説明

チタン・タングステンのベース層および関連構造体を含む導電構造体を形成する方法

基板、基板上の導電パッド、および基板上の絶縁層を含む電子デバイスを形成する方法であって、上記絶縁層は導電パッドの一部を露出するバイアホールを有する。詳細には、絶縁層上であり導電パッドの露出部分上に導電構造体を形成できる。導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)のベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つの導電層とを含みうる。さらに、導電構造体のベース層を、導電層と絶縁層との間に形成できる。関連デバイスについても説明する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年7月25日出願の米国特許仮出願第60/490,340号、および2003年10月1日出願の米国特許仮出願第60/507,587号からの優先件利益を主張する。上記の参照特許仮出願の両方の全内容を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は集積回路の分野に関し、さらに詳細には、集積回路デバイスの導電構造体および関連構造体の形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
超小型電子デバイスは、他の超小型デバイスとの電気接続のために、はんだボールまたははんだバンプを用いることが多い。例えば、超大規模集積回路(VLSI)チップは、はんだボールまたははんだバンプを用いて、回路基板または別の次のレベルのパッケージング基板に電気的に接続される。この接続技法は「制御崩壊チップ接続(controlled collapse Chip connection)―C4」法または「フリップ−チップ」法と称され、本明細書でははんだバンプと称する。
【0004】
IBMにより開発されたはんだバンプ法によれば、はんだバンプは、集積回路ウェーハに固定されたシャドウマスクの開口を通す蒸着により形成される。例えばKatz et al.の米国特許第5,234,149号明細書の発明の名称「Debondable Metallic Bonding Method」は、チップ配線端子およびメタライズ層を有する電子デバイスを開示している。通常配線端子は、基本的にアルミニウムであり、メタライズ層はチタンまたはクロムの局部的接着層、共堆積局部的クロム銅層、局所的可溶性銅層、および局所化金または錫キャッピング層を含みうる。蒸着された局所的鉛−錫はんだ層はキャッピング層の上に置かれる。
【0005】
電気メッキ法に基づくはんだバンプ法も積極的に追求されてきた。電気メッキ法は、特に、大きい基板および小さいバンプに有効である。この方法では、「アンダーバンプ金属」層(UBM)が、一般に蒸着またはスパッタリングにより、コンタクトパッドを有する超小型基板上に堆積される。連続アンダーバンプ金属層は一般に、パッド上および基板上のパッド間に設けられ、はんだメッキの間における電流の流れを可能にする。
【0006】
アンダーバンプ金属層を用いる電気メッキ法の例は、Yungによる米国特許第5,162,257号明細書の発明の名称「Solder Bump Fabrication Method」に記載されており、この特許は本出願の譲受人に譲渡されている。この特許では、アンダーバンプ金属層は基板およびパッドに隣接するクロム層と、はんだ付け金属として作用する表面銅層と、クロムおよび銅層の間の整相のクロム/銅層とを含む。はんだバンプのベースは、はんだバンプとコンタクトパッドとの間にあるアンダーバンプ金属層を、はんだとアンダーバンプ金属層のはんだ付け成分との間にある金属間化合物へと変えることにより保護される。
【0007】
再分配経路導体の例は、Rinne et al.による米国特許第6,389,691号の発明の名称「Methods For Forming Integrated Redistribution Routing Conductors And Solder Bumps」に記載されており、この特許は本出願の譲受人に譲渡されている。この特許においては、再分配経路導体は関連のはんだバンプと一緒に集積化されて形成されている。
【0008】
上述の方法および構造体にもかかわらず、当該分野では改良された相互接続構造体に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0009】
本発明の実施形態よれば、基板、基板上の導電パッド、および基板上の絶縁層を含む電子デバイスを形成する方法が提供され、上記絶縁層は導電パッドの一部を露出するバイアホールを有する。より詳細には、絶縁層上の、導電パッドの露出部分上に導電構造体を形成できる。導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含みうる。さらに、導電構造体のベース層は、導電層と絶縁層との間にある。
【0010】
さらに、導電構造体の形成には、絶縁層上および導電パッドの露出部分上にチタン・タングステン層を形成することと、チタン・タングステン層上にアルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む導電層を形成することとを含み、これによりチタン・タングステン層の一部を露出させることができる。導電層を形成後、導電層により露出されたチタン・タングステン層の一部を除去できる。より詳細には、チタン・タングステン層の一部を除去後、過酸化水素を用いてチタン・タングステン層をエッチングすることを含みうる。代替形態では、チタン・タングステン層の一部の除去には、過酸化水素、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物を用いてチタン・タングステン層をエッチングすることを含みうる。
【0011】
導電構造体のベース層は導電構造体の導電層を超えて突き出るリップを含み、および/または、導電パッドはアルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含みうる。導電構造体が第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成されるように、第2絶縁層を導電構造体上および第1絶縁層上に形成することにより、第2絶縁層の第2バイアホールが導電構造体の一部を露出できる。さらに、第1バイアホールと第2バイアホールとは離して配置できる。さらに、相互接続構造体(例えばはんだバンプ)を導電構造体の露出部分に形成し、アンダーバンプ金属層を相互接続構造体と導電構造体の露出部分との間に形成できる。
【0012】
導電構造体の導電層はアルミニウム層を含み、導電層は、アルミニウム層と導電構造体のベース層との間にチタン層も含みうる。絶縁層と導電構造体の間に導電パッドの一部を露出できる。さらに、絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の方法は基板およびその基板上の絶縁層を含む電子デバイスを形成することを提供できる。より詳細には、導電構造体を絶縁層上に形成し、その導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含みうる。さらに、導電構造体のベース層は、導電層と絶縁層との間にあり、導電構造体のベース層は導電構造体の導電層を超えて突き出るリップを含みうる。
【0014】
