説明

基板処理装置の液飛散防止カップ、基板処理装置、及びその運転方法

【課題】PVAスポンジ等親水性部材を容易に効率良く液飛散防止カップ本体の内面に装着できる基板処理装置の液飛散防止カップ、該液飛散防止カップを備えた基板処理装置、及びその方法を提供すること。
【解決手段】基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置の液飛散防止カップであって、液飛散防止カップ本体11の内周面全面又は該内周面の所定部分に表面に親水性材層12を設けた液飛散防止シート16aを該親水性材層12がカップの内側を向くように装着手段で装着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、ガラス基板、液晶パネル等の基板を保持し回転させる基板回転機構を備え、基板に所定の処理液を供給して基板を処理し、しかる後基板を回転させその遠心力により処理液を離脱させる基板処理装置において、基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該基板から離脱する処理液の飛散を防止する液飛散防止カップ、該液飛散防止カップを備えた基板処理装置、該基板処理装置の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハ等の基板の表面に銅めっき処理やCMP(化学的機械的研磨)処理を施した後、不純物や汚染物を除去する洗浄処理を施すことが広く行なわれている。
【0003】
この基板の洗浄処理を行う基板洗浄装置(基板処理装置)としては、基板を水平に保持して回転させる基板回転機構と、この基板回転機構で保持した基板の表面及び裏面に薬液や純水等の処理液を供給する処理液供給部(処理液供給ノズル)とを備え、基板を回転させつつ該基板に処理液を供給し、しかる後に、基板にリンス用の純水を供給して基板を洗浄するようにしたものが一般に知られている。この種の基板洗浄装置にあっては、洗浄終了後、基板を高速で回転させて遠心力により基板に付着する液を除去するスピン乾燥をさせることが広く行われている。
【0004】
上記スピン乾燥では、回転する基板から遠心力で除去される液の飛散を防止するため、基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように液飛散防止カップを配置し、遠心力で基板から離脱する液滴が遠方に飛散するのを防止している。このような液飛散防止カップを設けることにより、基板から離脱し遠方に飛散しようとする液滴の飛散を防止することができるが、基板から離脱し、液飛散防止カップの内面に衝突し、該内面から跳ね返り、液滴が飛散するのを防止することができなかった。そのため液飛散防止カップの内面から跳ね返った液滴が基板に再付着し、基板表面にウォーターマークを形成させる一因となっている。基板表面にこのウォーターマークが形成されると、その部分でリークが生じたり、密着性不良の原因になる等、製品の歩留まりを低下させてしまうため、いかにしてウォーターマークの形成を減少させるかが課題となっている。
【0005】
上記液飛散防止カップの内面からの液滴の跳ね返りを防止するため、液飛散防止カップ本体の内面に親水性部材を貼り付け、液飛散防止カップ本体の内面に衝突した液滴は、この親水性部材に吸い付けられ、跳ね返りを抑制した技術がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−100687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この液飛散防止カップ本体の内面に貼り付ける親水性部材としては、PVAスポンジ等があるが、肉厚が薄いと極めて柔らかく、三次元的形状を有する液飛散防止カップ本体の内面に親水性部材を皺等が発生することなく、密接させて均等に貼り付けることが極めて困難な作業であった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、PVAスポンジ等の親水性部材を容易に効率良く液飛散防止カップ本体の内面に装着できる基板処理装置の液飛散防止カップを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、簡単な構成の湿潤手段で液飛散防止カップの内周面に設けられたPVAスポンジ等の親水性材層を湿潤状態に維持し、液滴の跳ね返りによる液滴が基板面に再付着することを防止できる基板処理装置、及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明は、基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置の液飛散防止カップであって、液飛散防止カップ本体の内周面全面又は該内周面の所定部分に表面に親水性材層を設けた液飛散防止シートを該親水性材層がカップの内側を向くように装着手段で装着したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、装着手段は