説明

ナビゲーションシステム、および、そのナビゲーションシステムに用いる記憶装置

【課題】より精度よく目的地を推定することが可能となるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 目的地が設定されていない場合に、目的地を自動的に推定することができるナビゲーションシステムにおいて、短期的に変化する予め設定された種類の状況情報(時間帯、曜日、同乗者の有無)と、ユーザの不変的情報であるユーザ情報(年齢、職業)とを、ベイジアンネットモデル20に入力して、目的ノード50に含まれる複数の目的に対して尤度を決定し、さらに、その目的ノード50、および状況情報ノード40を親ノードとして目的地ノード60に含まれる複数の目的地候補に対して尤度を決定し、尤度の最も高い目的地候補を目的地として推定する。このように、目的地の推定に目的を用いることで、より精度よく目的地を推定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、および、そのナビゲーションシステムに用いる記憶装置に関し、特に、目的地を自動的に推定する機能を備えたナビゲーションシステムおよびそのシステムに用いる記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムは、目的地が設定されると、現在位置からその目的地までの経路を探索できるようになっているものが多い。さらに、探索した経路に交通渋滞が生じている場合には、警告を発したり、別の経路を探索したりする機能を備えているナビゲーションシステムも知られている。
【0003】
経路の探索ができるようになっているナビゲーションシステムの多くは、目的地をユーザが設定する必要があるが、日常走行している道路を走行している場合など、目的地の設定を面倒と感じてその設定を行わない場合もある。
【0004】
そこで、目的地が設定されていない場合には自動的に目的地を推定して、その推定した目的地に基づいて経路探索を行うようにした装置が提案されている(たとえば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1の装置は、走行履歴に基づいて目的地となり得る複数の目的地候補を決定し、その複数の目的地候補から、たとえば、現在の走行路および過去にその走行路を経由して目的地候補に到達した頻度に基づいて一つの目的地候補を選択するようにしている。
【0006】
また、現在の走行路に加えて、走行日時および曜日で認識される走行時間帯を用いて、上記複数の目的地候補から一つの目的地候補を選択してもよいことが記載されている。また、このようにして目的地を推定することで、渋滞回避走行経路を計画することが可能となることも記載されている。
【特許文献1】特開平7−83678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、同じ曜日、同じ時間帯に、同じ経路を走行しているとしても、目的地が相違する場合がある。すなわち、同じ曜日、同じ時間帯に、同じ経路を走行していても、通勤を目的としているのか、買い物を目的としているのか等、走行の目的が相違する場合には、当然、目的地も異なる。このように、同じ曜日、同じ時間帯であっても目的が異なることによって目的地が異なっていたとしても、特許文献1のものでは、同じ目的地が推定されてしまうという問題があった。
【0008】
なお、上記問題は、車用のナビゲーションシステム、すなわち、カーナビゲーションシステムに限らず、携帯型のナビゲーションシステムについても同様に生じる問題である。
【0009】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、より精度よく目的地を推定することが可能となるナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、現在地点と目的地点とに基づいて、その間の経路を探索することができるナビゲーションシステムであって、短期的に変化する予め設定された種類の状況情報に基づいて移動目的が定まる移動目的決定関係を記憶した記憶装置と、前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係および実際に検出された前記状況情報に基づいて移動目的を推定し、さらに、その推定した移動目的に基づいて、移動目的から目的地が定まる予め設定された関係を用いて目的地を推定する目的地推定手段とを、含むことを特徴とする。
【0011】
この請求項1記載の発明によれば、目的地が設定されていない場合、まず、状況情報に基づいて移動目的を推定し、この推定した移動目的に基づいて目的地を推定する。このように、目的地の推定に移動目的を用いることで、精度よく目的地を推定することが可能となる。
【0012】
ここで、請求項2のように、前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係は、前記状況情報に加えて、ユーザの不変的な情報であるユーザ情報に基づいて、前記移動目的が定まるようになっていることが好ましい。
【0013】
このように、状況情報に加えてユーザ情報をも用いて移動目的を推定するようにすれば、状況情報のみに基づいて移動目的を推定する場合よりも、移動目的の推定精度が向上することから、推定した移動目的に基づく目的地の推定精度もより向上する。
【0014】
また、前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係としては、たとえば、状況情報ノードおよびユーザ情報ノードを移動目的ノードの親ノードとして持つベイジアンネットワークモデルを用いることができ、あるいは、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシーン、ファジィ推論、協調フィルタなどを用いることもできる。
