説明

エッチング方法及び絶縁膜のパターニング方法

【課題】 無機ポーラス低誘電率材料に及ぼすダメージを大幅に低減し、容易且つ確実にビア孔及び配線溝の形成等を行う。
【解決手段】 SiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜112と、ポーラスシリカからなる第2の絶縁膜113を積層して配線間絶縁膜111を形成し、CF4を含有するエッチングガスで第2の絶縁膜113を、C46を含有するエッチングガスで第1の絶縁膜112をそれぞれドライエッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の無機低誘電率絶縁材料(以下、「無機ポーラス低誘電率材料」と記す)からなる絶縁膜のエッチング方法及び加工方法に関し、特に当該絶縁膜を配線構造の層間絶縁膜に用いる場合を対象とする。
【背景技術】
【0002】
近時においては、半導体集積回路に対する微細化及び高速化の要請が高まり、配線材料としては低抵抗の銅が、配線間絶縁膜及び層間絶縁膜としては信号遅延を低減するために無機ポーラス低誘電率材料の使用が検討されている。銅をドライエッチングする場合、これにより生成されるCuハロゲン化物は蒸気圧が低く、従ってウェーハを高温に加熱する必要がある。しかしながら、レジストマスクがこの高温に耐えられず溶解するという問題があり、銅のパターニングは極めて困難である。そこで、銅配線の加工形成法として、絶縁層に配線形状の溝及び開孔を形成し、これらに銅を埋め込み配線を形成するいわゆるダマシンプロセスが開発された。
【0003】
【特許文献1】特開平10−209118号公報
【特許文献2】特開2003−303808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無機ポーラス低誘電率材料は、寄生容量が小さく信号遅延を改善できる反面、膜強度が比較的弱く、従ってエッチング処理やアッシング処理によるダメージが大きいという欠点がある。上述のダマシン法では、無機ポーラス低誘電率材料は極めて有力な配線間絶縁材料であり、そのドライエッチング時においてダメージを低減させることが重要な問題として認識されるも、現在のところ未だこの問題を解決する有力な対応策が模索されている現況にある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、無機ポーラス低誘電率材料に及ぼすダメージを大幅に低減し、容易且つ確実にビア孔及び配線溝の形成等の加工をすることを可能とするエッチング方法及び絶縁膜の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエッチング方法は、基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、第1のエッチングガスを用いて、前記第2の絶縁膜のみをエッチングする工程と、第2のエッチングガスを用いて、前記第1の絶縁膜のみをエッチングするとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜におけるエッチング部位の内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程とを含む。
【0007】
本発明の絶縁膜のパターニング方法は、基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、前記第1のエッチングマスクを除去する工程と、前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、前記第2のエッチングマスクを除去する工程と、前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程とを含む。
【0008】
本発明の絶縁膜のパターニング方法の他の態様は、基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、前記第1のパターン内を埋め込み前記第1のエッチングマスクを覆うように充填材料を形成する工程と、前記ハードマスク上の前記充填材料及び前記第1のエッチングマスクをエッチングにより共に除去する工程と、前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、前記第2のエッチングマスク、前記フルオロカーボンポリマー膜及び前記充填材料を共に除去する工程と、前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜のみをエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無機ポーラス低誘電率材料に及ぼすダメージを大幅に低減し、容易且つ確実にビア孔及び配線溝の形成等の加工をすることが可能となる。これにより、本発明を例えばダマシン法による銅配線構造の形成に適用することで正確な配線形成を可能とし、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
−本発明の基本骨子−
本発明者は、無機ポーラス低誘電率材料の加工時に発生するダメージを精緻に把握するため、Cu配線構造を構成するビア部と配線部を同時に形成する、いわゆるデュアルダマシン法に無機ポーラス低誘電率材料を配線間絶縁膜として用いて、エッチングガスを変えて、当該ダメージを調べた。
【0011】
図1は、エッチングガスとしてC46を含有するガスを用いて、ポーラスシリカにビア孔をエッチング形成する場合の問題点を示す概略断面図であり、図2は、エッチングガスとしてCF4を含有するガスを用いて、ポーラスシリカにビア孔をエッチング形成する場合の問題点を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、図1及び図2では、デュアルダマシン法による逐次の正確な図示を省略する。ここでは、図1(a)及び図2(a)に示すように、下層配線101上にSiCからなるエッチングストッパー膜102を形成し、この上に順にポーラスシリカからなる配線間絶縁膜103、後述するようにSiC、SiO2及びSiNからなるハードマスク104を形成する。
【0012】
(1)エッチングガスとしてC46を含有するガスを用いる場合
先ず、ハードマスク104上に開孔パターンの形成されたレジストマスク106を用いて(図1(b))、有機反射防止膜105、ハードマスク104及び配線間絶縁膜103をドライエッチングする(図1(c))。上記のエッチングガスを用いたことによりビア孔107の側壁にフルオロカーボンポリマー膜(以下、「FCP」膜と記す)108が形成され、これが側壁保護膜として機能するものの、膜中に存するマイクロポアにFCP膜が堆積してエッチングストップが起こり易くなり、ビア孔107の底面107aがいわゆるサブトレンチ形状にエッチングされてしまう。
【0013】
FCP膜108は、有機反射防止膜105及びレジストマスク106のアッシング処理による除去及びウェット処理(図1(d))から、ハードマスク104を配線溝形状に加工し、当該加工用のレジストマスクのアッシング除去まで側壁保護膜として機能する(図1(e))。しかしながら、図1(f)〜(i)に示すように、続くデュアルダマシン法により、配線溝109を形成し下層配線101までビア孔107を延長しても、このサブトレンチ形状はビア孔107の底部107aにそのまま反映し、図1(i)のようにビア孔107の底部107aにエッチングストッパー膜102の残渣102aが残存し、Cu配線構造と下層配線101との確実な接続が困難となる。
【0014】
(2)エッチングガスとしてCF4を含有するガスを用いる場合
先ず、ハードマスク104上に開孔パターンの形成されたレジストマスク106を用いて(図2(b))、有機反射防止膜105、ハードマスク104及び配線間絶縁膜103をドライエッチングする(図2(c))。上記のエッチングガスを用いたことにより、(1)のようなサブトレンチ形状は生じないが、ビア孔107の側壁にFCPは殆ど堆積しない。そしてこの場合、有機反射防止膜105及びレジストマスク106のアッシング除去及びウェット処理により、配線間絶縁膜103の膜強度が弱く、側壁107bにFCP膜が殆ど形成されないため、ビア孔107の側壁107bがいわゆるボーイング形状にエッチングされてしまう(図2(d))。
