説明

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法

【課題】 コンデンサを高密度で内蔵し、不良品発生率が低いプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 コア基板30に、広く凹部32を形成し、複数個のコンデンサ20を収容することにより、コンデンサ20を高密度で内蔵できる。更に、凹部32内にあるコンデンサ20の高さが揃うため、樹脂層を均一の厚みにでき、不良品発生率を下げることが可能となる。また、メタライズからなる電極21、22の表面に導電性ペースト26が塗布されているため、電極21、22の表面をフラットにでき、バイアホール60との接続性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ICチップなどの電子部品を載置するプリント基板に関し、特にコンデンサを内蔵するプリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、パッケージ基板用のプリント配線板では、ICチップへの電源供給を容易ならしめるため、チップコンデンサを表面実装することがある。
【0003】チップコンデンサとICチップとの間のリアクタンス分は周波数に依存するため、ICチップの駆動周波数の増加に伴い、チップコンデンサを表面実装させても、十分な動作を行い得なくなった。本出願人は上述した課題を解決するために、特願平11−248311号にて、プリント配線板にコンデンサを内蔵させる技術を提案した。また、コンデンサを基板に埋め込む技術としては、特開平6−326472号、特開平7−263619号、特開平10−256429号、特開平11−45955号、特開平11−126978号、特開平11−312868号等がある。
【0004】特開平6−326472号には、ガラスエポキシからなる樹脂基板に、コンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源ノイズを低減し、かつ、チップコンデンサを実装するスペースが不要になり、絶縁性基板を小型化できる。また、特開平7−263619号には、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源層及び接地層の間に接続することで、配線長を短くし、配線のインダクタンスを低減している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した特開平6−326472号、特開平7−263619号は、ICチップからコンデンサの距離をあまり短くできず、ICチップの更なる高周波数領域においては、現在必要とされるようにインダクタンスを低減することができなかった。特に、樹脂製の多層ビルドアップ配線板においては、セラミックから成るコンデンサと、樹脂からなるコア基板及び層間樹脂絶縁層の熱膨張率の違いから、チップコンデンサの端子とバイアホールとの間に断線、チップコンデンサと層間樹脂絶縁層との間で剥離、層間樹脂絶縁層にクラックが発生し、長期に渡り高い信頼性を達成することができなかった。
【0006】また、特願平11−248311号の発明では、一個のコンデンサごとに凹部を形成しているため、ザグリ加工の精度が低い場合では、正確に凹部の形成ができず、コンデンサが正確な位置で凹部に入らないことがあった。また、凹部の深さがコンデンサの高さよりも小さくなって、コンデンサが凹部からはみ出してしまうことがあった。そのため、コア基板を平滑にすることができず、コア基板の上に層間樹脂絶縁層および配線を形成してプリント配線板を製造しても、断線が生じ易く不良品発生率が高くなることが判明した。更に、コンデンサの実装密度を高めることが困難であった。
【0007】本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コンデンサを高い密度で内蔵し、不良品発生率が低いプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した問題を達成するため、請求項1の発明では、コア基板に樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、前記コア基板内に、凹部を形成し、前記凹部の中に複数個のコンデンサを収容させており、前記コンデンサのメタライズからなる電極の表面には、導電性ペーストが塗布されていることを技術的特徴とする。
【0009】請求項1では、コア基板に広く凹部を形成し、複数個のコンデンサを凹部に収容する。そのため、確実に複数個のコンデンサを、コア基板内へ配設することが可能となる。凹部内に密集させてコンデンサを配置できるため、コンデンサの実装密度を高めることができる。また、凹部内に複数個のコンデンサを載置するため、複数個のコンデンサの高さが揃うので、コア基板上に形成する樹脂層を均一の厚みにでき、バイアホールの形成が安定する。また、凹部が広く形成されているため、コンデンサの位置決めが正確にできる。よって、コア基板の上に層間樹脂絶縁層および導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。
【0010】凹部内には、樹脂を充填させることが望ましい。コンデンサ、コア基板間の空隙をなくすことによって、内蔵されたコンデンサが、挙動することが小さくなるし、コンデンサを起点とする応力が発生したとしても、該充填された樹脂により緩和することができる。また、該樹脂には、コンデンサとコア基板との接着やマイグレーションの低下させるという効果も有する。
【0011】また、コンデンサのメタライズからなる電極の表面に導電性ペーストが塗布されているため、表面が完全にフラットになる。このため、樹脂層にレーザで開口を穿設した際に、電極の表面に樹脂が残ることが無くなり、該電極とめっきによるバイアホールとの接続信頼性を高めることができる。
【0012】請求項2では、コンデンサの電極の導電性ペースト上に金属層を設けてあるため、電極でのマイグレーションの発生を防止することができ、また、接続抵抗を更に低減することができる。
【0013】請求項3では、コンデンサの表面に、粗化処理を施す。これにより、セラミックからなるチップコンデンサと樹脂からなる接続層、層間樹脂絶縁層との密着性が高くなり、ヒートサイクル試験を実施しても界面での接続層、層間樹脂絶縁層の剥離が発生することがない。
【0014】請求項4では、コンデンサの表面に、シランカップリング、樹脂被膜の塗布等の濡れ性改善処理を施す。これにより、セラミックからなるチップコンデンサと接続層、層間樹脂絶縁層との密着性が高くなり、ヒートサイクル試験を実施しても界面での接続層、層間樹脂絶縁層の剥離が発生することがない。
【0015】請求項5の発明では、凹部内のコンデンサ間に、樹脂を充填するため、コンデンサを凹部内で位置決めして固定することが可能となる。樹脂の熱膨張率を、コア基板よりも小さく、即ち、セラミックからなるコンデンサに近いように設定してある。このため、ヒートサイクル試験において、コア基板とコンデンサとの間に熱膨張率差から内応力が発生しても、コア基板にクラック、剥離等が生じ難く、高い信頼性を達成できる。また、マイグレーションを発生しなくなるため、コンデンサとの接続が安定する。
【0016】請求項6の発明では、コンデンサ間の樹脂層にスルーホールを形成するため、コンデンサを信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しない。
【0017】また、スルーホールによって表裏の電気的接続を取ることができ、コンデンサの下部にも、ビルドアップ層を介して配線を配設することができ、コンデンサのピンやBGAを配設させることができる。
【0018】請求項7では、基板内に収容したコンデンサに加えて表面にコンデンサを配設してある。プリント配線板内にコンデンサが収容してあるために、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減し、瞬時に電源を供給することができ、一方、プリント配線板の表面にもコンデンサが配設してあるので、大容量のコンデンサを取り付けることができ、ICチップに大電力を容易に供給することが可能となる。
【0019】請求項8では、表面のコンデンサの静電容量は、内層のコンデンサの静電容量以上であるため、高周波領域における電源供給の不足がなく、所望のICチップの動作が確保される。
【0020】請求項9では、表面のコンデンサのインダクタンスは、内層のコンデンサのインダクタンス以上であるため、高周波領域における電源供給の不足がなく、所望のICチップの動作が確保される。
【0021】請求項10では、外縁の内側に電極の形成されたチップコンデンサを用いるため、バイアホールを経て導通を取っても外部電極が大きく取れ、アライメントの許容範囲が広がるために、接続不良がなくなる。