【0015】
また、移動目的から目的地を推定する関係にも移動目的決定関係と同様に様々な種類の関係を用いることができる。そして、移動目的決定関係および移動目的から目的地を推定する関係に同種の関係を用いる場合、2つの関係を別々に設けることもできるが、請求項3のように、それら2つの関係を1つの関係としてまとめることもできる。
【0016】
すなわち、請求項3記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係は、状況情報ノードおよびユーザ情報ノードを移動目的ノードの親ノードとして持ち、且つ、移動目的ノードの子ノードとして目的地ノードを持っているベイジアンネットワークモデルであり、前記目的地推定手段は、前記記憶装置に記憶されたそのベイジアンネットワークモデルに基づいて目的地を推定するようになっていることを特徴とする。
【0017】
また、上記ベイジアンネットワークモデルは、請求項4のようにして学習するようになっていることが好ましい。すなわち、請求項4記載の発明は、請求項3に記載のナビゲーションシステムにおいて、目的地を決定後、目的地から目的が定まる予め記憶された関係に基づいて目的を決定し、その目的地および目的と、実際に検出された前記状況情報およびユーザ情報とから、前記ベイジアンネットワークモデルを学習する学習手段をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、目的地推定手段は、請求項5のように、推定した移動目的および目的地を出力するようになっていることが好ましい。このように、目的地だけでなく、目的も合わせて出力するようにすれば、ユーザは目的地の推定理由を確認できるので、ユーザに安心感を与えることができる。
【0019】
また、請求項6のようにして、目的地を複数推定して、その複数の目的地までの経路と車両の現在位置とに基づいて、目的地を確定するようにしてもよい。すなわち、請求項6記載の発明は、前記目的地推定手段は、目的地の候補を複数推定するものであり、さらに、その目的地推定手段で推定した複数の目的地の候補の確率を比較することによって、その複数の目的地候補から1つの目的地を確定することができるか否かを判断する目的地確定可能判定手段と、その目的地確定可能判定手段によって目的地が確定できないと判定された場合に、その複数の目的地までの経路をそれぞれ探索し、その探索した複数の経路と車両の現在位置とに基づいて、目的地を確定する目的地確定手段とを含むことを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項7のように、推定した移動目的に関連する目的関連情報を出力するようにしてもよい。すなわち、請求項7記載の発明は、前記目的地推定手段において推定される移動目的に関連する目的関連情報を取得する目的関連情報取得手段と、その目的関連情報取得手段によって取得された目的関連情報を出力する目的関連情報出力手段とを、さらに含むことを特徴とする。
【0021】
上記目的関連情報としては、たとえば、同じ目的を達成する別の施設や、目的を達成することができる施設の営業日情報などがあり、この目的関連情報を出力するようにすれば、たとえば、同じ目的でも、ユーザが目的地としている場所よりもよい目的地をユーザに示すことができたり、或いは、目的地としている施設が休業日である場合に、それを目的地に着く前に知らせることができたりするようになる。
【0022】
なお、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおける前記移動目的決定関係を記憶した記憶装置であり、この記憶装置は、車載カーナビゲーション装置など、車載装置内に設けられるハードディスクなどの固定型の記憶装置であってもよいし、また、可搬型の記憶装置であってもよい。また、この記憶装置はサーバ内に設けられていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたカーナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0024】
図1において、カーナビゲーションシステムは、位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7、外部メモリ9、表示装置10、送受信機11、音声コントローラ12、スピーカ13、音声認識装置14、マイク15、リモコンセンサ16、リモートコントロール端末(以下、リモコンと称する)17、着座センサ18と、これら各装置が接続された制御装置8を備えている。
【0025】
制御装置8は、通常のコンピュータであり、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するためのバスラインを備えている。ROMには、制御装置8が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0026】
位置検出器1は、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ2、車両の相対方位を検出するためのジャイロスコープ3、車両の走行距離を検出する距離センサ4、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2、3、4、5は、いずれも周知のものである。これらのセンサ等2、3、4、5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等2、3、4、5により各々を補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部で位置検出器1を構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
