説明

ナビゲーション装置および商品注文処理方法

【課題】経路の周辺に存在する所望のドライブスルーを選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、注文のキャンセル処理を可能とする。
【解決手段】ナビゲーション装置20は、選択した所望の店舗のサーバ30と通信するための通信手段16と、サーバ30から取得したメニュー画像を用いて商品を注文する注文手段13と、注文した商品の調理時間をサーバ30から取得する調理時間取得手段21と、店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段15と、到着予想時刻と調理時間とに基づいて注文を確定する時刻または該時刻の車両の所在位置を算出し、注文の確定を判別する注文確定判別手段22と、を備え、注文確定判別手段22が算出した注文を確定する時刻または該時刻の車両の所在位置に基づいて、ナビゲーション装置20が該時刻または所在位置に到達するまでの間、サーバ30に注文の取消しのデータの送信を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定した所望の出発地から目的地に至る最適経路を探索して、地図画像とともにその経路を表示して経路案内を行うナビゲーション装置に関するものであり、特に、経路の周辺に存在する所望のドライブスルーなどの店舗を選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載し、設定した所望の出発地から目的地に至る最適経路を探索して、地図画像とともにその経路を表示して経路案内するナビゲーション装置が用いられている。このようなナビゲーションシステムやナビゲーション装置にあっては、表示手段に表示した地図画像や案内経路画像上に、レストラン、各種ショップ、ファーストフード店、スーパーマーケットなどの施設の種類を示すアイコン画像を該当施設の所在位置に表示し、さらにその施設に関する詳細情報を表示したり、所望の施設に接近したことを案内したりすることが行われている。一般的にこれらの施設情報は予めナビゲーションシステムのサービス提供者やナビゲーション装置のメーカが収集した施設データベースとして固定的にナビゲーションシステムやナビゲーション装置に備えられている。
【0003】
通信機能を有するナビゲーション装置にあっては、これらの施設情報をインターネット経由で各種サーバからダウンロードしてデータベースに記憶することも可能である。また、ユーザが所望の施設情報を登録(入力)してデータベースに蓄積するようにしたナビゲーション装置も知られている。
【0004】
ユーザは、現在位置あるいは所望の地点を指定して、勤務先や交通機関の駅など、特定の地点の周辺に所在する所望の施設(興味対象場所:POI)を検索し、所望の施設の詳細情報を知ることができる。このようなナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献1(特開平9−264750号公報)に、ナビゲーション装置の発明として開示されている。
【0005】
このナビゲーション装置は、以下のような処理を行う。すなわち、検索地点周辺の施設がジャンル指定により選別される。選別された各施設と、予め探索された経路との最短直線距離が算出される。算出された最短直線距離が150m以内に存する施設のみが抽出される。この抽出された各施設の、経路進行方向に対する左右位置が検出される。案内経路に沿った目的地までの距離が各施設において求められる。求められた目的地までの距離に従い各施設データが並び換えられる。
【0006】
所望のPOIがドライブスルーの店舗である場合、ナビゲーション装置を用いて予め車両から商品を注文することができ、ドライブスルーへの到着予想時刻に応じて店舗側で注文された商品を調理しておき、車両が到着したら商品の受け渡しができると、利用者、店舗の双方にとって好都合である。
【0007】
ドライブスルーを利用できる施設(POI)を探索して車両を案内するナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献2(特開2002−243479号公報)に開示され、また、ドライブスルーへの商品の注文ができるナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献3(特開2005−122520号公報)に開示されている。
【0008】
特許文献2に開示されたナビゲーション装置は、DVD−ROMに、地図データとともに施設データベースを記録しておき、施設データベースは、施設毎の位置データ、名称、ジャンル及びドライブスルーでの利用が可能か否かを示すデータにより構成され、ナビゲーション装置の設定画面で「ドライブスルー案内」を「YES」に設定しておくと、例えば車両の現在位置の近傍のファーストフード店を探索するときに、ドライブスルーで利用できる店舗を他の店舗と区別できるように特別のアイコンを付加して表示するように構成されたものである。
【0009】
また、特許文献3に開示されたナビゲーション装置は、ナビゲーション装置の画面上に表示された所定の店舗を示す選択項目を選択すると、所定の店舗の店舗用コンピュータにアクセスし、このアクセスがあったときに店舗用コンピュータは商品注文メニューをナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置の入力手段を介して入力された情報を含む注文情報を前記店舗用コンピュータに送信するように構成されたものである。
【特許文献1】特開平9−264750号公報
【特許文献2】特開2002−243479号公報
【特許文献3】特開2005−122520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述のように、ナビゲーション装置の利用者が所望するPOIがドライブスルーの店舗である場合、ナビゲーション装置を用いて予め車両から商品を注文することができ、ドライブスルーへの到着予想時刻に応じて店舗側で注文された商品を調理しておき、車両が到着したら商品の受け渡しができると、利用者、店舗の双方にとって好都合である。
【0011】
