説明

ナビゲーション装置及び目的地設定方法

【課題】住所入力による目的地の設定を迅速に行うために、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減することが可能な「ナビゲーション装置および目的地設定方法」を提供する。
【解決手段】住所入力メニューが選択されたときに、入力された地図上の位置データに対応する住所データを表示する。そして、表示された住所データの一部をユーザが変更することによって所望の住所データに更新し、当該更新された住所データに対応する位置を目的地として設定するようにする。これにより、住所データを最上層の行政区分から最下層の地番まで全て順番に入力することなく、必要最低限の入力操作(最初に表示された住所データの中で所望の住所と異なる一部だけを変更する操作)で所望の住所データを得られるようにして、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び目的地設定方法に関し、特に、住所入力を介して、誘導経路探索用の目的地を設定する機能を備えたナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置では、自立航法センサやGPS(Global Positioning System)受信機等を用いて車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データを記録媒体から読み出して画面上に表示する。そして、画面上の所定箇所に自車位置を示す車両位置マークを重ね合わせて表示することにより、車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
また、最近のナビゲーション装置の殆どには、運転者が所望の目的地に向かって道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能では、地図データを用いて現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな経路を自動探索し、その探索した経路を誘導経路として地図画面上で他の道路とは色を変えて太く描画する。また、車両が誘導経路上の案内交差点の一定距離内に近づいたときに、所定の交差点案内を行うことにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。
【0004】
この種の車載用ナビゲーション装置では、通常、いくつかの目的地設定方法が用意されている。例えば、住所入力、50音入力、電話番号入力、郵便番号入力などにより、特定の地点を検索するようにしたものが知られている。住所入力による目的地の設定は、最上層の行政区分(都道府県)から最下層の地番(番地)までを順番に入力していくことによって行う。すなわち、メニュー画面から「住所入力」メニューを選択した後、都道府県選択→市区町村選択→町名選択→枝番入力という手順で住所を入力していく。
【0005】
なお、目的地を検索するものではないが、所望の住所名を入力し、入力した住所名に関連する情報を検索するシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の技術では、階層化された地図情報を表示し、表示された地図情報から任意の地域が指定されると、当該地域の下位に存在する住所名候補を表示し、住所名候補から住所名が指定されると、当該住所名を一時的に格納する。このような処理を最下位の住所名に至るまで繰り返し、格納されている住所名を結合して一連の住所名を取得し、その一連の住所名で当該住所名に関連する情報を検索している。この特許文献1に記載の技術をナビゲーション装置の目的地設定に応用することも可能である。
【特許文献1】特開平9−223153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含む従来の技術では、必ずユーザが、都道府県名→市区町村名→大字・字→丁目→番地→戸番の順に住所データを入力しなければならないので、データ入力の手間を軽減することができないという問題があった。例えば、「東京都品川区西五反田1丁目1番8号」なる住所データを入力する場合、「東京都」→「品川区」→「西五反田」→「1丁目」→「1番」→「8号」の順に住所データを入力しなければならないので、住所データの入力に手間がかかる。このため、住所入力による目的地の設定を迅速に行うことができない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、住所入力による目的地の設定を迅速に行うために、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、入力された地図上の位置データに対応する住所データを表示する。そして、表示された住所データの一部を変更することによって所望の住所データに更新し、当該更新された住所データに対応する位置を目的地として設定するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、必要最低限の入力操作(最初に表示された住所データの中で所望の住所と異なる一部だけを変更する操作)で所望の住所データを得ることが可能となり、住所データを最上層の行政区分から最下層の地番まで全て順番に入力する必要がなくなる。これにより、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減でき、住所入力による目的地の設定を迅速に行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナビゲーション装置の全体構成例を示すブロック図である。図1において、100はナビゲーション制御装置であり、ナビゲーション装置の全体を制御する。11はDVD−ROM等の記録媒体であり、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記憶している。なお、ここでは地図データを記憶する記録媒体としてDVD−ROM11を用いているが、CD−ROM、ハードディスク、半導体メモリ等の他の記録媒体を用いても良い。
【0011】
DVD−ROM11に記憶されている地図データには、地図表示や経路探索等に使用する道路データの他に、地図上に存在する各地点(施設や住宅等)の住所データや、それに対応する位置データ(各地点の経度・緯度を表す)等が含まれている。ここで、住所データは、行政区分および地番を表す複数の要素データ(都道府県名、市町村名、行政区、大字・字、丁目、番地および戸番)を階層的に組み合わせて構成されている。
【0012】
12はリモコン、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部であり、ユーザがナビゲーション制御装置100に対して各種の情報(例えば、経路誘導の目的地や経由地)を設定したり、各種の操作(例えば、メニュー選択操作、地図の拡大/縮小操作、手動地図スクロール、数値入力など)を行ったりするためのものである。住所入力を介して目的地の設定をする操作等も、この操作部12により行うことができる。
