説明

プログラム可能な感知検出器、ソフト・エラーを検出する方法及びDRAMアレイ(高速のDRAMソフト・エラー検出のためのプログラム可能な重イオン感知デバイス)

【課題】プログラム可能な感知検出器、ソフト・エラーを検出する方法及びDRAMアレイを提供する。
【解決手段】本発明の態様は、高速化されたDRAMソフト・エラー検出のためのプログラム可能な重イオン感知デバイスに関する。DRAMベースのアルファ・イオン粒子感知装置の設計は、高速化されたオン・チップSERテスト装置として使用されることが望ましい。多様な度合いのSER感度を達成するために、感知装置には、プログラム可能感知マージン、リフレッシュ率及び供給電圧が与えられる。更に、デュアル・モードのDRAMアレイが提案され、その結果、アレイの少なくとも一部が、ソフト・エラー検出(SED)モードの間、高エネルギー粒子の活動をモニタするために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般的にいうと本発明は、半導体デバイスにおけるエラー(誤り)検出に関し、さらに具体的にいうならば、半導体デバイスにおける高速の(DRAM)ソフトエラー検出のためのプログラム可能な重イオン感知デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
アルファ粒子は、2つの陽子及び2つの中性子からなるヘリウム(He)の原子核である。放射性崩壊の結果として大きな原子からしばしば放出されるアルファ粒子は、電子デバイスのダイ表面を通過し、アルファ粒子の飛跡に沿って大量の電子−ホール対を生成させる。たとえば、210Pbのような集積回路(IC)材料から放出されるアルファ粒子は、約5.3MeVのエネルギーを有し、そしてシリコン中に約25ミクロンメートル進行する。結果として、例えばポテンシャル井戸のような、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)記憶領域は、メモリ・セルの記憶状態を変化させるために十分な数の少数キャリアを集める。拡散領域及び感知増幅器もまた浸透するアルファ粒子に敏感である。
【0003】
放射に対する電子デバイスの感度は、ビット時間当たりの故障数で測定されるソフト・エラー率(SER)で表わすことができる。一般的にSERは、高エネルギー粒子の浸透により引き起こされる一時的な単一セルの反転を指す。その理由は、これらの粒子により発生されるキャリアが個々のビットを反転させるからである。ソフト・エラーは、データの消失を生じるが、デバイスに物理的損傷を与えない。ソフト・エラーは、リセットまたは再プログラムされ得るが、それにもかかわらず、データの一時的な消失は、システム動作に対して重大な影響を与える。地球上のシステムに対しては、SERの信頼性問題を引き起こす2つの共通な放射機構が存在する。これらは、チップ及びパッケージの材料内の放射性汚染物からのアルファ粒子及び宇宙線である。多くのメモリ・チップには、セラミック・パッケージ及びリード・ベース・コネクタからのアルファ粒子束に基づいて見積もられたアルファ粒子SERを特定することが必要である。アルファ粒子により引き起こされるソフト・エラーは、清められた材料の使用により制御することができ、一方宇宙線により引き起こされるソフト・エラーは、ロバスト性のあるチップ設計により和らげることができる。
【0004】
ダイナミック及びスタティック・メモリの両方は、揮発性であり、しかしダイナミック・メモリは、パワー・オン状態であってもその記憶状態を消失し、したがって、周期的にリフレッシュされなければならない。典型的なスタティック・メモリ・セルは、2つの状態の間で切り替えられる交差結合対を含む6つのトランジスタから構成される。他方、ダイナミック・メモリ・セルは、単一のトランジスタ及びストレージ・キャパシタから構成され、ここで、ビット線がトランジスタのソースに接続され、そしてワード線がゲートに接続される。トランジスタ・デバイスのドレインは、ポリシリコン及びシリコンを覆う酸化物層により形成されるプレーナ・キャパシタに直接接続される。メモリ・セルの状態は、ストレージ・ノードに電荷が存在するかまたは不存在であるかにより決められる。ダイナミック・メモリ・セルのノードに蓄積される電荷は漏洩し易いので、メモリ・セルは周期的にリフレッシュされねばならない。リフレッシュ・サイクルは、メモリ・セルに蓄積されていた電荷がアルファ粒子の存在のもとで、セルがこれの情報を保持するに必要な最低レベルにまで空乏化される時間により決定される。
【0005】
16MbDRAMチップの導入以来、ビット電荷を貯蔵する次の3つの異なるメモリ・セル技術が発展されてきた。即ち、(1)高-k(高誘電率)誘電層を有するスタック・キャパシタ、(2)基板から貯蔵電荷が絶縁されているトレンチ・キャパシタ及び(3)貯蔵されている電荷を基板材料から絶縁するためにp/n接合を使用するトレンチ・キャパシタである。ノード・キャパシタンスが小さくなるとソフト・エラー問題の防止のためには高いリフレッシュ率がしばしば必要となるので、セルのサイズを減少しながらノード容量を維持するために、近年のDRAMチップは、例えば垂直トランジスタ及び高k-誘電体を使用するキャパシタのような3次元構造を使用する。DRAMチップのサイズが1Gbにまで増大するにつれて,放射に対するこれの感度は、セル当たりのDRAM体積の著しい減少及び基板からの電荷の注入を排除する新たなセル・デザインに基づいて、改善されてきた。新たなデザインでは、シリコン基板に電荷が貯蔵されず、そしてほとんど漏洩が生じないので、チップは、アルファ粒子の衝突に対して影響を受けにくく、そしてソフト・エラーを受けにくい。
