説明

ナビゲーション装置

【課題】 ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、ナビゲーション装置の盗難や盗難を目的とした自動車の破壊を未然に抑止するナビゲーション装置を提供する。これにより、財産の保護のみならず犯罪抑止効果をもたらす。
【解決手段】 利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、ナビゲーション手段によるナビゲーション処理が禁止された時、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置等の車載機器の盗難防止方法として、予めメーカ又は利用者によって4桁の番号を登録しておき、電源が切断されると、盗難防止状態となり、再度電源が投入された際に、予め登録されていた番号が入力されない限り、正常に動作させない方法がある。ここで、盗難防止状態とは、例えば、盗難防止状態を解除するための機能以外の車載機器の全動作が停止している状態のことを示す。この種の盗難防止方法は、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を抑止することにより、盗難を防止するものである。また、その意欲減退により、盗難を目的とする、車載機器が設置されている自動車の破壊を防止するものである。
【0003】
また、盗難防止状態の解除を、番号ではなく物で行う技術が開発されている。例えば、ディスクの情報を用いる方式(例えば特許文献1)、車両のキーレスエントリーを用いる方式(例えば特許文献2)が知られている。
【0004】
同様の問題は、ナビゲーションシステムや車載機器に限らず、盗難の対象となる様々な電子機器全般に共通に存在する。
【0005】
しかし、上記のような先行技術では、窃盗者が自動車からナビゲーション装置を外した後にそのことがわかるのであって、自動車自体が破壊されたり、盗難にあったナビゲーション装置が捨てられてしまえば、利用者にとっての損失は何れにせよ大きいのであって、窃盗意欲を減退させ、盗難を未然に抑止する点においては十分なものではない。
【0006】
【特許文献1】特開平7−182840号公報
【特許文献2】特開平9−282573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、ナビゲーション装置の盗難や盗難を目的とした自動車の破壊を未然に抑止するとともに、財産の保護のみならず犯罪抑止するナビゲーション装置を提供することを、その課題としている。

【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明により提供されるナビゲーション装置は、利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、電源の供給が停止された際、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理が禁止された時、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する表示手段と、を備えるナビゲーション装置である。
【0010】
このような構成によれば、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、盗難を未然に抑止するナビゲーション装置を提供することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様によれば、利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、電力の供給停止後の電力の供給再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、この再入力情報と入力情報とを照合する照合手段と、を備え、前記照合手段によって、前記記憶手段に記憶されている情報と、再入力情報が一致した場合、前記動作制御手段は、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止を解除するナビゲーション装置、が提供される。
【0012】
このような構成によれば、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を抑止することにより、盗難を防止することができる。
【0013】
本発明の第2の側面によれば、利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、電力の供給停止後の電力の供給再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、この入力情報と前記記憶手段に記憶された情報とを照合する照合手段と、前記情報入力手段によって入力された情報を前記記憶手段から取得して、前記照合手段による照合によって、入力情報と再入力情報が一致しない場合、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理が禁止された時、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する表示手段、を備えるナビゲーション装置が提供される。
【0014】
このような構成によれば、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、盗難を未然に抑止するとともに、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を抑止することにより、盗難を防止することができる。
【0015】
