光配線コネクタ及び光配線の接続方法
【課題】簡便で高い精度での光配線位置合わせおよび固定が可能な光配線用コネクタを提供する。
【解決手段】第1光配線1を保持する第1フェルール2Aと、第2光配線8を保持する第2フェルール2Bと、第1光配線1の接合端面と第2光配線8の接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルール2A、2Bを着脱可能に結合する結合機構と、第1光配線1が固定される基板9を備え、基板9に固定された第1光配線1を保持するフェルール2Aは、第1光配線1を収容する光配線収容溝2Abを有し、第1光配線1が光配線収容溝2Ab内に接着剤14により固定される構成にした。
【解決手段】第1光配線1を保持する第1フェルール2Aと、第2光配線8を保持する第2フェルール2Bと、第1光配線1の接合端面と第2光配線8の接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルール2A、2Bを着脱可能に結合する結合機構と、第1光配線1が固定される基板9を備え、基板9に固定された第1光配線1を保持するフェルール2Aは、第1光配線1を収容する光配線収容溝2Abを有し、第1光配線1が光配線収容溝2Ab内に接着剤14により固定される構成にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光配線同士をそれらの光軸が一致された状態に接続する光配線コネクタ及び光配線の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、従来、電気配線が主として用いられてきた。しかしながら、情報処理装置の高性能化の要求に対応するため、近年では高周波信号伝送の必要性が高まっている。このような高周波信号を伝送する手段として、光配線による伝送についても検討が行われている。
光配線は光伝送基板・モジュール内外において、光伝送が可能な部材として使用が検討されている。
光伝送基板やモジュールの内外を接続するためには、光配線同士を接続できるコネクタが有効である。
【0003】
光配線同士を接続するコネクタの重要な課題は、簡便、且つ、精度の良い光配線の位置合わせと固定を行うことである。これを解決する手段としては、下記のような従来技術が挙げられる。
【0004】
上記課題の解決法の一つとして、特許文献1においては、光配線の四方をフェルールにて固定し、アライメントピンを用いて光配線のコア位置合わせを行うコネクタが考えられている。この方法においては、光ファイバをフェルール固定した後に、アライメントピンを用いて光ファイバ同士を簡便に位置合わせすることができる。
別の解決法として、特許文献2においては、基板上にホルダを設置固定し、そのホルダに光配線を固定したフェルールを設置する構造のコネクタが考えられている。この構造においても、光配線はフェルールにより固定されており、且つ、ホルダがアライメントのガイドとなるため、光配線の簡易位置アライメントが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3364638号公報
【特許文献2】特許第3220855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の解決法では、基板上での製造プロセスが煩雑になるという課題がある。具体的には、光配線を基板上に積層する場合には、コネクタ接続部にて基板との段差による浮きが発生するため、基板へのコネクタ設置時に光配線の少なくとも一部を基板から浮かせておく必要がある。このため、基板上への(または基板内層への)導波路ビルドアップや光配線の全面貼り合わせを行った後にコネクタを取り付けることができない。また上記解決法のコネクタは、光配線をフェルールに設置した後に基板上に固定する必要があるという制約もある。
【0007】
これらの制約を考えると、上記解決法は、光配線を基板に対して積層するアプリケーションへの適用が困難であるという課題がある。このため、上記課題を解決することができ、且つ、精度の良い簡便な位置合わせが可能な接続構造のコネクタが望まれる。
本発明は、光配線を基板に貼り合わせた後に取り付け可能で、且つ、簡便で高い精度での光配線位置合わせ・固定が可能な光配線コネクタ及び光配線の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は、光配線コネクタであって、接合端面を有する第1及び第2光配線と、前記接合端面を露出させた状態で前記第1光配線の端部を保持する第1フェルールと、前記接合端面を露出させた状態で前記第2光配線の端部を保持する第2フェルールと、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルールを着脱可能に結合するフェルール用結合機構と、前記第1または第2光配線の一方が固定される基板とを備え、前記基板に固定された前記一方の光配線を保持するフェルールは、前記一方の光配線を収容する光配線収容溝を有し、前記一方の光配線が前記光配線収容溝内に接着剤により固定されることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の光配線用コネクタにおいて、前記フェルール用結合機構は、前記第1フェルールの一方に、該一方のフェルールから前記第1及び第2フェルールの他方のフェルールに向けて突設された複数のアライメントピンと、前記他方のフェルールに設けられ、前記各アライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔とから構成されている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1また2記載の光配線用コネクタにおいて、前記接合端面を露出させた状態で前記第1フェルールを前記基板に固定する第1ハウジングが設けられ、前記接合端面を露出させた状態で前記第2フェルールを保持する第2ハウジングが設けられ、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを着脱可能に結合するハウジング用結合機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3記載の光配線用コネクタにおいて、前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に該第1及び第2ハウジングの他方に向けて突設された係合部材と、前記他方のハウジング部材に、前記係合部材に挿脱可能に係合して前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係合溝部とから構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載の光配線用コネクタにおいて、前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に設けられた係止用凹部と、前記第1および第2ハウジングの他方に、前記係止用凹部に係脱可能に係止され前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係止部材とから構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5に何れか1項記載の光配線用コネクタにおいて、前記第1または第2光配線の他方の光配線が固定される基板を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、光配線の接続方法であって、光配線収容溝を有する第1フェルールを作製する工程と、第1光配線を基板に固定する工程と、接合端面を露出させた状態で前記第1光配線を前記光配線収容溝内に接着剤により固定することで前記第1光配線の端部を第1フェルールで保持する工程と、接合端面を露出させた状態で第2光配線の端部を第2フェルールで保持する工程と、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2フェルールを着脱可能に結合する工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7記載の光配線の接続方法において、前記第1フェルールを第1ハウジングにより前記基板に固定する工程と、前記第2フェルールを第2ハウジングにより保持する工程と、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2ハウジング部を着脱可能に結合する工程とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、光配線を基板に接着固定した状態でコネクタを形成でき、基板に特殊な外形加工を施す必要がない。