絶縁層上に導電構造体を形成することは、絶縁層上にチタン・タングステン層を形成することを含み、チタン・タングステン層を形成後、チタン・タングステン層上に導電層を形成して、チタン・タングステン層の部分を露出させることができる。導電層の形成後、導電層により露出されたチタン・タングステン層の一部は除去できる。より詳細には、チタン・タングステン層の一部を除去後、過酸化水素を用いてチタン・タングステン層をエッチングすることを含みうる。代替形態では、チタン・タングステン層の一部の除去には、過酸化水素、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物を用いてチタン・タングステン層をエッチングすることを含みうる。
【0015】
電子デバイスは基板上の導電パッドを含み、絶縁層は導電パッドの一部を露出するバイアホールを有することがあり、導電構造体を形成することは、絶縁層上および導電パッドの露出部分上に導電構造体を形成することを含みうる。より詳細には、導電パッドは、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含みうる。さらに、絶縁層と導電構造体との間に導電パッドの一部を露出できる。
【0016】
第2絶縁層を導電構造体上および第1絶縁層上に形成することにより、導電構造体が第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成できる。さらに、第2バイアホールを第2絶縁層に形成して、導電構造体の一部を露出できる。さらに、相互接続構造体(例えばはんだバンプ)を導電構造体の露出部分に形成し、相互接続構造体と導電構造体の露出部分との間にアンダーバンプ金属層を形成できる。
【0017】
導電構造体の導電層はアルミニウム層を含み、導電層は、アルミニウム層と導電構造体のベース層との間にチタン層も含みうる。さらに、絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態によれば、電子デバイスは基板、導電パッド、絶縁層、および絶縁層上の導電構造体を含みうる。導電パッドを基板上に形成し、絶縁層をその基板および導電パッド上に形成できる。さらに、絶縁層は、導電パッドの一部を露出するバイアホールを有することがある。導電構造体は絶縁層上および導電パッドの露出部分上に存在できる。さらに詳細には、導電構造体はチタン・タングステン(TiW)を含むベース層およびアルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層も含みうる。さらに、導電構造体のベース層を導電層と絶縁層との間に形成できる。導電構造体のベース層は導電構造体の導電層を超えて延びるリップを含み、および/または、導電パッドはアルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0019】
さらに、導電構造体上および第1絶縁層上に第2絶縁層を形成することにより、導電構造体を第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成できる。さらに、第2絶縁層は、導電構造体の一部を露出する第2バイアホールを有することがあり、この場合の第1バイアホールと第2バイアホールとは離して配置される。相互接続構造体(例えばはんだバンプ)は導電構造体の露出部分に形成でき、アンダーバンプ金属層は相互接続構造体と導電構造体の露出部分との間に形成できる。
【0020】
導電構造体の導電層はアルミニウム層を含み、導電層は、アルミニウム層と導電構造体のベース層との間にチタン層も含みうる。導電パッドの一部は絶縁層と導電構造体との間で露出でき、および/または、絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態によれば、電子デバイスは、基板、基板上の絶縁層、および絶縁層上の導電構造体を含みうる。導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含みうる。さらに、導電構造体のベース層は導電層と絶縁層との間にあり、導電構造体のベース層は導電構造体の導電層を超えて延びるリップを含みうる。
【0022】
電子デバイスはさらに基板上の導電パッドを含み、絶縁層は導電パッドの一部を露出するバイアホールを有することがある。さらに、導電構造体の一部は導電パッドの露出部分上に存在できる。導電パッドはアルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含み、導電パッドの一部は絶縁層と導電構造体との間に露出できる。
【0023】
さらに、導電構造体上および第1絶縁層上に第2絶縁層を形成することにより、導電構造体を第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成でき、第2絶縁層は導電構造体の一部を露出する第2バイアホールを有することがある。相互接続構造体(例えばはんだバンプ)は導電構造体の露出部分に形成され、アンダーバンプ金属層は相互接続構造体と導電構造体の露出部分との間に形成できる。
【0024】
さらに、導電構造体の導電層をアルミニウム層にすることができ、導電層は、アルミニウム層と導電構造体のベース層との間にチタン層も含みうる。さらに、絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0025】
次に、添付の図面を参照して、本発明を以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は多くの様々な形態で実現可能であり、本明細書に述べる実施形態に限定されるものではなく、むしろ、これら実施形態は、本発明の開示内容を詳細に完全に説明し、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するために提供される。図においては、層および領域の厚みは明瞭にするために誇張されている。図面全体を通して、同一参照符号は同一要素を指す。
【0027】
層、領域または基板などの要素が「別の要素上」にあると称される場合、それは別の要素上に直接存在するか、または介在要素が存在することもある。これに反し、要素が「別の要素上に直接」存在すると称される場合、介在要素は存在しない。さらに、要素が別の要素に「結合」されていると称される場合、それは別の要素に直接結合されているか、または介在要素が存在することもある。これに反し、要素が別の要素に「直接結合」されていると称される場合、介在要素は存在しない。なお、要素が別の要素に「接続」または「結合」されていると称される場合、それは別の要素に直接接続または結合されているか、または介在要素が存在することもある。最後に、用語の「直接」は介在要素が存在しないことを意味する。
【0028】
本発明の実施形態によれば、アルミニウム層および/または銅層を含む導電構造体は、有機および/または無機絶縁不活性化層上に形成できる。例えば、再分配経路ラインとして導電構造体を使用して、この経路ラインは、基板上の入力/出力パッドと、入力/出力パッドから分岐する相互接続構造体(例えばはんだバンプ)との間の電気導電路を提供できる。本発明の実施形態による導電ラインおよびはんだバンプを使用して、例えば、フリップチップ処理のための構造体を形成できる。代替形態においては、本発明の実施形態による導電ラインは2つの導電入力/出力パッド間、導電入力/出力パッドと別の導電ライン間、および/または2つの相互接続構造体間の相互接続を提供できる。
【0029】
