説明

三次元形状サンドイッチ構造を製作するための方法

各々が補強材料及び成形可能材料で被覆された2つの両側主表面を有する、特に紙ハニカム構造の圧縮性コア層を備える積層材料(1)から三次元形状サンドイッチ構造が製作される。積層材料(1)は、2つの相互に可動な金型部分(7、9)を有する圧縮金型内で成形される。コア層内のひび、裂け目又は割れ目の形成を低減させるために、第1の金型部分(7)は少なくとも2つの相互に可動な金型部品(10及び11〜12)で構成される。第1の金型部品(10)をその成形位置へ向けて動かすことにより、積層材料(1)の第1の部分が最初に深絞りされ、それにより積層材料にしわが形成され、第2の金型部品(11〜12)が、第1の金型部品(10)よりも後で及び/又は低速で動かされる。第1の金型部品による積層材料(1)の深絞り領域への引き寄せはほとんど又は全く妨害されないという事実により、このようにして第1の金型部品(10)によるしわの形成が促進される。第2の金型部品を異なる副部品(11〜13)で構成し、これらの部品もまたその成形位置へ向けて連続的に動かすようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は三次元形状サンドイッチ構造を製作するための方法に関し、該方法は、圧縮性コア材料を含むサンドイッチ構造に少なくともコア層を提供するステップと、圧縮金型内の第1及び第2の金型表面の間に前記コア層を配置し、第1の金型表面が第1の金型部分により形成され、第2の金型表面が第2の金型部分により形成され、これら第1及び第2の金型部分を成形位置と離型位置との間で相互に動かせるようにするステップと、これら金型部分を該金型部分の成形位置に動かして、前記コア層を第1及び第2の金型表面の間で三次元形状に成形するステップとを含み、上記コア層は2つの相反する主表面を有し、これら主表面が成形ステップの前及び/又は後に被覆用材料の少なくとも1つの層により被覆されて、前記サンドイッチ構造を実現する。
【背景技術】
【0002】
良好な機械的性質を有する軽量サンドイッチ構造を得ることができるように、成形方法中に、圧縮性コア層がサンドイッチ構造の表面の近くに被覆材料を保持することが意図される。これらの圧縮性コア層のサンドイッチ構造は比較的軽量であるため、自動車、船舶、航空機などの輸送手段における使用に関して特に有利である。特に、ドアトリム又はルーフトリム部品などの壁面被覆用の基質層としてこれらの圧縮性コア層を使用することができる。現実的には、この圧縮性コア層は、通常、段ボール板紙又はハニカム材料のような柔軟性に欠ける非弾性の又は非伸長性の材料で作られている。サンドイッチ構造において、このような非弾性の又は非伸長性のコア材料の存在についての重大な欠点として、これらのサンドイッチ構造を複雑な三次元形状に成形するのが難しい点が挙げられる。この問題は、すでに多くの特許公報において取り扱われている。
【0003】
例えば、米国特許A−4119451号には、基材及びそれに固定された表層又は化粧層として段ボール板紙を含む自動車用ルーフトリムの製作方法が開示されている。この特許で対処されている問題点は、段ボール板紙のプレス成形中に、その段ボール板紙の中に深絞り領域の位置でひびが生じる点である。これらのひびは、トリムボードの強度を低下させると共に、成形された板紙上へ施工される被覆層を通して見られる場合もある。このようなひびの形成を防止又は低減させるために、米国特許A−4119451号には、プレス成形方法の前に、深絞り領域の位置で段ボール板紙内にノッチを作り出すことについての教示がある。しかしながら、この解決方法は、特定の領域内で、具体的には、例えば室内灯を受け入れるための穴を後で切り抜くような領域内でしか使用できないことは明らかである。さらに、上記解決方法は、複雑に成形したトリムボード、又は該ボードの穴を切り抜く必要のない部分には適用不可能である。
【0004】
英国特許第1554077号には、自動車のルーフトリム又はドアトリムボード用の基材として段ボール板紙をプレス成形するときにひびの形成を低減させるための別の解決法が開示されている。この解決法は、プレス成形ステップの前に、段ボール板紙を水又は蒸気で加湿することにある。セルロースベースの紙ハニカム構造のための同様の方法が、米国特許B−6596124号に開示されている。この方法では、上記ハニカム構造は、所望の形状に成形するのに十分柔軟になるまで数分から数時間の間水に浸される。この方法の欠点として、特に複雑な形状の場合、被覆層を施工できるようになる前に、ハニカム構造を乾燥させるのに比較的長い乾燥時間を要することと、第2の欠点として、複雑な形状の場合、成形中に真空状態にする必要があることが挙げられる。さらなる欠点として、セルに温風を通して紙ハニカム材料を乾燥させるために、メタルメッシュ材料で作られた金型が必要となる点が挙げられる。従って、圧縮金型内のハニカム構造上に被覆層を直接成形することはできず、後で施工する必要が生じる。このような被覆層の存在により、少なくともコア材料の乾燥は特に阻まれ、或いは妨げられ、粗メッシュ材料で作られた金型表面に対して被覆層を成形することは不可能となる。英国特許第1554077号及び米国特許第6596124号に記載されたような加湿法は、一般にコア材料の柔軟性を高め、それによりコア材料を或る程度、具体的には二次元曲面まで成形することはできるが、これらの方法は、ひび又は破壊の問題或いは機械的性質の損失を生じることなく、複雑な三次元形状に成形できるような程度にまでコア材料の柔軟性を高めるためには不十分なものである。さらに、米国特許第6596124号によれば、コア材料が、自身の機械的性質を過度に低下させることなく必要な量の水分を吸収できるようにするために、紙ベースのコア材料を成形方法の前にレジンコーティングで前処理する必要がある。
【0005】