【0013】
13は車両の現在位置を測定するための自立航法センサであり、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する距離センサ(車速センサ)13aと、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)13bとを含んでいる。自立航法センサ13は、これらの距離センサ13aおよび角速度センサ13bによって車両の相対位置および方位を検出し、その情報をナビゲーション制御装置100に出力する。
【0014】
14は車両の現在位置を測定するためのGPS受信機であり、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナ(図示せず)で受信し、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。そして、GPS受信機14は、これらの計算した車両の絶対位置および方位の情報を、測位時刻と共にナビゲーション制御装置100に出力する。
【0015】
15は画像表示装置であり、ナビゲーション制御装置100の制御によって生成された画像を表示する。この画像表示装置15の画面上には、自車位置を含む範囲の地図画像が車両位置マークや各種ランドマーク等と共に表示される。また、この地図画像上に誘導経路が表示されるとともに、車両の位置が誘導経路上の案内交差点近傍に近づいたときに交差点拡大図が表示される。
【0016】
次いで、ナビゲーション制御装置100の内部構成において、21は地図バッファであり、DVD−ROM11から読み出された地図データ(上述の住所データおよび位置データを含む)を一時的に格納する。この地図バッファ21は、特許請求の範囲の住所データ記憶部を構成する。22はROM読出制御部であり、DVD−ROM11からの地図データの読み出しを制御する。
【0017】
このROM読出制御部22は、後述するマップマッチング制御部26からマップマッチング処理後の車両現在位置情報を入力する。そして、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示を出力する。これにより、地図表示に必要な地図データをDVD−ROM11から読み出して、地図バッファ21に格納する。また、ROM読出制御部22は、ナビゲーション装置の起動時にDVD−ROM11から地図データを初めて読み出すときに、住所データおよび位置データの読み出し指示を出力する。これにより、目的地の設定に必要な住所データおよび位置データをDVD−ROM11から読み出して、地図バッファ21に格納する。
【0018】
23は外部信号入力部であり、操作部12からその操作状態に応じた操作信号を入力する。外部信号入力部23は、入力した操作信号に応じた処理の指示信号を各部に出力する。24は車両位置・方位計算部であり、自立航法センサ13から出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。25はデータ記憶部であり、GPS受信機14から出力される自車の絶対的な位置および方位のデータを順次格納する。
【0019】
上述のマップマッチング制御部26は、地図バッファ21に読み出されている地図データと、車両位置・方位計算部24により計算された自立航法センサ13に基づく推定車両位置および車両方位のデータと、データ記憶部25に格納されたGPS受信機14による自車位置および車両方位のデータとを用いて、車両走行距離毎に投影法等によるマップマッチング処理を行って、自車の走行位置を地図データの道路上に位置修正する。
【0020】
27は誘導経路制御部であり、地図バッファ21に格納された地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する。28は誘導経路メモリであり、誘導経路制御部27によって探索された誘導経路のデータ(現在地から目的地までのノードの集合)を記憶する。
【0021】
すなわち、誘導経路制御部27は、後述する設定部32によって経路探索の目的地を表す目的地データが誘導経路メモリ28に格納された後に、操作部12の操作によって誘導経路の探索指示が出されると、マップマッチング制御部26によって修正された後の自車位置を出発地データとして設定して誘導経路メモリ28に格納する。そして、誘導経路制御部27は、誘導経路メモリ28に格納された出発地および目的地を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索し、その結果を誘導経路メモリ28に更に格納する。
【0022】
29は地図描画部であり、地図バッファ21に格納された地図データに基づいて、画像表示装置15への地図(平面図)表示に必要な地図画像データを生成する。30はVRAM(ビデオRAM)であり、地図描画部29により生成された地図画像データを一時的に格納する。31は読出制御部であり、VRAM30からの地図画像データの読み出しを制御する。すなわち、地図描画部29によって生成された地図画像データは、VRAM30に一時的に格納され、読出制御部31によって1画面分の地図画像データが読み出される。
【0023】
設定部32は、ユーザによる操作部12の操作を介して、誘導経路の目的地を設定する。すなわち、設定部32は、ユーザが所望する目的地を表す目的地データを誘導経路メモリ28に格納する。この目的地の設定に関しては、従来と同様に、地図画像をスクロールさせて所望の地点に合わせたカーソル位置を目的地に設定したり、メニュー画面から施設名や地点名、電話番号、郵便番号などのキーワードを入力して検索した地点を目的地に設定したりすることが可能である。本実施形態ではこれらの方法に加えて、図2を用いて後述する住所入力の手法により目的地を設定することも可能にしている。
【0024】
33は交差点案内部であり、マップマッチング制御部26からの自車位置情報と、誘導経路制御部27からの誘導経路データと、地図バッファ21からの地図データとに基づいて交差点案内を行う。例えば、自車が誘導経路前方にある案内交差点から所定距離内に接近したときに、地図バッファ21に格納された交差点拡大図データに基づいて、接近中である交差点の案内図の平面拡大画像を生成して出力する。また、交差点案内部33は、「次の信号を右折してください。」等の音声案内を行うために、案内音声信号を外部のオーディオ部(図示せず)に出力する。
【0025】
34は操作画面発生部であり、操作部12を用いて各種の操作を行う際に必要な操作画面(住所入力による目的地の設定に関する操作画面を含む)を生成して出力する。例えば、操作画面発生部34は、設定部32の制御によって、ユーザが誘導経路の目的地を設定するための目的地設定メニュー画面などのメニュー画像を発生して画像合成部37に出力する。35は各種マーク発生部であり、マップマッチング処理された後の自車位置に表示する車両位置マークや、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等を表示する各種ランドマーク等を生成して画像合成部37に出力する。
【0026】