本発明の実施形態は、本明細書では、本発明の理想化された実施形態の概略図である断面図を参照して説明される。したがって、結果として、例えば製造技術および/または許容差に関する図の形態からの変形形態が予測される。したがって、本発明の実施形態はここで示す領域の特定形状に限定されると解釈すべきでなく、例えば製造において生じる形状の変形形態を含むものとする。例えば、矩形で示される導電層は、一般に、丸い形状または曲線形状であってもよい。したがって、図に示される領域は実際には概略であり、それらの形状はデバイスの領域の正確な形状を示すものではなく、本発明の範囲を限定するものでもない。
【0030】
図4は本発明の実施形態による電子構造体を示す。図4に示すとおり、電子基板21は、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、および/またはサファイアなどの半導体材料を含みうる。さらに詳細には、電気基板21は、トランジスタ、ダイオード、レジスタ、キャパシタ、および/またはインダクタなどの複数の電子デバイスを含み、定義された機能を提供できる。さらに、導電入力/出力パッド27(例えば、銅および/またはアルミニウムパッド)は、基板21の電気回路の電気導電性を提供できる。絶縁不活性化層24は、無機層23(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素の層)および有機層25(例えば、ベンゾシクロブテンBCBおよび/またはポリイミド)を含みうる。代替形態では、絶縁不活性化層24は、無機層または有機層の一方だけを含みうる。
【0031】
さらに図4に示すとおり、絶縁不活性化層24のバイアホールは導電入力/出力パッド27の部分を露出でき、絶縁不活性化層24上に導電ライン30を形成できる。より詳細には、導電ライン30は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層29と、アルミニウムおよび/または銅を含む導電層33とを含みうる。本発明の特定の実施形態によれば、導電層33は、チタン上のアルミニウム(Ti/Al)、チタン・タングステンの上に重ねたチタン上のアルミニウム(TiW/Ti/Al)、チタン上の銅(Ti/Cu)、チタン・タングステン上の銅(TiW/Cu)、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上のアルミニウム(TiN/TiW/Al)、および/または、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上の銅(TiN/TiW/Cu)の堆積物を含みうる。チタン上のアルミニウムの堆積物を含む導電層33は、チタン・タングステンのベース層からゲッターを利用して酸素を除去できる。
【0032】
導電ライン30上および第1絶縁不活性化層24上の第2絶縁不活性化層35は、導電入力/出力パッド27から分岐する導電ライン30の一部を露出する第2バイアホールを含む。さらに、アンダーバンプ金属層37および相互接続構造体39(例えばはんだバンプ)を導電ライン30の露出部分上に設けることができる。したがって、導電ライン30は相互接続構造体39をそれぞれの導電入力/出力パッド27から再分配を可能にし、相互接続構造体39は次のレベルのパッケージングとの電気的および/または機械的相互接続を提供できる。
【0033】
図4には示されていないが、導電ライン30のベース層29は導電層33を超えて延びるリップを含みうる。これに加えてまたはこれの代替として、導電入力/出力パッド27の部分を絶縁不活性化層24と導電ライン30との間に露出できる。言い換えると、導電ライン30の幅は、絶縁不活性化層24のバイアホールを通して露出する導電入力/出力パッド27の部分の幅より小さくなることができる。
【0034】
本発明の実施形態による図4に示された構造体を形成する方法が図1〜4に示される。図1に示されるように、無機層23(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素)および/または有機層25(例えば、ベンゾシクロブテンおよび/またはポリイミド)を含む絶縁不活性化層24を、基板21上に形成できる。より詳細には、無機層23を基板上に形成し、基板21に対面している無機層23上に有機層25を形成することもできる。基板21は、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、および/または、サファイアなどの材料を含むことがあり、電子基板は、トランジスタ、ダイオード、レジスタ、キャパシタ、および/またはインダクタなどの電子デバイスを含みうる。
【0035】
さらに、導電入力/出力パッド27(例えば、銅および/またはアルミニウムパッド)を基板21上に含むことがあり、導電入力/出力パッド27は基板21の回路の電気接続を提供できる。さらに、絶縁不活性化層24のバイアホールは導電パッド27の少なくとも一部を露出できる。さらに図1に示されるように、絶縁不活性化層24上および絶縁不活性化層24のバイアホールを通して露出する導電入力/出力パッド27の部分上に、チタン・タングステン29’のブランケット層を形成できる。
【0036】
チタン・タングステンのブランケット層29’を形成する前に、導電入力/出力パッド27の露出面をウェットおよび/またはドライ処理して、その表面酸素を低減し、導電入力/出力パッド27とその上に形成されたチタン・タングステン層との間の接触抵抗を低下できる。例えば、導電入力/出力パッド27の露出面をスパッタリングによりクリーニングし、チタン・タングステンのブランケット層29’をスパッタリングにより形成できる。さらに、スパッタリングによるクリーニングおよびスパッタリングによる堆積は、同一処理チャンバ内で実行でき、酸化および/または汚染をさらに低減できる。代替形態では、チタン・タングステンのブランケット層を形成する前に、導電入力/出力パッド27の露出面をウェットエッチング/クリーニング、ドライエッチング/クリーニング、および/または、プラズマエッチング/クリーニング処理でき、および/または、チタン・タングステンのブランケット層29を蒸着により形成できる。
【0037】
より詳細には、チタン・タングステンのブランケット層29’を約100オングストロームの厚みに形成できる。チタンのブランケット層は、約10%のチタンと約90%のタングステンとの組成を有することがある。
【0038】
アルミニウム導電入力/出力パッド27により、チタン・タングステンのブランケット層29’は、絶縁不活性化層24のバイアホールを通って露出するアルミニウム導電入力/出力パッド27の不活性化部分を実現できる。チタン・タングステンのブランケット層29’は、アルミニウム導電入力/出力パッド27の表面からゲッターを利用して酸素を除去できる。
【0039】
図2Aに示されるように、リフトオフ技法を用いて導電層33を形成できる。より詳細には、レジスト層31を形成してパターン化し、チタン・タングステンのブラケット層29’の一部を露出する開口を有するリフトオフ・ステンシルを実現できる。そして、金属層33が、レジスト層31上およびチタン・タングステン(TiW)層29の露出部分上に形成される。金属層33は、アルミニウム/銅を含むことがあり、蒸着により形成できる。金属層33は、チタン上のアルミニウム(Ti/Al)、チタン・タングステンの上に重ねたチタン上のアルミニウム(TiW/Ti/Al)、チタン上の銅(Ti/Cu)、チタン・タングステン上の銅(TiW/Cu)、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上のアルミニウム(TiN/TiW/Al)、および/または、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上の銅(TiN/TiW/Cu)などの金属層の堆積物を含みうる。例えば、導電層は、チタン・タングステンのブラケット層29’上に約200オングストローム〜1000オングストロームの範囲の厚みを有するチタン層と、約2μmの厚みを有するアルミニウム層とを含みうる。チタン上にアルミニウムの堆積物を含む導電層33は、チタン・タングステンのベース層からゲッターを利用して酸素を除去できる。