ハニカムコア材料の成形時又は形成時にひびを低減させるための別の方法が、米国特許A−5824255号及びドイツ特許A−4233139号に開示されている。これらの方法では、ハニカム材料のシートは二次元的に曲げられるだけである。この曲げステップ中、ハニカム材料はキャリアシート又はキャリアプレートによって支持され、これらもハニカム材料と同時に曲げられてハニカム材料内のひびの形成を低減させることになる。これらの方法の欠点は、これらの方法が比較的単純な形状にしか適用できない点である。所望の三次元形状構造は、天井、計器パネル、ドアパネルなどの例えば車室部品を製作するために、多くの場合高い設計自由度という要望を満たす必要がある。金型に表層を吹き付け、この表層を中間泡層によって構造キャリア又は基材層に結合することにより、このような車室部品を製作することができる。例えば、WO 02/09977;WO 02/26461及びWO 05/021230を参照してみる。基材層は、大部分がPU、PP、ABS、PE、ABS/PC及びPCなどのプラスチック又は強化プラスチックで作製される。より軽量の基材材料に対するニーズが存在するため、例えば車両トリム部品のための基材材料としてこれらの材料を使用できるようにするために、これらの材料の成形性について考慮する必要がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許A−4119451号
【特許文献2】英国特許第1554077号
【特許文献3】米国特許B−6596124号
【特許文献4】米国特許A−5824255号
【特許文献5】ドイツ特許A−4233139号
【特許文献6】WO 02/09977
【特許文献7】WO 02/26461
【特許文献8】WO 05/021230
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、複雑な三次元形状を成形する際に、コア層におけるひび、裂け目又は割れ目の形成を低減させ、それによりサンドイッチ構造の深絞り領域においてより良好な機械的性質を実現できるような、三次元形状サンドイッチ構造の製作のための新しい方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明による方法は、少なくとも前記第1の金型部分が、前記第1の金型表面の第1及び第2の部分をそれぞれ形成する少なくとも第1及び第2の金型部品を含む少なくとも2つの相互に可動な金型部品から成ることと、上記金型部分がそれらの成形位置に動かされるとき、第1の金型部分をその成形位置へ向けて動かすことによりコア層の第1の部分が深絞りされ、これにより、コア層内にしわが形成され、第2の金型部品を、第1の金型部品がその形成位置に向かうよりも後で及び/又は低速で動かすことにより、前記しわの形成が促進されることとを特徴とする。
【0009】
第2の金型部品が、第1の金型部品よりも後で及び/又は低速でその形成位置へ向けて動かされるため、コア材料が深絞り領域の方向へ引き寄せられるのを、この第2の金型部品がほとんど又は全く妨害することはなく、この結果、より多くのしわが形成され、重要なことには、サンドイッチ構造を弱める可能性のある、コア材料におけるひび、裂け目又は割れ目の形成が少なくなる。コア材料は圧縮可能であるため、深絞り領域の位置で第1の金型部品がしわを圧縮すると共に、深絞り領域に隣接する位置で他の金型部品もこのしわを圧縮することができ、それにより、これらのしわがサンドイッチ構造の最終形状へ影響を与えることはなくなる。さらに、ひび、裂け目又は割れ目とは対象的に、(成形方法の前に、コア材料の上に被覆材料が塗布されている場合)このようなしわ又はひだの位置にはより多くの被覆材料が存在し、この被覆材料の一部は、サンドイッチ構造の表面近くになおも存在しているため、この圧縮されたしわは、すでに被覆材料の層を互いからある距離を保って支持していない位置ではサンドイッチ構造の強度に影響を与えないことがわかっている。しかしながら、コア層を成形した後、このコア層に被覆材料を塗布することにより、コア層を被覆するために必要な被覆材料の量を低減させることができる。
【0010】
本発明による方法の好ましい実施形態では、被覆材料はコア層の少なくとも1つの主表面上に成形可能材料を含む。
【0011】
少なくとも成形方法中は、この成形可能材料は液体、或いは混練可能な又は粘性のあるペースト状の形であり、それによりコア層を被覆するこの成形可能材料により形成されたサンドイッチ構造の表面が金型表面と一致することになる。成形可能材料は、(例えば硬化型組成物の場合)この液体又はペースト状の形で塗布することができ、或いは(例えば熱可塑性材料の場合)液体又は混練可能な粘性のペースト状にするために、いくらか加熱して溶かす必要が生じる場合がある。
【0012】
圧縮金型内でこのコア層を成形する前後いずれかにおいて、成形可能材料をコア層の上に塗布することができる。コア層を成形した後にこの材料を塗布する場合、所望の形状及び寸法(特に所望の厚み)を正確に有するサンドイッチ構造が得られるように、成形可能材料により被覆されたコア層を、該コア層を成形するのに使用した圧縮金型内か、或いは別の圧縮金型内かのいずれかで再度成形することが望ましい。
【0013】
サンドイッチ構造の強度を高めるために、この被覆材料は補強材料、特に、ガラス繊維マット又はガラス繊維ベールなどの繊維性材料を含むことが望ましい。
【0014】
このような補強材料により、良好な機械的性質と、特に温度変化にさらされた場合に良好な寸法安定性とを有するサンドイッチ構造を実現することが可能となる。この補強材料は、繊維性材料から成る2つの透過性の層を有し、第2の層はより目の粗い第1の層に比べ透過性が低いか、或いはより目の細かい層であることが望ましい。液体形態の成形可能材料をこれらの繊維性材料の層に塗布する場合、目の細かい層は、成形可能材料の大部分がコア層内に直接流出するのを防ぎ、それにより、所望の機械的性質、及び定性的で、密閉した表面を実現するのに必要な成形可能材料がより少なくて済み、より軽量のサンドイッチ材料を製作できるようになる。
