説明

半導体集積回路装置のタイミング制御回路

【課題】半導体集積回路装置の制御対象回路に与える制御信号が製造プロセスや電源電圧、周囲温度などの変動によって変動するのを抑制すること。
【解決手段】外部クロックextCLKに基づき基準信号actCLKを生成する中央制御回路2側に、遅延値を制御するディジタル値DCTRL[n:0]からなる遅延制御信号を生成する遅延制御回路6を設け、中央制御回路2からローカル制御回路3に対して基準信号と遅延制御信号とを供給する。ローカル制御回路3に設けた可変遅延回路7は、遅延値がディジタル値で制御される単位遅延回路を多段に接続して構成され、メモリセルアレイ1に供給する各種の制御信号を、前記基準信号を前記遅延制御信号のディジタル値が示す所定の遅延値だけ遅延したタイミングで生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体集積回路装置のタイミング制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここでは、この発明の理解を容易にするため、半導体集積回路装置として半導体記憶装置を例に挙げて説明する。半導体記憶装置のタイミング制御回路では、メモリセルアレイに、例えば、ワード線活性化信号、センスアンプ活性化信号、ワード線イコライズ信号、コラムデコード信号など各種のアレイ制御信号を供給して読み書きを制御する。
【0003】
ここで、メモリセルアレイに対する各種のアレイ制御信号を発生する従来のタイミング制御回路では、主制御回路に固定の遅延量を与える遅延素子(RC遅延素子やゲート遅延素子)を多段に直列接続した遅延回路を設け、この遅延回路に外部からクロックを与えて上記の各種のアレイ制御信号を当該遅延回路の対応する遅延段から出力する。そして、副制御回路が、主制御回路からの各種のアレイ制御信号をメモリセルアレイの各部に分配するように構成される。この場合、副制御回路では、主制御回路から受け取ったアレイ制御信号の性格に応じて、レベル変換操作を施してメモリセルアレイの各部に分配し、また特別の操作を行わずそのままメモリセルアレイの各部に分配するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−273728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、主制御回路において遅延回路を用いて各種のアレイ制御信号を生成する構成では、RC遅延素子やゲート遅延素子の遅延値が製造プロセスや電源電圧、周囲温度などの変動によってばらつくことが生ずる。
【0006】
また、副制御回路では、主制御回路から受け取ったアレイ制御信号の性格に応じて、レベル変換操作を施してメモリセルアレイの各部に分配し、また特別の操作を行わずそのままメモリセルアレイの各部に分配するようにしているので、メモリセルアレイに到達するまでの信号経路に存するRC成分のばらつきや、回路構成の相違などによって、各アレイ制御信号間の位相差が主制御回路を出た直後とメモリセルアレイに到達した時とで異なることが生ずる。
【0007】
そのため、従来では、設計時に各アレイ制御信号の経路遅延をレイアウト後に正確に見積もる必要があるので、設計が煩雑化し、相当の設計時間を要している。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、半導体集積回路装置の制御対象回路に与える制御信号が製造プロセスや電源電圧、周囲温度などの変動によって変動するのを抑制することができる半導体集積回路装置のタイミング制御回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、この発明は、外部クロックに基づき基準信号を生成する主制御回路と、半導体集積回路装置内の各部に各種の制御信号を分配する副制御回路とを備える半導体集積回路装置のタイミング制御回路において、前記主制御回路側に、遅延値を制御するディジタル値からなる遅延制御信号を生成する遅延制御回路を設け、当該主制御回路から前記副制御回路に対して、前記基準信号と前記遅延制御信号とを供給し、前記副制御回路に、遅延値がディジタル値で制御される単位遅延回路を多段に接続して構成され、前記各種の制御信号を、前記基準信号を前記遅延制御信号のディジタル値が示す所定の遅延値だけ遅延したタイミングで生成する可変遅延回路を設けたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、半導体集積回路装置の制御対象回路に与える制御信号は、副制御回路に設けたディジタル制御が可能な可変遅延回路にて全て生成するようにし、主制御回路からはディジタルの遅延制御信号を供給するだけであるので、制御対象回路の各部に供給する制御信号間の位相差は生じない。このとき、副制御回路に設けた可変遅延回路での遅延値は、主制御回路から供給するディジタルの遅延制御信号によって、製造プロセスや電源電圧、周囲温度の変動に影響されない形で正確に制御することができる。したがって、設計時の大幅な省力化が可能となり、設計時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、半導体集積回路装置の制御対象回路に与える制御信号が製造プロセスや電源電圧、周囲温度などの変動によって変動するのを抑制することができるので、設計時の省力化が図れ、設計時間の短縮化が図れるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明にかかる半導体集積回路装置のタイミング制御回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1−1と図1−2は、この発明の実施の形態1による半導体集積回路装置のタイミング制御回路の構成を示すブロック図である。なお、図1−1と図1−2では、半導体集積回路装置としての半導体記憶装置への適用例が示されている。以下に示す他の実施の形態においても同様であるが、この発明は、これに限定されないことは言うまでもない。
