説明

パターン検査装置およびパターン検査方法

【課題】反射照明光と透過照明光を利用して、パターンの表面に生じているピットと突起とを区別し、ピットのみを不良として検出すること。
【解決手段】光透過性基板1上に形成されたパターン2に照明光の撮像画像に基づいてパターン2の良否判定するパターン検査装置において、中心光線が基板1に対して略直交する照明光を照射する第1照明手段31と、基板1の裏面側に設けられ検査領域6(第1照明手段31により照明される領域)を基板1に対する法線方向に投影した領域外から基板1に対して照明光を照射する第2照明手段32と、第1照明手段31による照射方向と同方向に設けられた撮像手段33と、第1照明手段31と第の照明手段32を制御する制御手段4とを備え、制御手段4は第1照明手段31と第2照明手段32による照明とを同時に行い、撮像手段33は同時に照明されているパターン2を撮像する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン検査装置およびパターン検査方法に係わり、特に、TAB(Tape Automated Bonding)テープ等の光透過性の基板に形成された配線パターン等のパターンの表面に生じるピット(穴)の有無を検査するパターン検査装置およびパターン検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線パターンの検査において、基板表面または裏面に付着したごみ(異物)と配線パターンの欠陥とを区別し、誤検知を防ぐ方法または装置が、例えば、特許文献1や特許文献2に提案されている。上記公報には、配線パターンが形成された基板からの反射照明光を受像して得られた反射照明画像と、配線パターンが形成された基板の裏面側からの透過照明光を受像して得られた透過照明画像とを比較して、両者の画像に共通して現れた不良を配線パターンの欠陥とすることが記載されている。
【特許文献1】特開2004−61491号公報
【特許文献2】特開2005−24386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図11は、基板101上に形成されたピット103と呼ばれるへこみ(穴)や突起104を有する配線パターン102を示す一部断面図である。
通常、基板101上に形成された配線パターン102の表面は平らである。しかし、図11(a)に示すように基板101上に形成された配線パターン102の表面にピット103が生じたり、また、図11(b)に示すように基板101上に形成された配線パターン102の表面に突起104が生じる場合がある。なお、これらの図においては、基板101に対する配線パターン102の大きさを極端に大きく示している。
【0004】
配線パターン102の表面にピット103が生じている場合は、検査工程において不良として検知する必要がある。なぜなら、その部分だけ配線が細くなっているため、断線が生じるおそれがあるためである。特に、折り曲げが行われる部分に使用されるフレキシブル基板に形成されたパターンの場合、折り曲げが繰り返されると、ピットの部分で断線する場合がある。それに対して、配線パターン102の表面に突起104が生じている場合は、折り曲げても断線の心配はなく、特に、問題とはならない。しかし、配線パターン検査装置において、配線パターン102の表面に生じているピット103と突起104の区別がつかないという問題が生じていた。
【0005】
この問題を図11を用いて説明する。パターン検査装置において、配線パターンの検査は照明光により照明された領域を撮像した画像に基づいて行われるが、反射照明光を用いた検査の場合、基板101に対して、照明手段は配線パターン102が形成されている側に配置され、配線パターン102を撮像する撮像手段も同じ側にある。配線パターン102に照明光を照射すると、配線パターン102の表面に照射された照明光は、表面が平らであれば、照明光は反射され、撮像手段に入射する。配線パターン102以外の部分に照射された照明光は、基板101を透過または基板101に吸収され、撮像手段には入射しない。従って、撮像手段においては、配線パターン102の表面は明るく写り、基板101は暗く写る。
【0006】
図11(a)に示すように、配線パターン102の表面にピット103があると、そのピット103の部分に照射された照明光は、ピット103の中で反射を繰り返して弱まり、撮像手段に光は入射しない。そのため、ピット103が生じている部分は暗くなる。しかし、図11(b)に示すように、配線パターン102の表面に生じているものが突起104であっても、突起104に照射された照明光は、突起104の外壁(斜面)に反射され、撮像手段には光が入射しない。従って、突起104の部分も暗くなる。そのため、撮像手段には、ピット103の部分も突起104の部分も暗く表示され、両者の区別がつかない。このように、反射照明光による検査では、配線パターンの表面にピット103または突起104が生じている部分を検出することはできるが、ピット103と突起104の区別がつかない。前記したようにピット103は不良として検出しなければならないが、突起104の場合はその必要はない。仮に、配線パターン102の表面に暗い部分が生じているものを全てを不良とすると、本来不良でない突起104のある配線パターン102までも不良としてしまう可能性があり、生産性が低下する。
