説明

オキサゾール部分又はチアゾリン部分を含む化合物、それらの製造方法及びそれらの使用

本発明は、オキサゾリン部分又はチアゾリン部分を含む化合物、それらを調製する方法、前記化合物を含む医薬組成物、及びH受容体リガンドとしてのそれらの使用に関し、(I)、Aは、CH C(CH)又はNであり、Rは、水素又はハロゲンであり、Rは(II)であり、AはO又はSであり、Rは、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、Rは、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH)n−NR12aであり、−O−(CH)n−NR12a12bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、Rは水素又は−O−(CHm−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、R及びRの少なくとも1つは−O−(CH)n−NR12/13a12/13b基でなければならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキサゾリン部分又はチアゾリン部分を含む化合物、それらを調製する方法、前記化合物を含む医薬組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミンH受容体は数年前から知られており、1983年にArrang,J.M.ら(Nature 1983、302、832)によって薬理学的に同定された。1999年のヒトヒスタミンH受容体のクローニング以来、ヒスタミンH受容体は、ラット、モルモット、マウス及びサルを含む様々な種からの配列相同性によるクローニングが成功している。
【0003】
ヒスタミンH受容体アゴニスト、アンタゴニスト及びインバースアゴニストは、例えばStark,H.による文献(Exp.Opin.Ther.Patents 2003、13、851)で記載の通り、潜在的な治療用途を示している。
【0004】
ヒスタミンH受容体は、哺乳動物の中枢神経系で主に発現するが、自律神経系でも見出すことができる。ヒスタミンH受容体は、内在性ヒスタミン又はH受容体アゴニストの不存在下で生じる高度な常時活性を示す証拠が示されている。したがって、ヒスタミンH受容体アンタゴニスト及び/又はインバースアゴニストはこの活性を阻害し得る。
【0005】
受容体サブタイプを含むヒスタミンH受容体の一般薬理は、Hancock、A.A(Life Sci.2003、73、3043)で概説されている。ヒスタミンH受容体はヒスタミン作動性ニューロンのシナプス前自己受容体と考えられるだけでなく、非ヒスタミン作動性ニューロンのヘテロ受容体とも考えられる(Barnes,W.ら、Eur.J.Pharmacol.2001、431、215)。実際、ヒスタミンH受容体は、ヒスタミンの放出、並びにアセチルコリン、ドーパミン、セロトニン、ノルエピネフリン及びγアミノ酪酸(GABA)を含むその他の重要な神経伝達物質の放出も制御することが示されている。
【0006】
したがって、ヒスタミンH受容体は、新規な治療薬の開発のために現在関心をもたれており、文献は、新規なヒスタミンH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストが、軽度認識障害(MCI)、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、認識力障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、癲癇、発作若しくは痙攣、睡眠覚醒障害、ナルコレプシー及び/又は肥満を含む中枢神経系の疾患又は病態を治療及び予防するのに有用であり得ることを示唆している。
【0007】
受容体リガンド単独又はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤との組合せは、Morisset,S.らにより、Eur.J.Pharmacol.1996、315、R1−R2で報告されている通り、コリン作動性欠損障害、軽度認識障害及びアルツハイマー病の治療にも有用であり得る。
【0008】
受容体リガンド単独又はヒスタミンH受容体アンタゴニストとの組合せは、McLeod、R.らにより、J.Pharmacol.Exp.Ther.2003、305、1037で報告されている通り、上気道アレルギー障害の治療に有用であり得る。
【0009】
国際特許出願WO02/072093で記載の通り、H受容体リガンド単独又はムスカリン様受容体リガンド、特にムスカリン様M受容体アンタゴニストとの組合せは、認識力障害、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害の治療に有用であり得る。
【0010】
受容体リガンドは、Passani,M.B.ら、Trends Pharmacol.Sci.2004、25(12)、618−25によれば、睡眠過剰及びナルコレプシーなどの睡眠覚醒及び覚醒不眠障害の治療にも有用であり得る。
【0011】
一般に、H受容体、特にH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、Hancock,A.A及びFox,G.B.により、Expert Opin.Invest.Drugs 2004、13、1237で概説されている通り、認識関連障害のすべてのタイプの治療に有用であり得る。
【0012】
特に、ヒスタミンH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、軽度認識障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患の認知障害の治療、並びに注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療に非精神刺激薬として有用であり得る(例えば、Witkin,J.M.ら、Pharmacol.Ther.2004、103(1)、1−20参照)。
【0013】
受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、統合失調症、偏頭痛などの精神病性障害、肥満などの摂食障害、炎症、疼痛、不安、ストレス、鬱病及び心血管障害、特に急性心筋梗塞の治療にも有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、H受容体リガンドとして潜在的に作用することができる新規な化合物の製造が求められている。
【0015】
初期の文献報告(例えば、Ali,S.M.ら、J.Med.Chem.1999、42、903及びDrugs Fut.1996、21、507)は、イミダゾールの作用は高親和性ヒスタミンH受容体リガンドに必須であると記載している。これは、例えば米国特許第6,506,756B2号、同第6,518,287B2号、同第6,528,522B2号及び同第6,762,186B2号で確認され、これらは、H受容体アンタゴニスト又は二重のヒスタミンH受容体及びH受容体アンタゴニスト活性を有する置換イミダゾール化合物に関する。
【0016】
国際特許出願WO02/12214は、ヒスタミン受容体媒介状態及び障害の治療に有用な非イミダゾールアリールオキシアルキルアミンを記載している。
【0017】
米国特許第4,992,433号は、抗ウイルス活性を有するオキサゾリン部分及びピリダジンアミン部分を含む化合物を記載している。
【0018】
Massa,S.らは、J.Med.Chem.1995、38、803において、抗ライノウイルス活性を有する、オキサゾリン部分を含むチエニル化合物及びピリル化合物を記載している。
【0019】
今回、意外にも、オキサゾリン部分又はチアゾリン部分を含む一定の化合物がH受容体リガンドとして作用することがあり、したがって上記の1種又は複数の病状の治療特性を示し得ることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化1】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、
【化2】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、−O−(CH−NR12a12bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、
或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、1又は2個のC1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
vは、1から4の整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシである場合、Rは−O−(CH−NR13a13bであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではない]に関する。
【0021】
星印は、置換基Rの結合点を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、直鎖状(非分枝状)、分枝状若しくは環状部分、又はそれらの組合せを有し、炭素原子1〜10個、好ましくは炭素原子1〜8個を含有する飽和1価炭化水素基を表す基であり、より好ましくは、アルキル基は炭素原子1〜6個を有し、最も好ましくはアルキル基は炭素原子1〜4個を有する。アルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ又はアリールからなる群から独立に選択される1から5個の置換基で置換されていてもよい。好ましいアルキル基は、メチル、イソプロピル、tert−ブチル及びシクロヘキシルメチルである。
【0023】
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、飽和環状炭化水素から誘導された、炭素原子3から8個、通常、炭素原子3から6個の1価の基を表し、これは、限定するものではないが、アルキル基について上記の通りの基から選択される1個又は複数の部分を含む任意の適切な基で置換されていてもよい。好ましいシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0024】
本明細書で使用する用語「アルキレン」は、式−(CH−の基を表し、ここで、xは1から10であり、好ましくは2から8であり、より好ましくは2から6である。
【0025】
本明細書で使用する用語「メチレン」は、式−CH−の基を表す。
【0026】
本明細書で使用する用語「アリール」は、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシから独立に選択される1から4個の置換基で置換されていてもよいフェニル基として定義する。好ましいアリールはフェニルである。
【0027】
本明細書で使用する用語「フェニル」は、式−Cの芳香族炭化水素基を表す。
【0028】
本明細書で使用する用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を表す。
【0029】
本明細書で使用する用語「ヒドロキシ」は、式−OHの基を表す。
【0030】
本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、式−ORの基を表し、ここで、Rは上記定義の通りのアルキル基である。好ましいアルコキシ基はメトキシである。
【0031】
本明細書で使用する用語「カルボニル」は、式C=Oの基を表す。
【0032】
本明細書で使用する用語「アミノ基」は、式−NH、NHR又はNRの基を表し、ここで、R及びRは、本明細書で上記定義の通りのアルキル基であり、又はNと一緒に結合して、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニル基を形成する。好ましいアミノ基はジメチルアミノ又は1−ピロリジニルである。
【0033】
本明細書で使用する用語「アミノアルキル」は、上記定義の通りのアミノ基で置換されたC1〜4アルキル基を表す。好ましいアミノアルキル基は2−ピロリジン−1−イルエチル及びピロリジン−1イルメチルである。
【0034】
本明細書で使用する用語「アリールアルキル」は、式−R−アリールの基を表し、ここで、RはC1〜4アルキレンである。好ましいアリールアルキル基はベンジルである。
【0035】
通常、Aは、CH、C(CH)又はNである。好ましくは、AはCH又はNである。特定の実施形態では、AはCHである。
【0036】
通常、AはO又はSである。より好ましくは、AはOである。特定の実施形態では、AはSである。
【0037】
通常、一実施形態では、Rは水素である。通常、別の実施形態では、Rは、水素又はフッ素である。
【0038】
好ましくは、Rは水素である。
【0039】
通常、一実施形態では、Rは水素又はハロゲンである。通常、別の実施形態では、Rは、水素、臭素、メチル又はメトキシである。
【0040】
好ましくは、Rは水素又は臭素である。より好ましくは、Rは水素である。
【0041】
通常、一実施形態では、Rは、水素又は−O−(CH−NR12a12bである。通常、別の実施形態では、Rは、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bである。好ましくは、Rは水素又は−O−(CH−NR12a12bである。より好ましくは、Rは水素である。
【0042】
通常、R12a及びR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい。好ましくは、−NR12a12bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択される。
【0043】
通常、nは2から5である。好ましくは、nは3に等しい。
【0044】
通常、Rは水素又は−O−(CHNR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい。
【0045】
好ましくは、Rは水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のメチルで置換されていてもよい。より好ましくは、Rは−O−(CH−NR13a13bである。
【0046】
通常、一実施形態では、R13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキル又はアミノ基で置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよい。通常、別の実施形態では、R13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキル、ジメチルアミノ又はピロリジン−1イルメチルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、この窒素原子はC1〜8アルキル又はピロリジン−1−イルエチルで置換されている。
【0047】
好ましくは、−NR13a13bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、2−メチルピロリジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、2−メチルピペリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3,5−ジメチルピペリジン−1−イル又は2,5−ジメチルピロリジン−1−イルからなる群から選択される。
【0048】
より好ましくは、−NR13a13bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択される。
【0049】
最も好ましくは、−NR13a13bは、1−ピペリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択される。本発明による特に好ましい実施形態では、−NR13a13bは2−メチルピロリジン−1−イルである。
【0050】
通常、mは2から5である。好ましくは、mは3に等しい。
【0051】
通常、一実施形態では、Rは水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよい。通常、別の実施形態では、Rは水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、アルキレンの1個のメチレンは、ベンジル、C3〜6シクロアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよい。
【0052】
好ましくは、Rは水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよい。
【0053】
より好ましくは、Rは水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよい。
【0054】
最も好ましくは、Rは水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよい。
【0055】
通常、一実施形態では、Rは、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル、又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、1個のメチレンは、アリールアルキル又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成する。通常、別の実施形態では、Rは、水素、C1〜8アルキル、フェニル、ベンジル又は(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、ベンジル、C3〜6シクロアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成する。
【0056】
好ましくは、Rは、水素、メチル、tert−ブチル、シクロヘキシルメチル、フェニル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。
【0057】
より好ましくは、Rは、メチル、tert−ブチル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。
【0058】
最も好ましくは、Rは、メチル、ピペリジン−1−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチルからなる群から選択され、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。
【0059】
通常、一実施形態では、R14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい。通常、別の実施形態では、R14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはメチル基で置換されていてもよい。好ましくは、−NR14a14bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル及び1−アゼパニルからなる群から選択される。
【0060】
通常、vは1から3の整数である。好ましくは、vは1又は2に等しい。最も好ましくは、vは1に等しい。
【0061】
通常、一実施形態では、Rは水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成する。通常、別の実施形態では、Rは水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成する。
【0062】
好ましくは、Rは水素であり、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。より好ましくは、Rは水素である。
【0063】
通常、一実施形態では、Rは水素又はアリールであり、又はRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成する。通常、別の実施形態では、Rは、水素又はフェニルであり、又はRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、又はRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成する。
【0064】
好ましくは、Rは水素又はフェニルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。
【0065】
より好ましくは、Rは水素であり、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する。
【0066】
最も好ましくは、Rは水素である。
【0067】
これらの好ましい基の1個又は複数の組合せが特に好ましい。
【0068】
通常、一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化3】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化4】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素又は−O−(CH−NR12a12bであり、
は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、1個のメチレンは、C3〜6シクロアルキル又はアリールアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキル、アミノ基で置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から5の整数であり、
vは、1から3の整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR13a13bであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではない]に関する。
【0069】
通常、別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化5】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はフッ素であり、
は、
【化6】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素、臭素、メチル又はメトキシであり、
は、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
は水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、ベンジル、C1〜8アルキル、又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、フェニル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、ベンジル、C1〜8アルキル又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、
は、水素又はフェニルであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキル、ジメチルアミノ基又はピロリジン−1イルメチルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは、C1〜8アルキル、C3〜6シクロアルキル又はピロリジン−1−イルエチルで置換されている窒素原子で置き換えられていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはメチルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から5の整数であり、
vは、1から3の整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ又はトリフルオロメチルである場合、Rは−O−(CH−NR13a13bであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではない]に関する。
【0070】
好ましくは、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化7】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化8】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素又は臭素であり、
は、水素又は−O−(CH−NR12a12bであり、
は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のメチルで置換されていてもよく、
は、水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、水素、メチル、tert−ブチル、シクロヘキシルメチル、フェニル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
は、水素又はフェニルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
−NR12a12bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、
−NR13a13bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、2−メチルピロリジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、2−メチルピペリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3,5−ジメチルピペリジン−1−イル又は2,5−ジメチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、
−NR14a14bは、1−ピペリジニル、1−アゼパニル又は1−ピロリジニルからなる群から選択され、
nは、3に等しく、
mは、3に等しい整数であり、
vは、1又は2に等しい整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR13a13bである]に関する。
【0071】
より好ましくは、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化9】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化10】


