説明

圧電発振器

【課題】周波数可変量を容易に調整可能な電圧制御型圧電発振器の提供。
【解決手段】電圧制御型水晶発振器10は、水晶振動子X1と、この水晶振動子X1を発振させる発振回路などを含む半導体回路素子としてのICチップ40と、水晶振動子X1に直列に接続されたインダクタンスL1、を有している。インダクタンスL1は、水晶振動子X1及びICチップ40を収容する積層回路基板としてのパッケージの層間に設けられたインダクタ回路パターン、及び、そのインダクタ回路パターンの始端から終端の間に設けられた複数の第1引出端子から層内配線などによりパッケージの表面に引き出されたボンディングパッドa〜dを用いている。ボンディングパッドb,c,dのいずれかと、ICチップ40の電極パッド45とがボンディングワイヤー37により接続され、インダクタンスL1の終端aが水晶振動子X1に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数制御デバイスなどとして使用される圧電発振器に関し、特に、電圧制
御型の圧電発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、圧電振動片をパッケージ内に気密封止して構成された表面実装型の圧電デバ
イスが広く用いられている。ここで、圧電振動片は、水晶などの圧電体基板を所定の角度
及び厚さに切り出した薄板が固有の共振周波数を有する特性を利用するもので、例えば、
圧電体基板を所謂ATカットと呼ばれるカット角にて切り出した薄板を用いた厚み滑り振
動をするATカット水晶振動片などが利用される。
このような水晶振動片を用いた圧電デバイスとして、例えば、水晶振動片と、その水晶
振動片を発振させる発振回路を含む半導体回路素子などの電子部品とを同一パッケージ内
に接合して封止した表面実装型の水晶振動子を用いた圧電発振器としての水晶発振器が、
周波数や時間などの基準源として広く用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、上記した電圧制御型の水晶発振器は、周波数安定度が高く、経年変化を補正し得
る周波数制御ができるなどの優れた特性を有していることから、近年、移動体通信機器や
伝送通信機器などの各種通信機器に広く利用されている。図9は、従来の電圧制御型水晶
発振器の一例を示す回路図であり、X1は水晶振動子、A1は増幅器、Ca及びCbはコンデ
ンサー、D1は可変容量ダイオード、INは制御電圧入力端子、Rdは制御電圧印加用抵抗
、OUTは電圧制御型水晶発振器の周波数出力端子をそれぞれを表す。
また、水晶振動子X1の一般的な等価回路は図7のように表される。図7において、L1
は等価直列インダクタンス、C1は等価直列容量、R1は等価直列抵抗、C0は並列容量で
ある。
水晶振動子X1からみた増幅器A1を含む回路側の負荷容量(合成容量)をCLとし、容
量比をγ(C0/C1)とすると、この負荷容量CLによる共振周波数f0の変化量Δf/f
0は周知の次式で表される。
Δf/f0=C0/(2γ(C0+CL))
即ち、電圧制御型水晶発振器の周波数は、発振ループ中の負荷容量によりその共振周波
数が変化する。
また、可変容量ダイオードD1は、その2端子間に印加する逆電圧に応じて容量値が変
化するダーオードである。したがって、可変容量ダイオードD1を発振ループ中に挿入し
、その印加電圧を変化させることによって発振周波数を制御することができる。
【0004】
また、周波数可変範囲をさらに広げ、且つ、周波数可変範囲の調整が行えるように、水
晶振動子に直列にインダクタンスLを接続する構成の電圧制御型の水晶発振器が、例えば
特許文献2に開示されている。このような目的で発振ループに挿入するインダクタンスL
を一般的に伸長コイル(あるいは、単に「コイル」)と称する。これは、水晶振動子X1
に直列にインダクタンスLを接続すると、共振周波数はインダクタンスLを挿入する以前
の周波数よりも低くなるが、反共振周波数は変化しないため、共振・反共振周波数間隔が
広がるという原理に基づくものである。
また、特許文献2の電圧制御型の水晶発振器では、発振ループに挿入するインダクタン
スLとして、チップインダクタからなる粗調整用のコイルAと、トリミング用のコイルか
らなる微調整用のコイルBとが、水晶振動子に直列に接続されている。コイルAを、所望
の発振周波数及び周波数可変量の近傍に合わせるように装荷しておき、さらにコイルBを
レーザー照射することなどによりトリミングしてインダクタンス値の微調整を行うことに
より、所望の発振周波数及び周波数可変量に合わせ込むことができるようになっている。
【0005】
近年、光デジタル通信網や移動体通信網などの普及に伴い、より周波数安定度が高く、
且つ、広い周波数可変幅を有する電圧制御型水晶発振器の需要が増大している。これは、
例えば、網同期においてPLL(Phase Locked Loop)発振器を構成するローカル発振器
として電圧制御型水晶発振器を用いた場合、これを構成する水晶振動片やその他の電子部
品が経年劣化することによって周波数がシフトしても、周波数可動幅が十分に広ければ、
PLL発振器に供給される基準発振周波数に同期させることができるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−374146号公報