【0040】
次に、レジスト層31および導電層33を含む構造体を溶剤液に露出することにより、レジスト層31が溶解し、その上に金属層33の部分を残す。そして、金属層33の残り部分により覆われないチタン・タングステン(TiW)の空白層(blank layer)の部分29’は、エッチング薬剤を用いて除去できる。このエッチング薬剤は、アルミニウムおよび/または銅に対してチタン・タングステンを選択的にエッチングして、チタン・タングステンのベース層29および導電層33を含む導電ライン30を有する図3の構造体を形成する。チタン上のアルミニウムの堆積物を含む導電層33では、チタン・タングステン(10%Tiおよび90%W)のブラケット層29’の露出部分は、水に溶かした過酸化水素(H22)(30%H22)、および/または、過酸化水素(H22)、水、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物などのエッチング薬剤を用いてエッチングできる。
【0041】
代替形態では、導電層33は、例えば図2Bに示されるようなフォトリソグラフィ/エッチング技法を用いて形成でき、チタン・タングステンのブランケット層29’の露出部分を除去して、図3の構造体を実現できる。より詳細には、アルミニウムおよび/または銅を含むブランケット金属層33’を、チタン・タングステンのブランケット層29’上にスパッタにより付着できる。ブランケット金属層33’は、チタン上のアルミニウム(Ti/Al)、チタン・タングステンの上に重ねたチタン上のアルミニウム(TiW/Ti/Al)、チタン上の銅(Ti/Cu)、チタン・タングステン上の銅(TiW/Cu)、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上のアルミニウム(TiN/TiW/Al)、および/または、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上の銅(TiN/TiW/Cu)などの金属層の堆積物でありうる。例えば、金属層33’は、チタン・タングステンのブラケット層29’上に約200オングストローム〜1000オングストロームの範囲の厚みを有するチタン層と、約2μmの厚みを有するアルミニウム層とを含みうる。
【0042】
そして、エッチングマスク31’を金属層33’の上に形成する。例えば、フォトレジストの層を堆積し、露光し、現像することにより、金属層33’上にエッチングマスク31’を形成できる。そして、エッチングマスク31’により露出された金属層33’の部分は、アルミニウムおよび/または銅をエッチングするのに適したウェットおよび/またはドライエッチング薬剤を用いて除去され、導電層33が形成される。そして、残りの導電層33により覆われていないチタン・タングステンのブランケット層の部分29’は、アルミニウムおよび/または銅に対してTiWを選択的にエッチングするエッチング薬剤を用いて除去できる。チタン上のアルミニウムの堆積物を含む導電層33では、チタン・タングステン(10%Tiおよび90%W)のブランケット層の部分29’は、水に溶かした過酸化水素(H22)(30%H22)、および/または、過酸化水素(H22)、水、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物などのエッチング薬剤を用いてエッチングできる。
【0043】
導電層33およびベース層29のパターンを形成後、エッチングマスク31’を除去し、導電ライン30を含む図3の構造体を形成できる。代替形態では、金属層33’をエッチング後のTiW層29’をエッチングする前に、マスク層31’を除去できる。
【0044】
したがって、図3の構造体は、図2Aに関して説明したリフトオフ技法、または図2Bに関して説明したフォトリソグラフィ技法を用いて形成できる。いずれの場合においても、プラズマエッチングを用いて、導電層33およびTiWベース層29のパターンを形成後、残留金属を除去できる。
【0045】
図3には示されていないが、導電層33をエッチングマスクとして利用してチタン・タングステンのベース層29のパターンを形成後、チタン・タングステンのベース層29のリップは導電層33を超えて突き出る。より詳細には、チタン・タングステンのベース層のリップは導電層33に対して自動整合し、導電ライン30の周辺まわりで導電層33から均一長さで突き出る。特定のメカニズムに拘束されることなく、出願者らは、導電層33(例えばアルミニウム導電層)の近傍におけるエッチング薬剤の電気化学特性が導電層の近傍におけるチタン・タングステンに対するエッチング薬剤の反応性を低下させるものと理論づける。
【0046】
ベース層29のリップを維持することにより、導電層33のアンダーカットを低減および/または除去でき、導電ラインの信頼性を向上できる。ベース層29のパターンが、導電層33のアンダーカットを発生させるように形成される場合、その結果のアンダーカット領域は可能な腐食物質および/または汚染物質を取り込む隠れた空洞を形成する可能性があり、アンダーカット領域は完成デバイス内に可能な応力集中点を発生するか、および/またはアンダーカット領域は導電ライン30と絶縁不活性化層24との間の結合強度を低下させる可能性がある。アンダーカットの低減および/または除去により、腐食物質および/または汚染物質の取込みを低減でき、応力集中点の発生を低減でき、および/または結合強度を増加できる。
【0047】
さらに、図4に示される無機および/または有機絶縁不活性化層35を用いて導電層30を保護できる。絶縁不活性化層35は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素を含みうる。さらに、絶縁不活性化層35のバイアホールは導電ライン30の一部を露出でき、アンダーバンプ金属層37を導電ライン30の露出部分上に形成でき、相互接続構造体39(例えばはんだバンプ)をアンダーバンプ金属層37上に形成できる。相互接続構造体39は、例えば、蒸着、電気メッキ、無電解メッキ、および/または、スクリーン印刷などの1以上のバンピングプロセスを用いて形成できる。アンダーバンプ金属層およびはんだバンプについては、例えば、Rinneによる米国特許第6,492,197号明細書の発明の名称「Trilayer/bilayer Solder Bumps And Fabrication Methods Therefor」と、Rinne et al.による米国特許第6,392,163号明細書の発明の名称「Controlled−Shaped Solder Reservoirs For Increasing The Volume Of Solder Bumps」と、Rinne et al.による米国特許第6,389,691号明細書の発明の名称「Methods For Forming Integrated Redistribution Routing Conductors And Solder Bumps」と、Rinne et al.による米国特許第6,388,203号明細書の発明の名称「Controlled−Shaped Solder Reservoirs For Increasing The Volume Of Solder Bumps,And Structures Formed Thereby」と、Rinne et al.による米国特許第6,329,608号明細書の発明の名称「Key−Shaped Solder Bumps And Under Bump Metallurgy」と、Yungによる米国特許第5,293,006号明細書の発明の名称「Solder Bump Including Circular Lip」とに記載されている。上記参照特許の全内容を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。したがって、導電ライン30は、導電入力/出力パッド27と相互接続構造体39との間に、導電入力/出力パッドから横方向に離される電気接続を提供することができる。
