルホニル(10−2)に変換できる。この塩化スルホニルは、Oinuma(Oinuma,H.ら、J.Med.Chem.1991,34,2260)の手順に従って、アミン、NaOAc(EtOH中)を使用して、対応するスルホンアミド(10−3)に変換され、そのアセチル基をNaOHで加水分解すると、所望の4−メチルアミノベンゼンスルホンアミド(10−4)が生成する。
【0180】
図10で描写された方法に従って、N−メチルアミノスルホンアミド類似物が調製できる。4−アリール/ヘテロアリール−2−クロロピリジン(10−5)は、熱ジオキサン中で、p−TsOH・HOの存在下にて、4−メチルアミノベンゼンスルホンアミド(10−4)と混ぜ合わされて、所望のN−メチルアミノスルホンアミドスルホンアミド(10−6)が得られる。
【0181】
工程1:4−(アセチル−メチル−アミノ)−ベンゼン塩化スルホニル(10−2)
(O.K.Stojanovicら、Chem.Abstr.1973,78,3902sの手順に基づく)。N−メチル−N−フェニル−アセトアミド(10.0g、67mmol)を、ClSOH(50ml)と共に、70℃で、90分間加熱する。その混合物を氷200mlに注ぎ、得られた生成物を濾過し、そしてHO(2×25ml)で洗浄して、灰白色固形物として、表題化合物を得る。
【0182】
工程2:N−置換−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(10−3)
(H.Oinumaら、J.Med.Chem.1991,34,2260−7の手順に基づく)。アミン1.1当量およびNaOAc(2.7当量)の0.1M EtOHスラリーに、0℃で、塩化4−(アセチル−メチル−アミノ)−ベンゼンスルホニル1当量を加える。その混合物を、23℃で、6時間撹拌する。水を加え、この混合物をEtOAc(3×25ml)で抽出する。合わせた有機物をHO(1×50ml)およびブライン1×50mlで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、灰白色固形物または油状物として、表題化合物を得る。
【0183】
工程3:4−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(10−4)
N−置換−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(1当量)を1N NaOH水溶液と混ぜ合わせて、0.1Mアセトアミド溶液にする。得られた混合物を12時間還流する。23℃まで冷却した後、この反応混合物を、1N HCl水溶液で、pH約7に調節し、そしてEtOAc(2×25ml)で抽出する。合わせた有機物を、HO(1×50ml)、ブライン1×50mlで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、無色固形物または油状物として、表題化合物を得る。
【0184】
工程4:2−N(Me)−アニリノ−4−アリール/ヘテロアリールピリミジンスルホンアミド(10−6)
第一級アミノ−ベンゼンスルホンアミドに代えて、4−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミドを使用すること以外は、実施例9、工程4で記述されたプロトコルを使用する。
【0185】
この方法に従って、代表的な化合物80〜85が合成できる。
【0186】
HPLC条件:機器−Agilent 1100;カラム:Keystone Aquasil C18(上記のとおり);移動相A:95%水/5%CAN中の10mM NHOAC;移動相B:5%水/95%CAN中の10mM NHOAC;流速:0.800ml/分;カラム温度:40℃;注入容量:5μl;UV:モニター215、230、254、280および300nm;精製は、特に明記しない限り、254nmで報告する。
【0187】
勾配表:
時間(分) %B
0.0 0
2.5 100
4.0 100
4.1 0
5.7 0。
【0188】
MS条件:機器:Agilent MSD;イオン化モード:API−ES;気体温度:350C;乾燥気体:11.0L/分;噴霧器圧力:55psig;極性:50%ポジティブ、50%ネガティブ;VCap:3000V(ポジティブ)、2500V(ネガティブ);フラグメンター(Fragmentor):80(ポジティブ)、120(ネガティブ);質量範囲:100〜1000m/z;閾値:150;ステップサイズ:0.15;ゲイン:1;ピーク幅:0.15分間。
【0189】
(実施例11)
バイアルにおいて、ジオキサン中で、出発物質を混ぜ合わせ、そして90℃で、一晩撹拌し、次いで、室温まで冷却する。50%NaHCOを加え、その反応物を10分間撹拌する。沈殿物を濾過し、次いで、THFに溶解し、そしてプレ−プレート(これは、THF/MeOH(10:1)を使う)で精製する。図11を参照。
【0190】
この方法に従って、代表的な化合物184が合成できる。
【0191】
(実施例12)
トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pddba)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)の存在下にて、ナトリウム第三級ブトキシド(NaOtBu)を加えることにより、ハロゲン化(Br)スルホンアミド(G−4)をピリミジン(G−6)と反応させる。
【0192】
この方法に従って、代表的な化合物115〜118、123、127、および128が合成できる。
【0193】
(実施例13)
ジオキサン中のアニリノ−ピリミジン、置換スルホンアミド、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルの攪拌懸濁液に、ナトリウムt−ブトキシドを加える。その混合物を、80℃で、50時間加熱する。その反応物を室温まで冷却し、この混合物を濾過し、そしてTHFおよびMeOHで洗浄する。蒸発により溶媒を除去し、そして残渣をプレ−プレート(これは、EtOAc/MeOH(10:1)を使う)で精製する。