【0027】
地図データ入力器6は、たとえばDVD−ROM、CD−ROMなどの図示しない記憶媒体を備え、その記憶媒体には、道路データ、背景データ、文字データおよび施設データなどを含むデジタル地図データが格納されており、それらのデータを制御装置8に入力する。
【0028】
操作スイッチ群7は、たとえば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくは表示装置10の周辺に設けられるメカニカルなスイッチ等からなり、表示装置10に表示された地図の縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等の各種入力に使用される。また、リモコン17には、図示しない複数の操作スイッチが設けられ、その操作スイッチの操作により操作スイッチ群7と同様の入力操作が行える。リモコン17に入力された入力操作を表す信号は、リモコンセンサ16を介して制御装置8へ供給される。
【0029】
記憶装置である外部メモリ9は、たとえば、メモリカードやハードディスク等であり、書き込み可能な記憶媒体を備えている。この外部メモリ9には、ユーザによって設定された自宅位置や、テキストデータ、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。また、外部メモリ9は、ユーザモデル記憶部9a、学習データ記憶部9b、コスト評価関数記憶部9c、およびユーザ情報記憶部9dを備えている(図2参照)。
【0030】
上記ユーザモデル記憶部9aは、移動目的決定関係である図3に示すベイジアンネットモデル20を記憶する領域である。図3に示すベイジアンネットモデル20は、ユーザ情報ノード30として、年齢ノード32と職業ノード34とを持ち、状況情報ノード40として、時間帯ノード42と曜日ノード44と同乗者ノード46とを持ち、また、目的ノード50および目的地ノード60を持っている。
【0031】
年齢ノード32は、運転者の年齢に対応した自然数をとり、職業ノード34は、予め定められた多数種類の職業名(状態)をとる。時間帯ノード42は、24時間が複数の時間帯(たとえば、4時間ずつ、2時間ずつ、1時間ずつなど)に区分されることにより複数の状態をとり、曜日ノード44は、月曜日から日曜日までの7状態をとり、同乗者ノード46は、同乗者有り、無しの2つの状態をとる。なお、これらのノード32、34、42、44、46は観測変数である。
【0032】
目的ノード50は、たとえば、買い物、通勤など予め設定された複数種類の移動目的(以下、単に目的という)をとる。この目的ノード50は隠れノードであり、年齢ノード32、職業ノード34、時間帯ノード42、曜日ノード44、および同乗者ノード46が目的ノード50の親ノードとなっている。
【0033】
目的地ノード60は、学習によって、または初期状態から予め設定された複数の目的地候補(状態)をとる。この目的地ノード60に対しては、目的ノード50、時間帯ノード42、曜日ノード44、同乗者ノード46が親ノードとなっている。
【0034】
各親ノードと子ノードとの間は矢印で連結されており、この矢印は、矢印の根元のノードと矢印の先のノードとの間の条件付依存性を表し、個々の矢印に対応する条件付確率が設定されている。
【0035】
このように構成されたベイジアンネットモデル20に、ユーザ情報(年齢および職業)と、状況情報(時間帯、曜日、および同乗者の有無)とを与えると、まず、目的ノード50が持つ各目的に対して尤度が決定でき、目的ノード50の各目的に対して尤度が決定できると、さらに、目的地ノード60の各目的地候補の尤度が決定できる。
【0036】
また、学習データ記憶部9bは、上記ベイジアンネットモデル20を学習する(修正する)ための学習データを記憶する領域である。この学習データは、目的地推定時に実際にベイジアンネットモデル20に入力された年齢、職業、時間帯、曜日、同乗者の有無と、その走行時の駐停車位置とを一組とするデータである。
【0037】
コスト評価関数記憶部9cは、車両の現在位置から目的地までの経路探索に使用する式1に示すコスト評価関数Ciを記憶している領域である。式1において、l(i)は距離のコスト、t(i)は平均走行時間のコスト、w(i)は道幅のコスト、n(i)は右左折回数のコストである。また、係数α、β等は重み係数であり、予め設定されている。
(式1) Ci=α・l(i)+β・t(i)+γ・w(i)+δ・n(i)
なお、式1に示すコスト評価関数Ciは、一例であり、コスト評価関数Ciに、距離、平均走行時間、道幅、右左折回数以外のパラメータ(たとえば、制限速度や信号機の数など)が含まれていてもよい。
【0038】
ユーザ情報記憶部9dは、複数のユーザについて、ユーザ情報である年齢を決定するためのユーザの生年月日、およびユーザ情報である職業を、ユーザ名と関連付けて記憶している領域である。なお、年齢それ自体は一年に一度変化するが、年齢は、現在の日付が定まれば、不変情報である生年月日から定まるので、ユーザの不変的情報すなわちユーザ情報として用いることができる。このように、ユーザ情報には、ユーザにとって不変の情報だけでなく、その不変の情報に基づいて定めることができる情報が含まれ、さらに、ユーザにとって1年程度不変の情報(たとえば年収)も含まれる。
【0039】