本発明の第3の側面によれば、利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、前記ナビゲーション装置が車両から取り外されたことを検知する検知手段と、前記検知手段が前記ナビゲーション装置が前記車両から取り外されたことを検知した場合には前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止することを前もって表示する表示手段と、前記検知手段が前記ナビゲーション装置が前記車両から取り外されたことを検知した時、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、を備えるナビゲーション装置が提供される。
【0016】
このような構成によれば、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、盗難を未然に抑止するとともに、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を抑止することにより、盗難を防止することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様によれば、利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、ナビゲーション処理を禁止後のナビゲーション処理の再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、この再入力情報と前記記憶手段に記憶された情報とを照合する照合手段と、前記情報入力手段によって入力された情報を前記記憶手段から取得して、前記照合手段による照合によって、入力情報と再入力情報が一致しない場合、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処の禁止を継続する動作制御手段と、を備えるナビゲーション装置が提供される。
【0018】
このような構成によれば、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、盗難を未然に抑止するとともに、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を抑止することにより、盗難を防止することができる。
【0019】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記表示手段は、前記ナビゲーション装置の形状の変形であるナビゲーション装置が提供される。
【0020】
このような構成によれば、窃盗者は、ナビゲーション装置がロック状態にあり、盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に目視により知ることになり、窃盗意欲が減退し、ナビゲーション装置の盗難を未然に抑止することができる。形状の変形は、円柱、三角錐、円錐、三角柱、板状体、半球体、球体状の物体がナビゲーション装置本体から突出することにより実現することができる。
【0021】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記形状の変形は前記ナビゲーション装置から文字盤もしくは半球体がスライドして突出するナビゲーション装置が提供される。
【0022】
このような構成によれば、窃盗者は、ナビゲーション装置の外観形状が明確に変化することにより、ナビゲーション装置が盗んでも使用できないことを、自動車から取り外す前に、より明確に目視により知ることになる。これにより、窃盗意欲がより減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記表示手段は、表示装置による表示であるナビゲーション装置が提供される。
【0024】
このような構成によれば、窃盗者は、ナビゲーション装置の外観の色が明確に変化することにより、ナビゲーション装置が盗んでも使用できないことを、自動車から取り外す前に、より明確に目視により知ることになる。これにより、窃盗意欲がより減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記表示手段は、音による告知であるナビゲーション装置が提供される。ここで音とは、人の声でも良いし、ブザーのような警告音でも良い。
【0026】
このような構成によれば、窃盗者は、音声による告知により、ナビゲーション装置が盗んでも使用できないことを、自動車から取り外す前に、より明確に知ることになる。これにより、窃盗意欲がより減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記表示手段は、前記ナビゲーション装置の外観の変色であるナビゲーション装置が提供される。
【0028】
このような構成によれば、窃盗者は、ナビゲーション装置の外観の色が明確に変化することにより、ナビゲーション装置が盗んでも使用できないことを、自動車から取り外す前に、より明確に目視により知ることになる。これにより、窃盗意欲がより減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0029】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記再入力は、鍵、パスワード入力、登録されたクレジットカード、デビットカード、USBスティック、メモリカード、ICチップ、無線信号、赤外線信号、又は有線信号により行われるナビゲーション装置が提供される。
また、この場合の使われるパスワードや鍵の入力はワンタイムパスワードであっても良い。
【0030】
このような構成によれば、限られた者のみが再度ナビゲーション装置を再利用可能とし、盗難品の使用・利用を困難にさせることで、窃盗意欲を減退させ、盗難を防止することができる。
【0031】
本発明の好ましい実施態様によれば、再入力を所定の回数間違えると前記再入力手段による再入力ができなくなるナビゲーション装置が提供される。
【0032】
このような構成によれば、窃盗者が根気よく番号を入力し続けることによって、盗難防止状態を解除することを防止することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施態様によれば、更にネットワーク通信手段を備えるナビゲーション装置が提供される。
