説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【課題】配線に対する接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を精度よく測定することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本半導体装置の製造方法では、第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線10dを形成する。第1の絶縁膜上及び複数の第1のTEG用配線10d上に、第2の絶縁膜11を形成する。第2の絶縁膜11に、複数の第1のTEG用配線10dの端部それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数の端部に対する相対位置が同一方向にずれている複数のTEG用接続孔11bを形成する。第2の絶縁膜11上に、複数のTEG用接続孔11bそれぞれに接続する複数の第2のTEG用配線13bを形成する。いずれの第1のTEG用配線10dと第2のTEG用配線13bが相互に導通しているか検査することにより、第1のTEG用配線10dとTEG用接続孔11bの位置ずれが検査される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。特に本発明は、配線に対する接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を精度よく測定することができる半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図16(A)は、従来の半導体装置の一例を説明する為の断面図である。本図において、第1の層間絶縁膜101上には第1のAl合金配線102が形成されている。第1の層間絶縁膜101及び第1のAl合金配線102上には、第2の層間絶縁膜103が形成されている。第2の層間絶縁膜103には、第1のAl合金配線102上に位置する接続孔103aが形成されている。接続孔103a内にはタングステンプラグ104が埋め込まれている。第2の層間絶縁膜103上には第2のAl合金配線105が形成されている。第2のAl合金配線105は、タングステンプラグ104を介して第1のAl合金配線102に接続している。
【0003】
接続孔103aは、以下のようにして形成されている。まず、第2の層間絶縁膜103上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、フォトレジスト膜を露光及び現像することにより、第2の層間絶縁膜103上に位置するレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして第2の層間絶縁膜103をエッチングする。これにより、接続孔103aが形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0004】
図16(B)に示すように、接続孔103aの位置がずれ、第2のAl合金配線105とタングステンプラグ104の位置がずれる場合がある。この場合、第2のAl合金配線105と第1のAl合金配線102が相互に導通しなくなる。
【0005】
このため、接続孔の位置ずれを検出する必要がある。従来は、人が光学顕微鏡を用いて検査する方法、画像処理装置を用いて検査する方法などが用いられている。しかし、これらの方法では、検査に膨大な時間を要する。
【0006】
このため、検出時間が短い方法の開発が行われている。例えば特許文献1には、配線に対する接続孔の位置ずれ量と、回路の電気的特性との関係を予め記憶しておき、実際に製造された回路の電気的特性を測定することにより、配線に対する接続孔の位置ずれ量を検出する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−176782号公報(第16段落乃至第25段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、接続孔の位置ずれ以外の要因(例えば配線の高さのばらつき、及び層間絶縁膜の厚さのばらつき)で回路の電気的特性が変動する場合がある。このため、上記した方法では、接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を精度よく測定することは困難であった。
【0008】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、配線に対する接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を簡単且つ精度よく測定することができる半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の絶縁膜上に、互いに略平行な複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数の端部に対する相対位置が、前記第1のTEG用配線の延伸方向に互いに異なる複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記複数のTEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第1のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれを検査する工程とを具備する。
【0010】
この半導体装置の製造方法によれば、前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線を具備するTEGが、複数形成される。これらTEG相互間では、前記第1のTEG用配線の端部と前記TEG用接続孔の相対位置が、前記第1のTEG用配線の延伸方向に互いに異なる。このため、前記第1のTEG用配線及び前記TEG用接続孔の少なくとも一方の位置が設計からずれると、このずれ量及びずれ方向によって、いずれのTEGにおいて前記第1のTEG用配線上に前記TEG用接続孔が位置しているかが変わる。
【0011】
従って、いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第1のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を簡単に検査することができる。また、この検査では、第1のTEG用配線の高さのばらつき、及び第2の層間絶縁膜の厚さのばらつき等、位置ずれ以外の要因の影響が抑制される。従って、精度よく位置ずれ量及び位置ずれ方向を検査することができる。
【0012】
前記複数の第1のTEG用配線の端部を同一直線状に略並ばせ、かつ、前記複数のTEG用接続孔の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせてもよい。また、前記複数のTEG用接続孔を同一直線上に略並ばせ、かつ前記複数の第1のTEG用配線の端部の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせてもよい。
【0013】