図1に戻って、表示装置10は、たとえば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイによって構成され、その表示装置10の所定の地図表示領域には、車両の現在位置に対応する自車位置マークが地図データによって生成された車両周辺の道路地図上に重畳表示される。また、表示装置10には、その他に、現在時刻、渋滞情報などの他の情報表示を付加的に表示することもできる。
【0040】
送受信機11は、外部との通信接続をするための通信機であり、道路に敷設されたビーコンや各地のFM放送局を介して、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)センタから提供される道路交通情報、気象情報、日付情報、曜日情報、施設情報、広告情報を受信するVICSセンサと接続され、この道路交通情報等を制御装置8へ送信する。また、上記制御装置8で処理した情報を送受信機11から出力することもできる。
【0041】
スピーカ13は、音声コントローラ12から入力された音声出力信号に基づき所定の音声(案内のための音声や画面操作の説明、音声認識結果等)を外部に出力する。
【0042】
マイク15は、操作者が発声した音声を電気信号として音声認識装置14に入力する。音声認識装置14は、マイク15から入力された操作者の入力音声と、内部に記憶する認識辞書(不図示)中の語彙データ(比較対照パターン)とを照合し、最も一致度の高いものを認識結果として音声コントローラ12に入力する。
【0043】
音声コントローラ12は、音声認識装置14を制御するとともに、音声入力のあった操作者に対し、スピーカ13を通じてトークバック出力制御(音声出力)する。また、音声認識装置14の認識結果を制御装置8に入力する処理も行う。
【0044】
着座センサ18は、各座席毎に乗員がいるか否かを検出して、乗員の有無を表す乗員信号を制御装置8へ出力する。
【0045】
制御装置8は、音声認識装置14からの情報に基づき、操作者の発声に対する所定の処理および操作スイッチ群7あるいはリモコン17の入力操作に対する所定の処理(たとえば、メモリ9への地図データの記憶処理、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。また、制御装置8で処理された経路案内音声情報等は、音声コントローラ12を介してスピーカ13から適宜報知される。なお、上記目的地設定処理においては、運転者等の乗員が設定操作を行わない場合、自動的に目的地を推定するようになっている。
【0046】
図2は、上記制御装置8の制御機能の要部を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置8は、ユーザ情報取得手段70と、同乗者判定手段72と、目的地推定手段74と、経路探索手段76と、ナビゲーション手段78と、学習手段80とを備えている。
【0047】
ユーザ情報取得手段70は、運転者が誰であるかを判定して、ユーザ情報記憶部9dから、その判定した運転者の生年月日および職業を取得するとともに、その生年月日および現在の日付からユーザの年齢を決定する。なお、運転者が誰であるかを判定する方法としては、ここでは、予め登録された複数のユーザのリストを表示装置10に表示し、その表示装置10に表示されたリストから、操作スイッチ群7またはリモコン17の操作により、運転者がどのユーザを選択したかによって判定する。
【0048】
同乗者判定手段72は、着座センサ18から供給される信号に基づいて、同乗者の有無を判定する。なお、同乗者の有無は状況情報であることから、この同乗者判定手段72は状況情報取得手段として機能する。
【0049】
目的地推定手段74は、上記ユーザ情報取得手段70において取得した年齢および職業と、車両内部に設けられた図示しない時計からの信号に基づいて決定される時間帯と、送受信機11を介して得られる曜日情報と、同乗者判定手段72によって判定された同乗者の有無とを、ベイジアンネット20の年齢ノード32、職業ノード34、時間帯ノード42、曜日ノード44、同乗者ノード46にそれぞれ入力して、目的ノード50の各目的について尤度を決定し、さらに、その目的ノード50の各目的の尤度と、時間帯ノード42、曜日ノード44、同乗者ノード46から、目的地ノード60の各目的地候補の尤度を決定する。そして、尤度の最も高い目的地候補を目的地として推定する。この目的地推定手段74は、ユーザによって目的地が設定されていないときに実行するが、ユーザによって目的地が設定されているときにも、その目的地までの中間的な目的地である立ち寄り地を推定するために、実行することもできる。なお、本実施形態では、送受信機11を介して状況情報である曜日を取得するので、送受信機11は状況情報取得手段として機能している。
【0050】
経路探索手段76は、地図データ入力器6から入力される地図データに基づいて、位置検出器1によって検出された車両の現在位置から上記目的地推定手段74で推定した目的地までの経路を探索する。この経路探索には、コスト評価関数記憶部9cに記憶された前述の式1に示すコスト評価関数Ciを用い、たとえば、ダイクストラ法などの公知の手法によって、前述の式1に示すコスト評価関数Ciの値が最小となるような経路を探索する。
【0051】
ナビゲーション手段78は、経路探索手段76によって探索された経路、位置検出器1によって逐次検出される車両の現在位置、および、地図データ入力器6からの地図データに基づいて、経路案内を実行する。
【0052】
