半導体装置
【課題】 オープン不良の発生を抑制して高い信頼性を実現することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】 ヒューズ配線1において、ヒューズ開口部3の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続するビアホール2までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を設けた。
【解決手段】 ヒューズ配線1において、ヒューズ開口部3の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続するビアホール2までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LT(Laser Trimming)法によるメモリ救済を実施する半導体装置に係り、特にヒューズ部の腐食によるオープン不良を抑制し信頼性を高めた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冗長用ヒューズの腐食耐性を高めた従来の半導体装置としては、例えば特許文献1に開示されるものがある。特許文献1は、耐湿性を考慮して冗長用ヒューズの材料にタングステン(W)を用いた半導体装置を開示しており、切断部位から電圧印加側の端部までのヒューズ長を長くするために蛇行状構造等を設けている。これにより、ヒューズ切断の有無を確認するためのバイアス電圧を印加したことでヒューズの切断箇所から腐食が進行し、最終的に短絡するという不具合を解消している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−24337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に代表される従来の半導体装置では、特にWのヒューズ部の切断部において発生した酸化が進行して銅(Cu)を含有する配線をも酸化され、これにより切断部に析出したCuによって短絡が発生するのを遅延させることを目的としている。このため、後述する未切断のヒューズ部におけるオープン不良に対応することができない。
【0005】
ここで、未切断のヒューズ部におけるオープン不良について詳細に説明する。
図17は、従来の半導体装置のヒューズ部に沿った断面を示す図であり、ヒューズ端部がビアホールを介してヒューズ配線層より下層の配線に接続するスタック構造を示している。また、図18は、図17と同様に、従来の他の構成の半導体装置におけるヒューズ部に沿った断面を示す図であり、ヒューズ端部がビアホールを介してヒューズ配線層より上層のパッド層の配線112に接続し、さらに配線112を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続した構造を示している。
【0006】
図17、18において、ヒューズ配線100は、その上層にヒューズ配線上絶縁膜101が形成されており、ヒューズ配線上絶縁膜101上にはパッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜102が形成される。パッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜102上には、パッシベーション膜の酸化膜103,104が積層され、さらにポリイミド膜105が積層されている。ヒューズ配線100の端部は、ヒューズ配線下ビアホール106を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続し、ビアホール109を介してシリコン基板111上のポリシリコン層110に接続する。また、図18において、ヒューズ配線100の端部はパッド層配線層−ヒューズ間を接続するビアホール113を介してパッド層の配線112と接続し、配線112はヒューズ配線層の配線にビアホールを介して接続し、ヒューズ配線層より下層の配線に接続する。
【0007】
冗長用のヒューズ配線100は、主にコンピュータのメモリ部の不良救済に用いるLT法(Laser Trimming)により、レーザー光を用いて切断される。また、ヒューズ配線100の配線構造は、LTができるように並列に複数の金属配線を配列しており、各配線は別のユニットに接続される。このため、ヒューズ配線100の端部はビアホールを用いてヒューズ配線層より下層若しくは上層の配線に接続される(以降、この配線構造部をスタック部と称す)。
【0008】
従来の半導体装置において、切断処理を行った後でもヒューズ配線100の未切断により電気的に導通がとれてしまったり、ヒューズ配線100の切断径が大きくなって所望のヒューズ配線以外も切断されてしまうことないように、ヒューズ配線100上の絶縁膜101は、他の配線層と比較して十分な厚さにすることができない。
【0009】
そこで、本発明の発明者が、上述のような絶縁膜の厚さによる影響を研究解析したところ、ヒューズ開口部から入ってきた水分や腐食の要因となる物質が、図中の侵入経路107で絶縁膜101を設けたヒューズ配線を伝って侵入し、配線、絶縁膜若しくはその境界領域を介してさらに侵入すると、下記のような不具合を発生することを見出した。
【0010】
例えば、ダマシンプロセスを用いた半導体装置では、特にヒューズ配線100の端部に接続する上層又は下層へ連なる配線構造であるスタック部において不具合が発生する。これは、図17に示すようにスタック部が下層に接続していく構造の場合、ヒューズ配線層の直下の層における配線とビアホール106との接続部で腐食層108が形成され、オープン不良の原因となる。また、図18に示すようにスタック部が上層に接続する構造の場合でも、ヒューズ配線層とビアホール113で腐食層114が形成され、オープン不良が発生する。
【0011】
このような配線の部分的な腐食によるオープン不良は、特許文献1のように、ヒューズ配線の切断部から電圧印加側の端部までの距離を長くしたり、配線幅を広くする等の構造では、その発生を抑制することができない。また、ヒューズ配線の切断部から電圧印加側の端部までについて上記のような構造にしてしまうと、ヒューズ開口部の面積の拡大につながり、同一コストでの生産量が維持できない。
【0012】
