説明

光検出装置及び光検出装置の駆動方法

【課題】ノイズによる影響を抑制する。
【解決手段】光検出回路と、差分データ生成回路と、データ入力選択回路と、を具備する。光検出回路は、光データ信号を生成する機能を有する。また、差分データ生成回路は、第1のデータ信号及び第2のデータ信号が入力され、第1のデータ信号のデータと第2の信号のデータとの差分データを生成する機能を有する。また、データ入力選択回路は、光データ信号のデータを、第1のデータ信号のデータみなすか第2のデータ信号のデータとみなすかを決定する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射する光の照度に応じた値のデータを生成することが可能な光検出回路(光センサともいう)を用いて情報を入力する光検出装置、又は該光検出回路を用いて情報を入力し、且つ入力した情報に応じて情報を出力する光検出装置などの技術開発が進められている。
【0003】
光検出装置としては、例えばイメージセンサが挙げられる。イメージセンサとしては、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどが挙げられる(例えば特許文献1)。
【0004】
さらに、CMOSイメージセンサの駆動方式としては、ローリングシャッター方式及びグローバルシャッター方式がある。ローリングシャッター方式は、行列方向に配列された複数の光検出回路において、行毎に順次露光する方式であり、グローバルシャッター方式は、全ての行の光検出回路において、一括で露光する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−104186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の光検出装置は、ノイズの影響により生成されるデータのばらつきが大きいといった問題があった。上記ノイズとしては、ランダムノイズ又は固定パターンノイズなどがある。例えば、ランダムノイズとしては、リセットノイズが挙げられる。リセットノイズは、光検出回路により生成される光データ信号に含まれるノイズである。上記ランダムノイズは、例えば光検出回路内における各素子間の接続抵抗などに応じて生じる。また、固定パターンノイズは、例えば光検出装置内における素子の電気特性のばらつきなどに応じて生じる。
【0007】
例えば、光検出装置では、光検出回路における受光面積が小さくなると、受光量に応じて生成される光電流の量が少なくなる。そのため、リーク電流やノイズの影響が大きくなり、正確なデータの取得(撮像ともいう)が困難になる。例えば、携帯電話などの小型機器に搭載される光検出装置は、微細化が進み、受光量に対するリーク電流やノイズの影響がより深刻な問題となる。
【0008】
本発明の一態様では、ノイズによる影響を低減することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、光検出回路で生成される互いに異なる2つの期間のデータの差分データを生成する。差分データを生成することにより、データ中におけるノイズによる変化分の除去を図る。
【0010】
本発明の一態様は、光検出回路と、差分データ生成回路と、データ入力選択回路と、を具備する光検出装置である。
【0011】
光検出回路は、光データ信号を生成する機能を有する。
【0012】
差分データ生成回路には、第1のデータ信号及び第2のデータ信号が入力される。また、差分データ生成回路は、第1のデータ信号のデータと第2のデータ信号のデータとの差分データを生成する機能を有する。
【0013】
データ入力選択回路は、光データ信号のデータを第1のデータ信号のデータとみなすか第2のデータ信号のデータとみなすかを決定する機能を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様により、生成されるデータからノイズによる変化分を除去できるため、ノイズによる影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】光検出装置の例を説明するための図。
【図2】光検出装置の例を説明するための図。
【図3】光検出装置の例を説明するための図。
【図4】光検出装置の例を説明するための図。
【図5】光検出装置の例を説明するための図。
【図6】電子機器の例を説明するための図。
【図7】電子機器の例を説明するための図。
【図8】光検出装置の例を説明するための図。
【図9】光検出装置の例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を説明するための実施形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。なお、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく実施形態の内容を変更することは、当業者であれば容易である。よって、本発明は、以下に示す実施形態の記載内容に限定されない。
【0017】
なお、各実施形態の内容を互いに適宜組み合わせることができる。また、各実施形態の内容を互いに適宜置き換えることができる。
【0018】
また、第1、第2などの序数は、構成要素の混同を避けるために付しており、各構成要素の数は、序数の数に限定されない。
【0019】
(実施形態1)
本実施形態では、差分データの生成が可能な光検出装置の例について図1を用いて説明する。
【0020】
図1(A)に示す光検出装置は、光検出回路PSと、差分データ生成回路Difと、データ入力選択回路DISと、を具備する。
【0021】
光検出回路PSは、光データ信号を生成する機能を有する。例えば、撮像期間に取得した光データ信号のデータは、光検出回路に入射する光の照度に応じた値(受光量に応じた値)となる。なお、複数の光検出回路を光検出装置に設けてもよい。
【0022】
光検出回路PSは、光電変換素子及び電界効果トランジスタを用いて構成される。
【0023】
差分データ生成回路Difの第1の入力端子及び第2の入力端子には、データ信号S11及びデータ信号S12がそれぞれ入力される。差分データ生成回路Difは、データ信号S11のデータとデータ信号S12のデータとの差分データを生成する機能を有する。
【0024】
差分データ生成回路Difは、データ信号S11のデータとデータ信号S12のデータの減算処理を行う機能を有する回路を用いて構成される。差分データ生成回路Difとしては、例えば差動増幅器又は減算器などを用いることができる。
【0025】
データ入力選択回路DISは、光検出回路PSにより生成され、差分データ生成回路Difに入力される光データ信号のデータを、データ信号S11のデータとみなすかデータ信号S12のデータとみなすかを決定する機能を有する。
【0026】
データ入力選択回路DISは、例えばスイッチSw1及びスイッチSw2を用いて構成される。スイッチSw1は、光データ信号のデータを、データ信号S11のデータとして差分データ生成回路Difに入力するか否かを制御する機能を有する。また、スイッチSw2は、光データ信号のデータを、データ信号S12のデータとして差分データ生成回路Difに入力するか否かを制御する機能を有する。なお、複数の素子によりスイッチSw1及びスイッチSw2のそれぞれを構成してもよい。
【0027】
次に、本実施形態における光検出装置の駆動方法例として、図1(A)に示す光検出装置の駆動方法例について、図1(B−1)及び図1(B−2)の動作模式図を用いて説明する。
【0028】
図1(A)に示す光検出装置の駆動方法例では、光検出回路PSにより光データ信号を生成する。このとき、光データ信号のデータが期間TAのデータの場合には、光データ信号のデータ(D_PDともいう)をDAとする(D_PD=DA)。また、光データ信号のデータが期間TBのデータの場合には、光データ信号のデータ(D_PDともいう)をDBとする(D_PD=DB)。期間TAは、例えば光検出回路PSがリセット状態になる期間(リセット期間ともいう)である。また、期間TBは、例えば光検出回路PSが撮像状態になる期間(撮像期間ともいう)である。
【0029】
また、DAである光データ信号のデータ及びDBである光データ信号のデータのそれぞれには、互いに共通のノイズ成分が含まれる。
【0030】
光データ信号のデータがDA(D_PD=DA)のとき、図1(B−1)に示すように、データ入力選択回路DISにより、光データ信号のデータを、データ信号S12のデータとして差分データ生成回路Difに入力する。例えば、スイッチSw2をオン状態にし、スイッチSw1をオフ状態にすることにより、光データ信号のデータを、データ信号S12のデータとして差分データ生成回路Difに入力できる。
【0031】
また、光データ信号のデータがDB(D_PD=DB)のとき、図1(B−2)に示すように、データ入力選択回路DISにより、光データ信号のデータを、データ信号S11のデータとして差分データ生成回路Difに入力する。例えば、スイッチSw1をオン状態にし、スイッチSw2をオフ状態にすることにより、光データ信号のデータを、データ信号S11のデータとして差分データ生成回路Difに入力できる。
【0032】
また、差分データ生成回路Difにより、データ信号S11のデータとデータ信号S12のデータとの差分データを生成する。よって、生成される差分データから、データ信号S11のデータ(DB)及びデータ信号S12のデータ(DA)のそれぞれに含まれていた共通のノイズによる変化分が除去される。
【0033】
さらに、差分データ生成回路Difにより、生成した差分データを信号として出力する。
【0034】
以上が図1(A)に示す光検出装置の駆動方法例である。
【0035】
図1を用いて説明したように、本実施形態における光検出装置の一例では、光検出回路で生成される、異なる2つの期間での光データ信号の差分データを生成する。2つの期間における光データ信号のデータのそれぞれには共通のノイズ成分が含まれるため、差分データを生成することにより、ノイズによる変化分を除去できる。よって、ノイズによる影響を抑制できる。また、撮像画像の品質を向上させることができる。なお、上記ノイズによる変化分の除去手段を相関二重サンプリング(CDSともいう)ともいう。
【0036】
また、本実施形態における光検出装置の一例では、データ入力選択回路により光検出回路における光データ信号のデータに応じて、該データを、第1のデータ信号のデータとみなすか第2のデータ信号のデータとみなすかを決定する。これにより、1種類の光データ信号から差分データを生成できるため、光検出回路の素子の数を少なくできる。よって、光検出装置の開口率を向上できる。
【0037】
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1に示す光検出装置の構成例について図2乃至図4を用いて説明する。なお、実施形態1に示す光検出装置の説明と同じ部分については、実施形態1に示す光検出装置の説明を適宜援用できるため、本実施形態では説明を省略する。
【0038】
図2(A)に示す光検出装置は、図1(A)に示す光検出装置と同様に、光検出回路PSと、差分データ生成回路Difと、データ入力選択回路DISと、を具備する。さらに、図2(A)に示す光検出装置は、データバスDBと、スイッチSw_BRと、を具備する。
【0039】
光検出回路PSは、光電変換素子110と、電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ125と、容量素子131及び容量素子132と、を備える。
【0040】
