説明

基板処理装置

【課題】アンロード処理の実行中にロード処理の開始要求がなされた場合であっても、ロード処理を速やかに開始させ、基板処理の品質を向上させる。
【解決手段】基板を処理する処理室に連通する真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、複数の予備室に連通する大気搬送室と、大気搬送室に接続され複数枚の基板を収納する基板収納部を載置する収納容器載置部と、基板収納部と予備室内との間で基板を搬送する大気搬送部と、少なくとも大気搬送部による搬送動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、予備室内から基板収納部への基板を搬出するアンロード処理の実行中に、基板収納部から予備室内への基板を搬入するロード処理の開始要求を受け付けたら、アンロード処理の実行を中断させ、ロード処理の実行を優先的に開始させるように大気搬送部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAMやIC等の半導体装置の製造方法の一工程を実施する従来の基板処理装置は、基板を処理する処理室と、前記処理室に連通する真空搬送室と、前記真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、複数の前記予備室に連通する大気搬送室と、前記大気搬送室に接続され複数枚の前記基板を収納する基板収納部と、を備えていた。
【0003】
上述の基板処理装置では、前記基板収納部から前記予備室内への前記基板の搬入動作を繰り返すロード処理と、前記予備室内から前記基板収納部への前記基板の搬出動作を繰り返すアンロード処理と、が排他的に実行されるように構成されていた。すなわち、アンロード処理の実行中にロード処理の開始要求がなされた場合には、アンロード処理の実行が完了して大気搬送部が空くのを待ってからロード処理を開始するように構成されていた。その結果、前記基板の搬入から基板処理までの時間にバラツキが生じて、前記処理室内を基板処理に適した状態にするウォームアップ時間が変動してしまい、基板の品質が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、基板の搬入から基板処理までの時間を同じにすることにより、ウォームアップ時間を一定に保つことが可能な基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、基板を処理する処理室に連通する真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、複数の前記予備室に連通する大気搬送室と、前記大気搬送室に接続され複数枚の前記基板を収納する基板収納部を載置する収納容器載置部と、前記基板収納部と前記予備室内との間で前記基板を搬送する大気搬送部と、少なくとも前記大気搬送部による搬送動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記予備室内から前記基板収納部への前記基板を搬出するアンロード処理の実行中に、前記基板収納部から前記予備室内への前記基板を搬入するロード処理の開始要求を受け付けたら、前記アンロード処理の実行を中断させ、前記ロード処理の実行を優先的に開始させるように前記大気搬送部を制御する基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る基板処理装置によれば、アンロード処理の実行中であっても、ロード処理の開始要求があればロード処理を速やかに開始させ、ウォームアップ時間を一定に保ち処理室内を安定させることで基板処理の品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の制御部のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の統括制御コントローラのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るロード処理を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るアンロード処理を示すフローチャート図である。
【図6】従来のロード処理を示すフローチャート図である。
【図7】従来のアンロード処理を示すフローチャート図である。
【図8】基板収納部への載置、ロード処理、真空処理、アンロード処理、基板収納部からの搬出に至る1ロット分の基板処理工程全体を例示するタイミング図である。
【図9】従来の基板処理工程において、先発ロットのアンロード処理の終了を待ってから後発ロットが開始される様子を示すタイミング図である。