であり、
は、Oであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、−O−(CH−NR13a13bであり、
は、水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは、窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、メチル、tert−ブチル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
は、水素であり、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
−NR13a13bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、
−NR14a14bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は1−アゼパニルからなる群から選択され、
mは、3に等しい整数であり、
vは1又は2に等しい整数である]に関する。
【0072】
最も好ましくは、本発明は、式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化11】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化12】


であり、
は、Oであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、−O−(CHNR13a13bであり、
は、水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、メチル、ピペリジン−1−イルメチル又はピロリジン−1イルメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、水素であり、
は、水素であり、
−NR13a13bは、1−ピペリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、
mは、3に等しい整数である]に関する。
【0073】
本発明による式(I)の好ましい化合物は、
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−4−イソプロピルピペラジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−3,5−ジメチルピペリジン;
4,4−ジメチル−2−{3−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
1−(3−{4−[(4S,5R)−4−メチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−(3−{4−[(4R)−4−ベンジル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
2−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−{4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
4,4−ジメチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
5−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−{3−[3−ブロモ−4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
2−(4−{3−[2,5−ジメチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン;
1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
5−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−6−オキサ−4−アザスピロ[2.4]ヘプタ−4−エン;
(4S)−4−tert−ブチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
(3aR,7aR)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール;
(4S)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
(4S)−4−(シクロヘキシルメチル)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1−オキサ−3−アザスピロ[4.5]デカ−2−エン;
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
7−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナ−1−エン;
8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
5−[4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
5−[4−メチル−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
1−[(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アゼパン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[4−(1−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;及び
2−[4−(2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン
である。
【0074】
本発明による式(I)のより好ましい化合物は、
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−(3−{4−[(4R)−4−ベンジル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
2−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
4,4−ジメチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
(4S)−4−tert−ブチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
(3aR,7aR)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール;
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
7−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナ−1−エン;
8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
5−[4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
5−[4−メチル−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
1−[(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アゼパン;及び
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン
である。
【0075】
本発明による式(I)の最も好ましい化合物は、
4,4−ジメチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;及び
5−[4−メチル−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン
である。
【0076】
本発明による「薬学的に許容できる塩」には、式(I)の化合物が形成可能である治療上有効な非毒性の酸の塩形態が含まれる。
【0077】
塩基として遊離形態で出現する式(I)の化合物の酸付加塩形態は、遊離塩基を無機酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など;又は有機酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などの適切な酸で処理することによって得ることができる。
【0078】
逆に、前記塩形態は、適切な塩基で処理することにより遊離形態に変換できる。
【0079】
好ましい塩形態は、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、塩酸塩及びトリフルオロ酢酸塩である。
【0080】
式(I)の化合物及びそれらの塩は溶媒和物の形態であることができ、それらは本発明の範囲内である。そのような溶媒和物としては、例えば水和物、アルコレートなどがある。
【0081】
多くの式(I)の化合物及び一部のそれらの中間体は、それらの構造に少なくとも1個の立体中心を有する。この立体中心はR配置又はS配置で存在してよく、前記R及びSの表記はPure Appl.Chem.、45(1976)11−30で記載の規則に従って使用する。
【0082】
本発明はまた、式(I)の化合物の鏡像異性体及びジアステレオマーの形態又はそれらの混合物(立体異性体のすべての可能な混合物を含む)などのすべての立体異性体の形態に関する。
【0083】
本発明に関し、化合物(複数可)への言及は、特定の立体異性体形態が特に言及されない限り、その可能な立体異性体形態及びその混合物のそれぞれの化合物を包含することを意図する。
【0084】
本発明による化合物は、異なる多形形態で存在してもよい。上記の式では明記していないが、そのような形態は本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
本発明はまた、その範囲内に式(I)の化合物のプロドラッグ形態、並びにその種々の下位範囲及び下位群を含む。
【0086】
本明細書で使用する用語「プロドラッグ」には、例えば血液中での加水分解によって本発明による親化合物にin vivoで迅速に変換される化合物形態が含まれる。プロドラッグは、それらの薬理作用を示す前に生体内変化によって除去される基を担持する化合物である。そのような基は、それを担持する化合物からin vivoで容易に切断される部分を含み、その化合物は切断後に薬理学的に活性であり続けるか、活性になる。代謝的に切断可能な基は、当業者によく知られた基のクラスを形成する。それらには、限定するものではないが、アルカノイル(即ち、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、非置換及び置換炭素環アロイル(例えば、ベンゾイル、置換ベンゾイル、1−ナフトイル及び2−ナフトイル)、アルコキシカルボニル(例えば、エトキシカルボニル)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル及びトリエチルシリル)、ジカルボン酸と形成したモノエステル(例えばスクシニル)、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、スルホニル、スルフィニルなどのような基がある。代謝的に切断可能な基を担持する化合物は、代謝的に切断可能な基の存在により親化合物に付与された強化された溶解性及び/又は吸収率の結果として向上したバイオアベイラビリティーを示し得るという利点を有する。T.Higuchi及びV.Stella、「新規な送達システムとしてのプロドラッグ(Pro−drugs as Novel Delivery System)」、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;「薬物設計における生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987。
【0087】
A.一実施形態によれば、一般式(I)(Rは式(II)の基であり、Aは酸素原子である)の化合物は、以下、式(Ib)の化合物と呼び、スキーム1で示す通り、化合物(VII)から出発して式(III)の中間体を介するいくつかの反応ステップ後に得ることができる。
【0088】
【化13】

【0089】
通常、スキーム2で示す通り、式(III)の中間体は環化され、ある場合には式(III’)の中間体を介して式(Ia)の化合物になり、又は直接式(Ib)の化合物になる。次いで式(Ia)の化合物は、本明細書で以下に詳述する種々の条件を使用して式(Ib)の化合物に変換してもよい。
【0090】
【化14】

【0091】
別段の記載がない限り、
− 式(III)、(III’)、(Ia)及び(lb)の化合物について、A、R、R、R、R、R及びR、並びにR、R、R及びRの但書きは、式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである。式(IIl’)の化合物では、Xはハロゲン原子、好ましくは塩素又はスルホネート基である。本明細書で使用する用語「スルホネート基」は式−O−SO−Rの基を表し、ここで、Rは、本明細書で上記定義の通りのアルキル又はアリールである。好ましいスルホネート基は、メタンスルホネート又はパラ−トルエンスルホネート基である。
− 式(III)及び(III’)の化合物においてAがCHである場合、R’は式(I)の化合物について上記定義の通りのR、又は−O−(CH−Cl若しくは−O−CH−フェニルであり、R’は式(I)の化合物について上記定義の通りのR、又は−O−(CH−Cl若しくは−O−CH−フェニルであり、但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−NR12a12b又は−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13b又は−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、
− 式(Ia)の化合物においてAがCHである場合、R’はヒドロキシ又は−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、R’はヒドロキシ又は−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は、−O−(CH−Cl、−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、
− 式(III)及び(III’)の化合物においてAがNである場合、R’は式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りのR又は−O−(CH−Clであり、R’は式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りのR又は−O−(CH−Cl又はハロゲン原子である。R’又はR’がハロゲン原子である場合、それは好ましくは塩素原子である。
− 式(Ib)の化合物について、R及びRは式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである。
【0092】
好ましい実施形態では、Aは、中間体(III)、(III’)、(Ia)及び(Ib)のCHである。
【0093】
以下、スキーム2のステップ(i)、(ii)及び(iii)にそれぞれ言及する。
【0094】
ステップ(i)及び(ii):PhilippsらによるOrg.Lett.2000、2、1165及びそこで引用されている参考文献で記載の方法に従って、中間体(III)を塩化チオニル、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄又はDeoxo−fluor(登録商標)などの環化剤と反応させることによって環化させることができる。
【0095】
がNである場合、DormoyらによるTetrahedron 1993、49、2885又はZhangらによるJ.Med.Chem.2002、45、2832で記載の方法に従って環化させることができる。好ましくは、中間体(III)、(III’)及び(Ia)においてAがNである場合、R’はHであり、R’は塩素原子である。
【0096】
式(Ia)の化合物の式(Ib)の化合物への変換は、1つ又は複数のステップでR’基、R’基及びA基の性質に応じた種々の反応条件下、ステップ(iiia)、(iiib)、(iiic)、(iiid)及び(iiie)で以下に記載の条件に従って実施できる。
− ステップ(iiia):式(Ia)の中間体(AはCHであり、R’又はR’は−O−CH−フェニルである)を中間体(Ia)(R’又はR’は−OHである)と同じ一般式の中間体に、触媒、例えば木炭上パラジウム(Pd/C又はPd(OH)/C)を使用し、メタノール又はエタノールの存在下、水素雰囲気下で変換してもよい。
− ステップ(iiib):中間体(Ia)(AはCHであり、R’又はR’はOHである)を中間体(Ia)(AはCHであり、R’は−O−(CH−Clであり、又はR’は−O−(CH−Clである)に、それぞれ一般式−Y−(CH−Cl又はY−(CH−Cl(Yはフッ素を除くハロゲンである)のジ−ハロアルカンと塩基の存在下で反応させることにより変換してもよい。好ましくは、Yは臭素原子である。この反応は、WalshらによりJ.Med.Chem.1989、32、105で記載の方法に従って実施してもよい。
− ステップ(iiic):中間体(Ia)(AはCHであり、R’は−O−(CH−Clであり、又はR’は−O−(CH−Clである)をそれぞれHNR12a12b又はHNR13a13bとトリエチルアミン又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下、溶媒としてのアセトニトリル又はアセトン中で反応させて式(Ib)の化合物を得てもよい。この反応は、当業者に既知の慣用方法に従って実施してもよい。
− ステップ(iiid):中間体(Ia)(Aは窒素原子であり、R’又はR’はハロゲン原子、好ましくは塩素又は臭素原子である)をそれぞれ式HO−(CH−NR12a12b又はHO−(CH−NR13a13bのアミノアルコールと当業者に既知の慣用方法に従って反応させて化合物(Ib)を得る。別法として、カリウムt−ブチレート、炭酸セシウム又は水素化ナトリウムなどの塩基をジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランなどの溶媒と、パラジウム系又は銅系触媒の存在下で、Penningら、J.Med.Chem.2000、43、721で記載の方法に従って加えてもよい。
ステップ(iiie):中間体(Ia)(AはCHであり、R’又はR’はヒドロキシ基である)をそれぞれ式HO−(CH−NR12a12b又はHO−(CH−NR13a13bのアミノアルコールと当業者に既知の慣用方法に従って反応させて化合物(Ib)を得る。別法として、ジエチルアゾジカルボキシレートをトリフェニルホスフィンの存在下、ジクロロメタンなどの溶媒中で使用してもよい。
【0097】
アミノ−アルコールHO−(CH−NR12a12b及びHO−(CH−NR13a13bは、対応するアミノエステルから当業者に既知の慣用方法に従って、例えば溶媒としてテトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤を使用して合成してもよい。前記アミノエステルは、対応するハロエステルから、G.MeierらによるEur.J.Pharm.Sci.、C.2001、13、249で記載の方法に従って得る。別法として、前記アミノ−アルコールは、β−ハロ−アルコールを式HNR12a12b又はHNR13a13bのアミンと反応させることによって調製してもよい。
【0098】
B.別法として、式(Ib)の化合物(AはCH又は窒素原子であり、RはH又はメチル基であり、R及びRは水素であり、Rは−(CH−NR14a14bであり、vは1であり、その他の基は一般式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである)は、以下、化合物(Ic)と呼び、式(IV)の中間体からスキーム3、スキーム4及びスキーム4’で示した通りに合成できる。
【0099】
化合物(IV)、(V)、(VI)、(VIa)及び(Vlb)では、R及びRは式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである。化合物(IV)、(V)及び(VI)では、R’が塩素原子であることはできないことを除いて、R’及びR’は式(I)の化合物のR及びRについてそれぞれ本明細書で上記定義の通りである。化合物(VIa)及び(VIb)では、R及びRは一般式(I)の化合物について定義の通りである。
【0100】
R’はC1〜4アルキル、好ましくはメチルである。
【0101】
Y’はハロゲン原子、好ましくは塩素原子、又はスルホネート基、好ましくはメタンスルホネート若しくはパラ−トルエンスルホネートである。
【0102】
以下のスキーム3及び4において、AはCHであり、R’は好ましくは水素原子であり、R’は好ましくは−O−(CH)m−NR13a13bである。
【0103】
【化15】