36は誘導経路描画部であり、誘導経路メモリ28に記憶された経路探索処理の結果を使用して、誘導経路の描画データを発生する。すなわち、誘導経路描画部36は、誘導経路メモリ28に記憶された誘導経路データの中から、その時点でVRAM30に描画された地図エリアに含まれるものを選択的に読み出し、地図画像に重ねて他の道路と異なる濃い紫色で太く強調した誘導経路を描画する。
【0027】
画像合成部37は各種画像を合成して出力する。すなわち、読出制御部31によって読み出された地図画像データに、操作画面発生部34、各種マーク発生部35および誘導経路描画部36のそれぞれから出力される各画像データを重ねて画像合成を行い、画像表示装置15に出力する。
【0028】
図2は、第1の実施形態による設定部32の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、設定部32は、その機能構成として、位置データ入力部32a、住所データ取得部32b、住所データバッファ32c、住所データ表示制御部32d、住所データ更新部32e、位置データ取得部32fおよび目的地設定部32gを備えている。さらに、住所データ更新部32eは、その機能構成として、変更候補生成部32h、変更候補表示制御部32iおよび更新部32jを備えている。
【0029】
位置データ入力部32aは、地図上の現在位置を表す位置データとして、マップマッチング制御部26によって修正された後の自車位置情報を入力する。位置データ入力部32aは、マップマッチング制御部26から入力した位置データを住所データ取得部32bおよび住所データ更新部32eに出力する。
【0030】
住所データ取得部32bは、位置データ入力部32aから出力された位置データに対応する住所データを地図バッファ21より取得する。そして、住所データ取得部32bは、地図バッファ21より取得した住所データを住所データバッファ32cに格納する。ここでは一例として、現在位置に対応する住所データとして、「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」の住所データが住所データバッファ32cに格納されたものとする。
【0031】
住所データ表示制御部32dは、住所データバッファ32cに格納されている住所データを読み出し、当該住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表した目的地設定メニュー画面を表示するように操作画面発生部34を制御する。図3は、第1の実施形態による目的地設定メニュー画面の表示例を示す図である。図3の目的地設定メニュー画面には、都道府県名を選択するためのコンボボックス110、市町村名を選択するためのコンボボックス120、行政区を選択するためのコンボボックス130、大字・字を選択するためのコンボボックス140、丁目を選択するためのコンボボックス150、番地を選択するためのコンボボックス160、戸番を選択するためのコンボボックス170、目的地の検索を指示するための検索ボタン180が設けられている。ユーザは、操作部12を操作して、最初に表示されている住所データが所望の住所データとなるように、各コンボボックスにおいてデータを選択する。
【0032】
住所データ表示制御部32dは、最初は図3(a)のように現在位置に対応する住所を各コンボボックスに表示する。すなわち、図3(a)では、住所データバッファ32cに格納されている住所データ(「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」)を構成する7つの要素データ(「神奈川県」,「横浜市」,「港北区」,「箕輪町」,「2丁目」,「5」,「10」)がそれぞれ毎にコンボボックス110〜170において変更可能に表示されている。この段階で、ユーザは、検索ボタン180を押下操作することで、現在コンボボックス110〜170において表示されている各要素データを繋げた住所データに対応する位置データを検索して目的地に設定することができる。なお、検索ボタン180は、各コンボボックス110〜170に住所データを構成する全ての要素データが設定されている場合に限り、目的地設定メニュー画面に表示される。
【0033】
住所データ更新部32eは、住所データ表示制御部32dにより表示された住所データに対する変更操作を外部信号入力部23を介して受けて、住所データバッファ32cに格納されている住所データを更新する。具体的には、以下のように更新を行う。すなわち、住所データ更新部32eの変更候補生成部32hは、住所データ表示制御部32dにより目的地設定メニュー画面に表示された住所データを構成する7つの要素データのうち、所望の要素データに対する変更指示の操作を外部信号入力部23を介して受けて、当該変更指示を受けた要素データの変更候補を複数生成する。ここで生成する変更候補は、最上位階層の要素データから変更指示を受けた要素データの1つ上の階層までの要素データを一連的に繋げたデータで表されるエリアに含まれる地名である。例えば、変更指示を受けた要素データが大字・字である場合、変更候補生成部32hは、その1つ上の階層(行政区)までの要素データを一連的に繋げたデータ(都道府県名+市町村名+行政区)に含まれる複数の地名を変更候補として生成する。ただし、変更指示を受けた要素データが都道府県名(最上位階層)である場合、その1つ上の階層がないため、変更候補生成部32hは、現在の都道府県以外の都道府県を変更候補として生成する。変更候補生成部32hは、生成した複数の変更候補を変更候補表示制御部32iに出力する。
【0034】
変更候補表示制御部32iは、変更候補生成部32hから出力された変更候補を目的地設定メニュー画面に表示するように操作画面発生部34を制御する。変更候補生成部32hから出力された変更候補が複数あれば、変更候補表示制御部32iは、複数の変更候補のうち、現在位置(位置データ入力部32aから出力された位置データにより特定される)から所定距離の範囲内に位置する変更候補については当該現在位置から近い順に表示するとともに、当該現在位置から所定距離の範囲内に位置しない変更候補については50音順に表示するように操作画面発生部34を制御する。ここで変更候補表示制御部32iは、現在位置から所定距離の範囲内に位置する変更候補を変更候補リストの先頭から表示し、その後で所定距離の範囲内に位置しない変更候補を表示する。このような表示をすることによって、目的地が現在位置から近い場合には、近い順に表示された変更候補の中から所望の変更候補を容易に選択することができる一方、目的地が現在位置から近くない場合であっても、所望の変更候補の読みさえ分かっていれば当該所望の変更候補を容易に選択することができるという効果が得られる。
【0035】