、液飛散防止シートの親水性材層の反対側を接着剤にて液飛散防止カップ本体の内周面に貼り付けて装着する手段であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、装着手段は、装着治具を用い液飛散防止シートの親水性材層の反対側を液飛散防止カップ本体の内周面に向けて着脱自在に装着する手段であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、液飛散防止シートは、樹脂材シートの表面に親水性材を接着剤にて貼り付けて親水性材層を形成し、液飛散防止カップ本体の内周面に密着する所定の形状に型抜きした複数の液飛散防止シート片からなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、液飛散防止シートは、弾性を有するシートの表面に親水性材を接着剤にて貼り付けて親水性材層を形成し、液飛散防止カップ本体の内周面に密接する形状に型抜きした構成であり、該液飛散防止シートを弾性変形させて液飛散防止カップ本体内に収容し、その弾性復元力で液飛散防止カップ本体の内周面に密接させ装着したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、液飛散防止カップ本体の内周面の液飛散防止シートの継ぎ目は、該液飛散防止カップ本体の鉛直方向に対して上方から下方に向けて基板回転機構の回転方向に傾斜していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液滴の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置であって、液飛散防止カップの内周面の一部又は全部に回転する基板から離脱した液滴が突き当たり跳ね返るのを防止する親水性材層を設けると共に、該親水性材層にリンス液を供給し、該親水材層を湿潤状態に維持する湿潤手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記基板処理装置において、湿潤手段は複数個のリンス液噴射ノズルを備え、該複数個のリンス液噴射ノズルを親水性材層の内周面に均等にリンス液が供給されるように配置したことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記基板処理装置において、複数個のリンス液噴射ノズルは、液飛散防止カップに取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記基板処理装置において、リンス液噴射ノズルは噴射するリンス液の噴射角度を調整して、親水性材層に当るリンス液の位置を調整できる噴射角度調整手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液滴の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置の運転方法であって、液飛散防止カップの内周面の一部又は全部に前記回転する基板から離脱した液滴が突き当たり跳ね返るのを防止する親水性材層が設けられており、装置アイドリング時にリンス液供給手段からリンス液を供給して液飛散防止カップの内周面に設けた親水性材層を湿潤状態に維持することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記基板処理装置の運転方法において、リンス液供給手段はリンス液噴射ノズルを備え、装置アイドリング時に該リンス液噴射ノズルから親水性材層にリンス液を噴射して該親水性材層を湿潤状態に維持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、液飛散防止カップ本体の内周面全面又は該内周面の所定部分に表面に親水性材層を設けた液飛散防止シートを親水性材層がカップ内側を向くように装着手段で装着したので、肉厚の薄いシート状のPVAスポンジ等の親水性部材であっても、三次元的曲面を有する液飛散防止カップ本体の内周面に密着させて容易に装着することができる。
【0022】
また、本発明によれば、液飛散防止カップ本体の内周面の液飛散防止シートの継ぎ目は、該液飛散防止カップ本体の鉛直方向に対して上方から下方に向けて基板回転機構の回転方向に傾斜しているので、液飛散防止シートの継ぎ目からの処理液の跳ね返りを一段と低減できる。
【0023】
本発明に係る基板処理装置によれば、湿潤手段を設け、基板処理装置のアイドリング時に液飛散防止カップの内周面に設けた親水性材層を湿潤状態に維持し乾燥を防止することができ、基板処理開始時であっても基板から離脱した液滴は湿潤状態にある軟らかい親水性材層に突き当たると共に、その吸水作用により跳ね返りを抑制できる。よって液滴の跳ね返りにより液滴が基板面に再度付着するのを低減できる。
【0024】