【0014】
図1−1において、半導体記憶装置では、メモリセルアレイ1のタイミング制御回路として、中央制御回路2とローカル制御回路3とを備えている。中央制御回路2では、この実施の形態に関わる部分として、本来的に備えている動作クロック発生回路5とこの実施の形態による遅延制御回路6とが示されている。ローカル制御回路3では、この実施の形態による可変遅延回路7を備えている。
【0015】
動作クロック発生回路5は、外部クロックextCLKに基づき、読み書き動作時と非読み書き動作時とを規定する動作クロックactCLKを生成し、ローカル制御回路3に与える。
【0016】
遅延制御回路6は、その具体的な構成例は後述するが(図4、図5−4参照)、外部クロックextCLKに基づきn+1ビットのディジタルの遅延制御信号DCTRL[n:0]を生成し、それをn+1ビット並列の状態でローカル制御回路3に与える。
【0017】
この遅延制御回路6は、図1−1では中央制御回路2に設けた場合を示しているが、周辺に存する回路素子を用いて構成することも可能である。図1−2は、そのようにして構成した遅延制御回路6を中央制御回路2の外に設けた場合を示している。この場合でも、遅延制御回路6が生成する遅延制御信号DCTRL[n:0]は、中央制御回路2を経由してローカル制御回路3に与える。以下に示す他の実施の形態では、この図1−2の構成を用いて説明している。
【0018】
ローカル制御回路3に設けた可変遅延回路7は、例えば図2や図3に示す構成によって中央制御回路2から動作クロックactCLKと遅延制御信号DCTRL[n:0]とを受けて、遅延値を制御しつつ全てのアレイ制御信号(RXT、SO、BLEQ等)を生成し、メモリセルアレイ1の各部に供給する。なお、RXTはワード線活性化信号であり、SOはセンスアンプ活性化信号であり、BLEQはワード線イコライズ信号である。
【0019】
遅延制御回路6は、可変遅延回路7の構成と関連付けて構成することもできる(図4)ので、まず、図2や図3を参照して、可変遅延回路7の構成例について説明する。なお、遅延制御信号DCTRL[n:0]は、DCTRL[0]、DCTRL[1]、DCTRL[2]の3ビットであるとしている。
【0020】
図2では、CMOSインバータを用いた電流制限型の可変遅延回路が示されている。図2に示す可変遅延回路7は、単位遅延回路10を多段に接続して構成されている。単位遅延回路10は、動作クロックactCLKが入力端に印加されるCMOSインバータ(Q1,Q2)と、CMOSインバータ(Q1,Q2)の出力端に入力端が接続されるCMOSインバータ(Q7,Q8)とを備えている。このように2つのCMOSインバータ(Q1,Q2)(Q7,Q8)を直列に接続した構成とするのは、入出力の論理値を揃えるためである。
【0021】
そして、CMOSインバータ(Q1,Q2)では、NMOSトランジスタQ2のソース電極と接地との間に、3つの電流制限用のNMOSトランジスタQ3,Q4,Q5が並列に接続されている。NMOSトランジスタQ3,Q4,Q5のゲート電極には、遅延制御信号DCTRL[0]、DCTRL[1]、DCTRL[2]が印加される。これによって、NMOSトランジスタQ3,Q4,Q5の全部または一部がオン動作して出力端を流れる電流値が変化し、遅延量を可変することができる。
【0022】
また、CMOSインバータ(Q7,Q8)では、NMOSトランジスタQ8のソース電極と接地との間に、3つの電流制限用のNMOSトランジスタQ9,Q10,Q11が並列に接続されている。NMOSトランジスタQ9,Q10,Q11のゲート電極には、遅延制御信号DCTRL[0]、DCTRL[1]、DCTRL[2]が印加される。これによって、NMOSトランジスタQ9,Q10,Q11の全部または一部がオン動作して出力端を流れる電流値が変化し、遅延量を可変することができる。
【0023】
ここで、電流制限用トランジスタ(Q3,Q4,Q5)(Q9,Q10,Q11)の各サイズ(電流駆動能力)は、互いに異なっている必要はなく全て同じでもよいが、図2では、サイズ比を2のべき乗比として構成した場合(例えば、Q3,Q4,Q5のサイズ比は各トランジスタの左上に記載される数値に従い1:2:4となる)が示されている。結局、電流制限用トランジスタ(Q3,Q4,Q5)(Q9,Q10,Q11)の各サイズは、必要な遅延値の範囲によって最適化したサイズのトランジスタを用いることになる。図2に示した構成によれば、遅延制御信号DCTRL[2:0]の値が1〜7になるのに対応して、制限電流の値を1〜7に変化させることが可能となる。
【0024】
以上のように構成される単位遅延回路10を多段に接続した可変遅延回路7では、所定の遅延段から、アレイ制御信号RXT、SO、BLEQ等が出力される。