【0194】
この方法に従って、代表的な化合物130、131、139、161〜164、166〜169、171〜174、および299が合成できる。
【0195】
(実施例14)
ジオキサン中のアニリノ−ピリミジン、置換スルホン、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルの攪拌懸濁液に、ナトリウムt−ブトキシドを加える。その混合物を、80℃で、72時間加熱する。その反応物を室温まで冷却し、この混合物を濾過し、そしてTHFおよびMeOHで洗浄する。蒸発により溶媒を除去し、そして残渣をプレ−プレート(これは、EtOAc/MeOH(10:1.5)を使う)で精製する。
【0196】
この方法に従って、代表的な化合物98〜103が合成できる。
【0197】
(IKKキナーゼアッセイ)
(実施例15:Flag IKKβの分子クローニングおよび発現)
ヒトIKKβ cDNAを、IKKβのC末端にFLAG−エピトープを組み込んだプライマーを使用して、ヒト胎盤RNA(CLONTECH)から逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅する。FLAG−IKKβを、バキュロウイルス発現プラスミドpFASTBAC(Life Technologies)中に挿入する。BAC−TO−BAC(Life Technologies)Baculovirus Expression Systemのための製造業者のプロトコルに従って、IKKβ酵素を発現する組換えバキュロウイルスを、作製した。簡単にいうと、6ウェルプレートのウェル1つあたり9×10個のSF9細胞を、CellFECTINTM試薬を使用して、1μgのミニプレップバキュミド(bacmid)DNAによってトランスフェクトする。ウイルスを、トランスフェクション後、72時間で回収し、そしてウイルス価を、行ない、その後、高力価のウイルスストック(2×10pfu/ml)を、3ラウンドから4ラウンドの感染によって増幅した。
【0198】
(実施例16:Flag IKKβタンパク質の産生および精製)
Flag−IKKβを発現するバキュロウイルスの高力価ストックを使用して、1mLあたり1×10個の細胞の密度における200mLのSF9細胞を、SF−900 II SFM培地中で27℃にて、約5の感染効率(MOI)で感染させる。細胞を、Sorvall遠心分離機における500×gの遠心分離によって、48〜54時間後に回収する。得られたペレットを、精製まで−20℃で冷凍する。
【0199】
タンパク質精製のために、上記ペレットを、氷上で解凍し、そして細胞溶解緩衝液(50mM HEPES(pH7.5)、100mM NaCl、1%NP−40、10%グリセロール、1mM NaVO、1mM EDTA、1mM DTT、およびPharmingen製のプロテアーゼインヒビターカクテル)に再懸濁する。Dounceホモジネーションの後、上記細胞を、低温室中で回転子上に30分間おく。NaCl濃度を、250mMに調整し、そして細胞片を、18000×gの遠心分離によって除去する。得られた上清を、抗FLAG M2アガロースアフィニティーカラム(Sigma)に4℃にてロードし、そしてそのカラムを、60mLの洗浄緩衝液(50mM HEPES(pH7.5)、300mM NaCl、10%グリセロール、1mM NaVO、1mM EDTA、および1mM PMSF)によって洗浄する。FLAG−IKKβを、500μLアリコートの溶出緩衝液(50mM HEPES(pH7.5)、100mM NaCl、10%グリセロール、1mM NaVO、1mM EDTA、1mM DTT、およびPharmingen製のプロテアーゼインヒビターカクテル)中の200μg/mL Flagペプチド(Sigma)を使用して溶出させ、FLAG−IKKβを、SDS−PAGEを使用し、次いでCoomassie Blue染色(BioRad)を行なってタンパク質レベルについて試験した。下に記載するように活性について試験した後、高いIKK酵素活性を有する分画を、合わせ、等分し、そして−80℃で保存する。
【0200】
(実施例17:IKKキナーゼアッセイ)
LANCE反応を、Wallac/Perkin Elmerの示唆に基づいて行なう。精製したFlag−IKKβ酵素(2nMの最終濃度)を、代表的に、上記酵素の安定化を補助するために0.0025%Brij溶液(Sigma)を補充した上記のキナーゼ反応緩衝液に使用する。ビオチン化基質IκBα(1〜54)を、合成および精製し(95%を超える純度)、そして500nMの最終濃度にて使用する。ATPを、2μMの最終濃度で使用する。全反応容量は、25μLであり、そして上記インヒビター化合物を、基質およびATPを添加する前に、酵素と一緒にプレインキュベートする。反応を、黒色の、低結合プレート(Dynex)中で室温にて30分間行なう。25μLの20mM EDTAを添加して上記反応を停止させ、次いで100μLの検出混合物[0.25nMのEuropium標識した抗ホスホ−IκBα(Wallacによって調製される)および0.25μg/mLの最終濃度のストレプトアビジン−APC、Wallac]を、Wallac VICTORプレートリーダー中でプレートを読み取る30分前に添加する。エネルギー移動シグナルデータを使用して、阻害の%およびIC50値を算出する。
【0201】
(実施例18:IκBαのウエスタン分析)