また、本発明によれば、基板上の光配線との精度の高い位置合わせ及び固定が可能になる。
また、本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、フェルール・ハウジングを含むコネクタを基板に対して簡便に固定できる。
さらに、本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、簡便な構造で光配線の挿抜可能な接続が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる光配線コネクタの一実施の形態を示すフェルールによる光配線接続構造の概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図4】本発明にかかる光配線コネクタの他の実施の形態を示すフェルール、ハウジングによる光配線接続構造の概略斜視図である。
【図5】図4のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図7】(a)は本発明の他の実施の形態における第1フェルールの概略斜視図であり、(b)は基板側フェルールの右側面図である。
【図8】(a)は本発明の他の実施の形態における第1ハウジングの概略斜視図であり、(b)は基板の裏面用ハウジング部材の概略斜視図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施の形態における第2フェルールの概略斜視図であり、(b)は第2フェルールの右側面図である。
【図10】a)は本発明の他の実施の形態における第2フェルール用上部ハウジング部材の概略斜視図であり、(b)は第2フェルール用下部ハウジング部材の概略斜視図である。
【図11】本発明の他の実施の形態において基板上に第1光配線を貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態において基板上の第1光配線にフェルール貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態において第2光配線にフェルールを貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図14】本発明の他の実施の形態において第1フェルールに第1ハウジングを取り付けた状態を示す説明用断面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態において第2フェルールに第2ハウジングを取り付けた状態を示す説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態1に示す光配線用コネクタについて図1乃至図3を参照して説明する。
本実施の形態1に示す光配線用コネクタは、第1光配線(光導波路)1、第2光配線8、第1フェルール2A、第2フェルール2B、アライメントピン6B、位置合わせ用嵌合孔6A、基板9等を備える。なお、第1光配線(光導波路)1、第1フェルール2A及び基板9は、光配線用コネクタの受け部側を構成し、第2光配線8及び第2フェルール2Bは光配線用コネクタの差し込み部側を構成する。
【0018】
第1光配線(光導波路)1は、図1及び図2に示すように、同一平面上に平行に配列した複数のコア1aと、これらコア1Aを包むクラッド1Bとを備え、全体が扁平な帯状を呈している。このような第1光配線1は基板9上に接着剤により固定されている。また第1光配線1は、第2光配線8の接合端面8aと分離可能に接合される接合端面1aを有している。
基板9上に固定される第1光配線1としては、光ファイバ、光ファイバフィルム、光導波路等が使用できる。光配線の伝送モードは、シングルモード、マルチモード、シングルマルチ混合配線などの構成を採用できる。
また、第1光配線1が配設される基板9には、プリント基板、プリント積層基板、セラミック板、ポリマー板、金属板、シリコンウエハ等が使用できる。
【0019】
第1フェルール2Aは、図1及び図2に示すように、第1光配線1の接合端面1aを露出させた状態で第1光配線1の端部を一定の長さに亘り保持するもので、接合端面2Aaを有し、この接合端面2Aaは、第1光配線1の接合端面1aと同一の平面内に形成されている。
また、第1フェルール2Aは、基板9と対向する面に、第1光配線1を長さ方向に直角な面で切断した形状が長方形を呈する凹状の光配線収容溝2Abを有し、この光配線収容溝2Ab内には第1光配線1が接着剤により固定されている。さらに、第1フェルール2Aの接合端面2Aaには、後述するアライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ用嵌合孔6Aが第1フェルール2Aの幅方向の両端寄り箇所に設けられている。この位置合わせ用嵌合孔6Aと後述するアライメントピンは、特許請求の範囲に記載したフェルール用結合機構を構成する。
【0020】
第2光配線8は、図1及び図3に示すように、中心のコア15と、コア15を包む周辺部のクラッド16から構成された光ファイバを複数本(例えば4本)、同一平面上に平行に配列することにより構成される。このような第2光配線8の端部は、その接合端面8Aを露出させた状態で、第2フェルール2Bにより一定の長さに亘り保持されている。
第2フェルール2Bは、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2からなり、この上部フェルール2B1と下部フェルール2B2との接合面には、複数の光ファイバ収容溝(光配線収容溝)2Bbが形成されている。この各光ファイバ収容溝2Bb内には第2光配線8を構成する光ファイバが挿入され、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2に上下方向からサンドイッチ状に挟持され、そして、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2の接合面及び各光ファイバの外周囲に介在した接着剤17により固定され、第2フェルール2Bと第2光配線8とが一体された構造になっている。
また、第2フェルール2Bは接合端面2Baを有し、この接合端面2Baは、第2光配線8の接合端面8aと同一の平面内に形成される。
なお、第2光配線8は、複数の光ファイバを平行に配列した構造のものに限らず、光ファイバフィルム、光導波路等が使用できる。光配線の伝送モードは、シングルモード、マルチモード、シングルマルチ混合配線などの構成を採用できる。
【0021】
フェルール用結合機構は、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとを同軸上で接合させた状態に維持するように第1フェルール2A及び第2第1フェルール2Bを着脱可能に結合するものである。
このようなフェルール用結合機構は、図1乃至図3に示すように、第2フェルール2Bに、第2フェルール2Bの接合端面2Baから直角に突出して設けられた複数のアライメントピン6Bと、アライメントピン6Bと対向する第1フェルール2Aの接合端面2Aaに設けられ、各アライメントピン6Bが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔6Aとから構成される。
【0022】