上記特許文献2に開示されたナビゲーション装置の技術を適用すれば、例えば車両の現在位置の近傍の所望の店舗を探索するときに、ドライブスルーで利用できる店舗を他の店舗と区別できるように特別のアイコンを付加して表示することでドライブスルーの店舗を知ることができるようになり、更に、上記特許文献3に開示されたナビゲーション装置の技術を適用すれば、探索したドライブスルーの店舗と通信することで、予め商品を注文することができ、そのドライブスルーの店舗に到着した時点で遅滞なく注文した商品を受取ることができるようになる。
【0012】
ところで、トライブスルーの店舗に商品の注文を行った後、急に考えが変わり他の施設の商品に変更したくなったり、急用が生じて商品を注文したドライブスルーの店舗に立ち寄ることができなくなったりする場合がある。しかしながら、上記特許文献3に開示されたナビゲーション装置においては、一旦注文した商品をその後に注文を取消し(キャンセル)することについては考慮されておらず、商品の取消し(キャンセル)処理ができない不都合が生ずる。
【0013】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、現在位置の周辺に存在する所望のドライブスルーを選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、ドライブスルーへの車両の到着予想時刻と、注文された商品の調理時間とから注文を確定する時刻またはその時刻における車両の所在位置を算出し、その時刻または所在位置に到達するまでの間は仮注文として扱い、注文の取消しを受け付けるようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、経路周辺に存在する所望のドライブスルーを選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、注文の取消しの処理を可能としたナビゲーション装置および商品注文処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
経路の周辺に存在する所望の店舗を選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、
ナビゲーション装置は、少なくとも車両の現在位置および車速を含む車両情報を検出する車両情報検出手段と、選択した所望の店舗のサーバと通信するための通信手段と、前記店舗までの経路を探索する経路探索手段と、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文する注文手段と、該注文した商品の調理時間を前記通信手段を介して前記サーバから取得する調理時間取得手段と、前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、前記到着予想時刻と調理時間とに基づいて前記注文を確定する時刻を算出するとともに、該算出した時刻と前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記注文を確定する時刻の車両の所在位置を算出し、該算出した時刻または所在位置に基づいて注文の確定を判別する注文確定判別手段と、を備え、
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、該時刻または所在位置に到達するまでの間、前記サーバに前記注文の取消しのデータの送信を許可するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、注文を確定する時刻または所在位置に到達し、前記注文確定判別手段により前記注文の確定が判別されると、前記通信手段を介して前記サーバに通知を行うとともに注文の取消し不能である旨を出力することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記経路探索手段が探索した前記店舗までの経路を案内する経路案内手段を備え、
現在位置が前記店舗までの経路から逸脱した場合、前記経路探索手段は、前記店舗までの経路を再探索することを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項4にかかる発明は、
経路の周辺に存在する所望の店舗を選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置からの注文に従って商品を提供する店舗のサーバとからなる商品の注文処理方法において、
ナビゲーション装置は、少なくとも車両の現在位置および車速を含む車両情報を検出する車両情報検出手段と、選択した所望の店舗のサーバと通信するための通信手段と、前記店舗までの経路を探索する経路探索手段と、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文する注文手段と、該注文した商品の調理時間を前記通信手段を介して前記サーバから取得する調理時間取得手段と、前記取得した車両情報と前記探索された経路に基づいて前記店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、前記到着予想時刻と調理時間とに基づいて前記注文を確定する時刻を算出するとともに、該算出した時刻と前記車両情報と前記探索されたに基づいて前記注文を確定する時刻の車両の所在位置を算出し、該算出した時刻または所在位置に基づいて注文の確定を判別する注文確定判別手段と、を備え、
前記注文手段により、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文するステップと、
前記調理時間取得手段により、前記通信手段を介して前記注文した商品の調理時間を前記サーバから取得する調理時間を取得するステップと、
前記到着予想時刻算出手段により、前記車両情報と前記探索された経路に基づき前記店舗への到着予想時刻を算出するステップと、
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、車両が該時刻または所在位置に到達するまでの間、前記サーバに前記注文の取消しのデータの送信を許可するステップと、を有することを特徴とする商品注文処理方法。
【0019】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる商品注文処理方法において、前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、注文を確定する時刻または所在位置に到達し、前記注文確定判別手段により前記注文の確定が判別されると、前記通信手段を介して前記サーバに通知を行うとともに注文の取消し不能である旨を出力するステップを有することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項4または請求項5にかかる商品注文処理方法において、前記経路探索手段が探索した前記店舗までの経路を案内する経路案内手段と、を備え、
