説明

光素子及びその製造方法

【課題】他の回路が集積されたバルク半導体基板に一体に集積可能な、光導波路及び光カップラを含む光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光導波路及びカップラ素子及びその製造方法は、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板にトレンチを形成し、下部クラッド層をトレンチ内に形成し、コア領域を下部クラッド層上に形成して得られる。反射要素、例えば、分布ブラッグ反射器が、光カップラ及び/または光導波路の下部に形成されうる。このような光素子は、シリコンフォトニクス技術によって、チップまたは基板上に他の半導体回路、例えばDRAMメモリ回路チップ内に一体に集積されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光素子及びその製造方法に係り、さらに詳細には、光通信を具現するのに使われる、他の回路が集積されたバルク半導体基板に一体に集積できる、光導波路及び光カップラを含む光素子、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ、光導波路及び光カップラのような光素子は、多様な装置やシステムで、高速及び低電力通信のために使われる。光接続(optical interconnection)は、半導体メモリ素子、モジュール及びシステムで、大容量、高速及び低電力の通信を達成するために使われてきた。かようなシステムで、光ファイバは、モジュール間の通信のために使われうる。光ファイバは、メモリ・モジュールと素子に光カップラによってカップリングされ、光信号は、光導波路によってモジュール内及びメモリ素子内で伝送されうる。
【0003】
小型化の要請によって、メモリ・モジュール、素子及びシステムで光接続は、一般的に光導波路及び光カップラが半導体ウェーハに集積されることを必要とする。一般的に、集積光導波路及び光カップラは、単結晶シリコン基板またはウェーハ上に形成されたシリコン酸化膜のような絶縁物質層を含むSOI(silicon−on−insulator)基板上に形成される。絶縁物質層は、光導波路のための下部クラッド層として機能する。下部クラッド層の屈折率より高い屈折率を有する非晶質(amorphous)シリコンのような光導波路のコア物質が下部クラッド層上に形成される。コア層の屈折率より低い屈折率を有する物質層のような上部クラッド層は、光導波路のクラッドを完成させるために、コア層上部及び/または周囲に形成されうる。上部クラッド層は、シリコン酸化層、ポリシリコン層、またはコアより低い屈折率を有する他の物質層でありうる。例えば、空気が上部クラッド層として機能しうる。
【0004】
一般的な素子が形成されているSOIウェーハは、一般的な半導体ウェーハよりはるかに高価である。また、一般的な集積光素子は、SOI基板に形成され、他の回路、例えば、メモリ素子回路は、一般的にSOI基板に形成されないので、他の回路、例えば、メモリ素子回路と光素子の完全にモノリシックな集積は、具現できない。従って、光素子は、一般的に他のチップ及び/または他のパッケージ上に分離された素子として形成するしかない。これが、素子、モジュール及びシステムの、サイズと複雑性の増大と単価の高騰を招く原因となる。
【0005】
小型、高速、低電力、且つ経済的なメモリ素子、モジュール及びシステムへの必要性が高まるにつれて、さらに廉価に製造され、サイズが小さく、高速及び低電力損失で動作し、単一チップまたはウェーハ上に他の回路と効率的に集積できる光接続素子及びシステムへの要求が大きくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の課題は、他の回路が集積されたバルク半導体基板に一体に集積可能な光導波路を提供することである。
本発明の第2の課題は、他の回路が集積されたバルク半導体基板に一体に集積可能な光カップラを提供することである。
本発明の第3の課題は、光導波路及び光カップラを含む集積光素子と共に一体に集積可能な半導体素子、例えばメモリ素子を提供することである。
本発明の第4の課題は、光導波路及び光カップラを含む光素子を含む光接続システムを有するモジュール、例えば、メモリ・モジュールを提供することである。
本発明の第5の課題は、光接続システム、例えば、メモリ・システムのための光接続システムであって、その中のメモリ・モジュール上のメモリ素子が、一体に集積された光導波路及び光カップラを含む光素子を含むような光接続システムを提供することである。
本発明の第6の課題は、その中のメモリ・モジュール上のメモリ素子が一体に集積された光導波路及び光カップラを含む光素子を含むような、メモリ素子、メモリ・モジュール、メモリ・システム及び接続システムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面(aspect)に係る光素子は、半導体基板を含む基板と、前記基板に位置するトレンチと、前記トレンチに位置する第1クラッド層(下部クラッド層)と、前記第1クラッド層の上に位置し、最上面と第1、第2の側壁を有する少なくとも1つのコア領域と、から構成される。
【0008】
一実施形態で、前記基板は、バルク単結晶シリコンから構成され、前記トレンチは、前記基板の表面に対して実質的に垂直な第1、第2の側壁を含む。
一実施形態で、前記光素子は、少なくとも1つの光導波路及び少なくとも1つの光カップラを含み、前記コア領域の第1側壁は、前記トレンチの第1側壁から距離dにあり、前記コア領域の第2側壁は、前記トレンチの第2側壁から距離dにある。
一実施形態で、前記距離d及びdは、0.27μmより大きく、前記光導波路での漏れ損失(leakage loss)は、1dB/mmより少ない。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面(top surface)は、前記基板の最上面より低く、前記距離d及びdは、0.35μmより大きく、前記光導波路での漏れ損失は、1dB/mmより少ない。
一実施形態で、前記光導波路は、光カップラに結合(カップリング)されており、前記光カップラは、前記第1クラッド領域の最上部の一部分に位置するグレーティング、垂直グレーティング・カップラ、光ビーム方向変更素子、光送受信器及び光電変換素子、電光変換素子のうち少なくとも一つによって構成され、前記光カップラは、光導波路の最上面と実質的に同一面に位置する最上面を含む。
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層と隣接して位置するか、または前記第1クラッド層の内部に位置する反射要素をさらに含み、前記反射要素は、金属反射器、ブラッグ反射器及び分布ブラッグ反射器のうち少なくとも一つによって構成され、前記反射要素は、少なくとも第1物質層及び第2物質層を含み、第1物質層及び第2物質層それぞれは、第1物質層及び第2物質層と異なる屈折率を有する第3物質層と接触している。
一実施形態で、前記光素子は、少なくとも前記コア領域の最上面と第1、第2側壁との一部分をカバーするように位置する第2クラッド層(上部クラッド層)をさらに含む。
一実施形態で、前記コア領域は、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン及び結晶化された非晶質シリコンのうち少なくとも一つによって構成される。
【0009】
本発明の他の側面に係る光素子は、バルク単結晶シリコン基板を含む半導体基板からなる基板と、前記基板に位置するトレンチと、前記基板の表面に実質的に垂直、またはトレンチの底より上方に大きいトレンチ幅を有するように外側に傾いたトレンチ側壁と、前記基板の最上面と同一平面、それより下方の平面、及び上方の平面のうち実質的にいずれか1つに最上面を有するように、前記トレンチに位置する第1クラッド層(下部クラッド層)と、前記第1クラッド層上に位置し、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン及び結晶化された非晶質シリコンのうち少なくとも一つを含むコア領域と、を含み、前記コア領域は、少なくとも一つの光導波路と、前記光導波路に結合され、光導波路の最上面と実質的に同一平面にある最上面を有する少なくとも1つの垂直光カップラとを備えるように位置し、前記コア領域の最上面と側壁との少なくとも一部分をカバーするように位置する第2クラッド層(上部クラッド層)とをさらに含むことを特徴とする。
【0010】
本発明のさらに他の側面に係る光素子の製造方法は、シリコン基板を含む半導体基板からなる基板にトレンチを形成する段階と、トレンチ内部に実質的に第1クラッド層(下部クラッド層)を形成する段階と、かつ前記第1クラッド層上にコア領域を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0011】
一実施形態で、前記第1クラッド層は、一般式Siを有する誘電物質から形成され、前記第1クラッド層の最上面は、実質的に基板の最上面と同一平面にあるか、または前記基板の最上面より低い平面にあるかのうちいずれか一つであり、前記基板は、バルク単結晶シリコンから構成される。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、前記コア領域を利用し、少なくとも1つの光導波路及び少なくとも1つの光カップラを形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、前記第1クラッド層の下方、上方、及び内部のうちいずれか一つに位置し、前記少なくとも1つの光導波路、光カップラ、及び前記光導波路と前記光カップラとが結合(カップリング)される領域のうち、少なくとも一つに隣接して位置する反射層を形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、コア領域の最上面と側壁とのうち少なくとも一部分をカバーする第2クラッド層を形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記コア領域を形成する段階は、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン、結晶化多結晶シリコン及び結晶化非晶質シリコンのうち少なくとも1層を形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、前記基板の上面に対して実質的に垂直な側壁を有するトレンチを形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、光導波路の最上面と同じ平面にある最上面を有するように光カップラを形成する段階をさらに含む。
一実施形態で、前記光素子の製造方法は、光グレーティング、垂直グレーティング・カップラ、光電変換器、電光変換器及び光送受信器のうち少なくとも一つを形成することをさらに含む。
一実施形態で、前記反射層を形成する段階は、金属反射層、ブラッグ反射器及び分布ブラッグ反射器のうち少なくとも一つを形成する段階を含み、前記反射層は、少なくとも第1物質層及び第2物質層を含み、前記第1物質層及び第2物質層それぞれは、前記第1物質層及び第2物質層と異なる屈折率を有する第3物質層と接触するように形成する段階を含む。

【0012】
本発明の一側面に係る光導波路は、半導体基板を含む基板と、前記基板に位置するトレンチと、前記トレンチに位置する第1クラッド層(下部クラッド層)と、前記第1クラッド層の上に位置し、最上面と第1、第2の側壁を有する少なくとも1つのコア領域と、から構成される。
【0013】
一実施形態で、前記基板は、バルクシリコン基板から構成される。
一実施形態で、前記コア領域の第1側壁は、前記トレンチの第1側壁から距離dにあり、前記コア領域の第2側壁は、前記トレンチの第2側壁から距離dにあり、前記コア領域は、幅wを有し、幅wは、前記第1側壁と第2側壁との間の距離であり、前記距離d及びdは、前記基板による光導波路で要求される光損失によって選択される。
一実施形態で、前記距離d及びdは、少なくとも0.27μmであり、前記基板による前記光導波路での漏れ損失は、1dB/mmより少ない。
一実施形態で、前記コア領域の第1側壁は、前記コア領域に隣接した第2コア領域の第1側壁から距離dにあり、前記コア領域の第2側壁は、前記コア領域に隣接した第3コア領域の第1側壁から距離dにあり、前記距離d及びdは、隣接したコア領域による光導波路で要求される光損失によって選択される。一実施形態で、距離d及びdは、少なくとも0.35μmより小さければ、コア領域に隣接した光導波路での漏れ損失は、1dB/mmより少ないか、同じでありうる。
一実施形態で、第1クラッド層の最上面は、半導体基板の最上面と平坦である。一実施形態で、第1クラッド層の最上面は、半導体基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記光導波路は、光カップラに結合(カップリング)されている。一実施形態で、前記光カップラは、垂直グレーティング・カップラである。一実施形態で、反射要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの前記光カップラ及び前記光導波路が形成された領域に位置する。一実施形態で、前記反射要素は、第1クラッド層に位置する。
一実施形態で、前記光導波路は、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を含むことができる。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記コア領域は、前記第1クラッド層より大きい屈折率を有する。
【0014】
本発明の他の側面に係る光カップラは、半導体基板を含む基板と、前記基板に形成されたトレンチと、前記トレンチに形成された第1クラッド層(下部クラッド層)と、前記第1クラッド層上に形成されたコア領域と、前記コア領域の上部に形成されたグレーティングと、を含む。
【0015】
一実施形態で、前記基板は、バルク単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記光カップラは、光導波路にカップリングされている。
一実施形態で、反射要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの前記光カップラ及び前記光導波路が形成された領域に位置する。
一実施形態で、前記反射要素は、第1クラッド層内に位置する。
一実施形態で、前記光カップラは、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記コア領域は、前記第1クラッド層より大きい屈折率を有する。
【0016】
本発明の他の側面に係る光素子は、シリコン基板を含む基板と、前記基板に形成された光導波路と、前記光導波路に結合(カップリング)された光カップラと、を含む。前記光導波路は、前記基板に形成されたトレンチ、前記トレンチに形成された第1クラッド層(下部クラッド層)、及び前記第1クラッド層上に形成されたコア領域を含む。前記光カップラは、前記光導波路のカップリング端部領域に形成される。
【0017】
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、半導体基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、半導体基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記光カップラは、前記コア領域に形成されたグレーティングによって構成される。
一実施形態で、前記光カップラは、垂直グレーティング・カップラである。
一実施形態で、反射要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの前記光カップラ及び光導波路が形成された領域に位置する。
一実施形態で、前記反射要素は、第1クラッド層内に位置する。
一実施形態で、前記光素子は、コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記コア領域は、前記第1クラッド層より大きい屈折率を有する。
【0018】
本発明の他の側面に係る光素子は、半導体基板を含む基板と、前記基板に形成されたトレンチと、前記トレンチに形成された第1クラッド層(下部クラッド層)と、前記第1クラッド層上に形成されたコア領域と、前記コア領域の上部の一部分に形成されたグレーティングを含む。
【0019】
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層と前記コア領域の少なくとも一部分を含む光導波路を含む。
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層と前記コア領域の少なくとも一部分を含む光カップラを含む。
一実施形態で、前記光カップラは、前記コア領域に形成されたグレーティングによって構成される。
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層及びコア領域の他の領域を含み、前記光導波路は、前記光カップラに結合(カップリング)されている。