【0022】請求項11では、マトリクス状に電極が形成されたコンデンサを用いるので、大判のチップコンデンサをコア基板に収容することが容易になる。そのため、静電容量を大きくできるので、電気的な問題を解決することができる。さらに、種々の熱履歴などを経てもプリント配線板に反りが発生し難くなる。
【0023】請求項12では、コンデンサに多数個取り用のチップコンデンサを複数連結させてもよい。それによって、静電容量を適宜調整することができ、適切にICチップを動作させることができる。
【0024】請求項13の発明では、少なくとも以下(a)〜(c)の工程を備えることを技術的特徴とするプリント配線板の製造方法にある:(a)コア基板に、凹部を形成する工程;
(b)前記凹部の中に複数個のメタライズ電極の上に導電性ペーストを塗布したコンデンサを載置する工程;
(c)前記コンデンサ間に、樹脂を充填する工程。
【0025】請求項13では、コア基板に広く凹部を形成するため、複数個のコンデンサを確実に、コア基板内へ配設することが可能となる。さらに、凹部内に複数個のコンデンサを載置するため、複数個のコンデンサの高さが揃うので、コア基板を平滑にすることができる。また、凹部が広く形成されているため、コンデンサの位置決めが正確にできる。よって、コア基板の平滑性が損なわれず、コア基板の上に層間樹脂絶縁層および導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。また、コンデンサ間に樹脂を充填するため、コンデンサを凹部内で位置決めして固定することが可能となる。
【0026】また、コンデンサの電極の表面に導電性ペーストを塗布してあるため、表面が完全にフラットになる。このため、樹脂層にレーザで開口を穿設した際に、電極の表面に樹脂が残ることが無くなり、該電極とめっきによるバイアホールとの接続信頼性を高めることができる。
【0027】請求項14の発明では、凹部内の複数個のコンデンサの上面に圧力を加える、もしくは叩くことによりコンデンサの上面の高さを揃えている。それにより、凹部内にコンデンサを配設した際に、複数個のコンデンサの大きさに、ばらつきがあっても高さを揃えることができ、コア基板を平滑にすることができる。よって、コア基板の平滑性が損なわれず、上層の層間樹脂絶縁層および導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。
【0028】請求項15の発明では、コンデンサ間の樹脂層にスルーホールを形成するため、コンデンサを信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しない。また、スルーホールによって表裏の電気的接続を取ることができ、コンデンサの下部にも、ビルドアップ層を介して配線を配設することができ、コンデンサのピンやBGAを配設させることができる。
【0029】請求項16の発明では、少なくとも以下(a)〜(d)の工程を備えることを技術的特徴とするプリント配線板の製造方法にある:(a)心材となる樹脂を含有させてなる樹脂材料に通孔を形成する工程;
(b)前記通孔を形成した樹脂材料に、樹脂材料を貼り付けて、凹部を有するコア基板を形成する工程;
(c)前記コア基板の凹部に複数個のメタライズ電極の上に導電性ペーストを塗布したコンデンサを載置する工程;
(d)前記コンデンサ間に、樹脂を充填する工程。
【0030】請求項16では、コア基板に広く凹部を形成するため、複数個のコンデンサを確実にコア基板内へ配設することが可能となる。さらに、凹部内に複数個のコンデンサを載置するため、複数個のコンデンサの高さが揃うので、コア基板を平滑にすることができる。また、凹部が広く形成されているため、コンデンサの位置決めが正確にできる。よって、コア基板の上に層間樹脂絶縁層および導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。また、コンデンサ間に樹脂を充填するため、コンデンサを凹部内で位置決めして固定することが可能となる。
【0031】また、コンデンサの電極の表面に導電性ペーストを塗布してあるため、表面が完全にフラットになる。このため、樹脂層にレーザで開口を穿設した際に、電極の表面に樹脂が残ることが無くなり、該電極とめっきによるバイアホールとの接続信頼性を高めることができる。
【0032】請求項17の発明では、凹部内の複数個のコンデンサの上面を上から押す、もしくは叩くことによりコンデンサの上面の高さを揃えている。それにより、凹部内にコンデンサを配設した際に、複数個のコンデンサの大きさに、ばらつきがあっても高さを揃えることができる。よって、平滑性が損なわれず、コア基板の上に層間樹脂絶縁層および導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。
【0033】請求項18の発明では、コンデンサ間の樹脂層にスルーホールを形成するため、コンデンサを信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しない。また、スルーホールによって表裏の電気的接続を取ることができ、コンデンサの下部にも、ビルドアップ層を介して配線を配設することができ、コンデンサのピンやBGAを配役させることができる。
【0034】本発明のにおいて層間樹脂絶縁層、接続層として使用する樹脂フィルムは、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものである。なお、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」という語は、同一の酸または酸化剤からなる溶液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」と呼び、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0035】上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0036】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0037】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、本発明において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0038】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されない。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0039】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸塩でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0040】上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0041】上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0042】上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0043】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0044】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることにより、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成することできる。これらのなかでは、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それにより、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗化面の形状を保持することができるからである。