光電変換素子110は、第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、入射する光の照度に応じて第1の電流端子及び第2の電流端子の間に電流(光電流ともいう)が流れる。
【0041】
光電変換素子110の第1の電流端子には、パルス信号である光検出リセット信号が入力される。また、光電変換素子110の第1の電流端子に単位電位である電位Vxを供給してもよい。
【0042】
光電変換素子110としては、例えばフォトダイオード又はフォトトランジスタなどを用いることができる。フォトダイオードの場合、フォトダイオードにおけるアノード及びカソードの一方が光電変換素子の第1の電流端子に相当する。また、フォトダイオードにおけるアノード及びカソードの他方が光電変換素子の第2の電流端子に相当する。また、電界効果型のフォトトランジスタの場合、フォトトランジスタにおけるソース及びドレインの一方が光電変換素子の第1の電流端子に相当する。また、フォトトランジスタにおけるソース及びドレインの他方が光電変換素子の第2の電流端子に相当する。なおこれに限定されず、バイポーラ型のフォトトランジスタを用いてもよい。
【0043】
電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの一方は、光電変換素子110における第2の電流端子に接続され、電界効果トランジスタ121におけるゲートには、パルス信号である第1の電荷伝送制御信号が入力される。電界効果トランジスタ121は、光電変換素子110に入射する光の照度に応じた電荷の伝送を制御する機能を有する。このとき、上記機能を有するトランジスタを電荷伝送制御トランジスタともいう。
【0044】
電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの一方は、光電変換素子110における第2の電流端子に接続され、電界効果トランジスタ122におけるゲートには、パルス信号である第2の電荷伝送制御信号が入力される。電界効果トランジスタ122は、光電変換素子110に入射する光の照度に応じた電荷の伝送を制御する機能を有する。
【0045】
容量素子131における一対の電極の一方は、電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、容量素子131における一対の電極の他方には、電位Vcが与えられる。電位Vcは、任意の値の電位である。容量素子131は、第1の電荷保持容量としての機能を有する。
【0046】
容量素子132における一対の電極の一方は、電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、容量素子132における一対の電極の他方には、単位電位である電位Vcが供給される。容量素子132は、第2の電荷保持容量としての機能を有する。
【0047】
電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ123におけるゲートには、パルス信号である第3の電荷伝送制御信号が入力される。なお、電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの一方と電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの他方との接続箇所をノードFD1ともいう。電界効果トランジスタ123は、光電変換素子110に入射する光の照度に応じた電荷の伝送を制御する機能を有する。
【0048】
電界効果トランジスタ124におけるソース及びドレインの一方には、単位電位である電位Vbが供給される。また、電界効果トランジスタ124におけるゲートは、電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの他方、並びに電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ124におけるゲートと電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの他方、並びに電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの他方との接続箇所をノードFD2ともいう。さらに、電界効果トランジスタ124におけるソース及びドレインの間に流れる電流に応じて光データ信号の電位が設定される。電界効果トランジスタ124は、光電変換素子110の光電流に応じたデータを増幅する機能を有する。上記機能を有するトランジスタを増幅トランジスタともいう。
【0049】
電界効果トランジスタ125におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ124におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ125におけるソース及びドレインの他方は、データバスDBに電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ125におけるゲートには、パルス信号である出力選択信号が入力される。電界効果トランジスタ125は、光検出回路PSにより生成する光データ信号を出力するか否かを選択する機能を有する。上記機能を有するトランジスタを出力選択トランジスタともいう。なお、電界効果トランジスタ125におけるソース及びドレインの他方とデータバスDBとの接続箇所をノードFD3ともいう。
【0050】
差分データ生成回路Difは、差動増幅器140を備える。
【0051】
差動増幅器140は、負入力端子(端子IN−ともいう)、正入力端子(端子IN+ともいう)、及び出力端子(端子Outともいう)を有する。差動増幅器140は、負入力端子(端子IN−)を介して入力される信号のデータと正入力端子(端子IN+)を介して入力される信号のデータの差分データを生成し、出力端子(端子Out)を介して該差分データに応じた電位の信号を出力する機能を有する。
【0052】
データ入力選択回路DISは、電界効果トランジスタ126と、電界効果トランジスタ127と、を備える。
【0053】
電界効果トランジスタ126におけるソース及びドレインの一方は、データバスDBに電気的に接続される。よって、電界効果トランジスタ126におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ125におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ126におけるソース及びドレインの他方は、差動増幅器140における負入力端子に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ126におけるゲートには、パルス信号である第1のデータ入力選択信号が入力される。電界効果トランジスタ126は、差分データ生成回路Difへのデータの入力を選択する機能を有する。上記機能を有するトランジスタをデータ入力選択トランジスタともいう。
【0054】
電界効果トランジスタ127におけるソース及びドレインの一方は、データバスDBに電気的に接続される。よって、電界効果トランジスタ127におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ125におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ127におけるソース及びドレインの他方は、差動増幅器140における正入力端子に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ127におけるゲートには、パルス信号である第2のデータ入力選択信号が入力される。電界効果トランジスタ127は、差分データ生成回路Difへのデータの入力を選択する機能を有する。
【0055】
電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ127の一つ又は複数としては、例えばオフ電流の低い電界効果トランジスタを用いることができる。このとき、電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ127のオフ電流は、チャネル幅1μmあたり10aA(1×10−17A)以下、好ましくはチャネル幅1μmあたり1aA(1×10−18A)以下、さらに好ましくはチャネル幅1μmあたり10zA(1×10−20A)以下、さらに好ましくはチャネル幅1μmあたり1zA(1×10−21A)以下、さらに好ましくはチャネル幅1μmあたり100yA(1×10−22A)以下である。
【0056】
上記オフ電流の低い電界効果トランジスタとしては、例えばシリコンよりバンドギャップが広く、例えば2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であり、チャネルが形成される半導体層を含む電界効果トランジスタを用いることができる。上記バンドギャップの広い電界効果トランジスタとしては、例えばチャネルが形成される酸化物半導体層を含む電界効果トランジスタなどを用いることができる。
【0057】
上記酸化物半導体層としては、例えばIn系酸化物(例えば酸化インジウムなど)、Sn系酸化物(例えば酸化スズなど)、又はZn系酸化物(例えば酸化亜鉛など)などを用いることができる。
【0058】
また、上記酸化物半導体層としては、例えば、四元系金属酸化物、三元系金属酸化物、二元系金属酸化物などの金属酸化物を用いることもできる。なお、上記酸化物半導体層としては、特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとしてガリウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体層として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてスズを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体層として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてハフニウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体層として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてアルミニウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体層として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムの一つ又は複数を含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体層として適用可能な金属酸化物は、酸化シリコンを含んでいてもよい。
【0059】
例えば、四元系金属酸化物としては、例えばIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物などを用いることができる。
【0060】
また、三元系金属酸化物としては、例えばIn−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、又はIn−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、又はIn−Lu−Zn系酸化物などを用いることができる。