【0015】
図2(e)〜(i)に示すように、続くデュアルダマシン法により、配線溝109を形成し下層配線101までビア孔107を延長しても、このボーイング形状は図2(i)のように配線溝109の側壁109aにそのまま反映してしまい、正確な配線溝形成が困難となる。
【0016】
本発明者は、上記の(1),(2)の結果に鑑み、配線構造を形成するためのパターン(配線溝及びビア孔)を形成する配線間絶縁膜を、無機ポーラス低誘電率膜よりも若干膜強度が強いSiOC系の低誘電率絶縁材料(以下、SiOC系低誘電率材料と記す)からなる第1の絶縁膜と、無機ポーラス低誘電率膜からなる第2の絶縁膜とを順次積層してなる2層構造とし、第1の絶縁膜のエッチングにはC46(C58又はC48でも良い)を含有するエッチングガスを、第2の絶縁膜のエッチングにはCF4を含有するエッチングガスを、それぞれ用いることに想到した。
【0017】
図3は、本発明の基本骨子を説明するための概略断面図である。
図3(a)に示すように、下層配線101上にSiCからなるエッチングストッパー膜102を形成し、この上にSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜112と、ポーラスシリカからなる第2の絶縁膜113を積層して配線間絶縁膜111を形成し、更にSiC、SiO2及びSiNからなるハードマスク104を形成する。
【0018】
そして、ハードマスク104上に開孔パターンの形成されたレジストマスク106を用い(図3(b))、CF4を含有するガスをエッチングガスとして、有機反射防止膜105、ハードマスク104及び第2の絶縁膜113をドライエッチングする(図3(c))。
【0019】
続いて、C46を含有するガスをエッチングガスとして、第1の絶縁膜112をドライエッチングする(図3(d))。ここで、上記のエッチングガスを用いたことによりビア孔107の側壁にFCP膜108が形成され、これが側壁保護膜として機能する。しかも、第1の絶縁膜112はマイクロポアを有しないため、第1の絶縁膜112に形成されたビア孔107の底面107aにサブトレンチ形状は生じない。
【0020】
そして、有機反射防止膜105及びレジストマスク106をアッシング処理により除去した後、ウェット処理を施す。このとき、レジストマスク106と共にFCP膜108を除去するようにしても良く、またこれを残存させるようにしても良い。当該アッシング処理及びウェット処理の時、FCP膜108が側壁保護膜として機能するので、第2の絶縁膜113に形成されたビア孔107の側壁にボーイング形状は生じない。以上のように、配線間絶縁膜111には第2の絶縁膜113から第1の絶縁膜112にかけて、サブトレンチ形状やボーイング形状などの不都合を生ぜしめることなくビア孔107が形成される。
【0021】
なお、第1の絶縁膜112及び第2の絶縁膜113からなる2層構造の配線間絶縁膜111を形成しても、配線間絶縁膜111のエッチングにCF4を含有するエッチングガスを用いたのでは、FCP膜からなる側壁保護膜が殆ど形成されないため、図4に示すように、有機反射防止膜105及びレジストマスク106のアッシング処理及びウェット処理の際に、ビア孔107の側壁107bがボーイング形状となる。
【0022】
−本発明を適用した具体的な諸実施形態−
以下、本発明をデュアルダマシン法による配線構造に適用した諸実施形態について説明する。本発明は、シングルダマシン加工及びデュアルダマシン加工の双方に適用可能であるが、ここでは、配線溝に先立ってビア孔を形成する、いわゆる先ビア方式のデュアルダマシン法について、本発明の適応例を示す。
【0023】
(第1の実施形態)
図5〜図7は、第1の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。この配線構造は、2層の絶縁膜に配線溝及びビア孔が形成される、いわゆるハイブリッド構造である。
【0024】
先ず、図5(a)に示すように、表面にMOSトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板(共に不図示)上に、Cu(又はその合金)からなる下層配線1を形成する。そして、プラズマCVD法等により下層配線1上にSiCからなりCuのバリアとしても機能するエッチングストッパー膜2を例えば膜厚30nm程度に形成し、この上にプラズマCVD法等によりSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜11を例えば膜厚200nm程度に、無機ポーラス低誘電率材料としてナノ・クラスタリング・シリカ(Nano Clustering Silica:NCS)からなる第2の絶縁膜12を塗布法等により例えば膜厚150nm程度に順次積層して配線間絶縁膜3を形成し、更にプラズマCVD法等により例えば膜厚50nm程度のSiC膜13、例えば膜厚150nm程度のSiO2膜14及び例えば膜厚70nm程度のSiN膜15からなるハードマスク4を形成する。
【0025】
ここで、下層配線1もダマシン法により配線間絶縁膜3と同様の絶縁膜内に形成されたものである。また、配線間絶縁膜3では、第1の絶縁膜11は第2の絶縁膜12よりも膜強度が高く、誘電率も若干高い。しかしながら、後述するようにビア孔7の高さを配線溝10の最小幅よりも1.5倍以上、本実施形態では前者を200nm程度、後者を100nm程度とする。これにより、配線間絶縁膜の誘電率が高くなることに起因する配線遅延は生じなくなる。
【0026】
続いて、図5(b)に示すように、有機反射防止膜5を膜厚80nm程度に、レジスト6を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト6に孔パターン6aを形成する。
【0027】
続いて、図5(c)に示すように、レジスト6をマスクとして、有機反射防止膜5、ハードマスク4、及び配線間絶縁膜3の第1の絶縁膜11の途中までドライエッチングし、ビア孔7を形成する。このとき、第1の絶縁膜11をエッチングする際のエッチングガスにより、ビア孔7の側壁には膜厚2nm〜3nm程度のFCP膜8が形成される。
【0028】
ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mTorr:以下、「mT」と記す)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜5がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/Ar:50sccm/20mT/300W、SiO2膜14がC46:30sccm/O2:20sccm/Ar:300sccm/30mT/1500W、SiC膜13がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300W、第2の絶縁膜12がCH4:60sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500W、第1の絶縁膜11がC46:20sccm/O2:18sccm/N2:20sccm/Ar:300sccm/50mT/1000Wとする。
【0029】
続いて、図5(d)に示すように、高圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量100sccm、圧力250mT、投入パワー100Wの条件でアッシング処理し、レジスト6及び有機反射防止膜5を除去する。このとき当該アッシング処理により、FCP膜8も除去される。その後、ウェットクリーニング処理(水洗処理等)を行う。
【0030】
続いて、図5(e)に示すように、ビア孔7を埋め込むように、ハードマスク4上に樹脂9を膜厚0.6μm程度に成膜した後、200℃程度でキュア処理を行う。
【0031】
続いて、図5(f)に示すように、O2プラズマを用いて樹脂9の表層をエッチバックし、樹脂9をビア孔7内のみに残す。このときの処理条件は、O2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wとする。
【0032】
続いて、図6(a)に示すように、有機反射防止膜21を膜厚80nm程度に、レジスト22を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト22にビア孔7の形成位置と整合するように溝パターン22aを形成する。