半導体装置は、動作保証期間中にこのようなオープン不良を発生しないように設計する必要がある一方で、信頼性における寿命予測は、材料やその構造の変更による事前予測は困難であり、その改善に要する期間は現在の半導体装置開発に要する期間に対して無視できないものになっている。従って、オープン不良に対し、できるだけ簡単な構成で、且つ確実にその発生を抑制できる構造が望まれる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水分や腐食の要因となる物質が最初に侵入するヒューズ開口部からヒューズ配線の端部(スタック部との接続部)までの間に腐食を遅延させる侵入経路の延長構造を設けることで、前述した要因によるオープン不良の発生が抑制され、高い信頼性を実現できる半導体装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る半導体装置は、ヒューズ配線が、開口部を横切るように配置され、この開口部の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続する電気的接続部までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を有するものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、腐食原因物質が電気的接続部に侵入するのが遅延することから許容期間内におけるヒューズ配線の電気的接続部と上層又は下層の配線層との接続部が腐食することによるオープン不良の発生を抑制することができるという効果がある。これにより、高信頼性の仕様を要求される半導体装置にも適用が容易となる。また、一般的に半導体装置の信頼性試験には膨大な期間が必要であり、開発段階において上述したような原因による腐食を考慮した寿命予測を毎回行うことは開発期間の遅延を招くことになる。さらに、試験の結果が仕様に満たなかった場合、材料や構造の変更による評価期間やマスク変更や材料変更によるコストが発生する。これに対して、本発明のように腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を予め設けることで、上述したような開発期間の短縮化を妨げるリスクを軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、腐食を遅延させる構造としてヒューズ開口部からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線長を直線的に延長した構造を示している。ヒューズ回路は、所望のヒューズ配線1を確実に切断する等のLTの切断マージンを十分確保するヒューズ開口部の面積を有していなければならない。
【0017】
このため、従来では、ヒューズ回路を縮小化するためにヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離(図中、矢印で示す部分の距離)をできるだけ短くするように設定していた。例えば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離をレイアウト制限の最小寸法(0.5μm)程度であった。
【0018】
これに対して、本実施の形態1は、ヒューズ開口部3の周縁部からヒューズ配線1の端部に設けたヒューズ配線上ビアホール2までの距離(図中、矢印で示す部分の距離)を、レイアウト制限の最小寸法より十分に長く(2倍以上)して、侵入した水分や腐食原因となる物質がビアホールに到達するのを遅延させたものである。
【0019】
この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、ヒューズ開口部3の周縁部からヒューズ配線1の端部に設けたヒューズ配線上ビアホール2までの距離を、最小寸法の3倍弱の1.3μmとした場合における高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命が目標値である10年を大きく上回る結果が得られた。上述の高温耐湿の加速試験では、温度130℃、湿度85%の条件を中心にパラメータを振って実施(例えば、10サンプル以上)し、対不良発生時間のワイブル分布より各パラメータについてワイブル関数(R(t)=exp(−(t/α)m))の形状定数mや尺度定数αを求めている。そして、温度加速性、湿度加速性の各々について下記の仮定に基づいたものから寿命算定式の係数を求める。
(1)温度加速性:活性化エネルギとmに相関する。
(2)温度加速性:湿度とmに相関する。
【0020】
図2は図1中の半導体装置をA−A線で切断した断面図を示しており、図3は図1中の半導体装置のパッド部の断面図である。これらの図を用いて本実施の形態1による半導体装置の製造過程を説明する。先ず、本実施の形態1による半導体装置は、フォトリソグラフィ技術等の既存の半導体製造技術を用いて、シリコン基板上にヒューズ回路以外の他の構成要素であるトランジスタや抵抗等を形成し、さらにコンタクトホール、配線、ビアホールをヒューズ部の配線層となる層まで形成することにより製造される。
【0021】
図示の例では、シリコン基板上に形成された絶縁膜5にヒューズ配線1を形成し、その上層にヒューズ配線上絶縁膜4を形成し、その上層のパッド−ヒューズ間ビア層に絶縁膜5、パッシベーション膜の絶縁膜6、パッシベーション膜の窒化膜7及びポリイミド膜8が積層される。パッド部においては、図3に示すように、ビアホール9を介してパッド層の配線10がヒューズ配線層と同一層の配線11に接続している。但し、ヒューズ部の配線層となる層では、図2に示すように配線が形成されないようにする。なお、配線層には、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)を用いる。
【0022】
上記の半導体プロセスにおいて、本実施の形態1では、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部のビアホール2までの距離をレイアウト制限での最小寸法距離よりも十分に長く距離を取って配置する。具体的には、上述したように、レイアウト制限の最小寸法(0.5μm)より2倍以上長い距離で配置する。この後、例えばアルミニウムや銅を用いた層とアルミニウム等で形成したパッドとなる層とを、タングステン等で形成したビアホールで接続する。ここで、ヒューズ部にはビアホールを形成せずに、ビアホールの層間絶縁膜、例えば1000nm程度の厚さの酸化膜だけを形成する。
【0023】
次に、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術等についての既存の半導体製造技術を用いて、図3に示すように、アルミニウム等でパッドとなる層を形成し、パッシベーション膜となる、例えば酸化膜と窒化膜の複合膜で構成される絶縁膜6を成膜した後、パッド部及びヒューズ部とする領域のみをエッチングして開口させる。これと同時に、ヒューズ部上の絶縁膜4として、例えばダマシンプロセスであれば、配線層を保護するSiCN膜や窒化膜およびその上にある酸化膜が残るようにする。続いて、この上層にポリイミド膜8を成膜した後、パッド部及びヒューズ部をエッチングにより開口させることで、図2に示すように、ヒューズ部上に所望の厚さの絶縁膜4を有する構造を得ることができる。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの配線長を延長することで、侵入した水分や腐食原因となる物質がビアホール2に到達して腐食層を形成する時間を延ばすことができ、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【0025】
実施の形態2.
