説明

半導体装置の作製方法

【課題】薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御するため、薄膜トランジスタのチャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設けた際に、プロセス数の増加を招くことなく、電気特性の優れた薄膜トランジスタを備えた半導体装置を得る。
【解決手段】酸化物半導体層131の上方に設ける第2のゲート電極133を形成するとき、酸化物半導体層131のパターニングと同時に形成することで、第2のゲート電極133の作製に要するプロセス数の増加を削減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)で構成された回路を有する半導体装置の作製
方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
金属酸化物は多様に存在しさまざまな用途に用いられている。酸化インジウムはよく知ら
れた材料であり、液晶ディスプレイなどで必要とされる透明電極材料として用いられてい
る。
【0004】
金属酸化物の中には半導体特性を示すものがある。半導体特性を示す金属酸化物としては
、例えば、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などがあり、このよう
な半導体特性を示す金属酸化物をチャネル形成領域とする薄膜トランジスタが既に知られ
ている(特許文献1乃至4、非特許文献1)。
【0005】
ところで、金属酸化物は一元系酸化物のみでなく多元系酸化物も知られている。例えば、
ホモロガス相を有するInGaO(ZnO)(m:自然数)は、In、Ga及びZn
を有する多元系酸化物半導体として知られている(非特許文献2乃至4)。
【0006】
そして、上記のようなIn−Ga−Zn系酸化物で構成される酸化物半導体を薄膜トラン
ジスタのチャネル層として適用可能であることが確認されている(特許文献5、非特許文
献5及び6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭60−198861号公報
【特許文献2】特開平8−264794号公報
【特許文献3】特表平11−505377号公報
【特許文献4】特開2000−150900号公報
【特許文献5】特開2004−103957号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】M. W. Prins, K. O. Grosse−Holz, G. Muller, J. F. M. Cillessen, J. B. Giesbers, R. P. Weening, and R. M. Wolf、「A ferroelectric transparent thin−film transistor」、 Appl. Phys. Lett.、17 June 1996、 Vol.68 p.3650―3652
【非特許文献2】M. Nakamura, N. Kimizuka, and T. Mohri、「The Phase Relations in the In2O3−Ga2ZnO4−ZnO System at 1350℃」、J. Solid State Chem.、1991、Vol.93, p.298―315
【非特許文献3】N. Kimizuka, M. Isobe, and M. Nakamura、「Syntheses and Single−Crystal Data of Homologous Compounds, In2O3(ZnO)m(m=3,4, and 5), InGaO3(ZnO)3, and Ga2O3(ZnO)m(m=7,8,9, and 16) in the In2O3−ZnGa2O4−ZnO System」、 J. Solid State Chem.、1995、Vol.116, p.170―178
【非特許文献4】中村真佐樹、君塚昇、毛利尚彦、磯部光正、「ホモロガス相、InFeO3(ZnO)m(m:自然数)とその同型化合物の合成および結晶構造」、固体物理、1993年、Vol.28、No.5、p.317―327
【非特許文献5】K. Nomura, H. Ohta, K. Ueda, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono、「Thin−film transistor fabricated in single−crystalline transparent oxide semiconductor」、SCIENCE、2003、Vol.300、p.1269−1272
【非特許文献6】K. Nomura, H. Ohta, A. Takagi, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono、「Room−temperature fabrication of transparent flexible thin−film transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、2004、Vol.432 p.488―492
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
酸化物半導体を薄膜トランジスタのチャネル層に用いた場合、製造工程により、しきい値
電圧がマイナス側、或いはプラス側にシフトすることがある。そのため、チャネル層に酸
化物半導体を用いた薄膜トランジスタでは、しきい値電圧の制御を行うことのできる構成
が必要となる。
【0010】
薄膜トランジスタのしきい値電圧は、薄膜トランジスタのチャネル形成領域の上下にゲー
ト絶縁膜を介してゲート電極を設け、上部及び/または下部のゲート電極の電位を制御す
ることにより所望の値に制御することができる。チャネル形成領域の上下にゲート電極を
配することはプロセス数の増加を招いてしまう。そのため、プロセス数の増加を招くこと
なく、且つ、より確実にしきい値電圧の制御を行える構成とすることが求められている。
【0011】
本発明の一態様は、チャネル層に酸化物半導体を用い、且つしきい値電圧を制御すること
により、電気特性の優れた薄膜トランジスタを備えた半導体装置を、プロセス数の増加を
招くことなく、得るための作製方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
しきい値電圧を所望の値に制御するため、酸化物半導体膜の上下にゲート電極を設ける。
具体的には酸化物半導体膜の下方に設けるゲート電極(第1のゲート電極とも呼べる)、
及び酸化物半導体膜の上方に設けるゲート電極(第2のゲート電極、或いはバックゲート
電極とも呼べる)を形成する。このとき、第2のゲート電極は、酸化物半導体膜のパター
ニングと同時に形成することで、第2のゲート電極の作製に要するプロセス数の増加を削
減する。
【0013】
本明細書で開示する本発明の一態様は、絶縁表面上に第1の導電層を形成し、第1のパタ
ーニングにより第1のゲート電極を形成し、第1のゲート電極上に第1の絶縁膜を形成し
、第1の絶縁膜上に第2の導電層を形成し、第2のパターニングにより配線層を形成し、
第1の絶縁膜上及び配線層上に、酸化物半導体膜と、第2の絶縁膜と、第3の導電層を形
成し、第3のパターニングにより、島状の酸化物半導体膜、島状の酸化物半導体膜上の島
状の第2の絶縁膜、及び島状の第2の絶縁膜上の第2のゲート電極を形成し、第1の絶縁
膜、配線層、島状の酸化物半導体膜、島状の第2の絶縁膜、及び第2のゲート電極を覆う
層間絶縁層を形成し、第4のパターニングにより第2のゲート電極及び配線層に達する開
口を形成し、層間絶縁層上に導電性材料を形成し、第5のパターニングにより、第2のゲ
ート電極に接続される引き回し配線、及び配線層に接続される画素電極を形成する半導体
装置の作製方法である。
【0014】
本明細書で開示する本発明の一態様は、絶縁表面上に第1の導電層を形成し、第1のパタ
ーニングにより第1のゲート電極を形成し、第1のゲート電極上に第1の絶縁膜を形成し
、第1の絶縁膜上に第2の導電層を形成し、第2のパターニングにより配線層を形成し、
第1の絶縁膜上及び配線層上に、酸化物半導体膜と、チャネル保護膜と、第2の絶縁膜と
、第3の導電層を形成し、第3のパターニングにより、島状の酸化物半導体膜、島状の酸
化物半導体膜上の島状のチャネル保護膜、島状のチャネル保護膜上の島状の第2の絶縁膜
、及び島状の第2の絶縁膜上の第2のゲート電極を形成し、第1の絶縁膜、配線層、島状
の酸化物半導体膜、島状のチャネル保護膜、島状の第2の絶縁膜、及び第2のゲート電極
を覆う層間絶縁層を形成し、第4のパターニングにより第2のゲート電極及び配線層に達
する開口を形成し、層間絶縁層上に導電性材料を形成し、第5のパターニングにより、第
2のゲート電極に接続される引き回し配線、及び配線層に接続される画素電極を形成する
半導体装置の作製方法である。
【0015】
また半導体装置の作製方法において、第2のパターニングによって、配線層上に第2の酸
化物半導体膜を形成し、第3のパターニングによって、酸化物半導体膜と、配線層とが重
畳する領域に、第2の酸化物半導体膜でなるバッファ層を形成してもよい。
【0016】
また半導体装置の作製方法において、第2のパターニングによって、配線層の下に第2の
酸化物半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0017】
また半導体装置の作製方法において、引き回し配線は、第2のゲート電極に重畳して設け
られていてもよい。
【0018】
また半導体装置の作製方法において、層間絶縁層は、ポリイミドであってもよい。
【0019】
また半導体装置の作製方法において、チャネル保護膜は、アモルファスシリコンであって
もよい。
【0020】
また半導体装置の作製方法において、酸化物半導体膜は、酸化珪素を含んで形成されてい
てもよい。
【0021】
また半導体装置の作製方法において、引き回し配線は、第1のゲート電極に接続されて形
成されていてもよい。
【0022】
また半導体装置の作製方法において、第2の絶縁膜の膜厚は、50nm以上500nm以
下に作製されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様により、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の上下にゲート電極を配
する半導体装置の作製方法において、プロセス数の増加を招くことなく、且つしきい値電
圧の制御を行える構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一態様を示す断面図である。
【図2】本発明の一態様を示す断面図である。
【図3】本発明の一態様を示す断面図である。
【図4】本発明の一態様を示す断面図である。
【図5】本発明の一態様を示す断面図である。
【図6】本発明の一態様を示す断面図である。
【図7】表示装置のブロック図、TFTについて説明するための図。
【図8】表示装置のブロック図を示す図。
【図9】電位変化の波形を示す図。
【図10】画素のレイアウトについて示す図。
【図11】表示装置のブロック図を説明するための図。
【図12】電位変化の波形を示す図。
【図13】画素のレイアウトについて示す図。
【図14】本発明の一態様を示す半導体装置の画素等価回路を説明する図である。
【図15】本発明の一態様を示す半導体装置を説明する断面図である。
【図16】本発明の一態様を示す半導体装置を説明する上面図及び断面図である。
【図17】本発明の一態様を示す半導体装置を説明する上面図及び断面図である。
【図18】本発明の一態様を示す半導体装置を説明する断面図である。
【図19】本発明の一態様を示す半導体装置を説明する断面図及び電子機器の外観図である。
【図20】本発明の一態様を示す電子機器を示す図である。
【図21】本発明の一態様を示す電子機器を示す図である。
【図22】実施例を説明するための図である。
【図23】実施例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態及び
実施例は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱する
ことなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
従って本実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以
下に説明する構成において、同様のものを指す符号は異なる図面間で共通の符号を用いて
示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0026】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形のなま
り、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしも
そのスケールに限定されない。
【0027】
なお、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」等などの用語は、構成要素の混
同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について断面図を用いて説明する。
【0029】
まず、絶縁表面を有する基板100上に第1の導電層を形成し、第1のフォトマスクを用
いてパターニング(第1のパターニング)を行い、第1のゲート電極101を含むゲート
配線、容量配線、及び端子電極等を形成する(図1(A)参照)。絶縁表面を有する基板
100は、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸
ガラスのような電子工業用に使われるガラス基板(「無アルカリガラス基板」とも呼ばれ
る)、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板等を用いること
ができる。基板100がマザーガラスの場合、基板の大きさは、第1世代(320mm×
400mm)、第2世代(400mm×500mm)、第3世代(550mm×650m
m)、第4世代(680mm×880mm、または730mm×920mm)、第5世代
(1000mm×1200mmまたは1100mm×1250mm)、第6世代(150
0mm×1800mm)、第7世代(1900mm×2200mm)、第8世代(216
0mm×2460mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×30
50mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等を用いることができる。
【0030】
また、第1のゲート電極101の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タン
グステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分
とする合金材料を用いて、単層又は積層して導電層を形成することができる。本実施の形
態では、一例として、膜厚100nmのタングステンの単層を用いる。
【0031】
第1のゲート電極101を積層構造とする場合、例えば、アルミニウム層上にモリブデン
層が積層された二層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した二層構造、また
は銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタルを積層した二層構造、窒化チタン層とモリ
ブデン層とを積層した二層構造とすることが好ましい。また、Caを含む銅層上にバリア
層となるCaを含む酸化銅層の積層や、Mgを含む銅層上にバリア層となるMgを含む酸
化銅層の積層もある。また、3層の積層構造としては、タングステン層または窒化タング
ステン層と、アルミニウムとシリコンの合金またはアルミニウムとチタンの合金と、窒化
チタン層またはチタン層とを積層した積層とすることが好ましい。
【0032】
なお、パターニングとは、膜(層)を形状加工することをいい、フォトレジストの形成、
露光、現像、エッチング工程、レジスト剥離工程、洗浄、及び検査などの一連の処理を伴
う、フォトリソグラフィー工程によって膜のマスクパターン(遮光パターンともいう)を
形成することをいう。すなわち、基板上に形成した層の不要な部分を除去し、所望の形状
に加工することをいう。
【0033】
なおフォトレジストの塗布は、形状加工する膜の全面に塗布するのではなく、予め形状加
工するマスクパターンよりも大きい形状のパターンをスクリーン印刷法、またはインクジ
ェット法により形成してもよい。フォトレジストを予め形状加工するマスクパターンより
も大きい形状のパターンとし、その後フォトレジストにフォトリソグラフィー工程等で所
望の形状加工を施すことで、現像により剥離するフォトレジストの量を削減することがで
きる。そのため、半導体装置を作製するコストの低コスト化を図ることができる。
【0034】
なお、基板100上のゲート電極101との間に、絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜は、
CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の方法により、珪素
を含む酸化物材料、窒化物材料を用いて、単層又は積層して形成される。この絶縁膜は、
形成しなくても良いが、基板100からの汚染物質の拡散などを遮断する効果がある。
【0035】
次いで、第1のゲート電極101を覆う第1のゲート絶縁膜111(第1の絶縁膜ともい
う)を形成する。第1のゲート絶縁膜111はスパッタ法、PCVD法などを用い、膜厚
を50〜400nmとする。第1のゲート絶縁膜111は一例として、酸化珪素膜、窒化
珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜で形成することができる。本実施の形態
では、一例として、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を用いる。なお、ゲート絶縁膜は単
層とせず、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜のいずれか
2層で形成することができるし、また、3層のゲート絶縁膜を形成してもよい。他にも、
第1のゲート絶縁膜111としては、一例として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム
、窒化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム等の金属化合物で形成すること
ができる。
【0036】
ここでは、酸化窒化珪素膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いもので
あって、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscatt
ering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydroge
n Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として
酸素が55〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、Siが25〜35原子%、水素が
0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化珪素膜とは、その組成
として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、濃度範囲として酸素が5〜30原
子%、窒素が20〜55原子%、Siが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範
囲で含まれるものをいう。但し、酸化窒化珪素または窒化酸化珪素を構成する原子の合計
を100原子%としたとき、窒素、酸素、珪素及び水素の含有比率が上記の範囲内に含ま
れるものとする。
【0037】
次いで、第1のゲート絶縁膜111上に金属材料からなる導電層(第2の導電層ともいう
)をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、第2のフォトマスクを用いてパターニング(第2
のパターニング)を行い、ソース電極またはドレイン電極となる配線層112を含む信号
線、容量配線、及び端子電極等を形成する(図1(B)参照)。本実施の形態では、一例
として、膜厚100nmのチタンを用いる。導電膜の材料としては、Al、Cr、Ta、
Ti、Mo、Wから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元
素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。また、200℃〜600℃の熱処理を行う場合
には、この熱処理に耐える耐熱性を導電膜に持たせることが好ましい。Al単体では耐熱
性が劣り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので耐熱性導電性材料と組み合わせて形成
する。Alと組み合わせる耐熱性導電性材料としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta
)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、Nd(ネオジム)、S
c(スカンジウム)から選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述し
た元素を組み合わせた合金膜、または上述した元素を成分とする窒化物で形成する。
【0038】
ここでは、導電膜としてAl膜とTi膜を積層した導電膜とする。また、導電膜は、チタ
ン膜の単層構造としてもよい。また、導電膜としてTi膜と、そのTi膜上に重ねてNd
を含むアルミニウム(Al−Nd)膜を積層し、さらにその上にTi膜を成膜する3層構
造としてもよい。導電膜は、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造としてもよい。
【0039】
次いで、第1のゲート絶縁膜111及び配線層112上に酸化物半導体膜121(第1の
酸化物半導体膜ともいう)を形成する。酸化物半導体膜121の膜厚は、5nm以上20
0nm以下とし、好ましくは5nm以上50nm以下、更に好ましくは10nm以上30
nm以下とする。酸化物半導体膜121の膜厚を小さくすることによって、TFT特性(
しきい値電圧等)のばらつきを低減することができる。本実施の形態では酸化物半導体膜
121として第1のIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜(または、In−Ga−Zn−O
系非単結晶膜ともいう)を100nm成膜する。直径8インチのIn(インジウム)、G
a(ガリウム)、及びZn(亜鉛)を含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga
:ZnO=1:1:1)を用いて、基板とターゲットの間との距離を170mm、圧
力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、アルゴン又は酸素雰囲気下で成膜する。な
お、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみが軽減でき、膜厚分布も均一となるために
好ましい。
【0040】
スパッタ法によりIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体膜121を形成する場合において
、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲットに、酸化シリコンなどの絶縁性の
不純物を含ませておいても良い。酸化物半導体に絶縁性の不純物を含ませることにより、
成膜される酸化物半導体をアモルファス化することが容易となる。また、酸化物半導体膜
121が後のプロセスで熱処理される場合に、その熱処理によって結晶化してしまうのを
抑制することができる。
【0041】
なお酸化物半導体膜121としては、1族元素(例えば、リチウム(Li)、ナトリウム
(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs))、13族元素(例
えば、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl))、1
4族元素(例えば、炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn
)、鉛(Pb))、15族元素(例えば、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アン
チモン(Sb)、ビスマス(Bi))又は17族元素(例えば、フッ素(F)、塩素(C
l)、臭素(Br)、ヨウ素(I))等の不純物元素のうち一種、又は複数種が添加され
た酸化亜鉛(ZnO)の非晶質(アモルファス)状態、多結晶状態又は非晶質状態と多結
晶状態が混在する微結晶(マイクロクリスタルとも呼ばれる。)状態のもの、又は何も不
純物元素が添加されていないものを用いることができる。具体的な一例としては、InG
aO(ZnO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn(1−x)O)又は酸化カドミ
ウム亜鉛(CdZn(1−x)O)、酸化カドミウム(CdO)、In−Ga−Zn−
O系のアモルファス酸化物半導体(a−IGZO)、In−Sn−Zn−O系、Ga−S
n−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、In−Sn−O系、又はGa−
Zn−O系の酸化物半導体のうちいずれかを用いることができる。なお、In−Ga−Z
n−O系非単結晶膜で代表される酸化物半導体は、エネルギーギャップ(Eg)が広い材
料であるため、酸化物半導体膜の上下に2つのゲート電極を設けてもオフ電流の増大を抑
えることができ、好適である。
【0042】
また酸化物半導体膜として、SiOxを含む酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタ法
により得られる酸化シリコンを含む酸化物半導体膜を用いてもよく、代表的にはSiO
を0.1重量%以上20重量%以下、好ましくは1重量%以上6重量%以下含む酸化物半
導体ターゲットを用いて成膜を行い、酸化物半導体膜に結晶化を阻害するSiOx(X>
0)を含ませることで、薄膜トランジスタのゲート電圧が0Vにできるだけ近い正のしき
い値電圧でチャネルが形成される薄膜トランジスタを実現することができる。
【0043】
次いで、酸化物半導体膜121上に第2の絶縁膜122を形成する。第2の絶縁膜122
はスパッタ法、PCVD法などを用い、膜厚を5nm以上3000nm以下とする。第2
の絶縁膜122は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜で
形成することができる。本実施の形態では、一例として、膜厚100nmの酸化窒化珪素
膜を用いる。なお、第2の絶縁膜122は単層とせず、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒
化珪素膜、または窒化酸化珪素膜のいずれか2層で形成することができるし、また、3層
のゲート絶縁膜を形成してもよい。他にも、第2の絶縁膜122としては、一例として、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ハフ
ニウム等の金属化合物で形成することができる。なお、第2の絶縁膜122の材料は、第
1のゲート絶縁膜111と同じ材料で形成することで、同じ成膜装置を使って形成するこ
とができ、低コスト化を図ることができる。なお、第2の絶縁膜122はTFT特性のば
らつきを低減する上で、5nm以上200nm以下に形成することが好ましい。
【0044】
次いで、第2の絶縁膜122上に第3の導電層123を形成する(図1(C)参照)。第
3の導電層123はスパッタ法、真空蒸着法等を用い、膜厚を5nm以上1000nm以
下とする。本実施の形態では、一例として、膜厚100nmのチタンを用いる。第3の導
電層123の材料としては、配線層112と同様の導電膜が挙げられる。
【0045】
次いで、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォトマスクを用いて露光、
現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像の処理で得られたレジ
ストマスクにより、前述の酸化物半導体膜121、第2の絶縁膜122、第3の導電層1
23のエッチング工程を行う(図1(D)参照)。ここでのエッチング工程は、ウェット
エッチングに限定されず、ドライエッチングを用いてもよい。なおドライエッチングを用
いることにより酸化物半導体膜121、第2の絶縁膜122、第3の導電層123の断面
を、テーパーを有する形状とすることが可能である。そして、島状の酸化物半導体膜13
1(第1の島状の酸化物半導体膜ともいう)、島状の酸化物半導体膜131上の島状の第
2のゲート絶縁膜132(島状の第2の絶縁膜ともいう)、島状の第2のゲート絶縁膜1
32上の第2のゲート電極133が得られ、第2のゲート電極133上にレジストマスク
134が残存する(図1(D)参照)。なお、第2のゲート電極133上のレジストマス
ク134は、後でレジスト剥離工程、洗浄等の工程を経て除去されるものである。なお島
状の酸化物半導体膜131、島状の第2のゲート絶縁膜132、及び第2のゲート電極1
33は、エッチングを同一工程で行うことにより、図1(D)に示すように端部が一致し
、連続的な構造となっている。なお、レジストマスク134の断面を、テーパーを有する
形状とすることにより、段差形状による配線の段切れ、短絡等を防ぐことができる。
【0046】
なお本明細書で説明する「島状の」とは、パターニングによって形成される膜が、外部と
の電気的な接続をとる端子に対し、当該膜により基板上を延設して当該端子との接続をと
らない形状を指す。一例としては、画素内に設けられるTFTの半導体層が該当する。
【0047】
図1(D)では、酸化物半導体膜121上に第2の絶縁膜122、第2の絶縁膜122上
に第3の導電層123を成膜した後に、島状の酸化物半導体膜131、島状の第2のゲー
ト絶縁膜132、及び第2のゲート電極133をパターニング(第3のパターニング)に
より形成する。図1(D)の作製方法をとることにより、次のような利点がある。まず、
酸化物半導体膜を島状の酸化物半導体膜にパターニングした際に残存するレジストマスク
を剥離する際に、レジストの剥離液による処理、またはアッシング処理を行うことによる
島状の酸化物半導体表面へのダメージを軽減することができる。
【0048】
また図1(D)の断面における第2のゲート電極133の幅は、島状の酸化物半導体膜1
31の下面の配線層112(ソース電極及びドレイン電極)の間隔よりも広くなるように
形成することが好ましい。第2のゲート電極133の形状を、島状の酸化物半導体膜13
1の下面の配線層112(ソース及びドレイン電極)の間隔よりも広くなる形状とするこ
とで、島状の酸化物半導体膜131への遮光の効果を高めることができる。スパッタ法で
成膜したIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜は波長450nm以下に光感度を有する。そ
のため、波長450nm以下の光を遮断する遮光層となる第2のゲート電極133を設け
ることは、酸化物半導体膜131を有する薄膜トランジスタの電気特性の変動を低減する
効果を得ることができ好適である。
【0049】
なおレジストマスク134を除去した後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜5
00℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、酸素を含む窒素雰囲気下で3
50℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により第1のIn−Ga−Zn−O系非単結
晶膜の原子レベルの再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する歪が
解放されるため、ここでの熱処理(光アニールも含む)は重要である。なお、熱処理を行
うタイミングは、第1のIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜の成膜後であれば特に限定さ
れない。本実施の形態においては、島状の酸化物半導体膜131上を島状の第2のゲート
絶縁膜132で覆う構成とすることが出来るため、熱処理後の第1のIn−Ga−Zn−
O系非単結晶膜の劣化を低減することができるため好適である。
【0050】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製し、薄膜トランジスタ141を覆って
、層間絶縁層となる樹脂層142を形成する。そして、樹脂層142に第4のパターニン
グを行って、第2のゲート電極133、配線層112に達する開口を形成する。そして層
間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材料を形成し、第5のパターニングにより、第2
のゲート電極133に接続される引き回し配線143、配線層112に接続される画素電
極144を形成する(図1(E)参照)。
【0051】
なお樹脂層142は、膜厚0.5μm〜3μmの範囲で形成する。樹脂層142に用いる
感光性または非感光性の有機材料は、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドア
ミド、またはベンゾシクロブテン、またはこれらの積層などを用いる。ここでは、感光性
のポリイミドを塗布法により形成し、露光及び現像及び焼成を行って、表面が平坦な1.