また、本発明に係る基板処理装置の運転方法よれば、装置アイドリング時にリンス液供給手段からリンス液を供給して親水性材層を湿潤状態に維持しているので、上記と同様、基板処理時に液滴の跳ね返りにより液滴が基板面に再度付着するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本願発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明に係る基板処理装置の液飛散防止カップの構成例を示す図で、図1は外観図、図2は断面図である。本液飛散防止カップ10は略円筒状で上部が内側上方に向かって傾斜した傾斜部10aとなっている。本液飛散防止カップ10は、樹脂材(例えばPET)からなる液飛散防止カップ本体11を具備し、該液飛散防止カップ本体11の内周面に後に詳述する液飛散防止シート16をその表面に形成された親水性材層12をカップ内側に向けて装着した構成である。なお、ここでは、本液飛散防止カップ10の円筒状部は、上端径と下端径が同一な円筒であるが、該上端径と下端径が同一である必要がなく、例えば下端径が上端径より大きくなってもよい。
【0026】
液飛散防止シート16は図3に示すように、シート材13の表面に親水性材層12を接着剤15で貼り付けた構成である。ここではシート材13にはPVC製薄板を、親水性材層12にはここでは、気孔径が150〜180μm、気孔率が89〜90%のPVAスポンジを、使用しているが、気孔径10〜900μm、気孔率10〜99%のPVAスポンジを使用することも可能である。また、接着剤15にはアクリル系接着剤を用いている。液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に装着するのに、ここでは液飛散防止シート16のシート材13を接着剤14で液飛散防止カップ本体11の内周面に貼り付けている。この接着剤14には、例えばアクリル樹脂系接着剤を用いている。
【0027】
上記シート材13の材質は、PVCに限らずPET・アクリル・PEEK・PP・PE等の(吸水率が0.5%以下の)樹脂製シートを用いることができる。親水性材としては、PVAスポンジに限らずウレタンスポンジ等の親水基を持たせた樹脂素材で吸水性が高く、保水性があればよい。シート材13を液飛散防止カップ本体11の内周面に接着する接着剤14は、アクリル樹脂系接着剤等の合成系接着剤に限らず天然系接着剤を用いることができる。なお、シート材13は弾性を有する材料を用いることが後述するように好ましい。
【0028】
液飛散防止シート16は、図2に示すように、液飛散防止カップ本体11の内周面に密着させて貼り付けることができるように、所定形状に型抜き(切断)して形成した複数の液飛散防止シート片16−1、16−2、16−3、・・・を液飛散防止カップ本体11の内周面に継ぎ目17を設け貼り付ける。また、図1に示すように、液飛散防止カップ本体11の内周面に密接させて貼り付けることができるように、所定形状に型抜き(切断)して形成した1枚の液飛散防止シート16aを液飛散防止カップ本体11の内周面に継ぎ目17を設け貼り付ける。
【0029】
上記のように三次元的曲面を有する液飛散防止カップ本体11の内周面に密接するように所定の形状に型抜き(切断)した1枚の長尺の液飛散防止シート16aを丸めて液飛散防止カップ本体11内に挿入し、該液飛散防止カップ本体11内で丸めた液飛散防止シート16aを拡げることにより、液飛散防止シート16aの樹脂製のシート材13の弾性復元力により、液飛散防止シート16aのシート材13は、液飛散防止カップ本体11の内周面に密接するので、接着剤又は装着治具で装着するのが容易となる。なお、シート材13の弾性復元力が強い場合は、この弾性復元力のみ或いは簡単な治具で、液飛散防止シート16aを液飛散防止カップ本体11の内周面に装着することが可能である。
【0030】
例えば、厚さが3mmという薄いPVAスポンジシートを直接、液飛散防止カップ本体11の内周面に均一に貼り付けることは極めて困難な作業であるが、上記のように、例えば厚さ0.5mmのPVC製薄板等の樹脂製のシート材13の表面にPVAスポンジシートを接着して貼り付けて、液飛散防止シート16を製作し、この液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に密着できるように、型抜き(切断)した1枚、或いは複数枚の液飛散防止シート片にし、液飛散防止シート片を接着剤にて液飛散防止カップ本体11の内周面に接着して装着することにより、液飛散防止シートの装着作業が極めて容易となる。
【0031】
図6は上記液飛散防止カップ10を備えた、半導体ウエハ等の基板を洗浄する基板洗浄装置(基板処理装置)の概略構成を示す図である。基板洗浄装置20は後述する洗浄槽を備え、洗浄槽内に半導体ウエハ等の基板Wfの外周部を保持し回転させる基板回転機構22が配置されている。基板回転機構22は回転軸(図示せず)に支持されたスピンホイール24を具備し、回転駆動部(図示せず)によりスピンホイール24を水平面内で矢印B方向に回転させるようになっている。スピンホイール24には基板Wfの外周部を保持する複数個(図では4個)の保持部材23を備えている。また、基板回転機構22を囲むように液飛散防止カップ10が配置されている。また、液飛散防止カップ10は矢印Aに示すように、昇降機構(図示せず)により上下動できるようになっている。