【0061】
また、二元系金属酸化物としては、例えばIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Sn系酸化物、又はIn−Ga系酸化物などを用いることができる。
【0062】
また、上記酸化物半導体層としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)を含む酸化物半導体層を用いてもよい。
【0063】
CAAC−OSとは、結晶領域と非晶質領域の混相構造であり、且つ結晶領域の結晶において、c軸が半導体層の被形成面又は表面に垂直であり、ab面に垂直な方向から見て三角形状又は六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状又は金属原子と酸素原子とが層状に配列する構造のことをいう。よって、CAAC−OSは、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。なお、CAAC−OSが複数の結晶領域を有する場合、複数の結晶領域の結晶同士は、a軸及びb軸の向きが異なってもよい。
【0064】
また、CAAC−OSにおける結晶領域は、一辺が100nm未満の三次元領域内に存在することが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEMともいう)によるCAAC−OSの観察では、CAAC−OSにおける結晶領域と非晶質領域との境界が必ずしも明確ではない。また、CAAC−OSにおいて、結晶粒界は確認されない。よって、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が少ない。
【0065】
また、CAAC−OSにおいて、層の深さ方向において結晶領域が均一に分布していなくてもよい。例えば、酸化物半導体層の表面側から結晶成長させてCAAC−OSを含む酸化物半導体層を形成した場合、CAAC−OS部分における酸化物半導体層の表面の近傍は、結晶領域の占める割合が高くなり、CAAC−OS部分における酸化物半導体層の被形成面の近傍は非晶質領域の占める割合が高くなることがある。
【0066】
また、CAAC−OSの結晶領域における結晶のc軸は、CAAC−OS部分における酸化物半導体層の被形成面又は表面に垂直であるため、CAAC−OS部分における酸化物半導体層の形状(被形成面の断面形状又は表面の断面形状)により、c軸の方向が異なることがある。なお、CAAC−OSの結晶領域におけるc軸は、CAAC−OS部分における酸化物半導体層の被形成面又は表面に略垂直になる。
【0067】
例えば、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用いたスパッタリング法によってCAAC−OSを形成できる。スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面から劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状又はペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。この場合、平板状のスパッタリング粒子が、結晶状態を維持したまま基板に到達することにより、スパッタリング用ターゲットの結晶状態が基板に転写される。これにより、CAAC−OSが形成される。
【0068】
また、CAAC−OSを形成するために、以下の条件を適用することが好ましい。
【0069】
例えば、不純物濃度を低減してCAAC−OSを形成することにより、不純物による酸化物半導体の結晶状態の崩壊を抑制できる。例えば、成膜室内に存在する不純物(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減することが好ましい。また、成膜ガス中の不純物を低減することが好ましい。例えば、成膜ガスとして露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いることが好ましい。
【0070】
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板付着後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションし、平板状のスパッタリング粒子の平らな面を向けて基板に付着する。
【0071】
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化して成膜時のプラズマダメージを軽減させることが好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
【0072】
上記スパッタリング用ターゲットの一例として、In−Ga−Zn−O化合物ターゲットについて以下に示す。
【0073】
InO粉末、GaO粉末、及びZnO粉末を所定の比率で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることにより、多結晶であるIn−Ga−Zn−O化合物ターゲットを形成する。なお、X、Y、及びZは任意の正数である。ここで、所定の比率は、例えば、InO粉末、GaO粉末、及びZnO粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3又は3:1:2のmol数比である。なお、粉末の種類、及びその混合する比率は、作製するスパッタリング用ターゲットによって適宜変更すればよい。
【0074】
電界効果トランジスタのチャネルが形成される層にCAAC−OSを含む酸化物半導体層を用いることにより、可視光や紫外光の照射による電界効果トランジスタの電気特性の変動を抑制できるため、電界効果トランジスタの信頼性を向上させることができる。
【0075】
また、複数の異なる特性の電界効果トランジスタを用いて電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ127を構成してもよい。
【0076】
また、光検出装置において、電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ127へ入射する光を遮光する遮光層を設けてもよい。遮光層を設けることにより、電界効果トランジスタの電気特性の変動を抑制できる。
【0077】
データバスDBは、光検出回路PSにより生成される光データ信号のデータを伝送する機能を有する。
【0078】
スイッチSw_BRは、データバスDBをリセットするか否かを制御する機能を有する。なお、複数の素子を用いてスイッチSw_BRを構成してもよい。
【0079】
さらに、図2(B)に示す光検出装置は、図2(A)に示す光検出装置の電界効果トランジスタ123の接続関係及び容量素子131の接続関係が異なる構成である。
【0080】
図2(B)に示す光検出装置において、電界効果トランジスタ123及び容量素子132は、光検出回路PS以外に設けられる。電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ127におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、容量素子132における一対の電極の一方は、電界効果トランジスタ123におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。また、容量素子132における一対の電極の他方には、電位Vcが供給される。また、電界効果トランジスタ124におけるゲートは、電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの他方、並びに電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される。
【0081】
図3(A)に示す光検出装置は、図2(A)に示す光検出装置の電界効果トランジスタ125の代わりに電界効果トランジスタ125_1及び電界効果トランジスタ125_2を備える構成である。また、図3(B)に示す光検出装置は、図2(B)に示す光検出装置の電界効果トランジスタ125の代わりに電界効果トランジスタ125_1及び電界効果トランジスタ125_2を備える構成である。
【0082】
このとき、光検出装置は、データバスDBの代わりにデータバスDB_1と、データバスDB_2と、をさらに備える。また、スイッチSw_BRの代わりにデータバスDB_1をリセットするか否かを制御するスイッチSw_BR1と、データバスDB_2をリセットするか否かを制御するスイッチSw_BR2と、をさらに備える。
【0083】
電界効果トランジスタ125_1及び電界効果トランジスタ125_2のそれぞれにおけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ124におけるソース及びドレインの一方に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ125_1におけるソース及びドレインの他方は、データバスDB_1に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ125_2におけるソース及びドレインの他方は、データバスDB_2に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ126におけるソース及びドレインの一方は、データバスDB_1に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ127におけるソース及びドレインの一方は、データバスDB_2に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ125_1におけるソース及びドレインの他方とデータバスDB_1との接続箇所をノードFD3_1ともいう。また、電界効果トランジスタ125_2におけるソース及びドレインの他方とデータバスDB_2との接続箇所をノードFD3_2ともいう。
【0084】
次に、本実施形態における光検出装置の駆動方法例として、図4(A)に示す光検出装置の駆動方法例について、図4(B)のタイミングチャートを用いて説明する。図4(A)に示す光検出装置は、図2(A)に示す光検出装置の光電変換素子110がフォトダイオードであり、スイッチSw_BRが電界効果トランジスタ128により構成され、電界効果トランジスタ121乃至電界効果トランジスタ128のそれぞれがNチャネル型トランジスタである場合の光検出装置である。
【0085】
このとき、光電変換素子110であるフォトダイオードにおけるアノードは、光検出リセット信号を入力するための光検出リセット信号線PRに電気的に接続される。
【0086】
また、電界効果トランジスタ121におけるソース及びドレインの一方は、光電変換素子110におけるカソードに電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ121におけるゲートは、第1の電荷伝送制御信号を入力するための第1の電荷伝送制御信号線TX1に電気的に接続される。
【0087】
また、電界効果トランジスタ122におけるソース及びドレインの一方は、光電変換素子110におけるカソードに電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ122におけるゲートは、第2の電荷伝送制御信号を入力するための第2の電荷伝送制御信号線TX2に電気的に接続される。