【0015】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、コア層の主表面を被覆する成形可能材料は、熱可塑性材料及び/又は特に硬化性のイソシアネート・ベースの組成物である硬化性組成物を含む。
【0016】
熱及び圧力を加えることにより、これらの成形可能材料を容易に成形し、固めて、サンドイッチ構造を保つ形状を実現することができる。コア層がセルロース・ベースの材料で作られている場合、成形可能材料としてイソシアネート・ベースの硬化性組成物を使用すると、コア層に大変良く付着するという利点を与える。
【0017】
コア層それ自体は、圧縮力及びせん断応力に抗して、例えば段ボール板紙よりも高い抵抗力を示すハニカム材料で作られ、それにより、特に補強材料である被覆材料がサンドイッチ構造の表面近くでより良好に保持されると共に、サンドイッチ構造の最終的な機械的性質も高められるようにすることが望ましい。
【0018】
本発明による方法のいくつかの特定の実施形態についての以下の説明から、本発明のその他の特徴及び利点が明らかとなるであろう。この説明に使用する参照数字は添付図面に関連している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図で示す方法では、積層材料1から三次元形状サンドイッチ構造を作製する。この積層材料はコア層2を有し、その2つの主表面は各々が補強材料及び成形可能材料で被覆されている(それらの材料を1つの層内に任意に含むことができる)。積層材料1は圧縮金型内で成形され、該金型内で成形可能材料が硬化され、形状保持性のサンドイッチ構造を実現することができる。コア層2が圧縮性コア層であることにより、本明細書において以下さらに説明するように、成形方法の第1のステップ中にコア層内で形成されるしわを、成形方法の後続するステップで圧縮することができる。
【0020】
図7は、三次元形状サンドイッチ構造に成形することができる積層材料1の例を示す図である。積層材料1は、圧縮性コア層2と、このコア層の両側に補強材料による第1の層3及び第2の層4と、第2の補強層4の上に成形可能材料の層5とを有する。
【0021】
補強層すなわち層3及び層4は、ガラス繊維マット又はよりきめ細かいガラス繊維ベール、ガラス繊維不織布、ガラス繊維ランダム構造、ガラス繊維ティッシュ、細断又は粉砕したガラス繊維又は鉱物繊維、天然繊維マット及び編布又は織布、細断した天然繊維及び繊維マット、ポリマー繊維ベースの不織布及び織布、アラミド繊維のカーボン繊維、又はこれらの混合物などの繊維を含む層であることが望ましい。この1又は複数の補強層にはまた、通常、ポリプロピレンのような熱可塑性材料などの結合材も含まれる。補強層は、コア層の両側において同じものであってもよく、或いは異なるものであってもよい。
【0022】
圧縮性コア層2は、サンドイッチ構造の表面の近くに(最高の引張応力を得られる位置で)補強層3,4を保持して、サンドイッチ構造の曲げ強度を高めることが意図されている。最終のサンドイッチ構造では、サンドイッチ構造の圧縮強度も高め、またサンドイッチ構造に生じる可能性のあるせん断力にも抵抗するようになっていることが望ましい。従って、コア層2は、比較的剛直な又は剛性の材料で作られることが望ましい。この欠点として、このようなコア層は実質的に非弾性のものであると同時に実質的に非伸縮性のものであるため、柔軟性に欠けるという点が挙げられる。コア層2は、例えばハニカム材料又は段ボール板紙を含むことができる。価格を考慮して、コア材料、特にハニカム材料は、セルロース・ベースの材料で作られることが望ましい。しかしながら、アルミニウム、ポリエステル、ポリアミド又はアラミド(Nomex(登録商標))でハニカム材料を作ることもできる。
【0023】
最も好ましいコア材料は、例えば米国特許第6800351号に開示されている、いわゆる折り畳みハニカム材料であり、該特許は参照により本明細書に組み入れられる。このような折り畳みハニカム材料は、両面を紙のシートで被覆された段ボール板紙を含む段ボール厚紙から作られる。折り畳みハニカム構造を製作するために、段ボール厚紙はその面のうちの片面において波形と直角方向に交互に切断される。切断部は、段ボール板紙を通過して反対側の紙シートにまで達し、それにより段ボール厚紙を切断部に沿ってハニカム構造に折り畳むことができる。このような折り畳みハニカム構造の利点は、比較的安価な方法で製作できるという点と、1方向すなわち切断部に対して直角方向に曲げる(他の方向においてはもっと硬い)ことにより、本発明に従ってこの構造をより簡単に成形できるという点である。折り畳みハニカム構造は、実際にはTorHexコアという種類で市販されており、これは種々の段ボール紙(A−、CC−、K−又はAA−フルート)から作られ、3.5mmから6.5mmまでの範囲のセル寸法と、4mmから12mmの間の高さとを有するものである。言うまでもなく、他の寸法を有するその他のハニカム構造を製作することもできる。
【0024】
折り畳みハニカムの製作中、同じ生産ラインでその表面上に1又は複数の補強層を積層することにより、このハニカムは取扱中にその構造を維持できるようになる。この1又は複数の補強層は、熱可塑性の結合材を含むガラス繊維マット又はベールを有し、何らかの熱及び圧力を加えることにより、このガラス繊維マット又はベールをハニカムコアの上に積層できることが望ましい。この熱可塑性材料はまた、成形ステップ中にそれを軟化又は溶融するのに十分な熱が加わった場合、成形可能材料又はその一部としても機能することができる。
【0025】
サンドイッチ構造を製作するために使用される成形可能材料5を、補強層すなわち層3、4内に含むことができ、またこの成形可能材料5は、詳細にはポリエチレン及びポリプロプレンなどの熱可塑性材料であってもよい(熱可塑性材料への良好な付着性を考慮すれば、コア層もまた熱可塑性材料で作製されている場合、このような熱可塑性材料は特に好適である)。圧縮金型内で積層材料1を成形するとき、熱可塑性成形可能材料が軟化又は溶融するように熱が加えられる。その後、熱可塑性材料は、手に入れた形状保持性サンドイッチ構造を離型する前に再び硬化される。