【特許文献2】特開2008−177981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の電圧制御型の水晶発振器では、水晶発振器の回路基板にチ
ップインダクタを実装する必要があることや、微調整用のトリミング用のコイルをトリミ
ングするためのレーザー照射装置など、設備や製造工程の増設が必要になるという課題が
あった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
〔適用例1〕本適用例にかかる圧電発振器は、圧電振動片と、前記圧電振動片を発振さ
せるための発振回路を含む半導体回路素子と、前記圧電振動片及び前記半導体回路素子が
電気的に接続される回路パターンを含む回路基板と、を有する圧電発振器であって、前記
回路パターンは、前記圧電振動片に直列に接続されるインダクタ回路パターンを含み、前
記回路基板の表面に、前記インダクタ回路パターンの始端から終端の間の複数のポイント
から引き出された複数のボンディングパッドが設けられ、前記半導体回路素子と前記ボン
ディングパッドとがワイヤーボンディングにより接続されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、複数のボンディングパッドのうち、ワイヤーボンディングするボン
ディングパッドを選択することにより、圧電振動片に直列に接続されるインダクタ回路パ
ターンの長さを変えてインダクタ値を調整し、圧電発振器の周波数可変量を調整すること
ができる。したがって、インダクタ素子を接合したり、レーザー照射などの製造工程及び
設備を増設させたりする必要がなくなり、比較的容易に、所望の周波数可変量に調整され
た圧電発振器を提供することができる。
【0011】
〔適用例2〕上記適用例にかかる圧電発振器において、前記回路基板が積層回路基板で
あり、前記積層回路基板の層間に前記インダクタ回路パターンが形成され、前記インダク
タ回路パターンと前記ボンディングパッドとがスルーホールまたはビアホールにより接続
されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、インダクタ回路パターンが回路基板の表面から絶縁されるとともに
、圧電振動片及び半導体回路素子とインダクタ回路パターンとを、絶縁された状態で縦配
置することができるので、小型で信頼性の高い圧電発振器を提供することができる。
【0013】
〔適用例3〕上記適用例にかかる圧電発振器において、前記インダクタ回路パターンが
、前記積層回路基板の複数の層間に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成には、複数の層間に形成したインダクタ回路パターンが直列に接続された構成
と、各層間に独立したインダクタ回路パターンを形成し、各々を基板の表面に設けられた
ボンディングパッドに引き出す構成と、を含む。
このような構成によれば、インダクタ回路パターンの長さや形状の自由度が向上するの
で、圧電発振器の周波数可変範囲の調整幅を広くしたり、精度の高い調整を行ったりする
ことが可能になる。
【0015】
〔適用例4〕上記適用例にかかる圧電発振器において、前記インダクタ回路パターンが
、前記積層回路基板の一つの層間に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、簡便な製造工程で製造された積層回路基板を用いて、比較的容易に
、所望の周波数可変量に調整された圧電発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は、本発明の圧電発振器にかかる圧電振動片としての水晶振動片の一実施形態を上側からみて模式的に説明する平面図、(b)は、(a)のA−A線模式平面図。
【図2】(a)は、本発明にかかる圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器の一実施形態を模式的に説明する平面図、(b)は、(a)のB−B線断面図。
【図3】回路基板としてのパッケージの第1層基板の概略平面図。
【図4】パッケージの第2層基板の概略平面図。
【図5】パッケージの概略平面図。
【図6】圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器の回路構成の一例を説明する回路図。
【図7】水晶振動子の等価回路の一例を説明する回路図。
【図8】電圧制御型水晶発振器の製造工程の一例を説明するフローチャート。
【図9】従来の圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器の一例を説明する回路図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器について、図面を参照しながら説明す
る。
【0019】
〔水晶振動片〕
まず、電圧制御型水晶発振器に搭載される圧電振動片としての水晶振動片1について説
明する。図1は、本実施形態の電圧制御型水晶発振器に含まれる水晶振動片1を模式的に
説明するものであり、図1(a)は上側からみた平面図、(b)は(a)のA−A線断面
図である。
図1において、水晶振動片1は、例えば、水晶ブロックから所謂ATカットと呼ばれる
カット角で切り出した水晶基材を、所定の形状に成形した圧電体基板としてのATカット
