説明

半導体装置、携帯通信端末、ICカード及びマイクロコンピュータ

【課題】搬送波からクロック信号の抽出が出来ないときも内部動作が停止することなく通信動作を行うことができる非接触インタフェース技術を提供する。
【解決手段】変調された搬送波をアンテナ(10)から入力し、入力した搬送波から抽出したクロック信号(CLKREF)に基づいて内部クロック信号(CLKPLL)を生成し、内部クロック信号に同期動作する半導体装置(11)において、抽出されたクロック信号を入力して内部クロック信号を生成するPLL回路(13)に、前記搬送波から抽出されたクロック信号が離散的に途切れた場合に内部クロック信号をその直前の周波数に維持させる電圧制御発振機能を搭載する。これにより、前記搬送波から抽出されるクロック信号が途切れてもデコードやバスインタフェースなどの内部のデータ処理を継続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導による近接通信(NFC(Near Field Communication))機能を備えた半導体装置、携帯通信端末、ICカード、及びマイクロコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触通信システムでは、非接触通信カードはリーダライタから供給される搬送波から抽出したクロック信号に同期して動作する。したがって、通信途中で搬送波が消失すると、クロック信号を抽出することができなくなり、通信カードの動作が停止されることになる。例えば、振幅の100%を変調対象とするASK(amplitude shift keying)100%変調信号をアンテナから入力する場合には、入力信号の変調期間において搬送波が消失し、クロック信号の抽出ができなくなる。その他の原因で搬送波が消失することも想定される。
【0003】
特許文献1においては、ASK100%変調信号を用いるタイプA(Type A)通信において、搬送波が途切れたときは、内部クロックを一時的に停止させ、これにより、ASK100%変調信号受信時とASK10%変調信号受信時の双方でデコード回路などの内部回路の動作を統一化することが記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−102383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、非接触通信用半導体装置による非接触通信に並行して、非接触通信用半導体装置(NFCチップとも称する)がその通信データを用いて別のデータ処理回路とインタフェースするような用途について検討した。例えばNFCチップをSIMカードにインタフェースさせる場合であり、NFCチップを用いた通信に関する認証を直接SIMカードとのインタフェースによって行う。ベースバンドプロセッサ若しくはアプリケーションプロセッサ等を介してSIMカードとNFCチップとをインタフェースさせるものではない。NFCチップとSIMカードとのインタフェースにはSWP(Single Wired Protocol)が用いられ、これは、NFCチップとSIMカードの夫々がクロック同期動作していることを前提とする非同期通信であり、クロック消失期間が何時になるか解らない状態では正常な通信を行うことはできない。ASK100%変調信号におけるクロック消失期間である変調期間は信号値によって相違されるからである。よって、非接触通信に並行してSWPによる通信を行うことができない。非接触通信を行った後にSWP通信を行うという、直列的な処理が必要になり、通信効率が著しく低下する。さらに、搬送波からクロック信号の抽出が出来ないとき内部動作が停止すること自体、NFCチップによる通信動作の効率を低下させることになる。
【0006】
本発明の目的は、搬送波からクロック信号の抽出が出来ないときも内部動作が停止することなく通信動作を行うことができる非接触インタフェース技術を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、非接触通信に並行してSWP等による通信を行うことを可能にする非接触インタフェース技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
すなわち、変調された搬送波をアンテナから入力し、入力した搬送波から抽出したクロック信号に基づいて内部クロック信号を生成し、内部クロック信号に同期動作する半導体装置において、抽出されたクロック信号を入力して内部クロック信号を生成するPLL回路に、前記搬送波から抽出されたクロック信号が離散的に途切れた場合に内部クロック信号をその直前の周波数に維持させる電圧制御発振機能を搭載する。
【0011】
これにより、前記搬送波から抽出されるクロック信号が途切れてもデコードやバスインタフェースなどの内部のデータ処理を継続することができる。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0013】
すなわち、搬送波からクロック信号の抽出が出来ないときも内部動作が停止することなく通信動作を行うことができる。
【0014】
また、非接触通信に並行してSWP等による通信を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図は本発明の一例に係るNFCカード(NFCCRD)を用いるNFCシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】図2は搬送波の途切れ、抽出クロックの消失、及び内部クロックの維持について示した信号波形図である。