【0026】
熱可塑性材料の代わりに、或いはそれに加えて、成形可能材料5は硬化性組成物を含むことが望ましい。このような硬化性組成物は、溶融した熱可塑性材料よりも急速に固めることができ、従ってサイクル時間を短縮できることになる。この硬化性組成物は、例えば、エポキシ、不飽和ポリエステル、フェノール、ポリアミド及びメラミン樹脂を含むことができる。しかしながら、硬化性のイソシアネート・ベースの組成物、特にポリウレタン、ポリウレア又はポリウレア改質ポリウレタン形成組成物が優先的に選択される。例えば吹き付けによってこのような組成物を塗布することができ、さらにこれらの組成物はセルロース・ベースの材料に大変良く付着する(ポリアミドもまたセルロース・ベースの材料に大変良く付着する)。固められたとき、より詳細には硬化したとき、成形可能材料は剛直な材料であることが望ましく、剛直なポリウレタン、ポリウレア又はポリウレア改質ポリウレタン(すなわち、ウレア結合を含むポリウレタン材料)であるとさらに望ましい。硬化を促進するため、成形表面を85℃から130℃までの温度に加熱することが望ましい。
【0027】
成形可能材料5は、圧縮金型内で発泡する起泡性組成物を含むことができる。補強層すなわち層3、4が透過性であることにより、成形可能材料5が圧縮性コア層2内に浸透できる場合、起泡性組成物はコア層2を実質的に完全に満たすことができる。この実施形態の利点は、コア層2の材料が水分から遮断される点であり、これはコア層が紙などのセルロース・ベースの材料で作られている場合、特に有利である。
【0028】
一方で、より強固なサンドイッチ構造を実現するために、成形可能材料は、より高い密度、具体的には成形後400kg/m3よりも高い密度を有することができ、主にサンドイッチ構造の表面又はその近くに位置することになる。補強層すなわち層3、4は透過性であることが望ましく、それにより成形可能材料がいくらかコア層内に浸透して、コア層2と補強層すなわち層3、4との間に良好な付着を得ることができる。補強層すなわち層3、4は、小さい穴又は孔隙のみを示して、定位性の、さらに詳細には密閉した表面と良好な機械的性質とを実現するのに必要な成形可能材料の量を低減することが望ましい。補強材料として繊維材料でできた2つの透過層の組み合わせ、より具体的には、第1の、より重くより透過性の高い繊維材料の層と、第2の、より軽くより透過性の低い繊維材料の層との組み合わせを用いるときに成形可能材料を最少にできることが判明している。第1の層3は、例えば少なくとも70g/m2の重量を有するガラス繊維マットを含み、一方第2の層4は、例えば70g/m2未満の重量を有するガラス繊維ベールを含む。第1の層3は、多くの成形可能材料を吸収することなく比較的多い量の(より太い糸に含まれる)補強繊維を確保し、一方第2の層4は、密閉した表面を実現するためにより少量の成形可能材料を必要とすることを保証する。
【0029】
水分に抗してコア層を保護するために、ワックスなどの1又はそれ以上の撥水剤でコア層を処理することができ、及び/又は補強材料及び/又は特に成形可能材料にこのような撥水剤を加えることができる。コア層の片方又は両方の主表面を非透水性ホイル、具体的には熱可塑性ポリウレタン(TPU)ホイルなどの熱可塑性ホイルで被覆することも可能である。成形方法中に引き裂かれないように、このようなホイルは伸縮性の高いものであってもよい。この非透水性ホイルを成形可能材料5の上に配置することにより、このホイルがこの成形可能材料によりコア層に、より詳細にはコア層の上に塗布された補強層に付着されるようにすることが望ましい。三次元形状サンドイッチ構造の製作後、例えばコーティング、吹き付け又は浸漬処理による撥水剤でこのサンドイッチ構造を処理することにより、コア層を水分に抗して保護することもできる。
【0030】
三次元形状サンドイッチ構造を製作するために、上述のように、少なくとも1つの補強材料3、4及び少なくとも1つの成形可能材料5によって被覆された両主表面を有するコア層2を備えた積層材料1を提供する。コア層2は、例えば折り畳みハニカム構造2を含むことができる。このハニカム構造2の製作中に、繊維材料の第1の層、より具体的にはガラス繊維マット3が、ハニカム構造の上に既に積層されていてもよい。サンドイッチ構造を加工するときに、繊維材料の第2の層、より具体的にはガラス繊維ベール4を第1の層3の上に施工し、その後に成形可能材料5を施工することが望ましい。この材料は、硬化性のイソシアネート・ベースの組成物であることが望ましく、これをハニカム構造の例えば両側に吹き付けることができる。この吹き付けステップ中、特にロボット操作することがより容易となるように、このハニカム材料をフレーム内に保持する(挟みつける)ことができる。
【0031】
図1に示す次のステップでは、積層材料1は圧縮金型内に配置され、フレーム(図示せず)が取り除かれることにより成形方法中に積層材料を変形できるようになる。圧縮金型内において、積層材料1は、第1の金型部分7により形成される第1の金型表面6と、第2の金型部分9により形成される第2の金型表面8との間に位置する。2つの金型部分7、9は、成形位置すなわち閉位置と、離型位置すなわち開位置との間で互いに動くことができる。通常は、上側の金型部分7が可動であり、一方で下側の金型部分9は固定されることになる。
【0032】