【0104】
以下、スキーム3のステップ(iv)及び(v)にそれぞれ言及する。
− ステップ(iv):スキーム2のステップ(i)及び(ii)で上記の方法に従って式(IV)の中間体を反応させることにより式(V)の中間体を得る。
− ステップ(v):次いで、当業者に既知の慣用方法に従って式(V)の中間体を還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素リチウムと反応させる。
【0105】
【化16】

【0106】
以下、スキーム4のステップ(vi)及び(vii)にそれぞれ言及する。
− ステップ(vi)及び(vii):KlineらによるJ.Med.Chem.、2002、45、3112で記載の方法に従って、中間体(VIa)を活性化剤、例えば塩化メタンスルホニルと、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で反応させ、HNR14a14bとさらに反応させて化合物(Ic)を得る。中間体化合物(VIb)は単離しても、ステップ(vii)で即座に用いてもよい。
【0107】
別法として、式(Ic)の化合物(Aは窒素原子であり、R’及びR’はR及びRについて本明細書でそれぞれ上記定義の通りであり、RはH又はメチル基であり、R及びRは水素であり、Rは−(CH−NR14a14bであり、vは1であり、その他の基は一般式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである)は、式(VIa)の中間体からスキーム4’で示した通りに合成できる。
【0108】
【化17】

【0109】
以下、スキーム4’のステップ(via)及び(viia)にそれぞれ言及する。
− ステップ(via):式(VIa’)の中間体を塩化オキサリルなどの酸化剤と、ジメチルスルホキシド及びトリエチルアミンの存在下、ジクロロメタンなどの溶媒中で当業者に既知の慣用方法に従って反応させることにより式(VIc’)の化合物を得る。
− ステップ(viia):式(VIc’)の化合物をHNR14a14bと、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下、ジクロロメタンなどの溶媒中、当業者に既知の慣用方法に従って反応させて化合物(Ic’)を得る。
【0110】
式(VIa)の化合物(Aは窒素原子であり、R’は塩素であり、又はR’は臭素である)を式HO−(CH−NR12a12b又はHO−(CH−NR13a13bのアミノアルコールと、スキーム2のステップ(iiid)で記載の方法に従ってそれぞれ反応させて化合物(VIa)(本明細書でそれぞれ上記定義の通り、R’はRであり、R’はRである)を得る。
【0111】
C.式(III)の中間体をスキーム5の反応に従って、又は別法としてスキーム7の反応に従って合成できる。
【0112】
別段の記載がない限り、中間体(III)の基と同様の言及を有する化合物(VII)及び(VIII)の基は、本明細書で中間体(III)について上記定義の通りである。Y”はヒドロキシ又はハロゲンであり、前記ハロゲンは好ましくは塩素原子である。
【0113】
【化18】

【0114】
以下、スキーム5のステップ(viii)に言及する。
【0115】
Y”がヒドロキシ基である場合、化合物(VII)と(VIII)を、カップリング剤、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩及び活性化剤、例えばN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールの存在下、当業者に既知の慣用方法に従って反応させる。
【0116】
別法として、化合物(VII)(Y”はヒドロキシ基である)を対応する塩化アシルに、塩化チオニルなど当業者に既知の慣用方法を使用して変換して化合物(VII)(Y”は塩素原子である)を得、次いで前記化合物(VII)を(VIII)と、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で反応させて中間体(III)を得る。
【0117】
別の実施形態では、ステップ(viii)で上記の反応条件を化合物(VII)(Aは窒素原子であり、R’は水素であり、R’は塩素原子である)に適用できる。
【0118】
化合物(VII)(R’は−O−(CH−NR12a12b又はR’は−O−(CH−NR13a13bであり、Y”はヒドロキシである)は、式(VII)の対応するエステル中間体(Y”は、C1〜4アルコキシ、好ましくはメトキシである)を当業者に既知の慣用方法に従って加水分解することによって得ることができる。
【0119】
式(VII)の前記エステル中間体(R’及びR’は上記の通りである)は、以下、化合物(VII)と呼び、スキーム6に従って得ることができる。
【0120】
【化19】

【0121】
以下、スキーム6のステップ(iiib)及び(iiic)にそれぞれ言及する。
【0122】
中間体(VII)は、対応するエステル(VII”)(R’は−O−(CH−Cl又はR’は−O−(CH−Clである)をそれぞれ式HNR12a12b又はHNR13a13bのアミンと、スキーム2のステップ(iiic)について本明細書で上記の通り反応させることによって得ることができる。
【0123】
次に、エステル中間体(VII”)は、化合物(VII’)(R’又はR’は−OHである)から(VII’)をそれぞれ一般式−Y−(CH−Cl又はY−(CH−Clのジ−ハロアルカンと、スキーム2のステップ(iiib)について本明細書で上記の通り反応させることによって調製できる。
【0124】
別段の記載がない限り、中間体(III)の基と同じ言及を有する中間体(VII)、(VII’)及び(VII”)の基は、中間体(III)について定義の通りである。
【0125】
一部の化合物(VIII)は市販されているか、対応するアミノエステルを還元剤、例えば水素化ホウ素リチウムと当業者に既知の慣用方法に従って反応させることにより得る。
【0126】
中間体(IV)は、式(VII)の化合物を式(VIII)の化合物(R、R及びRは水素であり、Rは−COOR’である)と、中間体(III)についてスキーム4で記載の条件に従って反応させることにより得ることができる。
【0127】
別の特定の実施形態では、中間体(III)についてのスキーム4’で記載の条件に従って、Aは窒素原子であり、Rはメチル基であり、R及びRは水素であり、Rは−CH−OHである。
【0128】
本発明の特定の実施形態では、中間体(III)(AはCHであり、R及びRは水素であり、RとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよい)は、スキーム7に従って得ることができる。
【0129】
別段の記載がない限り、中間体(III)の基と同じ言及を有する中間体(IX)及び(X)の基は、中間体(III)について定義の通りである。R’はC1〜4アルキル、好ましくはメチルである。
【0130】
【化20】

【0131】
以下、スキーム7のステップ(ix)及び(x)にそれぞれ言及する。
【0132】
ステップ(ix):スキーム7のステップ(ix)の条件は、スキーム5のステップ(viii)について本明細書で上記の通りである。
【0133】
ステップ(x):式(X)の中間体を還元剤と、スキーム3でステップ(v)について記載の方法に従って反応させる。
【0134】
アミノ−エステル(IX)は市販されているか、市販の対応するアミノ酸から当業者に既知の慣用方法に従って得ることができる。別法として、アミノ−エステル(IX)は、Albert、J.S.らによるJ.Med.Chem.2002、45、3972で記載の方法に従って合成してもよい。
【0135】
D.当業者は、適切な場合、スキーム2から7で記載の方法の任意のものを適用して式(I)の化合物(AはOであり、Rは(II)である)を合成し、式(I)の化合物(Rは(II)であり、Aは硫黄である)を合成するであろう。
【0136】
別法として、前記化合物は、以下、式(Ic’)の化合物と呼び、スキーム8に従って中間体(III)から得ることができる。
【0137】
【化21】

【0138】
以下、スキーム8のステップ(iiic)及びステップ(xi)にそれぞれ言及する。
【0139】
中間体(III)(R’は−O−(CH−Clであり、R’は−O−(CH−Clである)は、中間体(IIIa)(R’及びR’は、式(I)の化合物について本明細書でそれぞれR及びRについて上記定義の通りである)に、スキーム2で上記のステップ(iiia〜c)で記載の条件に従って変換してもよい。
【0140】
ステップ(xi):式(IIIa)の中間体は、式(Ic’)の化合物に、T.NishioらによるJ.Org.Chem.1997、62、1106で記載のローソン試薬などの硫黄放出剤と反応させることによって、又は当業者に既知の任意のその他の慣用方法によって式(Ic’)の化合物に変換してもよい。
【0141】
別段の記載がない限り、スキーム2から8で示した化合物の好ましい基、より好ましい、最も好ましいR、R、R、R、R、R、R、R、R、R12a、R12b、R13a、R13b、R14a及びR14b基は、本明細書で一般式(I)の化合物について上記定義の通りである。
【0142】
E.別の実施形態によれば、一般式(I)の一部の化合物は、官能基の変換によって調製してもよい。
【0143】
E.1 式(Ib)の化合物(Aは、CH、R、R、R、R、R、R12a、R12b、R13a、R13b、R14a及びR14b基は、一般式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りであり、R及びRは水素であり、RとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよい)は、式(Ib)の化合物から得てもよく、ここで、ベンジル基で置換された上記窒素原子は当業者に既知の慣用方法を使用して脱保護される。次いで、そのような反応で得られた対応するNH官能基に炭酸カリウムなどの塩基の存在下、アセトニトリル中でC1〜8アルキルハライド、好ましくは臭化シクロペンチルを作用させて化合物(Ib)を得る。
【0144】
E.2 式(Ib)の化合物(Aは、CH、R、R、R、R、R12a、R12b、R13a、R13b、R14a及びR14b基は一般式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りであり、Rはハロゲン、好ましくは臭化物である)は、式(Ib)の化合物(Rは水素である)をn−ブチルリチウムなどの塩基及び臭素などのハロゲン放出剤でテトラヒドロフラン中、低温で処理することによって得てもよい。
【0145】
特定の実施形態では、本発明は、式(III)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化22】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、−O−CH−フェニル;又は−O−(CH−Cl若しくは−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素、ハロゲン、−O−CH−フェニル、−O−(CH−Cl又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いは
とRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
vは、1から4の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は、−O−(CH−NR12a12b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではなく、但し、式(III)の前記化合物は、4−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド及び6−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ニコチンアミドではない]に関する。
【0146】
特定の実施形態では、本発明は、式(III)の化合物(RとRが一緒に結合しない場合、RはRとは異なる)に関する。
【0147】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(III)の化合物に関し、ここで、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−Cl又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素、ハロゲン、−O−(CH−Cl又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい。
【0148】
好ましくは、AはCH又はC(CH3)である。より好ましくは、AはCHである。
【0149】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(IV)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化23】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
R’は、C1〜4アルキルであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]に関する。
【0150】
好ましくは、R’はメチルである。
【0151】
好ましくは、AはCH又はC(CH)である。より好ましくは、AはCHである。
【0152】
好ましくは、R’は水素であり、R’は−O−(CH−NR13a13bである。
【0153】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(V)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化24】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
R’は、C1〜4アルキルであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]に関する。
【0154】
好ましくは、AはCH又はC(CH)である。より好ましくは、AはCHである。
【0155】
好ましくは、R’は水素であり、R’は−O−(CH−NR13a13bである。
【0156】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(VI)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化25】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はメチルであり、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素の場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]に関する。
【0157】
好ましくは、R’は水素であり、R’は−O−(CH−NR13a13bである。
【0158】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(VII)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化26】


[式中、
は、CH、C(CH3)又はNであり、
は、O又はSであり、
Y”は、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1〜4アルコキシであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、−O−CH−フェニル;又は−O−(CH−Cl若しくは−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素、ハロゲン、−O−CH−フェニル、−O−(CH−Cl又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は、−O−(CH−NR12a12b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は、−O−(CH−NR13a13b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、
但し、式(VII)の前記化合物は、4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸メチル、4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸、4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイルクロリド、3−(3−クロロプロポキシ)安息香酸メチル、4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチル、3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチル、4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチル、4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸及び4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸ではない]に関する。
【0159】
好ましくは、AはCH又はC(CH)である。より好ましくは、AはCHである。
【0160】
好ましくは、AはOである。
【0161】
Y”は好ましくは、ヒドロキシ、塩素原子又はメトキシである。
【0162】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(Ia)の合成中間体化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化27】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、−O−CH−フェニル、又は−O−(CH−Clであり、
’は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−O−CH−フェニル又は−O−(CHClであり、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
vは、1から4の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は、−O−(CH−Cl、−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではなく、
但し、式(Ia)の前記化合物は、2−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール、(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール、2−クロロ−5−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)ピリジン及び2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール及び4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2イル)フェノールではない]に関する。
【0163】
特定の実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物(RとRが一緒に結合しない場合、RはRとは異なる)に関する。
【0164】
好ましくは、AはCHである。
【0165】
別の特定の実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物に関し、ここで、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−Clであり、R’は、水素、ハロゲン又は−O−(CH−Clであり、但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−Clであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−Clである。
【0166】
特定の態様では、本発明は、一般式(Ib)の化合物
【化28】


[式中、A、R、R、R、R、R、R、R、R及び但書きは、式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである]に関する。
【0167】
別の特定の態様では、本発明は、一般式(Ic)の化合物
【化29】