【0034】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が盗難にあった場合、ネットワークを通じてその盗難にあったナビゲーション装置をコントロールすることができる。
【0035】
本発明の好ましい実施態様によれば、自動車から取り外された場合、前記ネットワーク通信手段が起動し、現在の位置をネットワーク上に送信することを特徴とするナビゲーション装置が提供される。
【0036】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が盗難にあって取り外された場合、ネットワークを通じてその盗難にあったナビゲーション装置の位置を知ることが出来る。
【0037】
本発明の好ましい実施態様によれば、ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、外部から前記記憶手段に記憶された情報を変更することができるナビゲーション装置が提供される。
【0038】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が盗難にあった場合、ネットワークを通じて、照合すべきデータを消去したり変更することにより、その盗難にあったナビゲーション装置の盗難防止状態の解除を不可能にすることができる。窃盗者がナビゲーション装置の盗難防止機能を知ることにより、窃盗意欲がより減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施態様によれば、別のネットワーク通信手段から前記ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止、又は、解除が可能であるナビゲーション装置が提供される。
【0040】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が盗難にあった場合、窃盗者により盗難防止状態が解除されたとしても、ネットワークを通じて、ナビゲーション処理の禁止をすることができるので、窃盗者がナビゲーション装置の盗難防止機能を知ることにより、窃盗意欲が減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0041】
本発明の好ましい実施態様によれば、ネットワーク通信手段を備えており、前記ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、外部から前記記憶手段に記憶された情報を変更することができるナビゲーション装置が提供される。
【0042】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が盗難にあった場合、窃盗者により盗難防止状態が解除されたとしても、ネットワークを通じて、ナビゲーション処理の禁止をすることができるので、窃盗者がナビゲーション装置の盗難防止機能を知ることにより、窃盗意欲が減退し、ナビゲーション装置の盗難をより効果的に抑止することができる。
【0043】
本発明の好ましい実施態様によれば、電力の供給は、自動車のバッテリとは別の電力供給手段を有するナビゲーション装置が提供される。
【0044】
このような構成によれば、ナビゲーション装置が、自動車から外されたとしても、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する表示手段を動作させることができる。また、所有者は、盗難にあったナビゲーション装置とネットワークによる通信をすることができる。
【0045】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記電力供給手段を本体に内蔵するナビゲーション装置が提供される。
【0046】
このような構成によれば、窃盗者が本体を破壊することなく電池を取り外すことができない構造にすることができるので、ナビゲーション装置が、自動車から外されたとしても、盗難にあった所有者は、ナビゲーション装置とネットワークによる通信を継続することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、ナビゲーション装置を盗んでも使用できないことを自動車から取り外される前に窃盗者に知らせることにより、盗難を未然に抑止するナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置について図を用いて説明する。
【0049】
図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、目的地までの経路を案内するナビゲーション(経路案内)機能を有するものであり、図1に示すように、装置本体としてのメインユニット10と、位置情報を示すGPS( G l o b a l P o s i t i
o n i n g S y s t em)
電波を受信してメインユニット10に出力するG P S 受信機11と、交通情報を含むVICS( V e h i c l e I n f o r m a t i o n a n
d C o m m u n i c a t i o n S y s t e m) 情報を受信してメインユニット10に出力するビーコン受信機12およびFM多重受信機13とを備え、さらに、ドライブ装置14と、ディスプレイ15とを備えて構成されている。
【0050】
ドライブ装置14は、オーディオデータや映像データや地図データが記録された例えばCDやDVD等の光ディスクを再生する光ディスクドライブ装置、または、HD( H a r d D i s k)ドライブ装置、メモリカード装置などを有し、これら光ディスク、HDまたはメモリカードなどの記憶媒体からオーディオデータや映像データや地図データを読み出してメインユニット10に出力するものである。