【0045】上記難溶性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらには、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0046】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0047】本発明で用いる樹脂フィルムにおいて、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィルムにバイアホールやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することができるからである。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0048】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0049】上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子、上記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0050】上記硬化剤の含有量は、樹脂フィルムに対して0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、樹脂フィルムの硬化が不十分であるため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を招いたりしてしまうことがある。
【0051】上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上などを図りプリント配線板の性能を向上させることができる。
【0052】また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。先ず、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の構成について、図7、図8を参照して説明する。図7は、プリント配線板10の断面を示し、図8は、図7に示すプリント配線板10にICチップ90を搭載し、ドータボード94側へ取り付けた状態を示している。
【0054】図7に示すように、プリント配線板10は、複数個のチップコンデンサ20を収容するコア基板30と、ビルドアップ配線層80A、80Bとからなる。ビルドアップ配線層80A、ビルドアップ配線層80Bは、層間樹脂絶縁層50、150からなる。層間樹脂絶縁層50には、バイアホール160及び導体回路158が形成され、層間樹脂絶縁層150には、バイアホール260及び導体回路258が形成されている。層間樹脂絶縁層150の上には、ソルダーレジスト層70が配設されている。
【0055】チップコンデンサ20は、図9(A)に示すように第1電極21と第2電極22と、第1、第2電極に挟まれた誘電体23とから成り、誘電体23には、第1電極21側に接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25とが複数枚対向配置されている。第1電極21と第2電極22の表面には、導電性ペースト26を被覆させてある。
【0056】ここで、第1電極21及び第2電極22は、Ni、Pb、又はAg金属のメタライズからなる。導電性ペースト26は、Cu、Ni又はAg等の金属粒子を含むペーストからなる。ここで、金属粒子の粒径は、0.1〜10μmが望ましく、特に、1〜5μmが最適である。導電性ペーストとしては、金属粒子に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を加えた有機系導電性ペーストが望ましい。この導電性ペースト26の厚みは、1〜30μmが望ましい。1μm未満では、電極表面の凹凸を無くすことができず、一方、30μmを越えても、特に効果が向上しないからである。ここで、5〜20μmの厚みが最も望ましい。なお、2種類以上の径の異なる粒子を配合したペーストを用いることもでき、更に、2種類以上の径の異なる金属ペーストを被覆することも可能である。
【0057】チップコンデンサの電極21,22は、メタライズからなり表面に凹凸がある。このため、金属層を剥き出した状態で用いると、樹脂絶縁層40にレーザでバイアホール用開口48を穿設する工程において、該凹凸に樹脂が残ることがある。この際には、当該樹脂残さにより第1、第2電極21,22とバイアホール60との接続不良が発生する。本実施形態においては、導電性ペースト26によって第1、第2電極21,22の表面が平滑になり、電極上に被覆されたバイアホール用開口48を穿設した際に、樹脂残さが残らず、バイアホール60を形成した際の電極21,22との接続信頼性を高めることができる。
【0058】更に、チップコンデンサ20のセラミックから成る誘電体23の表面には粗化層23aが設けられている。このため、セラミックから成るチップコンデンサ20と樹脂からなる接着材料34及び樹脂絶縁層40との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での樹脂からなる接着材料34及び樹脂絶縁層40の剥離が発生することがない。この粗化層23aは、焼成後に、チップコンデンサ20の表面を研磨することにより、また、焼成前に、粗化処理を施すことにより形成できる。
【0059】図8に示すように上側のビルドアップ配線層80Aのバイアホール260には、ICチップ90のパッド92へ接続するための半田バンプ76Uが形成されている。一方、下側のビルドアップ配線層80Bのバイアホール260には、ドータボード94のパッド95へ接続するための半田バンプ76Dが形成されている。また、コア基板30には、スルーホール46が形成されている。
【0060】本実施形態のプリント配線板10では、広く凹部32を形成してあるため、ザグリ加工の精度が低くても確実に、複数個のチップコンデンサ20を、基板に配設することが可能となる。凹部32内に密集させてチップコンデンサ20を配置できるため、コンデンサの実装密度を高めることができる。また、凹部32内の複数個のチップコンデンサ20の高さが揃っているので、後述するようにコア基板上に形成する樹脂層を均一の厚みにでき、バイアホールの形成が安定する。よって、コア基板30上に層間樹脂絶縁層50、150および導体回路158、258を適切に形成することができるので、プリント配線板10の不良品発生率を低下させることができる。
【0061】コア基板としては、樹脂からなるものを用いた。例えば、ガラスエポキシ樹脂含浸基材、フェノール樹脂含浸基材などの一般的なプリント配線板で用いられる樹脂材料を用いることができる。しかし、コア基板をセラミックやAINなどの基板を用いることはできなかった。該基板は外形加工性が悪く、コンデンサを収容することができないことがあり、樹脂で充填させても空隙が生じてしまうためである。
【0062】更に、チップコンデンサ20間に樹脂充填剤36を充填するため、凹部32内の正確な位置に配置されたチップコンデンサ20を位置決め固定することができる。また、コンデンサとバイアホールとの接続部におけるマイグレーションを防止できる。ここで、樹脂充填剤36及びチップコンデンサ20下部の接着材料34の熱膨張率を、コア基板30及び樹脂絶縁層40よりも小さく、即ち、セラミックからなるチップコンデンサ20に近いように設定してある。このため、ヒートサイクル試験において、コア基板30及び樹脂絶縁層40とチップコンデンサ20との間に熱膨張率差から内応力が発生しても、コア基板30及び樹脂絶縁層40にクラック、剥離等が生じ難く、高い信頼性を達成できる。
【0063】また、チップコンデンサ20間の樹脂層36に、スルーホール46を形成してあるため、セラミックから成るチップコンデンサ20を信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しない。コンデンサの下部にも配線を施せるので、配線、ピンなどの外部端子の自由度も増し、高密度化、小型化される。
【0064】引き続き、図7を参照して上述したプリント配線板の製造方法について、図1〜図7を参照して説明する。
【0065】(1)先ず、絶縁樹脂基板からなるコア基板30を出発材料とする(図1(A)参照)。次に、コア基板30の片面に、ザグリ加工でコンデンサ配設用の凹部32を形成する(図1(B)参照)。このとき、凹部32は複数個のコンデンサを配設できるエリアよりも、広く大きく形成する。これにより、複数個のコンデンサをコア基板30に、確実に配設することができる。
【0066】(2)その後、凹部32に、印刷機を用いて接着材料34を塗布する(図1(C)参照)。このとき、塗布以外にも、ポッティングなどをしてもよい。接着材料34は、熱膨張率がコア基板30及び樹脂絶縁層40よりも小さなものを用いる。次に、凹部32に複数個のセラミックから成るチップコンデンサ20(図9参照)を接着材料34上に載置する(図1(D)参照)。ここで、後述するように底部が平滑な凹部32に複数個のチップコンデンサ20を配設することにより、複数個のチップコンデンサ20の高さが揃うため、コア基板30を平滑にすることができる。また、凹部32は広く形成されているため、チップコンデンサ20の位置決めが正確にでき、また、高密度で配置することができる。
【0067】(3)そして、複数個のチップコンデンサ20の上面が同じ高さになるように、チップコンデンサ20の上面を押す、もしくは叩いて高さを揃える(図2(A)参照)。この工程により、凹部32内に複数個のチップコンデンサ20を配設した際に、複数個のチップコンデンサ20の大きさにばらつきがあっても、高さを完全に揃えることができ、コア基板30を平滑にすることができる。