【図10】比較例1に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図11】本発明の実施例1に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図12】比較例2に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図13】本発明の実施例2に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図14】比較例3に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図15】本発明の実施例3に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図16】比較例4に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【図17】本発明の実施例4に係る基板処理工程を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)基板処理装置の構成
本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理装置は、基板としてのウエハWを処理する処理室PC1,PC2と、処理室PC1,PC2に連通する真空搬送室VMと、真空搬送室VMに連通し雰囲気可変に構成された予備室LC1,LC2と、予備室LC1内,LC2内と処理室PC1内,PC2内との間でウエハWを搬送する真空搬送部VRと、予備室LC1,LC2に連通する大気搬送室LMと、大気搬送室LMに接続され複数枚のウエハWを収納する基板収納部P1,P2と、基板収納部P1,P2と予備室LC1内,LC2内との間でウエハWを搬送する大気搬送部ARと、少なくとも大気搬送部ARによる搬送動作を制御する後述の制御部と、を主に有して構成されている。
【0010】
処理室PC1内,PC2内は、処理対象のウエハWがそれぞれ収納可能なように構成されている。処理室PC1,PC2には、処理室内部を加熱する加熱手段(図示せず)、処理室PC1内,PC2内を排気する排気手段(図示せず)、処理室PC1内,PC2内に所定の処理ガスを供給するガス供給手段(図示せず)等がそれぞれ設けられている。ウエハWを収納した処理室PC1内,PC2内をそれぞれ所定の処理温度に加熱すると共に、処理室PC1内,PC2内の圧力をそれぞれ所定の処理圧力に排気しつつ、処理室PC1内,PC2内に所定の処理ガスをそれぞれ供給すること等により、例えば、ウエハW上への酸化膜、窒化膜、金属を含む膜等の薄膜形成処理、ウエハW表面の酸化或いは窒化処理、エッチング処理等の所定の処理を行うことが可能となっている。
【0011】
処理室PC1,PC2には、真空搬送室VMがそれぞれ連通可能なように接続されている。処理室PC1と真空搬送室VMとの間には、ゲートバルブG5が設けられている。また、処理室PC2と真空搬送室VMとの間には、ゲートバルブG6が設けられている。真空搬送室VM内は、真空排気可能なように構成されている。真空搬送室VM内の圧力は、処理室PC1内,PC2内の圧力(処理圧力)と同じにすることが可能なように構成されている。
【0012】
真空搬送室VMには、予備室LC1,LC2が連通可能なようにそれぞれ接続されている。予備室LC1と真空搬送室VMとの間には、ゲートバルブG3が設けられている。予備室LC2と真空搬送室VMとの間には、ゲートバルブG4が設けられている。予備室LC1内,LC2内は、それぞれ雰囲気可変に構成されている。予備室LC1内,LC2内に不活性ガスをそれぞれ供給して大気圧としたり、予備室LC1内,LC2内をそれぞれ
真空排気して真空搬送室VMの圧力と同じにしたりすることが可能なように構成されている。予備室LC1内,LC2内には、処理室PC1内,PC2内にて処理する複数枚(例えば25枚)のウエハW、或いは処理室PC1内,PC2内にて処理した複数枚(例えば25枚)のウエハWが、それぞれ一時的に収納可能なように構成されている。以下、処理室PC1内、PC2内における種々の処理、及び、予備室LC1,LC2と処理室PC1、PC2間の真空搬送、を総じて真空処理とも呼ぶ。
【0013】
真空搬送室VM内には、予備室LC1内,LC2内と処理室PC1内,PC2内との間でウエハWを搬送(真空搬送)する真空搬送部VRが設けられている。真空搬送部VRは、例えばツイーザ等を備えたロボット等として構成されている。真空搬送部VRは、複数枚のウエハWを同時に搬送することが可能なように構成されている。
【0014】
予備室LC1,LC2には、大気搬送室LMが連通可能なようにそれぞれ接続されている。予備室LC1と大気搬送室LMとの間には、ゲートバルブG1が設けられている。予備室LC2と大気搬送室LMとの間には、ゲートバルブG2が設けられている。大気搬送室LM内は、不活性ガスによりパージすることが可能なように構成されている。大気搬送室LM内の圧力は、大気圧に保たれている。
【0015】
大気搬送室LMには、複数枚(例えば25枚)のウエハWを収納するウエハ収納容器(ポッドとも呼ぶ)としての基板収納部P1,P2がそれぞれ接続されている。又、大気搬送室LMには、収納容器載置部としてのロードポートLPが接続され、ロードポートLP上には、基板収納部としての複数のポッドが載置されている。
【0016】
