説明

内燃機関の排気浄化装置

【課題】フィルタの再生時に該フィルタの温度を速やかに上昇させつつ該フィルタよりも上流に備わる排気浄化触媒の過熱を抑制する。
【解決手段】分岐部11で分岐し該分岐部11よりも下流の合流部12で合流する排気通路2と、分岐部11と合流部12の間に夫々設けられる排気浄化触媒31,32と、合流部12よりも下流に設けられるフィルタ8と、分岐部11よりも下流で且つ排気浄化触媒31,32よりも上流から夫々の排気通路へ還元剤を供給する還元剤供給手段51,52と、排気浄化触媒31,32を通過する排気の量を調節する調節手段41,42と、を備え、フィルタ8の再生を行なうときに、一の還元剤供給手段51から還元剤を供給し、且つ、該還元剤が供給される排気通路21に設けられている排気浄化触媒31を通過する排気の量を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気通路を2つに分岐させ、この分岐している排気通路の夫々に吸蔵還元型NOx触媒を備え、さらに、この分岐した排気通路が合流する位置よりも下流にパティキ
ュレートフィルタ(以下、フィルタという。)を備え、該フィルタの再生を行うときに一方の吸蔵還元型NOx触媒にリッチ空燃比の排気を通過させ、他方の吸蔵還元型NOx触媒にリーン空燃比の排気を通過させることでフィルタの温度を上昇させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。つまり、フィルタには、一方の吸蔵還元型NOx触媒
で発生した熱と、該一方の吸蔵還元型NOx触媒で反応しなかったHCと、他方の吸蔵還
元型NOx触媒を通過する酸素と、が流入する。そのため、HCと酸素とがフィルタに備
わる触媒で反応して該フィルタの温度が上昇するため、該フィルタの再生を行なうことが可能となる。
【特許文献1】特許第3758617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、フィルタに十分なHCを供給しようとしてHCの供給量を増加させると、一方の吸蔵還元型NOx触媒にて発生する熱の量が多くなり、該一方の吸蔵還元型NOx触媒が過熱する虞がある。一方、過熱を防止しようとしてHCの量を制限すると、フィルタの温度が十分に上昇しなかったり、十分な温度に上昇するまでに時間がかかったりする。これにより、燃費が悪化する。
【0004】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、フィルタの再生時に該フィルタの温度を速やかに上昇させつつ該フィルタよりも上流に備わる排気浄化触媒の過熱を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
分岐部で複数に分岐し該分岐部よりも下流の合流部で合流する排気通路と、
前記分岐部と合流部の間の排気通路に夫々設けられる排気浄化触媒と、
前記合流部よりも下流の排気通路に設けられ酸化能力を有する触媒を担持するかまたは酸化能力を有する触媒を上流に備えるパティキュレートフィルタと、
前記分岐部よりも下流で且つ前記排気浄化触媒よりも上流から夫々の排気通路へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気浄化触媒を通過する排気の量を調節する調節手段と、
を備える内燃機関の排気浄化装置において、
前記パティキュレートフィルタの再生を行なうときに、一の還元剤供給手段から還元剤を供給し、且つ、該還元剤が供給される排気通路に設けられている排気浄化触媒を通過する排気の量を他の排気浄化触媒を通過する排気の量よりも減少させることを特徴とする。
【0006】
つまり、一の排気浄化触媒では、還元剤供給手段により還元剤が供給されるため、この還元剤が排気浄化触媒で反応する。これにより排気中の酸素が減少する。さらに、排気の量が減少されることにより、一の排気浄化触媒における空間速度(SV)が低くなる。こ
のような状態では、一の排気浄化触媒において還元剤が過剰に多い状態となるため酸素が不足する。そのため、一の排気浄化触媒に供給された還元剤の一部は、該一の排気浄化触媒にて反応することなく下流へ流出する。このようにして、一の排気浄化触媒では、酸素の流入量を制限することにより、還元剤の反応による発熱を抑えることができるため、該一の排気浄化触媒の過熱を抑制できる。
【0007】
また、一の排気浄化触媒にて反応しなかった還元剤は、パティキュレートフィルタに流入する。ここで、他の排気通路においては還元剤が供給されていないため、他の排気浄化触媒から流出する排気には酸素が多く含まれている。そのため、パティキュレートフィルタには、酸素も流入することになる。つまり、還元剤と酸素とがパティキュレートフィルタに流入するため、該パティキュレートフィルタに担持されるか、または上流に備わる酸化能を有する触媒にて発熱する。これにより、パティキュレートフィルタの温度を上昇させることができる。つまり、排気浄化触媒の温度上昇を抑制しつつパティキュレートフィルタの温度を上昇させることができる。
【0008】