【0068】(4)その後、凹部32内のチップコンデンサ20間に、熱硬化性樹脂を充填し、加熱硬化して樹脂層36を形成する(図2(B)参照)。このとき、熱硬化性樹脂としては、エポキシ、フェノール、ポリイミド、トリアジンが好ましい。これにより、凹部32内のチップコンデンサ20を固定することができる。樹脂層36は、熱膨張率がコア基板30及び樹脂絶縁層40よりも小さなものを用いる。
【0069】それ以外にも熱可塑性樹脂などの樹脂を用いてもよい。また、樹脂中に熱膨脹率を整合させるために、フィラーを含浸させてもよい。そのフィラーの例としては、無機フィラー、セラミックフィラー、金属フィラーなどがある。
【0070】(5)さらに、その上から後述するエポキシ系樹脂からなる樹脂を印刷機を用いて塗布し樹脂絶縁層40を形成する(図2(C)参照)。なお、樹脂を塗布する代わりに、樹脂フィルムを貼り付けてもよい。
【0071】それ以外には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体などの樹脂を1種以上用いることができる。それらを2層構成にしてもよい。
【0072】(6)次に、レーザにより樹脂絶縁層40にバイアホール用開口48を形成する(図2(D)参照)。この際に、導電性ペースト26によりチップコンデンサ20の電極21,22の表面が平滑であるため、樹脂が電極上に残ることがない。その後、デスミヤ処理を行う。レーザの代わりに露光・現像処理を用いることもできる。そして、樹脂層36にドリルまたはレーザにより、スルーホール用の通孔46aを形成し、加熱硬化する(図3(A)参照)。過マンガン酸などの薬液やプラズマ処理によるデスミヤ処理を行ってもよい。
【0073】(7)その後、無電解銅めっきにより、銅めっき膜52を樹脂絶縁層40の表面に形成する(図3(B)参照)。無電解めっきの代わりに、Ni−Cu合金をターゲットにしたスパッタリングを行い、Ni−Cu合金層を設けることもでき、場合によってはスパッタで形成した後に、無電解めっき膜を形成させてもよい。この際に、チップコンデンサ20の電極21,22の表面に樹脂が残っていないため、電極21,22に適正に銅めっき膜52を形成することができる。
【0074】(8)次に、銅めっき膜52の表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、マスクを載置して、露光・現像処理し、所定パターンのめっきレジスト54を形成する。そして、電解めっき液にコア基板30を浸漬し、銅めっき膜52を介して電流を流し電解めっき膜56を析出させる(図3(C)参照)。
【0075】(9)ついで、めっきレジスト54を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト54下の銅めっき膜52を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、銅めっき膜52と電解銅めっき膜56からなる導体回路58(バイアホール60を含む)及びスルーホール46を形成する。ここで、スルーホール46を形成することにより、チップコンデンサ20を信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しなくなる。次に、基板の両面にエッチング液をスプレイで吹きつけ、導体回路58の表面とスルーホール46のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路58の全表面に粗化面58αを形成する(図3(D)参照)。
【0076】(10)その後、スルーホール46内にエポキシ系樹脂を主成分とする樹脂充填剤62を充填して、乾燥する(図4(A)参照)。熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外硬化性樹脂などを用いることができる。その中でも熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。スルーホール内の充填する際、取り扱い易いからである。
【0077】(11)上記工程を経た基板の両面に、厚さ50μmの熱硬化型樹脂フィルムを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2で真空圧着ラミネートし、層間樹脂絶縁層50を設ける(図4(B)参照)。真空圧着時の真空度は、10mmHgである。層間樹脂絶縁層50には、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂を用いることもできる。
【0078】(12)次に、波長10.4μmのCO2ガスレーザにて、ビーム径5mm、トップハットモード、パルス幅5.0μ秒、マスクの穴径0.5mm、3ショットの条件で、層間樹脂絶縁層50に直径80μmのバイアホール用開口148を設ける(図4(C)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行う。
【0079】(13)次に、日本真空技術株式会社製のSV―4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層50の表面を粗化し、粗化面50αを形成する(図4(D)参照)。この際、不活性ガスとしてはアルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で、2分間プラズマ処理を実施する。酸あるいは酸化剤によって粗化処理を施してもよい。また、粗化層は、0.1〜5μmが望ましい。
【0080】(14)次に、同じ装置を用い、内部のアルゴンガスを交換した後、Ni−Cu合金をターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni−Cu合金152を層間樹脂絶縁層50の表面に形成する。このとき、形成されたNi−Cu合金層152の厚さは0.2μmである(図5(A)参照)。
【0081】(15)上記処理を終えた基板30の両面に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトマスクフィルムを載置して、100mJ/cm2で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト154を設ける。次に、以下の条件で電解めっきを施して、厚さ15μmの電解めっき膜156を形成する(図5(B)参照)。なお、この電解めっき膜156により、後述する工程で導体回路158となる部分の厚付けおよびバイアホール160となる部分のめっき充填等が行われたことになる。なお、電解めっき水溶液中の添加剤は、アトテックジャパン社製のカパラシドHLである。
【0082】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドHL)
19.5 ml/l 〔電解めっき条件〕
電流密度 1A/dm2 時間 65分 温度 22±2℃
【0083】(16)めっきレジスト154を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下のNi−Cu合金層152を硝酸および硫酸と過酸化水素の混合液を用いるエッチングにて溶解除去し、Ni−Cu合金層152と電解めっき膜156からなる厚さ16μmの導体回路158及びバイアホール160を形成する(図5(C)参照)。
【0084】(17)次いで、上記(11)〜(16)の工程を、繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層150及び導体回路258(バイアホール260を含む)を形成する(図5(D)参照)。
【0085】(18)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物(有機樹脂絶縁材料)を得る。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0086】(19)次に、基板30の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71U、71Dを形成する(図6(A)参照)。また、LPSRなどの市販のソルダーレジストを用いてもよい。
【0087】(20)次に、ソルダーレジスト層(有機樹脂絶縁層)70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亞リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71U、71Dに厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板を、シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成することで、バイアホール260及び導体回路258に半田パッド75を形成する(図6(B)参照)。