【0088】
また、電界効果トランジスタ123におけるゲートは、第3の電荷伝送制御信号を入力するための第3の電荷伝送制御信号線TX3に電気的に接続される。
【0089】
また、電界効果トランジスタ125におけるゲートは、出力選択信号を入力するための出力選択信号線Selに電気的に接続される。
【0090】
また、電界効果トランジスタ126におけるゲートは、第1のデータ入力選択信号を入力するための第1のデータ入力選択信号線Select1に電気的に接続される。
【0091】
また、電界効果トランジスタ127におけるゲートは、第2のデータ入力選択信号を入力するための第2のデータ入力選択信号線Select2に電気的に接続される。
【0092】
また、電界効果トランジスタ128におけるソース及びドレインの一方には、単位電位である電位Vaが供給される。また、電界効果トランジスタ128のソース及びドレインの他方は、データバスDBに電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ128におけるゲートは、バスリセット信号を入力するためのバスリセット信号線BRに電気的に接続される。
【0093】
また、電位Vaをロー電位とし、電位Vbをハイ電位とし、電位Vcを接地電位とする。ハイ電位は、2値のデジタル信号のハイレベルの電位と同等の値であり、ロー電位は、2値のデジタル信号のローレベルの電位と同等の値である。また、ロー電位は、接地電位と同等の値とする。
【0094】
また、バスリセット信号線BRをハイ電位にする毎にデータバスDBがリセットされるとする。
【0095】
図4(A)に示す光検出装置の駆動方法例では、図4(B)に示すように、時刻T11(リセット動作開始時刻ともいう)において、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、及び第2の電荷伝送制御信号線TX2をハイ電位(VHともいう)にし、第3の電荷伝送制御信号線TX3、出力選択信号線Sel、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2をロー電位(VLともいう)にする。
【0096】
このとき、光電変換素子110に電流が順方向に流れることにより、容量素子131及び容量素子132に電荷が蓄積され、ノードFD1及びノードFD2の電位がハイ電位と同等の値となる。これにより、光検出回路PSは、リセット状態になる。
【0097】
次に、時刻T12(リセット動作完了時刻ともいう)に第2の電荷伝送制御信号線TX2をロー電位にする。また、光検出リセット信号線PR及び第1の電荷伝送制御信号線TX1は、ハイ電位のままである。また、第3の電荷伝送制御信号線TX3、出力選択信号線Sel、第1のデータ入力選択信号線Select1、第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0098】
このとき、ノードFD2が浮遊状態になり、ノードFD2の電位は、ハイ電位と同等の値に保持される。
【0099】
次に、時刻T13(撮像動作開始時刻ともいう)において、光検出リセット信号線PRをロー電位にする。なお、第1の電荷伝送制御信号線TX1は、ハイ電位のままである。また、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第3の電荷伝送制御信号線TX3、出力選択信号線Sel、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0100】
このとき、光電変換素子110は、逆バイアスが印加された状態になる。このため、光電変換素子110では、入射する光の照度に応じて光電流が生成される。さらに、光電流に応じて容量素子131に蓄積された電荷が失われる。一方、第2の電荷伝送制御信号線TX2がロー電位であるため、容量素子132の電荷は保持される。よって、光検出回路PSは、撮像状態になる。
【0101】
次に、時刻T14(撮像動作完了時刻ともいう)において、第1の電荷伝送制御信号線TX1をロー電位にする。なお、光検出リセット信号線PR、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第3の電荷伝送制御信号線TX3、出力選択信号線Sel、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0102】
このとき、撮像動作が完了する。また、光電流によりノードFD1の電位がVAになる。VAの値は、光電変換素子110における光電流の値に応じて決まる。なお、ノードFD2の電位は、ハイ電位と同等の値に維持される。
【0103】
なお、複数のフレーム期間において、本実施形態における光検出回路を駆動させる場合、あるフレーム期間におけるリセット開始時刻から次のフレーム期間におけるリセット開始時刻までの間、リセット状態における光検出回路の光データ信号のデータ及び撮像状態における光データ信号のデータには、共通したノイズ成分が含まれる。
【0104】
次に、時刻T15(光検出回路選択動作開始時刻ともいう)において、出力選択信号線Selをハイ電位にし、バスリセット信号線BRをハイ電位にする。なお、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第3の電荷伝送制御信号線TX3、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0105】
このとき、ノードFD3の電位がVDとなる。VDは、電界効果トランジスタ124、電界効果トランジスタ125、及び電界効果トランジスタ128のそれぞれのチャネル抵抗、並びに配線抵抗に依存し、VDの値は、VaとVbの間の電位となる。
【0106】
次に、時刻T16(第1の選択動作開始時刻ともいう)において、バスリセット信号線BRをロー電位にし、第2のデータ入力選択信号線Select2をハイ電位にする。なお、出力選択信号線Selは、ハイ電位のままである。また、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第3の電荷伝送制御信号線TX3、及び第1のデータ入力選択信号線Select1はロー電位のままである。
【0107】
このとき、ノードFD3の電位と差動増幅器140における正入力端子(端子IN+)の電位が変化する。その後、ノードFD3の電位と差動増幅器140における正入力端子(端子IN+)の電位がVCとなる。VCは、電界効果トランジスタ124のソースとドレインの間に流れる電流に応じた値である。つまり、正入力端子(端子IN+)の電位が電界効果トランジスタ124のゲートの電位に応じた値になるため、正入力端子(端子IN+)の電位がリセット状態における電界効果トランジスタ124のゲートの電位に応じた値になる。
【0108】
次に、時刻T17(第1の選択動作完了時刻ともいう)において、第2のデータ入力選択信号線Select2をロー電位にする。なお、出力選択信号線Selは、ハイ電位のままである。また、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第3の電荷伝送制御信号線TX3、及び第1のデータ入力選択信号線Select1はロー電位のままである。
【0109】
このとき、差動増幅器140における正入力端子(端子IN+)の電位がVCのまま保持される。一方、ノードFD3の電位は、次のデータバスDBのリセット動作が行われるまで上昇する。このときのノードFD3の最大電位は、VHである。
【0110】
次に、時刻T18(撮像データ読み出し動作開始時刻)において、第3の電荷伝送制御信号線TX3をハイ電位にし、バスリセット信号線BRをハイ電位にする。なお、出力選択信号線Selは、ハイ電位のままである。また、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0111】
このとき、ノードFD1とノードFD2が導通状態になる。このときのノードFD1(FD2)の電位は、(C131/C131+C132)×VFD1+(C132/C131+C132)×VFD2となる。なお、VFD1は、第1の電荷伝送制御信号線TX1をロー電位にした後ノードFD2と導通状態になる前のノードFD1の電位(時刻T14から時刻T18までのノードFD1の電位)であり、VFD2は、第1の電荷伝送制御信号線TX1をロー電位にした後ノードFD1と導通状態になる前のノードFD2の電位(時刻T14から時刻T18までのノードFD2の電位)である。このように、上記一つのノードの電位は、容量素子131と容量素子132との容量比によって決まる。例えば、このときのノードFD1(FD2)の電位を、第1の電荷伝送制御信号線TX1をロー電位にした後ノードFD2と導通状態になる前のノードFD1の電位(時刻T14から時刻T18までのノードFD1の電位)と同等の値に近づけるには、容量素子131の容量値を容量素子132の容量値より大きくすればよい。
【0112】
また、時刻T18において、ノードFD3の電位がVEになる。このとき、VEは、VCよりも低い値となる。
【0113】
次に、時刻T19(第2の選択動作開始時刻ともいう)において、バスリセット信号線BRをロー電位にし、第1のデータ入力選択信号線Select1をハイ電位にする。なお、第3の電荷伝送制御信号線TX3及び出力選択信号線Selは、ハイ電位のままである。また、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0114】
このとき、ノードFD3の電位と差動増幅器140における負入力端子(端子IN−)の電位が変化する。その後、ノードFD3の電位と差動増幅器140における負入力端子(端子IN−)の電位がVBとなる。VBは、電界効果トランジスタ124のソースとドレインの間に流れる電流に応じた値である。つまり、負入力端子(端子IN−)の電位が電界効果トランジスタ124のゲートの電位に応じた値になるため、負入力端子(端子IN−)の電位が光電変換素子110に入射する光の照度に応じた値になる。
【0115】
次に、時刻T20(第2の選択動作完了時刻ともいう)において、第1のデータ入力選択信号線Select1をロー電位にする。なお、第3の電荷伝送制御信号線TX3及び出力選択信号線Selは、ハイ電位のままである。また、バスリセット信号線BR、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0116】
このとき、差動増幅器140における負入力端子(端子IN−)の電位がVBのまま保持される。一方、ノードFD3の電位は、次のデータバスDBのリセット動作が行われるまで上昇する。このときのノードFD3の最大電位は、VHである。
【0117】
次に、時刻T21(光検出回路選択動作完了時刻ともいう)において、バスリセット信号線BRをハイ電位にし、第3の電荷伝送制御信号線TX3をロー電位にし、出力選択信号線Selをロー電位にする。なお、光検出リセット信号線PR、第1の電荷伝送制御信号線TX1、第2の電荷伝送制御信号線TX2、第1のデータ入力選択信号線Select1、及び第2のデータ入力選択信号線Select2はロー電位のままである。
【0118】
これにより、光検出回路選択動作が完了する。
【0119】
さらに、差動増幅器140における負入力端子(端子IN−)がVB(撮像期間における光データ信号のデータ)となり、差動増幅器140における正入力端子(端子IN+)がVC(リセット期間における光データ信号のデータ)となった時点から、差動増幅器140における出力端子(端子Out)の電位は、VC−VBとなる。例えば、図4(A)に示す光検出装置の駆動方法例では、時刻T20(第2の選択動作完了時刻)に差動増幅器140における出力端子(端子Out)の電位が設定される。