【0032】
25は揺動アームであり、該揺動アーム25の一端部にはスピンホイール24に保持された基板Wfに対して乾燥気体(IPAガス)G1を供給する気体供給ノズル26、液W1を供給する液供給ノズル27、カバーリンス液W2を供給するカバーリンスノズル36が取り付けられている。揺動アーム25の他端部は揺動軸29に支持され、気体供給ノズル26、液供給ノズル27及びカバーリンスノズル36を基板Wfの半径方向に移動させるようになっている。また、28はスピンホイール24の保持部材23に保持された基板Wfの上面にリンス液W3を供給する基板上面リンスノズルであり、31は基板Wfの下面にリンス液W4を供給する基板下面リンスノズルである。
【0033】
図7は基板洗浄装置20の下部平面図(主にカップリンスノズル34とカップリンスノズル34の平面配置を示す図)であり、図8(a)は図7のB−B断面図、図7(b)は図7のA−A断面図である。図示するように、液飛散防止カップ10の内側下方には、ノズル装着台33が取り付けられている。該ノズル装着台33には液飛散防止カップ10の内周面の親水性材層12にリンス液W5を供給するためのカップリンスノズル34が取り付けられている。該カップリンスノズル34は、液飛散防止カップ10の親水性材層12の全周に亘って均等にリンス液W5が供給できるように複数個(図では8個)を周方向に等間隔で設けられている。
【0034】
各カップリンスノズル34は、配管35、35のいずれかに接続されており、該配管35にリンス液W5を供給することにより、各カップリンスノズル34からリンス液W5が液飛散防止カップ10の内周面の親水性材層12に向けて噴射されるようになっている。また、各カップリンスノズル34はリンス液W5の噴射角度αを調節できるようになっており、これにより親水性材層12にリンス液W5が当る高さを調節できるようになっている。さらに親水部材層の上部にリンス液を供給すれば、親水部材層への浸透効果とリンス液が上部から下部へ流下することにより、短時間で均一に親水部材層を浸潤することができる。
【0035】
図9は上記液飛散防止カップ10を備えた基板処理装置の全体概略構成を示す図である。基板洗浄装置20は洗浄槽21内に配置されている。ここでは、揺動アーム25に取り付けられているカバーリンスノズル36を省略し、基板上面リンスノズル28は洗浄槽21の内壁面に取り付けられている。図示しない回転駆動部によりスピンホイール24を水平面内で回転するようになっている。基板回転機構22を囲むように本発明に係る液飛散防止カップ10が配置されている。また、液飛散防止カップ10は矢印Aに示すように、昇降機構(図示せず)により上下動できるようになっている。
【0036】
洗浄槽21内の上部には、揺動アーム25が配置され、該揺動アーム25にはスピンホイール24に保持された基板Wfに対して乾燥気体を噴射する気体供給ノズル26、水を噴射する水供給ノズル27が取り付けられている。気体供給ノズル26から噴射する気体は、典型的には窒素等の不活性気体であるが、水に溶解するとその表面張力を低下せしめる物質の蒸気を含有していてもよい。水に溶解するとその表面張力を低下せしめる物質としては、例えばイソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、エチルグリコール、エチルアセテート、メチルピロリドンのような親水性の溶媒或いはそれらの混合物がある。水供給ノズル27から供給される水は、典型的には純水であるが、目的により、溶存塩類及び溶存有機物を除去した脱イオン水、炭酸ガス溶解水、機能水(水素水や電気イオン水等)、或いはIPA等のアルコール類、有機溶剤等を使用することができる。
【0037】
また、基板上面リンス28はスピンホイール24に保持された基板Wfの上面にリンス液を噴射するリンスノズルであり、カップリンスノズル34は液飛散防止カップ10の内面を洗浄するノズルである。なお、図示は省略するが、基板Wfの下面にリンス液を噴射する基板下面リンスノズルも設けている。基板下面リンスノズルから供給される水は、水供給ノズル27から供給される水と同様に、純水、脱イオン水、炭酸ガス溶解水、IPA等のアルコール類、有機溶剤等を使用することができる。また、洗浄槽21には基板を搬出搬入するための搬出入口21aが設けられ、更に搬出入口21aを開閉するためのシャッター30が設けられている。
【0038】
図10乃至図18は上記基板洗浄装置20による基板洗浄乾燥工程における動作を説明するための図である。図10乃至図18に基づいて基板洗浄装置20の動作を説明する。図示するように、基板洗浄装置20は洗浄槽21内に配置されている。先ず、図10に示すように、液飛散防止カップ10をその上端がスピンホイール24の下方に位置するように下降させると共に、シャッター30を下降させて、洗浄槽21の搬出入口21aを開放する。この状態で、図11に示すようにロボットアーム等の基板搬入手段(図示せず)で搬出入口21aから洗浄槽21内に基板Wfを搬入し、スピンホイール24の上に載置し、図示しない保持部材で基板Wfの周縁部を保持(挟持)する。