【0048】
代替形態では、絶縁不活性化層35および第1導電ライン30の露出部分上に第2導電ライン(図示せず)を形成でき、第2導電ライン(図示なし)および絶縁不活性化層35上に第3絶縁不活性化層(図示せず)を形成できる。第2導電ラインの一部を露出するバイアホールは、第3絶縁不活性化層に設けられる。したがって、複数レベルの導電ラインを用いて、導電入力/出力パッドとそれぞれの相互接続構造体との間の電気接続を実現できる。これの代替としてまたはこれに加えて、1以上のレベルの導電ラインを用いて、2つ以上の導電入力/出力パッド間の電気接続を実現できる。
【0049】
図5〜図8には、本発明の別の実施形態による導電ラインの形成ステップが示されている。より詳細には、図5〜図8に関して述べたチタン・タングステン(TiW)ベースの改良により、(ウエットエチングプロセス法を用いて形成される配線の下に発生する)アンダーカット領域を低減できる。一般に、超小型電子構造体の下のアンダーカット領域は望ましくない。この理由は、減少したベース領域が結合強度を低下させ、可能な腐食物質および汚染物質を取り込む隠れた空洞を形成し、完成デバイス内に可能な応力集中点を発生させるからである。
【0050】
本発明の実施形態によれば、導電ラインは、(導電層と異なる)金属ベース層上の導電層を含む導電ラインを有する電子デバイスの絶縁不活性化層上に形成でき、金属ベース層は導電層と絶縁不活性化層との間にある。より詳細には、金属ベース層のリップは、導電ラインの端部を超えて突き出ることがある。例えば、導電層はアルミニウム層であってもよく、金属ベース層はチタン・タングステン(TiW)層であってもよい。より詳細には、アルミニウム導電層は約2μmの厚みを有し、TiWベース層は約1000オングストロームの厚みを有することがある。さらに、アルミニウム配線層とTiWベース層との間にチタン隔壁層を設けることができ、このチタン隔壁層は約200〜1000オングストロームの範囲の厚みを有することがある。
【0051】
図5〜図9には、本発明の実施形態による、金属ベース層上に導電層を含む導電ラインを形成する方法が示されている。図5に示されるとおり、基板121は、電子デバイス(トランジスタ、ダイオード、レジスタ、キャパシタ、および/またはインダクタ)を含むことがあり、基板上に導電入力/出力パッド127および絶縁不活性化層124を有する。基板121は、例えば、シリコン基板、ガリウム砒素(GaAs)基板、シリコンゲルマニウム(SiGe)基板、および/または、サファイア基板でありうる。絶縁不活性化層124は、絶縁有機および/または無機材料を含みうる。より詳細には、絶縁不活性化層124は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または、酸窒化ケイ素を含みうる。絶縁不活性化層124をさらにパターン化して、その層内に導電入力/出力パッド127の部分を露出するバイアホールを形成できる。導電入力/出力パッド127は、アルミニウム入力/出力パッドでありうる。
【0052】
絶縁不活性化層124上および導電入力/出力パッド127の露出部分上に、金属のブランケット層129’を形成できる。例えば、約1000オングストロームの厚みを有するチタン・タングステン(TiW)のブランケット層を、絶縁不活性化層124上および導電入力/出力パッド127の露出部分上に形成できる。さらに、チタン・タングステンのブランケット層をスパッタリングおよび/または蒸着により形成し、10%のチタンおよび90%のタングステンの組成とすることができる。さらに、導電入力/出力パッド127の露出部分は、金属のブランケット層129’を形成する前に、ウェットおよび/またはドライ前処理を用いて前処理することもできる。例えば、ウェットおよび/またはドライ前処理を用いて、導電入力/出力パッド127上の表面酸素を低減し、導電入力/出力パッド127とブランケット層129’の金属との間の接触抵抗を低下できる。より詳細には、前処理は、導電入力/出力パッド127上の表面酸素を低減するスパッタリングを含みうる。これに加えてまたはこれの代替として、プラズマ前処理を利用して、絶縁不活性化層124および/または導電入力/出力パッド127の表面をクリーニングできる。
【0053】
そして、図6に示されるように、リフトオフ技法を用いてパターン化された導電層を形成できる。例えば、フォトレジストのパターン化層131は金属のブランケット層129’の一部を露出してその位置に導電層133を形成でき、この導電層はブランケット層129’の金属中に含まれない金属を含む。例えば、導電層133は、チタン(Ti)層132およびアルミニウム(Al)134層を含みうる。より詳細には、チタン層132は約200〜1000オングストロームの範囲の厚みにでき、アルミニウム層134は約2μmの厚みにできる。様々な代替形態では、導電層133は、チタン上のアルミニウム(Ti/Al)、チタン・タングステンの上に重ねたチタン上のアルミニウム(TiW/Ti/Al)、チタン上の銅の連続層(Ti/Cu)、チタン・タングステン上の銅(TiW/Cu)、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上のアルミニウム(TiN/TiW/Al)、および/または、窒化チタンの上に重ねたチタン・タングステン上の銅(TiN/TiW/Cu)の連続層を含みうる。チタン上のアルミニウムの堆積物を含む導電層133は、チタン・タングステンのベース層からゲッターを利用して酸素を除去できる。
【0054】
図に示されるとおり、フォトレジスト131上に導電層133’の犠牲部分をさらに形成できる。フォトレジスト131およびその上の導電層133’の犠牲部分を除去することにより、ブランケット層129’上に導電層133を形成できる。リフトオフ技法を説明したが、導電層133は、例えばエッチングマスクによるウェットエッチングを含む従来のフォトリソグラフ/エッチング技法を利用して形成できる。
【0055】
そして、導電層133以外のマスクを用いることなく、金属のブランケット層129’に対してウェットエッチングを実施し、図7に示すように、導電層133を超えて突き出るリップ119を有するベース層129を形成できる。本発明の特定の実施形態によれば、金属ベース層129はチタン・タングステン(10%Tiおよび90%W)ベース層であり、導電層133はアルミニウム層134およびチタン層132を含むことがあり、ウェットエッチングは水に溶かした過酸化水素(H22)(30%H22)を用いて実施できる。代替形態では、金属ベース層129はチタン・タングステン(10%Tiおよび90%W)ベース層であり、導電層133はアルミニウム層134およびチタン層132を含むことがあり、ウェットエッチングは過酸化水素(H22)、水、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物を用いて実施できる。
