説明

パターン測定方法、パターン測定装置およびプログラム

【課題】パターンの寸法測定に際して寸法測定範囲(ROI)を自動的に設定する。
【解決手段】実パターンの輪郭ER1〜EDRの像と、実パターンの設計図形とのマッチングを実パターンの画像上で行い、設計図形の輪郭線ED1〜ED4に内接または外接する円CL1〜CL10を設計図形に当てはめ、円CL1〜CL10と輪郭線ED1〜ED4との接点を基準に寸法測定範囲(ROI)RA〜RH,RJ〜RQ,RS,RTを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン測定方法、パターン測定装置およびプログラムに関し、例えば半導体集積回路を形成するためのパターンの測定を対象とする。
【背景技術】
【0002】
近年、フォトリソグラフィ工程において、デザインルールの微細化に伴って高い精度の寸法測定が重要になっており、高精度の測定技術が求められている。例えばSEM(Scanning Electron Microscope)方式の現在の寸法測定装置では、測定すべき箇所を特定した後は、測定者の判断で測定範囲を特定し、測定箇所に近い位置でマッチングポイントを設定していた。このため、測定者の熟練度に応じてマッチングの精度にバラツキが発生し、結果として測定精度が悪くなるという問題が発生していた。
【0003】
また、測定に際して各測定箇所毎に測定レシピを作成していたので、付帯作業時間の増大に伴い、測定時間が長くなってしまう、という問題も発生していた。
【特許文献1】特開2002−162216号公報
【特許文献2】特開2003−016463号公報
【特許文献3】特開2003−100666号公報
【特許文献4】特開2006−107209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、測定範囲(ROI:Region Of Interest)を自動的に設定して高い精度でパターン寸法を測定するパターン測定方法、パターン測定装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0006】
即ち、本発明によれば、
測定対象であるパターンの画像を取得し、前記パターンの輪郭を検出する工程と、
検出された前記輪郭から前記パターンの輪郭像を作成し、前記パターンの設計図形と前記輪郭像とのマッチングを行う工程と、
前記設計図形の輪郭線に内接または外接する2つ以上の円を前記設計図形に当てはめ、前記円と前記輪郭線との接点を検出する工程と、
前記接点を基準に寸法測定範囲(ROI)を決定する工程と、
前記寸法測定範囲について前記パターンを測定する工程と、
を備えるパターン測定方法が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
測定対象であるパターンの画像データの入力を受けて前記パターンの輪郭を検出する輪郭検出手段と、
検出された前記輪郭から前記パターンの輪郭像を作成し、前記パターンの設計図形と前記輪郭像とのマッチングを行うパターンマッチング手段と、
前記設計図形の輪郭線に内接または外接する2つ以上の円を前記設計図形に当てはめ、前記円と前記輪郭線との接点を検出し、前記接点を基準に寸法測定範囲(ROI)を決定するROI設定手段と、
前記寸法測定範囲について前記パターンを測定する測定手段と、
を備えるパターン測定装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ROIを自動的に設定し、高い精度でパターン寸法を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
【0010】
(1)パターン測定装置
図1は、本発明にかかるパターン測定装置の実施の一形態の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態のパターン測定装置1は、輪郭検出部10と、マッチング部12と、ROI設定部14と、測定部16と、判定部18と、取り外し可能な記憶装置MR2,MR4とを備える。輪郭検出部10はマッチング部12に接続される。マッチング部12は、ROI設定部14および記憶装置MR2にも接続される。ROI設定部14は、測定部16にも接続され、測定部16は判定部18にも接続される。判定部18は記憶装置MR4にも接続される。
【0011】
記憶装置MR2は、例えばウェーハ上に作成された、測定対象であるパターン(以下、単に「実パターン」という)の設計データを格納する。本実施形態では設計データとしてGDSデータを用いる。また、記憶装置MR4は、実パターンの公差データなど、各実パターンの要求仕様に応じて良否判定基準データを格納する。設計データおよび良否判定基準データは、特に記憶装置MR2,MR4に個別に格納される必要はなく、例えば同一の記憶装置の異なる記憶領域にそれぞれ格納しても良いし、また、図示しない通信手段を介して有線または無線にて測定の都度パターン測定装置1に供給することとしても良い。
