説明

一致度計算装置及び方法、プログラム

【課題】入力画像の対象物対応領域がテンプレート画像の対象物領域と比べて変形している場合や、入力画像にノイズが重畳している場合でも、対象物を正しく検出することができる(検出したかどうかの判断が可能となる)一致度を計算する。
【解決手段】入力画像と、対象物のテンプレート画像とを対比し、入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算装置であって、入力画像を、テンプレート対象物領域と整合するように変形する変形手段と、変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する手段とを備え、前記変形手段は、入力画像の対象物対応領域において、テンプレート対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する手段と、入力画像の対象物非対応領域において、テンプレート対象物対応領域に接する非背景領域を、前記一致度に影響を与えないように設定する処理手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプレートマッチング技術に関し、特に、入力画像の対象物に対応する領域がテンプレート画像の対象物領域と比べて変形している場合や、入力画像にノイズが重畳している場合に有効なテンプレートマッチング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象物を予め撮影した画像などからテンプレート画像を作成し、入力画像とテンプレート画像とのマッチング評価値(一致度)を求め、入力画像が対象物の画像に該当するか否か、入力画像に対象物の画像が含まれるか否かを判断するテンプレートマッチングと呼ばれる技術が知られている。
【0003】
例えば、下記の非特許文献1の5章3節、84ページから86ページまでには、テンプレートマッチングの基本的な方法が記載されている。この文献の図5.6では、少女の顔画像を原画像とし、左目部分をテンプレートにして切りだし、原画像を濃度変換して作られた画像を入力画像として、入力画像の各部分でテンプレートとの相関演算を施した結果を例示している。この例では、相関係数のしきい値を0.99とした場合に検出されたマッチング位置は、テンプレートとして切り出した左目部分のみであるが、相関係数のしきい値を0.8とした場合は、左目部分だけでなく、右目付近にもいくつかマッチング候補位置が検出されている。
【0004】
テンプレートマッチング技術に関して、マッチングの演算時間を短縮するための様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1は、階層的にテンプレートの画像の大きさやサンプリングレート、候補点領域を小さくしていくことにより、階層化していない大きなサイズのテンプレートを持つ場合より高速に演算できる手法を開示している。また例えば、非特許文献1は、2値化画像の場合において、平均値による引き算や正規化を省略できるときは評価式として「距離」を用い演算時間を高速化する手法を開示している。また例えば、特許文献2は、認識対象物が比較的単純な形態の場合、認識対象物を構成する外接四角形の幅を直径とする円をテンプレートとして2値画像のマッチング演算の高速化を行う手法を開示している。
【0005】
テンプレートマッチング技術は、各種検査装置、認識装置、判定装置、位置検出装置などにおいて、幅広く利用されている。
【0006】
例えば、特許文献3には、露光装置を対象としたテンプレートマッチングを用いた位置検出方法が記載されている。この方法では、テンプレート画像の中で誤差の多く発生する部位があらかじめ分かっている場合に、該部位にマスキングを施し、撮影画像(入力画像)の対応する領域にも同様なマスキングを施して、マスキングを施していない領域のみ所定の評価式に基づく演算を行って評価することにより、誤差の大きい部位を排除した評価を行い、位置検出精度を向上させている。
【0007】
また特許文献4には、半導体設計時にCAD(コンピュータを利用した設計、Computer Aided Designの略)で設計した設計データを利用してテンプレートマッチングを行う方法が記載されている。具体的には、製造した半導体を電子顕微鏡で撮影して得られる撮影画像を入力画像とし、設計データに基づきビットマップイメージを作成し、該ビットマップイメージを平滑化してテンプレート画像を作成して、テンプレートマッチングを行っている。
【特許文献1】特開昭63−211474号公報
【特許文献2】特開2001−351102号公報
【特許文献3】特開平8−181053号公報
【特許文献4】特開2007−5818号公報
【非特許文献1】著者:酒井幸市、書名:Visual C#.NET & Visual Basic.NETによるデジタル画像処理の基礎と応用-基本概念から顔画像認識まで、発行所:CQ出版社、発行年:2003年9月1日初版発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のように入力画像とテンプレート画像とをそのまま対比してテンプレートマッチングを行う方法では、入力画像の対象物に対応する領域がテンプレート画像の対象物領域と比べて変形している場合や、入力画像にノイズが重畳している場合、対象物を正しく検出できない可能性がある。
【0009】
例えば、非特許文献1に開示される例において、濃淡変換した結果、入力画像の左目部分の形状がテンプレート画像の左目部分の形状と比べて変形している場合、入力画像の左目部分よりも他の領域(例えば、右目部分)の相関値の方が高くなる可能性がある。また例えば、入力画像にノイズが重畳している場合、ノイズが多い領域はどのようなテンプレートに対しても相関値が高くなる傾向があるため、やはり入力画像の左目部分よりも他の領域の相関値の方が高くなる可能性がある。このような場合、従来のテンプレートマッチング技術では、左目部分を正しく検出することができない。
【0010】
かかる問題は、微細加工によって対象物を製造する場合に特に顕著となる。
【0011】
例えば、半導体検査などにおいて、特許文献4に記載されているように設計データから作成したビットマップイメージをテンプレート画像として用いる場合、テンプレート画像と、実際に製造した対象物を撮影して得られる入力画像とでは、通常、対象物領域の形態が大きく異なっている。テンプレート画像と入力画像とで対象物領域の形態の差異が大きくなると、対象物領域のマッチング評価値と対象物以外の領域のマッチング評価値とが接近するため、両者を区別するための閾値を設定することが困難となり、入力画像が、対象物を撮影した画像なのか、誤って他の対象物を撮影した画像なのかを区別することさえも難しくなる。
【0012】
この点につき、特許文献4では、平滑化処理を導入してテンプレート画像と入力画像との形態差異を少なくすることを試みているが、平滑化処理では、対象物の形状の情報を維持したまま、テンプレート画像と入力画像との位置ずれなどに伴う対象物の形態差異に対応することは難しい。
【0013】
そこで、本発明は、入力画像の対象物に対応する領域がテンプレート画像の対象物領域と比べて変形している場合や、入力画像にノイズが重畳している場合でも、対象物を正しく検出することができる(検出したかどうかの判断が可能となる)一致度を計算する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一致度計算装置は、入力画像と、対象物のテンプレート画像とを対比し、入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算装置であって、入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(テンプレート対象物領域)と整合するように変形する変形手段と、変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算手段とを備え、前記変形手段は、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(対象物対応領域)において、テンプレート対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理手段と、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(対象物非対応領域)において、テンプレート対象物対応領域に接する非背景領域(シミ出し領域)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