一実施形態で、前記光素子は、光信号と電気信号とを変換する変換ユニットをさらに含む。
一実施形態で、前記光素子は、光信号を伝送して送受信する送受信器をさらに含む。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記反射要素は、前記第1クラッド層に位置する。
一実施形態で、前記光素子は、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記コア領域は、前記第1クラッド層より大きい屈折率を有する。
【0020】
本発明の他の側面に係る光導波路の製造方法によれば、トレンチがシリコン基板を含む半導体基板からなる基板に形成される。第1クラッド層(下部クラッド層)が前記トレンチに形成される。コア領域は、前記第1クラッド層上に形成される。
【0021】
一実施形態で、前記シリコン基板は、バルクシリコン基板である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記光導波路は、光カップラに結合(カップリング)されている。
一実施形態で、反射要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの前記光カップラ及び前記光導波路が形成された領域に位置する。
一実施形態で、前記反射要素は、前記第1クラッド層に位置する。
一実施形態で、前記製造方法は、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を形成することをさらに含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
【0022】
本発明の他の側面に係る光カップラの製造方法によれば、トレンチがシリコン基板を含む半導体基板からなる基板に形成される。第1クラッド層(下部クラッド層)が前記トレンチに形成される。コア領域が前記第1クラッド層上に形成される。グレーティングが前記コア領域の上部の一部に形成される。
【0023】
一実施形態で、前記半導体基板は、バルク単結晶シリコンである。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低い。
一実施形態で、前記光カップラは、光導波路に結合(カップリング)されている。
一実施形態で、前記反射要素の少なくとも一部分は、少なくとも1つの前記光カップラ及び光導波路が形成された領域に位置する。
一実施形態で、前記反射要素は、前記第1クラッド層に形成される。
一実施形態で、前記光カップラは、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を形成することを含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
【0024】
本発明の他の側面に係る光素子の製造方法は、シリコン基板を含む半導体基板からなる基板にトレンチを形成し、第1クラッド層(下部クラッド層)を前記トレンチに形成し、前記第1クラッド層上にコア領域を形成し、前記コア領域の上部の一部にグレーティングを形成することを含む。
【0025】
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層とコア領域の少なくとも一部分を含む光導波路を含む。
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層とコア領域の少なくとも一部分を含む光カップラを含む。
一実施形態で、前記光カップラは、前記コア領域に形成されたグレーティングによって構成される。
一実施形態で、前記光素子は、前記第1クラッド層及びコア領域の他の領域を含み、前記光導波路は、前記光カップラに結合(カップリング)されている。
一実施形態で、前記光素子は、光信号と電気信号とを変換する変換ユニットをさらに含む。
一実施形態で、前記光素子は、光信号を伝送して送受信する送受信器をさらに含む。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面と平坦である。
一実施形態で、前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低い。
一実施形態で、反射要素は、前記第1クラッド層に位置する。
一実施形態で、前記光素子は、前記コア領域の上面及び側壁を覆い包む第2クラッド層(上部クラッド層)を含む。
一実施形態で、前記コア領域は、多結晶シリコン及び非晶質シリコンのうちいずれか一つを結晶化して形成された欠陥性単結晶シリコンである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の思想によれば、光導波路及び光カップラを含む光素子を通常の半導体集積回路技術の範疇で形成し、これらの光素子を他のメモリなどの半導体素子と一体に集積できるので、光接続を用いた各種モジュール・システムの小型化、高速化、低電力化、且つ経済化の要請に応えることができる。

【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】本発明の思想の一実施形態による光導波路の概略断面図である。
【図1B】距離d及びdの関数による、図1Aの光導波路の基板を介した光漏れ損失のグラフである。
【図2】図1Aの光導波路を含む素子の一定部分の概略的な断面図である。
【図3A】本発明の思想の他の実施形態による光導波路の概略断面図である。
【図3B】距離d及びdの関数による、図3Aの光導波路の基板を介した光漏れ損失のグラフである。
【図4A】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4B】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4C】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4D】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4E】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4F】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図4G】本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5A】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5B】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5C】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5D】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5E】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5F】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図5G】本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路を製造する方法について説明するための概略断面図である。
【図6】本発明の思想の一実施形態による、集積光導波路に係わる垂直光カップリングについて説明するための概略斜視図である。
【図7】本発明の思想の一実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【図8】本発明の思想の他の実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【図9】本発明の思想の他の実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【図10】本発明の思想の他の実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【図11】本発明の思想の他の実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【図12】本発明の思想の他の実施形態による光カップラの概略斜視図である。
【0028】
【図13】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図7の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図14】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図8の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図15】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図9の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図16】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図10の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図17】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図11の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図18】分布ブラッグ反射器を含むように変形された図12の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
【図19】本発明の思想による光カップラの他の実施形態の光カップラの概略斜視図である。
【図20A】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図20B】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図20C】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図20D】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図20E】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図20F】本発明の思想の一実施形態により、図7に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21A】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21B】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21C】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21D】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21E】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図21F】本発明の思想の一実施形態により、図8に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22A】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22B】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22C】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22D】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22E】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図22F】本発明の思想の一実施形態により、図9に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【0029】
【図23A】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図23B】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図23C】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図23D】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図23E】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図23F】本発明の思想の一実施形態により、図10に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24A】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24B】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24C】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24D】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24E】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図24F】本発明の思想の一実施形態により、図11に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図25A】本発明の思想の一実施形態により、図12に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図25B】本発明の思想の一実施形態により、図12に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図25C】本発明の思想の一実施形態により、図12に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図25D】本発明の思想の一実施形態により、図12に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図25E】本発明の思想の一実施形態により、図12に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26A】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26B】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26C】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26D】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26E】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26F】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26G】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26H】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図26I】本発明の思想の一実施形態により、図13に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【0030】