[式中、A、R、R、R、R、R及び但書きは、式(I)の化合物について本明細書で上記定義の通りである]に関する。
【0168】
さらなる実施形態では、本発明は、
4−[(ベンジルオキシ)メチル]−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ベンズアミド;
3−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)−3−ピロリジン−1−イルプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルプロピル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
6−クロロ−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ニコチンアミド;
4−(3−クロロプロポキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド;
N−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンゾイル]セリン酸メチル;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチル;
{2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル}メタノール;
3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチル;
4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
4−[3−(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸;
3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸;
4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
4−[3−(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5}デカ−1−エン;
4−(3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン−2−イル)フェノール;
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[3−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
[2−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]メタノール;
(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メタノール;
4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボアルデヒド;
4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸塩酸塩;
3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル;
1−ベンジル−4−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピペリジン−4−カルボン酸メチル;
1−ベンジル−3−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル;
N−[1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[1−ベンジル−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
2−[4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;及び
2−アミノ−4−ピロリジン−1−イルブタン−1−オール
からなる群から選択される合成中間体化合物に関する。
【0169】
特に、本発明は、式(I)の化合物を調製するための前記合成中間体の使用に関する。
【0170】
本発明による式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容できる塩は、種々の医学的障害に有用であることが今回見出された。
【0171】
例えば、本発明による化合物は、軽度認識障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、認識力障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、癲癇、発作、痙攣、睡眠覚醒障害、ナルコレプシー及び/又は肥満を含む中枢神経系の疾患又は病態を治療及び予防するのに有用である。
【0172】
さらに、本発明による化合物は単独で又は抗癲癇薬(AED)と組み合わせて、癲癇、発作又は痙攣の治療に有用であり得る。H受容体リガンドとAEDとの組合せは、低下した不眠、鎮静又は認識の問題などの副作用が軽減した効能について追加的相乗効果を生み出し得ることが文献から知られている。
【0173】
さらに、一般式(I)の化合物は単独で又はヒスタミンH受容体アンタゴニストと組み合わせて、上気道アレルギー障害の治療にも使用できる。
【0174】
本発明の特定の実施形態では、一般式(I)の化合物は単独で又はムスカリン性受容体リガンド、特にムスカリン性M受容体アンタゴニストと組み合わせて、認識力障害、アルツハイマー病及び注意欠陥多動性障害の治療に有用であり得る。
【0175】
特に、NOドナー特性を示す一般式(I)の化合物は単独で又は酸化窒素(NO)放出剤と組み合わせて、認知障害の治療に有用であり得る。
【0176】
一般式(I)の化合物は、睡眠過剰及びナルコレプシーなどの睡眠覚醒及び目ざめ/不眠障害の治療にも使用し得る。
【0177】
通常、一般式(I)の化合物は、認識関連障害のすべてのタイプの治療に使用できる。
【0178】
好ましくは、一般式(I)の化合物は、軽度認識障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患の認知障害の治療、並びに注意欠陥多動性障害の治療に使用できる。
【0179】
別の好ましい実施形態では、一般式(I)の化合物は、統合失調症などの精神病性障害の治療、又は肥満などの摂食障害の治療、又は炎症及び疼痛の治療、又は不安、ストレス及び鬱病の治療、又は心血管障害、例えば心筋梗塞の治療にも使用できる。
【0180】
さらなる態様では、本発明による式(I)の化合物は医薬品として使用できる。
【0181】
特定の実施形態では、本発明は、軽度認識障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、癲癇、発作、痙攣、睡眠覚醒障害、認知障害、ナルコレプシー、睡眠過剰、肥満、上気道アレルギー障害、ダウン症候群、不安、ストレス、心血管障害、炎症及び疼痛の治療及び予防用の医薬品を製造するための式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、又は有効量の前記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0182】
好ましくは、本発明は、軽度認識障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患の認知障害の治療、並びに注意欠陥多動性障害の治療用の医薬品を製造するための式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、又は有効量の前記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0183】
本発明の方法は、上記の状態又は障害に罹患している哺乳動物(好ましくはヒト)に本発明による化合物をその障害又は状態を緩和又は予防するのに十分な量で投与することを含む。
【0184】
化合物は、限定するものではないが、単位剤形当たり活性成分を3から3000mg含有するものを含む、任意の適切な単位剤形で好都合に投与する。
【0185】
本明細書で使用する用語「治療」は、治癒的治療及び予防的治療を含む。
【0186】
「治癒的」は、障害又は状態の現在の症状の発現の治療での効能を意味する。
【0187】
「予防的」は、障害又は状態の発生又は再発の予防を意味する。
【0188】
本明細書で使用する表現「認識力障害」は、知覚、学習及び推理、又は他の表現では、情報を選択的に取得し、保存し、思い出す生理学的(精神的/神経的)プロセスを包含する認識の混乱を指す。
【0189】
本明細書で使用する表現「注意欠陥多動性障害」(ADHD)は、不注意、過活動、衝動性又はこれらの組合せを伴う問題を指す。これらの問題をADHDと診断するためには、それらがその小児の年齢及び発達の正常な範囲を逸脱していなければならない。用語「注意欠陥障害」(ADD)も同じ障害に対して一般に使用される。
【0190】
本明細書で使用する表現「アルツハイマー病」(AD)は、脳における、誤った位置のタンパク質で構成された異常な塊(アミロイドプラーク)及び線維の絡んだ束(神経原線維濃縮体)を特徴とする進行性の神経変性疾患である。年齢はADの最も重要な危険因子であり、この疾患を有する人の数は65歳を超えると5年毎に2倍になる。早発型(家族性)ADを引き起こす3つの遺伝子が発見されている。アミロイドタンパク質の過剰蓄積を引き起こすその他の遺伝的突然変異は、加齢性(散発性)ADと関連する。ADの症状には、記憶力劣化、言語劣化、視覚情報を知的に処理する能力の障害、判断力不足、混乱、情動不安及び気分変動がある。最終的に、ADは、認識力、人格及び人体機能能力を破壊する。健忘及び集中力喪失を含むADの早期症状は加齢の自然な徴候と似ているので、しばしば見落とされる。
【0191】
本明細書で使用する表現「パーキンソン病」(PD)は、ドーパミン産生脳細胞の喪失の結果である運動系障害と呼ばれる一群の状態を指す。PDの4つの主要な症状は、手、腕、足、顎及び顔の振戦又は震え;手足及び胴部の硬直又はこわばり;運動緩徐、又は動きの緩慢さ;並びに姿勢の不安定性、又はバランス及び調整の障害である。これらの症状がより著しくなると、患者は、歩行、会話又はその他の単純な仕事を完了するのが困難になり得る。PDは通常、50歳を超えた人を襲う。PDの早期症状は微細であり、徐々に発生する。一部の人では、この疾患は他の人よりも急速に進行する。この疾患が進行するに従い、大多数のPD患者を襲う震え又は振戦は、日常動作を妨げ始め得る。その他の症状には、抑鬱及び他の情緒変化;嚥下、咀嚼及び話すことの困難さ;泌尿器系の問題又は便秘;肌の不調;及び睡眠の中断がある。
【0192】
本明細書で使用する表現「ダウン症候群」は、通常第21染色体の過剰コピーによる染色体異常を指す。この症候群は、常にではないが通常、精神遅滞及びその他の状態をもたらす。用語「精神遅滞」は、18歳前に発生する適応行動の不足を伴う平均未満の一般的知的機能を指す。
【0193】
本明細書で使用する用語「軽度認識障害」は、通常の老化と早期アルツハイマー病との間の認知障害の移行段階を指す。記憶の障害があるが、その他はよく機能しており、認知症の臨床基準は満たしていない個人の臨床状態を特に指す。
【0194】
本明細書で使用する用語「肥満」は、30kg/mを超える肥満度指数(BMI)を指す。
【0195】
本明細書で使用する用語「認知症」は、脳機能の進行性の障害を含む一群の症状を指す。米国老年医学会議は認知症を、衰退する精神的能力、特に記憶の状態と呼ぶ。人がかつてできたこと、例えば、小切手帳を保持すること、自動車を安全に運転すること、又は献立を立てることをするのに問題が出てくる。彼又は彼女は、妥当な語を見つけるのがしばしば問題になり、一度にしなければならないことが多すぎると混乱するようになり得る。認知症を有する人はまた、人格が変化することがあり、攻撃的になり、被害妄想的になり、又は鬱状態になる。
【0196】
本明細書で使用する用語「統合失調症」は、6カ月超続く、思考、認知、注意、情動、行動及びコミュニケーションにおける混乱を特徴とする一群の精神病性障害を指す。それは、人が、現実の経験と非現実の経験とを区別すること、論理的に思考すること、他人に対して正常な情緒反応を有すること、及び社会的状況で正常に行動することを困難にする疾患である。
【0197】
本明細書で使用する用語「不安」は、懸念又は恐怖の感情を指す。不安はしばしば、攣縮又は震え、筋肉の緊張、頭痛、発汗、口内乾燥、嚥下困難及び/又は腹痛を含む身体症状を伴う。
【0198】
本明細書で使用する用語「ナルコレプシー」は、制御できない睡気及び頻繁な昼間の睡眠を伴う睡眠障害を指す。
【0199】
本明細書で使用する用語「鬱病」は、気分の混乱を指し、正常な日常活動に興味又は喜びを失うことを特徴とする。鬱病の人は、一度に数週間、数カ月又は数年間さえ「落ち込み」を感じることがある。以下の症状のいくつかは鬱病の症状であることがある:持続的な悲しい、不安な又は「空虚な」気分;絶望、悲観の感情;罪、無価値、無力の感情;性行動を含め、かつて楽しんだ趣味及び活動への興味又は喜びの喪失;エネルギーの衰え、疲労、「鈍化する」こと;集中、想起、決断の困難さ;不眠、早朝覚醒又は寝過ごし;食欲喪失及び/若しくは体重減少又は過食及び体重増加;死又は自殺の思考;自殺未遂;情動不安、興奮性;治療に応答しない持続性の身体症状、例えば頭痛、消化障害及び慢性疼痛。
【0200】
本明細書で使用する用語「癲癇」は、脳にある神経細胞又はニューロンのクラスターが異常な信号を出すことがある脳障害を指す。癲癇では、ニューロン活性の正常なパターンが乱され、奇異な感覚、感情及び行動、時には痙攣、筋痙攣及び意識喪失を引き起こす。癲癇は多くの原因が考えられる障害である。ニューロン活性の正常なパターンを乱すものすべて、病気から脳損傷、異常な脳発達は、発作につながり得る。癲癇は、脳の神経経路の異常、神経伝達物質と呼ばれる神経情報伝達物質の不均衡、又はこれらの要因のある組合せが原因で発現し得る。発作を有することは、その人が癲癇を有することを必ずしも意味するものではない。2回以上の発作を有する場合のみ、彼又は彼女は癲癇を有すると考えられる。
【0201】
本明細書で使用する用語「発作」は、脳のニューロンの集団の無秩序、同調性及び律動性の発火による行動の一過性の変化を指す。
【0202】
本明細書で使用する用語「偏頭痛」は、強さ、頻度及び持続時間が大きく変化する頭痛の反復性の発作を特徴とする障害を意味する。偏頭痛の疼痛は、頭の一領域における強い脈動性又は拍動性の疼痛としてしばしば表現される。光及び音に対する極度な過敏性、悪心、並びに嘔吐をしばしば伴う。一部の人は、偏頭痛の開始を予測できる。なぜなら、「前兆」、閃光、ジグザグの線又は視覚の一時的喪失として出現する視覚の乱れが先行するからである。偏頭痛を有する人は、食物又は睡眠の不足、光への曝露、ホルモンの異常(女性のみ)により引き起こされた反復性の発作を有する傾向がある。不安、ストレス又はストレス後の弛緩も引き金となり得る。長年、科学者は、偏頭痛が頭の血管の拡張及び収縮と関連すると考えていた。研究者は現在、偏頭痛は、脳のある細胞集団の活性を制御する遺伝子の遺伝性の異常が原因であると考えている。国際頭痛学会(International Headache Society:IHS、1988)は、偏頭痛の主要なタイプとして、前兆を有する偏頭痛(古典的偏頭痛)と前兆なしの偏頭痛(普通型偏頭痛)に分類している。
【0203】
当然のことながら、上記の適応症の任意のものの活性は、特定の適応症について及び/又は臨床試験一般の設計において、当業者に既知の形で適切な臨床試験を実施することによって判定できる。
【0204】
疾患の治療では、式(I)の化合物又は薬学的に許容できるそれらの塩を有効な1日量で使用し、医薬組成物の形態で投与することができる。
【0205】
したがって、本発明の別の実施形態は、薬学的に許容できる希釈剤又は担体と組み合わせた有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物に関する。
【0206】
本発明による医薬組成物を調製するには、1種又は複数の式(I)の化合物又は薬学的に許容できるその塩を、当業者に既知の慣用の医薬配合技術に従って医薬希釈剤又は担体とよく混合する。
【0207】
適切な希釈剤及び担体は、所望の投与経路(例えば経口、直腸、非経口又は鼻腔内)に応じて、広範囲の形態であってよい。
【0208】
本発明による化合物を含む医薬組成物は、例えば経口的、非経口的、即ち静脈内、筋肉内若しくは皮下、鞘内、吸入又は鼻腔内投与できる。
【0209】
経口投与に適した医薬組成物は、固体又は液体であることができ、例えば錠剤、丸剤、糖衣錠、ゼラチンカプセル、溶液、シロップ、チューインガムなどの形態であることができる。
【0210】
そのために、活性成分は、不活性希釈剤又は澱粉若しくはラクトースなどの非毒性の薬学的に許容できる担体と混合してもよい。場合により、これらの医薬組成物は、微結晶セルロース、トラガカントガム若しくはゼラチンなどの結合剤、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味剤、又は着色剤、又はペパーミント若しくはサリチル酸メチルなどの着香剤も含有できる。
【0211】
本発明はまた、活性物質を制御された形で放出できる組成物を企図する。非経口投与に使用できる医薬組成物は、アンプル、ディスポーザブル注射筒、ガラス若しくはプラスチックバイアル又は注入容器に一般に含有された水溶液又は油性溶液又は懸濁液などの慣用の形態である。
【0212】
活性成分に加えて、これらの溶液又は懸濁液は、注射用水、生理食塩水、油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコールなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤、アセテート、シトレート又はホスフェートなどのバッファ、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどのモル浸透圧濃度調整剤も場合により含有できる。
【0213】
これらの医薬形態は、薬剤師が日常使用する方法を使用して調製する。
【0214】
医薬組成物の活性成分量は、広範囲の濃度内であることができ、患者の性別、年齢、体重及び病状、並びに投与方法などの種々の要因に依存する。したがって、経口投与用組成物中の式(I)の化合物の量は、組成物の総重量に対して少なくとも0.5重量%であり、最大80重量%であることができる。
【0215】
好ましい経口組成物では、1日量は式(I)の化合物3から3000ミリグラム(mg)の範囲である。
【0216】
非経口投与用組成物では、存在する式(I)の化合物の量は、組成物の総重量に対して少なくとも0.5重量%であり、最大33重量%であることができる。好ましい非経口組成物では、投与単位は、式(I)の化合物3mgから3000mgの範囲である。
【0217】
1日量は式(I)の化合物の広範囲の投与単位内であることができ、一般に3から3000mgの範囲である。しかし、個人の要求に応じた特定の場合に、医師の自由裁量で特定の用量を適応できることは理解されたい。
【0218】
以下の実施例は式(I)が対象とする化合物をどのように合成し得るかを例示する。これらは例示の目的のみで提供され、本発明をどのようにも制限することを意図しておらず、又はそう考えるべきではない。当業者であれば、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、以下の実施例の日常の変形及び変更をなし得ることは理解されよう。
【0219】
実施例において別段の記載がない限り、化合物の特性決定は以下の方法に従って実施する。
【0220】
NMRスペクトルを、Aspect3000コンピュータ及び5mmH/13Cデュアルプローブヘッドを備えたBRUKER AC250フーリエ変換NMR分光計、又はSG Indigoコンピュータ及び5mm形状推定H/13C/15Nトリプルプローブヘッドを備えたBRUKER DRX400FT NMRに記録する。化合物は、ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)又はクロロホルム−d(CDCl)溶液中、プローブ温度313K又は300K、濃度20mg/mlで試験する。機器は、ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)又はクロロホルム−d(CDCl)の重水素シグナルにそれぞれ固定する。化学シフトは、内部標準として用いたTMSから低磁場へppmとして表した。
【0221】
以下のシステムの1つを使用してHPLC分析を実施する。
− INERTSIL ODS 3 C18、DP5μm、250×4.6mmカラムを備えたAgilent1100シリーズHPLCシステム。100%の溶媒A(アセトニトリル、水、リン酸(5/95/0.001、v/v/v))から100%の溶媒B(アセトニトリル、水、リン酸(95/5/0.001、v/v/v))の勾配で6分間、100%のBで4分間保持して行う。流速は2.5ml/分に設定する。クロマトグラフィーを35℃で実施する。
− HPLC Waters Symetry C18、250×4.6mmカラムを備えたHP1090シリーズHPLCシステム。100%の溶媒A(メタノール、水、リン酸(15/85/0.001M、v/v/M))から100%の溶媒B(メタノール、水、リン酸(85/15/0.001M、v/v/M))の勾配で10分間、100%のBで10分間保持して行う。流速は1ml/分に設定する。クロマトグラフィーを40℃で実施する。
【0222】
LC/MSモードの質量分光測定を以下の通りに実施する。
HPLC条件
INERTSIL ODS 3、DP5μm、250×4.6mmカラムを備えたWATERS Alliance HPLCシステムを使用して分析を実施する。
【0223】
100%の溶媒A(アセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸(10/90/0.1、v/v/v))から100%の溶媒B(アセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸(90/10/0.1、v/v/v))の勾配で7分間、100%のBで4分間保持して行う。流速は2.5ml/分に設定し、1/25のスプリットをAPIソースの直前に使用する。
【0224】
MS条件
試料をアセトニトリル/水、70/30、v/vに濃度約250μg/mlで溶解させる。FINNIGAN LCQイオントラップ質量分析計を使用してAPIスペクトル(+又は−)を実施する。APCIソースを450℃で、キャピラリーヒーターを160℃で動作させる。ESIソースを3.5kVで、キャピラリーヒーターを210℃で動作させる。
【0225】
DIP/EIモードの質量分光測定を以下の通りに実施する。プローブを50℃から250℃で5分間加熱することにより試料を蒸発させる。FINNIGAN TSQ700タンデム四重極型質量分析計を使用してEI(電子衝撃)スペクトルを記録する。ソースの温度は150℃に設定する。
【0226】
J&W Scientific製のスプリット/スプリットレスインジェクター及びDB−5MSフューズドシリカカラム(内径15m×0.25mm、1μm)を備えたガスクロマトグラフモデル3400(Varian)で、GC/MSモードのTSQ700タンデム四重極型質量分析計(Finnigan MAT)での質量分析測定を実施する。ヘリウム(純度99.999%)をキャリアガスとして使用する。インジェクター(CTC A200Sオートサンプラー)及び移送ラインをそれぞれ290及び250℃で動作させる。試料(1μl)をスプリットレスモードで注入し、オーブン温度を以下の通りにプログラムする:5分間50℃、280℃に昇温(23℃/分)し、10分間保持。TSQ700分析計を電子衝撃(EI)又は化学イオン化(CI/CH)モード(質量範囲33〜800、スキャン時間1.00秒)で動作させる。ソースの温度は150℃に設定する。
【0227】
比旋光度をPerkin−Elmer341偏光計で記録する。回転角度を25℃、メタノール中1%溶液、589nmで記録する。一部の分子については、溶解性の問題のため、溶媒はジクロロメタン又はジメチルスルホキシドである。
【0228】
融点は、Buchi535又は545Tottoli型融点測定器で判定し、補正はせず、又は開始温度によりPerkin Elmer DSC7で判定する。
【0229】
シリカゲル60Merck、粒径15〜40μm、商品番号1.15111.9025で、Novasep軸方向圧縮カラム(内径80mm)、流速70から150ml/分を使用して分取クロマトグラフィー分離を実施する。シリカゲルと溶媒混合物の量は個々の手順で記載の通りである。
【0230】
DAICEL Chiralpak AD 20μm、100500mmカラムで、低級アルコールの種々の混合物及びC5からC8の直鎖状、分枝状又は環状アルカンを用いる施設内装置を使用し、±350ml/分で分取キラルクロマトグラフィー分離を実施する。溶媒混合物は個々の手順で記載の通りである。
【0231】
マイクロ波照射が必要な実験は、CEM Discover装置(CEM corporation)又はBiotage Initiator(Biotage AB)マイクロ波オーブンのいずれかで、これらの会社から販売されているフラスコ及び攪拌機を使用して実施した。
【実施例】
【0232】
(実施例1)
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−ピペリジン1の合成
【化30】