Hela細胞を、6ウェルプレートに24時間プレートし、そしてTNFα(10ng/ml)を添加する前に30分間、化合物によって処理する。1時間後、Hela細胞を、400mM NaClを含むMPER試薬(Pierce,Rockford,IL)中に回収する。全てのサンプルからのタンパク質を、Bradford法によって定量する。30μgのタンパク質を含む細胞溶解物を、12%SDS−PAGEゲル上で電気泳動し、そしてBio Rad液体転写装置を使用してPVDF膜に転写する。PVDF膜を、第1の抗体(マウス抗IκBα(Santa Cruz))を添加する前に、TBST(0.1% Tween−20を含むTBS)中で、3%の乳と一緒に15分間インキュベートする。一晩インキュベートした後、上記PVDF膜を、TBSTによって3回洗浄し、そして西洋ワサビペルオキシダーゼ(Transduction Labs)と結合した第2の抗体と一緒に、1時間インキュベートする。次いで上記PVDF膜を、TBSTによって3回洗浄し、そしてタンパク質を、増強化学発光検出システム(Pierce)を使用して検出する。
【0202】
例示的な化合物4、6〜9、11、14、16、22、25、26、29、30、32、34、39〜52、54〜56、57、58〜66、68、88〜92、95、96、98、100〜107、109〜113、115〜121、125、126、129〜136、138〜146、150、152、153、156〜158、160〜164、166、168〜170、173、174、176〜178、180〜186、188〜204、208〜210、212、215、216、219〜225、229、230、232〜241、245、246、250、251、253、256〜258、260、262〜266、268、270、272、277、283〜285、287、および289は、ポジティブな結果を与えた。
【0203】
例示的な化合物10、21、27、28、31、33、35、37、53、67、97、122、123、137、147〜149、151、154、155、159、165、167、171、172、175、187、206、207、213、214、217、218、226、227、228、243、244、247〜249、254、269、271、276、および280〜282は、わずかにポジティブな結果を与えた。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】図1は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図2】図2は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図3】図3は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図4】図4は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図5】図5は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図6a】図6aは、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図6b】図6bは、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図7】図7は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図8】図8は、代表的なグアニジンとエナミノンとの反応を示す。
【図9】図9は、代表的なハロゲン置換反応を示す。
【図10】図10は、代表的なハロゲン置換反応を示す。
【図11】図11は、代表的なハロゲン置換反応を示す。
【図12】図12は、代表的なハロゲン置換反応を示す。
【図13】図13は、代表的なハロゲン置換反応を示す。
【図14】図14は、代表的なハロゲン置換反応を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物であって、
ここで:
は、水素である;
は、NR、グアニジニル、ウレイド、必要に応じて置換したイミダゾリル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアルケニル、必要に応じて置換したアルキニル、ヒドロキシ、およびアルコキシからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環であるが、但し、該ヘテロアリール環は、ピリジン、フラン、イソオキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、またはチアゾールではない;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;−NR;−COOR;−CONR;および−SO10
は、水素である;
は、水素、メチル、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシメチル、およびアルキルアミノメチルからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:水素;ハロゲン;必要に応じて置換したフェニル;1個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換した5員または6員ヘテロアリール環;ベンゼン環であって、該ベンゼン環は、0個〜4個のヘテロ原子を含有する4員環〜8員環に縮合され、該環は、C=O、SOまたはSO基の0個〜2個で中断され、そして必要に応じて、置換されている;0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した単環式または多環式環;−NR;−COOR;−CONR;−SO10;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;ヒドロキシ;アルコキシ;OR;およびSR