このような本実施の形態1に示す光配線用コネクタによれば、第1光配線1を基板9上に固定し、接合端面1aを露出させた状態で第1光配線1を光配線収容溝2Ab内に接着剤により固定して第1光配線1の端部を第1フェルール2Aで保持し、接合端面8aを露出させた状態で第2光配線8の端部を第2フェルール2Bで保持し、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとを同軸上で接合させた状態に維持するように第1フェルール2Aと第2フェルール2Bをフェルール用結合機構で着脱可能に結合する構成にしたので、光配線を基板に接着固定した状態でコネクタを形成でき、基板に特殊な外形加工を施す必要がない。
また、基板上の光配線との精度の高い位置合わせ及び固定が可能になるとともに、フェルールを含むコネクタを基板に対して簡便に固定できる。さらに、簡便な構造で光配線の挿抜可能な接続が実現できる。
【0023】
上記実施の形態1において、第1光配線1を基板9に対して積層する方法としては、接着剤ワニス・接着剤フィルムを使用して貼り合わせる方法や、光配線を形成する際に基板9に直接積層形成する方法が挙げられる。このとき、第1光配線1を基板9に貼り合わせる場合において、使用できる接着剤の種類はエポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、アクリル系等、様々な種類の接着剤を用いることができる。但し、接着剤の材料はここに挙げるものに限定しない。
また、第1光配線1を基板9に対して積層貼り合わせする前に、第1光配線1の接合端面1aにダイシング・研磨・洗浄などの処理をすることも可能である。これにより、第1光配線1の接合端面1aが整った状態でコネクタを形成できる。このような処理は、第2光配線8の接合端面8aにおいても同様に行われる。
また、第1光配線1を基板9の端縁より外方へ突出するように設計・貼り付けしておき、第12フェルール2Aを接着固定した後に、突出した光配線部分に洗浄、研磨等を施して端面を整える方法も可能である。
また、基板9に積層した第1光配線1と対向する第2光配線8に対し第2フェルール2Bが接着固定されるが、第2フェルール2Bに第2光配線8を固定する際には、第2光配線8に対して均一な厚さで接着剤を塗布することが望ましい。これにより、第2光配線の伸縮がある場合にも光配線コアの位置ずれ量を低減できる。
【0024】
第1及び第2フェルールとしては、高分子材料、シリコーン材料、金属材料、石英系材料、ガラス材料、無機材料等の様々な材料が使用できる。フェルールの形成方法は射出成型などの方法を取ることができる。
また、フェルールと光配線との接着固定する接着剤には、屈折率整合のための樹脂を充填することもできる。この際に使用できる樹脂は、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、アクリル系等、様々な種類の材料を用いることができる。
また、本実施の形態1では、光配線とフェルールを接着固定した後、フェルール同士をアライメントピンとその嵌合孔からなるフェルール用結合機構で結合する場合について説明したが、これに限定されず、両側フェルールを接着するなどの方法で光配線の接続が行える。但し、接続は接着剤固定に限定されない。また、フェルールに固定構造を形成しておき、フェルールを基板に固定することもできる。
【0025】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる光配線用コネクタの他の実施の形態について、図4乃至図10を参照して説明する。
本実施の形態2では、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一符号を付して、その構成説明を省略し、上記実施の形態1と異なる部分を重点に述べる。
【0026】
本実施の形態2において、上記実施の形態1と異なる点は、第1光配線1の接合端面1aを露出させた状態で第1フェルール2Aを基板9に固定する第1ハウジング3A、第2光配線8の接合端面8aを露出させた状態で第2フェルール2Bを保持する第2ハウジング3Bが設けられていること、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとをそれぞれの光軸が一致される同軸上で接合させた状態で第1ハウジング3Aと第2ハウジング3Bとを着脱可能に結合する第1のハウジング用結合機構及び第2のハウジング用結合機構が設けられているところにある。
【0027】
第1ハウジング3Aは、図4、図5及び図8に示すように、上部ハウジング部材3A1と下部ハウジング部材3A2を有している。上部ハウジング部材3A1は、第1フェルール2Aの基板8の上面から突出する外形形状に合致する形状に成形され、この上部ハウジング部材3A1の基板8の上面と接する幅方向の両端にはフランジ3A1aをそれぞれ有し、この両フランジ3A1aをタッピングねじ等のねじ7Aにより複数箇所でねじ止めすることで、上部ハウジング部材3A1を基板9に固定し、同時に第1フェルール2Aを基板9に固定する。また、下部ハウジング部材3A2は、第1フェルール2Aの配置位置と対向する基板9の裏面にタッピングねじ等のねじ7Bにより複数箇所でねじ止めされている。
【0028】
第1フェルール2Aの上面と側面には、図7(a)に示すように、第1フェルール2Aの長手方向の2箇所に第1フェルール2Aの長手方向と直交する方向の係合溝18Aがそれぞれ形成されている。これら係合溝18Aに係合する凸条(図示せず)が上部ハウジング部材3A1の内面に形成されている。
また、第1フェルール2Aの接合端面2Aaと対向する上部ハウジング部材3A1の端面には、第1のハウジング用結合機構を構成するための係合溝部5が上部ハウジング部材3A1の端面縁部に沿って所定の深さで形成されている。さらに、上部ハウジング部材3A1の上面及び下部ハウジング部材3A2には、第2のハウジング用結合機構を構成するための複数の係止用凹部4Aa及び4Abがそれぞれ形成されている。
【0029】
第2ハウジング3Bは、図4、図6及び図10に示すように、上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2を有している。上部ハウジング部材3B1は、第2フェルール2Bの上部フェルール2B1の上面側の外形形状に合致する形状に成形され、この上部ハウジング部材3B1の幅方向の両端にはフランジ3B1aをそれぞれ有している。
また、下部ハウジング部材3B2は、第2フェルール2Bの下部フェルール2B2の下面側の外形形状に合致する形状に成形され、この下部ハウジング部材3B2の幅方向の両端にはフランジ3B2aをそれぞれ有している。
このような上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2は、それぞれのフランジ3B1aと3B2aとを重ね合わせた状態でタッピングねじ等のねじ7Cにより複数箇所でねじ止めすることで、第2フェルール2Bに固定され、同時に第2フェルール2Bを保持する。
【0030】
第2フェルール2Bの幅方向に外周囲には、図9(a)に示すように、第2フェルール2Bの長手方向の2箇所に第2フェルール2Bの長手方向と直交する方向の係合溝18Bがそれぞれ形成されている。これら係合溝18Bに係合する凸条18Cが上部ハウジング部材3B1の内壁面と下部ハウジング部材3B2の内壁面に形成されている。なお、上部ハウジング部材3B1の凸条は図示されていない。
第2フェルール2Bの接合端面2Baと対向する上部ハウジング部材3B1の端面には、第1のハウジング用結合機構を構成するための、上記上部ハウジング部材3A1の係合溝部5に挿脱可能に係合されるチャンネル状の係合部材11が突設されている。さらに、上部ハウジング部材3B1には、第2のハウジング用結合機構を構成するための、上記上部ハウジング部材3A1の複数の係止用凹部4Aaに係脱可能に係止される複数の係止部材4Baが上部ハウジング部材3A1に向けて突設されている。また、下部ハウジング部材3B2には、第2のハウジング用結合機構を構成するための、上記下部ハウジング部材3A2の複数の係止用凹部4Abに係脱可能に係止される複数の係止部材4Bbが下部ハウジング部材3A2に向けて突設されている。
【0031】