5μmの厚さのポリイミドからなる樹脂層142を形成する。ポリイミドを、塗布法を用
いて形成することにより、工程数を削減することができる。また、島状の酸化物半導体膜
131への水分や水素などの侵入をブロックする保護絶縁層としても機能する。
【0052】
なお樹脂層142には、第4のフォトマスクにより、引き回し配線143及び画素電極1
44と、第2のゲート電極133と配線層112との電気的な接続をとるための開口(コ
ンタクトホール)が形成される。そして導電性材料が、樹脂層142上及びコンタクトホ
ール内に形成され、第5のフォトマスクを用いてパターニングを行うことで引き回し配線
143、画素電極144が形成される。
【0053】
なお、引き回し配線143は、第2のゲート電極133の電位を制御するための配線に接
続するための配線である。そのため、引き回し配線143を固定電位が入力される端子ま
で引き回す構成としてもよいし、第1のゲート電極に達するコンタクトホールを設けて第
1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続するために引き回す構成としてもよい
。第2のゲート電極133を第1のゲート電極101と異なる電位とする場合には、第2
のゲート電極133と第1のゲート電極101を電気的に接続するための開口は形成する
必要はない。なお引き回し配線143及び画素電極144を形成するための導電性材料は
、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸
化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、イン
ジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加した
インジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。な
お、引き回し配線143及び画素電極144として配線層112と同じ材料との積層構造
としてもよい。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態で説明した半導体装置の作製方法は、酸化物半導体を
用いたチャネル形成領域の上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層
する層の数の増加に関わらずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の
短縮化、低コスト化を図ることが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御に
より、しきい値電圧の制御を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置
の作製方法では、酸化物半導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁
膜を形成することができる。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段
差形状をなくすことができる。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な
構成を取ることができる。そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄
膜トランジスタのしきい値電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0055】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0056】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について実施の形態1とは異なる断面図を用いて説
明する。
【0057】
図2(A)乃至(E)は、図1(A)乃至(E)と、一部異なる構造を示している。図2
(A)乃至(E)において、図1(A)乃至(E)と異なる部分以外は、同一の符号を用
いて説明し、詳細な説明については上記実施の形態での説明を援用するものとする。
【0058】
図2(A)乃至(E)は、図1(B)の配線層112上にバッファ層となる第2の酸化物
半導体膜を形成した例である。図2(A)については、図1(A)と同様の説明となる。
【0059】
図2(B)では、第1のゲート絶縁膜111上に金属材料からなる導電層(第2の導電層
)をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、導電層上に酸化物半導体膜をスパッタ法にて形成
し、第2のフォトマスクを用いてパターニング(第2のパターニング)を行い、ソース電
極またはドレイン電極となる配線層112、酸化物半導体膜113(第2の酸化物半導体
膜、低抵抗酸化物半導体膜ともいう)、容量配線、及び端子電極等を形成する(図2(B
)参照)。本実施の形態では酸化物半導体膜113となる第2の酸化物半導体膜としては
、窒素ガスを含む雰囲気中でスパッタ法によりIn(インジウム)、Ga(ガリウム)、
及びZn(亜鉛)を含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga:ZnO=1
:1:1)を用いて得たインジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸窒化物膜を成膜する。
この酸窒化物膜は、後に行う熱処理を行うことによって、前述の第1の酸化物半導体膜で
あるIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜よりも低抵抗の酸化物半導体膜(または第2のI
n−Ga−Zn−O系非単結晶膜という)となる。
【0060】
また、低抵抗の酸化物半導体膜は、縮退した酸化物半導体を用いることが好ましい。また
、縮退した酸化物半導体は透光性を有することが好ましい。低抵抗の酸化物半導体膜は、
一例として、窒素を含ませたIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜、即ちIn−Ga−Zn
−O−N系非単結晶膜(IGZON膜とも呼ぶ)を用いればよい。また、低抵抗の酸化物
半導体膜は、Ga−Zn−O系非単結晶膜、または窒素を含ませたGa−Zn−O系非単
結晶膜、即ちGa−Zn−O−N系非単結晶膜を用いてもよい。また、低抵抗の酸化物半
導体膜は、Al−Zn−O系非単結晶膜、又は窒素を含ませたAl−Zn−O系非単結晶
膜、即ちAl−Zn−O−N系非単結晶膜を用いてもよい。なお、Ga−Zn−O系酸化
物半導体又はGa−Zn−O−N系酸化物半導体に含まれるガリウムは、1重量%以上1
0重量%以下であることが好ましく、Al−Zn−O系酸化物半導体又はAl−Zn−O
−N系酸化物半導体に含まれるアルミニウムは、1重量%以上10重量%以下であること
が好ましい。また、窒素を含ませたZn−O−N系非単結晶膜や、窒素を含ませたSn−
Zn−O−N系非単結晶膜を用いてもよい。
【0061】
次いで、図1(C)と同様に、第1のゲート絶縁膜111及び酸化物半導体膜113上に
酸化物半導体膜121、第2の絶縁膜122、及び第3の導電層123を順次積層して形
成する(図2(C)参照)。
【0062】
次いで、図1(D)と同様に、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォト
マスクを用いて露光、現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像
の処理で得られたレジストマスクにより、前述の酸化物半導体膜113(第2の酸化物半
導体膜)、酸化物半導体膜121(第1の酸化物半導体膜)、第2の絶縁膜122、第3
の導電層123のエッチング工程を行う(図2(D)参照)。そして、島状の酸化物半導
体膜131、島状の酸化物半導体膜131の下のバッファ層135(低抵抗領域、N
領域、n層、ともいう)、島状の酸化物半導体膜131上の島状の第2のゲート絶縁膜
132(第2の絶縁膜ともいう)、島状の第2のゲート絶縁膜132上の第2のゲート電
極133が得られ、第2のゲート電極133上にレジストマスク134が残存する(図2
(D)参照)。なおバッファ層135、島状の酸化物半導体膜131、島状の第2のゲー
ト絶縁膜132、及び第2のゲート電極133は、エッチングを同一工程で行うことによ
り、図2(D)に示すように端部が一致し、連続的な構造となっている。なお、レジスト
マスク134の断面を、テーパーを有する形状とすることにより、段差形状による配線の
段切れ、短絡等を防ぐことができる。
【0063】
なおレジストマスク134を除去した後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜5
00℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、酸素を含む窒素雰囲気下で3
50℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により第1の酸化物半導体膜であるIn−G
a−Zn−O系非単結晶膜および第2の酸化物半導体膜であるIn−Ga−Zn−O系非
単結晶膜の原子レベルの再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する
歪が解放されるため、ここでの熱処理(光アニールも含む)は重要である。なお、熱処理
を行うタイミングは、第1の酸化物半導体膜及び第2の酸化物半導体膜の成膜後であれば
特に限定されない。
【0064】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製し、薄膜トランジスタ141を覆って
、層間絶縁層となる樹脂層142を形成する。なお、図1(E)と同様に第4及び第5の
フォトマスクを用いて、薄膜トランジスタ141を覆って層間絶縁層となる樹脂層142
を形成し、次いで層間絶縁層となる樹脂層142に第2のゲート電極133、配線層11
2に達する開口を形成し、そして層間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材料を形成し
、第2のゲート電極133に接続される引き回し配線143、配線層112に接続される
画素電極144を作製する(図2(E)参照)。
【0065】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。そのため、上記実施の形態と同様に、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の
上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層する層の数の増加に関わら
ずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の短縮化、低コスト化を図る
ことが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御により、しきい値電圧の制御
を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、酸化物半
導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成することができる
。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができ
る。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取ることができる。
そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値
電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0066】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について実施の形態1、実施の形態2とは異なる断
面図を用いて説明する。
【0067】
図3(A)乃至(E)は、図1(A)乃至(E)、図2(A)乃至(E)と、一部異なる
構造を示している。図3(A)乃至(E)において、図1(A)乃至(E)、図2(A)
乃至(E)と異なる部分以外は、同一の符号を用いて説明し、詳細な説明については上記
実施の形態での説明を援用するものとする。
【0068】
図3(A)乃至(E)は、図1(B)の配線層112の下にバッファ層となる第2の酸化
物半導体膜を形成した例である。図3(A)については、図1(A)と同様の説明となる

【0069】
図3(B)では、第1のゲート絶縁膜111上に酸化物半導体膜をスパッタ法にて形成し
、酸化物半導体膜上に金属材料からなる導電層(第2の導電層)をスパッタ法や真空蒸着
法で形成し、第2のフォトマスクを用いてパターニング(第2のパターニング)を行い、
ソース電極またはドレイン電極となる配線層112、酸化物半導体膜113(第2の酸化
物半導体膜、低抵抗酸化物半導体膜、バッファ層ともいう)、容量配線、及び端子電極等
を形成する(図3(B)参照)。本実施の形態では酸化物半導体膜113となる第2の酸
化物半導体膜としては、窒素ガスを含む雰囲気中でスパッタ法によりIn(インジウム)
、Ga(ガリウム)、及びZn(亜鉛)を含む酸化物半導体ターゲット(In:G
:ZnO=1:1:1)を用いて得たインジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸
窒化物膜を成膜する。この酸窒化物膜は、後に行う熱処理を行うことによって、前述の第
1の酸化物半導体膜であるIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜よりも低抵抗の酸化物半導
体膜(または第2のIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜という)となる。
【0070】
次いで、図1(C)と同様に、第1のゲート絶縁膜111及び配線層112上に酸化物半
導体膜121(第1の酸化物半導体膜)、第2の絶縁膜122、及び第3の導電層123
を順次積層して形成する(図3(C)参照)。
【0071】
次いで、図1(D)と同様に、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォト
マスクを用いて露光、現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像
の処理で得られたレジストマスクにより、酸化物半導体膜121、第2の絶縁膜122、
第3の導電層123のエッチング工程を行う(図3(D)参照)。そして、島状の酸化物
半導体膜131、島状の酸化物半導体膜131上の島状の第2のゲート絶縁膜132、島
状の第2のゲート絶縁膜132上の第2のゲート電極133が得られ、第2のゲート電極
133上にレジストマスク134が残存する(図3(D)参照)。なお島状の酸化物半導
体膜131、島状の第2のゲート絶縁膜132、及び第2のゲート電極133は、エッチ
ングを同一工程で行うことにより、図3(D)に示すように端部が一致し、連続的な構造
となっている。なお、レジストマスク134の断面を、テーパーを有する形状とすること
により、段差形状による配線の段切れ、短絡等を防ぐことができる。
【0072】
なおレジストマスク134を除去した後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜5
00℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、酸素を含む窒素雰囲気下で3
50℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により第1の酸化物半導体膜であるIn−G
a−Zn−O系非単結晶膜および第2の酸化物半導体膜であるIn−Ga−Zn−O系非
単結晶膜の原子レベルの再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する
歪が解放されるため、ここでの熱処理(光アニールも含む)は重要である。なお、熱処理
を行うタイミングは、第1の酸化物半導体膜及び第2の酸化物半導体膜の成膜後であれば
特に限定されない。
【0073】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製する。なお、図1(E)と同様に第4
及び第5のフォトマスクを用いて、薄膜トランジスタ141を覆って層間絶縁層となる樹
脂層142を形成し、次いで層間絶縁層となる樹脂層142にコンタクトホールを開口し
て、そして層間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材料を形成し、第2のゲート電極1
33に接続される引き回し配線143、配線層112に接続される画素電極144を作製
する(図3(E)参照)。
【0074】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。そのため、上記実施の形態と同様に、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の
上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層する層の数の増加に関わら
ずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の短縮化、低コスト化を図る
ことが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御により、しきい値電圧の制御
を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、酸化物半
導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成することができる
。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができ
る。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取ることができる。
そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値
電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0075】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について実施の形態1とは異なる断面図を用いて説
明する。
【0076】
また、図4(A)乃至(E)は、図1(A)乃至(E)と一部異なる構造を示している。
図4(A)乃至(E)において、図1(A)乃至(E)と異なる部分以外は、同一の符号
を用いて説明し、詳細な説明については上記実施の形態での説明を援用するものとする。
【0077】
図4(A)乃至(E)は、図1(B)の酸化物半導体膜121と第2の絶縁膜122との
間にチャネル保護膜を形成した例である。図4(A)、図4(B)については、図1(A
)、図1(B)と同様の説明となる。
【0078】
図4(C)では、第1のゲート絶縁膜111及び配線層112上に酸化物半導体膜121
、チャネル保護膜124、第2の絶縁膜122、及び第3の導電層123を順次積層して
形成する。本実施の形態ではチャネル保護膜124となる材料としては一例として無機絶
縁材料、また無機絶縁材料に限らずにスパッタ法で得られる非晶質半導体膜またはその化
合物、代表的にはアモルファスシリコン膜を用いて形成すればよい。また、チャネル保護