好適には、前記変形手段は、前記対象物対応領域処理手段及び前記対象物非対応領域処理手段の前処理手段として、入力画像に対し、画素値の変化における谷を強調する谷強調処理手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また好適には、前記変形手段は、前記対象物対応領域処理手段の前処理手段として、テンプレート画像の画素に対応づけて、テンプレート対象物領域の境界からの距離を保持する距離マップを作成する距離マップ作成手段を備え、前記対象物対応領域処理手段は、前記整形を行うために、入力画像の対象物対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換える第1手段と、前記第1手段によって処理された入力画像の、対象物対応領域の各画素に対し、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち対象物対応領域内の画素の最大画素値で置き換える第2手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この場合、前記第1手段は、入力画像の対象物非対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換え、前記第2手段は、入力画像の対象物非対応領域の各画素のうち、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の最大画素値で置き換えることが好ましい。
【0018】
好適には、前記一致度は、変形後の入力画像とテンプレート画像との正規化相関値であり、前記対象物外領域処理手段は、入力画像のシミ出し領域以外の領域について画素値の平均値を求め、シミ出し領域の各画素の画素値を前記求めた平均値で置き換えることを特徴とする。
【0019】
また好適には、入力画像よりもサイズの大きいテンプレートベース画像の中から入力画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、テンプレートベース画像の選択された部位の部分画像をテンプレート画像として抽出する手段を備えることを特徴とする。又は、テンプレート画像よりもサイズの大きい入力ベース画像の中からテンプレート画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、入力ベース画像の選択された部位の部分画像を入力画像として抽出する手段を備えることを特徴とする。
【0020】
また好適には、テンプレート画像が、対象物を製造するための設計データから作成した設計画像を用いて作成されたものであることを特徴とする。
【0021】
また好適には、入力画像又は/及びテンプレート画像が、前処理として平滑化処理が施された画像であることを特徴とする。
【0022】
本発明の検査システムは、本発明の一致度計算装置と、前記一致度計算装置で求めた一致度が、所定の閾値以上の場合は、入力画像が対象物の画像に該当すると判断し、所定の閾値より小さい場合は、入力画像が対象物の画像に該当しないと判断する判断手段と、入力画像が対象物の画像に該当すると判断された場合に、該入力画像を検査する検査装置とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明のプログラムは、コンピュータに、入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(テンプレート対象物領域)と一致するように変形する変形工程であって、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(対象物対応領域)において、テンプレート対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理工程と、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(対象物非対応領域)において、テンプレート対象物対応領域に接する非背景領域(シミ出し領域)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理工程と、を含む変形工程と、変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算工程とを実行させる。
【0024】
好適には、前記変形工程は、前記対象物対応領域処理工程及び前記対象物非対応領域処理工程の前処理として、入力画像に対し、画素値の変化における谷を強調する谷強調処理工程を備えることを特徴とする。
【0025】
また好適には、前記変形工程は、前記対象物対応領域処理工程の前処理として、テンプレート画像の画素に対応づけて、テンプレート対象物領域の境界からの距離を保持する距離マップを作成する距離マップ作成工程を備え、前記対象物対応領域処理工程は、前記整形を行うために、入力画像の対象物対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換える第1工程と、前記第1工程によって処理された入力画像の、対象物対応領域の各画素に対し、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち対象物対応領域内の画素の最大画素値で置き換える第2工程と、を備えることを特徴とする。
【0026】
この場合、前記第1工程は、入力画像の対象物非対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換え、前記第2工程は、入力画像の対象物非対応領域の各画素のうち、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の最大画素値で置き換えることが好ましい。
【0027】
好適には、前記一致度は、変形後の入力画像とテンプレート画像との正規化相関値であり、前記対象物外領域処理工程は、入力画像のシミ出し領域以外の領域について画素値の平均値を求め、シミ出し領域の各画素の画素値を前記求めた平均値で置き換えることを特徴とする。
【0028】
また好適には、コンピュータに、入力画像よりもサイズの大きいテンプレートベース画像の中から入力画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、テンプレートベース画像の選択された部位の部分画像をテンプレート画像として抽出する工程を実行させることを特徴とする。又は、コンピュータに、テンプレート画像よりもサイズの大きい入力ベース画像の中からテンプレート画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、入力ベース画像の選択された部位の部分画像を入力画像として抽出する工程を実行させることを特徴とする。
【0029】
また好適には、コンピュータに、対象物を製造するための設計データから作成した設計画像を用いてテンプレート画像を作成する工程を実行させることを特徴とする。
【0030】
また好適には、コンピュータに、入力画像又は/及びテンプレート画像に、前処理として平滑化処理を施す工程を実行させることを特徴とする。
【0031】