【0120】
以上が図4(A)に示す光検出装置の駆動方法例である。
【0121】
図2乃至図4を用いて説明したように、本実施形態における光検出装置の一例では、リセット状態における光データ信号のデータと撮像状態における光データ信号のデータとの差分データを生成する。同じフレーム期間において、2つのデータには、共通のノイズが含まれる。例えば、リセット状態における光データ信号のデータをVr+Vz(Vzは、ノイズによる変化分)とし、撮像状態における光データ信号のデータをVr+Vz−Vp又はVr+Vz+Vpとした場合、2つのデータの差分データを生成すると、差分データは、Vp又は−Vpとなり、Vzに依存しない値となる。よって、差分データを生成することにより、生成されるデータからノイズ成分を除去できるため、ノイズによる影響を抑制できる。
【0122】
また、本実施形態における光検出装置の一例では、一つの光電変換素子に対し、ゲートに異なる信号が入力される複数の電荷伝送制御トランジスタを用いることにより、1種類の光データ信号から差分データを生成できるため、光検出回路の素子の数を少なくできる。よって、光検出装置の開口率を向上させることができる。また、2つの光データ信号はアナログ信号であるため、2つのアナログ信号のデータを用いて差分データを生成することができ、デジタル信号のデータを用いて差分データを生成する場合に比べ、生成されるデータからノイズによる変化分を除去する精度を高めることができる。
【0123】
また、本実施形態における光検出装置の一例では、電荷伝送制御トランジスタとしてオフ電流の低いトランジスタを用いることにより、トランジスタによるリーク電流を少なくできるため、リセット電位保持容量を小さくできる。よって、光電変換素子の面積を大きくできるため、ノイズによる影響を抑制できる。
【0124】
(実施形態3)
本実施形態では、光検出装置の例について説明する。
【0125】
まず、本実施形態における光検出装置の構成例について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態における光検出装置の構成例を示すブロック図である。
【0126】
図5に示す光検出装置は、光により情報の入力が可能な入力装置である。
【0127】
図5に示す光検出装置は、光検出部(Photoともいう)401と、制御部(Ctlともいう)402と、データ処理部(DataPともいう)403と、を含む。
【0128】
また、図5に示す光検出装置は、光検出駆動回路(PSDrvともいう)411と、複数の光検出回路(PSともいう)412と、データ入力選択回路(SCtlともいう)413と、差分データ生成回路(Difともいう)414と、読み出し回路(Readともいう)415と、A/D変換回路(A/Dともいう)416と、光検出制御回路421と、画像処理回路(ImgPともいう)431と、を具備する。
【0129】
光検出駆動回路411は、光検出部401に設けられる。光検出駆動回路411は、光検出動作を制御するための回路である。
【0130】
光検出駆動回路411は、パルス信号である光検出リセット信号、パルス信号である電荷蓄積制御信号、及びパルス信号である出力選択信号を少なくとも出力する。
【0131】
光検出駆動回路411は、例えば少なくとも3つのシフトレジスタを備える。このとき、光検出駆動回路411は、第1のシフトレジスタからパルス信号を出力させることにより、光検出リセット信号を出力し、第2のシフトレジスタからパルス信号を出力させることにより電荷蓄積制御信号を出力し、第3のシフトレジスタからパルス信号を出力させることにより、出力選択信号を出力できる。
【0132】
複数の光検出回路412は、光検出部401の画素部Pixにおいて行列方向に設けられる。なお、図5に示す光検出装置では、1個以上の光検出回路412により1つの画素が構成される。光検出回路412は、入射する光の照度に応じた値の電位である光データ信号を生成する。
【0133】
光検出回路412としては、実施形態1の光検出装置における光検出回路のいずれかを用いることができる。また、光検出回路412に冷却手段を設けてもよい。冷却手段を設けることにより熱によるノイズの発生を抑制できる。
【0134】
なお、複数の光検出回路412として、赤色を呈する光を受光する光検出回路、緑色を呈する光を受光する光検出回路、及び青色を呈する光を受光する光検出回路を設け、それぞれの光検出回路により光データ信号を生成し、生成した光データ信号のデータを合成してフルカラーの画像信号のデータを生成することもできる。また、上記光検出回路に加え、シアン、マゼンタ、及びイエローの一つ又は複数の色を呈する光を受光する光検出回路を設けてもよい。シアン、マゼンタ、及びイエローの一つ又は複数の色を呈する光を受光する光検出回路を設けることにより、生成される画像信号に基づく画像において、再現可能な色の種類を増やすことができる。例えば、光検出回路に、特定の色を呈する光を透過する着色層を設け、該着色層を介して光検出回路に光を入射させることにより、特定の色を呈する光の照度に応じた値の電位である光データ信号を生成できる。
【0135】
データ入力選択回路413は、画素部に各列の光検出回路毎に1つ設けられる。データ入力選択回路413には、1列分の光検出回路412から光データ信号が入力される。データ入力選択回路413としては、実施形態1の光検出装置におけるデータ入力選択回路を用いることができる。
【0136】
差分データ生成回路414は、画素部に各列のデータ入力選択回路413に電気的に接続される。差分データ生成回路414としては、実施形態1の光検出装置における差分データ生成回路を用いることができる。
【0137】
読み出し回路415は、光検出部401に設けられる。読み出し回路415は、光検出回路からデータを読み出す機能を有する。読み出し回路415は、各差分データ生成回路414の出力端子に電気的に接続される。
【0138】
読み出し回路415は、例えば選択回路を用いて構成される。例えば、選択回路は、トランジスタを備え、該トランジスタに従って光データ信号が入力されることにより、光データ信号のデータを読み出すことができる。
【0139】
A/D変換回路416は、光検出部401に設けられる。A/D変換回路416は、読み出し回路415から入力されたアナログデータをデジタルデータに変換する機能を有する。なお、必ずしもA/D変換回路416を光検出部401に設けなくてもよい。
【0140】
光検出制御回路421は、制御部402に設けられる。光検出制御回路421は、光検出動作を行うための回路の動作を制御する機能を有する。
【0141】
画像処理回路431は、データ処理部403に設けられる。画像処理回路431は、光検出部により生成された光データ信号を用いて画像データの生成を行う機能を有する。
【0142】
なお、画素部に表示回路を設けてもよい。これにより、光検出装置をタッチパネルとして機能させることもできる。
【0143】
次に、図5に示す光検出装置の駆動方法例について説明する。
【0144】
図5に示す光検出装置では、光検出回路412において、光データ信号を生成する。このとき、グローバルシャッター方式により、複数の光検出回路412において撮像を行うことにより、生成される画像の歪みを抑制できる。
【0145】
さらに、データ入力選択回路413により、光検出回路412がリセット状態における光データ信号を差分データ生成回路414の第1の入力端子に入力し、光検出回路412が撮像状態における光データ信号を差分データ生成回路414の第2の入力端子に入力する。
【0146】
さらに、差分データ生成回路414により差分データを生成する。
【0147】
さらに、読み出し回路415により差分データを読み出す。
【0148】
さらに、読み出した差分データをA/D変換回路416によりデジタルデータに変換する。該データは、例えば画像処理回路431などにより所定の処理に用いられる。
【0149】
以上が図5に示す光検出装置の駆動方法例の説明である。
【0150】
図5を用いて説明したように、本実施形態における光検出装置の一例では、列毎に差分データを生成することにより、差分データ生成回路の数を少なくできる。
【0151】
また、本実施形態における光検出装置の一例では、アナログデータによる差分データを生成した後にデジタルデータに変換することにより、生成されるデータからノイズによる変化分を除去する精度を高めることができる。よって、撮像画像の品質を向上させることができる。
【0152】
(実施形態4)
本実施形態では、上記実施形態における光検出装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0153】
本実施形態における電子機器の構成例について、図6及び図7を用いて説明する。
【0154】
図6(A)に示す電子機器は、デジタルカメラである。図6(A)に示すデジタルカメラは、筐体1001aと、レンズ1002aと、シャッターボタン1003と、電源ボタン1004と、フラッシュライト1005と、を具備する。
【0155】
さらに、筐体1001a内部に上記実施形態における光検出装置を具備する。これにより、例えばシャッターボタン1003を押すことにより、レンズ1002aを介して入射する光を光検出装置により検出し、撮影などを行うことができる。
【0156】
図6(B)に示す電子機器は、ビデオカメラである。図6(B)に示すビデオカメラは、筐体1001bと、レンズ1002bと、表示部1006と、を具備する。
【0157】
さらに、筐体1001b内部に上記実施形態における光検出装置を具備する。これにより、例えばレンズ1002bを介して入射する光を光検出装置により検出することにより、撮影などを行うことができる。
【0158】
さらに、図7に示す電子機器は、折り畳み式の情報端末の例であり、図7(A)は外観模式図であり、図7(B)は、ブロック図である。
【0159】
図7に示す電子機器は、図7(A)に示すように、筐体1600aと、筐体1600bと、パネル1601aと、パネル1601bと、軸部1602と、ボタン1603と、接続端子1604と、記録媒体挿入部1605と、レンズ1608と、を備える。また、図7に示す電子機器は、図7(B)に示すように、電源部1611と、無線通信部1612と、演算部1613と、音声部1614と、パネル部1615と、撮像部1616と、を有する。
【0160】
パネル1601aは、筐体1600aに設けられる。
【0161】
パネル1601bは、筐体1600bに設けられる。また、筐体1600bは、軸部1602により筐体1600aに接続される。
【0162】
パネル1601a及びパネル1601bは、表示パネルとしての機能を有する。例えば、パネル1601a及びパネル1601bに、互いに異なる画像又は一続きの画像を表示させてもよい。
【0163】
また、パネル1601a及びパネル1601bの一方又は両方がタッチパネルとしての機能を有してもよい。このとき、例えばパネル1601a及びパネル1601bの一方又は両方にキーボードの画像を表示させ、キーボードの画像に指1609などが触れることにより入力動作を行ってもよい。また、表示パネル及びタッチパネルを積層してパネル1601a及びパネル1601bの一方又は両方を構成してもよい。また、表示回路及び光検出回路を備える入出力パネルを用いてパネル1601a及びパネル1601bの一方又は両方を構成してもよい。
【0164】