この実施の形態2は、腐食を遅延させる構造として複数のビアホールを介してヒューズ配線端部とスタック部を接続したものである。
【0026】
図4は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、腐食を遅延させる構造としてヒューズ配線1の長手方向に沿った方向(図中、記号aで示した方向)に並べた複数のビアホール2,2を介してヒューズ配線1の端部とスタック部を接続した構造を示している。図4のように、ヒューズ配線1の端部とスタック部とを接続する複数のビアホール2をa方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質の侵入によりヒューズ開口部3に近い側のビアホール2とスタック部との接続部が腐食しても、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホール2まではその侵入が物理的に遅延する。つまり、実質的に腐食原因物質の侵入経路を延長させることになるので、その分寿命を稼ぐことができる。
【0027】
図5は、図4中の半導体装置をB−B線に沿って切断した断面図であり、a方向に並べた複数のビアホール2でヒューズ配線層の直下の配線層に接続し、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホールを介してさらに下層のスタック部に接続する構成を示している。ヒューズ配線1の端部は、ヒューズ開口部3から遠い方のヒューズ配線下ビアホール2を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続し、ビアホール12を介してシリコン基板14上のポリシリコン層13に接続する。なお、図2と同一符号を付した構成要素は同一又はこれに相当するものであり重複説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、上記実施の形態1におけるヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を伸ばした構成に適用することで、さらに腐食遅延効果が得られるが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離が従来と同一の寸法であってもヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2,2を設けることにより、従来と比較して信頼性を高めることができると思われる。これは、複数個のビアホール2により確率的に腐食によりオープンとならないビアホール2を確保できる可能性が高いためである。
【0029】
なお、図4に示す半導体装置は、図6に示すように、ヒューズ配線1の端部に複数のビアホールを設けるだけでなく、その下層にそれぞれに接続するスタック部を設けた構造としてもよい。この構成によっても、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができ、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール及びそれに接続するスタック部については腐食原因の到達時間を稼ぐことができる。
【0030】
図7は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、上記実施の形態1に示したように、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの配線長を延長し、ヒューズ開口部3の長手方向であってヒューズ配線1に直交する方向(図中の記号bを付した方向)に並べた複数のビアホールを介してヒューズ配線1の端部とスタック部を接続した構造を示している。
【0031】
このように、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を最小寸法の2倍以上に延長し、かつヒューズ配線1の端部とスタック部を接続する複数のビアホール2をb方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質が侵入することによる腐食を遅延させることができる上、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0032】
図8は、図7中の半導体装置の実施例を示す図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの距離を、最小寸法の2倍以上の1.3μmとした例を示している。また、図9は、図8中のC−C線の断面図である。この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命として目標値である10年を上回る13.4年が得られた。なお、高温耐湿の加速試験については、上記実施の形態1で説明したものと同様である。
【0033】
また、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離を伸ばしつつ、b方向に複数のビアホール2を並べる構成について述べたが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離が従来と同一の寸法であっても、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0034】
なお、ヒューズ配線層の直下の配線層に接続するb方向に並べたビアホールのいずれか一方をさらに下層の配線層に接続する構成としてもよいが、全て又は複数のビアホールについてさらに下層の配線層に接続するスタック部を設けた構造としてもよい。この構成によっても、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができ、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール及びそれに接続するスタック部については腐食原因の到達時間を稼ぐことができる。
【0035】
図10は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、a方向及びb方向に各々並べた複数のビアホールを介してヒューズ配線端部とスタック部を接続した構造を示している。図示の例では、1つのヒューズ配線1の端部において、a方向及びb方向に各々2つのビアホールを設けた、計4つのビアホールを配列している。
【0036】
このように、ヒューズ配線1の端部とスタック部を接続する複数のビアホール2をa方向及びb方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質が侵入することによる腐食を遅延させることができる上、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0037】
図11は、図10中の半導体装置の実施例を示す図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの距離を、最小寸法の8倍以上の4.0μmとし、a方向に3つのビアホール及びb方向に2つのビアホールを設けた、計6つのビアホールを配列した例を示している。また、図12は、図11中のD−D線の断面図である。この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命として図10の構成による13.4年をさらに上回る結果が得られた。なお、高温耐湿の加速試験については、上記実施の形態1で説明したものと同様である。
【0038】
また、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を伸ばしつつ、a方向及びb方向に複数のビアホールを並べる構成について述べたが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離が従来と同一の寸法であっても、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0039】
図13は、実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成例を示す断面図であり、図4又は図10に示した構成において複数のビアホールを介してスタック部がヒューズ配線層の直上の配線層15に接続し、さらに配線層15を介してヒューズ開口部3から最も遠い側でスタック部がヒューズ配線層の直下の配線層に接続していく構造を示している。この構成では、水分や腐食原因となる物質の侵入によりヒューズ開口部3に最も近いビアホール2とスタック部との接続部が腐食しても、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホール2まではその侵入が物理的に遅延するのでその分寿命を稼ぐことができる。
【0040】
以上のように、この実施の形態2によれば、ヒューズ配線1の長手方向(a方向)とこれに直交方向(b方向)にビアホール2を複数個配列したので、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。また、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール2については、実質的に腐食原因物質の侵入経路を延長させることができることから、その分寿命を稼ぐことができる。
【0041】
また、ヒューズ配線の長手方向(a方向)にビアホール2を複数個配列することで、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホール2を確保できる確率を高めることができ、またヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール2については腐食原因の到達時間を稼ぐことができ、その分寿命を稼ぐことができる。これにより、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【0042】
実施の形態3.