現在位置が前記店舗までの経路から逸脱した場合、前記経路探索手段により、前記店舗までの経路を再探索するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、少なくとも車両の現在位置および車速を含む車両情報を検出する車両情報検出手段と、選択した所望の店舗のサーバと通信するための通信手段と、前記店舗までの経路を探索する経路探索手段と、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文する注文手段と、該注文した商品の調理時間を前記通信手段を介して前記サーバから取得する調理時間取得手段と、前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、前記到着予想時刻と調理時間とに基づいて前記注文を確定する時刻を算出するとともに、該算出した時刻と前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記注文を確定する時刻の車両の所在位置を算出し、該算出した時刻または所在位置に基づいて注文の確定を判別する注文確定判別手段と、を備え、
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、該時刻または所在位置に到達するまでの間、前記サーバに前記注文の取消しのデータの送信を許可するようにした。
【0022】
かかる構成によれば、店舗側のサーバから商品の調理時間を取得し、現在位置、店舗への到着予想時刻、調理時間とから、注文を確定させるリミットである時刻またはその時刻に車両が所在しているであろう位置を判別し、その時刻または位置に到達するとサーバに送信した注文を確定させるものであるから、注文を確定させるリミットである時刻またはその時刻に車両が所在しているであろう位置に到達するまでの間は、ナビゲーション装置20はサーバ30に対して注文の取消し(キャンセル)を送信することができる。
【0023】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、注文を確定する時刻または所在位置に到達し、前記注文確定判別手段により前記注文の確定が判別されると、前記通信手段を介して前記サーバに通知を行うとともに注文の取消し不能である旨を出力する。
【0024】
かかる構成によれば、ナビゲーション装置の利用者は、注文を確定させるリミットである時刻またはその時刻に車両が所在しているであろう位置に到達したこと、および、その後は注文のキャンセルは不能であることを知ることができるようになる。
【0025】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段が探索した前記店舗までの経路を案内する経路案内手段を備え、
現在位置が前記店舗までの経路から逸脱した場合、前記経路探索手段は、前記店舗までの経路を再探索する。
【0026】
かかる構成によれば、注文の取消し可能なリミットの前、あるいは、その後に店舗までの案内経路を間違えた場合にも、店舗までの経路を再探索して案内するから、ナビゲーション装置の利用者は、商品を注文した店舗に到達することができるようになる。
【0027】
また、請求項4ないし請求項6にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項3にかかるナビゲーション装置における商品注文処理方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置および商品注文処理方法を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置および商品注文処理方法に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置および商品注文処理方法にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0029】
図1は、本説明の実施例にかかるナビゲーション装置および商品注文処理方法の概念を説明するためのシステム構成図である。本発明にかかるナビゲーションシステムSは、図1に示すように車載されたナビゲーション装置20とドライブスルーの店舗側に設置される店舗側のサーバ30とが、インターネット網50を介して通信できるように構成されている。
【0030】
図2は、図1に示したナビゲーション装置20の詳細な構成を示すブロック図、図3は図1に示した店舗側のサーバ30の詳細な構成を示すブロック図である。以下、図2、図3を参照して前述のシステムにおける商品注文処理の具体例を説明する。
【0031】
図2に示すように、ナビゲーション装置20は、ROM101、RAM102を有する制御手段10、地図記憶手段11、車両情報検出手段12、注文手段13、経路案内手段14、到着予想時刻算出手段15、通信手段16、表示手段17、操作手段18、経路探索手段19、調理時間取得手段21、注文確定判別手段22、ICマネーカードなどのマネーカード24を挿入し、マネーカード24に蓄積された金額(残高)を読み書きするリーダ/ライタ23などを備えて構成されている。表示手段17はタッチパネルを含んで構成され、利用者が表示された画像を指でタッチ操作して所望の操作、入力をすることができる。通信手段16は、インターネット50を介してサーバ30との通信を行うインタフェースである。
【0032】
また、図3に示すように店舗側のサーバ30は、ROM301、RAM302を有する制御手段31、メニュー画像を記憶したメニュー記憶手段32、注文受付手段33、調理時間算出手段34、代金算出手段35、到着予想時刻取得手段36、通信手段37、表示手段38、操作手段39、仮注文記憶手段41、注文取消し受付手段42などを備えて構成されている。通信手段37は、インターネット50を介して車載用ナビゲーション装置20等との通信を行うインタフェースであり、表示手段38、操作手段39は、サーバ30のモニタおよび操作に用いられる。
【0033】