およびRは、別個に、以下からなる群から選択される:水素;必要に応じて置換したアルキル;必要に応じて置換したアルケニル;必要に応じて置換したアルキニル;必要に応じて置換したアリール;必要に応じて置換したヘテロアリール;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルアミノ;アリールアミノ;ヘテロアリールアミノ;−NCOR;−COR;−CONR;SO10;0個〜3個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜10員環状アミン;
必要に応じて、RおよびRは、一緒になって、0個〜4個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換した3員〜12員単環式または二環式を形成する;
は、水素、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、および必要に応じて置換したヘテロアリールからなる群から選択される;
10は、メチル、トリフルオロメチル、必要に応じて置換したアルキル、必要に応じて置換したアリール、必要に応じて置換したヘテロアリール、およびNRからなる群から選択される、
化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項2】
が、NRであり、ここで、RおよびRが、別個に、水素、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルヒドロキシ、アルカノイル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、アラルキル、必要に応じて置換したフェニル、ヘテロアリール、およびCORからなる群から選択され、ここで、Rが、アルキルまたはアラルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、NH、−(ジメチルアミノ)エチル、または−(ジメチルアミノ)プロピルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、NRであり、ここで、RおよびRが、一緒になって、少なくとも1個の窒素原子と0個〜1個の追加ヘテロ原子とを含有する必要に応じて置換した5員〜6員複素環基を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、必要に応じて置換したモルホリニル基、必要に応じて置換したピペラジニル基、および必要に応じて置換したピロリジニル基からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記SO基が、前記フェニル環の4位にある、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:必要に応じて置換したフェニル、必要に応じて置換したチエニル、必要に応じて置換したピラジニル、必要に応じて置換したピロリル、ナフチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、およびベンゼン環であって、該ベンゼン環は、1個〜2個のヘテロ原子を含有する5員環〜7員環に縮合され、該環は、C=O基で中断され、そして必要に応じて、置換されている、
化合物。
【請求項8】
が、必要に応じて置換したフェニル基である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、1個またはそれ以上の置換基で置換されたフェニル基であり、該置換基が、アルコキシ、トリフルオロメチル、フルオロ、ヒドロキシ、およびNRからなる群から選択され、ここで、Rが、CORであり、そしてRが、水素である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、必要に応じて置換したチエニル基である、請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
が、チエニル基であり、該チエニル基が、必要に応じて、1個の置換基で置換されており、該置換基が、水素、ブロモ、およびメチルからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が、水素またはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が、水素である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
が、水素、メチル、エチル、クロロ、メトキシ、NH、およびトリフルオロメチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
が、水素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、水素である;
は、NR、必要に応じて置換したイミダゾリル、および必要に応じて置換したアルキルからなる群から選択される;
は、以下からなる群から選択される:必要に応じて置換したフェニル、必要に応じて置換したチエニル、必要に応じて置換したピラジニル、必要に応じて置換したピロリル、ナフチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、およびベンゼン環であって、該ベンゼン環は、1個〜2個のヘテロ原子を含有する5員環〜7員環に縮合され、該環は、C=O基で中断され、そして必要に応じて、置換されている;
は、水素である;
は、水素またはメチルである;そして
は、水素、メチル、エチル、クロロ、メトキシ、NH、およびトリフルオロメチルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項17】
以下からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物:
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