【図3】図3はクロック再生回路としてのPLL回路の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は充放電回の概略を例示するブロック図である。
【図5】図5は抽出クロック信号CLKREFと内部クロック信号CLKPLLの同期が採れた安定状態において抽出クロック信号CLKREFが停止したときの内部クロック信号CLKPLLの波形を例示するタイミングチャートである。
【図6】図6は位相周波数差検出回路の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は位相周波数差検出回路の他の例を示すブロック図である。
【図8】図8は位相周波数差検出回路の更に別の例を示すブロック図である。
【図9】図9は図8の例で使用する位相周波数差検出部の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は図9に示される位相周波数差検出部の動作タイミングを例示するタイミングチャートである。
【図11】図11はクロック検出部による信号CLKREFの停止状態を検出する手法について例示する説明図である。
【図12】図12は本発明に係るNFCチップを搭載した携帯端末の一例である携帯電話器を示すブロック図である。
【図13】図13は図12のNFCチップが非接触通信に並行してSIMカードとデータインタフェースを行う動作を例示するタイミングチャートである。
【図14】図14はNFCチップが非接触通信とSIMカードとの間のデータインタフェースとを直列的に行う比較例に係る動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0017】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体装置(11,11A)は、振幅変調された搬送波をアンテナ(10)から入力して復調すると共に前記搬送波(CRR)からクロック信号(CLKREF)を抽出する受信回路(12)と、送信データに基づいて変調された信号をアンテナから送信する送信回路(14)と、前記送信回路及び受信回路による送受信のためのデータ処理を行うロジック回路(16)と、前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号(CLKPLL)を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路(13)と、を備える。前記PLL回路は、アンテナから入力する搬送波の消失期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記消失期間直前の値に維持するための制御を行う。
【0018】
これにより、前記搬送波から抽出されるクロック信号が途切れてもデコードやバスインタフェースなどの内部のデータ処理を継続することができる。よって、搬送波からクロック信号の抽出が出来ないときも内部動作が停止することなく通信動作を行うことができる。また、非接触通信に並行してSWP等による通信を行うことが可能になる。
【0019】
〔2〕項1の半導体装置において、前記PLL回路は、入力にローパスフィルタ(102)が接続された電圧制御発振回路(103)を有し、前記アンテナから入力される搬送波の消失期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う。従来のPLL回路においてクロック入力が停止すればこれに応じて帰還入力の周波数も低くされるのが通常の電圧制御発振機能である。ここでの手段は通常の電圧制御発振機能とは大きく相違する。
【0020】
〔3〕項1の半導体装置において、前記振幅変調は、搬送波の振幅の100%を変調対象とするASK100%変調である。変調率は100%に限定されない。抽出クロックの消失は通信状況等によっても生ずることが想定されるからである。
【0021】
〔4〕項3の半導体装置において、前記送信回路による変調は負荷変調である。
【0022】
〔5〕項1の半導体装置において、前記搬送波をアンテナから入力して整流することにより内部動作電源電圧を生成する内部電源回路(15)を有する。
【0023】
〔6〕項1の半導体装置において、半導体装置の外部から動作電源が供給される外部電源端子(51)を有する。搬送波が途切れるとその間、整流動作による電流若しくは電圧積分動作が途絶え、安定化容量の大きさとの関係で電源電圧が低下しても、外部電源によってそれを補うことが可能になる。
【0024】
〔7〕項1の半導体装置において、半導体装置は例えば単一の半導体基板に形成される。
【0025】
〔8〕項1の半導体装置において、前記ロジック回路はホストインタフェース回路(53)とSIMインタフェース回路(52)をと有する。NFCチップにSIMカードを接続し、非接触インタフェースによる認証を直接SIMカードとの間で行う利用形態が考慮される。
【0026】
〔9〕携帯通信端末への本発明の適用を考慮すると、携帯通信端末(70)は項8の半導体装置と、前記半導体装置のホストインタフェース回路に接続されたホストマイクロコンピュータ(57)と、前記半導体装置のSIMインタフェース回路に接続されたSIMカードスロット(56)と、前記ホストマイクロコンピュータに接続された移動体通信用のRF回路(61)と、前記各回路に動作電源を供給するバッテリ電源(54)と、を有する。
【0027】
〔10〕ICカードへの本発明の適用を考慮すると、ICカードはアンテナを有するカード基板に項1の半導体装置が搭載されて成る。
【0028】