【0033】
続いて、図6(b)に示すように、レジスト22をマスクとして、有機反射防止膜21及びハードマスク4のSiN膜15をドライエッチングする。ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜21がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300Wとする。
【0034】
続いて、図6(c)に示すように、比較的低圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量200sccm、圧力30mT、投入パワー100Wの条件でアッシング処理し、レジスト22、有機反射防止膜21及び樹脂9を除去する。
【0035】
続いて、図6(d)に示すように、SiN膜15をマスクとして、C46:30sccm/O2:15sccm/Ar:300sccm/20mT/1500Wの条件で、SiO2膜14をドライエッチングする。
【0036】
続いて、図6(e)に示すように、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CH22:20sccm/O2:10sccm/N2:50sccm/15mT/300Wの条件で、SiC膜13をドライエッチングする。
【0037】
続いて、図6(f)に示すように、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CF4:90sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500Wの条件で、第2の絶縁膜12をそのビア孔7の形成位置に整合するようにドライエッチングし、配線溝10を形成する。このとき、図6(g)に示すように、ビア孔7における第1の絶縁膜11の残りの部分及びエッチングストッパー膜2をドライエッチングし、下層配線1の表面の一部を露出させる。エッチングストッパー膜2のドライエッチングは、CH22:20sccm/O2:6sccm/N2:80sccm/15mT/150Wの条件で行う。このとき、配線溝10とビア孔7とが一体となって形成され、ビア孔7の高さが200nm程度、配線溝10の最小幅が100nm程度となる。その後、ウェットクリーニング処理を行う。
【0038】
続いて、図7(a)に示すように、スパッタ法により、配線溝10及びビア孔7の内壁面を覆うようにTaを堆積してバリアメタル膜23及びCuシード膜24を順次形成する。
【0039】
続いて、図7(b)に示すように、メッキ法により配線溝10及びビア孔7を埋め込むようにCu膜25を堆積する。
【0040】
続いて、図7(c)に示すように、SiC膜13をストッパーとして、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)によりCu膜25、バリアメタル膜23及びSiO2膜14を研磨して平坦化する。これにより、配線溝10及びビア孔7をバリアメタル膜23を介してCu膜25で埋め込み、下層配線1と電気的に接続されてなる、ビア部26a及び配線部26bからなる配線構造26を形成する。
【0041】
しかる後、図7(d)に示すように、配線構造26を覆うように、再びエッチングストッパー膜2を形成し、更なる上層の配線構造(不図示)を同様に形成する。ここで、下層配線1は下部の配線構造の配線部に相当することになる。
【0042】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ビア孔7及び配線溝10をサブトレンチ形状やボーイング形状等の不都合を生ぜしめることなく正確に形成することが可能となり、ダマシン法により所望の配線構造を容易且つ確実に形成することができ、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態とほぼ同様にデュアルダマシン法により配線構造を形成する一例を開示するが、FCP膜の取り扱いが異なる点で相違する。なお便宜上、第1の実施形態で説明した構成部材等については同符号を記す。
【0044】
図8及び図9は、第2の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図8(a)に示すように、表面にMOSトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板(共に不図示)上に、Cu(又はその合金)からなる下層配線1を形成する。そして、プラズマCVD法等により下層配線1上にSiCからなりCuのバリアとしても機能するエッチングストッパー膜2を例えば膜厚30nm程度に形成し、この上にプラズマCVD法等によりSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜11を例えば膜厚200nm程度に、無機ポーラス低誘電率材料としてNCSからなる第2の絶縁膜12を塗布法等により例えば膜厚150nm程度に順次積層して配線間絶縁膜3を形成し、更にプラズマCVD法等により例えば膜厚50nm程度のSiC膜13、例えば膜厚150nm程度のSiO2膜14及び例えば膜厚70nm程度のSiN膜15からなるハードマスク4を形成する。
【0045】
ここで、下層配線1もダマシン法により配線間絶縁膜3と同様の絶縁膜内に形成されたものである。また、配線間絶縁膜3では、第1の絶縁膜11は第2の絶縁膜12よりも膜強度が高く、誘電率も若干高い。しかしながら、後述するようにビア孔7の高さを配線溝10の最小幅よりも1.5倍以上、本実施形態では前者を200nm程度、後者を100nm程度とする。これにより、配線間絶縁膜の誘電率が高くなることに起因する配線遅延は生じなくなる。
【0046】
続いて、図8(b)に示すように、有機反射防止膜5を膜厚80nm程度に、レジスト6を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト6に孔パターン6aを形成する。
【0047】
続いて、図8(c)に示すように、レジスト6をマスクとして、有機反射防止膜5、ハードマスク4、及び配線間絶縁膜3の第1の絶縁膜11の途中までドライエッチングし、ビア孔7を形成する。このとき、第12の絶縁膜11をエッチングする際のエッチングガスにより、ビア孔7の側壁には膜厚2nm〜3nm程度のFCP膜8が形成される。
【0048】
ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜5がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/Ar:50sccm/20mT/300W、SiO2膜14がC46:30sccm/O2:20sccm/Ar:300sccm/30mT/1500W、SiC膜13がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300W、第2の絶縁膜12がCH4:60sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500W、第1の絶縁膜11がC46:20sccm/O2:18sccm/N2:20sccm/Ar:300sccm/50mT/1000Wとする。
【0049】
続いて、図8(d)に示すように、高圧で低パワーのアッシング処理、具体的には、FCP膜8を残存させる条件として、O2:300sccm/300mT/100Wの条件でアッシング処理し、レジスト6及び有機反射防止膜5を除去する。このとき当該アッシング処理によっても、FCP膜8が残存する。その後、ウェットクリーニング処理、ここでは水洗処理を行う。この水洗処理では、FCP膜8が除去されることなく、またポイゾニング等の不都合も発生しない。
【0050】
続いて、図8(e)に示すように、ビア孔7をFCP膜8を介して埋め込むように、ハードマスク4上に樹脂9を膜厚0.6μm程度に成膜した後、200℃程度でキュア処理を行う。
【0051】
続いて、図8(f)に示すように、O2プラズマを用いて樹脂9の表層をエッチバックし、樹脂9をビア孔7内のみに残す。このときの処理条件は、O2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wとする。
【0052】
