説明

テトラヒドロナフタレン誘導体類、それらの調製方法及び抗炎症剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)の多置換されたテトラヒドロナフタレン誘導体、及びその生成方法及び消炎剤の形でのその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたクロマン誘導体類、それらの調製方法及び抗炎症剤としてのそれらの使用に関する。
開環の非ステロイド性抗−炎症剤は、当業界において知られている(DE 100 38 639号及び WO 02/10143号)。それらの化合物は、抗−炎症効果と所望しない代謝効果との間の分離実験的に示し、そして今日まで記載されている非ステロイド性グルココルチコイドよりも卓越し、又は少なくとも良好な効果を示す。
本発明はさらに、非ステロイド性抗炎症剤を供給する。
【発明の開示】
【0002】
発明の簡単な記載:
本発明は、下記一般式(I):
【化1】

【0003】
[式中、R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)−アルキルチオ基、(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、又は−NR9R9a基であり;又は
R1及びR2は、一緒になって、-0-(CH2)n-O-、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 -N(C1-C3-アルキル)-(CH2)n+1-及び -NH-N=CH-から選択された基を形成し、ここでnは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子及び/又は窒素原子は直接的に隣接する環原子に結合され;
【0004】
R11は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)−アルキルチオ基、又は(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基であり;
R12は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、又は(C1-C10)−アルコキシ基であり;
【0005】
R3は、任意に1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基により置換される(C1-C10)−アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、あるいは1又は複数の置換基により任意に置換された単環又は二環式ヘテロアリール基であり、ここで、前記置換基は、1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個の-COOR13基によりそれ自体任意に置換され得る(C1-C5)−アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、-NR9R9a基、及びエキソメチレン基からお互い独立して選択され、そして任意には、1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を含んで成り、この基は、基Xに、いずれかの位置で結合され、そしてたぶん、1又は複数の位置で任意に水素化され得;
【0006】
R4は、ヒドロキシ基、-OR10基又は-O(CO)R10基であり;
R5は、任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C10)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルケニル−(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキルヘテロシクリル基、(C2-C8)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキルアリール基、(C2-C8)アルケニルアリール基、(C2-C8)アルキニルアリール基;任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜2個のエキソメチレン基により置換され、そして1〜3個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子を含んで成る、単−又は二環式へテロアリール基;(C1-C8)アルキルへテロアリール基、(C3-C8)アルケニルへテロアリール基又は(C2-C8)アルキニルへテロアリール基であり、この基は、テトラヒドロナフタレン系に、いずれかの位置で結合され、そしてたぶん、1又は複数の位置で任意に水素化され;
【0007】
R6は、水素原子、ハロゲン原子、又は任意に置換された(C1-C10)アルキル基であり;
R7及びR8は、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)アルキル基、シアノ基、(C1-C10)アルキリデン基と一緒に又はテトラヒドロナフタレンシステムの炭素原子と一緒に、任意に置換された(C3-C6)シクロアルキル環であり;あるいは
R6及びR7は一緒になって、任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基及び/又は1〜4個のハロゲン原子により置換される、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を形成し;
【0008】
R1及びR8は、一緒になって、任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基及び/又は1〜4個のハロゲン原子により置換される、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を形成し;
R9及びR9aは、お互い独立して、水素原子、(C1-C5)アルキル又は-(CO)-(C1-C5)アルキル基であり;
R10は、(C1-C10)アルキル基又はヒドロキシ保護基であり;
R13は、水素原子又は(C1-C5)アルキル基であり;そして
【0009】
Xは、基-C(=O)-、 -C(=S)-、 -C(=0)-NH-、 -C(=S)-NH-、 -S(O)m(ここで、m=1又は2)、-C(=0)-0-、 -C(=S)-O-又は基-(CH2)p-(ここで、p=1, 2, 又は3)であり、ここでXがカルボニル又はチオカルボニル官能基である場合、この官能基は、一般式(I)における基-NH-に結合され、但し、R3が任意に置換された(C1-C10)アルキル基である場合、Xは-(CH2)p-基ではあり得ない]
で表される、いずれかの立体異性体又は立体異性体の混合物の形での化合物;又は薬理学的に許容できるその塩又は誘導体の形での化合物に関する。
【0010】
本発明はさらに、本明細書に記載されるような一般式(I)の化合物の調製方法にも関する。
本発明はさらに、1又は複数の一般式(I)の化合物、及び1又は複数の医薬キャリヤー又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
本発明はさらに、抗炎症効果を有する医薬組成物の製造のためへの一般式(I)の化合物の使用にも関する。
【0011】
本発明はさらに、下記一般式(IV):
【化2】