〔11〕本発明の別の観点による半導体装置は、振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、前記受信回路による受信信号のデータ処理を行うロジック回路と、前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備える。前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号の変化が停止された停止期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記停止期間の直前の値に維持するための制御を行う。
【0029】
これにより、前記搬送波から抽出されるクロック信号が途切れてもデコードやバスインタフェースなどの内部のデータ処理を継続することができる。よって、搬送波からクロック信号の抽出が出来ないときも内部動作が停止することなく通信動作を行うことができる。また、非接触通信に並行してSWP等による通信を行うことが可能になる。
【0030】
〔12〕項11の半導体装置において、前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記停止期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う。
【0031】
〔13〕項12の半導体装置において、前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号と内部クロック信号に同期する帰還信号との間の位相差に応じて充電用エラー信号(ACL)及び放電用エラー信号(BRK)を生成する位相周波数差検出回路(100)と、前記充電用エラー信号を受けて出力ノード(NDO)を充電し、前記放電用エラー信号を受けて前記出力ノードを放電する充放電回(101)と、を有する。前記充放電回路の出力ノードは前記ローパスフィルタ(102)の入力に結合される。前記位相周波数差検出回路は、前記抽出されたクロック信号(CLKREF)の第1論理値の第1期間における前記帰還信号(CLKFB)の第2論理値の第2期間と第1論理値の第3期間との間に既定の関係があるとき前記充電用エラー信号による前記出力ノードの充電量と前記放電用エラー信号による前記出力ノードの放電量とを等しくし、前記第2期間と前記第3期間との関係が前記既定の関係から逸脱した場合にはその逸脱量を抑制するように前記出力ノードの充電量又は放電量を偏倚させ、前記抽出されたクロック信号の変化の停止による前記第1期間の消失に応じて前記充電用エラー信号による前記出力ノードの充電と前記放電用エラー信号による前記出力ノードの放電とを共に停止させる。
【0032】
〔14〕項11の半導体装置において、前記振幅変調は、搬送波の振幅の100%を変調対象とするASK100%変調である。
【0033】
〔15〕項11の半導体装置において、前記搬送波をアンテナから入力して整流することにより内部動作電源電圧を生成する内部電源回路を有する。
【0034】
〔16〕項11の半導体装置において、半導体装置の外部から動作電源が供給される外部電源端子を有する。
【0035】
〔17〕項11の半導体装置は、例えば単一の半導体基板に形成される。
【0036】
〔18〕項11の半導体装置において、前記ロジック回路はホストインタフェース回路とSIMインタフェース回路をと有する。
【0037】
〔19〕携帯通信端末への適用を考慮すると、携帯通信端末は、項18の半導体装置と、前記半導体装置のホストインタフェース回路に接続されたホストマイクロコンピュータと、前記半導体装置のSIMインタフェース回路に接続されたSIMカードスロットと、前記ホストマイクロコンピュータに接続された移動体通信用のRF回路と、前記各回路に動作電源を供給するバッテリ電源と、を有する。
【0038】
〔20〕本発明の別の観点によるマイクロコンピュータは、変調された搬送波をアンテナから入力し、入力した搬送波から抽出したクロック信号に基づいて内部クロック信号を生成すると共に、入力した信号をデコードし、デコードしたデータを出力することにより、電磁誘導による通信を行う通信回路と、前記通信回路から出力されたデータを処理するデータ処理回路とを有する。前記通信回路は、前記搬送波から抽出されたクロック信号が離散的に途切れた場合も前記内部クロック信号に同期して前記デコード及びデータの出力動作を継続する。
【0039】
〔21〕項20のマイクロコンピュータにおいて、前記通信回路は、振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、前記受信回路による受信信号をデコードし、デコードしたデータを出力するロジック回路と、前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備える。前記PLL回路は、アンテナから入力する搬送波の消失期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記消失期間直前の値に維持するための制御を行う。
【0040】
〔22〕項21のマイクロコンピュータにおいて、前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記アンテナから入力される搬送波の消失期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う。
【0041】