【化2−4】

【化2−5】

【化2−6】

【化2−7】

【化2−8】

【化2−9】

【化2−10】

【化2−11】

【化2−12】

【化2−13】

【化2−14】


【請求項18】
細胞におけるキナーゼ活性を阻害する方法であって、細胞を請求項1に記載の化合物と接触させて、それにより、該化合物がキナーゼ活性を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項19】
前記キナーゼが、IKKである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
哺乳動物におけるキナーゼ活性を阻害する方法であって、哺乳動物に、請求項1に記載の化合物のキナーゼ阻害量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記キナーゼが、IKKである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
さらに、前記哺乳動物に、NF−κB経路のプロテインキナーゼの追加阻害剤を投与する工程を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
単独で、あるいは他のキナーゼ阻害薬学的組成物または化学療法薬、および薬学的に受容可能なキャリアと併用して、請求項1または請求項17に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項25】
キナーゼ依存性病態を治療する方法であって、被験体に、請求項24に記載の薬学的組成物のキナーゼ阻害量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記キナーゼが、IKKである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記キナーゼ依存性病態が、炎症、腫瘍細胞の増殖、腫瘍細胞の成長、および腫瘍形成からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
さらに、前記被験体に、NF−κB経路のプロテインキナーゼの追加阻害剤を投与する工程を包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
NF−κB活性化に関連した疾患を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項30】
さらに、前記被験体に、NF−κB経路のプロテインキナーゼの追加阻害剤を投与する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記NF−κB活性化に関連した疾患が、炎症疾患、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息、皮膚病、乾癬、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、組織および臓器拒絶、アルツハイマー病、卒中、癲癇、パーキンソン病、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、癌、ホジキン病、ウイルス感染、AIDS感染、骨関節炎、骨粗鬆症、および毛細血管拡張性運動失調からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
腫瘍細胞の増殖、腫瘍細胞の成長、または腫瘍形成を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項33】
炎症を減らす方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項34】
炎症または自己免疫病態を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項35】
前記炎症または自己免疫病態が、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃炎、食道炎、肝炎、膵炎、腎炎、乾癬、湿疹、皮膚炎、じんま疹、多発性硬化症、ルーゲーリック病、敗血症、結膜炎、急性呼吸窮迫症候群、紫斑病、鼻ポリープ、紅斑性狼瘡、結膜炎、春季カタル、関節リウマチ、全身性炎症応答症候群(SIRS)、敗血症、多発性筋炎、皮膚筋炎(DM)、結節性多発動脈炎(PN)、混合性結合組織病(MCTD)、およびショーグレン症候群からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
心血管病態、代謝病態または虚血病態を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項37】
前記心血管病態、代謝病態または虚血病態が、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後再狭窄、左室肥大、インスリン抵抗性、I型糖尿病、II型糖尿病、高血糖症、高インスリン血症、異脂肪血症、肥満、多嚢胞性卵巣疾患、高血圧症、シンドロームX、骨粗鬆症、勃起不全、悪液質、心筋梗塞、心臓、腎臓、肝臓および脳の虚血疾患、臓器移植拒絶反応、移植片対宿主病、内毒素ショック、および多臓器不全からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
感染症を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項39】
前記感染症が、ウイルス感染である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、およびEBウイルスからなる群から選択されるウイルスにより引き起こされる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
閉経前または閉経後病態を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項42】
骨粗鬆症を治療する方法であって、請求項24に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項43】
以下の工程を包含する、方法:
a)式G−1:
【化3】

のエナミノンと
式G−2:
【化4】

のグアニジン
および1−メチル−2−ピロリジノンとを反応させて、式Iの化合物:
【化5】

を形成する工程
ここで、該R基は、請求項1のように定義され、ここで:
、R、Rは、それぞれ、水素であり、
は、NRである;そして
b)式Iの該化合物を単離する工程。
【請求項44】
前記エナミノンと前記グアニジンとを反応させる工程が、塩基の存在下にて行われる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記塩基が、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記エナミノンと前記グアニジンとを反応させる工程が、さらに、ほぼ還流温度までの温度まで加熱する工程を包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記SO基が、4位にある、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
さらに、式G−3のアミンと:
【化6】