ここで、現在位置から所定距離の範囲内に変更候補が位置するとは、変更候補により特定されるエリアの基準位置(例えば、当該エリアの中心地または当該エリア内に存在する代表的な施設である市役所などが存在する位置)が現在位置から所定距離の範囲内に位置することである。変更候補により特定される各エリアの基準位置は、地図バッファ21に格納されている地図データ中にあらかじめ設定されている。本実施形態では、所定距離は、住所データを構成する要素データにより表される行政区分毎に異なる。これにより、近い順に表示される対象となる変更候補の数が、行政区分間で大きく異ならないように調整することができる。例えば、要素データにより表される行政区分が市である場合、所定距離は20kmに設定されている。また、要素データにより表される行政区分が町である場合、一般的に市より狭いため、所定距離は2kmに設定されている。
【0036】
図3(b)は、図3(a)において、「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」なる住所データを構成する複数の要素データのうち、大字・字の要素データ(「箕輪町」)に対する変更指示の操作を外部信号入力部23を介して受けた場合の表示例である。図3(b)の目的地設定メニュー画面では、コンボボックス140に代えて、変更候補を選択するためのリストボックス190が表示されている。この場合、変更候補生成部32hは、地図バッファ21に格納されている地図データを参照して、「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」なる住所データの最上位階層の要素データから大字・字の要素データ(「箕輪町」)の1つ上の階層までの要素データを一連的に繋げたデータ(「神奈川県横浜市港北区」)に含まれる複数の地名(「箕輪町」、「日吉」、「日吉本町」、「白坂」等)を変更候補として生成し変更候補表示制御部32iに出力する。
【0037】
変更候補表示制御部32iは、変更候補生成部32hから出力された変更候補を目的地設定メニュー画面のリストボックス190にリスト表示するように操作画面発生部34を制御する。なお、図3(b)に示すように、住所データを構成する複数の要素データのうち、所望の要素データに対する変更指示の操作を外部信号入力部23を介して住所データ更新部32eが受けた場合、変更候補表示制御部32iは、当該所望の要素データよりも下位階層に位置する全ての要素データの値をクリアし、当該全ての要素データを入力できるように操作画面発生部34を制御する。
【0038】
更新部32jは、変更候補表示制御部32iによって表示された複数の変更候補の中から何れかを選択する操作を外部信号入力部23を介して受けたとき、住所データバッファ32cに格納されている住所データを、選択された変更候補を用いて更新する。図3(b)の例では、ユーザが操作部12を操作することによって、リストボックス190に表示された複数の変更候補の中から「日吉本町」を選択したものとする。この場合、更新部32jは、住所データバッファ32cに格納されている住所データ「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」を、選択された変更候補「日吉本町」を用いて「神奈川県横浜市港北区日吉本町」に更新する。
【0039】
その後、住所データ表示制御部32dは、住所データバッファ32cに格納されている更新後の住所データ(図3(b)の例では、「神奈川県横浜市港北区日吉本町」)を読み出し、当該住所データを構成する複数の要素データ(図3(b)の例では、「神奈川県」、「横浜市」、「港北区」、「日吉本町」、「空白」、「空白」、「空白」)をそれぞれ毎に変更可能に表した目的地設定メニュー画面を表示するように操作画面発生部34を制御する。その結果、図3(c)のように、目的地設定メニュー画面が表示される。
【0040】
図3(d)〜(f)は、図3(c)において空白表示とされた丁目の要素データ、番地の要素データ、戸番の要素データに対して、図3(b)と同様の手順で変更操作がそれぞれ行われた後の表示例である。すなわち、図3(d)のコンボボックス150には「3丁目」が設定されている。また、図3(e)のコンボボックス160には「16」が設定されている。また、図3(f)のコンボボックス170には「5」が設定されている。
【0041】
位置データ取得部32fは、住所データを構成する全ての要素データが住所データバッファ32cに設定されている場合、検索ボタン180の押下操作を外部信号入力部23を介して受けたとき、住所データバッファ32cに格納されている住所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得する。そして、位置データ取得部32fは、地図バッファ21より取得した位置データを目的地設定部32gに出力する。目的地設定部32gは、位置データ取得部32fから出力された位置データを目的地データとして誘導経路メモリ28に格納する。
【0042】
次に、第1の実施形態の設定部32による目的地設定に関する動作について説明する。図4は、第1の実施形態による設定部32の動作例を示すフローチャートである。図4におけるステップS100の処理は、設定部32が、外部信号入力部23を介して住所入力による目的地の設定要求(住所入力メニューの選択要求)を受け付けることにより開始する。
【0043】
まず、位置データ入力部32aは、地図上の現在位置を表す位置データとして、マップマッチング制御部26によって修正された後の自車位置情報を入力する(ステップS100)。位置データ入力部32aは、マップマッチング制御部26から入力した位置データを住所データ取得部32bおよび住所データ更新部32eに出力する。
【0044】
次に、住所データ取得部32bは、位置データ入力部32aから出力された位置データに対応する住所データを地図バッファ21より取得する(ステップS120)。そして、住所データ取得部32bは、地図バッファ21より取得した住所データを住所データバッファ32cに格納する。
【0045】
次に、住所データ表示制御部32dは、住所データバッファ32cに格納されている住所データを読み出し、当該住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表した目的地設定メニュー画面を表示するように操作画面発生部34を制御する(ステップS140)。
【0046】
次に、住所データ更新部32eは、住所データ表示制御部32dにより目的地設定メニュー画面に表示された住所データを構成する複数の要素データのうち、所望の要素データに対する変更指示の操作を外部信号入力部23を介して受けたか否かについて判定する(ステップS160)。もし、変更指示の操作を受けたと住所データ更新部32eにて判定した場合(ステップS160にてYES)、変更候補生成部32hは、当該変更指示を受けた要素データの変更候補を複数生成する(ステップS180)。そして、変更候補生成部32hは、生成した変更候補を変更候補表示制御部32iに出力する。
【0047】
次に、変更候補表示制御部32iは、変更候補生成部32hから出力された変更候補を目的地設定メニュー画面に表示するように操作画面発生部34を制御する(ステップS200)。次に、更新部32jは、変更候補表示制御部32iによって表示された複数の変更候補の中から何れかを選択する操作を外部信号入力部23を介して受けたか否かについて判定する(ステップS220)。もし、複数の変更候補の中から何れかを選択する操作を受けていないと更新部32jにて判定した場合(ステップS220にてNO)、処理はステップS220に遷移する。