【0056】
本発明の実施形態によれば、ベース層129のリップ119は、マスク(導電層133以外の)を使用せずに、導電層133を超えて突き出るように形成できる。マスクを使用せずにベース層129を形成することにより、リップ119は導電層133に対して自動整合し、導電層133から均一な長さで突き出る。このように、リップ119は、導電層133のアンダーカットを低減し、その結果得られた構造体の信頼性を向上できる。より詳細には、リップ119は、絶縁不活性化層124との接触面積を増加し、それにより、絶縁不活性化層との接着性を向上できる。アンダーカットを低減することにより、導電層133におけるクラックの発生を低減できる。特定のメカニズムに拘束されることなく、出願者らは、(例えばアルミニウム導電層などの)導電層133の近傍におけるエッチング薬剤の電気化学特性は、導電層の近傍におけるチタン・タングステンに対するエッチング薬剤の反応性を低下させるものと理論づける。
【0057】
図8に示されるように、第1絶縁不活性化層124の上と導電層133の上とベース層129のリップ119上とに、第2絶縁層135を形成できる。さらに、第2絶縁不活性化層135を通してバイアホール123を形成することにより、導電層133の一部を露出できる。
【0058】
図9に示されるように、(例えばはんだバンプなどの)相互接続構造体139を導電層133の露出部分上に形成できる。したがって、(導電層133およびベース層129を含む)導電ラインは、導電入力/出力パッド127から(例えばはんだバンプなどの)相互接続構造体139への再分配を可能にする。さらに、第2絶縁不活性化層135は、有機および/または無機絶縁材料を含みうる。より詳細には、第2絶縁不活性化層は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または、酸窒化ケイ素を含みうる。代替形態では、(導電層133およびベース層129を含む)導電ラインは、導電入力/出力パッド127と基板135上の別の接点パッドとの間の相互接続を提供できる。
【0059】
図10〜図13の写真には、本発明の実施形態によるTiWベース層とAl配線層とを含む様々な構造体が示されている。図10の上面図に示されるとおり、絶縁不活性化層235の上に導電構造体を形成でき、導電構造体がチタン・タングステンのベース層上にアルミニウム導電層234を含むように、アルミニウム導電層234と絶縁不活性化層235との間にチタン・タングステンのベース層を形成できる。さらに、チタン・タングステンのベース層のリップ219が、導電構造体の周辺まわりに比較的に均一な長さでアルミニウム導電層234を超えて突き出ている。図に示されるように、導電構造体は、細長い部分と幅の広い部分とを有することがある。
【0060】
図11は、本発明の実施形態による絶縁不活性化層335上の別の構造体の上面図である。図11に示されるように、チタン・タングステンのベース層のリップ319が導電構造体の周辺まわりに比較的に均一な長さでアルミニウム導電層334を超えて突き出るように、それぞれのチタン・タングステンのベース層上にアルミニウム導電層334を形成できる。
【0061】
図12は、本発明の実施形態による絶縁不活性化層435上のさらに別の構造体の上面図である。図12に示されるように、チタン・タングステンのベース層のリップ419が導電構造体の周辺まわりに比較的均一な長さでアルミニウム導電層434を超えて突き出るように、それぞれのチタン・タングステンのベース層上にアルミニウム導電層434を形成できる。
【0062】
図13は、本発明の実施形態による導電構造体の断面の写真である。図13に示されるとおり、絶縁不活性化層535の上に導電構造体を形成でき、導電構造体は、チタン・タングステンのベース層529とアルミニウム導電層534とを含みうる。より詳細には、チタン・タングステンのベース層529は、アルミニウム導電層534を超えて突き出るリップ519を含みうる。
【0063】
本図面および本明細書では、本発明の典型的な好ましい実施形態を開示し、特定の用語を用いているが、それらは一般的および説明的意味で使用しているだけであり、限定を意味するものではない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態による、導電構造体を形成するステップとその結果得られた導電構造体とを示す断面図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態による、導電構造体を示す写真である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態による、導電構造体を示す写真である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態による、導電構造体を示す写真である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態による、導電構造体を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上の導電パッドと、前記基板上の絶縁層とを含む集積回路チップをメタライズする方法であって、前記絶縁層はその中に前記導電パッドの一部を露出するバイアホールを有しており、
前記絶縁層上および前記導電パッド上に導電構造体を形成するステップであって、該導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を有するベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含み、該導電構造体の前記ベース層が前記導電層と絶縁層との間にあるものである、導電構造体を形成するステップを含む、集積回路チップをメタライズする方法。
【請求項2】
絶縁層上に前記導電構造体を形成するステップは、
前記絶縁層上および導電パッドの前記露出部分上にチタン・タングステン層を形成することと、
前記チタン・タングステン層上にアルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層を形成して、前記チタン・タングステン層の一部を露出させることと、
アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層を形成後、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層により露出された前記チタン・タングステン層の一部を除去することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チタン・タングステン層の一部を除去するステップは、過酸化水素を用いて前記チタン・タングステン層をエッチングすることを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
チタン・タングステン層の一部を除去するステップは、過酸化水素、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物を用いて、前記チタン・タングステン層をエッチングすることを含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記導電構造体の前記ベース層は、前記導電構造体の前記導電層を超えて突き出るリップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導電パッドは、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記導電構造体上および前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成して、前記導電構造体が前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成されるようにするステップと、