ディスプレイ15は、ナビゲーション装置1の表示部を構成するものであり、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどのフラットパネルディスプレイを有し、このフラップパネルディスプレイがナビゲーション装置1のフロント部分に設けられ、ナビゲーション処理の禁止、経路案内のための地図や現在位置、或いは、映画などの映像を表示する。さらに、ディスプレイ15は、操作部としてのタッチパネルを有して構成され、タッチパネルに対してユーザがなした操作入力をメインユニット10に出力する。本発明においては、情報の入力、再入力をタッチパネルを用いて行うことが出来る。
また、車室内には1または複数のスピーカ16が配設されており、スピーカ16にはメインユニット10 から音声信号が入力されて、車室内にナビゲーション処理の禁止、経路案内音声などが出力される。
【0051】
このナビゲーション装置1には、メイン電源として車両のアクセサリ電源ACCが供給されており、アクセサリ電源ACCのオン/オフに伴って起動/停止が行われる。また、ナビゲーション装置1には、バックアップ電源として車両のバッテリ電源BAT
が供給されており、アクセサリ電源ACCがオフの間は、当該バッテリ電源BATから電力が供給されている。アクセサリ電源ACCを省略し、このバッテリ電源BATをメイン電源としても良い。さらに、ナビゲーション装置1には、その内部に更にバックアップ電源が内蔵されている。この電源には、乾電池や充電池が用いられる。充電池は、車両から取り外されていない場合は、アクセサリ電源ACCやバッテリ電源BATにより常に充電を受けている。ナビゲーション装置1が盗難に遭い、アクセサリ電源ACCやバッテリ電源BATが外された場合にこの電源から電力が供給される。
【0052】
次いで、メインユニット10の構成について詳述する。メインユニット10は、図1に示すように、各部を中枢的に制御する制御手段としてのCPU20と、このCPU20が実行する制御プログラムや経路案内のための地図データなどを記憶する記憶装置21とを備え、それぞれがシステムバス100に接続されている。
【0053】
さらに、メインユニット10は、ドライブ装置14から読み出されたオーディオデータや映像データをデコードしてシステムバス100に出力するデコーダ22と、このデコーダ22によりデコードされたオーディオデータがシステムバス100を介して入力され、アナログ音声信号に変換して上記スピーカ16に出力する音声出力装置23と、デコーダ22によりデコードされた映像データに基づいて、ディスプレイ表示のためのレンダリング処理を実行しディスプレイ15に出力するグラフィックレンダー24とを備え、これらデコーダ22、音声出力装置23およびグラフィックレンダー24とにより音楽再生機能および映像再生機能が実現される。
【0054】
また、図1には記載されていないが、ナビゲーション装置1は自立航法による測位を可能に構成して、より精度良く現在位置を特定できるようにしてもよい。
【0055】
また、メインユニット10は、ディスプレイ15に設けられたタッチパネルの操作信号が入力され、システムバス100を介してCPU20に出力するユーザインタフェース26を有している。このユーザインタフェース26は、さらに、図示せぬ複数の操作ボタンを有し、これらの操作ボタンの操作信号もCPU20に出力する。
【0056】
さらに、メインユニット10には、図1に示すように、ナビゲーション装置1の盗難を防止するための取り外し検知装置26が内蔵されている。この取り外し検知装置26には、加速度センサの出力が入力されており、ナビゲーション装置1に生じる振動や衝撃を加速度センサの出力に基づいて検知し、当該ナビゲーション装置1の取り外し作業によって生じたと推定される振動や衝撃を検知した場合に、当該ナビゲーション装置1
を使用不可能とするものである。また、取り外し検知装置は、上記電源の供給がなくなったことを検知することにより構成することも出来る。
【0057】
また、図示されていないが、メインユニット10は、インターネット接続機能を有している。
【0058】
次いで、本実施の形態の動作として盗難防止動作について図2 を参照して説明する。
【0059】
図2 はナビゲーション装置1が備える盗難防止動作を示すフローチャートである。
この図に示すように、ナビゲーション装置1にアクセサリ電源ACCが供給されると(ステップS1)とメインユニット10は情報入力の有無を判断する(ステップS2)。情報入力がない場合は、情報が入力されるのを待つ(ステップS2:NO)。メインユニット10は、情報入力がされたと判断すると(ステップS2:YES)、その情報を記憶装置に格納し、情報の再入力を要求する(ステップS3)。再入力された情報が、記憶装置に格納された入力情報と一致した場合(ステップS4:YES)は、ナビゲーション処理を開始する(ステップS5)。一致しない場合は、再度情報の再入力を要求する(ステップS3)。
【0060】
メインユニット10は、電源の供給の有無を判断する(ステップS6)。電源の供給が停止されている場合(ステップS6:YES)は、ナビゲーション処理を禁止する(ステップS7)。電源の供給が継続されている場合(ステップS6:NO)は、ナビゲーション処理を継続する(ステップS5)。ナビゲーション処理を禁止する場合、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション処理を禁止していることを表示する(ステップS8)。
【0061】
ナビゲーション処理の禁止の表示は、ナビゲーション装置1から、文字盤もしくは半球体がスライドして突出するナビゲーション装置1の形状の変形、ディスプレイ15による表示、音声による告知、外観の変色、により行う。外観の変色は、ナビゲーション装置1のケースを透明または半透明の樹脂により成形し、LED等の光源を使用して行う。ナビゲーション処理の禁止の表示には、アクセサリ電源ACC、バッテリ電源BATあるいはナビゲーション装置1に内蔵されたバックアップ電源を使用する。
【0062】