【0048】
一方、複数の変更候補の中から何れかを選択する操作を受けたと更新部32jにて判定した場合(ステップS220にてYES)、更新部32jは、住所データバッファ32cに格納されている住所データを、選択された変更候補を用いて更新する(ステップS240)。次に、住所データ表示制御部32dは、住所データバッファ32cに格納されている更新後の住所データを読み出し、当該住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表した目的地設定メニュー画面を表示するように操作画面発生部34を制御する(ステップS260)。その後、処理はステップS160に遷移する。
【0049】
一方、所望の要素データに対する変更指示の操作を受けていないと住所データ更新部32eにて判定した場合(ステップS160にてNO)、位置データ取得部32fは、住所データバッファ32cに格納されている住所データを参照し、当該住所データを構成する全ての要素データが設定されているか否かについて判定する(ステップS280)。もし、住所データを構成する全ての要素データが設定されていないと位置データ取得部32fにて判定した場合(ステップS280にてNO)、処理はステップS160に遷移する。
【0050】
一方、住所データを構成する全ての要素データが設定されていると位置データ取得部32fにて判定した場合(ステップS280にてYES)、位置データ取得部32fは、検索ボタン180の押下操作を外部信号入力部23を介して受けたか否かについて判定する(ステップS300)。もし、検索ボタン180の押下操作を受けていないと位置データ取得部32fにて判定した場合(ステップS300にてNO)、処理はステップS160に遷移する。
【0051】
一方、検索ボタン180の押下操作を受けたと位置データ取得部32fにて判定した場合(ステップS300にてYES)、位置データ取得部32fは、住所データバッファ32cに格納されている住所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得する(ステップS320)。そして、位置データ取得部32fは、地図バッファ21より取得した位置データを目的地設定部32gに出力する。最後に、目的地設定部32gは、位置データ取得部32fから出力された位置データを目的地データとして誘導経路メモリ28に格納する(ステップS340)。その後、ステップS340の処理が完了することによって、設定部32は、図4における処理を終了する。
【0052】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、住所入力メニューが選択されたときに、地図上の現在位置を表す位置データに対応する住所データを地図データから取得し、当該住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表示する。そして、所望の要素データに対する変更操作を受けて、住所データを更新し、当該更新された住所データに対応する位置を目的地として設定するようにしている。
【0053】
このように、第1の実施形態によれば、必要最低限の入力操作(最初に表示された住所データの中で所望の住所と異なる一部だけを変更する操作)で所望の住所データを得ることが可能となり、住所データを最上層の行政区分から最下層の地番まで全て順番に入力する必要がなくなる。これにより、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減でき、住所入力による目的地の設定を迅速に行うことができるようになる。特に、目的地が現在位置付近にある場合には、最初に表示された住所データの中で所望の住所と異なる部分が少なくなるため、ユーザによって行われる住所データの入力の手間をより軽減することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態によるナビゲーション装置の全体構成例を示すブロック図である。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0055】
第2の実施形態において、ナビゲーション装置は、図1のDVD−ROM11の代わりにDVD−ROM11′を備えている。また、ナビゲーション制御装置100は、図1の設定部32の代わりに設定部32′を備えている。
【0056】
DVD−ROM11′に記憶されている地図データには、図1のDVD−ROM11に記憶されていた各種データ(住所データや位置データを含む)の他に、住所データに関連する場所を表す場所データが含まれている。具体的には、住所データを構成する要素データ(都道府県名、市町村名、行政区、大字・字、丁目、番地および戸番)毎に、1つまたは複数の場所データが関連付けられている。要素データに関連付けられている場所データとは、当該要素データにより特定されるエリア内に存在するお勧めスポット(例えば、名勝、遊び場または有名な料理店など)の名称を表すデータである。例えば、住所データを構成する要素データ「横浜市」には、「山下公園」、「横浜中華街」および「横浜アリーナ」等の場所データが関連付けられている。なお、住所データを構成する要素データに関連付けられている場所データは、当該要素データにより特定されるエリアの基準位置(例えば、当該エリアの中心地または当該エリア内に存在する代表的な施設などが存在する位置)の近辺(基準位置から所定距離の範囲内)に存在するお勧めスポットの名称を表すデータであっても良い。また、全ての要素データに対して必ず場所データが関連付けられているとは限らない。近辺にお勧めスポットが存在しない場合、その要素データには場所データが関連付けられないこととなる。
【0057】
地図バッファ21は、ROM読出制御部22の制御によってDVD−ROM11′から読み出された地図データ(上述の住所データ、位置データおよび場所データを含む)を一時的に格納する。この地図バッファ21は、特許請求の範囲の第2住所データ記憶部および場所データ記憶部を構成する。
【0058】
図6は、第2の実施形態による設定部32′の機能構成例を示すブロック図である。図6に示すように、設定部32′は、その機能構成として、場所データ取得部32k、場所データバッファ32mおよび場所データ表示制御部32nを更に備えている。また、設定部32′は、その機能構成として、図2の位置データ取得部32fの代わりに位置データ取得部32f′を備えている。なお、この図6において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0059】
図7は、第2の実施形態による目的地設定メニュー画面の表示例を示す図である。図7の例では、ユーザが目的地として検索したい住所は、「神奈川県横浜市港北区日吉本町」で特定されるエリア内に存在する「日吉神社」の住所である。
【0060】