ナビゲーション装置20(図2参照)において、制御手段10はプロセッサで構成され、ROM101、RAM102を有しており、ROM101に記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置20の各部の動作を制御する。
【0034】
車両情報取得手段12は、時刻、車両の現在位置や車速などの車両情報を取得するものであり、衛星航法機能、自立航法機能を有している。例えば、車両情報取得手段12は、GPS受信機を含んで構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに時刻、現在位置情報を算出する。
【0035】
車両情報取得手段12は、また、舵角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を含み、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求めることができる。この現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0036】
地図記憶手段11は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。また、表示手段17に地図画像を表示する際の背景データとなる海岸線、湖沼、河川形状、丘陵や山岳などの形状を示す自然地形のデータも道路データとともに地図記憶手段11に記憶される。制御手段10はこれらのデータを用いて表示手段17に表示する地図画像をVRAM(図示せず)に描画する。経路探索手段19により探索された最適経路(案内経路)の画像や車両の現在位置を示す現在位置マークの画像もVRAMに描画された地図画像上に重ね合わせられ描画される。
【0037】
更に地図記憶手段11には、交差点などの案内ポイントにおいて右左折のメッセージや音声ガイダンスに用いられる案内データが記憶され、経路案内のための情報の生成に用いられる。また、地図データとともに、ドライブスルーを始めとする各種店舗や役所、銀行、郵便局、各種交通機関の駅などの施設情報(所在位置、施設カテゴリー、施設名称などの情報)が記憶されており、ナビゲーション装置20の利用者は所望の店舗や施設を検索することができる。
【0038】
地図記憶手段11に記憶された地図データは、通信手段16を用いてインターネットを介してサーバに接続し、サーバから最新の地図データをダウンロードして更新することができる。地図データに含まれる道路のデータは、道路(道路名称や道路ID)ごとに、各道路リンクのリンクID、始点ノード、終点ノード、道路の属性情報が記憶される。属性情報には、高速道路や国道、都道府県道などの道路種別や道路の幅員などの情報が記憶される。
【0039】
経路探索手段19は、車両の現在位置または操作手段18を用いて指定された出発地から指定された目的地を含む経路探索条件に基づいて地図記憶手段11に記憶された道路データを参照して、その間の最適経路を探索する。探索された最適経路を案内経路とし、経路案内手段14は、表示手段17に地図画像、最適経路の画像、車両の現在位置を示す画像を表示し、交差点などの手前に到達すると、その交差点における進行方向をメッセージ表示や音声ガイダンスにより出力して利用者を案内する。なお、音声ガイダンスは、図示しないスピーカを介して出力される。
【0040】
表示手段17に地図を表示してタッチパネル機能を用いて地図画像上で所望の位置(地点)を指定して目的地や経由地を設定する場合、操作手段18によりタッチパネルを用いた地点入力モードを選択し、設定したい地点が含まれる地図画像を表示する。所望の地点を含む地図画像を表示するには、スクロールカーソルを用いて地図をスクロールするか、あるいは近傍のランドマークになる施設を検索してその場所を含む地図画像を表示させればよい。
【0041】
同様に、表示手段17に所望の場所を含む地図画像を表示させ、所望の施設の位置を確認する場合、操作手段18を用いて所望の施設を指定し、その施設が所在する地点が含まれる地図画像を表示する。すなわち、所望の施設の所在する地点を含む地図画像を表示するには、スクロールカーソルを用いて地図をスクロールするか、あるいは近傍のランドマークになる施設を検索してその場所を含む地図画像を表示させればよい。
【0042】
ナビゲーション装置20の利用者が所望のドライブスルーなどの店舗や施設を選択する場合は、操作手段18を用いて所望の店舗や施設の種別や電話番号、住所などを検索条件として設定し、店舗検索を行う。店舗検索の結果は表示手段17に表示され、利用者が操作手段18を用いて所望の店舗を選択する。
【0043】
表示手段17はタッチパネル機能を含んで構成されており、タッチパネル部分は操作手段18の一部として機能し、表示されたメニューの画像や店舗検索の結果表示される店舗リストから所望の項目や店舗を指でタッチ操作することにより、メニューの選択や店舗の選択を行うことができる。また、操作手段18を構成するボタン、キーを操作して直接所望の情報を入力することもできる。
【0044】
選択された店舗がドライブスルーの店舗である場合、通信手段16を介して選択した店舗側のサーバ30にアクセスが行われる。アクセスされると、サーバ30は、先ず、通信手段37を介してアクセスしてきたナビゲーション装置20に対しメニュー記憶手段32に記憶された商品メニューのデータを送信する。ナビゲーション装置20は通信手段16を介してサーバ30から送信されたメニューデータを受信し、受信したメニューデータに含まれるメニュー画像を表示手段17に表示する。
【0045】
図4は、店舗側のサーバから送信されるメニュー画像の一例を示す図である。このメニュー画像は、図4に示すように商品名と価格(1個あたりの単価)が一覧になっており、ナビゲーション装置20は、表示手段17にこのメニュー画像を表示し、利用者が操作手段18を介して所望の商品名をクリックして数量を入力すると、注文手段13はこれを検出して注文データを生成して通信手段16を介してサーバ30に送信する。その際、経路探索手段19は、車両情報検出手段12が検出した車両の現在位置に基づいて、該当する店舗までの最適経路を探索し、経路案内手段14は店舗までの経路案内データを生成する。また、到着予想時刻算出手段15は、車両情報検出手段12が検出した車両の現在位置、時刻、走行速度と、経路探索手段19が探索した店舗までの経路等に基づき、該当する店舗への車両の到着予想時刻を算出する。算出した到着予想時刻は通信手段16を介して店舗側のサーバ30に送信する。なお、算出した到着予測時刻は注文確定判別手段22にも送られる。
