説明

ナビゲーション装置、情報センタ装置およびこれらを用いたナビゲーションシステム

【課題】目的地へ行くことの可否を即断できるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1と情報センタ装置2を備え、ナビゲーション装置は、現在位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索手段14と、最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を情報センタ装置に送信し、情報センタ装置から受信されたルートアドバイス情報を出力する出力手段16を備え、情報センタ装置は、ナビゲーション装置からの探索状態情報と地図情報に基づき探索経路を判定し、探索経路の各地点の走行予測時刻を道路状況履歴から計算する走行時刻予測手段26と、道路の各地点の走行予測時刻での気象予報を各地域の気象予報から予測する走行気象予測手段28と、走行時刻予測手段からの走行予測時刻と走行気象予測手段からの予測結果とに基づきルートアドバイス情報をナビゲーション装置に送信するルートアドバイス情報編集手段29を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置、情報センタ装置およびこれらを用いたナビゲーションシステムに関し、特に、天気や渋滞の予想をユーザに提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天気予測や渋滞予測をユーザに知らせるナビゲーションシステムが開発されている。例えば、特許文献1は、車両の現在地、進行方向および目的地に応じて走行経路となる地域を選択し、選択した地域の道路の画像と、各地域の天気に対応する天気マークを表示する道路天気情報表示装置を開示している。この道路天気情報表示装置は、サービスセンタから送信される地域データとその地域データに対応する天気データを受信するとともに、車両の現在地および進行方向を検出し、受信した地域データと天気データから、現在地を有する地域およびその現在地から進行方向に所定の数の地域に対応する複数の地域データと、それらの地域データに対応する天気データを選択し、選択した複数の地域データが示す複数の地域に亘る道路画像と、それらの地域の天気データに対応する天気マークを表示画面に表示する。
【0003】
また、特許文献2は、希望時刻に目的地に到着するための精度の高い出発時刻の提示が可能な経路案内を行うことができるナビゲーションシステムを開示している。このナビゲーションシステムは、通信ネットワーク経由でVICSセンタから道路情報を受信し、旅行時間蓄積部に蓄積する。また、旅行時間蓄積部に蓄積された過去から現在の道路交通情報の同リンク、同時刻のデータから、そのリンクおよび時刻における平均旅行時間および事故発生確率を算出し、旅行時間統計値蓄積部に蓄積する。車載装置から経路案内要求を受信すると、旅行時間統計値蓄積部に蓄積されている旅行時間の統計値を用いて案内経路を探索し、車載装置へ送信する。
【0004】
【特許文献1】特開平11−120490号公報
【特許文献2】特開2004−125429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2に開示された技術では、ユーザが詳細な情報を欲している場合には好適であるが、今から運転を行ってよいのか取りやめるべきかの判断を直ちに行う場合には不向きであり即断性に欠ける。つまり、目的地や探索経路における渋滞や天候の今後の状況をユーザが認識できていない場合に、今から目的地へ行くことが可能かどうか、また、可能ならどのような経路で行けばよいのかといった判断を行うことができる情報をユーザに提供できない。
【0006】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、目的地へ行くことの可否を即断でき、また、目的地へ行く際の好適な経路をユーザに提示できるナビゲーション装置、情報センタ装置およびこれらを用いたナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るナビゲーション装置は、地図情報を取得する地図情報取得手段と、位置および方位を検出する位置方位検出手段と、目的地および経由地を含む地点を入力する入力手段と、位置方位検出手段によって検出された位置から入力手段によって入力された目的地までの最適経路を地図情報取得手段によって取得された地図情報に基づいて計算する経路探索手段と、経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を生成する制御手段と、制御手段で生成された探索状態情報を外部に送信し、該送信した探索状態情報に応答して外部から送信されてくる走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を受信する通信手段と、通信手段で受信されたルートアドバイス情報を出力する出力手段とを備えている。
【0008】
この発明に係る情報センタ装置は、外部から道路上位置情報を含む探索状態情報を受信し、該探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を外部に送信する通信手段と、地図情報を取得する地図情報取得手段と、地図情報取得手段で取得された地図情報と通信手段で受信された探索状態情報とに基づき探索経路を判定する探索経路判定手段と、道路状況履歴を更新しながら蓄積する道路状況履歴更新手段と、道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算する走行時刻予測手段と、取得する各地域の気象予報を最新に更新する気象予報更新手段と、気象予報更新手段から取得される各地域の気象予報から、走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻における気象予報を予測して気象予報情報として出力する走行気象予測手段と、走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻と走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づきルートアドバイス情報を編集して通信手段に送るルートアドバイス情報編集手段とを備えている。
【0009】
この発明に係るナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置と情報センタ装置とを備え、ナビゲーション装置は、地図情報を取得する第1地図情報取得手段と、位置および方位を検出する位置方位検出手段と、目的地および経由地を含む地点を入力する入力手段と、位置方位検出手段によって検出された位置から入力手段によって入力された目的地までの最適経路を第1地図情報取得手段によって取得された地図情報に基づいて計算する経路探索手段と、経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を生成する制御手段と、制御手段で生成された探索状態情報を情報センタ装置に送信し、該送信した探索状態情報に応答して情報センタ装置から送信されてくる走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を受信する第1通信手段と、第1通信手段で受信されたルートアドバイス情報を出力する出力手段とを備え、情報センタ装置は、ナビゲーション装置から道路上位置情報を含む探索状態情報を受信し、該探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報をナビゲーション装置に送信する第2通信手段と、地図情報を取得する第2地図情報取得手段と、第2地図情報取得手段で取得された地図情報と第2通信手段で受信された探索状態情報とに基づき探索経路を判定する探索経路判定手段と、道路状況履歴を更新しながら蓄積する道路状況履歴更新手段と、道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算する走行時刻予測手段と、取得する各地域の気象予報を最新に更新する気象予報更新手段と、気象予報更新手段から取得される各地域の気象予報から、走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻における気象予報を予測して気象予報情報として出力する走行気象予測手段と、走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻と走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づきルートアドバイス情報を編集して第2通信手段に送るルートアドバイス情報編集手段とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ナビゲーション装置は、経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を情報センタ装置に送信し、情報センタ装置は、受信した探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予報に基づき作成されたルートアドバイス情報をナビゲーション装置に返信し、ナビゲーション装置はこのルートアドバイス情報を出力手段に出力するように構成したので、ユーザは出力手段に出力された情報を見ることにより、目的地へ行くことの可否を即断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの機能的な構成を示すブロック図である。このナビゲーションシステムは、移動体に搭載されるナビゲーション装置1と所定位置に設置される情報センタ装置2とから構成されており、ナビゲーション装置1と情報センタ装置2との間は無線通信により接続される。