【0007】
一方、透過照明光による配線パターンの検査では、基板に対し、照明手段は配線パターンが形成されている側とは反対側に配置され、撮像手段は配線パターンが形成されている側に配置されている。そのため、配線パターンの表面は配線パターンの陰になり、ピット103の有無を検出することはできない。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、反射照明光と透過照明光を利用して、パターンの表面に生じているピットと突起とを区別し、ピットのみを不良として検出することのできるパターン検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、下記の手段を採用した。
第1の手段は、光透過性の基板上に形成されたパターンに照明光を照射し、該照明光が照射されている領域を撮像した画像に基づいて上記パターンの良否を判定するパターン検査装置において、上記基板上に形成されているパターン側から、中心光線が上記基板に対して略直交する照明光を照射する第1の照明手段と、上記基板上に形成されているパターン側とは反対側に、上記第1の照明手段により照明された領域を上記基板に対して法線方向に投影した領域外から、上記基板に対して照明光を照射する第2の照明手段と、上記基板に対して、上記第1の照明手段による照明光の照射方向と同方向に設けられた撮像手段と、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記基板に対し、上記第1の照明手段による照明と上記第2の照明手段による照明とを同時に行い、上記撮像手段は、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段により同時に照明されているパターンを撮像することを特徴とするパターン検査装置である。
第2の手段は、光透過性の基板上に形成されたパターンに照明光を照射し、該照明光が照射されている領域を撮像した画像に基づいて上記パターンの良否を判定するパターン検査方法において、上記基板上に形成されているパターン側から、中心光線が上記基板に対して略直交する照明光を照射する第1の照明手段による照明と、上記基板上に形成されているパターン側とは反対側に、上記第1の照明手段により照明された領域を上記基板に対して法線方向に投影した領域外から、上記基板に対して照明光を照射する第2の照明手段による照明とを同時に行い、上記基板に対して、上記第1の照明手段による照明光の照射方向と同方向に設けられた撮像手段により、上記基板のパターンを撮像し、撮像された画像に基づき、パターン表面のピットの有無を検出することを特徴とするパターン検査方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、反射照明光と透過照明光を利用して、パターンの表面に生じているピットと突起とを区別し、ピットのみを容易に不良として検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を図1ないし図10を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るパターン検査装置の全体構成を示すブロック図である。
同図において、1はポリイミド(樹脂)等からなるTABテープ等の光透過性の基板、2は基板1上に形成され銅等からなる配線パターン等のパターン、3は検査部、31は、基板1上のパターン2が形成されている側から照明光の光束の中心を通る中心光線が基板1の検査領域に対して略直交するように照射する反射照明手段(第1の照明手段)、311は光源、312はハーフミラー、32は、基板1上のパターン2が形成されている側とは反対側に、基板1上の第1の照明手段により照明される領域を、基板1に対して法線方向に投影した領域外から照明光を照射する2個の透過照明手段(第2の照明手段)、33は撮像手段、34はレンズ、4は制御部、5はテープ搬送機構、51は送り出しリール、52は巻き取りリール、53はマーカー部、6は検査領域である。ここで、検査領域6とは照明光が照射され、撮像手段33により撮像される領域とする。
【0012】