前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線から形成されるTEGには、第1グループに属するものと、第2グループに属するものそれぞれがあり、前記第1グループに属する前記TEGは、前記第1のTEG用配線が第1の方向に沿って延伸しており、前記第2グループに属する前記TEGは、前記第1のTEG用配線が第2の方向に沿って延伸していてもよい。
このようにすると、前記第1グループに属するTEGを検査することにより、第1の方向における位置ずれ量及び位置ずれ方向を検査することができる。また、前記第2グループに属するTEGを検査することにより、第2の方向における位置ずれ量及び位置ずれ方向を検査することができる。
【0014】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線それぞれに接続する複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、互いに略平行な複数の第2のTEG用配線を形成する工程であって、前記複数のTEG用配線それぞれの端部を、前記複数のTEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置させ、かつ前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する相対位置が、前記第2のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異ならせる工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第2のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれを検査する工程とを具備する。
【0015】
この半導体装置の製造方法によれば、前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線を具備するTEGが、複数形成される。これらTEG相互間では、前記第2のTEG用配線の端部と前記TEG用接続孔の相対位置が、前記第2のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異なっている。このため、前記第2のTEG用配線及び前記TEG用接続孔の少なくとも一方の位置が設計からずれると、このずれ量及びずれ方向によって、いずれのTEGにおいて、前記TEG用接続孔上に前記第2のTEG用配線が位置しているかが変わる。
従って、いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第2のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれ量及び位置ずれ方向を簡単に検査することができる。また、精度よく位置ずれ量及び位置ずれ方向を検査することができる。
【0016】
前記複数の第2のTEG用配線の端部を同一直線状に略並ばせ、かつ、前記複数のTEG用接続孔の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせてもよい。また、前記複数のTEG用接続孔を同一直線上に略並ばせ、かつ前記複数の第2のTEG用配線の端部の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせてもよい。
【0017】
前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線から形成されるTEGには、第1グループに属するものと、第2グループに属するものそれぞれがあり、前記第1グループに属する前記TEGは、前記第2のTEG用配線が第1の方向に沿って延伸しており、前記第2グループに属する前記TEGは、前記第2のTEG用配線が第2の方向に沿って延伸していてもよい。
【0018】
前記複数の第1のTEG用配線、及び前記複数の第2のTEG用配線それぞれは、金属配線であってもよい。また、前記複数の第1のTEG用配線はポリシリコン配線であり、前記複数の第2のTEG用配線は金属配線であってもよい。
【0019】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数の端部に対する相対位置が第1の方向に沿って互いに異なっている複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記複数のTEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第1のTEG用配線と前記TEG用接続孔との、前記第1の方向における位置ずれを検査する工程とを具備する。
【0020】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線それぞれに接続する複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、端部が前記TEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する前記端部の相対位置が第1の方向に沿って互いに異なっている複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第2のTEG用配線と前記TEG用接続孔との、前記第1の方向における位置ずれを検査する工程とを具備する。
【0021】
本発明に係る半導体装置は、第1の絶縁膜上に形成され、互いに略平行である複数の第1のTEG用配線と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜に形成され、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置する複数のTEG用接続孔と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、前記TEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線と、
を具備し、
前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれに対する前記複数のTEG用接続孔それぞれの相対位置は、前記第1のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異なっている。
【0022】
本発明に係る他の半導体装置は、第1の絶縁膜上に形成された複数の第1のTEG用配線と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜に形成され、前記複数の第1のTEG用配線それぞれ上に位置する複数のTEG用接続孔と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、端部が前記複数のTEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置する複数の第2のTEG用配線と、
を具備し、
