説明

リソグラフィー用途のための熱硬化型下層

フォトリソグラフィー用2層コート基板製造のための多層リソグラフィー工程において使用するためのエッチング耐性の熱硬化性下層組成物であり、該組成物は(a)化学式(I)、(II)、(III)の繰り返し単位を含むポリマー、(b)少なくとも1つの架橋剤、(c)少なくとも1つの熱酸発生剤、および(d)少なくとも1つの溶剤の組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野
本開示は、半導体素子の製造に使用される2層リソグラフィー、且つより特定には化学増幅型2層レジスト系のための高エッチング耐性下層組成物に関する。
【0002】
本開示の背景
マイクロエレクトロニクス産業、並びに他の関連産業は、微細構造を構成するための形状寸法を常に減少させている。この探求において効果的なリソグラフィー技術が不可欠であり、且つ常に改善された感放射線材料(レジスト)が求められる。より小さい構造を解像するために、露光光源の波長は、248nm、193nmそして157nmの深UV領域へと減少され、さらにはEUVあるいはX線放射光で露光している。パターンおよび波長が微細になるにつれ、パターン描写に使用されるレジストの材料特性はますます要求が苛酷になる。特に、感度、透過性、製造される像の美観、およびパターン転写のためのエッチング条件に対するレジストの選択性の要求性能にはますますの努力を要する。
【0003】
最新鋭のレジストは通常、化学増幅と呼ばれる技術が用いられており、光分解によって生成された酸がアルカリ可溶化成分を保護している酸感応性(酸開裂性)基の除去によってアルカリ不溶性からアルカリ可溶性へ溶解性スイッチを触媒する。レジスト作用の基盤としての化学増幅の原理は何年間も知られている(米国特許4491628号を参照)。ほとんどの化学増幅型レジストは、酸感応性カルボン酸エステルあるいは酸感応性ヒドロキシスチレン誘導体の使用を中心に設計されている。
【0004】
しかしながら、化学増幅型レジスト系は多くの欠陥を有する。1つの問題は定在波効果であり、それは単色光が露光の間に反射性の基板表面で反射されるときに起こる。これらの定在波は、フォトレジスト膜厚に依存するフォトレジスト膜内での光強度の変動であり、反射による単色光の強め合う干渉および弱め合う干渉によって引き起こされる。これはまた、解像度を減少させ、且つ線幅のばらつきを引き起こす。これらの線幅の変化は特に、常に縮小する形状に対して厄介である。例えばポジ型のフォトレジスト内の定在波は、フォトレジスト/基板界面で、フォトレジストの解像度を低下させるフッティングをもたらす傾向がある。CDのばらつきは、フォトレジスト膜厚のばらつきを厳しく制御することで制御できる。しかしながら、これはフォトレジストが基板の微細構成内で段差を被覆しなければならない場合に実施するのが困難である。基板の微細構成上のパターニングも限局性の反射を引き起こすことがあり、それが過剰露光あるいは露光不足となるフォトレジストの領域をもたらす。この反射性ノッチングは、限局性の線幅のばらつきをもたらす。
【0005】
さらに、化学増幅型レジストの輪郭および解像度は基板の被毒のせいで変化し得る。この効果は特に基板が窒化物層を有するときに引き起こされる。それは窒化膜中での残留N−H結合が窒化物/レジスト界面で酸を不活性化すると考えられている。ポジ型レジストでは、これが不溶性領域、およびレジスト汚れあるいはレジスト/基材界面で足部(foot)のいずれかをもたらす。
【0006】
さらには、リソグラフィーのアスペクト比の限界は、180nm以下の形状をプリントするために化学増幅型レジスト層が薄いこと、例えば500nmあるいはそれ未満であることを要求する。これはまた、レジスト像の形状が下にある基板に転写されるようにレジストが優れたプラズマエッチング耐性を有することを要求する。しかしながら、化学増幅型フォトレジストの吸収度を減少させるために、芳香族グループ、例えばノボラック内のものを除去しなければならず、それがまた、エッチング耐性を低下させる。
【0007】
ほとんどの通常のタイプのレジストは"単層"レジスト(SLR)と呼ばれる。それらのレジストは高吸収性の薄い反射防止被膜(ARC)を使用して定在波効果を最小化している。それらの反射防止被膜は、それらが基板とフォトレジストとの間に適用された場合、基板汚染に伴う問題も緩和する。
【0008】
SLR系において、レジストは結像することと、プラズマエッチング耐性を提供することとの2つの機能を有する。従って、レジストのリソグラフィー特性、例えば吸収、像の輪郭、解像度と、基板のプラズマエッチング耐性との間で、異質の性能の折り合いをつけなければならない。例えば、典型的な誘電体のマスク開口部において、該レジストはARC層を開口するための酸素プラズマエッチングおよび次の基板エッチングに耐える必要がある。著しい量のフォトレジストがARCエッチング工程の間に失われる。なぜなら、レジストとARCとの間のエッチング選択性が約1:1しかないからである。これはARCが基板エッチングのために充分なフォトレジスト膜厚を保持するのに可能な限り薄いことを必要とする。従って、それらのARCは化学線波長で比較的高い吸収度(k値)を有して基板での反射防止に効率的であらねばならない。
【0009】
他のアプローチは2層レジスト(BLR)系の使用である。BLR系は下層(UL)膜の第一の厚い層と、その次の乾燥させたレジストの第二の薄い層(結像層あるいはIL)で被覆された基板からなる。該下層膜は高酸素プラズマ雰囲気中でエッチングされ、ILはエッチングマスクとして機能する。典型的な結像層は乾燥した化学増幅型のケイ素含有レジストからなる。IL中のシリコンはULの酸素プラズマエッチングの間にケイ素酸化物成分に変換され、こうしてILに必要なULに対するエッチング選択性を与える。該下層膜はその後、下にある基板の除去ための無酸素あるいは低酸素プラズマエッチングの化学的性質を使用した基板エッチング用のエッチング耐性マスクとしてはたらく。
【0010】
SLR内のARCと類似して、BLR内の下層膜を最適に設計して、深UV光の大半を吸収するべきであり、それが定在波効果を弱める。さらに、該下層膜はレジスト/基板界面での酸触媒の不活性化を防ぐ。しかしながら、BLR系においては、基板エッチングのための本質的なエッチングマスクは下層膜である。従って下層膜は、官能基を有するポリマーを取り込んでエッチング選択性を提供する。該レジストは、結像およびプラズマエッチング耐性を提供する2つの機能を有さない。従って、該レジストはSLR系と比較して薄くてもよく、且つそのリソグラフィー特性は妥協しなくてもよい。さらには、該下層組成物を基板に適用して、典型的なARC層の厚さの約2〜5倍の厚さの下層膜を製造する。これは実質的に基材を次の結像工程に先だって平坦化するのを助ける。従って、基板の微細構成による上述の反射問題、並びにレジスト厚さの均一性の問題が改善されている。
【0011】
下層膜が定在波および基板の被毒を弱めるとはいえ、それは他の問題を有する。第一に、いくつかの下層は化学増幅型レジストの溶剤成分に可溶である。適用したときレジストと下層との間で混合が起きると、結像層の解像度および感度が悪影響を受けるであろう。
【0012】
屈折率(N)は複素数、N=n−ikであり、nは屈折率の実数部であり、且つikは屈折率の虚数部である。消衰係数kは、波長(λ)の関数である吸収係数(α)に比例し、且つ以下の関係 k=λα/(4π)によって近似される。化学増幅型レジストと下層膜との間の屈折率に大きな差があれば、光は下層膜で反射され、それがレジスト内で定在波効果を引き起こす。従って、前記の2つの層の屈折率の実数成分"n"を本質的に一致させるか、あるいは差を最小化させなければならず、且つ前記の2つの層の屈折率の虚数成分"k"を最適化して反射効果を最小化しなければならない。この最適化は、UL/IL界面からの残留反射を最小化するために重要である。従って、適切なk値を選択する際、基板の反射の抑制とUL/IL界面からの反射との間で折り合いをつけなければならない。ULにおけるk値はARCと比較して低くてよい。なぜなら、ULは非常により厚い膜厚で用いられるからである。これは低いUL/IL界面反射をもたらす。他方、ARCは、フォトレジストに対する乏しいエッチング選択性のため、薄くなければならず、且つ基板反射を制御するためにそれらは高吸収性でなければならない。
【0013】
下層に伴う他の問題は、それらは時として、芳香族基を組み込んでいるせいで過剰に吸収性であることである。いくつかの半導体装置製造用深UV露光装置は、フォトレジストを露光するのと、レジストの下の層に露光マスクをアライメントするのとの両方に同一の光波長を使用する。下層が過剰に吸収性であれば、アライメントに必要な反射光は弱すぎて有用ではない。さらには、該組成物が"過剰に吸収性"である可能性があり、それは屈折率の整合に対して最適化された吸収性、および最適化された吸収性を有するものよりも高水準の反射をみちびき得る。しかしながら、該下層が充分に吸収性でなければ、定在波が生じ得る。配合者はこれらの競合する事象の均衡をとらねばならない。
【0014】
さらには、下層膜は半導体産業で認容できる少なくとも1つのエッジビード除去剤と適合し、並びに下層の上に塗布されるレジストとの優れた適合性を有してリソグラフィー性能(例えば感光速度、壁の輪郭、焦点深さ、付着)に悪影響をおよぼさないようにしなければならない。
【0015】
さらには、いくつかの下層は、感放射線レジストを適用して結像層を形成する前に、架橋を形成するためにUV露光を必要とする。UV架橋可能な下層に伴う問題は、それらが充分な架橋を形成するために長い露光時間を必要とすることである。長い露光時間はスループットをひどく妨げ、且つ集積回路の製造コストを上昇させる。UV装置も均一な露光を提供せず、そのため下層のいくつかの領域は下層の他の領域よりも架橋し得る。さらには、UV架橋露光装置は非常に高価であり、且つ、費用および空間的な制限のせいで大半のレジスト塗布装置内には含まれていない。
【0016】
いくつかの下層は熱によって架橋する。しかしながら、それらの下層のいくつかに伴う問題は、それらが結像層のためのレジストが適用される前に高い硬化温度および長い硬化時間を必要とすることである。商業的に有用であるためには、下層は250℃未満の温度および180秒未満の時間で硬化可能であるべきである。硬化後、該下層膜は高いガラス転移温度を有して次の高温プロセスに耐えなければならず、且つレジスト層と混ざってはいけない。
【0017】
250℃未満の温度であっても、少量の下層膜成分(例えばTAG、ポリマーからのオリゴマー)あるいは熱硬化からの生成物(例えば酸、アルコール、水)の昇華がしばしば起きる。汚染のせいでより頻度の高い洗浄および装置部品が交換を必要とされるので、これは装置の中断時間の増加をもたらす。
【0018】
特定の用途において、下層膜が基板表面を平坦化することが望ましい。しかしながら、下層膜を熱架橋しながらこれを実現するのは困難なことがある。温度が上昇し且つ架橋数が増加するにつれ、膜のガラス転移温度が上昇する。これは膜が流動して基板を平坦にするのをより困難にする。従って、可能な限り低分子量の材料を使用して平坦性を改善することが望ましい。しかしながら、下層膜中でのより低い分子量のポリマーの使用は、レジスト結像工程のリソグラフィー特性に悪影響をおよぼし得る。
【0019】
無混合、無昇華、EBR適合性、良好な平坦化特性、および下層膜上に塗布されたレジストを適切に補完する光学的特性への要求に加えて、下層膜は下にある基板へのパターン転写を可能にするために良好なエッチング耐性を有する必要がある。ノボラックあるいはp−ヒドロキシスチレン(PHS)ベースのポリマーが様々なプラズマ源に対して良好なエッチング耐性を示す一方、それらの材料は193nmで非常に強く吸収し、且つそれらの(λ=193nmでの)k値は0.64もの高さである。(Proc SPIE 2001, 4345, p50 およびEP特許0542008号)。逆に、アクリレートベースのポリマーは193nmで良好な光学的透過性を有するが、しかし乏しいエッチング耐性を欠点として有する。それらの課題の解決策は個々に他の領域の性能にしばしば悪影響をおよぼす。米国特許6610808号(De et al.)は、BLR系の下層膜において使用するために極性基を組み込んでEBR適合性を改善するポリマーについて記載している。米国特許出願2005/0238997号(De et al.)は、同一の用途のために、減少した昇華傾向および最適化された分子量(MW)範囲を有するポリマー系について記載している。しかしながら、特定の用途のためには、それらのアクリルベースの下層膜はプラズマエッチング耐性の改善が必要である。
【0020】
シクロオレフィンポリマーは、ノボラックおよびPHSベースの材料と比較して、193nmでより良好な透過性を提供する。米国特許6136499号は、シクロオレフィンポリマー系がいくつかの芳香族系よりも優れたエッチング耐性を示すことを開示している。従って、シクロオレフィンモノマー単位のスチレンあるいはアクリルポリマーへの混合、あるいはスチレン/アクリルコポリマーはいくつかの利点を有し得る。しかしながら、シクロオレフィンモノマーの堅さのせいでTgが上昇するかも知れず、それは基板の微細構成を平坦化するポリマーの性能に悪影響を及ぼす。さらに、シクロオレフィンモノマーはラジカル重合条件に対して低い反応性を示す。
【0021】
少量のシクロオレフィンモノマーは、ラジカル条件の下で、アクリルあるいはスチレンモノマーとの共重合中に最終的なポリマーマトリックス中へ組み込まれ得る(例えば米国特許3697490号を参照)。シクロオレフィンと、アクリルあるいはスチレンモノマーとの共重合は、ルイス酸促進剤を用いてあるいは用いないで遷移金属触媒(即ち配位触媒)を使用すると非常に効果的である。かかる共重合法は例えば米国特許3723399号、6111041号、6136499号、6300440号および6303724号内に記載される。該ポリマーの金属汚染はこのタイプの重合に伴う1つの大きな問題である。従って、該ポリマーを電子材料において使用する場合、高価且つ冗長な金属除去工程を使用しなければならない。選択的に、シクロオレフィンと、重合可能な二重結合に結合する2つの電子求引性基を含有するモノマー、例えばマレイン酸およびそのエステルとのコポリマーを、ラジカル開始法によって容易に得ることができる。例は米国特許6303265号内で説明されている。しかしながら、シクロオレフィンと、重合可能な二重結合に付けられる1つだけの電子求引性基を含有するモノマーとの共重合は非常にわずかしか報告されておらず、且つ以下で論じられる。
【0022】
本開示は、シクロオレフィン性モノマー、置換ビニル芳香族モノマー、および選択された特性を強化したモノマーを含む混合物からラジカル開始法によって製造されたポリマーを使用した熱硬化性下層組成物に関する。それらのポリマーを下層組成物内で使用する場合、エッチング耐性が改善され、且つ下層膜の基板平坦化性が改善する。より低い分子量のポリマーを他の特性領域に大きな悪影響を及ぼさないで用いることができる。しかしながら、どうやって下層膜としてそれらの材料を製造および混合し、且つ同時に下層膜に要求される特性の全てを得るのかが明らかでない。
【0023】
発明の要約
本開示の課題は、多層リソグラフィー工程、例えば2層レジスト系のための高エッチング耐性の熱硬化性下層組成物を提供することである。それらの下層組成物を使用して、反射防止層および平坦化層として同時に機能して結像層のリソグラフィーを容易にし且つパターンを下にある基板に転写するための保護エッチングマスクとしてもはたらく下層膜を製造する。
【0024】
1つの実施態様において、本開示は新規の高エッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、
(A) 構造I、IIおよびIIIの繰り返し単位を含むポリマー
【化1】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは(CH2n5によって表される極性基を表す。前記R5は−OR6、−(OR12oOR7、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10を表し、且つ前記nは0〜5の整数である。前記R6、R7、R8、R9およびR10は個々に独立に水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基あるいは置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基を表す。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。前記R2とR4とが互いに結合して、−C(O)−Z−C(O)−あるいは−(CH2pOC(O)−によって表される二価の基を形成してもよい。前記Zは−O−あるいは−N(R13)−であり、且つ前記pは1〜約3の整数である。前記R13は水素原子あるいはC1〜C10アルキル基を表す。mは0〜約4の整数である。且つ、XおよびYは独立に−CH2−、−O−、あるいは−S−である。R14は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全あるいは部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。AはC6〜C20アリーレン基あるいはA1−W−A2基を表す。前記A1はC6〜C10アリーレン基であり、前記A2はC6〜C10アリール基であり、且つ前記Wは単結合、−S−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(R1617)−、−C(=CR1819)−および−CR18=CR19−の群から選択される。前記R16、R17、R18およびR19は独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基あるいはC1〜C10アルキル基あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。qは1〜2の整数である。且つ、rは0〜約3の整数である。R21は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全または部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。Lは単結合、−C(O)O−、−C(O)O(R23O)s−あるいは−C(O)NR24−基を表す。前記R23はC2〜C6アルキレン基を表す。前記R24は水素原子あるいは直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基を表す。且つ、前記sは1〜約4の整数である。MはC5〜C20シクロアルキレン基あるいはC6〜C18アリーレン基を表す。Eは単結合、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、あるいは−S(O2)−を表す。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、脂環式C5〜C15炭化水素基、C6〜C18アリール基あるいはC7〜C18アルキルアリール基を表し、且つtは1〜約4の整数である。ただし、Lが単結合であり且つMがアリーレン基であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IまたはIIまたはIIIの繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
(B) 少なくとも1つの架橋剤
(C) 少なくとも1つの熱酸発生剤、および
(D) 少なくとも1つの溶剤
を含む下層組成物に関する。
【0025】
本開示はまた、基板、該基板上に上述のように塗布された下層組成物の熱硬化膜(下層膜)、および該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストを含むフォトリソグラフィー用2層被覆基板に関する。
【0026】
本開示はさらに基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に本明細の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、ケイ素含有感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階においてケイ素含有感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物のケイ素含有感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法に関する。
【0027】
詳細な説明および実施態様
本開示の課題は、低い昇華傾向、良好な平坦化性能および高性能リソグラフィーの結像と適合可能である高いエッチング選択性を有し、且つ高い配合許容度を有するリソグラフィー工程における下層膜として使用される熱硬化性下層組成物を得ることである。さらに、この熱硬化性下層組成物は、市販のエッジビード除去剤組成物において用いられる溶剤と適合する必要がある。
【0028】
用語"酸感応性基"は、酸、例えばカルボン酸あるいはスルホン酸の存在下で、160℃までで10分間までの持続時間のベーク条件下で、5モル%より多く反応して、アルカリ現像液水溶液内でポリマーの溶解度を増加させる新しい官能基を産出する官能基を意味すると定義される。
【0029】
用語"環式アルキル"は、一重、不飽和のアルキル環並びに多環式および橋かけアルキル構造を含むと解釈される。
【0030】
用語"環式アルキレン"は、一重、不飽和のアルキレン環並びに多環式および橋かけアルキレン構造を含むと解釈される。
【0031】
用語"著しい架橋"は、ガラス転移温度における約5%あるいはそれより高い上昇として定義される。
【0032】
該熱硬化性下層組成物はシクロオレフィン性モノマー単位、置換ビニル芳香族モノマー単位、および選択された特性を強化したモノマー単位を含むポリマー、架橋剤、熱酸発生剤(TAG)、および溶剤を含む。該組成物を膜として形成し且つ加熱した場合、熱酸発生剤がポリマーと架橋剤との架橋反応を触媒する酸を生成する。充分な架橋の後、該下層膜はレジスト被膜溶剤中で不溶性になる。
【0033】
熱酸発生剤がこの下層組成物に好ましいが、遊離酸を使用し得る。しかしながら、ポリマーが時間をかけて溶液中で架橋する場合、遊離酸は下層組成物の貯蔵寿命を短くし得る。逆に、熱酸発生剤は、下層膜が加熱されたときのみ活性化される。下層組成物はポリマーと、TAGなしで加熱によってポリマーを架橋できる架橋剤とを含んでもよいが、熱酸発生剤の添加が架橋効率の強化に対して好ましい。
【0034】
下層膜が基板と下層膜/結像層界面との両方からの反射界面効果を最小化することはBLR系のリソグラフィー性能に対して肝要である。これは結像層(IL)に対する下層膜の最適特性を注意深く調整することによって実現される。屈折率の"実数"成分(n)と屈折率の"虚数"成分(ik)との両方が重要である。kは材料の吸収に比例する。ポリマーは光が基板から結像層界面に反射し返されるのを防ぐために充分な高い光学的吸収性が必要である。該ポリマーは結像層と合致した屈折率nを有して下層膜/結像層からの光の反射を防ぐ必要もある。ULとILとが厳密に合致したnを有していれば、そのとき、下層膜からの光の反射は下層膜のk2にほぼ比例する。(Neisser et al, Proc. SPIE2000, 4000, p942−951および米国特許6042992号および6274295号を参照)。従って、kを2倍減少させることはUL/Il界面の反射を4倍減少させることになる。従って、該組成物が"過剰に吸収性"であり得る。2つの層の屈折率の"虚数"成分"k"を最適化して、反射する基板と下層膜との両方からの反射効果を最小化しなければならない。典型的には、下層膜はARCより低いk値を有するが、しかし、単にそれらがより厚い膜厚で被覆されているというだけで低い基板反射性をなお提供している。より低いそれらのk値はUL/IL界面からIL内に反射し返される光のより良好な抑制を提供する。さらには、ARCと比較した下層膜のより厚い塗布厚さは、優れた平坦化のおかげで、下層膜の膜厚の不均一性による基板の反射性のばらつきを最小化し且つ結像層厚の不均一性におけるばらつきも減少させる。この全てが結像層内への化学線からの界面効果を最小化し、且つより安定なリソグラフィー工程をもたらす。
【0035】
下にある基板を平坦化させる下層組成物の性能はいくつかの用途のための他の重要な特性である。下層組成物が良好な平坦化性能を示すためには、基板上への塗布の際およびベークの間に流動でき、且つ下層組成物中のポリマーが著しく架橋する前に微細構成によって残されている空間を埋めなければならない。これを実現するためには、下層組成物用のポリマーは最適化された分子量およびガラス転移温度(Tg)を有していなければならない。一般に、該ポリマーのTgはポリマーのMwと共に上昇する。ポリマーのTgは、ポリマーの著しい架橋を促進しない温度でのベーク段階の間にポリマーを流動させるのに充分なほど低くなければならない。他方、ポリマーのMwおよびTgが低すぎると、下層膜はその基板エッチング選択性を失うであろう。ポリマー鎖に柔軟性を提供するための、ポリマー内へモノマー単位の混合もまた平坦化を助けるであろう。さらには、TAGおよび架橋剤の選択も本文脈において重要である。例えば、熱酸発生剤がポリマーのTgの充分上の温度でのみ著しい量の酸を生成するなら、該下層膜は加熱工程が硬化温度に到達する前に流動することができるであろう。
【0036】
プラズマおよび/または反応性イオンエッチング(RIE)耐性は、2層用途における下層膜にとって適切な基板へのレジストの充分なパターン転写を確実にするための他の肝要なパラメータである。妥当な吸収率および基板エッチング選択性、並びに本開示の下層組成物から製造された下層膜の平坦性の度合いは、3つのベースモノマー単位(構造I、II、およびIII)の量と選択とを注意深く均衡をとることによって得られる。
【0037】
1つの実施態様において、本開示は高いエッチング耐性および良好な平坦化特性を有する新規の熱硬化性下層組成物において、
(A) 構造I、IIおよびIIIの繰り返し単位を含むポリマー
【化2】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは(CH2n5によって表される極性基を表す。前記R5は−OR6、−(OR12oOR7、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10を表し、且つ前記nは0〜5の整数である。前記R6、R7、R8、R9およびR10は個々に独立して水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基あるいは置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基を表す。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。前記R2とR4とがお互いに結合して、−C(O)−Z−C(O)−あるいは−(CH2pOC(O)−によって表される二価の基を形成してもよい。前記Zは−O−あるいは−N(R13)−であり、且つ前記pは1〜約3の整数である。前記R13は水素原子あるいはC1〜C10アルキル基を表す。mは0〜約4の整数である。且つXおよびYは独立に−CH2−、−O−、あるいは−S−である。R14は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全あるいは部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。AはC6〜C20アリーレン基あるいはA1−W−A2基を表す。前記A1はC6〜C10アリーレン基であり、前記A2はC6〜C10アリール基であり、且つ前記Wは単結合、−S−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(R1617)−、−C(=CR1819)−および−CR18=CR19−の群から選択される。前記R16、R17、R18およびR19は独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基あるいはC1〜C10アルキル基あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。qは1〜2の整数である。且つrは0〜約3の整数である。R21は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全または部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。Lは単結合、−C(O)O−、−C(O)O(R23O)s−あるいは−C(O)NR24−基を表す。前記R23はC2〜C6アルキレン基を表す。前記R24は水素原子あるいは直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基を表す。および、前記sは1〜約4の整数である。MはC5〜C20シクロアルキレン基あるいはC6〜C18アリーレン基を表す。Eは単結合、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、あるいは−S(O2)−を表す。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、脂環式C5〜C15炭化水素基、C6〜C18アリール基あるいはC7〜C18アルキルアリール基を表し、且つtは1〜約4の整数である。ただし、Lが単結合であり且つMがアリーレン基であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IまたはIIまたはIIIの繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
(B) 少なくとも1つの架橋剤
(C) 少なくとも1つの熱酸発生剤、および
(D) 少なくとも1つの溶剤
を含む下層組成物に関する。
【0038】
下層組成物が加熱された場合、該熱酸発生剤が多官能性の架橋剤をプロトン化する酸を生成し、非常に強い求電子性基がもたらされる。この基はヒドロキシル含有ポリマー上のヒドロキシル基と反応して硬化した架橋ポリマーマトリックスの第一の結合を形成できる。ヒドロキシフェニル基を有するポリマーもフェニル環上の求電子置換によって反応できる。
【0039】
本開示において使用されているポリマーは構造I
【化3】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは(CH2n5によって表される極性基を表す。前記R5は−OR6、−(OR12oOR7、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10を表し、且つ前記nは0〜5の整数である。前記R6、R7、R8、R9およびR10は個々に独立して水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基あるいは置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基を表す。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。前記R2とR4とが互いに結合して、−C(O)−Z−C(O)−あるいは−(CH2pOC(O)−によって表される二価の基を形成してもよい。前記Zは−O−あるいは−N(R13)−であり、且つ前記pは1〜約3の整数である。前記R13は水素原子あるいはC1〜C10アルキル基を表す。mは0〜約4の整数である。且つ、XおよびYは独立に−CH2−、−O−、あるいは−S−である。ただし、構造Iは酸感応性基を含有しない。]
によって表される繰り返し単位を含む。
【0040】
6、R7、R8、R9およびR10の適した例は、限定されずに、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ノニル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、アダマンチル、1−アダマンチルメチルおよびフェニルを含む。R6、R7、R8、R9およびR10の好ましい例は水素原子、メチル、トリフルオロメチル、フェニルおよびその種のものである。
【0041】
12基の適した例は、限定されずに、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ヘキシレン、シクロヘキシレン、テトラフルオロエチレンおよびその種のものを含む。
【0042】
12の好ましい例は、メチレン、エチレン、イソプロピレン、およびテトラフルオロエチレンである。R13の適した例は、限定されずに、水素原子、メチル、エチルおよびシクロヘキシルを含む。R13の好ましい例は水素原子、メチルおよびその種のものである。
【0043】
5の適した例は、限定されずに、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、シクロヘキシルオキシ、

ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルカルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−アセテート、シス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−イルカルボキシレート、1−アダマンタンカルボキシレート、3−メチル−1−アダマンタンカルボキシレート、3,5−ジメチル−1−アダマンタンカルボキシレート、1−アダマンチルアセテート、3−メチル−1−アダマンチルアセテート、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボキシレートおよびその種のものを含む。好ましい極性基はヒドロキシルあるいはヒドロキシル含有基である。
【0044】
1、R2、R3およびR4の適した例は、限定されずに、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−メチルブチル、ノニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、シクロヘキシルオキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、エトキシメチル、シクロヘキシルオキシメチル、メトキシシクロヘキシル、

ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルカルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−アセテート、シス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−イルカルボキシレート、オクタヒドロペンタレン−1−カルボキシレート、1−アダマンタンカルボキシレート、3−メチル−1−アダマンタンカルボキシレート、3,5−ジメチル−1−アダマンタンカルボキシレート、1−アダマンチルアセテート、3−メチル−1−アダマンチルアセテート、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボキシレート、メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルカルボキシレート、メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−アセテート、メチルシス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−イルカルボキシレート、メチルオクタヒドロペンタレン−1−カルボキシレート、メチル−1−アダマンタンカルボキシレート、メチル−3−メチル−1−アダマンタンカルボキシレート、メチル−3,5−ジメチル−1−アダマンタンカルボキシレート、メチル−1−アダマンチルアセテート、メチル−3−メチル−1−アダマンチルアセテート、メチルトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボキシレートおよびその種のものを含む。
【0045】
構造Iを生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル ジアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイルジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル メチル アセテート、3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、(3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、(3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、[3−(トリクロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、[3−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、5−(メトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アダマンタン−1−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル アダマンタン−1−カルボキシレート、3−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル 3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エチル アセテート、5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン スピロ−N−フェニルスクシンイミド、5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン スピロ−N−シクロヘキシルスクシンイミド、5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン スピロ−N−エチルスクシンイミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタノール、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタノール、2−ヒドロキシエチル 7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、2−ヒドロキシエチル 7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル酢酸、3−トリシクロ[4.3.0.12,5]デセン、3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−オール、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル アセテート、8−メチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、8−エチリデン−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イルオキシ)エタノール、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル−アセテート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル メタノール、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−オールおよびその種のものを含む。
【0046】
構造(I)を生成する好ましいモノマーは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル ジアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイルジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エチル アセテート、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル−アセテートおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−オールである。
【0047】
構造(I)を生成するより好ましいモノマーは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル−アセテートおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−オールである。
【0048】
構造(I)を生成する最も好ましいモノマーは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテートおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル−アセテートである。
【0049】
本開示において使用されているポリマーはさらに、構造(II)
【化4】

[式中
14は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全あるいは部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。AはC6〜C20アリーレン基あるいはA1−W−A2基を表す。前記A1はC6〜C10アリーレン基であり、前記A2はC6〜C10アリール基であり、且つ前記Wは単結合、−S−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(R1617)−、−C(=CR1819)−および−CR18=CR19−の群から選択される。前記R16、R17、R18およびR19は独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基あるいはC1〜C10アルキル基あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基である。qは1〜2の整数である。且つ、rは0〜約3の整数である。ただし、構造IIは酸感応性基を含有しない。]
によって表される繰り返し単位を含む。
【0050】
14基の適した例は、限定されずに、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチルおよびその種のものを含む。R15基の適した例は、限定されずに、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、オクチル、シクロオクチル、シクロノニル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、クロロ、フルオロ、ブロモおよびその種のものを含む。R16、R17、R18およびR19の適した例は、限定されずに、ハロゲン原子、メチル、エチル、イソプロピル、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエチル、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロピル、シアノおよびその種のものを含む。Wの適した例は、限定されずに、単結合、−S−、−O−、−C(=O)−、−C(=O)O−、メチレン、エチレン、イソプロピレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、ビス(トリフルオロメチル)メチレン、1,1−ジフルオロメチレンおよびその種のものを含む。A1の適した例は、限定されずに、置換および非置換フェニレン、置換および非置換ナフチレンおよびその種のものを含む。A2の適した例は、限定されずに、フェニル、ナフチルおよびその種のものを含む。
【0051】
Aの適した例は、限定されずに、フェニレン、ナフチレン、アントラセニレン、フェナントラセニレン、インデニレン、ビフェニレン、4−ベンジルフェニレン、4−フェノキシフェニレン、4−フェナシルフェニレン、4−フェニルイソプロピリデンフェニレン、4−フェニル−(1,1,1,3,3,3)−ヘキサフルオロイソプロピリデンフェニレン、4−フェニルカルボニルフェニレン、およびその種のものを含む。好ましいAの例は、フェニレン、ビフェニレン、ベンジルフェニレンおよび4−フェノキシフェニレンを含む。
【0052】
A(OH)q(R15rの適した例は、限定されずに
【化5】

を含む。
【0053】
構造(II)によって記載されるモノマー単位中のヒドロキシル基は、重合工程に干渉し得る。実際には、重合に用いられた実際のモノマーはヒドロキシル官能性に対するすぐに除去可能な保護基を含有する。かかる保護基の例は、限定されずに、アセトキシおよびトリアルキルシロキシ基を含む。重合の後に、該保護基が除去される。
【0054】
脱保護の後に構造(II)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、2−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル−1,2−フェニレン ジアセテート、5−ビニルベンゼン−1,2,3−トリイル トリアセテート、4−イソプロペニルフェニル アセテート、2−メチル−4−ビニルフェニル アセテート、2−クロロ−4−ビニルフェニル アセテート、2−tert−ブチル−4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル−1−ナフチル アセテート、2−ビニル−1−ナフチル アセテート、9−ビニル−2−アントリル アセテート、9−ビニル−1−アントリル アセテート、4’−ビニルビフェニル−4−イル アセテート、4−(4−ビニルベンジル)フェニル アセテート、4−[1−メチル−1−(4−ビニルフェニル)エチル]フェニル アセテート、4−(4−ビニルベンゾイル)フェニル アセテート、4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)−1−(4−ビニルフェニル)エチル]フェニル アセテート、4−(4−ビニルフェノキシ)フェニル アセテート、4−[(4−ビニルフェニル)チオ]フェニル アセテート、4−アセトキシフェニル 4−ビニルベンゾエート、4−アセトキシ−3−メチルフェニル 4−ビニルベンゾエート、4−ビニルフェニル 4−アセトキシベンゾエートおよびその種のものを含む。構造(II)を生成するモノマーの好ましい例は、4−ビニルフェニル アセテート、2−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、4−ビニル−1,2−フェニレン ジアセテート、4’−ビニルビフェニル−4−イル アセテートおよび4−ビニル−1−ナフチル アセテートを含む。より好ましいモノマー生成構造(II)は、4−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、4−ビニル−1,2−フェニレン ジアセテート、4’−ビニルビフェニル−4−イル アセテートおよび4−ビニル−1−ナフチル アセテートである。最も好ましいモノマー生成構造(II)は、4−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、および4’−ビニルビフェニル−4−イル アセテートである。
【0055】
本開示において使用されているポリマーはさらに、構造III
【化6】

[式中、
21は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全または部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、あるいはハロゲン原子である。Lは単結合、−C(O)O−、−C(O)O(R23O)s−あるいは−C(O)NR24−基を表す。前記R23はC2〜C6アルキレン基を表す。前記R24は水素原子あるいは直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基を表す。且つ、前記sは1〜約4の整数である。MはC5〜C20シクロアルキレン基あるいはC6〜C18アリーレン基を表す。Eは単結合、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、あるいは−S(O2)−を表す。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、脂環式C5〜C15炭化水素基、C6〜C18アリール基あるいはC7〜C18アルキルアリール基を表し、且つtは1〜約4の整数である。ただし、Lが単結合であり且つMがアリーレン基であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IIIは酸感応性基を含有しない。]
によって表される繰り返し単位を含む。
【0056】
21基の適した例は、限定されずに、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、およびその種のものを含む。R23の適した例は、限定されずに、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプロピレン、イソブチレンおよびヘキシレンを含む。R23の好ましい例は、限定されずに、エチレン、プロピレン、およびイソプロピレンである。R24の適した例は、限定されずに、水素原子、メチル、エチル、シクロヘキシルおよびノニルを含む。R24の好ましい例は、水素原子、メチルおよびその種のものを含む。Lの適した例は、限定されずに、単結合、−C(O)O−、−C(O)NH−、−C(O)N(CH3)−、−C(O)OC24O−、および−C(O)OC24OC24O−およびその種のものを含む。
【0057】
Mの適した例は、限定されずに、フェニレン、ナフチレン、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ビシクロ[2.1.1]ヘキシレン、ビシクロ[2.1.1]ヘプチレン、ビシクロ[3.1.1]ヘプチレン、アダマンチレン、アダマンチルメチレン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニレン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニレンおよびその種のものを含む。Mの好ましい例は、フェニレン、シクロヘキシレン、ビシクロ[2.1.1]ヘプチレン、ビシクロ[3.1.1]ヘプチレン、アダマンチレン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニレン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニレンを含む。
【0058】
22の適した例は、限定されずに、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデカニル、シクロデカンメチル、シクロドデシル、シクロデカンメチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[5.1.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[5.2.1]デシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.4.1]ウンデシル、ビシクロ[5.3.1]ウンデシル、ビシクロ[4.4.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.2]ドデシル、ビシクロ[5.3.3]トリデシル、ビシクロ[5.4.2]トリデシル、ビシクロ[5.5.1]トリデシル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ナフチル、ナフチルメチルおよびその種のものを含む。好ましいR22は、水素原子、メチル、エチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アダマンチル、アダマンチルメチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル、フェニル、ベンジルおよびフェニルエチル基である。
【0059】
−M(−E−R22tの適した例は、限定されずに、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、4−シクロヘキシルフェニル、4−ビフェニル、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、イソボルニル、アダマンチル、3−ヒドロキシアダマンチル、3,5−ジヒドロキシアダマンチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカー8−イル−2−メチル、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカー8−イル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンメチル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルおよびその種のものを含む。
【0060】
構造IIIを生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、スチレン、4−シクロヘキシルスチレン(cylohexylstyrene)、4−N−メチルフェニルアクリルアミド、N−メチルフェニルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、4−シクロヘキシルフェニルアクリレート、4−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、4−シクロペンチルフェニルアクリレート、4−シクロペンチルフェニルメタクリレート、4−シクロヘプチルフェニルアクリレート、4−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘキシルフェニルアクリレート、3−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、3−シクロペンチルフェニルアクリレート、3−シクロペンチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘプチルフェニルアクリレート、3−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘキシルフェニルアクリレート、2−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、2−シクロペンチルフェニルアクリレート、2−シクロペンチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘプチルフェニルアクリレート、2−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールエチルエーテルアクリレート、エチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレートおよびその種のものを含む。構造(III)を生成するモノマーのより好ましい例は、限定されずに、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−2−メタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル−2−メタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールベンジルエーテルアクリレートおよびエチレングリコールベンジルエーテルメタクリレートおよびその種のものを含む。
【0061】
構造(III)を生成するモノマーの最も好ましい例は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−2−メタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル−2−メタクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレートおよびその種のものを含む。
【0062】
熱硬化性下層組成物の好ましい実施態様は、構造Ia、IIaおよびIIIa−1
【化7】

[式中、
1、R2、R3、R4およびXは構造Iに対して定義された通りである。R14、R15、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。Aはナフチルあるいはフェニル基を表す。MはC6〜C18アリーレン基である。R21は構造IIIにおいて定義された通りである。Lは単結合あるいは−C(O)O−を表す。Eは単結合、−O−あるいは−C(O)O−である。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基を表す。且つtは1〜約3の整数である。ただし、Lが単結合であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IaまたはIIaまたはIIIa−1の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むポリマーを含む。
【0063】
構造Iaを生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル ジアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイルジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル メチル アセテート、3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、(3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、(3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、[3−(トリクロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、[3−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、5−(メトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アダマンタン−1−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル アダマンタン−1−カルボキシレート、3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル 3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エチル アセテート、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタノール、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタノール、2−ヒドロキシエチル 7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、2−ヒドロキシエチル 7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル酢酸およびその種のものを含む。
【0064】
脱保護の後に構造(IIa)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、2−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル−1,2−フェニレン ジアセテート、5−ビニルベンゼン−1,2,3−トリイル トリアセテート、4−イソプロペニルフェニル アセテート、2−メチル−4−ビニルフェニル アセテート、2−クロロ−4−ビニルフェニル アセテート、2−tert−ブチル−4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル−1−ナフチル アセテート、2−ビニル−1−ナフチル アセテートおよびその種のものを含む。
【0065】
構造(IIIa−1)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、スチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−シクロヘキシルフェニルアクリレート、4−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、4−シクロペンチルフェニルアクリレート、4−シクロペンチルフェニルメタクリレート、4−シクロヘプチルフェニルアクリレート、4−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘキシルフェニルアクリレート、3−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、3−シクロペンチルフェニルアクリレート、3−シクロペンチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘプチルフェニルアクリレート、3−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘキシルフェニルアクリレート、2−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、2−シクロペンチルフェニルアクリレート、2−シクロペンチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘプチルフェニルアクリレート、2−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、およびその種のものを含む。
【0066】
熱硬化性下層組成物の他の好ましい実施態様は、構造Ia、IIaおよびIIIa−2
【化8】

[式中、
IaおよびIIaは上で定義された通りである。MはC5〜C20シクロアルキレン基である。R21は構造IIIに対して定義された通りである。Eは単結合、−O−あるいは−C(O)O−である。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基を表す。且つtは1〜約3の整数である。ただし、構造IaまたはIIaまたはIIIa−2の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むポリマーを含む。
【0067】
構造(IIIa−2)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート、およびその種のものを含む。
【0068】
熱硬化性下層組成物のより好ましい実施態様は、構造Ib、IIbおよびIIIb−1
【化9】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、あるいは(CH2n5によって表される極性基を表す。前記R5は−OR6、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10を表し、且つ前記nは0〜2の整数である。前記R6、R8、R9およびR10は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基あるいは置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基を表す。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。R14、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C4アルキル基、あるいは部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C4アルキル基である。R21は構造IIIにおいて定義された通りである。Lは単結合あるいは−C(O)O−を表す。Eは単結合あるいは酸素原子である。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基あるいは置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基を表す。且つ、tは1〜約2の整数である。ただし、Lが単結合であるとき、−E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IbまたはIIbまたはIIIb−1の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むポリマーを含む。
【0069】
構造Ibを生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル ジアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル ジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジイル メチル アセテート、3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、3−メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、(3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、(3−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル アセテート、[3−(トリクロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、[3−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル]メチル アセテート、5−(メトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アダマンタン−1−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル アダマンタン−1−カルボキシレート、3−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル 3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エチル アセテートおよびその種のものを含む。
【0070】
脱保護の後に構造(IIb)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、2−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル−1,2−フェニレン ジアセテート、5−ビニルベンゼン−1,2,3−トリイル トリアセテート、4−イソプロペニルフェニル アセテート、2−メチル−4−ビニルフェニル アセテート、2−クロロ−4−ビニルフェニル アセテート、2−tert−ブチル−4−ビニルフェニル アセテートおよびその種のものを含む。
【0071】
構造(IIIb−1)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、スチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−シクロヘキシルフェニルアクリレート、4−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、4−シクロペンチルフェニルアクリレート、4−シクロペンチルフェニルメタクリレート、4−シクロヘプチルフェニルアクリレート、4−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘキシルフェニルアクリレート、3−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、3−シクロペンチルフェニルアクリレート、3−シクロペンチルフェニルメタクリレート、3−シクロヘプチルフェニルアクリレート、3−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘキシルフェニルアクリレート、2−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、2−シクロペンチルフェニルアクリレート、2−シクロペンチルフェニルメタクリレート、2−シクロヘプチルフェニルアクリレート、2−シクロヘプチルフェニルメタクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(3’−メチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルアクリレート、4−(4’−クロロシクロヘキシル)フェニルメタクリレート、およびその種のものを含む。
【0072】
熱硬化性下層組成物の他のより好ましい実施態様は、構造Ib、IIbおよびIIIb−2
【化10】