【0012】
まず、ナビゲーション装置1について説明する。ナビゲーション装置1は、地図情報取得手段11、位置方位検出手段12、入力手段13、経路探索手段14、制御手段15、出力手段16、通信手段17、情報送信設定手段18およびルートアドバイス情報選択手段19から構成されている。
【0013】
地図情報取得手段11は、この発明の第1の地図情報取得手段に対応し、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)またはHDD(Hard Disk Drive)といった記録媒体から地図情報を取得する。この地図情報取得手段11で取得された地図情報は、位置方位検出手段12および経路探索手段14に送られる。なお、地図情報取得手段11は、図示しない外部装置から無線通信によって地図情報を取得するように構成することもできる。
【0014】
位置方位検出手段12は、当該ナビゲーション装置1が搭載された移動体の位置および方位を検出する。この位置方位検出手段12で検出された位置および方位は、経路探索手段14に送られる。入力手段13は、ユーザが目的地や経由地等を入力し、また、出力手段16に出力された複数の情報の中から1つを選択するために使用される。この入力手段13から入力された目的地、経由地等は経路探索手段14に送られ、また、選択された情報は制御手段15に送られる。
【0015】
経路探索手段14は、位置方位検出手段12によって検出された位置(出発地)から、入力手段13によって入力された経由地を経由して目的地に至るまでの最適経路を、地図情報取得手段11から取得した地図情報に基づいて計算する。この経路探索手段14における計算によって得られた最適経路を表す情報は、制御手段15に送られる。また、経路探索手段14は、情報センタ装置2から送信されてきた経度および緯度(以下、「経緯度」と略する)によって示される地点を回避し、または当該地点の通過を推奨する別経路探索機能を備えており、さらに、複数の探索経路を判定する機能を備えている。
【0016】
制御手段15は、経路探索手段14との間のデータの送受、通信手段17との間のデータの送受、入力手段13からのデータの受け取り、出力手段16へのデータの送り出し、ルートアドバイス情報選択手段19へのデータの送り出し等を制御する。出力手段16は、制御手段15から送られてくるデータに基づいて、移動体の現在位置の周辺の地図等を表示してユーザを目的地まで案内し、また、情報センタ装置2から送られてきたルートアドバイス情報を出力する。
【0017】
通信手段17は、この発明の第1通信手段に対応し、情報センタ装置2との間のデータ通信を制御する。例えば、通信手段17は、制御手段15から送られてきた目的地などの探索状態情報を情報センタ装置2へ送信するとともに、情報センタ装置2から送られてきたルートアドバイス情報を受信して制御手段15に送る。ルートアドバイス情報は、テキスト文字および読み仮名を含むテキスト文字情報や経緯度の座標といった、ナビゲーション装置によって異なる可能性がある地図情報のフォーマットに依存しない情報から構成されている。
【0018】
情報送信設定手段18は、入力手段13に備えられ、情報センタ装置2に送信する探索状態情報を制限するための情報を設定する。この情報送信設定手段18で設定された情報は、入力手段13を経由して制御手段15に送られる。ルートアドバイス情報選択手段19は、入力手段13において情報センタ装置2から送信されてきたルートアドバイス情報を選択する。このルートアドバイス情報選択手段19で選択されたルートアドバイス情報は、入力手段13および制御手段15を経由して出力手段16に送られる。
【0019】
次に、情報センタ装置2について説明する。情報センタ装置2は、通信手段21、制御手段22、地図情報取得手段23、探索経路判定手段24、道路状況履歴更新手段25、走行時刻予測手段26、気象予報更新手段27、走行気象予測手段28およびルートアドバイス情報編集手段29から構成されている。
【0020】
通信手段21は、この発明の第2の通信手段に対応し、ナビゲーション装置1との間のデータ通信を制御する。例えば、通信手段21は、ナビゲーション装置1から送られてきた探索状態情報を受信して制御手段22に送るとともに、ルートアドバイス情報編集手段から制御手段22を経由して送られてきたルートアドバイス情報をナビゲーション装置1に送信する。
【0021】
制御手段22は、データの入出力を制御する。具体的には、制御手段22は、ルートアドバイス情報編集手段29から送られてくるルートアドバイス情報を通信手段21に送るとともに、通信手段21から送られてくる探索状態情報を探索経路判定手段24に送る。地図情報取得手段23は、この発明の第2の地図情報取得手段に対応し、例えばCD、DVDまたはHDDといった記録媒体から地図情報を取得する。この地図情報取得手段23で取得された地図情報は、探索経路判定手段24に送られる。なお、地図情報取得手段23は、図示しない外部装置から無線通信によって地図情報を取得するように構成することもできる。
【0022】
探索経路判定手段24は、地図情報取得手段23から読み出した地図情報に基づいて、ナビゲーション装置1から通信手段21および制御手段22を経由して送られてくる探索状態情報から探索経路を判定する。この探索経路判定手段24における判定結果は、走行時刻予測手段26に送られる。道路状況履歴更新手段25は、過去から現在に至るVICS(Vehicle Information and Communication System)情報やニュースなどといった道路状況情報を順次更新しながら道路状況履歴として蓄積する。この道路状況履歴更新手段25に蓄積された道路状況履歴は、走行時刻予測手段26に送られる。
【0023】
走行時刻予測手段26は、探索経路判定手段24で判定された探索経路を形成する道路の各地点における走行時刻を、道路状況履歴更新手段25に蓄積されている道路状況履歴に基づき予測し、予測した走行時刻を走行気象予測手段28およびルートアドバイス情報編集手段29に送る。
【0024】
また、走行時刻予測手段26は、次の(1−1)〜(1−4)の機能を備えている。
(1−1)探索経路判定手段24において判定された複数の探索経路の全てについて、各探索経路を形成する道路の各地点における走行時刻を予測する機能。
(1−2)走行気象予測手段28から送られてくる気象予測情報に基づき、探索経路を形成する道路の各地点における気象予測情報を出発地から近い地点から順次参照して走行予測時刻を計算する機能。
(1−3)平均予測走行時間および高精度予測走行時間を算出する機能。ここで、平均予測走行時間は、探索経路を形成する道路に対して道路状況履歴更新手段25に蓄積されている道路状況履歴に含まれる全ての走行時間を時間帯毎に平均化することにより求められる時間であり、高精度予測走行時間は、道路状況履歴に含まれる特定の条件下、例えば特定の日時(祝祭日やイベントが行われる日など)の走行時間を平均化することにより求められる時間である。
(1−4)高精度予測走行時間が小さい順にソートする機能。
【0025】
気象予報更新手段27は、最新の各地域の気象予報情報を更新しながら保持する。この気象予報更新手段27に保持されている気象予報情報は、走行気象予測手段28に送られる。走行気象予測手段28は、気象予報更新手段27から読み出した各地域の気象予報情報の中から、走行時刻予測手段26から送られてくる道路上の各地点の走行予測時刻に該当する気象予報を選んでルートアドバイス情報編集手段29に送る。また、走行気象予測手段28は、走行時刻予測手段26から送られてくる高精度予測走行時間が小さい順にソートされた探索経路を形成する道路に対して、気象警報または気象注意報の存否を判定し、気象警報または気象注意報が存在する場合は、該気象警報または気象注意報を付加した気象予報情報をルートアドバイス情報編集手段29に送る。