本発明においては、前記一の排気浄化触媒に付着している還元剤の量が閾値以下となるまでの間、該一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させることができる。
【0009】
還元剤が供給された排気通路に備わる排気浄化触媒には、還元剤が付着することがある。そして、一の排気浄化触媒に多くの還元剤が付着している状態で排気の量が元に戻されると、該一の排気浄化触媒にて還元剤と酸素とが一斉に反応することにより、該一の排気浄化触媒が過熱する虞がある。しかし、排気浄化触媒に付着した還元剤は、該排気浄化触媒を通過する排気の量が減少されているときにおいても徐々に気化するため、時間の経過とともに減少する。そして、一の排気浄化触媒に付着していた還元剤が減少した後に排気の量を増加させることにより、該一の排気浄化触媒の過熱を抑制できる。すなわち、前記閾値とは、一の排気浄化触媒を通過する排気の量を元に戻したときに該排気浄化触媒が過熱することのない還元剤の付着量とすることができる。なお、排気の量を増加させたときに排気浄化触媒が過熱することのない還元剤の付着量となるまでの期間を予め求めておき、この期間を前記一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させる期間としてもよい。
【0010】
本発明においては、前記排気浄化触媒は吸蔵還元型NOx触媒を含んで構成され、前記
パティキュレートフィルタの再生は、前記一の排気浄化触媒に吸蔵されているNOxを還
元するときに合わせて行なうことができる。
【0011】
この吸蔵還元型NOx触媒は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低く且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを
還元する機能を有する。つまり、一の吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給することによ
り、該一の吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元させることができる。そして、一の吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸蔵量が十分に多くなってからパティキュレートフィルタの再生を行うことにより、NOxの還元とフィルタの再生とを同時に行うことがで
きるため、還元剤の消費量を低減することができる。
【0012】
本発明においては、前記一の排気浄化触媒における雰囲気中の酸素量が所定値以下となるように該一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させることができる。
【0013】
ここで、一の排気浄化触媒に流入する酸素量を制限すると、還元剤をいくら供給しても該一の排気浄化触媒にて反応する還元剤量が限られるため、該一の排気浄化触媒の温度が上昇しなくなる。つまり、一の排気浄化触媒が過熱しないように該一の排気浄化触媒に流入する酸素量を抑制することにより、該一の排気浄化触媒の過熱を抑制できる。すなわち前記所定値とは、還元剤の供給量によらず、一の排気浄化触媒の過熱を抑制できる酸素量
とすることができる。
【0014】
本発明においては、前記調節手段は、前記分岐部と前記合流部との間の排気通路に夫々備わり該排気通路の流路断面積を調節する調節弁を含んで構成され、前記排気浄化触媒を通過する排気の量の減少は前記調節弁を閉じ側にすることにより行なわれ、該調節弁が閉じ始めてから全閉となるまでの間に前記一の還元剤供給手段による還元剤の供給を開始することができる。
【0015】
ここで、一の排気浄化触媒を通過する排気の量が減少されてから一の還元剤供給手段により排気中へ還元剤が供給されると、還元剤が一の排気浄化触媒に到達するまでに時間がかかってしまう。その結果、パティキュレートフィルタの再生に要する時間が長くなる。これに対し、還元剤が一の排気浄化触媒に到達したときに該一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させることにより、パティキュレートフィルタの再生を速やかに行うことができる。そして、前記調節弁が閉じ始めるときから全閉となるまでの間に前記一の還元剤供給手段により還元剤を供給することで、一の排気浄化触媒に還元剤が到達するまでの時間を短縮すると共に、還元剤が到達したときの酸素量を減少させることができる。これにより、一の排気浄化触媒の過熱を抑制しつつ、パティキュレートフィルタの再生を速やかに行うことができる。
【0016】
本発明においては、前記還元剤供給手段からの還元剤の供給を複数回に分割しつつ等間隔で行い、分割した夫々の還元剤の供給量を所定量以下とすることができる。
【0017】
還元剤の供給を複数回に分割して行い、1回あたりの供給量を可及的に少なくすると共に等間隔で供給することにより、還元剤の気化を促進させることができる。これにより、還元剤が一の排気浄化触媒に液体のまま付着する量が少なくなる。つまり、一の排気浄化触媒に付着しないで通過する還元剤の量が多くなる。そして、一の排気浄化触媒に付着する還元剤量が少なくなることにより、その後に一の排気浄化触媒を通過する排気の量が多くなったときに反応する還元剤の量を減少させることができる。これにより、一の排気浄化触媒が過熱することを抑制できる。