図7(a)では、現在位置に対応する住所として住所データバッファ32cに格納されている住所データ(「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」)を構成する7つの要素データ(「神奈川県」,「横浜市」,「港北区」,「箕輪町」,「2丁目」,「5」,「10」)がそれぞれ毎にコンボボックス110〜170において変更可能に表示されている。
【0061】
この段階で、「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」なる住所データを構成する7つの要素データのうち、大字・字の要素データ(「箕輪町」)を「日吉本町」に変更する操作が行われると、更新部32jは、住所データバッファ32cに格納されている住所データ「神奈川県横浜市港北区箕輪町2丁目5−10」を「神奈川県横浜市港北区日吉本町」に更新する。
【0062】
場所データ取得部32kは、住所データバッファ32cに格納されている住所データが更新部32jにより更新された後に、当該更新後の住所データに対応する場所データを地図バッファ21より取得する。そして、場所データ取得部32kは、地図バッファ21より取得した場所データを場所データバッファ32mに格納する。
【0063】
場所データ表示制御部32nは、図7(b)に示すように、場所データを目的地設定メニュー画面に表示するための関連ボタン200を目的地設定メニュー画面に表示するように操作画面発生部34を制御する。その後、場所データ表示制御部32nは、目的地設定メニュー画面に表示された関連ボタン200を押下する操作を外部信号入力部23を介して受けた場合、図7(c)に示すように、場所データバッファ32mに格納されている場所データ(「日吉神社」、「慶応大学」、「東急日吉駅」)を目的地設定メニュー画面のリストボックス210に表示するように操作画面発生部34を制御する。
【0064】
この段階で、ユーザは、リストボックス210に表示されている3つの場所データの何れかを選択操作することで、当該選択操作をした場所データに対応する位置データを目的地に設定することができる。
【0065】
位置データ取得部32f′は、場所データ表示制御部32nにより表示された場所データの何れかを選択する操作を外部信号入力部23を介して受けて、当該選択操作された場所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得する。そして、位置データ取得部32f′は、地図バッファ21より取得した位置データを目的地設定部32gに出力する。目的地設定部32gは、位置データ取得部32f′から出力された位置データを目的地データとして誘導経路メモリ28に格納する。
【0066】
次に、第2の実施形態の設定部32′による目的地設定に関する動作について説明する。図8は、第2の実施形態による設定部32′の動作例を示すフローチャートである。図8におけるステップS500の処理は、設定部32′が、外部信号入力部23を介して住所入力による目的地の設定要求(住所入力メニューの選択要求)を受け付けることにより開始する。なお、この図8において、ステップS500〜S660およびステップS780〜S840は、図4のステップS100〜S260およびステップS280〜S340とそれぞれ同一の処理であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0067】
ステップS660において、住所データ表示制御部32dが、更新後の住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表した目的地設定メニュー画面を表示するように操作画面発生部34を制御した後に、場所データ取得部32kは、地図バッファ21を参照して、当該更新後の住所データに対応する場所データが存在するか否かについて判定する(ステップS680)。もし、対応する場所データが存在しないと場所データ取得部32kにて判定した場合(ステップS680にてNO)、処理はステップS560に遷移する。一方、対応する場所データが存在すると場所データ取得部32kにて判定した場合(ステップS680にてYES)、場所データ取得部32kは、対応する場所データを地図バッファ21より取得する(ステップS700)。そして、場所データ取得部32kは、地図バッファ21より取得した場所データを場所データバッファ32mに格納する。続いて、場所データ表示制御部32nは、当該場所データを目的地設定メニュー画面に表示するための関連ボタン200を目的地設定メニュー画面に表示するように操作画面発生部34を制御する(ステップS720)。
【0068】
次に、場所データ表示制御部32nは、目的地設定メニュー画面に表示された関連ボタン200を押下する操作を外部信号入力部23を介して受けたか否かについて判定する(ステップS740)。もし、関連ボタン200を押下する操作を受けていないと場所データ表示制御部32nにて判定した場合(ステップS740にてNO)、処理はステップS560に遷移する。一方、関連ボタン200を押下する操作を受けたと場所データ表示制御部32nにて判定した場合(ステップS740にてYES)、場所データ表示制御部32nは、場所データバッファ32mに格納されている場所データを目的地設定メニュー画面に表示するように操作画面発生部34を制御する(ステップS760)。その後、処理はステップS560に遷移する。
【0069】
また、住所データを構成する全ての要素データが設定されていないと位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS780にてNO)、もしくは、検索ボタン180の押下操作を受けていないと位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS800にてNO)には、位置データ取得部32f′は、場所データバッファ32mに格納されている場所データが目的地設定メニュー画面に表示されているか否かについて判定する(ステップS860)。もし、場所データが目的地設定メニュー画面に表示されていないと位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS860にてNO)、処理はステップS560に遷移する。
【0070】
一方、場所データが目的地設定メニュー画面に表示されていると位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS860にてYES)、位置データ取得部32f′は、場所データ表示制御部32kにより表示された場所データの何れかを選択する操作を外部信号入力部23を介して受けたか否かについて判定する(ステップS880)。もし、表示された場所データの何れかを選択する操作を受けていないと位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS880にてNO)、処理はステップS560に遷移する。
【0071】