【0026】
ルートアドバイス情報編集手段29は、走行時刻予測手段26から送られてくる走行時刻と走行気象予測手段28から送られてくる気象予報情報(気象警報または気象注意報が存在する場合は、それらを含む)とを編集し、ルートアドバイス情報を作成する。このルートアドバイス情報編集手段29で作成されたルートアドバイス情報は、制御手段22および通信手段21を経由してナビゲーション装置1に送られる。
【0027】
図2は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置1および情報センタ装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
まず、ナビゲーション装置1について説明する。ナビゲーション装置1は、メディア201、ドライブ202、GPS受信機203、ジャイロ204、車速検出器205、操作部206、通信機器207、インタフェース回路208、ナビECU209、メモリ210、ディスプレイ211およびスピーカ212から構成されている。
【0029】
メディア201は、地図データが記憶されたCD、DVDまたはHDDといった記録媒体から構成されている。このメディア201は、ドライブ202に装着される。ドライブ202は、地図情報取得手段11に対応する。このドライブ202は、装着されたメディア201から地図情報を読み出し、インタフェース回路208を介してナビECU209に送る。
【0030】
GPS受信機203は、位置方位検出手段12の一部を構成し、絶対位置や絶対方位を検出する。このGPS受信機203で検出された絶対位置や絶対方位は、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。ジャイロ204は、位置方位検出手段12の他の一部を構成し、車両の旋回時の角速度を検出する。このジャイロ204で検出された角速度は、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。車速検出器205は、位置方位検出手段12のさらに他の一部を構成し、車両が所定距離を走行する毎にその旨を検出し、車速信号として出力する。この車速検出器205から出力される車速信号は、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。
【0031】
操作部206は、入力手段13に対応し、ユーザの操作を受け付ける。この操作部206の操作によって入力された操作データは、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。通信機器207は、通信手段15に対応し、例えば携帯電話などから構成されている。この通信機器207は、情報センタ装置2との間で行われるデータ通信を制御する。インタフェース回路208は、ドライブ202、GPS受信機203、ジャイロ204、車速検出器205、操作部206および通信機器207とナビECU209との間のインタフェースを司る。
【0032】
ナビECU209は、ドライブ202からインタフェース回路208を経由して送られてくる地図情報(地図データ)、GPS受信機203からインタフェース回路208を経由して送られてくる絶対位置および絶対方位を示すデータ、ジャイロ204からインタフェース回路208を経由して送られてくる角速度に対応した電圧を示すデータ、車速検出器205からインタフェース回路208を経由して送られてくる車速信号のパルスの数を示すデータ、操作部206からインタフェース回路208を経由して送られてくる操作データおよび通信機器207からインタフェース回路208を経由して送られてくる通信データをメモリ210に書き込み、このメモリ210に書き込まれた内容に基づき各種処理を実行する。経路探索手段14、制御手段15、情報送信設定手段18およびルートアドバイス情報選択手段19は、このナビECU209の処理によって実現されている。
【0033】
ディスプレイ211は、出力手段16の一部に対応し、ナビECU209から送られてくる表示データに従って種々の情報を表示する。スピーカ212は、出力手段16の他の一部に対応し、ナビECU209から送られてくる音声データに従って種々の情報を音声で出力する。
【0034】
次に、情報センタ装置について説明する。情報センタ装置2は、メディア213、ドライブ214、通信機器215、インタフェース回路216、情報センタECU217およびメモリ218から構成されている。
【0035】
メディア213は、地図データが記憶されたCD、DVDまたはHDDといった記録媒体から構成されている。このメディア213は、ドライブ214に装着される。ドライブ214は、地図情報取得手段23に対応する。このドライブ214は、装着されたメディア213から地図情報を読み出し、インタフェース回路216を介して情報センタECU217に送る。
【0036】
通信機器215は、通信手段21に対応し、例えば電話機などから構成されている。この通信機器215は、ナビゲーション装置1との間で行われるデータ通信を制御する。ナビゲーション装置1は、この通信機器215を介して送られてくる情報センタ装置2からの最新の渋滞情報や天気予報情報などを、例えばブラウザなどを用いて取り出すことができる。この通信機器215は、複数台を設置するように構成することができる。インタフェース回路216は、ドライブ214および通信機器215と情報センタECU217との間のインタフェースを司る。
【0037】
情報センタECU217は、ドライブ214からインタフェース回路216を介して送られてくる地図情報(地図データ)および通信機器215からインタフェース回路216を介して送られてくる通信データをメモリ218に書き込み、このメモリ218に書き込まれた内容に基づき各種処理を実行する。制御手段22、探索経路判定手段、走行時刻予測手段26、走行気象予測手段28およびルートアドバイス情報編集手段29は、この情報センタECU217の処理によって実現されている。
【0038】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの概略の動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図3に示す各ステップにおいて実行される処理の詳細は後述する。
【0039】
ナビゲーション装置1においては、まず、経路探索手段14は、ユーザが入力手段13から入力した地点(目的地、経由地など)に対して経路探索を行って出発地、経由地、目的地、分岐点および交差点といった道路属性変化点の位置を求める。そして、この求められた道路属性変化点の位置を表す探索状態情報(図6参照)と、情報送信設定手段18によって設定された情報とが情報センタ装置2に送信される(ステップST11)。
【0040】
情報センタ装置2においては、ナビゲーション装置1から受信した探索状態情報および情報送信設定手段18によって設定された情報が探索経路判定手段24に送られる。これにより、探索経路判定手段24は、地図情報取得手段23から地図情報を読み出し、この読み出した地図情報に基づいて、ナビゲーション装置1から受信した探索状態情報によって示される道路属性変化点を通過する複数の経路を求める(ステップST21)。このステップST21で求められた複数の経路は、走行時刻予測手段26に送られる。
【0041】
次いで、情報センタ装置2の走行時刻予測手段26は、道路状況履歴更新手段25から読み出した道路状況履歴と、気象予報更新手段27から走行気象予測手段28を介して受け取った気象予報情報とから、探索経路判定手段24から受け取った複数の経路を形成する道路に関して、気象予報を考慮した走行予測時刻を求め、当該情報センタ装置2において推定したナビゲーション装置1の探索経路よりも推奨する、または悪条件を回避する、おすすめ経路があるかどうかを判定する(ステップST22)。
【0042】
次いで、当該情報センタ装置2において推定したナビゲーション装置の経路と、おすすめ経路に関して、警報や注意報などの影響の有無を確認する気象予測が行われる(ステップST23)。次いで、ルートアドバイス情報編集手段29は、走行時刻予測手段26から送られてくる走行予測時刻と、走行気象予測手段28から送られてくる気象予測情報とから、推奨経路や回避経路に関するテキスト文字列から成るルートアドバイス情報を編集する。そして、編集されたルートアドバイス情報のうち、ナビゲーション装置1の情報送信設定手段18から設定された情報に応じた情報がナビゲーション装置1に送信される(ステップST24)。