【0006】
チップ・レベルでのSEU(single-event upset)即ちメモリ内の情報反転現象は、サブ原子粒子の単色エネルギー・ビームをチップに放射する加速テストにより評価されることができる。SEUテストのために最も一般的に使用される粒子は、重イオン、陽子及び中性子である。例えば電子及び高エネルギー陽子のような他の粒子もまた宇宙線の用途(space application)のために使用されることができるが、これらのイオン化効果は、重イオン、陽子及び中性子よりも小さい。重イオン・テストの主な目的は、回路のSEU感度の本質的な特性であるSEU断面曲線を測定することである。重イオンの場合、SEU断面は、単位トラック長当たりのイオンの平均エネルギー損失である線エネルギー付与量(linear energy transfer, LET)の関数である。陽子及び中性子の場合、SEU断面は、粒子のエネルギーの関数である。更に、SEU断面は、例えば、電源電圧及び接合温度のようなデバイスの動作条件の関数である。
【0007】
所定の粒子種(particle species)に対して、SEU断面は、σSEU(E)=ビット数毎の粒子フルエンス(particlefluence)当たり検出された故障の数として規定され、ここでEは、粒子のエネルギーであり、そして、粒子フルエンスは、テスト回路に衝突する単位面積当たりの粒子の数である。重イオンはしばしば原子核に1以上の陽子がある任意のイオンを指し、これは、アルファ粒子(ヘリウム・イオン)または他の重いイオンを含む。感応性のデバイス領域上に与えられるイオン化エネルギーに基づいて、重イオンはSEUを生じる。このイオン化エネルギーは、侵入粒子の飛跡の近くでの電子―ホール対の生成に関連している。陽子もまたイオン化粒子であり、これは、半導体材料に対して破砕反応を開始してSEUを引き起こす。他方、中性子は、直接的なイオン化を生じない。高エネルギーの中性子が、感応ノードのまわりの材料の核に衝突すると、核の破砕反応が開始され、これが例えばアルファ粒子及び反跳原子核のような二次的な荷電された破片を生じる。これらの二次的に荷電された破片は、感応性ノードに当たりそしてSEUを生じる。
【0008】

SEU断面が、回路のSEU感度を特定する本質的なパラメータであるのに対して、故障率(failure-in-time,FIT)または単位時間当たりの故障の数は、場所ごとに変動する。例えば、中性子に起因する故障率は、下記の式により表される。ここで、dφ(E)/dEは、(cm-MeV-s)当たりの中性子数の中性子エネルギー微分束(neutron energy differential flux)であり、σSEUは、中性子が誘起するSEU断面(neutron-induced SEU cross section)であり、そしてEは中性子のエネルギーである。
【数1】

【0009】
宇宙線からの地上の中性子に基づく故障率は、上記の式から正確に計算されることができる。その理由は、σSEUが測定されることができ、そして、任意の位置における中性子エネルギー束dφ(E)/dEが、地球の高度及び地磁気効果を考慮に入れた精密パラメータ・モデルにより計算されることができるからである。
【0010】
人工衛星又は高軌道における飛行任務を含む宇宙プログラムにおいては、高エネルギー陽子及び重イオンは、SEUを引き起こす粒子である。高エネルギー陽子に基づく故障率は、上記の式によりけ計算されることができ、ここで、dφ/dE、σSEU、及びEは、陽子に関連する粒子束、断面及びエネルギーである。陽子束dφ(E)/dEは、一般的なシミュレーション・コードにより見積もられることができる。
【0011】
寿命試験は、周囲雰囲気の放射にさらされた数百の製品チップを含むテスタのソフト・エラーを測定することにより行われることができる。測定は、多様なテスト位置におけるチップの公称動作条件のもとで行われる。寿命試験は、ソフト・エラー率についての最も現実的な見積もりを与えるけれども、データを収集するのに数ヶ月かかることがしばしばであり、これは、新技術における隠れたSEU問題を予測する手段として寿命試験を使用することを困難とする。
【0012】
これの代わりとして、デバイス及び回路レベルでのSEUモデリングは、技術者に設計サイクルの早い段階で弱点を発見させる重要でかつ効果的は評価を与える。変則的な高いSEUを有する殆どのチップは、例えば浮動ビット線、感知増幅器の不十分なマージン及びシリコン基板に露出された接合等の弱点から損なわれることが示された。
【0013】
表題がRadon detectorである米国特許第4,983,843号において、アルファ粒子検出器としてDRAMを使用するラドン・ガス検出装置が説明されている。アルファ粒子障壁層を有しないDRAMは、DRAMのソフト・エラー率を高めるために、表面ポリイミドまたは他のアルファ粒子ブロック層を備えないように作られる。更に、DRAMのリフレッシュ率は、粒子の計数のための十分な時間を与えるように引き延ばされる。感知のために、緩和しそして全てのセルに“1”を記憶したDRAMが用意される。DRAMをアルファ粒子にさらし、そしてDRAMのセルがアルファ粒子によりチャージされる期間だけ待機した後に、DRAMアレイを読み出してDRAMのチャージされたセルの数を調べることができる。SERの検出を高速化する手段が設けられていないので、情報を収集するための期間が著しく長くなる。更に、欠陥により生じたセルの漏洩を予測することが困難であるために、1つのDRAMチップに対する或る延長されたリフレッシュ間隔は、チップのグループの間での一貫したSER感度を生じない。