【0088】(21)この後、ソルダーレジスト層70の開口部71U、71Dに、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、はんだバンプ(半田体)76U、76Dを形成する。これにより、半田バンプ76U、76Dを有するプリント配線板10を得ることができる(図7参照)。
【0089】次に、上述した工程で完成したプリント配線板10へのICチップの載置および、ドータボードへの取り付けについて、図8を参照して説明する。完成したプリント配線板10の半田バンプ76UにICチップ90の半田パッド92が対応するように、ICチップ90を載置し、リフローを行うことでICチップ90の取り付けを行う。同様に、プリント配線板10の半田バンプ76Dにドータボード94のパッド95が対応するように、リフローすることで、ドータボード94へプリント配線板10を取り付ける。
【0090】引き続き、本発明の第1実施形態の改変例に係るプリント配線板について、図10を参照して説明する。上述した第1実施形態では、コア基板に収容されるチップコンデンサ20のみを備えていたが、改変例では、表面及び裏面に大容量のチップコンデンサ98が実装されている。
【0091】図9(B)に第1実施形態の第1改変例に係るチップコンデンサ20の断面を示す。第1実施形態では、コンデンサの表面に粗化処理を施し、樹脂との密着性を高めたが、第1改変例では、この代わりに、ポリイミド膜23bを形成しておくことで、表面濡れ性を改善してある。ポリイミド膜の代わりに、コンデンサの表面にシランカップリング処理を施すことも可能である。
【0092】また、第1改変例では、導電性ペースト26の上に、無電解銅めっき膜28a及び電解銅めっき膜28bからなる複合金属膜28を形成されている。複合金属膜28の厚みは、0.1〜10μmが望ましく、1〜5μmが最適である。複合金属膜の代わりに、1層の金属膜を形成することも可能である。
【0093】第1改変例では、コンデンサ20の電極21,22の導電性ペースト26上に金属層28を設けてあるため、電極21、22でのマイグレーションの発生を防止することができ、また、接続抵抗を更に低減することができる。メタライズからなる電極21、22は、表面に凹凸があるが、導電性ペースト26を塗布し、更に、金属層28を設けることで凹凸を完全に無くすことができ、バイアホール60との密着性を高め、接続抵抗を下げることができる。
【0094】ICチップは、瞬時的に大電力を消費して複雑な演算処理を行う。ここで、ICチップ側に大電力を供給するために、改変例では、プリント配線板に電源用のチップコンデンサ20及びチップコンデンサ98を備えてある。このチップコンデンサによる効果について、図11を参照して説明する。
【0095】図11は、縦軸にICチップへ供給される電圧を、横軸に時間を取ってある。ここで、二点鎖線Cは、電源用コンデンサを備えないプリント配線板の電圧変動を示している。電源用コンデンサを備えない場合には、大きく電圧が減衰する。破線Aは、表面にチップコンデンサを実装したプリント配線板の電圧変動を示している。上記二点鎖線Cと比較して電圧は大きく落ち込まないが、ループ長さが長くなるので、律速の電源供給が十分に行えていない。即ち、電力の供給開始時に電圧が降下している。また、二点鎖線Bは、図8を参照して上述したチップコンデンサを内蔵するプリント配線板の電圧降下を示している。ループ長さは短縮できているが、コア基板30に容量の大きなチップコンデンサを収容することができないため、電圧が変動している。ここで、実線Eは、図10を参照して上述したコア基板内のチップコンデンサ20を、また表面に大容量のチップコンデンサ98を実装する改変例のプリント配線板の電圧変動を示している。ICチップの近傍にチップコンデンサ20を、また、大容量(及び相対的に大きなインダクタンス)のチップコンデンサ20を、また、大容量(及び相対的に大きなインダクタンス)のチップコンデンサ98を備えることで、電圧変動を最小に押さえている。
【0096】引き続き、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板110について、図18を参照して説明する。上述した第1実施形態では、BGAを配設した場合で説明した。第2実施形態では、第1実施形態とほぼ同様であるが、図18に示すように導電性ピン96を介して接続を取るPGA方式に構成されている。なお、電極には、第1実施形態と同様に導電性ペースト、あるいは、第1実施形態の第1改変例と同様に導電性ペースト及び複合金属層が形成されている。
【0097】引き続き、図18を参照して上述したプリント配線板の製造方法について、図12〜図18を参照して説明する。
【0098】(1)先ず、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレク33を4枚積層してなる積層板31αに、チップコンデンサ収容用の通孔37aを形成する。また、その一方で、プリプレク33を2枚積層してなる積層板31βを用意する(図12(A)参照)。ここで、プリプレク33としては、エポキシ以外にも、BT、フェノール樹脂、あるいはガラスクロスなどの強化材を含有したものを用い得る。チップコンデンサ収容用の通孔37aを広く形成することにより、後述する工程で、複数個のチップコンデンサ20を確実に凹部37に収容することが可能となる。
【0099】(2)次に、積層板31αと積層板31βとを圧着し、加熱して硬化させることで、複数個のチップコンデンサ20を収容可能な凹部37を備えた、コア基板31を形成する(図12(B)参照)。
【0100】(3)そして、凹部37のコンデンサ配設位置に印刷機を用いて接着材料34を塗布する。その後、凹部37内に複数個のセラミックから成るチップコンデンサ20を接着材料34を介して収容する(図12(C)参照)。ここで、複数個のチップコンデンサ20を凹部37内に配設することにより、複数個のチップコンデンサ20の高さが揃うので、コア基板31を平滑にすることが可能となる。また、凹部37は広く形成されているため、チップコンデンサ20の位置決めが正確にでき、また高密度で配置できる。よって、コア基板上に樹脂層を均一の厚みに形成でき、後述するようにコア基板31の上にバイアホールを適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることが可能となる。
【0101】(4)そして、複数個のチップコンデンサ20の上面が同じ高さになるように、チップコンデンサ20の上面を押すもしくは叩いて高さを揃える。(図12(D)参照)。この工程により、複数個のチップコンデンサ20を凹部37内に配設した際に、複数個のチップコンデンサ20の大きさにばらつきがあっても、高さを揃えることができ、コア31基板を平滑にすることができる。
【0102】(5)その後、凹部37内のチップコンデンサ20間に、熱硬化性樹脂を充填し、加熱硬化して樹脂層36を形成する(図13(A)参照)。このとき、熱硬化性樹脂としては、エポキシ、フェノール、ポリイミド、トリアジンが好ましい。これにより、凹部37内のチップコンデンサ20を固定することができる。
【0103】(6)さらに、その上から前述したエポキシ系樹脂もしくはポリオレフィン系樹脂を印刷機を用いて塗布し樹脂絶縁層40を形成する(図13(B)参照)。なお、樹脂を塗布する代わりに、樹脂フィルムを貼り付けてもよい。
【0104】(7)次に、露光・現像処理又はレーザにより樹脂絶縁層40にバイアホール用開口48を形成する(図13(C)参照)。そして、樹脂層36にドリルまたはレーザにより、スルーホール用の通孔46aを形成し、加熱硬化する(図13(D)参照)。
【0105】(8)そして、基板31にパラジウム触媒を付与してから、無電解めっき液にコア基板を浸漬し、均一に無電解めっき膜53を析出させる(図14(A)参照)。ここでは、無電解めっきを用いているが、スパッタにより、銅、ニッケル等の金属層を形成してもよい。また、場合によってはスパッタで形成した後に、無電解めっき膜を形成させてもよい。
【0106】(9)その後、無電解めっき膜53の表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、マスクを載置して、露光・現像処理し、所定パターンのレジスト54を形成する。そして、電解めっき液にコア基板31を浸漬し、無電解めっき膜53を介して電流を流し電解めっき膜56を析出させる(図14(B)参照)。