膜124に用いる非晶質シリコン膜の化合物とは、スパッタ法で形成されるボロンなどの
p型の不純物元素を含むp型非晶質シリコン膜、或いはスパッタ法で形成されるリンなど
のn型の不純物元素を含むn型非晶質シリコン膜を指している。中でも、チャネル保護膜
124にp型非晶質シリコン膜を用いる場合、オフ時のリーク電流を低減し、p型非晶質
シリコン膜に接して設けられた酸化物半導体膜のバックチャネルで発生したキャリア(電
子)を打ち消す効果がある。また、チャネル保護膜124に非晶質シリコン膜を用いた場
合、非晶質シリコン膜は、水分や、水素イオンや、OH−などをブロックする機能を有す
る。また、非晶質シリコン膜は、酸化物半導体への光の入射を遮る遮光層としても機能す
る。
【0079】
本実施の形態では、チャネル保護膜124として、ボロンを含むターゲットを用いたスパ
ッタ法で得られるボロンを含むアモルファスシリコン膜を用いる。また、ボロンを含むア
モルファスシリコン膜の成膜条件は低パワー条件、または基板温度を200℃未満とする
。チャネル保護膜124は酸化物半導体膜121と接して形成されるため、チャネル保護
膜124の成膜時及びエッチング時における酸化物半導体膜121へのダメージを極力低
減することが好ましい。
【0080】
次いで、図1(D)と同様に、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォト
マスクを用いて露光、現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像
の処理で得られたレジストマスクにより、酸化物半導体膜121、チャネル保護膜124
、第2の絶縁膜122、第3の導電層123のエッチング工程を行う(図4(D)参照)
。そして、島状の酸化物半導体膜131(第1の島状の酸化物半導体膜ともいう)、島状
の酸化物半導体膜131上の島状のチャネル保護膜136、島状のチャネル保護膜136
上の島状の第2のゲート絶縁膜132(島状の第2の絶縁膜ともいう)、島状の第2のゲ
ート絶縁膜132上の第2のゲート電極133が得られ、第2のゲート電極133上にレ
ジストマスク134が残存する(図4(D)参照)。なお島状の酸化物半導体膜131、
島状のチャネル保護膜136、島状の第2のゲート絶縁膜132、及び第2のゲート電極
133は、エッチングを同一工程で行うことにより、図4(D)に示すように端部が一致
し、連続的な構造となっている。なお、レジストマスク134の断面を、テーパーを有す
る形状とすることにより、段差形状による配線の段切れ、短絡等を防ぐことができる。
【0081】
なおレジストマスク134を除去した後、図1(D)と同様に、200℃〜600℃、代
表的には300℃〜500℃の熱処理を行うことが好ましい。
【0082】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製する。なお、図1(E)と同様に第4
及び第5のフォトマスクを用いて、薄膜トランジスタ141を覆って層間絶縁層となる樹
脂層142を形成し、次いで層間絶縁層となる樹脂層142にコンタクトホールを開口し
て、層間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材料を形成し、第2のゲート電極133に
接続される引き回し配線143、配線層112に接続される画素電極144を作製する(
図4(E)参照)。
【0083】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。そのため、上記実施の形態と同様に、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の
上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層する層の数の増加に関わら
ずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の短縮化、低コスト化を図る
ことが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御により、しきい値電圧の制御
を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、酸化物半
導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成することができる
。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができ
る。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取ることができる。
そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値
電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0084】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について実施の形態2とは異なる断面図を用いて説
明する。
【0085】
また、図5(A)乃至(E)は、図2(A)乃至(E)、図4(A)乃至(E)と、一部
異なる構造を示している。図5(A)乃至(E)において、図2(A)乃至(E)、図4
(A)乃至(E)と異なる部分以外は、同一の符号を用いて説明し、詳細な説明について
は上記実施の形態での説明を援用するものとする。
【0086】
図5(A)乃至(E)は、図1(B)の配線層112上にバッファ層となる第2の酸化物
半導体膜を形成した例である。図5(A)、図5(B)については、図2(A)、図2(
B)と同様の説明となる。
【0087】
次いで、第1のゲート絶縁膜111及び酸化物半導体膜113上に、図4(C)と同様に
して、酸化物半導体膜121、チャネル保護膜124、第2の絶縁膜122、及び第3の
導電層123を順次積層して形成する(図5(C)参照)。
【0088】
次いで、図2(D)と同様に、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォト
マスクを用いて露光、現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像
の処理で得られたレジストマスクにより、前述の酸化物半導体膜113(第2の酸化物半
導体膜)、酸化物半導体膜121(第1の酸化物半導体膜)、チャネル保護膜124、第
2の絶縁膜122、第3の導電層123のエッチング工程を行う(図5(D)参照)。そ
して、島状の酸化物半導体膜131、島状の酸化物半導体膜131の下のバッファ層13
5(低抵抗領域、N型領域、n層、ともいう)、島状の酸化物半導体膜131上の島
状のチャネル保護膜136、島状のチャネル保護膜136上の島状の第2のゲート絶縁膜
132、島状の第2のゲート絶縁膜132上の第2のゲート電極133が得られ、第2の
ゲート電極133上にレジストマスク134が残存する(図5(D)参照)。なおバッフ
ァ層135、島状の酸化物半導体膜131、島状のチャネル保護膜136、島状の第2の
ゲート絶縁膜132、及び第2のゲート電極133は、エッチングを同一工程で行うこと
により、図5(D)に示すように端部が一致し、連続的な構造となっている。なお、レジ
ストマスク134の断面を、テーパーを有する形状とすることにより、段差形状による配
線の段切れ、短絡等を防ぐことができる。
【0089】
なおレジストマスク134を除去した後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜5
00℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、酸素を含む窒素雰囲気下で3
50℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により第1のIn−Ga−Zn−O系非単結
晶膜および第2のIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜の原子レベルの再配列が行われる。
この熱処理によりキャリアの移動を阻害する歪が解放されるため、ここでの熱処理(光ア
ニールも含む)は重要である。なお、熱処理を行うタイミングは、第1のIn−Ga−Z
n−O系非単結晶膜及び第2のIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜の成膜後であれば特に
限定されない。
【0090】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製する。なお、図2(E)と同様に第4
及び第5のフォトマスクを用いて、薄膜トランジスタ141を覆って層間絶縁層となる樹
脂層142を形成し、次いで層間絶縁層となる樹脂層142に第2のゲート電極133、
配線層112に達する開口を形成し、そして層間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材
料を形成し、第2のゲート電極133に接続される引き回し配線143、配線層112に
接続される画素電極144を作製する(図5(E)参照)。
【0091】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。そのため、上記実施の形態と同様に、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の
上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層する層の数の増加に関わら
ずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の短縮化、低コスト化を図る
ことが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御により、しきい値電圧の制御
を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、酸化物半
導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成することができる
。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができ
る。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取ることができる。
そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値
電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0092】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上下を2つのゲート電極に挟まれた酸化物半導体膜を用いた薄膜トラ
ンジスタを含む半導体装置の作製方法について実施の形態3とは異なる断面図を用いて説
明する。
【0093】
また、図6(A)乃至(E)は、図3(A)乃至(E)、図4(A)乃至(E)と、一部
異なる構造を示している。図6(A)乃至(E)において、図3(A)乃至(E)、図4
(A)乃至(E)と異なる部分以外は、同一の符号を用いて説明し、詳細な説明について
は上記実施の形態での説明を援用するものとする。
【0094】
図6(A)乃至(E)は、図3(B)の配線層112の下に第2のIn−Ga−Zn−O
系非単結晶膜である酸化物半導体膜113(低抵抗領域、バッファ層ともいう)を形成し
た例である。図6(A)、図6(B)については、図3(A)、図3(B)と同様の説明
となる。
【0095】
次いで、第1のゲート絶縁膜111及び配線層112上に、図4(C)と同様にして、酸
化物半導体膜121、チャネル保護膜124、第2の絶縁膜122、及び第3の導電層1
23を順次積層して形成する(図6(C)参照)。
【0096】
次いで、図3(D)と同様に、第3の導電層123上にレジストを形成し、第3のフォト
マスクを用いて露光、現像の処理を行う。そして、第3のフォトマスクによる露光、現像
の処理で得られたレジストマスクにより、酸化物半導体膜121、チャネル保護膜124
、第2の絶縁膜122、第3の導電層123のエッチング工程を行う(図6(D)参照)
。そして、島状の酸化物半導体膜131、島状の酸化物半導体膜131上の島状のチャネ
ル保護膜136、島状のチャネル保護膜136上の島状の第2のゲート絶縁膜132、島
状の第2のゲート絶縁膜132上の第2のゲート電極133が得られ、第2のゲート電極
133上にレジストマスク134が残存する(図6(D)参照)。なお島状の酸化物半導
体膜131、島状のチャネル保護膜136、島状の第2のゲート絶縁膜132、及び第2
のゲート電極133は、エッチングを同一工程で行うことにより、図6(D)に示すよう
に端部が一致し、連続的な構造となっている。なお、レジストマスク134の断面を、テ
ーパーを有する形状とすることにより、段差形状による配線の段切れ、短絡等を防ぐこと
ができる。
【0097】
なおレジストマスク134を除去した後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜5
00℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、酸素を含む窒素雰囲気下で3
50℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により第1の酸化物半導体膜であるIn−G
a−Zn−O系非単結晶膜および第2の酸化物半導体膜であるIn−Ga−Zn−O系非
単結晶膜の原子レベルの再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する
歪が解放されるため、ここでの熱処理(光アニールも含む)は重要である。なお、熱処理
を行うタイミングは、第1の酸化物半導体膜及び第2の酸化物半導体膜の成膜後であれば
特に限定されない。
【0098】
以上の工程を経て、薄膜トランジスタ141を作製する。なお、図3(E)と同様に第4
及び第5のフォトマスクを用いて、薄膜トランジスタ141を覆って層間絶縁層となる樹
脂層142を形成し、次いで層間絶縁層となる樹脂層142にコンタクトホールを開口し
て、そして層間絶縁層となる樹脂層142上に導電性材料を形成し、第2のゲート電極1
33に接続される引き回し配線143、配線層112に接続される画素電極144を作製
する(図6(E)参照)。
【0099】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。そのため、上記実施の形態と同様に、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の
上下にゲート電極を配する半導体装置の作製方法に関し、積層する層の数の増加に関わら
ずプロセス数の増加を招くことがない。そのため、製造工程の短縮化、低コスト化を図る
ことが出来る。そして、第2のゲート電極による電位の制御により、しきい値電圧の制御
を行える構成とすることができる。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、酸化物半
導体膜上に、酸化物半導体膜のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成することができる
。従って、第2の絶縁膜には、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができ
る。その結果、第2の絶縁膜の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取ることができる。
そのため、第2のゲート電極の電位を制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値
電圧の制御に必要な電位を小さく設定することができる。
【0100】
(実施の形態7)
本実施の形態では、表示装置について、ブロック図、回路図、各信号等の電位変化を示す
波形図、上面図(レイアウト図)等を参照して説明する。
【0101】
図7(A)は、アクティブマトリクス型液晶表示装置のブロック図の一例を示す。図7(
A)に示す液晶表示装置は、基板800上に表示素子を備えた画素を複数有する画素部8
01と、各画素のゲート電極に接続された走査線を制御する走査線駆動回路802と、選
択された画素へのビデオ信号の入力を制御する信号線駆動回路803と、を有する。各画
素には、図7(B)に示す薄膜トランジスタ804(TFT:Thin Film Tr
ansistorともいう)が設けられている。薄膜トランジスタ804は、第1の制御
信号G1及び第2の制御信号G2によって、In端子とOut端子間の電気的な制御を行
う素子である。なお、図7(B)に示す薄膜トランジスタ804のシンボルは、上記実施
の形態1乃至6のいずれか一で説明した4端子によって制御される薄膜トランジスタを意
味し、図面等で以下用いることとする。
【0102】
なお、ここでは、走査線駆動回路802及び信号線駆動回路803を表示装置に作製する
形態を示したが、走査線駆動回路802の一部をIC等の半導体装置で実装してもよい。
また、信号線駆動回路803の一部をIC等の半導体装置で実装してもよい。走査線駆動
回路802を基板800上に複数設ける構成としてもよい。
【0103】
図8は、表示装置を構成する、信号入力端子、走査線、信号線、非線形素子を含む保護回
路、及び画素部の位置関係を説明する図である。絶縁表面を有する基板820上には走査
線823A及び制御線823Bと信号線824が交差して配置され、画素部827が構成
されている。なお、画素部827は、図7に示す画素部801に相当する。なお制御線8
23Bを信号線824と平行になるように配置する構成としてもよい。
【0104】
画素部827は複数の画素828がマトリクス状に配列して構成されている。画素828
は、走査線823A、制御線823B、信号線824に接続される画素TFT829(薄
膜トランジスタともいう)、保持容量部830、画素電極831を含んで構成されている

【0105】
ここで示す画素構成において、保持容量部830では、一方の電極と画素TFT829が
接続され、他方の電極と容量線832が接続される場合を示している。また、画素電極8
31は表示素子(液晶素子、発光素子、コントラスト媒体(電子インク)等)を駆動する
一方の電極を構成する。これらの表示素子の他方の電極(対向電極ともいう)はコモン端
子833に接続されている。コモン端子からは共通電位(コモン電位とも呼ぶ)が表示素
子の他方の電極に供給される。
【0106】
保護回路835は、画素部827から延びて設けられた配線と、信号線入力端子822と
の間に配設されている。また保護回路835は、走査線駆動回路802と、画素部827
の間に配設されている。本実施の形態では、複数の保護回路835を配設して、走査線8
23A、制御線823B、信号線824、及び容量線832に静電気等によりサージ電圧
が印加され、画素TFT829等が破壊されないように構成されている。そのため、保護
回路835にはサージ電圧が印加されたときに、コモン配線に電荷を逃がすように構成さ
れている。
【0107】
本実施の形態では、信号線入力端子822の近傍に保護回路835を配設する例を示して
いる。ただし、保護回路835の配設位置、保護回路835の有無はこれに限定されない

【0108】
図8の画素TFT829に、実施の形態1乃至6のいずれか一に示した薄膜トランジスタ
を用いることで、以下の利点がある。
【0109】
実施の形態1乃至6のいずれか一に示した作製方法で作製される薄膜トランジスタを有す
る画素を設けることで、プロセス数の増加を招くことなく、薄膜トランジスタの閾値電圧