【図27A】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27B】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27C】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27D】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27E】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27F】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図27G】本発明の思想の一実施形態により、図14に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28A】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28B】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28C】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28D】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28E】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28F】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28G】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28H】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図28I】本発明の思想の一実施形態により、図15に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29A】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29B】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29C】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29D】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29E】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29F】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29G】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図29H】本発明の思想の一実施形態により、図16に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【0031】
【図30A】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30B】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30C】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30D】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30E】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30F】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30G】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図30H】本発明の思想の一実施形態により、図17に説明された光カップラの製造方法について説明する概略斜視図である。
【図31】本発明の思想の実施形態に適用され、下部(底)クラッドの厚みに係わる光カップリング効率のグラフである。
【図32】本発明の思想の実施形態によって、光導波路及び光カップラを含む光素子、並びにその製造方法が適用されうる処理システムの概略ブロック図である。
【図33】本発明の思想の他の実施形態によって、光導波路及び光カップラを含む光素子、並びにその製造方法が適用されうる処理システムの概略ブロック図である。
【図34】本発明の思想の他の実施形態によって、光導波路及び光カップラを含む光素子、並びにその製造方法が適用されうる処理システムの概略ブロック図である。
【図35】メモリ回路が形成されたチップ(ダイ)と同じチップ(ダイ)上に集積された本発明の思想の光カップラ及び光導波路を有するメモリ回路、例えば、DRAMメモリ回路の概略機能図である。
【図36】本発明の思想の一実施形態による、本発明の思想の光導波路及び光カップラが適用されうるコンピュータまたは処理システムの一部分の概略斜視図である。
【図37】本発明の思想の一実施形態による、本発明の思想の光導波路及び光カップラが適用されうるコンピュータまたは処理システムの一部分の概略斜視図である。
【図38A】本発明の思想が適用されうる光接続、例えば、光導波路の概略斜視図である。
【図38B】本発明の思想が適用されうる光接続、例えば、光導波路の概略斜視図である。
【図38C】本発明の思想が適用されうる光接続、例えば、光導波路の概略斜視図である。
【図39】本発明の思想の一実施形態による光素子を含むパッケージ素子の概略断面図である。
【図40】本発明の思想が適用されうる一般的な処理システム、通信システムまたはディスプレイ・システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面に示すように、本発明の思想の特徴(features)及び利点(advantage)は、本発明の思想の望ましい実施形態のさらに詳細な説明を介して明確になるであろう。添付図面で説明するように、同じ参照番号は、他の図面で同じ部材を示している。図面は、必ずしも同一縮尺で表わしておらず、代わりに、本発明の思想の原理を強調して説明するように提供する。図面で、例えば膜または領域の厚みは、明細書の明確性のために誇張してある。
【0033】
添付図面を参照すれば、多様な例示的実施形態について説明している。ここでは、若干の例示的実施形態について説明するが、本発明の思想は、多様な形態でもって具現され、ここに説明される例示的実施形態に限定されるものではない。
【0034】
ある構成要素または層が、他の要素または層の上に位置する、連結される、またはカップリングされる、と説明する場合、ある構成要素または層が他の構成要素または層と、他の構成要素又は層が介在することなく直接的に接触して位置する、連結される、またはカップリングされる場合もあるが、ある構成要素または層と他の構成要素または層の間に他の構成要素または層が介在する場合もある。以下で同じ構成要素は、同じ部材を示す。ここに使われる用語、「及び/または」は、例示された部品の一つまたはそれ以上の組み合わせを含む。
【0035】
第1,第2,第3のような用語は、多様な構成要素、部品、領域、層及び/または部分を表現するために使うものであり、このような構成要素、部品、領域、層及び/または部分は、このような用語に限定されるものではない。このような用語は、構成要素、部品、領域、層及び/または部分を区分するために使うものである。従って、以下に説明される第1構成要素,部品,領域,層,部分は、本発明の思想を外れない限り、第2構成要素,部品,領域,層または部分でありうる。
比較用語、例えば、下、下部、上部、上は、図面に説明された他の構成要素または特徴との関係について説明するためのものである。比較用語は、図面に表示された方向に加え、素子の動作や使用において、異なる方向を含むことができる。例えば、図面にある素子が逆さまになっているとき、下にある構成要素や特徴は、他の構成要素や特徴の上に位置しうる。従って、「下」という用語は、上下方向を含むことができる。素子は、90°あるいは他の方向に回転移動することがあり、それによって適宜相対的な説明を行なう。
【0036】
ここで使用した用語は、単に特定の例示的実施形態について説明するために使うものであり、本発明の思想を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意図しない限り、複数の表現を含む。ここで、「包含する」または「有する」のような用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0037】
例示的実施形態は、断面図を参照して説明する。断面図は、理想化した例示的実施形態や中間構造物の概略的な説明である。本発明の実施形態は、多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるが、その中の特定実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとするものである。しかし、それは、本発明をこの特定の開示形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものであると理解せねばならない。例えば、四角形と説明されたイオン注入領域は、円形または閉曲線形であってもよい。イオン注入領域の境界線は、イオン注入領域とイオン注入されていない領域との2分線ではなく、イオン濃度は当然、境界線の内外で傾斜している。また、イオン注入によって形成する埋め込み領域は、埋め込み領域と、イオン注入がなされる表面との間の領域に形成されうる。このように図面に説明される領域は、例示的なものであり、それらの形状は、素子領域の実際の形状について説明するためのものではなく、本発明の思想の範囲を限定しようとするものではない。
【0038】
本発明の思想によれば、多様な光素子、例えば、光導波路及び光カップラが提供される。また、提供されるのは、本発明の思想の光素子を使用する回路配線(接続)システムである。具体的には、ある例示的実施形態は、半導体メモリ回路、例えば、DRAM(dynamic random−access memory)回路と共に使われた光配線システムを提供する。本発明の思想は、本発明の光素子及び配線システムを使用するモジュール、例えば、メモリ・モジュール、DRAMモジュール、DIMM(dual inline memory module)モジュール、及びDRAM DIMMモジュールを提供する。また、提供されるのは、本発明の思想による光素子、配線システム、及び/またはモジュールを使用するコンピュータ及び/またはプロセシング・システムである。
【0039】
以下、本発明の思想の多様な例示的実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0040】
図1Aは、本発明の思想の一実施形態による光導波路100の概略断面図である。光導波路100は、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン・ウェーハやバルクシリコン基板を含むバルク半導体基板からなる基板10の内部または上面上に形成される。基板10は、最上面(前表面)10a及び底面(背面)10bを含む。トレンチ領域12は、前表面10aを貫通して基板10の内部に形成される。トレンチ領域12は、側壁12a及び12bを有し、トレンチ幅TWを有する。
【0041】
第1クラッド層(以下、下部クラッド層という)14が、トレンチ12に形成される。下部クラッド層14は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなる。本実施形態で、下部クラッド層14の最上面は、基板10の最上面10aと平ら(平坦)である。かようなものは、トレンチ12内に下部クラッド層物質を形成した後、例えば、化学機械的研磨(CMP)により得られる。
【0042】
コア領域22aは、下部クラッド層14の最上面上に形成される。コア領域22aは、下部クラッド層14の屈折率より高い屈折率を有する物質からなる。例示的実施形態によれば、コア領域22aは、欠陥性単結晶シリコンから形成される。すなわち、コア領域22aは、低い結晶性、すなわち、単結晶バルクシリコンからなる基板の結晶欠陥より高い百分率の結晶欠陥を有する単結晶シリコンから形成される。コア領域22aは、光導波路100のコアの役割を行う。光は、コア領域22aを介して伝播し、光は、コア領域22aと下部クラッド層14との屈折率差によって、コア領域22aに閉じ込められる。すなわち、下部クラッド層14の低い屈折率が、下部クラッド層14より高い屈折率を有するコア領域22aの内部に伝播する光を閉じ込める。
【0043】
図1Aに示していないが、光導波路100は、コア領域22aの上面及び第1、第2の側壁(図で左右の側壁、以下同様)と下部クラッド層14の上面を覆う第2クラッド層(以下、上部クラッド層という)をさらに含むことができる。下部クラッド層14と同様に、上部クラッド層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなる。選択的に、上部クラッド層は省略できる。その場合、空気(air)が光導波路の上部クラッド層の役割を行う。上部クラッド層は、下部クラッド層14と同じ役割を行う。具体的には、上部クラッド層は、上部クラッド層の屈折率が、コア領域22aより低いので、コア領域22aの内部に伝播する光を閉じ込める。
【0044】
コア領域22aは、幅wを有する。コア領域22aの左側壁は、トレンチ12の左側壁12aから距離dに位置する。コア領域22aの右側壁は、トレンチ12の右側壁12bから距離dに位置する。距離d及びdは、本発明の思想によって選択され、光導波路100のコア領域22aでの光の伝播に際して引き起こされる、トレンチ12の側壁12a,12b及び基板10を介した光漏れ損失を低減し最小化する。図1Bは、距離d及びdの関数として表わした、図1Aの光導波路の基板10への光漏れ損失のグラフである。図1Bのグラフに示したように、この実施形態では、距離d及びdが0.27μmより小さくないとき、基板側への光漏れ損失は、1.0dB/mmより大きくない。このように、基板10側への、許容可能な光漏れ損失を得るために、距離d及びdは、数式:0.27μm≦d,d≦TW−w−0.27μmによって表現される。多くの場合に、さらに大きい光漏れ損失も許与されうる。本発明の思想によれば、d及びdが0.1μmより小さくない場合、基板10側への光漏れ損失は、24dB/mmより大きくない。従って基板10側への許容可能な光漏れ損失を得るために、距離d及びdは、数式:0.1μm≦d1,d2≦TW−w−0.1μmによって表現される。
【0045】
図2は、図1Aの光導波路100を含む光導波路100の一部分の概略的な断面図である。
図1Aの光導波路100の構成要素及び特徴と同じ図2の光導波路100の構成要素及び特徴については、反復して説明しない。図2に示す光導波路100の一部分は、図1Aの光導波路100に加えて別のコア領域22bを含み、コア領域22bは、図1Aのコア領域22aと同時に形成され、ダミーのコア領域として機能する。ダミーのコア領域22bは、光導波路100に隣接して形成された別の光導波路のコア領域でありうる。コア領域22aの左側壁は、左側のダミーのコア領域22bの右側壁から距離dに位置し、コア領域22aの右側壁は、右側のダミーのコア領域22bの左側壁から距離dに位置する。距離d及びdは、隣接したコア領域によって、光導波路100での光漏れ損失を低減または最小化するために、本発明の思想から選択されうる。本発明の思想によれば、一実施形態で、距離d及びdは、0.35μmより小さくないとき、隣接コア領域による光漏れ損失は、1dB/mmより大きくない。すなわち、1dB/mmより大きくない光漏れ損失を得るためには、d3,d4≧0.35μmである。
【0046】
図3Aは、本発明の思想の他の実施形態による光導波路200の概略断面図である。図1Aの光導波路の構成要素及び特徴と同じ図3Aの光導波路200の構成要素及び特徴については、反復して説明しない。光導波路200は、バルクシリコン・ウェーハやバルクシリコン基板を含む半導体基板からなる基板10の内部または上面上に形成される。基板10は、最上面(前表面)10a、及び底面(背面)10bを有する。トレンチ領域12は、前表面10aを経て基板10に形成される。トレンチ領域12は、側壁12a及び12bを有し、トレンチ幅TWを有する。
【0047】
下部クラッド層44は、トレンチ12に形成される。下部クラッド層44は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなる。本実施形態では、下部クラッド層44の最上面は、基板10の最上面10aより低い。
【0048】
コア領域52aは、下部クラッド層44の最上面上に形成される。コア領域52aは、下部クラッド層44の屈折率より高い屈折率を有する物質からなる。例えば、本実施形態では、コア領域52aは、欠陥性単結晶シリコンから形成される。すなわち、コア領域52aは、単結晶バルクシリコンからなる基板10より低い結晶性、すなわち、高い百分率の結晶欠陥を有する単結晶シリコンから形成される。コア領域52aは、光導波路200のコアとして機能する。光は、コア領域52aを介して伝播し、光は、コア領域52aと下部クラッド層44との屈折率差によって、コア領域52aに閉じ込められる。すなわち、低い屈折率の下部クラッド層44を伝播する光を、下部クラッド層より高い屈折率を有するコア領域52aの内部に閉じ込める。
【0049】