本発明による方法の基本的な特徴は、圧縮金型の構造、及び被覆材料で任意に被覆された少なくともコア層2がその中で成形される方法にある。図1に示した圧縮金型の第1のすなわち上側の金型部分7は、より詳細には少なくとも第1の金型部品10と第2の金型部品とから構成されそれらは互いに動くことができる。複数の図に示した実施形態では、第2の金型部品もまた相互に可動な副部品、より詳細には2つの第1の副部品11、12と、第2の副部品13とから構成される。図1から図5までに見られるように、第2の副部品13は、実際には第1の金型部分7の基礎部分を形成し、一方第1の金型部分のその他の部分、すなわち第1の金型部品10と第1の副部品11及び12とは、第1の金型部分7の基礎部分13の上に動かせるように取り付けられ、より詳細には伸長位置と後退位置との間で動くことができる可動ブロックにより形成される。この動きは、機械式の、空気圧式の、又は液圧式の作動手段により行われ得るが、図には示していない。
【0033】
図2に示す第1の成形ステップでは、第1の金型部品10がその成形位置に向けて動かされ、それによりコア層2を有する積層材料1の第1の部分が第1の金型部品10の金型表面と第2の金型部分9の金型表面8との間で深絞りされる。この深絞りステップ中に、積層材料1の機械的性質により、該積層材料1にしわが形成される。このステップでは、第1の金型部品10はその最終的な成形位置へ降下されることが望ましいが、その最終成形位置に到達するために、第2の金型部分へ向けて第1の金型部品10をさらに多少動かすことを求めることもできる。このステップ及び次のステップでは、第1の金型部分7が第2の金型部分9に十分接近しなければならないことは明らかであり、すなわち、さらに詳細には、通常金型を部分的に閉じて、第1の金型部品10と、次のステップにおいては第1の副部品11及び12とが、それらの伸長位置において成形位置に到達できるようにしなければならない。
【0034】
第2の金型部品をその成形位置へ向けて動かす前に、最初に第1の金型部品1によりコア層2の一部を深絞りすることの利点として、コア層2が深絞り部分へ向けて引き寄せられるのを、第2の金型部品がほとんど又は全く妨害することはないという点が挙げられる。その結果として、積層材料1のコア層2内により多くのしわと、従ってより少ないひび、裂け目又は割れ目とが形成されることが判明している。
【0035】
図3に示す次の形成ステップでは、第1の副部品11及び12が形成位置へ向けて動かされることにより、積層材料1の別の部分がこれらの第1の副部品11及び12の形成表面と第2の金型部分9の金型表面8との間で深絞りされ、それにより積層材料1にさらなるしわが形成される。第1の金型部品10により形成されたしわのいくつかが、第1の副部品11又は12のうちの1つにより深絞りされた積層材料の部分に延びている場合、これらのしわは少なくとも部分的に再び消失するものもあれば、圧縮されるものもある。
【0036】
複数の図に示した方法では、第1の副部品11及び12はそれらの成形位置へ向けて同時に動かされる。実際には、これらの副部品は第1の金型部品10の両側に位置しているため、これらの副部品をその成形位置へ向けて連続的に動かすことにより、しわの形成がさらに促進されることはあり得ない。しかしながら、これらの副部品が第1の金型部品10の同側面に位置するとしたら、最良の形として第1の金型部品10に近い方に位置する第1の副部品11又は12を最初にその成形位置へ向けて動かし、続いて他方の第1の副部品を動かすべきであることは明らかであるが、その結果さらなるしわの形成が促進されることになるであろう。この状態では、第2の金型部分9へ向けて最初に動かされる第1の金型部品は伸長可能な部品11であってもよく、その後に伸長可能な部品10及び12を第2の金型部分9へ向けて連続的に動かすこともできる。当業者であれば、これらの動きの最良の順番をきわめて容易に決定し、ひび及び裂け目の防止を最適化することができるであろう。一般的には、最も中央の部品又は積層材料を最も深く変形させる部品から開始すべきである。
【0037】
図4に示す次の成形ステップでは、第2の副部品13すなわち基礎となる上側の金型部品がその成形位置へ向けて動かされることにより、積層材料1はその最終的な三次元形状に成形される。この第2の副部品13と第2の金型表面8との間に位置する積層材料の一部におけるいずれのしわもここで圧縮され、特に、大きなしわはひだとなる。このようなひだの位置では、コア材料の3層が互いの上に位置することになる。コア材料をひだの位置でその少なくとも元の厚みにまで圧縮できるように、コア材料をその厚みの3分の1よりも小さい厚みにまで圧縮することが望ましい。
【0038】
基礎となる上側の金型部品13が下側の金型部分9へ向けて動かされるとき、伸長可能な金型部品11、12及び13はそれらの後退位置へ向けて戻される。これは、可動部品の作動メカニズムを解除するとき、例えば液圧作動メカニズムの液圧を解除するときに、例えば下側の金型部分9によりこれら可動部品上に加えられる圧力により容易に達成できる。
【0039】
成形済みの積層材料がその形状を保つように成形可能材料5が硬化した後で、図5に示すように上側の金型部分7全体がその離型位置まで持ち上げられ、製作済みの三次元形状サンドイッチ構造が金型から取り外される。
【0040】
上述の実施形態では、先行して動いた部品がその成形位置に到達した後で、異なる部品11から13までを(同時に動いた部品は1つの部品とみなすことができる)下側の金型部分へ向けて動かしている。しかしながら、先行して動いた部品がまだその最終的な成形位置に到達していないときに、既にこれらの部品を動かし始めることも可能である。部品を異なる速度で動かす場合、これらの部品が時を異にしてその成形位置に到達することになるため、異なる部品を同時に動かし始めることも可能である。
【0041】
図1から図5までに示した実施形態では、可動部品10から13までの各々の金型表面部分は一般に凸形であり、一方これに対応する第2(下側)の金型部分9の金型表面部分は一般に凹形である。しかしながら、あまり好ましくはないが、第1(上側)の金型部分7の、これらの部品により定められる金型表面の一部が一般に凸形であり、一方これに対応する第2の金型部分9の金型表面部分が一般に凹形であるような位置に、可動部品のうちの1又はそれ以上を提供することも可能である。さらに、少なくとも2つの互いに可動な部品で、より詳細には第1の金型部分7に関して本明細書で上述した方法と同じ方式で第2の金型部分9を構成することも可能である。