電力が再供給された場合(ステップS9)には、再度情報入力がされ(ステップS3)、入力情報と再入力情報が一致した場合(ステップS4:YES)には、ナビゲーション処理を開始する(ステップS5)。入力情報と再入力情報が一致しない場合(ステップS4:NO)には、再度情報入力を求める(ステップS3)。フローチャートには示していないが、複数回入力情報と再入力情報が一致しない場合は電源の供給を停止する。また、電源の供給時には、GPSの位置情報が通信手段を通じて、GPSの所有者にはGPSの所在地が分かる。これにより、GPS自体が盗難にあったとしても、GPSの場所を突き止めることができる。

【0063】
次いで、本実施の形態の他の盗難防止動作について図3を参照して説明する。
【0064】
図3 はナビゲーション装置1が備える盗難防止動作を示すフローチャートである。
この図に示すように、ナビゲーション装置1にメイン電源が供給されると(ステップSA1)とメインユニット10は情報入力の有無を判断する(ステップSA2)。メインユニット10は、情報入力がされたと判断すると(ステップSA2:YES)、再入力を求める(ステップSA3)。
【0065】
入力情報と再入力情報が一致した場合(ステップSA4:YES)、ナビゲーション処理を開始する(ステップSA5)。情報再入力がない場合は、情報が入力されるのを待つ(ステップSA4:NO)。ナビゲーション処理中、メインユニット10は、メイン電源であるアクセサリ電源ACCの供給の有無を判断する(ステップSA6)。メイン電源の供給が継続されている場合(ステップSA6:NO)は、ナビゲーション処理を継続する(ステップSA5)。電源の供給が停止された場合には、ナビゲーション処理は停止する。
【0066】
入力情報と再入力情報が一致しない場合(ステップSA4:NO)、再び再入力を求める(ステップSA3)。フローチャートには示していないが、複数回再入力しても入力情報と再入力情報が一致しない場合は、ナビゲーション処理を禁止し(ステップSA7)、メイン電源の供給が停止される。電源の供給が停止された場合には、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション処理を禁止していることを表示する(ステップSA8)。
【0067】
電源の再供給がされた場合(ステップSA9)には、情報の再入力がされたかどうかを検出する(ステップSA3)。
【0068】
次いで、本実施の形態の他の盗難防止動作について図4を参照して説明する。
【0069】
図4 はナビゲーション装置1が備える盗難防止動作を示すフローチャートである。
この図に示すように、ナビゲーション装置1にアクセサリ電源が供給されると(ステップSB1)とメインユニット10は情報入力の有無を判断する(ステップSB2)。メインユニット10は、情報入力がされたと判断すると(ステップSB2:YES)、ナビゲーション処理を開始する(ステップSB3)。情報入力がない場合は、情報が入力されるのを待つ(ステップSB2:NO)。
【0070】
ナビゲーション処理を行っている間、メインユニット10は、アクセサリ電源の供給の有無を検出する(ステップSB4)。電源の供給が継続されている場合(ステップSB4:NO)は、ナビゲーション処理を継続する(ステップSB3)。電源の供給が停止された場合には、ナビゲーション処理は停止する。ナビゲーション処理が停止している場合、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション処理を禁止するという内容の表示を例えばディスプレイ15に行う(ステップSB5)。
【0071】
メインユニット10は、ナビゲーション装置1が車両から取り外されたかどうかを判断する(ステップSB6)。取り外しの検知は、加速度センサやアクセサリ電源が切断されたことを検出することによって行う。メインユニット10が、ナビゲーション装置1が取り外されたことを検知した場合(ステップSB6:YES)には、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する(ステップSB7)。
【0072】
メインユニット10は、ナビゲーション装置1が車両から取り外されたかどうかを検出するとともに、電源が再供給されるかどうかを検出する(ステップSB8)。電源の再供給がされた場合(ステップSB8)には、情報の再入力がされたかどうかを検出する(ステップSB9)。再入力された情報と入力済みの情報が一致する場合には(ステップSB10:YES)、ナビゲーション処理を開始する(ステップSB3)。一致しない場合には、ナビゲーション処理を禁止する(ステップSB11)。ナビゲーション処理を禁止する場合、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション処理を禁止していることを表示する(ステップSB12)。それとともに、メインユニット10は、情報の再入力がされるのを待つ(ステップSB9)。
【0073】
次いで、本実施の形態の動作として、ナビゲーション処理が禁止された場合の表示動作について図5を参照して説明する。
【0074】
図5はナビゲーション装置100のナビゲーション処理禁止の表示の例を示す。図5Aは、ナビゲーション処理禁止前のナビゲーション装置である。図5Bは、ナビゲーション処理禁止をディスプレイ101に表示したナビゲーション装置である。例えば、図1の取り外し検知センサによって、ナビゲーション装置100が車両から取り外されたという信号がCPUに伝えられると、電源がバックアップ電源に切り替わる。そうすると、CPUはグラフィックレンダー24にナビゲーション処理が禁止されている旨の表示、例えば「LOCKED」をディスプレイに表示する。また、他の例として、バッテリ電源またはアクセサリ電源の供給が停止された時にナビゲーション処理が禁止されるようにし、電源がバックアップ電源に切り替わったとき、「LOCKED」の文字をディスプレイに表示することもできる。
【0075】
次いで、本実施の形態の動作として、ナビゲーション処理が禁止された場合の他の表示動作について図6を参照して説明する。
【0076】