【0012】
輪郭検出部10は、図示しない撮像装置から、実パターンの画像データの入力を受け、その輪郭を検出する。撮像装置には、光学的顕微鏡の他、デジタルカメラやスキャナ等の一般的な光学機器も含まれるが、高精度でパターンの寸法を測定するためにはCD(Critical Dimension)SEM等の電子顕微鏡が望ましい。以下では、測定対象パターンの画像としてCDSEMから取得したSEM画像を取り上げて説明する。
【0013】
図2は、SEM画像の一例を示す図である。同図に示す画像Img2は、T字型のパターン、ライン部の頂点に突出部が設けられたL字型パターン、および屈折したパターンを含む二次元パターンを50K倍(512pixel)で撮像したSEM画像である。画像Img2中、連続して白く光る点の集合が輪郭ERである。
【0014】
マッチング部12は、実パターンに対応するGDSデータを記憶装置MR2から取り出し、輪郭検出部10から供給された画像に対して、実パターンの輪郭像と設計図形の輪郭線とのマッチングを実行する。
【0015】
図3は、図2に示す画像Img2に対して実パターンと設計図形とのマッチングを行った一例を示す。図3の画像Img4から、実パターンの輪郭ERにそれぞれ近接するように設計図形の輪郭線EDが配置されていることが分かる。
【0016】
図1に戻り、ROI設定部14は、マッチング部12によりマッチングが実行された、実パターンおよび設計図形の画像に対し、後述する図形処理によりROIを自動的に決定する。測定部16は、ROI設定部14により決定されたROIについて実パターンの測定を実行する。さらに、判定部18は、記憶装置MR4から良否判定基準データを取り出し、測定部16から与えられた測定結果に基づいて実パターンの良否判定を行い、判定結果を出力する。
【0017】
次に、図1に示すパターン測定装置を用いたパターン測定方法について、本発明にかかるパターン測定方法の実施の一形態として図4乃至図8を参照しながら説明する。
【0018】
(2)パターン測定方法
本発明にかかるパターン測定方法の実施の一形態の概略手順を図4のフロー図に示す。
【0019】
まず、実パターンの画像、例えばSEM画像を取り込み、輪郭抽出部10により実パターンの輪郭を検出する(ステップS1)。ここで、本実施形態によるパターン測定方法の精度の高さから実パターンとしてプロセス余裕度が少ない同一平面形状の複数のパターンを測定対象とすることができる。ここで、プロセス余裕度が少ないパターンとは、例えばリソグラフィマージンおよび加工マージン(DOF、Dose Margin、Focus Margin、Etching変換差、膜の材質によるレジストすそ引き、限界解像度、光学照明条件(NA、σ、ε)、等が他のパターンと比較して少ないパターンをいう。
【0020】
以下の説明では、図2に示したパターンと同様に、T字型パターン、L字型パターンおよび屈折部を有するパターン(以下、「屈折パターンという」)を含む残しパターンとしての二次元パターンを取り上げる。
【0021】
次に、マッチング部12により、同一画像上で、実パターンの輪郭像と設計図形とのマッチングを行う(ステップS2)。
【0022】
続いて、マッチングがなされた画像上に、ROI設定部14によりROIを決定する(ステップS3〜S5)。この一連の手順について図5乃至図7を参照して詳述する。
【0023】
まず、設計図形の輪郭線に内接または外接する円を設計図形に当てはめる(ステップS3)。この手順により内接円および外接円の当てはめを行った例を図5に示す。同図には、実パターンの輪郭像と設計図形とのマッチングが行われた画像Img6において、紙面左側から順に、L字パターンPL1、屈折パターンPD1、L字パターンPL2およびT字パターンPT1が示され、円CL1〜CL10がこれらのパターンの設計図形に当てはめられている。
【0024】
円CL1はL字パターンPL1の輪郭線ED1のうち突出部の輪郭線に内接し、円CL2はL字パターンPL1のライン部の紙面右側の輪郭線と突出部の輪郭線とに外接している。円CL3は、屈折パターンPD1の輪郭線ED2のうち下方ライン部の紙面左側の輪郭線と屈折部の輪郭線とに外接し、円CL4は屈折パターンPD1の屈折部の輪郭線に内接し、さらに、円CL5は屈折パターンPD1の上方ライン部の紙面右側の輪郭線と屈折部の輪郭線とに外接している。また、円CL7はL字パターンPL2の輪郭線ED3のうち突出部の輪郭線に内接し、円CL6はL字パターンPL1のライン部の紙面左側の輪郭線と突出部の輪郭線とに外接している。さらに、円CL8はT字パターンPT1の輪郭線ED4のうち突起部の輪郭線に内接し、円CL9はT字パターンPT1の突起部の輪郭線と上方ライン部の紙面右側の輪郭線とに外接し、さらに、円CL10はT字パターンPT1の突起部の輪郭線と下方ライン部の紙面右側の輪郭線とに外接している。