[式中、
構造IbおよびIIbは上で定義された通りである。MはC5〜C20シクロアルキレン基である。R21は構造IIIに対して定義された通りである。Eは単結合あるいは酸素原子である。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基あるいは置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基を表す。且つ、tは1〜約2の整数である。且つ、ただし、構造IbまたはIIbまたはIIIb−2の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むポリマーを含む。
【0073】
構造(IIIb−2)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレートおよびその種のものを含む。
【0074】
熱硬化性下層組成物の最も好ましい実施態様は、構造Ic、IIcおよびIIIc
【化11】

[式中、
1は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、あるいは(CH2n5によって表される極性基を表す。前記R5は−OC(O)R10である。前記R10は置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基を表し、且つ前記nは0あるいは1の整数である。R14は水素原子あるいはメチル基を表す。MはC5〜C20シクロアルキレン基である。R21は水素原子あるいはメチル基を表す。Eは単結合あるいは酸素原子である。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基あるいは置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基を表す。且つ、tは1〜約2の整数である。且つ、ただし、構造IcまたはIIcまたはIIIcの繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むポリマーを含む。
【0075】
構造Icを生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル エチル アセテート、5−(メトキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル アダマンタン−1−カルボキシレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル 1−アダマンチルアセテート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル アダマンタン−1−カルボキシレート、3−クロロ ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシエチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エタノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)エチル アセテートおよびその種のものを含む。
【0076】
ヒドロキシル基の脱保護の後に構造(IIc)を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、4−ビニルフェニル アセテート、4−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、3−ビニル トリメチルシロキシベンゼン、2−ビニルフェニル アセテート、3−ビニルフェニル アセテート、4−イソプロペニルフェニル アセテートおよびその種のものを含む。
【0077】
構造(IIIc)の繰り返し単位を生成するモノマーの例示的な例は、限定されずに、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルアクリレート、ビシクロ[2.1.1]ヘキシルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルアクリレート、4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル 2−メチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル2−メチルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチルメタクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルアクリレート、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレートおよびその種のものを含む。
【0078】
本開示において使用されているポリマーを相応するモノマーから任意の適した従来の重合方法によって製造できる。かかる方法は、限定されずに、フリーラジカル重合あるいは制御ラジカル重合を含む。かかる方法を典型的には溶剤または溶剤混合物中で、触媒または開始剤を使用して実施する。開始剤を重合で用いる温度に関して選択すべきであり、それを溶剤の沸点によって設定してもよい。用いる温度は作業温度でのモノマーの安定性および触媒の触媒性能、あるいは開始剤の分解半減期に依存してよい。
【0079】
該ポリマーを3つのモノマーの混合物を適した溶剤中で共重合することによって、あるいはモノマーIIおよびIIIの溶液を順次、モノマーIの溶液に添加することによって製造できる。
【0080】
共重合に使用される適した溶剤は、限定されずに、アルコール、例えば2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、2−メトキシエタノール; 飽和カルボン酸エステル、例えばエチルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)およびエチルラクテート(EL); アルキルラクトン、例えばγ−ブチロラクトン; エーテル、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、およびジエトキシエタン; アルキルケトン、例えば2−ブタノン、2−ヘプタノン(MAK)、およびメチルイソブチルケトン; シクロアルキルケトン、例えばシクロヘキサノンおよびその種のものを含む。モノマーIIおよびモノマーIIIの溶液濃度は、好ましくは20〜60質量%、且つ全てのモノマー(I、II、III)の全体の溶液濃度は、好ましくは10〜60質量%である。濃度が10質量%未満の場合、重合速度が低下し得る。濃度が60質量%を上回る場合、重合反応溶液の粘度が高すぎ、従って適正な混合が妨げられ、且つ反応完了後の溶液の扱いが困難になる。
【0081】
モノマーを共重合するために、ラジカル重合開始剤を上述のモノマー溶液の1つに添加し、そして次に、得られる混合物を加熱する。さらに、従来の連鎖移動剤も添加し得る。
【0082】
該ポリマーの製造に使用されるラジカル重合開始剤の例は、限定されずに、有機過酸化物およびアゾ化合物を含む。有機過酸化物の例示的な例は、限定されずに、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、クメンヒドロペルオキシド、イソプロピルベンゼンペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエートおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサンおよびその種のものを含む。アゾ化合物の例示的な例は、限定されずに、メチル アゾビスイソバレレート、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2−アゾビスプロピオニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)およびその種のものを含む。該重合開始剤を、個別に、あるいは2つあるいはそれより多くの混合物としてのどちらでも使用できる。全所要量のラジカル重合開始剤を、次に添加されるモノマー溶液に添加することが好ましい。より好ましくは、重合開始剤の混合物をタイプIIおよびIIIのモノマー溶液に添加して、その後、それを引き続きタイプIのモノマー溶液に添加する。
【0083】
好ましい重合法においては、モノマーIの溶液を、共重合が可能な温度にされた反応容器内で製造し、そして攪拌の間、その温度で維持する。典型的には共重合温度は約50℃〜約120℃の間であり、且つ好ましくはこの温度は約70℃〜100℃の間である。開始剤とタイプIIおよびIIIのモノマーとの溶液(作用物質溶液)をその後、引き続きこの反応容器に添加して該モノマーを共重合させる。該溶液を当業者に公知の様々な方法で添加できる。例えば、作用物質溶液をポンプあるいは付加漏斗を使用して継続的に添加するか、あるいは個々の分割量で数分から数時間の時間にわたって添加でき、それは用いられる手段、開始剤の選択、反応温度、モノマーの反応性および反応の規模に依存する。
【0084】
該開始剤を重合の開始および重合を所望のレベルの重合に維持するのに適した量で添加する。一般に、それはモノマーの総モルに対して約0.01〜約10.0モル%の開始剤である。モノマーに対する開始剤の好ましい量は約0.01〜約8.0モル%の間であり、且つより好ましいのは約0.5〜約8.0モル%の量である。
【0085】
随意に、連鎖移動剤(例えば四臭化炭素あるいは1−ドデカンチオール)を含んでもよい。それを使用する場合、使用される開始剤の量の約5〜約50質量%の量で添加する。より好ましいのは、開始剤の質量の約10〜約40質量%の量である。
【0086】
重合完了後、該ポリマー溶液を蒸留によって濃縮してもよく、それによって未反応のモノマー並びにいくらかの溶剤を除去する。選択的に、該ポリマーを沈殿によって適正な量の非溶剤、例えば水、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、およびそれらの組み合わせ中に単離できる。沈殿したポリマーを濾過によって単離し、そして当業者に公知の従来の技術を使用して乾燥できる。濃縮した溶液はエステル交換反応に直接的に使用される一方、固体のポリマーは適正な溶剤、例えばモノマーの溶解に使用されるものの中に再溶解されなければならない。
【0087】
次の段階において、ポリマー溶液を適切なアルコール溶剤で希釈する。アルコール溶剤の例示的な例は、限定されずに、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メトキシプロパノールおよびその種のものを含む。該ポリマーをその後、該アルコール溶剤を含有する溶剤混合物中で触媒性の量のエステル交換触媒の存在下でエステル交換条件に供してポリマーから保護基(例えばアセトキシ)を除去する。選択された触媒は、実質的にいかなるアルキルアクリレートモノマー単位(用いられる場合)、あるいはポリマー中のいかなる他の官能基とも反応しないであろう(T.W.Greene, P.G.M.Wuts; Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Ed., 1991; pp162−163を参照)。該触媒は、アンモニア、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド、セシウムイソプロポキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、その際、アルコキシドアニオンはアルコール溶剤と類似している。該触媒はアルカリ金属水酸化物、例えばリチウム水酸化物、ナトリウム水酸化物、カリウム水酸化物、セシウム水酸化物およびそれらの組み合わせであってもよいとも理解される。
【0088】
用いられる触媒の量は、ポリマーの組成物内の保護基の約0.1〜約5モル%である。好ましくは該触媒を第二の段階においてアルコール溶剤中の溶液として添加する。この第二の段階における温度は、形成されたエステル交換副生成物のエステルが継続的に反応混合物から除去されるような温度である。かかる温度は約50℃〜約150℃であり得る。該エステル交換反応をアルコール溶剤の還流温度で実施できる。該アルコール分解方法は米国特許6759483号およびPCT特許WO9957163号およびWO03089482号内に開示される方法と同様であってよい。
【0089】
第三の段階において、アルコール分解された冷たいポリマー溶液を好ましくは強く酸性の陽イオン交換樹脂、例えば水素イオン型のスルホン化スチレン/ジビニルベンゼン陽イオン交換樹脂で処理することによって、ポリマーのさらなる精製を行うことができる。イオン交換樹脂処理において使用される方法は、米国特許5284930号および5288850号内に開示される方法と同様であってよい。重合、沈殿/精製、エステル交換、および樹脂処理工程に関して、全ての工程を無水塩基、即ち、水のレベルが約5000百万分率(ppm)より低いところにおいて実施して、起こりうる副反応を避け、且つ再度ポリマーを単離する必要なく、樹脂組成物への都合が良く且つ直接的な経路を防ぐことが肝要である。しかしながら必要であれば、反応媒体を該ポリマーに対する非溶剤、例えば水、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルおよびそれらの組み合わせに添加することによって、該ポリマーを反応媒体から沈殿によって単離できる。
【0090】
樹脂処理に続く沈殿工程を、ここで開示される先行技術において示されるような下層組成物に適合可能な溶剤を有するアルコール性溶剤中で、ポリマーを希釈することによって随意に置き換えることも本開示の範囲である。その際、低沸点溶剤(アルコールおよび水)を減圧下で除去する。かかる溶剤の例はPGMEAである。他の溶剤は当該技術分野でよく知られている。このようにして、得られるポリマー溶液を、該ポリマーを単離且つ再溶解する必要なく下層組成物において使用できる。
【0091】
各々のモノマー単位(構造I、IIおよびIII)は下層膜の特定の性質に向けて製造されている。下層組成物は高いエッチング耐性、最適化された吸収、架橋される性能を有し、EBR適合性および良好な膜形成特性を有する必要がある。構造Iはポリマーのエッチング耐性を改善するように設計されており、且つ193nmのλで比較的低い吸収を有する。ポリマー中への構造IIの導入も、エッチング耐性を改善し、架橋およびEBR適合性のためにヒドロキシル基を提供するが、しかし、芳香族基のせいで193nmのλで比較的高い吸収を有する。構造IIIは、ポリマーの特性をさらに精錬し、且つ下層組成物の膜形成性能を改善するように選択される。側基の選択およびそれぞれのモノマー単位の濃度に依存して、特定の露光器および用途に対してポリマーを設計することが可能である。
【0092】
下層組成物において用いられるポリマーは、ポリスチレンに関して約2000〜約45,000の質量平均分子量(Mw)を有している。ポリスチレンに関して約2,000〜約30,000のMwを有するポリマーが好ましい。より好ましいのはポリスチレンに関して約8,000〜約20,000のMwを有するポリマーである。Mwの値は標準的な方法、例えばJan Rabek, Experimental Methods in Polymer Chemistry, John Wiley&Sons, New York,1983内に記載されるようなゲル浸透クロマトグラフィーなどによって測定される。該ポリマーの多分散性(PDI)は1〜約6の範囲であってよい。該ポリマーの好ましいPDIは1〜約4である。該ポリマーについてより好ましいPDI範囲は1〜約3である。
【0093】
本開示において用いられているポリマーは、基板平坦化性能およびビア充填性能を下層組成物に提供するように設計されている。従って、該ポリマーのガラス転移温度は下層組成物の著しい架橋を引き起こし得る温度より低くなければならない。該ポリマーのTgは、ポリマー中のモノマー単位の選択および濃度によって、および重合の度合いによって決定される。一般に、該ポリマー中の構造Iの濃度の増加はポリマーのTgを上昇させる。好ましくは、下層組成物用のポリマーのTgは、著しい架橋を引き起こす温度より約10〜約50℃低い。より好ましくは、下層組成物用のポリマーのTgは、著しい架橋を引き起こす温度より約20〜約40℃低い。下層組成物中で使用されるポリマーは一般に140℃未満のTgを有する。
【0094】
該ポリマーの吸収をポリマー中の個々のモノマー単位の濃度を調節することによって合わせる。所定のポリマーの吸収は異なる波長では異なることがあり、ポリマーを目的の特定の波長に対して最適化する必要があることに留意すべきである。さらには、モノマー単位の選択および濃度を高いエッチング選択性および溶剤との適合性のために最適化する。
【0095】
構造Iを有するポリマーにおけるモノマー単位の濃度は約10〜約35モル%の範囲であってよい。構造Iの好ましい濃度は約15〜約35モル%である。より好ましいのは約15〜約30モル%の構造Iの濃度である。構造Iを有するモノマー単位の最も好ましい濃度は約20〜約30モル%である。構造IIを有するポリマーにおけるモノマー単位の濃度は約10〜約55モル%の範囲であってよい。構造IIの好ましい濃度は約15〜約50モル%である。より好ましいのは約20〜約45モル%の構造IIの濃度である。構造IIを有するモノマー単位の最も好ましい濃度は約25〜約45モル%である。構造IIIを有するポリマーにおけるモノマー単位の濃度は約25〜約60モル%の範囲であってよい。構造IIIの好ましい濃度は約25〜約55モル%である。より好ましいのは約30〜約50モル%の構造IIIの濃度である。構造IIIを有するモノマー単位の最も好ましい濃度は約30〜約45モル%である。
【0096】
該下層組成物はさらに1つあるいはそれより多くのアミノあるいはフェノール系架橋剤を含む。
【0097】
任意の適したアミノあるいはフェノール系架橋剤、例えばメチロール化されたグアナミンおよび/またはメチロール化され且つエーテル化されたグアナミン、メチロール化されたメラミンおよび/またはメチロール化され且つエーテル化されたメラミンおよびその種のものを本願において使用できる。適したメラミン架橋剤の例は、メトキシアルキルメラミン、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシエチルメラミン、テトラメトキシ−エチルメラミン、ヘキサメトキシプロピルメラミン、ペンタメトキシプロピルメラミンおよびその種のものである。好ましいメラミン架橋剤はヘキサメトキシメチル−メラミンである。好ましいアミノ架橋剤は、日本の神奈川県のサンワ化学株式会社製のMW100LMメラミン架橋剤; ニュージャージー州、ウェストパターソンのCytec社製のCymel 1171およびPowderlink 1174である。適したフェノール系架橋剤の例は米国特許5448182号および6777161号および米国特許出願2005/0238997号内に開示されている。架橋剤前駆体として使用されるヒドロキシメチル置換された多官能価のフェノールの特定の例は、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−エチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−プロピリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−ブチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−ペンチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル エチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−エチル プロピリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−プロピル ブチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−ブチル ペンチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル エチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−エチル プロピリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−プロピル ブチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)および4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−ブチル ペンチリデン)]ビス(3,5−ジヒドロキシメチル フェノール)である。本開示で用いられる架橋剤は購入するか、あるいは当業者に公知の標準的な方法を使用して、相応するフェノールのヒドロキシメチル化あるいはアルコキシメチル化によって製造してもよい。好ましいフェノール系架橋剤は、商品名CLR−19−MFで、日本、東京の本州化学工業株式会社から入手可能な4−[1−[4−[1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(メトキシメチル)フェニル]エチル]フェニル]−1−メチルエチル]−2,6−ビス(メトキシメチル)フェノールである。
【0098】
本開示の下層組成物はさらには1つあるいはそれより多くの熱酸発生剤(TAG)を含む。本開示において有用なTAGは潜在性酸触媒であり、それはイオン性あるいは非イオン性のいずれかのTAGとして分類され得る。例えば、有機酸のスルホン酸エステルは非イオン性TAGの類に属する。TAGとして有用な非イオン性スルホネート誘導体の例は、限定されずに、シクロヘキシルトシレート、2−ニトロベンジル トシレート、2−ニトロベンジル メチルスルホネート、2.6−ジニトロ ベンジル p−トルエンスルホネート、4−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホネート、1,2,3−トリス(メタン スルホニルオキシ) ベンゼン、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(エタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(プロパンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタン スルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエン スルホニルオキシ)ベンゼン、4−ニトロベンジル 9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネートおよびその種のものを含む。
【0099】
イオン性TAGとして分類される適した潜在性酸触媒TAGは、構造IVa
【化12】