【0018】
本発明においては、前記還元剤供給手段から還元剤を供給し、且つ、該還元剤を供給された排気浄化触媒を通過する排気の量を他の排気浄化触媒を通過する排気の量よりも減少させることを、複数の排気通路において順に行なうことができる。
【0019】
還元剤を供給することにより排気浄化触媒の熱劣化が進行する。これに対し、一の排気浄化触媒から他の排気浄化触媒に順に還元剤を供給することによりパティキュレートフィルタの再生を行うと、各排気浄化触媒の熱劣化の進行度合いを夫々のパティキュレートフィルタで同程度とすることができる。これにより、システム全体としての浄化能力をより高く保つことができる。
【0020】
本発明においては、前記一の還元剤供給手段は、還元剤を供給したときに該還元剤が気化することにより排気通路を逆流したとしても他の排気浄化触媒が設けられている排気通路へ到達しない個所に還元剤を供給することができる。
【0021】
ここで、排気中に還元剤を供給すると、該排気の熱により還元剤の一部が気化し、これにより還元剤の体積が膨張する。このときには、排気浄化触媒を通過する排気の量が減少されているため、膨張した還元剤は排気通路を逆流することがある。そして、膨張した還元剤が分岐部に到達すると、他の排気浄化触媒が設けられている排気通路に還元剤が流入してしまう。そして他の排気浄化触媒では、通過する排気の量が減少されていないことにより通過する酸素量が多いので、流入した還元剤が反応してしまう。そのため、パティキ
ュレートフィルタに到達する還元剤量が少なくなるため、該パティキュレートフィルタの再生に要する時間が長くなる。
【0022】
これに対し一の還元剤供給手段により供給された還元剤が他の排気浄化触媒が設けられる排気通路に到達しないように、該一の還元剤供給手段から還元剤が供給される個所と、分岐部との距離を十分長く取る。これにより、還元剤が他の排気浄化触媒を通過することを抑制できる。
【0023】
本発明においては、前記還元剤供給手段により排気通路内に供給された還元剤が衝突する部材を各排気通路内に備えて構成されることができる。
【0024】
このように還元剤を他の部材に衝突させることにより、該還元剤の気化を促進させることができる。この部材はヒータ等により加熱してもよい。また、他の部材に還元剤が付着することを抑制するために、該他の部材は金属を材料としてもよい。
【0025】
本発明においては、前記排気浄化触媒よりも下流で且つ合流部よりも上流の排気通路を流通する排気の空燃比を検出する空燃比センサと、
前記排気浄化触媒よりも下流で且つ合流部よりも上流の排気通路を流通する排気の温度を検出する温度センサと、
前記空燃比センサまたは温度センサの何れか一方により検出される値が、所定の範囲外の場合に、何れかの部材に異常が生じていると判定する異常判定手段と、
を備えることができる。
【0026】
例えば、一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させようとしても減少しなかった場合には、還元剤を供給したときに該還元剤が一の排気浄化触媒で一斉に反応するため、該一の排気浄化触媒が過熱する虞がある。このような場合には、空燃比センサにより得られる空燃比はよりリーンとなり、温度センサにより得られる温度はより高くなる。このようにして、各センサにより得られる値が正常値を外れた場合には、何れかの部材に異常が生じていると判定することができる。つまり、前記所定の範囲とは、全ての部材が正常の場合の検出値の範囲を示している。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、フィルタの再生時に該フィルタの温度を速やかに上昇させつつ該フィルタよりも上流に備わる排気浄化触媒の過熱を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0029】
図1は、本実施例に係る内燃機関1とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
【0030】
内燃機関1には、燃焼室へ通じる排気通路2が接続されている。この排気通路2は、分岐部11にて第1排気通路21と第2排気通路22とに分岐し、該第1排気通路21と第2排気通路22とは、分岐部11よりも下流の合流部12にて合流している。
【0031】
第1排気通路21には第1吸蔵還元型NOx触媒31(以下、第1NOx触媒31という。)が設けられている。また、第2排気通路22には第2吸蔵還元型NOx触媒32(以
下、第2NOx触媒32という。)が設けられている。第1NOx触媒31及び第2NOx
触媒32は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排
気の酸素濃度が低く且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有
