エラストマー、並びに感光性組成物、感光性フィルム、及び永久パターン形成方法
【課題】 熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられるアルカリ可溶性、光架橋性のエラストマー、及び該エラストマーを含む感光性組成物等の提供。
【解決手段】 (A)ジイソシアネート化合物と、(B)分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含有するジオール化合物と、(C)分子内に少なくとも1つの不飽和基を含有するジオール化合物と、(D)重量平均分子量が800以上の高分子量ジオール化合物とを含み、全ジオール化合物の合計モル量に対し1.0〜2倍のモル量の前記(A)ジイソシアネート化合物を反応させて得られ、前記(D)成分の高分子量ジオール化合物の含有率が、3〜20モル%であるエラストマー、及び該エラストマーを含む感光性組成物である。
【解決手段】 (A)ジイソシアネート化合物と、(B)分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含有するジオール化合物と、(C)分子内に少なくとも1つの不飽和基を含有するジオール化合物と、(D)重量平均分子量が800以上の高分子量ジオール化合物とを含み、全ジオール化合物の合計モル量に対し1.0〜2倍のモル量の前記(A)ジイソシアネート化合物を反応させて得られ、前記(D)成分の高分子量ジオール化合物の含有率が、3〜20モル%であるエラストマー、及び該エラストマーを含む感光性組成物である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ジイソシアネート化合物と、(B)分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含有するジオール化合物と、(C)分子内に少なくとも1つの不飽和基を含有するジオール化合物と、(D)重量平均分子量が800以上の高分子量ジオール化合物とを含み、全ジオール化合物の合計モル量に対し1.0〜2倍のモル量の前記(A)ジイソシアネート化合物を反応させて得られ、
前記(D)成分の高分子量ジオール化合物の含有率が、3〜20モル%であることを特徴とするエラストマー。
【請求項2】
(A)下記一般式(I)で表されるジイソシアネート化合物と、
(B)下記一般式(II−1)から(II−3)のいずれかで表される少なくとも1種のカルボン酸基含有ジオール化合物、(C)下記一般式(III−1)から(III−2)のいずれかで表される少なくとも1種のエポキシアクリレート化合物、及び(D)下記一般式(IV−1)から(IV−5)のいずれかで表される少なくとも1種のジオール化合物、とを反応させて得られる反応物である請求項1に記載のエラストマー。
【化1】
ただし、前記一般式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい二価の脂肪族炭化水素基及び置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基のいずれかを表す。
【化2】
【化3】
【化4】
ただし、前記一般式(II−1)、(II−2)、及び(II−3)中、R2は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリーロキシ基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。R3、R4、及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、アルキレン基、及びアリーレン基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよく、R2、R3、R4、及びR5のうちの2又は3個で環を形成してもよい。Arは、置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を表す。
【化5】
【化6】
ただし、前記一般式(III−1)及び(III−2)中、R8は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R9〜R16は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R17〜R32は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
ただし、前記一般式(IV−1)〜(IV−5)中、R33、R34、R35、R36及びR37は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれアルキレン基、及びアリーレン基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。R38は、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基のいずれかを表し、これらは、置換基により更に置換されていてもよい。R39は、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mは、2〜4の整数を示す。n1、n2,n3、n4及びn5は、それぞれ2以上の整数を表す。n6は、0又は2以上の整数を表す。
【請求項3】
(A)成分:(B)成分:(C)成分:(D)成分が、それぞれ33〜50モル%:16〜33モル%:7〜40モル%:3〜20モル%の割合で共重合され、かつ前記(A)成分の総モル数と、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分の合計総モル数との比が1.0〜2.0である請求項1から2のいずれかに記載のエラストマー。
【請求項4】
酸価が20〜70mgKOH/gであり、かつ臭素価が2〜50gBr2/100gである請求項1から3のいずれかに記載のエラストマー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のエラストマーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱架橋剤と、着色剤とを含有することを特徴とする感光性組成物。
【請求項6】
熱架橋剤が、エポキシ化合物及び多官能オキセタン化合物のいずれかである請求項5に記載の感光性組成物。
【請求項7】
無機充填剤を含む請求項5から6のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項8】
支持体と、該支持体上に、請求項5から7のいずれかに記載の感光性組成物が積層されてなる感光層と、を有することを特徴とする感光性フィルム。
【請求項9】
請求項8に記載の感光性フィルムにおける、感光層を、基体の表面に転写した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項10】
請求項5から7のいずれかに記載の感光性組成物を、基体の表面に塗布し、乾燥して感光層を積層して積層体を形成した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項11】
露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項9から10のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項12】
露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項9から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項13】
非球面が、トーリック面である請求項11から12のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項14】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項9から13のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項15】
硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである請求項14に記載の永久パターン形成方法。
【請求項16】