[式中
31、R32およびR33は独立して水素原子、置換あるいは非置換のアルキル基、置換あるいは非置換のシクロアルキル基、置換あるいは非置換の脂環式基、部分的あるいは完全にハロゲン置換されたアルキル基、置換あるいは非置換のアリール基、置換あるいは非置換のアルコキシ基、あるいはR31、R32およびR33の任意の2つ、あるいはR31、R32およびR33の全ては、酸素、硫黄あるいは窒素ヘテロ原子を含有し得る環式基あるいは多環式基の一部である。An-は置換あるいは非置換のC1〜C12アルキル基、部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C12アルキル基、C4〜C15シクロアルキル基、部分的あるいは完全にハロゲン置換されたC4〜C15シクロアルキル基、C7〜C20脂環式基あるいはC6〜C20芳香族基のスルホネート;置換あるいは非置換のC1〜C12アルキレン基、部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C12アルキレン基、C4〜C15シクロアルキレン基、部分的または完全にハロゲン置換されたC4〜C15シクロアルキレン基、C7〜C20脂環式基あるいはC6〜C20芳香族基のジスルホネート;構造Va
【化13】

[式中、
41およびR42は独立して置換あるいは非置換のアルキル基、置換あるいは非置換のシクロアルキル基、置換あるいは非置換の脂環式基、部分的あるいは完全にハロゲン置換されたアルキル基、あるいは置換あるいは非置換のアリール基である。]
のスルホンアミド;および構造Vb
【化14】

[式中、
43、R44およびR45は独立してC1〜C10ペルフルオロアルキルスルホニル基である。]
のメチドからなる群から選択される。]
によって表される有機酸塩を含む。
【0100】
アンモニウムイオンを生成するために使用できるアミンの適した例は、限定されずに、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、1−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、ピペリジン(piperdine)、1−メチルピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、トロパン、キヌクリジン、4−メチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジメチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジエチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジイソプロピル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジtert−ブチル−1−オキサ−3−アザ−シクロペンタン、4,4−ジメチル−1−オキサ−3−アザ−シクロヘキサン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−エチルビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−メチルビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサ−5−tertブチルビシクロ[3.3.0]オクタン、およびその種のものを含む。このタイプの適したTAGの例は米国特許3474054号、4200729号、4251665号および5187019号内で見出され、ここで参照をもって開示されたものとする。
【0101】
イオン性TAGとして分類される潜在性酸触媒の他の適したタイプは、構造IVbおよびIVc
【化15】