【0043】
ナビゲーション装置1では、情報センタ装置2からルートアドバイス情報を受信すると、入力手段13のルートアドバイス情報選択手段19によるユーザ操作に従って、受信したルートアドバイス情報の出力手段16への表示変更を行い、また、経路探索手段14において、推奨経路や回避経路に対応する経路探索が行われる(ステップST12)。
【0044】
次に、図3に示すフローチャートのステップST11において行われる処理の詳細を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0045】
まず、ユーザが入力した地点(目的地、経由地など)に対する経路探索が行われ、経路探索データが取得される(ステップST31)。このステップST31で行われる処理は、従来のナビゲーション装置における経路探索処理と同じである。次いで、ユーザが情報送信設定手段18を操作することにより発生された情報センタ装置2への設定情報が、情報センタ装置への送信を要するものであるかどうかが調べられる(ステップST32)。このステップST32において、情報センタ装置2への送信を要するものでないことが判断されると、処理は終了する。
【0046】
一方、ステップST32において、情報センタ装置2への送信を要するものであることが判断されると、次いで、ステップST31で取得された経路探索データから、情報センタ装置2へ送信する探索状態情報が抽出される(ステップST33)。
【0047】
このステップST33において抽出される探索状態情報には、以下の(2−1)〜(2−6)に示す情報が含まれる。
(2−1)出発地または道路上位置:出発地の位置を示し、移動体が道路外を移動している場合は、ステップST31における経路探索によって特定される出発地の最近傍の道路上位置を示す。
(2−2)ユーザが入力した地点(目的地、経由地)または各道路上位置:目的地や経由地の位置を示し、ユーザが入力した地点の位置が道路外に存在する場合は、ステップST31における経路探索により特定される地点の最近傍の道路上位置を示す。
(2−3)ユーザが入力した回避エリア:ユーザが入力した経路探索を回避すべきエリアを示す。
(2−4)探索条件(高速優先、一般道優先、距離優先):デフォルトまたはユーザが入力した経路探索として推奨する条件を示す。
(2−5)分岐点、交差点(右左折コスト発生地点):経路探索データから、右左折コストが発生した分岐地点を示す。
(2−6)道路種別変化点(高速、国道、県道など):経路探索データから、細街路、その他道、主要地方道、県道、国道、都市高速道路、高速道路、有料道路といった各道路の種別が変化する地点を示す。
【0048】
なお、これらの各地点は緯度および経度(以下、「緯経度」という)で示され、地点の数が所定値を越えた場合は、距離または道路種別などの優先順位に応じて地点を間引きし、所定数以下となるように構成することができる。また、探索状態情報の抽出は、経路探索データの任意の箇所から目的地または出発地へ向けて順次参照しながら行うように構成できる。また、ステップST31で行われる経路探索処理に、探索状態情報を抽出する機能を付加するように構成することもできる。
【0049】
ステップST33で探索状態情報の抽出が終了すると、次いで、抽出された探索状態情報とともに、情報センタ装置2への設定情報が情報センタ装置2へ送信される(ステップST34)。以上により処理は終了する。
【0050】
図5は、地図と、経路探索データと、探索状態情報とにおける各地点の関係を表す図である。図5において、P1は移動体の現在地の位置である。P2はユーザが入力した経由地Wの位置である。P3はユーザが入力した目的地Gの位置である。P4はユーザが入力した回避エリアの位置である。P5は探索経路である。P6はその他道である。P7は主要地方道である。P8は国道である。P9は県道である。P10は高速道路である。P11は出発地の道路上位置である。P12は経由地の道路上位置である。P13は目的地の道路上位置である。P14は道路種別変化点である。P15は分岐点または交差点である。
【0051】
図6は、ナビゲーション装置1から情報センタ装置2へ送信される探索状態情報のフォーマットの例を示す。この探索状態情報は、出発地情報、経由地情報、目的地情報、回避エリア情報および道路上位置情報を経緯度で表すことによって構成されている。この構成により、探索状態情報としてナビゲーション装置1の地図情報のフォーマットに依存する道路リンクIDなどを用いた場合は、ナビゲーション装置毎に情報センタ装置を設置する必要が生じるという事態を回避できるようになっている。
【0052】
また、この探索状態情報にWGS84、東京測地系といった測地系情報を付加したフォーマットを用いることができる。また、この探索状態情報に日本語、英語といった言語情報を付加したフォーマットを用いることもでき、この場合、仕向け先の国毎に、情報センタ装置をそれぞれ設置しなければならなくなるという事態を回避できる。さらに、この探索状態情報に出発予定時刻情報や到着予定時刻情報を付加したフォーマットを用いることもでき、この場合、出発予定時刻や到着予定時刻に関するルートアドバイス情報が得られるように構成することができる。
【0053】
次に、図3に示すフローチャートのステップST21で行われる処理の詳細を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0054】
情報センタ装置2では、まず、ナビゲーション装置1から送信されてきた探索状態情報に含まれる探索条件(高速優先、一般道優先、距離優先)と回避エリアとが探索経路判定手段24に設定される(ステップST41)。次いで、探索経路判定手段24は、地図情報取得手段23から読み出した地図情報によって示される地図上で、ナビゲーション装置1から送信されてきた探索状態情報に含まれる道路上位置情報によって示される緯経度を出発地側または目的地側から順次辿って近傍検索を行い、最も近いノードを通過点として抽出する(ステップST42)。なお、近傍検索で通過点を抽出できなかった場合は、その緯経度に対する処理をスキップし、次の道路上位置情報で示される緯経度に対する処理を行うように構成できる。
【0055】
次いで、2つ以上の通過点を抽出できたかどうかが調べられる(ステップST43)。このステップST43において、2つ以上の通過点を抽出できたことが判断されると、次いで、探索条件と回避エリアを考慮して、且つ出発地、経由地および目的地の各道路上位置に該当する通過点を必ず通るものとして、出発地側から目的地側への複数の通過点に対して複数経路探索を行い、この中から最も探索コストの少ない経路をナビゲーション装置の探索経路と推定する(ステップST44)。その後、シーケンスはステップST46に進む。
【0056】
上記ステップST43において、2つ以上の通過点を抽出できなかったことが判断された場合は、探索条件と回避エリアを考慮して、ナビゲーション装置から送信されてきた出発地、経由地、目的地に対して複数経路探索を行い、探索された経路から最も探索コストの少ない経路をナビゲーション装置の探索経路と推定する(ステップST45)。その後、シーケンスはステップST46に進む。
【0057】
ステップST46では、ステップST44またはステップST45で探索された複数経路から、出発地から目的地に至る全ての経路組み合わせが求められる。以上により、処理は終了する。このステップST46において求められた複数経路に対して、後述するように、走行時刻および走行気象が予測される。
【0058】
図8は、複数経路の例を示す図である。図8において、Q1は通過点である。Q2、Q5、Q8およびQ10は、推定されたナビゲーション装置1の探索経路である。Q3、Q4、Q6、Q7、Q9、Q11およびQ12は、推定された探索経路以外の探索経路である。ここで、全ての経路組み合わせは、次の通りとなる。
【0059】
Q2→Q5→Q8→Q10、Q2→Q5→Q8→Q11、Q2→Q5→Q8→Q12、Q2→Q5→Q9→Q10、Q2→Q5→Q9→Q11、Q2→Q5→Q9→Q12、Q2→Q6→Q8→Q10、Q2→Q6→Q8→Q11、Q2→Q6→Q8→Q12、Q2→Q6→Q9→Q10、Q2→Q6→Q9→Q11、Q2→Q6→Q9→Q12、Q2→Q7→Q8→Q10、Q2→Q7→Q8→Q11、Q2→Q7→Q8→Q12、Q2→Q7→Q9→Q10、Q2→Q7→Q9→Q11、Q2→Q7→Q9→Q12、Q3→Q5→Q8→Q10、Q3→Q5→Q8→Q11、Q3→Q5→Q8→Q12、Q3→Q5→Q9→Q10、Q3→Q5→Q9→Q11、Q3→Q5→Q9→Q12、Q3→Q6→Q8→Q10、Q3→Q6→Q8→Q11、Q3→Q6→Q8→Q12、Q3→Q6→Q9→Q10、Q3→Q6→Q9→Q11、Q3→Q6→Q9→Q12、Q3→Q7→Q8→Q10、Q3→Q7→Q8→Q11、Q3→Q7→Q8→Q12、Q3→Q7→Q9→Q10、Q3→Q7→Q9→Q11、Q3→Q7→Q9→Q12およびQ4。