上部ハウジング部材3B1の係止部材4Baの突設箇所には、上部ハウジング部材3B1を外表面から指先などで押圧することにより係止部材4Baを図10(a)の矢印Y1方向に変位させて係止用凹部4Aaから離脱させるための押圧操作部21Aが設けられている。さらに、下部ハウジング部材3B2の係止部材4Bbの突設箇所には、下部ハウジング部材3B2を外表面から指先などで押圧することにより係止部材4Bbを図10(b)の矢印Y2方向に変位させて係止用凹部4Abから離脱させるための押圧操作部21Bが設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された本実施の形態2における光配線の接続方法について、図7乃至図15を参照して説明する。
この光配線接続方法では、基板9上の第1光配線1(光導波路フィルム)と、それに対向する第2光配線8(光ファイバ)のコネクタ構造の形成プロセスについて述べる。
まず、図7及び図9に示す構造の第1及び第2フェルール2A,2Bを樹脂の射出成型により形成し、さらに、図8及び図10に示す構造の第1及び第2ハウジング3A,3Bを樹脂の射出成型により形成する。
ここで、第1及び第2フェルール2A,2Bのサイズは、光配線接着剤が均一な厚みとなるサイズの光配線収容溝を形成することが望ましい。これにより、光配線材料の熱伸縮によるコアの位置ずれを低減することができる。さらに、基板のコネクタ設置位置にもねじ固定用の穴を形成しておく。
【0033】
次に、第1光配線1の接合端面1aに研磨を施し、光硬化型ワニス接着剤を用いて基板9上に固定する(図11参照)。さらに、図12に示すように、第1光配線1に対して第1フェルール2Aを接着固定する。基板9上の第1光配線1に対しては、光硬化型ワニス接着剤を第1フェルール2Aに対して均一な厚さになるように塗工し、第1フェルール2Aの光配線収容溝2Abを第1光配線1に係合しておき、20mW、3000mJで露光し、接着固定する。
一方、第1光配線1に接続される第2光配線8(光ファイバ)は、その先端の被覆を除去して裸芯状態にし、これを図13に示すように、第2フェルール2Bの光配線収容溝2Bb内に挿着して第2光配線8を保持する。今回は4チャンネルのコネクタを形成するため、4本の光ファイバを光配線収容溝2Bb内に並べて設置する。光配線収容溝2Bbに光ファイバを設置した後、接着剤ワニスを用いて上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2とを接着する。その後、光ファイバの端面を研磨する。
【0034】
次に、第1及び第2ハウジング3A,3Bをそれぞれの第1及び第2フェルール2A,2Bに取り付ける。この場合、図14に示すように、第1ハウジング3Aの上部ハウジング部材3A1をねじ7Aにより基板9に固定し、同時に第1フェルール2Aを基板9に固定する。さらに、下部ハウジング部材3A2を基板9の裏面にねじ止めする。
また、第2フェルール2Bに対しては、図15に示すように、上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2を第2フェルール2Bに、これらが上下両面から挟持されるように装着した後、上部ハウジング部材3B1及び下部ハウジング部材3B2のフランジ3B1aと3B2aとをねじ止めすることで、第2フェルール2Bを保持する。
以上のプロセスにより、基板9上の第1光配線1と第2光配線8との接続用コネクタが作製される。
【0035】
このようなプロセスで作製された光配線用コネクタにおいても、上記実施の形態1と同様な効果が得られる。そして、係合溝部5と係合部材11とからなる第1のハウジング用結合機構を設けたことにより、第1光配線1と第2光配線8との接続状態が安定化される効果が得られる。また、係止用凹部4Aa、4Abと係止部材4Ba、4Bbとからなる第2のハウジング用結合機構を設けたことにより、第1及び第2フェルールで保持された第1及び第2光配線が不用意に分離されるのを防止できる。
【0036】
上記実施の形態では、第1光配線1が基板9上に固定され、この第1光配線1に第1フェルール2Aを接着剤で固着する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2光配線8を第1光配線1と異なる基板上に固定し、第1光配線と同様な構成にすることができる。すなわち、第1光配線及び第2光配線が両方とも基板上に搭載されている状態で接続できる方式でも構わない。
【符号の説明】
【0037】
1…第1光配線(光導波路)、1a…接合端面、2A…第1フェルール、2Ab…光配線収容溝、2Aa…光配線端面、2B…第2フェルール、2B1…上部フェルール、2B2…下部フェルール、2Ba…光配線端面、2Bb…光ファイバ収容溝、3A…第1ハウジング、3A1…上部ハウジング部材、3A2…下部ハウジング部材、3B…第2ハウジング、3B1…上部ハウジング部材、3B2…下部ハウジング部材、4Aa,4Ab…係止用凹部、4Ba,4Bb…係止部材、5…係合溝部、6A…アライメントピン、6B…嵌合孔、7A,7B,7C…ねじ、8…第2光配線(光ファイバ)、8a…接合端面、9…基板、11…係合部材、14…接着剤、17…接着剤、18A,18B…係合溝、18C…凸条、21A,21B…押圧操作部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光配線同士をそれらの光軸が一致された状態に接続する光配線コネクタ及び光配線の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、従来、電気配線が主として用いられてきた。しかしながら、情報処理装置の高性能化の要求に対応するため、近年では高周波信号伝送の必要性が高まっている。このような高周波信号を伝送する手段として、光配線による伝送についても検討が行われている。
光配線は光伝送基板・モジュール内外において、光伝送が可能な部材として使用が検討されている。
光伝送基板やモジュールの内外を接続するためには、光配線同士を接続できるコネクタが有効である。
【0003】
光配線同士を接続するコネクタの重要な課題は、簡便、且つ、精度の良い光配線の位置合わせと固定を行うことである。これを解決する手段としては、下記のような従来技術が挙げられる。
【0004】
上記課題の解決法の一つとして、特許文献1においては、光配線の四方をフェルールにて固定し、アライメントピンを用いて光配線のコア位置合わせを行うコネクタが考えられている。この方法においては、光ファイバをフェルール固定した後に、アライメントピンを用いて光ファイバ同士を簡便に位置合わせすることができる。
別の解決法として、特許文献2においては、基板上にホルダを設置固定し、そのホルダに光配線を固定したフェルールを設置する構造のコネクタが考えられている。この構造においても、光配線はフェルールにより固定されており、且つ、ホルダがアライメントのガイドとなるため、光配線の簡易位置アライメントが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3364638号公報
【特許文献2】特許第3220855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の解決法では、基板上での製造プロセスが煩雑になるという課題がある。具体的には、光配線を基板上に積層する場合には、コネクタ接続部にて基板との段差による浮きが発生するため、基板へのコネクタ設置時に光配線の少なくとも一部を基板から浮かせておく必要がある。このため、基板上への(または基板内層への)導波路ビルドアップや光配線の全面貼り合わせを行った後にコネクタを取り付けることができない。また上記解決法のコネクタは、光配線をフェルールに設置した後に基板上に固定する必要があるという制約もある。
【0007】
これらの制約を考えると、上記解決法は、光配線を基板に対して積層するアプリケーションへの適用が困難であるという課題がある。このため、上記課題を解決することができ、且つ、精度の良い簡便な位置合わせが可能な接続構造のコネクタが望まれる。