図3Aに示していないが、光導波路200は、コア領域52aの上面及び側壁と下部クラッド層44の上面を覆う上部クラッド層をさらに含むことができる。下部クラッド層44と同様に、上部クラッド層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなる。選択的に、上部クラッド層は省略できる。その場合、空気が、光導波路の上部クラッド層の役割を行う。上部クラッド層は、下部クラッド層44と同一機能を有する。具体的には、上部クラッド層は、上部クラッド層の屈折率がコア領域52aの屈折率より低いので、伝播光をコア領域52aの内部に閉じ込める役割を行う。
【0050】
コア領域52aは、幅wを有する。コア領域52aの左側壁は、トレンチ12の左側壁12aから距離dに位置する。コア領域52aの右側壁は、トレンチ12の右側壁12bから距離dに位置する。距離d及びdは、トレンチ12の本発明の思想によって選択され、光導波路200のコア領域52aでの光の伝播に際して引き起こされる、側壁12a及び12b及び基板10を介した光漏れ損失を低減し最小化する。図3Bは、距離d及びdの関数として表わした、図3Aの光導波路200の基板10を介した光漏れ損失グラフである。図3Bに示したように、この実施形態では、距離d及びdは0.35μmより小さくないとき、基板側への光漏れ損失は、1.0dB/mmより大きくない。このように、基板10への、許容可能な光漏れ損失を得るために、距離d及びdは、数式0.35μm≦d,d≦TW−w−0.35μmによって表現される。多くの場合に、さらに大きい光漏れ損失も許与されうる。本発明の思想によれば、距離d及びdが0.15μmより小さくないならば、基板側への光漏れ損失は、22dB/mmより少ないか、あるいはそれと同一である。従って、基板10への許容可能な光漏れ損失を得るために、距離d及びdは、式0.15μm≦d,d≦TW−w−0.15μmによって表現される。
【0051】
図1A及び3Aで説明された光導波路100及び200の実施形態の違いは、次の通りである。図1Aの実施形態では、下部クラッド層14の最上面は、基板10の最上面と平坦であるのに対して、図3Aの実施形態では、下部クラッド層44の最上面は、基板10の最上面より低い。すなわち、図3Aの実施形態では、コア領域52aは、トレンチ12内にリセス、即ち、埋め込まれている。これら2種の実施形態において光導波路をバルクシリコンからなる基板10に作り込む場合、光導波路には、シリコンフォトニクス(photonics)が適用でき、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)回路や半導体メモリ回路のような他の回路と共にチップやウェーハ上に容易に集積できる。一応用例ではコア領域は、他の回路要素との容易な集積のために、図1Aのコア領域22aのように、トレンチ12の最上部上での形成が要求される。他の応用例ではコア領域は、他の回路要素との容易な集積のために、図3Aのコア領域52aのように、トレンチ12内での形成が要求される。
【0052】
図3Aの光導波路で、コア領域52aは、高さh1であり、下部クラッド層44の最上面と基板10の最上面との間の距離が高さh2である。図3Aの実施形態は、h1及びh2が同一であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、h1がh2より大きい場合も小さい場合もありうる。相対的な高さh1及びh2は、同じチップまたはウェーハ上で、他の回路と光導波路200との容易な集積のために選択されうる。
【0053】
図4Aないし図4Gは、本発明の思想の一実施形態により、図1Aの光導波路100を製造する方法について説明するための概略断面図である。図4Aを参照すれば、基板10としてバルク半導体基板、ここではバルクシリコン基板が提供される。基板10は、最上面(前表面)10a、及び底面(背面)10bを有する。基板10は、選択的にエッチングされ、基板10に、側壁12a及び12bを有するトレンチ12が形成される。トレンチ12の深さは、トレンチ12内に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。次に、下部クラッド層14がトレンチ12内に形成される。下部クラッド層14は、下部クラッド層14上に後の工程で形成される光導波路のコア領域より低い屈折率を有する絶縁物質から形成される。下部クラッド層14の物質は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物である。本実施形態では、下部クラッド層14の最上面は、基板10の最上面10aと平坦である。これは、下部クラッド層の物質でトレンチ12を充填した後、下部クラッド層の物質に対して研磨工程、例えば、化学機械的研磨(CMP)を施して得られる。
【0054】
図4Bを参照すれば、非晶質半導体物質層、例えば、非晶質シリコン層16が、下部クラッド層14及び基板10の最上面10aの上に形成される。非晶質シリコン層16は、例えば、化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)または他の類似した工程によって形成されうる。次に、図4Cを参照すれば、非晶質シリコン層16は、少なくとも部分的に結晶化され、欠陥性単結晶シリコン層18に変化する。すなわち、欠陥性単結晶シリコン層18は、低い結晶性、すなわち、単結晶バルクシリコンからなる基板10より高い比率の結晶欠陥を有する単結晶シリコンからなる。非晶質シリコン層16の結晶化は、例えば、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、固相結晶化(SPC)または他の類似した方法によって行われる。
【0055】
図4Dを参照すれば、マスク・パターン20が、欠陥性単結晶シリコン層18上に形成され、光導波路のコア領域を画定する。マスク・パターン20は、例えば、フォトレジスト及び/またはフォトレジストとハードマスク物質との組み合わせによって形成される。次に、図4Eを参照すれば、構造物は、マスク・パターン20をエッチング・マスクとして選択的にエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層18のマスキングされていない領域を除去し、光導波路100のコア領域22aと22bを形成する。コア領域22bは、ダミーのコア領域、他の隣接した光導波路のコア領域や、配線などの他の目的に使われるコア領域である。
【0056】
次に、図4Fを参照すれば、マスク・パターン20が除去される。次に、図4Gを参照すれば、上部クラッド層23がコア領域22a、22bの上面及び側壁と、下部クラッド層14の上面を覆うように形成される。下部クラッド層14と同様に、上部クラッド層23は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。選択的に、上部クラッド層23は省略できる。その場合、本実施形態では空気が光導波路の上部クラッド層の役割を行う。上部クラッド層23は、下部クラッド層14と同一機能を有する。具体的には、上部クラッド層23は、上部クラッド層23の屈折率がコア領域22aの屈折率より低いので、伝播する光をコア領域22aに閉じ込める役割を行う。
【0057】
図5Aないし図5Gは、本発明の思想の一実施形態により、図3Aの光導波路200を製造する方法について説明するための概略断面図である。図5Aを参照すれば、基板10としてバルク半導体基板、ここではバルクシリコン基板が提供される。基板10は、最上面(前表面)10aと、底面(背面)10bを有する。基板10は、選択的にエッチングされ、基板10に、側壁12a及び12bを有するトレンチ12が形成される。トレンチ12の深さは、トレンチ12に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。次に、下部クラッド層44は、トレンチ12内に形成される。下部クラッド層44は、下部クラッド層44上に後の工程で形成される光導波路のコア領域より低い屈折率を有する絶縁物質から形成される。下部クラッド層44の物質は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物である。本実施形態では、下部クラッド層44の最上面は、基板10の最上面10aより低く形成する。
【0058】
図5Bを参照すれば、非晶質半導体物質層、例えば、非晶質シリコン層46が、下部クラッド層44及び基板10の最上面10aの上部に形成される。非晶質シリコン層46は、例えば、化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)または他の類似した工程によって形成されうる。次に、図5Cを参照すれば、非晶質シリコン層46は、少なくとも部分的に結晶化され、欠陥性単結晶シリコン層48に変化する。すなわち、欠陥性単結晶シリコン層48は、低い結晶性、すなわち、単結晶バルクシリコンからなる基板10より高い比率の結晶欠陥を有する単結晶シリコンから形成される。非晶質シリコン層46の結晶化は、例えば、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、固相結晶化(SPC)または他の類似した方法によって行われる。
【0059】
図5Dを参照すれば、マスク・パターン50が、欠陥性単結晶シリコン層48上に形成され、光導波路のコア領域を画定する。マスク・パターン50は、例えば、フォトレジスト及び/またはフォトレジストとハードマスク物質との組み合わせによって形成できる。次に、図5Eを参照すれば、構造物は、マスク・パターン50をエッチング・マスクとして選択的にエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層48のマスキングされていない領域を除去し、光導波路200のコア領域52aと52bを形成する。コア領域52bは、ダミーのコア領域、他の隣接した光導波路のコア領域や、配線などの他の目的に使われるコア領域である。
【0060】
次に、図5Fを参照すれば、マスク・パターン50が除去される。次に、図5Gを参照すれば、上部クラッド層53がコア領域52a、52bの上面及び側壁と、下部クラッド層44の上面を覆うように形成される。下部クラッド層44と同様に、上部クラッド層53は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成されうる。選択的に、上部クラッド層53は省略できる。その場合、本実施形態では空気が光導波路の上部クラッド層の役割を行う。上部クラッド層53は、下部クラッド層44と同一機能を有する。具体的には、上部クラッド層53は、上部クラッド層53の屈折率がコア領域52aの屈折率より低いので、伝播する光をコア領域52aに閉じ込める役割を行う。
【0061】
本発明の思想による集積光導波路は、他の素子、例えば、外部素子と、ここで説明される本発明の思想の多様な実施形態とによる光カップラによって、光学的にカップリングされる。図6は、本発明の思想の一実施形態による、集積光導波路に係わる垂直光カップラについて説明するための概略斜視図である。
【0062】
図6を参照すれば、本発明の思想の実施形態によれば、光導波路150は、前述の本発明の思想の多様な実施形態と同様に、半導体基板、例えばシリコン基板からなる基板10に集積される。光導波路150を外部装置と、光エネルギーを送信及び受信するようにカップリングするために、光導波路150の端部は、図6に、第1入力ファイバ121及び第2出力ファイバ123として示す光ファイバにカップリングされている。本発明の思想の実施形態によれば、光導波路150の端部は、光導波路150の断面より大サイズの断面を有するファイバ端部を受容するために、垂直方向ではなく水平方向(幅方向)にテーパされたテーパ部160及び170を備える。テーパ部160及び170は、それぞれ幅の広いカップリング端部190及び180に連結され、カップリング端部190及び180の上に、光カップラが形成される。
【0063】
本発明の思想の実施形態によれば、前記光カップラはグレーティング153、155を備える垂直グレーティング・カップラ(以下、VGCという)152、154を含む。入力ファイバ121の一端から放出される光は、カップリング端部190上のVGC(152)に形成されたグレーティング153に入射される。光は、グレーティング153によって光導波路150のコアにカップリングされ、光導波路150を介して伝播される。光導波路150の出力端側に伝播される光は、カップリング端部180上のVGC(154)に形成されたグレーティング155に入射される。グレーティング155は、光導波路150外部にある出力ファイバ123の端部に光をカップリングする。VGCのグレーティング構造は光の伝播方向を、垂直方向と水平方向との間で転換する。
【0064】
図6に示しているように、本発明の思想の実施形態による垂直グレーティング・カップラの場合、光導波路のカップリング端部は水平方向にテーパされており、垂直方向には比較的平坦である。従って、ファイバ端部は、光導波路のカップリング端部に対して垂直にカップリングすればよい。かような垂直カップリングは、光導波路及び光カップラを基板上に、または基板に形成された他の回路と共に集積する能力を向上するために望ましいことである。また、垂直カップリングは、素子サイズ、工程時間、複雑性及び費用を低減し、テストやパッケージのコストも節減する。
【0065】
本発明の思想の他の光カップラの多様な実施形態について、以下で説明する。本発明の思想に係る光カップラは、新規且つ非自明な形態の垂直グレーティング・カップラであって、そのグレーティングは、光導波路のカップリング端部のコア領域に形成される。前述の光導波路と同様に、本発明の思想による光カップラは、バルクシリコン基板を含むバルク半導体基板からなる基板のトレンチ内に形成される。
前記光カップラの下部クラッド層は、前記光カップラの動作特性によって決定された厚さをもってトレンチの底に形成される。下部クラッド層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなる。前記光カップラ用のコア領域は、下部クラッド層上に、非晶質シリコンまたはポリシリコンを蒸着して形成される。非晶質シリコンまたはポリシリコンは結晶化され、コア層が欠陥性単結晶シリコンに変更される。欠陥性単結晶シリコンは選択的にエッチングされて前記光カップラのコア領域となる。次に前記コア領域にグレーティングを形成する。本発明の思想による光カップラは前述の光導波路と同様に、シリコンフォトニクスの要請と両立しうる回路、例えば、CMOS回路またはメモリ回路と共に、単一ウェーハやチップに集積されうる。従って、ウェーハやチップ上の電気配線(接続)は、光配線(接続)により代替され、素子及びシステムは、高速、縮小されたサイズ、低電力損失及び高容量を得ることができる。
【0066】
図7は、本発明の思想の一実施形態による光カップラ1100の概略斜視図である。図7を参照すれば、光カップラ1100は、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120に形成される。トレンチ1185は、基板1120内に形成される。下部クラッド層1140は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質からなり、トレンチ1140内に形成される。以下、図面で、下部クラッド層1140は、その代表的物質であるシリコン酸化物(SiO)として表示する。光カップラ1100のコア領域1160は、連結された光導波路のカップリング端部1170のコア領域でもある。
コア領域1160は、下部クラッド層1140の上に形成される。本実施形態で、コア領域1160は、欠陥性単結晶シリコン(C−Si)によって形成される。一実施形態で、欠陥性単結晶シリコンは、非晶質シリコンを結晶化して設けられる。グレーティング1175は、コア領域1160内の上部に形成される。上部クラッド層1180は、一実施形態で、絶縁物質、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸化窒化物からなる。上部クラッド層1180は、光カップラ1100の上部に形成される。上部クラッド層1180は省略できる。その場合、空気が光カップラ1100(光導波路のカップリング端部1170を含む)の上部クラッドの役割を行う。
【0067】
図8は、本発明の思想の他の実施形態による光カップラ1200の概略斜視図である。図8の実施形態は、トレンチ1285及び下部クラッド層1240の側壁が、垂直ではなく傾斜しているを除いては、図7の実施形態と実質的に同様である。トレンチ1285及び下部クラッド層1240の傾斜した側壁は、光カップラ1200の製造を、特にトレンチ1285が深く形成されるときに、容易にする。傾斜したトレンチ壁は、特にトレンチが比較的深いとき、トレンチ形成工程の複雑性及びコストを低減する。光カップラ1200は前述の図7の場合と同じコア領域1160を含み、コア領域1160は、連結された光導波路のカップリング端部1170のコア領域でもあり、コア領域1160上には、グレーティング1175が形成される。光カップラ1200は、上部クラッド層1180を含むことができる。上部クラッド層1180は省略できる。その場合、空気が光カップラ1200(光導波路のカップリング端部1170を含む)の上部クラッド層になる。
【0068】