前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する前記複数の第2のTEG用配線それぞれの端部の相対位置は、前記第2のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異なっている。
【0023】
上記した半導体装置において、前記複数の第1のTEG用配線、前記複数のTEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線それぞれは、複数のチップ領域を相互に分離するスクライブラインに位置しているのが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の図である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図である。本実施形態は、複数のチップ領域を相互に分離するスクライブラインに、第1層目のAl合金配線と第2層目のAl合金配線とを接続する接続孔の、第1層目のAl合金配線に対する位置ずれを検出するTEGを形成する方法である。
【0025】
まず、図1の各図に示すように、チップ領域1a及びスクライブライン1bそれぞれに、第1の層間絶縁膜8をCVD法により形成する。次いで、第1の層間絶縁膜8上にAl合金膜をスパッタリングにより形成する。次いで、Al合金膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜に、レチクルの像を投影し、その後現像する。これにより、Al合金膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてAl合金膜をエッチングする。これにより、第1の層間絶縁膜8上には、チップ領域1aに位置する複数の第1のAl合金配線10a、及びスクライブライン1bに位置する複数の第1のTEG用Al合金配線10dが形成される。第1のTEG用Al合金配線10dは、互いに略平行であり、かつその端の位置は、第1のTEG用Al合金配線10dと直交する同一の直線上に並んでいる。
【0026】
次いで、第1の層間絶縁膜8、第1のAl合金配線10a、及び第1のTEG用Al合金配線10d上を含む全面上に、第2の層間絶縁膜11を、CVD法を用いて形成する。次いで、第2の層間絶縁膜11上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜に、レチクルの像を投影し、その後現像する。これにより、第2の層間絶縁膜11上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第2の層間絶縁膜11をエッチングする。これにより、第2の層間絶縁膜11には、接続孔11a,11b,11cがそれぞれ複数形成される。
【0027】
接続孔11aは、チップ領域1aに形成された第1のAl合金配線10a上それぞれに位置しており、接続孔11cそれぞれは、スクライブライン1bに形成された第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれ上に位置している。
【0028】
一方、接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれ上又はその近傍に位置している。接続孔11bの位置は、第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれ毎に、第1のTEG用Al合金配線10dの延伸方向に沿って、少しずつ異なっている。例えば図1(A)の図中最も左側に位置する第1のTEG用Al合金配線10dに対応する接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10d上に位置しているが、第1のTEG用Al合金配線10dの端の近傍に配置しない。図中真中に位置する第1のTEG用Al合金配線10dに対応する接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10dの端部上に位置している。図中最も右側に位置する第1のTEG用Al合金配線10dに対応する接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10dの端部から少し外れている。
【0029】
次いで、図2の各図に示すように、接続孔それぞれの中、及び第2の層間絶縁膜11上に、タングステン膜をCVD法により形成する。次いで、第2の層間絶縁膜11上に位置するタングステン膜を、CMP法又はエッチバックにより除去する。これにより、接続孔11a,11b,11cそれぞれの中にはタングステンプラグ12a,12b,12cが埋め込まれる。
【0030】
次いで、第2の層間絶縁膜11上及びタングステンプラグそれぞれ上に、Al合金膜をスパッタリング法により形成する。次いで、Al合金膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜に、レチクルの像を投影し、その後現像する。これにより、Al合金膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてAl合金膜をエッチングする。これにより、第2の層間絶縁膜11上には、チップ領域1aに位置する第2のAl合金配線13a、並びにスクライブライン1bに位置する第2のTEG用Al合金配線13b及び第3のTEG用Al合金配線13cが、それぞれ複数形成される。
【0031】
このようにして、スクライブライン1bには、第1のTEG用Al合金配線10d、接続孔11b,11c、タングステンプラグ12b,12c、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを有するTEGが、複数形成される。複数のTEG相互間では、第1のTEG用Al合金配線10dに対する接続孔11b及びタングステンプラグ12bの相対位置は、第1のTEG用Al合金配線10dの延伸方向に沿って少しずつ異なっている。
【0032】
それぞれの部材が設計どおりの位置に形成された場合、第2のAl合金配線13aそれぞれは、タングステンプラグ12aを介して第1のAl合金配線10aに接続している。一部のTEG(本図では最も左側及び中央に位置するTEG)では、第2のTEG用Al合金配線13bは、タングステンプラグ12bを介して第1のTEG用Al合金配線10dに接続している。残りのTEG(本図では最も右側に位置するTEG)では、第2のTEG用Al合金配線13bは、タングステンプラグ12bが第1のTEG用Al合金配線10d上から外れている(例えば図中下側方向)ため、第1のTEG用AL合金配線10dに接続していない。なお、すべてのTEGにおいて、第3のTEG用Al合金配線13cは、タングステンプラグ12cを介して第1のTEG用Al合金配線10dに接続している。
【0033】
図3の各図は、第1のAl合金配線10a及び第1のTEG用Al合金配線10dに対する、接続孔11a,11b,11c及びタングステンプラグ12a,12b,12cの相対位置がずれた場合を説明する為の平面図である。
【0034】
図3(A)は、各接続孔が各Al合金配線に対して図中下側にずれた場合を説明する為の平面図である。この場合、チップ領域1aに位置する接続孔11a及びタングステンプラグ12aが第1のAl合金配線10a上から外れるため、第1のAl合金配線10a及び第2のAl合金配線13aとが接続していないことが検出される。しかし、接続孔11a及びタングステンプラグ12aの位置ずれ方向及び位置ずれ量は検出できない。