【0039】
次に、図12に示すように、液飛散防止カップ10をその上端がスピンホイール24の上方に位置するように上昇させると共に、シャッター30を上昇させて、洗浄槽21の搬出入口21aを閉鎖する。これによりスピンホイール24及び保持された基板Wfの外周は液飛散防止カップ10で囲まれる。この状態で、図13に示すように、図示しない回転駆動部により回転軸23を矢印Cに示すように回転し、スピンホイール24に保持された基板Wfを同方向に回転し、該基板Wfを回転数300rpm程度で回転しながら基板上面リンスノズル28から基板Wf上面にリンス液W1を供給し、基板Wfの上面をリンスする。なお、図示しない基板下面リンスノズルからも基板Wfの下面にリンス液を供給し、基板Wfの下面もリンスする。
【0040】
次に、図14に示すように、回転する基板Wfに気体供給ノズル26及び水供給ノズル27からそれぞれIPAガスG1及びアウトリンス液W2を吐出し、乾燥工程に入る。この乾燥工程では、基板Wfを回転数300rpm程度で回転させ、IPAガスG1及びアウトリンス液W2を吐出しながら気体供給ノズル26及び水供給ノズル27を基板Wfのエッジへ移動するように揺動アーム25を移動させる。この時、基板Wfの回転数は基板Wfの中心部と周縁部の中間付近で回転数を150rpmに減速させる。この乾燥工程では、回転する基板Wfにアウトリンス液W2を供給することにより、基板Wfの回転による遠心力で外周から離脱しリンス液W3は液飛散防止カップ10の内周面のPVAスポンジからなる親水性材層12に突き当たるが、湿潤状態にあるから、該親水性材層12のリンス液の吸収作用により、リンス液の跳ね返りが抑制され、リンス液の跳ね返りにより基板Wfの乾燥面へのリンス液の再付着を低減できる。
【0041】
上記乾燥工程は約40秒前後で終了する。上記乾燥工程が終了したら、図15に示すように、気体供給ノズル26及び水供給ノズル27からのIPAガスG1及びアウトリンス液W2の吐出を停止する。その後、図16に示すように、基板Wf下面の乾燥工程に入る。この基板Wf下面の乾燥工程は、図示しない回転駆動部によるスピンホイール24の回転数を1500rpm程度に増速させ、該回転数を30秒間維持し、所謂スピンドライ乾燥を行う。このスピンホイール24の回転数の増大により、強い遠心力により基板Wfの下面に付着したリンス液W4は離脱し、液飛散防止カップ10の内周面に強く突き当たるが、湿潤状態にあるPVAスポンジからなる親水性材層12の吸収作用により、リンス液の跳ね返りは抑制され、基板Wfの表面に再付着することを低減できる。
【0042】
基板Wf下面の乾燥工程の終了後、図17に示すように、液飛散防止カップ10を下降させると共に、シャッター30を下降させて、洗浄槽21の搬出入口21aを開放し、基板Wfをロボットアーム等の搬出手段により搬出入口21aから洗浄槽21の外に搬出する。そして図18に示すように、基板洗浄装置20のアイドリング中は、液飛散防止カップ10の内周面の親水性材層12の乾燥防止のため、カップリンスノズル34からリンス液W5を供給して、該親水性材層12の乾燥を防止し、湿潤状態に維持する。
【0043】
上記のように基板洗浄装置20のアイドリング中は、液飛散防止カップ10の内周面の親水性材層12にカップリンスノズル34からリンス液W5を供給しているから、該親水性材層12は乾燥することなく、湿潤状態に維持される。基板洗浄装置20がアイドリングから基板処理(ここでは基板洗浄処理)に移行し、基板Wfから離脱した液滴が液飛散防止カップ10の内周面の親水性材層12に突き当たっても、湿潤状態にある親水性材層12は軟らかくその液吸収作用により、液滴の跳ね返りが抑制され、跳ね返った液滴が基板Wfに再付着することを低減できる。
【0044】
上記のように液飛散防止カップ本体11の内周面に液飛散防止シート16をその親水性材層12が液飛散防止カップ10の内周に露出するように貼り付け、該親水性材層12を湿潤状態に維持することにより、乾燥工程及び基板下面乾燥工程(スピンドライ乾燥)時に、基板Wfから離脱して液飛散防止カップ10の内周面に突き当たったリンス液の液滴は、液飛散防止カップ本体11の内周面に装着した液飛散防止シート16の親水性材層12の液吸収作用によって跳ね返りが抑制され、乾燥した基板Wfへの再付着が大幅に低減される。
【0045】
図1及び図2に示す液飛散防止カップ10では、液飛散防止カップ本体11の内周全体に液飛散防止シート16をその親水性材層12が液飛散防止カップ10の内周に露出するように貼り付けたが、液飛散防止シート16はその親水性材層12の液吸収作用により、突き当たった液の跳ね返りを防止するために設けるのであるから、液の突き当たりが殆どない部分、液の突き当たりはあるが、その跳ね返り液が基板Wfの乾燥面に再付着する恐れのない部分には、液飛散防止シート16の貼り付けは必要でない。
【0046】