この実施の形態3は、腐食を遅延させる構造としてヒューズ開口部からヒューズ配線の端部(スタック部との接続部)までのヒューズ配線を歪曲させて配線長を長くしたものである。
【0043】
図14は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を屈曲させたものである。図示の例では、ヒューズ回路のサイズの大型化を防ぐため、ヒューズ開口部3の長手方向に沿ってヒューズ配線1を曲げて所望の配線長を得ている。
【0044】
このようにすることで、ヒューズ開口部3領域外で且つヒューズ配線1端部に接続するスタック部に近い領域でヒューズ開口部3とビアホール2との間の距離を十分に確保することができる。なお、ヒューズ開口部3の長手方向に曲げる長さは、ヒューズ開口部3に設けた全てのヒューズ配線1のヒューズ開口部3の長手方向に曲げる長さの合計が、ヒューズ開口部3の長手方向の長さを超えない範囲内になるように設定してもよい。
【0045】
また、レイアウト制限の許容範囲内になるのであれば、ヒューズ開口部3の長手方向に最初に曲げたコーナーとヒューズ開口部3までのヒューズ配線1の長さを上記実施の形態1と同様に長く設定するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1の長手方向に沿った方向及び/又はこれに直交する方向に複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0046】
図15は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を渦巻き状にしたものである。図示の例では、ヒューズ配線1端部のビアホール2を中心にヒューズ配線1を渦巻き状にしている。
【0047】
このようにすることで、図14の例よりヒューズ配線1の長さを確保することができ、水分等の侵入による腐食を遅延させ、長寿命化を図ることができる。なお、ヒューズ配線1を渦巻き状にすることで、直線的に延長する上記実施の形態1の場合より小さいスペースでヒューズ配線1の配線長を確保することができる。
【0048】
また、図15の構成において、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0049】
図16は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部のさらに別の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を蛇行状にしたものである。図示の例では、ヒューズ回路のサイズの大型化を防ぐため、ヒューズ開口部3の長手方向に沿ってヒューズ配線1を蛇行させて所望の配線長を得ている。
【0050】
このようにすることで、ヒューズ開口部3領域外で且つヒューズ配線1端部に接続するスタック部に近い領域でヒューズ開口部3とビアホール2との間の距離を十分に確保することができる。なお、ヒューズ開口部3の長手方向に曲げる蛇行の長さは、ヒューズ開口部3に設けた全てのヒューズ配線1の蛇行状の長さの合計が、ヒューズ開口部3の長手方向の長さを超えない範囲内になるように設定してもよい。
【0051】
また、図16の構成において、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0052】
以上のように、この実施の形態3によれば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までのヒューズ配線1を歪曲させてその配線長を延長することで、ビアホール2と直下又は直上の配線層との接続部に侵入した水分や腐食原因となる物質が到達し、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、かつヒューズ回路が占める領域の面積を大きくすることなく、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図2】図1中の半導体装置をA−A線で切断した断面図を示している。
【図3】図1中の半導体装置のパッド部の断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図5】図4中の半導体装置をB−B線に沿って切断した断面図である。
【図6】図4中の半導体装置の他の構成例におけるB−B線の断面図である。
【図7】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図8】図7中の半導体装置の実施例を示す図である。
【図9】図8中のC−C線の断面図である。
【図10】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図11】図10中の半導体装置の実施例を示す図である。
【図12】図11中のD−D線の断面図である。
【図13】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成例を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図15】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図16】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図17】従来の半導体装置のヒューズ部に沿った断面を示す図である。
【図18】従来の他の構成の半導体装置におけるヒューズ部に沿った断面を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ヒューズ配線、2 ヒューズ配線上ビアホール、3 ヒューズ開口部、4 ヒューズ配線上絶縁膜、5 絶縁膜、6 パッシベーション膜の絶縁膜、7 パッシベーション膜の窒化膜、8 ポリイミド膜、9 ビアホール、10 パッド層の配線、11 ヒューズ配線層と同一層の配線、12 ビアホール、13 ポリシリコン層、14 シリコン基板、100 ヒューズ配線、101 ヒューズ配線上絶縁膜、102 パッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜、103,104 パッシベーション膜の酸化膜、105 ポリイミド膜、106 ヒューズ配線下ビアホール、107 侵入経路、108 腐食層、109,113 ビアホール、110 ポリシリコン層、111 シリコン基板、112 パッド層の配線。
【技術分野】
【0001】
この発明は、LT(Laser Trimming)法によるメモリ救済を実施する半導体装置に係り、特にヒューズ部の腐食によるオープン不良を抑制し信頼性を高めた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冗長用ヒューズの腐食耐性を高めた従来の半導体装置としては、例えば特許文献1に開示されるものがある。特許文献1は、耐湿性を考慮して冗長用ヒューズの材料にタングステン(W)を用いた半導体装置を開示しており、切断部位から電圧印加側の端部までのヒューズ長を長くするために蛇行状構造等を設けている。これにより、ヒューズ切断の有無を確認するためのバイアス電圧を印加したことでヒューズの切断箇所から腐食が進行し、最終的に短絡するという不具合を解消している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−24337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に代表される従来の半導体装置では、特にWのヒューズ部の切断部において発生した酸化が進行して銅(Cu)を含有する配線をも酸化され、これにより切断部に析出したCuによって短絡が発生するのを遅延させることを目的としている。このため、後述する未切断のヒューズ部におけるオープン不良に対応することができない。