[式中、R1〜R12及びYは上記意味を有する]
で表される化合物類、及び上記のような一般式(I)の化合物の調製のためへのそれらの化合物類の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な記載:
定義
用語、ハロゲン原子又はハロゲンとは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。弗素、塩素又は臭素原子が好ましい。
【0013】
一般式(I)の定義において言及されるアルキル基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そして例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル又はn−ペンチル、2,2、−ジメチルプロピル、2−メチルブチル又は3−メチルブチル基、及びヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル基及びいずれかの手段での枝分かれされたそれらの誘導体である。1〜10、1〜8又は1〜5個の炭素原子を含んで成るアルキル基が特に好ましい。
【0014】
上記アルキル基は、任意には、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、-COOR13, (C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子、-NR9R9a, 部分的に又は完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基からお互い独立して選択された1〜5、好ましくは1〜3個の基により置換され得る。アルキル基は好ましくは、1〜3個のハロゲン原子、及び/又は1〜3個のヒドロキシ、及び/又は1〜3個のシアノ、及び/又は1〜3個の-COOR13基により置換され得る。弗素原子、ヒドロキシ、メトキシ及び/又はシアノ基は、置換基の特に好ましいサブグループを表す。
1〜3個のヒドロキシ及び/又は1〜3個の-COOR13基は、アルキル基のための特に好ましい置換基のグループである。ヒドロキシ基は、これに関して、特に好ましい。
【0015】
適切な部分的に又は完全に弗素化されたアルキル基の例は、次の部分的に又は完全に弗素化された次の基である:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル。それらのうち、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基が好ましい。完全に弗素化された基はまた、ペルフルオロアルキル基とも呼ばれる。合成の間、任意に使用される試薬は、購入され得るか、又はその対応する試薬の公開された合成法は従来技術に属するか、又は公開された合成法が同様に適用され得る。
【0016】
アルケニル基は、少なくとも1つのC=C二重結合を有し、そして直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。2〜8個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。
アルキニル基は、少なくとも1つのC≡C三重結合を有し、そして直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。2〜8個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。
【0017】
一般式(I)の定義において言及されるアルコキシ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり、そしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ又はn−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、又は3−メチルブトキシ基を表す。C1-C5-及びC1-C3-, C1-C8-及びC1-C10-アルコキシ基が好ましい。メトキシ又はエトキシ基が特に好ましい。
【0018】
一般式(I)の定義に言及されるアルキルチオ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり、そしてメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソ−プロピルチオ、n−ブチルチオ、イソ−ブチルチオ、tert−ブチルチオ又はn−ペンチルチオ、2,2−ジメチルプロピルチオ、2−メチルブチルチオ、又は3−メチルブチルチオ基を表す。C1-C5−アルキル基が好ましい。メチルチオ又はエチルチオ基が特に好ましい。
【0019】
上記アルコキシ及びアルキルチオ基は、一般的にアルキル基について上記に記載された同じ置換基を、それらのアルキル基上に有することができる。アルコキシ及びアルキルチオ基についての好ましい置換基は、ハロゲン(特に、弗素及び/又は塩素)、ヒドロキシ及びシアノからお互い独立して選択される。
置換基-NR9R9aは例えば、-NH2、 -NH(CH3)、 -N(CH3)2、 -NH(C2H5)、 -N(C2Hs)2、 -NH(C3H7)、 -N(C3H7)2、 -NH(C4H9)、 -N(C4H9 )2、 -NH(C5H11)、 -N(C5H11)2、 -NH(CO)CH3、 -NH(CO)C2H5、 -NH(CO)C3H7、 -NH(CO)C4H9、 -NH(CO)C5H11を意味する。
【0020】
シクロアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、NR9R9a基、COOR13基、CHO、シアノから選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして3〜7個の環炭素原子を有する飽和環式基、例えばシクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘプチルを意味する。
【0021】
(C1-C8)アルキル−(C3-C7)シクロアルキル基R5は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C1-C8)アルキル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合されるシクロアルキル基(上記に定義されるような)を意味する。そのような基の例は、-(CH2)-シクロアルキル、-(C5H10)-シクロアルキルであり、ここでシクロアルキルは上記の通りに定義される。
【0022】
(C2-C8)アルケニル−(C3-C7)シクロアルキル基R5は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルケニル単位を通して、環システムに結合されるシクロアルキル基(上記で定義されたような)を意味する。そのような基の例は、-(CH=CH)-シクロアルキル、-[C(CH3)=CH]-シクロアルキル、-[CH=C(CH3)]-シクロアルキル、 -(CH=CHCH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(CH=CH-CH2-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2- CH=CH-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(C(CH3)=CH-CH2)- シクロアルキル、-(CH=C(CH3)-CH2)-シクロアルキルである。
【0023】
アルキリデン又はエキソアルキリデン基は、エキソ二重結合を通してシステム(環又は鎖)に結合される、1〜10個の炭素原子を有する基を意味する。(C1-C5)−及び(C1-C3)-アルキリデンが好ましく、そしてエキソメチレンが特に好ましい。
ヘテロシクリル基は、1又は複数のヘテロ原子を含んで成る環状非芳香族基であり、そして例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジンであり得る。ペルヒドロキノリン及びペルヒドロイソキノリンがまた、本発明のヘテロシクリル基に含まれる。
【0024】
ヘテロシクリル及びヘテロアリール基についての適切な置換基の例は、次の基からの置換基である:任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、ヒドロキシ、(C1-C5)-アルコキシ、-NR9R9a、 ハロゲン、シアノ、-COOR13、 -CHO。置換基は任意にはまた、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基の窒素原子に結合され得;N−オキシドがまた、この定義に包含される。
【0025】
本発明におけるアリール基は、1つの環を有する、6〜14個の炭素原子を有する芳香族、又は部分的芳香族炭素環式基、例えばフェニル又はフェニレン、又は多くの融合された環、例えばナフチル又はアントラニルである。言及され得る例は、フェニル、ナフチル、テトラリニル、アントラニル、インダニル及びインデニルである。任意に置換されたフェニル基及びナフチル基が好ましい。
【0026】
アリール基は、ヒドロキシ、ハロゲン、1〜3個のヒドロキシ基又はCOOR13により任意に置換されるC1-C5-アルキル、又はC1-C5-アルコキシ、シアノ、−CF3及びニトロからの1又は複数の基により、適切な化合物を導くいずれかの位置で置換され得る。
【0027】
アリール基は、部分的に水素化され得、そして次に、さらに上記置換に代るものとして、またケト及び/又はエキソアルキリデンを担持することができる。部分的に水素化されたフェニルとは、例えばシクロヘキサジエニル、シクロヘキセニル又はシクロヘキシルを意味する。部分的に水素化された、置換されたナフタレンシステムは例えば、1−テトラロン又は2−テトラロンである。
【0028】
(C1-C8)アルキルアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C1-C8)アルキル単位(上記に定義される)を通して、環系に結合される、すでに上記に記載されるようなアリール基である。
(C2-C8)アルケニルアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルケニル単位(上記に定義される)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなアリール基である。
【0029】
(C2-C8)アルキニルアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルキニル単位(上記に定義される)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなアリール基である。
単環式又は二環式へテロアリール基は任意には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はケト基から選択された1〜9個の基を含んで成り、それらのうち最大4個の窒素原子、最大2個の酸素原子、最大2個の硫黄原子及び/又は最大2個のケト基が存在することができる。
それらの基のあらゆる副組合せが可能である。ヘテロアリール基は、1又は複数の位置で水素化され得る。
【0030】
単環式へテロアリール基は例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、アザインドリジン、2H−及び4H−ピラン、2H−及び4H−チオピラン、フラン、チオフェン、1H−及び4H−ピラゾール、1H−及び2H−ピロール、オキサゾール、チアゾール、フラザン、1H−及び4H−イミダゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾールであり得る。
【0031】
二環式へテロアリール基は例えば、フタリジル、チオフラリジル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、ジヒドロインドロニル、イソインドロニル、ジヒドロインドロニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[c]チエニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロキノリニル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、ジヒドロフタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ジヒドロフタラジニル、1, 7−又は1, 8−ナフチリジニル、クマリニル、イソクマリニル、インドリジニル、イソベンゾフラニル、アザインドリル、アザイソインドリル、ピラゾロ[1, 5-a]ピリジル、フラノピリジル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジル、ジヒドロフラノピリミジニル、ジヒドロフラノピラジニル、ジヒドロフラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル基であり得る。
【0032】