前記第2絶縁層内に第2バイアホールを形成して、前記導電構造体の一部を露出するステップと
をさらに含み、前記第1バイアホールおよび第2バイアホールは離れているものである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記導電構造体の前記露出部分上に相互接続構造体を形成するステップをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記相互接続構造体と前記導電構造体の前記露出部分との間にアンダーバンプ金属層を形成するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記相互接続構造体ははんだを含むものである請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記導電構造体の前記導電層はアルミニウム層を含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記導電構造体の前記導電層は、前記アルミニウム層と導電構造体の前記ベース層との間にチタン層をさらに含むものである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電パッドの一部が前記絶縁層と前記導電構造体との間に露出されている請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項15】
基板および前記基板上の絶縁層を含む集積回路チップをメタライズする方法であって、
前記絶縁層上に導電構造体を形成するステップであって、該導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含み、該導電構造体の前記ベース層は前記導電層と絶縁層との間にあり、該導電構造体の前記ベース層は該導電構造体の前記導電層を超えて突き出るリップを含むものである、導電構造体を形成するステップを含む、集積回路チップをメタライズする方法。
【請求項16】
絶縁層上に前記導電構造体を形成するステップは、
前記絶縁層上にチタン・タングステン層を形成することと、
前記チタン・タングステン層を形成後、前記チタン・タングステン層上にアルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層を形成して、チタン・タングステン層の一部を露出させることと、
アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層を形成後、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む前記導電層により露出された前記チタン・タングステン層の一部を除去することと
を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記チタン・タングステン層の一部を除去するステップは、過酸化水素を用いて前記チタン・タングステン層をエッチングすることを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
チタン・タングステン層の一部を除去するステップは、過酸化水素、硫酸カリウム、ベンゾトリアゾール、およびスルホサリチル酸を含む混合物を用いて前記チタン・タングステン層をエッチングするステップを含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記電子デバイスは前記基板上に導電パッドを含み、前記絶縁層はその中に前記導電パッドの一部を露出するバイアホールを有し、前記導電構造体を形成するステップは前記絶縁層上および前記導電パッドの露出部分上に前記導電構造体を形成するステップを含むものである請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記導電パッドは、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含むものである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記導電パッドの一部が前記絶縁層と前記導電構造体との間に露出されている請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記導電構造体上および前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成して、前記導電構造体が前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に形成されるようにするステップと、
前記第2絶縁層内に第2バイアホールを形成して、前記導電構造体の一部を露出するステップと
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項23】
導電構造体の前記露出部分上に相互接続構造体を形成するステップをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記相互接続構造体と導電構造体の前記露出部分との間にアンダーバンプ金属層を形成するステップをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記相互接続構造体ははんだを含むものである請求項23に記載の方法。
【請求項26】
導電構造体の前記導電層はアルミニウム層を含むものである請求項15に記載の方法。
【請求項27】
導電構造体の前記導電層は、前記アルミニウム層と導電構造体の前記ベース層との間にチタン層をさらに含むものである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含むものである請求項15に記載の方法。
【請求項29】
基板と、
前記基板上の導電パッドと、
前記基板上の絶縁層であって、前記導電パッドの一部を露出するバイアホールを有する絶縁層と、
前記絶縁層上および導電パッドの前記露出部分上の導電構造体と
を含んでなる電子デバイスであって、
前記導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含み、前記導電構造体の前記ベース層は前記導電層と前記絶縁層との間にあるものである電子デバイス。
【請求項30】
導電構造体の前記ベース層は、導電構造体の前記導電層を超えて突き出るリップを含む請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記導電パッドは、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含む請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項32】
前記導電構造体上および前記第1絶縁層上の第2絶縁層をさらに含み、前記導電構造体は前記第1絶縁層と第2絶縁層との間にあり、前記第2絶縁層は前記導電構造体の一部を露出する第2バイアホールを有し、前記第1バイアホールおよび第2バイアホールは離れているものである請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項33】