【0005】
ここで、未切断のヒューズ部におけるオープン不良について詳細に説明する。
図17は、従来の半導体装置のヒューズ部に沿った断面を示す図であり、ヒューズ端部がビアホールを介してヒューズ配線層より下層の配線に接続するスタック構造を示している。また、図18は、図17と同様に、従来の他の構成の半導体装置におけるヒューズ部に沿った断面を示す図であり、ヒューズ端部がビアホールを介してヒューズ配線層より上層のパッド層の配線112に接続し、さらに配線112を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続した構造を示している。
【0006】
図17、18において、ヒューズ配線100は、その上層にヒューズ配線上絶縁膜101が形成されており、ヒューズ配線上絶縁膜101上にはパッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜102が形成される。パッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜102上には、パッシベーション膜の酸化膜103,104が積層され、さらにポリイミド膜105が積層されている。ヒューズ配線100の端部は、ヒューズ配線下ビアホール106を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続し、ビアホール109を介してシリコン基板111上のポリシリコン層110に接続する。また、図18において、ヒューズ配線100の端部はパッド層配線層−ヒューズ間を接続するビアホール113を介してパッド層の配線112と接続し、配線112はヒューズ配線層の配線にビアホールを介して接続し、ヒューズ配線層より下層の配線に接続する。
【0007】
冗長用のヒューズ配線100は、主にコンピュータのメモリ部の不良救済に用いるLT法(Laser Trimming)により、レーザー光を用いて切断される。また、ヒューズ配線100の配線構造は、LTができるように並列に複数の金属配線を配列しており、各配線は別のユニットに接続される。このため、ヒューズ配線100の端部はビアホールを用いてヒューズ配線層より下層若しくは上層の配線に接続される(以降、この配線構造部をスタック部と称す)。
【0008】
従来の半導体装置において、切断処理を行った後でもヒューズ配線100の未切断により電気的に導通がとれてしまったり、ヒューズ配線100の切断径が大きくなって所望のヒューズ配線以外も切断されてしまうことないように、ヒューズ配線100上の絶縁膜101は、他の配線層と比較して十分な厚さにすることができない。
【0009】
そこで、本発明の発明者が、上述のような絶縁膜の厚さによる影響を研究解析したところ、ヒューズ開口部から入ってきた水分や腐食の要因となる物質が、図中の侵入経路107で絶縁膜101を設けたヒューズ配線を伝って侵入し、配線、絶縁膜若しくはその境界領域を介してさらに侵入すると、下記のような不具合を発生することを見出した。
【0010】
例えば、ダマシンプロセスを用いた半導体装置では、特にヒューズ配線100の端部に接続する上層又は下層へ連なる配線構造であるスタック部において不具合が発生する。これは、図17に示すようにスタック部が下層に接続していく構造の場合、ヒューズ配線層の直下の層における配線とビアホール106との接続部で腐食層108が形成され、オープン不良の原因となる。また、図18に示すようにスタック部が上層に接続する構造の場合でも、ヒューズ配線層とビアホール113で腐食層114が形成され、オープン不良が発生する。
【0011】
このような配線の部分的な腐食によるオープン不良は、特許文献1のように、ヒューズ配線の切断部から電圧印加側の端部までの距離を長くしたり、配線幅を広くする等の構造では、その発生を抑制することができない。また、ヒューズ配線の切断部から電圧印加側の端部までについて上記のような構造にしてしまうと、ヒューズ開口部の面積の拡大につながり、同一コストでの生産量が維持できない。
【0012】
半導体装置は、動作保証期間中にこのようなオープン不良を発生しないように設計する必要がある一方で、信頼性における寿命予測は、材料やその構造の変更による事前予測は困難であり、その改善に要する期間は現在の半導体装置開発に要する期間に対して無視できないものになっている。従って、オープン不良に対し、できるだけ簡単な構成で、且つ確実にその発生を抑制できる構造が望まれる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水分や腐食の要因となる物質が最初に侵入するヒューズ開口部からヒューズ配線の端部(スタック部との接続部)までの間に腐食を遅延させる侵入経路の延長構造を設けることで、前述した要因によるオープン不良の発生が抑制され、高い信頼性を実現できる半導体装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る半導体装置は、ヒューズ配線が、開口部を横切るように配置され、この開口部の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続する電気的接続部までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を有するものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、腐食原因物質が電気的接続部に侵入するのが遅延することから許容期間内におけるヒューズ配線の電気的接続部と上層又は下層の配線層との接続部が腐食することによるオープン不良の発生を抑制することができるという効果がある。これにより、高信頼性の仕様を要求される半導体装置にも適用が容易となる。また、一般的に半導体装置の信頼性試験には膨大な期間が必要であり、開発段階において上述したような原因による腐食を考慮した寿命予測を毎回行うことは開発期間の遅延を招くことになる。さらに、試験の結果が仕様に満たなかった場合、材料や構造の変更による評価期間やマスク変更や材料変更によるコストが発生する。これに対して、本発明のように腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を予め設けることで、上述したような開発期間の短縮化を妨げるリスクを軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、腐食を遅延させる構造としてヒューズ開口部からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線長を直線的に延長した構造を示している。ヒューズ回路は、所望のヒューズ配線1を確実に切断する等のLTの切断マージンを十分確保するヒューズ開口部の面積を有していなければならない。
【0017】