【0107】(10)上記工程の後、レジスト54を5%のNaOHで剥離した後、レジスト54下の無電解めっき膜53を硫酸と過酸化水素混合液でエッチングをして除去し、無電解めっき膜53と電解銅めっき膜56からなる導体回路58(バイアホール60を含む)及びスルーホール46を形成する。ここで、スルーホール46を形成することにより、チップコンデンサ20を信号線が通過しないので、高誘電体によるインピーダンス不連続による反射及び高誘電体通過による伝搬遅延が発生しなくなる。
【0108】(11)そして、基板31を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板31の両面にスプレイで吹きつけて、導体回路58の表面とスルーホール46のランド表面と内壁とをエッチングして、導体回路58の全表面に粗化面58αを形成する(図14(C)参照)。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用する。
【0109】(12)次に、ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填剤62を調製する。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。その後、スルーホール46内に樹脂充填剤62を充填して、乾燥する(図14(D)参照)。
【0110】(13)次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469,油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215,大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120,大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製する。得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製する。
【0111】(14)基板の両面に、(13)で作製した基板31より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板31上に載置し、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層50を形成する(図15(A)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板31上に、真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させる。
【0112】(15)次に、層間樹脂絶縁層50上に、厚さ1.2mmの貫通孔47aが形成されたマスク47を介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層50に、直径80μmのバイアホール用開口148を形成する(図15(B)参照)。
【0113】(16)バイアホール用開口148を形成した基板31を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口148の内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面を粗化面50αとする(図15(C)参照)。酸あるいは酸化剤によって粗化処理を施してもよい。また、粗化層は、0.1〜5μmが望ましい。
【0114】(17)次に、上記処理を終えた基板31を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板31の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層50の表面およびバイアホール用開口148の内壁面に触媒核を付着させる。
【0115】(18)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗化面50α全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜153を形成する(図15(D)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α′−ビピリジル 40 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0116】(19)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜153に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ30μmのめっきレジスト154を設ける。(図16(A)参照)。
【0117】(20)次いで、基板31を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ20μmの電解銅めっき膜156を形成する(図16(B)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃
【0118】(21)めっきレジスト154を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト154下の無電解めっき膜153を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜153と電解銅めっき膜156からなる厚さ18μmの導体回路158(バイアホール160を含む)を形成する。その後、(11)と同様の処理を行い、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面158αを形成する(図16(C)参照)。
【0119】(22)続いて、上記(14)〜(21)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層150及び導体回路258(バイアホール260を含む)を形成する(図16(D)参照)。
【0120】(23)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物(有機樹脂絶縁材料)を得る。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0121】(24)次に、基板30の両面に、(23)で調製したソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布する。その後、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71U、71Dを形成する。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物を硬化させ、開口71U、71Dを有する、厚さ20μmのソルダーレジスト層70を形成する(図17(A)参照)。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0122】(25)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亞リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71U、71Dに厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成する(図17(B)参照)。
【0123】(26)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71Uにスズ−鉛を含有する半田ペーストを印刷する。さらに、他方の面の開口部71D内に導電性接着剤97として半田ペーストを印刷する。次に、導電性接続ピン96を適当なピン保持装置に取り付けて支持し、導電性接続ピン96の固定部98を開口部71D内の導電性接着剤97に当接させる。そしてリフローを行い、導電性接続ピン96を導電性接着剤97に固定する。また、導電性接続ピン96の取り付け方法としては、導電性接着剤97をボール状等に形成したものを開口部71D内に入れる、あるいは、固定部98に導電性接着剤97を接合させて導電性接続ピン96を取り付け、その後にリフローさせてもよい。
【0124】その後、プリント配線板110の開口71U側の半田バンプ76にICチップ90の半田パッド92が対応するように、ICチップ90を載置し、リフローを行うことでICチップ90の取り付けを行う(図18参照)。
【0125】引き続き、第2実施形態のプリント配線板の改変例に係る製造方法について、図19を参照して説明する。なお、電極には、第1実施形態と同様に導電性ペースト、あるいは、第1実施形態の第1改変例と同様に導電性ペースト及び複合金属層が形成されている。