1.1 4−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミドaxlの合成
塩化オキサリル(6.6ml、76mmol、1.2当量)を4−ベンジルオキシ−安息香酸(14.38g、63mmol、1当量)及びトリエチルアミン(43.8ml、315mmol、5当量)のジクロロメタン(400ml)冷却(氷浴)溶液に加える。暗赤色の混合物を室温に加温し、2時間攪拌し、次いで0℃に冷却する。2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(5.6g、63mmol、1当量)のジクロロメタン(20ml)溶液を加え、混合物を終夜室温で攪拌する。次いで溶媒を真空除去し、残渣をジクロロメタンに溶解させる。この溶液を水で1回洗浄し、水層をジクロロメタンで抽出する。有機層を0.1Mの水酸化ナトリウムの溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を真空除去すると、15gの4−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミドax1が茶色の固体として得られる。
収率:80%。
LC−MS(MH):300。
【0233】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表1】

【0234】
1.2 2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax4の合成
塩化チオニル(11ml、150mmol、3当量)を4−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミドax1(14.98g、50mmol、1当量)のクロロホルム(400ml)溶液に加え、混合物を2時間加熱還流させる。次いで溶媒を真空除去し、残渣をジクロロメタンに溶解させる。有機層を水性重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮すると、2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax4(4.3g)が得られる。
収率:99%。
LC−MS(MH):282。
【0235】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表2】

【0236】
1.3 4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールax7の合成
2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾールax4(4.0g、140mmol、1当量)のエタノール(200ml)溶液に1.5gの10%Pd/C(1.42mmol、0.1当量)を加える。混合物を48時間室温において40psiの水素雰囲気下で攪拌する。次いで混合物をセライトで濾過し、溶媒を真空除去する。残余の固体をヘキサン中で磨砕すると、2.6gの4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールax7が得られる。
収率:95%。
LC−MS(MH):192。
【0237】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表3】

【0238】
1.4 2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10の合成
アセトン(120ml)中の4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールax7(5g、26mmol、1当量)、炭酸カリウム(7.19g、52mmol、2当量)及び1−ブロモ−3−クロロプロパン(2.8ml、29mmol、1.1当量)の混合物を36時間攪拌還流させる。次いで混合物を濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、水性塩化アンモニウムの飽和溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮すると、2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10が白色の固体(6.75g)として得られる。
収率:97%。
LC−MS(MH):268/270。
【0239】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表4】

【0240】
1.5 1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ]プロピル}ピペリジン1の合成
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10(0.5g、1.87mmol、1当量)及びピペリジン(0.37ml、3.73mmol、2当量)の混合物を密封管中100℃で終夜攪拌する。次いで混合物を真空濃縮してオレンジ色の固体0.8gを得る。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/エタノール95:5)で精製すると、0.49gの1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン1がオレンジ色の油として得られる。
収率:83%。
LC−MS(MH):317。
【0241】
(実施例2)
1−{3−[3−ブロモ−4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン17の合成
【化31】


n−ブチルリチウムのヘキサン(580μl、2当量、1.28mmol)2.1M溶液を1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン1(200mg、0.64mmol、1当量)の冷却(0℃)テトラヒドロフラン(10ml)溶液に加え、得られた溶液を4時間0℃で攪拌する。次いで臭素(64μl、2当量、1.28mmol)を加え、混合物を22℃で終夜攪拌させる。次いで溶液を0.1Nの塩化水素水溶液5mlに注ぎ、エーテルで抽出する。次いで水層を5Nの水酸化ナトリウムで塩基性(pH10)にし、ジクロロメタンで抽出する。次いで塩素化溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮する。1−{3−[3−ブロモ−4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン17を残余の出発物質からシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、勾配)で注意深く分離する。
収率:29%(37mg).
LC−MS(MH):395/397。
【0242】
(実施例3)
4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール15の合成
【化32】


2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10(0.25g、0.9mmol、1当量)、0.15gの(2R)−2−メチルピロリジン塩酸塩(1.2mmol、1.4当量)及びトリエチルアミン(0.3ml、2.2mmol、2.4当量)の混合物をマイクロ波照射(120℃、3.75時間)下で攪拌する。次いで混合物を濾過する。トリエチルアミン(0.2ml、1.44mmol、1.6当量)を有機層に加え、混合物を再びマイクロ波照射下、120℃でさらに1.5時間攪拌する。次いで溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチルで希釈する。有機層を水、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮する。残渣をシリカゲルで精製すると(溶離液:ジクロロメタン/エタノール/アンモニア、勾配98:2:0.2から96:4:0.4)で精製すると、4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール15(60mg)がベージュ色の粉末として得られる。
収率:21%。
LC−MS(MH):317。
αD(C=1%、MeOH):−51.14°。
【0243】
(実施例4)
1{3−[4−(5−メチル−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ]−プロピル}−ピペリジン6の合成
【化33】


4.1 4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸メチルax13の合成
1−ブロモ−3−クロロプロパン(6.8ml、78.3mmol、1.1当量)をアセトン(260ml)中の4−ヒドロキシ安息香酸メチル(10g、65.7mmol、1当量)、重炭酸カリウム(18g、130mmol、2当量)の混合物に加える。次いで混合物を終夜攪拌還流させ、濾過し、真空濃縮する。残渣をヘキサン及びエーテル中で磨砕し、次いで濾過する。得られた溶液を濃縮すると、4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾエートax13が黄色の油(14.3g)として得られる。
収率:95%。
LC−MS(MH):229/231。
【0244】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表5】

【0245】
4.2 4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチルax15の合成
アセトニトリル(100ml)中の4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾエートax13(2.01g、8.79mmol、1当量)、炭酸カリウム(2.43g、17.6mmol、2当量)、ヨウ化ナトリウム(触媒量)及びピペリジン(1ml、9.67mmol、1.1当量)の混合物を56時間攪拌還流させる。溶媒を真空除去し、固体をヘキサンで磨砕し、濾過する。得られた溶液を濃縮すると、4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチルaxl5が黄色の油(2.2g)として得られる。
収率:92%。
LC−MS(MH):278。
【0246】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表6】

【0247】
4.3 4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸ax22の合成
エタノール(160ml)中の4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチルax15(4.41g、15.9mmol、1当量)に水酸化ナトリウム(9.54ml、47.7mmol、3当量)の5Nの水溶液を加え、混合物を60℃で4時間、28℃で終夜攪拌する。混合物を真空濃縮して白色の固体を得、次いでこれをエタノール/水の1:1混合物(100ml)に溶解させる。次いで5Nの塩酸水溶液を混合物のpHが2〜3になるまで加える。次いでエタノールを真空蒸発させ、混合物を濾過すると白色の固体が得られる。この固体を水で洗浄し、40℃で真空乾燥させる。
収率:99%。
LC−MS(MH):264。
【0248】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表7】