[式中、
34およびR35は独立して水素、アルキルあるいはハロゲン基である。R36およびR37は独立してC1〜C10アルキルあるいはアルコキシ基である。R38はフェニル基である。R51、R52、R53、R54、R55およびR56は独立して水素、アルキルあるいはハロゲン基であり、且つ、An-は上記で定義されたものと同一の意味を有する。]
によって表される酸のベンジルアンモニウム塩である。
【0102】
アンモニウムイオンを生成するために使用できるベンジルアミンの適した例は、限定されずに、N−(4−メトキシベンジル)−N,N−ジメチルアニリン、N−(ベンジル)−N,N−ジメチルアニリン、N−(ベンジル)−N,N−ジメチルトルイジン、N−(4−メチルベンジル)−N,N−ジメチルアニリン、N−(4−メトキシベンジル)−N,N−ジメチルアニリン、N−(4−クロロベンジル)−N,N−ジメチルアニリン、N−(t−ブチルベンジル)−ジメチルピリジンおよびその種のものを含む。この類のイオン性TAGの例は、米国特許5132377号、5066722号、6773474号および米国公開2005/0215713号内で見出され、ここで参照をもって開示されたものとする。
【0103】
本開示に有用なTAGは、該下層組成物から形成された膜のベーク温度で遊離酸を生成できる化合物である。典型的にはそれらの温度は約90℃〜約250℃の範囲である。好ましくは、TAGは170〜220℃の間の温度で非常に低い揮発性を有している。本開示で用いられるTAGを(例えば米国、コネチカット州 06852 ノーウォークのKing Industriesから)購入するか、公表されている合成方法あるいは当業者に公知の合成方法によって製造できる。
【0104】
上述の熱酸発生剤は光酸発生剤とみなすべきではない。熱酸発生剤はUV光に対して有し得るいかなる感度も非常に乏しくなければならず、且つそれらは事実上、光酸発生剤としてフォトリソグラフィーにおいて使用されない。
【0105】
下層組成物に適した溶剤は、アルコール、ケトン、エーテルおよびエステル、例えば1−ペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチル 3−メトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、メチルピルベート、エチルピルベート、プロピルピルベート、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびその種のものを含む。下層組成物により好ましい溶剤は2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルラクテートおよびそれらの組み合わせである。
【0106】
熱硬化性下層組成物は、全固体に対して、約65〜約95質量%、好ましくは約70〜95質量%、およびより好ましくは約72〜約95質量%の構造I、IIおよびIIIを含むポリマーを含有する。全固体に対する熱硬化性下層組成物中の架橋剤の量は約3〜約30質量%、好ましくは約3〜約27質量%、およびより好ましくは約3〜約25質量%である。熱硬化性下層組成物中の熱酸発生剤の量は、全固体に対して約0.1〜約5質量%、好ましくは約0.2〜約4質量%およびより好ましくは約0.2〜約3質量%である。熱硬化性下層組成物中の固体の量は、約2〜約40質量%、好ましくは約3〜約20質量%、およびより好ましくは約4〜約15質量%である。
【0107】
最適な結果を得るには配合および工程の最適化が必要であることに留意すべきである。例えば、必要な架橋剤の量は使用するポリマー組成および塗布工程の下層膜硬化温度に依存して変化し得る。一般に、より高い下層膜硬化温度ではより低い架橋剤濃度が必要とされる。TAGのタイプおよび濃度、特にTAGの効力に関しても考慮する必要がある。溶剤系の選択もまた肝要である。該溶剤あるいは溶剤混合物は使用するポリマーと適合可能でなければならず、且つ、塗布の欠陥を防ぐために基板とも適合可能でなければならない。
【0108】
随意に、下層組成物は界面活性剤あるいは1つあるいはそれより多くの界面活性剤の混合物を含有してよい。適したタイプの界面活性剤は、限定されずに、非イオン性界面活性剤、フッ素、ケイ素、あるいはフッ素およびケイ素含有界面活性剤を含む。
【0109】
界面活性剤の例は、特許JP−A−62−36663号、JP−A−61−226746号、JP−A−61−226745号、JP−A−62−170950号、JP−A−63−34540号、JP−A−7−230165号、JP−A−8−62834号、JP−A−9−54432号およびJP−A−9−5988号内に記載される界面活性剤を含む。
【0110】
非イオン性界面活性剤の例は、限定されずに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン ブロックコポリマー、ソルビトール脂肪酸エステル、例えばソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノオレエート、ソルビトールトリオレエートおよびソルビトールトリステアレート、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールトリオレエートおよびポリオキシエチレンソルビトールトリステアレートを含む。
【0111】
市販のフッ素含有あるいはケイ素含有界面活性剤は、限定されずに、Eftop EF301、EF303(新秋田化成株式会社製)、Megafac F171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学株式会社製)、Surflon S−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子株式会社製)およびTroysol S−366(Troy Chemical株式会社製)を含む。ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学株式会社製)もまたケイ素含有界面活性剤として使用できる。
【0112】
界面活性剤を用いる場合、それを下層組成物の固体含有率に対して約0.001〜約2質量%および好ましくは約0.01〜約1質量%添加する。
【0113】
熱硬化性下層膜の露光波長での屈折率nは、好ましくは1.55以上且つ1.80以下である。より好ましくは、nは約1.60〜約1.70の範囲である。下層膜の最も好ましいnは、用いられる結像層のnとほぼ同一である。露光波長での下層膜の消衰係数kは、0.05以上且つ0.50以下である。好ましいkは0.10〜0.42である。より好ましくは、kは0.20〜0.40である。0.15〜0.29のkが、150nm以上の膜厚で充分な反射防止効果を提供するために最も好ましい。
【0114】
本開示の熱硬化性下層組成物を、約50℃の温度に達するまで著しく架橋させるべきではない。50℃未満の著しい架橋は室温でゲル形成をみちびくことがあり、それは貯蔵寿命を縮め得る。ゲル形成は不均一な被膜をもたらし、且つ、もしリソグラフィーにおいて使用されるならば描かれた形状の乏しい線幅制御をもたらし得る。
【0115】
本開示は、基板、該基板上に塗布された上述の熱硬化性下層組成物の膜、および熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストを含むフォトリソグラフィー用2層被覆基板にも関する。
【0116】
前記の基板は例えば、半導体材料、例えばシリコンウェハー、化合物半導体(III−V)あるいは(II−VI)ウェハー、セラミック、ガラスあるいは石英基板であってよい。前記の基板は、電子回路製造に使用される膜あるいは構造、例えば有機あるいは無機の誘電体、銅あるいは他の配線用金属を含んでもよい。
【0117】
前記のレジストは任意の適した感放射線レジストであってよい。それは典型的には深UV領域において感放射線性の化学増幅型レジストであり、例えばそれらは米国特許5492793号および5747622号内で議論されているものであり、ここで参照をもって開示されたものとする。好ましくは、2層レジスト系に対しては、感放射線レジストは酸素プラズマエッチングからそれを保護するためにケイ素を含有する。適した化学増幅型レジストの例は酸感応性基によってブロックされたアルカリ可溶化基を含有する。適したアルカリ可溶化基の例は、限定されずに、カルボン酸、フェノール、ヒドロキシイミド、ヒドロキシメチルイミド、フッ化アルコールおよびシラノールを含む。適したブロック基の例は、限定されずに、第三級炭素を含有するアルキル基およびアルファアルコキシアルキル、およびアリールイソプロピル基を含む。適したブロックトアルカリ可溶化基の例は、限定されずに、t−ブチルエステル、アルファアルコキシエステル、アルファアルコキシアルキル芳香族エステル、t−ブトキシフェニル、t−ブトキシイミド、およびt−ブトキシメチルイミドを含む。ブロックトアルカリ可溶化基の例は、米国特許5468589号、4491628号、5679495号、6379861号、6329125号および5206317号内で見出され、ここで参照をもって開示されたものとする。
【0118】
結像層用のレジストに適したポリマーは、ケイ素とブロックトアルカリ可溶化基との両方を含有するものである。適したポリマーは約5〜約30質量%のケイ素含有率を有するものである。好ましいポリマーは約8〜約25質量%のケイ素含有率を有するものである。適したレジストポリマーの例は、米国特許6146793号、6165682号、6340734号、6028154号、6042989号、5882844号、5691396号、5731126号、5985524号、6916543号および6929897号内に見出され、ここで参照をもって開示されたものとする。他の適したポリマーは米国特許6531260号および6590010号内に開示され、ここで参照をもって開示されたものとする。該ケイ素分は、上記の参考文献のように塗布前にポリマー中に含有させるか、あるいは米国特許6306990号および6110637号のように該ポリマーを塗布後にシリル化してもよく、ここで参照をもって開示されたものとする。
【0119】
感放射線レジストは光酸発生剤(PAG)化合物も含有し得る。
【0120】
任意の適した光酸発生剤化合物を感放射線レジスト中で使用できる。該光酸発生剤化合物はよく知られており、且つ、例えばオニウム塩、例えばジアゾニウム、スルホニウム、スルホキソニウムおよびヨードニウム塩、ニトロベンジルスルホネートエステル、オキシムスルホネート、イミドスルホネートおよびジスルホンを含む。適した光酸発生剤化合物は、例えば米国特許5558978号、5468589号、5554664号および6261738号内に開示され、ここで参照をもって開示されたものとする。米国特許6261738号は適したオキシムスルホネートPAGの例を開示する。他の適した光酸発生剤は、米国特許5554664号内に開示されるような、ペルフルオロアルキルスルホニルメチド、およびペリフルオロアルキルスルホニルイミドである。
【0121】
光酸発生剤の適した例は、フェナシル p−メチルベンゼンスルホネート、ベンゾイン p−トルエンスルホネート、α−(p−トルエン−スルホニルオキシ)メチルベンゾイン、3−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−1−フェニルプロピル エーテル、N−(p−ドデシルベンゼンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドおよびN−(フェニル−スルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドである。
【0122】
適したオニウム塩の例は、限定されずに、トリフェニルスルホニウム ブロミド、トリフェニルスルホニウム クロリド、トリフェニルスルホニウム ヨージド、トリフェニルスルホニウム メタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム フェニル スルホネート、トリフェニルスルホニウム 4−メチルフェニル スルホネート、トリフェニルスルホニウム 4−メトキシフェニル スルホネート、トリフェニルスルホニウム 4−クロロフェニル スルホネート、トリフェニルスルホニウム カンファースルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、トリス−4−メチルフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、メシチル−ジフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニル スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル) スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリス−4−メチルフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、メシチル−ジフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニル スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル) スルホニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)−フェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、トリス−4−メチルフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニル−ジフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、メシチル−ジフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニル スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル) スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネート、ジフェニル ヨードニウム ヘキサフルオロプロパンスルホネート、ジフェニル ヨードニウム 4−メチルフェニル スルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロメタンスルホネート、およびビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネートを含む。
【0123】
本開示において使用するための適した光酸発生剤のさらなる例は、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロ−ヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−メタンスルホニル−2−メチル−4−メチルチオプロピオフェノン、2,4−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペント−3−オン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フェニル−2−ブタノン、2−(シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、シクロヘキシル 2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)アセテート、tert−ブチル 2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニルアセテート、イソプロピル−2−ジアゾ−2−メタンスルホニルアセテート、シクロヘキシル 2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニルアセテート、tert−ブチル−2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)アセテート、2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、2,4−ジニトロベンジル p−トリフルオロメチルベンゼンスルホネートである。
【0124】
光酸発生剤化合物を、典型的にはポリマー固体の質量の約0.0001〜20質量%、およびより好ましくはポリマー固体の約1〜10質量%の量で用いる。
【0125】
結像層用の感放射線レジストに対して適した溶剤は、ケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メトキシ−1−プロピレンアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジメトキシエタンエチルアセテート、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチルピルベート、エチルピルベート、エチル 3−メトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびその種のものを含む。結像層用の感放射線レジストにおいて用いられる溶剤は、下層膜中のポリマーとの適合性および感放射線レジストの成分の観点から選択される。例えば、感放射線レジストの溶剤およびその濃度の選択は、本質的に酸不安定性ポリマーに組み込まれる官能性のタイプ、光酸発生剤、および塗布手段に依存する。該溶剤は不活性であるべきであり、レジスト中の全ての成分を溶解すべきであり、該成分とのいかなる化学反応も受けず、且つ塗布後の乾燥で除去可能であるべきである。
【0126】
さらには、塩基添加剤を該感放射線レジストに添加できる。塩基添加剤の目的は、化学線によって照射するのに先だってレジスト中に存在するプロトンを取り除くためである。該塩基は、望ましくない酸による腐食および酸不安定性基の開裂を防ぎ、それによってレジストの性能および安定性を増加させる。さらに、該塩基は拡散制御剤としてもはたらき、酸があまりに遠く移動することを防ぎ、且つより低い解像度を防ぎ得る。組成物中の塩基の割合は、光酸発生剤よりも著しく低くなければならず、そうでなければ感光性が低くなり過ぎる。塩基化合物が存在するとき、好ましい範囲は、光酸発生剤化合物の約3質量%〜50質量%である。窒素を含む塩基が好ましい。塩基添加剤の適した例は、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロペンチルメチルアミン、ジシクロペンチルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、ジシクロヘキシルブチルアミン、シクロヘキシル−t−ブチルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、1−アダマンタンアミン、1−ジメチルアミノアダマンタン、1−ジエチルアミノアダマンタン、2−アダマンタンアミン、2−ジメチルアミノアダマンタン、2−アミノノルボルネン、3−ノルアダマンタンアミン、2−メチルイミダゾール、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、トリイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルホリン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、トリメチルイミダゾール、トリフェニルイミダゾール、およびメチルジフェニルイミダゾールである。しかしながら、該塩基化合物がそれらの例に限定されていると解釈すべきではない。
【0127】
染料をレジストに添加して化学線波長に対する組成物の吸収を増加させてもよい。該染料は組成物を汚染してはならず、且つ、熱処理を含む工程条件に耐えられなければならない。適した染料の例は、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、あるいはピレン誘導体である。感放射線レジストに適した他の特定の染料は、米国特許5593812号内に記載されている。
【0128】
感放射線レジストはさらには従来の添加剤、例えば密着促進剤および界面活性剤を含んでもよい。当業者は適切な所望の添加剤およびその濃度の選択が可能である。
【0129】
2積層物内の下層膜は結像層のリソグラフィーによるパターニングを可能にするのに必要な厚さで存在し、且つ次の処理(即ちエッチング)に対する充分な保護を基板に提供する。好ましくは、下層膜厚は約120nm〜約1200nmである。より好ましい下層膜厚の範囲は、約150nm〜約500nmである。好ましい下層膜厚は、160nm〜300nmである。
【0130】
2層積層物内の結像層厚を、リソグラフィー性能、および下層膜に像を転写するための酸素プラズマエッチング耐性を提供するための要求に対して最適化する。好ましくは、該結像層は約80nm〜約500nmの厚さを有する。より好ましい結像層厚の範囲は約100nm〜約250nmである。好ましい結像層厚は110nm〜170nmである。
【0131】
基板上に熱硬化性下層組成物の膜を適用するため、且つ熱硬化した下層組成物上に感放射線化学増幅型レジストを適用するための任意の適した方法を使用できる。塗布手段は、限定されずに、スプレーコーティング、スピンコーティング、オフセット印刷およびその種のものを含む。塗膜をその後、ベーキング段階において、ホットプレートあるいは当業者に公知の様々なタイプのオーブンを用いて乾燥および/または硬化させる。より詳細な塗布および乾燥方法を、2層積層物を用いた新規工程を議論する以下の段落で記載する。
【0132】
本開示はさらに、基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程段階
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に本開示の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、ケイ素含有感放射線レジストを下層膜上に塗布する工程、
(e) 第二のベーク段階においてケイ素含有感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を放射線に露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物のケイ素含有感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法に関する。
【0133】
この方法のための基板およびレジストは、2層積層物用に先述したものと同様である。
【0134】
第一の塗布段階(b)において、下層組成物を公知の塗布方法によって均一に適した基板に適用できる。塗布方法は、限定されずに、スプレーコーティング、スピンコーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押出コーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、および浸漬コーティングを含む。
【0135】
第一の塗布段階の後、下層組成物の粘着性の膜を第一のベーク段階(c)でベークする。該ベークを1つあるいはそれより多い工程において1つの温度あるいは多段の温度で実施してよい。ベークをホットプレート上あるいは当業者に公知の様々なタイプのオーブンで実施してよい。適したオーブンは、加熱式オーブン、加熱式真空オーブン、および赤外線オーブン、あるいは赤外線トラックモジュールを含む。ベークに用いられる典型的な時間は、選択されたベーク手段および所望の時間および温度に依存し、当業者には公知であろう。ベークの好ましい方法はホットプレート上である。2段階工程を用いてホットプレート上でベークする場合、典型的には約80℃〜約130℃の間の温度で、典型的な時間は約0.5分〜約5分の範囲であり、その後、典型的には約170℃〜約250℃の間の温度で約0.5分〜約5分の硬化段階が続く。1段階工程においては、下層膜を典型的には約170℃〜約250℃の間で約0.5分〜約5分の間硬化する。基板上に塗布された下層膜をその後冷却する。好ましくは、熱硬化性下層組成物を約180℃〜約250℃の間の温度で、且つより好ましくは190℃〜220℃の間の温度で硬化させる。好ましい硬化時間は約30〜180秒であり、且つより好ましくは約60〜約120秒である。典型的な膜厚は約120nm〜約1200nmの範囲であってよい。
【0136】
第二の塗布段階(d)において、該下層膜を塗布された基板にその後、レジストを塗布し、そして第二のベーク段階(e)においてベークする。下層膜用の上述の塗布およびベーク装置を用いることができる。ベークに用いられる典型的な時間は、選択されたベーク手段、特定のレジスト、所望の時間および所望の温度に依存し、且つ当業者には公知である。ベークの好ましい方法はホットプレート上である。ホットプレート上でベークする場合、典型的には約80℃〜約140℃の間の温度で、典型的な時間は約0.5分〜約5分の範囲である。最適なベークのパラメータは用いられるレジストおよび溶剤に依存して変化し得る。典型的なレジスト膜厚は約80nm〜約500nmの範囲であってよい。
【0137】
レリーフ構造の製造のために、感放射線レジストを像に従って化学線で露光する(f)。用語"像に従った"露光は、予め決められたパターンを含有するフォトマスクを通した露光と、任意の適した化学線源、例えば塗布された基板表面上を動くコンピュータ制御されたレーザー光線による露光、コンピュータ制御された電子線による露光、および相応するマスクを通したX線あるいはUV光線による露光のいずれも含む。像に従った露光はレジストの照射された領域内で酸を生成し、それが酸不安定性基の開裂を触媒し、水溶性のポリマーをもたらす。