【0014】
表題がRadiation tolerance back biased CMOS VLSIである米国特許第6,583,470号において、n−チャネル・トランジスタの実効閾値電圧及び及びp−ウエル電圧を制御することにより、またはp−チャネル・トランジスタの実行閾値電圧及びn−ウエルの電圧を制御することにより、全イオン化ドーズ放射、放射により誘起されるラッチ・アップ及びメモリ内の情報反転現象(single-event upset)に対する改善された耐性を有するCMOS回路が実現される。更に、バック・バイアスと共にp+及びn+ガードを使用することにより、放射により誘起される、メモリ内の情報反転現象及び全イオン化ドーズ効果が最小にされることができる。
【0015】
表題がMemory cell error recoveryである米国特許第6,785,169号において、半導体メモリのソフト・エラー率が、ソフト・エラーから回復するためのミラー・ビットに適合するように配列された回路の使用により改善される。ビット・エラーを受けやすいメモリ・セルと共に、第1及びミラー・メモリ・セルは、書き込み動作に応答して同じビットを受け取りそして記憶するように構成及び配列される。読み取り動作の間、第1及び第2メモリ・セルに記憶されているビットが比較される。もしも両ビットが同じであるならば、第1及びミラー・ビットからのビットが読み出される。もしも両ビットが異なるならば、ソフト・エラーに打ち勝つために、更に影響を受けやすい状態に対応するビットが読み出される。提案されている方法は、ソフト・エラーから回復する手段を提供するけれども、これは、ソフト・エラーの検出速度を増大するように如何にメモリ・アレイを設計することを教示していない。
【特許文献1】米国特許第4,983,843
【特許文献2】米国特許第6,583,470号
【特許文献3】米国特許第6,785,169号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、調整可能な感度を備えるSEU(メモリ内の情報反転現象)検出装置を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、欠陥及び拡散領域の漏洩と無関係にSEUを検出する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の態様は、高速なDRAMソフト・エラー検出に対するプログラム可能な重イオン感知デバイスに関する。DRAMベースのアルファ粒子感知装置は、オン―チップ高速SERテスト手段として使用されることが好ましい。感知装置には、種々な段階のSER感度を達成するために、プログラム可能な感知マージン、リフレッシュ率及び供給電圧が与えられる。更に、デュアル・モードDRAMアレイが提案され、その結果、アレイの少なくとも一部分が、ソフト・エラー検出(SED)モードの間高エネルギー粒子の活動を監視するために使用されることができる。同じメモリ・アレイは、これが通常の動作モードの間ソフト・エラー率(SER)に対して許容されうる免疫性を有するようにリセットされることができる。更に具体的にいうと、DRAMアレイは、SED周期の間、放射により誘起されたソフトエラー率に対する種々な異なる感度レベルに合わせられることができる。SEDモードの間SER感度を調節するための次の4つの方法が提案される。(1)感知基準電圧を調整する(tuning)ことによりDRAM感知増幅器の感知マージンを調整する。(2)感知マージン及びリフレッシュレートの両方を調整する。(3)DRAMアレイの供給電圧を低下する。(4)SEDモードの間SER感度を調整するために、上記の方法の任意の組み合わせを用いる。このようなメモリ・アレイは、チップ全体を完全に占めて、チップ全体にわたってアルファ粒子の活動のマッピングを容易にしそして敏速化する。このようなメモリ・マクロは、アルファ粒子の活動を監視してSERモデリングを調べ、特徴化しそして改善するために、システム・チップに戦略的に分布されそして埋め込まれることができる。
【0019】
本発明の1つの態様において、高速なソフト・エラー検出のためのプログラム可能感知検出器が提供され、そしてこれは、放射を収集する拡散領域と、拡散領域に結合され予めチャージされたバラスト・キャパシタと、拡散領域に収集された放射に基づいてSEU(メモリ内の情報反転現象)を検出するために、予めチャージされたバラスト・キャパシタに結合された感知増幅器とを備える。
【0020】
本発明の他の態様において、DRAMソフトエラー検出方法が提供され、そしてこの方法は、所定のリフレッシュ率で記憶ノードを第1電圧に初期化するステップと、この記憶ノードに結合された感知増幅器を使用して記憶ノードが第2電圧に放電されたときのSEU(メモリ内の情報反転現象)イベント(出来事)を検出するステップと、SEUイベントが発生したことを示す出力信号を感知増幅器から発生させるステップとを含む。