の制御、及び/または薄膜トランジスタのオン電流を大きくすることが可能となる。
【0110】
次に図9で、画素828に供給される信号の電位変化の概略を表す波形図について示し、
画素828の動作について説明する。図9では、任意の画素の接続された走査線823A
、制御線823B、信号線824、及び容量線832のそれぞれの電位についての波形に
ついて示すものである。図9は、走査線823Aの電位変化の概略を表す波形G1、制御
線823Bの電位変化の概略を表す波形G2、信号線824の電位変化の概略を表す波形
D、及び容量線832の電位変化を表す波形COM、の時間変化について横軸を時間、縦
軸を電位として表したものである。なお、波形G1の高電源電位はVと表し、波形G1
の低電源電位はVと表し、波形G2の電位はVと表し、波形Dの高電源電位はVD1
と表し、波形Dの低電源電位はVD2と表し、波形COMの電位はVCOMと表す。なお
、図示するように、波形G1がVになってからVになり、次にVになるまでの期間
が、1フレーム期間の長さに対応するものである。また、図示するように、波形G1がV
になってからVになるまでの期間が、1ゲート選択期間の長さに対応するものである

【0111】
図9で1フレーム期間の1ゲート選択期間、すなわち走査線823AがVになったとき
、VD1からVD2の範囲にある信号線824の電位が画素828内の保持容量部830
で保持される。また図9で1フレーム期間の1ゲート選択期間以外の期間、すなわち走査
線823AがVになったとき、VD1からVD2の範囲にある信号線824の電位に関
わらず、画素828内の保持容量部830は1ゲート選択期間に入力された電位を保持す
る。なお制御線823Bの電位変化の概略を表す波形G2は、走査線823Aによる画素
TFT829の導通または非導通の制御が誤動作しない範囲の固定電位にすることが好ま
しい。制御線823Bの電位VをVD2以下、好ましくはVからVD2の範囲とする
ことで、走査線823Aによる画素TFT829の導通または非導通の制御の誤差を低減
することができる。
【0112】
図9に示すように、制御線823Bを設けることにより、実施の形態1乃至6のいずれか
一に示した作製方法で作製される画素TFTを設けることで、プロセス数の増加を招くこ
となく、薄膜トランジスタの閾値電圧の制御、及び/または薄膜トランジスタのオン電流
を大きくすることが可能となる。特に制御線823Bの波形G2を固定電位にすることに
より、しきい値電圧の安定した薄膜トランジスタを得ることができ好適である。
【0113】
なお図9に示す画素828に供給される信号の電位変化の概略を表す波形図は、一例であ
って、他の駆動方法を組み合わせて用いてもよい。一例としては、一定期間毎、1フレー
ム毎、または1画素毎に、共通電極の共通電位(コモン電位)に対して、画素電極に印加
される電圧の極性を反転させる、反転駆動のような駆動方法を用いてもよい。反転駆動を
行うことによって、画像のちらつき(フリッカ)などの表示ムラ、及び表示素子、例えば
液晶素子の劣化を抑制することができる。なお、反転駆動の例としては、フレーム反転駆
動をはじめ、ソースライン反転駆動、ゲートライン反転駆動、ドット反転駆動などが挙げ
られる。なお表示方式として、プログレッシブ方式、インターレース方式等を用いること
ができる。また画素に複数のサブ画素(副画素ともいう)を設ける構成としてもよい。
【0114】
次に、図8に示した画素828のレイアウト図の一例を図10(A)、また図10(A)
中の鎖線A−Bで切断した断面を図10(B)に示す。なお図10(A)に示す画素のレ
イアウト図は、走査線823Aの延伸する方向にRGB(Rは赤、Gは緑、Bは青)の3
色に対応した画素を並べて配設した、いわゆるストライプ配置する例について示している
。画素828の配置としては、他にもデルタ配置、またはベイヤー配置したレイアウトと
してもよい。なお、RGBの三色に限定されず、それ以上でもよく、例えば、RGBW(
Wは白)、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタなどを一色以上追加したものなど
がある。なお、RGBの各色要素の画素毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい

【0115】
図10(A)の画素の回路は、走査線823Aとなる配線(第1のゲート電極層)及び容
量線832の一方の電極となる配線として機能する第1の導電層1101、画素TFT8
29のチャネル領域を形成する酸化物半導体膜1102、信号線824となる配線及び容
量線832の他方の電極となる配線として機能する第2の導電層1103、第2のゲート
電極層として機能する第3の導電層1104、制御線823Bとなる配線及び画素電極8
31として機能する第4の導電層1105(画素電極層ともいう)、及び第2の導電層1
103と画素電極831とのコンタクト、及び第4の導電層と制御線823Bとのコンタ
クト、をとるための開口部1106(コンタクト穴ともいう)について示すものである。
【0116】
なお、図10(A)に示すレイアウト図において、薄膜トランジスタのソース領域及びド
レイン領域の対向部分を、U字状、またはC字状の形状とする構成でもよい。また、ゲー
ト電極層として機能する第1の導電層1101を、U字状またはC字状の形状とする構成
でもよい。また、第1のゲート電極層として機能する第1の導電層1101のチャネル長
方向の幅は、酸化物半導体膜1102の幅よりも広い。また、第2のゲート電極として機
能する第3の導電層1104の幅は、第1の導電層1101の幅より狭く、酸化物半導体
膜1102の幅よりも狭い。
【0117】
また、画素TFTと走査線との接続が図8とは異なる例について、図11に示す。図11
では、実施の形態1乃至6のいずれか一に示した薄膜トランジスタにおいて、酸化物半導
体膜を挟んで設けられる、走査線である第1のゲート電極101と制御線である第2のゲ
ート電極133とが同電位となった例について示している。なお図11では、図8での説
明と同じ箇所に関しては、繰り返しの説明を省略する。
【0118】
図11は、表示装置を構成する、信号入力端子、走査線、信号線、非線形素子を含む保護
回路、及び画素部の位置関係を説明する図である。図11が図8と異なる点は、制御線8
23Bがなく、図8での走査線823Aに対応する走査線823を有する点にある。図1
1に示すように走査線823で画素TFTを制御することにより、制御線を省略すること
ができ、配線数、及び信号線入力端子822の数を削減することができる。
【0119】
次に図12で、図11に示す画素828に供給される信号の電位変化の概略を表す波形図
について示し、図11での画素828の動作について説明する。図12では、任意の画素
の接続された走査線823、信号線824、及び容量線832のそれぞれの電位について
の波形について示すものである。なお図12では図9との違いを明瞭化するため、走査線
823の電位を、薄膜トランジスタの酸化物半導体膜を挟んで設けられる、第1のゲート
電極101と第2のゲート電極133とで分けて示すことにする。図12は、第1のゲー
ト電極101の電位変化の概略を表す波形G1、第2のゲート電極133の電位変化の概
略を表す波形G2、信号線824の電位変化の概略を表す波形D、及び容量線832の電
位変化を表す波形COM、の時間変化について横軸を時間、縦軸を電位として表したもの
である。なお、波形G1及び波形G2の高電源電位はVと表し、波形G1及び波形G2
の低電源電位はVと表し、波形Dの高電源電位はVD1と表し、波形Dの低電源電位は
D2と表し、波形COMの電位はVCOMと表す。なお、図示するように、波形G1が
になってからVになり、次にVになるまでの期間が、1フレーム期間の長さに対
応するものである。また、図示するように、波形G1がVになってからVになるまで
の期間が、1ゲート選択期間の長さに対応するものである。
【0120】
図12で1フレーム期間の1ゲート選択期間、すなわち波形G1及び波形G2がVにな
ったとき、VD1からVD2の範囲にある信号線824の電位が画素828内の保持容量
部830で保持される。また図12で1フレーム期間の1ゲート選択期間以外の期間、す
なわち波形G1及び波形G2がVになったとき、VD1からVD2の範囲にある信号線
824の電位に関わらず、画素828内の保持容量部830は1ゲート選択期間に入力さ
れた電位を保持する。なお図12中、波形G1と波形G2は同じ電位となるが、明瞭化の
ためにずらして示している。
【0121】
図12に示すように、波形G1及び波形G2を同じ電位で駆動することで、画素TFT8
29のチャネルとなる領域を増やすことができ、画素TFT829を流れる電流量を増や
すことになるため、表示素子の高速応答を図ることができる。
【0122】
なお図12に示す電位変化の概略を表す波形図は、図9と同様に一例であって、他の駆動
方法を組み合わせて用いてもよい。一例としては、一定期間毎、1フレーム毎、または1
画素毎に、共通電極の共通電位(コモン電位)に対して、画素電極に印加される電圧の極
性を反転させる、反転駆動のような駆動方法を用いてもよい。反転駆動を行うことによっ
て、画像のちらつき(フリッカ)などの表示ムラ、及び表示素子、例えば液晶素子の劣化
を抑制することができる。なお、反転駆動の例としては、フレーム反転駆動をはじめ、ソ
ースライン反転駆動、ゲートライン反転駆動、ドット反転駆動などが挙げられる。なお表
示方式として、プログレッシブ方式、インターレース方式等を用いることができる。また
画素に複数のサブ画素(副画素ともいう)を設ける構成としてもよい。
【0123】
次に、図11に示した画素828のレイアウト図の一例を図13に示す。なお図13に示
す画素のレイアウト図は、走査線823の延伸する方向にRGB(Rは赤、Gは緑、Bは
青)の3色に対応した画素を並べて配設した、いわゆるストライプ配置する例について示
している。画素828の配置としては、他にもデルタ配置、またはベイヤー配置したレイ
アウトとしてもよい。なお、RGBの三色に限定されず、それ以上でもよく、例えば、R
GBW(Wは白)、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタなどを一色以上追加した
ものなどがある。なお、RGBの各色要素の画素毎にその表示領域の大きさが異なってい
てもよい。なお図13中の鎖線A−Bで切断した断面は、図10(B)と同じ断面となる

【0124】
図13の画素の回路は、走査線823となる配線(第1のゲート電極層)及び容量線83
2の一方の電極となる配線として機能する第1の導電層1101、画素TFT829のチ
ャネル領域を形成する酸化物半導体膜1102、信号線824となる配線及び容量線83
2の他方の電極となる配線として機能する第2の導電層1103、第2のゲート電極層と
して機能する第3の導電層1104、第1の導電層1101に接続される配線及び画素電
極831となる第4の導電層1105、及び第2の導電層1103と画素電極831との
コンタクトをとるため、または第1の導電層1101と第4の導電層1105とのコンタ
クトをとるための開口部1106(コンタクト穴ともいう)について示すものである。
【0125】
なお、図13に示すレイアウト図において、薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン
領域の対向部分を、U字状、またはC字状の形状とする構成でもよい。また、第1のゲー
ト電極層として機能する第1の導電層1101を、U字状またはC字状の形状とする構成
でもよい。また、図13においては、第1のゲート電極層として機能する第1の導電層1
101のチャネル長方向の幅は、酸化物半導体膜1102の幅よりも広い。また、第2の
ゲート電極層として機能する第3の導電層1104の幅(チャネル長方向の幅)は、第1
の導電層1101の幅より狭く、酸化物半導体膜1102の幅よりも広い。
【0126】
以上説明したように、上記実施の形態1乃至6のいずれか一に示した作製方法で作製され
る薄膜トランジスタを有する画素を設けることで、プロセス数の増加を招くことなく、薄
膜トランジスタの閾値電圧の制御、及び/または薄膜トランジスタのオン電流を大きくす
ることが可能となる。
【0127】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0128】
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態1乃至6のいずれか一で述べた薄膜トランジスタを具
備する表示装置として発光表示装置の一例を示す。表示装置の有する表示素子としては、
ここではエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を用いて示す。エレクトロルミネ
ッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかに
よって区別され、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0129】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔
がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャ
リア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成
し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよう
な発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0130】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分
類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有
するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−ア
クセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、
さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利
用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明す
る。
【0131】
図14は、上記実施の形態1乃至6のいずれか一で述べた薄膜トランジスタを具備する発
光表示装置の画素の一例を示す図である。
【0132】
発光表示装置が具備する画素の構成及び画素の動作について説明する。ここでは酸化物半
導体膜(代表的には、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜)をチャネル形成領域に用いる
nチャネル型の薄膜トランジスタを1つの画素に2つ用いる例を示す。
【0133】
画素6400は、スイッチング用トランジスタ6401(第1のトランジスタともいう)
、駆動用トランジスタ6402(第2のトランジスタともいう)、発光素子6404及び
容量素子6403を有している。スイッチング用トランジスタ6401は第1のゲート電
極が走査線6406Aに接続され、第2のゲート電極が制御線6406Bに接続され、第
1電極(ソース電極層及びドレイン電極層の一方)が信号線6405に接続され、第2電
極(ソース電極層及びドレイン電極層の他方)が駆動用トランジスタ6402の第1のゲ
ート電極に接続されている。駆動用トランジスタ6402は、第1のゲート電極が容量素
子6403を介して電源線6407に接続され、第2のゲート電極が制御線6406Bに
接続され、第1電極が電源線6407に接続され、第2電極が発光素子6404の第1電
極(画素電極)に接続されている。発光素子6404の第2電極は共通電極6408に相
当する。共通電極6408は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続され、
その接続部分を共通接続部とすればよい。
【0134】
なお、発光素子6404の第2電極(共通電極6408)には低電源電位が設定されてい
る。なお、低電源電位とは、電源線6407に設定される高電源電位を基準にして低電源
電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設
定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子6404に印加
して、発光素子6404に電流を流して発光素子6404を発光させるため、高電源電位
と低電源電位との電位差が発光素子6404の順方向しきい値電圧以上となるようにそれ
ぞれの電位を設定する。
【0135】
なお、容量素子6403は駆動用トランジスタ6402のゲート容量を代用して省略する
ことも可能である。駆動用トランジスタ6402のゲート容量については、チャネル領域
とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
【0136】
アナログ階調駆動を行う場合、駆動用トランジスタ6402のゲートに発光素子6404
の順方向電圧+駆動用トランジスタ6402のしきい値電圧以上の電圧をかける。発光素
子6404の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順
方向しきい値電圧を含む。なお、駆動用トランジスタ6402が飽和領域で動作するよう
なビデオ信号を入力することで、発光素子6404に電流を流すことができる。電源線6
407の電位は、駆動用トランジスタ6402を飽和領域で動作させるため、駆動用トラ
ンジスタ6402のゲート電位よりも高くする。ビデオ信号をアナログ値とすることで、
発光素子6404にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができ
る。
【0137】
図14に示すように、制御線6406Bを設けることにより、実施の形態1乃至6のいず
れか一に示した薄膜トランジスタと同様に、スイッチング用トランジスタ6401及び駆
動用トランジスタ6402のしきい値電圧の制御を行うことができる。特に駆動用トラン
ジスタ6402では、飽和領域で動作するようにビデオ信号を入力することとなる。その
ため、制御線6406Bの電位によってしきい値電圧の制御を行う構成とすることにより
、しきい値電圧のシフトによる入力するビデオ信号と発光素子の輝度とのずれを小さくす
ることができる。その結果、表示装置の表示品質の向上を図ることが出来る。
【0138】
なお、スイッチング用トランジスタ6401は、スイッチと動作させるトランジスタであ
り、制御線6406Bによる第2のゲートの電位の制御を省略することもできる。
【0139】
なお、図14に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図14に示す画素に新た
にスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0140】
なお、アナログ階調駆動に代えて、デジタル階調駆動を行う場合には、駆動用トランジス
タ6402のゲートには、駆動用トランジスタ6402が十分にオンするか、オフするか
の二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動用トランジスタ6402
は線形領域で動作させる。駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させるため、電
源線6407の電圧よりも高い電圧を駆動用トランジスタ6402のゲートにかける。な
お、信号線6405には、(電源線電圧+駆動用トランジスタ6402のVth)以上の