続いて、図9(a)に示すように、有機反射防止膜21を膜厚80nm程度に、レジスト22を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト22にビア孔7の形成位置と整合するように溝パターン22aを形成する。
【0053】
続いて、図9(b)に示すように、レジスト22をマスクとして、有機反射防止膜21及びハードマスク4のSiN膜15をドライエッチングする。ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜21がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300Wとする。
【0054】
続いて、図9(c)に示すように、比較的高圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wの条件でアッシング処理し、レジスト22、有機反射防止膜21及び樹脂9を除去する。このとき、当該アッシング処理によりFCP膜8も除去される。
【0055】
続いて、図9(d)に示すように、SiN膜15をマスクとして、C46:30sccm/O2:15sccm/Ar:300sccm/20mT/1500Wの条件で、SiO2膜14をドライエッチングする。
【0056】
続いて、図9(e)に示すように、SiO2膜14をマスクとして、CH22:20sccm/O2:10sccm/N2:50sccm/15mT/300Wの条件で、SiC膜13をドライエッチングする。
【0057】
続いて、図9(f)に示すように、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CF4:90sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500Wの条件で、第2の絶縁膜12をそのビア孔7の形成位置に整合するようにドライエッチングし、配線溝10を形成する。このとき、図9(g)に示すように、ビア孔7における第1の絶縁膜11の残りの部分及びエッチングストッパー膜2をドライエッチングし、下層配線1の表面の一部を露出させる。エッチングストッパー膜2のドライエッチングは、CH22:20sccm/O2:6sccm/N2:80sccm/15mT/150Wの条件で行う。このとき、配線溝10とビア孔7とが一体となって形成され、ビア孔7の高さが200nm程度、配線溝10の最小幅が100nm程度となる。その後、ウェットクリーニング処理を行う。
【0058】
しかる後、第1の実施形態と同様に、図7(a)〜(c)の各工程を経て、配線溝10及びビア孔7をバリアメタル膜23を介してCu膜25で埋め込み、下層配線1と電気的に接続されてなる、ビア部26a及び配線部26bからなる配線構造26を形成する。そして、図7(d)のように、配線構造26を覆うように、再びエッチングストッパー膜2を形成し、更なる上層の配線構造(不図示)を同様に形成する。ここで、下層配線1は下部の配線構造の配線部に相当することになる。
【0059】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、ビア孔7及び配線溝10をサブトレンチ形状やボーイング形状等の不都合を生ぜしめることなく正確に形成することが可能となり、ダマシン法により所望の配線構造を容易且つ確実に形成することができる。更に、ビア孔7の形成後にFCP膜8を残存させておくため、ビア孔7の側壁が確実に保護されることになる。これにより、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【0060】
(第3の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態とほぼ同様にデュアルダマシン法により配線構造を形成する一例を開示するが、ビア孔形成時に用いたレジストを除去することなく次工程で用いる点で相違する。なお便宜上、第2の実施形態で説明した構成部材等については同符号を記す。
【0061】
図10及び図11は、第3の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図10(a)に示すように、表面にMOSトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板(共に不図示)上に、Cu(又はその合金)からなる下層配線1を形成する。そして、プラズマCVD法等により下層配線1上にSiCからなりCuのバリアとしても機能するエッチングストッパー膜2を例えば膜厚30nm程度に形成し、この上にプラズマCVD法等によりSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜11を例えば膜厚200nm程度に、無機ポーラス低誘電率材料としてNCSからなる第2の絶縁膜12を塗布法等により例えば膜厚150nm程度に順次積層して配線間絶縁膜3を形成し、更にプラズマCVD法等により例えば膜厚50nm程度のSiC膜13、例えば膜厚150nm程度のSiO2膜14及び例えば膜厚70nm程度のSiN膜15からなるハードマスク4を形成する。
【0062】
ここで、下層配線1もダマシン法により配線間絶縁膜3と同様の絶縁膜内に形成されたものである。また、配線間絶縁膜3では、第1の絶縁膜11は第2の絶縁膜12よりも膜強度が高く、誘電率も若干高い。しかしながら、後述するようにビア孔7の高さを配線溝10の最小幅よりも1.5倍以上、本実施形態では前者を200nm程度、後者を100nm程度とする。これにより、配線間絶縁膜の誘電率が高くなることに起因する配線遅延は生じなくなる。
【0063】
続いて、図10(b)に示すように、有機反射防止膜5を膜厚80nm程度に、レジスト6を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト6に孔パターン6aを形成する。
【0064】
続いて、図10(c)に示すように、レジスト6をマスクとして、有機反射防止膜5、ハードマスク4、及び配線間絶縁膜3の第1の絶縁膜11の途中までドライエッチングし、ビア孔7を形成する。このとき、第12の絶縁膜11をエッチングする際のエッチングガスにより、ビア孔7の側壁には膜厚2nm〜3nm程度のFCP膜8が形成される。
【0065】
ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜5がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/Ar:50sccm/20mT/300W、SiO2膜14がC46:30sccm/O2:20sccm/Ar:300sccm/30mT/1500W、SiC膜13がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300W、第2の絶縁膜12がCH4:60sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500W、第1の絶縁膜11がC46:20sccm/O2:18sccm/N2:20sccm/Ar:300sccm/50mT/1000Wとする。
【0066】
続いて、図10(d)に示すように、レジスト6及び有機反射防止膜5を除去することなく、ビア孔7をFCP膜8を介して埋め込むように、レジスト6上に樹脂9を膜厚1μm程度に厚く成膜する。
【0067】
続いて、図10(e)に示すように、O2プラズマを用いて樹脂9の表層及びレジスト6をエッチバックし、樹脂9をビア孔7内のみに残し、同時にレジスト6を除去する。このときの処理条件は、O2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wとする。ここで、レジスト6を完全に灰化除去することが好適であることから、レジスト6は樹脂9よりもアッシングレートが高いことが望ましい。
【0068】
続いて、図11(a)に示すように、有機反射防止膜21を膜厚80nm程度に、レジスト22を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト22にビア孔7の形成位置と整合するように溝パターン22aを形成する。
【0069】