水晶基板を基材として用いている。また、本実施形態の水晶振動片1は、矩形平板状の水
晶基板の両主面の一部が突出して肉厚部分となる第1及び第2突部5A,5Bを有した所
謂メサ形状を呈している。
【0020】
メサ形状の水晶基板の一方の主面側の第1突部5A上には、駆動用の電極である第1励
振電極15Aが設けられている。また、水晶基板の一端側近傍には第1外部接続電極18
Aが設けられている。第1励振電極15Aと第1外部接続電極18Aとは、第1電極間配
線16Aにより電気的に接続されている。
これと同様に、水晶基板の他方の主面の第2突部5B上には、第1励振電極15Aの対
向電極である第2励振電極15Bが設けられ、水晶基板の一端側近傍の上記第1外部接続
電極18Aと平面視で重ならない領域に設けられた第2外部接続電極18Bとが、第2電
極間配線16Bにより電気的に接続されている。
メサ形状の水晶基板において、第1及び第2励振電極15A,15Bが設けられた第1
及び第2突部5A,5Bからなる肉厚部分は、水晶振動片1の振動部となる。また、第1
及び第2外部接続電極18A,18Bが形成された水晶基板の一端側近傍は、水晶振動片
1をパッケージ20に接合する際の接合部(支持部)となる。
【0021】
なお、第1及び第2励振電極15A,15B、第1及び第2外部接続電極18A,18
B、第1及び第2電極間配線16A,16Bなどの電極や配線は、水晶基板(水晶ウェハ
ー)をエッチングしてメサ型の水晶振動片1の外形を形成した後に、蒸着またはスパッタ
リングにより、例えばニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に
例えば金(Au)による金属膜を成膜し、その後フォトリソグラフィを用いてパターニン
グすることにより形成することができる。
【0022】
〔電圧制御型水晶発振器〕
次に、上記水晶振動片1を用いた電圧制御型水晶発振器について説明する。図2は、上
記の水晶振動片1を用いた電圧制御型水晶発振器の一実施形態を説明するものであり、(
a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。なお、図2(a)では、水晶振
動子の内部の構成を説明する便宜上、水晶振動子の上部に接合される蓋体としてのリッド
30の図示を省略し、リッド30の搭載位置を想像線(二点鎖線)にて示している。また
、図3、図4、及び図5は、電圧制御型水晶発振器に用いる回路基板としてのパッケージ
20の積層構造において、各基板層の具体的な配線例を説明するものであり、図3は第1
層基板の概略平面図、図4は第2層基板の概略平面図、図5は、第1層基板から第6層基
板までが積層されたパッケージの概略平面図である。
【0023】
図2に示すように、電圧制御型水晶発振器10は、回路基板としてのパッケージ20と
、水晶振動片1と、水晶振動片1を駆動させる駆動回路を含む半導体回路素子としてのI
Cチップ40と、を有している。本実施形態の電圧制御型水晶発振器10は、水晶振動片
1とICチップ40とがパッケージ20の凹部内に接合されて封止された、表面実装が可
能な所謂SMD(Surface Mount Device)タイプの水晶発振器である。このようなSMD
タイプの電圧制御型水晶発振器10は、小型、薄型化を図るのに有利である。また、表面
実装部品として規格化されているSMDタイプの電圧制御型水晶発振器10は、例えば、
基板に接合した水晶振動片を筒状のキャップで覆うことにより封止するタイプの水晶振動
子のように、外部接続用のリード線を外部基板の接続端子形状に合わせて切断したり成形
したりする必要がなく、外部基板への搭載の自動化も図りやすいので、実装工程の簡略化
や低コスト化に有利である。
【0024】
パッケージ20は、順次積層された略矩形の平板状の第1層基板21、第2層基板22
、及び第3層基板23と、第3層基板23上に順次積層された略矩形フレーム状の第4層
基板24、第5層基板25、及び第6層基板26を有し、さらに、第6層基板26上には
、略矩形フレーム状のシールリング29が配置される。略矩形フレーム状の第4層基板2
4〜第6層基板26の開口部の大きさが上方にいくに従って大きくなることにより、パッ
ケージ20には、第3層基板23の上面側を凹底部分とし、第4層基板24〜第6層基板
26側に開口した段差を有する凹部が形成されている。
【0025】
このようなパッケージ20の凹部において、凹部の凹底部分となる第3層基板23の上
面には、ICチップ40が載置されるダイパッド61が設けられている。また、パッケー
ジ20の外底面となる第1層基板21の下面には、外部基板との接合に供する外部実装端
子62が設けられている。
また、第4層基板24によりダイパッド61を平面視で囲むように形成される段差上に
は、後述するICチップ40の複数の電極パッド45と対応して接続されるボンディング
パッド57及びボンディングパッド56a〜56d(図5を併せて参照)が設けられてい
る。
さらに、第5層基板25により第4層基板24上に形成される段差上には、水晶振動片
1が接合される複数の振動片接続端子65が設けられている。
なお、これらの各振動片接続端子65やボンディングパッド57およびボンディングパ
ッド56a〜56d、あるいは外部実装端子62などの各端子は、第1層基板21〜第6
層基板26に形成された図示しない引き回し配線またはスルーホールなどの層内配線によ