〔23〕項20のマイクロコンピュータにおいて、前記通信回路は、振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、前記受信回路による受信信号をデコードし、デコードしたデータを出力するロジック回路と、前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備える。前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号の変化が停止された停止期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記停止期間の直前の値に維持するための制御を行う。
【0042】
〔24〕項23のマイクロコンピュータにおいて、前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記停止期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う。
【0043】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0044】
図1には本発明の一例に係るNFCカード(NFCCRD)を用いるNFCシステムの概略が示される。1はNFCカード、2はNFCカード1のリーダライタ(RDWR)である。4はNFCカード1とリーダライタ2との間でやり取りされる電磁波を表す。ここでは、クロック信号(Clock)、データ(Data)、及び電力(Power)を含むものとして模式的に表されている。
【0045】
リーダライタ2はホスト装置3に接続される。ホスト装置3はリーダライタ2に要求REQを与え、それに対する応答RSPを受取る。リーダライタ2は、NFCカード1を無線通信によってリードライト可能とするもので、特に制限されないが、送信回路(TXRW)24、受信回路(RXRW)22、クロック発生回路(CPG)23、制御回路(CONT)26、および電源回路(PWRSPL)25を備える。この無線通信は所謂パケット通信とされ、データを複数のパケットに分割して行われる。
【0046】
送信回路24は制御回路26から受取った送信データに基づいて振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)を行うための変調制御信号を生成し、これに基づいてループアンテナ20からRF信号の送信を行う。受信回路22はNFCカード1から送信された負荷変調信号をループアンテナ10介して受信し、受信データを復調する。制御回路26は受信回路22及び送信回路24の動作を制御すると共に動作の結果を必要に応じてホスト装置3に返す制御を行う。クロック発生回路23はリーダライタ2の動作基準クロック信号を生成する。
【0047】
リーダライタ2は、所定の周波数のキャリア信号(搬送波)をループアンテナ20から放出する。NFCカード1は、自己のループアンテナ10がリーダライタ2のループアンテナ20と電磁誘導を引き起こす範囲内にあると、キャリア信号がループアンテナ10に誘起される。この誘起電圧は、NFCカード1の動作用電源として使用される。また、NFCカード1において送信すべきデータによって上記キャリア信号を負荷変調し、それがリーダライタ2に受信されることでデータ通信が可能とされる。
【0048】
NFCカード1はカード基板にアンテナ10とNFCカード用の半導体装置であるNFCチップ(NFCCHP)11とを備える。NFCチップ11は本発明に係る半導体装置の一例であり、単結晶シリコン等の1個の半導体基板に相補型MOS集積回路製造技術等を用いて形成される。NFCチップ11は、受信回路(RXCRD)12、PLL回路(PLL)13、送信回路(TXCRD)14、整流回路(RCTF)15、及びロジック回路16を備える。前記アンテナ10は、閉ループのコイルを構成しており、このコイルに流れる電流が変化することで、電磁波を出力する。また、アンテナ10としてのコイルを通る磁束が変化することで、アンテナ10に電流が流れる。
【0049】
受信回路12は、振幅変調された搬送波をアンテナ10から入力し、アンテナ10に流れる電流を受信し、信号を復調して、ロジック回路16に供給すると共に、入力した搬送波からクロック信号を抽出する。抽出されたクロック信号を単に抽出クロック信号CLKREFと称する。
【0050】
ロジック回路16は、受信回路12から供給される復調信号Rxdの符号タイプを判別すると共に、判別した符号タイプに応じて復調信号をデコード(復号)し、そのデコードの結果得られる受信データを、受信データバッファに一時的に保持し、受信データバッファに蓄積された受信データをメモリに格納し、あるいは演算を行ってメモリに格納する。また、ロジック回路16はリーダライタ等の他の装置に送信すべきデータを、メモリから送信データバッファに転送し、送信データを、エンコード(符号化)し、変調制御信号Txdを生成する。
【0051】
送信回路14は、外部からアンテナ10としてのコイルを見たときのインピーダンスを、ロジック回路16からの変調制御信号Txdにしたがって変化させる。リーダライタ2が搬送波としての電磁波を出力することにより、アンテナ10の周囲に高周波による磁界が形成されている場合、アンテナ10としてのコイルのインピーダンスが変化することにより、アンテナ10の周囲の磁界が変化する。これにより、リーダ/ライタが出力している電磁波としての搬送波が、変調制御信号にしたがって変調され、ロジック部16で生成された送信データが、電磁波を出力しているリーダライタ2に送信される。
【0052】
整流回路15は整流器と安定化容量からなり、アンテナで受信した搬送波を整流して安定化容量に電化を蓄積することによってNFCチップ11の動作電源(内部電源)を生成する。
