説明

充填装置

【課題】スラリー状の樹脂に含有されるフィラーがシリンジの底部に溜まることを防止して、フィラーが均一に分散した状態の樹脂を供給することができる充填装置を提供する。
【解決手段】ポッティング装置1は、粒状の蛍光体Fを含有したスラリー状の液状樹脂材Rが貯留されるシリンジ2と、シリンジ2の軸心に位置する回転シャフト31に沿って設けられた螺旋状の撹拌翼32と、回転シャフト31を回転させて撹拌翼32を回転させ、液状樹脂材Rを上方へ誘導する駆動部4とを備えている。このシリンジ2は、円筒状の胴部21と、胴部21の下端に設けられ、液状樹脂材Rが排出される供給口222を有する漏斗状の先端部22とにより形成されている。そして、撹拌翼32の先端が、回転シャフト31の先端部311と共に、シリンジ2の先端部22内に位置していることで、蛍光体Fを液状樹脂材Rと共に上方へ誘導して撹拌することで、均一に分散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器にフィラーを含有したスラリー状の樹脂を充填する充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
白色に発光する発光装置は、例えば、発光素子が青色発光するものであれば、青色に発光する発光素子からの光に励起され、青色の補色となる黄色光を発光する蛍光体が用いられる。この蛍光体を液状樹脂材に含有させ、封止樹脂として用いることで、青色光と黄色光とが混色して白色光としている。このような蛍光体を液状樹脂材に含有させた封止樹脂は、発光素子が底部に搭載された容器に、ポッティング装置により充填される。ポッティング装置は、封止樹脂がシリンダ(シリンジ)に貯留されており、空気による押し出し、または機械的な押し出しにより、発光素子が配置された容器にノズルを介して封止樹脂を滴下して充填する。
【0003】
しかし、スラリー状の樹脂より、粒状の蛍光体などのフィラーの方が比重が重いため、封止樹脂をシリンジに貯留した状態では、フィラーが樹脂内で沈降してしまい、最初はフィラーの濃度が高い封止樹脂が滴下され、次第に濃度が薄くなってしまう。また、フィラーの濃度が高いとノズルの目詰まりの原因となる。このようなフィラーの沈降を防止する従来の充填装置が特許文献1に記載されている。
【0004】
この特許文献1に記載のペースト滴下装置は、シリンジ(シリンダ)の内部に、複数の空孔を持つ螺旋状のスクリューを設け、スクリューを常時回転させ、ペーストを撹拌することで、フィラーの沈降や凝集によるノズル目詰まり、ペースト凝固等の不具合を防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−232118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されたペースト滴下装置は、シリンジが円筒形状に形成されているので、シリンジの底部まで沈降して至ってしまったフィラーは、シリンジの周壁部が立設された底部の周縁部分に溜まってしまうおそれがある。
【0007】
シリンジの底部にフィラーが蓄積してしまうと、このフィラーが不定期にノズルから排出されてしまい、フィラーの濃度が高い樹脂が滴下されてしまうことが想定される。
【0008】
そこで本発明は、スラリー状の樹脂に含有されるフィラーがシリンジの底部に溜まることを防止して、フィラーが均一に分散した状態の樹脂を供給することができる充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の充填装置は、粒状のフィラーを含有したスラリー状の樹脂が貯留され、上下方向に沿って配置されるシリンジと、前記シリンジの軸心に位置する回転シャフトに沿って設けられた螺旋状の撹拌翼と、前記回転シャフトを回転させることで、前記撹拌翼を回転させて、前記撹拌翼の回転に伴って樹脂を上方へ誘導する駆動部とを備え、前記シリンジは、円筒状の胴部と、前記胴部の下端に設けられ、樹脂が排出される供給口を有する漏斗状の先端部とを備え、前記撹拌翼の先端は、前記シリンジの先端部内に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の充填装置によれば、撹拌翼の回転に伴って樹脂が上方へ誘導されるので、シリンジの先端部の中央部に集約されたフィラーが樹脂と共に、上方へ誘導され、撹拌翼により撹拌される。従って、本発明の充填装置は、スラリー状の樹脂に含有されるフィラーがシリンジの底部に溜まることを防止することができるので、フィラーが均一に分散した状態の樹脂を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係るポッティング装置を示す斜視図