【0249】
4.4 N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミドax29の合成
4.4.1 方法A
クロロホルム中の4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸ax22(0.263g、1mmol、1当量)に塩化チオニル(0.25ml、3mmol、3当量)及びジメチルホルムアミド(1滴)を加える。次いで混合物を2時間攪拌還流させる。別の塩化チオニル(0.25ml、3mmol、3当量)を加え、混合物を30分間攪拌還流させる。次いで混合物をジクロロメタンで希釈し、0℃(氷浴)に冷却する。トリエチルアミンをpHが8になるまで徐々に加える。クロロホルム中の(1R,2S)−2−アミノ−1−フェニルプロパン−1−オール(0.15g、1mmol、1当量)を徐々に加え、混合物を25℃で終夜攪拌する。次いで混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、水(3×50ml)、塩化ナトリウムの飽和溶液(2×50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥すると、N−(1S,2R−2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミドax29が黄色の油(0.29g)として得られる。
収率:73%。
LC−MS(MH):397。
【0250】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表8】

【0251】
4.4.2 方法B
ジクロロメタンなどの適切な溶媒(12ml)中の酸(1当量)及びアミン(1当量)の溶液に、トリエチルアミン(2当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.2当量)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.1当量)を加える。次いで混合物を室温で終夜攪拌する。次いでそれを水、次に塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮する。
【0252】
以下の化合物は、方法Bに従って合成できる。
【表9】

【0253】
2−アミノ−4−ピロリジン−1−イル−ブタン−1−オールax35からのN−[1−(ヒドロキシメチル)−3−ピロリジン−1−イルプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミドax36の調製
2−アミノ−4−ピロリジン−1−イル−ブタン−1−オールax35の合成:1Mの水素化アルミニウムリチウム(12.2ml、12.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液を2−アミノ−4−ピロリジン−1−イルブタン酸(0.994g、4.05mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)冷却(−20℃)懸濁液に加える。混合物を22℃まで加温させ、次いで1時間60℃で加熱する。次いで混合物を0℃に冷却し、水、1Nの水酸化ナトリウム水溶液及び水を連続的に加えて注意深くクエンチする。1時間0℃で攪拌後、懸濁液を濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄する。液相を真空濃縮すると、318mgの2−アミノ−4−ピロリジン−1−イルブタン−1−オールax35が黄色の油として得られる。
収率:65.5%
LC−MS(MH):159。
【0254】
N−[1−(ヒドロキシメチル)−3−ピロリジン−1−イルプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミドax36を上記の方法Bに従って調製する。
【0255】
4.5 1−(3−{4−[(4S,5R)−4−メチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン6の合成
N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミドax29(0.266g、0.67mmol、1当量)のクロロホルム(10ml)冷却(氷浴)溶液に塩化チオニル(0.2ml、2.68mmol、4当量)を徐々に加え、混合物を2時間30分攪拌還流させる。次いで混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2×50ml)で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮すると、茶色の油0.24gが得られる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/エタノール/アンモニア95:4.5:0.5)で精製する。
収率:94%。
LC−MS(MH):379。
αD(C=9.79mg/ml、MeOH):+25.54°。
【0256】
(実施例5)
1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン20の合成
【化34】


5.1 2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチルax45の合成
ジクロロメタン(25ml)中のN−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンゾイル]セリン酸メチルax37(0.922g、2.54mmol、1当量)及び三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.34ml、2.78mmol、1.1当量)の混合物をアルゴン下、室温で3.5時間攪拌し、その後、炭酸カリウム(0.35g、2.53mmol、1当量)を加える。混合物をさらに1時間攪拌し、炭酸水素カリウムの飽和溶液で洗浄し、水層をジクロロメタンで抽出する。次いで有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮すると、2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチルax45がオレンジ色の油(1.036g)として得られ、これはさらに精製することなく使用する。
LC−MS(MH):347。
【0257】
5.2 {2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル}メタノールax46の合成
水素化ホウ素ナトリウム(0.525g、13.88mmol、5当量)を少量、2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチルax45(0.962g、2.78mmol、1当量)のメタノール(28ml)溶液に0℃(氷浴)で加える。混合物を室温で4時間攪拌し、溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させる。有機層を水性水酸化ナトリウムの0.1M溶液で洗浄し、この水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮すると、0.72gの黄色の油が得られ、これをシリカゲルで、ジクロロメタンとエタノールの9:1混合物を用いて精製する。{2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル}メタノールax46が黄色の固体(0.28g)として得られる。
収率:32%。
LC−MS(MH):319。
【0258】
5.3 1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン20の合成
{2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル}メタノールax46(0.27g、0.85mmol、1当量)及びトリエチルアミン(0.413ml、2.98mmol、3.5当量)のテトラヒドロフラン(10ml)冷却(−23℃)溶液に塩化メタンスルホニル(0.23ml、2.98mmol、3.5当量)を加える。混合物を2時間−23℃で攪拌し、次いで真空濃縮する。残余の油をピペリジン(0.08ml、0.8mmol、2当量)及びトリエチルアミン(0.05ml、0.42mmol、1当量)で処理し、100℃、密封管中で終夜攪拌する。24時間後、ピペリジン(1当量)及びトリエチルアミン(1当量)を加え、混合物をさらに48時間100℃で攪拌する。真空濃縮して茶色の油0.33gを得る。油をシリカゲルで精製すると(溶離液:ジクロロメタン/エタノール/アンモニア92:7.2:0.8)、45mgの1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン20が得られる。
収率:28%。
LC−MS(MH):386。
【0259】
(実施例6)
2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン16の合成
【化35】


6.1 6−クロロ−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ニコチンアミドax47の合成
トリエチルアミン(2.2ml、16.12mmol、2当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.217g、1.61mmol、0.2当量)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.7g、8.87mmol、1.1当量)を6−クロロニコチン酸(1.27g、8.06mmol、1当量)及び(1−アミノシクロヘキシル)メタノール(1.04g、8.06mmol、1当量)のジクロロメタン(80ml)冷却(氷浴)溶液に加え、30分間0℃、次に室温で1時間攪拌する。次いで有機層を水、水性炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。最後に溶媒を除去すると、黄色の油2.46gが得られる。
収率:100%。
LC−MS(MH):269/271。
【0260】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表10】

【0261】
6.2 2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax49の合成
6−クロロ−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ニコチンアミドax47(2.17g、8.06mmol、1当量)のクロロホルム(80ml)溶液に塩化チオニル(1.8ml、24.18mmol、3当量)を加える。混合物を2時間30分攪拌還流させ、その後、揮発分を真空除去する。残渣をアセトンに溶解させ、炭酸カリウム(2当量)で還流下で処理する。水性の後処理後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮して黄色の固体1.86gを得る。シリカゲルで精製すると(溶離液:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア99:1:0.1)、0.56gの2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax49が最終的に得られる。
収率:55%。
LC−MS(MH):251/253。
【0262】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表11】

【0263】
6.3 2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン16の合成
2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax49(0.109g、0.76mmol、1当量)及びtert−ブタノール酸カリウム(0.102g、0.91mmol、1.2当量)を3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール(0.2g、0.8mmol、1.05当量)のテトラヒドロフラン(4ml)冷却(0℃)溶液に加える。混合物をマイクロ波照射(150W)下、60℃で21分間攪拌する。次いで酢酸エチルを加える。有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空除去して黄色の油0.227gを得る。油をシリカで精製すると(溶離液:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア97:2.7:0.3)、0.149gの2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン16が黄色の油として得られる。
収率:55%。
LC−MS(MH):358。
【0264】
(実施例7)
2−(4−{3−[2,5−ジメチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール18のマレイン酸塩の合成
【化36】


7.1 4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸ax5lの合成
4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸メチルax13(3g、13mmol、1当量)のエタノール(30ml)溶液に2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液(10ml、25mmol、2当量)を加える。混合物を1時間還流させ、真空濃縮し、2Mの塩酸水溶液で酸性化してpH1にし、酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。合わせた有機層を蒸発させると、2.75gの4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸ax51が得られる。
収率:98%。
【化37】

【0265】
7.2 2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10の合成
塩化チオニル(1.82ml、25mmol、2当量)、ジメチルホルムアミド(触媒量)及び4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸ax51(2.67g、12.47mmol、1当量)を3時間クロロホルム(25ml)中で攪拌還流させる。次いで揮発分を真空除去し、トルエンを加え、混合物を再び濃縮して、残余の痕跡量の塩化チオニルを除去する。塩化4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイルax52(2.95g)を任意のさらなる精製なしで次のステップで使用する。
【0266】
2−アミノ−2−メチルプロパノール(0.914g、10.2mmol、1.1当量)及びトリエチルアミン(2.6ml、18.7mmol、2当量)の乾燥ジクロロメタン(75ml)溶液を冷却(氷浴)し、塩化4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイルax52(2.95g、12.4mmol、1当量)のジクロロメタン(15ml)溶液を30分間滴下する。次いで混合物を室温で終夜攪拌する。懸濁液を1Mの塩酸水溶液(2回)、炭酸カリウム水溶液(2回)及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空蒸発させて4−(3−クロロプロポキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミドax53(3.4g)を得る。
【0267】
塩化チオニル(1.55g、13.09mmol、1.1当量)を乾燥ジクロロメタン(100ml)中の4−(3−クロロプロポキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミドax53(3.18g、11.9mmol、1当量)に窒素雰囲気下で30分間滴下する。次いで溶液を3時間攪拌する。水及び炭酸カリウムを最後に加え、泡が形成しなくなるまで(pH=10)混合物を攪拌する。層を分離し、ジクロロメタン層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空蒸発させると、3.18gの2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10が得られる。
収率:99%。
LC−MS(MH):268/270。
【0268】
7.3 2−(4−{3−2,5−ジメチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール18の合成
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールax10(500mg、1.87mmol、1当量)、ヨウ化ナトリウム(0.56mg、3.74mmol、2当量)、炭酸水素ナトリウム(0.31mg、3.74mmol、2当量)及び2,5−ジメチルピロリジン(0.24ml、2.8mmol、1.5当量)を乾燥アセトニトリル(10ml)中で終夜攪拌還流させる。水及び酢酸エチルを混合物に加え、層を分離する。有機層をブライン、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空蒸発させる。溶離液として酢酸エチルを用いるシリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、0.253gの2−(4−{3−[2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール18が遊離塩基として得られる。
収率:41%。
【化38】

【0269】
18のマレイン酸塩の合成
2−[4−{3−(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ}フェニル)]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール(0.253g、0.76mmol、1当量)を酢酸エチルとエタノールの95:5混合物中のマレイン酸(89mg、0.76mmol、1当量)の溶液に加える。マレイン酸塩を酢酸エチル中で再結晶化させると、2−(4−{3−[2,5−ジメチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾールマレイン酸塩18の結晶0.27gが得られる。
収率:100%。
LC−MS(MH):331。
【0270】
(実施例8)
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン23の合成
【化39】


N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンザミデンax40(850mg、2.53mmol)及びローソン試薬(1.02g、2.52mmol)をトルエンに懸濁させる。混合物を0.5時間還流させる。さらなるローソン試薬(100mg、0.25mmol)を加え、還流を0.5時間続ける。冷却すると、固体が底に沈澱する。トルエンを除去し、残渣を酢酸エチル中のトリエチルアミンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、100mgの1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン23が得られる。
LC−MS(MH):333。
【0271】
(実施例9)
5−(4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−2−(3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ)ピリジン33の合成
【化40】


9.1 [2−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]メタノールax55の合成
6−クロロニコチン酸(3.2g、20.4mmol)及び2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(2.1g、20mmol)のキシレン(異性体の混合物、80ml)懸濁液をDean−Stark条件下で24時間加熱還流させ、その間に混合物は透明になる。室温に冷却すると、固体が沈澱する。混合物をシリカゲルカラムで濾過し、最初にヘキサンで溶離してキシレンを除去し、次いで酢酸エチルで溶離すると、1.8gの[2−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]メタノールax55が得られる。
収率:40%。
LC−MS(MH):227。
【0272】
9.2 (4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メタノールax56の合成
3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロパン−1−オール(1.9g、13.4mmol)の乾燥DMF(40ml)溶液を0℃において水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、536mg、13.4mmol)で処理し、15分間0℃で攪拌する。次いで、[2−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]メタノールax55(1.8g、7.9mmol)の乾燥DMF(40ml)溶液を15分間滴下し、得られた混合物を室温で1日攪拌する。次いで混合物を氷冷水(250ml)に注ぎ、酢酸エチル(4×50ml)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣を高真空下で加熱しながら乾燥すると固体が残る。この固体を酢酸エチルに溶解させ、ブラインで洗浄し、濾過する。相分離後、水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮すると、1.4gの純度80%の(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メタノールax56が得られる。
収率:40%。
LC−MS(MH):334。
【0273】
9.3 4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボアルデヒドax57の合成
塩化オキサリル(0.38ml、4.32mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液を−78℃に冷却し、ジメチルスルホキシド(0.51ml、7.2mmol)で徐々に処理する。−78℃で20分後、(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メタノールax56(1.2g、純度80%、約3.0mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液を10分間滴下する。−78℃で60分後、トリエチルアミン(2.5ml、18mmol)を加え、混合物を22℃に加温させる。次いで水を加え、激しく攪拌後、有機層を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮すると、1.2gの純度約80%の4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボアルデヒドax57が得られる。
収率:90%。
LC−MS(MH):332。
【0274】
9.4 5−[4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン33の合成
4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボアルデヒドax57(273mg、純度約80%、約0.66mmol)のジクロロエタン(4ml)溶液をピロリジン(0.27ml、3.28mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.35g、1.64mmol)で処理し、濁った溶液を22℃で終夜攪拌する。新鮮なピロリジン(0.145ml、1.64mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.35g、1.64mmol)を加え、溶液をさらに2時間室温で攪拌する。次いで水を加え、混合物を5分間激しく攪拌する。有機抽出物が著しいUV活性スポットを含まなくなるまでジクロロメタンで抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して茶色の油を得る。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:勾配90から80%のヘキサン中10から20%のトリエチルアミン)で精製すると、66mgの5−[4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン33が得られる。
収率:25%。
LC−MS(MH):334。
【0275】
(実施例10)
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン30、2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン36及び8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン32の合成
【化41】