【0021】
本発明の他の態様において、SEU(メモリ内の情報反転現象)イベントを検出するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)アレイは、1組のDRAMセルのワード線を駆動する1組のワード・デコーダと、1組のDRAMセルに結合された1組の感知増幅器と、1組の感知増幅器を多重化(multiplexing)するビット・デコーダとを備える。
【0022】
本発明の他の態様において、単色イオン・ビーム測定からパラメータ・マトリクスを作る方法が提供され、そして、この方法は、イオン種Zi(i=1,2,・・・imax)を選択するステップと、イオン・エネルギーEj(j=1,2、・・・jmax)を選択するステップと、イオン入射角Θk(k=1,2,・・・kmax)を選択するステップと、後工程(BEOL:バック・エンド・オブ・ライン、最終接続工程)のイオン・エネルギー損失を計算するステップと、Si表面Es(i,j,k)におけるイオン・エネルギーを計算するステップと、Si表面LET(l、j、k)を計算するステップと、測定されたSEU断面を計算するステップとを含む
【0023】
本発明の上述の態様及び他の態様は、図の内容と以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
便宜上、最良の形態の説明を次のセクションに分ける。
I :エラー検出
II:単色イオン・ビーム測定から作られる実験的マトリクス及びこれの適用
(1)実験的パラメータ・マトリクスの要素
(2)アルファ粒子により誘起されるSEU率の推定
(3)中性子により誘起されるSEU率の推定
(4)実験的ハードウエアを用いたデバイス/回路のSEUモデルの較正
【実施例1】
【0025】
I:エラー検出
本発明の第1実施例は、第1(予めチャージされた)電圧レベルの近くに感知増幅器の基準電圧レベルを調整することにより、DRAMのソフト・エラー検出を高速化する重イオン感知装置の設計を説明する。第2電圧レベルにセットされる基準電圧は、記憶ノードを放電するSEU放射イベントが予測される電圧レベルに対応する。図1に示されるソフト・エラー・モニタ又はSEU(メモリの内の情報反転現象)検出器100は、放射を収集する基板102の拡散領域104と、予めチャージ(荷電)されたバラスト・キャパシタ114と、感知増幅器116とを備える。放射イベントは、蓄積バラスト・キャパシタ114又は拡散ノード104に蓄積された電荷が高エネルギー粒子により発生されるキャリア106及び108により中和されるときに検出される。拡散領域が大きくなるほどSEUを捕捉する可能性が大きくなるので、拡散領域104大きさは、SEUから電子電流を受け取る統計的確率に従って決められることができる。拡散領域104は、1つの大きな拡散領域から作成されることができ、又は、伝統的なDRAMアレイにおけるように記憶セルのアレイ内の幾つかソースードレイン拡散から作られることができる。バラスト・キャパシタ114は、ゲート・トンネル電流が記憶ノード電圧に影響するのを防止するために、好ましくは17オングストロームよりも厚い実効酸化物厚さを有するゲートー酸化物キャパシタから作られることができる。バラスト・キャパシタ114は、プリチャージ装置112及び感知増幅器116に直接的に結合されることができ、又は通常のワード線アクセス用電界効果トランジスタ(FET)及びビット線分離FETを介してプリチャージ装置及び感知増幅器へ多重接続されることができる。放射領域110は、放射を受ける拡散領域の下側の基板領域を表す。出力ドライバ118は、感知増幅器116のアナログ出力をフル・ディジタル信号にバッファ(変換)する出力ドライバである。
【0026】
プリチャージ装置112は、予期される拡散―漏洩電流を補償するために記憶ノードを予定のリフレッシュレートで第1電圧に初期化する。次いで、記憶ノードに結合されている感知増幅器(感知デバイス)は、記憶ノードが第2電圧レベルに放電されたときにSEUイベントを検出する。続いて、感知増幅器116は、放射イベントが検出されたことを示す出力信号を発生する。感知増幅器116は、電圧基準入力及び記憶ノードからの入力を有して動作するラッチ回路、又はPFETにより与えられる調整可能な電流源負荷を有する共通ソース型のNFET増幅器を有するシングルエンド感知増幅器で構成されることができる。クロック回路を使用せずに放射検出を生じるために差動増幅器が感知増幅器116として使用されることができる。
【0027】
基準電圧は、ディジタルーアナログ変換器及び電圧調整器を使用するディジタル制御装置、又はアナログ電圧を直接印加することにより調整されることができる。回復装置は、通常の拡散漏洩電流が拡散ノードを第2基準電圧に向かって放電することを防止するように計算された率(割合)の回復間隔制御信号により起動される。代表的な時間間隔は、10マイクロ秒である。1つの構成において、拡散ノードの電圧は、イオン化放射イベントがホールー電子対から発生された電子を拡散ノード内に集めるまで、基準電圧よりも高いと考えられる。電子が拡散ノードに集められると、電圧は基準電圧よりも低い値に降下し、そして、放射イベントの発生を知らせる。特定なノードでソフト・エラーが生じる場合、このノードに集められた電荷は、ビットを反転させる臨界電荷量よりも多くなければならない。メモリ・アレイの記憶セルの臨界電荷量Qcriticalは、セルの論理状態を変更することなく注入されうる最大電荷量として規定される。検出器の感度は、臨界電荷レベルを直線的な関係で変える基準電圧を調整することにより変化されることができる。低エネルギーの放射イベントを検出するために、基準電圧は、第1プリチャージ電圧の近くまで高められる。