【図2】図1に示すポッティング装置の構成を説明するための図
【図3】シリンジと撹拌部を説明するための正面図
【図4】回転シャフトと撹拌翼を説明するための正面図
【図5】発光装置を示す断面図
【図6】本発明の実施の形態2に係るポッティング装置を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の第1の発明は、粒状のフィラーを含有したスラリー状の樹脂が貯留され、上下方向に沿って配置されるシリンジと、シリンジの軸心に位置する回転シャフトに沿って設けられた螺旋状の撹拌翼と、回転シャフトを回転させることで、撹拌翼を回転させて、撹拌翼の回転に伴って樹脂を上方へ誘導する駆動部とを備え、シリンジは、円筒状の胴部と、胴部の下端に設けられ、樹脂が排出される供給口を有する漏斗状の先端部とを備え、撹拌翼の先端は、シリンジの先端部内に位置していることを特徴とした充填装置である。
【0013】
第1の発明によれば、シリンジが円筒状の胴部と漏斗状の先端部とにより形成され、撹拌翼の先端がシリンジの先端部内に位置しているので、先端部に位置するフィラーは先端部の内側面に沿って沈降して中央部に集約される。駆動部により回転シャフトに沿って設けられた撹拌翼が回転する。撹拌翼の回転に伴って樹脂が上方へ誘導されるので、中央部に集約されたフィラーは樹脂と共に、上方へ誘導され、撹拌翼により撹拌される。従って、スラリー状の樹脂に含有されるフィラーがシリンジの底部に溜まることを防止することができる。ここで、撹拌翼の先端がシリンジの先端部内に位置しているとは、シリンジを水平方向視したときに、撹拌翼の先端がシリンジの先端部の上端より低い位置にあることを意味する。
【0014】
本願の第2の発明は、回転シャフトは、先端部が略円錐状に形成されていることを特徴とした充填装置である。
【0015】
第2の発明によれば、回転シャフトの先端形状が略円錐状に形成されていることにより、シリンジの先端部に位置する樹脂が上方に誘導され、回転シャフトの先端に流されても、先端部の円錐状の先端面に沿って流れを乱すことなくスムーズに流動させることができるので、フィラーを樹脂と共に、均一に撹拌することができる。
【0016】
本願の第3の発明は、撹拌翼は、基端から徐々に幅広に形成され、所定幅まで広くなると一定幅となり、先端に向かって徐々に幅狭くなるように形成されていることを特徴とした充填装置である。
【0017】
第3の発明によれば、撹拌翼が上記形状に形成されていることで、シリンジの先端部から胴部の下部、胴部の中間部、そして胴部の上部と、それぞれの場所で樹脂をスムーズに誘導することができるので、フィラーのシリンジ内全体での沈降を防止して均一に分散させることができる。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る充填装置を、図面に基づいて説明する。本実施の形態1では、発光装置の発光素子を封止する封止樹脂である液状樹脂材を、供給する樹脂として充填するポッティング装置を例に説明する。この液状樹脂材には、フィラーとして、発光素子からの光に励起されて、波長変換した光を発光する蛍光体が含有されている。液状樹脂材としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などが使用される。
【0019】
図1および図2に示すように、ポッティング装置1は、シリンジ2と、撹拌部3と、駆動部4と、連結管5と、モータ部6と、プランジャ7と、ポンプ部8と、制御部9(図1においては図示せず)とを備えている。
【0020】
図3に示すシリンジ2は、液状樹脂材を貯留する容器である。シリンジ2は、基端が装置本体に接続された円筒形の胴部21と、胴部21の下端に設けられた漏斗状の先端部22とにより形成されている。先端部22は、直径が徐々に小さくなる縮径部221と、基部が縮径部221に接続されていると共に、先部が連結管5に接続された円筒状の供給口222とを備えている。シリンジ2の上端には、貯留した液状樹脂材を送り出すためのエアの供給管223が外部から接続されている。
【0021】