図7(A)に示す電子機器では、軸部1602があるため、例えば筐体1600a又は筐体1600bを動かして筐体1600aを筐体1600bに重畳させ、電子機器を折り畳むことができる。
【0165】
ボタン1603は、筐体1600bに設けられる。なお、筐体1600aにボタン1603を設けてもよい。また、複数のボタン1603を筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方に設けてもよい。例えば、電源ボタンであるボタン1603を設けることにより、ボタン1603を押すことで電子機器をオン状態にするか否かを制御できる。
【0166】
接続端子1604は、筐体1600aに設けられる。なお、筐体1600bに接続端子1604を設けてもよい。また、複数の接続端子1604を筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方に設けてもよい。例えば、接続端子1604を介してパーソナルコンピュータと電子機器を接続することにより、パーソナルコンピュータにより、電子機器に記憶されたデータの内容を書き換えてもよい。
【0167】
記録媒体挿入部1605は、筐体1600aに設けられる。なお、筐体1600bに記録媒体挿入部1605を設けてもよい。また、複数の記録媒体挿入部1605を筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方に設けてもよい。例えば、記録媒体挿入部にカード型記録媒体を挿入することにより、カード型記録媒体から電子機器へのデータの読み出し、又は電子機器内データのカード型記録媒体への書き込みを行うことができる。
【0168】
レンズ1608は、筐体1600bに設けられる。なお、筐体1600aにレンズ1608を設けてもよい。また、複数のレンズ1608を筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方に設けてもよい。
【0169】
また、筐体1600a及び筐体1600bの内部に上記実施形態における光検出装置を具備する。レンズ1608を介して入射する光を光検出装置により検出し、静止画又は動画の撮影などを行うことができる。また、パネル1601a及びパネル1601bに上記実施形態における光検出装置を設けてもよい。光検出装置としては、例えば実施形態2に示す光検出装置を用いることができる。
【0170】
また、電源部1611は、電子機器を動作するための電力の供給を制御する機能を有する。例えば、電源部1611から無線通信部1612、演算部1613、音声部1614、及びパネル部1615に電力が供給される。電源部1611は、例えば蓄電装置を備える。蓄電装置は、筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方の内部に設けられる。なお、電子機器を動作するための電源電圧を生成する電源回路を電源部1611に設けてもよい。このとき、蓄電装置により供給される電力を用いて電源回路において電源電圧が生成される。また、電源部1611を商用電源に接続してもよい。
【0171】
無線通信部1612は、電波の送受信を行う機能を有する。例えば、無線通信部1612は、アンテナ、復調回路、変調回路などを備える。このとき、例えばアンテナによる電波の送受信を用いて外部とのデータのやりとりを行う。なお、無線通信部1612に複数のアンテナを設けてもよい。
【0172】
演算部1613は、例えば無線通信部1612、音声部1614、パネル部1615、及び撮像部1616から入力される命令信号に従って演算処理を行う機能を有する。例えば、演算部1613には、CPU、論理回路、及び記憶回路などが設けられる。
【0173】
音声部1614は、音声データである音の入出力を制御する機能を有する。例えば、音声部1614は、スピーカー、及びマイクを備える。
【0174】
電源部1611、無線通信部1612、演算部1613、及び音声部1614は、例えば筐体1600a及び筐体1600bの一方又は両方の内部に設けられる。
【0175】
パネル部1615は、パネル1601a(パネルAともいう)及びパネル1601b(パネルBともいう)の動作を制御する機能を有する。なお、パネル部1615にパネル1601a及びパネル1601bの駆動を制御する駆動回路を設け、パネル1601a及びパネル1601bにおける動作を制御してもよい。
【0176】
撮像部1616は、光検出装置1610を有する。撮像部1616は、光検出装置1610の動作を制御する機能を有する。
【0177】
なお、電源部1611、無線通信部1612、演算部1613、音声部1614、パネル部1615、及び撮像部1616の一つ又は複数に制御回路を設け、制御回路により動作を制御してもよい。また、演算部1613に制御回路を設け、演算部1613の制御回路により、電源部1611、無線通信部1612、音声部1614、パネル部1615、及び撮像部1616の一つ又は複数の動作を制御してもよい。
【0178】
また、電源部1611、無線通信部1612、音声部1614、パネル部1615、及び撮像部1616の一つ又は複数に記憶回路を設け、記憶回路により動作させる際に必要なデータを記憶させてもよい。これにより、動作速度を速くできる。
【0179】
また、図7に示す電子機器は、商用電源から電力の供給を受けることができ、また蓄電装置に蓄積された電力を用いることもできる。よって、例えば停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない場合であっても、蓄電装置を電源として用いることで、電子機器を駆動させることができる。
【0180】
図7に示す構成にすることにより、図7に示す電子機器を、例えば電話機、電子書籍、パーソナルコンピュータ、及び遊技機の一つ又は複数としての機能を有する構成にすることができる。
【0181】
図6及び図7を用いて説明したように、本実施形態における電子機器の一例は、上記実施形態における光検出装置を用いることができる。上記光検出装置を用いることにより、精度の高い撮像が可能な電子機器を提供できる。
【実施例1】
【0182】
本実施例では、実際に作製した光検出装置について説明する。
【0183】
本実施例における光検出装置は、行列方向に配列された複数の光検出回路と、各列の光検出回路の光データ信号が入力される複数の差分データ生成回路と、各差分データ生成回路の入力端子の電位を制御する複数のデータ入力選択回路と、を具備する。なお、光検出回路の行数は150行である。
【0184】
さらに、n行目(nは2以上の自然数)の光検出回路を含む光検出装置の回路構成について図8を用いて説明する。
【0185】
図8(A)に示す光検出装置は、光検出回路PSと、差分データ生成回路Difと、データ入力選択回路DISと、カラムバスCB1と、カラムバスCB2と、電界効果トランジスタ9028_1と、電界効果トランジスタ9028_2と、を具備する。
【0186】
光検出回路PSは、フォトダイオード9010と、電界効果トランジスタ9021乃至電界効果トランジスタ9024と、容量素子9031と、容量素子9032と、電界効果トランジスタ9025_1と、電界効果トランジスタ9025_2と、を備える。
【0187】
フォトダイオード9010のカソードは、光検出リセット信号線PRに接続される。
【0188】
電界効果トランジスタ9021におけるソース及びドレインの一方は、フォトダイオード9010におけるアノードに接続される。また、電界効果トランジスタ9021におけるゲートは、第1の電荷伝送制御信号線TX1に接続される。
【0189】
電界効果トランジスタ9022におけるソース及びドレインの一方は、フォトダイオード9010におけるアノードに接続される。また、電界効果トランジスタ9022におけるゲートは、第2の電荷伝送制御信号線TX2に接続される。
【0190】
容量素子9031における一対の電極の一方は、電界効果トランジスタ9021におけるソース及びドレインの他方に接続される。また、容量素子9031における一対の電極の他方には、接地電位が供給される。
【0191】
容量素子9032における一対の電極の一方は、電界効果トランジスタ9022におけるソース及びドレインの他方に接続される。また、容量素子9032における一対の電極の他方には、接地電位が供給される。
【0192】
電界効果トランジスタ9023におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ9021におけるソース及びドレインの他方に接続される。また、電界効果トランジスタ9023におけるゲートは、データ入力選択信号線Select1[n]に接続される。
【0193】
電界効果トランジスタ9024におけるソース及びドレインの一方には、電位Vpiが供給される。また、電界効果トランジスタ9024におけるゲートは、電界効果トランジスタ9022におけるソース及びドレインの他方、並びに電界効果トランジスタ9023におけるソース及びドレインの他方に接続される。
【0194】
電界効果トランジスタ9025_1におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ9024におけるソース及びドレインの他方に接続される。また、電界効果トランジスタ9025_1におけるソース及びドレインの他方は、カラムバスCB1に接続される。また、電界効果トランジスタ9025_1におけるゲートは、データ入力選択信号線Select1[n]に接続される。
【0195】
電界効果トランジスタ9025_2におけるソース及びドレインの一方は、電界効果トランジスタ9024におけるソース及びドレインの他方に接続される。また、電界効果トランジスタ9025_2におけるソース及びドレインの他方は、カラムバスCB2に接続される。また、電界効果トランジスタ9025_2におけるゲートは、データ入力選択信号線Select2[n]に接続される。
【0196】
差分データ生成回路Difは、差動増幅器(Differential Ampともいう)9040を備える。
【0197】
データ入力選択回路DISは、電界効果トランジスタ9026と、電界効果トランジスタ9027と、を備える。
【0198】
電界効果トランジスタ9026におけるソース及びドレインの一方は、カラムバスCB1に接続される。また、電界効果トランジスタ9026におけるソース及びドレインの他方は、差分データ生成回路Difにおける差動増幅器9040の負入力端子に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ9026におけるゲートは、データ入力選択信号線SelectPに接続される。
【0199】
電界効果トランジスタ9027におけるソース及びドレインの一方は、カラムバスCB2に接続される。また、電界効果トランジスタ9027におけるソース及びドレインの他方は、差分データ生成回路Difにおける差動増幅器9040の正入力端子に電気的に接続される。また、電界効果トランジスタ9027におけるゲートは、データ入力選択信号線SelectDに接続される。
【0200】
電界効果トランジスタ9028_1におけるソース及びドレインの一方には、電位Vp0が与えられる。また、電界効果トランジスタ9028_1におけるソース及びドレインの他方は、カラムバスCB1に接続される。また、電界効果トランジスタ9028_1におけるゲートは、電圧供給線Biasに接続される。
【0201】