本発明は、光配線を基板に貼り合わせた後に取り付け可能で、且つ、簡便で高い精度での光配線位置合わせ・固定が可能な光配線コネクタ及び光配線の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は、光配線コネクタであって、接合端面を有する第1及び第2光配線と、前記接合端面を露出させた状態で前記第1光配線の端部を保持する第1フェルールと、前記接合端面を露出させた状態で前記第2光配線の端部を保持する第2フェルールと、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルールを着脱可能に結合するフェルール用結合機構と、前記第1または第2光配線の一方が固定される基板とを備え、前記基板に固定された前記一方の光配線を保持するフェルールは、前記一方の光配線を収容する光配線収容溝を有し、前記一方の光配線が前記光配線収容溝内に接着剤により固定されることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の光配線用コネクタにおいて、前記フェルール用結合機構は、前記第1フェルールの一方に、該一方のフェルールから前記第1及び第2フェルールの他方のフェルールに向けて突設された複数のアライメントピンと、前記他方のフェルールに設けられ、前記各アライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔とから構成されている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1また2記載の光配線用コネクタにおいて、前記接合端面を露出させた状態で前記第1フェルールを前記基板に固定する第1ハウジングが設けられ、前記接合端面を露出させた状態で前記第2フェルールを保持する第2ハウジングが設けられ、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを着脱可能に結合するハウジング用結合機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3記載の光配線用コネクタにおいて、前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に該第1及び第2ハウジングの他方に向けて突設された係合部材と、前記他方のハウジング部材に、前記係合部材に挿脱可能に係合して前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係合溝部とから構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載の光配線用コネクタにおいて、前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に設けられた係止用凹部と、前記第1および第2ハウジングの他方に、前記係止用凹部に係脱可能に係止され前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係止部材とから構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5に何れか1項記載の光配線用コネクタにおいて、前記第1または第2光配線の他方の光配線が固定される基板を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、光配線の接続方法であって、光配線収容溝を有する第1フェルールを作製する工程と、第1光配線を基板に固定する工程と、接合端面を露出させた状態で前記第1光配線を前記光配線収容溝内に接着剤により固定することで前記第1光配線の端部を第1フェルールで保持する工程と、接合端面を露出させた状態で第2光配線の端部を第2フェルールで保持する工程と、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2フェルールを着脱可能に結合する工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7記載の光配線の接続方法において、前記第1フェルールを第1ハウジングにより前記基板に固定する工程と、前記第2フェルールを第2ハウジングにより保持する工程と、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2ハウジング部を着脱可能に結合する工程とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、光配線を基板に接着固定した状態でコネクタを形成でき、基板に特殊な外形加工を施す必要がない。
また、本発明によれば、基板上の光配線との精度の高い位置合わせ及び固定が可能になる。
また、本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、フェルール・ハウジングを含むコネクタを基板に対して簡便に固定できる。
さらに、本発明の光配線コネクタ及び光配線の接続方法によれば、簡便な構造で光配線の挿抜可能な接続が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる光配線コネクタの一実施の形態を示すフェルールによる光配線接続構造の概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図4】本発明にかかる光配線コネクタの他の実施の形態を示すフェルール、ハウジングによる光配線接続構造の概略斜視図である。
【図5】図4のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図7】(a)は本発明の他の実施の形態における第1フェルールの概略斜視図であり、(b)は基板側フェルールの右側面図である。
【図8】(a)は本発明の他の実施の形態における第1ハウジングの概略斜視図であり、(b)は基板の裏面用ハウジング部材の概略斜視図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施の形態における第2フェルールの概略斜視図であり、(b)は第2フェルールの右側面図である。
【図10】a)は本発明の他の実施の形態における第2フェルール用上部ハウジング部材の概略斜視図であり、(b)は第2フェルール用下部ハウジング部材の概略斜視図である。
【図11】本発明の他の実施の形態において基板上に第1光配線を貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態において基板上の第1光配線にフェルール貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態において第2光配線にフェルールを貼り合わせた状態を示す説明図である。
【図14】本発明の他の実施の形態において第1フェルールに第1ハウジングを取り付けた状態を示す説明用断面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態において第2フェルールに第2ハウジングを取り付けた状態を示す説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態1に示す光配線用コネクタについて図1乃至図3を参照して説明する。
本実施の形態1に示す光配線用コネクタは、第1光配線(光導波路)1、第2光配線8、第1フェルール2A、第2フェルール2B、アライメントピン6B、位置合わせ用嵌合孔6A、基板9等を備える。なお、第1光配線(光導波路)1、第1フェルール2A及び基板9は、光配線用コネクタの受け部側を構成し、第2光配線8及び第2フェルール2Bは光配線用コネクタの差し込み部側を構成する。
【0018】
第1光配線(光導波路)1は、図1及び図2に示すように、同一平面上に平行に配列した複数のコア1aと、これらコア1Aを包むクラッド1Bとを備え、全体が扁平な帯状を呈している。このような第1光配線1は基板9上に接着剤により固定されている。また第1光配線1は、第2光配線8の接合端面8aと分離可能に接合される接合端面1aを有している。
基板9上に固定される第1光配線1としては、光ファイバ、光ファイバフィルム、光導波路等が使用できる。光配線の伝送モードは、シングルモード、マルチモード、シングルマルチ混合配線などの構成を採用できる。
また、第1光配線1が配設される基板9には、プリント基板、プリント積層基板、セラミック板、ポリマー板、金属板、シリコンウエハ等が使用できる。
【0019】