【0138】
レリーフ構造の製造のための上述の方法は好ましくは、さらなる工程の処置として、露光と現像液での処理との間に被膜の加熱を含む。"露光後ベーク"として知られるこの熱処理の補助によって、事実上、ポリマー中の酸不安定性基と、露光によって生成された酸との完全な反応が達せられる。この露光後ベークの持続時間および温度を広い限度内で変化させてよく、且つ、実質的に該ポリマーの官能性、酸発生剤のタイプおよびそれら2つの成分の濃度に依存し得る。露光したレジストを典型的には数秒から数分の間、約50℃〜約150℃の温度に供する。好ましい露光後ベークは約80℃〜130℃で約5秒〜180秒である。任意の適した加熱手段を用いてよい。好ましい加熱手段はホットプレートである。
【0139】
像に従った露光および該材料の任意の熱処理の後、レジストの露光領域を水性塩基現像液中で溶解によって除去し、レリーフ構造を生成する(g)。適した塩基の例は、限定されずに、無機アルカリ(例えばカリウム水酸化物、ナトリウム水酸化物、アンモニア水)、第一アミン(例えばエチルアミン、n−プロピルアミン)、第二アミン(例えばジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第三アミン(例えばトリエチルアミン)、アルコールアミン(例えばトリエタノールアミン)、第四アンモニウム塩(例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物)、およびそれらの混合物を含む。用いられる塩基濃度は、用いられるポリマーの塩基溶解性および用いられる特定の塩基に依存して変化し得る。最も好ましい現像液は、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)を含有するものである。TMAHの適した濃度は、約1質量%〜約5質量%の範囲である。さらには、適切な量の界面活性剤を現像液に添加できる。
【0140】
現像を浸漬、噴霧、パドル、あるいは当業者に公知の他の同様の現像方法によって、約10℃〜40℃の温度で約30秒〜約5分間、攪拌しながら、あるいは攪拌しないで実施してよい。現像の後、該レリーフパターンを、脱イオン水を含むリンス液、あるいは1つまたはそれより多くの界面活性剤を含有する脱イオン水を含むリンス液で随意に濯ぎ、そしてスピン、ホットプレート上、オーブン内でのベーク、あるいは他の適した手段によって乾燥させる。
【0141】
上述の2層法の結像層に使用される感放射線レジストは、典型的にはケイ素を含有するか、あるいは現像後にレジスト内に組み込まれるケイ素を有する。像を結像層に形成した後、その描画した基板を、酸素を含むプラズマエッチング雰囲気中に設置し、レジストの除去によって露出された領域の下層膜を除去する。この作業を、マスクとして上述の結像層のパターンを使用してガスプラズマエッチングによって実施し、それによって微細パターンを形成する。有機ARC材料あるいは下層膜のプラズマエッチング用のエッチングガス混合物は、米国特許5773199号、5910453号、6039888号、6080678号および6090722号内に開示されている。それらの中で、該’199号の特許はCHF3+CF4+O2+Arのガス混合物を開示している。該’453号の特許は、N2+He+O2あるいはN2+O2あるいはN2+Heのガス混合物を開示している。該’888号は、O2+COのガス混合物を開示している。該’678号の特許は、O2+SO2のガス混合物を開示している。且つ、該’722号の特許は、C26+Arのガス混合物を開示している。感放射線レジストに組み込まれているケイ素は、酸素プラズマに暴露されたとき、二酸化ケイ素を形成し、そしてレジストをエッチングから保護し、従ってレリーフ構造が下層膜内に形成される。
【0142】
酸素プラズマ工程の後、2層のレリーフ構造を有する基板を一般に、2層被膜によって被覆されていない領域の基板を変化させる少なくとも1つのさらなる処理段階に供する。典型的には、これはドーパントの注入、基板上への他の材料の堆積、あるいは基板のエッチングであり得る。この後、通常はレジスト被膜を典型的にはフッ素/酸素プラズマエッチングによって基板から除去する。
【0143】
本開示を、限定されずに、以下の実施例によって説明し、その際、部およびパーセントは特段示されない限り質量によるものである。
【0144】
ポリマーの分析のための一般的な分析方法
分子量(Mw)および分子量分布データ(多分散性(PDI))をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、Millennium GPC Vソフトウェアと、屈折率検出部と、Phenomenex製の4 GPCカラムおよびガードカラム(Phenogel−10 104、500、100、および50Å(全て7.8mm ID×300mm))と、Phenogel−10 ガード 7.8×50mmとを装備したWaters社の液体クロマトグラフを使用し、テトラヒドロフラン(THF)溶離剤およびポリスチレンキャリブレーションを使用して測定した。熱分解測定をPerkin−Elmer TGA−7熱重量分析(TGA)を使用して昇温速度10℃/分で実施した。ガラス転移温度(Tg)をPerkin−Elmer Pyris−1示差走査熱量計を使用して昇温速度10℃/分で測定した。構造および組成のデータを1Hおよび13C NMR分光法によって、Bruker Advance400MHz核磁気共鳴分光器を使用して測定した。
【0145】
光学定数nおよびkの測定のための一般的な方法
n&k Technologies社製のn&k 1200analyzerを使用して、熱硬化性下層被膜の膜の光学定数nおよびkを測定した。4インチのシリコンウェハーに熱硬化性下層膜をスピンコートし、そして塗布後ベークを205℃で90分間行い、1600Åの膜厚を得た。清浄な4インチのベアシリコンウェハーを基底線反射測定のために使用した。その後、硬化膜の反射スペクトル(R)を190〜900nmの範囲内で、DUV、可視光およびNIR源を使用してn&k Analyzer 1200機で測定した。193nmでの膜のnおよびk値を反射スペクトルから、非常に高い適合度を有するtool makerによって提供されるソフトウェアを用いて計算した。該ソフトウェアは、光学定数n(λ)およびk(λ)を決定するために米国特許4905170号に記載のForouhi−Bloomer方程式のモデルを使用している。
【0146】
リソグラフィーの評価のための一般的な方法
リソグラフィーに関する評価のために、配合物、シリコンウェハーに下層組成物をスピンコートして、そして205℃で90秒間、塗布後ベークを行い(乾燥および硬化させ)、1600Åの膜厚を得た。
【0147】
ケイ素含有レジストを27.67gの樹脂結合剤(ポリ{マレイン酸無水物−アリルトリメチルシラン−tert−ブチルアクリレート−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ [9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピル メタクリレート}コポリマーをPGMEA中に溶かした20質量%溶液)、25.2gのPAG1(トリフェニル スルホニウム トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドをPGMEA中に溶かした15質量%溶液)、0.33gのPAG2(ジフェニル(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニウム ペルフルオロオクタンスルホネートをPGMEA中に溶かした15質量%溶液)、7.58gの塩基(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン (DBU)をPGMEA中に溶かした0.5質量%溶液)、14.9gのPGMEAおよび47.0gの2−ヘプタノンを混合することによって製造した。得られる混合物を0.1μmのテフロンフィルターで濾過した。該樹脂結合剤およびその合成方法は、米国特許6916543号内のポリマー実施例16内に記載されている。PAG1のための合成方法は米国特許5554664内に記載されている。PAG2は東洋合成から市販である。
【0148】
先の段落からのレジスト配合物を下層膜上に塗布し、125℃で90秒間ソフトベークした。被覆されたウェハーを、6%の減衰型位相シフトレチクルを通して、開口数0.75および0.92/0.72 C−Quad照明を有するASML/1100スキャナーを使用して露光し、密なトレンチあるいは密な(1:1)のラインアンドスペースを印刷する。露光された基板に、105℃で90秒間の露光後ベークを行い、そして2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像し、そして脱イオン水で濯ぐ。その後、目的とする形状に対するパターン忠実性を日立の断面SEMを用いて検査した。さらに、焦点深さ(DOF)および露出寛容度(EL)に関して、CD SEM KLA eCD2を用いて該ウェハーを上から下へ検査した。
【0149】
合成例1
モノマーの混合物を8.3g(37.7mmol)のトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメタクリレート(TCDMA)、8.15g(50.2mmol)のアセトキシスチレンおよび3.55g(37.7mmol)のノルボルネンを28.6gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)中に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した100mlの丸底フラスコ内、窒素下で溶解することによって製造した。該混合物を70℃に加熱した後、3.4gのVAZO 67(登録商標)の商品名でDupontから市販のラジカル開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をPGMEA中に溶かした30質量%溶液を、5分間にわたって反応混合物に添加した。次に、該混合物の温度を80℃に上げ、且つ該混合物を攪拌し、そして80℃でさらに12時間、窒素ブランケットの下で保持した。モノマーの消失をGCによってモニターした。該反応混合物を室温まで冷却した後、ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液2.0gと追加の30mlのメタノールとをフラスコに添加した。該反応混合物を5時間還流させ、そして約25mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去した。該溶液をその後、室温に冷却し、そして10.0gのAmberlyst 15樹脂を添加した。該反応混合物を2時間攪拌した後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去した。得られた溶液を200mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、30mlのTHF中で再溶解させた。THF中のポリマー溶液を500mlの水中に再沈殿させた。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させた。その収率は65%であった。
【0150】
合成例2
概して合成例1による方法に従った。モノマーの出発混合物は、7.99g(38.7mmol)のトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート(TCDA)、8.37g(51.6mmol)のアセトキシスチレンおよび3.64g(38.7mmol)のノルボルネンを28.6gのPGMEA中に溶解したものであった。58%の収率を達成した。
【0151】
合成例3
モノマーの混合物を25.88g(125.4mmol)のTCDA、15.26g(94.1mmol)のアセトキシスチレンおよび8.86g(94.1mmol)のノルボルネンを47gのPGMEA中に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で溶解することによって製造した。該混合物を70℃に加熱した後、6gのVAZO 67(登録商標)の50質量%溶液を、5分間にわたって反応混合物に添加した。次に、該混合物の温度を80℃に上げ、且つ該混合物を攪拌し、そして80℃でさらに12時間、窒素ブランケットの下で保持した。モノマーの消失をGCによってモニターした。反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール中のナトリウムメトキシドの10質量%溶液6.0gと追加の100mlのメタノールとをフラスコに添加した。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去した。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加した。該反応混合物を2時間攪拌した後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去した。得られた溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させた。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させた。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させた。その収率は56%であった。
【0152】
合成例4
概して合成例3による方法に従った。モノマーの出発混合物は、25.88g(125.4mmol)のTCDA、15.26g(94.1mmol)のアセトキシスチレンおよび8.86g(94.1mmol)のノルボルネンを47gのPGMEA中に溶解したものであった。PGMEA中のVAZO 67(登録商標)の50質量%溶液を6g添加した。55%の収率を達成した。
【0153】
合成例5
25.88g(125.4mmol)のTCDA、15.26g(94.1mmol)のアセトキシスチレン(モノマー単位IIを製造する)および3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を61.71gのPGMEA中に溶かした溶液を、8.86g(94.1mmol)のノルボルネン(モノマーIユニットを製造する)を20.7gのPGMEA中に溶かした溶液に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下にて100℃で3時間にわたってゆっくりと添加した。モノマーの消失をGCによってモニターした。8時間後、該反応混合物を室温まで冷却した。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液6.0gと追加の100mlのメタノールとをフラスコに添加した。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去した。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加した。該反応混合物を2時間攪拌した後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去した。得られた溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させた。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させた。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させた。その収率は61%であった。
【0154】
合成例6
概して合成例5による方法に従った。出発材料として、28.72g(139.2mmol)のTCDA、12.54g(77.3mmol)のアセトキシスチレンおよび3gのVAZO 67(登録商標)を41.26gのPGMEA中に溶かした溶液、および8.74g(92.8mmol)のノルボルネンを20.4gのPGMEA中に溶かした溶液を使用した。反応温度は90℃であった。その収率は60%であった。
【0155】
合成例7
概して合成例5による方法に従った。出発材料として、28.72g(139.2mmol)のTCDA、12.54g(77.3mmol)のアセトキシスチレンおよびV601の商品名で和光純薬株式会社から入手可能な3gのジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(遊離基開始剤)を41.26gのPGMEA中に溶かした溶液、および8.74g(92.8mmol)のノルボルネンを20.4gのPGMEA中に溶かした溶液を使用した。反応温度は80℃であった。その収率は62%であった。
【0156】
合成例8〜12
合成例8〜12用のポリマーは市販品であった。該合成方法は合成例7と類似していた。
【0157】
合成例13
概して合成例5による方法に従った。出発材料として、9.41g(66.1mmol)のTCDA、8.05g(49.6mmol)のアセトキシスチレンおよびV601の商品名で和光純薬株式会社から入手可能な1.9gのジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(遊離基開始剤)を16.83gのPGMEA中に溶かした溶液、および7.55g(49.6mmol)のノルボルネン−2−イル アセテートを13.8gのPGMEA中に溶かした溶液を使用した。反応温度は80℃であった。その収率は48%であった。
【0158】
合成例14
25.88g(125.4mmol)のTCDA(モノマー単位IIIを製造する)、15.26g(94.1mmol)のアセトキシスチレン(モノマー単位IIを製造する)および3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を61.71gのPGMEA中に溶かした溶液を、15.64g(94.1mmol)のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル メチル アセテート(NBMeAc)(モノマーIユニットを製造する)を20.7gのPGMEA中に溶かした溶液に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で、80℃で3時間にわたって添加する。モノマーの消失をGCによってモニターする。8時間後、反応混合物を室温まで冷却する。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液(6.0g)と追加の100mlのメタノールとを該フラスコに添加する。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去する。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加する。該反応混合物を2時間攪拌し、その後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去する。得られる溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させる。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させる。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させる。その乾燥させたポリマーをPGMEA中で15質量%に溶解させて、一般的な配合方法に従って配合する。
【0159】
合成例15
42.20g(188.2mmol)の4−ビフェニルアクリレート(モノマー単位IIIを製造する)、10.17g(62.7mmol)のアセトキシスチレン(モノマー単位IIを製造する)および3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を61.71gのPGMEA中に溶かした溶液を、5.90g(62.7mmol)のノルボルネン(モノマーIユニットを製造する)を20.7gのPGMEA中に溶かした溶液に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で、80℃で3時間にわたってゆっくりと添加する。モノマーの消失をGCによってモニターする。8時間後、反応混合物を室温まで冷却する。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液(6.0g)と追加の100mlのメタノールとを該フラスコに添加する。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去する。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加する。該反応混合物を2時間攪拌し、その後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去する。得られる溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させる。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させる。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させる。その乾燥させたポリマーをPGMEA中で15質量%に溶解させて、一般的な配合方法に従って配合する。
【0160】
合成例16
43.34g(188.2mmol)の4−シクロヘキシルフェニルアクリレート(モノマー単位IIIを製造する)、10.17g(62.7mmol)のアセトキシスチレン(モノマー単位IIを製造する)および3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を61.71gのPGMEA中に溶かした溶液を、5.90g(62.7mmol)のノルボルネン(モノマーIユニットを製造する)を20.7gのPGMEA中に溶かした溶液に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で、80℃で3時間にわたってゆっくりと添加する。モノマーの消失をGCによってモニターする。8時間後、反応混合物を室温まで冷却する。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液(6.0g)と追加の100mlのメタノールとを該フラスコに添加する。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去する。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加する。該反応混合物を2時間攪拌し、その後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去する。得られる溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させる。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させる。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させる。その乾燥させたポリマーをPGMEA中で15質量%に溶解させて、一般的な配合方法に従って配合する。
【0161】
合成例17
35.06g(188.2mmol)の4−シクロヘキシルスチレン(モノマー単位IIIを製造する)、10.17g(62.7mmol)のアセトキシスチレン(モノマー単位IIを製造する)および3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を61.71gのPGMEA中に溶かした溶液を、5.90g(62.7mmol)のノルボルネン(モノマーIユニットを製造する)を20.7gのPGMEA中に溶かした溶液に、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で、80℃で3時間にわたってゆっくりと添加する。モノマーの消失をGCによってモニターする。8時間後、反応混合物を室温まで冷却する。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液(6.0g)と追加の100mlのメタノールとを該フラスコに添加する。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去する。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加する。該反応混合物を2時間攪拌し、その後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去する。得られる溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させる。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させる。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させる。その乾燥させたポリマーをPGMEA中で15質量%に溶解させて、一般的な配合方法に従って配合する。
【0162】
合成例1〜17のポリマーに対する分析結果および構造を表1に示す。
【0163】
表1 合成例1〜17 分析結果および構造
【表1−1】