このため、従来では、ヒューズ回路を縮小化するためにヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離(図中、矢印で示す部分の距離)をできるだけ短くするように設定していた。例えば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離をレイアウト制限の最小寸法(0.5μm)程度であった。
【0018】
これに対して、本実施の形態1は、ヒューズ開口部3の周縁部からヒューズ配線1の端部に設けたヒューズ配線上ビアホール2までの距離(図中、矢印で示す部分の距離)を、レイアウト制限の最小寸法より十分に長く(2倍以上)して、侵入した水分や腐食原因となる物質がビアホールに到達するのを遅延させたものである。
【0019】
この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、ヒューズ開口部3の周縁部からヒューズ配線1の端部に設けたヒューズ配線上ビアホール2までの距離を、最小寸法の3倍弱の1.3μmとした場合における高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命が目標値である10年を大きく上回る結果が得られた。上述の高温耐湿の加速試験では、温度130℃、湿度85%の条件を中心にパラメータを振って実施(例えば、10サンプル以上)し、対不良発生時間のワイブル分布より各パラメータについてワイブル関数(R(t)=exp(−(t/α)m))の形状定数mや尺度定数αを求めている。そして、温度加速性、湿度加速性の各々について下記の仮定に基づいたものから寿命算定式の係数を求める。
(1)温度加速性:活性化エネルギとmに相関する。
(2)温度加速性:湿度とmに相関する。
【0020】
図2は図1中の半導体装置をA−A線で切断した断面図を示しており、図3は図1中の半導体装置のパッド部の断面図である。これらの図を用いて本実施の形態1による半導体装置の製造過程を説明する。先ず、本実施の形態1による半導体装置は、フォトリソグラフィ技術等の既存の半導体製造技術を用いて、シリコン基板上にヒューズ回路以外の他の構成要素であるトランジスタや抵抗等を形成し、さらにコンタクトホール、配線、ビアホールをヒューズ部の配線層となる層まで形成することにより製造される。
【0021】
図示の例では、シリコン基板上に形成された絶縁膜5にヒューズ配線1を形成し、その上層にヒューズ配線上絶縁膜4を形成し、その上層のパッド−ヒューズ間ビア層に絶縁膜5、パッシベーション膜の絶縁膜6、パッシベーション膜の窒化膜7及びポリイミド膜8が積層される。パッド部においては、図3に示すように、ビアホール9を介してパッド層の配線10がヒューズ配線層と同一層の配線11に接続している。但し、ヒューズ部の配線層となる層では、図2に示すように配線が形成されないようにする。なお、配線層には、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)を用いる。
【0022】
上記の半導体プロセスにおいて、本実施の形態1では、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部のビアホール2までの距離をレイアウト制限での最小寸法距離よりも十分に長く距離を取って配置する。具体的には、上述したように、レイアウト制限の最小寸法(0.5μm)より2倍以上長い距離で配置する。この後、例えばアルミニウムや銅を用いた層とアルミニウム等で形成したパッドとなる層とを、タングステン等で形成したビアホールで接続する。ここで、ヒューズ部にはビアホールを形成せずに、ビアホールの層間絶縁膜、例えば1000nm程度の厚さの酸化膜だけを形成する。
【0023】
次に、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術等についての既存の半導体製造技術を用いて、図3に示すように、アルミニウム等でパッドとなる層を形成し、パッシベーション膜となる、例えば酸化膜と窒化膜の複合膜で構成される絶縁膜6を成膜した後、パッド部及びヒューズ部とする領域のみをエッチングして開口させる。これと同時に、ヒューズ部上の絶縁膜4として、例えばダマシンプロセスであれば、配線層を保護するSiCN膜や窒化膜およびその上にある酸化膜が残るようにする。続いて、この上層にポリイミド膜8を成膜した後、パッド部及びヒューズ部をエッチングにより開口させることで、図2に示すように、ヒューズ部上に所望の厚さの絶縁膜4を有する構造を得ることができる。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの配線長を延長することで、侵入した水分や腐食原因となる物質がビアホール2に到達して腐食層を形成する時間を延ばすことができ、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【0025】
実施の形態2.
この実施の形態2は、腐食を遅延させる構造として複数のビアホールを介してヒューズ配線端部とスタック部を接続したものである。
【0026】
図4は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、腐食を遅延させる構造としてヒューズ配線1の長手方向に沿った方向(図中、記号aで示した方向)に並べた複数のビアホール2,2を介してヒューズ配線1の端部とスタック部を接続した構造を示している。図4のように、ヒューズ配線1の端部とスタック部とを接続する複数のビアホール2をa方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質の侵入によりヒューズ開口部3に近い側のビアホール2とスタック部との接続部が腐食しても、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホール2まではその侵入が物理的に遅延する。つまり、実質的に腐食原因物質の侵入経路を延長させることになるので、その分寿命を稼ぐことができる。
【0027】
図5は、図4中の半導体装置をB−B線に沿って切断した断面図であり、a方向に並べた複数のビアホール2でヒューズ配線層の直下の配線層に接続し、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホールを介してさらに下層のスタック部に接続する構成を示している。ヒューズ配線1の端部は、ヒューズ開口部3から遠い方のヒューズ配線下ビアホール2を介してヒューズ配線層より下層の配線に接続し、ビアホール12を介してシリコン基板14上のポリシリコン層13に接続する。なお、図2と同一符号を付した構成要素は同一又はこれに相当するものであり重複説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、上記実施の形態1におけるヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を伸ばした構成に適用することで、さらに腐食遅延効果が得られるが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離が従来と同一の寸法であってもヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2,2を設けることにより、従来と比較して信頼性を高めることができると思われる。これは、複数個のビアホール2により確率的に腐食によりオープンとならないビアホール2を確保できる可能性が高いためである。
【0029】