【0025】
次に、図3は、多段に接続する単位遅延回路を固定の遅延値を持つ遅延素子を用いて構成した例が示されている。図3において、入力端INから出力端OUTまでの間に3つセレクタ(SEL)11,12,13が配置される。セレクタ(SEL)11は、遅延制御信号DCTRL[0]に従って入力端INからの直接ルートと1つの遅延素子(DLY)14を経由するルートとの一方を選択する。セレクタ(SEL)12は、遅延制御信号DCTRL[1]に従ってセレクタ(SEL)11の出力端からの直接ルートと2つの遅延素子(DLY)14を経由するルートとの一方を選択する。セレクタ(SEL)13は、遅延制御信号DCTRL[2]に従ってセレクタ(SEL)12の出力端からの直接ルートと4つの遅延素子(DLY)14を経由するルートとの一方を選択して出力端OUTに送出する。遅延素子(DLY)14の個数と配置態様は、任意であるが、図3では、図2の例に倣って2のべき乗の関係で配置した場合が示されている。
【0026】
次に、図4を参照して、遅延制御回路6の構成例について説明する。図4に示す遅延制御回路6は、内部クロックintCLKを生成するリングオシレータ15と、外部クロックextCLKとリングオシレータ15が生成する内部クロックintCLKとの位相を比較してn+1ビットの遅延制御信号DCTRL[n:0]を生成するディジタル位相比較回路16とで構成されている。
【0027】
リングオシレータ15は、インバータ18とn段の単位遅延回路19(19−1〜19−n)とをリング状に接続して構成されている。n段の単位遅延回路19(19−1〜19−n)は、それぞれ、可変遅延回路7における単位遅延回路と同じ構成である。図4では、n段の単位遅延回路19(19−1〜19−n)は、それぞれ図2に示した電流制限型の可変遅延回路における単位遅延回路10にて構成した場合が示されている。
【0028】
n段の単位遅延回路19(19−1〜19−n)における1段当たりの遅延値をdとすると、n段構成での内部クロックintCLKの周期はd×2nとなる。そして、ディジタル位相比較回路16によって外部クロックextCLKと内部クロックintCLKとの位相が揃っていると判断された場合は、この1段当たりの遅延値dは、外部クロックextCLKの周期をTとすると、d=T/2nとなる。
【0029】
この構成によれば、遅延制御回路6のリングオシレータ15における単位遅延回路19と可変遅延回路7における単位遅延回路10とは同じ構成であるので、遅延制御信号DCTRL[n:0]に対して同じ値を入力することで、正確に遅延値dをd=T/2nの値に制御することが可能になる。また、この遅延値dは、外部クロックextCLKの周期Tによってのみ決定されるので、PVT[製造プロセス(Process)、電源電圧(Voltage)、周囲温度(Temperature)]の変動によるばらつきの問題は起こらない。そして、遅延制御信号DCTRL[n:0]は、ディジタル信号であるので、遅延制御回路6からローカル制御回路3内の可変遅延回路7までの配線経路が長くてもノイズの影響を受けないようになる。
【0030】
次に、図5−1〜図5−3を参照して、ディジタル位相比較回路16の構成例について説明する。図5−1では、基本部分である2クロックの位相を測定する回路例が示されている。すなわち、図5−1に示す位相測定回路は、選択回路(SEL)21と、選択回路(SEL)21の出力が並列に入力される複数個(図示例では50個)のフリップロップ22と、固定の遅延値を持つ遅延素子DLYの複数個(図示例では50個)を直列に接続した遅延回路23とを備えている。
【0031】
選択回路(SEL)21は、外部から与えられる選択信号SELに従って外部クロックextCLKと内部クロックintCLKとの一方を選択して出力する。遅延回路23には、外部クロックextCLKが入力される。図示例では、各遅延素子DLYが持つ遅延値は、1サイクルの1/50である。遅延回路23の各遅延段から取り出される遅延信号PDX1〜PDX50は、対応するフリップロップ22のクロック入力端に与えられる。
【0032】
これによって、外部クロックextCLKまたは内部クロックintCLKが並列に入力する50個のフリップフロップ22の出力端には、遅延回路23にて1サイクルの1/50ずつずらして生成した遅延信号PDX1〜PDX50のタイミングで取り込んだ位相値PDO1〜PDO50が保持出力される。
【0033】
この保持された位相値PDO1〜PDO50は、選択回路(SEL)21にて選択された外部クロックextCLKまたは内部クロックintCLKにおける遅延信号PDX1〜PDX50のタイミングでの論理値を示している。したがって、この保持された位相値PDO1〜PDO50によって、外部クロックextCLKと内部クロックintCLKの位相関係をディジタル値として求めることができる。
【0034】
また、図5−2では、2クロックの位相比較後の位相差を図5−1に示した位相測定回路に適用してディジタル値を求める位相比較型回路の構成例が示されている。すなわち、図5−2において、一般的な位相比較回路に外部クロックextCLKと内部クロックintCLKとを与えて位相差を検出し、その位相差をパルス幅とするパルス信号PDUを得る。そして、パルス信号PDUを図5−1に示した位相測定回路における各フリップフロップ22に入力させる。遅延回路22には、外部クロックextCLKと内部クロックintCLKのいずれかを与える。選択回路21は不使用である。