り、それぞれ対応する端子どうしが接続されて回路配線を形成している。
【0026】
ここで、本実施形態の電圧制御型水晶発振器10において、大きな特徴となっている回
路基板としてのパッケージ20に設けられたインダクタ回路パターンについて、図面に沿
って詳細に説明する。図2(b)および図3に示すように、インダクタ回路パターン50
は、多層構造のパッケージ20の第1層基板21と第2層基板22との層間である第1層
基板21の上面に設けられている。インダクタ回路パターン50は、回路基板としてのパ
ッケージ20に形成された電圧制御型水晶発振器10の発振回路の発振ループに挿入され
るインダクタンスであり、一般に伸長コイルあるいは単にコイルと称される。本実施形態
のインダクタ回路パターン50は、第1層基板21の上面に細長い配線51が一端部から
他端部側へ多数回折り返された形状のコイルとして形成されている。なお、インダクタ回
路パターン50の形状はこれに限らず、配線51によるインダクタ回路パターンの始端か
ら終端までの長さがなるべく長くなる形状であればよく、例えば、渦巻き形状であっても
よい。
【0027】
インダクタ回路パターン50の始端から終端までの間には、所定の間隔で設けられた複
数の第1引出端子51a〜51dを有している。本実施形態のインダクタ回路パターン5
0には、四つの第1引出端子51a,51b,51c,51dが設けられている。
第1引出端子51a,51b,51c,51dは、図4に示す第2層基板22の層内に
形成されたスルーホールまたはビアホールなどの層内配線52a,52b,52c,52
dにより第2層基板22の上面(第3層基板23と積層される面)にそれぞれ引き出され
ている。
第2層基板22の上面に引き出された層内配線52a,52b,52c,52dは、端
子間配線53a,53b,53c,53dをそれぞれ介して、第2層基板22の上面の所
定の位置に設けられた第2引出端子54a,54b,54c,54dに接続されている。
第2層基板22の上面の第2引出端子54a,54b,54c,54dが設けられた所定
の位置とは、図5に示すパッケージ20の第4層基板24の上面(第5層基板25と積層
される面)に設けられたボンディングパッド56a,56b,56c,56dと平面視で
重なる位置である。
【0028】
図5において、第4層基板24の上面に設けられたボンディングパッド56a〜56d
のうち、第2層基板22上に設けられた第2引出端子54dと平面視で重なる位置に設け
られたボンディングパッド56dは、図2(b)に示すように、第3層基板23および第
4層基板24の層内を貫通して形成されたスルーホールまたはビアホールなどの層内配線
55dにより第2引出端子54dと導通がとられている。これと同様に、ボンディングパ
ッド56a,56b,56cは、第3層基板23および第4層基板24の層内を貫通して
形成された層内配線により第2層基板22上の平面視で重なる位置に設けられた第2引出
端子54a,54b,54cのそれぞれと導通がとられている。
また、図2(b)において、上記したように第4層基板24上に設けられたボンディン
グパッド56dと導通がとられている第2層基板22上に設けられた第2引出端子54d
は、端子間配線53d、及び層内配線52dを介して、第1層基板21の上面に設けられ
たインダクタ回路パターン50の第1引出端子51dと導通がとられている。即ち、第1
層基板21上に設けられたインダクタ回路パターン50の複数の第1引出端子51a〜5
1dのうち、第1引出端子51dが、第4層基板24上に設けられたボンディングパッド
56dに引き出されている。これと同様に、図3に示す第1層基板21上のインダクタ回
路パターン50の他の第1引出端子51a,51b,51cのそれぞれは、図4に示す第
2層基板22に設けられた層内配線52a,52b,52c、端子間配線53a,53b
,53c、第2引出端子54a,54b,54c、及び、第3層基板23と第4層基板2
4とを貫通して形成された層内配線(不図示)を介して、図5に示す第4層基板24の上
面に設けられたボンディングパッド56a,56b,56cに引き出されている。
【0029】
本発明の圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器10において、図3に示すパッケー
ジ20の第1層基板21の上面に設けられたインダクタ回路パターン50は、後述するよ
うに、電圧制御型水晶発振器10の圧電振動片としての水晶振動片1に直列に接続される
インダクタンスLを形成するものである。本実施形態では、インダクタ回路パターン50
の複数の第1引出端子51a〜51dのうち、第1引出端子51aをインダクタ回路パタ
ーン50の終端とし、この第1引出端子51aから引き出す引出配線を水晶振動片1に接
続するものとする。したがって、図2(a)および図5では、インダクタ回路パターン5
0の各第1引出端子51a〜51dを第4層基板24の上面のボンディングパッドに引き
出す主旨を説明する便宜上、第1引出端子51aから引き出されるボンディングパッド5
6aを図示したが、ボンディングパッド56aはICチップ40とのワイヤーボンディン
グによる接続に供するものではないので、ボンディングパッド56aを設けることなく、
パッケージ20内に形成する引出配線により水晶振動片1に接続する構成としてもよい。