する。なお、本実施例においては第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32が、本発明における排気浄化触媒に相当する。
【0032】
分岐部11よりも下流で且つ第1NOx触媒31よりも上流の第1排気通路21には、
該第1排気通路21を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する第1燃料添加弁51が取り付けられている。また、分岐部11よりも下流で且つ第2NOx触媒32よ
りも上流の第2排気通路22には、該第2排気通路22を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する第2燃料添加弁52が取り付けられている。なお、本実施例においては第1燃料添加弁51及び第2燃料添加弁52が、本発明における還元剤供給手段に相当する。
【0033】
第1NOx触媒31よりも下流で且つ合流部12よりも上流の第1排気通路21には、
該第1排気通路21の通路断面積を調節する第1調節弁41が設けられている。また、第2NOx触媒32よりも下流で且つ合流部12よりも上流の第2排気通路22には、該第
2排気通路22の通路断面積を調節する第2調節弁42が設けられている。なお、本実施例においては第1調節弁41及び第2調節弁42が、本発明における調節手段に相当する。
【0034】
第1NOx触媒31よりも下流で且つ第1調節弁41よりも上流の第1排気通路21に
は、該第1排気通路21を流通する排気の空燃比を検出する第1空燃比センサ61と、排気の温度を検出する第1温度センサ71が取り付けられている。また、第2NOx触媒3
2よりも下流で且つ第2調節弁42よりも上流の第2排気通路22には、該第2排気通路22を流通する排気の空燃比を検出する第2空燃比センサ62と、排気の温度を検出する第2温度センサ72が取り付けられている。なお、本実施例においては第1空燃比センサ61及び第2空燃比センサ62が、本発明における空燃比センサに相当する。また、本実施例においては第1温度センサ71及び第2温度センサ72が、本発明における温度センサに相当する。
【0035】
そして、合流部12よりも下流の排気通路2には、酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタ8(以下、フィルタ8という。)が設けられている。このフィルタ8は、排気中に含まれるPMを捕集する。なお、フィルタ8に酸化触媒を担持する代わりに、合流部12よりも下流で且つフィルタ8よりも上流に酸化触媒を設けてもよい。また、酸化触媒に代えて、酸化能力を有する他の触媒(例えば、NOx触媒、三元触媒)を用いることも
できる。
【0036】
フィルタ8よりも下流の排気通路2には、該排気通路2を流通する排気の温度を検出する第3温度センサ9が取り付けられている。
【0037】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。
【0038】
このECU10には、上記センサの出力信号が入力されるようになっている。一方、ECU10には、第1燃料添加弁51、第2燃料添加弁52、第1調節弁41、第2調節弁42が接続され、これらはECU10により制御される。
【0039】
そして、本実施例では、フィルタ8の再生を行なうときに第1燃料添加弁51または第2燃料添加弁52の何れか一方から燃料を噴射している。このときに、燃料が添加された
ほうの排気通路において調節弁が閉じ側に動かされる。以下、第1燃料添加弁51から燃料を噴射させる場合について説明する。
【0040】
この場合、フィルタ8の再生を行なうときに、第1燃料添加弁51から燃料を噴射させると共に第1調節弁41が閉じられる。ここで、第1調節弁41は、最も閉じ側となっても排気が流通可能な隙間が残るように設定されている。本実施例では、第1調節弁41または第2調節弁42が最も閉じ側となった状態を「全閉」と称する。そして、フィルタ8の再生時には、第1調節弁41を全閉としてもよい。
【0041】
第1燃料添加弁51から噴射された燃料が第1NOx触媒31に流入すると、該燃料が
排気中の酸素により酸化される。しかし、排気の流量が少ないことにより該第1NOx触
媒31内に供給される酸素量が少なくなるため、燃料の一部は該第1NOx触媒31で完
全に酸化されないまま該第1NOx触媒31から流出する。
【0042】
つまり、第1NOx触媒31で反応する燃料が少なくなることにより該第1NOx触媒31の温度の上昇を抑制できる。また、第1NOx触媒31から燃料が流出することにより
、フィルタ8へ燃料を供給することができる。そして、このときには第2調節弁42が全開とされる。これにより、第2排気通路22にはリーン空燃比の排気が多く流通する。そして、このリーン空燃比の排気は第2排気通路22を通過して下流のフィルタ8へ流入する。
【0043】
そして、フィルタ8に担持された酸化触媒にて、第1NOx触媒31から流出する燃料
と、第2NOx触媒32を通過する酸素と、が反応するため、このときの反応熱でフィル