ヘテロアリール基が部分的に又は完全に水素化される場合、本発明は、R3が下記のものである一般式(I)の化合物を包含する:テトラヒドロピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、1H−ピリジン−2−オニル、1H−ピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1H−ピリジン−4−イリデンアミニル、クロマニル、イソクロマニル、チオクロマニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンズ[1,4]キサジニル、1,2−ジヒドロ[1,3]ベンゾキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロベンズ[1,4]オキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジニル、4H−ベンゾ[1,4]チアジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1H−シンノリン−4−オニル、3H−キナゾリン−4−オニル、1H−キナゾリン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オニル、2,3−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,5]ナフチリジニル、ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジル、1H−[1,5]ナフチリド−4−オニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ナフチリジン−4−オニル、1,2−ジヒドロピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドリル、1,2−ジヒドロインダゾリル、1H-ピロロ[2,3−b]ピリジル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、2,2−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−オニル。
【0033】
単−又は二環式へテロアリール基は任意には、1〜3個のヒドロキシ基又は1〜3個の-COOR13基により任意に置換されるC1-C5-アルキル基、又はC1-C5-アルコキシ基、ハロゲン原子、及び/又はエキソメチレン基から選択された1又は複数の置換基により置換され得る。置換基は、可能なら、任意にはまた、ヘテロ原子(例えば、窒素原子)に直接的に結合され得る。本発明はまた、N−オキシドを包含する。
【0034】
(C1-C8)アルキルへテロアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C1-C8)アルキル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなヘテロアリール基である。
(C2-C8)アルケニルへテロアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルケニル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなヘテロアリール基である。
【0035】
(C2-C8)アルキニルへテロアリール基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルキニル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなヘテロアリール基である。
(C1-C8)アルキルへテロシクリル基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C1-C8)アルキル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなヘテロシクリル基である。
(C2-C8)アルケニルへテロシクリル基は、直鎖又は枝分かれ鎖の(C2-C8)アルケニル単位(上記に定義されるような)を通して、環システムに結合される、すでに上記に記載されるようなヘテロシクリル基である。
【0036】
適切なヒドロキシ保護基は、当業者に知られているすべての従来のヒドロキシ保護基、特にC1-C10有機酸のシリルエーテル又はエステル、C1-C5エーテル、ベンジルエーテル又はベンジルエステルである。従来のヒドロキシ保護基は、T.W. Greene, P.G.M. Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis", 2nd Edition, John Wiley & Sons, 1991に詳細に記載されている。保護基は好ましくは、アルキル−、アリール−又は混合されたアルキルアリール−置換されたシリル基、例えばトリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)又はトリイソプロピルシリル基(TIPS)、又はもう1つの標準のヒドロキシ保護基(例えば、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニル基)である。
【0037】
一般式(I)の本発明の化合物は、不斉中心の存在のために、立体異性体として存在することができる。本発明は、ラセミ体としての及び鏡像純粋形でのすべての可能性あるジアステレオマーに関する。用語、立体異性体はまた、すべての可能性あるジアステレオマー及び位置異性体及び互変異体(例えば、ケト−エナール互変異体)も包含し、ここで本発明のジアステレオマーが存在し、そして従って、本発明は同様にこれにも関する。
【0038】
本発明の化合物はまた、薬理学的に許容できるアニオンとの塩の形で、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩又は琥珀酸塩の形で存在することができる。
本発明はまた、一般式(I)の化合物の薬理学的に適切な誘導体又はプロドラッグも包含する。誘導体又はプロドラッグは例えば一般式(I)の化合物、又は一般式(I)の化合物に、身体中で代謝する他の化合物のエステル、エーテル又はアミドを言及する。適切な化合物は、例えばHans Bundgaard (Herausg.), Design of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に列挙されている。
【0039】
好ましい態様
一般式(I)の本発明の化合物のサブグループは、R7及びR8が、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)アルキル基、シアノ基、(C1-C10)アルキリデン基と一緒に又はテトラヒドロナフタレンシステムの炭素原子と一緒に、任意に置換された(C3-C6)シクロアルキル環であるそれらの化合物である。
【0040】
一般式(I)の本発明の化合物のさらなるサブグループは、R6及びR7が、1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、及び/又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換される、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を一緒に形成するそれらの化合物である。
【0041】
一般式(I)の本発明の化合物のさらなるサブグループは、R1及びR8が、1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、及び/又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換される、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を一緒に形成するそれらの化合物である。
【0042】
一般式(I)の本発明の化合物のさらなるサブグループは、R1及びR2がお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)−アルキルチオ基、(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、又は−NR9R9a基であるそれらの化合物である。
【0043】
一般式(I)の本発明の化合物のさらなるサブグループは、R1及びR2が、-0-(CH2)n-O-、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 -N(C1-C3-アルキル)-(CH2)n+1-及び -NH-N=CH-から選択された基を一緒に形成し、ここでnは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子及び/又は窒素原子は直接的に隣接する環原子に結合されるそれらの化合物である。
【0044】
一般式(I)の本発明の化合物の好ましいグループは、Xが、基-C(=O)-、-C(=0)-NH-、 -C(=S)-NH-、 -S(O)2‐又は-CH2-であるそれらの化合物である。
一般式(I)の本発明の化合物の好ましいグループは、R4が、ヒドロキシ基、又は基-OR10であるそれらの化合物である。R4が、ヒドロキシ基であるそれらの化合物が特に好ましい。
【0045】
一般式(I)の化合物のさらに好ましいグループは、R5が(C1-C5)アルキル基又は部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキルアリール基、(C2-C8)アルケニルアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキル(C3-C7)シクロアルキル基又は(C2-C8)アルケニル(C3-C7)シクロアルキル基であるそれらの化合物である。これに関して、このまし化合物は、R5が(C1-C5)アルキル基、又は部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)アルキル基であるそれらである。これに関しての特に好ましい化合物は、R5がトリフルオロメチル又はペンタフルオロエチル基であるそれらである。
【0046】
一般式(I)の化合物のさらに好ましいグループは、R7がハロゲン原子又は任意に置換されたメチル又はエチル基であるそれらの化合物である。
一般式(I)の化合物のさらに好ましいグループは、R7及びR8がそれぞれメチル基であるか、又はテトラヒドロナフタレンシステムの炭素原子と共に、シクロプロピル基を形成するそれらの化合物である。特に好ましい化合物は、R7及びR8がそれぞれメチル基であるそれらである。
【0047】
一般式(I)の化合物のさらに好ましいグループは、R3が任意に置換されたアリール又はヘテロアリール基であるそれらの化合物である。これに関しての特に好ましい化合物は、アリール又はヘテロアリール基がナフチル、ベンゾフラニル、ピラゾロ[1, 5-a]ピリジニル、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロイドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、クロマニル、イソクロマニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基から成る群から選択されるそれらである。これに関しての特に好ましい基は、ナフチル、ベンゾフラニル、キノキサリニル及びピラゾロ[1,5−a]ピリジニルである。
【0048】
一般式(I)の化合物のサブグループは、置換基R11及びR12がお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、特に弗素、シアノ又はメトキシ基であるそれらの化合物である。
好ましいサブグループにおいては、置換基R11及びR12がそれぞれ水素原子である。
【0049】
上記で定義されたような一般式(I)の化合物の特に好ましいグループは、R1, R2, R11及びR12がお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、任意に置換された(C1-C10)アルキル基又は(C1-C10)アルコキシ基であり、R3が任意に置換されたアリール又はヘテロアリール基であり、R4がヒドロキシ基、-OR10基又は-O(CO)R10基であり、R5が任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C10)アルキル基であり、R6が水素原子、ハロゲン原子又は任意に置換された(C1-C10)アルキル基であり、R7及びR8がお互い独立して、任意に置換された(C1-C10)アルキル基であり、(C1-C10)アルキリデン基又はテトラヒドロナフタレンシステムの炭素原子と共に、任意に置換された(C3-C6)シクロアルキル環を形成し、R10が(C1-C10)アルキル基であり、そしてXが基-C(=O)-, -C(=O)-NH-, -S(O)m-(ここで、mは1又は2である)、又は-(CH2)p-(ここで、pは1,2又は3である)であるそれらの化合物である。
【0050】
上記に定義されるような一般式(I)の化合物の非常に特別に好ましいグループは、R1及びR2がお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基であり、R11及びR12がそれぞれ水素原子であり、R3がナフチル、ベンゾフラニル、キノキサリニル又はピラゾロ[1,5-a]ピリジニル基であり、R4がヒドロキシ基であり、R5がトリフルオロメチル基であり、R6が水素原子であり、R7及びR8がそれぞれメチル基であり、そしてXが基-C(=0)-, -C(=O)-NH, -SO2-及び-CH2-の1つであるそれらの化合物である。
それらの一般的及び/又は特定の意味により好ましいものとして示される上記サブグループ及び置換基のあらゆる追加の可能性ある組合せは、本発明により包含されるものとして見なされるべきである。
【0051】
調製方法
一般式(I)の本発明の化合物は、種々の手段で得られる。下記に記載される調製方法は、本発明の一部を形成する。
特にことわらない限り、下記方法に使用される置換基は、セクション“発明の簡単な記載”、例えばセクション“発明の詳細な記載”に言及される定義と同じ意味を有する。
【0052】
一般式(I)の化合物を調製するための本発明の1つの方法(方法A)は、
a)下記式(II):
【化3】