なお、図4に示す半導体装置は、図6に示すように、ヒューズ配線1の端部に複数のビアホールを設けるだけでなく、その下層にそれぞれに接続するスタック部を設けた構造としてもよい。この構成によっても、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができ、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール及びそれに接続するスタック部については腐食原因の到達時間を稼ぐことができる。
【0030】
図7は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、上記実施の形態1に示したように、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの配線長を延長し、ヒューズ開口部3の長手方向であってヒューズ配線1に直交する方向(図中の記号bを付した方向)に並べた複数のビアホールを介してヒューズ配線1の端部とスタック部を接続した構造を示している。
【0031】
このように、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を最小寸法の2倍以上に延長し、かつヒューズ配線1の端部とスタック部を接続する複数のビアホール2をb方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質が侵入することによる腐食を遅延させることができる上、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0032】
図8は、図7中の半導体装置の実施例を示す図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの距離を、最小寸法の2倍以上の1.3μmとした例を示している。また、図9は、図8中のC−C線の断面図である。この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命として目標値である10年を上回る13.4年が得られた。なお、高温耐湿の加速試験については、上記実施の形態1で説明したものと同様である。
【0033】
また、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離を伸ばしつつ、b方向に複数のビアホール2を並べる構成について述べたが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までの距離が従来と同一の寸法であっても、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0034】
なお、ヒューズ配線層の直下の配線層に接続するb方向に並べたビアホールのいずれか一方をさらに下層の配線層に接続する構成としてもよいが、全て又は複数のビアホールについてさらに下層の配線層に接続するスタック部を設けた構造としてもよい。この構成によっても、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができ、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール及びそれに接続するスタック部については腐食原因の到達時間を稼ぐことができる。
【0035】
図10は、この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、a方向及びb方向に各々並べた複数のビアホールを介してヒューズ配線端部とスタック部を接続した構造を示している。図示の例では、1つのヒューズ配線1の端部において、a方向及びb方向に各々2つのビアホールを設けた、計4つのビアホールを配列している。
【0036】
このように、ヒューズ配線1の端部とスタック部を接続する複数のビアホール2をa方向及びb方向に並べることで、水分や腐食原因となる物質が侵入することによる腐食を遅延させることができる上、オープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0037】
図11は、図10中の半導体装置の実施例を示す図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までの距離を、最小寸法の8倍以上の4.0μmとし、a方向に3つのビアホール及びb方向に2つのビアホールを設けた、計6つのビアホールを配列した例を示している。また、図12は、図11中のD−D線の断面図である。この構成を有する半導体装置について高温耐湿の加速試験を実施したところ、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、許容寿命を十分に満たすことが確認された。例えば、高温耐湿の加速試験の結果は、実使用条件での故障確率0.1%での寿命として図10の構成による13.4年をさらに上回る結果が得られた。なお、高温耐湿の加速試験については、上記実施の形態1で説明したものと同様である。
【0038】
また、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離を伸ばしつつ、a方向及びb方向に複数のビアホールを並べる構成について述べたが、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部までの距離が従来と同一の寸法であっても、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。
【0039】
図13は、実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成例を示す断面図であり、図4又は図10に示した構成において複数のビアホールを介してスタック部がヒューズ配線層の直上の配線層15に接続し、さらに配線層15を介してヒューズ開口部3から最も遠い側でスタック部がヒューズ配線層の直下の配線層に接続していく構造を示している。この構成では、水分や腐食原因となる物質の侵入によりヒューズ開口部3に最も近いビアホール2とスタック部との接続部が腐食しても、ヒューズ開口部3から遠い方のビアホール2まではその侵入が物理的に遅延するのでその分寿命を稼ぐことができる。
【0040】
以上のように、この実施の形態2によれば、ヒューズ配線1の長手方向(a方向)とこれに直交方向(b方向)にビアホール2を複数個配列したので、水分や腐食原因となる物質の侵入経路によっては複数のビアホールとスタック部との接続部が同時に腐食されないことも考えられる。従って、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホールを確保できる確率を高めることができる。また、ヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール2については、実質的に腐食原因物質の侵入経路を延長させることができることから、その分寿命を稼ぐことができる。
【0041】
また、ヒューズ配線の長手方向(a方向)にビアホール2を複数個配列することで、ビアホールが1つの場合と比較してオープンとならないビアホール2を確保できる確率を高めることができ、またヒューズ開口部3から遠い位置のビアホール2については腐食原因の到達時間を稼ぐことができ、その分寿命を稼ぐことができる。これにより、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【0042】
実施の形態3.