(1)先ず、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレク33を4枚積層して硬化させた積層板31αに、チップコンデンサ収容用の通孔37aを形成する。一方で、未硬化のプリプレグ33からなるシート31γと、プリプレク33を硬化してなる板31βとを用意する(図19(A)参照)。
【0126】(2)次に、積層板31αと板31βとをシート31γにより圧着し、凹部37を備えた基板31を形成する(図19(B)参照)。
【0127】(3)そして、複数個のセラミックから成るチップコンデンサ20を未硬化のプリプレグ33からなるシート31γ上に収容する(図19(C)参照)。
【0128】(4)そして、複数個のチップコンデンサ20の上面が同じ高さになるように、チップコンデンサ20の上面を押す、もしくは叩いて高さを揃える(図2(A)参照)。その後、加熱して未硬化のプリプレグ33を硬化させるコア基板31を形成する。以下の工程は、図12〜図18を参照して上述した第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0129】引き続き、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の構成について図20を参照して説明する。この第3実施形態のプリント配線板の構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、コア基板30への収容されるチップコンデンサ20が異なる。図20は、チップコンデンサの平面図を示している。図20(A)は、多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、裁断線を示している。上述した第1実施形態のプリント配線板では、図20(B)に平面図を示すようにチップコンデンサの側縁に第1電極21及び第2電極22を配設してある。図20(C)は、第3実施形態の多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、裁断線を示している。第3実施形態のプリント配線板では、図20(D)に平面図を示すようにチップコンデンサの側縁の内側に第1電極21及び第2電極22を配設してある。なお、電極には、第1実施形態と同様に導電性ペースト、あるいは、第1実施形態の第1改変例と同様に導電性ペースト及び複合金属層が形成されている。
【0130】この第3実施形態のプリント配線板では、外縁の内側に電極の形成されたチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。
【0131】引き続き、第3実施形態の第1改変例に係るプリント配線板について図21を参照して説明する。図21は、第1改変例に係るプリント配線板のコア基板に収容されるチップコンデンサ20の平面図を示している。上述した第1実施形態では、複数個の小容量のチップコンデンサをコア基板に収容したが、第1改変例では、大容量の大判のチップコンデンサ20をコア基板に収容してある。ここで、チップコンデンサ20は、第1電極21と第2電極22と、誘電体23と、第1電極21へ接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25と、第1導電膜24及び第2導電膜25へ接続されていないチップコンデンサの上下面の接続用の電極27とから成る。この電極27を介してICチップ側とドータボード側とが接続されている。なお、電極には、第1実施形態と同様に導電性ペースト、あるいは、第1実施形態の第1改変例と同様に導電性ペースト及び複合金属層が形成されている。
【0132】この第1改変例のプリント配線板では、大判のチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。また、大判のチップコンデンサ20を用いるため、ヒートサイクルを繰り返してもプリント配線板に反りが発生することがない。
【0133】図22を参照して第2改変例に係るプリント配線板について説明する。図22(A)は、多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、通常の裁断線を示し、図22(B)は、チップコンデンサの平面図を示している。図22(B)に示すように、この第2改変例では、多数個取り用のチップコンデンサを複数個(図中の例では3枚)連結させて大判で用いている。なお、電極には、第1実施形態と同様に導電性ペースト、あるいは、第1実施形態の第1改変例と同様に導電性ペースト及び複合金属層が形成されている。
【0134】この第2改変例では、大判のチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。また、大判のチップコンデンサ20を用いるため、ヒートサイクルを繰り返してもプリント配線板に反りが発生することがない。
【0135】上述した第3実施形態では、チップコンデンサをプリント配線板に内蔵させたが、チップコンデンサの代わりに、セラミック板に導電体膜を設けてなる板状のコンデンサを用いることも可能である。
【0136】ここで、第1実施形態のプリント配線板について、コア基板内に埋め込んだチップコンデンサ20のインダクタンスと、プリント配線板の裏面(ドータボード側の面)に実装したチップコンデンサのインダクタンスとを測定した値を以下に示す。
コンデンサ単体の場合埋め込み形 137pH裏面実装形 287pHコンデンサを8個並列に接続した場合埋め込み形 60pH裏面実装形 72pH以上のように、コンデンサを単体で用いても、容量を増大させるため並列に接続した場合にも、チップコンデンサを内蔵することでインダクタンスを低減できる。
【0137】次に、信頼性試験を行った結果について説明する。ここでは、第1実施形態のプリント配線板において、1個のチップコンデンサの静電容量の変化率を測定した。
静電容量変化率 (測定周波数100Hz) (測定周波数1kHz)
Steam 168時間: 0.3% 0.4%HAST 100時間: −0.9% −0.9%TS 1000cycles: 1.1% 1.3%
【0138】Steam試験は、蒸気に当て湿度100%に保った。また、HAST試験では、相対湿度100%、印加電圧1.3V、温度121℃で100時間放置した。TS試験では、−125℃で30分、55℃で30分放置する試験を1000回線り返した。
【0139】上記信頼性試験において、チップコンデンサを内蔵するプリント配線板においても、既存のコンデンサ表面実装形と同等の信頼性が達成できていることが分かった。また、上述したように、TS試験において、セラミックから成るコンデンサと、樹脂からなるコア基板30及び樹脂絶縁層40の熱膨張率の違いから、内部応力が発生しても、チップコンデンサ20の第1端子21、第2端子22とバイアホール60との間に断線、チップコンデンサ20と樹脂絶縁層40との間で剥離、樹脂絶縁層40にクラックが発生せず、長期に渡り高い信頼性を達成できることが判明した。
【0140】
【発明の効果】本発明では上述したように、広く凹部を形成し、複数個のコンデンサを凹部に収容するため、ザグリ加工の精度が低くても確実に複数個のコンデンサを、正確に位置決めしてコア基板内に高密度で配設することが可能となる。また、凹部内に複数個のコンデンサを載置するため、複数個のコンデンサの高さが揃うので、コンデンサ上の絶縁層を均一の厚みにすることができる。よって、バイアホールおよび導体回路を適切に形成することができるので、プリント配線板の不良品発生率を低下させることができる。
【0141】また、コンデンサの電極の表面に導電性ペーストを塗布してあるため、表面が完全にフラットになる。このため、樹脂層にレーザで開口を穿設した際に、電極の表面に樹脂が残ることが無くなり、該電極とめっきによるバイアホールとの接続性を高めることができる。更に、コア基板とコンデンサの間に樹脂が充填されているので、コンデンサなどが起因する応力が発生しても緩和されるし、マイグレーションの発生がない。そのために、コンデンサの電極とバイアホールの接続部への剥離や溶解などの影響がない。そのために、信頼性試験を実施しても所望の性能を保つことができるのである。また、コンデンサを銅によって被覆されている場合にも、マイグレーションの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図4】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図5】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図6】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板にICチップを搭載した状態を示す断面図である。