図6はナビゲーション装置200のナビゲーション処理禁止の表示の例を示す。図6Aは、ナビゲーション処理禁止前のナビゲーション装置である。隙間201は、ナビゲーション禁止の表示、例えば「LOCKED」を表示した文字盤が突出するための隙間である。図1の取り外し検知センサによって、ナビゲーション装置100が車両から取り外されたという信号がCPUに伝えられると、電源がバックアップ電源に切り替わる。CPUは、図に示されていないモーター等に動作指示を出す。その結果、上記のナビゲーション処理が禁止されたことを表示する文字盤文字盤文字盤が隙間部201からN1方向に突出される。ナビゲーション処理の禁止が解除された場合は、文字盤文字盤はN2方向に隙間部201に収納される。文字盤文字盤上の文字自体やその光源が点灯あるいは点滅する仕様とすることもできる。
【0077】
本発明は上述した実施の形態に限られず、様々な変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施の形態において、ナビゲーション処理の禁止を表示する際、ナビゲーション装置1から半球体がスライドして突出する、スピーカーからの音声による告知、外観の変色、により行うことも可能である。文字盤の文字や文字盤の点灯または点滅や外観の変色は、LED等の光源を使用して行う。また、ケース本体を変色させるには、ナビゲーション装置1のケースを透明または半透明の樹脂により成形し、光源を利用して変色させる。ナビゲーション処理の禁止の表示には、アクセサリ電源ACC、バッテリ電源BATあるいはナビゲーション装置1に内蔵されたバックアップ電源を使用する。
【0078】
本発明のナビゲーション装置は、ネットワーク通信手段を備えるように構成することも可能である。自動車から取り外された際、このネットワーク通信手段が起動し、現在の位置をネットワーク上に送信する。これにより、盗難後のナビゲーション装置の位置を特定することが出来る。また、別のネットワーク通信手段から前記ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止、又は、解除を可能にすることもできる。これにより、所有者はナビゲーション装置が有するネットワーク通信手段にアクセスすることによって、外部から前記記憶手段に記憶された情報を変更することができる。又は、外部電源が接続されたときには、毎回位置情報を発信する。
【0079】
本発明のナビゲーション装置は、4輪車だけではなく、2輪車にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置が備える盗難防止動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置が備える盗難防止動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】ナビゲーション装置が備える盗難防止動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置のナビゲーション処理禁止の表示の例を示す図である。
【図6】ナビゲーション装置のナビゲーション処理禁止の表示の例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10 メインユニット( 装置本体)
11 記憶装置
15(101) ディスプレイ
16 スピーカ
26 取り外し検知センサ
202 文字盤文字盤
A C C アクセサリ電源
B A T バッテリ電源
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、車に生じた振動や異常を検出すると、ナビゲーション装置を操作しようとしたときに、車の所有者又は車の使用を許可された人かを認証手段で判断し、認証できない場合には、ナビゲーション装置に保存されている個人情報を削除又は暗号化することができるため個人情報の流出を防止することができ、セキュリティーの高いナビゲーション装置として有用である。また、盗難防止機能を告知することにより、ナビゲーション装置所有者の財産を盗難や破壊から防ぎ、犯罪を予防することに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、
地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、
電力の供給が停止された際、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、
前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理が禁止された時、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する表示手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、
利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、
電力の供給停止後の電力の供給再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、
この再入力情報と入力情報とを照合する照合手段と、
を備え、
前記照合手段によって、前記記憶手段に記憶されている情報と、再入力情報が一致した場合、前記動作制御手段は、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止を解除する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、
地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、
利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、
利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、
電力の供給停止後の電力の供給再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、