電界効果トランジスタ9028_2におけるソース及びドレインの一方には、電位Vp0が与えられる。また、電界効果トランジスタ9028_2におけるソース及びドレインの他方は、カラムバスCB2に接続される。また、電界効果トランジスタ9028_2におけるゲートは、電圧供給線Biasに接続される。
【0202】
また、容量素子9033及び容量素子9034は、寄生容量である。
【0203】
次に、本実施例における光検出装置の駆動方法について図8(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
【0204】
図8(B)に示すように、まず光検出リセット信号線PRのパルス、第1の電荷伝送制御信号線TX1のパルス、第2の電荷伝送制御信号線TX2のパルスを入力して光検出回路PSをリセット状態にする。
【0205】
次に、第2の電荷伝送制御信号線TX2のパルスにより、電界効果トランジスタ9022をオフ状態にしてノードFD2の電荷を保持する。
【0206】
また、第1の電荷伝送制御信号線TX1のパルスにより、電界効果トランジスタ9021をオフ状態にしてノードFD1の電荷を保持する。
【0207】
上記動作を光検出回路毎に行う。
【0208】
次に、データ入力選択信号線Select2[K(Kは1以上150以下の自然数)]のパルスを入力し、カラムバスCB2に光データ信号を出力する。このときの光データ信号のデータは、光検出回路PSがリセット状態のときにおけるデータである。
【0209】
次に、データ入力選択信号線Select1[K(Kは1以上150以下の自然数)]のパルスを入力し、カラムバスCB1に光データ信号を出力する。このときの光データ信号のデータは、光検出回路PSが撮像状態のときにおけるデータである。
【0210】
また、データ入力選択信号線SelectPのパルスにより、カラムバスCB1を介して入力される光データ信号を差分データ生成回路Difにおける差動増幅器9040に出力し、データ入力選択信号線SelectDのパルスによりカラムバスCB2を介して入力される光データ信号を差分データ生成回路Difにおける差動増幅器9040に出力する。
【0211】
差分データ生成回路Difにおける差動増幅器9040では、カラムバスCB1を介して入力される光データ信号のデータとカラムバスCB2を介して入力される光データ信号のデータの差分データを生成し、該差分データを出力信号としてA/Dコンバータに出力する。
【0212】
以上が本実施例における光検出装置の駆動方法である。
【0213】
次に、図8(A)に示す光検出装置における光検出回路の構造について図9を用いて説明する。図9(A)は、平面模式図である。また、図9(B)は、図9(A)における線分A−Bの断面模式図である。なお、図9では、実際の寸法と異なる構成要素を含む。また、便宜のため、図9(B)では、図9(A)における線分A−Bの断面の一部を省略している。
【0214】
図9に示す光検出回路は、フォトダイオード9010、電界効果トランジスタ9021、電界効果トランジスタ9022と、容量素子9031と、容量素子9032と、電界効果トランジスタ9023と、電界効果トランジスタ9024と、電界効果トランジスタ9025_1と、及び電界効果トランジスタ9025_2と、を含む。
【0215】
電界効果トランジスタ9021乃至電界効果トランジスタ9023は、チャネルが形成される酸化物半導体層を含むトランジスタにより構成されるNチャネル型トランジスタである。また、電界効果トランジスタ9024、電界効果トランジスタ9025_1、及び電界効果トランジスタ9025_2は、チャネルが形成されるシリコン半導体層を含むNチャネル型トランジスタである。また、フォトダイオード9010は、シリコン半導体層を用いて構成される横接合型のPINダイオードである。
【0216】
また、図9(B)に示すように、光検出回路は、半導体層9513a及び半導体層9513bと、絶縁層9516と、導電層9517と、絶縁層9518と、酸化物半導体層9519と、導電層9520a乃至導電層9520eと、絶縁層9521と、導電層9522a乃至導電層9522cと、絶縁層9523と、導電層9524と、を含む。
【0217】
半導体層9513a及び半導体層9513bは、絶縁層9502を介して基板9500の上に設けられる。
【0218】
基板9500としては、単結晶シリコン基板を用いた。
【0219】
絶縁層9502としては、厚さ400nmの酸化シリコン層、厚さ50nm窒化酸化シリコン層、及び厚さ100nmの酸化シリコン層の積層を用いた。
【0220】
半導体層9513aは、N型領域9514a及びP型領域9515を含む。
【0221】
半導体層9513bは、N型領域9514b及びN型領域9514cを含む。
【0222】
半導体層9513bとしては、厚さ130nmの単結晶シリコン層を用いた。また、半導体層9513aとしては、厚さ130nmの単結晶シリコン層をエッチングした厚さ60nmの単結晶シリコン層を用いた。
【0223】
絶縁層9516は、半導体層9513a及び半導体層9513bの上に設けられる。絶縁層9516としては、厚さ20nmの酸化シリコン層を用いた。
【0224】
導電層9517は、絶縁層9516を介して半導体層9513bの上に設けられる。導電層9517としては、厚さ30nmの窒化タンタル層と厚さ170nmのタングステン層の積層を用いた。
【0225】
絶縁層9518は、絶縁層9516及び導電層9517の上に設けられる。絶縁層9518としては、厚さ50nmの酸化窒化シリコン層と厚さ500nmの酸化シリコン層の積層を用いた。
【0226】
酸化物半導体層9519は、絶縁層9518の上に設けられる。酸化物半導体層9519としては、厚さ20nmのIGZO層を用いた。
【0227】
導電層9520aは、絶縁層9516及び絶縁層9518を貫通して設けられた開口部を介して半導体層9513aにおけるN型領域9514aに接する。
【0228】
導電層9520bは、絶縁層9516及び絶縁層9518を貫通して設けられた開口部を介して半導体層9513aにおけるP型領域9515に接する。また、導電層9520bは、酸化物半導体層9519に接する。
【0229】
導電層9520cは、酸化物半導体層9519に接する。
【0230】
導電層9520dは、絶縁層9516及び絶縁層9518を貫通して設けられた開口部を介して半導体層9513bにおけるN型領域9514bに接する。
【0231】
導電層9520eは、絶縁層9516及び絶縁層9518を貫通して設けられた開口部を介して半導体層9513bにおけるN型領域9514cに接する。
【0232】
導電層9520a乃至導電層9520eとしては、厚さ100nmのタングステン層を用いた。
【0233】
絶縁層9521は、絶縁層9518、酸化物半導体層9519、及び導電層9520a乃至導電層9520eの上に設けられる。
【0234】
絶縁層9521としては、厚さ30nmの酸化窒化シリコン層を用いた。
【0235】
導電層9522aは、絶縁層9521を介して酸化物半導体層9519の上に設けられる。
【0236】
導電層9522bは、絶縁層9521を介して導電層9520cに重畳する。
【0237】
導電層9522cは、絶縁層9521の上に設けられる。
【0238】
導電層9522a乃至導電層9522cとしては、厚さ30nmの窒化タンタル層と厚さ135nmのタングステン層の積層を用いた。
【0239】
絶縁層9523は、絶縁層9521、及び導電層9522a乃至導電層9522cの上に設けられる。
【0240】
絶縁層9523としては、厚さ50nmの酸化アルミニウム層と厚さ300nmの酸化窒化シリコン層の積層を用いた。
【0241】
導電層9524は、絶縁層9523を貫通して設けられた開口部を介して導電層9522bに接する。
【0242】
導電層9524としては、厚さ50nmのチタン層と厚さ200nmのアルミニウム層と厚さ50nmのチタン層の積層を用いた。
【0243】
酸化物半導体層を含む電界効果トランジスタ(例えば電界効果トランジスタ9021)は、フォトダイオード9010及びシリコン半導体層を含む電界効果トランジスタ(例えば電界効果トランジスタ9024)の上に設けられる。これにより、面積の増大を抑制できる。
【0244】
以上が図8(A)に示す光検出装置における光検出回路の構造の説明である。
【0245】
図8及び図9を用いて説明したように、本実施例における光検出装置では、シリコン半導体層を用いてフォトダイオード及び電界効果トランジスタを形成し、さらにシリコン半導体層の上に酸化物半導体層を用いて電界効果トランジスタを形成することにより、上記実施形態における光検出装置を作製することができた。
【符号の説明】
【0246】
110 光電変換素子
121 電界効果トランジスタ
122 電界効果トランジスタ
123 電界効果トランジスタ
124 電界効果トランジスタ
125 電界効果トランジスタ
125_1 電界効果トランジスタ
125_2 電界効果トランジスタ
126 電界効果トランジスタ
127 電界効果トランジスタ
128 電界効果トランジスタ
131 容量素子
132 容量素子
140 差動増幅器
401 光検出部
402 制御部
403 データ処理部
411 光検出駆動回路
412 光検出回路
413 データ入力選択回路
414 差分データ生成回路
415 読み出し回路
416 A/D変換回路
421 光検出制御回路
431 画像処理回路
1001a 筐体
1001b 筐体
1002a レンズ
1002b レンズ
1003 シャッターボタン
1004 電源ボタン
1005 フラッシュライト
1006 表示部
1600a 筐体
1600b 筐体
1601a パネル
1601b パネル
1602 軸部
1603 ボタン
1604 接続端子
1605 記録媒体挿入部
1608 レンズ
1609 指
1610 光検出装置
1611 電源部
1612 無線通信部
1613 演算部
1614 音声部
1615 パネル部
1616 撮像部
9010 フォトダイオード
9021 電界効果トランジスタ
9022 電界効果トランジスタ
9023 電界効果トランジスタ
9024 電界効果トランジスタ
9025_1 電界効果トランジスタ
9025_2 電界効果トランジスタ
9026 電界効果トランジスタ
9027 電界効果トランジスタ
9028_1 電界効果トランジスタ
9028_2 電界効果トランジスタ
9031 容量素子
9032 容量素子
9033 容量素子
9034 容量素子
9040 差動増幅器
9500 基板
9502 絶縁層
9513a 半導体層
9513b 半導体層
9514a N型領域
9514b N型領域
9514c N型領域
9515 P型領域
9516 絶縁層
9517 導電層
9518 絶縁層
9519 酸化物半導体層
9520a 導電層
9520b 導電層
9520c 導電層
9520d 導電層
9520e 導電層
9521 絶縁層
9522a 導電層
9522b 導電層
9522c 導電層
9523 絶縁層
9524 導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光データ信号を生成する機能を有する光検出回路と、
第1のデータ信号及び第2のデータ信号が入力され、前記第1のデータ信号のデータと前記第2のデータ信号のデータとの差分データを生成する機能を有する差分データ生成回路と、
前記光データ信号のデータを、前記第1のデータ信号のデータとみなすか前記第2のデータ信号のデータとみなすかを決定する機能を有するデータ入力選択回路と、を具備することを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
光検出回路と、
差分データ生成回路と、