第1フェルール2Aは、図1及び図2に示すように、第1光配線1の接合端面1aを露出させた状態で第1光配線1の端部を一定の長さに亘り保持するもので、接合端面2Aaを有し、この接合端面2Aaは、第1光配線1の接合端面1aと同一の平面内に形成されている。
また、第1フェルール2Aは、基板9と対向する面に、第1光配線1を長さ方向に直角な面で切断した形状が長方形を呈する凹状の光配線収容溝2Abを有し、この光配線収容溝2Ab内には第1光配線1が接着剤により固定されている。さらに、第1フェルール2Aの接合端面2Aaには、後述するアライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ用嵌合孔6Aが第1フェルール2Aの幅方向の両端寄り箇所に設けられている。この位置合わせ用嵌合孔6Aと後述するアライメントピンは、特許請求の範囲に記載したフェルール用結合機構を構成する。
【0020】
第2光配線8は、図1及び図3に示すように、中心のコア15と、コア15を包む周辺部のクラッド16から構成された光ファイバを複数本(例えば4本)、同一平面上に平行に配列することにより構成される。このような第2光配線8の端部は、その接合端面8Aを露出させた状態で、第2フェルール2Bにより一定の長さに亘り保持されている。
第2フェルール2Bは、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2からなり、この上部フェルール2B1と下部フェルール2B2との接合面には、複数の光ファイバ収容溝(光配線収容溝)2Bbが形成されている。この各光ファイバ収容溝2Bb内には第2光配線8を構成する光ファイバが挿入され、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2に上下方向からサンドイッチ状に挟持され、そして、上部フェルール2B1と下部フェルール2B2の接合面及び各光ファイバの外周囲に介在した接着剤17により固定され、第2フェルール2Bと第2光配線8とが一体された構造になっている。
また、第2フェルール2Bは接合端面2Baを有し、この接合端面2Baは、第2光配線8の接合端面8aと同一の平面内に形成される。
なお、第2光配線8は、複数の光ファイバを平行に配列した構造のものに限らず、光ファイバフィルム、光導波路等が使用できる。光配線の伝送モードは、シングルモード、マルチモード、シングルマルチ混合配線などの構成を採用できる。
【0021】
フェルール用結合機構は、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとを同軸上で接合させた状態に維持するように第1フェルール2A及び第2第1フェルール2Bを着脱可能に結合するものである。
このようなフェルール用結合機構は、図1乃至図3に示すように、第2フェルール2Bに、第2フェルール2Bの接合端面2Baから直角に突出して設けられた複数のアライメントピン6Bと、アライメントピン6Bと対向する第1フェルール2Aの接合端面2Aaに設けられ、各アライメントピン6Bが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔6Aとから構成される。
【0022】
このような本実施の形態1に示す光配線用コネクタによれば、第1光配線1を基板9上に固定し、接合端面1aを露出させた状態で第1光配線1を光配線収容溝2Ab内に接着剤により固定して第1光配線1の端部を第1フェルール2Aで保持し、接合端面8aを露出させた状態で第2光配線8の端部を第2フェルール2Bで保持し、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとを同軸上で接合させた状態に維持するように第1フェルール2Aと第2フェルール2Bをフェルール用結合機構で着脱可能に結合する構成にしたので、光配線を基板に接着固定した状態でコネクタを形成でき、基板に特殊な外形加工を施す必要がない。
また、基板上の光配線との精度の高い位置合わせ及び固定が可能になるとともに、フェルールを含むコネクタを基板に対して簡便に固定できる。さらに、簡便な構造で光配線の挿抜可能な接続が実現できる。
【0023】
上記実施の形態1において、第1光配線1を基板9に対して積層する方法としては、接着剤ワニス・接着剤フィルムを使用して貼り合わせる方法や、光配線を形成する際に基板9に直接積層形成する方法が挙げられる。このとき、第1光配線1を基板9に貼り合わせる場合において、使用できる接着剤の種類はエポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、アクリル系等、様々な種類の接着剤を用いることができる。但し、接着剤の材料はここに挙げるものに限定しない。
また、第1光配線1を基板9に対して積層貼り合わせする前に、第1光配線1の接合端面1aにダイシング・研磨・洗浄などの処理をすることも可能である。これにより、第1光配線1の接合端面1aが整った状態でコネクタを形成できる。このような処理は、第2光配線8の接合端面8aにおいても同様に行われる。
また、第1光配線1を基板9の端縁より外方へ突出するように設計・貼り付けしておき、第12フェルール2Aを接着固定した後に、突出した光配線部分に洗浄、研磨等を施して端面を整える方法も可能である。
また、基板9に積層した第1光配線1と対向する第2光配線8に対し第2フェルール2Bが接着固定されるが、第2フェルール2Bに第2光配線8を固定する際には、第2光配線8に対して均一な厚さで接着剤を塗布することが望ましい。これにより、第2光配線の伸縮がある場合にも光配線コアの位置ずれ量を低減できる。
【0024】
第1及び第2フェルールとしては、高分子材料、シリコーン材料、金属材料、石英系材料、ガラス材料、無機材料等の様々な材料が使用できる。フェルールの形成方法は射出成型などの方法を取ることができる。
また、フェルールと光配線との接着固定する接着剤には、屈折率整合のための樹脂を充填することもできる。この際に使用できる樹脂は、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、アクリル系等、様々な種類の材料を用いることができる。
また、本実施の形態1では、光配線とフェルールを接着固定した後、フェルール同士をアライメントピンとその嵌合孔からなるフェルール用結合機構で結合する場合について説明したが、これに限定されず、両側フェルールを接着するなどの方法で光配線の接続が行える。但し、接続は接着剤固定に限定されない。また、フェルールに固定構造を形成しておき、フェルールを基板に固定することもできる。
【0025】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる光配線用コネクタの他の実施の形態について、図4乃至図10を参照して説明する。
本実施の形態2では、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一符号を付して、その構成説明を省略し、上記実施の形態1と異なる部分を重点に述べる。
【0026】
本実施の形態2において、上記実施の形態1と異なる点は、第1光配線1の接合端面1aを露出させた状態で第1フェルール2Aを基板9に固定する第1ハウジング3A、第2光配線8の接合端面8aを露出させた状態で第2フェルール2Bを保持する第2ハウジング3Bが設けられていること、第1光配線1の接合端面1aと第2光配線8の接合端面8aとをそれぞれの光軸が一致される同軸上で接合させた状態で第1ハウジング3Aと第2ハウジング3Bとを着脱可能に結合する第1のハウジング用結合機構及び第2のハウジング用結合機構が設けられているところにある。
【0027】
第1ハウジング3Aは、図4、図5及び図8に示すように、上部ハウジング部材3A1と下部ハウジング部材3A2を有している。上部ハウジング部材3A1は、第1フェルール2Aの基板8の上面から突出する外形形状に合致する形状に成形され、この上部ハウジング部材3A1の基板8の上面と接する幅方向の両端にはフランジ3A1aをそれぞれ有し、この両フランジ3A1aをタッピングねじ等のねじ7Aにより複数箇所でねじ止めすることで、上部ハウジング部材3A1を基板9に固定し、同時に第1フェルール2Aを基板9に固定する。また、下部ハウジング部材3A2は、第1フェルール2Aの配置位置と対向する基板9の裏面にタッピングねじ等のねじ7Bにより複数箇所でねじ止めされている。