電圧をかける。図14と同じ画素構成を用いることができる。
【0141】
次に、発光素子の構成について、図15を用いて説明する。ここでは、駆動用TFTがn
型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図15(A)、図15(B)
、及び図15(C)の半導体装置に用いられる駆動用TFTである薄膜トランジスタ70
01、7011、7021は、実施の形態1で示す薄膜トランジスタ141と同様に作製
でき、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いる薄膜トランジスタである。
【0142】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そ
して、基板上に薄膜トランジスタ及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取
り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対
側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、画素構成はどの射出構造の発
光素子にも適用することができる。
【0143】
上面射出構造の発光素子について図15(A)を用いて説明する。
【0144】
図15(A)には、実施の形態1に示す薄膜トランジスタの作製方法により形成される薄
膜トランジスタ7001を画素に配置する駆動TFTとし、薄膜トランジスタ7001と
電気的に接続する発光素子7002から発せられる光が陽極7005側に抜ける場合の画
素の断面図を示す。薄膜トランジスタ7001は、層間絶縁層7017で覆われ、さらに
層間絶縁層7017上に引き回し配線7009を有し、酸化物半導体膜として、In−G
a−Zn−O系酸化物半導体を用いる。図15(A)では、発光素子7002の陰極70
03と駆動用TFTである薄膜トランジスタ7001が電気的に接続されており、陰極7
003上に発光層7004、陽極7005が順に積層されている。陰極7003は仕事関
数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば様々の材料を用いることができる。例
えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が望ましい。
【0145】
また、図15(A)では、陰極7003と同じ材料で酸化物半導体膜を引き回し配線70
09が覆い、遮光している。引き回し配線7009に接続される第2のゲート電極の電位
によって、薄膜トランジスタ7001のしきい値を制御することができる。陰極7003
と引き回し配線7009とを同じ材料とすることで、工程数を低減することができる。
【0146】
また、引き回し配線7009と陰極7003の短絡を防止するための絶縁材料からなる隔
壁7006を有している。この隔壁7006の一部と露呈している陰極の一部の両方に重
なるように発光層7004が設けられる。
【0147】
そして発光層7004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構
成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陰極7003上に電子
注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれら
の層を全て設ける必要はない。陽極7005は光を透過する透光性を有する導電性材料を
用いて形成し、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含
むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジ
ウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、
酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いても良い。
【0148】
陰極7003及び陽極7005で発光層7004を挟んでいる領域が発光素子7002に
相当する。図15(A)に示した画素の場合、発光素子7002から発せられる光は、矢
印で示すように陽極7005側に射出する。
【0149】
次に、下面射出構造の発光素子について図15(B)を用いて説明する。実施の形態1に
示す薄膜トランジスタの作製方法により形成される薄膜トランジスタ7011を画素に配
置する駆動TFTとし、薄膜トランジスタ7011と電気的に接続する発光素子7012
から発せられる光が陰極7013側に射出する場合の、画素の断面図を示す。薄膜トラン
ジスタ7011は層間絶縁層7017で覆われ、さらに層間絶縁層7017上に引き回し
配線7019を有し、酸化物半導体膜として、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用
いる。図15(B)では、薄膜トランジスタ7011と電気的に接続された透光性を有す
る導電膜7010上に、発光素子7012の陰極7013が成膜されており、陰極701
3上に発光層7014、陽極7015が順に積層されている。なお、陽極7015が透光
性を有する場合、陽極上を覆うように、光を反射または遮蔽するための遮蔽膜7016が
成膜されていてもよい。陰極7013は、図15(A)の場合と同様に、仕事関数が小さ
い導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透過す
る程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例えば20nmの膜厚を有するア
ルミニウム膜を、陰極7013として用いることができる。そして発光層7014は、図
15(A)と同様に、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成さ
れていてもどちらでも良い。陽極7015は光を透過する必要はないが、図15(A)と
同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。そして遮蔽膜701
6は、例えば光を反射する金属等を用いることができるが、金属膜に限定されない。例え
ば黒の顔料を添加した樹脂等を用いることもできる。
【0150】
また、図15(B)では、透光性を有する導電膜7010と同じ透光性を有する導電性材
料で引き回し配線7019が酸化物半導体膜を覆う構成としている。本実施の形態では、
引き回し配線7019の材料として、SiOxを含むインジウム錫酸化物を用いる。また
、引き回し配線7019に接続される第2のゲート電極によって薄膜トランジスタ701
1のしきい値を制御する。透光性を有する導電膜7010と引き回し配線7019とを同
じ材料とすることで、工程数を低減することができる。また、薄膜トランジスタ7011
の酸化物半導体膜は、引き回し配線7019下方に形成される第2のゲート電極によって
遮光される構成となっている。
【0151】
陰極7013及び陽極7015で、発光層7014を挟んでいる領域が発光素子7012
に相当する。図15(B)に示した画素の場合、発光素子7012から発せられる光は、
矢印で示すように陰極7013側に射出する。
【0152】
次に、両面射出構造の発光素子について、図15(C)を用いて説明する。図15(C)
には、実施の形態1に示す薄膜トランジスタの作製方法により形成される薄膜トランジス
タ7021を画素に配置する駆動TFTとし、薄膜トランジスタ7021と電気的に接続
する発光素子7022から発せられる光が陽極7025側と陰極7023側の両方に抜け
る場合の画素の断面図を示す。薄膜トランジスタ7021は、層間絶縁層7017で覆わ
れ、さらに層間絶縁層7017上に引き回し配線7029を有し、酸化物半導体膜として
、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いる。
【0153】
また、薄膜トランジスタ7021と電気的に接続された透光性を有する導電膜7028上
に、発光素子7022の陰極7023が成膜されており、陰極7023上に発光層702
4、陽極7025が順に積層されている。陰極7023は、図15(A)の場合と同様に
、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしその膜
厚は、光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極7023と
して用いることができる。そして発光層7024は、図15(A)と同様に、単数の層で
構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。陽極
7025は、図15(A)と同様に、光を透過する透光性を有する導電性材料を用いて形
成することができる。
【0154】
陰極7023と、発光層7024と、陽極7025とが重なっている部分が発光素子70
22に相当する。図15(C)に示した画素の場合、発光素子7022から発せられる光
は、矢印で示すように陽極7025側と陰極7023側の両方に射出する。
【0155】
また、図15(C)では、引き回し配線7029が酸化物半導体膜上を覆う構成としてい
る。引き回し配線7029の材料としては、遮光性を有する導電性材料、チタン、窒化チ
タン、アルミニウム、タンタングステンなどが好ましい。本実施の形態では、引き回し配
線7029の材料として、Ti膜を用いる。また、引き回し配線7029に接続される第
2のゲート電極によって薄膜トランジスタ7021のしきい値を制御する。また、薄膜ト
ランジスタ7021の酸化物半導体膜は、引き回し配線7029によって遮光する構成と
なっている。また、薄膜トランジスタ7021と電気的に接続する透光性を有する導電膜
7028は、引き回し配線7029と同じTi膜を用いる。
【0156】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機E
L素子を設けることも可能である。
【0157】
なお本実施の形態では、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(駆動用TFT)と
発光素子が電気的に接続されている例を示したが、駆動用TFTと発光素子との間に電流
制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0158】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び
断面について、図16を用いて説明する。図16は、第1の基板上に形成された薄膜トラ
ンジスタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの上面
図であり、図16(B)は、図16(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0159】
第1の基板4500上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、450
3b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505
が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び
走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よ
って画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路45
04a、4504bは、第1の基板4500とシール材4505と第2の基板4506と
によって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気
密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィル
ム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0160】
また第1の基板4500上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4
503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、薄膜トランジスタを複数有し
ており、図16(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信
号線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509とを例示している。
【0161】
薄膜トランジスタ4509、4510は、一例として、In−Ga−Zn−O系酸化物半
導体を用いる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4509、4510はnチャネ
ル型薄膜トランジスタである。薄膜トランジスタ4509、4510は酸化物半導体膜と
接する層間絶縁層4508で覆われている。なお、層間絶縁層4508の上面及び側面を
窒化シリコン膜からなる保護絶縁層で覆う構成としてもよい。また、薄膜トランジスタ4
509の上方には、引き回し配線として機能する導電層4522が設けられる。また、薄
膜トランジスタ4510の上方にも引き回し配線として機能する導電層4521が設けら
れる。導電層4521、及び導電層4522は、引き回し配線として薄膜トランジスタの
第2のゲート電極に接続されており、薄膜トランジスタのしきい値制御を行う。
【0162】
導電層4522として遮光性の導電膜を用いる場合、薄膜トランジスタ4509の酸化物
半導体膜への光を遮断することができる。第2のゲート電極に接続される引き回し配線と
して機能する導電層4522を、遮光性を有する材料で形成する場合、酸化物半導体の光
感度による薄膜トランジスタの電気特性の変動を防止し安定化する効果がある。
【0163】
また、導電層4521の幅は、導電層4522の幅と異ならせて設けてもよい。導電層4
521の幅は、薄膜トランジスタ4510のゲート電極の幅よりも狭い。導電層4521
の幅を薄膜トランジスタ4510のゲート電極の幅よりも狭くすることで、配線層と重な
る面積を縮小して寄生容量を小さくすることができる。図16に示すように導電層452
1、導電層4522の幅を選択的に異ならせることで、第2のゲート電極による遮光に加
えて薄膜トランジスタを遮光する効果を高めることが出来る。
【0164】
また4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極
層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極層またはドレイン電極層と電気的
に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、電界発光層
4512、第2の電極層4513の積層構造であるが、本実施の形態に示した構成に限定
されない。発光素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の
構成は適宜変えることができる。
【0165】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。
特に感光性の材料を用い、第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁
が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0166】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成
されていてもどちらでも良い。
【0167】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層
4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化珪素膜、
窒化酸化珪素膜、DLC膜等を形成することができる。
【0168】
また、信号線駆動回路4503a、4503b、走査線駆動回路4504a、4504b
、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は、FPC4518a、4518
bから供給されている。
【0169】
本実施の形態では、接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極層4
517と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509、4
510が有するソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜から形成されている。
【0170】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介
して電気的に接続されている。
【0171】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する基板には、第2の基板は透光性でな
ければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまた
はアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0172】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹
脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、
ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEV
A(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施の形態は充填材として窒
素を用いた。
【0173】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、
位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよ
い。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により
反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0174】
信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは
、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回
路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回
路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、本実施の形態は図16の構成に
限定されない。
【0175】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製す
ることができる。
【0176】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0177】
(実施の形態9)
実施の形態1乃至6のいずれか一に示した酸化物半導体膜を用いた薄膜トランジスタを作
製し、該薄膜トランジスタを駆動回路、さらには画素部に用いて表示機能を有する液晶表
示装置を作製することができる。また、薄膜トランジスタを駆動回路の一部または全体を