保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項9から15のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項1】
(A)ジイソシアネート化合物と、(B)分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含有するジオール化合物と、(C)分子内に少なくとも1つの不飽和基を含有するジオール化合物と、(D)重量平均分子量が800以上の高分子量ジオール化合物とを含み、全ジオール化合物の合計モル量に対し1.0〜2倍のモル量の前記(A)ジイソシアネート化合物を反応させて得られ、
前記(D)成分の高分子量ジオール化合物の含有率が、3〜20モル%であることを特徴とするエラストマー。
【請求項2】
(A)下記一般式(I)で表されるジイソシアネート化合物と、
(B)下記一般式(II−1)から(II−3)のいずれかで表される少なくとも1種のカルボン酸基含有ジオール化合物、(C)下記一般式(III−1)から(III−2)のいずれかで表される少なくとも1種のエポキシアクリレート化合物、及び(D)下記一般式(IV−1)から(IV−5)のいずれかで表される少なくとも1種のジオール化合物、とを反応させて得られる反応物である請求項1に記載のエラストマー。
【化1】
ただし、前記一般式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい二価の脂肪族炭化水素基及び置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基のいずれかを表す。
【化2】
【化3】
【化4】
ただし、前記一般式(II−1)、(II−2)、及び(II−3)中、R2は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリーロキシ基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。R3、R4、及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、アルキレン基、及びアリーレン基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよく、R2、R3、R4、及びR5のうちの2又は3個で環を形成してもよい。Arは、置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を表す。
【化5】
【化6】
ただし、前記一般式(III−1)及び(III−2)中、R8は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R9〜R16は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R17〜R32は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
ただし、前記一般式(IV−1)〜(IV−5)中、R33、R34、R35、R36及びR37は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれアルキレン基、及びアリーレン基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。R38は、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基のいずれかを表し、これらは、置換基により更に置換されていてもよい。R39は、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mは、2〜4の整数を示す。n1、n2,n3、n4及びn5は、それぞれ2以上の整数を表す。n6は、0又は2以上の整数を表す。
【請求項3】
(A)成分:(B)成分:(C)成分:(D)成分が、それぞれ33〜50モル%:16〜33モル%:7〜40モル%:3〜20モル%の割合で共重合され、かつ前記(A)成分の総モル数と、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分の合計総モル数との比が1.0〜2.0である請求項1から2のいずれかに記載のエラストマー。
【請求項4】
酸価が20〜70mgKOH/gであり、かつ臭素価が2〜50gBr2/100gである請求項1から3のいずれかに記載のエラストマー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のエラストマーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱架橋剤と、着色剤とを含有することを特徴とする感光性組成物。
【請求項6】
熱架橋剤が、エポキシ化合物及び多官能オキセタン化合物のいずれかである請求項5に記載の感光性組成物。
【請求項7】
無機充填剤を含む請求項5から6のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項8】
支持体と、該支持体上に、請求項5から7のいずれかに記載の感光性組成物が積層されてなる感光層と、を有することを特徴とする感光性フィルム。
【請求項9】
請求項8に記載の感光性フィルムにおける、感光層を、基体の表面に転写した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項10】
請求項5から7のいずれかに記載の感光性組成物を、基体の表面に塗布し、乾燥して感光層を積層して積層体を形成した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項11】
露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項9から10のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項12】
露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項9から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項13】
非球面が、トーリック面である請求項11から12のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項14】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項9から13のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項15】
硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである請求項14に記載の永久パターン形成方法。
【請求項16】
保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項9から15のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図21】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図46】
【図4】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図20d】
【図22】
【図23】
【図27b】
【図28】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図21】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図46】
【図4】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図20d】
【図22】
【図23】
【図27b】
【図28】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2007−16184(P2007−16184A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201347(P2005−201347)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
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