学習手段80は、目的地が決定された後に、その目的地とそのときの状況情報およびユーザ情報に基づいて、ベイジアンネットモデル20の学習を実行する。目的地の決定方法は、目的地推定手段74によって目的地が推定されているときは、駐停車を判定して、その駐停車位置を実際の目的地として決定する。また、ユーザ操作によって直接目的地が設定されているときは、ユーザによって設定された目的地をそのまま用いる。前者の場合、目的地推定後の走行において駐停車を判定したとき、駐停車位置と、ベイジアンネットモデル20に入力した状況情報およびユーザ情報とに基づいて、ベイジアンネットモデル20の学習を実行する。なお、学習は、目的地に到達後、すぐに実行する必要はなく、所定の学習周期が経過したときに実行するようになっていてもよい。一方、後者の場合には、目的地に到達する前に学習を実行してもよい。
【0053】
図4は、上記制御装置8の制御機能をロバストネス図にして示した図である。図4において、90はユーザであり、92は状況情報を取得するための状況情報取得手段(すなわち、送受信機11および同乗者判定手段72)である。また、図4におけるその他の符号は、図5乃至図7に示すフローチャートの符号と対応する。そこで、次いで、図5乃至図7のフローチャートを説明する。
【0054】
図5は、ユーザ情報を外部メモリ9のユーザ情報記憶部9dに記憶する処理を示している。まず、ステップS10では、ユーザ名と、ユーザ情報およびユーザ情報を決定するための情報(すなわち生年月日および職業)とを入力してもらうための所定の入力画面を表示装置10に表示する。
【0055】
続くステップS20では、ユーザ操作によって、それらユーザ名、生年月日、職業が入力されたか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、ステップS30において、上記ステップS20で入力されたユーザ名、ユーザ情報およびユーザ情報を決定するための情報を、外部メモリ9のユーザ情報記憶部9dに記憶する。
【0056】
次に、図6のフローチャートを説明する。図6は、ユーザ情報、状況情報を取得して経路探索を行う処理に関するフローチャートである。
【0057】
まず、同乗者判定手段72としても機能するステップS100では、同乗者の有無などの状況情報を取得する。すなわち、着座センサ18からの信号に基づいて同乗者の有無を決定し、また、送受信機11を介して曜日情報を取得し、さらに、車両内部に設けられた時計から信号を取得して時間帯を決定する。そして、それら時間帯、曜日、同乗者の有無を、学習データ記憶部9bに記憶する。
【0058】
続くステップS110はユーザ情報取得手段70として機能しており、ユーザ情報を取得する。すなわち、外部メモリ9のユーザ情報記憶部9dにユーザ情報が記憶されているユーザの一覧を示すユーザリストを表示装置10に表示し、そのユーザリストから操作スイッチ群7またはリモコン17の操作によって選択されたユーザに関する生年月日および職業を、ユーザ情報記憶部9dから読み出す。そして、読み出した生年月日と上記ステップS100で取得した時計からの信号に基づいて、運転者の年齢を決定する。そして、それら、年齢、職業を学習データ記憶部9bに記憶する。
【0059】
続いて目的地推定手段74に相当するステップS120乃至S140を実行する。まず、ステップS120では、外部メモリ9のユーザモデル記憶部9aに記憶されたベイジアンネットモデル20に、上記ステップS100乃至S110で取得した状況情報(時間帯、曜日、同乗者)およびユーザ情報(年齢、職業)を入力して、目的ノード50の各目的の尤度を算出する。
【0060】
続くステップS130では、上記ステップS120で推定した各目的の尤度、および、ステップS100で取得した状況情報を使ってベイジアンネットモデル20から目的地ノード60の各目的地候補の尤度を算出する。そして、最も尤度の高い目的地候補を目的地として推定する。続くステップS140では、上記ステップS130で推定した目的地を表示装置10に出力する。
【0061】
続いて、経路探索手段76に相当するステップS150乃至S160を実行する。ステップS150では、位置検出器1によって検出された車両の現在位置からステップS130で推定した目的地まで、式1に示す評価関数Ciの総コストが最小となるような経路を、ダイクストラ法等によって探索する。そして、ステップS160では、上記ステップS150で探索した経路を表示装置10に表示する。
【0062】
次に、図7のフローチャートを説明する。図7は、図2の学習手段80に対応するものであり、目的地を推定した後の走行中に繰り返し実行するようになっている。
【0063】
まず、ステップS200では、駐停車を判定したか否かを判断する。駐停車の判定は、ここでは、位置検出器1によって逐次検出される車両位置が所定時間同一場所であったことに基づいて行うこととするが、イグニッションキーのオン・オフに基づいて判定することも可能である。
【0064】
駐停車が判定されていないときは、本ルーチンを一旦終了するが、駐停車が判定されたときは、ステップS210において、位置検出器1によって検出される現在の車両位置を駐停車位置として決定し、その駐停車位置を学習データ記憶部9bに記憶する。
【0065】
そして、続くステップS220では、ベイジアンネットモデル20を学習するための学習データを作成する。この学習データは、ベイジアンネットモデル20の各ノード32、34、42、44、46、50、60についての状態をそれぞれ1つずつ有する一組のデータであり、年齢ノード32と職業ノード34については図6のステップS110で、時間帯ノード42、曜日ノード44、同乗者ノード46については図6のステップS100で、それぞれ学習データ記憶部9bに記憶されている。また、目的地ノード60は上記ステップS210で記憶した駐停車位置である。
【0066】