続いて、図11(b)に示すように、レジスト22をマスクとして、有機反射防止膜21及びハードマスク4のSiN膜15をドライエッチングする。ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜21がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300Wとする。
【0070】
続いて、図11(c)に示すように、比較的低圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wの条件でアッシング処理し、レジスト22、有機反射防止膜21及び樹脂9を除去する。このとき、当該アッシング処理によりFCP膜8も除去される。
【0071】
続いて、図11(d)に示すように、SiN膜15をマスクとして、C46:30sccm/O2:15sccm/Ar:300sccm/20mT/1500Wの条件で、SiO2膜14をドライエッチングする。
【0072】
続いて、図11(e)に示すように、SiO2膜14をマスクとして、CH22:20sccm/O2:10sccm/N2:50sccm/15mT/300Wの条件で、SiC膜13をドライエッチングする。
【0073】
続いて、図11(f)に示すように、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CF4:90sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500Wの条件で、第2の絶縁膜12をそのビア孔7の形成位置に整合するようにドライエッチングし、配線溝10を形成する。このとき、図11(g)に示すように、ビア孔7における第1の絶縁膜11の残りの部分及びエッチングストッパー膜2をドライエッチングし、下層配線1の表面の一部を露出させる。エッチングストッパー膜2のドライエッチングは、CH22:20sccm/O2:6sccm/N2:80sccm/15mT/150Wの条件で行う。このとき、配線溝10とビア孔7とが一体となって形成され、ビア孔7の高さが200nm程度、配線溝10の最小幅が100nm程度となる。その後、ウェットクリーニング処理を行う。
【0074】
しかる後、第1の実施形態と同様に、図7(a)〜(c)の各工程を経て、配線溝10及びビア孔7をバリアメタル膜23を介してCu膜25で埋め込み、下層配線1と電気的に接続されてなる、ビア部26a及び配線部26bからなる配線構造26を形成する。そして、図7(d)のように、配線構造26を覆うように、再びエッチングストッパー膜2を形成し、更なる上層の配線構造(不図示)を同様に形成する。ここで、下層配線1は下部の配線構造の配線部に相当することになる。
【0075】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、ビア孔7及び配線溝10をサブトレンチ形状やボーイング形状等の不都合を生ぜしめることなく正確に形成することが可能となり、ダマシン法により所望の配線構造を容易且つ確実に形成することができる。更に、レジスト6を除去せずに樹脂9を形成するため、工程数が削減されて効率の良いプロセスが実現する。これにより、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【0076】
(第4の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態とほぼ同様にデュアルダマシン法により配線構造を形成する一例を開示するが、配線溝形成の際に用いるレジストを3層構造のものとする点で相違する。なお便宜上、第2の実施形態で説明した構成部材等については同符号を記す。
【0077】
図12及び図13は、第2の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図12(a)に示すように、表面にMOSトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板(共に不図示)上に、Cu(又はその合金)からなる下層配線1を形成する。そして、プラズマCVD法等により下層配線1上にSiCからなりCuのバリアとしても機能するエッチングストッパー膜2を例えば膜厚30nm程度に形成し、この上にプラズマCVD法等によりSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜11を例えば膜厚200nm程度に、無機ポーラス低誘電率材料としてNCSからなる第2の絶縁膜12を塗布法等により例えば膜厚150nm程度に順次積層して配線間絶縁膜3を形成し、更にプラズマCVD法等により例えば膜厚50nm程度のSiC膜13、例えば膜厚150nm程度のSiO2膜14及び例えば膜厚70nm程度のSiN膜15からなるハードマスク4を形成する。
【0078】
ここで、下層配線1もダマシン法により配線間絶縁膜3と同様の絶縁膜内に形成されたものである。また、配線間絶縁膜3では、第1の絶縁膜11は第2の絶縁膜12よりも膜強度がが、誘電率も若干高い。しかしながら、後述するようにビア孔7の高さを配線溝10の最小幅よりも1.5倍以上、本実施形態では前者を200nm程度、後者を100nm程度とする。これにより、配線間絶縁膜の誘電率が高くなることに起因する配線遅延は生じなくなる。
【0079】
続いて、図12(b)に示すように、有機反射防止膜5を膜厚80nm程度に、レジスト6を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト6に孔パターン6aを形成する。
【0080】
続いて、図12(c)に示すように、レジスト6をマスクとして、有機反射防止膜5、ハードマスク4、及び配線間絶縁膜3の第1の絶縁膜11の途中までドライエッチングし、ビア孔7を形成する。このとき、第12の絶縁膜11をエッチングする際のエッチングガスにより、ビア孔7の側壁には膜厚2nm〜3nm程度のFCP膜8が形成される。
【0081】
ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜5がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/Ar:50sccm/20mT/300W、SiO2膜14がC46:30sccm/O2:20sccm/Ar:300sccm/30mT/1500W、SiC膜13がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300W、第2の絶縁膜12がCH4:60sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500W、第1の絶縁膜11がC46:20sccm/O2:18sccm/N2:20sccm/Ar:300sccm/50mT/1000Wとする。
【0082】
続いて、図12(d)に示すように、高温で低パワーのアッシング処理、具体的には、FCP膜8を残存させる条件として、O2:300sccm/300mT/100Wの条件でアッシング処理し、レジスト6及び有機反射防止膜5を除去する。このとき当該アッシング処理によっても、FCP膜8が残存する。その後、ウェットクリーニング処理、ここでは水洗処理を行う。この水洗処理では、FCP膜8が除去されることなく、またポイゾニング等の不都合も発生しない。
【0083】
続いて、図12(e)に示すように、ビア孔7をFCP膜8を介して埋め込むように、ハードマスク4上に樹脂9を膜厚1μm程度に厚く成膜した後、200℃程度でキュア処理を行う。
【0084】
続いて、図12(f)に示すように、樹脂9上にSOG(Spin On Glass)膜31を膜厚0.05μm程度に塗布形成し、更にレジスト32を膜厚0.3μm程度に塗布形成する。これにより、樹脂9、SOG膜31及びレジスト32からなる3層構造レジスト33が形成される。
【0085】
続いて、図13(a)に示すように、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト32にビア孔7の形成位置と整合するように溝パターン32aを形成する。このとき、レジスト32下にはSOG膜31及び樹脂9が存するため、優れた平坦性が確保され、正確なフォトリソグラフィーが可能となる。
【0086】