【0025】
本実施形態において、円の直径は、実パターンの撮像装置の光学定数で特定する。より具体的には、円の直径Rは、次式
R=α(NA)/λ
で規定される。ここで、NAは撮像装置の開口数であり、λ(nm)はエネルギー線、例えばSEMであれば電子線の波長であり、光学顕微鏡であれば、光の波長をいう。また、αは実験値から求めた係数である。
【0026】
次に、当てはめられた円と輪郭線との接点を検出し(図4、ステップS4)、検出された接点を基準にROIを決定する(ステップS5)。
図5に示す円CL1〜CL10と輪郭線ED1〜ED4との接点を基準に決定されたROIRA〜RH,RJ〜RQ,RS,RTを図5に併せて示す。
【0027】
円と輪郭線との接点を基準にROIを決定する方法について図6および図7を参照してより具体的に説明する。
図6は図5のL字パターンPL1を拡大して示したものである。同図において、円CL1と輪郭線ED1との接点を紙面左側から時計回りに符号a,b,cで示し、また、円CL2と輪郭線ED1との接点を符号d1で示す。なお、符号w,zは輪郭線ED1の画像Img6の境界線上の点である。
【0028】
ROIRAは、線分a−wを中心線として幅2L1の長方形を作成することにより決定される。同様に、ROIRCは、線分d1−zを中心線として幅2L1の長方形を作成することにより決定される。ここで、L1の長さは任意の値であるが、デザインルールで決まる値を選択することが好ましい。なお、図6ではROIRAおよびRCが線分a−w,d1−zに対して非対称に作図されているが、これは理解を容易にするために縮尺を調整したものであり、実際にはそれぞれ線分a−w,d1−zに対して対称形である。この点は図5における他の矩形ROIRE〜RH,RK,RL,RQ,RS,RTについても同様である。
【0029】
ROIRBは、円CL1の中心CO1を起点として接点bを通る線分VL1を垂線とする三角形T1−CO1−T2を作成することにより決定される。三角形T1−CO1−T2の∠T1−CO1−T2の角度2r1は任意に設定できる値である。
【0030】
ROIRW1は、輪郭線ED1の中心線MLについて点d1と線対称である点d2を特定し、2L2の幅を有するように、線MLを中心にして矩形d1−z−w−d2を紙面の左右(x方向)に拡張することにより決定される。L2の長さも任意の値でよいが、デザインルールで決まる値を選択することが好ましい。
【0031】
図7は図5の屈折パターンPD1およびL字パターンPL2を拡大して示したものである。L字パターンPL2については突出部の輪郭線に3点で接するように円を当てはめることができるが、屈折パターンPD1については円CL4の中心位置中心CO4を紙面上下方向(y方向)のいずれかで定める必要がある。ここでは円CL4の中心CO4は屈折パターンPD1の重心と一致するように配置される。なお、本実施形態では真円を用いるために屈折パターンPD1の重心に真円の中心を配置したが、真円に限ることなく楕円を用いることもでき、この場合は重心位置を求めるための計算が不要となる。
【0032】
ROIRJは、2つの真円CL4およびCL7の中心CO4およびCO7を結ぶ線分DL1を対角線とする菱形RA1−CO4−RA2−CO7を作成することにより決定される。その場合の∠RA1−CO4−RA2の角度2r2および∠RA2−CO7−RA1の角度2r3も任意に設定できる値である。
【0033】
以上のように決定されたROIについて測定部16(図1参照)により各実パターンを測定する(図4、ステップS6)。
【0034】
図6の長方形ROIRAおよびRCについては、設計図形の輪郭線ED1と実パターンの輪郭像ER1との差分を測定することにより、実パターンの設計値からのずれ量を測定する。また、三角形ROIRBについては、角度2r1で規定される∠T1−CO1−T2の範囲内で設計図形の輪郭線ED1と実パターンの輪郭像ER1との差分を測定することにより、実パターンの設計値からのずれ量を測定する。さらに、図6の長方形ROIRW1については、パターンPL1のライン部における輪郭像ER1の幅を計測する。
【0035】
また、図7の菱形ROIRJについては、角度2r2で規定される∠RA1−CO4−RA2の範囲で設計図形の輪郭線ED2と実パターンの輪郭像ER2との差分を測定することにより、実パターンの設計値からのずれ量を測定する。同様にして、角度2r3で規定される∠RA2−CO7−RA1の範囲で設計図形の輪郭線ED3と実パターンの輪郭像ER3との差分を測定することにより、実パターンの設計値からのずれ量を測定する。
【0036】
さらに、図7の菱形ROIRJを用いることにより、実パターンPD1と実パターンPL2との間で最も近接する箇所の距離D23を測定することができる。