【0053】
[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される開鎖カルボニル化合物が、適切な場合、無機酸又は有機酸、又はルイス酸の添加により、下記式(III ):
【0054】
【化4】

【0055】
[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される化合物に環化され、
b)前記一般式(III )の化合物が、アミノ基によりヒドロキシ基を置換することにより、下記式(IV):
【0056】
【化5】

【0057】
[式中、置換基R1〜R12 Xは請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される化合物に転換され、そして
c)前記一般式(IV)の化合物が、一般式R3-X-Nu(ここで、Nuは求核基である)、R3-N=C=O又はR3-N=C=Sの化合物から選択された化合物との反応により、及び適切な場合、硫黄によるカルボニル酸素原子の続く置換により、一般式(I)[式中、置換基R1〜R12及びXは請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]の化合物に転換されることを特徴とする。
【0058】
置換基R1〜R12は、上記に示されている意味を有する。
上記に示される段階b)におけるアミノ基によるヒドロキシ基の置換は、例えば一般式(III )の化合物を、当業界において知られている方法(求核性装置)により、その対応するアジドに転換し、これを、一般式(IV)の第一アミンに、適切な条件下で還元することにより達成され得る。
【0059】
アミノ基を導入するためのさらなる可能性は、一般式(III )の化合物と、Burgess試薬(Tetrahedron Lett. 2002, 43, 3887-3890)との反応、及び当業界において知られている方法により得ることができる、前記得られる複素環式物の続く分解から成る。
段階c)に記載される、硫黄によるカルボニル酸素原子の任意の置換は、当業界において知られており、そして例えばLawesson試薬又は五硫化リンとの反応により達成され得る。
【0060】
段階c)において使用される化合物R3-X-Nuにおける適切な求核基の例は、ハロゲン原子又は脱離基、例えばアセテート、トシレート、メシレート又はトリフレート基である。従って、化合物R3-X-Nuは例えば、カルボン酸、スルホン酸、又はスルフィン酸のハロゲン化物、又はそれらの酸の混合された無水物、及びクロロ蟻酸、トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸及びトリフルオロメチルスルホン酸のエステルの種類に属する。
一般式(I)の化合物を調製するための本発明のさらなる方法(方法B)は、上記一般式(IV)の化合物と、一般式R3-CHOの化合物との反応、及び得られるイミンの還元から成る。
【0061】
最終的に、一般式(I)の化合物を調製するための本発明のさらなる方法(方法C)は、上記一般式(IV)の化合物と、ホスゲン又はチオホスゲンとの反応、及び得られるイソシアネート又はイソチオシアネートと、一般式R3-OH又はR-NH2の化合物との続く反応から成り、一般式(I)(式中、Xは請求項1に記載される-C(=O)-NH-, -C(=S)-NH-又は-C(=O)-O-を意味する)の化合物が得られる。
【0062】
一般式(I)の化合物を調製するための本発明のさらなる方法(方法D)は、
a)下記一般式(VI):
【化6】

【0063】
[式中、R8は、(C1-C10)アルキル基である]
で表される化合物が、任意には、キラルルイス酸の存在下でエン(ene)反応においてα−ケトカルボン酸、又は一般式R5-C(=O)-COOR13のα−ケトカルボン酸エステルと反応せしめられ、下記一般式(VII ):
【0064】
【化7】

【0065】
[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表される化合物が得られ、
【0066】
b)前記一般式(VII )の化合物が、下記一般式(IIa):
【化8】