【0030】
以上、説明したパッケージ20の第1層基板21〜第6層基板26は、セラミックス絶
縁材料などからなる。また、パッケージ20に設けられた各電極、端子、及びインダクタ
回路パターン50、あるいはそれらを電気的に接続する配線パターンや層内配線パターン
などは、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料をセラミ
ックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)
などのめっきを施すことにより形成される。
【0031】
図2(a),(b)において、水晶振動片1を駆動振動させるための駆動回路を含む半
導体回路素子としてのICチップ40は、パッケージ20の凹部の凹底部分に設けられた
ダイパッド61上に、例えばろう材あるいは接着剤(図示せず)によって接着・固定され
ている。また、ICチップ40とパッケージ20とが、ワイヤーボンディング法を用いて
電気的に接続されている。即ち、ICチップ40に設けられた複数の電極パッド45と、
パッケージ20の対応するボンディングパッドとが、ボンディングワイヤー37により接
続されている。ここで、ICチップ40の複数の電極パッド45と対応させて設けられた
パッケージ20のボンディングパッド56a〜56d、及びボンディングパッド57のう
ち、上記に説明したインダクタ回路パターン50の複数の第1引出端子51a〜51dか
ら引き出されたボンディングパッド56a〜56dは周波数可変量の調整に用いられるも
のであり、いずれか一つのみがICチップ40と接続される(詳細は後述する)。本実施
形態では、周波数可変量調整用のボンディングパッド56a〜56dのうち、ボンディン
グパッド56dとICチップ40の電極パッド45とがボンディングワイヤー37により
接続された状態を図示している。
【0032】
水晶振動片1は、その水晶振動片1の保持部となる一端側近傍に設けられた外部接続電
極18A,18Bと、パッケージ20の第5層基板25に設けられた対応する振動片接続
端子65とを位置合わせした状態で、例えば導電性接着剤39などの接合部材により接合
されている。これにより、水晶振動片1は、パッケージ20と接合された外部接続電極1
8A,18B側の反対側を自由端として下方の第4層基板24やICチップ40と接触し
ないように隙間を空けた状態で、外部接続電極18A,18Bが設けられた保持部を固定
端として片持ち支持されている。
なお、接合部材として用いられる導電性接着剤39は、一般に、ポリイミド、シリコン
系、またはエポキシ系などの樹脂に、銀(Ag)フィラメント、またはニッケル(Ni)
粉を混入したものが使用される。また、水晶振動片1を接合する接合部材は導電性接着剤
39に限らず、半田などの他の接合部材を用いることもできる。
【0033】
ICチップ40及び水晶振動片1が接合されたパッケージ20の第6層基板26上には
、蓋体としてのリッド30が接合されている。具体的には、例えば、42アロイ(鉄にニ
ッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケル及びコバルトの合金)等の金
属製のリッド30が、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などをフレーム状に型抜きして形
成されたシールリング29を介してシーム溶接されている。なお、リッド30には、上記
した金属以外に、セラミックス、あるいはガラスなどを用いることができ、例えばガラス
製のリッド30を用いた場合には、低融点ガラスを接合部材として用いるなど、リッド3
0の材料に応じて適宜に接合部材を選定し、パッケージ20とリッド30との接合を行う
ことができる。
【0034】
パッケージ20及びリッド30によって形成されるキャビティーは、水晶振動片1が動
作するための空間となる。このキャビティーは、本実施形態の電圧制御型水晶発振器10
において、減圧空間または不活性ガス雰囲気に密閉・封止することができる。例えば、キ
ャビティー内を減圧空間にして密閉封止する場合には、パッケージ20の図示しない封止
孔に固形の封止材を配置させた状態で真空チャンバー内に入れ、所定の真空度まで減圧さ
せて電圧制御型水晶発振器10の内側から出るガスを封止孔から排出させた後、固形の封
止材を溶融させてから、その後固化させることにより、封止孔を閉塞させて封止すること
ができる。これにより、パッケージ20の凹部内に接合された水晶振動片1及びICチッ
プ40を気密封止することができる。
なお、封止材の材料としては、完成した電圧制御型水晶発振器10を外部実装基板に実
装する際のリフロー温度よりも高い温度を融点として有したものが望ましく、例えば、金
と錫(Sn)との合金、あるいは、金とゲルマニウム(Ge)との合金などを用いること
ができる。
【0035】
次に、上記電圧制御型水晶発振器10の回路構成について、図面を参照しながら説明す
る。
本実施形態の電圧制御型水晶発振器10の回路構成の一例を、図6の回路図、及び、上
記背景技術の説明で参照した図7を用いて説明することができる。即ち、電圧制御型水晶
発振器10は、図6の回路図に示すように、Vcで表す制御電圧入力端子から周波数出力
部の間に、制御電圧印加用抵抗Rd、バリキャップダイオードなどの可変容量ダイオード