、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0178】
液晶表示装置は表示素子として液晶素子(液晶表示素子ともいう)を含む。
【0179】
また、液晶表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントロ
ーラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該液晶表示装置を
作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素
子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、
具体的には、表示素子の画素電極のみが形成された状態であっても良いし、画素電極とな
る導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても
良いし、あらゆる形態があてはまる。
【0180】
なお、本明細書中における液晶表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしく
は光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible
printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated B
onding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が
取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモ
ジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集
積回路)が直接実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
【0181】
液晶表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図17を用い
て説明する。図17(A1)(A2)は、液晶素子4013を第1の基板4001第2の
基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの上面図であり、図1
7(B)は、図17(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0182】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。本実施の形態において液晶層400
8は、特に限定されないが、ブルー相を示す液晶材料を用いる。ブルー相を示す液晶材料
は、電圧無印加状態から電圧印加状態においては、応答速度が1msec以下と短く、高
速応答が可能である。ブルー相を示す液晶材料として液晶及びカイラル剤を含む。カイラ
ル剤は、液晶を螺旋構造に配向させ、ブルー相を発現させるために用いる。例えば、5重
量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を液晶層に用いればよい。液晶は、サーモト
ロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いる。
【0183】
また、図17(A1)は第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている
領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形
成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、図17(A2)は信号線駆動
回路の一部を第1の基板4001上に形成する例であり、第1の基板4001上に信号線
駆動回路4003bが形成され、かつ別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶
半導体膜で形成された信号線駆動回路4003aが実装されている。
【0184】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図17(A1)
は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図17(A2)は、
TAB方法により信号線駆動回路4003aを実装する例である。
【0185】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、
薄膜トランジスタを複数有しており、図17(B)では、下地膜となる絶縁膜4007上
に画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含
まれる薄膜トランジスタ4011とを例示している。薄膜トランジスタ4010、401
1上には層間絶縁層4021が設けられている。薄膜トランジスタ4010、4011は
、実施の形態1乃至6のいずれか一に示した薄膜トランジスタを適用することができる。
本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010、4011は酸化物半導体膜をチャネ
ル形成領域に用いるnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0186】
薄膜トランジスタ4010、4011は層間絶縁層4021で覆われる。層間絶縁層40
21は、薄膜トランジスタ4010、4011の酸化物半導体膜及び第1のゲート絶縁膜
4020上に接して設けられる。
【0187】
また、平坦化絶縁膜として用いる層間絶縁層4021は、ポリイミド、アクリル、ベンゾ
シクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができ
る。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、P
SG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、こ
れらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。なお
、層間絶縁層4021は、透光性樹脂層であり、本実施の形態では感光性ポリイミド樹脂
を用いる。
【0188】
積層する絶縁層の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイ
フコーター等を用いることができる。
【0189】
また、薄膜トランジスタ4011の酸化物半導体膜と重なる位置に第2のゲート電極に接
続される引き回し配線4028が層間絶縁層4021上に形成される。また、薄膜トラン
ジスタ4010の酸化物半導体膜と重なる位置に第2のゲート電極に接続される引き回し
配線4029が層間絶縁層4021上に形成される。
【0190】
また、第1の基板4001上に画素電極層4030及び共通電極層4031が設けられ、
画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。また、引
き回し配線4028、4029は、共通電極層4031と共通の電位とすることができる
。また、引き回し配線4028、4029は、共通電極層4031と同一工程で形成する
ことができる。また、引き回し配線4028、4029は、遮光性の導電膜を用いれば、
薄膜トランジスタ4011、4010の酸化物半導体膜を遮光する遮光層としても機能さ
せることができる。
【0191】
また、引き回し配線4028、4029は、共通電極層4031と異なる電位とすること
ができ、その場合には引き回し配線4028、4029と電気的に接続される制御線を設
け、制御線の電位によって薄膜トランジスタ4011、4010のしきい値電圧の制御を
行う構成とする。
【0192】
液晶素子4013は、画素電極層4030、共通電極層4031、及び液晶層4008を
含む。本実施の形態では、基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、
基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式、を用いる。このような方
式として、IPS(In Plane Switching)モードで用いる電極構成や
、FFS(Fringe Field Switching)モードで用いる電極構成が
適用できる。なお、第1の基板4001、第2の基板4006の外側にはそれぞれ偏光板
4032、4033が設けられている。
【0193】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するガラス、プラ
スチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fibergla
ss−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド
)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。
また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシー
トを用いることもできる。
【0194】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、
液晶層4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のス
ペーサを用いていても良い。柱状のスペーサ4035は、引き回し配線4029と重なる
位置に配置する。
【0195】
また、図17の液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設ける例を示すが、
偏光板は基板の内側に設けてもよい。偏光板の材料や作製工程条件によって適宜設定すれ
ばよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光層を設けてもよい。
【0196】
図17においては、薄膜トランジスタ4010、4011上方を覆うように遮光層403
4が第2の基板4006側に設けられている。遮光層4034を設けることにより、さら
にコントラスト向上や薄膜トランジスタの安定化の効果を高めることができる。
【0197】
遮光層4034を設けると、薄膜トランジスタの酸化物半導体膜へ入射する光の強度を減
衰させることができ、酸化物半導体の光感度による薄膜トランジスタの電気特性の変動を
防止し安定化する効果を得られる。
【0198】
画素電極層4030、共通電極層4031、引き回し配線4028、4029は、酸化タ
ングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸
化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫
酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジ
ウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0199】
また、画素電極層4030、共通電極層4031、引き回し配線4028、4029とし
て、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成すること
ができる。
【0200】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0201】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース
線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路
は、酸化物半導体を用いた非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0202】
図17では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、
端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン
電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0203】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0204】
また図17においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実
装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して
実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成し
て実装しても良い。
【0205】
図18は液晶表示装置の断面構造の一例であり、素子基板2600と対向基板2601が
シール材2602により固着され、その間に薄膜トランジスタ等を含む素子層2603、
液晶層2604が設けられる。
【0206】
カラー表示を行う場合、バックライト部に複数種の発光色を射出する発光ダイオードを配
置する。RGB方式の場合は、赤の発光ダイオード2910R、緑の発光ダイオード29
10G、青の発光ダイオード2910Bを液晶表示装置の表示エリアを複数に分割した分
割領域にそれぞれ配置する。
【0207】
対向基板2601の外側には偏光板2606が設けられ、素子基板2600の外側には偏
光板2607、及び光学シート2613が配設されている。光源は赤の発光ダイオード2
910R、緑の発光ダイオード2910G、青の発光ダイオード2910Bと反射板26
11により構成され、回路基板2612に設けられたLED制御回路2912は、フレキ
シブル配線基板2609により素子基板2600の配線回路部2608と接続され、さら
にコントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。
【0208】
本実施の形態は、このLED制御回路2912によって個別にLEDを発光させることに
よって、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置とする例を示したが特に限定され
ず、バックライトの光源として冷陰極管または白色LEDを用い、カラーフィルタを設け
てもよい。
【0209】
また、本実施の形態では、IPSモードで用いる電極構成の例を示したが特に限定されず
、TN(Twisted Nematic)モード、MVA(Multi−domain
Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Ve
rtical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetr
ic aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Co
mpensated Birefringence)モード、FLC(Ferroele
ctric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroe
lectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0210】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0211】
(実施の形態10)
本実施の形態では、酸化物半導体膜を有する薄膜トランジスタを複数有する半導体装置と
して電子ペーパーの一例を示す。
【0212】
図19(A)は、アクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す断面図である。半導体装
置に用いられる表示部に配置される薄膜トランジスタ581としては、実施の形態1乃至
6のいずれか一に示す薄膜トランジスタを用いる。
【0213】
図19(A)の電子ペーパーは、正または負に帯電させた白い微粒子及び黒い微粒子をマ
イクロカプセル内に充填した電気泳動材料(マイクロカプセル方式の電気泳動方式表示素
子)を用いた電気泳動方式の表示装置の例である。マイクロカプセル方式の電気泳動方式
表示素子は、直径10μm〜200μmμm程度のマイクロカプセルの中に透明な液体と
、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とによって表示を行う。マイクロカ
プセルを挟持する電極により電場を与えると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移
動する。白い微粒子は黒い微粒子に比べ外光の反射率が高く、外光の反射量を可変するこ
とで、白または黒を表示することができる。なおこの原理を応用した電気泳動素子を具備
する表示装置は、電子ペーパーともよばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に
比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所
でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっ
ても、一度表示した像を保持することが可能であるため、電波発信源から表示機能付き半
導体装置(単に表示装置、又は表示装置を具備する半導体装置ともいう)を遠ざけた場合
であっても、表示された像を保存しておくことが可能となる。
【0214】
基板580上に形成される薄膜トランジスタ581は実施の形態1乃至6のいずれか一に
示す工程により作製される薄膜トランジスタであり、第1の電極層587Aは、層間絶縁
層585Aに形成された開口を介してソース電極層又はドレイン電極層と電気的に接続し
ている。薄膜トランジスタ581を覆う層間絶縁層585A上には第2のゲート電極に接
続される引き回し配線582が形成される。そして、引き回し配線582及び第1の電極
層587Aを覆う層間絶縁層585Bが形成されている。第2の電極層587Bは、層間
絶縁層585Bに形成された開口を介して第1の電極層587Aと電気的に接続している

【0215】
第2の電極層587Bと第3の電極層588との間には黒色微粒子590A及び白色微粒
子590Bを有する球形粒子589が設けられており、球形粒子589の周囲は樹脂等の
充填材595で充填されている(図19(A)参照。)。本実施の形態においては、第2
の電極層587Bが画素電極に相当し、基板596に設けられる第3の電極層588が共
通電極に相当する。第3の電極層588は、薄膜トランジスタ581と同一基板上に設け
られる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部において、一対の基板間に配置され
る導電性粒子を介して第3の電極層588と共通電位線とを電気的に接続することができ
る。
【0216】
また、マイクロカプセル方式の電気泳動方式表示素子の代わりに、ツイストボール表示方
式を用いることも可能である。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球
形粒子を表示素子に用いる電極層である第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第
1の電極層及び第2の電極層に電位差を生じさせて球形粒子の向きを制御することにより
、表示を行う方法である。
【0217】
実施の形態1乃至6のいずれか一に示す工程により作製される薄膜トランジスタをスイッ
チング素子に用いることで、半導体装置として製造コストが低減された電子ペーパーを作