【0067】
[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表されるアルデヒドに還元され、そして
c)前記アルデヒド(IIa)が、一般式(I)[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表される化合物に、上記に示される方法Aに類似して転換されることにより特徴づけられる。
置換基R1〜R13は、上記に示される意味を有する。
【0068】
上記方法Dの段階b)に使用されるような、カルボン酸又はカルボン酸エステルのアルデヒドへの選択的還元のための方法は、当業界において知られている。
方法Dに、R7及びR8を変性するためのさらなる反応段階を包含することが任意には、可能である。従って、例えば中間体(IIa)における(C1-C10)アルキリデン基が水素化され、従って、一般式(I)(式中、基R7及びR8の1つが水素原子であり、他の基が(C1-C10)アルキル基である)の化合物が得られる。
【0069】
中間体(IIa)における(C1-C10)アルキリデン基はまた、ハロゲン水素処理のための基質としても使用され得る。この場合にもたらされる合成の最終生成物は、一般式(I)(基R7及びR8の1つはハロゲン原子であり、又は他に、他の基は(C1-C10)アルキル基である)の化合物である。
最終的に、中間体(IIa)における(C1-C10)アルキリデン基に対するシクロ付加反応を実施することも可能である。これに関して、一般式(I)(基R7及びR8は、環炭素原子と共に、(任意に置換された)シクロプロパン環である)の合成化合物の最終生成物として付与するシクロプロパン化反応が特に好ましい。
【0070】
方法Dにおける基R7及びR8に対するそれらの変性は、中間体(IIa)に対して必ずしも実施される必要はないが、しかしまた、適切な場合、完全な合成においては、後で実施され得ることは、当業者に明らかである。反応段階の順序のそれらの変動は同様に、本発明に包含される。
【0071】
生物学的活性
一般式Iの化合物の抗炎症効果が、ラット及びマウスにおけるハズ油誘発された炎症における試験により、動物実験において試験された(J. Exp. Med. (1995)、182、99−108)。このためには、エタノール中、ハズ油溶液が、動物の耳に局部的に投与された。試験物質がまた、ハズ油投与と同時に、又はその2時間前、局部的に又は全身投与された。16〜24時間後、耳の重量が、炎症性水腫についての用量として、ペルオキシダーゼ活性が顆粒球の移動についての用量として、及びエラスターゼ活性が好中球顆粒球の移動についての用量として測定された。この試験においては、一般式Iの化合物は、局部投与及び全身投与及び全身投与後、3種の上記炎症パラメーターを阻害する。
【0072】
グルココルチコイド受容体(GR)及び他のステロイドホルモン受容体(鉱物コルチコイド受容体(MR)、プロゲステロン受容体(PR)及びアンドロゲン受容体(AR))への物質の結合が、組換え的に生成された受容体の助けにより試験される。GRをコードする組換えバキュロウィルスにより感染されたSf9細胞のサイトゾル調製物が、結合研究のために使用される。対照物質[3H]−デキサメタゾンに比較して、前記物質は、GRへの非常に高い親和性を示す。従って、IC50(GR)=36nM及びIC50(PR)>1μMは、例3Lからの化合物について測定された。
【0073】
サイトカイン、付着分子、酵素及び他の前炎症性因子の転写のGR−介在性阻害は、グルココルチコイドの抗炎症効果のための必須の分子機構として見なされる。この阻害は、他の転写因子、例えばAP-1及びNF-κ-BとGRとの相互作用により生成される(概観については、Cato, ACB and Wade E, BioEssays 18,371-378 1996を参照のこと)。
【0074】
本発明の一般式Iの化合物は、ヒト単球細胞系THP−1においてリポ多糖類(LPS)により誘発されるサイトカインIL−8の分泌を阻害する。サイトカインの濃度は、市販のELISAキットにより上清液において決定された。例3Eの化合物は、阻害IC50(IL8)=1μモル(標準として[3H]‐デキサメタゾンに対して11%の効率)を示した。
【0075】
グルココルチコイド治療の最も所望しない効果の1つは、いわゆる“ステロイド糖尿病”である(Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。これについての理由は、これを担当する酵素の誘発による、及びタンパク質の分解(グルココルチコイドの異化作用)から生成される遊離アミノ酸による、肝臓における糖新生の刺激である。肝臓における異化代謝のキー酵素は、チロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)である。この酵素の活性は、肝臓ホモジネートから分光光度的に決定され、そしてグルココルチコイドの所望しない代謝効果についての良好な測定を提供する。TAT誘発の測定に関しては、動物が、試験物質の投与後、8時間で殺害され、肝臓が除かれ、そしてホモジネートにおけるTAT活性が測定される。この試験においては、一般式Iの化合物は、それらが抗炎症活性を有する用量で、チロシンアミノトランスフェラーゼをほとんどか又はまったく誘発しない。
【0076】
医学的症状
それらの抗炎症及びさらに、抗アレルギー性、免疫抑制及び抗増殖効果に基づいて、本発明の一般式Iの化合物は、患者、特に哺乳類及び好ましくはヒトにおける次の病理学的状態の処理又は予防のための薬剤として使用され得る。
【0077】
これに関して、用語“疾患”とは、次の症状を表す:
(i)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肺疾患:
−いずれかの起源の慢性閉塞性肺疾患、主に気管支喘息;
−異なった起源の気管支炎;
−すべての形の制限的肺疾患、主にアレルギー性肺胞炎;
−すべての形の肺水腫、主に毒性肺水腫;
−サルコイドーシス及び肉芽腫症、特にベック病;
【0078】
(ii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随するリウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患:
−すべての形のリウマチ性疾患、特にリウマチ様関節炎、急性リウマチ性発熱、リウマチ性多筋痛;
−反応性関節炎;
−他の起源の炎症性柔組織疾患;
−変形性関節疾患(関節症)の場合における関節炎症状;
−外傷性関節炎;
−いずれかの起源の膠原病、例えば全身性エクテマトオーデス、硬皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スティル症候群、フェルティ症候群;
【0079】
(iii)炎症性及び/又は増殖工程により付随されるアレルギー:
−すべての形のアレルギー性反応、例えば血管性水腫、枯草熱、昆虫咬傷、医薬剤、血液誘導体、コントラスト媒体、等に対するアレルギー反応、過敏性ショック、蕁麻疹、接触性皮膚炎;
(iv)血管炎症(脈管炎):
−汎動脈炎結節、側頭動脈炎、らい性結性紅斑;
【0080】
(v)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する皮膚学的疾患:
−アトピー性皮膚炎(主に子供における);
−乾癬;
−毛孔性紅色ひこう疹;
−異なった病毒、例えば放射線、化学物質、熱傷、等により誘発される紅斑性疾患;
−水疱性皮膚病;
−苔癬様グループの疾患;
−かゆみ(例えば、アレルギー起源の);
−脂漏性水腫;
−しゅさ;
−尋常性天疱瘡;
−紅斑性滲出性多形体;
−亀頭炎;
−外陰炎;
−髪損失、例えば脱毛症領域;
−円形脱毛症;
−皮膚性T−細胞リンパ腫;
【0081】
(vi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腎疾患:
−ネフローゼ症候群;
−すべての腎炎;
(vii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肝疾患:
−急性肝細胞分解;
−異なった起源、例えばウィルス、毒性、医薬剤−誘発された急性肝炎;
−慢性攻撃性肝炎及び/又は慢性間欠性肝炎;
【0082】
(viii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する胃腸疾患:
−限局性腸炎(クローン病);
−潰瘍性大腸炎;
−胃炎;
−逆流性食道炎;
−他の起源、例えば固有スプルーの胃腸炎;
【0083】
(ix)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付図する直腸疾患:
−肛門水腫;
−裂;
−痔疾;
−特発性直腸炎;
【0084】
(x)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する眼疾患:
−アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎;
−結膜炎;
−眼瞼炎;
−視神経炎;
−脈絡膜炎;
−交感性眼炎;
【0085】
(xi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する耳−鼻−咽喉領域の疾患:
−アレルギー性鼻炎、枯草熱;
−接触性皮膚炎、感染、等により引き起こされる外耳炎;
−中耳炎;
(xii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する神経学的疾患;
−脳水腫、主に腫瘍誘発された脳水腫;
−多発生硬化症;
−急性髄膜炎;
−髄膜炎;
−種々の形の痙攣、例えば乳児性点頭痙攣;
【0086】
(xiii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する血液疾患:
−後天性溶血性貧血;
−特発性血小板減少症;
(xiv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腫瘍疾患:
−急性リンパ性白血病;
−悪性リンパ腫;
−リンパ肉芽腫症;
−リンパ肉腫;
−主に乳房、気管支及び前立腺癌における集中的な転移;
【0087】
(xv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する内分泌疾患:
−内分泌性眼窩病;
−甲状腺クリーゼ;
−ド・ケルヴァン甲状腺炎;
−ハシモト甲状腺炎;
−バセドー氏病;
【0088】
(xvi)器官及び組織移植、対宿主性移植片病;
(xvii)重症性ショック状態、例えば過敏性ショック、全身性炎症応答症候群(SIRS);
(xviii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する嘔吐:
−例えば、細胞増殖抑制により誘発された嘔吐における5−HT3アンタゴニストとの組合せ;
(xix)炎症起源の痛み、例えば腰痛;
(xx)下記における置換療法:
【0089】
−先天性−次性副腎機能不全、例えば先天性副腎由来の症候群;
−後天性−次副腎機能不全、例えばアジソン病、自己免疫副腎炎、後感染性腫瘍、転移、等;
−先天性二次副腎機能不全、例えば先天性下垂体低下;
−後天性二次副腎機能不全、例えば後感染性腫瘍、等。
一般式Iの立体異性体を含んで成る薬剤は、次の疾患に対して特定の効能を示す:
【0090】
1.胚疾患
2.リウマチ性疾患/自己免疫疾患
3.皮膚疾患
4.変性関節疾患
5.血管炎症
6.対宿主性移植片病
7.ショックの重度状態
8.炎症、アレルギー及び/又は増殖工程に関連する嘔吐
9.炎症関連の痛み
【0091】
さらに、本発明の一般式Iの化合物は、合成グルココルチコイドが使用される、上記に言及されていない追加の病理学的状態の処理及び予防のために使用され得る(これに関しては、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。
【0092】
すべての前記に言及された表示は、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998に、より詳細上記載されている。
上記病理学的状態における治療効果のための適切な用量は、変化し、そして例えば一般式(I)の化合物の能力、疾患(例えば、身長、体重、性別、等)、投与の態様及び処理されるべき状態の性質及び重度、及び予防又は治療剤としての使用に依存する。
【0093】
本発明は、医薬組成物の製造のためへの本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、次のことを提供する:
(i)炎症過程の処理又は予防、及び特に疾患(上記に定義されたような)の処理のための医薬組成物の製造のためへの一般式(I)の本発明の化合物、又はそれらの混合物の1つの使用
【0094】
(ii)疾病又は症状を軽減するか又は抑制する医薬的有効量の一般式(I)の化合物を、そのような処理を必要とする患者、好ましくは哺乳類、特にヒトに投与することを包含する、炎症工程の処理又は予防、及び特に疾患(上記に定義されたような)の処理のための方法;
(iii)抗炎症効果を有し、特に疾患(上記に定義されるような)の処理のための、本発明の化合物又はその混合物の1つ及び適切な場合、少なくとも1つの医薬賦形剤及び/又はキャリヤーを包含する医薬組成物。
【0095】
一般的に、満足の行く結果が、毎日の用量がkg体重当たり、1μg〜100,000μgの範囲の本発明の化合物を含んで成る場合、動物において予測され得る。より大きな動物、例えばヒトの場合、推薦される毎日の用量は、kg体重当たり1μg〜100,000μgの範囲である。Kg体重当たり10〜30,000μgの用量が好ましく、そしてkg体重当たり10〜10,000μgの用量がより好ましい。例えば、この用量は適切には、1日当たり1回以上、適切には投与される。急性ショック(例えば、過敏性ショック)の処理に関しては、有意には、上記で言及された用量以上である1回の用量が与えられ得る。
【0096】
新規化合物に基づいての医薬製品は、医薬技法に通常使用されるキャリヤー物質、充填剤、分解に影響を及ぼす物質、結合剤、保湿剤、滑剤、吸着剤、希釈剤、風味修正剤、着色剤、等と共に加工される活性成分により、当業界において知られている手段で実施され、そして所望する投与形に転換される。この場合、Remington's Pharmaceutical Science, 15th ed. Mack Publishing Company, East Pennsylvania (1980)を参照のこと。