例えば、液飛散防止カップ10の内周面の上端から下方の所定位置まで、図4に示すように所定形状に型抜きした1枚の液飛散防止シート16aを貼り付けるか、図5に示すように複数枚の液飛散防止シート片16−1、16−2、16−3、・・・を貼り付けてもよい。即ち、液飛散防止カップ10の内周面で、基板Wfから離脱したリンス液が突き当たり、跳ね返り基板Wfの乾燥面に再付着する恐れのある部分に、液飛散防止シート16をその親水性材層12が内周面に露出するように貼り付ければよい。
【0047】
上記例では、液飛散防止シート16、又は液飛散防止シート片16−1、16−2、16−3、・・・を液飛散防止カップ本体11の内周に装着するのに、シート材13を接着剤14で液飛散防止カップ本体11の内周面に貼り付けて装着しているが、液飛散防止シート16の装着はこれに限定されるものではなく、例えば、図19(a)〜(c)に示すように、種々の装着方法がある。
【0048】
図19(a)に示す装着方法は、図示するように、液飛散防止カップ10の液飛散防止カップ本体11の内周面の所定位置に、液飛散防止シート16を保持するシート保持治具41を取り付ける。液飛散防止カップ本体11の内周面に密接するように所定形状に型抜き(切断)した液飛散防止シート16をその親水性材層12が液飛散防止カップ10の内側に向くように、シート材13を液飛散防止カップ本体11の内周面に押し付け、液飛散防止カップ本体11の上端部と液飛散防止シート16の上端部をクリップ42で挟み込む。これにより、液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に装着することができる。
【0049】
図19(b)に示す装着方法は、図示するように、液飛散防止カップ本体11の内周面上端から下方の所定範囲に密接するように所定形状に型抜き(切断)した液飛散防止シート16をその親水性材層12が液飛散防止カップ10の内側に向くように、シート材13を液飛散防止カップ本体11の内周面に押し付け、ネジ43、43で液飛散防止カップ本体11に捩じ込む。これにより、液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に装着することができる。
【0050】
図19(c)に示す装着方法は、図示するように、液飛散防止カップ本体11の内周面上端から下方の所定範囲に密接するように所定形状に型抜き(切断)した液飛散防止シート16のシート材13にボルト45を取り付けておき、親水性材層12が液飛散防止カップ10の内側に向くように、ボルト45を液飛散防止カップ本体11の内周面に形成したボルト貫通孔に挿入し、該ボルト45を貫通させ、液飛散防止カップ本体11の外面に突出したボルト45の先端にナット44を螺合させて締め付ける。これにより、液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に装着することができる。
【0051】
図19(a)〜(c)に示すように、液飛散防止シート16を液飛散防止カップ本体11の内周面に装着治具を用いて着脱自在に装着できるようにすることにより、パーティクル等で汚染された液飛散防止シート16を取り替えたり、洗浄して汚染を除去したりすることが容易で、液飛散防止シート16のメンテナンス作業が容易となる。また、上記例では液飛散防止カップ本体11の内周面に1枚の液飛散防止シート16を装着治具で装着する例を示したが、複数の液飛散防止シート片を装着治具で装着するようにしてもよい。図19(a)〜(c)に示す例では、液飛散防止カップ本体11の内周面の上端から下方所定の範囲に液飛散防止シート16を装着する例を示したが、液飛散防止カップ本体11の内周面全面に液飛散防止シート16を装着するようにしてもよい。
【0052】
液飛散防止カップ本体11は上記のように、略円筒状で上部が内側上方に向かって傾斜部10aとなっている。また、液飛散防止カップ本体11の円筒状部は上部と下部の直径が同じ円筒状であるが、上述したように、下部の径が上部の径より若干大きく形成されてもよい。この形状を考慮して、液飛散防止シート16のシート材13と液飛散防止カップ本体11の内周面の間に隙間が生じないように型抜き(切断)している。そしてPVAスポンジを貼り付けるシート材13はPVC等の弾性を有する樹脂材からなるので、液飛散防止シート16を丸めて液飛散防止カップ本体11内に挿入し、拡げることにより、液飛散防止シート16はシート材13の弾性復元力により、液飛散防止カップ本体11の内周面に密接するので、接着剤や装着治具で装着するのが容易となる。また、シート材13のこの弾性復元力が強い場合は、この弾性復元力のみ或いは弾性復元力と簡単な治具で装着することも可能である。
【0053】
なお、図1に示す液飛散防止カップでは、液飛散防止シート16aをその継ぎ目17が鉛直方向になるように液飛散防止カップ本体11の内周面に貼り付けているが、図20に示すように、継ぎ目17’が液飛散防止カップ本体11の内周面の上方から下方に向けて、矢印Eに示す基板回転機構22(10参照)の回転方向に傾斜するように、液飛散防止シート16aを液飛散防止カップ本体11の内周面に貼り付けてもよい。
【0054】