10.1 4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸塩酸塩ax58の合成
4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸(5g、21mmol)のメタノール(90ml)溶液を0℃に冷却し、塩化チオニルで滴状に処理する。次いで混合物を5時間還流させ、20℃で終夜攪拌する。混合物を減圧濃縮し、残渣をトルエンに溶解させ、再び濃縮すると、6.14gの4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸塩酸塩ax58が吸湿性の白色の固体として得られる。
収率:100%。
LC−MS(MH):249。
【0276】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表12】

【0277】
10.2 1−ベンジル−4−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピペリジン−4−カルボン酸メチルax60の合成
4−[3−(2−メチル−1−ピロリジニル)プロポキシ]安息香酸ax26(0.924g、3.51mmol)及び4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸メチル塩酸塩ax58(1g、3.51mmol)のジクロロメタン(35ml)懸濁液をトリエチルアミン(1.46ml、10.53mmol)で処理し、混合物を0℃に冷却する。次いでN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.740g、3.86mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.09g、0.70mmol)を加え、混合物を22℃で終夜攪拌する。次いで混合物を水、次に塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、1.61gの黄色の油を得る。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール、勾配96/4から60/40)で精製すると、1.01gの1−ベンジル−4−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピペリジン−4−カルボン酸メチルax60がオレンジ色の油として得られる。
収率:58%。
LC−MS(MH):494。
【0278】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表13】

【0279】
10.3 N−[1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミドax62の合成
1−ベンジル−4−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピペリジン−4−カルボン酸メチルax60(0.93g、1.89mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(20ml)溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素リチウム(1.4ml、2.83mmol、テトラヒドロフラン中2M)を滴下する。次いで混合物を室温で終夜攪拌する。次いで反応混合物を0℃に冷却し、水(1.4ml)及び1Nの水酸化ナトリウム(1.4ml)を加える。20℃で20分間攪拌後、混合物を濃縮し、残渣をアセトン(30ml)に溶解させる。溶液を0℃に冷却し、次いで1Nの塩酸(9.45ml、9.45mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌し、濃縮してピンク色の油を得る。この油をジクロロメタンに溶解させ、炭酸カリウムの飽和溶液で処理してpHを10にする。ジクロロメタンを減圧除去し、水相を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮すると、0.63gのN−[1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミドax62が得られる。
収率:72%。
LC−MS(MH):466。
【0280】
以下の化合物は、同じ方法に従って合成できる。
【表14】

【0281】
10.4 8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン30の合成
N−[1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミドax62(0.46g、0.98mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液を0℃に冷却し、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(180μl、1.47mmol)を加える。20℃で1.5時間攪拌後、反応混合物を0℃に冷却し、別の三フッ化ジエチルアミノ硫黄(40μl、0.33mmol)を加える。これを別の20μlを用いてもう一度繰り返す。次いで炭酸カリウム(0.203g、1.47mmol)を混合物に加え、これを室温で30分間攪拌する。次いで混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、水層をジクロロメタンで再び抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して0.453gのオレンジ色の油を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア94:5.4:0.6)で精製すると、0.17gの8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン30が得られる。
収率:38%。
LC−MS(MH):448。
【0282】
10.5 2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン36の合成
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン30(0.22g、0.49mmol)及び水酸化パラジウム(0.02g、10重量%)のエタノール(10ml)懸濁液をParr装置に水素雰囲気下(40psi)で終夜入れる。その後、水酸化パラジウム(0.02g、10重量%)を再び加え、混合物をさらに水素下、50℃で2日間攪拌する。次いで混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮すると、0.22gの2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン36がペーストとして得られる。
収率:100%。
LC−MS(MH):258。
【0283】
10.6 8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン32の合成
2−{4−[3−(2−メチル−1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン36(0.11g、0.245mmol)のアセトニトリル(4ml)溶液をアルゴン雰囲気下に置く。ブロモシクロペンタン(0.039ml、0.368mmol、1.5当量)、炭酸カリウム(0.068g、0.49mmol、2当量)及びヨウ化カリウム(0.08g、0.05mmol、0.2当量)を加え、混合物を50℃で終夜攪拌する。次いで混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、ジクロロメタンに溶解させ、塩化アンモニウムの飽和水溶液で2回洗浄する。水相をジクロロメタンで抽出し、有機抽出物を集め、硫酸マグネシウムで乾燥する。ジクロロメタンを減圧除去して黄色の油0.086gを得る。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/エタノール/アンモニア89:10.9:0.1)で精製すると、0.034gの8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−1−エン32が得られる。
収率:33%。
LC−MS(MH):426。
【0284】
(実施例11)
2−[4−(1−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン37の合成
【化42】


トリフェニルホスフィン(1.03g、3.92mmol、1.1当量)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に0℃でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.776ml、3.92mmol、1.1当量)を滴下する。混合物を5分間攪拌し、4−(1−ピペリジニル)−2−ブタノール(0.56g、3.56mmol、1当量)を徐々に加える。次いで4−(3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン−2−イル)フェノールax8(0.82g、3.56mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液を0℃で加える。混合物を室温に加温させ、2時間攪拌する。次いでそれを0.5Nの塩酸に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。水層を水酸化ナトリウムの1M水溶液で処理してpH9にし、ジエチルエーテルで3回抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧除去してオレンジ色の油1.18gを得る。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、0.41gの2−[4−(1−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン37が黄色の油として得られる。
収率:31%。
LC−MS(MH):371。
【0285】
(実施例12)
2−[4−(2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン38の合成
【化43】


12.1 2−[4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax64の合成
4−(3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン−2−イル)フェノールax8(0.5g、2.16mmol、1当量)のアセトン(30ml)溶液に1−ブロモ−3−クロロ−2−メチルプロパン(0.25ml、2.16mmol、1当量)及び炭酸カリウム(0.6g、4.32mmol、2当量)を加える。混合物を13日間攪拌還流させる。混合物を濃縮し、ジクロロメタンに溶解させ、塩化アンモニウムの飽和水溶液で2回洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧除去すると、0.7gの2−[4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax64が無色の油として得られる。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで使用する。
収率:100%。
LC−MS(MH):322/324。
【0286】
12.2 2−[4−(2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン38の合成
2−[4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エンax64(0.35g、1.1mmol、1当量)のアセトニトリル(20ml)溶液を炭酸カリウム(0.3g、2.2mmol、2当量)、ヨウ化ナトリウム(0.01g、0.073mmol、0.07当量)及びピペリジン(0.52ml、5.2mmol、4.7当量)で処理し、混合物を5日間攪拌還流させる。この後、混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固して0.36gの黄色の油を得る。この粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア96:3.6:0.4)で精製すると、0.13gの2−[4−(2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デク−1−エン38が無色の油として得られる。
収率:40%。
LC−MS(MH):371。
【0287】
表Iは、一般式(I)の一部の化合物の特性を示す。前記表は、「立体配置」と見出しを付けた欄に立体化学情報を示し、第2の欄は化合物が立体中心を有さないか(アキラル)、純粋な鏡像異性体か(純粋)、ラセミ体か(rac)、場合により不均等な割合の2つの立体異性体の混合物(混合物)であることを示し、第1の欄は、「IUPAC名」欄で使用されたIUPAC番号に従って認められた中心の立体化学的分析を含む。番号のみは、中心に両方の立体配置が存在することを示す。「R」又は「S」が後に付く番号は、中心における既知の絶対立体配置を示す。表1はまた、合成された(遊離塩基でない場合)塩のタイプ及び化学量論、化合物のIUPAC名、質量分析で観察されたイオンピーク、HNMRの記載、及びエナンチオマー純粋な化合物の場合の旋光度を示す。
【0288】
【表15−1】