【0053】
PLL回路13は、受信回路12により抽出された抽出クロック信号CLKREFを入力して前記ロジック回路16や送信回路14等の内部クロック信号CLKPLLを生成し、前記内部クロック信号CLKPLLを前記抽出クロック信号CLKREFに同期させる制御を行う。ここで、NFCカード1が利用する伝送符合の仕様を、例えばタイプAとする。タイプAでは、リーダライタ2からNFCカード2へのデータ伝送には、符号タイプとしてモディファイ・ミラー(Modifide Miller)によるエンコード(符号化)が行われ、ICカードからリーダライタへのデータ伝送には、符号タイプとしてマンチェスタによりデータのエンコードが行われる。ASK100%変調方式が用いられるタイプAの場合には、図2に例示されるように、受信信号の無変調期間(T1)では搬送波CRRが消失しており、その期間において抽出クロックの変化が停止される。詳細は後述するが、PLL回路13は、アンテナ10から入力する搬送波CRRの消失期間T1に、前記内部クロック信号CLKPLLの周波数を前記消失期間直前の値に維持するための制御を行う。換言すれば、PLL回路13は、前記抽出されたクロック信号CLKREFの変化が停止された停止期間に、前記内部クロック信号CLKPLLの周波数を前記停止期間の直前の値に維持するための制御を行う。
【0054】
図3にはクロック再生回路としてのPLL回路13の一例が示される。PLL回路13は、位相周波数差検出回路(PFD)100、エラー電流発生回路としての充放電回(ECG)101、ローパスフィルタ(LPF)102、電圧制御発振回路(VCO)103、及び分周回路(DIV)104か成る。
【0055】
分周回路104は内部クロック信号CLKを分周して帰還信号CLKFBを出力する。分周比は1/Nとされる(Nは正の整数)。電圧制御発振回路(VCO)103は入力される制御電圧VCNTが高いほど出力するクロック信号CLKPLLの周波数を高くし、入力する制御電圧VCNTが低いほど出力するクロック信号CLKPLLの周波数を低くする。位相周波数差検出回路100は前記抽出されたクロック信号CLKREFと内部クロック信号CLKPLLの分周信号であるに帰還信号CLKFBとの間の位相差に応じて充電用エラー信号ACL及び放電用エラー信号BRKを生成する。充放電回101は図4に例示されるようにプッシュプル回路により構成され、前記充電用エラー信号ACLを受けて出力ノードNDOを充電し、前記放電用エラー信号BRKを受けて前記出力ノードNDOを放電する。これにより、前記出力ノードNDOに結合されたローパスフィルタ回路102にはエラー電流ECRNTが流れ、これによって得られる電圧を平滑化し、平滑化された電圧を制御電圧VCNTとして電圧制御発振回路(VCO)103に出力する。
【0056】
位相周波数差検出回路100は、抽出クロック信号CLKREFの停止期間において、前記充電用エラー信号ACL及び放電用エラー信号BRKを非活性化して、ローパスフィルタ102の入力、すなわち出力ノードNDOに対する充放電を停止する。これによって、内部クロック信号CLKPLLの周波数は、抽出クロック信号CLKREFの停止直前の周波数に維持されようとする。仮に、この制御を採用しなければ、参照クロック(CLKREF)が停止すればそれに追従して出力クロック(CLKPLL)も停止されるはずであり、抽出クロック信号CLKREFの停止に呼応して内部クロックCLKPLLも不所望に停止してしまう。要するに、本発明においてPLL回路を採用するのは、参照クロックが停止しても出力クロックである内部クロックの周波数をその直前の状態に維持するためである。
【0057】
図5には抽出クロック信号CLKREFと内部クロック信号CLKPLLの同期が採れた安定状態において抽出クロック信号CLKREFが停止したときの内部クロック信号CLKPLLの波形を例示する。
【0058】
充電用エラー信号ACLは抽出クロック信号CLKREFのハイレベル期間と帰還信号CLKFBのローレベル期間で活性(ハイレベル)、放電用エラー信号BRKは抽出クロック信号CLKREFのハイレベル期間と帰還信号CLKFBのハイレベル期間で活性(ハイレベル)とされる。したがって、図5に例示されるように、抽出クロック信号CLKREFと期間信号CLKFBの周波数が等しく且つ後者の位相が90度遅れた状態で、充電電流と放電電流が釣りあって、その状態を維持しようとする。このとき、クロック信号CLKRFEの変化が停止してハイレベルがなくなると、充電用エラー信号ACLと放電用エラー信号BRKが共に非活性の状態に揃えられ、同じく充電電流と放電電流がゼロに釣りあって、その状態を維持しようとする。結果として、抽出クロック信号CLKREFの停止期間T1においても内部クロック信号CLKPLLの出力は安定的に維持される。ISO14443−A(タイプA方式)におけるデータの伝送レートは106kbps(kilo bit per second)、212kbps、424kbps、又は847kbpsなどであるから、受信信号の無変調期間に応ずる搬送波の消失によって抽出クロック信号CLKREFの変化が停止される時間は伝送レートに依存する時間に過ぎず、充電用エラー信号ACLと放電用エラー信号BRKが共に非活性の状態に揃えられる時間が著しく長くなることはなく、内部クロック信号CLKPLLの安定化は阻害されない。
【0059】
図6には位相周波数差検出回路100の一例が示される。同図ではクロック信号CLKREFと帰還信号CLKFBの信号レベルを2入力アンドゲートAND1〜AND2、及びインバータINV1を用いて検出することによって、充電用エラー信号ACLと放電用エラー信号BRKを生成する。