【0035】
一方、スクライブライン1bでは、図2(A)の状態とは異なり、図中中央に位置するTEGにおいて、接続孔11b及びタングステンプラグ12bが、第1のTEG用Al合金配線10dから下側に外れている。このため、図中最も右側及び中央に位置する2つのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが第3のTEG用Al合金配線13cに接続していないことが検出される。従って、接続孔及びタングステンプラグの位置が、図中下側にずれていることを検出できる。
【0036】
また、図中下側への位置ずれ量がさらに大きい場合、図中最も左側に位置するTEGにおいても、接続孔11b及びタングステンプラグ12aが、第1のTEG用Al合金配線10dから下側に外れる。この場合、すべてのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが、第3のTEG用Al合金配線13cに接続していないことが検出される。従って、いずれのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが、第3のTEG用Al合金配線13cに接続していないかを調べることにより、接続孔及びタングステンの、図中下側への位置ずれ量を検出することができる。
【0037】
図3(B)は、各接続孔が各Al合金配線に対して図中上側にずれた場合を説明する為の平面図である。この場合、図3(A)の場合と同様に、第1のAl合金配線10a及び第2のAl合金配線13aとが接続していないことが検出される。しかし、接続孔11a及びタングステンプラグ12aの位置ずれ方向及び位置ずれ量は検出できない。
【0038】
一方、スクライブライン1bでは、図2(A)の状態とは異なり、図中最も右側に位置するTEGにおいて、接続孔11b及びタングステンプラグ12bが、第1のTEG用Al合金配線10d上に位置する。このため、すべてのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが、第3のTEG用Al合金配線13cに接続する。従って、接続孔及びタングステンプラグの位置が、図中上側にずれていることを検出できる。
【0039】
なお、本図の例に対してTEGを追加し、追加したTEGにおいて、接続孔11b及びタングステンプラグ12bの位置を、図中最も右側に位置するTEGにおける接続孔11b及びタングステンプラグ12bの位置より、下方に位置させてもよい。
【0040】
この場合、図中上側への位置ずれ量が図3(B)に示した例より大きい場合、追加したTEGにおいて、接続孔11b及びタングステンプラグ12aが、第2のTEG用Al合金配線10d上に位置し、第2のTEG用Al合金配線13bが第3のTEG用Al合金配線13cと接続する。このため、いずれのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが、第3のTEG用Al合金配線13cに接続しているかを調べることにより、接続孔及びタングステンの、図中上側への位置ずれ量を検出することができる。
【0041】
このように、第1の実施形態によれば、第1のTEG用Al合金配線10dに対する接続孔11bの位置は、TEGそれぞれ毎に、第1のTEG用Al合金配線10dの延伸方向に沿って少しずつ異なっている。このため、いずれのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bが第3のTEG用Al合金配線13cに導通しているかを検出することにより、第1のAl合金配線10aに対する接続孔11a及びタングステンプラグ12bの上下方向の位置ずれ方向及び位置ずれ量を容易に検出することができる。位置ずれ量を細かく検査したい場合は、TEGの数を増やし、かつ第1のTEG用Al合金配線10dに対する接続孔11bの位置を、TEG毎に細かく異ならせればよい。
【0042】
また、検出結果には、位置ずれ以外の要因(例えば第2の層間絶縁膜11の厚さ等)は影響しない。従って、検出結果の精度は高い。
【0043】
図4は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面図である。本実施形態に係る半導体装置は、スクライブライン1bに形成されるTEGの数及び配置を除いて、第1の実施形態によって製造される半導体装置と同一である。また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1の実施形態と同一である。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0044】
本実施形態において、第1のTEG用Al合金配線10d、接続孔11b,11c、タングステンプラグ12b,12c、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを有するTEGは、2つのグループに分類される。第1のグループに属するTEG(図中上側に位置するTEG)は、第1の実施形態で示したTEGと同一の構造及びレイアウトを有しており、第1のTEG用Al合金配線10dが、図中上下方向に延伸している。第2のグループに属するTEG(図中下側に位置するTEG)は、第1の実施形態で示したTEGと同一の構造であるが、平面内で90°回転させたレイアウトを有しており、第1のTEG用Al合金配線10dが、図中左右方向に延伸している。
【0045】
第1のグループに属するTEGは、接続孔11a及びタングステンプラグ12aの図中上下方向の位置ずれ方向及び位置ずれ量を検出するためのTEGであり、第2のグループに属するTEGは、接続孔11a及びタングステンプラグ12aの図中左右方向の位置ずれ方向及び位置ずれ量を検出するためのTEGである。
【0046】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。また、第1のAl合金配線10aに対する接続孔11a及びタングステンプラグ12aの、図中左右方向の位置ずれ方向及び位置ずれ量も検出することができる。
【0047】
図5及び図6は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の図である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図である。本実施形態は、スクライブライン1bに形成されるTEGの構造を除いて、第1の実施形態と同一である。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
まず、図5の各図に示すように、第1の層間絶縁膜8、複数の第1のAl合金配線10a、及び複数の第1のTEG用Al合金配線10dを形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同一である。ただし、第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれの端部の位置は、TEGそれぞれ毎に、第1のTEG用Al合金配線10dの延伸方向に沿って少しずつ異なっている。本図に示す例では、第1のTEG用Al合金配線10dの端部の位置は、図中左から右に行くにつれて、上側にずれている。