図9は、本発明の思想の他の実施形態による光カップラ1300の概略斜視図である。図9の実施形態は、欠陥性単結晶シリコン(C−Si)からなるコア領域1360が、非晶質シリコンの代わりに、ポリシリコンを結晶化して形成されることを除いては、図7の実施形態と実質的に同様である。接続された光導波路のカップリング端部1370のコア領域1360も、非晶質シリコンの代わりに、ポリシリコンを結晶化して形成される。光カップラ1300は、トレンチ1185に形成された下部クラッド層1140を含み、下部クラッド層1140は、基板1120に形成される。上部クラッド層1180が光カップラ1300の上部に形成できる。また、上部クラッド層1180は省略できる。その場合、空気が上部クラッド層になる。
【0069】
図10は、本発明の思想の他の実施形態による光カップラ1600の概略斜視図である。図10の実施形態は、トレンチ1685が下部クラッド層1640の物質で完全には満たされていないことを除いては、図7の実施形態と実質的に同様である。すなわち、下部クラッド層1640の最上面が、基板1620の最上面より低い。それによって、グレーティング1675を含むコア領域1660及び光導波路1670が、基板1620に対してリセスされている。図面に示していないが、上部クラッド層が光カップラ1600の上部に形成できる。また、上部クラッド層は省略できる。その場合、空気が上部クラッド層になる。
【0070】
図10の光カップラ1600の実施形態で、下部クラッド層1640の最上面が基板1620に対してリセスされているので、基板剰余領域AREはトレンチ1685に対して(離隔して)隣接する。領域AREの側壁は、コア領域1660の側壁から距離ITVほど離れている。領域AREは比較的高い屈折率を有する基板1920と同じ物質から形成されているので、基板1620内にリセスされたコア領域1660から領域AREへの漏れ損失が懸念されるが、距離ITVを適切に選択すれば、ARE領域への漏れ損失を所望のレベルに抑制できる。
【0071】
コア領域1660の高さは、下部クラッド層1640の厚さ及びトレンチ1685の深さによって決定される。この2つの特徴を適切に選択するならば、コア領域1660は、トレンチ1685内部に完全にリセスできる。また、コア領域1660の一部分は、トレンチ1685の上方に突出できる。リセスされた下部クラッド層1640の長所は、同一基板に共に製造されたCMOSトランジスタのような他の回路と、本発明の思想に係る光素子とをモノリシック集積した場合の価格及び複雑性を低減できる点にある。例えば、CMOSトランジスタの場合、一般的な光素子(光カップラ及び光導波路)の高さに比べ、トランジスタの高さが比較的低いにも拘わらず、本発明の思想に係る光素子(光カップラ及び光導波路)は基板の最上面下にあるトレンチ1685に埋め込まれているので集積化が容易である。
【0072】
図11は、本発明の思想の他の実施形態による光カップラ1900の概略斜視図である。図11の光カップラ1900は、図10の光カップラ1600の実施形態と実質的に同様であり、完成した構造は一般的に、図10の光カップラ1600の構造と同一である。2つの実施形態の差は、図23Aないし図23F及び図24Aないし図24Fを参照して後述するように、光カップラ1600及び1900を製造するのに使われる工程にある。
【0073】
図12は、本発明の思想の他の実施形態による光カップラ11000の概略斜視図である。図12の実施形態は、光カップラ11000及び光導波路のカップリング端部11070のコア領域11060が、欠陥性単結晶シリコンの代わりに、非晶質シリコン(A−Si)またはポリシリコン(Poly−Si)によって形成されることを除いては、図7の実施形態と実質的に同様である。しかしながら、コア領域11060の製造に際して、非晶質シリコンまたはポリシリコンのコア層蒸着後に、前述の他の実施形態のように欠陥性単結晶シリコンを形成するための結晶化プロセスを要しない。光カップラ11000は、トレンチ1185に形成された下部クラッド層1140を含み、トレンチ1185は、バルクシリコンからなる基板1120内に形成される。図示していないが、上部クラッド層が、光カップラの上部に形成できる。また、上部クラッド層は省略できる。その場合、空気が上部クラッド層になる。
【0074】
コア領域11060に対する非晶質シリコンまたはポリシリコンの適用を、図12の実施形態に係わってのみ説明したが、本明細書中に説明した、または説明する他の実施形態中のいずれの一つにも適用できる。すなわち、本願実施形態中のいずれの一つにおいても、コア領域が、欠陥性単結晶シリコンではなく、非晶質シリコンまたはポリシリコンになりうる。
【0075】
本発明の思想の別の実施形態では、反射要素が、光カップラの下部に含まれ、また、集積された光導波路の下部に含まれうる。反射要素は、光効率、すなわち、光カップラや光導波路の光損失を減らすために提供される。本実施形態で、反射要素は、下部クラッド層に形成された分布型ブラッグ反射器(Distributed_Bragg_Reflector,DBRと略す)である。DBRは、異なる屈折率を有する物質を交互に蒸着して形成される多層構造をとる。本実施形態で、DBR構造は、3層を有することができ、このうち2層は、A及びBで表示され、層A及び層Bと異なる屈折率を有する第3層によって分離される。層数は要求されるDBRの所望の反射度によって決定される。層A及び層Bの屈折率は、典型的に同一であるが、DBRの所望の性能によって異なりうる。
【0076】
一実施形態で、DBRは、DBRを基板から分離するように下部クラッド層の第1の積層部分と第3の積層部分の間に形成される。コア領域直下に当るべき下部クラッド層の第2の積層部分がDBR上に形成される。下部クラッド層の第2の積層部分は、DBRが形成されない他の実施形態での下部クラッドと同一機能を行う。この層は、厚みを調節することによって、DBRから反射された光波をして、グレーティング・カップラから直接カップリングされずに出てきた(directly_outcoupled)光波と干渉させるのに使われうる。
【0077】
図13ないし図18は、それぞれ分布ブラッグ反射器を含むように変形された、図7ないし図12の本発明の思想の実施形態の概略斜視図である。
図13ないし18の各実施形態のDBRは、層A及び層Bを含む。層A及び層Bは、屈折率が同一であるか、あるいは類似した物質によって設けられ、層A及び層Bと屈折率が異なる物質層によって分離される。3層DBRの使用は便宜のためである。前述のようにDBRは、要求される反射度によって決まる複数の層からなりうる。
図13ないし図18のそれぞれは、DBRが必ずしも光カップラの下部にのみ設けられることを意図していない旨を説明している点に留意して欲しい。即ち、DBRは、光導波路の下部に位置し、光導波路での光損失を減らすことができる。前述のと同じ特徴及び構成要素の説明は反復しない。図13ないし図18の一部実施形態では上部クラッド層1180を付け、残りの一部実施形態では上部クラッド層1180を付けていない。しかしながら前述のように、全ての実施形態は上部クラッド層1180を有することもあり、また省略することもある。省略される場合、空気が上部クラッド層の役割を行う。
【0078】
図13を参照すれば、光カップラ1100Aは、下部クラッド層の第1の積層部分1140と第3の積層部分の間にDBRを含む。下部クラッド層の第2の積層部分となる追加層1142は、DBR及び下部クラッド層の第1の積層部分1140上に形成される。追加層1142は、下部クラッド層の第1の積層部分1140と同一物質によって設けられる。
【0079】
図14を参照すれば、光カップラ1200Aは、傾斜側壁を有する下部クラッド層1240内にDBRを含む。
【0080】
図15を参照すれば、光カップラ1300Aは、下部クラッド層の第1の積層部分1140と第3の積層部分の間にDBRを含む。追加層1142は、DBR及び下部クラッド層1140の上に形成される。追加層1142は、下部クラッド層の第1の積層部分1140と同一物質によって設けられる。
【0081】
図16を参照すれば、光カップラ1600Aは、下部クラッド層1640内にDBRを含む。
【0082】
図17を参照すれば、光カップラ1900Aは、下部クラッド層1940内にDBRを含む。
【0083】
図18を参照すれば、光カップラ11000Aは、下部クラッド層1940内にDBRを含む。
【0084】
図19は、本発明の思想による、他の実施形態の光カップラ1800Aの概略斜視図である。図19を参照すれば、光カップラ1800Aは、下部クラッド層1140内にDBRを含む。光カップラ1800Aは、図13ないし図15に説明された実施形態1100A及び1300Aと実質的に類似しているが、図19の実施形態では、幅の狭いトレンチ1886と、その上の幅の広いトレンチ1885を含み、隣接する光導波路間の間隔はトレンチ1885によって決定され、基板の剰余部分AREが比較的狭くなる。これは、隣接する光導波路間の距離が、光導波路用のトレンチ1886より大きいようにセッティングすることによって決定される。DBR及び下部クラッド層1140は、トレンチ1886内に形成され、コア領域1160は、下部クラッド層の第1の積層部分1140の上方に追加層(下部クラッド層の第2の積層部分)1142を介して形成される。トレンチ1885の両側の側壁は、狭い剰余部分ARE及び増大したITV距離が設けられるように、離隔される。コア領域から離隔したトレンチ1885の側壁は、コア領域が基板1120と近接することによる光素子(光カップラないし光導波路)における光損失を低減できる。
【0085】
図20Aないし図20Fは、本発明の思想の一実施形態による、図7で説明した光カップラ1100の製造方法について説明する概略斜視図である。
図20Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1185が、選択的エッチングによって基板1120に形成される。トレンチ1185の深さは、トレンチ1185に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。下部クラッド層の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路に要求される性能に基づいて決定される。
【0086】
図20Bを参照すれば、下部クラッド層1140がトレンチ1185内に形成され、下部クラッド層1140の最上面は、基板1120の最上面と平坦である。下部クラッド層1140は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
【0087】
図20Cを参照すれば、非晶質シリコン層(A−Si)1155が下部クラッド層1140及び基板1120の最上面の上に形成される。図20Dを参照すれば、非晶質シリコン層1155は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域となるべき欠陥性単結晶シリコン層(C−Si)1160が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)のいずれかの方法でありうる。
【0088】
図20Eを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1160上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるべきグレーティング1175に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1160は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1160にグレーティング1175が形成される。
【0089】
図20Fを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1160が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1175を有する最終的なコア領域1160が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1170となるコア領域1160が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上部に形成される。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1140と同一物質によって設けられうる。
【0090】
図21Aないし図21Fは、本発明の思想の一実施形態による、図8で説明した光カップラ1200の製造方法について説明する概略斜視図である。
図21Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120が提供される。傾斜した側壁を有するトレンチ1285が、選択的なエッチングによって基板1120に形成される。トレンチ1285の深さは、トレンチ1285に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。下部クラッド層の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路に要求される性能に基づいて決定される。
【0091】
図21Bを参照すれば、下部クラッド層1240がトレンチ1285内に形成され、下部クラッド層1240の最上面は、基板1120の最上面と平坦である。下部クラッド層1240は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
【0092】
図21Cを参照すれば、非晶質シリコン層(A−Si)1155が下部クラッド層1240及び基板1120の最上面の上に形成される。図21Dを参照すれば、非晶質シリコン層1155は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域となるべき欠陥性単結晶シリコン層(C−Si)1160が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)のいずれかの方法でありうる。
【0093】
図21Eを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1160上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるべきグレーティング1175に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1160は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1160にグレーティング1175が形成される。
【0094】
図21Fを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1160が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1175を有する最終的なコア領域1160が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1170となるコア領域1160が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上部に形成される。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1140と同一物質によって設けられうる。
【0095】
図22Aないし図22Fは、本発明の思想の一実施形態による、図9で説明した光カップラ1300の製造方法について説明する概略斜視図である。
図22Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1185が、選択的エッチングによって基板1120に形成される。トレンチ1185の深さは、トレンチ1185に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。下部クラッド層の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路に要求される性能に基づいて決定される。
【0096】
図22Bを参照すれば、下部クラッド層1140がトレンチ1185内に形成され、下部クラッド層1140の最上面は、基板1120の最上面と平坦である。下部クラッド層1140は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
【0097】
図22Cを参照すれば、ポリシリコン層(poly−Si)1355が下部クラッド層1140及び基板1120の最上面の上に形成される。図22Dを参照すれば、ポリシリコン層1355は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域となるべき欠陥性単結晶シリコン層1360が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)のいずれかの方法でありうる。