続いて、図13(b)に示すように、レジスト32をマスクとして、SOG膜31、樹脂9及びハードマスク4のSiN膜15をドライエッチングする。ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、SOG膜31がCF4:100sccm/CHF3:50sccm/50mT/300W、樹脂9がHH3:300sccm/100mT/200W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300Wとする。
【0087】
続いて、図13(c)に示すように、比較的低圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wの条件でアッシング処理し、レジスト32、SOG膜31及び樹脂9を除去する。このとき、当該アッシング処理によりFCP膜8も除去される。
【0088】
続いて、図13(d)に示すように、SiN膜15をマスクとして、C46:30sccm/O2:15sccm/Ar:300sccm/20mT/1500Wの条件で、SiO2膜14をドライエッチングする。
【0089】
続いて、図13(e)に示すように、SiO2膜14をマスクとして、CH22:20sccm/O2:10sccm/N2:50sccm/15mT/300Wの条件で、SiC膜13をドライエッチングする。
【0090】
続いて、図13(f)に示すように、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CF4:90sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500Wの条件で、第2の絶縁膜12をそのビア孔7の形成位置に整合するようにドライエッチングし、配線溝10を形成する。このとき、図13(g)に示すように、ビア孔7における第1の絶縁膜11の残りの部分及びエッチングストッパー膜2をドライエッチングし、下層配線1の表面の一部を露出させる。エッチングストッパー膜2のドライエッチングは、CH22:20sccm/O2:6sccm/N2:80sccm/15mT/150Wの条件で行う。このとき、配線溝10とビア孔7とが一体となって形成され、ビア孔7の高さが200nm程度、配線溝10の最小幅が100nm程度となる。その後、ウェットクリーニング処理を行う。
【0091】
しかる後、第1の実施形態と同様に、図7(a)〜(c)の各工程を経て、配線溝10及びビア孔7をバリアメタル膜23を介してCu膜25で埋め込み、下層配線1と電気的に接続されてなる、ビア部26a及び配線部26bからなる配線構造26を形成する。そして、図7(d)のように、配線構造26を覆うように、再びエッチングストッパー膜2を形成し、更なる上層の配線構造(不図示)を同様に形成する。ここで、下層配線1は下部の配線構造の配線部に相当することになる。
【0092】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、ビア孔7及び配線溝10をサブトレンチ形状やボーイング形状等の不都合を生ぜしめることなく正確に形成することが可能となり、ダマシン法により所望の配線構造を容易且つ確実に形成することができる。更に、3層構造レジスト33を用いることにより優れた平坦性が確保され、配線溝10の正確なフォトリソグラフィーが可能となる。これにより、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【0093】
(第5の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態とほぼ同様にデュアルダマシン法により配線構造を形成する一例を開示するが、配線間絶縁膜3の間に配線溝形成のためのエッチングストッパー膜を形成する点で相違する。なお便宜上、第1の実施形態で説明した構成部材等については同符号を記す。
【0094】
図14及び図15は、第5の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図14(a)に示すように、表面にMOSトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板(共に不図示)上に、Cu(又はその合金)からなる下層配線1を形成する。そして、プラズマCVD法等により下層配線1上にSiCからなりCuのバリアとしても機能するエッチングストッパー膜2を例えば膜厚30nm程度に形成し、この上にプラズマCVD法等によりSiOC系低誘電率材料からなる第1の絶縁膜11を例えば膜厚200nm程度に、SiCからなるエッチングストッパー膜41を例えば膜厚30nm程度に、無機ポーラス低誘電率材料としてNCSからなる第2の絶縁膜12を塗布法等により例えば膜厚150nm程度に順次積層して配線間絶縁膜42を形成し、更にプラズマCVD法等により例えば膜厚50nm程度のSiC膜13、例えば膜厚150nm程度のSiO2膜14及び例えば膜厚70nm程度のSiN膜15からなるハードマスク4を形成する。
【0095】
ここで、下層配線1もダマシン法により配線間絶縁膜42と同様の絶縁膜内に形成されたものである。また、配線間絶縁膜3では、第1の絶縁膜11は第2の絶縁膜12よりも膜強度がが、誘電率も若干高い。しかしながら、後述するようにビア孔7の高さを配線溝10の最小幅よりも1.5倍以上、本実施形態では前者を200nm程度、後者を100nm程度とする。これにより、配線間絶縁膜の誘電率が高くなることに起因する配線遅延は生じなくなる。
【0096】
続いて、図14(b)に示すように、有機反射防止膜5を膜厚80nm程度に、レジスト6を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト6に孔パターン6aを形成する。
【0097】
続いて、図14(c)に示すように、レジスト6をマスクとして、有機反射防止膜5、ハードマスク4、及び配線間絶縁膜42の第1の絶縁膜11の途中までドライエッチングし、ビア孔7を形成する。このとき、第12の絶縁膜11をエッチングする際のエッチングガスにより、ビア孔7の側壁には膜厚2nm〜3nm程度のFCP膜8が形成される。
【0098】
ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜5がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/Ar:50sccm/20mT/300W、SiO2膜14がC46:30sccm/O2:20sccm/Ar:300sccm/30mT/1500W、SiC膜13がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300W、第2の絶縁膜12がCH4:60sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500W、エッチングストッパー膜41がCH22:30sccm/O2:10sccm/N2:100sccm/20mT/300W、第1の絶縁膜11がC46:20sccm/O2:18sccm/N2:20sccm/Ar:300sccm/50mT/1000Wとする。
【0099】
続いて、図14(d)に示すように、高圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量100sccm、圧力250mT、投入パワー100Wの条件でアッシング処理し、レジスト6及び有機反射防止膜5を除去する。このとき当該アッシング処理により、FCP膜8も除去される。その後、ウェットクリーニング処理(水洗処理等)を行う。
【0100】
続いて、図14(e)に示すように、ビア孔7を埋め込むように、ハードマスク4上に樹脂9を膜厚0.6μm程度に成膜した後、200℃程度でキュア処理を行う。
【0101】
続いて、図14(f)に示すように、O2プラズマを用いて樹脂9の表層をエッチバックし、樹脂9をビア孔7内のみに残す。このときの処理条件は、O2を流量200sccm、圧力200mT、投入パワー150Wとする。
【0102】
続いて、図15(a)に示すように、有機反射防止膜21を膜厚80nm程度に、レジスト22を膜厚250nm程度に順次形成し、フォトリソグラフィー(ArF露光を含む)によりレジスト22にビア孔7の形成位置と整合するように溝パターン22aを形成する。
【0103】