【0049】
次いで、第2の層間絶縁膜11を形成し、さらに接続孔11a,11b,11cをそれぞれ複数形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。ただし、接続孔11bそれぞれは、第1のTEG用Al合金配線10dに直交する同一の直線上に並んでいる。ここで、図中真中に位置するTEGにおいて、接続孔11bを、第1のTEG用Al合金配線10dの端部上に位置させる。このようにすると、図中最も右側に位置するTEGにおいて、接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10dの端部から少し外れる。また、図中最も左側に位置するTEGにおいて、接続孔11bは、第1のTEG用Al合金配線10d上に位置しているが、端部の近傍から外れている。
【0050】
次いで、図6の各図に示すように、タングステンプラグ12a,12b,12c、第2のAl合金配線13a、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。
【0051】
本実施形態では、第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれの端部の位置を、TEGそれぞれ毎に、第1のTEG用Al合金配線10dの延伸方向に沿って少しずつ異ならせることにより、第1のTEG用Al合金配線10dと、接続孔11b及びタングステンプラグ12bとの相対位置を、TEGそれぞれ毎に異ならせている。このようにしても、第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0052】
図7及び図8は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の図である。本実施形態は、第1層目のAl合金配線と第2層目のAl合金配線とを接続する接続孔の、第2層目のAl合金配線に対する位置ずれを検出するTEGを、スクライブラインに形成する方法である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図である。以下、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0053】
まず、図7の各図に示すように、第1の層間絶縁膜8、複数の第1のAl合金配線10a、及び複数の第1のTEG用Al合金配線10dを形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同一である。第1のTEG用Al合金配線10dそれぞれは、端部が後述する接続孔の近傍に位置しないように、十分長く形成されている。
【0054】
次いで、第2の層間絶縁膜11を形成し、さらに接続孔11a,11b,11cをそれぞれ複数形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。ただし、接続孔11bそれぞれは、第1のTEG用Al合金配線10dと直交する同一の直線上に並んでいる。
【0055】
次いで、図8の各図に示すように、タングステンプラグ12a,12b,12cを形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。次いで、第2のAl合金配線13a、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。ただし、第2のTEG用Al合金配線13bの端部の位置を、TEGごとに第2のTEG用Al合金配線13bの延伸方向に沿って少しずつ異ならせている。
【0056】
本図の例では、図中真中に位置するTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bの端部が接続孔11b及びタングステンプラグ12b上に位置している。図中最も右側に位置するTEGでは、第2のTEG用Al合金配線13bの端部が、接続孔11b上及びタングステンプラグ12b上から少し外れる。図中最も左側に位置するTEGでは、第2のTEG用Al合金配線13bは、接続孔11b上及びタングステンプラグ12b上を通り、かつ端部から接続孔11b上及びタングステンプラグ12bまでの距離に余裕があるように配置されている。
【0057】
本実施形態では、第2のTEG用Al合金配線13bに対する、接続孔11b及びタングステンプラグ12bの相対位置を、第2のTEG用Al合金配線13bの延伸方向に沿って少しずつ異ならせている。このため、第1の実施形態と同様の作用により、いずれのTEGにおいて、第2のTEG用Al合金配線13bと第3のTEG用Al合金配線13cが第1のTEG用Al合金配線10dを介して導通しているかを検出することにより、第2のAl合金配線13aに対する、接続孔11a及びタングステンプラグ12aの位置ずれの方向及び量を検出することができる。
【0058】
図9及び図10は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の図である。本実施形態は、TEGの構造を除いて第4の実施形態と同一である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図である。以下、第4の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
まず、図9の各図に示すように、第1の層間絶縁膜8、複数の第1のAl合金配線10a、及び複数の第1のTEG用Al合金配線10dを形成する。これらの構造及び形成方法は第4の実施形態と同一である。
【0060】
次いで、第2の層間絶縁膜11を形成し、さらに接続孔11a,11b,11cをそれぞれ複数形成する。これらの形成方法は、第4の実施形態と同一である。ただし、接続孔11bの位置は、TEGそれぞれ毎に異なっている。本図に示す例では、最も左側に位置するTEGの接続孔11bは、図中真中に位置するTEGの接続孔11bより図中下側に位置している。また、最も右側に位置するTEGの接続孔11bは、真中に位置するTEGの接続孔11bより図中上側に位置している。
【0061】
次いで、図10の各図に示すように、タングステンプラグ12a,12b,12cを形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。次いで、第2のAl合金配線13a、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。ただし、すべての第2のTEG用Al合金配線13bは、端部の位置が、第2のTEG用配線13bと直交する同一の直線上に位置している。
【0062】
本実施形態においても、第2のTEG用Al合金配線13bに対する、接続孔11b及びタングステンプラグ12bの相対位置が、TEG相互間で、第2のTEG用配線13bの延伸方向に沿って少しずつ異なっている。従って、本実施形態においても第4の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0063】