タ8の温度が上昇する。これにより、フィルタ8の再生を行なうことができる。
【0044】
なお、第1燃料添加弁51から添加する燃料量は、第1NOx触媒31を通過する排気
の空燃比がリッチとなるように調節する。このときに、第1空燃比センサ61により検出される空燃比が所定のリッチ空燃比となるようにフィードバック制御してもよい。また、フィルタ8の温度が該フィルタ8の再生に必要となる温度となるように第1燃料添加弁51から添加する燃料量を調節してもよい。このときに、第3温度センサ9により検出される温度が所定の温度となるようにフィードバック制御してもよい。
【0045】
このようにして、第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32の過熱を抑制しつつ、フィルタ8の再生を行なうことができる。なお、フィルタ8の再生時、NOxの還元時、また
は硫黄被毒回復時以外には、第1調節弁41及び第2調節弁42は全開とされる。
【0046】
本実施例においては、以下の(1)から(4)の順にフィルタ8の再生を行なってもよい。
(1)ECU10が第1調節弁41を全閉とするための信号を出す。
(2)ECU10が第1燃料添加弁51から燃料を噴射させるための信号を出す。
(3)第1燃料添加弁51からの燃料の噴射を停止させると共に、第1調節弁41を全閉のまま所定時間維持する。
(4)第1調節弁41を全開とする。
【0047】
ここで、第1燃料添加弁51から燃料を噴射すると、その一部が第1NOx触媒31に
付着する。そして、第1NOx触媒31に燃料が多く付着している状態のときに、第1調
節弁41を全開とすると、該第1NOx触媒31に付着している燃料と酸素とが反応して
、該第1NOx触媒31が過熱する虞がある。これに対し、前記(3)では、燃料添加の
停止後に第1調節弁41をすぐには開かずに、所定時間の経過後に開いている。つまり、第1NOx触媒31に付着している燃料を低SV下にて酸化させた後に、第1調節弁41
を開いている。
【0048】
第1調節弁41を開くタイミングは、例えば第1NOx触媒31に付着している燃料量
を推定し、この燃料量が第1NOx触媒31の過熱を発生させない量(閾値)以下に減少
するまでの時間とすることができる。
【0049】
次に本実施例におけるフィルタ8の再生時の燃料添加制御のフローについて説明する。
【0050】
図2は、本実施例におけるフィルタ8の再生時の燃料添加制御のフローを示したフローチャートである。
【0051】
ステップS101では、第1調節弁41が全閉とされる。
【0052】
ステップS102では、第1燃料添加弁51から燃料が添加される。
【0053】
ステップS103では、第1NOx触媒31に付着している燃料量が推定される。
【0054】
ステップS104では、ステップS103で推定された燃料量が閾値以下であるか否か判定される。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS103へ戻る。
【0055】
ステップS105では、第1調節弁41が全開とされる。
【0056】
このようにすることで、第1NOx触媒31の過熱を抑制しつつフィルタ8へ燃料と酸
素とを供給することができる。そして、次回には第2調節弁42を全閉としつつ第2燃料添加弁52から燃料を添加する。
【0057】
なお、前記(1)における信号を出すのは、第1NOx触媒31に吸蔵されているNOxを還元させるときであってもよい。例えば、第1NOx触媒31に所定量以上のNOxが吸蔵されていると推定されるときに、フィルタ8の再生を行なってもよい。この所定量は、NOxの還元が必要な量として予め実験等により求めておく。フィルタ8の再生を行なう
ために第1燃料添加弁51から燃料を添加すると、第1NOx触媒31に流入する排気が
リッチ空燃比となるため、該第1NOx触媒31に吸蔵されているNOxが還元される。これにより、NOxの還元とフィルタ8の再生とを同時に行なうことができるため、燃費の
悪化を抑制できる。
【0058】
また、第1調節弁41を全閉にしたときの該第1調節弁41と第1排気通路21との隙間を以下のようにして決定することができる。すなわち、第1燃料添加弁51からの燃料添加量をどんなに多くても、第1NOx触媒31が過熱しない程度の排気が流通する隙間
とする。つまり、第1NOx触媒31が過熱するか否かは、該第1NOx触媒31に残存する酸素の量で決まるため、該NOx触媒31が過熱しない範囲となるように、前記隙間を
決定する。なお、フィルタ8の再生を行なう運転領域で排気の量が最も多きときに対して、1から3%の量の排気が第1NOx触媒31に流れるように前記隙間を決定してもよい
。この隙間に代えて、第1調節弁41を全閉にしたときの該第1調節弁41を通過する排気の量としてもよい。また、第1調節弁41を最も閉じ側としたときの開度としてもよい。
【0059】
また、前記(2)における信号を出すのは、第1調節弁41が全閉となる前であってもよい。つまり、第1調節弁41を全閉とする信号が出されてから、実際に全閉となるまでの間に第1燃料添加弁51から燃料を噴射させてもよい。ここで、第1燃料添加弁51か