1,D2、水晶振動子X1(水晶振動片1)、コンデンサーCa,Cb、増幅器A1、及び、
インダクタンス、謂コイル(伸長コイル)L1を有している。ここで、可変容量ダイオー
ドD1は、印加する逆電圧に応じて容量値が変化するダーオードである。したがって、可
変容量ダイオードD1を発振ループ中に挿入し、その印加電圧を変化させることによって
発振周波数を制御することができる。このとき、回路の負荷容量の値が大きいほど、周波
数可変感度が大きくなる。
【0036】
ここで、水晶振動子X1の一般的な等価回路は図7のように表され、図中、L1は等価直
列インダクタンス、C1は等価直列容量、R1は等価直列抵抗、C0は並列容量である。水
晶振動子X1からみた増幅器A1を含む回路側の負荷容量(合成容量)をCLとし、容量比
をγ(C0/C1)とすると、この負荷容量CLによる共振周波数f0の変化量Δf/f0
、周知の次式で表される。
Δf/f0=C0/(2γ(C0+CL))
したがって、図6に示すように、水晶振動子X1にインダクタンスL1を直列に接続する
と、インダクタンスL1を挿入しないときの負荷容量C、インダクタンスL1を挿入したと
きの負荷容量CL、発振角周波数ωとすると、CL=(1/(1−ω2LC))の関係とな
り、インダクタンスL1を挿入することにより、周波数可変感度を大きくすることができ
る。
【0037】
図6に示す本実施形態の電圧制御型水晶発振器10の回路において、インダクタンスL
1は、上記の図2〜図5を用いて説明したインダクタ回路パターン50、及び、そのイン
ダクタ回路パターン50の始端から終端の間に設けられた複数の第1引出端子51a〜5
1dから引き出されたボンディングパッド56a〜56dを用いている。即ち、図6のイ
ンダクタンスL1の始端(d側)から終端(a側)の間のd、c、b、aは、それぞれボ
ンディングパッド56d、56c、56b、56aに相当する。そして、ボンディングパ
ッド56a〜56d(図中a〜d)のうち、ボンディングパッド56b,56c,56d
のいずれかと、ICチップ40の水晶振動子X1との接続に供する電極パッド45とがボ
ンディングワイヤー37により接続され、インダクタンスL1の終端a(ボンディングパ
ッド56a)が水晶振動子X1に接続される。このように、ICチップ40と接続するボ
ンディングパッド56b〜56dを変えることにより、インダクタンスL1の長さが変わ
り、これに伴ってインダクタンス値を変えることができる。
【0038】
本実施形態の電圧制御型水晶発振器10によれば、パッケージ20が備えるインダクタ
回路パターン50の始端から終端の間に設けられた複数の第1引出端子51a〜51dの
それぞれから引き出された複数のボンディングパッド56b〜56dのうち、ワイヤーボ
ンディングするボンディングパッドを選択することにより、水晶振動片1(水晶振動子X
1)に直列に接続されるインダクタ回路パターン50の長さを変えてインダクタ値を調整
し、圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器10の周波数可変量を調整することができ
る。したがって、従来の周波数可変量の調整方法のように、インダクタ素子を接合したり
、レーザー照射によりインダクタをトリミングしたりする必要がないので、製造工程及び
設備を増やすことなく、比較的容易に、所望の周波数可変量に調整された電圧制御型水晶
発振器10を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態の電圧制御型水晶発振器10では、水晶振動片1やICチップ40な
どを接合する回路基板として積層回路基板としてのパッケージ20を用いて、第1層基板
21と第2層基板22との層間にインダクタ回路パターン50を形成し、スルーホールや
ビアホールなどの層内配線を用いてパッケージ20表面のボンディングパッド56a〜5
6dに引き出す構成とした。
この構成により、インダクタ回路パターン50がパッケージ20の表面から絶縁され、
水晶振動片1やICチップ40とインダクタ回路パターン50とを、絶縁された状態で縦
配置することができるので、小型で信頼性の高い電圧制御型水晶発振器10を提供するこ
とができる。
【0040】
〔電圧制御型水晶発振器の製造方法〕
次に、上記電圧制御型水晶発振器の製造方法について、図面に沿って説明する。
図8は、圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器10の製造方法の一例を説明するフ
ローチャートである。
図8において、電圧制御型水晶発振器10の製造工程では、まず、図2に示すパッケー
ジ20を用意し、ステップS1に示すように、パッケージ20の凹部の凹底部分に設けら
れたダイパッド61にICチップ40をダイボンディングする。具体的には、ダイパッド
61上にダイアタッチ剤(図示せず)を適量塗布してから、ICチップ40を位置合わせ
してマウントする。次に、ステップS2に示すように、所定の温度および時間の加熱を施
してダイアタッチ剤を固化させるダイアタッチ材の乾燥を行なう乾燥1ステップにより、
ダイパッド61上にICチップ40を接着・固定する。
【0041】
次に、ステップS3に示すように、ワイヤーボンディング法により、ICチップ40と
パッケージ20との接続を行うと同時に、周波数可変感度の調整を行う。