本発明のテンプレートマッチング方法は、入力画像と、対象物のテンプレート画像とを対比し、入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算方法であって、入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(テンプレート対象物領域)と一致するように変形する変形工程と、変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算工程とを備え、前記変形工程は、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(対象物対応領域)において、対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理工程と、入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(対象物非対応領域)において、対象物対応領域に接する非背景領域(シミ出し領域)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0032】
本発明の方法は、コンピュータ(情報処理装置)において実施することができるが、そのための本発明のプログラムの全体又は一部は、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ及び通信ネットワークなどの各種の媒体を通じてインストールまたはロードすることができる。
【0033】
なお、本発明において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の手段や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0034】
以上、本発明によれば、入力画像の対象物領域がテンプレート画像のものと比べて変形している場合や、入力画像にノイズが重畳している場合でも、対象物を正しく検出することができる(検出したかどうかの判断が可能となる)一致度を計算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(1)実施例1
(1.1)構成:図1(A)、(B)は、本発明の実施例1に関わる全体システム、及び全体システムに含まれる検査システムの構成を示す図である。以下、全体システム及び検査システムの構成について説明する。
【0036】
設計システム211では、CADを用いて半導体回路が設計され、半導体回路の製造で利用するリソグラフィー装置のマスクデータなど、各種設計データが作成される。
【0037】
製造システム212は、ネットワーク210を介し、設計システム211で作成された各製造装置の設計データを受け取る。該設計データは、製造システム212の各製造装置に渡り、各製造装置は、それに基づいて半導体回路を流れ作業で製造する。製造装置の一つであるリソグラフィー装置は、設計システム211で作成されたマスクデータに基づいて作成されたマスクを装着し、光リソグラフィーで半導体基板上に塗布されたレジストを回路パターンに基づき感光させ、その後感光部を除去して、半導体基板にレジストパタン(回路パタン)を形成することができる。
【0038】
検査システム213では、製造システム212で製造された半導体回路、または製造途中の半導体基板が運搬され、各種検査装置によって所定の検査が行われる。検査結果に応じて、検査対象は破棄、または再製造プロセスに渡るよう運搬される。
【0039】
例えば、レジストパタンの載った半導体基板は、検査システム213の走査型電子顕微鏡で撮影検査される。具体的には、レジストパタンの載った半導体基板202は、検査対象としてステージ201に載置され、撮影位置まで運ばれる。撮影位置において、検査対象202を走査するように電子銃203から電子が打ち出され、2次電子検出部204が、反射された2次電子を捉えて画像化部205に出力し、画像化部205において撮影画像の画像データが生成される。
【0040】
計算装置206は、画像化部205で生成された撮影画像の画像データと、設計システム211で設計された設計データを受け取り、所定の画像処理等を実行して、結果を表示装置207に表示させる。計算装置206は、走査型電子顕微鏡に内蔵しても良いし、外部装置として構成してもよい。
【0041】
図2(A)は、計算装置206のハードウェア構成をあらわすブロック図である。図2(A)に示すように、計算装置206は、CPU、ROM、RAM、HDD、ユーザインタフェース、通信インタフェースなど、通常のコンピュータ装置と同様のハードウェアを備えている。計算装置206は、物理的には、専用化したシステム、あるいは汎用の情報処理装置のいずれであってもよい。計算装置206において、本発明の一致度計算方法における各工程を規定したプログラムを実行することにより、本発明の一致度計算装置を実現することができる。
【0042】
図2(B)に示すように、計算装置206によって実現される一致度計算装置は、機能的には、入力画像を、テンプレート画像中の対象物領域と整合するように変形する変形手段10と、変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算手段11と、前記計算した一致度が予め定めた閾値以上である場合、入力画像が検査対象物の画像に該当すると判断する判断手段12とを備えている。
【0043】
このうち変形手段12は、距離マップ作成手段21、谷強調処理手段22、対象物対応領域処理手段23、対象物非対応領域処理手段24等を備えている。
【0044】
これらの各手段は、計算装置206のRAMやROM、外部の記憶媒体等に記憶されるプログラムをCPUが実行することにより、機能手段として実現される。
【0045】
(1.2)手順全体概要:図3は、本発明の実施例1における手順全体を記したフロー図である。以下、図3を参照して、手順全体を説明する。
【0046】
ステップ301:設計システム211は、CADを用いて半導体回路を設計し、各種設計データを作成する。各種設計データの中には、製造システム302のリソグラフィー装置で利用するマスクの設計データも含まれる。
【0047】
ステップ302:製造システム212は、ステップ301で作成した設計データに基づいてマスクを作り、該マスクをリソグラフィー装置に装着して、光リソグラフィーで半導体表面に塗布したレジストを感光させ、その後感光部を除去して、半導体基板にレジストパタン(回路パタン)を形成する。
【0048】
ステップ303:検査システム213は、ステップ302で作成されたレジストパタンが載った半導体基板を走査型電子顕微鏡で撮影し、撮影画像を取得する。
【0049】
ステップ304:計算機206は、ネットワーク210を介し、ステップ301で作成された設計データを受け取り、該設計データから検査対象物(ここでは、レジストパタン)の設計画像を作り、該設計画像に対してマッチング用の前処理として平滑化処理を適用して、テンプレートベース画像111を作成する。
【0050】
ステップ305:計算機206は、ステップ303で撮影した撮影画像に対してマッチング用の前処理として平滑化処理を適用して、入力画像112を作成する。
【0051】
なお、ステップ304の平滑化処理のフィルタサイズと、ステップ305の平滑化処理のフィルタサイズは、作成されるテンプレートベース画像111における検査対象物の形状と、入力画像112における検査対象物形状が、なるべく近くなるようにあらかじめ調整される。
【0052】
ステップ101〜ステップ104:計算機206は、ステップ304で作成したテンプレートベース画像111を用いて、入力画像112に対してマッチング処理を行う。
【0053】
以下、実施例1では、テンプレートベース画像111のサイズが入力画像112のサイズより大きいものとする。また、マッチングの評価値として正規化相関値を用いるものとする。
【0054】