【0035】
これによって、各フリップフロップ22では、パルス信号PDUの期間内では、“1”を出力し、パルス信号PDUの期間を過ぎると“0”を出力する。図5−2に示す例では各フリップフロップ22は、“1111000”を出力する。したがって、位相値PDO1〜PDO50の中で、“1”である個数をカウントすれば、パルス信号PDUの幅、つまり位相差を測定することができ、“1”の数に応じて遅延制御信号DCTRLを制御することができる。
【0036】
また、図5−3では、図5−1に示した位相測定回路に用いて直接的にディジタル値を求める位相測定型回路の構成例が示されている。すなわち、選択回路21では、外部クロックextCLKと内部クロックintCLKとを定期的に切り換えて出力するような選択信号を与える。
【0037】
各遅延素子DLYが持つ遅延値は、上記のように、外部クロックextCLKの1サイクルの1/50であるとする。そうすると、選択回路21が外部クロックextCLKを選択した場合、位相値PDO1〜PDO25には“1”が出力され、位相値PDO26〜PDO50には“0”が出力される。一方、選択回路21が内部クロックintCLKを選択した場合には、内部クロックintCLKの位相の遅れに応じて位相値PDOは変化する。
【0038】
図5−3では、選択回路21が内部クロックintCLKを選択した場合、位相値PDO1〜PDO14までは“0”が出力され、位相値PDO15以降で“1”が出力されるとしている。この場合、外部クロックextCLKと内部クロックintCLKの位相差は遅延素子DLYの数に換算すると、14個に相当している。したがって、外部クロックextCLKと内部クロックintCLKの位相差は、(1サイクル/50)×14である。この値14を元に遅延制御信号DCTRLを決定することができる。
【0039】
このように、図5−3に示すディジタル位相比較回路16では、遅延制御信号DCTRLは、周期的に更新される。更新周期の具体例としては、選択回路21に、例えば外部クロックextCLKを分周した周期信号を与え、例えば1クロック周期毎に切り換えさせる例を挙げることができる。
【0040】
また、DRAMでは、メモリセルの記憶情報を保持するために、一定間隔毎にリフレッシュ動作を行っているので、そのリフレッシュ信号を選択回路21に与え、リフレッシュコマンドが実行される毎に切り換えさせることもできる。遅延制御信号DCTRLの更新周期がリフレッシュ間隔程度で十分である場合には、リフレッシュ信号を用いて外部クロックextCLKと内部クロックintCLKと切り換える例は有効である。半導体記憶装置を通常使用する条件下では、電圧変化または温度変化は、ミリ秒のオーダーであり、リフレッシュサイクル毎に遅延制御信号DCTRLを更新することで、十分に最適な遅延値を得ることが可能である。
【0041】
次に、図5−4は、遅延制御回路6の他の構成例を説明する図である。図5−4では、PVTの条件を適用したシミュレーション値と実際の遅延回路での値との位相差をモニターすることによって、遅延制御信号DCTRLを制御する例が示されている。
【0042】
図5−4において、外部クロックextCLKを固定の遅延値を持つ遅延素子DLYで多段に遅延する遅延回路では、各遅延素子DLYは、PVTの条件がtypical(代表値)である場合に、途中に存する遅延段P3においてクロックCLKを丁度1サイクルだけ遅延して出力することになるような微少の遅延値を持っている。そして、ここでは、この遅延段P3を中心に、時間的に先の2つの遅延段P1,P2と、時間的に後の2つの遅延段P4,P5との都合5つの遅延段P1〜P5を取り上げる。
【0043】
中央の遅延段P3での遅延出力DLYTは、PVTの条件がtypical(代表値)である場合には、上記のように外部クロックextCLKと同相である。この着目する遅延段P3の遅延出力DLYTに対して、遅延段P1の遅延出力はDLYT/1.2(DLYTの1/1.2倍)であり、遅延段P2の遅延出力はDLYT/1.1(DLYTの1/1.1倍)であり、遅延段P4の遅延出力はDLYT/0.9(DLYTの1/0.9倍)であり、遅延段P5の遅延出力はDLYT/0.8(DLYTの1/0.8倍)である。
【0044】
図5−4に示すタイムチャートでは、PVTの条件がtypical(代表値)である場合に遅延回路に入力される外部クロックextクロックCLKの波形および遅延段P1,P2,P4,P5の出力を1サイクルだけ遅延した地点で測定した波形とが示されている。遅延段P3にてモニターした値TYPは、“DLYT1/1.2,DLYT1/1.1,DLYT1/0.8,DLYT1/0.9”=“1,1,0,0”である。
【0045】
PVTの変動によって、遅延素子DLYの遅延値が、例えば1.1倍に変化した場合には、遅延段P3にてモニターした値TYPは、上記と同様に“DLYT1/1.2,DLYT1/1.1,DLYT1/0.8,DLYT1/0.9”=“1,0,0,0”となる。このように、外部クロックextCLKを微少に遅延させた値をモニターすることによってPVTの変動量を測定することが可能となるので、その値に応じて遅延制御信号DCTRLを制御することができる。