残りの目的ノード50については、以下のようにして決定する。すなわち、まず、上記ステップS210で決定した駐停車位置と、地図データに含まれている施設データとから、目的地の施設の種別を決定する。さらに、施設種別と目的との間の予め設定された関係を用いて、上記駐停車位置と施設データから決定した施設の種別に基づいて走行目的を決定する。このようにして、例えば、駐停車位置がショッピングセンターであれば目的は買い物というように決定される。なお、上記関係施設種別と目的との間の予め設定された関係は、施設種別によっては複数の目的と対応付けられている。たとえば、施設種別が駅であれば、通勤(通学)と送迎という2つの目的と対応付けられている。ステップS210で決定した駐停車位置すなわち目的地が、複数の目的と対応付けられている施設種別である場合には、音声または画面表示により複数の目的をユーザに示し、ユーザによって選択された1つの目的を用いるようになっている。
【0067】
そして、ステップS230では、上記ステップS220で作成した学習データを用いて、ユーザモデル記憶部9aに記憶されているベイジアンネットモデル20の親ノードと子ノードとの間の依存性確率を修正する(学習する)。この学習を繰り返すことにより、目的および目的地の推定精度が次第に向上する。
【0068】
以上、説明した本実施形態によれば、目的地が設定されていない場合、まず、状況情報に基づいて目的を推定し、この推定した移動目的に基づいて目的地を推定している。このように、目的地の推定に目的を用いることで、精度よく目的地を推定することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態によれば、状況情報として、時間帯および曜日に加えて、それ以外の情報である同乗者の有無を用いて目的を推定していることから、より精度よく目的を推定することができ、また、それら状況情報(時間帯、曜日、同乗者)に加えて、目的の推定にユーザ情報をも用いていることから、目的の推定精度がより向上する。従って、推定した目的に基づく目的地の推定精度もより向上する。
【0070】
このように目的地を精度よく推定できるようになると、低燃費で走行することが可能な経路を精度よく案内することも可能となる。また、運転アドバイスが可能な距離を長くして、右左折を予測してその先の経路に対する運転アドバイスも可能となる。
【0071】
また、駆動力源として、エンジンとモータとを有するハイブリッド車両であって、モータを駆動する二次電池の充電状態が低下したときに、エンジンの駆動力を用いてモータを回転させることによって二次電池を充電する手段と、回生エネルギーを使って充電する手段とを備えた車両の場合、目的地を高精度に推定できるようになると、近く下り坂となり、回生エネルギーが得られることを高精度に予測することができるようになるので、近く回生エネルギーが得られることが予測できた場合には、それを待って二次電池を充電するよにして、エンジンを用いた充電回数を低減させることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0073】
たとえば、前述の実施形態において用いたベイジアンネットモデル20に代えて、図8に示すベイジアンネットモデル100を用いることもできる。
【0074】
図8に示すベイジアンネットモデル100は、ユーザ情報ノード30として、年齢ノード32と、男または女の2状態をとる性別ノード36とを備え、状況情報40ノードとして、時間帯ノード42と、平日または休日の2状態をとる平日/休日ノード48とを備えている。また、目的ノード110として、通勤ノード112、買い物ノード114、帰省ノード116を備え、目的地ノード120として、デンソー本社ノード122、デパートMノード124、刈谷市ノード126等を備えている。そして、目的ノード110である通勤ノード112、買い物ノード114、帰省ノード116、および、目的地ノード120であるデンソー本社ノード122、デパートMノード124、刈谷市ノード126等は、それぞれ、複数の確率値をとることができるようになっている。この図8に示すベイジアンネットモデル100のように、目的地ノード120の親ノードを目的ノード110のみとすることもできる。なお、このように目的のみから目的地を推定する場合において、その目的地の推定精度が高いことが判定できたとき、すなわち尤度が高いときは、同じ目的を達成することができる別の施設も案内するようにしてもよい。
【0075】
また、前述の実施形態では、推定した目的地およびその目的地までの経路を表示するようにしていたが、ユーザが目的地を設定しない場合には、その目的地までの経路をよく知っていることが多いと考えられるので、目的地や経路は必ずしも表示する必要はなく、図9に示すように必要に応じて迂回路を表示するようにしてもよい。なお、図9に示すフローチャートは、目的地が設定されていない状態での走行中に所定周期で繰り返し実行するものである。
【0076】
図9において、ステップS130までの処理は図6と同様であり、また、そのステップS130に続いて図6と同様じステップS150すなわち経路探索を実行する。
【0077】
そして、続くステップS170では、上記ステップS150で探索した経路の確信度が高いか否かを判断する。この判断は、ステップS130において、推定した目的地の尤度が所定値よりも高いか否かによって行う。確信度が低い場合には、このルーチンを一旦終了するが、確信度が高い場合には、続くステップS180において、送受信機11を介してVICSセンサから情報を取得して、探索した経路における自車の前方に交通障害が検出されたか否かを判断する。この判断が否定された場合にも、本ルーチンを一旦終了するが、肯定された場合には、続くステップS190において、迂回路を探索して、その探索した迂回路を表示する。なお、迂回路の探索・表示に代えて、単に、警告を出力するのみでもよい。