【0098】
図22Eを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1360上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるグレーティング1175に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1360は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1360にグレーティング1175が形成される。
【0099】
図22Fを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1360が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1175を有する最終的なコア領域1360が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1370となるコア領域1360が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上部に形成される。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1140と同一物質によって設けられうる。
【0100】
図23Aないし図23Fは、本発明の思想の一実施形態による、図10で説明した光カップラ1600の製造方法について説明する概略斜視図である。
図23Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1620が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1685が、選択的エッチングによって基板1620に形成される。トレンチ1685の深さは、トレンチ1685に形成される下部クラッド層の所望の厚さ、及び基板1620の上部表面に対する光カップラ及び光導波路の所望の高さに基づいて決定される。
【0101】
図23Bを参照すれば、下部クラッド層1640がトレンチ1685内に形成され、下部クラッド層1640の最上面は、基板1620の最上面と平坦である。下部クラッド層1640は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
図23Cを参照すれば、下部クラッド層1640が、トレンチ1685内で所望の厚さにエッチングされ、下部クラッド層1640の最上面が、基板1620の最上面より下に位置し、その結果光カップラ及び光導波路は、トレンチ1685内にリセスできる。下部クラッド層1640の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路の要求される性能に基づいて決定される。次に、非晶質シリコン層(A−Si)1655は、トレンチ1685内の下部クラッド層1640の上に形成される。
【0102】
図23Dを参照すれば、非晶質シリコン層1655は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域のための欠陥性単結晶シリコン層1660が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)の方法のいずれかでありうる。
【0103】
図23Eを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1660上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるグレーティング1675に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1660は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1660にグレーティング1675が形成される。
【0104】
図23Fを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1660が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1675を有する最終的なコア領域1660が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1670となるコア領域1660が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上部に形成される。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1640と同一物質によって設けられうる。
【0105】
図24Aないし図24Fは、本発明の思想の一実施形態による、図11で説明した光カップラ1900の製造方法について説明する概略斜視図である。
図24Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1920が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1985が、選択的エッチングによって基板1920に形成される。トレンチ1985の深さは、トレンチ1985に形成される下部クラッド層の所望の厚さ、及び基板1920の上部表面に対する光カップラ及び光導波路の所望の高さに基づいて決定される。
【0106】
図24Bを参照すれば、下部クラッド層1940がトレンチ1985内に形成されるが、下部クラッド層1940の最上面は、基板1620の最上面より低く位置する。下部クラッド層1940は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。下部クラッド層1940は、トレンチ1985内に所定の高さに形成され、下部クラッド層1940の上部表面は、基板1920の上部表面より低く位置し、また光カップラ及び光導波路は、トレンチ1985内にリセスされる。下部クラッド層1940の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路の要求される性能に基づいて決定される。
【0107】
図24Cを参照すれば、非晶質シリコン層(A−Si)1955は、トレンチ1985内の下部クラッド層1940上に形成される。図24Dを参照すれば、非晶質シリコン層1955は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域となるべき欠陥性単結晶シリコン層1960が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)のいずれかの方法でありうる。
【0108】
図24Eを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1960上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるべきグレーティング1975に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1960は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1960に、グレーティング1975が形成される。
【0109】
図24Fを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1960が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1975を有する最終的なコア領域1960が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1970となるコア領域1960が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上部に形成される(図示せず)。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1640と同一物質によって設けられうる。
【0110】
前述の図23Aないし23Fは、図10の光カップラ1600を製造する工程を図示したものであり、一方、前述の図24Aないし24Fは、図11の光カップラ1900を製造する工程を図示したものである。光カップラ1600及び1900は、実質的に類似しているか、あるいは同じ構造を有することができる。2つの実施形態間の差異点は、前述した図23B、24Cと図24B、24Cを比較すると分かるように、通り製造工程にある。
【0111】
図25Aないし図25Eは、本発明の思想の一実施形態による、図12で説明した光カップラ11000の製造方法について説明する概略斜視図である。
図25Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1185が、選択的エッチングによって基板1120に形成される。トレンチ1185の深さは、トレンチ1185に形成される下部クラッド層の所望の厚さに基づいて決定される。クラッド層の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路に要求される性能に基づいて決定される。
【0112】
図25Bを参照すれば、下部クラッド層1140がトレンチ1185に形成され、下部クラッド層1140の最上面は、基板1120の最上面と平坦である。下部クラッド層1140は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
【0113】
図25Cを参照すれば、非晶質シリコン(A−Si)またはポリシリコン(Poly−Si)からなるシリコン層11060が、下部クラッド層1140及び基板1120の上部に形成される。図25Dを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)がシリコン層11060の上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるべきグレーティング11075に要求されるパターンにパターニングされる。シリコン層11060は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、シリコン層11060にグレーティング11075が形成される。
【0114】
図25Eを参照すれば、シリコン層11060が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング11075を有する最終的なコア領域11060が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部11070となるコア領域11060が形成されうる。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上に形成されうる。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1140と同一物質によって設けられうる。
【0115】
前述の通り、本発明の思想による光カップラは、光カップリング及び光伝送効率を改善して光損失を減らすために、反射要素、例えば、DBRを含むことができる。反射要素は、本発明の思想によれば、光カップラ及び/または光導波路の下部、もしくは、光カップラ及び/または光導波路の間に形成されうる。前述の通り、DBRは、異なる屈折率を有する物質を交互に蒸着して形成される多層構造である。ここで説明される本発明の思想の一実施形態で、DBR構造は、3層を有することができ、このうち2層は、A及びBで表示され、層A及び層Bと異なる屈折率を有する第3層によって分離される。層数は、要求されるDBRの所望の反射度によって決定されうる。層A及び層Bの屈折率は、典型的に同一であるが、DBRの所望の性能によって異なりうる。
【0116】
一実施形態で、DBRは、基板からDBRを分離する下部クラッド層の第3の積層部分上に形成される。コア層のすぐ下に下部クラッドの第1、第2の積層部分がDBR上に形成される。下部クラッド層の第2の積層部分は、DBRが形成されない他の実施形態での下部クラッドと同じ機能を行う。この層は、厚みを調節することによって、DBRから反射された光導波をして、グレーティング・カップラからカップリングされない光導波と干渉させるのに使われうる。
【0117】
図26Aないし図26Iは、本発明の思想の一実施形態による、図13で説明した光カップラ1100Aの製造方法について説明する概略斜視図である。
図26Aを参照すれば、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコン基板からなる基板1120が提供される。垂直側壁を有するトレンチ1185が、選択的エッチングによって、基板1120に形成される。トレンチ1185の深さは、トレンチ1185に形成される下部クラッド層の要求される厚さに基づいて決定される。下部クラッド層の厚さは、光カップラ及び光カップラに連結された光導波路に要求される性能に基づいて決定される。
【0118】
図26Bを参照すれば、後述の下部クラッド層の第1の積層部分1140と同一物質の下部クラッド層の第3の積層部分1141が、トレンチ1185の底面及び側壁を含む基板1120の上表面に形成される。層A及び層Bと異なる屈折率を有する物質層によって分離される層A及び層Bを含むDBR構造が、層1141上に形成される。
図26Cを参照すれば、下部クラッド層の第1の積層部分1140が、DBR上のトレンチ1185に形成され、下部クラッド層の最上面は、基板1120の最上面と平坦である。下部クラッド層1140は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン酸化窒化物のような絶縁物質から形成される。
図26Dを参照すれば、下部クラッド層の第1の積層部分1140、下部クラッド層の第3の積層部分1141及びDBRが素子に要求される形状及び性能特性に基づいて、所定の深さにエッチングされる。図26Eを参照すれば、追加クラッド層(下部クラッド層の第2の積層部分)1142が、トレンチを充填するように下部クラッド層の第1の積層部分1140、下部クラッド層の第3の積層部分1141及びDBR上に形成され、追加クラッド層(下部クラッド層の第2の積層部分)1142の最上面は、基板1120の最上面と平坦になる。
【0119】
図26Fを参照すれば、非晶質シリコン層(A−Si)1155が、光カップラ及び光導波路の上に形成される。図26Gを参照すれば、非晶質シリコン層1155は結晶化され、光カップラ及び光導波路のコア領域となるべき欠陥性単結晶シリコン層1160が形成される。結晶化方法は、レーザ・エピタキシャル成長(LEG)、固相エピタキシ(SPE)、エピタキシャル・ラテラル過成長(ELO)、選択的エピタキシャル成長(SEG)、または固相結晶化(SPC)のいずれかの方法でありうる。
【0120】
図26Hを参照すれば、フォトレジスト及び/またはハードマスクからなるマスク(図示せず)が欠陥性単結晶シリコン層1160上に形成され、光カップラのコア領域上に形成されるべきグレーティング1175に要求されるパターンにパターニングされる。欠陥性単結晶シリコン層1160は、パターニングされたマスクを利用してエッチングされ、欠陥性単結晶シリコン層1160に、グレーティング1175が形成される。
【0121】
図26Iを参照すれば、欠陥性単結晶シリコン層1160が選択的にエッチングされ、光カップラ用グレーティング1175を有する最終的なコア領域1160が設けられる。同時に、接続された光導波路のカップリング端部1170となるコア領域1160が形成される。選択的に、上部クラッド層1180が、光カップラ及び光導波路の上に形成されうる。上部クラッド層1180は、下部クラッド層1140と同一物質によって設けられうる。
【0122】
図27Aないし図27Gは、本発明の思想の一実施形態による、図14で説明した光カップラ1200Aの製造方法について説明する概略斜視図である。
本製造方法は、前述の図26Aないし図26Iに係る方法、及び前述の図21Aないし図21Fに係る方法と類似している。当業者であれば、図21Aないし図21F、及び図26Aないし図26Iから、本製造方法を理解することでできるであろう。従って、本製造方法の詳細な説明を反復しない。
【0123】
図28Aないし図28Iは、本発明の思想の一実施形態による、図15で説明した光カップラ1300Aの製造方法について説明する概略斜視図である。本製造方法は図28F及び図28Gの段階を除いて、前述の図26Aないし図26Iに係る製造方法(図13で説明した光カップラ1100Aの製造方法)と、図26F及び図26Gの段階を除いて同一である。
図28Fに示したように、ポリシリコン層(Poly−Si)1355は、図26Fに示した非晶質シリコン層1155の代わりに形成される。図28Gに示すように、ポリシリコン層1355は結晶化され、欠陥性単結晶シリコン層1360を形成する。図15の光カップラ1300Aを製造する方法において、残りの段階は図13の光カップラ1100Aの製造方法と同一であるので、詳細な説明を反復しない。