【0046】
ナビゲーション装置20には、車両のIDやナビゲーション装置20のID、ユーザIDが記憶されており、注文データを店舗側のサーバ30に送信する際に車両のIDあるいはナビゲーション装置20のIDまたはユーザIDも同時に送信される。店舗側には商品受け渡し場所の付近にセンサが設けられ、車両がセンサ付近を通過した際に再度ナビゲーション装置20から、車両のIDあるいはナビゲーション装置20のIDまたはユーザIDを受け取り、商品の注文データとともに送られたIDとの一致を調べ、一致した場合に商品の受け渡しをするように構成される。センサと車両との通信には赤外線通信などの近距離通信を用いることができる。
【0047】
このため、サーバ30において、注文受付手段33は、ナビゲーション装置20から注文データを受信すると仮注文として注文を受付けて仮注文記憶手段41に車両IDやナビゲーション装置20のIDあるいはユーザIDに対応付けて注文データを記憶する。また、到着予想時刻取得手段36はナビゲーション装置20から送信される到着予想時刻を受信し、仮注文記憶手段41に記憶された注文データに対応付けて記憶する。
【0048】
次いで、調理時間算出手段34は、注文データに基づいて注文された商品の調理時間を算出する。注文に対する調理時間は、例えば、商品ごとの調理時間を記録した調理時間テーブルを参照して算出する。図5は調理時間テーブルのデータの一例を示す図である。図5に示すように調理時間テーブルは商品ごとに1個あたりの調理時間が記憶されている。もちろん、注文数に応じて調理時間がただちに算出できるように商品の個数に応じた調理時間をテーブル化しておいてもよい。
【0049】
調理時間算出手段34で算出した調理時間は、注文の確認データ(仮注文として受け付けた商品、数量など)とともに通信手段37を介してナビゲーション装置20に送信する。その後、店舗側のサーバ30は、ナビゲーション装置20から受信した店舗への到着予想時刻に、注文された商品の調理が丁度完了するように調理時間を逆算して、厨房に対して商品の調理開始時刻を通知する。
【0050】
一方、店舗のサーバ30から調理時間を受信したナビゲーション装置20における調理時間取得手段21は、受信した調理時間を注文確定判別手段22に送り、注文確定判別手段22は、到着予想時刻から調理時間を逆算して店舗において調理が開始される時刻を算出するとともに、その時刻に車両が所在するであろう予測位置を算出する。予測位置は、算出された調理が開始される時刻と、車両の現在位置と時刻および車速と店舗までの経路情報を用いて算出することができる。そして、注文確定判別手段22は、算出した時刻または予測位置に車両が到達したら商品の注文を確定する。それまでの間であれば、店舗ではまだ注文した商品の調理が開始されていないので、利用者が操作手段18を介して注文の取消しの通知を入力すると、この注文の取消し(キャンセル)を通信手段16を介して店舗側のサーバ30に送信できるようにする。
【0051】
注文の取消し通知は、例えば、ナビゲーション装置20は、注文取消しの際に店舗サーバとの間で食い違いが生じないよう注文の際の注文データを保存しておき、この保存してある注文データに取消しフラグ等を付加して再度、店舗サーバに注文取消し通知を送信する。また店舗側のサーバ30から受信する注文確認データに取消しフラグあるいは取消コードを付加して返送してもよい。また店舗側のサーバ30から受信した注文確認データに注文番号等が付加されている場合には、注文番号に取消しフラグあるいは取消コードを付加して返送してもよい。
【0052】
従って、注文の取消しにあたっては、操作手段18の特定キーに割り当てられた注文取消キーの操作を検出して、前述した取消しフラグや取消コードを注文データあるいは注文確認データなどに付加する注文取消し手段を設け、注文取消し手段により生成された注文の取消し通知を、通信手段16を介して店舗側のサーバ30に送信するように構成すればよい。また、注文取消しキーの代わりに表示手段17に注文取消しボタンを表示し、注文取消しボタンを操作することにより注文の取消し通知を生成するようにしてもよい。
【0053】
なお、この操作を行っても、上記の時刻や位置に到達していた場合は、取消しができない旨の警告を表示手段17に表示または図示しないスピーカより音声により出力する。
【0054】
店舗側のサーバ30は、注文された商品の調理開始時間になると、仮注文記憶手段41に記憶していたナビゲーション装置20からの注文が確定されたものとして、代金算出手段35により代金を算出し、通信手段37を介してナビゲーション装置20に、注文確認データ(確定した注文商品、数量など)とともに代金の決済を通知する。代金の決済は、クレジットカードによる決済やICマネーカードによる決済が利用できる。クレジットカード決済の場合、店舗側のサーバ30と通信を開始し、注文を行う際に、クレジットカード番号や有効期間、暗証番号などとともにカード会社の決済サーバ(図示せず)に対して決済依頼できるように構成すればよい。
【0055】
図2に示すナビゲーション装置20は、ICマネーカードなどのマネーカード24による決済を行うようにしたものであり、マネーカード24を装入するリーダ/ライタ23を備えている。ナビゲーション装置20は、店舗側のサーバ30から注文の確認データ、代金の情報を受信すると、リーダ/ライタ23によりマネーカード24にチャージされている金員の残高を読み出し、商品の代金を引き落とした後の金員の残高をマネーカードに記録して決済を終了する。
【0056】
なお、注文確定判別手段22が算出した注文確定の時刻またはその時刻に車両が存在するであろう位置に到達するまでの間、および、注文の取消しがなされない場合には、注文時に探索した店舗までの案内経路を車両が間違いなく走行しているかを監視し、店舗までの案内経路から逸脱した場合には、警告を出力し、経路の再探索について利用者の対処を促すようにする必要がある。特に、注文確定判別手段22が算出する注文確定の時刻に車両が存在するであろう位置(予測位置)を判別する場合は、注文確定の時刻、車両の現在位置、時刻、車速、店舗までの案内経路を用いて車両の予測位置を算出する。このため、車両が案内経路から逸脱すると車両が予測位置に到達したことが判別できなくなり、注文の確定処理ができなくなるので、この監視処理が重要になる。
【0057】