ステップ101では、テンプレートベース画像111の中から入力画像112と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、テンプレートベース画像111の選択された部位の部分画像をテンプレート画像113として抽出する。具体的には、テンプレートベース画像111から入力画像112と同サイズの部分画像を切り出し、入力画像112との正規化相関値を計算する。正規化相関値は、例えば非特許文献1の84ページの(5.17)式を用いて計算できる。かかる正規化相関値を計算する処理を、部分画像の切り出す位置をずらしながら繰り返して行い、得られた一群の正規化相関値の中で最も相関値が高い部分画像(入力画像112に最も一致する部分画像)をテンプレート画像113とする。
【0055】
ステップ102では、変形手段10が、入力画像112をテンプレート画像113の対象物領域と整合するように変形し、変形入力画像114を作成する。変形手段10の処理については、図5〜図11を参照して後述する。
【0056】
ステップ103では、一致度計算手段11が、変形入力画像114とテンプレート画像113との変形許容一致度を計算する。変形許容一致度として、例えば両画像の正規化相関値を用いることが考えられる。
【0057】
ステップ104では、判断手段12が、ステップ103で計算した変形許容一致度が予め定めた閾値T以上であるか否かを判定し、閾値T以上である場合、入力画像112が検査対象物の画像に該当すると判断する。一方、変形許容一致度が閾値Tより小さい場合、判断手段12は、入力画像112は検査対象物の画像に該当しない(検査に適さない画像である)と判断し、該判断結果を表示装置207に表示する。この場合、ステップ303に戻り、次の検査対象の処理に移行してもよい。
【0058】
図13に、表示装置207に表示する画面の表示例1301を示す。この例では、入力画像112が検査に適するか適さないかの如何に関わらず、テンプレートマッチング処理や一致度計算処理などの途中経過をオペレータに表示して、処理内容をモニタできるようにしている。
【0059】
画面1301の左上段には、テンプレートベース画像111を表示し、右上段には、入力画像112を表示し、中央上段には、テンプレート画像113を表示し、右中段には、変形入力画像114を表示している。また、画面1301の下段には、左から順に、ステップ103で計算した変形許容一致度、ステップ104で用いる閾値T、ステップ104における判断結果を表示している。判断結果は、例えば、検査対象物に該当すると判断した場合は「正常部位」と表示し、該当しないと判断した場合は「範囲外」と表示することが考えられる。なお、閾値Tをオペレータが変更できるように画面1301のGUIを構成してもよい。
【0060】
ステップ306:計算装置206は、入力画像112が検査対象物の画像に該当すると判断した場合、入力画像112を利用して検査対象物の検査を行う(検査装置として機能する)。検査としては、例えば、短絡の有無のチェック、配線間隔のチェックなど、従来と同様の検査を考えることができる。このような検査は、入力画像112に対して種々の画像処理を適用するなど、従来技術を用いて実行することができる。
【0061】
(1.3)従来技術との比較:図4は、従来技術における手順全体を記したフロー図である。以下、図3、図4を参照して、実施例1と従来技術との相違について説明する。
【0062】
図4に示す従来技術のフローには、図3に示すフローと比較すると、ステップ102、ステップ103が含まれていない。
【0063】
また、実施例1のステップ104は、変形入力画像114とテンプレート画像113との変形許容一致度に基づく判断工程であるのに対し、従来技術のステップ104’は、入力画像112とテンプレートベース画像111の部分画像との一致度に基づく判断工程となっている点で、異なっている。
【0064】
入力画像112の検査対象物の領域がテンプレート画像113のものと比べて変形している場合や、入力画像112にノイズが重畳している場合、入力画像112とテンプレート画像113との一致度は、入力画像112が検査対象物の画像を含む場合でも有意に高くならない場合がある。そのため、ステップ104’の判断工程において用いる閾値Tを低くせざるをえず、この場合、ステップ104’による判断が十分に機能しないこととなる。
【0065】
これに対し、実施例1のステップ104では、検査対象物の領域と整合するように整形した変形入力画像114と、テンプレート画像113との変形許容一致度に基づいて判断している。実施例1の構成によれば、変形許容一致度は、入力画像112が検査対象物の画像である場合にはより高く、入力画像112が検査対象物の画像でない場合にはより低くなるため、両者を識別するための閾値Tを適切に設定することができ、検査対象物を正しく検出することができる。その結果、入力画像112が、テンプレートベース画像111に含まれていない物を撮影した画像である場合は、それを識別することができるので、オペレータに異常を知らせるとともに、不用な検査処理306を省いて、検査の効率を向上させることができる。
【0066】
以上、本発明は、ステップ101のマッチング処理で求める一致度(入力画像112との一致度)とは異なる変形許容一致度(変形入力画像113との一致度)を計算し、それに基づいてその後の処理の流れを制御することが、従来技術との大きな差異である。
【0067】
(1.4)ステップ102の処理の詳細:図5は、ステップ102の処理内容を詳細に記したフロー図である。以下、図5を参照して、ステップ102の詳細を説明する。
【0068】
ステップ501〜503:距離マップ作成手段21が、テンプレート画像113の画素に対応づけて、テンプレート画像113の対象物領域の境界からの距離を保持する第2距離マップ801を決定する。
【0069】
ステップ501では、テンプレート画像113に対して2値化処理を行い、2値マップ601を作成する。テンプレート画像113において、検査対象物が写る領域は背景に比して画素値が高いと考えられるので、2値マップにおいて、値1を取る領域は対象物領域120に相当し、値0を取る領域は非対象物領域121に相当すると判断できる。2値化処理は、例えば、テンプレート画像113の各画素の画素値の最大値と最小値を求め、両者の中間値を2値化閾値とすることにより行う。
【0070】
図6に、テンプレート画像113、2値マップ601を模式的に示す。
ステップ502では、2値マップ601から第1距離マップ701を作成する。第1距離マップ701は、2値マップ601の0と1の境界から各画素までの距離(以下、「境界距離」という)を表したマップである。例えば、対象物領域120内の画素、即ち2値マップ601で値が1を取る画素の場合、そこから値0の画素に移動するまでの最短距離を、その画素の境界距離とする。また、非対象物領域121内の画素、即ち2値マップ601で値が0を取る画素の場合、そこから値1の画素に移動するまでの最短距離を、その画素の境界距離とする。
【0071】
なお、実施例1では、隣接する4近傍を距離1として境界距離を測定するが、8近傍を距離1として測定してもよい。また実施例1では、境界距離によって対象物領域内外を識別できるように、対象物領域120内の画素には正の符号を、非対象物領域121内の画素には負の符号を割り当てている。更に実施例1では、データ量・処理量を軽減すべく、非対象物領域121において境界距離が一定以上となる画素については、境界距離として0を割り当てている。
【0072】
図7に、第1距離マップ701を模式的に示す。この例では、非対象物領域121において境界距離が4以上となる画素について境界距離0を割り当てている。また、記載の便宜上、負の符号を付ける代わりに数値を反転させて負値を表示している。
【0073】
ステップ503では、第1距離マップ701から第2距離マップ801を作成する。第2距離マップ801は、第1距離マップ701において、境界距離の大きい順に、境界距離が等しい連続領域のうち、面積の小さい領域(例えば、画素数10未満の領域)を、隣接する等距離連続領域に統合して作成する(すなわち、面積の小さい等距離連続領域の各画素の境界距離を、隣接する等距離連続領域の境界距離で置き換える)。