【0124】
図29Aないし図29Hは、本発明の思想の一実施形態による、図16で説明した光カップラ1600Aの製造方法について説明する概略斜視図である。
本製造方法は、前述の図26Aないし図26Iに係る方法、及び前述の図23Aないし図23Fに係る方法と類似している。当業者であれば、図23Aないし図23F、及び図26Aないし図26Iから、本製造方法を理解することができるであろう。従って、本製造方法の詳細な説明を反復しない。
【0125】
図30Aないし図30Hは、本発明の思想の一実施形態による、図17で説明した光カップラ1900Aの製造方法について説明する概略斜視図である。
本製造方法は、前述の図26Aないし図26Iに係る方法、及び前述の図24Aないし図24Fに係る方法と類似している。当業者であれば、図24Aないし図24F、及び図26Aないし図26Iから、本製造方法を理解することができるであろう。従って、本製造方法の詳細な説明を反復しない。
【0126】
図18に説明された光カップラ11000Aの実施形態では、コア領域11060が非晶質シリコンまたはポリシリコンであり、コア領域11060は、形成後に結晶化されないということを除いては、図30Aないし図30Hに説明された実施形態と同じ方式で製造される。
【0127】
本発明の思想の実施形態による垂直グレーティング・カップラ(VGC)においては、下部クラッド層の厚さによって、光カップリング効率が変化する。図31は、前述の、垂直グレーティング・カップラを含む本発明の思想の実施形態に適用可能な、下部(底)クラッドの厚さに対する光カップリング効率のグラフである。
図31は、波長を1.58μm、グレーティング周期を630nm、グレーティング・エッチング深さを70nmと各々設定した場合である。図31で、X軸は、下部クラッド層の厚みであり、Y軸は、入力光パワーに対する垂直グレーティング・カップラの正規化(normalized)されたカップリング効率を示す。図31で、点線は、入力光パワーが高い場合であり、実線は、入力光パワーが低い場合である。図31に説明された結果は、波長、グレーティング周期、グレーティング・エッチング深さなどのパラメータ値の変更と共に変化する。
【0128】
本発明の思想による光導波路及び光カップラを含む光素子は、光通信及び光信号伝送を利用する多くの回路、モジュール及びシステムに適用できる。例えば、本発明の思想による光素子及びその製造方法は、メモリ・システムに利用された接続システム及び素子に適用されうる。すなわち、本発明の思想による光素子及びその製造方法は、中央処理装置(CPU)と、一つまたは複数個のメモリ・モジュールとの間、メモリ・モジュール間、一つまたは複数個のメモリ・モジュール上にあるメモリ素子間、及び/または単一メモリ素子上に形成された回路間の光通信を具現するのに利用されうる。
【0129】
図32は、本発明の思想の実施形態に従った、光導波路及び光カップラを含む光素子及びその製造方法が適用可能なプロセッシング(データ処理)システム2000の概略ブロック図である。
図32を参照すれば、システム2000は、接続(配線)システム2013を経由し、少なくとも1つのメモリ・モジュール2008と通信できるCPU 2002を含む。メモリ・モジュール2008は、例えば、DIMM(Dual_In_line_Memory_Module)である。具体的には、DIMM 2008は、例えば、DRAM DIMM 2008である。DIMM 2008は、複数個の個別メモリ回路2020、例えば、DRAMメモリ回路を含む。
【0130】
本実施形態で、CPU 2002及びDIMM 2008は、電気信号を発生し、処理する。配線システム2013は、CPU 2002及びDIMM 2008間の光信号を伝達する光通信チャンネル2012、例えば、光ファイバを含む。CPU 2002及びDIMM 2008は電気信号を利用しているので、光通信チャンネル上での伝達のために、CPU2008及びDIMM 2008の電気信号を光信号に変換する電光変換が要求される。また、光通信チャンネル2012上の光信号を、CPU 2002及びDIMM 2008において処理できる電気信号に変換する光電変換が要求される。配線システム2013は、光通信チャンネル2012の両端に、光電(O/E)変換ユニット2004及び2006を含む。CPU 2002は、電気バス2010を経由し、O/E変換ユニット2004と電気信号を送受信する。DIMM 2008は、電気バス2014を経由し、O/E変換ユニット2006と電気信号を送受信する。
【0131】
本実施形態で、O/E変換ユニット2004及び2006は、本発明の思想による光素子を含む。光素子は、図32で、2016及び2018で表示する。すなわち、光回路2016及び2018は、本発明の思想による光カップラを含む。光カップラは、光通信チャンネル2012、例えば、光ファイバ側に、及び光通信チャンネル2012から、光信号を送受信する。光回路2016及び2018は、本発明の思想による光導波路を含む。O/E変換ユニット2004及び2006で光カップラは、光通信チャンネル2012上で、本発明の思想による光導波路への、及び光導波路からの光信号をカップリングする。本発明の思想による光カップラ及び光導波路は、前記で詳細に言及したように、O/E変換ユニット2004及び2006のO/E変換を行うために使われた他の回路と共に、バルク半導体基板上に形成された半導体集積回路に一体に集積されうる。
【0132】
図33は、本発明の思想の他の実施形態に従った、光導波路及び光カップラを含む光素子及びその製造方法が適用可能なプロセッシングシステム2050の概略ブロック図である。
図33を参照すれば、システム2050は、配線システム2063を介して、少なくとも1つのメモリ・モジュール2058と通信できるCPU 2052を含む。メモリ・モジュール2058は、例えば、DIMMである。具体的には、DIMM 2058は、例えば、DRAM DIMM 2058である。DIMM 2058は、複数個の個別メモリ回路2070、例えば、DRAMメモリ回路を含む。
【0133】
本実施形態で、CPU 2052及びDIMM 2058は、電気信号及び光信号を発生し、処理する。図32の実施形態と異なり、図33の実施形態で、O/E変換は、CPU 2052及び/またはDIMM 2058上で行われる。従って、CPU 2052は、O/E変換ユニット2076を含み、DIMM 2058は、O/E変換ユニット2082を含む。CPU 2052で電気回路は、一般的に2078で表示し、電気バス2080を経由し、O/E変換ユニット2076と電気信号で通信する。DIMM 2058で電気回路は、メモリ回路2070を含み、電気バス2084を介して、O/E変換ユニット2082と電気信号で通信する。
【0134】
配線システム2063は、光通信チャンネル2062を含み、光通信チャンネル2062は、CPU 2052及びDIMM 2058間の光信号を伝達する。光通信チャンネル2062は、例えば、光ファイバである。CPU 2052は、光コネクタ2072を含む。光コネクタ2072を介して、O/E変換ユニット2076から光通信チャンネル2062側に光信号が伝送される。また、光コネクタ2072を介して、光通信チャンネル2062側からO/E変換ユニット2076に光信号が伝送される。DIMM 2058は、光コネクタ2074を含む。光コネクタ2074を介して、O/E変換ユニット2082から光通信チャンネル2062側に、光信号が伝送される。また、光コネクタ2074を介して、光通信チャンネル2062側からO/E変換ユニット2082に、光信号が伝送される。
【0135】
本実施形態で、O/E変換ユニット2076及び2082は、本発明の思想による光素子を含む。光素子は、図33で一括して2077及び2083で表示する。すなわち、光回路2077及び2083は、本発明の思想による1または複数個の光カップラを含む。光カップラは、光通信チャンネル2062、例えば、光ファイバと光信号を送受信する。
O/E変換ユニット2076及び2082において光カップラは、光通信チャンネル2062上で、本発明の思想による1または複数個の光導波路と光信号をカップリングする。本発明の思想による光カップラ及び光導波路は、前記で詳細に言及したように、O/E変換ユニット2076及び2082のO/E変換を行うために使われる他の回路と共に、バルク半導体基板上に形成された半導体集積回路に一体に集積できる。
【0136】
図34は、本発明の思想の他の実施形態に従った、光導波路及び光カップラを含む光素子及びその製造方法が適用可能なプロセッシングシステム2100の概略ブロック図である。
図34を参照すれば、システム2100は、配線システム2113を介して、少なくとも1つのメモリ・モジュール2108と通信できるCPU 2102を含む。メモリ・モジュール2108は、例えば、DIMMである。具体的には、DIMM 2108は、例えば、DRAM DIMM 2108である。DIMM 2108は、複数個の個別メモリ回路2120、例えば、DRAMメモリ回路を含む。
【0137】
本実施形態で、CPU 2102及びDIMM 2108は、電気信号及び光信号を発生し、処理する。図32の実施形態と異なり、図34の実施形態で、O/E変換は、CPU 2102及び/またはDIMM 2010上で、具体的には、各DIMMメモリ回路2120上で行われる。従って、CPU 2102は、O/E変換ユニット2126を含み、メモリ回路2120それぞれは、OE変換ユニット2121を含む。CPU 2102で電気回路は、一般的に2128で表示し、電気バス2130を経由し、O/E変換ユニット2126と電気信号で通信する。それぞれのメモリ回路2120において、電気回路は2127は、電気バス2125を介し、O/E変換ユニット2121と、電気信号で通信する。
【0138】
配線システム2113は、光通信チャンネル2112を含み、光通信チャンネル2112は、CPU 2102とDIMM 2108との間で光信号を伝達する。光通信チャンネル2112は、例えば、光ファイバである。CPU 2102は、光コネクタ2122を含む。光コネクタ2122を介して、O/E変換ユニット2126から光通信チャンネル2112側に光信号が伝送される。また、光コネクタ2122を介して、光通信チャンネル2112側からO/E変換ユニット2126に光信号が伝送される。DIMM 2108は、光コネクタ2124を含む。光コネクタ2124及び光バス2134を介して、O/E変換ユニット2121から光通信チャンネル2112側に光信号が伝送される。また、光コネクタ2124を介して、光通信チャンネル2112側からO/E変換ユニット2121に光信号が伝送される。
【0139】
本実施形態で、O/E変換ユニット2126及び2121は、本発明の思想による光素子を含む。光素子は、図34で一括して2116及び2123で表示する。すなわち、光回路2116及び2123は、本発明の思想による1または複数個の光カップラを含む。光カップラは、光通信チャンネル2112、例えば、光ファイバと光信号を送受信する。
O/E変換ユニット2116及び2123において光カップラは、光通信チャンネル2112上で、本発明の思想による1または複数個の光導波路と光信号をカップリングする。本発明の思想による光カップラ及び光導波路は、前記で詳細に言及したように、O/E変換ユニット2126及び2121のO/E変換を行うために使われる他の回路と共に、バルク半導体基板上に形成された半導体集積回路に一体に集積できる。特に、本発明の思想の光カップラ及び光導波路は、個別メモリ回路2120、例えば、DRAMメモリ回路と同じチップ(ダイ)に集積できる。
【0140】
図35は、メモリ回路が形成されたチップ(ダイ)と同じチップ(ダイ)上に集積された本発明の思想による光カップラ及び光導波路を有する回路素子5010、例えば、メモリ回路、より具体的にはDRAMメモリ回路の概略機能図である。回路素子5010は例えば、メモリセル・アレイ5026、並びに周辺及び関連の電気回路5028を含むDRAMメモリ用電気回路5012を含む。回路素子5010上では、あらゆる電気回路は、電気的コンタクト・パッド5024を介して、一つまたは複数個の電気バスを介して、連結されて通信する。回路素子5010上の電気バスは、図35で、一般的に電気バス5014として図示する。
【0141】
入力データ信号DQ In、アドレス及び制御信号Addr/Ctrl、クロック信号CLKを含む光信号、及び光源が本発明の思想の実施形態による光カップラ5020によって、回路素子5010に光学的にカップリングされる。光カップラ5020からの光信号は、本発明の思想の実施形態による光導波路5018にカップリングされる。光導波路5018は光バスとして機能し、メモリ回路5010全体を通じて光信号を伝送する。
【0142】
回路素子5010に入力される光信号は、光導波路5018によって、光検出器5016にカップリングされ、光検出器5016は光信号を復調して電気信号に変換する。復調及び変換された電気信号は、電気バス5014上の電気信号を駆動するCMOSドライバ回路5022に入力される。
【0143】
回路素子5010から発信される光信号、例えば、出力データ信号DQoutは、光源から回路素子5010にカップリングされた変調されていない連続的な光信号から発生する。回路素子5010の多様な電気部品からの電気信号は、光変調器5030で持続的に光信号を変調するのに利用される。電気信号は、電気バス5014から変調器5030に配分される。変調器5030は、電気信号を使用して変調光信号を作り、光信号は、光導波路5018に沿って伝送され、光ファイバに光カップラ5020によってカップリングされる。
【0144】
図36は、本発明の思想の一実施形態に従った、本発明の思想の光導波路及び光カップラが適用可能なコンピュータまたは処理システム3000の一部分の概略斜視図である。
図36を参照すれば、システム3000は、光PCB(printed circuit board)になりうるメイン(マザー)プリント配線基板(PCB)3002を含む。CPU 3004は、PCB 3002に搭載され、PCB 3002に搭載されたO/E変換ユニット3006にカップリングされる、O/E変換ユニット3006は、PCB 3002上に形成された光導波路を含む光配線システム3008にカップリングされる。光配線システム3008は、光ソケット(光コネクタ)3014を介して、DIMM 3010、例えば、DRAM DIMMに連結される。DIMM 3010は、光PCBになりうるDIMM_PCB 3012上に搭載される複数個の回路3016、例えば、DRAMメモリ回路を含む。光源3013は、例えばレーザ・ダイオードからなり、システム3000のための光を提供する。
【0145】
各メモリ回路3016は、前記で詳細に説明したように、回路のためのE/O変換を提供する光信号入力/出力(I/O)インターフェース(I/F)ユニットを含む。各I/O_I/Fユニットは、光信号伝送のために必要な、本発明の思想による光素子、例えば、光導波路及び光カップラを提供する。
【0146】
光源3013は、メモリ素子3016のE/O変換回路に、好ましくはコリメートされた光を提供し、E/O変換回路はCPU 3004に伝送すべきデータ信号によって、この光を変調する。変調された光データ信号は光配線システム3008の光導波路に沿って伝送され、CPU 3004にカップリングされたO/E変換ユニット3006によってCPU 3004に伝達される。光源3013は、光をE/O変換ユニット3006にも提供し、CPU 3004からのデータ信号は、光配線システム3008によって、DIMM 3010に伝送される。
【0147】
図37は、本発明の思想の一実施形態に従った、本発明の思想の光導波路及び光カップラが適用可能なコンピュータまたは処理システム3500の一部分の概略斜視図である。図37を参照すれば、システム3500は、メイン(マザー)PCB 3002に光学的にカップリングされて搭載されたDIMM 3010を含む。ソケット3014(図示せず)の一部分である搭載部材3056は、マザーボード3002上のガイドホール3002にキャプチャされたガイドピン3054を含む。DIMM 3010は、DIMM光PCB 3012に搭載された回路素子3016、例えば、DRAMメモリ素子を含む。回路素子3016は、本発明の思想による素子であり、本発明の思想による光導波路及び/または光カップラが、単一チップ(ダイ)上に他の回路、例えば、DRAMメモリ回路と一体に集積されうる。
【0148】
回路素子3016は、回路チップ(ダイ)3040、例えば、DRAMチップ(ダイ)を含み、回路チップ(ダイ)3040は、チップ(ダイ)3040上に、シリコンフォトニクスによって一体に集積されたI/O部分3042を含む。I/O部分3042は、本発明の思想による光導波路及び/または光カップラを含む。光信号は、I/O部分3042によって、チップ3040にカップリングされる。I/O部分3042は、光信号が、I/O部分3042へ、またはI/O部分3042から通過できるように、透明ウインドー部分3044の上部に位置する。光は、屈折率マッチング・グルー3037を通過し、屈折率マッチング・グルー3037は、I/O部分3042側に、またはそこから通過する光の反射を最小化し、回路素子3016を光PCB 3012の上部側に付着させる。