図3および図4に示すように、撹拌部3は、駆動部4(図2参照)により回転する回転シャフト31と、この回転シャフト31の軸心に沿って螺旋状に形成された撹拌翼32とを備え、交換可能に駆動部4と連結している。回転シャフト31は、シリンジ2の軸心に配置され、撹拌翼32と一体的に形成された、ステンレス製の棒状体である。この回転シャフト31の先端部311は、略円錐状に形成されている。
【0022】
撹拌翼32は、回転シャフト31の基端部312から先端部311へ向かって、回転シャフト31を軸心として、時計回りに回転しながら進むように、帯状体が回転シャフト31に巻き回されて形成されている。撹拌翼32の先端は、回転シャフト31の先端部311と共に、シリンジ2の先端部22内に位置している。
【0023】
この撹拌翼32の形状を基端から先端の方向へ順に説明すると、撹拌翼32は、基端から徐々に幅広に形成された拡幅部321と、所定幅まで広くなると一定幅となる帯状部322と、更に、先端に向かって徐々に幅狭くなる狭幅部323とにより形成されている。
【0024】
駆動部4は、回転シャフト31を一定の速度で回転させるモータで、直方体状の筐体に、シリンジ2の上端と共に格納されている。この駆動部4の回転速度は、制御部9により調整することができる。駆動部4は、撹拌翼32を、液状樹脂材を上方へ誘導するように、撹拌翼32の基端部312側から見て反時計回りに回転させる。
【0025】
連結管5は、シリンジ2の下端に一端部が接続され、他端がポンプ部8に接続された略L字状の管路である。
【0026】
モータ部6は、直線的に上下動してプランジャ7をポンプ部8に対して進退させるものである。このモータ部6は、制御部9によりポンプ部8への液状樹脂材の引き込み量、およびポンプ部8からの吐出量が制御される。
【0027】
プランジャ7は、モータ部6により軸線に沿って直線的にポンプ部8に進退することで、液状樹脂材をシリンジ2からポンプ部8内に引き込んだり、ポンプ部8から押し出して滴下させたりする。
【0028】
ポンプ部8は、円筒状の貯留容器が直方体状の筐体に収納され、連結管5から流入する液状樹脂材を貯留して滴下することで、液状樹脂材を発光素子が搭載された発光装置100の容器へ充填する。ポンプ部8の下端には、ノズル81が設けられている。ポンプ部8の上端には、プランジャ7が進退するための開口が設けられている。
【0029】
制御部9は、ポンプ部8を制御することで、プランジャ7の退出量、および進出量を調整したり、駆動部4の回転速度を調整したりすることで制御手段として機能するものである。また、制御部9は、シリンジ2内の液状樹脂材をポンプ部8へ流入させたり、流入を阻止したりする切替弁(図示せず)の閉塞または開放を制御する機能を備えている。
【0030】
ここで、ポッティング装置1により樹脂封止部が形成される発光装置の一例を図5に基づいて説明する。
【0031】
図5に示すように、発光装置100は、リードフレーム101と、リードフレーム101の上面に設けられることでリードフレーム101の搭載面を底面とした凹部102xを形成するパッケージ部102と、リードフレーム101に搭載された発光素子103と、凹部102xに液状樹脂材が充填されることで発光素子103を封止する樹脂封止部104とを備えている。発光装置100は、リードフレーム101とパッケージ部102とで容器が構成されている。
【0032】
リードフレーム101は、アノードフレーム101bとカソードフレーム101cとが設けられている。このアノードフレーム101bとカソードフレーム101cとは、発光素子103とそれぞれワイヤ105により導通接続されている。
【0033】
パッケージ部102は、両側面にアノードフレーム101bとカソードフレーム101cとに接続する外部端子であるアノード端子102aとカソード端子102bとが形成されている。
【0034】
発光素子103は、半導体で形成された導電性の基板や、サファイアなどで形成された絶縁性の基板に、発光層を含む半導体層を積層することで形成されたものである。本実施の形態1では、青色に発光する発光素子とすることができる。
【0035】
樹脂封止部104は、粒状体である蛍光体104aを含有させた液状樹脂材であるシリコーン樹脂104bを硬化させることで形成されている。蛍光体104aは、本実施の形態1では、発光素子103が青色に発光するので、蛍光体104aとして青色の補色となる黄色に発光するものとすれば、青色と黄色とが混色して白色に発光させることができる。蛍光体としては、珪酸塩蛍光体やYAG系蛍光体を使用することができる。