図11、図12及び図13は、第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の断面図である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図である。また、図12及び図13において、(C)は(A)のB−B断面図である。本実施形態は、トランジスタに対する接続孔の位置ずれ検出するTEGを、スクライブラインに形成する方法である。
【0064】
まず、 図11の各図に示すように、チップ領域1a及びスクライブライン1bそれぞれに位置するシリコン基板1に、素子分離膜2を形成する。これにより、チップ領域1aにおいて素子領域が他の領域から分離される。素子分離膜2は、例えばLOCOS法により形成されるが、トレンチアイソレーション法によりシリコン基板1に埋め込まれてもよい。
【0065】
次いで、シリコン基板1を熱酸化する。これにより、チップ領域1aの素子領域に位置するシリコン基板1には、ゲート酸化膜3が形成される。次いで、ゲート酸化膜3上を含む全面上にポリシリコン膜を形成する。次いで、このポリシリコン膜上にフォトレジスト膜を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜にレチクルの像を投影し、その後現像する。これにより、ポリシリコン膜上にはレジストパターンが形成される。
【0066】
次いで、このレジストパターンをマスクとしてポリシリコン膜をエッチングする。これにより、チップ領域1aのゲート酸化膜3上には、ポリシリコン配線4aが形成される。また、スクライブライン1bの素子分離膜2上には、複数のTEG用ポリシリコン配線4bが形成される。ポリシリコン配線4aはトランジスタのゲート電極を兼ねている。TEG用ポリシリコン配線4bのレイアウトは、第1の実施形態における第1のTEG用Al合金配線10dのレイアウトと同一である。
【0067】
次いで、ポリシリコン配線4a及び素子分離膜2をマスクとして、シリコン基板1に不純物イオンを注入する。これにより、素子領域に位置するシリコン基板1には、低濃度不純物領域6aが形成される。次いで、ポリシリコン配線4a上を含む全面上に、酸化シリコン膜を形成し、この酸化シリコン膜をエッチバックする。これにより、ポリシリコン配線4aの側壁はサイドウォール5で覆われる。また、TEG用ポリシリコン配線4bの側壁もサイドウォールで覆われる。
【0068】
次いで、ポリシリコン配線4a、サイドウォール5、及び素子分離膜2をマスクとして、シリコン基板1に不純物イオンを注入する。これにより、素子領域に位置するシリコン基板1には、ドレイン及びソースとなる不純物領域7aが形成される。
このようにして、シリコン基板1にはトランジスタが形成される。
【0069】
次いで、図12の各図に示すように、チップ領域1a及びスクライブライン1bを含む全面上に、第1の層間絶縁膜8をCVD法により形成する。次いで、第1の層間絶縁膜8上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜に、レチクルの像を投影し、その後現像する。これにより、第1の層間絶縁膜8上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第1の層間絶縁膜8をエッチングする。これにより、第1の層間絶縁膜8には、チップ領域1aに位置する接続孔8a、及びスクライブライン1bに位置する接続孔8b,8cが、それぞれ複数形成される。
【0070】
接続孔8aは、2つの不純物領域7aそれぞれ上に位置している。TEG用ポリシリコン配線4bに対する接続孔8b,8cそれぞれのレイアウトは、第1の実施形態における、第1のTEG用Al合金配線10dに対する接続孔11b,11cそれぞれのレイアウトと同一である。
【0071】
次いで、図13の各図に示すように、接続孔8a,8b,8cそれぞれの中にタングステンプラグ9a,9b,9cを埋め込む。これらタングステンプラグの埋め込み方法は、第1の実施形態においてタングステンプラグ12a,12b,12cを接続孔11a,11b,11cに埋め込む方法と同一である。
【0072】
次いで、第1の層間絶縁膜8上に、第1のAl合金配線10a、第1のTEG用Al合金配線10b、及び第2のTEG用Al合金配線10cをそれぞれ複数形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態において第2の層間絶縁膜11上に第2のAl合金配線13a、第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cを形成する方法と同一である。
【0073】
複数の第1のAl合金配線10aは、それぞれタングステンプラグ9aを介してトランジスタの不純物領域7aに接続する。第1のTEG用Al合金配線10b、及び第2のTEG用Al合金配線10cそれぞれのレイアウトは、第1の実施形態における第2のTEG用Al合金配線13b、及び第3のTEG用Al合金配線13cそれぞれのレイアウトと同一である。
【0074】
本実施形態においても、トランジスタに対する接続孔8aの位置ずれを検出するためのTEGが、スクライブライン1bに複数形成される。これらTEGの構成は、第1の実施形態に係るTEGと同一である。従って、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用により、トランジスタに対する接続孔8aの位置ずれの方向及び位置ずれ量を検出することができる。
【0075】
図14及び図15の各図は、第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の図である。本実施形態は、トランジスタとAl合金配線とを接続する接続孔の、Al合金配線に対する位置ずれを検出するTEGを、スクライブラインに形成する方法である。各図において、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図である。以下、第6の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
まず、図14に示すように、シリコン基板1に素子分離膜2を形成する。次いで、ゲート酸化膜3、ポリシリコン電極4a、TEG用ポリシリコン配線4b、サイドウォール5、低濃度不純物領域6a、及び不純物領域7aを形成する。これらの形成方法は、第6の実施形態と同一である。ただし、TEG用ポリシリコン配線4bの形状は、第4の実施形態における第1のTEG用Al合金配線10dの形状と同一である。
【0077】
次いで、第1の層間絶縁膜8及び接続孔8a,8b、8cを形成する。これらの形成方法は第6の実施形態と同一である。ただし、すべてのTEGにおいて、接続孔8bの位置は同一である。
【0078】
次いで、図15に示すように、接続孔8a,8b,8cそれぞれの中にタングステンプラグ9a,9b,9cを埋め込む。次いで、第1の層間絶縁膜8上に、第1のAl合金配線10a、第1のTEG用Al合金配線10b、及び第2のTEG用Al合金配線10cをそれぞれ複数形成する。これらの形成方法は第6の実施形態と同一である。ただし、第1のTEG用Al合金配線10b形状及びレイアウトは、第4の実施形態における第2のTEG用Al合金配線13bの形状及びレイアウトと同一である。