【0097】
経口投与に関しては、特に錠剤、被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、香剤、懸濁液、エマルジョン又は溶液が適切である。
非経口投与に関しては、注射及び注入が可能である。
関節内注射に関しては、相応じて調製された結晶性懸濁液が使用され得る。
筋肉内注射に関しては、水性及び油性注射溶液又は懸濁液及び相当のデポット調製物が使用され得る。
【0098】
直腸投与に関しては、新規化合物は、全身性及び局部処理のために、坐剤、カプセル、溶液(例えば、浣腸の形で)、及び軟膏の形で使用され得る。
新規に化合物の肺投与に関しては、その化合物は、エアロゾル及び吸入剤の形で使用され得る。
眼、外耳、中耳、鼻腔及び副鼻腔への局部投与に関しては、新規化合物は、対応する医薬製剤において、ドロップ、軟膏及びチンキ剤として使用され得る。
【0099】
局部適用に関しては、ゲル、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、粉末、懸濁液、エマルジョン及び溶液における配合が可能である。一般式Iの化合物の用量は、十分な薬理学的作用を達成するためには、それらの製剤において0.01%〜20%であるべきである。
本発明はまた、本発明の一般式Iの化合物を、治療的活性成分として含んで成る。さらに、本発明の一般式Iの化合物は、医薬的に適合でき、且つ許容できる賦形剤及び/又はキャリヤーと共に、治療的活性成分として本発明の一部である。
一般式(I)の本発明の化合物はまた、適切な場合、さらなる活性成分と組合して配合され、そして/又は投与され得る。
【0100】
従って、本発明はまた、組み合わせ療法又は組合された組成物にも関し、ここで式(I)の化合物又は医薬的に許容できるその塩、又は式(I)の化合物又は医薬的に許容できるその塩を含む医薬組成物が、上記病理学的状態の1つを処理するために、1又は複数の医薬剤と同時に(任意には、同じ組成物において)、又は前記医薬剤と共に連続的に投与される。例えば、リウマチ様関節炎、変形性関節炎、CPOD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息又はアレルギー性鼻炎の処理に関しては、本発明の式(I)の化合物が、そのような状態の処理のための1又は複数の医薬剤と共に組合され得る。そのような組合せが吸入により投与される場合、組み合わされるべき医薬剤は次の列挙から選択され得る:
【0101】
・PDE4Dイソフォームのインヒビターを包含するPDE4インヒビター;
・選択的β. Sub2. adrenoceptorアゴニスト、例えばメタプロテノール、イソプロテノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メタンスルホン酸ビオルテロール、ビルブテロール又はインダカテロール;
【0102】
・ムスカリ受容体アンタゴニスト(例えば、M1, M2又はM3アンタゴニスト、例えばより選択的なM3アンタゴニスト)、例えば臭化イプラトロピウム、臭化チオトリピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン又はテレンゼピン:
・ケモカイン受容体機能のもジュレーター(例えば、CCR1受容体アンタゴニスト);又は
・p38キナーゼ機能のインヒビター。
【0103】
本発明のもう1つの対象に関しては、式(I)の化合物又は医薬的に許容できるその塩とのそのような組合せが、COPD、喘息又はアレルギー性鼻炎を処理するために使用され、そして吸入又は経口投与もされ得る、キサンチン(例えば、アミノフィリン又はテオフィリン)と組合して、吸入又は経口により投与され得る。
【実施例】
【0104】
下記例に使用されるシス/トランスの命名は、テトラヒドロナフタレンシステムの飽和環の位置1及び2での置換基の位置を言及する。これに関しては、シスとは、炭酸原子1上の最高優先の置換基(Cahn-Ingold-Prelog定義によれば)が軸位置に位置し、そして炭素原子2上の最高優先の置換基が水平位置に位置し、又は炭素原子1条の最高優先の置換基(Cahn-Ingold-Prelog定義によれば)が水平位置に位置し、そして炭素原子2上の最高優先の置換基が軸位置に位置することを意味する。相応じてトランスとは、炭素原子1及び2上の個々の場合の2つの最高優先の置換基が、軸位置か又は水平位置のいずれかに位置することを意味する。
【0105】
例1:一般式(III )の化合物の合成
6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール(シス及びトランス異性体)
1.75g(5.67mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチルペンタナールを、20mlのジクロロメタンに溶解し、そして2.6mlのトリフルオロ酢酸に添加する。その反応を室温で窒素雰囲気下で24時間、撹拌する。調査のために、反応溶液を、真空下で3度、トリエンと共に蒸発し、そして次に、クロマトグラフィーにより精製する:1.28gのシス−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール及び300mgのトランス−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール(90%)。
【0106】
シス−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール:1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.45 (s, 3H), 1 ,59 (s, 3H), 1.81(d, 1 H), 2.08 (d, 1 H), 2.56 (d, 1 H), 3.18 (d, 1 H), 3.94 (d, 3H), 5.03 (d, 1 H), 7.03 (dd, 1 H)1
7.31 (ddd, 1 H)。
【0107】
トランス−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール:1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.52 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.83 (dd, 1 H), 1.87 - 1.90 (m, 2H), 2.42 (d, 1 H), 3.95 (d, 3H), 4.68 (dd, 1 H), 6.99 - 7.06 (m, 2H)。
【0108】
次の化合物を、上記方法に類似して得る:
6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール(シス及びトランス異性体の混合物):
7−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール(シス及びトランス異性体の混合物):
【0109】
例2:一般式(IV)の化合物の合成
例2Aシス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
a)ベンジル7−フルオロ−6−メトキシ−5,5−ジメチル−2,2−ジオキソ−3a−トリフルオロメチル−3a, 4, 5, 9b−テトラヒドロ−3−オキシ−2λ**−チア−1−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−1−カルボキシレート
2.00g(6.48mモル)の6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジオール及び5.12g(16.2mモル)のBurgess試薬を、50mlのTHFに溶解し、そして窒素雰囲気下で65〜70℃で7時間、及び次に室温で12時間、撹拌する。その反応溶液を真空下で蒸発し、そして残渣をクロマトグラフィーにより精製する:1.66g(51%)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.54 (s, 3H), 1.59 (s, 3H), 2.01 (d, 1 H), 2.29 (d, 1 H), 3.95 (d, 3H), 5.36 (d, 1 H), 5.44 (d, 1 H), 5.95 (s, 1 H), 6.97 (dd, 1 H), 7.19 (dd, 1 H), 7.35 - 7.42 (m, 5H)。
【0110】
b)シス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
1.2g(2.38mモル)のベンジル7−フルオロ−6−メトキシ−5,5−ジメチル−2,2−ジオキソ−3a−トリフルオロメチル−3a, 4, 5, 9b−テトラヒドロ−3−オキシ−2λ**−チア−1−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−1−カルボキシレートを、12mlのジオキサンに溶解し、そして8mlの4NのHCl溶液の添加の後、電子レンジにおいて250W及び140℃で20分間、2度、処理する。調査のために、前記溶液を真空下で蒸発し、そして残渣を、4Nの水酸化ナトリウム溶液により0℃でpH14に調節し、そして酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮する:41%の所望する生成物。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.36 (s, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.78 (s, 1 H), 1.95 (d, 1 H), 3.83 (d, 3H), 4.03 (s, 1 H), 7.12 (dd, 1 H), 7.51 (dd, 1 H)。
【0111】
例2Bトランス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
a)1−アジド−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
420mg(1.27mモル)のテトラブロモメタン及び454mg(1.14mモル)の1,2−ビス(ジフェニルホスホノ)エタン(Diphos)を、4.5mlのジクロロメタン中、130mg(0.422mモル)の6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−シス−ジオールの溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加する。同様にして、この反応を、1,2−ジオールの代わりに、その対応する1,2−シス/トランス−ジオール混合物により開始することが可能である。室温での3時間の撹拌の後、20mlのエーテルを添加し、そして5分間の撹拌の後、得られる沈殿物を濾過し、そしてエーテルにより洗浄し、そして溶媒を真空下で蒸発する。200mgのこの粗生成物を、次の反応に、さらに精製しないで使用する。
【0112】
190mg(0.512mモル)の粗生成物を、2mlのアジ化ナトリウム含有DMSO溶液と共に混合する(5mlのジメチルスルホキシド中、150mgのアジ化ナトリウムを室温で24時間、撹拌する)。その反応溶液を室温で3時間、及び40〜45℃で3時間、窒素雰囲気下で撹拌する。調査のために、5mlの水を反応混合物に添加し、そしてそれを酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製する。80mgの標記化合物。
【0113】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.52 (s, 3H), 1.56 (s, 3H), 1.84 (dd, 1 H), 1.97 (s, 1 H), 2.25 (d, 1 H), 3.98 (d, 3H), 4.48 (d, 1 H)1 6.93 (dd, 1 H), 7.07 (dd, 1 H)。
【0114】
b)トランス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
331mg(4.76mモル)の亜鉛粉末を、9.7mlのエタノール及び3.3mlの水中、1.22g(3.66mモル)の1−アジド−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール及び450mg(8.42mモル)の塩化アンモニウムの溶液に添加し、そして次に、その混合物を、窒素雰囲気下で90℃で30分間、撹拌する。室温への冷却の後、25mlの酢酸エチル及び1.22mlのアンモニア溶液を添加し、そしてその混合物を5分間、撹拌し、そして濾過する。濾液を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製する:950mgの標記化合物。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ/ppm = 1.42 (s, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.61 (dd, 1 H),1.77 (bs, 2H), 2.20 (d, 1 H), 3.84 (d, 3H), 3.88 (s, 1 H), 5.63 (s, 1 H), 6.98 (dd, 1 H), 7.10 (dd, 1 H)。
【0115】
例3:一般式(I)の化合物の合成
例3AN−(シス−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ナフタレン−2−カルボキサミド
DMF(0.4ml)中、4−ジメチルアミノピリジン(73mg、0.60mモル)の溶液、及びDMF(0.8ml)中、2−ナフタレンカルボニルクロリド(84mg、0.44mモル)の溶液を、DMA(0.8ml)中、シス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール(100mg、0.40mモル)の溶液に連続的に添加し、そして得られる混合物を、室温で一晩、撹拌する。調査のために、炭酸水素ナトリウム溶液(3ml、水中、半飽和溶液)及び酢酸エチル(6ml)を添加し、そして抽出の後、有機相を単離し、そして濃縮する。得られる粗生成物の1/3をHPLC-MSにより精製し、そして標記化合物28mgを得る。
【0116】
【化9】