ら噴射された燃料が第1NOx触媒31に流入し、その後、ある程度の時間が経過した後
に第1調節弁41を全閉とすると、該第1NOx触媒31にて燃料が急激に反応するため
、該第1NOx触媒31が過熱する虞がある。一方、第1燃料添加弁51から燃料が噴射
される前に第1調節弁41が全閉とされると、該第1燃料添加弁51から噴射された燃料が第1NOx触媒31に到達するまでに時間がかかってしまい、迅速なフィルタ8の再生
が困難となる。つまり、第1燃料添加弁51から噴射された燃料が第1NOx触媒31に
ちょうど到達したときに第1調節弁41を全閉とすることにより、第1NOx触媒31の
過熱を抑制しつつ迅速なフィルタ8の再生が可能となる。
【0060】
また、前記(2)における信号により、第1燃料添加弁51から等間隔に燃料を噴射してもよい。つまり、必要となる燃料を一度に噴射するのではなく、分割して噴射してもよい。なお、一回当たりの燃料噴射量は可及的に少ないほうがよい。
【0061】
このようにすることで、第1燃料添加弁51から噴射した燃料の気化が促進されるため、燃料が第1NOx触媒31に付着することを抑制できる。つまり、気化した燃料が第1
NOx触媒31を通過するようになるため、フィルタ8により多くの燃料を供給すること
ができる。また、第1NOx触媒31に付着する燃料量がより少なくなるため、その後に
第1調節弁41が開かれたときに該第1NOx触媒31の温度が上昇することを抑制でき
る。すなわち、第1燃料添加弁51から噴射された燃料が第1NOx触媒31で可及的に
反応しないようにして、フィルタ8へ燃料を送り込む。
【0062】
ここで、第1空燃比センサ61により検出される空燃比が所定の空燃比となるように、第1燃料添加弁51からの燃料の噴射間隔を調節してもよい。例えば空燃比を高くするためには燃料の噴射間隔を長くし、低くするためには燃料の噴射間隔を短くする。また、第1温度センサ71により検出される温度が所定の温度となるように、第1燃料添加弁51からの燃料の噴射間隔を調節してもよい。さらに、第3温度センサ9により検出される温度が所定の温度となるように、第1燃料添加弁51からの燃料の噴射間隔を調節してもよい。例えば温度を上昇させるときには、よりリッチとなるように燃料の噴射間隔を短くする。また、温度を下降させるときには、よりリーンとなるように燃料の噴射間隔を長くする。
【0063】
なお、本実施例では第1燃料添加弁51から燃料を添加する場合について説明したが、第2燃料添加弁52から燃料を添加する場合にも同様に考えることができる。すなわち、第1調節弁41を全開とし、且つ第2調節弁42を閉弁しつつ第2燃料添加弁52から燃料を噴射することにより、フィルタ8へ燃料と酸素とを供給することができる。
【0064】
また、フィルタ8の再生時には、第1燃料添加弁51と第2燃料添加弁52とから交互に燃料を噴射させてもよい。つまり、初めに第1調節弁41を閉弁しつつ第1燃料添加弁51から燃料を噴射し且つ第2調節弁42を全開とする。次に、第1調節弁41を全開とし、且つ第2調節弁42を閉弁しつつ第2燃料添加弁52から燃料を噴射する。これを繰り返すことにより、フィルタ8には燃料と酸素とを供給することができる。また、第1NOx触媒31と第2NOx触媒32とで交互に温度が上昇するようになるため、該第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32の過熱を抑制できる。
【0065】
なお、内燃機関1からの排気の温度が低下すること等によりフィルタ8の温度がPMを酸化可能な温度よりも低くなった場合には、第1調節弁41または第2調節弁42の何れか全閉とさているほうを全閉のまま維持してもよい。これにより、全閉とされている調節弁では、温度の低い排気が少量しか通過しないため、この調節弁よりも上流に備わるNOx触媒の温度低下を抑制できる。その後、内燃機関1からの排気の温度が上昇してフィル
タ8の再生が可能となったときに、全閉とされているほうの調節弁よりも上流の燃料添加
弁から燃料を添加させる。
【0066】
例えばフィルタ8の再生時に内燃機関1の負荷が非常に低くなった場合や、アイドル運転状態になった場合に排気の温度が低下してフィルタ8の再生が困難となる。このようなときに、燃料添加を行なっていたほうの調節弁を開いてしまうと、NOx触媒の温度が排
気に持ち去られて該NOx触媒の温度が低下してしまう。そして、再度温度を上昇させる
ために、多くの燃料を要するため、燃費が悪化してしまう。これに対し、フィルタ8の再生中に排気の温度が低くなった場合において、調節弁を全閉のまま維持すれば、NOx触
媒の温度を高いまま維持することができる。これにより、その後に排気の温度が高くなったときに速やかにフィルタ8の再生を再開することができる。また、第1NOx触媒31
及び第2NOx触媒32の熱劣化の進行を抑制できる。
【0067】