【0028】
DRAMアレイにおいては、データはストレージ・ウエル内における電荷キャリアの存在又は不存在として記憶される。300万個の電子を有するウエル内の電荷量は、約480fC(−1.6x10−19クーロン/電子)である。ソフト・エラーに対するメモリ・デバイスの感受性(susceptibility)は、主にQcriticalに依存する。イオン化粒子により発生されそして記憶ウエルにより集められた電子の電荷が、Qcriticalを超えると、ソフト・エラーが生じる。イオン化粒子は、陽子、アルファ粒子又は重イオン(これの原子は幾つかの電子を失っている)である。DRAMアレイが、1200fCよりもおおきいQcriticalを有するならば、IC材料から放出されるアルファ粒子がソフト・エラーを引き起こす可能性は低い。その理由は、これらのアルファ粒子により与えられるエネルギーが、十分な電子―ホール対を一般的に生じないからである。他方、もしもQcriticalが24fCよりも小さいならば、パッケージ材料から放出されるアルファ粒子は、ソフト・エラーを生じやすい。したがって、DRAMアレイのQcriticalを調整(tuning)する能力を与えて、これがアルファ粒子又は他の型の放射を規定(characterize)するのに使用され得るようにするのが望ましい。臨界電荷量は、供給電圧及びノード・キャパシタンスに比例するので、Qcriticalは、供給電圧を増大し、キャパシタンスを減少するように誘電体の厚さを減少し、そして深いトレンチの内側の壁上に電荷を貯蔵するようにセルの形状を変更し又はDRAMをSOI構造上に設けることにより変更されることができる。ナノ技術により、デバイスの寸法が次第に小さくなり、そして供給電圧が次第に低くなり、そしてノード・キャパシタンスが次第に小さくなるにつれて、回路は更にソフト・エラーを生じがちになる。その理由は、ビット反転を生じるのにより少ない電荷が集められることが必要だからである。90nm技術及びこれを超える場合には、論理ノードの臨界電荷量は、比較的低いLET粒子により打たれた後にビット反転が生じるに十分なほど小さくなる。
【0029】
高速化されたSEUモニタは、DRAMアレイ200に実装されることができ、ここで、ワード・デコーダ204は、ワード線206を駆動するために使用され、1組(少なくとも1つ)のDRAMセル202は、1組の(少なくとも1つ)のラッチ型の感知増幅器210に接続され、そして感知増幅器210の出力は、ビット・デコーダ212により多重化される(図2)。感知増幅器への負(−)の入力は、調整可能な基準電圧発生器214に接続される。通常のDRAM動作においては、この基準電圧は、各データの型に対してほぼ等しい信号レベルを与えるように、“1”及び“0”入力レベルの間の中心の値にされる。SEDモードにおいては、この基準電圧は、DRAMセルに記憶された信号“1”の実効臨界電荷レベルを減少するように高い値にプログラムされることができる。SEUがDRAMセルに蓄積された電荷を減少すると、感知増幅器は、このイベントを検出し、そして、“1”の代わりに“0”の出力を発生する。DRAMアレイのセルは最初に“1”にセットされることができ、そして、SEUは、任意のセルが感知増幅器からの読み取りに基づいて“0”にセットされるときに検出される。
【実施例2】
【0030】
第2の実施例において、感知マージン及びリフレッシュ率を調整することによりソフト・エラー検出を高速化するための重イオン感知装置がDRAM内に実装される。放射により誘起されたソフト・エラーをモニタするために、DRAMアレイのSER感度は、SEDモードの間に感知マージンを調整し、そしてリフレッシュ・サイクル時間を延ばすことにより増大されることができる。図3において、リフレッシュ・サイクル時間は通常T1にセットされ、その結果、各セルの電荷は、セル構造及びプロセス技術により決定される最小レベルの上に維持されることができる。SEUに対するDRAMアレイの感度を上げるために、リフレッシュ・サイクルはT1からT2に引き伸ばされることでき、これにより、蓄積されている電荷は、次のリフレッシュ・サイクルの前に最小レベルよりも少なくされる。結果として、高エネルギーの粒子の衝突により発生された少数キャリアが、次のリフレッシュの前にメモリ・セルの更に多くのソフト・エラーを引き起こす。SER感度を増大するための感知マージン及びリフレッシュ率の調整は、任意のイオン化粒子に適用されうるが、特定な粒子に対する有効性は、粒子の線エネルギー付与量(linear energy transfer, LET)に依存する。
【実施例3】
【0031】
本発明の第3の実施例は、SEDモードの間、DRAMマクロの電源電圧を低下することにより重イオンを感知し、そしてDRAMアレイのソフト・エラー検出を高速化する方法を説明する。多数の電源電圧レベルを有するシステム・オン・チップの場合、テスト中のDRAMマクロをSEDモードの間低い電源電圧に接続してソフト・エラー率を検出する異なるレベルの感度を達成するために電力スイッチが使用されることができる。例えば、通常モードの間DRAMは2.0Vで動作されるが、SEDモードの間は、1.5Vで動作されることができる。電源電圧レベルを低下することにより、高エネルギー粒子の妨害(disturbance)に対する感度が増大されることができ、これがSERテストを高速化する。