【0028】
第1フェルール2Aの上面と側面には、図7(a)に示すように、第1フェルール2Aの長手方向の2箇所に第1フェルール2Aの長手方向と直交する方向の係合溝18Aがそれぞれ形成されている。これら係合溝18Aに係合する凸条(図示せず)が上部ハウジング部材3A1の内面に形成されている。
また、第1フェルール2Aの接合端面2Aaと対向する上部ハウジング部材3A1の端面には、第1のハウジング用結合機構を構成するための係合溝部5が上部ハウジング部材3A1の端面縁部に沿って所定の深さで形成されている。さらに、上部ハウジング部材3A1の上面及び下部ハウジング部材3A2には、第2のハウジング用結合機構を構成するための複数の係止用凹部4Aa及び4Abがそれぞれ形成されている。
【0029】
第2ハウジング3Bは、図4、図6及び図10に示すように、上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2を有している。上部ハウジング部材3B1は、第2フェルール2Bの上部フェルール2B1の上面側の外形形状に合致する形状に成形され、この上部ハウジング部材3B1の幅方向の両端にはフランジ3B1aをそれぞれ有している。
また、下部ハウジング部材3B2は、第2フェルール2Bの下部フェルール2B2の下面側の外形形状に合致する形状に成形され、この下部ハウジング部材3B2の幅方向の両端にはフランジ3B2aをそれぞれ有している。
このような上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2は、それぞれのフランジ3B1aと3B2aとを重ね合わせた状態でタッピングねじ等のねじ7Cにより複数箇所でねじ止めすることで、第2フェルール2Bに固定され、同時に第2フェルール2Bを保持する。
【0030】
第2フェルール2Bの幅方向に外周囲には、図9(a)に示すように、第2フェルール2Bの長手方向の2箇所に第2フェルール2Bの長手方向と直交する方向の係合溝18Bがそれぞれ形成されている。これら係合溝18Bに係合する凸条18Cが上部ハウジング部材3B1の内壁面と下部ハウジング部材3B2の内壁面に形成されている。なお、上部ハウジング部材3B1の凸条は図示されていない。
第2フェルール2Bの接合端面2Baと対向する上部ハウジング部材3B1の端面には、第1のハウジング用結合機構を構成するための、上記上部ハウジング部材3A1の係合溝部5に挿脱可能に係合されるチャンネル状の係合部材11が突設されている。さらに、上部ハウジング部材3B1には、第2のハウジング用結合機構を構成するための、上記上部ハウジング部材3A1の複数の係止用凹部4Aaに係脱可能に係止される複数の係止部材4Baが上部ハウジング部材3A1に向けて突設されている。また、下部ハウジング部材3B2には、第2のハウジング用結合機構を構成するための、上記下部ハウジング部材3A2の複数の係止用凹部4Abに係脱可能に係止される複数の係止部材4Bbが下部ハウジング部材3A2に向けて突設されている。
【0031】
上部ハウジング部材3B1の係止部材4Baの突設箇所には、上部ハウジング部材3B1を外表面から指先などで押圧することにより係止部材4Baを図10(a)の矢印Y1方向に変位させて係止用凹部4Aaから離脱させるための押圧操作部21Aが設けられている。さらに、下部ハウジング部材3B2の係止部材4Bbの突設箇所には、下部ハウジング部材3B2を外表面から指先などで押圧することにより係止部材4Bbを図10(b)の矢印Y2方向に変位させて係止用凹部4Abから離脱させるための押圧操作部21Bが設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された本実施の形態2における光配線の接続方法について、図7乃至図15を参照して説明する。
この光配線接続方法では、基板9上の第1光配線1(光導波路フィルム)と、それに対向する第2光配線8(光ファイバ)のコネクタ構造の形成プロセスについて述べる。
まず、図7及び図9に示す構造の第1及び第2フェルール2A,2Bを樹脂の射出成型により形成し、さらに、図8及び図10に示す構造の第1及び第2ハウジング3A,3Bを樹脂の射出成型により形成する。
ここで、第1及び第2フェルール2A,2Bのサイズは、光配線接着剤が均一な厚みとなるサイズの光配線収容溝を形成することが望ましい。これにより、光配線材料の熱伸縮によるコアの位置ずれを低減することができる。さらに、基板のコネクタ設置位置にもねじ固定用の穴を形成しておく。
【0033】
次に、第1光配線1の接合端面1aに研磨を施し、光硬化型ワニス接着剤を用いて基板9上に固定する(図11参照)。さらに、図12に示すように、第1光配線1に対して第1フェルール2Aを接着固定する。基板9上の第1光配線1に対しては、光硬化型ワニス接着剤を第1フェルール2Aに対して均一な厚さになるように塗工し、第1フェルール2Aの光配線収容溝2Abを第1光配線1に係合しておき、20mW、3000mJで露光し、接着固定する。
一方、第1光配線1に接続される第2光配線8(光ファイバ)は、その先端の被覆を除去して裸芯状態にし、これを図13に示すように、第2フェルール2Bの光配線収容溝2Bb内に挿着して第2光配線8を保持する。今回は4チャンネルのコネクタを形成するため、4本の光ファイバを光配線収容溝2Bb内に並べて設置する。光配線収容溝2Bbに光ファイバを設置した後、接着剤ワニスを用いて上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2とを接着する。その後、光ファイバの端面を研磨する。
【0034】
次に、第1及び第2ハウジング3A,3Bをそれぞれの第1及び第2フェルール2A,2Bに取り付ける。この場合、図14に示すように、第1ハウジング3Aの上部ハウジング部材3A1をねじ7Aにより基板9に固定し、同時に第1フェルール2Aを基板9に固定する。さらに、下部ハウジング部材3A2を基板9の裏面にねじ止めする。
また、第2フェルール2Bに対しては、図15に示すように、上部ハウジング部材3B1と下部ハウジング部材3B2を第2フェルール2Bに、これらが上下両面から挟持されるように装着した後、上部ハウジング部材3B1及び下部ハウジング部材3B2のフランジ3B1aと3B2aとをねじ止めすることで、第2フェルール2Bを保持する。
以上のプロセスにより、基板9上の第1光配線1と第2光配線8との接続用コネクタが作製される。
【0035】
このようなプロセスで作製された光配線用コネクタにおいても、上記実施の形態1と同様な効果が得られる。そして、係合溝部5と係合部材11とからなる第1のハウジング用結合機構を設けたことにより、第1光配線1と第2光配線8との接続状態が安定化される効果が得られる。また、係止用凹部4Aa、4Abと係止部材4Ba、4Bbとからなる第2のハウジング用結合機構を設けたことにより、第1及び第2フェルールで保持された第1及び第2光配線が不用意に分離されるのを防止できる。
【0036】
上記実施の形態では、第1光配線1が基板9上に固定され、この第1光配線1に第1フェルール2Aを接着剤で固着する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2光配線8を第1光配線1と異なる基板上に固定し、第1光配線と同様な構成にすることができる。すなわち、第1光配線及び第2光配線が両方とも基板上に搭載されている状態で接続できる方式でも構わない。
【符号の説明】
【0037】
1…第1光配線(光導波路)、1a…接合端面、2A…第1フェルール、2Ab…光配線収容溝、2Aa…光配線端面、2B…第2フェルール、2B1…上部フェルール、2B2…下部フェルール、2Ba…光配線端面、2Bb…光ファイバ収容溝、3A…第1ハウジング、3A1…上部ハウジング部材、3A2…下部ハウジング部材、3B…第2ハウジング、3B1…上部ハウジング部材、3B2…下部ハウジング部材、4Aa,4Ab…係止用凹部、4Ba,4Bb…係止部材、5…係合溝部、6A…アライメントピン、6B…嵌合孔、7A,7B,7C…ねじ、8…第2光配線(光ファイバ)、8a…接合端面、9…基板、11…係合部材、14…接着剤、17…接着剤、18A,18B…係合溝、18C…凸条、21A,21B…押圧操作部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合端面を有する第1及び第2光配線と、