次に、以上説明した本発明のナビゲーションシステムSにおける商品の注文処理にかかる動作手順を説明する。図6は、本説明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション装置20の動作手順を示すフローチャートであり、図7は、本説明の実施例にかかるナビゲーションシステム装置における店舗側のサーバ30の動作手順を示すフローチャートである。
【0058】
図6に示すフローチャートにおいて、ナビゲーション装置20の利用者が所望のドライブスルーなどの店舗や施設を選択する場合は、操作手段18を用いて所望の店舗や施設の種別や電話番号、住所などを検索条件として店舗検索し、店舗検索の結果を表示手段17に表示し、ステップS101の処理において、操作手段18を用いて利用者により表示した店舗の中から所望の店舗が選択される。
【0059】
店舗が選択されると、通信手段16を介して選択された店舗側のサーバ30にアクセスを行う(ステップS102)。ナビゲーション装置20からのアクセスを検出すると、サーバ30は、先ず、アクセスしてきたナビゲーション装置20に対して通信手段37を介して商品のメニューデータを送信する。ナビゲーション装置20は、通信手段16を介してメニューデータを受信すると、受信したメニューデータに含まれるメニュー画像を表示手段17に表示する(ステップS103)。
【0060】
次いで、利用者が、表示手段17に表示されたメニューを参照して操作手段18を介して所望の商品名をクリックし、数量を入力する(ステップS104)と、注文手段13はこれを検出して注文データを生成して通信手段16を介してサーバ30に送信する(ステップS105)。サーバ30において、注文受付手段33が注文データを受信すると、仮注文が完了する(ステップS106)。
【0061】
仮注文が完了すると、ナビゲーション装置20における経路探索手段19が、車両情報検出手段12が検出した車両の現在位置に基づいて該当する店舗までの最適経路を探索し、経路案内手段14は店舗までの経路案内データを生成して店舗までの経路案内を開始するとともに、到着予想時刻算出手段15は該当する店舗への車両の到着予想時刻を算出し、算出した到着予想時刻を通信手段16を介して店舗側のサーバ30に送信する(ステップS107)。また到着予想時刻算出手段15は、算出した車両の到着予想時刻を注文確定判別手段22にも送る。
【0062】
一方、店舗側のサーバ30における調理時間算出手段34は、注文データから商品の調理に必要な時間(調理時間)を算出し、通信手段37を介してナビゲーション装置20に送信すると、ナビゲーション装置20における調理時間取得手段21がこれを受信して、受信した調理時間を注文確定判別手段22に送り、調理時間を受けた注文確定判別手段22は、店舗までの到着予想時刻から調理時間を逆算して店舗において調理が開始される時刻を算出するとともに、算出した時刻と車両情報検出手段12が検出した車両情報と経路探索手段19が探索した店舗までの経路に基づき、算出した時刻に車両が所在するであろう位置を算出する(ステップS109)。以下の説明では、調理が開始される時刻を算出する例を用いて説明する。この場合、注文確定判別手段22は、現在時刻を監視し、店舗において調理が開始される時刻に到達したか否かを判別する(ステップS110)。
【0063】
ステップS110の判別処理で注文確定の時刻(注文した商品の調理開始時刻)に到達したと判別すると、ステップS111の処理に進み注文の確定を確認し、ステップS112の処理に進む。注文の確認とは、例えば、店舗側で商品の調理が開始されているので、これ以降は注文を取り消すことができない旨を表示手段17に表示するなどである。また、通信手段16を介して注文の確定をサーバ30に通知し、通知を受けたサーバ30は商品の仮注文としていた商品の注文を確定された注文に変更する。
【0064】
ステップS112の処理では、車両情報検出手段12が検出した車両の現在位置に基づいて、車両が店舗に到着したか否かを判別し、店舗に到着していなければ、ステップS112の判別処理を繰り返し、店舗に到着したと判別されると、処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS110の判別処理で注文確定の時刻(注文した商品の調理開始時刻)に到達していないと判別すると、注文の取消しも可能であるから、処理はステップS113に進み、注文の取消しがあるか否かを監視する。利用者による注文の取消し操作があれば、ステップS114の処理で通信手段16を介してサーバ30に注文の取消しを送信して処理を終了する。注文の取消し操作がなければステップS110の処理に戻り、注文確定判別手段22における時間監視の処理を継続する。
【0066】
次に、図7のフローチャートの手順で動作するナビゲーション装置20に対する店舗側のサーバの動作手順を説明する。図7において、店舗側のサーバ30は、ナビゲーション装置20からアクセスがあると、該車両(ナビゲーション装置20)との通信接続(ステップS201)を行い、通信を開始する(ステップS202)。
【0067】
通信手段37を介してナビゲーション装置20に商品のメニューデータを送信し(ステップS203)、ナビゲーション装置20からの注文を待つ。サーバ30における注文受付手段33がナビゲーション装置20からの注文データを受信すると、ステップS204の処理に進み、ナビゲーション装置20からの注文を仮注文として扱い、仮注文記憶手段41に記憶する。
【0068】
次いで、調理時間算出手段34は、記憶された注文データに基づいて注文された商品の調理時間を算出し(ステップS205)、算出した調理時間を通信手段37を介してナビゲーション装置20に送信する(ステップS206)。一方で到着予想時刻取得手段36はナビゲーション装置20から送信される店舗への到着予想時刻を受信し(ステップS207)、受信した到着予測時刻と、調理時間算出手段34が算出した調理時間に基づいて、ナビゲーション装置20が店舗に到着する予想時刻に商品の調理が完了するように調理時間から逆算して調理開始時刻を設定し、厨房に指示を出力する。厨房への指示とは、例えば表示手段38に調理開始時刻を表示したり、図示しないスピーカより調理開始時刻を出力したりすることである。
【0069】