【0042】
上述の方法において積層材料の柔軟性を若干増大させるために、積層材料は成形方法中に蒸気で処理される。この蒸気は、第2の(下側)金型部分9内の蒸気チャンバ14を介し、その後蒸気チャンネル16を通じて金型キャビティに吹き込まれる。蒸気は、第1の(上側)金型部分7内の真空チャンバ17に終端を有する吸引チャンネル16を介して除去される。硬化性組成物が成形可能材料5として使用される場合、この蒸気処理により成形可能材料5の硬化(強固化)が加速する。
【0043】
本発明による方法では、特にコア層2がセルロース・ベースの材料のような水分を吸収する材料で作られている場合、過熱蒸気を使用することが望ましい。この方法により、別個の乾燥方法を必要とせずに、またコア層の機械的性質を低下させることなくコア層の柔軟性を若干向上させることができる。過熱蒸気とは、その圧力に対応する飽和温度よりも高温に加熱された蒸気のことであると定義することができる。
【0044】
複数の図に示した方法の変形例では、圧縮金型7、9内で、補強材料、より具体的にはガラス繊維マット3及びガラス繊維ベール4で被覆されたコア層2を最初に成形することが可能である。成形ステップ後、特に、過熱蒸気を使用して、金型を開いたときにコア層がその機械的性質を迅速に回復するようにした場合、(セルロース・ベースのハニカム材料で作られた)コア層と被覆層3及び4とがその形状を概ね維持したことが判明している。次のステップでは、その後成形済みのコア層の両面上に成形可能材料5を吹き付け、同じ圧縮金型7、9内で、或いは別の圧縮金型内で全体を再成形することができる。サンドイッチ構造を形成する積層材料1が既に大まかに形成されているため、この第2の成形ステップ中は、もはや異なる金型部品10から13までを順に降下させることにより積層材料の異なる部分を連続的に成形する必要はなく、上側の金型部分7をまとめて降下させることができる。
【0045】
1又は複数の被覆層が、例えばガラス繊維マット又はベールなどの実質的に伸縮性でないシート状の材料を含む場合、これらのシート状の材料はコア層と共に成形されることが望ましい。しかしながら、第1の成形方法においてコア層のみを成形することも可能である。コア層が熱可塑性材料で作られている場合、このコア層自体を第1の成形方法において容易に成形することができる。コア層が紙などのセルロース・ベースの材料で作られている場合も、特に成形方法中にコア層を過熱蒸気で処理するときに、コア層がその三次元形状を概ね保つように成形することも可能であることが判明している。三次元形状に成形されたコア層の上に、補強材料として繊維性材料を含む実質上非伸縮性シート状の被覆層を施工することは困難である。従って補強材料が繊維性材料を含む場合、この材料はほぐれた繊維の形で施工されることが望ましく、この繊維を成形済みのコア層の上に成形可能材料と共に例えば吹付けたりすることができる。
【0046】
本明細書において上述したように、成形方法中にコア層にしわ又はひださえをも形成することにより、良好な機械的性質を有する複雑な三次元形状のサンドイッチ構造を製作できるようになる。詳細には、しわを形成することにより、コア層が、製作済みのサンドイッチ構造の状態で、成形方法前のコア層の(すなわち平坦なコア層の)面積重量よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%大きな面積重量を有する程度にまでコア層を成形方法中に深絞りすることができるようになる。
【0047】
実施例1
市販のTorHexコア(厚紙で作られた折り畳みハニカム構造)から三次元形状サンドイッチ構造を作製した。このTorHexコアは、5mmの厚み、5mmのセル寸法(=コアを製作する元となる段ボール厚紙の厚み)、72kg/m3の密度、0.6〜0.8N/mm2の圧縮強度及び360g/mm2の重量を有していた。(ガラス繊維マット内に含まれる熱可塑性結合材により)TorHexコアの両側に100g/m2のガラス繊維マットを積層した。
【0048】
三次元形状サンドイッチ構造の実際の製作方法中、さらに2枚の30g/m2のガラス繊維マットをToxHexコアの各々の面に1枚ずつ施工し、次にその両側に、硬化性ポリウレタン組成物、すなわちDaltorim EH18360とSuprasec 5030(MDI)との混合物を270g/m2吹付けた。これはコア層内に少しだけ浸透した高密度の製剤である。
【0049】
自動車用内側パネルを製作するように成形された圧縮金型内に積層材料を配置した。圧縮金型を閉じる前に、第1の及び続いて第2の可動金型部品を伸長させて、その都度積層材料の一部を深絞りするようにした。成形方法中、130℃の温度を有する過熱蒸気を2バールの圧力で金型内に噴射した。金型表面はさらに110℃の温度にまで加熱された。
【0050】
製作された三次元形状サンドイッチ構造は、1350g/m2の総重量を有するものであった。この部品の面積重量は、成形方法中に形成されたひだにより、理論上の1160g/m2よりも大きかった。この構造は、良好な曲げ強度、より具体的には、固体PUR含浸天然繊維マットで作られ1800g/m2の重量を有する同じドアパネルの強度に相当する曲げ強度を有するものであった。圧縮金型をまとめて閉じたこと、すなわち可動金型部品を最初に伸長させなかったことを除いて全く同じ方法で作成されたサンドイッチ構造と比較して、このハニカムコア層は深絞り部分において無傷性を保っていた。
【0051】
実施例2