一方、内燃機関1からの排気の温度が上昇したり排気の量が多くなったりする等によりフィルタ8の再生を行なうことができなくなった場合には、第1調節弁41および第2調節弁42を全開としてもよい。これにより、何れかの調節弁を閉じていることによる圧力損失の上昇を回避することができる。そして、その後に排気の温度が下降したり排気の量が少なくなったりした場合には、前回に全閉とされていた調節弁を再度全閉として燃料添加を再開する。これにより、第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32の熱劣化の進行を抑制できる。
【0068】
また、第1燃料添加弁51及び第2燃料添加弁52を設置する位置は、夫々の燃料添加弁から添加された燃料が他方の燃料添加弁が備わる排気通路に流入しない位置としてもよい。調節弁が閉じられているときに燃料添加弁から燃料の添加を行なうと、この燃料が気化して膨張したときに、下流側の排気の流通が制限されていることから、上流側へ燃料が逆流することがある。他方の排気通路ではリーン空燃比の排気が多く流れているため、燃料がNOx触媒で反応してしまうので、フィルタ8に到達する燃料量が少なくなる。つま
り、フィルタ8の再生により多くの燃料が必要となるため、燃費が悪化する。これに対し燃料添加弁から分岐部11までの距離が十分長ければ、逆流した燃料が他方の排気通路に流入することを抑制できる。
【0069】
例えば、第1燃料添加弁51の設置位置は、第1調節弁41を全閉としたときの排気の流量と、燃料添加量と、雰囲気温度と、を考慮して決定する。ここで、燃料が膨張したときに第1排気通路21を逆流するときの速度は、排気の流量、燃料添加量、及び雰囲気温度に応じて変化する。そして、燃料が逆流したときに最も上流側に到達した位置が分岐部11よりも下流側となるように第1燃料添加弁51の設置位置を決定する。第2燃料添加弁52についても同様に設置位置を決定する。
【0070】
ただし、第1燃料添加弁51および第2燃料添加弁52から分岐部11までの距離は短いほうが良いため、燃料添加時における1回当たりの燃料噴射量を可及的に少なくする。つまり、第1燃料添加弁51および第2燃料添加弁52から噴射させる燃料量を、該第1燃料添加弁51および第2燃料添加弁52から噴射し得る最小量としてもよい。
【0071】
なお、第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32を内燃機関1のすぐ横に搭載し、フィルタ8を車両の床下に搭載しても良い。第1NOx触媒31及び第2NOx触媒32を内燃機関1の横に配置することにより、夫々のNOx触媒における温度を高く保つことが容易
となり、より効率の良いNOxの還元が可能となる。また、フィルタ8をNOx触媒に近い床下に配置することにより、第1調節弁41及び第2調節弁42の設置が容易となるとともに、フィルタ8の容量を大きくすることができる。
【0072】
また、第1燃料添加弁51及び第2燃料添加弁52から噴射された燃料の気化を促進さ
せるために、例えば燃料の噴霧領域に分散板を設けてもよい。図3は、分散板を供えるときの第1燃料添加弁51及び第2燃料添加弁52付近の拡大図である。第1燃料添加弁51から噴射された燃料の噴霧領域に第1分散板131が備えられ、第2燃料添加弁52から噴射された燃料の噴霧領域に第2分散板132が備えられている。この第1分散板131および第2分散板132の材料を金属とすることにより、該第1分散板131および第2分散板132分散板に燃料が多量に付着することを抑制できる。そして、排気の熱により第1分散板131および第2分散板132の温度が高くなるため、該第1分散板131および第2分散板132に燃料が付着すると燃料の気化が促進される。
【0073】
また、第1燃料添加弁51と第1NOx触媒31との間に第1電気ヒータ141を備え
、第2燃料添加弁52と第2NOx触媒32との間に第2電気ヒータ141を備えていて
も良い。第1電気ヒータ141および第2電気ヒータ142は、他の加熱装置であってもよい。つまり、排気中に添加された燃料を電気ヒータ等により加熱することで燃料の気化を促進することができる。なお、本実施例においては第1分散板131および第2分散板132が、本発明における「還元剤が衝突する部材」に相当する。
【0074】
なお、第1空燃比センサ61、または第1温度センサ71、第2空燃比センサ62、第2温度センサ72の出力信号に応じてシステムの異常を判定することができる。
【0075】
例えば第1調節弁41が故障して全閉とならない場合には、第1NOx触媒31に燃料
と酸素とが流入することにより、該第1NOx触媒31が過熱する虞がある。このような
場合には、第1空燃比センサ61により得られる空燃比が、想定される値よりも高くなる(つまりリーンとなる。)。また、第1温度センサ71により得られる温度が、想定される値よりも高くなる。つまり、排気の空燃比と温度とが想定範囲内であれば、システムは正常であると判定することができる。また、第1調節弁41及び第2調節弁42の開度を検出するためのセンサを取り付けて、該第1調節弁41及び第2調節弁42の開度を直接検出することにより異常を判定してもよい。なお、本実施例においてはこのように異常を判定するECU10が、本発明における異常判定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。