この実施の形態3は、腐食を遅延させる構造としてヒューズ開口部からヒューズ配線の端部(スタック部との接続部)までのヒューズ配線を歪曲させて配線長を長くしたものである。
【0043】
図14は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を屈曲させたものである。図示の例では、ヒューズ回路のサイズの大型化を防ぐため、ヒューズ開口部3の長手方向に沿ってヒューズ配線1を曲げて所望の配線長を得ている。
【0044】
このようにすることで、ヒューズ開口部3領域外で且つヒューズ配線1端部に接続するスタック部に近い領域でヒューズ開口部3とビアホール2との間の距離を十分に確保することができる。なお、ヒューズ開口部3の長手方向に曲げる長さは、ヒューズ開口部3に設けた全てのヒューズ配線1のヒューズ開口部3の長手方向に曲げる長さの合計が、ヒューズ開口部3の長手方向の長さを超えない範囲内になるように設定してもよい。
【0045】
また、レイアウト制限の許容範囲内になるのであれば、ヒューズ開口部3の長手方向に最初に曲げたコーナーとヒューズ開口部3までのヒューズ配線1の長さを上記実施の形態1と同様に長く設定するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1の長手方向に沿った方向及び/又はこれに直交する方向に複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0046】
図15は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を渦巻き状にしたものである。図示の例では、ヒューズ配線1端部のビアホール2を中心にヒューズ配線1を渦巻き状にしている。
【0047】
このようにすることで、図14の例よりヒューズ配線1の長さを確保することができ、水分等の侵入による腐食を遅延させ、長寿命化を図ることができる。なお、ヒューズ配線1を渦巻き状にすることで、直線的に延長する上記実施の形態1の場合より小さいスペースでヒューズ配線1の配線長を確保することができる。
【0048】
また、図15の構成において、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0049】
図16は、この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部のさらに別の構成を示す上面図であり、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1端部のビアホール2までのヒューズ配線1を蛇行状にしたものである。図示の例では、ヒューズ回路のサイズの大型化を防ぐため、ヒューズ開口部3の長手方向に沿ってヒューズ配線1を蛇行させて所望の配線長を得ている。
【0050】
このようにすることで、ヒューズ開口部3領域外で且つヒューズ配線1端部に接続するスタック部に近い領域でヒューズ開口部3とビアホール2との間の距離を十分に確保することができる。なお、ヒューズ開口部3の長手方向に曲げる蛇行の長さは、ヒューズ開口部3に設けた全てのヒューズ配線1の蛇行状の長さの合計が、ヒューズ開口部3の長手方向の長さを超えない範囲内になるように設定してもよい。
【0051】
また、図16の構成において、上記実施の形態2のように、ヒューズ配線1に沿って複数のビアホール2を設けても良い。このとき、複数のビアホール2のいずれか又はその全てに、ヒューズ配線層の直下又は直上の配線層に接続するスタック部を設けても良い。これにより、腐食原因物質の侵入をさらに遅延させることができ、高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0052】
以上のように、この実施の形態3によれば、ヒューズ開口部3からヒューズ配線1の端部に設けたビアホール2までのヒューズ配線1を歪曲させてその配線長を延長することで、ビアホール2と直下又は直上の配線層との接続部に侵入した水分や腐食原因となる物質が到達し、腐食層を形成する時間を延ばすことができ、かつヒューズ回路が占める領域の面積を大きくすることなく、信頼性の高いヒューズ構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図2】図1中の半導体装置をA−A線で切断した断面図を示している。
【図3】図1中の半導体装置のパッド部の断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図5】図4中の半導体装置をB−B線に沿って切断した断面図である。
【図6】図4中の半導体装置の他の構成例におけるB−B線の断面図である。
【図7】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図8】図7中の半導体装置の実施例を示す図である。
【図9】図8中のC−C線の断面図である。
【図10】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図11】図10中の半導体装置の実施例を示す図である。
【図12】図11中のD−D線の断面図である。
【図13】実施の形態2による半導体装置のヒューズ部の他の構成例を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の構成を示す上面図である。
【図15】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図16】この発明の実施の形態3による半導体装置のヒューズ部の他の構成を示す上面図である。
【図17】従来の半導体装置のヒューズ部に沿った断面を示す図である。
【図18】従来の他の構成の半導体装置におけるヒューズ部に沿った断面を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ヒューズ配線、2 ヒューズ配線上ビアホール、3 ヒューズ開口部、4 ヒューズ配線上絶縁膜、5 絶縁膜、6 パッシベーション膜の絶縁膜、7 パッシベーション膜の窒化膜、8 ポリイミド膜、9 ビアホール、10 パッド層の配線、11 ヒューズ配線層と同一層の配線、12 ビアホール、13 ポリシリコン層、14 シリコン基板、100 ヒューズ配線、101 ヒューズ配線上絶縁膜、102 パッド−ヒューズ間ビア層の絶縁膜、103,104 パッシベーション膜の酸化膜、105 ポリイミド膜、106 ヒューズ配線下ビアホール、107 侵入経路、108 腐食層、109,113 ビアホール、110 ポリシリコン層、111 シリコン基板、112 パッド層の配線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズ配線を備えた半導体装置において、前記ヒューズ配線は、開口部を横切るように配置され、前記開口部の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続する電気的接続部までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線長を、半導体装置のレイアウト制限における最小寸法の複数倍の長さにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
ヒューズ配線は、端部における電気的接続部をヒューズ配線の長手方向及び/又はその直交方向に複数個設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
複数個の電気的接続部のうちのいずれか又はその全てをヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層よりさらに上層又は下層の配線層にも電気的に接続したことを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を歪曲させて配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を渦巻き状にして配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項7】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を蛇行状にして配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項1】
ヒューズ配線を備えた半導体装置において、前記ヒューズ配線は、開口部を横切るように配置され、前記開口部の周縁に位置する部分からその端部をヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層と電気的に接続する電気的接続部までの間に腐食原因物質の侵入を遅延させる侵入経路の延長構造を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線長を、半導体装置のレイアウト制限における最小寸法の複数倍の長さにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
ヒューズ配線は、端部における電気的接続部をヒューズ配線の長手方向及び/又はその直交方向に複数個設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
複数個の電気的接続部のうちのいずれか又はその全てをヒューズ配線層の直近の上層又は下層の配線層よりさらに上層又は下層の配線層にも電気的に接続したことを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を歪曲させて配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を渦巻き状にして配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項7】
ヒューズ配線は、開口部の周縁に位置する部分からその端部における電気的接続部までの配線を蛇行状にして配線長を延長したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−81152(P2007−81152A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267353(P2005−267353)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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