【0074】
図8に、第2距離マップ801を模式的に示す。この例では、図7に示す第1距離マップ701において境界距離4の等距離連続領域の面積が小さいため、隣接する境界距離3の等距離連続領域に統合されている。
【0075】
ステップ504〜505:谷強調処理手段22が、入力画像112に対し、画素値の変化における谷を強調する処理を行い、谷強調入力画像115を作成する。
【0076】
ステップ504では、入力画像112に対して所定の強度で負のエッジ強調を行う。具体的には、隣り合う画素の平均値取るなどして入力画像112の平滑画像を作成し、入力画像112から平滑画像を減算してエッジ画像を作成し、エッジ画像の正の画素値を0に修正して負の画素値のみ残した負エッジ画像を作成し、負エッジ画像の各画素値に所定の強度(正値)を乗算して負エッジ強調画像を作成し、負エッジ強調画像を入力画像112に加算して、負エッジ強調入力画像を作成する。
【0077】
次に、ステップ505では、負エッジ強調入力画像に対して、画素値のレベル変換を行い、谷強調入力画像115を作成する。具体的には、負エッジ強調入力画像の画素値の平均値を求め、画素値が平均値より下の画素について画素値の平均値(下平均)を求め、画素値が平均値より上の画素について画素値の平均値(上平均)を求め、下平均値が−1に、上平均値が1になるように、各画素の画素値を線形変換する。この際、線形変換後の値が−1より小さくなる場合は−1に、1より大きくなる場合は、1に修正する。ステップ505の処理を式で表すと、以下のような式になる。
【0078】
y =−1+2×(x−a)/(b−a)
ここで、xは負エッジ強調入力画像の画素値、yは谷強調入力画像115の画素値、aは下平均、bは上平均である。
【0079】
検査対象物と背景、ノイズと背景との間の画素値の変化(谷)は比較的大きいため、そのような谷にある画素の画素値はステップ505〜506の処理によって−1に変換される一方、検査対象物等の領域内部にある画素値の変化(谷)は比較的小さいため、そのような谷にある画素の画素値は上記処理によって−1には変換されない。すなわち、谷強調入力画像115は、入力画像112と比較して、背景との境界が明確化された画像、すなわち、検査対象物やノイズの領域形状が明確化された画像となる。このような前処理を施すことにより、ステップ505以降の整形処理において、谷強調入力画像115に検査対象物の領域があれば、テンプレート画像113の対象物領域120の形状に整合する領域として処理され、谷強調入力画像115にノイズ領域があれば、テンプレート画像113の対象物領域120の形状に整合しない領域として処理される傾向が高まる。
なお、ステップ504〜505は、ステップ501〜503に先だって、又は並列に実行してもよい。
【0080】
ステップ506〜507:対象物対応領域処理手段23が、谷強調入力画像115の、対象物領域120に対応する領域122(テンプレート画像113を重ねた場合に、対応物領域120に重なる領域;以下、「対応物対応領域122」という)において、対象物領域120の形状に合わせて非背景領域(画素値が0でない領域)を整形し、整形入力画像116を作成する。
【0081】
かかる処理を実行するために、対象物対応領域処理手段23は、ミニマム置換処理を行う第1手段25と、マックス置換処理を行う第2手段26とを備える。
【0082】
ステップ506では、第1手段25が、谷強調入力画像115に対し、ミニマム置換処理を所定回(例えば、3〜5回)繰り返す。
【0083】
ミニマム置換処理とは、谷強調入力画像115の対象物対応領域122の各画素に対して、第2距離マップ801を参照して境界距離を割り当て、当該画素の画素値を、当該画素を中心とした一定範囲(例えば、8近傍)にある周囲画素のうち、前記割り当てた境界距離が当該画素のものと等しい周囲画素の最小画素値で置き換える処理である。谷強調入力画像115の、対象物領域120に対応しない領域123(テンプレート画像113を重ねた場合に、対応物領域120に重ならない領域;以下、「対応物非対応領域123」という)については、各画素の画素値は維持される。
【0084】
通常の平滑化処理では、注目画素のまわりにある等方的な範囲の画素の画素値を参照して平均値や中間値を求め、注目画素の画素値を前記求めた平均値や中間値で置き換える。しかし、谷強調入力画像115に対して通常の平滑化処理を適用した場合、平滑化によってノイズは除去されるものの、等方的な範囲を参照することで対象物領域120の形状が何ら考慮されないで置き換えが行われる結果、谷強調入力画像115が持つ対象物領域120の形状情報が希釈されてしまう。すなわち、通常の平滑化処理は、谷強調入力画像115の対象物対応領域122に対して、対象物領域120と整合させるようには必ずしも作用しない。
【0085】
一方、ミニマム置換処理では、谷強調入力画像115に対して、等方的な範囲の画素ではなく、境界距離が等しい画素の画素値を参照して、非背景領域を縮減するように画素値を置き換えている。境界距離が等しい画素の集合は、例えば対象物領域120が細長い場合は前記画素集合も細長くなるなど、対象物領域120の形状の情報を有している。そのため、ミニマム置換処理は、対象物対応領域122において、対象物領域120の形状に整合しない画素(境界距離が等しく低い画素値を有する画素が周囲にある画素)は、画素値が低下して背景に近づくように、対象物領域120の形状に整合する画素(境界距離が等しく高い画素値を有する画素が周囲にある画素)は、画素値が高く維持されて非背景の一部として残るように、作用する。
【0086】
図9に、ミニマム置換処理による処理結果を模式的に示す。図9(A)は、検査対象物が写っている(ただし、位置ずれや形状の変形がある)場合の谷強調入力画像115の例、図9(E)は、検査対象物が写っていない(ノイズが写っている)場合の谷強調入力画像115の例である。図9(B)〜(D)は、図9(A)の谷強調入力画像115に対して、図8の第2距離マップ801を参照してミニマム置換処理を、それぞれ1〜3回行った場合の処理結果を示す。また、図9(F)〜(H)は、図9(E)の谷強調入力画像115に対して、同様に、ミニマム置換処理をそれぞれ1〜3回行った処理結果を示す。
なお、実施例1では、第2距離マップ801を参照してミニマム置換処理を行っているが、ステップ503を省略して(すなわち、第2距離マップ801を作らずに)、第1距離マップ701を参照してミニマム置換処理を実行しても構わない。
【0087】
ステップ507では、第2手段26が、ステップ506の処理後(ミニマム置換処理を所定回繰り返した後)の谷強調入力画像115に対し、マックス置換処理を所定回(例えば、3〜5回)繰り返し、整形入力画像116を作成する。
【0088】
マックス置換処理とは、第1手段25によって処理された谷強調入力画像115の各画素に対して、第2距離マップ801を参照して境界距離を割り当て、前記割り当てられた境界距離が1以上の各画素(すなわち、対象物対応領域122内の各画素)について、当該画素の画素値を、当該画素を中心とした一定範囲にある周囲画素のうち、前記割り当てた境界距離が1以上の周囲画素(すなわち、対象物対応領域122内の周囲画素)の最大画素値で置き換える処理である。谷強調入力画像115の非対象物対応領域123の各画素については、画素値は維持される。
なお、実施例1では、第2距離マップ801を参照してマックス置換処理を行っているが、例えば2値マップ601や第1距離マップ701を参照して対象物対応領域122の内外を判断するように、上記ステップを構成してもよい。
【0089】
図10に、マックス置換処理による処理結果を模式的に示す。図10(A)〜(C)は、図9(D)の谷強調入力画像115に対して、図8の第2距離マップ801を参照してマックス置換処理を、それぞれ1〜3回行った場合の処理結果を示す。また図10(D)〜(F)は、図9(H)の谷強調入力画像115に対して、同様にマックス置換処理をそれぞれ1〜3回行った場合の処理結果を示す。