【図2】実施例におけるフィルタの再生時の燃料添加制御のフローを示したフローチャートである。
【図3】分散板を供えるときの第1燃料添加弁及び第2燃料添加弁付近の拡大図である。
【符号の説明】
【0077】
1 内燃機関
2 排気通路
8 パティキュレートフィルタ
9 第3温度センサ
10 ECU
11 分岐部
12 合流部
21 第1排気通路
22 第2排気通路
31 第1NOx触媒
32 第2NOx触媒
41 第1調節弁
42 第2調節弁
51 第1燃料添加弁
52 第2燃料添加弁
61 第1空燃比センサ
62 第2空燃比センサ
71 第1温度センサ
72 第2温度センサ
131 第1分散板
132 第2分散板
141 第1電気ヒータ
142 第2電気ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐部で複数に分岐し該分岐部よりも下流の合流部で合流する排気通路と、
前記分岐部と合流部の間の排気通路に夫々設けられる排気浄化触媒と、
前記合流部よりも下流の排気通路に設けられ酸化能力を有する触媒を担持するかまたは酸化能力を有する触媒を上流に備えるパティキュレートフィルタと、
前記分岐部よりも下流で且つ前記排気浄化触媒よりも上流から夫々の排気通路へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気浄化触媒を通過する排気の量を調節する調節手段と、
を備える内燃機関の排気浄化装置において、
前記パティキュレートフィルタの再生を行なうときに、一の還元剤供給手段から還元剤を供給し、且つ、該還元剤が供給される排気通路に設けられている排気浄化触媒を通過する排気の量を他の排気浄化触媒を通過する排気の量よりも減少させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
前記一の排気浄化触媒に付着している還元剤の量が閾値以下となるまでの間、該一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
前記排気浄化触媒は吸蔵還元型NOx触媒を含んで構成され、前記パティキュレートフ
ィルタの再生は、前記一の排気浄化触媒に吸蔵されているNOxを還元するときに合わせ
て行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
前記一の排気浄化触媒における雰囲気中の酸素量が所定値以下となるように該一の排気浄化触媒を通過する排気の量を減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記調節手段は、前記分岐部と前記合流部との間の排気通路に夫々備わり該排気通路の流路断面積を調節する調節弁を含んで構成され、前記排気浄化触媒を通過する排気の量の減少は前記調節弁を閉じ側にすることにより行なわれ、該調節弁が閉じ始めてから全閉となるまでの間に前記一の還元剤供給手段による還元剤の供給を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項6】
前記還元剤供給手段からの還元剤の供給を複数回に分割しつつ等間隔で行い、分割した夫々の還元剤の供給量を所定量以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項7】
前記還元剤供給手段から還元剤を供給し、且つ、該還元剤を供給された排気浄化触媒を通過する排気の量を他の排気浄化触媒を通過する排気の量よりも減少させることを、複数の排気通路において順に行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項8】
前記一の還元剤供給手段は、還元剤を供給したときに該還元剤が気化することにより排気通路を逆流したとしても他の排気浄化触媒が設けられている排気通路へ到達しない個所に還元剤を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項9】
前記還元剤供給手段により排気通路内に供給された還元剤が衝突する部材を各排気通路内に備えて構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項10】
前記排気浄化触媒よりも下流で且つ合流部よりも上流の排気通路を流通する排気の空燃比を検出する空燃比センサと、
前記排気浄化触媒よりも下流で且つ合流部よりも上流の排気通路を流通する排気の温度を検出する温度センサと、
前記空燃比センサまたは温度センサの何れか一方により検出される値が、所定の範囲外の場合に、何れかの部材に異常が生じていると判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−30533(P2009−30533A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195580(P2007−195580)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】