【実施例4】
【0032】
本発明の第4の実施例は、高速化されたSEUテストのための調整可能なリフレッシュ率、電源電圧及び感知基準レベルの組み合わせ使用、放射の特徴づけ(characterization)並びにDRAMアレイのシミュレーション・モデルの較正を説明する。SERモニタを適切に設計することにより、DRAMアレイのリフレッシュ率、電源電圧及び感知基準レベルは、DRAMアレイを放射に対して更に敏感にさせるように独立的に又は非独立的にプログラムされることができる。これらのパラメータ(リフレッシュ率、電源電圧及び感知基準レベル)は、費用効果の高いSEUテスト、特徴づけ及びモデルの較正のために開発されうる動作状態の多次元マトリクスを構成する。
【0033】
II:単色イオン・ビーム測定から組み立てられた実験的マトリクス及びこれの適用
(1)実験的パラメータ・マトリクスの要素
又、本発明は、調整可能なリフレッシュ率、調整可能な電源電圧及び調整可能な基準レベルを有する感知装置を有するように設定されたDRAMテスト・アレイを照射するSEUプローブとして重イオン・ビームを使用する。種々な高品質の単色重イオン・ビームが利用可能であり、そして、広いレンジの線エネルギー付与量(LET)値をカバーする。イオンのLETはその電荷の2乗に比例し、そして、その速度の二乗に反比例するので、ビームの強度または単位面積当たりの粒子の数を増大することによりソフト・エラーは、統計上短い期間内に誘起されることができ、寿命テストの間中の必要な長いテスト時間は著しく減少する。ビーム・エネルギー、衝突するイオン種及びイオン・ビームに対するサンプリング回路の向きを変えることにより、LET値及び感受性体積(有感体積)を通るイオンの行程(path length)を調整して感受性体積に置かれる電荷を正確に制御することができる。提案されたパラメータ・マトリクスに基づいて、DRAMアレイのSEU感度を特徴化するために統計的データベースが測定に基づいて生成され得る。これらの重イオン・テストは、放射の特徴化に対して高い費用効果で達成されることができる。SEUセンサは又、予測的なシュミレーション・モデル及びデザイン・ツールを較正して、マイクロエレクトロニクス及び宇宙空間の用途における、重イオン・ビーム、陽子ビーム及び中性子ビームにより生じる放射により誘起されるソフト・エラーを容易に評価する手段をもたらす。
【0034】
図4を参照すると、単色イオン・ビーム測定から得られる、パラメータ・マトリクスを作るステップを示すフロー・チャートが示されている。ステップS1において、イオン種Zi(i=1,2,・・・imax)が選択される。ステップS2において、イオン・エネルギーEj(j=1,2、・・・jmax)が選択される。ステップS3において、イオン入射角Θk(k=1,2、・・・kmax)が選択される。1若しくはそれ以上の追加のステップ(単一のステップS4として示されている)において、後行程(BEOL)におけるイオン・エネルギー損失、Si表面におけるイオン・エネルギーEs(i,j,k)及びSi表面におけるイオンLET(LET(l,j,k))が計算される。ステップS5において、測定されたSEU断面が計算される。
【0035】
この方法の目的は、SEU断面曲線を得ることであり、これは次いで、主題のDRAMのSEU感度の本質的な特徴として働く。このSEU断面曲線は、動作条件(例えば、印加電圧)及び他の特性(例えば、セルの形状、蓄積キャパシタンス、臨界電荷量等)に依存する。CMOS技術の多くの世代(バルク、SOI)の場合、少なくとも第1次に対して、この曲線はイオン化粒子(これが能動体積の表面をヒットするとき)の実効LETに依存することが見出された。実効LETに対してプロットされたSEU断面は、ワイブル(Weibull)確率紙によりしばしばパラメータ化されることができる。ここで、実効LETは、入射角度の余弦により除算された表面LETとして規定される。放射物理学の文献では、LETは、しばしばMeV−cm/mgの単位で表される。しかしながら本発明においては、LETをMeV/μmの単位で表す。
【0036】
実験的なセットアップにより制御されるパラメータは、イオン電荷Zi、エネルギーEj.入射角Θkおよびビームの粒子フルエンスを含む。粒子ビームに対してテスト中のDRAMを傾けることにより、入射角が変化されることができ、したがって、サンプルの後ろ端部(back end)を通るイオンの行程(path length)は、随意に調整されることができる。もしもBEOL材料が判るならば、入射イオンのエネルギー・レンジの関係は容易に且つ正確に計算されることができる。このことから、能動Si表面におけるLET及びイオンのエネルギーを計算することができる。能動デバイス/電荷収集領域における行程は、モデル較正目的のために操作されることができる。
以下の2つの点が注目される。
(A)DRAMに入射イオンによりおかれる電荷は、次のように見積もることができる。
44.5fC x Si表面上の実効LET(MeV/μm) x 電荷収集体積における行程(μm)
ここで、1fC=1E−15電荷のクーロン