続いて、図15(b)に示すように、レジスト22をマスクとして、有機反射防止膜21及びハードマスク4のSiN膜15をドライエッチングする。ここで、各膜のエッチング条件としては、当該条件を、各エッチングガス及びその流量(sccm)/圧力(mT)/投入パワー(W)として、有機反射防止膜21がCH4:100sccm/50mT/500W、SiN膜15がCH22:20sccm/O2:5sccm/N2:50sccm/20mT/300Wとする。
【0104】
続いて、図15(c)に示すように、比較的低圧で低パワーのアッシング処理、具体的にはO2を流量200sccm、圧力30mT、投入パワー100Wの条件でアッシング処理し、レジスト22、有機反射防止膜21及び樹脂9を除去する。
【0105】
続いて、図15(d)に示すように、SiN膜15をマスクとして、C46:30sccm/O2:15sccm/Ar:300sccm/20mT/1500Wの条件で、SiO2膜14をドライエッチングする。
【0106】
続いて、図15(e)に示すように、SiO2膜14をマスクとして、CH22:20sccm/O2:10sccm/N2:50sccm/15mT/300Wの条件で、SiC膜13をドライエッチングする。
【0107】
続いて、図15(f)に示すように、エッチングストッパー膜41を用い、SiO2膜14及びSiC膜13をマスクとして、CF4:90sccm/CHF3:100sccm/N2:10sccm/200mT/500Wの条件で、第2の絶縁膜12をそのビア孔7の形成位置に整合するようにドライエッチングし、配線溝10を形成する。このとき、図15(g)に示すように、ビア孔7における第1の絶縁膜11の残りの部分及びエッチングストッパー膜2をドライエッチングし、下層配線1の表面の一部を露出させる。エッチングストッパー膜2のドライエッチングは、CH22:20sccm/O2:6sccm/N2:80sccm/15mT/150Wの条件で行う。このとき、配線溝10とビア孔7とが一体となって形成され、ビア孔7の高さが200nm程度、配線溝10の最小幅が100nm程度となる。その後、ウェットクリーニング処理を行う。
【0108】
しかる後、第1の実施形態と同様に、図7(a)〜(c)の各工程を経て、配線溝10及びビア孔7をバリアメタル膜23を介してCu膜25で埋め込み、下層配線1と電気的に接続されてなる、ビア部26a及び配線部26bからなる配線構造26を形成する。そして、図7(d)のように、配線構造26を覆うように、再びエッチングストッパー膜2を形成し、更なる上層の配線構造(不図示)を同様に形成する。ここで、下層配線1は下部の配線構造の配線部に相当することになる。
【0109】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、ビア孔7及び配線溝10をサブトレンチ形状やボーイング形状等の不都合を生ぜしめることなく正確に形成することが可能となり、ダマシン法により所望の配線構造を容易且つ確実に形成することができる。更に、第2の絶縁膜12に配線溝10を形成する際に、エッチングストッパー膜41を用いることにより、配線溝10を正確に第2の絶縁膜12のみに配線溝10を形成することができる。これにより、半導体集積回路における微細化及び高速化に寄与することができる。
【0110】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0111】
(付記1)基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
第1のエッチングガスを用いて、前記第2の絶縁膜をエッチングする工程と、
第2のエッチングガスを用いて、前記第1の絶縁膜をエッチングするとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜におけるエッチング部位の内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と
を含むことを特徴とするエッチング方法。
【0112】
(付記2)前記第2のエッチングガスがC46、C58及びC48のうちの少なくとも1種を含有するガスであることを特徴とする付記1に記載のエッチング方法。
【0113】
(付記3)前記第1の絶縁膜は、前記第2の絶縁膜よりも膜強度が高いことを特徴とする付記1又は2に記載のエッチング方法。
【0114】
(付記4)前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との間に、エッチングストッパー膜を形成することを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【0115】
(付記5)基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、
第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、
第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、
前記第1のエッチングマスクを除去する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、
前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のエッチングマスクを除去する工程と、
前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする絶縁膜のパターニング方法。
【0116】
(付記6)前記第2のエッチングガスがC46、C58及びC48のうちの少なくとも1種を含有するガスであることを特徴とする付記5に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0117】
(付記7)前記第1の絶縁膜は、前記第2の絶縁膜よりも膜強度が高いことを特徴とする付記5又は6に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0118】
(付記8)前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との間に、エッチングストッパー膜を形成することを特徴とする付記5〜7のいずれか1項に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0119】
(付記9)前記第1のエッチングマスクを除去するとともに、前記フルオロカーボンポリマー膜を除去することを特徴とする付記5〜8のいずれか1項に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0120】
(付記10)前記第1のエッチングマスクを除去する際には前記フルオロカーボンポリマー膜を残存させておき、前記第2のエッチングマスクを除去するとともに、前記フルオロカーボンポリマー膜を除去することを特徴とする付記5〜8のいずれか1項に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0121】
(付記11)前記第2のエッチングマスクを除去した後、水洗処理を行うことを特徴とする付記10に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0122】
(付記12)前記第1のエッチングマスクを除去した後、前記第2のエッチングマスクを形成する前に、前記第1のパターンを充填材料で埋め込み、前記第2のエッチングマスクを除去するとともに、前記充填材料を除去することを特徴とする付記5〜11のいずれか1項に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0123】
(付記13)前記第1のエッチングマスク及び前記第2のエッチングマスクを、灰化処理により除去することを特徴とする付記5〜12のいずれか1項に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【0124】
(付記14)基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、
第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、
第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、