360g/m2の重量を有するTorHexコアと、100g/m2の重量を有する貼り付けられたガラス繊維補強材料と、30g/m2の重量を有するガラス繊維ベールとを有する積層材料を、ポリウレタンを吹付けずに予形成したことを除き、同じ成形方法を用いて実施例1を繰り返した。ここでもまた、成形方法中に130℃の温度を有する過熱蒸気を2バールの圧力で金型内に噴射した。この方法で予成形した積層材料は、離形後にその形状を保つのに十分な剛直性を有していた。その後、予成形済み積層材料の両側に硬化性組成物を200g/m2の量だけ吹き付け、この積層材料を同じ圧縮金型内で再度成形した。コア層が既に成形されていたので、圧縮金型を一気に閉じた。硬化性組成物の硬化後、このサンドイッチ構造を金型から取り外した。このサンドイッチ構造は、1100g/m2の部品面積重量しか有していなかったが、理論上の面積重量は1020g/m2のはずであった。このことは、材料スタックを予形成することにより、予形成されたひだの中に吹き付けられるポリウレタンがより少量であったため、余分な重量の節減が可能であることを示している。衝撃強度、弾性率、曲げ強度、最大屈曲力及び屈曲剛性について行われたテストでは、このサンドイッチ構造が、なおも良好な機械的性質を有していることが示された。
【0052】
実施例3
硬化性レジンの量をさらに低減させるために、高密度のDaltorim EH18360−Supracec 5030硬化性組成物を、Daltorim EL17872とSupracec 5030との混合物である低密度の硬化性組成物に置き換えたことを除き、実施例1を繰り返した。発泡反応により、ハニカムコア層、特にコアセルが、硬化した成形可能材料で実質的に満たされた。しかしながら、多孔質のTorHexコアのセル壁によって特定の量の硬化性レジンが吸収されたことにも気付いた。結果として、コアセルを満たすために両側に吹付けるのに300g/m2の硬化性レジンが必要であった。コアセルのこの発泡体の充填により、特に衝撃特性及び水吸収特性方面の機械的性質がさらに向上した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の加工ステップにおいて、補強材料層及び成形可能材料層で被覆されたコア層を有する積層材料が、三次元形状サンドイッチ構造を製作するための上側及び下側の金型部分の間に位置している状態の圧縮金型を示す簡略化した垂直断面図である。
【図2】上側の金型部分の第1の部品が下側金型部分へ向けて降下され、積層材料の第1の部分が深絞りされる状態の第2の加工ステップを示す図である。
【図3】上側の金型部分のさらに2つの部品が下側の金型部分へ向けて降下され、積層材料のさらに2つの部分が深絞りされる状態の第3の加工ステップを示す図である。
【図4】上側の金型部分の主部品が下側の金型部分へ向けて降下され上側及び下側の金型部分の間で積層材料が成形される状態の第4の加工ステップを示す図である。
【図5】製作されたサンドイッチ構造を離形できるようにするために、圧縮金型全体の上側部分が持ち上げられた状態の第5の加工ステップを示す図である。
【図6】前述の図において説明した方法で成形した積層材料のハニカムコア層及び補強ガラス繊維層の概略透視図である。
【図7】図6に示した層に加え、外側の補強ガラス繊維層に吹付けた2層の成形可能材料を含む積層材料全体を通した概略断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 積層材料
6 第1の金型表面
7 第1の金型部分
8 第2の金型表面
9 第2の金型部分
10 第1の金型部品
11 第1の副部品
12 第1の副部品
13 第2の副部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元形状サンドイッチ構造を製作するための方法であって、
圧縮性コア材料を含むサンドイッチ構造のために少なくともコア層(2)を提供するステップと、
圧縮金型(7、9)内の第1(6)及び第2の金型表面(8)の間に前記コア層(2)を配置し、前記第1の金型表面(6)が第1の金型部分(7)により形成され、前記第2の金型表面(8)が第2の金型部分(9)により形成され、前記第1及び第2の金型部分(7、9)を成形位置と離型位置との間で相互に動かせるようにするステップと、
前記金型部分(7、9)をその成形位置に動かして、前記コア層(2)を前記第1及び第2の金型表面(6、8)の間で三次元形状に成形するステップとを含み、
前記コア層(2)は2つの相反する主表面を有し、これら主表面が前記成形ステップの前及び/又は後に被覆材料(3、4,5)のうちの少なくとも1つの層で被覆されて前記サンドイッチ構造を実現し、少なくとも前記第1の金型部分(7)は、個々に前記第1の金型表面(6)の第1及び第2の部分を形成する少なくとも第1(10)及び第2の金型部品(11〜13)を含む少なくとも2つの相互に可動な金型部品(10及び11〜13)から構成され、前記金型部分(7、9)をそれらの成形位置に動かすとき、前記第1の金型部品(10)をその成形位置へ向けて動かすことにより、前記コア層(2)の第1の部分が深絞りされ、それによりコア層(2)にしわが形成され、前記第2の金型部品(11〜13)を、前記第1の金型部品(10)がその成形位置へ向かうよりも後で及び/又は低速で動かすことにより、前記しわの形成が促進される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コア層(2)の少なくとも一方の主表面上において、前記被覆材料は補強材料(3、4)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補強材料(3、4)は繊維性材料を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記補強材料(3、4)は、繊維性材料の第1(3)及び第2の透過性層(4)を含み、前記第2の層(4)は前記第1の層(3)よりも低透過性である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コア層(2)の少なくとも一方の主表面上において、前記被覆材料は成形可