【0036】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る充填装置1の使用状態について、図2から図4に基づいて説明する。まず、制御部9を作動させることで、駆動部4による回転シャフト31の回転に伴い撹拌翼32が回転し始める。
【0037】
液状樹脂材Rと蛍光体Fとの比重差により沈降しようとする蛍光体Fは、回転シャフト31と共に回転する撹拌翼32が、液状樹脂材Rを上方へ誘導するように回転することにより、バランスが取れた状態で回転シャフト31を周回して撹拌されるので、液状樹脂材R中に蛍光体Fが均一に分散した状態とすることができる。
【0038】
シリンジ2の先端部22内に位置する蛍光体Fは、先端部22の内側面に沿って沈降しながら中央部に位置する供給口222の付近に集約される。しかし、撹拌翼32の回転に伴って液状樹脂材Rが上方へ誘導されるので、集まってくる蛍光体Fは液状樹脂材Rと共に上方へ誘導され、撹拌翼32により撹拌される。従って、スラリー状の液状樹脂材Rに含有される蛍光体Fがシリンジ2の底部に溜まることを防止することができる。従って、蛍光体Fが均一に分散した状態の液状樹脂材Rを供給することができる。
【0039】
シリンジ2の下部に位置する先端部22の供給口222の入口上方へ誘導された液状樹脂材Rは、回転シャフト31に向かうが、回転シャフト31の先端部311は、頂点が下方に向いた略円錐状に形成されているため、先端部311の側面である傾斜面311aに沿って回転シャフト31を中心として、流れを乱すことなくスムーズに流動し、周囲に拡がっていく。そして、撹拌翼32により誘導される液状樹脂材Rと共に撹拌されるので、蛍光体Fを液状樹脂材Rと共に、均一に撹拌することができる。
【0040】
撹拌翼32は、基端から徐々に幅広に形成され、所定幅まで広くなると一定幅となり、先端に向かって徐々に幅狭くなるように形成されていることにより、シリンジ2の先端部22から胴部21の下部211、胴部21の中間部212、そして胴部21の上部213と、それぞれの場所で液状樹脂材Rをスムーズに誘導して、蛍光体Fの沈降を防止することができるので、蛍光体Fのシリンジ2内全体での沈降を防止して均一に分散させることができる。
【0041】
このように本実施の形態1に係るポッティング装置1は、撹拌翼32の回転に伴って液状樹脂材Rが上方へ誘導されるので、シリンジ2の先端部22の中央部に集約された蛍光体Fが液状樹脂材Rと共に、上方へ誘導され、撹拌翼32により撹拌される。従って、ポッティング装置1は、スラリー状の液状樹脂材Rに含有される蛍光体Fがシリンジ2の底部に溜まることを防止することができるので、蛍光体Fが均一に分散した状態の液状樹脂材Rを封止樹脂として供給することができる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る充填装置を図6に基づいて説明する。実施の形態1では、図1に示すように、シリンジ2に貯留された液状樹脂材をポンプ部8へ供給し、プランジャ7により機械的に押し出して充填していたが、本実施の形態2に係る充填装置は、エアによりシリンジに貯留された液状封止材を直接押し出して充填するポッティング装置である。なお、図6においては、図1に示すポッティング装置1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0043】
図6に示すように、ポッティング装置1xは、供給管223から供給されるエアによりシリンジ2に貯留された液状樹脂材を押し出して滴下させ、充填するものである。
【0044】
このように構成されたポッティング装置1xであっても、シリンジ2内に回転シャフト31と螺旋状の撹拌翼32とを備え、シリンダ2の先端部22が漏斗状に形成され、撹拌翼32の先端が先端部22内に位置していることで、実施の形態1と同様に、液状樹脂材R中に蛍光体Fが均一に分散した状態とすることができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、本実施の形態では、樹脂として液状樹脂材を例に、フィラーとして蛍光体を例に説明したが、スラリー状の樹脂に粒状のフィラーを含有させたもので、比重差によりフィラーの沈降が心配されるものであれば、このフィラーを含有させた樹脂を容器に充填する他の充填装置でも、本発明を適用することが可能である。