前記第1のパターン内を埋め込み前記第1のエッチングマスクを覆うように充填材料を形成する工程と、
前記ハードマスク上の前記充填材料及び前記第1のエッチングマスクをエッチングにより共に除去する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、
前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のエッチングマスク、前記フルオロカーボンポリマー膜及び前記充填材料を共に除去する工程と、
前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜のみをエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする絶縁膜のパターニング方法。
【0125】
(付記15)前記第2のエッチングマスク、前記フルオロカーボンポリマー膜及び前記充填材料を灰化処理により共に除去することを特徴とする付記14に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】エッチングガスとしてC46を含有するガスを用いて、ポーラスシリカにビア孔をエッチング形成する場合の問題点を示す概略断面図である。
【図2】エッチングガスとしてCF4を含有するガスを用いて、ポーラスシリカにビア孔をエッチング形成する場合の問題点を示す概略断面図である。
【図3】本発明の基本骨子を説明するための概略断面図である。
【図4】CF4を含有するエッチングガスのみを用いた場合に不都合が発生した様子を示す概略断面図である。
【図5】第1の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図6】図5に引き続き、第1の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図7】図6に引き続き、第1の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図8】第2の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図9】図8に引き続き、第2の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図10】第3の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図11】図10に引き続き、第3の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図12】第4の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図13】図12に引き続き、第4の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図14】第5の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【図15】図14に引き続き、第5の実施形態による配線構造の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0127】
1,101 下層配線
2,41,102 エッチングストッパー膜
3,42,103,111 配線間絶縁膜
4,104 ハードマスク
5,21,105 有機反射防止膜
6,22,32 レジスト
6a 孔パターン
7,107 ビア孔
107a 底面
8,108 FCP(フルオロカーボンポリマー)膜
9 樹脂
10,109 配線溝
107b,109a 側壁
11,112 第1の絶縁膜
12,113 第2の絶縁膜
13 SiC膜
14 SiO2
15 SiN膜
22a 溝パターン
23 バリアメタル膜
24 Cuシード膜
25 Cu膜
26 配線構造
26a ビア部
26b 配線部
31 SOG膜
33 3層構造レジスト
106 レジストマスク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
第1のエッチングガスを用いて、前記第2の絶縁膜をエッチングする工程と、
第2のエッチングガスを用いて、前記第1の絶縁膜をエッチングするとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜におけるエッチング部位の内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と
を含むことを特徴とするエッチング方法。
【請求項2】
前記第2のエッチングガスがC46、C58及びC48のうちの少なくとも1種を含有するガスであることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、
第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、
第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、
前記第1のエッチングマスクを除去する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、
前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のエッチングマスクを除去する工程と、
前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする絶縁膜のパターニング方法。
【請求項4】
前記第2のエッチングガスがC46、C58及びC48のうちの少なくとも1種を含有するガスであることを特徴とする請求項3に記載の絶縁膜のパターニング方法。
【請求項5】
基板の上方に、SiOC系の低誘電率絶縁材料からなる第1の絶縁膜と、多孔質の無機低誘電率絶縁材料からなる第2の絶縁膜とを順次積層する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、ハードマスク及び所定の有機膜からなる第1のエッチングマスクを形成する工程と、
第1のエッチングガスを用いて前記第2の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に第1のパターンを形成する工程と、
第2のエッチングガスを用いて前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記第2の絶縁膜に続いて前記第2の絶縁膜に前記第1のパターンを形成するとともに、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜における前記第1のパターンの内壁面にフルオロカーボンポリマー膜を形成する工程と、
前記第1のパターン内を埋め込み前記第1のエッチングマスクを覆うように充填材料を形成する工程と、
前記ハードマスク上の前記充填材料及び前記第1のエッチングマスクをエッチングにより共に除去する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、所定の有機膜からなる第2のエッチングマスクを少なくとも形成する工程と、
前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクに第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のエッチングマスク、前記フルオロカーボンポリマー膜及び前記充填材料を共に除去する工程と、
前記ハードマスクを用いて前記第2の絶縁膜のみをエッチングし、前記第2の絶縁膜に前記第2のパターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする絶縁膜のパターニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−41186(P2006−41186A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219002(P2004−219002)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】