前記接合端面を露出させた状態で前記第1光配線の端部を保持する第1フェルールと、
前記接合端面を露出させた状態で前記第2光配線の端部を保持する第2フェルールと、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルールを着脱可能に結合するフェルール用結合機構と、
前記第1または第2光配線の一方が固定される基板とを備え、
前記基板に固定された前記一方の光配線を保持するフェルールは、前記一方の光配線を収容する光配線収容溝を有し、前記一方の光配線が前記光配線収容溝内に接着剤により固定される、
ことを特徴とする光配線用コネクタ。
【請求項2】
前記フェルール用結合機構は、前記第1フェルールの一方に、該一方のフェルールから前記第1及び第2フェルールの他方のフェルールに向けて突設された複数のアライメントピンと、前記他方のフェルールに設けられ、前記各アライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔とから構成されている請求項1記載の光配線用コネクタ。
【請求項3】
前記接合端面を露出させた状態で前記第1フェルールを前記基板に固定する第1ハウジングが設けられ、前記接合端面を露出させた状態で前記第2フェルールを保持する第2ハウジングが設けられ、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを着脱可能に結合するハウジング用結合機構が設けられていることを特徴とする請求項1また2記載の光配線用コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に該第1及び第2ハウジングの他方に向けて突設された係合部材と、前記他方のハウジング部材に、前記係合部材に挿脱可能に係合して前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係合溝部とから構成されていることを特徴とする請求項3記載の光配線用コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に設けられた係止用凹部と、前記第1および第2ハウジングの他方に、前記係止用凹部に係脱可能に係止され前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係止部材とから構成されていることを特徴とする請求項3記載の光配線用コネクタ。
【請求項6】
前記第1または第2光配線の他方の光配線が固定される基板を有することを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の光配線用コネクタ。
【請求項7】
光配線収容溝を有する第1フェルールを作製する工程と、
第1光配線を基板に固定する工程と、
接合端面を露出させた状態で前記第1光配線を前記光配線収容溝内に接着剤により固定することで前記第1光配線の端部を第1フェルールで保持する工程と、
接合端面を露出させた状態で第2光配線の端部を第2フェルールで保持する工程と、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2フェルールを着脱可能に結合する工程とを備える、
ことを特徴とする光配線の接続方法。
【請求項8】
前記第1フェルールを第1ハウジングにより前記基板に固定する工程と、
前記第2フェルールを第2ハウジングにより保持する工程と、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2ハウジング部を着脱可能に結合する工程とをさらに備えることを特徴とする請求項7記載の光配線の接続方法。
【請求項1】
接合端面を有する第1及び第2光配線と、
前記接合端面を露出させた状態で前記第1光配線の端部を保持する第1フェルールと、
前記接合端面を露出させた状態で前記第2光配線の端部を保持する第2フェルールと、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2第1フェルールを着脱可能に結合するフェルール用結合機構と、
前記第1または第2光配線の一方が固定される基板とを備え、
前記基板に固定された前記一方の光配線を保持するフェルールは、前記一方の光配線を収容する光配線収容溝を有し、前記一方の光配線が前記光配線収容溝内に接着剤により固定される、
ことを特徴とする光配線用コネクタ。
【請求項2】
前記フェルール用結合機構は、前記第1フェルールの一方に、該一方のフェルールから前記第1及び第2フェルールの他方のフェルールに向けて突設された複数のアライメントピンと、前記他方のフェルールに設けられ、前記各アライメントピンが挿脱可能に嵌合される複数の位置合わせ兼用の嵌合孔とから構成されている請求項1記載の光配線用コネクタ。
【請求項3】
前記接合端面を露出させた状態で前記第1フェルールを前記基板に固定する第1ハウジングが設けられ、前記接合端面を露出させた状態で前記第2フェルールを保持する第2ハウジングが設けられ、前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを着脱可能に結合するハウジング用結合機構が設けられていることを特徴とする請求項1また2記載の光配線用コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に該第1及び第2ハウジングの他方に向けて突設された係合部材と、前記他方のハウジング部材に、前記係合部材に挿脱可能に係合して前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係合溝部とから構成されていることを特徴とする請求項3記載の光配線用コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジング用結合機構は、前記第1及び第2ハウジングの一方に設けられた係止用凹部と、前記第1および第2ハウジングの他方に、前記係止用凹部に係脱可能に係止され前記第1ハウジングと第2ハウジングとを結合する係止部材とから構成されていることを特徴とする請求項3記載の光配線用コネクタ。
【請求項6】
前記第1または第2光配線の他方の光配線が固定される基板を有することを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の光配線用コネクタ。
【請求項7】
光配線収容溝を有する第1フェルールを作製する工程と、
第1光配線を基板に固定する工程と、
接合端面を露出させた状態で前記第1光配線を前記光配線収容溝内に接着剤により固定することで前記第1光配線の端部を第1フェルールで保持する工程と、
接合端面を露出させた状態で第2光配線の端部を第2フェルールで保持する工程と、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2フェルールを着脱可能に結合する工程とを備える、
ことを特徴とする光配線の接続方法。
【請求項8】
前記第1フェルールを第1ハウジングにより前記基板に固定する工程と、
前記第2フェルールを第2ハウジングにより保持する工程と、
前記第1光配線の前記接合端面と前記第2光配線の前記接合端面とを同軸上で接合させた状態に維持するように第1及び第2ハウジング部を着脱可能に結合する工程とをさらに備えることを特徴とする請求項7記載の光配線の接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−75688(P2011−75688A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225186(P2009−225186)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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