【0078】
また、前述の実施形態のベイジアンネットモデル20では、状況情報として、時間帯、曜日、同乗者を用いており、また、図8のベイジアンネットモデル100では、状況情報として、平日/休日と時間帯とを用いていたが、それ以外にも、状況情報としては、天気、季節、渋滞、現在位置、所持金の程度などを用いることもできる。
【0079】
また、ユーザ情報の例として、年齢、職業、性別を示したが、それ以外に、年齢層、出身地、ユーザの住所、家族構成、同居人数を用いることもできる。
【0080】
また、前述の実施形態では、予め登録されたユーザの一覧を示すユーザリストを表示装置10に表示し、そのユーザリストから、操作スイッチ群7またはリモコン17の操作によってどのユーザが選択されるかによって、ユーザを識別していたが、画像認識、音声認識等、公知の他のユーザ識別方法によってユーザを識別してもよい。また、ユーザを識別せず、ユーザ情報を直接入力するようになっていてもよい。
【0081】
また、推定した目的地が、予め設定された立ち寄り施設(たとえばコンビニエンスストアなど)である場合には、「○○(立ち寄り地)に立ち寄りますか」などの音声案内を行うようにしてもよい。
【0082】
また、目的または目的地を推定するために、走行履歴をさらに用いてもよい。
【0083】
また、前述の実施形態では、目的地ノード60の各目的地候補の尤度を比較して、最も尤度の高い目的地候補を目的地として推定していたが(ステップS130)、最も高い尤度とそれに次ぐ1つまたは複数の尤度が比較的近い値であるときは、目的地を確定せず、走行するにつれて、すなわち車両位置の変化につれて目的地が確定できたときに、目的地を表示等するようにしてもよい。
【0084】
図10は、上記内容を示すフローチャートである。図10において、まず、ステップS120までは、図6と同様のステップS100乃至S120を実行して、状況情報、ユーザ情報からベイジアンネットモデル20の目的ノード50の各目的の尤度を算出する。そして、そして、ステップS200では、図6のステップS130と同様に、ベイジアンネット20を用いて目的地ノード60の各目的地候補の尤度を決定する。ただし、そのうちの最も尤度の高い目的地候補を1つ選択するのではなく、最も尤度が高い候補から順に予め設定された数の目的地候補を選択する。
【0085】
そして、続いて目的地確定可能判定手段に相当するステップS210では、目的地が確定可能か否かを判断する。すなわち、上記ステップS200で選択した複数の目的地候補の尤度を互いに比較し、最も尤度の高い候補との尤度の差が所定値内である他の候補が存在するか否かを判断する。存在しない場合には、最も尤度の高い候補の尤度が際立って高い場合であるので、目的地が確定可能であるとして、ステップS210の判断が肯定される。ステップS210が肯定された場合には、図6のステップS150乃至S160と同様の処理を実行することにより、経路探索を行い、探索した経路を表示する。
【0086】
一方、ステップS210の判断が否定された場合には、続くステップS220において、ステップS200で選択した複数の目的地候補までの経路をそれぞれ探索する。そして、ステップS230では、それら探索した複数の経路から共通の経路を抽出して、その抽出した共通の経路を表示装置10に表示する。たとえば、図11に示すように、ステップS220において経路候補1、2、3の3つの経路候補が探索された場合には、出発地点から共通経路の端点であるD点までの経路を表示する。
【0087】
続いて目的地確定手段に相当するステップS240乃至S250を実行する。ステップS240では、位置検出器1により車両の現在位置を検出し、続くステップS250では、ステップS240で検出した現在位置と、上記ステップS220で探索した複数の経路を比較して、目的地の確定が可能であるか否かを判断する。図11に基づいてこの判断を説明すれば、現在位置がD点とA点との間であれば目的地はA点であると確定でき、現在位置がE点とB点との間であれば目的地がB点であると確定でき、現在位置がE点とC点との間であれば目的地がC点であると確定できることになる。目的地の確定ができないときは、ステップS240以下を繰り返す。一方、目的地が確定できたときは、ステップS260において、目的地までの経路を表示する。
【0088】
また、前述の実施形態において、目的地推定結果を出力する際に(ステップS140)、推定した目的(すなわち最も尤度が高い目的)を目的地推定結果とともに出力(音声出力または画面出力)するようにしてもよい。
【0089】
さらに、図12に示すように、目的が推定できた場合には、推定した目的からその目的に関連する目的関連情報をユーザに示すようにしてもよい。
【0090】
図12に示すフローチャートは、前述の図6、図9、または図10と並列的に且つ所定の周期で繰り返し実行するものである。図12において、まず、ステップS300では、目的が推定できたか否かを判断する。たとえば、ステップ120(図6、図10)を実行した場合には、このステップS300が肯定判断される。このステップS300が否定された場合には、一旦、このルーチンを終了するが、肯定判断された場合には、目的関連情報取得手段に相当するステップS310において、推定した目的に関連する周辺情報を収集する。この周辺情報は、目的に関連する情報すなわち目的関連情報のうち、車両現在位置周辺(または現在位置と推定した目的地との間の経路の周辺)の情報である。たとえば、目的が買い物であると推定した場合には、買い物が可能な施設の位置やその施設の営業日、バーゲン情報などが収集される。収集の方法としては、送受信機11を介してサーバなどの外部から情報を取得することが考えられるが、それ以外に、外部メモリ9に予め情報を記憶しておき、そこから抽出する方法でもよい。そして、目的関連情報出力手段に相当するステップS320では、その収集した周辺情報を表示装置10に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明が適用されたカーナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置8の制御機能の要部を示すブロック図である。