【0079】
本実施形態によれば、第1のAl合金配線10aに対する接続孔8aの位置ずれを検出するためのTEGが、スクライブライン1bに複数形成される。これらTEGの構成は、第4の実施形態に係るTEGと同一である。従って、本実施形態によれば、第4の実施形態と同様の作用により、第1のAl合金配線10aに対する接続孔8aの位置ずれの方向及び位置ずれ量を検出することができる。
【0080】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記した各実施形態において、TEGの数を更に増やしてもよい。また、第3〜第7の実施形態において、第2の実施形態と同様に、第1のグループに属するTEG及び第2のグループに属するTEGを形成してもよい。
【0081】
また、第6の実施形態において、接続孔8bの位置を互いに異ならせることにより、TEG用ポリシリコン配線4bの端部と接続孔8bの相対位置を、TEG相互間で異ならせていたが、TEG用ポリシリコン配線4bの端部の位置を互いに異ならせることにより、上記した相対位置を互いに異ならせてもよい。
また、第7の実施形態において、第1のTEG用Al合金配線10bの端部の位置を互いに異ならせることにより、第1のTEG用Al合金配線10bの端部と接続孔8bの相対位置を、TEG相互間で異ならせていたが、接続孔8bの位置を互いに異ならせることにより、上記した相対位置を異ならせてもよい。
【0082】
また、上記した各実施形態において、各接続孔にはタングステンプラグを埋め込んだが、タングステンプラグを用いずに、Al合金配線が直接接続孔の中に埋め込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】(A)は第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図2】(A)は図1の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図3】(A)は接続孔が図中上方向にずれた場合を説明する為の平面図、(B)は接続孔が図中下方向にずれた場合を説明する為の平面図。
【図4】第2の実施形態に係る半導体装置を説明する為の平面図。
【図5】(A)は第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図6】(A)は図5の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図7】(A)は第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図8】(A)は図7の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図9】(A)は第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図10】(A)は図9の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図11】(A)は第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図。
【図12】(A)は図11の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図13】(A)は図12の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図14】(A)は第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図15】(A)は図14の次の工程を説明する為の平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図。
【図16】従来の半導体装置の構成を説明する為の平面図。
【符号の説明】
【0084】
1…シリコン基板、2…素子分離膜、3…ゲート酸化膜、4a…ポリシリコン配線、4b…TEG用ポリシリコン配線、5…サイドウォール、6a…低濃度不純物領域、7a…不純物領域、8,101…第1の層間絶縁膜、8a,8b,8c,11a,11b,11c,103a…接続孔、9a,9b,9c,12a,12b,12c,104…タングステンプラグ、10a,102…第1のAl合金配線、10b…第1のTEG用Al合金配線、10c…第2のTEG用Al合金配線、11,103…第2の層間絶縁膜、13a,105…第2のAl合金配線、13b…第2のTEG用Al合金配線、13c…第3のTEG用Al合金配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁膜上に、互いに略平行な複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数の端部に対する相対位置が、前記第1のTEG用配線の延伸方向に互いに異なる複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記複数のTEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第1のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれを検査する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記複数の第1のTEG用配線は、端部が同一直線状に略並んでおり、
前記複数のTEG用接続孔の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせる請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数のTEG用接続孔は、同一直線上に略並んでおり、
前記複数の第1のTEG用配線の端部の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせる請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線から形成されるTEGには、第1グループに属するものと、第2グループに属するものそれぞれがあり、
前記第1グループに属する前記TEGは、前記第1のTEG用配線が第1の方向に沿って延伸しており、
前記第2グループに属する前記TEGは、前記第1のTEG用配線が第2の方向に沿って延伸している請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線それぞれに接続する複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、互いに略平行な複数の第2のTEG用配線を形成する工程であって、前記複数のTEG用配線それぞれの端部を、前記複数のTEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置させ、かつ前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する相対位置が、前記第2のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異ならせる工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第2のTEG用配線と前記TEG用接続孔の位置ずれを検査する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記複数の第2のTEG用配線は、端部が同一直線上に略並んでおり、