【0164】
【表1−2】

【0165】
【表1−3】

Mw:質量平均分子量; PDI:多分散性; Tg:ガラス転移温度; TGA:10質量%損失に対する熱分解測定。
(*)モル比は概算である。
【0166】
比較合成例1
45.98g(188.2mmol)のシクロヘキシルフェニルメタクリレート、10.17g(62.7mmol)のアセトキシスチレン、10.55g(62.7mmol)シクロヘキシルメタクリレートおよび3gのVAZO 67(登録商標)(遊離基開始剤)を82.4gのPGMEA中に溶かした溶液を、還流凝縮器およびガス導入口を装備した250mlの丸底フラスコ内、窒素下で、100℃で3時間にわたって製造した。モノマーの消失をGCによってモニターした。8時間後、反応混合物を室温まで冷却した。ナトリウムメトキシドをメタノール中に溶かした10質量%溶液(6.0g)と追加の100mlのメタノールとをフラスコに添加した。該反応混合物を5時間還流させ、そして約80mlのメタノールをDean−Starkトラップを使用して共沸蒸留によって除去した。該溶液をその後、室温に冷却し、そして30.0gのAmberlyst 15樹脂を添加した。該反応混合物を2時間攪拌した後、Amberlyst 15樹脂を濾過によって除去した。得られる溶液を600mlのヘプタン内に沈殿させ、その固体のポリマーを濾過によって分離し、そしてその後、100mlのTHF中で再溶解させた。THF中のポリマー溶液を1250mlの水中に再沈殿させた。その固体のポリマーをその後、濾過して、そして60℃で真空下にて12時間、乾燥させた。
【0167】
【化16】

NMR結果は、モル比に対するモノマー単位分布a/b/cが22/19/57であることを明らかにした。このポリマーのMwは9900で1.9のPDIを有した。該ポリマー溶液は31.9質量%の固体含有率を有した。
【0168】
配合例1〜13
該下層組成物を琥珀色の瓶内で、PGMEA中のポリマー溶液、PGMEA中の16.3質量%の架橋剤、PGMEA中の25.4質量%のTAG溶液、および溶剤を混合することによって製造した。合成例3からのポリマーを予め溶解せず、且つ固体の形態で添加した。該混合物をその後、終夜、回転させ、そして該下層組成物を0.20μmのテフロンフィルターを通して濾過した。組成物を表2に示す。
【0169】
配合例14〜19
該下層組成物を琥珀色の瓶内で、PGMEA中のポリマー溶液、PGMEA中の16.3質量%の架橋剤、PGMEA中の25.4質量%のTAG溶液、および溶剤を混合することによって製造する。合成例3からのポリマーを予め溶解せず、且つ固体の形態で添加する。該混合物をその後、終夜、回転させ、そして該下層組成物を0.20μmのテフロンフィルターを通して濾過する。組成物を表2に示す。
【0170】
表2 組成物の配合例
【表2】