ICチップ40とパッケージ20の通常の接続は、図2(a)において、パッケージ2
0の第4層基板24上の紙面中右側に配設された複数のボンディングパッド57と、対応
するICチップ40の電極パッド45とをボンディングワイヤー37により接続する。
また、周波数可変感度の調整は、図3に示すパッケージ20が備えるインダクタ回路パ
ターン50の始端から終端の間に設けられた複数の第1引出端子51a〜51dのそれぞ
れから引き出された複数のボンディングパッド56a〜56dのうち、ワイヤーボンディ
ングするボンディングパッドを選択することにより行う。これにより、水晶振動片1に直
列に接続されるインダクタ回路パターン50の長さを変えてインダクタ値を調整し、圧電
発振器としての電圧制御型水晶発振器10の周波数可変量を調整することができる。
【0042】
次に、ステップS4に示すように、圧電振動片としての水晶振動片1をパッケージ20
の凹部内にマウントする。詳細には、水晶振動片1の保持部である一端側近傍に設けられ
た外部接続電極18A,18Bと、パッケージ20の第5層基板25に設けられた対応す
る振動片接続端子65とを位置合わせした状態で、外部接続電極18A,18Bと、対応
する振動片接続端子65との両方に接触させるようにして、且つ、水晶振動片1の接合強
度を得るために必要な量の接合部材、例えば導電性接着剤39を塗布して、パッケージ2
0に水晶振動片1を仮固定する。なお、本ステップの工順として、振動片接続端子65上
にディスペンサーなどを用いて導電性接着剤39を適量塗布してから、その導電性接着剤
39の粘性を利用して水晶振動片1を位置合わせして仮止めするようにしてもよい。
【0043】
次に、ステップS5に示すように、所定の温度と時間の加熱を施して導電性接着剤39
を固化させる乾燥2ステップにより、水晶振動片1を接着・固定する。なお、導電性接着
剤39が紫外線硬化タイプのものであれば、導電性接着剤39に所定の強度の紫外線を所
定時間照射することにより導電性接着剤39を固化させて水晶振動片1の接着・固定を行
うことができる。
【0044】
次に、ステップS6に示すように、パッケージ20にICチップ40とともに接合され
た水晶振動片1の周波数の微調整を行う。周波数調整は、水晶振動片1の電極の一部をレ
ーザートリミングにより除去して質量を減少させることによる方法や、蒸着やスパッタリ
ングなど水晶振動片1に質量を付加させることによる方法、あるいは、ICチップ40の
データの書き換えによる方法などにより行うことができる。
【0045】
次に、ステップS7に示すように、パッケージ20上に蓋体としてのリッド30を接合
することにより、水晶振動片1およびICチップ40が収容されたパッケージ20を封止
する。本実施形態では、金属製の蓋体としてのリッド30を、例えば、鉄−ニッケル合金
等からなるシールリング29を介してシーム溶接することにより接合する。このとき、必
要に応じて、パッケージ20とリッド30とにより形成されるキャビティーを減圧空間、
または不活性ガス雰囲気にして密閉・封止することができる。例えば、キャビティー内を
減圧空間にして密閉封止する場合には、パッケージ20の図示しない封止孔に固形の封止
材を配置させた状態で真空チャンバー内に入れ、所定の真空度まで減圧させて電圧制御型
水晶発振器10の内側から出るガスを封止孔から排出させた後、固形の封止材を溶融して
から固化させることにより封止孔を閉塞させて封止する。これにより、パッケージ20の
凹部内に接合された水晶振動片1及びICチップ40を気密封止することができる。
また、別のリッド30接合方法としては、リッド30をはんだ等の金属ろう材を介して
パッケージ20上に接合したり、または、ガラス製のリッド30を用いて、低融点ガラス
等でパッケージ20上に接合することもできる。
【0046】
次に、ステップS8に示すように、封止された状態の電圧制御型水晶発振器10を、所
定温度のオーブンに所定時間投入するベーキングを行う。
そして、ステップS9に示すように、電気特性検査や外観検査などの特性検査を行って
、規格外の不良品を取り除き、一連の電圧制御型水晶発振器10の製造工程が終了する。
【0047】
上記実施形態で説明した電圧制御型水晶発振器10は、以下の変形例として実施するこ
とも可能である。
【0048】
(変形例)
上記実施形態の電圧制御型水晶発振器10では、積層回路基板としてのパッケージ20
において、第1層基板21の上面、即ち、第1層基板21と第2層基板22との一つの層
間にインダクタ回路パターン50を設け、そのインダクタ回路パターン50の始端から終
端の間に設けた複数の第1引出端子51a〜51dを、スルーホールやビアホールなどの
層内配線などを用いてパッケージ20表面に設けたボンディングパッド56a〜56dに
引き出す構成とした。これに限らず、インダクタ回路パターンは、パッケージなどの積層
基板の複数の層間に形成する構成としてもよい。
ここで、積層基板の複数の層間にインダクタ回路パターンを形成する構成とは、複数の
層間に形成したインダクタ回路パターンが直列に接続された構成と、各層間に独立したイ
ンダクタ回路パターンを形成し、各々を基板の表面に設けられたボンディングパッドに引
き出す構成と、を含む。
このような構成によれば、インダクタ回路パターンの長さや形状の自由度が向上するの