前記複数のTEG用接続孔の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせる請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記複数のTEG用接続孔は、同一直線上に略並んでおり、
前記複数の第2のTEG用配線の端部の位置を互いに異ならせることにより、前記相対位置を互いに異ならせる請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1のTEG用配線、前記TEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線から形成されるTEGには、第1グループに属するものと、第2グループに属するものそれぞれがあり、
前記第1グループに属する前記TEGは、前記第2のTEG用配線が第1の方向に沿って延伸しており、
前記第2グループに属する前記TEGは、前記第2のTEG用配線が第2の方向に沿って延伸している請求項5〜7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記複数のTEG用接続孔を形成する工程と、前記複数の第2のTEG用配線を形成する工程の間に、前記TEG用接続孔それぞれに導電体を埋め込む工程を具備する請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記複数の第1のTEG用配線、前記複数のTEG用接続孔、及び前記複数の第2のTEG用配線それぞれは、複数のチップ領域を相互に分離するスクライブライン上に形成され、
前記第1の絶縁膜は、前記複数のチップ領域上にも形成されており、
前記複数の第1のTEG用配線を形成する工程において、前記第1の絶縁膜上に、前記複数のチップ領域それぞれに位置する第1の装置用配線を形成し、
前記複数のTEG用接続孔を形成する工程において、前記第2の絶縁膜に、前記第1の装置用配線上に位置する装置用接続孔を形成し、
前記複数の第2のTEG用配線を形成する工程において、前記第2の絶縁膜上に、前記装置用接続孔を介して前記第1の装置用配線に接続する第2の装置用配線を形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記複数の第1のTEG用配線、及び前記複数の第2のTEG用配線それぞれは、金属配線である請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の第1のTEG用配線はポリシリコン配線であり、前記複数の第2のTEG用配線は金属配線である請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数の端部に対する相対位置が第1の方向に沿って互いに異なっている複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記複数のTEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第1のTEG用配線と前記TEG用接続孔との、前記第1の方向における位置ずれを検査する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項14】
第1の絶縁膜上に、複数の第1のTEG用配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に、前記複数の第1のTEG用配線それぞれに接続する複数のTEG用接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、端部が前記TEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置し、前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する前記端部の相対位置が第1の方向に沿って互いに異なっている複数の第2のTEG用配線を形成する工程と、
いずれの前記第1のTEG用配線と前記第2のTEG用配線が相互に導通しているか検査することにより、前記第2のTEG用配線と前記TEG用接続孔との、前記第1の方向における位置ずれを検査する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項15】
第1の絶縁膜上に形成され、互いに略平行である複数の第1のTEG用配線と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜に形成され、前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれ上又はその近傍に位置する複数のTEG用接続孔と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、前記TEG用接続孔それぞれに接続する複数の第2のTEG用配線と、
を具備し、
前記複数の第1のTEG用配線の端部それぞれに対する前記複数のTEG用接続孔それぞれの相対位置は、前記第1のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異なっている半導体装置。
【請求項16】
第1の絶縁膜上に形成された複数の第1のTEG用配線と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1のTEG用配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜に形成され、前記複数の第1のTEG用配線それぞれ上に位置する複数のTEG用接続孔と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、端部が前記複数のTEG用接続孔それぞれ上又はその近傍に位置する複数の第2のTEG用配線と、
を具備し、
前記複数のTEG用接続孔それぞれに対する前記複数の第2のTEG用配線それぞれの端部の相対位置は、前記第2のTEG用配線の延伸方向に沿って互いに異なっている半導体装置。
【請求項17】
前記複数の第1のTEG用配線、前記複数のTEG用接続孔、及び前記第2のTEG用配線それぞれは、複数のチップ領域を相互に分離するスクライブラインに位置している請求項15又は16に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−295034(P2006−295034A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116757(P2005−116757)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】