【図3】図2のユーザモデル記憶部9aに記憶されているベイジアンネットモデル20を示す図である。
【図4】図1の制御装置8の制御機能をロバストネス図にして示した図である。
【図5】図2に示した制御装置8の制御機能のうち、ユーザ情報を外部メモリ9のユーザ情報記憶部9dに記憶する処理を示すフローチャートである。
【図6】ユーザ情報、状況情報を取得して経路探索を行う処理に関するフローチャートである。
【図7】図2の学習手段80をフローチャートにして示す図である。
【図8】図3とは別のベイジアンネットモデル100を示す図である。
【図9】図6に代えて実行する迂回路表示制御を示すフローチャートである。
【図10】図6に代えて実行することができるフローチャートである。
【図11】複数の経路候補における共通経路を例示する図である。
【図12】目的に関連する周辺情報を表示する処理を示すルーチンである。
【符号の説明】
【0092】
9:外部メモリ(記憶装置)
11:送受信機(状況情報取得手段)
20:ベイジアンネットモデル
30:ユーザ情報ノード
40:状況情報ノード
50:目的ノード
60:目的地ノード
70:ユーザ情報取得手段
72:同乗者判定手段
74:目的地推定手段
76:経路探索手段
78:ナビゲーション手段
100:ベイジアンネットモデル(移動目的決定関係)
110:目的ノード
120:目的地ノード
122:デンソー本社ノード
124:デパートMノード
126:刈谷市ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地点と目的地点とに基づいて、その間の経路を探索することができるナビゲーションシステムであって、
短期的に変化する予め設定された種類の状況情報に基づいて移動目的が定まる移動目的決定関係を記憶した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係および実際に検出された前記状況情報に基づいて移動目的を推定し、さらに、その推定した移動目的に基づいて、移動目的から目的地が定まる予め設定された関係を用いて目的地を推定する目的地推定手段と
を、含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係は、前記状況情報に加えて、ユーザの不変的な情報であるユーザ情報に基づいて、前記移動目的が定まるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーションシステムであって、
前記記憶装置に記憶された移動目的決定関係は、状況情報ノードおよびユーザ情報ノードを移動目的ノードの親ノードとして持ち、且つ、移動目的ノードの子ノードとして目的地ノードを持っているベイジアンネットワークモデルであり、
前記目的地推定手段は、前記記憶装置に記憶されたそのベイジアンネットワークモデルに基づいて目的地を推定するようになっている
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーションシステムであって、
目的地を決定後、目的地から目的が定まる予め記憶された関係に基づいて目的を決定し、その目的地および目的と、実際に検出された前記状況情報およびユーザ情報とから、前記ベイジアンネットワークモデルを学習する学習手段をさらに含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記目的地推定手段は、推定した移動目的および目的地を出力するようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記目的地推定手段は、目的地の候補を複数推定するものであり、
さらに、
その目的地推定手段で推定した複数の目的地の候補の確率を比較することによって、その複数の目的地候補から1つの目的地を確定することができるか否かを判断する目的地確定可能判定手段と、
その目的地確定可能判定手段によって目的地が確定できないと判定された場合に、その複数の目的地までの経路をそれぞれ探索し、その探索した複数の経路と車両の現在位置とに基づいて、目的地を確定する目的地確定手段と
を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記目的地推定手段において推定される移動目的に関連する目的関連情報を取得する目的関連情報取得手段と、
その目的関連情報取得手段によって取得された目的関連情報を出力する目的関連情報出力手段と
を、さらに含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のナビゲーションシステムに用いる移動目的決定関係を記憶した記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−10572(P2007−10572A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194104(P2005−194104)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】