【0046】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、メモリセルアレイの各部に供給するアレイ制御信号は、ローカル制御回路に設けたディジタル制御が可能な可変遅延回路にて全て生成するようにし、中央制御回路からはディジタルの遅延制御信号を供給するだけであるので、メモリセルアレイの各部に供給するアレイ制御信号間の位相差は生じない。
【0047】
このとき、ローカル制御回路に設けた可変遅延回路での遅延値は、中央制御回路から供給するディジタルの遅延制御信号によって、製造プロセスや電源電圧、周囲温度の変動に影響されない形で正確に制御することができる。したがって、設計時の大幅な省力化が可能となり、設計時間を短縮することができる。
【0048】
また、ローカル制御回路に設けた可変遅延回路での遅延値は、広範囲に渡って制御可能であるので、当該半導体記憶装置が動作している状態における電源電圧や周囲温度の変化に対して、最適な遅延値を生成することが可能となる。
【0049】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における可変遅延回路であるレベルシフト型可変遅延回路の構成を示す回路図である。
【0050】
図6において、PMOSトランジスタ31のソース電極は電圧VDDHの電源に接続され、PMOSトランジスタ31のドレイン電極はNMOSトランジスタ32のドレイン電極に接続されている。PMOSトランジスタ36のソース電極は電圧VDDHの電源に接続され、PMOSトランジスタ36のドレイン電極はNMOSトランジスタ37のドレイン電極に接続されている。入力端inはNMOSトランジスタ32のゲート電極に直接接続されるとともに、インバータ41を介してNMOSトランジスタ37のゲート電極に接続されている。PMOSトランジスタ31のドレイン電極とNMOSトランジスタ32のドレイン電極との接続端にはPMOSトランジスタ36のゲート電極が接続されている。また、PMOSトランジスタ36のドレイン電極とNMOSトランジスタ37のドレイン電極との接続端は出力端outを構成するとともに、PMOSトランジスタ31のゲート電極が接続されている。
【0051】
そして、NMOSトランジスタ32のソース電極と接地との間には、NMOSトランジスタ33,34,35が並列に接続され、また、NMOSトランジスタ37のソース電極と接地との間には、NMOSトランジスタ38,39,40が並列に接続されている。NMOSトランジスタ33〜35のゲート電極と、NMOSトランジスタ38〜40のゲート電極とには、それぞれディジタル値DCTRL[0]、DCTRL[1]、DCTRL[2]が印加される。
【0052】
ここで、電源電圧VDDHは、例えば3.3Vである。一方、入力端inに印加される信号は、例えば1.2Vを基準にした信号である。すなわち、出力端outには、入力端inに印加される1.2Vを基準にした信号が3.3Vを基準にした信号に変換され、かつ遅延量がディジタル値DCTRL[0]、DCTRL[1]、DCTRL[2]で制御されて出力される。
【0053】
例えば、半導体記憶装置では、中央制御回路およびローカル制御回路の一部では、例えばVDDL=1.2Vなどの電源電圧で動作するのに対して、アレイ制御信号の一部(ビット線イコライズ信号BLEQ、ワード線リセット信号XRSTなど)は、例えばVDDH=3.3Vで動作しているので、そのようなビット線イコライズ信号BLEQ、ワード線リセット信号XRSTなどは、レベルシフトしてメモリセルアレイに供給する必要がある。
【0054】
そのとき、電源電圧VDDLと電源電圧VDDHとは、互いに独立して変動するので、それらの電圧条件のばらつきによって、レベルシフト回路を通過する信号の遅延値は、電源電圧VDDLによって制御されている遅延回路とは異なった電圧依存性を示す。
【0055】
そこで、この実施の形態2では、可変遅延回路7として、図6に示すように、レベルシフト機能と遅延制御機能とを併せ持つレベルシフト型可変遅延回路の構成を採るようにしたので、電源電圧の相違による遅延のばらつきを抑えることが可能となる。
【0056】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路からローカル制御回路に与える動作クロックの転送方式の構成を示すブロック図である。図8は、図7に示す2相動作クロック発生回路と単発パルス発生回路との構成を説明する図である。
【0057】
図7において、この実施の形態3では、中央制御回路2に2相動作クロック発生回路43が設けられ、ローカル制御回路3に2相動作クロック発生回路43の出力を受けて単発パルスを可変遅延回路7に供給する単発パルス発生回路44が設けられている。
【0058】
2相動作クロック発生回路43は、図8の左端側に示すように、動作クロックactCLKと、この動作クロックactCLKから所定時間tだけ遅延した動作クロックactCLK_nとを発生する。
【0059】
単発パルス発生回路44は、図8の右端側に示すように、例えばセレクタ45とフリップフロップ46とで構成される。セレクタ45の2つの信号入力端には、2相動作クロック発生回路43の2出力が入力される。セレクタ45の制御信号入力端は、フリップフロップ46のデータ入力端Dと反転データ出力端QCとが接続されている。そして、セレクタ45の出力端は、フリップフロップ46のクロック入力端に接続されている。
【0060】