上記のように液飛散防止シート16aの継ぎ目17’が液飛散防止カップ本体11の内周面の上方から下方に向けて基板回転機構22の回転方向に傾斜するようにすることにより、継ぎ目17’でリンス液の跳ね返りを一段と低減でき、基板Wfの表面に形成されるウォーターマークを更に低減することができる。
【0055】
図21は、図6に示す基板洗浄装置で半導体ウエハWfを洗浄処理した場合の該半導体ウエハWfの表面に発生したウォーターマークの例を示す図である。図21(a)は液飛散防止カップ10の内周面に親水性材層12を設けない場合を、図21(b)は液飛散防止カップ10の内周面に親水性材層12を設けているが洗浄開始時に親水性材層12が乾燥状態である場合を、図21(c)は液飛散防止カップ10の内周面に親水性材層12を設け、且つ洗浄開始時に親水性材層12が湿潤状態にある場合を、それぞれ示す。図から明らかなように、液飛散防止カップ10の内周面に親水性材層12を設け、且つ洗浄開始時に親水性材層12を湿潤状態にしておくことにより、洗浄処理終了後の半導体ウエハWfの表面に発生するウォーターマーク101の数を大幅に減少させることができる。
【0056】
ウォーターマーク101が半導体ウエハWfの表面に発生すると、その部分からリークが生じたり、密着性不良の原因になるなど、製品の歩留まりを低下させてしまう。本発明に係る基板処理装置、及びその運転方法を採用することにより、ウォーターマーク101の発生を大幅に低減できるから、製品の歩留を大幅に向上させることが可能となる。
【0057】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用効果を奏する以上、本願発明の技術範囲である。例えば、上記実施形態例では、基板処理装置として半導体ウエハを洗浄する基板洗浄装置を例に説明したが、半導体ウエハの基板洗浄装置に限定されるものではなく、ガラス基板、液晶パネル等の基板洗浄装置にも本発明に係る液飛散防止カップ、該液飛散防止カップを用いた基板処理装置及びその運転方法は使用できる。また、基板洗浄装置に限定されるものではなく、基板を保持し回転させる基板回転機構を備え、回転する基板に処理液を供給して処理を行う基板処理装置にも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る液飛散防止カップの構成例を示す外観図である。
【図2】本発明に係る液飛散防止カップの構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る液飛散防止カップの側壁断面構成例を示す一部断面である。
【図4】本発明に係る液飛散防止カップの構成例を示す外観図である。
【図5】本発明に係る液飛散防止カップの構成例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る基板処理装置の概略構成例を示す外観図である。
【図7】本発明に係る基板処理装置の概略構成例を示す平面図である。
【図8】(a)は図7のB−B断面図、(b)は図7のA−A断面図である。
【図9】本発明に係る液飛散防止カップを備えた基板処理装置の概略全体構成を示す図である。
【図10】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図11】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図12】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図13】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図14】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図15】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図16】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図17】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図18】図9に示す基板洗浄装置の動作を説明するための図である。
【図19】本発明に係る液飛散防止カップの液飛散防止シートの装着例を示す図である。
【図20】本発明に係る液飛散防止カップの構成例を示す外観図である。
【図21】本発明に係る基板処理装置と従来の基板処理装置とで半導体基板を洗浄処理した場合のウォーターマークの発生例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 液飛散防止カップ
11 液飛散防止カップ本体
12 親水性材層
13 シート材
14 接着剤
15 接着剤
16 液飛散防止シート
17 継ぎ目
20 基板洗浄装置
21 洗浄槽
22 基板回転機構
23 回転軸
24 スピンホイール
25 揺動アーム
26 気体供給ノズル
27 水供給ノズル
28 基板上面リンスノズル
29 揺動軸
30 シャッター