マーカー部53では、不良と判定されたパターン2に対しその部分が不良品であることを目視ですぐ確認できるようにパンチでの穿孔や、色塗り等のマークを施す。また、制御部4は、予めパターン検査の基準となる基準パターンが入力されており、撮像したパターン2と基準パターンとを比較し、製品の良否を判定するとともに、検査部3、マーカー部53、およびテープ搬送部5の動作を制御する。なお、基準パターンは、良品と判定されている実際のパターンを撮像した画像であってもよいし、CADデータを利用したものであってもよい。
【0013】
図2は、図1に示した検査部3の拡大図である。
同図において、透過照明手段(第2の照明手段)32の光源321は、TABテープの樹脂フィルムからなる基板1を透過し、パターン2で反射される波長を放射するものを適宜選択する。反射照明手段(第1の照明手段)31からの照明光は、複数個のLEDからなる光源311から出射し、レンズ313により収束され、その光の中心光線が基板1上の検査領域6に対して直交またはほぼ直交するように照射される。また、透過照明手段(第2の照明手段)32からの照明光は、複数個のLEDからなる光源321から出射し、基板1の裏側から検査領域6(即ち、第1の照明手段により照明される領域)に対し、斜めに入射するように照射される。
【0014】
撮像手段33は、上記照明光の波長に受光感度を有する、例えば、CCDラインセンサまたはエリアセンサが用いられ、TABテープからなる基板1に対して反射照明手段(第1の照明手段)31による照明光と同じ真上方向に設けられ、基板1上のパターン2からのパターン像を撮像する。また、撮像手段33の光入射側には、TABテープからなる基板1のパターン2の検査を行う領域を拡大して投影するレンズ34が設けられており、レンズ34は複数のレンズが組み合わされて鏡筒に収納されている。
【0015】
反射照明手段(第1の照明手段)31は、TABテープからなる基板1に対して照明光を照射する方向と、撮像手段33がパターン像を撮像する方向を一致させなければならない。そのため、ハーフミラー312を使用して、反射照明光がTABテープからなる基板1を照射する光路と、パターン2から反射されて撮像手段33に入射する光の光路とを一致させる。具体的には、反射照明手段(第1の照明手段)31からの光をハーフミラー312で90°折り返し、TABテープからなる基板1の真上から照射する。パターン2により反射された光はハーフミラー312を通過して撮像手段33に入射する。
【0016】
次に、本発明のパターン検査装置におけるピット検出の原理を図3を用いて説明する。
図3(a)はTABテープからなる基板1上に形成されたピット21と呼ばれるへこみ(穴)を有するパターン2を示す一部断面図、図3(b)はTABテープからなる基板1上に形成された突起22を有するパターン2を示す一部断面図である。なお、これらの図において、基板1に対するパターン2の大きさを極端に大きく示している。また、反射照明光と透過照明光は中心光線のみを示している。
【0017】
反射照明手段(第1の照明手段)31により、照明光をパターン2に対し真上から照明光の中心光線が基板1に対して直交またはほぼ直交するように照射すると、パターン2の表面が平らであれば、照明光は反射され、反射照明手段(第1の照明手段)31による照明光が照射される方向と同じ方向に設けられた撮像手段33に入射する。パターン2以外の部分に照射された照明光は、基板1を透過または基板1に吸収され、撮像手段33に入射しない。また、パターン2の表面にピット21や突起22があると、前記したようにその部分に照射された照明光は、撮像手段33には入射しない。
【0018】
しかし、これに基板1の反対側から、透過照明手段(第2の照明手段)32により、中心光線が基板1に対して斜め方向から入射する透過照明光を照射すると、図3(b)に示すように、表面に存在するものが突起22である場合は、透過照明光が突起22の斜面に反射して撮像手段33に入射し、突起22の部分は、表面が平らな場合と同様に明るく写るようになる。一方、図3(a)に示すように、表面に存在するものがピット21である場合は、透過照明光はそのまま通過して撮像手段33には入射せず、ピット21の部分は暗いままである。
【0019】
即ち、本パターン検査装置によれば、パターン2上に突起22がある場合は、撮像手段33には表面が平らな状態と同じように明るい画像が写し出され、パターン2上にピット21がある場合は撮像手段33には暗く写り、ピット21の存在のみを検出することができる。
【0020】
次に、図1および図2を用いてパターン検査装置の検査動作について説明する。