【図9】(A)は、第1実施形態のチップコンデンサの断面図であり、(B)は、第1実施形態の第1改変例のチップコンデンサの断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態の改変例に係るプリント配線板の断面図である。
【図11】ICチップへの供給電力と時間との変化を示すグラフである。
【図12】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図13】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図14】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図15】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図16】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図17】(A)、(B)は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係るプリント配線板にICチップを搭載した状態を示す断面図である。
【図19】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2実施形態の改変例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図20】(A)、(B)、(C)、(D)は、第3実施形態のプリント配線板のチップコンデンサの平面図である。
【図21】第3実施形態に係るプリント配線板のチップコンデンサの平面図である。
【図22】(A)、(B)は、第3実施形態の改変例に係るプリント配線板のチップコンデンサの平面図である。
【符号の説明】
20 チップコンデンサ
21 第1電極
22 第2電極
23 誘電体
23a 粗化面
23b ポイリミド膜
26 導電性ペースト
28a 無電解銅めっき膜
28b 電解銅めっき膜
28 複合金属膜
30 コア基板
31 コア基板
32 凹部
36 樹脂層
37 凹部
40 層間樹脂絶縁層
46 バイアホール
50 層間樹脂絶縁層
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
71U、71D 開口部
72 ニッケルめっき層
74 金めっき層
76 半田バンプ
90 ICチップ
92 半田パッド(ICチップ側)
94 ドータボード
95 半田パッド(ドータボード側)
96 導電性接続ピン
97 導電性接着剤
98 固定部
150 層間樹脂絶縁層
158 導体回路
160 バイアホール
258 導体回路
260 バイアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コア基板に樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、前記コア基板内に、凹部を形成し、前記凹部の中に複数個のコンデンサを収容させており、前記コンデンサのメタライズからなる電極の表面には、導電性ペーストが塗布されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】 前記コンデンサの電極の導電性ペースト上に金属層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】 前記コンデンサの表面に、粗化処理を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1に記載のプリント配線板。
【請求項4】 前記コンデンサの表面に、表面の濡れ性改善処理を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1に記載のプリント配線板。
【請求項5】 前記凹部内の複数個のコンデンサ間に、コア基板よりも膨張率の小さい樹脂を充填したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1に記載のプリント配線板。
【請求項6】 前記樹脂層に、通孔を穿設してスルーホールを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1に記載のプリント配線板。
【請求項7】 前記プリント配線板の表面にコンデンサを実装したことを特徴とする請求項1〜請求項6の内1に記載のプリント配線板。
【請求項8】 前記表面のチップコンデンサの静電容量は、内層のチップコンデンサの静電容量以上であることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項9】 前記表面のチップコンデンサのインダクタンスは、内層のチップコンデンサのインダクタンス以上であることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項10】 前記コンデンサとして、外縁の内側に電極が形成されたチップコンデンサを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項9の内1に記載のプリント配線板。
【請求項11】 前記コンデンサとして、マトリクス状に電極を形成されたチップコンデンサを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項10の内1に記載のプリント配線板。
【請求項12】 前記コンデンサとして、多数個取り用のチップコンデンサを複数個連結させて用いたことを特徴とする請求項1〜請求項11の内1に記載のプリント配線板。
【請求項13】 少なくとも以下(a)〜(c)の工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法:(a)コア基板に、凹部を形成する工程;
(b)前記凹部の中に複数個のメタライズ電極の上に導電性ペーストを塗布したコンデンサを載置する工程;
(c)前記コンデンサ間に、樹脂を充填する工程。
【請求項14】 前記(b)工程の後に、前記凹部内の前記複数個のコンデンサの上面に、上から圧力を加え、前記コンデンサの上面の高さを揃える工程を備えることを特徴とする請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項15】 前記(c)工程の後に、前記樹脂層に通孔を穿設してスルーホールを形成する工程を備えることを特徴とする請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項16】 少なくとも以下(a)〜(d)の工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法:(a)心材となる樹脂を含有させてなる樹脂材料に通孔を形成する工程;
(b)前記通孔を形成した樹脂材料に、樹脂材料を貼り付けて、凹部を有するコア基板を形成する工程;
(c)前記コア基板の凹部に複数個のメタライズ電極の上に導電性ペーストを塗布したコンデンサを載置する工程;
(d)前記コンデンサ間に、樹脂を充填する工程。
【請求項17】 前記(c)工程の後に、前記凹部内の前記複数個のコンデンサの上面に、上から圧力を加え、前記コンデンサの上面の高さを揃える工程を備えることを特徴とする請求項16に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項18】 前記(d)工程の後に、前記樹脂層に通孔を穿設してスルーホールを形成する工程を備えることを特徴とする請求項16に記載のプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図5】
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【図7】
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【図12】
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【図8】
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【図10】
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【図21】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【公開番号】特開2002−271034(P2002−271034A)
【公開日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−70228(P2001−70228)
【出願日】平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】