【実施例】
【0046】
実施例として、本発明の実施の形態1,2に係るシリンジ2および撹拌部3を作製して、分散度合いを観察した。本実施例では、充填装置から滴下する樹脂としてシリコーン樹脂を使用し、フィラーとして蛍光体Fを使用した。樹脂は、密度が約1000Kg/m3、粘性係数が約0.5Pa。蛍光体Fは、粒子密度が約5000Kg/m3、粒子直径が約2×10-5m、粒子総個数約5000万個である。
【0047】
ポッティング装置1は、シリンジ2の長さが約10cm、胴部21の直径が約16mmで、約10mLの樹脂が貯留できる。シリンジ2の先端部22(傾斜面の部分)は、深さが約6mmである。
【0048】
回転シャフト31は、シリンジ2の基端側から挿入して先端部が先端部22内に位置させるために、長さを約7cmに設定した。先端部22については、垂直断面としたときの二等辺三角形の頂角が約120°に形成されている。
【0049】
この回転シャフト31に巻き回された撹拌翼32は、水平面との傾斜角度θが30°に設定されていることで、回転シャフト31の周囲を3回転している。撹拌翼32の幅は、一定となっている部分が約5mmとした。
【0050】
比較例として、撹拌部3を設けずに、蛍光体を含有した液状樹脂材を上記シリンジ2に貯留させて、沈降度合いを観察した。樹脂を貯留させてから4時間経過すると、蛍光体は沈降して液状樹脂材の下部に積み重なった状態となった。
【0051】
次に、撹拌部3をシリンジ2内に設置し、駆動部4を作動させた場合を観察した。結果、5分後には蛍光体が液状樹脂材内で均一に分散した状態となり、5時間経過しても、分散した状態が維持できた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の充填装置は、スラリー状の樹脂に含有されるフィラーがシリンジの底部に溜まることを防止することができるので、フィラーが均一に分散した状態の樹脂を供給することができ、発光素子を囲う凹部の封止樹脂のフィラーが均一に分散した状態の発光装置の製造に好適である。
【符号の説明】
【0053】
1,1x ポッティング装置
2 シリンジ
21 胴部
211 下部
212 中間部
213 上部
22 先端部
221 縮径部
222 供給口
223 供給管
3 撹拌部
31 回転シャフト
311 先端部
312 基端部
32 撹拌翼
321 拡幅部
322 帯状部
323 狭幅部
4 駆動部
5 連結管
6 モータ部
7 プランジャ
8 ポンプ部
9 制御部
100 発光装置
101 リードフレーム
101b アノードフレーム
101c カソードフレーム
102 パッケージ部
102a アノード端子
102b カソード端子
102x 凹部
103 発光素子
104 樹脂封止部
104a 蛍光体
104b シリコーン樹脂
105 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状のフィラーを含有したスラリー状の樹脂が貯留され、上下方向に沿って配置されるシリンジと、
前記シリンジの軸心に位置する回転シャフトに沿って設けられた螺旋状の撹拌翼と、
前記回転シャフトを回転させることで、前記撹拌翼を回転させて、前記撹拌翼の回転に伴って樹脂を上方へ誘導する駆動部とを備え、
前記シリンジは、円筒状の胴部と、前記胴部の下端に設けられ、樹脂が排出される供給口を有する漏斗状の先端部とを備え、
前記撹拌翼の先端は、前記シリンジの先端部内に位置していることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
前記回転シャフトは、先端部が略円錐状に形成されている請求項1記載の充填装置。
【請求項3】
前記回撹拌翼は、基端から徐々に幅広に形成され、所定幅まで広くなると一定幅となり、先端に向かって徐々に幅狭くなるように形成されている請求項1または2記載の充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−66386(P2012−66386A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210395(P2010−210395)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】