大気搬送室LM内には、基板収納部P1,P2と予備室LC1,LC2との間でウエハWを搬送(大気搬送)する大気搬送部ARが設けられている。大気搬送部ARは、例えばツイーザ等を備えたロボット等として構成されている。大気搬送部ARは、複数枚(例えば5枚)のウエハWを同時に搬送することが可能なように構成されている。基板収納部P1上に例えば25枚のウエハWが収納されており、大気搬送部ARが例えば5枚のウエハWを同時に搬送可能である場合には、基板収納部P1内から予備室LC1内への大気搬送部ARによる搬入動作を5回繰り返すことで、基板収納部P1内の全てのウエハWを予備室LC1内に搬入することが可能である。
【0017】
(2)制御部の構成
本実施形態に係る基板処理装置は、基板処理装置の各部の動作を制御する制御部CNT(コントローラ)を備えている。制御部CNTの構成について、図2、図3を参照しながら説明する。
【0018】
図2に示すように、制御部CNTは、統括制御コントローラ90、プロセスモジュールコントローラPMC1,PMC2、操作部100を備えている。操作部100、統括制御コントローラ90、プロセスモジュールコントローラPMC1,PMC2は、LAN回線80により接続されている。
【0019】
統括制御コントローラ90は、システム全体の運用制御、真空搬送部VRや大気搬送部ARによるウエハWの搬送動作、ゲートバルブG1,G2やゲートバルブG3,G4の開閉動作、予備室LC1内,LC2内の圧力調整動作等を制御するように構成されている。
【0020】
予備室LC1内,LC2内へのウエハWの搬送を検知する手段として、真空搬送部VRや大気搬送部ARの基板載置部にウエハWが載置されたことを検知するセンサ(図示せず)と、真空搬送部VRや大気搬送部ARの基板載置部が予備室LC1内,LC2内に存在することを検知するセンサ(図示せず)とが、真空搬送部VR及び予備室LC1内,LC
2内にそれぞれ設けられている。なお、予備室LC1内,LC2内に設けられたステージ上にウエハWが載置されたことを検知するセンサを設けるようにしてもよい。
【0021】
また、処理室PC1内,PC2内へのウエハWの搬送を検知する手段として、真空搬送部VRの基板載置部にウエハWが載置されたことを検知するセンサ(図示せず)が、真空搬送部VRに設けられている。
【0022】
また、基板収納部P1上,P2上へのウエハWの搬送を検知する手段として、大気搬送部ARの基板載置部にウエハWが載置されたことを検知するセンサ(図示せず)と、大気搬送部ARの基板載置部が予備室LC1内,LC2内に存在することを検知するセンサ(図示せず)とが、大気搬送部AR及び基板収納部P1,P2にそれぞれ設けられている。
【0023】
プロセスモジュールコントローラPMC1,PMC2は、処理室PC1内,PC2内の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、プロセスモジュールコントローラPMC1,PMC2は、処理室PC1内,PC2内に所定の処理ガスを供給するガス供給手段(図示せず)に設けられたバルブの開閉動作や、マスフローコントローラ(MFC)の弁開度を制御したり、処理室PC1内部,PC2内部を加熱する加熱手段(図示せず)への通電量を制御したり、処理室PC1内,PC2内を排気する排気手段(図示せず)に設けられたAPC(Auto Pressure Controller)バルブの弁開度や、真空ポンプの起動・停止動作等を制御したりするように構成されている。
【0024】
操作部100は、制御コマンドの入力を図示しないキー入力装置等から受け付けたり、基板処理の進行状態、ロギングデータ、アラーム等を図示しないモニタ装置に表示させたり、アラーム解析、パラメータ編集などの設定画面をモニタ装置に表示させたりするように構成されている。
【0025】
(統括制御コントローラ)
図3に示すように、統括制御コントローラ90は、CPU94と、RAM95と、HDD96と、通信IF97と、を備えたコンピュータとして構成されている。CPU94と、RAM95と、HDD96と、通信IF97とは、統括制御コントローラ90内のバスに接続されている。通信IF97は、LAN回線80に接続されている。
【0026】
HDD96には、ロード処理制御プログラム(図示しない)及びアンロード制御処理プログラム(図示しない)がそれぞれ格納されるように構成されている。ロード処理制御プログラムがHDD96からRAM95に読み出され、CPU94で実行される。統括制御コントローラ90は、ロード処理の開始要求を受け付けると、大気搬送部ARによるロード処理の実行を制御する。また、アンロード制御処理プログラムがHDD96からRAM95に読み出され、CPU94で実行される。統括制御コントローラ90は、アンロード処理の開始要求を受け付けると、大気搬送部94によるアンロード処理の実行を制御する。
【0027】
また、ロード処理制御プログラム及びアンロード制御処理プログラムがHDD96からRAM95に読み出され、CPU94に実行されることにより、読み書き可能に構成される共有メモリ93が、RAM95内に確保されるように構成されている。共有メモリ93には、ロード処理又はアンロード処理のいずれかが実行中であればONを示し、ロード処理又はアンロード処理がいずれも実行中でなければOFFを示す排他制御フラグと、ロード処理の開始要求を受け付けたらONを示し、ロード処理の実行が開始されたらOFFを示すロード要求フラグと、が格納されるように構成されている。