この処理を完了すると、サーバ30はステップS208の処理に進み、ナビゲーション装置20から注文取消しがあるか否かを判別する。ステップS208の判別処理で、ナビゲーション装置20から注文の取消しを受信しなければ、サーバ30はナビゲーション装置20(車両)が店舗に到着したか否かを判別する(ステップS209)。車両が店舗に到着すれば、商品が車両の利用者(ナビゲーション装置20の利用者)に引き渡される。車両の到着が検出されると、ステップS210の処理に進み、代金算出手段35は注文された商品の代金を算出し、通信手段37を介してナビゲーション装置20に代金を通知し、マネーカード24からの代金決済を要求する。なお、決済にクレジットカードを利用する場合には、クレジットカードに応じた決済サーバに決済要求を送信する。
【0070】
ステップS209の判別処理で、車両の到着を判別しなければ、ステップS209の判別処理を繰り返す。この判別処理は、図7のフローチャートには表現を省略しているが、少なくとも車両の到着予想時刻まで繰り返される。到着予想時刻を過ぎて、所定の時間を経過しても車両の到着が検出されず、商品の引き渡しが完了しない場合は、ナビゲーション装置20に問い合わせするように構成することが好ましい。
【0071】
一方、ステップS208の判別処理で、ナビゲーション装置20から注文の取消しが有ると判別すると、ステップS211の処理で、取消し受付手段42は注文の取消し処理を行い、ナビゲーション装置20に対する処理を終了する。取消し処理とは、厨房への注文取消しの通知や、代金算出手段35における代金算出の処理の取消しなどの処理である。
【0072】
なお、図7のフローチャートにおいて、代金の算出、決済要求は車両の到着が検出された後に行う手順としたが、これに限らず、サーバ30側においても車両の到着予想時刻と調理時間とから注文を確定扱いとする時刻を算出し、その時刻までに注文の取消しがなければ代金を算出し、決済要求するように構成してもよい。また、仮注文記憶手段41にナビゲーション装置20の注文を記憶した時点で代金を算出してナビゲーション装置20に通知しておくようにしてもよい。
【0073】
以上の説明は、ナビゲーション装置20が所望の店舗側のサーバ30に注文し、その店舗までの経路案内を受け、案内経路どおりに店舗に到着する場合の処理であった。しかしながら、店舗まで案内経路を走行するにあたって、案内された交差点で右左折を間違えたり、右左折すべき交差点を誤って通過したりして案内経路から逸脱する場合もある。
【0074】
図8は、そのような場合のナビゲーション装置20における処理手順を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいてステップS301〜ステップS309までの処理は、図6のフローチャートのステップS101〜ステップS109までの処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0075】
ステップS307の処理で、商品を注文した時の車両位置を出発地として店舗までの経路探索の結果を案内経路として経路案内を実行している。経路探索手段19は、ステップS310の処理で車両の現在位置が案内経路上にあるか否か、すなわち、案内経路から逸脱したか否かを判別し、この判別は、次のようにして行うことができる。
【0076】
すなわち、一般的なナビゲーション装置においては、GPS受信機を用いた測位には誤差を伴うため、測位した現在位置を最も近い地図上の道路にマッチングするマップマッチング処理を行う。車両が案内経路から逸脱したか否かは、マッチングされた道路のノード、リンクと案内経路のノードリンクを比較し、両者が一致すれば車両が案内経路上にあり、不一致であれば車両は案内経路でない他の道路を走行し、案内経路から逸脱していると判別できる。
【0077】
ステップS310の判別処理の結果、車両が案内経路上にあり、案内経路から逸脱していない(ステップS310のNO)と判別すると、図6のステップS110の処理に進む。そうでなければ、車両は案内経路から逸脱しているので、ステップS311の処理に進み、注文確定判別手段22は、注文を確定する時刻(店舗側で注文商品の調理が開始される時刻)に到達しているか否かを判別する。
【0078】
注文確定時刻に到達している場合は、注文の取消しはできないので、ステップS314の処理に進み、注文取消し不能の旨の警告を表示手段17または図示しないスピーカより出力する。また、通信手段16を介して注文の確定をサーバ30に通知し、通知を受けたサーバ30は商品の仮注文としていた商品の注文を確定された注文に変更する。ステップS315の処理において経路探索手段19は、店舗までの経路のリルート(経路の再探索)を行い、図6のステップS111の処理に進む。その結果、注文を確定し、再探索した経路を案内経路にして店舗までの経路案内を継続する。
【0079】
一方、ステップS311の処理で、注文確定時刻に到達していない場合は、注文の取消しは可能なので、ステップS312の処理に進み、店舗までの経路の再探索処理(リルート処理)が指示されたか否かを判別する。店舗までのリルート処理が指示されていれば、経路探索手段19は、店舗までの経路のリルート(経路の再探索)を行い、ステップS310の処理に戻る。
【0080】
ステップS312の処理で店舗までの経路の再探索処理(リルート処理)が指示されない場合は、利用者が店舗への立ち寄りを中止したことになるから注文の取消しと判別して、通信手段16を介して注文取消しの通知を店舗側のサーバ30に送信して(ステップS313)、処理を終了する。
【0081】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、経路の周辺に存在する所望のドライブスルーを選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、注文の取消し(キャンセル)を受け付けることができる妥当な注文確定時点を算出して、その間は注文の取消しを受け付けるができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本説明の実施例にかかるナビゲーション装置および商品注文処理方法の概念を説明するためのシステム構成図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す店舗側のサーバの詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】店舗側のサーバから送信されるメニューの一例を示す図である。
【図5】商品の調理時間を算出するための調理時間テーブルのデータの一例を示す図である。