能材料(5)を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記成形可能材料(5)は熱可塑性材料及び/又は硬化性組成物を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記成形可能材料(5)は、硬化性のイソシアネート・ベースの組成物であり、具体的にはポリウレタン、ポリウレア又はポリウレア改質ポリウレタン形成組成物である、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記成形可能材料(5)は起泡性組成物を含む、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記コア層(2)の少なくとも一方の主表面上において、前記被覆材料は補強材料(3、4)及び成形可能材料(5)を含む、
ことを特徴とする請求項2から請求項8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記成形可能材料(5)は、前記補強材料(3、4)を前記コア層(2)に付着させるように作られる、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記成形可能材料(5)は、前記圧縮金型(7、9)内における成形ステップの前に前記コア層(2)上に施工され、上記のようにして製作された三次元形状サンドイッチ構造を前記金型から取り外す前に前記圧縮金型(7、9)内で硬化される、
ことを特徴とする請求項5から請求項10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも前記成形可能材料(5)は、前記圧縮金型(7、9)内における前記コア層(2)の成形ステップ後に、前記コア層(2)上に施工される、
ことを特徴とする請求項5から請求項10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記成形可能材料(5)が前記成形されたコア層(2)上に施工された後、前記成形可能材料で被覆されたコア層(5)は、前記圧縮金型内又は別の圧縮金型内のいずれかにおいて再度成形される、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コア層(2)は段ボール板紙又はハニカム材料を含み、該段ボール板紙又はハニカム材料はセルロース・ベースの材料で作られることが望ましい、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記コア層(2)はハニカム材料を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コア層(2)の成形時に、該コア層は加熱蒸気で処理される、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の金型部品(11〜13)は、各々が前記第1の金型表面(6)の前記第2の部分の一部を形成する少なくとも1つの第1(11、12)及び少なくとも1つの第2の副部品(13)を含む少なくとも2つの相互に可動な副部品で構成され、
前記第2の金型部品(11〜13)をその成形位置へ向けて動かすとき、前記第2の金型部品(11〜13)のうちの第1の副部品(11、12)をその成形位置へ向けて動かすことにより、前記コア層(2)の第2の部分が深絞りされそれ、それにより前記コア層(2)にさらなるしわが形成され、該さらなるしわの形成は、前記第2の副部品(13)を前記第1の副部品(11、12)よりも後で及び/又は低速で動かすことにより促進される、
ことを特徴とする請求項1から請求項16のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記コア層(2)の少なくとも一方の主表面が非透水性ホイルで、特に熱可塑性ホイルで被覆される、
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれかの1項に記載の方法。
【請求項19】
前記金型部分(7、9)をそれらの成形位置に動かすとき、最初に前記第1の金型部品(10)がその成形位置へ向けて動かされ、前記第1の金型部品(10)がその成形位置に到達した後に、第2の金型部品(11〜13)がその成形位置へ向けて動かされ、前記第2の金型部品(11〜13)がその成形位置へ向けて動いている間、前記第1の金型部品(10)は詳細にはその成形位置に維持される、
ことを特徴とする請求項1から請求項18のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
しわを形成することにより、前記コア層が、前記製作されたサンドイッチ構造の状態で、成形方法の前の前記コア層の面積重量よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%大きい面積重量を有するような方法で、前記コア層は成形方法の間に深絞りされる、
ことを特徴とする請求項1から請求項18のうちのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−528931(P2009−528931A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557757(P2008−557757)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052146
【国際公開番号】WO2007/101868
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508270864)レクティセル アウトモービルジステメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【Fターム(参考)】