【0060】
次に、図3に示すフローチャートのステップST22で行われる処理の詳細を、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0061】
まず、複数経路から1つの経路が取り出され、この取り出された経路に対する走行予測時刻および高精度走行予測時刻が初期化される(ステップST51)。初期化は、走行予測時刻および高精度走行予測時刻に現時刻を設定することにより行われる。次いで、ステップST51で取り出された1つの経路の中から1つの道路が取り出され、その取り出された道路を通過する走行予測時刻が算出される(ステップST52)。なお、1つの道路の取り出しは、出発地から目的地に向かって順番に行われる。また、走行予測時刻の算出は、既算出の走行予測時刻に平均予測走行時間を加算することにより行われる。
【0062】
次いで、最新の各地域の気象予報から、当該道路の高精度走行予測時刻における気象予報が取得される(ステップST53)。なお、気象予報は、晴れ、曇、雨、雪、雷というように分類されるのが一般的であるが、降雨量、降雪量、風速などを考慮した気象予報とすることもできる。
【0063】
次いで、当該道路の地域において当該月日および現時刻のイベントがあるかどうかが調べられる(ステップST54)。ここで、イベントがあることが判断されると、次いで、道路状況履歴から、当該道路の気象予報と当該月日および高精度走行予測時刻のイベントに該当する平均予測走行時間が求められ、この求められた平均予測走行時間に基づいて高精度走行予測時刻が算出される(ステップST55)。高精度走行予測時刻の算出は、既算出の高精度走行予測時刻に平均予測走行時間を加算することにより行われる。その後、シーケンスはステップST59に進む。
【0064】
上記ステップST54において、イベントがないことが判断されると、次いで、当該月日は祝祭日であるかどうかが調べられる(ステップST56)。ここで、祝祭日であることが判断されると、次いで、道路状況履歴から、当該道路の気象予報と当該祝祭日および高精度走行予測時刻に該当する平均予測走行時間が求められ、この求められた平均予測走行時間に基づいて高精度予測走行時刻が算出される(ステップST57)。高精度走行予測時刻の算出は、既算出の高精度走行予測時刻に平均予測走行時間を加算することにより行われる。その後、シーケンスはステップST59に進む。
【0065】
上記ステップST56において、祝祭日でないことが判断されると、次いで、道路状況履歴から、当該道路の気象予報と当該月日および高精度走行予測時刻に該当する平均予測走行時間が求められ、この求められた平均予測走行時間に基づいて高精度走行予測時刻が算出される(ステップST58)。高精度走行予測時刻の算出は、既算出の高精度走行予測時刻に平均予測走行時間を加算することにより行われる。その後、シーケンスはステップST59に進む。
【0066】
ステップST59では、道路の数分の処理が終了したかどうかが調べられる(ステップST59)。このステップST59において、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップST52に戻り、次の道路に対して上述した処理が繰り返される。一方、ステップST59において、道路の数分の処理が終了したことが判断されると、次いで、経路の数分の処理が終了したかどうかが調べられる(ステップST60)。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップST51に戻り、次の経路に対して上述した処理が繰り返される。一方、経路の数分の処理が終了したことが判断されると、次いで、複数経路の中で、高精度走行予測時刻が早い順にソートされ、最も高精度走行予測時刻の早い経路が推定されたナビゲーション装置1の探索経路と異なれば、その経路が、おすすめ経路として選定される(ステップST61)。以上により、処理は終了する。
【0067】
図10は、道路状況履歴を構成するデータの例を示し、道路状況履歴更新手段25において更新されたデータに該当する。この道路状況履歴を構成するデータは、道路毎に、平均走行予測時間と、イベント、祝祭日、その他に対して、月、日、時、分、気象(晴れ、雨、曇、雪、雷)における平均走行予測時間をデータ化したものである。なお、道路状況履歴に道路名称を含め、その道路名称を別途取り出しできるように構成できる。また、各道路に対して、海岸線沿い、山間部、橋・高架といった道路属性を追加するように構成することもできる。
【0068】
図11は、図8に示した複数経路に気象予報を重ねて表した図であり、気象予報の種類および範囲は、気象予報更新手段27において更新された気象予報情報に基づいて作成される。図11に示す例では、気象予報更新手段27は、地域毎に、今後の1時間毎(図11(a)は1時間後、図11(b)は2時間後、図11(c)は3時間後)の晴れ、雨、曇、雪、雷の気象予報情報を保持している。
【0069】
次に、図3に示すフローチャートのステップST23で行われる処理の詳細を、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0070】
まず、推定されたナビゲーション装置1の探索経路と、おすすめ経路の各々について、出発地から目的地に向かう経路の中から1つの道路と高精度走行時刻予測情報とが取り出され、目的地については高精度走行時刻予測情報に所定時間が加算される(ステップST71)。
【0071】
次いで、当該道路の高精度走行予測時刻において、気象予測情報と異なる気象警報が出されているかどうかが調べられる(ステップST72)。ここで、気象予測情報と異なる気象警報が出されていることが判断されると、次いで、気象予測情報に気象警報の内容と道路名とが第1優先順として設定され、気象警報領域が回避エリアとして登録される(ステップST73)。上記ステップST72において、気象予測情報と異なる気象警報が出されていないことが判断されると、ステップST73の処理はスキップされる。
【0072】
次いで、当該道路の高精度走行予測時刻において、気象予測情報と異なる気象注意報が出されているかどうかが調べられる(ステップST74)。ここで、気象予測情報と異なる気象注意報が出されていることが判断されると、気象予測情報に気象注意報の内容と道路名とが第2優先順として設定される(ステップST75)。なお、各道路に海岸線沿い、山間部、橋・高架といった道路属性が付加されていれば、各道路に対して、波の高さ、降雨量、降雪量、気温、風速に関する気象予測情報を設定するように構成できる。また、気象予測情報からは、移動に関連しない、例えば乾燥注意報などを省くことができる。
【0073】
上記ステップST74において、気象予測情報と異なる気象注意報が出されていないことが判断されると、ステップST75の処理はスキップされる。次いで、道路の数分の処理が終了したかどうかが調べられる(ステップST76)。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップST71に戻り、次の道路に対して上述した処理が繰り返される。一方、道路の数分の処理が終了したことが判断されると、処理は終了する。
【0074】
図13は、図8に示した複数経路に気象予報を重ねて表した図であり、気象予報の種類および範囲は、気象予報更新手段27において更新された気象予報情報に基づいて作成される。図13に示す例では、気象予報更新手段27は、地域毎に、今後の気象警報および気象注意報の気象予報情報を保持している。
【0075】
なお、気象予報とは無関係であるが、大規模な地震、火災、事故などが過去に発生し、未だ移動に障害のあるエリアを、気象予報更新手段27において更新された気象予報情報に含めるように構成することもできる。
【0076】
次に、図3に示すフローチャートのステップST24で行われる処理の詳細を、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0077】
まず、推定されたナビゲーション装置1の探索経路の平均走行時間予測情報と高精度走行時刻予測情報との差を求め、その差が所定値以上であれば、所定の文言が追加され、テキスト文字情報とその読み(カナ)に変換される(ステップST81)。なお、ある道路において、平均走行時間予測情報と高精度走行時刻予測情報の差が顕著であるならば、その道路に関して、所定の文言を追加し、テキスト文字情報とその読み(カナ)に変換するように構成することもできる。