TABテープからなる基板1には同一の配線パターン2が複数連続して製作されており、制御部4は、テープ搬送部5を駆動し、検査部3にTABテープからなる基板1を搬送する。TABテープからなる基板1上の検査対象となる検査パターン2がテープ搬送部5により検査部3の所定位置まで搬送されてくると、その位置でTABテープからなる基板1は停止する。制御部4は、反射照明手段(第1の照明手段)31と透過照明手段(第2の照明手段)32のそれぞれの光源(LED)311、321を点灯し、検査を行う検査パターン2に対し、両照明手段31、32から同時に照明光を照射する。制御部4は、撮像手段33により、両照明手段31、32によって同時に照明されたパターン像を撮像する。制御部4は撮像された画像を記憶する。上記したように、検査パターン2の表面にピット21が存在する場合のみ、その部分は暗くなる。従って、基準パターンと比較して、暗い部分があれば、その部分はピット21が生じている部分であり、そのパターンは不良品と判定される。制御部4には、ピット21がある不良のパターン2の位置が記憶され、当該パターン2がテープ搬送部5によりマーカー部53に搬送されたとき、穿孔や色付け等のマーキングが行われる。検査パターン2の検査が終わると、テープ搬送機構5によりTABテープからなる基板1が搬送され、次の検査対象となる検査パターン2が検査部3の所定位置まで搬送される。
【0021】
図4は、TABテープからなる基板1に形成されたパターンを実際に撮像した画像を示す図である。なお、同図においては、パターン2が分かりやすいように、全て明暗が反転されており、暗い部分がパターン2であり、明るい部分が基板1である。
図4(a)は、本発明のパターン検査装置の場合であり、反射照明手段(第1の照明手段)31と透過照明手段(第2の照明手段)32からの照明光を同時に照射したパターン2を撮像手段33により撮像したパターン画像であり、図4(b)は、従来技術のパターン検査装置の場合であり、反射照明手段からの照明光のみを照射したパターン2を撮像手段33により撮像したパターン画像である。これらの図の上列は、パターン2の表面に突起22がある部分のパターン画像であり、下列は、パターン2の表面にピット21があるパターン画像である。反射照明光は、本発明のパターン検査装置も、従来技術のパターン検査装置も、パターン2に対し真上から照明光の中心光線が基板1の撮像した領域に対して直交またはほぼ直交するように照射し、透過照明光は、本発明のパターン検査装置では、中心光線が基板1の撮像した領域に対して斜めから入射するように照射している。撮像手段33は、反射照明光が照射される方向と同じ方向に設けられている。図4(b)の○印で示すように、反射照明光のみではピット21も突起22も同様に、パターン2の黒色に対して白色で検出され、ピット21と突起22を区別することができないことが分かる。それに対して、図4(a)の○印で示すように、基板1に対して反射照明光と透過照明光とを同時に照射した場合は、ピット21のみが白色で検出され、ピット21と突起22を区別し、ピット21のみを検出することができることが分かる。
【0022】
図5(a)、(b)は、それぞれ図2に示した反射照明手段(第1の照明手段)31と異なる反射照明手段(第1の照明手段)31の構成を示す図である。
図5(a)は、反射照明手段(第1の照明手段)31の光源311として1個のLEDを用いた場合であり、LEDから出射した光は、ハーフミラー312で90°折り返され、その光束の中心光線は基板1上の検査領域6に対してほぼ垂直に入射するように構成される。また、図5(b)は、反射照明手段(第1の照明手段)31の光源としてハロゲンランプ314を用い、ハロゲンランプ314から出射した光をミラー315で集光し導光ファイバ317の光入射端316から入射させ、導光ファイバ317内を導光させて、光出射端318から出射するように構成したものである。光出射端318から出射した光は、ハーフミラー312で90°折り返され、その光束の中心光線は基板1上の検査領域6に対してほぼ垂直に入射するように構成される。
【0023】
図6は、本発明のパターン検査装置の透過照明手段(第2の照明手段)32による照明光の基板1上の検査領域6への入射角度の適正範囲を説明するための図である。
同図において、透過照明光を検査領域6に入射する入射角度が20°以下の光のみとすると、パターン2表面の突起22には透過照明光が当たらなくなり、突起22が検出されてしまうことが分った。また、基板1の部分を通過した透過照明光が撮像手段33に入射するようになり、パターン2の表面で反射して撮像手段33に入射する反射照明光とのコントラストが悪くなり、パターン2の線幅の測定が困難になる。また、透過照明光を検査領域6に入射する入射角度が70°以上の光のみにすると、突起22に照射され反射された光が撮像手段33に入射しなくなり、入射角度が20°以下の場合と同様に突起22が検出されてしまう。また、パターン2の輪郭線がぼやけてしまう。これはパターン2の側壁で反射されて撮像手段33に入射する光の成分が増えるためと考えられる。従って、ピット21のみを検出するためには、透過照明光は20°〜70°の入射角度範囲で基板1の検査領域に入射する光が適していると考えられる。