【0171】
CLR−19−MFは日本の本州化学工業株式会社製のアルコキシメチルフェニル誘導架橋剤である。Powderlink 1174(PL)は米国のCytec Industries社製のグリコールウリルタイプの架橋剤である。PL−Pr−Meは7−メチル−8−プロピル−1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルであり、且つPL−Ph−Meは7−メチル−8−フェニル−1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルであり、両方の架橋剤は米国のDaychem Industries社から入手される。TAG 2168E、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、K−pure TAG 2678、2681、2690、固体スルホン酸塩、およびCXC−1614、第4級アンモニウムトリフレートは米国のKing Industries社から市販の熱酸発生剤である。
【0172】
配合例20
ポリマー溶液を、合成例13からの2gのポリマーを22gのPGMEA中で溶解することによって製造した。該溶液をその後、0.20μmのテフロンフィルターを通して濾過した。
【0173】
比較配合例1
試料作製に先立って、比較合成例1からのポリマー溶液をPGMEAで10%の固体含有率に希釈した。該下層組成物を琥珀色の瓶内で、8.22gの10質量%のポリマーをPGMEA中に溶かした溶液、2.4gの15質量%のCLR−19MFをPGMEA中に溶かした溶液、0.066gのK−Pure TAG 2168EをPGMEA中に溶かした溶液、0.21gの1質量%のTrysol(登録商標)をPGMEA中に溶かした溶液および9.11gのPGMEAを混合することによって製造した。該混合物をその後、終夜、回転させ、そして該熱硬化性ポリマー組成物を0.20μmのテフロンフィルターを通して濾過した。
【0174】
比較配合例2
60mlの琥珀色の瓶内の50gの下層組成物のために、1.975gのポリマー(NISSO PHS VP9000)、3.08g(PGMEA中の16.26%溶液)のCLR−19−MF架橋剤、0.10gのTAG 2168E(PGME中の25.4%溶液)、44.85gのPGMEAを混合した。該混合物をその後、終夜、回転させ、そして該下層組成物を0.20μmのフィルターを通して濾過した。
【0175】
比較配合例3
60mlの琥珀色の瓶内の50gの下層組成物のために、5.64gのポリマー溶液(35.19質量% 固体、STD NOVOLAK:m−クレゾールとp−クレゾールとのコポリマー)、3.08g(PGMEA中の16.26%溶液)のCLR−19−MF架橋剤、0.10gのTAG 2168E(PGME中の25.4%溶液)、41.17gのPGMEAを混合した。該混合物をその後、終夜、回転させ、そして該下層組成物を0.20μmのフィルターを通して濾過した。
【0176】
実施例1〜14
下層組成物の193nmリソグラフィー評価
配合例F1〜F13をリソグラフィー評価のための一般的な方法によって加工した。さらに、配合物F11〜F14を光学定数nおよびkの測定のための一般的な方法によって加工した。結果を下記の表3に示す。
【0177】
密な(1:1)トレンチを評価された実施例のケイ素含有レジストの塗布膜厚が130nmであった一方、密な(1:1)ラインアンドスペース(l/s)を評価された全ての実施例を170nmの目標厚で塗布した。目標形状に合わせるのに必要な照射エネルギーは28.6〜33.5の間であった。
【0178】
表3:実施例1〜14に対するリソグラフィーおよび光学測定結果の要約
【表3】

・ DOFおよびELは目標CDの±10%と測定された。
・ Res=解像度、最小開口形状
表3の結果は下層組成物が2層レジスト系における下層として効果的に使用され得ることを示す。様々なTAGおよび架橋剤が様々なレベルで使用され、ケイ素含有レジスト被膜において良好なリソグラフィーをもたらす。
【0179】
実施例15〜17
下層組成物の193nmリソグラフィー評価
配合例14、18および19をリソグラフィー評価のための一般的な方法によって加工する。密な(1:1)トレンチ用のケイ素含有レジストの塗布膜厚は130nmである。
【0180】
目標形状に対するパターン忠実性を日立の断面SEMで評価する。得られるSEM像は清浄なトレンチ、垂直な側壁を有するわずかに丸まった先端を示す。
【0181】
実施例18〜20
下層組成物の248nmリソグラフィー評価
配合例15、16および17をシリコンウェハー上に塗布し、そして205℃で90秒間、塗布後ベークを行い、500nm厚の下層膜をもたらす。ケイ素含有レジスト(TIS 2000、FUJIFILM Electronic Materials U.S.A社から入手可能な化学増幅型レジスト)をその後、該下層膜上にスピンコートし、そして135℃で60秒間ベークして250nm厚の膜を作製する。該2層塗布ウェハーをその後、キャノン EX6ステッパー(0.65 NA、バイナリレチクルを用いる5/8輪帯)を使用してパターン通りに露光する。該ウェハーに125℃で60秒間、露光後ベークを行い、そして0.262Nの水性TMAH中で60秒間パドル現像する。該ウェハーをDI水で濯ぎ、そして遠心脱水する。得られるレジストパターンをその後、走査電子顕微鏡(SEM)で分析する。
【0182】
パターニングしたレジスト膜は良好な解像度を示す。1:1トレンチの140nmの側壁は垂直である。フッティングあるいはt−トッピングは観察されていない。
【0183】
実施例21および比較例1
酸化物エッチング
下層組成物を8インチシリコンウェハー上にスピンコートし、205℃で90秒間、ホットプレート上で硬化させて160nm厚の下層膜を得た。該下層膜をその後、LAMによる酸化物エッチング装置を使用して、O2/SO2/CH3Fのガス混合物を150/250/5sccmの比で供給し、且つ170mTの圧力で5分間エッチングした。該エッチングレートをエッチング前後の下層膜厚を測定することによって定量した。それらの厚さ測定を走査型電子顕微鏡で実施した。
【0184】
【数1】

【0185】
表4 下層膜の被覆酸化物エッチングデータ
【表4】

シクロオレフィンモノマー含有ポリマーを有する下層膜(実施例21)のエッチングレートは、比較例1のエッチングレートよりも約24%低い。
【0186】
実施例22および比較例2〜3
Wエッチング耐性
スピンコーターを使用して下層組成物を6インチシリコンウェハー上に塗布して、205℃で90秒間、ホットプレート上で塗布後ベークをして下層膜を得た。該下層膜をLAMによるWエッチャー(SF6/N2)を使用して、チャンバー圧力5mTorr、RF電力500W、バイアス電圧50V、SF6フロー70sccmおよびN2フロー30sccmを用いてエッチングした。エッチング時間は30秒であった。エッチングの前後でn&k analyzerを使用して下層膜厚測定を行った。バルクのエッチングレートを以下のように算出した:
【数2】

光学パラメータを、光学定数nおよびkの測定のための一般的な方法において記載されたように測定した。表5はWエッチングレートおよび下層膜組成物の光学パラメータを示す。
【0187】
表5 Wエッチングレート、および定数nおよびk
【表5】

【0188】
実施例22は本開示の下層組成物から製造した下層膜がノボラックあるいはヒドロキシスチレンポリマー系のものと類似したエッチングレートを有し、且つ同時に波長193nmで優れた光学特性(nおよびk)を有することを示す。
【0189】
本開示はそれらの特定の実施態様に関して記載されている一方、ここに開示される本願の概念の主旨および目的を逸脱することなく、変更、修正および改変を行い得ると理解されるべきである。従って、追記される請求項の主旨および目的に含まれるすべてのかかる変更、修正および改変が包括されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層リソグラフィー工程において使用するためのエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、
(A) 構造I、IIおよびIIIの繰り返し単位を含むポリマー
【化1】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および(CH2n5によって表される極性基からなる群から選択され、ただし前記R2とR4とがお互いに結合して、−C(O)−Z−C(O)−および−(CH2pOC(O)−からなる群から選択される二価の基を形成してもよい。前記Zは−O−および−N(R13)−からなる群から選択され、前記pは1〜約3の整数であり、且つ前記R13は水素原子およびC1〜C10アルキル基からなる群から選択される。前記R5は−OR6、−(OR12oOR7、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10からなる群から選択され、且つ前記nは0〜5の整数である。前記R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基、および置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基からなる群から選択される。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。mは0〜約4の整数であり、且つXおよびYは独立に−CH2−、−O−、および−S−からなる群から選択される。R14は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全あるいは部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、およびハロゲン原子からなる群から選択される。AはC6〜C20アリーレン基およびA1−W−A2基からなる群から選択される。前記A1はC6〜C10アリーレン基であり、前記A2はC6〜C10アリール基であり、且つ前記Wは単結合、−S−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(R1617)−、−C(=CR1819)−および−CR18=CR19−からなる群から選択される。前記R16、R17、R18およびR19は独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C10アルキル基、および部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基からなる群から選択される。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C10アルキル基からなる群から選択される。qは1〜2の整数であり、且つrは0〜約3の整数である。R21は水素原子、C1〜C3アルキル基、完全または部分的にハロゲン置換されたC1〜C3アルキル基、およびハロゲン原子からなる群から選択される。Lは単結合、−C(O)O−、−C(O)O(R23O)s−、および−C(O)NR24−基からなる群から選択される。前記R23はC2〜C6アルキレン基である。前記R24は水素原子および直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基からなる群から選択される。前記sは1〜約4の整数である。MはC5〜C20シクロアルキレン基およびC6〜C18アリーレン基からなる群から選択される。Eは単結合、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、および−S(O2)−からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、脂環式C5〜C15炭化水素基、C6〜C18アリール基、およびC7〜C18アルキルアリール基からなる群から選択され、且つtは1〜約4の整数である。ただし、Lが単結合であり且つMがアリーレン基であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IまたはIIまたはIIIの繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
(B) 少なくとも1つの架橋剤
(C) 少なくとも1つの熱酸発生剤、および
(D) 少なくとも1つの溶剤
を含む熱硬化性下層組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、ポリマーが構造Ia、IIaおよびIIIa−1の繰り返し単位
【化2】

[式中、
1、R2、R3、R4およびXは構造Iに対して定義された通りである。R14、R15、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。Aはナフチルおよびフェニル基からなる群から選択される。MはC6〜C18アリーレン基である。R21は構造IIIに対して定義された通りである。Lは単結合および−C(O)O−からなる群から選択される。Eは単結合、−O−および−C(O)O−からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基からなる群から選択される。且つtは1〜約3の整数である。ただし、Lが単結合であるとき、E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IaまたはIIaまたはIIIa−1の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むことを特徴とする熱硬化性下層組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、ポリマーが構造Ia、IIaおよびIIIa−2の繰り返し単位
【化3】

[式中、
1、R2、R3、R4およびXは構造Iに対して定義された通りである。R14、R15、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。MはC5〜C20シクロアルキレン基である。R21は構造IIIに対して定義された通りである。Eは単結合、−O−および−C(O)O−からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基からなる群から選択される。且つtは1〜約3の整数である。ただし、構造IaまたはIIaまたはIIIa−2の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むことを特徴とする熱硬化性下層組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、ポリマーが構造Ib、IIbおよびIIIb−1の繰り返し単位
【化4】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および極性基(CH2n5からなる群から選択される。前記R5は−OR6、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9あるいは−OC(O)R10からなる群から選択され、且つ前記nは0〜2の整数である。前記R6、R8、R9およびR10は個々に水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基および置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基からなる群から選択される。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。R14、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C4アルキル基、および部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C4アルキル基からなる群から選択される。R21は構造IIIにおいて定義された通りである。Lは単結合および−C(O)O−からなる群から選択される。Eは単結合および酸素原子からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基および置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基からなる群から選択される。且つ、tは1〜約2の整数である。ただし、Lが単結合であるとき、−E−R22は−OHではない。且つ、ただし、構造IbまたはIIbまたはIIIb−1の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むことを特徴とする熱硬化性下層組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、ポリマーが構造Ib、IIbおよびIIIb−2の繰り返し単位
【化5】

[式中、
1、R2、R3およびR4は個々に水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C10アルキル基、および極性基(CH2n5からなる群から選択される。前記R5は−OR6、−C(O)OR8、−C(O)(OR12oOR9および−OC(O)R10からなる群から選択される。前記nは0〜2の整数である。前記R6、R8、R9およびR10は個々に水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C20アルキル基および置換あるいは非置換のC6〜C20アリール基からなる群から選択される。前記R12はC2〜C6−直鎖、分岐鎖あるいは環式アルキレン基である。前記oは1〜約5の整数である。R14、rおよびqは構造IIに対して定義された通りである。R15はハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C4アルキル基、および部分的または完全にハロゲン置換されたC1〜C4アルキル基からなる群から選択される。R21は構造IIIに対して定義された通りである。Eは単結合および酸素原子からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、および置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基からなる群から選択される。且つ、tは1〜約2の整数である。且つ、ただし、構造IbまたはIIbまたはIIIb−2の繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むことを特徴とする熱硬化性下層組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物において、ポリマーが構造Ic、IIcおよびIIIcの繰り返し単位
【化6】

[式中、
1は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、ハロゲン化あるいは部分的にハロゲン化された直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、および極性基(CH2n5からなる群から選択される。前記R5は−OC(O)R10である。前記R10は置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基である。前記nは0あるいは1の整数である。R14は水素原子およびメチル基からなる群から選択される。MはC5〜C20シクロアルキレン基である。R21は水素原子およびメチル基からなる群から選択される。Eは単結合および酸素原子からなる群から選択される。R22は水素原子、置換あるいは非置換の直鎖、分岐鎖あるいは環式C1〜C6アルキル基、および置換あるいは非置換の脂環式C5〜C15基からなる群から選択される。且つ、tは1〜約2の整数である。且つ、ただし、構造IcまたはIIcまたはIIIcの繰り返し単位のいずれも酸感応性基を含有しない。]
を含むことを特徴とする熱硬化性下層組成物。
【請求項7】
構造I、IIおよびIIIの繰り返し単位が、ノルボルネン、アセトキシスチレンおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメタクリレートのモノマーから生成されることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物。
【請求項8】
構造I、IIおよびIIIの繰り返し単位が、ノルボルネン、アセトキシスチレンおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレートのモノマーから生成されることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング耐性の熱硬化性下層組成物。
【請求項9】
基板と、該基板上に塗布された請求項1に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項10】
基板と、該基板上に塗布された請求項2に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項11】
基板と、該基板上に塗布された請求項3に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項12】
基板と、該基板上に塗布された請求項4に記載の下層組成物の熱硬化膜と、および該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項13】
基板と、該基板上に塗布された請求項5に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項14】
基板と、該基板上に塗布された請求項6に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項15】
基板と、該基板上に塗布された請求項7に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項16】
基板と、該基板上に塗布された請求項8に記載の下層組成物の熱硬化膜と、該熱硬化した下層組成物上に塗布された感放射線化学増幅型レジストとを含む、フォトリソグラフィー用2層被覆基板。
【請求項17】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項1に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項18】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項2に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項19】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項3に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項20】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項4に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項21】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項5に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項22】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項6に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項23】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項7に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。
【請求項24】
基板上にパターンを形成する方法において、以下の工程
(a) 基板を提供する工程、
(b) 第一の塗布段階において、前記の基板に請求項8に記載の熱硬化性下層組成物を塗布する工程、
(c) 前記の下層組成物を熱硬化させて下層膜を提供する工程、
(d) 第二の塗布段階において、感放射線レジストを下層膜上に塗布して2層レジストの積層物を製造する工程、
(e) 第二のベーク段階において感放射線レジストをベークする工程、
(f) 2層レジスト積層物を露光する工程、
(g) 2層レジスト積層物の感放射線レジストの一部分を現像し、そして下にある下層膜の一部分を露出する工程、
(h) 2層レジスト積層物を濯ぐ工程、および
(i) 露出させた下層膜を酸化プラズマ中でエッチングして2層のレリーフ像を製造する工程
を含む方法。

【公表番号】特表2010−520930(P2010−520930A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550997(P2009−550997)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/054498
【国際公開番号】WO2008/103776
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【氏名又は名称原語表記】FujiFilm Electronic Materials USA, Inc.
【住所又は居所原語表記】80 Circuit Drive, North Kingstown, Rhode Island 02852, USA
【Fターム(参考)】