【0078】
ここで、テキスト文字情報の例としては、「兵庫県三田市三輪を出発し、舞鶴道を通り、福井県小浜市を目的地とするルートですね。いつもは約2時間かかりますが、約4時間30分の移動時間となりそうです。特に、舞鶴道で約2時間遅れそうです。今日は祝祭日、海の日です。雨となりそうです。福井県小浜市で夜に花火大会があります。」を挙げることができる。この例においては、『兵庫県三田市三輪』、『舞鶴道』、『福井県小浜市』、『2時間』、『4時間30分』、『海の日』、『雨』、『夜』および『花火大会』が変換したテキスト文字情報であり、これら以外は所定の文言である。
【0079】
次いで、おすすめ経路があるかどうかが調べられる(ステップST82)。ここで、おすすめ経路があることが判断されると、次いで、おすすめ経路の平均走行時間予測情報と高精度走行時刻予測情報との差が所定値以上であれば、所定の文言が追加され、テキスト文字情報とその読み(カナ)に変換される(ステップST83)。ここで、テキスト文字情報の例としては、「空いているおすすめルートは、国道176号線を通り、福井県小浜市を目的地とするルートです。いつもは約3時間かかりますが、約3時間30分の移動時間となりそうです。おすすめルート情報を用いた再探索を行うことができます」を挙げることができる。この例においては、『国道176号線』、『福井県小浜市』および『3時間』、『3時間30分』が変換したテキスト文字情報であり、これら以外は所定の文言である。
【0080】
上記ステップST82において、おすすめ経路がないことが判断されると、ステップST83の処理はスキップされる。次いで、気象予測情報があるかどうかが調べられる(ステップST84)。ここで、気象予測情報があることが判断されると、次いで、気象予測情報に所定の文言が追加され、これがテキスト文字情報とその読み(カナ)に変換される(ステップST85)。ここで、テキスト文字情報の例としては、「大雨洪水警報のエリアを通ります。台風が接近しています。運転には充分ご注意ください」を挙げることができる。この例においては、『大雨洪水警報』および『台風』が変換したテキスト文字情報であり、これら以外は所定の文言である。
【0081】
上記ステップST84において、気象予測情報がないことが判断されると、ステップST85の処理はスキップされる。次いで、ルートアドバイス情報編集手段29においてナビゲーション装置1へ送信するデータが編集され、制御手段22および通信手段21を介して、ルートアドバイス情報としてナビゲーション装置1へ送信される(ステップST86)。以上により、処理は終了する。
【0082】
なお、読み(カナ)は、TTS(Text-to-Speech)音声合成用に使用されるものであり、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)音声などの波形データを使用することもできる。
【0083】
図15は、ナビゲーション装置1へ送信されるルートアドバイス情報のフォーマットの例を示す。なお、図15中の「ルートアドバイス情報事例」は、図6に示した情報センタ装置2へ送信する探索状態情報に含まれる「ユーザ設定情報」の「他移動体へのデータ配信許可フラグ」に呼応するものであり、ユーザが他移動体に事例として送信してもよいと認めた場合にのみ付加される。このルートアドバイス情報事例は、ナビゲーション装置1またはナビゲーション装置1が装着された移動体の購入時などに取得されたユーザの電話番号などをデータ化しておき、情報センタ装置2において任意のタイミングで任意の事例を他移動体に送信するように構成できる。この送信のタイミングは、例えば所定時間毎とすることができる。また、この任意のルートアドバイス情報事例は、他移動体の位置する関東や近畿といった地方毎に使用頻度が高い探索経路のエリアに関連するものを選択するように構成できる。
【0084】
なお、おすすめ経路の地点は緯経度で示され、これらの地点数が所定値を越えた場合は距離または道路種別などといった優先順位に応じて間引きし、地点数が所定値以下となるように構成することができる。
【0085】
次に、図3に示すフローチャートのステップST12で行われる処理の詳細を、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0086】
ナビゲーション装置1では、ルートアドバイス情報を情報センタ装置2から受信すると、ルートアドバイス情報が情報センタ装置2から届いたことが報知される(ステップST91)。この報知は、ルートアドバイス情報を、出力手段16を構成するディスプレイ211にテロップで表示したり、出力手段16を構成するスピーカ212から音声で知らせるように構成できる。
【0087】
次いで、ルートアドバイス情報を参照するためのユーザ操作があるかどうかが調べられる(ステップST92)。このステップST92において、ユーザ操作がないことが判断されると、シーケンスはステップST97に進む。一方、ステップST92において、ユーザ操作があることが判断されると、次いで、おすすめ経路があるかどうかが調べられる(ステップST93)。このステップST93において、おすすめ経路があることが判断されると、おすすめ経路の位置情報が展開され、各位置情報が経由地、回避エリアとして仮設定され、出力手段16を構成するディスプレイ211に形成される、おすすめ探索のボタン(図18参照)がアクティブにされる(ステップST94)。
【0088】
なお、このおすすめ探索のボタンが押下され、または音声認識操作により該押下と同等の指示がなされたときは、経由地と回避エリアを考慮した経路探索が実行される。また、これらの経由地や回避エリアは緯経度で示され、これらの地点数が所定値を越えた場合は距離または道路種別などといった優先順位に応じて間引きし、地点数が所定値以下となるように構成することができる。上記ステップST93において、おすすめ経路がないことが判断されると、ステップST94の処理はスキップされる。
【0089】
次いで、ルートアドバイス情報事例があるかどうかが調べられる(ステップST95)。このステップST95において、ルートアドバイス情報事例があることが判断されると、出力手段16を構成するディスプレイ211に形成されるルートアドバイス情報事例ボタン(図示しない)がアクティブにされる(ステップST96)。なお、このルートアドバイス情報事例ボタンが押下され、または音声認識操作により該押下と同等の指示がなされたときは、ルートアドバイス情報事例が表示され、また、音声で報知される。
【0090】
上記ステップST95において、ルートアドバイス情報事例がないことが判断されると、ステップST96の処理はスキップされる。次いで、ルートアドバイス情報のテキスト文字情報が出力手段16を構成するディスプレイ211に表示され、また、その読み(カナ)が出力手段16を構成するスピーカ212から音声で報知される(ステップST97)。以上により、処理は終了する。
【0091】
図17および図18は、上述したナビゲーションシステムにおける操作、処理および表示の遷移を具体的に示す図である。
【0092】
図17に示すように、ナビゲーション装置1における経路探索が完了すると、出力手段16を構成するディスプレイ211に推奨ルートの画面300が表示される。この推奨ルートの画面300に設けられている「ルートアドバイス」のボタンが押下されると、探索状態情報と情報送信設定手段18によって設定された情報とが情報センタ装置2に送信される。
【0093】
情報センタ装置2では、符号301で示すような複数経路が計算され、この複数経路に、符号302で示すように、気象予報を重ねて走行予測時刻情報が求められる。次いで、符号303に示すように、気象警報および/または気象注意報を重ねて走行気象予測情報が求められる。そして、図18に示すように、求められた走行時刻予測情報および走行気象予測情報に基づきルートアドバイス情報が編集され、ナビゲーション装置1に送信される。
【0094】
ナビゲーション装置1では、その時点で表示されている地図上にルートアドバイス情報が届いた旨のメッセージおよび「ルートアドバイス」のボタンが形成された画面304が表示される。この状態で、ユーザが「ルートアドバイス」のボタンを押下すると、ルートアドバイス情報とともに、「頁送り」、「頁戻し」および「おすすめ検索」のボタンが形成された画面305が表示される。この際、ルートアドバイス情報が音声で読み上げられる。
【0095】
この状態で、ユーザが「頁送り」のボタンを押下すると、ルートアドバイス情報の残りを含む画面306が表示される。この際、ルートアドバイス情報が音声で読み上げられる。この状態で、ユーザが「おすすめ検索」のボタンを押下すると、おすすめ経路の探索が行われ、探索が完了すると、推奨ルートの画面307が表示される。