【図6】本説明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本説明の実施例にかかるナビゲーションシステム装置における店舗側のサーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図8】店舗までの間に案内経路を逸脱した場合のナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
20: ナビゲーション装置
10: 制御手段
101: ROM
102: RAM
11: 地図記憶手段
12: 車両情報検出手段
13: 注文手段
14: 経路案内手段
15: 到着予想時刻算出手段
16: 通信手段
17: 表示手段
18: 操作手段
19: 経路探索手段
21: 調理時間取得手段
22: 注文確定判別手段
23: リーダ/ライタ
24: マネーカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路の周辺に存在する所望の店舗を選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置において、
ナビゲーション装置は、少なくとも車両の現在位置および車速を含む車両情報を検出する車両情報検出手段と、選択した所望の店舗のサーバと通信するための通信手段と、前記店舗までの経路を探索する経路探索手段と、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文する注文手段と、該注文した商品の調理時間を前記通信手段を介して前記サーバから取得する調理時間取得手段と、前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、前記到着予想時刻と調理時間とに基づいて前記注文を確定する時刻を算出するとともに、該算出した時刻と前記車両情報と前記探索された経路に基づいて前記注文を確定する時刻の車両の所在位置を算出し、該算出した時刻または所在位置に基づいて注文の確定を判別する注文確定判別手段と、を備え、
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、該時刻または所在位置に到達するまでの間、前記サーバに前記注文の取消しのデータの送信を許可するようにしたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
注文を確定する時刻または所在位置に到達し、前記注文確定判別手段により前記注文の確定が判別されると、前記通信手段を介して前記サーバに通知を行うとともに注文の取消し不能である旨を出力することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段が探索した前記店舗までの経路を案内する経路案内手段を備え、
現在位置が前記店舗までの経路から逸脱した場合、前記経路探索手段は、前記店舗までの経路を再探索することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
経路の周辺に存在する所望の店舗を選択して、予め商品を注文することができるナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置からの注文に従って商品を提供する店舗のサーバとからなる商品の注文処理方法において、
ナビゲーション装置は、少なくとも車両の現在位置および車速を含む車両情報を検出する車両情報検出手段と、選択した所望の店舗のサーバと通信するための通信手段と、前記店舗までの経路を探索する経路探索手段と、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文する注文手段と、該注文した商品の調理時間を前記通信手段を介して前記サーバから取得する調理時間取得手段と、前記取得した車両情報と前記探索された経路に基づいて前記店舗への到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、前記到着予想時刻と調理時間とに基づいて前記注文を確定する時刻を算出するとともに、該算出した時刻と前記車両情報と前記探索されたに基づいて前記注文を確定する時刻の車両の所在位置を算出し、該算出した時刻または所在位置に基づいて注文の確定を判別する注文確定判別手段と、を備え、
前記注文手段により、前記通信手段を介して前記サーバから取得したメニュー画像を用いて指定された商品を注文するステップと、
前記調理時間取得手段により、前記通信手段を介して前記注文した商品の調理時間を前記サーバから取得する調理時間を取得するステップと、
前記到着予想時刻算出手段により、前記車両情報と前記探索された経路に基づき前記店舗への到着予想時刻を算出するステップと、
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、車両が該時刻または所在位置に到達するまでの間、前記サーバに前記注文の取消しのデータの送信を許可するステップと、を有することを特徴とする商品注文処理方法。
【請求項5】
前記注文確定判別手段が算出した注文を確定する時刻または所在位置に基づいて、注文を確定する時刻または所在位置に到達し、前記注文確定判別手段により前記注文の確定が判別されると、前記通信手段を介して前記サーバに通知を行うとともに注文の取消し不能である旨を出力するステップを有することを特徴とする請求項4に記載の商品注文処理方法。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段が探索した前記店舗までの経路を案内する経路案内手段と、を備え、
現在位置が前記店舗までの経路から逸脱した場合、前記経路探索手段により、前記店舗までの経路を再探索するステップを有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の商品注文処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−54389(P2010−54389A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220603(P2008−220603)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】