ただし、透過照明光に20°〜70°の入射角度範囲の光が含まれていたとしても、入射角度が20°以下の光が含まれていると、上記のように、基板1の部分を通過した透過照明光が撮像手段に入射するので、パターン2の部分で反射して反射照明光とのコントラストが悪くなり、また、入射角度が70°以上の光が含まれていると、上記のように、パターン2の輪郭線がぼやけるので、パターン2の線幅の測定が困難となる。
【0024】
図7(a)は、図2に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す側面断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示した透過照明手段(第2の照明手段)32の基板1側から見た平面図である。
これらの図に示すように、この透過照明手段32は、光出射口325が形成された円形の箱体322の中に、照明光を出射する複数配列されたLEDからなる光源321を備える。箱体322の光出射口325には、円形および円環状の遮光板323が設けられ、遮光板323の基板1側には円形の集光レンズ324が設けられ、集光レンズ324の集光点に基板1が配置される。箱体322の光源(LED)321から出射した光は、遮光板323により遮光されていない部分の光が集光レンズ324により集光され、基板1のパターン2が形成された側とは反対側から検査領域6(即ち、第1の照明手段による照明光が照射される領域)に対して斜めに照射される。ここで、遮光板323の幅(箱体322の径方向の長さ)は、出射口225から出射した照明光が、検査領域6に対し、20°〜70°の角度範囲で入射するように調整されている。
【0025】
図8(a)は、図2および図7に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる他の透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)に示した透過照明手段(第2の照明手段)32の側面図、図8(c)は図8(a)に示した透過照明手段(第2の照明手段)32の正面図である。
これらの図に示すように、この透過照明手段(第2の照明手段)32は長方形の箱体322の中に、照明光を出射する複数配列されたLEDからなる光源321を備える。
【0026】
図9は、図8に示した透過照明手段(第2の照明手段)32を用いて基板1に形成されたパターン2を照明する構成を示す図である。
同図においては、図8の透過照明手段(第2の照明手段)32から出射した照明光の光束の中心光線は基板1の検査領域6(第1の照明手段により照明されている領域)以外のある位置に対してほぼ垂直に入射するように配置されている。このように配置したのでは照明光の利用効率が悪くなるが、検査領域6に対しては照明光が斜め方向から入射するので、先の図2や図7において述べた透過照明手段(第2の照明手段)32の場合と同様の効果を得ることができる。つまり、透過照明手段(第2の照明手段)32からの照明光は、基板1上の検査領域6(第1の照明手段により照明されている領域)を基板1にたいして法線方向に投影した領域外から照明され、検査領域6に対して照明光が斜め方向から入射し、法線方向からは強い光が入射しないことが重要である。なお、この透過照明手段(第2の照明手段)32は、図8に示した長方形の透過照明手段(第2の照明手段)32の長辺が基板1の幅方向(基板1が搬送される方向に対して直交する方向)に対応している。
【0027】
図10は、図2、図7および図8に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる他の透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す図である。
この透過照明手段(第2の照明手段)32は、ハロゲンランプ326を光源として利用したものであり、ハロゲンランプ326から放射された光はミラー327で集光されて光入射端328から導光ファイバ329に入射され、入射された光は2方向に分岐した導光ファイバ329内で導光される。分岐した導光ファイバ329の各出射側に設けられた複数の導光ファイバが長方形に束ねられた光出射部330から基板1上の検査領域6に対して照明光が斜め方向から入射される。この場合も、2個の光出射部330は、基板1上の検査領域6(第1の照明手段により照明されている領域)を基板1に対して法線方向に投影した領域外から、検査領域6に対して照明光が入射するように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るパターン検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した検査部3の拡大図である。