【0090】
図10に示すように、マックス置換処理は、谷強調入力画像115の対象物対応領域122内の背景領域を埋めて非背景領域を増大させるように、すなわち、対象物対応領域122において非背景領域と対象物領域120との整合を増強するように作用する。
【0091】
このようにミニマム置換処理及びマックス置換処理を行うことにより、谷強調入力画像115の対象物対応領域122において、非背景領域は対象物領域120に整合するように変形されることになる。
【0092】
ステップ508〜509:対象物非対応領域処理手段24が、整形入力画像116の対象物非対応領域123において、対象物対応領域122に接する非背景領域(シミ出し領域)124を求め、かかるシミ出し領域124に対し、ステップ103で計算する一致度に影響を与えないように設定する。
【0093】
ステップ508では、まず整形入力画像116の対象物非対応領域123の各画素に対して、第2距離マップ801を参照して境界距離を割り当て、前記割り当てられた境界距離が−1となる画素(対象物非対応領域123の画素のうち、対象物対応領域122に接する画素)のうち、画素値が0でない非背景画素を、シミ出し領域124の画素として抽出する。
【0094】
次に、前記割り当てられた境界距離が−2となる画素のうち、画素値が0でなく、かつ隣接領域(例えば8近傍)にシミ出し領域124が存在する画素を、シミ出し領域124の画素として抽出する。
【0095】
更に、前記割り当てられた境界距離が−3となる画素のうち、画素値が0でなく、かつ隣接領域(例えば8近傍)にシミ出し領域124が存在する画素を、シミ出し領域124の画素として抽出する。
【0096】
このような処理により、対象物非対応領域123において、対象物対応領域122接しかつ途切れずに延在する非背景領域を、シミ出し領域124として抽出することができる。
なお、実施例1では、境界距離が最大3となる画素(第2距離マップ801において「−3」を取る画素)までシミ出し画素の探索を行う構成としているが、探索を行う画素の境界距離の最大値は設計に応じて設定することができる。また、実施例1では、ステップ508において第2距離マップ801を参照しているが、例えば第1距離マップ701を参照して境界距離を割り当てるように構成してもよい。
【0097】
ステップ509では、整形入力画像116について、ステップ508で抽出したシミ出し領域124以外の画素の平均値を算出する。そして、整形入力画像116のシミ出し領域124の各画素の画素値を前記算出した平均値に置き換えて、変形入力画像114を作成する。
【0098】
このような処理により、ステップ103において正規化相関を用いて変形許容一致度を求める場合、変形入力画像114のシミ出し領域124は、変形許容一致度に影響を与えないように設定される。すなわち、変形入力画像114は、画像全体の平均値とシミ出し領域124の平均値とが等しくなっている。正規化相関処理では、各画素の画素値から画像全体の平均値を引いて相関値を計算することになるが、シミ出し領域124では画像全体の平均値を引いた値が0になるため、結果として相関値に寄与しなくなるためである。
【0099】
図11(A)、(B)に、図10(C)、(F)に示す処理結果に基づいて作成された変形入力画像114をそれぞれ模式的に示す。この例では、シミ出し領域を斜線にて示している。図11(A)に示す、検査対象物が写っている入力画像112に対応する変形入力画像114は、テンプレート画像113との正規化相関値が高くなるように整形されている一方、図11(B)に示す、検査対象物が写っていない入力画像112に対応する変形入力画像114は、テンプレート画像113との正規化相関値が低くなるように整形されていることがわかる。
【0100】
このように実施例1では、背景との境界を明確化した谷強調入力画像115に対し、その対応物対応領域122において、対象物領域120の形状に合わせて非背景領域を整形し、谷強調入力画像115の対象物非対応領域123において、変形許容一致度に影響を与えないようにシミ出し領域124を設定して、変形入力画像114を作成し、かかる変形入力画像114とテンプレート画像113との変形許容一致度を算出して、入力画像112が検査対象物の画像に該当するか否かを判断している。かかる構成によれば、変形入力画像114とテンプレート画像113との変形許容一致度は、入力画像112が検査対象物の画像を含む場合にはより高く、入力画像112が検査対象物の画像でない場合にはより低くなるため、両者を識別するための閾値Tを適切に設定することができ、検査対象物を正しく検出することができる。
【0101】
(2)実施例2
実施例2における構成は、図1及び図2で示され、実施例1と同様である。また全体の処理手順も、図3で示され、実施例1と同様である。ただし、ステップ102の詳細の処理の内容が異なる。
【0102】
図12は、実施例2におけるステップ102の処理手順を詳細に示したフロー図である。ステップ501〜505、508〜509は、図5に示す実施例1におけるステップ102の処理手順と同じであるため、以下、実施例2の特徴であるステップ1206〜1207について説明する。
【0103】
ステップ1206では、第1手段25が、谷強調入力画像115に対し、修正ミニマム置換処理を所定回(例えば、3〜5回)繰り返す。
【0104】
修正ミニマム置換処理とは、谷強調入力画像115の各画素に対して、第2距離マップ801を参照して境界距離を割り当て、前記割り当てられた境界距離が所定値(例えば、−1)以上の画素について、当該画素の画素値を、当該画素を中心とした一定範囲(例えば、8近傍)にある周囲画素のうち、前記割り当てた境界距離が当該画素のものと等しい周囲画素の最小画素値で置き換える処理である。谷強調入力画像115の対応物非対応領域123については、各画素の画素値は維持される。修正ミニマム置換処理は、対象物対応領域122に隣接する領域も対象物領域120に対応しているとみなしてミニマム置換処理を実行する処理といえる。
【0105】
ステップ1207では、第2手段26が、ステップ1206の処理後(修正ミニマム置換処理を所定回繰り返した後)の谷強調入力画像115に対し、修正マックス置換処理を所定回(例えば、3〜5回)繰り返し、整形入力画像116を作成する。
【0106】
修正マックス置換処理とは、第1手段25によって処理された谷強調入力画像115の各画素に対して、第2距離マップ801を参照して境界距離を割り当て、前記割り当てられた境界距離が所定値(例えば、−1)以上の画素について、当該画素の画素値を、当該画素を中心とした一定範囲にある周囲画素のうち、前記割り当てた境界距離が前記所定値以上の周囲画素の最大画素値で置き換える処理である。なお、谷強調入力画像115の非対象物対応領域123の各画素については、画素値は維持される。修正マックス置換処理は、対象物対応領域122に隣接する領域も対象物領域120に対応しているとみなしてマックス置換処理を実行する処理といえる。
【0107】
このように実施例2では、対象物対応領域122に隣接する領域も対象物領域120に対応しているとみなして整形処理を実行しているため、谷強調入力画像115に映る検査対象物の位置がテンプレート画像112の対象物領域120と多少ずれている場合であっても適切に整形することが可能である。なお、実施例1において、ステップ102を実行する前にテンプレート画像113の対象物領域120を領域成長させることによっても、実施例2と同様の処理結果を得ることができる。
【0108】
(変形例)
本発明は、上記各実施例に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば、上記実施例では、入力画像よりサイズの大きなテンプレートベース画像を持つ場合を示したが、逆に、テンプレート画像よりもサイズの大きい入力ベース画像を持つ場合でも、本発明を適用することができる。
この場合、ステップ304において、計算機206は、設計画像に対してマッチング用の前処理として平滑化処理を適用して、テンプレート画像113を作成する。