一方、表示された場所データの何れかを選択する操作を受けたと位置データ取得部32f′にて判定した場合(ステップS880にてYES)、位置データ取得部32f′は、選択操作された場所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得する(ステップS900)。そして、位置データ取得部32f′は、地図バッファ21より取得した位置データを目的地設定部32gに出力する。最後に、目的地設定部32gは、位置データ取得部32f′から出力された位置データを目的地データとして誘導経路メモリ28に格納する(ステップS920)。その後、ステップS920の処理が完了することによって、設定部32′は、図8における処理を終了する。
【0072】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、住所データ更新部32eにより更新された住所データに関連する場所データを目的地設定メニュー画面に表示する。そして、表示された場所データに対する選択操作を受けた場合には、選択操作により選択された場所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得し、当該取得した位置データを目的地データとして誘導経路メモリ28に格納(設定)するようにしている。
【0073】
このように構成した第2の実施形態によれば、必要最低限の入力操作(最初に表示された住所データの中で一部だけを変更する操作およびその後表示された場所データを選択する操作)で所望の住所データを得ることが可能となり、住所データを最上層の行政区分から最下層の地番まで全て順番に入力する必要がなくなる。これにより、ユーザによって行われる住所データの入力の手間を軽減でき、住所入力による目的地の設定を迅速に行うことができるようになる。特に、更新後の要素データにより表される行政区画のエリアにおけるお勧めスポット(代表的な施設、名勝など)を目的地に設定することを所望するユーザは、当該お勧めスポットの正確な住所を知らなくても簡単に目的地として設定することができる。
【0074】
なお、上記第1および第2の実施形態では、住所データ取得部32bにより取得された住所データを構成する複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、変更される可能性の低い要素データ(例えば、都道府県名)がユーザの誤操作によって変更されてしまうことを防止するために、住所データ取得部32bにより取得された住所データを構成する複数の要素データのうち一部の要素データ(例えば、変更される可能性の高い、市町村名より下の階層の各要素データ)に絞って変更可能に表示するようにしても良い。
【0075】
また、上記第1および第2の実施形態では、位置データ入力部32aが地図上の現在位置を表す位置データを入力する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、位置データ入力部32aは、操作部12に対するユーザ操作を介して、地図上でカーソルによって任意に指定された位置を表す位置データを入力するようにしても良い。また、位置データ入力部32aは、過去に目的地として設定された位置が履歴情報として記憶されていれば、当該履歴情報に記憶されている何れかの位置(例えば、直近に設定された目的地、設定頻度が最も大きい目的地)を表す位置データを入力するようにしても良い。
【0076】
また、上記第1および第2の実施形態では、変更候補生成部32hにより生成された複数の変更候補のうち、現在位置から所定距離の範囲内に位置する変更候補については当該現在位置から近い順に表示するとともに、当該現在位置から所定距離の範囲内に位置しない変更候補については50音順に表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、変更候補生成部32hにより生成された全ての変更候補について現在位置から近い順に表示するようにしても良い。このような表示をすることによって、目的地が現在位置から近い場合には、近い順に表示された変更候補の中から所望の変更候補を容易に選択することができる。
【0077】
また、変更候補生成部32hにより生成された全ての変更候補について50音順に表示するようにしても良い。このような表示をすることによって、目的地が現在位置から近くない場合であっても、所望の変更候補の読みさえ分かっていれば当該所望の変更候補を容易に選択することができる。また、変更候補生成部32hにより生成された複数の変更候補のうち現在位置から所定距離の範囲内に位置する変更候補についてのみ、当該現在位置から近い順に、または50音順に表示するようにしても良い。このようにすれば、現在位置から近くないためにユーザによって選択される可能性の低い変更候補が不必要に表示されることを回避することができる。
【0078】
また、上記第1および第2の実施形態では、住所データを構成する全ての要素データが設定されている場合に限り、検索ボタン180の押下操作を受けて、当該住所データに対応する位置データを地図バッファ21より取得する(検索する)ことが可能な例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、住所データを構成する一部の要素データのみが設定されている場合であっても、検索ボタン180の押下操作を受けて、当該住所データに対応する位置データを検索できるようにしても良い。この場合、最上位階層から現に設定されている最下層の要素データまでを繋げたデータの基準位置が目的地の候補として検索される。
【0079】
また、上記第2の実施形態では、住所データを構成する7つの要素データの何れを変更しても当該要素データに関連付けられている場所データを表示する例について説明したが、一部の要素データを変更した場合に限り関連付けられている場所データを表示するようにしても良い。例えば、住所データを構成する7つの要素データのうち、丁目の要素データより上の階層に位置する4つの要素データ(都道府県名、市町村名、行政区、大字・字)の何れかを変更した場合に限り、変更された要素データに関連付けられている場所データを表示しても良い。
【0080】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による設定部の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による目的地設定メニュー画面の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施形態による設定部の動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による設定部の機能構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態による目的地設定メニュー画面の表示例を示す図である。
【図8】第2の実施形態による設定部の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
21 地図バッファ(住所データ記憶部、第2住所データ記憶部、場所データ記憶部)
32a 位置データ入力部
32b 住所データ取得部
32d 住所データ表示制御部
32e 住所データ更新部
32f,32f′ 位置データ取得部
32h 変更候補生成部
32i 変更候補表示制御部