【図3】TABテープからなる基板1上に形成されたピット21と突起22有するパターン2を示す一部断面図である。
【図4】TABテープからなる基板1に形成されたパターン2を実際に撮像した画像を示す図である。
【図5】図2に示した反射照明手段(第1の照明手段)31と異なる反射照明手段(第1の照明手段)31の構成を示す図である。
【図6】透過照明手段(第2の照明手段)32による照明光の基板1上の検査領域6への入射角度の適正範囲を説明するための図である。
【図7】図2に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す側面断面図および平面図である。
【図8】図2および図7に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる他の透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す平面図、側面図、および正面図である。
【図9】図8に示した透過照明手段(第2の照明手段)32を用いて基板1に形成されたパターン2を照明する構成を示す図である。
【図10】図2、図7および図8に示した透過照明手段(第2の照明手段)32と異なる他の透過照明手段(第2の照明手段)32の構成を示す図である。
【図11】基板101上に形成されたピット103と呼ばれるへこみ(穴)や突起104を有する配線パターン102を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 TABテープ等の基板
2 配線パターン等のパターン
21 ピット
22 突起
3 検査部
31 反射照明手段(第1の照明手段)
311 光源
312 ハーフミラー
313 レンズ
314 ハロゲンランプ
315 ミラー
316 光入射端
317 導光ファイバ
318 光出射端
32 透過照明手段(第2の照明手段)
321 光源
322 箱体
323 遮光板
324 集光レンズ
325 光出射口
326 ハロゲンランプ
327 ミラー
328 光入射端
329 導光ファイバ
330 光出射部
33 撮像手段
34 レンズ
4 制御部
5 テープ搬送機構
51 送り出しリール
52 巻き取りリール
53 マーカー部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の基板上に形成されたパターンに照明光を照射し、該照明光が照射されている領域を撮像した画像に基づいて上記パターンの良否を判定するパターン検査装置において、
上記基板上に形成されているパターン側から、中心光線が上記基板に対して略直交する照明光を照射する第1の照明手段と、
上記基板上に形成されているパターン側とは反対側に、上記第1の照明手段により照明された領域を上記基板に対して法線方向に投影した領域外から、上記基板に対して照明光を照射する第2の照明手段と、
上記基板に対して、上記第1の照明手段による照明光の照射方向と同方向に設けられた撮像手段と、
上記第1の照明手段と上記第2の照明手段を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記基板に対し、上記第1の照明手段による照明と上記第2の照明手段による照明とを同時に行い、上記撮像手段は、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段により同時に照明されているパターンを撮像することを特徴とするパターン検査装置。
【請求項2】
光透過性の基板上に形成されたパターンに照明光を照射し、該照明光が照射されている領域を撮像した画像に基づいて上記パターンの良否を判定するパターン検査方法において、
上記基板上に形成されているパターン側から、中心光線が上記基板に対して略直交する照明光を照射する第1の照明手段による照明と、
上記基板上に形成されているパターン側とは反対側に、上記第1の照明手段により照明された領域を上記基板に対して法線方向に投影した領域外から、上記基板に対して照明光を照射する第2の照明手段による照明とを同時に行い、
上記基板に対して、上記第1の照明手段による照明光の照射方向と同方向に設けられた撮像手段により、上記基板のパターンを撮像し、
撮像された画像に基づき、パターン表面のピットの有無を検出することを特徴とするパターン検査方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−267851(P2008−267851A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107879(P2007−107879)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】