【0109】
次に、ステップ305において、計算機206は、ステップ303で撮影した撮影画像に対してマッチング用の前処理として平滑化処理を適用して、入力ベース画像112’を作成する。
【0110】
次に、ステップ101では、入力ベース画像112’の中からテンプレート画像113と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、入力ベース画像112’の選択された部位の部分画像を入力画像112として抽出する。抽出処理は上記実施例と同様にして行えばよい。
【0111】
また上記実施例では、谷強調入力画像115に基づいて変形入力画像116を作成する構成としているが、入力画像112において、背景との境界が明確な場合は、入力画像112に基づいて変形入力画像116を作成する構成としてもよい。
【0112】
また上記実施例では、設計画像に対して平滑化処理を適用してテンプレートベース画像111を作成し、撮影画像に対して平滑化処理を適用して入力画像112を作成する構成としているが、テンプレートベース画像111における検査対象物の大きさと、入力画像112に写ることが想定される検査対象物の大きさが、ある程度、揃っている場合は、平滑化処理を省略してもよい。
【0113】
また上記実施例では、設計画像に基づいてテンプレート画像113を作成する構成としているが、コンピュータグラフィックス技術を利用して検査対象物の画像を作成し、これをテンプレート画像113として用いてもよい。
【0114】
また上記実施例では、距離マップ701を作成する際に、隣接する4近傍を距離1として境界距離を測定しているが、2画素単位や3画素単位を距離1として測定する構成としてもよい。
【0115】
また上記実施例では、対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する処理としてミニマム置換処理及びマックス置換処理を採用しているが、境界距離が等距離となる領域において、該領域と同形状の非背景領域は残り、形状の異なる非背景領域が減縮するような処理であれば、ミニマム置換処理及びマックス置換処理とは異なるように処理を構成してもよい。
【0116】
なお、本発明は、画像間の一致度を求める分野に利用することができる。特に、設計画像や検査対象物を模擬したデザイン画像と撮影画像との一致度を計算する場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施例1の全体システム及び検査システムの構成を示す図である。
【図2】計算装置206のハードウェア構成、及び計算装置206によって実現される一致度計算装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1における手順全体を記したフロー図である。
【図4】従来技術における手順全体を記したフロー図である。
【図5】実施例1のステップ102の処理内容を詳細に記したフロー図である。
【図6】テンプレート画像113、2値マップ601を模式的に示す図である。
【図7】第1距離マップ701を模式的に示す図である。
【図8】第2距離マップ801を模式的に示す図である。
【図9】ミニマム置換処理による処理結果を模式的に示す図である。
【図10】マックス置換処理による処理結果を模式的に示す図である。
【図11】変形入力画像114を模式的に示す図である。
【図12】実施例2のステップ102の処理内容を詳細に記したフロー図である。
【図13】表示装置207に表示する画面の表示例1301を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
10 変形手段
11 一致度計算手段
12 判断手段
21 距離マップ作成手段
22 谷強調処理手段
23 対象物対応領域処理手段
24 対象物非対応領域処理手段
111 テンプレートベース画像
112 入力画像
113 テンプレート画像
114 変形入力画像
115 谷強調入力画像
116 整形入力画像
120 対象物領域
121 非対象物領域
122 対象物対応領域
123 対象物非対応領域
124 シミ出し領域
201 ステージ
202 半導体基板
203 電子銃
204 2次電子検出部
205 画像化部
206 計算装置206
207 表示装置
210 ネットワーク
211 設計システム
212 製造システム
213 検査システム;
601 2値マップ
701 第1距離マップ
801 第2距離マップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像と、対象物のテンプレート画像とを対比し、入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算装置であって、
入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(以下、「テンプレート対象物領域」という)と整合するように変形する変形手段と、
変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算手段とを備え、
前記変形手段は、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(以下、「対象物対応領域」という)において、テンプレート対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理手段と、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(以下、「対象物非対応領域」という)において、テンプレート対象物対応領域に接する非背景領域(以下、「シミ出し領域」という)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理手段と、を備えることを特徴とする一致度計算装置。
【請求項2】
前記変形手段は、前記対象物対応領域処理手段及び前記対象物非対応領域処理手段の前処理手段として、入力画像に対し、画素値の変化における谷を強調する谷強調処理手段を備えることを特徴とする請求項1記載の一致度計算装置。
【請求項3】
前記変形手段は、前記対象物対応領域処理手段の前処理手段として、テンプレート画像の画素に対応づけて、テンプレート対象物領域の境界からの距離を保持する距離マップを作成する距離マップ作成手段を備え、
前記対象物対応領域処理手段は、前記整形を行うために、
入力画像の対象物対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換える第1手段と、
前記第1手段によって処理された入力画像の、対象物対応領域の各画素に対し、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち対象物対応領域内の画素の最大画素値で置き換える第2手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の一致度計算装置。
【請求項4】
前記第1手段は、入力画像の対象物非対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換え、
前記第2手段は、入力画像の対象物非対応領域の各画素のうち、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の最大画素値で置き換えることを特徴とする請求項3記載の一致度計算装置。
【請求項5】
前記一致度は、変形後の入力画像とテンプレート画像との正規化相関値であり、
前記対象物外領域処理手段は、入力画像のシミ出し領域以外の領域について画素値の平均値を求め、シミ出し領域の各画素の画素値を前記求めた平均値で置き換えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の一致度計算装置。
【請求項6】