【0037】
測定項目としては、上述したずれ量および輪郭像間の距離の他、設計値を基準としたCD値(=Δ(CD値−GDS基準値)の平均値)、σ値、Max値およびMin値などがある。
【0038】
最後に、判定部18(図1参照)により各実パターンの良否を判定する(図4、ステップS7)。より具体的には、各ROI毎に、設計値に対する許容範囲を予め設けておき、各計測結果がそれぞれの許容範囲に収まるかどうかにより良否を判定し、判定結果を出力する。
【0039】
本実施形態によれば、測定者の熟練度に依存することなくROIを自動設定して寸法データを出力するので、チップ内に限ることなく、ショット内、ショット間、ウェーハ間およびロット間での寸法測定の精度が向上する上、付帯作業時間や測定時間を大幅に短縮することが可能になる。
【0040】
(3)プログラム
上述したパターン測定方法における一連の手順は、プログラムに組み込んで、画像処理可能なコンピュータに読込ませて実行させても良い。これにより、本発明にかかるパターン測定方法における一連の手順を、専用機でなく汎用のコンピュータを用いて実現することができる。このような汎用コンピュータは、シミュレーション(DRC、LRC)装置、高速のパターン検証装置のほか、Die to Database比較装置、Die to Die比較装置に組み込まれたコンピュータを含む。また、上述したパターン測定方法の一連の手順をコンピュータに実行させるプログラムとしてフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0041】
また、上述したパターン測定方法の一連の手順を組込んだプログラムをインターネット等の通信回線(無線通信を含む)を介して頒布しても良い。さらに、上述したパターン測定方法の一連の手順を組込んだプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、または記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0042】
(4)半導体装置の製造方法
上述したパターン測定方法による実パターンの良否判定結果に従って、マスクパターン、プロセスパラメータおよびプロセス条件の少なくとも一つについて見直しを行うことにより、製品の要求仕様に応じて最適のOPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)またはPPC(Process Proximity Correction:プロセス近接効果補正)を行うことができるので、半導体装置の製造におけるスループットおよび歩留まりを高めることができる。ここで、プロセスパラメータには、例えば、露光波長、露光装置のレンズの開口数(NA)、露光装置の照明形状(σ、ε)、マスクの位相・透過率、および現像・レジストプロセス等のパラメータが含まれる。また、プロセス条件は、露光装置の照明形状および照明強度、偏光度、収差量、瞳透過率分布、レジスト中の酸の拡散長、現像、エッチング、マスク寸法ばらつき、Focus値、Dose値、のうちすくなくとも1つ以上を含む。
【0043】
以上、本発明の実施の形態のいくつかについて説明したが、本発明は上記形態に限られるものでは決してなく、その技術的範囲を逸脱することなく適宜変形または修正することができる。上述した実施形態では、抜きパターンを測定対象の実パターンに取り上げて説明したが、これに限ることなく、残しパターンに本発明を適用することも勿論可能である。また、プロセス余裕度が少ないパターンとして、T字型パターン、L字型パターンおよび屈折パターンを含む二次元パターンを取り上げて説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば単なる一次元パターンの他、様々な二次元パターン(囲まれパターン、背合せパターン、島パターン、狭スペースパターン、ショートニングパターン、内端差計測パターン、・プリィミィティブセルパターン(ランダムロジックパターン)、SRAMパターン、DRAMパターン、アナログパターン、IOセルパターン、機能IPブロックパターン(MPU))等にも適用可能であることは勿論である。図5に示すパターン以外の二次元パターンの具体例を図8に示す。同図の(a)乃至(e)の斜線を施した部分がパターンであり、それぞれ、狭小スペースパターン、囲まれパターン、背合わせパターン、島パターンおよび内端差計測パターンの一例を示す。なお、内端差計測パターンでは、パターンの内側と外側を計測する。そのROIの具体例を図8(e)中の楕円に示す。
【0044】
特許請求の範囲に記載された発明の他、上述した実施の形態から、以下の付記に示された発明が導かれる。
【0045】
(付記1)
測定対象であるパターンの画像を取得し、前記パターンの輪郭を検出する工程と、