【0060】
図7には位相周波数差検出回路100の他の例が示される。同図ではエッジトリガD型フリップフロップFF1〜FF4、2入力アンドゲートAND3〜AND4、及びインバータINV2を用いて構成される。これによれば、CLKREFの立ち上がりに同期してACLがハイレベルに反転され、CLKFBの立ち上がりまでそれが維持される。一方、BRKについては、CLKFBの立ち上がりに同期してBRKがハイレベルに反転され、CLKREFの立ち下がりまでそれが維持される。図6のレベル検出に比べて図7のエッジ検出手法の方が耐ノイズ性に優れる。
【0061】
図8には位相周波数差検出回路100の更に別の例が示される。位相周波数差検出部(PFDP)100Aとクロック検出部(CKDTC)100Bによって位相周波数差検出回路100を構成する。位相周波数差検出部100Aは図9に例示されるようにエッジトリガ型フリップフロップFF5〜FF6、2入力アンド(論理積)ゲートAND5、およびオア(論理和)ゲートORから成る。オアゲートORにはクロック検出部(CKDTC)100Bにより抽出クロック信号CLKREFの停止期間に出力されるハイレベルの検出信号が供給される。位相周波数差検出部100Aの動作波形は図10に例示される。図9及び図10より明らかなように、この構成では、CLKREFの変化が停止すると、CLKHBも停止しようとする。これを抑制するために、クロック検出部100Bは、CLKREFの変化が停止したことを検出すると、その停止期間に亘り、信号ACL及びBRKを共に非活性に強制する。
【0062】
クロック検出部100BによるCLKREFの停止検出は以下のように行うことができる。例えば、図11に例示されるように、搬送波の包絡線検波信号ENVLPに対して第1閾値(VTH1)との大小を判別し(第1判別)、且つ、搬送波に対して第1閾値よりも小さな第2閾値(VTH2)との大小を判別し(第2判別)、第1判別結果が小(ローレベル)になった後に、第2判別結果が所定時間以上小(ローレベル)になったとき、クロック信号CLKREFの停止と判定し、第2判別結果が大(ハイレベル)になった後に第2判別結果が大(ハイレベル)になったとき、クロック信号CLKREFが変化を再開したと判定する。
【0063】
図12には本発明に係るNFCチップを搭載した携帯端末が例示される。ここでは携帯端末として携帯電話器(CLRPHN)70を一例とし、携帯電話器70はNFCカード(NFCCRD)1Aを搭載する。NFCカード1Aは、図1のNFCカード1に比べて外部インタフェース機能が拡張され、且つ、携帯電話器70のバッテリ電源(BAT)54を動作電源に用い、整流回路15を廃止した点が相違する。
【0064】
上記相違点について説明する。ホストインタフェース回路(HSTIF)53及びSIMインタフェース回路としてのSWPインタフェース回路(SWPIF)52が外部インタフェース機能として追加される。SWPインタフェース回路52にはSIMカードスロット56が接続され、SIMカードスロット56にはSIMカード(SIMCRD)55が搭載される。NFCカード1Aによるデータ通信において認証処理を必要とするときにはSIMカード55を用いた認証を行うことができる。ホストインタフェース回路53にはホストマイクロコンピュータ(HSTMC)57が接続される。ホストマイクロコンピュータ57は、特に制限されないが、移動体通信ようのベースバンド処理を行うベースバンドプロセッシング機能、及び表示制御などの付帯するデータ処理を行うためのアプリケーションプロセッシング機能を備え、例えば、単数又は複数のプロセッサコア、RAM、ROM、各種インタフェースポートなどの回路ユニットから構成される。ホストマイクロコンピュータ57には、例えばアンテナ62に接続する移動体通信用のRF(Radio Frequency)回路62、マイクやイヤホーンに接続する音声処理装置(AUD)60、液晶ディスプレイ(DISP)59、表示用のフレームバッファメモリ(MRY)58などが結合される。
【0065】
同図に示される携帯電話器70は移動体通信と共に近接非接触通信を行うことができるが、特に近接非接触通信においてSIMカード55を用いた認証処理を、ホストマイクロコンピュータ57を経由せずに直接SIMカード55がNFCカード1Aから受信データを受け取って行うことができる。このとき、タイプA方式の非接触通信において、搬送波が離散的に途切れても前述のとおりクロック信号CLKPLLは途切れることなく継続的に生成される。したがって、図13のように、搬送波の消失期間があっても、NFCカード1AによるタイプA方式によるデータ受信(Type A_Rx)及びタイプA方式によるデータ送信(Type A_Tx)に並行して、SIMカード55はSWPインタフェース回路52から必要なデータを受け取り(SWP_Rx)、認証処理を行って(Prccs)、応答する(SWP_Tx)ことができる。本発明によらなければ、図14のように、搬送波の消失に伴ってクロック信号も消失し、NFCカードとリーダライタとの間の送受信(TypeA_Tx, TypeA_Rx)と、NFCカードとSIMカードとの間の送受信(SWP_Tx, SWP_Rx)とを直列的に行わなければならない。
【0066】
したがって本発明によれば、非接触通信に並行してSWPによりSIMカードと通信を行うことができ、携帯電話器とSIMカードのインタフェースについての通信規約“ETSI TS 102 613 ”に準拠することができる。また、電車の改札などアプリケーションによっては通信時間を短縮する必要があり、そのような要求も満足することができる。