32j 更新部
32k 場所データ取得部
32n 場所データ表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の位置データを入力する位置データ入力部と、
複数の住所データをそれぞれ位置データに関連付けて記憶する住所データ記憶部と、
前記位置データ入力部により入力された位置データに対応する住所データを前記住所データ記憶部より取得する住所データ取得部と、
前記住所データ取得部により取得された住所データを表示するように制御する住所データ表示制御部と、
前記住所データ表示制御部により表示された住所データに対する変更操作を受けて、前記住所データ取得部により取得された住所データを更新する住所データ更新部と、
前記住所データ更新部により更新された住所データに対応する位置データを前記住所データ記憶部より取得する位置データ取得部と、
前記位置データ取得部により取得された位置データを目的地として設定する目的地設定部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記住所データは、行政区分および地番を表す複数の要素データから構成されており、
前記住所データ表示制御部は、前記住所データ取得部により取得された住所データを構成する前記複数の要素データをそれぞれ毎に変更可能に表示するように制御し、
前記住所データ更新部は、前記住所データ表示制御部により表示された住所データを構成する前記複数の要素データのうち、所望の要素データに対する変更操作を受けて、前記住所データ取得部により取得された住所データを更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記位置データ入力部は、前記地図上の現在位置を表す位置データを入力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記位置データ入力部は、前記地図上でカーソルによって任意に指定された位置を表す位置データを入力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記位置データ入力部は、過去に目的地として設定された位置の1つを表す位置データを入力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記住所データ更新部は、
前記住所データ表示制御部により表示された住所データに対する変更指示の操作を受けて、当該変更指示を受けた住所データの変更候補を複数生成する変更候補生成部と、
前記変更候補生成部により生成された前記複数の変更候補を現在位置から近い順に表示するように制御する変更候補表示制御部と、
前記変更候補表示制御部により表示された前記複数の変更候補の中からいずれかを選択する操作を受けて、前記住所データ取得部により取得された住所データを、選択された変更候補の住所データに更新する更新部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記住所データ更新部は、
前記住所データ表示制御部により表示された住所データに対する変更指示の操作を受けて、当該変更指示を受けた住所データの変更候補を複数生成する変更候補生成部と、
前記変更候補生成部により生成された前記複数の変更候補を50音順に表示するように制御する変更候補表示制御部とを備え、
前記変更候補表示制御部により表示された前記複数の変更候補の中からいずれかを選択する操作を受けて、前記住所データ取得部により取得された住所データを、選択された変更候補の住所データに更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記住所データ更新部は、
前記住所データ表示制御部により表示された住所データに対する変更指示の操作を受けて、当該変更指示を受けた住所データの変更候補を複数生成する変更候補生成部と、
前記変更候補生成部により生成された前記複数の変更候補のうち、現在位置から所定距離の範囲内に位置する変更候補については当該現在位置から近い順に表示するように制御するとともに、当該現在位置から前記所定距離の範囲内に位置しない変更候補については50音順に表示するように制御する変更候補表示制御部とを備え、
前記変更候補表示制御部により表示された前記複数の変更候補の中からいずれかを選択する操作を受けて、前記住所データ取得部により取得された住所データを、選択された変更候補の住所データに更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置において、
前記所定距離は、前記住所データ表示制御部により表示された前記住所データを構成する要素データにより表される行政区分毎に異なることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記複数の住所データを当該住所データに関連する場所を表す場所データにそれぞれ関連付けて記憶する第2住所データ記憶部と、
複数の場所データをそれぞれ位置データに関連付けて記憶する場所データ記憶部と、
前記住所データ更新部により更新された前記住所データに対応する場所データを前記第2住所データ記憶部より取得する場所データ取得部と、
前記場所データ取得部により取得された場所データを表示するように制御する場所データ表示制御部とを更に備え、
前記位置データ取得部は、前記場所データ表示制御部により表示された場所データに対する選択操作を受けた場合には、前記住所データ更新部により更新された住所データに対応する位置データに代えて、前記選択操作により選択された場所データに対応する位置データを前記場所データ記憶部から取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
住所入力を介して、誘導経路探索用の目的地を設定する機能を備えたナビゲーション装置における目的地設定方法であって、
地図上の位置データを入力する第1のステップと、
前記第1のステップにより入力された位置データに対応する住所データを、複数の住所データをそれぞれ位置データに関連付けて記憶する住所データ記憶部より取得する第2のステップと、
前記第2のステップにより取得された住所データを表示するように制御する第3のステップと、
前記第3のステップにより表示された住所データに対する変更操作を受けて、前記第2のステップにより取得された住所データを更新する第4のステップと、
前記第4のステップにより更新された住所データに対応する位置データを前記住所データ記憶部より取得する第5のステップと、
前記第5のステップにより取得された位置データを目的地として設定する第6のステップとを備えたことを特徴とする目的地設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−127691(P2010−127691A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300837(P2008−300837)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】