この入力情報と前記記憶手段に記憶された情報とを照合する照合手段と、
前記情報入力手段によって入力された情報を前記記憶手段から取得して、前記照合手段による照合によって、入力情報と再入力情報が一致しない場合、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、
前記ナビゲーション手段に(電源供給停止によるナビゲーション処理の禁止は請求項1にあります。)よるナビゲーション処理が禁止された時、ナビゲーション処理が禁止されていることを表示する表示手段、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項4】
利用者を目的地に誘導するナビゲーション装置であって、
地図情報を用いて、目的地へ誘導するためのナビゲーション処理を実行するナビゲーション手段と、
前記ナビゲーション装置が車両から取り外されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記ナビゲーション装置が前記車両から取り外されたことを検知した場合には前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止することを前もって表示する表示手段と、
前記検知手段が前記ナビゲーション装置が前記車両から取り外されたことを検知した時、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理を禁止する動作制御手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項5】
利用者の操作に応答して所定の情報を入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された情報を記憶する記憶手段と、
利用者の操作に応答して所定の情報を再入力する情報再入力手段と、
ナビゲーション処理を禁止後のナビゲーション処理の再開に際して、前記情報再入力手段により前記所定の情報を再入力を要求する手段と、
この再入力情報と前記記憶手段に記憶された情報とを照合する照合手段と、
前記情報入力手段によって入力された情報を前記記憶手段から取得して、前記照合手段による照合によって、入力情報と再入力情報が一致しない場合、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止を継続する動作制御手段と、
を備える請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記ナビゲーション装置の形状の変形である請求項1ないし5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記形状の変形は前記ナビゲーション装置から文字盤もしくは半球体がスライドして突出する請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記表示手段は、表示装置による表示である請求項1ないし5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記表示手段は、音による告知である請求項1ないし5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記ナビゲーション装置の外観の変色、文字、又は文字盤の点灯または点滅である請求項1ないし5のいずれかに記載のナビゲーション装置
【請求項11】
前記再入力は、鍵、パスワード入力、登録されたクレジットカード、デビットカード、USBスティック、メモリカード、ICチップ、無線信号、赤外線信号、又は有線信号により行われる請求項2、3又は5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
再入力を所定の回数間違えると前記再入力手段による再入力ができなくなる請求項2、3又は5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
ネットワーク通信手段を備える請求項1ないし12のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
自動車から取り外された場合、前記ネットワーク通信手段が起動し、現在の位置をネットワーク上に送信することを特徴とする請求項13に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
別のネットワーク通信手段から前記ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、前記ナビゲーション手段によるナビゲーション処理の禁止、又は、解除が可能である請求項13に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
ネットワーク通信手段を備えており、
前記ネットワーク通信手段にアクセスすることによって、外部から前記記憶手段に記憶された情報を変更することができる請求項2、3又は5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
電力の供給は、自動車のバッテリとは別の電力供給手段を有する請求項1ないし15に記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記電力供給手段を本体に内蔵する請求項16に記載のナビゲーション装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−282405(P2008−282405A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2008−124088(P2008−124088)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(708002056)
【Fターム(参考)】