入力画像よりもサイズの大きいテンプレートベース画像の中から入力画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、テンプレートベース画像の選択された部位の部分画像をテンプレート画像として抽出する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の一致度計算装置。
【請求項7】
テンプレート画像よりもサイズの大きい入力ベース画像の中からテンプレート画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、入力ベース画像の選択された部位の部分画像を入力画像として抽出する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の一致度計算装置。
【請求項8】
テンプレート画像が、対象物を製造するための設計データから作成した設計画像を用いて作成されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の一致度計算装置。
【請求項9】
入力画像又は/及びテンプレート画像が、前処理として平滑化処理が施された画像であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の一致度計算装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の一致度計算装置と、
前記一致度計算装置で求めた一致度が、所定の閾値以上の場合は、入力画像が対象物の画像に該当すると判断し、所定の閾値より小さい場合は、入力画像が対象物の画像に該当しないと判断する判断手段と、
入力画像が対象物の画像に該当すると判断された場合に、該入力画像を検査する検査装置とを備えることを特徴とする検査システム。
【請求項11】
コンピュータに、
入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(以下、「テンプレート対象物領域」という)と一致するように変形する変形工程であって、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(以下、「対象物対応領域」という)において、テンプレート対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理工程と、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(以下、「対象物非対応領域」という)において、テンプレート対象物対応領域に接する非背景領域(以下、「シミ出し領域」という)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理工程と、を含む変形工程と、
変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算工程と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記変形工程は、前記対象物対応領域処理工程及び前記対象物非対応領域処理工程の前処理として、入力画像に対し、画素値の変化における谷を強調する谷強調処理工程を備えることを特徴とする請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記変形工程は、前記対象物対応領域処理工程の前処理として、テンプレート画像の画素に対応づけて、テンプレート対象物領域の境界からの距離を保持する距離マップを作成する距離マップ作成工程を備え、
前記対象物対応領域処理工程は、前記整形を行うために、
入力画像の対象物対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換える第1工程と、
前記第1工程によって処理された入力画像の、対象物対応領域の各画素に対し、該画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち対象物対応領域内の画素の最大画素値で置き換える第2工程と、を備えることを特徴とする請求項11又は12記載のプログラム。
【請求項14】
前記第1工程は、入力画像の対象物非対応領域の各画素に対し、前記距離マップを参照して前記距離を割り当て、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が該画素と等しい画素の最小画素値で置き換え、
前記第2工程は、入力画像の対象物非対応領域の各画素のうち、前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の画素値を、該画素を中心とした一定範囲にある画素のうち前記割り当てた距離が閾値X以下である画素の最大画素値で置き換えることを特徴とする請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記一致度は、変形後の入力画像とテンプレート画像との正規化相関値であり、
前記対象物外領域処理工程は、入力画像のシミ出し領域以外の領域について画素値の平均値を求め、シミ出し領域の各画素の画素値を前記求めた平均値で置き換えることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、入力画像よりもサイズの大きいテンプレートベース画像の中から入力画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、テンプレートベース画像の選択された部位の部分画像をテンプレート画像として抽出する工程を実行させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、テンプレート画像よりもサイズの大きい入力ベース画像の中からテンプレート画像と最も一致する部位を選択するテンプレートマッチング処理を行い、入力ベース画像の選択された部位の部分画像を入力画像として抽出する工程を実行させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、対象物を製造するための設計データから作成した設計画像を用いてテンプレート画像を作成する工程を実行させることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、入力画像又は/及びテンプレート画像に、前処理として平滑化処理を施す工程を実行させることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項20】
入力画像と、対象物のテンプレート画像とを対比し、入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算方法であって、
入力画像を、テンプレート画像の対象物領域(以下、「テンプレート対象物領域」という)と一致するように変形する変形工程と、
変形後の入力画像とテンプレート画像との一致度を計算する一致度計算工程とを備え、
前記変形工程は、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応する領域(以下、「対象物対応領域」という)において、対象物領域の形状に合わせて非背景領域を整形する対象物対応領域処理工程と、
入力画像の、テンプレート対象物領域に対応しない領域(以下、「対象物非対応領域」という)において、対象物対応領域に接する非背景領域(以下、「シミ出し領域」という)を、前記一致度に影響を与えないように設定する対象物非対応領域処理工程と、を備えることを特徴とする一致度計算方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−223414(P2009−223414A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64565(P2008−64565)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】