【0117】
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ/ppm = 1.52 (s, 3H), 1.67 (s, 3H), 2.12 (m, 2H), 3.30 (広い s), 3.97 (s br, 3H), 5.67 (d, 1 H), 6.93-7.07 (m, 3H), 7.57 (m, 2H), 7.91 (m, 4H), 8.36 (s, 1 H)。
【0118】
例3BN−(シス−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ナフタレン−2−カルボキサミド
上記例3Aに記載される合成からの粗生成物の残りの2/3を、ジクロロメタン(0.5ml)に溶解し、そして-40℃に冷却し、そしてこの温度で、三臭化硼素(1ml、ジクロロメタン中、1.0M、1.0mモル)を添加し、そしてその混合物を、一晩、撹拌しながら室温に暖める。調査のために、炭酸カリウム溶液(1.5ml、水中、半飽和溶液)を氷浴に添加し、得られる混合物を氷浴において15分間、撹拌し、そして希釈し、そして酢酸エチル(3ml)により抽出し、そして濃縮する。残渣をHPLC−MSにより精製し、そして88mgの標記化合物を得る。
【0119】
【化10】

【0120】
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ/ppm = 1.56 (s, 3H), 1.69 (s, 3H), 2.13 (s, 2H), 5.43 (d, 1 H), 5.66 (d, 1 H), 6.88-7.03 (m, 3H), 7.57 (m, 2H), 7.92 (m, 4H), 8.37 (s, 1 H)。
【0121】
一般式(I)の次の化合物を、上記例3A及び3Bに類似して得た:
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
【表5】

【0126】
【表6】

【0127】
例4:一般式(I)の追加の化合物の合成
例46−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−1−[(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルメチル)アミノ]−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール(シス異性体)
【化11】