単発パルス発生回路44では、この構成によって、フリップフロップ46のデータ出力端Qから、動作クロックactCLKの立ち下がりエッジから動作クロックactCLK_nの立ち下がりエッジまでの所定時間t内、論理値“1”となる単発パルスが出力される。
【0061】
図1−1や図1−2に示した動作クロックactCLKは、アレイ制御信号を生成するための基準となる信号である。この信号の伝播遅延が変動すると、アレイ制御信号の変動を引き起こす。
【0062】
そこで、この実施の形態3では、中央制御回路はローカル制御回路に供給する基準信号を2相で転送するようにした。これによって、中央制御回路における該当信号のドライバ(PMOS/NMOS)のドライブ能力のばらつきを無くすことが可能となるので、より正確に基準信号の転送が行えるようになる。
【0063】
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路からローカル制御回路に与える遅延制御信号の転送方式の構成を示すブロック図である。
【0064】
図9において、中央制御回路2側では、遅延制御回路6の出力段に、パラレル・シリアル変換回路(P/S)51が設けられている。対応してローカル制御回路3では、可変遅延回路7の入力段にシリアル・パラレル変換器52が設けられている。
【0065】
この構成によれば、遅延制御回路6が出力するn+1ビット並列の遅延制御信号DCTRL[n:0]がP/S51にてビット直列の信号に変換され、S/P52にて再びn+1ビット並列の遅延制御信号DCTRL[n:0]が復元され、可変遅延回路7に供給される。
【0066】
すなわち、この実施の形態4では、中央制御回路からローカル制御回路に転送する遅延制御信号の配線本数を大幅に削減することができるので、遅延制御回路が生成する遅延制御信号のビット幅を増加させることが容易に行える。つまり、より精度の高い遅延制御を実施するために遅延制御信号のビット幅を増加させることが容易に行えるようになる。
【0067】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路がローカル制御回路の出力結果をモニターする方式の構成を示すブロック図である(その1)。
【0068】
図10において、中央制御回路2側に設けられる遅延制御回路55には、可変遅延回路7が生成するアレイ制御信号の一部、例えばビット線イコライズ信号BLEQがフィードバック信号56として入力されている。
【0069】
遅延制御回路55は、遅延制御回路6と同様に遅延制御信号DCTRL[n:0]を生成出力する機能を有するとともに、フィードバック信号56によってレベルシフト回路の遅延などを含むより正確な遅延情報を得て、それを遅延制御に反映させる機能を有している。
【0070】
このように、この実施の形態5によれば、遅延制御回路は可変遅延回路での実際の遅延状態をモニターすることができる。
【0071】
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路がローカル制御回路の出力結果をモニターする方式の構成を示すブロック図である(その2)。
【0072】
図11において、中央制御回路2側に設けられる遅延制御回路60には、遅延制御回路6は図してないが、この遅延制御回路6の入力段に、レベルシフト回路61と位相比較回路62とが設けられている。レベルシフト回路61は、外部クロックextCLKをレベル変換する。このレベルシフト回路61は、遅延のばらつきの大きい回路である。位相比較回路62は、直接入力する外部クロックextCLKの位相とレベルシフト回路61から入力する外部クロックextCLKの位相とを比較し、その比較結果を図示しない遅延制御回路6に与える。図示しない遅延制御回路6では、レベルシフト回路61での遅延情報を加味した遅延制御信号DCTRL[n:0]を生成することになる。
【0073】
また、ローカル制御回路3では、可変遅延回路7の出力段にレベルシフト回路63が設けられている。このレベルシフト回路63は、レベルシフト回路61と同一の回路(レプリカ回路)である。
【0074】
すなわち、実施の形態6では、可変遅延回路の出力段に遅延のばらつきが大きいレベルシフト回路を設け、同時にそのレプリカ回路を遅延制御回路に設けたので、遅延制御回路では可変遅延回路が生成する制御信号の位相をモニターすることができ、より最適な遅延値を得ることが可能となる。
【0075】
なお、実施の形態6では、遅延制御回路内にレプリカ回路を設ける場合を示したが、その他、例えば、チップのパッド部の下層に配置することでもよい。パッド部では、上層メタル配線のみが使用されているケースが多いので、その下層にレプリカ回路を配置することで、チップ面積の有効活用が図れる。
【0076】
以上の各実施の形態では、半導体記憶装置を念頭に説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、広く半導体集積回路装置に適用することができるものである。
【0077】
加えて、各実施の形態では、遅延制御信号はディジタル信号であるとして説明したが、アナログ信号としても同様に実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、この発明にかかる半導体集積回路装置のタイミング制御回路は、制御対象回路に与える制御信号のタイミングを製造プロセスや電源電圧、周囲温度の変動に影響されない形で正確に制御するのに有用であり、特に、半導体記憶装置でのタイミング制御に適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1−1】この発明の実施の形態1による半導体集積回路装置のタイミング制御回路の構成を示すブロック図である(その1)。