【0096】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置1は、経路探索手段14によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を情報センタ装置2に送信し、情報センタ装置2は、受信した探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予報に基づき作成されたルートアドバイス情報をナビゲーション装置1に返信し、ナビゲーション装置1はこのルートアドバイス情報を出力手段に出力するように構成したので、ユーザは出力手段16に出力された情報を見ることにより、目的地へ行くことの可否を即断できる。
【0097】
また、ナビゲーション装置1が情報センタ装置2に送信する探索状態情報は、地点および属性を表す情報に限定し、また、情報センタ装置2がナビゲーション装置1に送信するルートアドバイス情報は、テキスト文字情報と地点情報とに限定したので、ナビゲーション装置において保持されている地図情報のフォーマットに依存しない。その結果、種々のフォーマットを有する地図情報を扱うことができるので、汎用性が大きい。
【0098】
さらに、ルートアドバイス情報事例を、他の移動体に送信できるように構成したので、有用な機能を多くの人に知らせることができる。
【0099】
実施の形態2.
上記実施の形態1は、ナビゲーション装置と情報センタ装置の間で通信を行うものであったが、次に、実施の形態1の情報センタ装置が有する機能をナビゲーション装置に備えた実施形態を示す。
【0100】
図19は、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。実施の形態2に係るナビゲーション装置は、地図情報取得手段11、位置方位検出手段12、入力手段13、経路探索手段14、制御手段15、出力手段16、ルートアドバイス情報選択手段19、探索経路判定手段24、道路状況履歴更新手段25、走行時刻予測手段26、気象予報更新手段27、走行予測手段28及びルートアドバイス情報編集手段29から構成されている。ここでは、実施の形態1で説明したものと同様な構成について同一の符号を用い重複説明を省略するとともに、異なる部分についてのみ説明する。
【0101】
実施の形態2では、探索経路判定手段24は、地図情報取得手段11と接続され、地図情報取得手段11より地図情報を取得する。また探索経路判定手段24は、制御手段15と直接接続され、データの送受を行う。
ルートアドバイス情報選択手段19は、ルートアドバイス情報編集手段29と接続され、ルートアドバイス情報編集手段29より直接ルートアドバイス情報が送られる。
道路状況履歴更新手段25及び気象予報更新手段27は、自車が有するラジオ等で受信して、道路状況情報及び気象予報情報を取得する。
【0102】
以上のように実施の形態2によれば、情報センタ装置が備えている機能を、ナビゲーション装置に備えたので、情報センタ装置のような特別の施設を設けなくともナビゲーション装置を使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置および情報センタ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの概略の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3に示すフローチャートのステップST11において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムにおける地図、経路探索データおよび探索状態情報における各地点の関係を表す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムにおいて使用される探索状態情報のフォーマットの例を示す図である。
【図7】図3に示すフローチャートのステップST21で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの情報センタ装置において探索される複数経路の例を示す図である。
【図9】図3に示すフローチャートのステップST22で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの情報センタ装置において使用される道路状況履歴を構成するデータの例を示す図である。
【図11】図8に示した複数経路に気象予報を重ねて表した図である。
【図12】図3に示すフローチャートのステップST23で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】図8に示した複数経路に気象警報および気象注意報を含む気象予報を重ねて表した図である。
【図14】図3に示すフローチャートのステップST24で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの情報センタ装置からナビゲーション装置に送信されるデータのフォーマットの例を示す図である。
【図16】図3に示すフローチャートのステップST25で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】この実施の形態1に係るナビゲーションシステムにおける操作、処理および表示の遷移(その1)を示す図である。
【図18】この実施の形態1に係るナビゲーションシステムにおける操作、処理および表示の遷移(その2)を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る移動体用ナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ナビゲーション装置、2 情報センタ装置、 11 地図情報取得手段(第1地図情報取得手段)、12 位置方位検出手段、13 入力手段、14 経路探索手段、15 制御手段、16 出力手段、17 通信手段(第1通信手段)、18 情報送信設定手段、19 ルートアドバイス情報選択手段、21 通信手段(第2通信手段)、22 制御手段、23 地図情報取得手段(第2地図情報取得手段)、24 探索経路判定手段、25 道路状況履歴更新手段、26 走行時刻予測手段、27 気象予報更新手段、28 走行気象予測手段、29 ルートアドバイス情報編集手段、201,213 メディア、202,214 ドライブ、203 GPS受信機、204 ジャイロ、205 車速検出器、206 操作部、207,215 通信機器、208,216 インタフェース回路、209 ナビECU、210,218 メモリ、211 ディスプレイ、212 スピーカ、217 情報センタECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
位置および方位を検出する位置方位検出手段と、
目的地および経由地を含む地点を入力する入力手段と、
前記位置方位検出手段によって検出された位置から前記入力手段によって入力された目的地までの最適経路を前記地図情報取得手段によって取得された地図情報に基づいて計算する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された探索状態情報を外部に送信し、該送信した探索状態情報に応答して外部から送信されてくる走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信されたルートアドバイス情報を出力する出力手段
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
入力手段は、制御手段で生成されて通信手段から外部に送信される探索状態情報の内容を制限する情報送信設定手段
を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
入力手段は、外部から送信されてくるルートアドバイス情報を選択して出力手段に出力させるルートアドバイス情報選択手段
を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
経路探索手段は、外部からルートアドバイス情報と一緒に送信されてくる経路の位置情報に応じて、さらに、回避経路または推奨経路を探索する別経路探索を行う
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
外部から道路上位置情報を含む探索状態情報を受信し、該探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を外部に送信する通信手段と、
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