【0067】
NFCチップ11Aの動作電源は、携帯電話器70のバッテリー電源54に接続する外部電源端子51から電源回路(PWRSPL)50が電源電圧を受けて供給される。これによって整流回路を廃止でき、NFCチップ11Aにとって占有面積の比較的大きな安定化容量の分だけチップ面積を小さくすることができる。さらに、搬送波が途切れてもNFCチップ11Aの電源電圧は全く影響されず、動作電源の安定化に資することができる。尚、NFCCHP11Aの動作電源はバッテリ54から供給されるという意味において、参照符号4で表される電磁波には図1のような電力(Power)の表示は省略している。
【0068】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0069】
例えば、搬送波の消失期間に内部クロック信号CLKPLLが途切れないようにするための構成は図6などに基づいた内容に限定されず適宜変更可能である。NFCチップが受信する変調信号は変調率100%の振幅変調された変調信号に限定されない。また、本発明はセキュア処理を行うためのICカード用マイクロコンピュータと共にNFCチップをカード基板に搭載したICカードにも適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 NFCカード
2 リーダライタ(RDWR)
3 ホスト装置
10 アンテナ
11 NFCチップ(NFCCHP)
12 受信回路(RXCRD)
13 PLL回路(PLL)
14 送信回路(TXCRD)
15 整流回路(RCTF)
16 ロジック回路
CLKREF 抽出クロック信号
CLKPLL 内部クロック信号
100 位相周波数差検出回路(PFD)
101 充放電回(ECG)
102 ローパスフィルタ(LPF)
103 電圧制御発振回路(VCO)
104 分周回路(DIV)
CLKFB 帰還信号
70 携帯電話器(CLRPHN)
54 バッテリ電源(BAT)
53 ホストインタフェース回路(HSTIF)
52 SWPインタフェース回路(SWPIF)
56 SIMカードスロット
55 SIMカード(SIMCRD)
57 ホストマイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、
送信データに基づいて変調された信号をアンテナから送信する送信回路と、
前記送信回路及び受信回路による送受信のためのデータ処理を行うロジック回路と、
前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備え、
前記PLL回路は、アンテナから入力する搬送波の消失期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記消失期間直前の値に維持するための制御を行う、半導体装置。
【請求項2】
前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記アンテナから入力される搬送波の消失期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記振幅変調は、搬送波の振幅の100%を変調対象とするASK100%変調である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記送信回路による変調は負荷変調である、請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記搬送波をアンテナから入力して整流することにより内部動作電源電圧を生成する内部電源回路を有する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体装置の外部から動作電源が供給される外部電源端子を有する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
単一の半導体基板に形成された、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ロジック回路はホストインタフェース回路とSIMインタフェース回路をと有する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置と、前記半導体装置のホストインタフェース回路に接続されたホストマイクロコンピュータと、前記半導体装置のSIMインタフェース回路に接続されたSIMカードスロットと、前記ホストマイクロコンピュータに接続された移動体通信用のRF回路と、前記各回路に動作電源を供給するバッテリ電源と、を有する携帯通信端末。
【請求項10】
アンテナを有するカード基板に請求項1記載の半導体装置が搭載されたICカード。
【請求項11】
振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、
前記受信回路による受信信号のデータ処理を行うロジック回路と、
前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備え、
前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号の変化が停止された停止期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記停止期間の直前の値に維持するための制御を行う、半導体装置。
【請求項12】