【0149】
回路素子3016の光信号I/O部3042への、またはI/O部分3042からの光信号は、光PCB 3012に形成された光導波路3032を経て伝送される。光導波路3032は、回路素子3016の下方で、参照番号3030のように90°折れ曲がり、光信号I/O部3042及び光導波路3032間の光信号をガイドするように、45度反射器を含むことができる。
【0150】
DIMM 3010は、光学的にマイクロボール・レンズ・アレイ3050によって、マザーPCB 3002にカップリングされている。マイクロボール・レンズ・アレイ3050は、DIMM 3010の光PCB 3012に形成された光導波路3032と、光マザーPCB 3002に形成された他の光導波路3008との間の光信号伝送をガイドする。半反射要素3052は、光導波路3008と光導波路3032との間で光信号をガイドする。
【0151】
回路素子3016は、電気的に及び機械的に、ソルダボール3036及び金属ライン3062によって、PCB 3012にカップリングされる。回路素子3016は、ポリマーモールド物質3034によって封止される。
【0152】
以上説明してきた本発明の思想による光素子は、あらゆる形態の光通信及び配線(接続)素子及びシステムに適用されうる。例えば、本発明の思想について説明する目的から、光導波路の平面形状に関しては、専らライン型の(線状)光導波路を暗黙裡に想定してその断面形状に限って記述してきたが、本発明の思想は、他の平面形状を有する光導波路に適用されうる。
図38Aないし図38Cは、本発明の思想が適用されうる光接続、例えば、光導波路の概略斜視図である。
図38Aは、平板型光導波路3702を示し、図38Bは、ライン型光導波路3704を示し、図38Cは、光スプリッタ用光導波路3706を図示する。あらゆる光導波路は、光信号が伝播されるコア領域WGと、コア領域より屈折率が小さく、コア領域内に光信号を制限する、コア領域を取り囲むクラッド領域とを含む。
【0153】
図39は、本発明の思想の一実施形態による光素子を含むパッケージ素子1201の概略断面図である。パッケージ素子1201は、本発明の思想の実施形態による集積回路チップ(集積回路素子)1202が搭載されたPCB 1204を含む。集積回路素子1202は、回路ダイ上に、他の電気集積回路、例えば、シリコンフォトニクス回路と共に集積された本発明の思想による一つまたはそれ以上の光導波路及び/または光カップラを含む。PCB 1204は、集積回路パッケージ1208内に搭載される。
【0154】
集積回路素子1202への、及び集積回路素子1202からの光信号は、光ファイバ1206によって、集積回路素子1202にカップリングされる。ファイバ1206の端部は、本発明の思想の実施形態による光カップラによって、集積回路素子1202にカップリングされる。パッケージ内のフレーム1205及び1203は、ファイバ1206を、集積回路素子1202に対して適切な角度で固定している。
【0155】
本発明の思想は、いかなる種類の処理システム、ディスプレイ・システム、通信システムまたは信号が光学的に伝送されうる他のシステムにも適用されうる。図40は、本発明の思想が適用されうる一般的な処理、通信またはディスプレイ・システム4000の概略ブロック図である。
図40を参照すれば、システム4000は、光バス4012によって、システム4000の他の要素と光学的に通信されうるプロセッサ4010を含む。プロセッサ4010は、本発明の思想による光導波路及び光カップラを含むO/E変換回路を含む。一つまたはそれ以上の半導体メモリ素子4002は、光学的に光バス4012にカップリングされている。メモリ素子4002は、本発明の思想による一つまたはそれ以上の光導波路及び光カップラを含むO/E変換回路4004を含むことができる。電源供給部4006は、システム・バス4012にカップリングされうる。ユーザ・インターフェース4008は、ユーザ側に、及びユーザ側からの入力/出力を提供する。
【0156】
ここで、本本発明の思想は、バルク半導体基板、例えば、バルクシリコンからなる基板に製造すると説明した。本発明の思想は、バルクシリコンからなる基板に製造される光素子に限定されるものではない。他の物質が使われうる。例えば、ガリウム−砒素、ゲルマニウムのような他の半導体物質が本発明の思想の集積光素子のための基板として使われうる。
【0157】
以上のように、図面と明細書とにより本発明の最適の実施形態を開示した。ここで用いた特定の用語は、単に本発明について説明するための目的で使っており、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使ったものではない。従って、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解できるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によってのみ決まる。
【符号の説明】
【0158】
10 (バルクシリコン)基板
10a 前表面
10b 背面
12 トレンチ領域
12a、12b 側壁
14、44 下部クラッド層(第1クラッド層)
16、46 非晶質シリコン層
18、48 欠陥性単結晶シリコン層
20、50 マスク・パターン
22a、22b、52a、52b コア領域
23、53 上部クラッド層(第2クラッド層)
100、200、150 光導波路
121 第1入力ファイバ
123 第2出力ファイバ
160、170 テーパ部
152、154 垂直グレーティング・カップラ(VGC)
153、155 グレーティング
180,190 カップリング端部
1100、1200、1300、1600、1900、11000 光カップラ
1100A、1200A、1300A、1600A、1800A、1900A、11000A 光カップラ
1120、1620、1920 基板
1140、1240、1640、1940 下部クラッド層(の第1の積層部分)
1141 下部クラッド層の第3の積層部分
1142 追加(クラッド)層、下部クラッド層の第2の積層部分
1155、1655、1955 非晶質シリコン層(A−Si)
1160、1360、1660、1960 コア領域、欠陥性単結晶シリコン層(C−Si)
1170、1370、1670、1970、11070 光導波路のカップリング端部
1175、1375、1675、1975、11075 グレーティング
1180 上部クラッド層
1185、1285、1685、1885、1886、1985 トレンチ
1355 ポリシリコン層(poly−Si)
11060 コア領域、非晶質シリコン(A−Si)又はポリシリコン(poly−Si)からなるシリコン層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を含む基板と、
前記基板に位置するトレンチと、
前記トレンチに位置する第1クラッド層と、
前記第1クラッド層の上に位置し、最上面と第1、第2の側壁を有する少なくとも1つのコア領域と、を含むことを特徴とする光素子。
【請求項2】
前記基板は、バルク単結晶シリコンから構成され、前記トレンチは、前記基板の表面に対して実質的に垂直な第1、第2の側壁を含むことを特徴とする請求項1に記載の光素子。
【請求項3】
前記光素子は、少なくとも1つの光導波路及び少なくとも1つの光カップラを含み、前記コア領域の第1側壁は、前記トレンチの第1側壁から距離dにあり、前記コア領域の第2側壁は、前記トレンチの第2側壁から距離dにあることを特徴とする請求項2に記載の光素子。
【請求項4】
前記距離d及びdは、0.27μmより大きく、前記光導波路での漏れ損失は、1dB/mmより少ないことを特徴とする請求項3に記載の光素子。
【請求項5】
前記第1クラッド層の最上面は、前記基板の最上面より低く、前記距離d及びdは、0.35μmより大きく、前記光導波路での漏れ損失は、1dB/mmより少ないことを特徴とする請求項3に記載の光素子。
【請求項6】
前記光導波路は、前記光カップラに結合されており、前記光カップラは、前記第1クラッド領域の最上部の一部分に位置するグレーティング、垂直グレーティング・カップラ、光ビーム方向変更素子、光送受信器及び光電変換素子、電光変換素子のうち少なくとも一つによって構成され、前記光カップラは、前記光導波路の最上面と実質的に同一面に位置する最上面を含むことを特徴とする請求項3に記載の光素子。
【請求項7】
前記第1クラッド層と隣接して位置するか、あるいは前記第1クラッド層の内部に位置する反射要素をさらに含み、前記反射要素は、金属反射器、ブラッグ反射器及び分布ブラッグ反射器のうち少なくとも一つによって構成され、
前記反射要素は、少なくとも第1物質層及び第2物質層を含み、前記第1物質層及び第2物質層それぞれは、第1物質層及び第2物質層と異なる屈折率を有する第3物質層と接触していることを特徴とする請求項1に記載の光素子。
【請求項8】
少なくとも前記コア領域の最上面と第1、第2側壁との一部分をカバーするように位置する第2クラッド層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光素子。
【請求項9】
前記コア領域は、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン及び結晶化された非晶質シリコンのうち少なくとも一つによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光素子。
【請求項10】
バルク単結晶シリコン基板を含む半導体基板からなる基板と、
前記基板に位置するトレンチと、
前記基板の表面に実質的に垂直、または前記トレンチの底より上方に大きいトレンチ幅を有するように外側に傾いたトレンチ側壁と、
前記基板の最上面と同一平面、それより下方の平面、及び上方の平面のうち実質的にいずれか1つに上面を有するように、前記トレンチに位置する第1クラッド層と、
前記第1クラッド層上に位置し、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン及び結晶化された非晶質シリコンのうち少なくとも一つを含むコア領域と、を含み、
前記コア領域は、少なくとも一つの光導波路と、前記光導波路に結合され、前記光導波路の最上面と実質的に同一平面にある最上面を有する少なくとも1つの垂直光カップラとを備えるように位置し、
前記コア領域の最上面と側壁との少なくとも一部分をカバーするように位置する第2クラッド層と、をさらに含むことを特徴とする光素子。
【請求項11】
シリコン基板を含む半導体基板からなる基板にトレンチを形成する段階と、
前記トレンチ内部に実質的に第1クラッド層を形成する段階と、
前記第1クラッド層上にコア領域を形成する段階と、を含むことを特徴とする光素子の製造方法。
【請求項12】
前記第1クラッド層は、一般化学式Siを有する誘電物質から形成され、前記第1クラッド層の最上面は、実質的に前記基板の最上面と同一平面にあるか、または前記基板の最上面より低い平面にあるかのうちいずれか一つであり、前記基板は、バルク単結晶シリコンから構成されることを特徴とする請求項11に記載の光素子の製造方法。
【請求項13】
前記コア領域を利用し、少なくとも1つの光導波路及び少なくとも1つの光カップラを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光素子の製造方法。
【請求項14】
前記第1クラッド層の下方、上方、及び内部のうちいずれか一つに位置し、前記少なくとも1つの光導波路、光カップラ、及び前記光導波路と前記光カップラとが結合される領域のうち、少なくとも一つに隣接して位置する反射層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の光素子の製造方法。
【請求項15】
前記コア領域の最上面と側壁とのうち少なくとも一部分をカバーする第2クラッド層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光素子の製造方法
【請求項16】
前記コア領域を形成する段階は、欠陥性単結晶シリコン、単結晶シリコン、大グレイン多結晶シリコン、結晶化多結晶シリコン及び結晶化非晶質シリコンのうち少なくとも1層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光素子の製造方法。
【請求項17】
前記基板の上面に対して実質的に垂直な側壁を有するトレンチを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の光素子の製造方法。
【請求項18】
前記光導波路の最上面と同じ平面にある最上面を有するように、光カップラを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の光素子の製造方法。
【請求項19】
光グレーティング、垂直グレーティング・カップラ、光電変換器、電光変換器及び光送受信器のうち少なくとも一つを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光素子の製造方法。
【請求項20】
前記反射層を形成する段階は、金属反射層、ブラッグ反射器及び分布ブラッグ反射器のうち少なくとも一つを形成する段階を含み、前記反射層は、少なくとも第1物質層及び第2物質層を含み、前記第1物質層及び第2物質層それぞれは、前記第1物質層及び第2物質層と異なる屈折率を有する第3物質層と接触するように形成する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の光素子の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図22F】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図23F】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図24F】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図26F】
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【図26G】
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【図26H】
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【図26I】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【図27F】
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【図27G】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図28E】
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【図28F】
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【図28G】
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【図28H】
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【図28I】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図29D】
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【図29E】
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【図29F】
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【図29G】
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【図29H】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図30E】
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【図30F】
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【図30G】
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【図30H】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2011−118399(P2011−118399A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270451(P2010−270451)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】