行程は、デバイス及び回路レイアウトから見積もることができる。更に高い精度が必要ならば、モンテ・カルロ・シミュレーションにより精密に計算されることができる。
(B)SEU断面曲線(実効LETに対してプロットされる)は、確率(probability)曲線と等価である。即ち、これは、DRAMに当たる、LETの或るレンジ内の不規則なイオンがSEU(メモリ内の情報反転現象)を引き起こす確率を与える。
【0037】
(2)アルファ粒子により誘起されたSEU率の推定
アルファ粒子の放出及びIC材料を通る輸送(transfer)をモデル化するシミュレーション方法が可能である。したがって、アルファ粒子が能動ノードに衝突するときのこれらのアルファ粒子のエネルギーまたはLET分布をシミュレーションすることができる。これらシュミレーションをいくつか組み合わせ、そしてアルファ粒子により誘起されたSEU断面を測定して、アルファ粒子により引き起こされるソフト故障率(soft fail rate)を見積もることができる。
【数2】

【0038】
上式(A.1.1)において、LはイオンLETの略語であり、f(L)はモデル・シミュレーションから抜き出されたLET分布であり、そして、σSEU(L)は測定されたSEU断面である。
【0039】
(3)中性子により誘起されるSEU率の見積もり
上述のイオンにより誘起されるSEU断面の考え方は、単色の高エネルギーのハドロン、陽子、中性子及びパイオンにまで広げられることができる。しかしながら、イオンにより誘起されるSEU及びハドロンにより誘起されるSEUに対する基礎的な物理的プロセスは著しく異なる。イオンにより誘起されるSEUは、半導体材料を通るイオンの直接的なイオン化に主に基づいている。陽子、中性子及びパイオンにより誘起されるSEUは、核破砕反応において生じる二次粒子(H,He、他の軽イオン+重反跳核)に主に基づく。陽子、中性子及びパイロンにより誘起されるSEU断面を粒子エネルギーの関数として表すのが好都合である。
【0040】
宇宙線により発生される地上の中性子は、最も商業的な電子コンポーネントのSEUにおいて支配的な役目を果たす。高い高度での用途及び宇宙計画において、高エネルギー陽子は、宇宙線放射の主な要素であり、そしてSEUを生じる。高エネルギー物理的実験において、非常に稀ではあるがパイオン(実験で発生される)が、SEUに対して著しく寄与する。
【0041】
測定された中性子により誘起されるSEU断面(中性子エネルギーの関数として)を中性子エネルギー微分束(energy differential flux)と組み合わせると、地上の中性子に基づくソフト故障率は既に検討したように計算されることができる。
【0042】
(4)実験的ハードウエアを有するデバイス/回路のSEUモデルの較正
上述のパラメータ・マトリクスは、デバイス・レベルまたは回路レベルあるいはその両方におけるSEUモデルを較正するのに利用されることができる。理想的には、DRAMに入力イオン・ビームを垂直に放射することによりLET閾値を調べることができる。イオン電荷及びエネルギーを変化させることにより、LET閾値(LETth)を調べることができ、これはLETの値として規定され、そしてこれよりも下で、SEU断面は、大きなLETの場合の断面の飽和値の数パーセント未満に降下する。
Qcrit=44.5fC x LETth(MeV/μm) x 能動デバイス領域パス厚み(μm) (A1.2)
これは、臨界電荷の回路分析を較正するのに使用されることができる。
【0043】
テスト・サンプルの向きを種々に変えて測定されたデータは、DRAMを通る異なるイオン・パスに対応する。これらは、精密な物理ベースのデバイス・シミュレーションから得られる電荷収集モデルを検査及び較正するのに使用されることができる。
【0044】
本発明の好ましい形態を具体的に参照して本発明を説明してきたが、添付の請求項に定義された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に種々な変更及び修正を加えることができることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例に従う、ソフト・エラーの検出を高速化するために調整可能な基準電圧を有する感知増幅器の例示的な回路を概略的に示す図である。
【図2】本発明に従う高速化されたソフト・エラー検出のために例示的なDRAM設計を示す図である。
【図3】ソフト・エラー検出を高速化するためにリフレッシュ率を調整する例示的な方法を示す図である。
【図4】単色イオン・ビーム測定からパラメータ・マトリクスを作るための例示的なフロー・チャートを示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100 SEU検出器
102 基板
104 拡散領域
106,108 キャリア
110 放射領域
112 プリチャージ・デバイス
114 バラスト・キャパシタ
116 感知増幅器
118 出力ドライバ
200 DRAMアレイ
202 DRAMセル
204 ワード・デコーダ
206 ワード線
210 感知増幅器
212 ビット・デコーダ
214 基準電圧発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射を収集する拡散領域と、
前記拡散領域に結合されたプリチャージされたバラスト・キャパシタと、