【図1−2】この発明の実施の形態1による半導体集積回路装置のタイミング制御回路の構成を示すブロック図である(その2)。
【図2】図1−1、図1−2に示す可変遅延回路の構成例を示す回路図である(その1)。
【図3】図1−1、図1−2に示す可変遅延回路の構成例を示す回路図である(その2)。
【図4】図1−1、図1−2に示す遅延制御回路の構成例を示す回路図である。
【図5−1】図4に示すディジタル位相比較回路の構成例(その1)を説明する回路図である。
【図5−2】図4に示すディジタル位相比較回路の構成例(その2)を説明するタイムチャートである。
【図5−3】図4に示すディジタル位相比較回路の構成例(その3)を説明するタイムチャートである。
【図5−4】図1−1、図1−2に示す遅延制御回路の他の構成例を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態2による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における可変遅延回路であるレベルシフト型可変遅延回路の構成を示す回路図である。
【図7】この発明の実施の形態3による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路からローカル制御回路に与える動作クロックの転送方式の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す2相動作クロック発生回路と単発パルス発生回路の構成を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態4による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路からローカル制御回路に与える遅延制御信号の転送方式の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態5による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路がローカル制御回路の出力結果をモニターする方式の構成を示すブロック図である(その1)。
【図11】この発明の実施の形態6による半導体集積回路装置のタイミング制御回路における中央制御回路がローカル制御回路の出力結果をモニターする方式の構成を示すブロック図である(その2)。
【符号の説明】
【0080】
1 メモリセルアレイ(制御対象回路)
2 中央制御回路(主制御回路)
3 ローカル制御回路(副制御回路)
5 動作クロック発生回路
6 遅延制御回路
7 可変遅延回路
10 単位遅延回路
11,12,13 セレクタ(SEL)
14 遅延素子(DLY)
15 リングオシレータ
16 ディジタル位相比較回路
18 インバータ
19−1〜19−n 単位遅延回路
21 セレクタ(SEL)
22 フリップフロップ
23 遅延素子(DLY)
31,36 PMOSトランジスタ
32〜35,37〜40 NMOSトランジスタ
41 インバータ
43 2相動作クロック発生回路
44 単発パルス発生回路
45 セレクタ
46 フリップフロップ
51 パラレル・シリアル変換回路(P/S)
52 シリアル・パラレル変換回路(S/P)
55 遅延制御回路
60 遅延制御回路
61 レベルシフト回路
62 位相比較回路
63 レベルシフト回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部クロックに基づき基準信号を生成する主制御回路と、半導体集積回路装置内の各部に各種の制御信号を分配する副制御回路とを備える半導体集積回路装置のタイミング制御回路において、
前記主制御回路側に、遅延値を制御するディジタル値からなる遅延制御信号を生成する遅延制御回路を設け、当該主制御回路から前記副制御回路に対して、前記基準信号と前記遅延制御信号とを供給し、
前記副制御回路に、遅延値がディジタル値で制御される単位遅延回路を多段に接続して構成され、前記各種の制御信号を、前記基準信号を前記遅延制御信号のディジタル値が示す所定の遅延値だけ遅延したタイミングで生成する可変遅延回路を設けた、
ことを特徴とする半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項2】
前記可変遅延回路における単位遅延回路は、
CMOSで構成されるインバータ回路と、
当該インバータ回路と接地との間に並列に接続され、そのオン・オフ動作が前記ディジタル値で制御される複数の電流制限用トランジスタと、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項3】
前記可変遅延回路における単位遅延回路は、
入力端と出力端との間に、前記ディジタル値の対応するビットの論理値に応じて、固定の遅延量を与える1以上の遅延手段を経由するルートと前記遅延手段を経由しない直接ルートとを選択する選択回路の複数個が直列に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項4】
前記遅延制御回路は、