前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記停止期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う、請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号と内部クロック信号に同期する帰還信号との間の位相差に応じて充電用エラー信号及び放電用エラー信号を生成する位相周波数差検出回路と、
前記充電用エラー信号を受けて出力ノードを充電し、前記放電用エラー信号を受けて前記出力ノードを放電する充放電回と、を有し、
前記充放電回路の出力ノードは前記ローパスフィルタの入力に結合され、
前記位相周波数差検出回路は、前記抽出されたクロック信号の第1論理値の第1期間における前記帰還信号の第2論理値の第2期間と第1論理値の第3期間との間に既定の関係があるとき前記充電用エラー信号による前記出力ノードの充電量と前記放電用エラー信号による前記出力ノードの放電量とを等しくし、前記第2期間と前記第3期間との関係が前記既定の関係から逸脱した場合にはその逸脱量を抑制するように前記出力ノードの充電量又は放電量を偏倚させ、前記抽出されたクロック信号の変化の停止による前記第1期間の消失に応じて前記充電用エラー信号による前記出力ノードの充電と前記放電用エラー信号による前記出力ノードの放電とを共に停止させる、請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記振幅変調は、搬送波の振幅の100%を変調対象とするASK100%変調である、請求項11記載の半導体装置。
【請求項15】
前記搬送波をアンテナから入力して整流することにより内部動作電源電圧を生成する内部電源回路を有する、請求項11記載の半導体装置。
【請求項16】
半導体装置の外部から動作電源が供給される外部電源端子を有する、請求項11記載の半導体装置。
【請求項17】
単一の半導体基板に形成された、請求項11記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ロジック回路はホストインタフェース回路とSIMインタフェース回路をと有する、請求項11記載の半導体装置。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置と、前記半導体装置のホストインタフェース回路に接続されたホストマイクロコンピュータと、前記半導体装置のSIMインタフェース回路に接続されたSIMカードスロットと、前記ホストマイクロコンピュータに接続され移動体通信用のRF回路と、前記各回路に動作電源を供給するバッテリ電源と、を有する携帯通信端末。
【請求項20】
変調された搬送波をアンテナから入力し、入力した搬送波から抽出したクロック信号に基づいて内部クロック信号を生成すると共に、入力した信号をデコードし、デコードしたデータを出力することにより、電磁誘導による通信を行う通信回路と、前記通信回路から出力されたデータを処理するデータ処理回路とを有し、
前記通信回路は、前記搬送波から抽出されたクロック信号が離散的に途切れた場合も前記内部クロック信号に同期して前記デコード及びデータの出力動作を継続する、マイクロコンピュータ。
【請求項21】
前記通信回路は、振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、
前記受信回路による受信信号をデコードし、デコードしたデータを出力するロジック回路と、
前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備え、
前記PLL回路は、アンテナから入力する搬送波の消失期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記消失期間直前の値に維持するための制御を行う、請求項20記載のマイクロコンピュータ。
【請求項22】
前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記アンテナから入力される搬送波の消失期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う、請求項21記載のマイクロコンピュータ。
【請求項23】
前記通信回路は、振幅変調された搬送波をアンテナから入力して復調すると共に前記搬送波からクロック信号を抽出する受信回路と、
前記受信回路による受信信号をデコードし、デコードしたデータを出力するロジック回路と、
前記受信回路により抽出されたクロック信号を入力して前記ロジック回路の内部クロック信号を生成し、前記内部クロック信号を前記抽出されたクロック信号に同期させる制御を行うPLL回路と、を備え、
前記PLL回路は、前記抽出されたクロック信号の変化が停止された停止期間に、前記内部クロック信号の周波数を前記停止期間の直前の値に維持するための制御を行う、請求項20記載のマイクロコンピュータ。
【請求項24】
前記PLL回路は、入力にローパスフィルタが接続された電圧制御発振回路を有し、前記停止期間に、前記ローパスフィルタの入力に対する充放電を停止することにより、前記維持するための制御を行う、請求項23記載のマイクロコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−178137(P2010−178137A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19538(P2009−19538)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】