製することができる。電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子
機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック
)、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける
表示等に適用することができる。電子機器の一例を図19(B)に示す。
【0218】
図19(B)は、電子書籍2700の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、
筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐
体2703は、綴じ部2711により一体とされており、該綴じ部2711を軸として開
閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが
可能となる。
【0219】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み
込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成として
もよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とするこ
とで、例えば右側の表示部(図19(B)では表示部2705)に文章を表示し、左側の
表示部(図19(B)では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0220】
また、図19(B)では、筐体2703に操作部などを備えた例を示している。例えば、
筐体2703において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備え
ている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面
にキーボードやポインティングディバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の
裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよび
USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備え
る構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構
成としてもよい。
【0221】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、
電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすること
も可能である。
【0222】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0223】
(実施の形態11)
実施の形態1乃至6のいずれか一に示す工程により作製される薄膜トランジスタを含む半
導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。
【0224】
図20(A)は携帯型遊技機であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、記録媒体読込部9672、等を有することがで
きる。図20(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデ
ータを読み出して表示部に表示する機能、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共
有する機能、等を有することができる。なお、図20(A)に示す携帯型遊技機が有する
機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0225】
図20(B)はデジタルカメラであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ963
3、操作キー9635、接続端子9636、シャッターボタン9676、受像部9677
、等を有することができる。図20(B)に示すテレビ受像機能付きデジタルカメラは、
静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する
機能、アンテナから様々な情報を取得する機能、撮影した画像、又はアンテナから取得し
た情報を保存する機能、撮影した画像、又はアンテナから取得した情報を表示部に表示す
る機能、等を有することができる。なお、図20(B)に示すテレビ受像機能付きデジタ
ルカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0226】
図20(C)はテレビ受像器であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、等を有することができる。図20(C)に示す
テレビ受像機は、テレビ用電波を処理して画像信号に変換する機能、画像信号を処理して
表示に適した信号に変換する機能、画像信号のフレーム周波数を変換する機能、等を有す
ることができる。なお、図20(C)に示すテレビ受像機が有する機能はこれに限定され
ず、様々な機能を有することができる。
【0227】
図21(A)はコンピュータであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、ポインティングデバイス9681、外部接続ポ
ート9680等を有することができる。図21(A)に示すコンピュータは、様々な情報
(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、様々なソフトウェア(プ
ログラム)によって処理を制御する機能、無線通信又は有線通信などの通信機能、通信機
能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、通信機能を用いて様々なデ
ータの送信又は受信を行う機能、等を有することができる。なお、図21(A)に示すコ
ンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0228】
次に、図21(B)は携帯電話であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ963
3、操作キー9635、マイクロフォン9638、外部接続ポート9680等を有するこ
とができる。図21(B)に示した携帯電話は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画
像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示
部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって
処理を制御する機能、等を有することができる。なお、図21(B)に示した携帯電話が
有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0229】
本実施の形態において述べた電子機器は、情報を表示するための表示部の薄膜トランジス
タを、上記実施の形態で説明した半導体装置の作製方法で形成することができるものであ
る。すなわち、酸化物半導体を用いたチャネル形成領域の上下にゲート電極を配する半導
体装置の作製方法においてプロセス数の増加を招くことなく、且つしきい値電圧の制御を
行える構成とすることができる。従って、低コストで電気特性の高い半導体装置を作製す
ることができる。
【0230】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【実施例1】
【0231】
本実施例では、上記実施の形態に示す半導体装置の作製方法で作製される薄膜トランジス
タにおいて、第2のゲート電極によるしきい値電圧の制御の効果を確認するためのシミュ
レーションした結果を示す。なおシミュレーションには、Silvaco社製デバイスシ
ミュレータ”ATLAS”を用いて行った。
【0232】
まず、シミュレーションを行ったデバイス構造を図22に示す。図22に示すデバイス構
造は、上記実施の形態で説明した構造(ボトムゲート・ボトムコンタクト型)のトランジ
スタをモデル化しており、第1のゲート電極2201、第1の絶縁膜2202、ソース電
極2203A、ドレイン電極2203B、酸化物半導体膜2204、第2の絶縁膜220
5、第2のゲート電極2206である。
【0233】
図22では、第1のゲート電極2201の電位を−20V乃至20V、ソース電極220
3Aの電位を0V、ドレイン電極2203Bの電位を10V、第2のゲート電極2206
の電位を−5V乃至5Vとし、酸化物半導体膜2204の膜厚を50nm、チャネル長L
を5μm、チャネル幅Wを50μmとし、第1の絶縁膜2202の膜厚を0.2μm、比
誘電率εを4.1(酸化窒化珪素膜(SiON)を想定)とし、第2の絶縁膜2205の
膜厚を0.1μm乃至1500nm、比誘電率εを3.1(ポリイミド(PI)を想定)
または4.1としてシミュレーションを行った。なお、酸化物半導体膜のパラメータとし
ては、バンドギャップを3.05eVとし、電子移動度を15cm/Vsとし、正孔移
動度を0.1cm/Vsとし、電子親和力を4.3eVとし、比誘電率を10としてシ
ミュレーションを行った。
【0234】
図22に示すMOS構造は容量素子の直列接続に近似的にモデル化できる。このとき成り
立つ式を式(1)に示す。式(1)において、Cは第1のゲート電極2201と酸化物
半導体膜2204との間の静電容量、Cbは第2のゲート電極2206と酸化物半導体膜
2204との間の静電容量、Vは酸化物半導体膜2204の電位、Vは第1のゲート
電極2201の電位、Vは第2のゲート電極2206の電位、に相当する。式(1)は
、第1のゲート電極2201と酸化物半導体膜2204との間に蓄積される電荷と、第2
のゲート電極2206と酸化物半導体膜2204との間に蓄積される電荷の和が一定であ
ることを示している。
【0235】
【数1】

【0236】
ここで図22に示すMOS構造のしきい値電圧をVth、酸化物半導体膜2204の電位
をVs0とすると、式(1)は第1のゲート電極2201とソース電極2203Aとの電
位差が、しきい値電圧に等しいときにも成り立つ。このとき式(2)が成り立つ。
【0237】
【数2】

【0238】
このとき、第2のゲート電極2206の電位Vを変化させたときのしきい値電圧Vth
の変化量を考える。Vs0はソース電極2203Aの電位との関係によって決まるもので
あり、第2のゲート電極2206の電位Vによらず一定でなければならないので、式(
2)をVで微分すると式(3)が成り立つ。
【0239】
【数3】

【0240】
式(3)を整理すると、第2のゲート電極2206の電位の変化量に対するしきい値電圧
の変化量を表す式(4)が得られる。なお式(4)において、εは第1の絶縁膜220
2の比誘電率であり、εは第2の絶縁膜2205の比誘電率であり、tは第1の絶縁
膜2202の膜厚であり、tは第2の絶縁膜2205の膜厚を表す。
【0241】
【数4】

【0242】
図23に、第2のゲート電極2206の電位の変化量ΔVによるしきい値の変化量ΔV
thと、バックゲート側絶縁膜の膜厚との関係について、図22に示したデバイスシミュ
レーションの結果、及び式(4)に変数を入力することで得られる曲線を重ねて示す。図
23に示すグラフが、横軸は第2の絶縁膜2205の膜厚、縦軸が−ΔVth/ΔV
表している。また図23中、三角印が第2の絶縁膜2205として比誘電率εを3.1と
した際のデバイスシミュレーションの結果、曲線2301が第2の絶縁膜2205として
比誘電率εを3.1とし式(4)に変数を入力することで得られる結果、丸印が第2の絶
縁膜2205として比誘電率εを4.1とした際のデバイスシミュレーションの結果、曲
線2302が第2の絶縁膜2205として比誘電率εを4.1とし式(4)に変数を入力
することで得られる結果、である。
【0243】
図23中に示すいずれの結果についても、第2の絶縁膜2205を厚くするほど,バック
ゲートバイアスに対するVthの変動が小さくなるようすが確認された。また、図23中
に示すいずれの結果についても、第2の絶縁膜2205を0.5μm(500nm)より
厚くすると,バックゲートバイアスの影響をほとんど受けないことがわかった。そのため
、第2の絶縁膜2205の膜厚としては、第2のゲート電極の電位の変動に応じてしきい
値電圧の変化を大きくとれるように、50nm以上500nm以下とすることが好ましい
ことがわかった。
【0244】
上記実施の形態で述べた半導体装置の作製方法では、酸化物半導体膜上に、酸化物半導体
層のパターニング前に、第2の絶縁膜を形成する構成である。従って、第2の絶縁膜には
、酸化物半導体膜の膜厚による段差形状をなくすことができる。その結果、第2の絶縁膜
の膜厚を薄膜化することが容易な構成を取り得る。そのため、第2のゲート電極の電位を
制御することにより、薄膜トランジスタのしきい値電圧の制御に必要な電位を小さく設定
することができる。
【符号の説明】
【0245】
100 基板
101 ゲート電極
111 ゲート絶縁膜
112 配線層
113 酸化物半導体膜
121 酸化物半導体膜
122 絶縁膜
123 導電層
124 チャネル保護膜
131 酸化物半導体膜
132 ゲート絶縁膜
133 ゲート電極
134 レジストマスク
135 バッファ層
136 チャネル保護膜
141 薄膜トランジスタ
142 樹脂層
143 引き回し配線
144 画素電極
580 基板
581 薄膜トランジスタ
582 引き回し配線
588 電極層
589 球形粒子
595 充填材
596 基板
800 基板
801 画素部
802 走査線駆動回路
803 信号線駆動回路
804 薄膜トランジスタ
820 基板
822 信号線入力端子
823 走査線
824 信号線
827 画素部
828 画素
829 画素TFT
830 保持容量部
831 画素電極
832 容量線
833 コモン端子
835 保護回路
1101 導電層
1102 酸化物半導体膜
1103 導電層
1104 導電層
1105 導電層
1106 開口部
2201 ゲート電極
2202 絶縁膜
2203A ソース電極
2203B ドレイン電極
2204 酸化物半導体膜
2205 絶縁膜
2206 ゲート電極
2301 曲線
2302 曲線
2600 素子基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 素子層
2604 液晶層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2611 反射板
2612 回路基板
2613 光学シート
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 綴じ部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
2912 LED制御回路
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 ゲート絶縁膜
4021 層間絶縁層
4028 引き回し配線
4029 引き回し配線
4030 画素電極層
4031 共通電極層
4032 偏光板
4034 遮光層
4035 スペーサ
4500 基板
4502 画素部
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4508 層間絶縁層
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極層
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4521 導電層
4522 導電層
585A 層間絶縁層
585B 層間絶縁層
587A 電極層
587B 電極層
590A 黒色微粒子
590B 白色微粒子
6400 画素
6401 スイッチング用トランジスタ
6402 駆動用トランジスタ
6403 容量素子
6404 発光素子
6405 信号線
6407 電源線
6408 共通電極
7001 薄膜トランジスタ
7002 発光素子
7003 陰極
7004 発光層
7005 陽極
7006 隔壁
7009 引き回し配線
7010 導電膜
7011 薄膜トランジスタ
7012 発光素子
7013 陰極
7014 発光層
7015 陽極
7016 遮蔽膜
7017 層間絶縁層
7019 引き回し配線
7021 薄膜トランジスタ
7022 発光素子
7023 陰極
7024 発光層
7025 陽極
7028 導電膜
7029 引き回し配線
823A 走査線
823B 制御線
9630 筐体
9631 表示部
9633 スピーカ
9635 操作キー
9636 接続端子
9638 マイクロフォン
9672 記録媒体読込部
9676 シャッターボタン
9677 受像部
9680 外部接続ポート
9681 ポインティングデバイス
2910B 発光ダイオード
2910G 発光ダイオード
2910R 発光ダイオード
4003a 信号線駆動回路
4003b 信号線駆動回路
4503a 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4518a FPC
6406A 走査線
6406B 制御線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁表面上に第1の導電層を形成し、
第1のパターニングにより第1のゲート電極を形成し、
前記第1のゲート電極上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜上に第2の導電層を形成し、
第2のパターニングにより配線層を形成し、
前記第1の絶縁膜上及び前記配線層上に、酸化物半導体膜と、チャネル保護膜と、第2の絶縁膜と、第3の導電層を形成し、
第3のパターニングにより、島状の酸化物半導体膜、前記島状の酸化物半導体膜上の島状のチャネル保護膜、前記島状のチャネル保護膜上の島状の第2の絶縁膜、及び前記島状の第2の絶縁膜上の第2のゲート電極を形成し、
前記第1の絶縁膜、前記配線層、前記島状の酸化物半導体膜、前記島状のチャネル保護膜、前記島状の第2の絶縁膜、及び前記第2のゲート電極を覆う層間絶縁層を形成し、
第4のパターニングにより前記第2のゲート電極及び前記配線層に達する開口を形成し、
前記層間絶縁層上に導電性材料を形成し、
第5のパターニングにより、前記第2のゲート電極に接続される引き回し配線、及び前記配線層に接続される画素電極を形成し、
前記チャネル保護膜は、アモルファスシリコンであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記酸化物半導体膜は、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−38427(P2013−38427A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182998(P2012−182998)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2010−96566(P2010−96566)の分割
【原出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【特許番号】特許第5106703号(P5106703)
【特許公報発行日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】