検出された前記輪郭から前記パターンの輪郭像を作成し、前記パターンの設計図形と前記輪郭像とのマッチングを行う工程と、
前記設計図形の輪郭線に内接または外接する2つ以上の円を前記設計図形に当てはめ、前記円と前記輪郭線との接点を検出する工程と、
前記接点を基準に寸法測定範囲(ROI:Region Of Interest)を決定する工程と、
前記寸法測定範囲について前記パターンを測定する工程と、
前記パターンの測定結果に基づいて前記作成されたパターンが前記パターンの要求仕様を満たすかどうかを判定する工程と、
を備えるパターン検証方法。
【0046】
(付記2)
付記1に記載のパターン検証方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【0047】
(付記3)
付記1に記載のパターン検証方法により要求仕様を満たさないと判定された場合に、マスクパターン、プロセスパラメータおよびプロセス条件の少なくともいずれかを修正する工程を備える半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかるパターン測定装置の実施の一形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】測定対象である複数の実パターンの画像の一例を示す図である。
【図3】図2に示す実パターンとその設計図形とのマッチングの例を示す図である。
【図4】本発明にかかるパターン測定方法の実施の一形態の概略手順を示すフロー図である。
【図5】図4に示すパターン測定方法におけるROI決定方法を説明する図である。
【図6】L字パターンについてのROI決定方法を説明する図である。
【図7】隣り合うパターン同士で近接する箇所を測定するためのROI決定方法を説明する図である。
【図8】プロセス余裕度が少ないパターンの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1:パターン測定装置
10:輪郭検出部
12:マッチング部
14:ROI設定部
16:測定部
18:判定部
ED,ED1〜ED4:設計パターンの輪郭線
ER,ER1〜EDR:実パターンの輪郭
DL1:対角線
MR2,MR4:メモリ
RA〜RH,RJ〜RQ,RS,RT:寸法測定範囲(ROI)
CL1〜CL10:内接円または外接円
PL1,PL2:L字パターン
PD1:屈折パターン
PT1:T字パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象であるパターンの画像を取得し、前記パターンの輪郭を検出する工程と、
検出された前記輪郭から前記パターンの輪郭像を作成し、前記パターンの設計図形と前記輪郭像とのマッチングを行う工程と、
前記設計図形の輪郭線に内接または外接する2つ以上の円を前記設計図形に当てはめ、前記円と前記輪郭線との接点を検出する工程と、
前記接点を基準に寸法測定範囲(ROI)を決定する工程と、
前記寸法測定範囲について前記パターンを測定する工程と、
を備えるパターン測定方法。
【請求項2】
前記画像は、屈折部と突き出し部をそれぞれが有する、互いに隣り合う2つのパターンを含み、
前記円は、前記屈折部と前記突き出し部にそれぞれ当てはめられ、
前記寸法測定範囲は、前記屈折部の円の中心点と前記突き出し部の円の中心点とを結ぶ線分を対角線とする矩形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパターン測定方法。
【請求項3】
前記円は、前記画像が撮像された装置の光学定数で直径が特定される真円を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のパターン測定方法。
【請求項4】
測定対象であるパターンの画像データの入力を受けて前記パターンの輪郭を検出する輪郭検出手段と、
検出された前記輪郭から前記パターンの輪郭像を作成し、前記パターンの設計図形と前記輪郭像とのマッチングを行うパターンマッチング手段と、
前記設計図形の輪郭線に内接または外接する2つ以上の円を前記設計図形に当てはめ、前記円と前記輪郭線との接点を検出し、前記接点を基準に寸法測定範囲(ROI)を決定するROI設定手段と、
前記寸法測定範囲について前記パターンを測定する測定手段と、
を備えるパターン測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のパターン測定方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−235575(P2008−235575A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73098(P2007−73098)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】