31 基板下面リンスノズル
32 ブラケット
33 ノズル装着台
34 カップリンスノズル
35 配管
36 カバーリンスノズル
41 シート保持治具
42 クリップ
43 ネジ
44 ナット
45 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置の液飛散防止カップであって、
液飛散防止カップ本体の内周面全面又は該内周面の所定部分の表面に親水性材層を設けた液飛散防止シートを該親水性材層がカップの内側を向くように装着手段で装着したことを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、
前記装着手段は、前記液飛散防止シートの親水性材層の反対側を接着剤にて前記液飛散防止カップ本体の内周面に貼り付けて装着する手段であることを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、
前記装着手段は、装着治具を用い前記液飛散防止シートの親水性材層の反対側を前記液飛散防止カップ本体の内周面に向けて着脱自在に装着する手段であることを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、
前記液飛散防止シートは、樹脂材シートの表面に親水性材を貼り付けて前記親水性材層を形成し、前記液飛散防止カップ本体の内周面に密着する所定の形状に型抜きした複数の液飛散防止シート片からなることを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、
前記液飛散防止シートは、弾性を有するシートの表面に親水性材を貼り付けて前記親水性材層を形成し、前記液飛散防止カップ本体の内周面に密接する形状に型抜きした構成であり、該液飛散防止シートを弾性変形させて前記液飛散防止カップ本体内に収容し、その弾性復元力で前記液飛散防止カップ本体の内周面に密接させ装着したことを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置の液飛散防止カップにおいて、
前記液飛散防止カップ本体の内周面の前記液飛散防止シートの継ぎ目は、該液飛散防止カップ本体の鉛直方向に対して上方から下方に向けて前記基板回転機構の回転方向に傾斜していることを特徴とする基板処理装置の液飛散防止カップ。
【請求項7】
基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液滴の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置であって、
前記液飛散防止カップの内周面の一部又は全部に前記回転する基板から離脱した液滴が突き当たり跳ね返るのを防止する親水性材層を設けると共に、該親水性材層にリンス液を供給し、該親水材層を湿潤状態に維持する湿潤手段を設けたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記湿潤手段は複数個のリンス液噴射ノズルを備え、該複数個のリンス液噴射ノズルを前記親水性材層の内周面に均等にリンス液が供給されるように配置したことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記複数個のリンス液噴射ノズルは、前記液飛散防止カップに取り付けられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記リンス液噴射ノズルは噴射するリンス液の噴射角度を調整して、前記親水性材層に当るリンス液の位置を調整できる噴射角度調整手段を設けたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
基板を保持し回転させる基板回転機構、該基板回転機構に保持された基板の外周を囲むように配置され、該回転する基板から離脱する液滴の飛散を防止する液飛散防止カップを備えた基板処理装置の運転方法であって、
前記液飛散防止カップの内周面の一部又は全部に前記回転する基板から離脱した液滴が突き当たり跳ね返るのを防止する親水性材層が設けられており、
装置アイドリング時にリンス液供給手段からリンス液を供給して前記液飛散防止カップの内周面に設けた親水性材層を湿潤状態に維持することを特徴とする基板処理装置の運転方法。
【請求項12】
請求項11に記載の基板処理装置の運転方法において、
前記リンス液供給手段はリンス液噴射ノズルを備え、前記装置アイドリング時に該リンス液噴射ノズルから前記親水性材層にリンス液を噴射して該親水性材層を湿潤状態に維持することを特徴とする基板処理装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−149003(P2010−149003A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327331(P2008−327331)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】