【0128】
シス−1−アミノ−6−フルオロ−5−メトキシ−4,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール(62mg、0.20mモル)及びピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルバルデヒド(30mg、0.20mモル)を、キシレン(5.0ml)に溶解し、そしてチタンテトラエトキシドの溶液(1.085ml、0.40mモル)の添加の後、150℃で3時間、撹拌する。溶媒の除去の後、残渣をメタノール(1.0ml)及びテトラヒドロフラン(1.0ml)に取り、そして硼水素化ナトリウム(22mg、0.58mモル)を添加する。反応を、室温での3時間後、水の添加により停止する。メタノール及びテトラヒドロフランを真空下で除去する。水性相をジクロロメタンにより抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の除去及びクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:7)による続く精製により、26mgの標記化合物を得る。
【0129】
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ/ppm = 1.39 (s, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.85 (d, 1 H),2.07 (d, 1 H), 3.83 (d, 3H), 3.94 (s, 1 H), 3.98 (d, 1 H), 4.06 (d, 1 H), 5.92 (br, 1 H), 6.85 (td, 1 H), 7.07-7.23 (m, 3H), 7.63 (d, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 8.62 (d, 1 H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)−アルキルチオ基、(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、又は−NR9R9a基であり;又は
R1及びR2は、一緒になって-0-(CH2)n-O-、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 -N(C1-C3-アルキル)-(CH2)n+1-及び -NH-N=CH-から選択された基を形成し、ここでnは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子及び/又は窒素原子は直接的に隣接する環原子に結合され;
R11は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)−アルキルチオ基、又は(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基であり;
R12は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)−アルキル基、又は(C1-C10)−アルコキシ基であり;
R3は、任意に1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基により置換される(C1-C10)−アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、あるいは1又は複数の置換基により任意に置換された単環又は二環式ヘテロアリール基であり、ここで前記の置換基は、1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個の-COOR13基によりそれ自体任意に置換され得る(C1-C5)−アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、-NR9R9a基、及びエキソメチレン基からお互い独立して選択され、そして任意には、1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を含んで成り、この基は、基Xに、いずれかの位置で結合され、そしてたぶん、1又は複数の位置で任意に水素化され得;
R4は、ヒドロキシ基、-OR10基又は-O(CO)R10基であり;
R5は、任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C10)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルケニル−(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキルヘテロシクリル基、(C2-C8)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキルアリール基、(C2-C8)アルケニルアリール基、(C2-C8)アルキニルアリール基;任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜2個のエキソメチレン基により置換され、そして1〜3個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子を含んで成る、単−又は二環式へテロアリール基;(C1-C8)アルキルへテロアリール基、(C3-C8)アルケニルへテロアリール基又は(C2-C8)アルキニルへテロアリール基であり、この基は、テトラヒドロナフタレン系に、いずれかの位置で結合され、そしてたぶん、1又は複数の位置で任意に水素化され;
R6は、水素原子、ハロゲン原子、又は任意に置換された(C1-C10)アルキル基であり;
R7及びR8は、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)アルキル基、シアノ基、(C1-C10)アルキリデン基と一緒に又はテトラヒドロナフタレン系の炭素原子と一緒に、任意に置換された(C3-C6)シクロアルキル環であり;あるいは
R6及びR7は、一緒になって、任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基及び/又は1〜4個のハロゲン原子により置換され、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を形成し;
R1及びR8は、一緒になって、任意に1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基及び/又は1〜4個のハロゲン原子により置換される、融合された5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式又は複素環式基を形成し;
R9及びR9aは、お互い独立して、水素原子、(C1-C5)アルキル又は-(CO)-(C1-C5)アルキル基であり;
R10は、(C1-C10)アルキル基又はヒドロキシ保護基であり;
R13は、水素原子又は(C1-C5)アルキル基であり;そして
Xは、基-C(=O)-、 -C(=S)-、 -C(=0)-NH-、 -C(=S)-NH-、 -S(O)m(ここで、m=1又は2)、-C(=0)-0-、 -C(=S)-O-又は基-(CH2)p-(ここで、p=1, 2, 又は3)であり、ここでXがカルボニル又はチオカルボニル官能基である場合、この官能基は、一般式(I)における基-NH-に結合され、但し、R3が任意に置換された(C1-C10)アルキル基である場合、Xは-(CH2)p-基ではあり得ない]
で表される、いずれかの立体異性体又は立体異性体の混合物の形での化合物;又は薬理学的に許容できるその塩又は誘導体の形での化合物。
【請求項2】
Xが、基-C(=O)-, -C(=O)-NH-, -SO2-又は-CH2-である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R4が、ヒドロキシ基又は基-OR10である請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R5が、任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C10)アルキル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
R7及びR8がそれぞれメチル基であるか、又はテトラヒドロナフタレンシステムの炭素原子と一緒に、シクロプロピル基を形成する請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
R3が、任意に置換されたアリール又はヘテロアリール基である請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
前記任意に置換されたアリール又はヘテロアリール基が、ナフチル、ベンゾフラニル、ピラゾロ[1, 5-a]ピリジニル、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基から成る群から選択される請求項6記載の化合物。
【請求項8】
薬剤の製造のための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項9】
炎症工程の処理又は予防のための医薬組成物の製造のためへの請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項10】
患者における炎症工程の処理又は予防のための方法であって、医薬的有効量の請求項1〜7のいずれか1項記載の式(I)の化合物が、そのような処理又は予防を必要とする患者に投与されることを特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物、及び1又は複数の医薬的に許容できるキャリヤー及び/又は賦形剤を含んで成る医薬生成物。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の調製方法であって、
a)下記式(II):
【化2】

[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される開鎖カルボニル化合物が、適切な場合、無機酸又は有機酸、又はルイス酸の添加により、下記式(III ):
【化3】

[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される化合物に環化され、
b)前記一般式(III )の化合物が、アミノ基によりヒドロキシ基を置換することにより、下記式(IV):
【化4】

[式中、置換基R1〜R12 Xは請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
で表される化合物に転換され、そして
c)前記一般式(IV)の化合物が、一般式R3-X-Nu(ここで、Nuは求核基である)、R3-N=C=O又はR3-N=C=Sの化合物から選択された化合物との反応により、及び適切な場合、硫黄によるカルボニル酸素原子の続く置換により、一般式(I)[式中、置換基R1〜R12及びXは請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]
の化合物に転換されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の調製方法であって、請求項12記載の一般式(IV)[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]の化合物が、一般式R3-(CH2)v-CHO(ここで、vは0,1又は2である)の化合物と反応せしめられ、そして得られるイミンが水素化され、一般式(I)[式中、Xは請求項1に示される-(CH2)p-を有し、そして置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]の化合物が得られることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の調製方法であって、ホスゲン又はチオホスゲンと反応せしめられ、そして得られるイソシアネート又はイソチオシアネートが続いて、一般式R3-OH又はR3-NH2の化合物と反応せしめられ、一般式(I)[式中、Xは、請求項1に示される-C(=O)-NH-、-C(=S)-NH-又は-C(=O)-O-を有し、そして置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項に示される意味を有する]の化合物が得られることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の調製方法であって、
a)下記一般式(VI):
【化5】

[式中、R6は、(C1-C10)アルキル基である]
で表される化合物が、任意には、キラルルイス酸の存在下でエン(ene)反応においてα−ケトカルボン酸、又は一般式R5-C(=O)-COOR13のα−ケトカルボン酸エステルと反応せしめられ、下記一般式(VII ):
【化6】

[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表される化合物が得られ、
b)前記一般式(VII )の化合物が、下記一般式(IIa):
【化7】

[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表されるアルデヒドに還元され、そして
c)前記アルデヒド(IIa)が、一般式(I)[式中、R7及びR8は一緒に、(C1-C10)アルキリデン基の意味を有する]
で表される化合物に、請求項12に示される方法に類似して転換されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1〜7のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物の調製のためへの、一般式:
【化8】

[式中、置換基R1〜R12は請求項1〜7のいずれか1項記載の意味を有する]
で表される化合物の使用。
【請求項17】
下記式(IV):
【化9】

[式中、置換基R1〜R12は、請求項1〜7のいずれか1項記載の意味を有する]
で表される化合物。

【公表番号】特表2008−535890(P2008−535890A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505846(P2008−505846)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003781
【国際公開番号】WO2006/108712
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】