前記プリチャージされたバラスト・キャパシタに結合され、メモリ内の情報反転現象(SEU)を前記拡散領域において収集された放射に基づいて検出する感知増幅器とを備える、高速なソフト・エラー検出のためのプログラム可能な感知検出器。
【請求項2】
更に、前記感知増幅器へ第1電圧を与えるために前記感知増幅器に結合されたプリチャージ・デバイスを備える、請求項1に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項3】
前記感知増幅器が、更に第2電圧を受け取る、請求項2に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項4】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、前記第2電圧を調整することにより調整される、請求項3に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項5】
前記拡散領域が、基板に設けられている、請求項1に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項6】
高い線エネルギー付与量(LET)粒子により発生される1組のキャリアを更に備える、請求項1に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項7】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、前記感知増幅器の感知マージン及びリフレッシュ率を調整することにより調整される、請求項1に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項8】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、前記感知増幅器への供給電圧を低下することにより調整される、請求項1に記載のプログラム可能な感知検出器。
【請求項9】
所定のリフレッシュ率で記憶ノードを第1電圧に初期化するステップと、
前記記憶ノードが第2電圧に放電されたときに、メモリ内の情報反転現象(SEU)イベントを、前記記憶ノードに結合された感知増幅器により、検出するステップと、
前記SEUイベントが発生したことを示す出力信号を感知増幅器から発生させるステップとを含む、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)のソフト・エラーを検出する方法。
【請求項10】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、前記第2電圧を調整することにより調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、前記感知増幅器の感知マージン及びリフレッシュ率を調整することにより調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記感知増幅器の放射感知レベルが、供給電圧を低下することにより調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記感知増幅器のリフレッシュ率をセットするステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
1組のDRAMセルのワード線を駆動する1組のワード・デコーダと、
前記1組のDRAMセルに結合された1組の感知増幅器と、
前記1組の感知増幅器を多重化するビット・デコーダとを備える、
メモリ内の情報反転現象(SEU)イベントを検出するためのダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)アレイ。
【請求項15】
前記1組の感知増幅器に基準電圧を与える基準電圧発生器を更に備える、請求項14に記載のDRAMアレイ。
【請求項16】
通常モードにおいて、前記基準電圧が、論理0及び論理1の間の中心の値にされる、請求項15に記載のDRAMアレイ。
【請求項17】
ソフト・エラー検出(SED)モードにおいて、基準電圧が、1組のDRAMセルに記憶された“1”の実効臨界電荷レベルを減少するために高められる、請求項14に記載のDRAMアレイ。
【請求項18】
メモリ内の情報反転現象が前記1組のDRAMセルに蓄積された電荷を減少するときに、前記感知増幅器が前記SEUイベントを検出する、請求項14に記載のDRAMアレイ。
【請求項19】
更に、前記感知増幅器が、前記SEUイベントが検出されたときに、“0”の出力を発生する、請求項18に記載のDRAMアレイ。
【請求項20】
前記DRAMアレイが初期値“1”を有し、前記1組のDRAMセルの任意のセルが前記1組の感知増幅器からの読み取りに基づいて“0”にセットされるときに前記SEUイベントが検出される、請求項14に記載のDRAMアレイ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−282516(P2008−282516A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63543(P2008−63543)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】