前記導電構造体の前記露出部分上に相互接続構造体をさらに含む請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項34】
前記相互接続構造体と導電構造体の前記露出部分との間にアンダーバンプ金属層をさらに含む請求項33に記載の電子デバイス。
【請求項35】
前記相互接続構造体ははんだを含むものである請求項33に記載の電子デバイス。
【請求項36】
前記導電構造体の前記導電層はアルミニウム層を含むものである請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項37】
前記導電構造体の前記導電層は、前記アルミニウム層と導電構造体の前記ベース層との間にチタン層をさらに含むものである請求項36に記載の電子デバイス。
【請求項38】
前記導電パッドの一部が前記絶縁層と前記導電構造体との間に露出されている請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項39】
前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含むものである請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項40】
基板と、
前記基板上の絶縁層と、
前記絶縁層上の導電構造体と
を含む電子デバイスであって、
前記導電構造体は、チタン・タングステン(TiW)を含むベース層と、アルミニウムおよび/または銅のうちの少なくとも1つを含む導電層とを含み、前記導電構造体の前記ベース層は前記導電層と絶縁層との間にあり、前記導電構造体の前記ベース層は導電構造体の前記導電層を超えて突き出るリップを含むものである電子デバイス。
【請求項41】
前記基板上に導電パッドをさらに含み、前記絶縁層はその中に前記導電パッドの一部を露出するバイアホールを有し、前記導電構造体の一部は前記導電パッドの前記露出部分上にある請求項40に記載の電子デバイス。
【請求項42】
前記導電パッドは、アルミニウムおよび/または銅の少なくとも1つを含むものである請求項41に記載の電子デバイス。
【請求項43】
前記導電パッドの一部が前記絶縁層と前記導電構造体との間に露出されている請求項41に記載の電子デバイス。
【請求項44】
前記導電構造体上および前記第1絶縁層上の第2絶縁層をさらに含み、前記導電構造体は前記第1絶縁層と第2絶縁層との間にあり、前記第2絶縁層は、前記導電構造体の一部を露出する第2バイアホールを有するものである請求項40に記載の電子デバイス。
【請求項45】
前記導電構造体の前記露出部分上に相互接続構造体をさらに含む請求項44に記載の電子デバイス。
【請求項46】
前記相互接続構造体と導電構造体の前記露出部分との間にアンダーバンプ金属層をさらに含む請求項45に記載の電子デバイス。
【請求項47】
前記相互接続構造体ははんだを含むものである請求項45に記載の電子デバイス。
【請求項48】
前記導電構造体の前記導電層はアルミニウム層を含むものである請求項40に記載の電子デバイス。
【請求項49】
前記導電構造体の前記導電層は、前記アルミニウム層と導電構造体の前記ベース層との間にチタン層をさらに含むものである請求項48に記載の電子デバイス。
【請求項50】
前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン、ポリイミド、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含むものである請求項40に記載の電子デバイス。
【請求項51】
その上に導電パッドを含む基板と、
前記基板上の不活性化層であって、前記導体パッドの一部を露出するバイアホールをその中に有する不活性化層と、
前記不活性化層上と導電パッドの前記露出部分上の再分配配線ラインと
を含む電子構造体であって、
前記再分配配線ラインは、TiWを含む第1層と、アルミニウムおよび銅の少なくとも1つを含む第2層とを含むものである電子構造体。
【請求項52】
前記再分配配線ライン上の第2不活性化層であって、前記再分配配線ラインの一部を露出する第2バイアホールをその中に有する第2不活性化層と、
前記再分配配線ラインの前記露出部分上のアンダーダンプ金属層と、
前記アンダーバンプ金属層上のはんだバンプと
をさらに含む請求項51に記載の電子構造体。
【請求項53】
その上に絶縁層を有する基板と、
前記絶縁層の部分上の金属ベース層であって、前記絶縁層の一部上には前記金属ベース層が存在しない金属バース層と、
前記金属層上の金属配線層と
を含む電子デバイスであって、
前記金属配線層は前記金属ベース層に含まれない金属を含み、前記金属ベース層は前記金属配線層と前記絶縁層との間にあり、前記金属ベース層は前記金属配線層を超えて突き出るリップを含むものである電子デバイス。
【請求項54】
前記金属ベース層はチタン・タングステンを含むものである請求項53に記載の電子デバイス。
【請求項55】
前記金属配線層はアルミニウム層を含むものである請求項54に記載の電子デバイス。
【請求項56】
前記金属配線層は、前記アルミニウム層と前記金属ベース層との間にチタン層を含むものである請求項55に記載の電子デバイス。
【請求項57】
絶縁層上に連続金属ベース層を形成するステップと、
前記連続金属ベース層の一部上に金属配線層を形成するステップであって、前記連続金属ベース層の一部が前記金属配線層上に存在しないようにし、前記連続金属ベース層が前記金属配線層と前記絶縁層との間にあるようにするものである、金属配線層を形成するステップと、
前記金属配線層の存在しない前記連続金属ベース層の部分を除去して、前記金属配線層と前記絶縁層との間にパターン化された金属バース層を形成するステップと
を含んでなり、
前記パターン化された金属バース層は前記金属配線層を超えて突き出るリップを含むものである、電子デバイスの形成方法。
【請求項58】
前記連続金属ベース層は、該連続金属ベース層の一部を除去する間において、前記金属配線層以外のマスクを用いない状態に維持されている請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記連続金属ベース層は、チタン・タングステンを含むものである請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記金属配線層はアルミニウム層を含むものである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記金属配線層は、前記アルミニウム層と前記金属ベース層との間にチタン層を含むものである請求項60に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2007−500445(P2007−500445A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521883(P2006−521883)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/022949
【国際公開番号】WO2005/013339
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506027538)ユニティブ・インターナショナル・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】