で、電圧制御型水晶発振器などの圧電発振器の周波数可変範囲の調整幅をより広くしたり
、精度の高い調整を行ったりすることが可能になる。
【0049】
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発
明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の
変更を加えることが可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、圧電振動片として、水晶基板を用いた水晶振動片1を用い
た圧電発振器としての電圧制御型水晶発振器10について説明した。これに限らず、水晶
以外に、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸
リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li2
47)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta
25)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された他の圧電体材料からなる圧電振動片を
用いることもできる。
【0051】
また、上記実施形態及び変形例で説明した特定の形態、例えば、圧電振動片としての水
晶振動片1や、回路基板(積層回路基板)としてのパッケージ20などの形状は限定され
るものではない。
例えば、水晶振動片などの圧電振動片は、上記実施形態のようにATカットされた水晶
基材を用いるのに限らず、他のカット角の水晶基材を用いて形成してもよい。また、水晶
振動片の形状についても、上記実施形態の水晶振動片1のようなメサ形状に限らず、板状
でもよく、また、所謂逆メサ形状でもよく、さらに、音叉型の振動片を用いてもよい。
また、パッケージ20は、上記実施形態で説明した積層構造を有するものに限らず、機
械加工などにより一体化した形のものを使用してもよいし、単層の回路基板を用いて圧電
発振器を構成することもできる。例えば、単層の回路基板を用いて圧電発振器を構成する
場合、キャップ状の蓋体を用いることにより、圧電振動片や半導体回路素子などがキャビ
ティー内に封止された態様の圧電発振器を構成することができる。
同様に、各電極、配線、端子などの位置や形状についても上記実施形態及びに限定され
ない。
【符号の説明】
【0052】
1…圧電振動片としての水晶振動片、5A…第1突部、5B…第2突部、10…圧電発
振器としての電圧制御型水晶発振器、15A…第1励振電極、15B…第2励振電極、1
6A…第1電極間配線、16B…第2電極間配線、18A…第1外部接続電極、18B…
第2外部接続電極、20…回路基板(積層回路基板)としてのパッケージ、21…第1層
基板、22…第2層基板、23…第3層基板、24…第4層基板、25…第5層基板、2
6…第6層基板、29…シールリング、30…リッド、37…ボンディングワイヤー、3
9…導電性接着剤、40…半導体回路素子としてのICチップ、45…電極パッド、50
…インダクタ回路パターン、51…配線、51a〜51d…第1引出端子、52a〜52
d,55d…層内配線、53a〜53d…端子間配線、54a〜54d…第2引出端子、
56a〜56d,57…ボンディングパッド、61…ダイパッド、62…外部実装端子、
65…振動片接続端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片と、
前記圧電振動片を発振させるための発振回路を含む半導体回路素子と、
前記圧電振動片及び前記半導体回路素子が電気的に接続される回路パターンを含む回路
基板と、を有する圧電発振器であって、
前記回路パターンは、前記圧電振動片に直列に接続されるインダクタ回路パターンを含
み、
前記回路基板の表面に、前記インダクタ回路パターンの始端から終端の間の複数のポイ
ントから引き出された複数のボンディングパッドが設けられ、
前記半導体回路素子と前記ボンディングパッドとがワイヤーボンディングにより接続さ
れていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電発振器において、
前記回路基板が積層回路基板であり、前記積層回路基板の層間に前記インダクタ回路パ
ターンが形成され、前記インダクタ回路パターンと前記ボンディングパッドとがスルーホ
ールまたはビアホールにより接続されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項3】
請求項2に記載の圧電発振器において、
前記インダクタ回路パターンが、前記積層回路基板の複数の層間に形成されていること
を特徴とする圧電発振器。
【請求項4】
請求項2に記載の圧電発振器において、
前記インダクタ回路パターンが、前記積層回路基板の一つの層間に形成されていること
を特徴とする圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−90203(P2012−90203A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237151(P2010−237151)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】