シアナミドまたは1−H−ピラゾール−1−カルボキサミジンとを反応させることにより、前記式G−2のグアニジンを調製する工程を包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
さらに、式G4のハロゲン化スルホンアミドと:
【化7】

グアニジンとを反応することにより、前記式G−2のグアニジンを調製する工程を包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
が、必要に応じて置換したフェニルまたは必要に応じて置換したチエニル基である、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
以下の工程を包含する、方法:
a)式G−1のエナミノンと:
【化8】

式3−1のグアニジン誘導体:
【化9】

および1−メチル−2−ピロリジノンとを反応させて、ピリミジンを形成する工程;
b)該ピリミジンとクロロスルホン酸とを反応させて、式3−3の塩化スルホニル:
【化10】

を形成する工程
c)前記式3−3の塩化スルホニルと、式HNRを有するアミンとを反応させて、式Iの化合物:
【化11】

を形成する工程
ここで、該R基は、請求項1のように定義され、ここで:
、R、Rは、それぞれ、水素であり、
は、NRである;そして
d)式Iの該化合物を単離する工程。
【請求項52】
以下の工程を包含する、方法:
a)式G−3のアミンと:
【化12】

式G−5のハロゲン化ピリミジン:
【化13】

とを反応させて、式Iの化合物:
【化14】

を形成する工程
ここで、該R基は、請求項1のように定義され、ここで:
、R、Rは、それぞれ、水素であり、
は、NRである;そして
b)式Iの該化合物を単離する工程。
【請求項53】
前記ハロゲン化ピリミジンの該ハロゲンが、塩素である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記アミンと前記ハロゲン化ピリミジンとを反応させる工程が、ジオキサンからなる群から選択される溶媒中で行われる、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記アミンと前記ハロゲン化ピリミジンとを反応させる工程が、p−トルエンスルホン酸からなる群から選択されるアルコールの存在下にて行われる、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記アミンと前記ハロゲン化ピリミジンとを反応させる工程が、ほぼ還流温度までの温度まで加熱する工程を包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記SO基が、4位にある、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
が、必要に応じて置換したフェニルまたは必要に応じて置換したチエニル基である、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
以下の工程を包含する、方法:
a)式G−4のハロゲン化スルホンアミドと:
【化15】

式G−6のピリミジン:
【化16】

とを反応させて、式Iの化合物を形成する工程:
【化17】

ここで、該R基は、請求項1のように定義され、ここで:
、R、Rは、それぞれ、水素であり、
は、NRである;そして
b)式Iの該化合物を単離する工程。
【請求項60】
前記ハロゲン化スルホンアミドの該ハロゲンが、臭素である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ピリミジンと前記ハロゲン化スルホンアミドとを反応させる工程が、ジオキサンからなる群から選択される溶媒中で行われる、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記ピリミジンと前記ハロゲン化スルホンアミドとを反応させる工程が、に従って、第三級ブトキシドを加える工程を包含する、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記ピリミジンと前記ハロゲン化スルホンアミドとを反応させる工程が、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルの存在下にて行われる、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記ピリミジンと前記ハロゲン化スルホンアミドとを反応させる工程が、さらに、ほぼ還流温度までの温度まで加熱する工程を包含する、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記SO基が、4位にある、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記Rが、必要に応じて置換したフェニルまたは必要に応じて置換したチエニル基である、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
式G−2のグアニジン:
【化18】

ここで、該R基は、請求項1のように定義される、
グアニジン。
【請求項68】
式G−3のアミン:
【化19】

ここで、該R基は、請求項1のように定義される、
アミン。
【請求項69】
式G−4のハロゲン化スルホンアミド:
【化20】

ここで、該R基は、請求項1のように定義される、
ハロゲン化スルホンアミド。
【請求項70】
式3−3の塩化スルホニル:
【化21】

ここで、該R基は、請求項1のように定義される、
塩化スルホニル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−515986(P2008−515986A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536838(P2007−536838)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036674
【国際公開番号】WO2006/044457
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】