【表15−2】


【表15−3】


【表15−4】


【表15−5】


【表15−6】


【表15−7】


【表15−8】

【0289】
(実施例13)
ヒスタミンH受容体への親和性;インバースアゴニズム、アンタゴニズム及びアゴニズム活性:[35S]GTPγS結合アッセイ用ヒトヒスタミンH受容体
材料及び方法
試薬
試薬及び参照化合物は分析等級を有し、種々の商業源から得た。[H]−N−α−メチルヒスタミン(80〜85Ci/mmol)及び[35S]−GTPγS(1250Ci/mmol)はPerkin Elmer(ベルギー)から購入した。細胞培養物試薬はCambrex(ベルギー)から購入した。
【0290】
試験化合物及び参照化合物を100%DMSOに溶解させて、1mMの原液を得た。アッセイの最終的なDMSO濃度は1%を超えなかった。
【0291】
ヒトHヒスタミン受容体を発現するCHO細胞系(Lovenbergら、Mol.Pharmacol.1999、Mol.Pharmacol.、55、1101−1107で公開の配列)をEuroscreen S.A.(ベルギー)から購入した。
【0292】
細胞培養物
10%ウシ胎児血清、ペニシリン100IU/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、1%ピルビン酸ナトリウム及びゲンタマイシン400μg/mlを含有するHAM−F12培地で細胞を増殖させた。細胞を37℃、95%空気及び5%COから構成された加湿雰囲気で維持した。
【0293】
膜調製物
37℃、PBS/EDTA0.02%で10分間インキュベートすることにより集密細胞を脱着した。細胞懸濁物を1,500×gで10分間、4℃で遠心分離した。2mMのMgCl、0.3mMのEDTA、1mMのEGTAを含有する15mMのトリス−HClバッファ(バッファA)(pH7.5)でペレットを均質化した。粗製ホモジネートを液体窒素中で凍結させ、解凍した。次いでDNアーゼ(1μl/ml)を加え、ホモジネートを10分間、25℃でさらにインキュベートし、40,000×gで25分間、4℃で遠心分離した。ペレットをバッファAに再懸濁させ、同条件でもう一度洗浄した。最終的な膜ペレットを、タンパク質濃度1〜3mg/mlで、12.5mMのMgCl、0.3mMのEDTA、1mMのEGTA及び250mMのスクロースで強化された7.5mMのトリス−HClバッファ(pH7.5)に再懸濁させ、液体窒素中で使用まで保存した。
【0294】
結合アッセイ
H]−N−α−メチルヒスタミン結合アッセイ
ヒトHヒスタミン受容体への化合物の親和性を[H]−N−α−メチルヒスタミンとの競合により測定した。この結合アッセイは、本質的にLovenbergら(Mol.Pharmacol.1999、Mol.Pharmacol.、55、1101−1107)及びTedfordら(J.Pharmacol.Exper.Ther.1999、289、1160−1168)で記載の通りに、わずかに変更を加えて実施した。簡単に言うと、ヒトHヒスタミン受容体を発現する膜(タンパク質20〜40μg)を25℃で、2mMのMgCl、0.2nMの[H]−N−α−メチルヒスタミン及び上昇濃度の薬物を含有する50mMのトリス−HClバッファ(pH7.4)0.5ml中でインキュベートした。非特異結合(NSB)は、10μMのチオペルアミド又はヒスタミンの存在下で認められた残留結合として定義した。膜結合放射性リガンド及び遊離放射性リガンドは、0.1%PEIに予め浸漬したグラスファイバーフィルターを介する急速濾過で分離した。試料及びフィルターは、氷冷50mMのトリス−HClバッファ(pH7.4)少なくとも6mlですすいだ。試料1個当たり、濾過手順全体で10秒を超えなかった。フィルターに捕捉された放射能はβカウンターの液体シンチレーションで計数した。
【0295】
35S]−GTPγS結合アッセイ
ヒトHヒスタミン受容体を発現する膜への[35S]−GTPγS結合の刺激(アゴニスト)又は阻害(インバースアゴニスト)を、Lorenzenら(Mol.Pharmacol.1993、44、115−123)で記載の通りに、少し変更を加えて測定した。簡単に言うと、ヒトHヒスタミン受容体を発現する膜(タンパク質10〜20μg)を25℃で、3mMのMgCl、50mMのNaCl,1μMのGDP、2μgのサポニン及び上昇濃度の薬物を含有する50mMのトリス−HClバッファ(pH7.4)0.2ml中でインキュベートした。15分間の予備インキュベーション後、0.2nMの[35S]−GTPγSを試料に加えた。非特異結合(NSB)は、100μMのGpp(NH)pの存在下で認められた残留結合として定義した。膜結合放射性リガンド及び遊離放射性リガンドは、グラスファイバーフィルターを介する急速濾過で分離した。試料及びフィルターは、氷冷50mMのトリス−HClバッファ(pH7.4)少なくとも6mlですすいだ。試料1個当たり、濾過手順全体で10秒を超えなかった。フィルターに捕捉された放射能はβカウンターの液体シンチレーションで計数した。
【0296】
データ分析
pIC50/pKi/pEC50/pEC50INVの判定
分析
生データを非線形回帰により、XLfit(商標)(IDBS、英国)を使用して以下の一般式に従って分析する。
B=MIN+[(MAX−MIN)/(1+(((10)/(10−pX50))nH))]
式中、
Bは、非標識化合物の存在下で結合した放射性リガンドであり(dpm)、
MINは、観察された最小結合であり(dpm)、
MAXは、観察された最大結合であり(dpm)、
Xは、非標識化合物の濃度であり(logM)、
pX50(−logM)は、その最大効果(放射性リガンド結合の阻害又は刺激)の50%をもたらす非標識化合物の濃度である。これは、[H]−N−α−メチルヒスタミンによる結合試験での受容体に対する化合物の親和性を判定する場合、pIC50を表し、[35S]−GTPγSの結合を刺激する化合物(アゴニスト)ではpEC50を表し、[35S]−GTPγSの結合を阻害する化合物(インバースアゴニスト)ではpEC50INVを表す。
は、Hill係数である。
【0297】
pKiは、以下の式を適用することによって得られる(Cheng及びPrusoff、1973、Biochem.Pharmacol.、22:3099−3108):
pKi=pIC50+log(1+L/Kd)
式中、
pKiは、非標識化合物平衡解離定数(−logM)であり、
Lは、放射性リガンド濃度(nM)であり、
Kdは、放射性リガンド平衡解離定数(nM)である。
本発明による式(I)の化合物は、ヒスタミンH受容体に対して6.5から10の範囲のpIC50値を示した。
本発明による式(I)の化合物は、ヒスタミンH受容体に対して典型的に6.5から10の範囲のpEC50INV値を示した。
【0298】
(実施例14)
アンタゴニズム活性:
ペースが整った単離モルモット筋層間神経叢−電場刺激アッセイ
材料及び方法
試薬
原液(10−2M)及びさらに希釈液をDMSO(WNR、Leuven、ベルギー)中で新たに調製した。すべてのその他の試薬(R(−)−α−メチルヒスタミン、メピラミン、ラニチジン、プロプラノロール、ヨヒンビン及びクレブス溶液の成分)は分析等級を有し、従来の商業源から得た。
【0299】
動物
4週齢の雄性Dunkin−Hartleyモルモット(200〜300g)がCharles River(Sultfeld、ドイツ)から供給された。全動物はUCB薬事倫理委員会で承認されたプロトコール「orgisol−GP」に基づいて注文し使用した。動物は、UCB動物施設において1群12匹でステンレス鋼のケージ(75×50×30cm)に収容し、試験に供する前に最低1週間順応させた。相対湿度40から70%で、室温を20から24℃に維持した。12時間の明暗サイクルを適用した。動物は食餌と水を自由に摂取した。
【0300】
器官の調製
この方法は、MenkveldらによりEur.J.Pharmacol.1990、186、343−347で記載のものを適応させた。単離したモルモットの回腸から長手方向の筋層間神経叢を調製した。10−7Mのメピラミン、10−5Mのラニチジン、10−5Mのプロプラノロール及び10−6Mのヨヒンビンを含む改変したクレブス溶液を含有する20mlのオーガンバスに組織を装着した。浴液を37℃で維持し、95%O−5%COを通気した。静止張力0.5g、電場刺激(実験全体の間、5〜20Vのパルス、1ms及び0.1Hzを適用した)下で組織を60分間平衡させた。そのような刺激は、安定で再生する攣縮を誘発する。等尺性収縮は、(i)自動データ取得、(ii)所定の時刻又は信号安定度でのエレクトロバルブを介した自動液体循環によるバス洗浄及び(iii)所定の時刻又は信号安定度でのバスでの薬物の自動希釈/注入を制御することが可能なコンピュータシステム(EMKA Technologies)と結合した増幅器に連結した張力変位トランスデューサーで測定した。
【0301】
プロトコール
60分間安定化させた後、10−6MのR(−)−α−メチルヒスタミンで組織を30分間隔で刺激した。溶媒又はアンタゴニスト試験化合物の存在下で60分間インキュベートした後、R(−)−α−メチルヒスタミンに対する累積濃度−応答を誘発した(10−10から10−4M)。各組織につき、アンタゴニストの1つの濃度のみを試験した。
【0302】
データ分析
増大するアンタゴニスト濃度の不存在下又は存在下で観察される曲線のファミリーを試験することによって、アゴニストとアンタゴニストとの間の相互作用を適切に推定することができる。各濃度−応答曲線の各関連パラメータの値(pD及びEmax)は、反復コンピュータソフトウェア(XLfit、IDBS、Guildford、英国)により実験データを4パラメータロジスティック式に当てはめて計算した。試験物質の拮抗作用は、Van RossumらによりArch.Int.Pharmacodyn.Ther.1963、143、299で、及び/又はArunlakshana & SchildによりBr.J.Pharmacol 1959、14、48で記載の方法に従ってpD’及び/又はpA値を計算することによって推定した。
【0303】
結果は平均±SDとして表す。観察数はnとして表す。本発明による式(I)の化合物のpA値は、ヒスタミンH受容体の6.5より典型的に大きい値を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化1】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、
【化2】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、−O−(CH−NR12a12bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、
或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、1又は2個のC1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
vは、1から4の整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシである場合、Rは−O−(CH−NR13a13bであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではない]。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化3】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化4】


であり、
は、O又はSであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素又は−O−(CH−NR12a12bであり、
は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC3〜6シクロアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、1個のメチレンは、C3〜6シクロアルキル又はアリールアルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキル、アミノ基で置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から5の整数であり、
vは、1から3の整数であり、
但し、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR12a12bであり、Rが水素である場合、Rは−O−(CH−NR13a13bであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではない]。
【請求項3】
が水素又は臭素である、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHが1又は2個のメチルで置換されていてもよい、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が水素又はメチルであり、或いはRとRが一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよい、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、水素、メチル、tert−ブチル、シクロヘキシルメチル、フェニル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRが一緒に結合してC2〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成する、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が水素であり、又はRとRが一緒に結合してCアルキレンを形成する、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
が水素又はフェニルであり、或いはRとRが一緒に結合してCアルキレンを形成し、或いはRとRが一緒に結合してCアルキレンを形成する、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
NR12a12bが、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は2−メチルピロリジン−1−イルである、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
−NR13a13bが、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、2−メチルピロリジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、2−メチルピペリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3,5−ジメチルピペリジン−1−イル又は2,5−ジメチルピロリジン−1−イルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
−NR14a14bが、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は1−アゼパニルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
nが3に等しい、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
mが3に等しい整数である、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
vが1又は2に等しい整数である、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化5】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化6】


であり、
は、Oであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、−O−(CH−NR13a13bであり、
は、水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは、窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、メチル、tert−ブチル、ベンジル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC4〜5アルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
は、水素であり、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、
−NR13a13bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、−NR14a14bは、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル又は1−アゼパニルからなる群から選択され、
mは3に等しい整数であり、
vは1又は2に等しい整数である]。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化7】


[式中、
は、CH又はNであり、
は、水素であり、
は、
【化8】


であり、
は、Oであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、−O−(CHNR13a13bであり、
は、水素又はメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、メチル、ピペリジン−1−イルメチル又はピロリジン−1イルメチルであり、或いはRとRは一緒に結合してCアルキレンを形成し、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はシクロペンチル又はベンジル基で置換されていてもよく、
は、水素であり、
は、水素であり、
−NR13a13bは、1−ピペリジニル及び2−メチルピロリジン−1−イルからなる群から選択され、
mは、3に等しい整数である]。
【請求項17】
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−4−イソプロピルピペラジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−3,5−ジメチルピペリジン;
4,4−ジメチル−2−{3−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
1−(3−{4−[(4S,5R)−4−メチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−(3−{4−[(4R)−4−ベンジル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
2−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−{4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
4,4−ジメチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
5−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
4,4−ジメチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
1−{3−[3−ブロモ−4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
2−(4−{3−[2,5−ジメチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン;
1−(3−{4−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−(3−{4−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
1−{3−[4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)フェノキシ]プロピル}ピペリジン;
5−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−6−オキサ−4−アザスピロ[2.4]ヘプタ−4−エン;
(4S)−4−tert−ブチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
(3aR,7aR)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール;
(4S)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
(4S)−4−(シクロヘキシルメチル)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1−オキサ−3−アザスピロ[4.5]デカ−2−エン;
8−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
7−ベンジル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナ−1−エン;
8−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
5−[4−メチル−4−(ピロリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
5−[4−メチル−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]−2−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン;
1−[(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アゼパン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
2−[4−(1−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;及び
2−[4−(2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
医薬品として使用するための請求項1から17までのいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
薬学的に許容できる希釈剤又は担体と組み合わせた有効量の請求項1から18までのいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項20】
軽度認識障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、癲癇、発作、痙攣、睡眠覚醒障害、認知障害、ナルコレプシー、睡眠過剰、肥満、上気道アレルギー障害、ダウン症候群、不安、ストレス、心血管障害、炎症及び疼痛を治療及び予防する医薬品を製造するための請求項1から19までのいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は請求項19に記載の医薬組成物の使用。
【請求項21】
式(III)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化9】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、−O−CH−フェニル;又は−O−(CH−Cl若しくは−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素、ハロゲン、−O−CH−フェニル、−O−(CH−Cl又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、又はRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いは
とRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
vは、1から4の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は、−O−(CH−NR12a12b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13b、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニルであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではなく、但し、式(III)の前記化合物は、4−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド及び6−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ニコチンアミドではない]。
【請求項22】
式(IV)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化10】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
R’は、C1〜4アルキルであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]。
【請求項23】
式(V)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化11】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
R’は、C1〜4アルキルであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]。
【請求項24】
式(VI)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化12】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル又は−O−(CH−NR12a12bであり、
’は、水素又は−O−(CH−NR13a13bであり、−O−(CH−NR13a13bの各CHは1又は2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
は、水素又はメチルであり、
12aとR12bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
13aとR13bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンは、C1〜4アルキル、アミノ基又はアミノアルキルで置換されていてもよく、前記アルキレンの1個のメチレンは窒素原子で置き換えられていてもよく、前記窒素原子はC1〜8アルキル又はアミノアルキルで置換されていてもよく、
n及びmは、独立に、2から8の整数であり、
但し、R’が水素の場合、R’は−O−(CH−NR12a12bであり、R’が、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は−O−(CH−NR13a13bである]。
【請求項25】
式(Ia)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に許容できる塩及びすべての可能な混合物
【化13】


[式中、
は、CH、C(CH)又はNであり、
は、水素又はハロゲンであり、
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり、
’は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、−O−CHフェニル、又は−O−(CH−Clであり、
’は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−O−CH−フェニル又は−O−(CHClであり、
は、水素又はC1〜4アルキルであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンは、アリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、
は、水素、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル又は−(CH−NR14a14bであり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、ここで、前記アルキレンの1個のメチレンはアリールアルキル又はC1〜8アルキルで置換されていてもよい窒素原子で置き換えられていてもよく、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、
は、水素であり、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
は、水素又はアリールであり、或いはRとRは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、或いはRとRは一緒に結合してC2〜8アルキレンを形成し、
14aとR14bは一緒に結合してC3〜6アルキレンを形成し、前記アルキレンの各メチレンはC1〜4アルキルで置換されていてもよく、
vは、1から4の整数であり、
但し、R’が水素である場合、R’は、−O−(CH−Cl又は−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、R’が、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はトリフルオロメチルである場合、R’は、−O−(CH−Cl、−O−CH−フェニル又はヒドロキシであり、
但し、R、R、R及びRの少なくとも1つはHではなく、
但し、式(Ia)の前記化合物は、2−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール、(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール、2−クロロ−5−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)ピリジン及び2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール及び4−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2イル)フェノールではない]。
【請求項26】
4−[(ベンジルオキシ)メチル]−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ベンズアミド;
3−(ベンジルオキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)−3−ピロリジン−1−イルプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
N−[1−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルプロピル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
6−クロロ−N−[1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]ニコチンアミド;
4−(3−クロロプロポキシ)−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンズアミド;
N−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンゾイル]セリン酸メチル;
2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチル;
{2−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル}メタノール;
3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸メチル;
4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
4−[3−(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸メチル;
3−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸;
3−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸;
4−[3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
4−[3−(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]安息香酸;
2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5}デカ−1−エン;
4−(3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン−2−イル)フェノール;
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5}デカ−1−エン;
2−[3−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール;
2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;
N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド;
[2−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]メタノール;
(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル)メタノール;
4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−カルボアルデヒド;
4−アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸塩酸塩;
3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル;
1−ベンジル−4−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピペリジン−4−カルボン酸メチル;
1−ベンジル−3−({4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンゾイル}アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル;
N−[1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
N−[1−ベンジル−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ベンズアミド;
2−[4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−1−エン;及び
2−アミノ−4−ピロリジン−1−イルブタン−1−オール
からなる群から選択される合成中間体。
【請求項27】
式(I)の化合物を調製するための請求項21から26のいずれか一項に記載の合成中間体の使用。

【公表番号】特表2008−534543(P2008−534543A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503422(P2008−503422)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002860
【国際公開番号】WO2006/103057
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507073918)ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム (70)
【Fターム(参考)】