遅延値がディジタル値で制御される単位遅延回路の複数個をリング状に接続したリングオシレータと、
前記リングオシレータが出力する内部クロックと外部クロックとの位相比較に基づき前記遅延制御信号のディジタル値を生成する位相比較回路と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項5】
前記リングオシレータにおける単位遅延回路は、前記可変遅延回路における単位遅延回路と同じ構成である、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項6】
前記位相比較回路は、
外部から与えられる選択信号に従って前記外部クロックと前記内部クロックとの一方を選択する選択回路と、
前記外部クロックを固定の微少遅延量で多段に遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の各遅延段から取り出されるクロックによって前記選択回路の出力を並列に取り込み保持する複数のフリップフロップと、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項7】
前記位相比較回路は、
前記外部クロックと前記内部クロックとの位相差を検出し、その位相差をパルス幅とするパルス信号を発生する回路と、
前記外部クロックを固定の微少遅延量で多段に遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の各遅延段から取り出されるクロックによって前記パルス信号を並列に取り込み保持する複数のフリップフロップと、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項8】
前記位相比較回路は、
一定の周期で前記外部クロックと前記内部クロックとを交互に選択する選択回路と、
前記外部クロックを固定の微少遅延量で多段に遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の各遅延段から取り出されるクロックによって前記選択回路の出力を並列に取り込み保持する複数のフリップフロップと、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項9】
前記一定の周期は、前記外部クロックを分周したクロック周期、または、当該半導体集積回路装置がダイナミック型の半導体記憶装置であるときはリフレッシュ周期である、ことを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項10】
前記遅延制御回路は、前記外部クロックを固定の微少遅延量で多段に遅延する遅延回路において、注目する遅延段での出力タイミングにてその前後に存する所定数の遅延段の各出力クロックをモニターし、そのモニター値を前記遅延制御信号のディジタル値とするように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項11】
前記可変遅延回路は、レベルシフト機能と前記ディジタル値に基づく遅延値の制御機能とを一体的に実現するレベルシフト型可変遅延回路である、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項12】
前記主制御回路に、外部クロックに基づき2相の基準信号を生成する回路を設け、
前記副制御回路に、前記2相の基準信号をエッジ検出によって単発パルスに変換し前記可変遅延回路に供給する回路を設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項13】
前記主制御回路側に、前記遅延制御回路が出力するビット並列の遅延制御信号をビット直列の遅延制御信号に変換する回路を設け、
前記副制御回路に、前記ビット直列の遅延制御信号をビット並列の遅延制御信号に変換し前記可変遅延回路に供給する回路を設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項14】
前記遅延制御回路には、前記可変遅延回路が生成する制御信号の一部がフィードバックされることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項15】
前記副制御回路には、前記可変遅延回路の出力段に遅延のばらつきが大きいレベルシフト回路が設けられ、
前記主制御回路側には、前記レベルシフト回路と同一構成のレプリカ回路と、前記レプリカ回路を経由した外部クロックと直接入力した前記外部クロックとの位相比較を行う回路とが設けられ、前記遅延制御回路はその位相比較の結果を受けて前記レプリカ回路での遅延量を加味して前記遅延制御信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。
【請求項16】
前記レプリカ回路は、回路チップのパッド部下層に配置されている、ことを特徴とする請求項15に記載の半導体集積回路装置のタイミング制御回路。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−93748(P2006−93748A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270488(P2004−270488)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】