データ入力選択回路と、
データバスと、
前記データバスをリセットするか否かを制御するスイッチと、を具備し、
前記光検出回路が、
第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、入射する光の照度に応じて前記第1の電流端子及び前記第2の電流端子の間に電流が流れる光電変換素子と、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第1の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第2の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第1の容量素子と、
一対の電極の一方が前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第2の容量素子と、
ソース及びドレインの一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方に単位電位が供給され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方、並びに前記第3の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第4の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記データバスに電気的に接続される第5の電界効果トランジスタと、を備え、
前記差分データ生成回路が、
負入力端子及び正入力端子を有する差動増幅器を備え、
前記データ入力選択回路が、
ソース及びドレインの一方が前記データバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における負入力端子に電気的に接続される第6の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記データバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第7の電界効果トランジスタと、を備えることを特徴とする光検出装置。
【請求項3】
光検出回路と、
差分データ生成回路と、
データ入力選択回路と、
データバスと、
前記データバスをリセットするか否かを制御するスイッチと、を具備し、
前記光検出回路が、
第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、入射する光の照度に応じて前記第1の電流端子及び前記第2の電流端子の間に電流が流れる光電変換素子と、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第1の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第2の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第1の容量素子と、
ソース及びドレインの一方に単位電位が供給され、ゲートが前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方、並びに前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第3の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記データバスに電気的に接続される第4の電界効果トランジスタと、を備え、
前記差分データ生成回路が、
負入力端子及び正入力端子を有する差動増幅器を備え、
前記データ入力選択回路が、
ソース及びドレインの一方が前記データバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における負入力端子に電気的に接続される第5の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記データバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第6の電界効果トランジスタと、を備え、
ソース及びドレインの一方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第7の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第7の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第2の容量素子と、をさらに具備することを特徴とする光検出装置。
【請求項4】
光検出回路と、
差分データ生成回路と、
データ入力選択回路と、
第1のデータバスと、
第2のデータバスと、
前記第1のデータバスをリセットするか否かを制御する第1のスイッチと、
前記第2のデータバスをリセットするか否かを制御する第2のスイッチと、を具備し、
前記光検出回路が、
第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、入射する光の照度に応じて前記第1の電流端子及び前記第2の電流端子の間に電流が流れる光電変換素子と、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第1の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第2の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第1の容量素子と、
一対の電極の一方が前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第2の容量素子と、
ソース及びドレインの一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方に単位電位が供給され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方、並びに前記第3の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第4の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のデータバスに電気的に接続される第5の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第4の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第2のデータバスに電気的に接続される第6の電界効果トランジスタと、を備え、
前記差分データ生成回路が、
負入力端子及び正入力端子を有する差動増幅器を備え、
前記データ入力選択回路が、
ソース及びドレインの一方が前記第1のデータバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における負入力端子に電気的に接続される第7の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第2のデータバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第8の電界効果トランジスタと、を備えることを特徴とする光検出装置。
【請求項5】
光検出回路と、
差分データ生成回路と、
データ入力選択回路と、
第1のデータバスと、
第2のデータバスと、
前記第1のデータバスをリセットするか否かを制御する第1のスイッチと、
前記第2のデータバスをリセットするか否かを制御する第2のスイッチと、を具備し、
前記光検出回路が、
第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、入射する光の照度に応じて前記第1の電流端子及び前記第2の電流端子の間に電流が流れる光電変換素子と、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第1の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記光電変換素子の第2の電流端子に電気的に接続される第2の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第1の容量素子と、
ソース及びドレインの一方に単位電位が供給され、ゲートが前記第1の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方、並びに前記第2の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第3の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のデータバスに電気的に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第3の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第2のデータバスに電気的に接続される第5の電界効果トランジスタと、を備え、
前記差分データ生成回路が、
負入力端子及び正入力端子を有する差動増幅器を備え、
前記データ入力選択回路が、
ソース及びドレインの一方が前記第1のデータバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における負入力端子に電気的に接続される第6の電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインの一方が前記第2のデータバスに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第7の電界効果トランジスタと、を備え、
ソース及びドレインの一方が前記差動増幅器における正入力端子に電気的に接続される第8の電界効果トランジスタと、
一対の電極の一方が前記第7の電界効果トランジスタにおけるソース及びドレインの他方に電気的に接続される第2の容量素子と、をさらに具備することを特徴とする光検出装置。
【請求項6】
光データ信号を生成する光検出回路と、
第1のデータ信号及び第2のデータ信号が入力され、前記第1のデータ信号のデータと前記第2のデータ信号のデータとの差分データを生成する差分データ生成回路と、
前記光データ信号のデータを、前記第1のデータ信号のデータとみなすか前記第2のデータ信号のデータとみなすかを決定する機能を有するデータ入力選択回路と、を具備する光検出装置の駆動方法であって、
前記光データ信号のデータがリセット期間に取得したデータの場合に、前記光データ信号のデータを前記第2のデータ信号のデータとして前記差分データ生成回路に入力することと、
前記光データ信号のデータが撮像期間に取得したデータの場合に、前記光データ信号のデータを前記第1のデータ信号のデータとして前記差分データ生成回路に入力することと、を含むことを特徴とする光検出装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81164(P2013−81164A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205153(P2012−205153)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】