前記地図情報取得手段で取得された地図情報と前記通信手段で受信された探索状態情報とに基づき探索経路を判定する探索経路判定手段と、
道路状況履歴を更新しながら蓄積する道路状況履歴更新手段と、
前記道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、前記探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算する走行時刻予測手段と、
取得する各地域の気象予報を最新に更新する気象予報更新手段と、
前記気象予報更新手段から取得される各地域の気象予報から、前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻における気象予報を予測して気象予報情報として出力する走行気象予測手段と、
前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻と前記走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づきルートアドバイス情報を編集して前記通信手段に送るルートアドバイス情報編集手段
とを備えた情報センタ装置。
【請求項6】
探索経路判定手段は、地図情報取得手段で取得された地図情報と通信手段で受信された探索状態情報とに基づき複数の探索経路を判定することを特徴とする請求項5記載の情報センタ装置。
【請求項7】
走行時刻予測手段は、道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、探索経路判定手段で判定された複数の探索経路を形成する複数の道路の全てについて各地点の走行予測時刻を計算することを特徴とする請求項6記載の情報センタ装置。
【請求項8】
走行時刻予測手段は、さらに、走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づいて、探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点における気象予測情報を出発地から近い地点から順次参照して走行予測時刻を計算することを特徴とする請求項5記載の情報センタ装置。
【請求項9】
走行時刻予測手段は、探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路に対して、道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴に含まれる走行時間の全てを平均化した平均予測走行時間と、特定の条件下における走行時間を平均化した高精度予測走行時間とを計算し、該計算された平均予測走行時間または高精度予測走行時間に基づき前記探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算することを特徴とする請求項5記載の情報センタ装置。
【請求項10】
走行時刻予測手段は、さらに、高精度予測走行時間を小さい順にソートすることを特徴とする請求項9記載の情報センタ装置。
【請求項11】
走行気象予測手段は、さらに、走行時刻予測手段によって高精度予測走行時間が小さい順にソートされた探索経路を形成する道路に対して、気象警報または気象注意報の存否を判定し、気象警報または気象注意報が存在する場合は、該気象警報または気象注意報を付加した気象予報情報を出力することを特徴とする請求項10記載の情報センタ装置。
【請求項12】
ルートアドバイス情報編集手段で編集されるルートアドバイス情報は、地図情報のフォーマットに依存しない情報により作成されることを特徴とする請求項5記載の情報センタ装置。
【請求項13】
通信手段は、探索状態情報を送信した外部装置以外の外部装置にもルートアドバイス情報編集手段で編集されたルートアドバイス情報を送信することを特徴とする請求項5記載の情報センタ装置。
【請求項14】
ナビゲーション装置と情報センタ装置とを備えたナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
地図情報を取得する第1地図情報取得手段と、
位置および方位を検出する位置方位検出手段と、
目的地および経由地を含む地点を入力する入力手段と、
前記位置方位検出手段によって検出された位置から前記入力手段によって入力された目的地までの最適経路を前記第1地図情報取得手段によって取得された地図情報に基づいて計算する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された探索状態情報を前記情報センタ装置に送信し、該送信した探索状態情報に応答して前記情報センタ装置から送信されてくる走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を受信する第1通信手段と、
前記第1通信手段で受信されたルートアドバイス情報を出力する出力手段
とを備え、
前記情報センタ装置は、
前記ナビゲーション装置から道路上位置情報を含む探索状態情報を受信し、該探索状態情報に基づき作成された走行予測時刻および気象予測情報に基づくルートアドバイス情報を前記ナビゲーション装置に送信する第2通信手段と、
地図情報を取得する第2地図情報取得手段と、
前記第2地図情報取得手段で取得された地図情報と前記第2通信手段で受信された探索状態情報とに基づき探索経路を判定する探索経路判定手段と、
道路状況履歴を更新しながら蓄積する道路状況履歴更新手段と、
前記道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、前記探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算する走行時刻予測手段と、
取得する各地域の気象予報を最新に更新する気象予報更新手段と、
前記気象予報更新手段から取得される各地域の気象予報から、前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻における気象予報を予測して気象予報情報として出力する走行気象予測手段と、
前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻と前記走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づきルートアドバイス情報を編集して前記第2通信手段に送るルートアドバイス情報編集手段
とを備えたナビゲーションシステム。
【請求項15】
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
位置および方位を検出する位置方位検出手段と、
目的地および経由地を含む地点を入力する入力手段と、
前記位置方位検出手段によって検出された位置から前記入力手段によって入力された目的地までの最適経路を前記地図情報取得手段によって取得された地図情報に基づいて計算する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された最適経路の道路上位置情報を含む探索状態情報を生成する制御手段と、
前記地図情報取得手段で取得された地図情報と前記探索状態情報とに基づき探索経路を判定する探索経路判定手段と、
道路状況履歴を更新しながら蓄積する道路状況履歴更新手段と、
前記道路状況履歴更新手段に保持されている道路状況履歴から、前記探索経路判定手段で判定された探索経路を形成する道路の各地点の走行予測時刻を計算する走行時刻予測手段と、
取得する各地域の気象予報を最新に更新する気象予報更新手段と、
前記気象予報更新手段から取得される各地域の気象予報と前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻における気象予報を予測して気象予報情報として出力する走行気象予測手段と、
前記走行時刻予測手段から得られる道路の各地点の走行予測時刻と前記走行気象予測手段から得られる気象予報情報に基づきルートアドバイス情報を編集するルートアドバイス情報編集手段と、
前記ルートアドバイス情報編集手段より送られるルートアドバイス情報を選択して出力手段に出力させるルートアドバイス情報選択手段と
前記ルートアドバイス情報を出力する出力手段と、
を備えたナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−47148(P2007−47148A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73099(P2006−73099)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】