【0028】
(ロード処理制御)
統括制御コントローラ90は、ロード処理の開始要求を受け付けたら、共有メモリ93を参照するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFであれば、排他制御フラグをONに変更し、大気搬送部ARによるロード処理の実行を開始させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、大気搬送部ARによるロード処理の実行が完了したら、排他制御フラグをOFFに変更するように構成されている。
【0029】
また、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがONであれば、ロード要求フラグをONに変更し、排他制御フラグがOFFに変更されるまで大気搬送部ARによるロード処理の実行を開始させずに待機させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFに変更されたら、排他制御フラグをONに変更して大気搬送部ARによるロード処理の実行を開始させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、大気搬送部ARによるロード処理の実行が完了したら、排他制御フラグをOFFに変更するように構成されている。
【0030】
(アンロード処理制御)
統括制御コントローラ90は、アンロード処理の開始要求を受け付けたら、共有メモ
リ93を参照するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFであれば、排他制御フラグをONに変更して大気搬送部ARによるアンロード処理の実行を開始させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、アンロード処理の実行を開始した後は、大気搬送部ARによるウエハWの搬出動作を繰り返す度に共有メモリ93を参照するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、ロード要求フラグがONであれば、ウエハWの搬出動作の繰り返しを中断し、排他制御フラグをOFFに変更してロード処理の実行を許可するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがONに変更された後、排他制御フラグが再びOFFに変更されるまで、大気搬送部ARによるウエハWの搬出動作の繰り返しを中断したまま待機させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFに変更されたら、排他制御フラグをONに変更して大気搬送部ARによるウエハWの搬出動作の繰り返しを再開するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、大気搬送部ARによるアンロード処理の実行が完了したら、排他制御フラグをOFFに変更するように構成されている。
【0031】
また、統括制御コントローラ90は、アンロード処理の開始要求を受け付けたら、共有メモリ93を参照するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがONであれば、排他制御フラグがOFFに変更されるまで大気搬送部ARによるアンロード処理の実行を開始させずに待機させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFに変更されたら、排他制御フラグをONに変更して大気搬送部ARによるアンロード処理の実行を開始させるように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、大気搬送部ARによるアンロード処理の実行が完了したら、排他制御フラグをOFFに変更するように構成されている。
【0032】
(3)基板処理工程
次に、図8を用いて基板処理工程の全体の工程を説明する。図8は、ロードポートLPへのポッドP1の載置、ロードポートLPから予備室LC1内へのウエハWのロード処理、予備室LC1から処理室PC1への真空搬送及び処理室PC1内でのウエハWの処理、そして、処理室PC1から予備室LC2への真空搬送、予備室LC2内からロードポートLPへのアンロード処理、ロードポートLPからのポッドP1の搬出に至る1ロット分の基板処理工程全体を例示するタイミング図である。尚、図8における真空処理には、処理室PC1内でのウヘハWの処理だけでなく、予備室LC1から処理室PC1への真空搬送と処理室PC1から予備室LC2への真空搬送を含む。
【0033】
まず、ロードポートLP上に複数枚のウエハW、例えば25枚を格納したポッド(図示しない)を載置する。
【0034】
そして、統括制御コントローラ90は、操作部100からの「ロード処理の開始要求」の入力に応じて、ロード処理を開始する。先ず、統括制御コントローラ90は、予備室LC1内に不活性ガスを供給するパージ処理を開始する。パージ処理を完了したら、統括制御コントローラ90は、大気搬送部ARを動作させて、基板収納部(ポッド)P1から予備室LC1内へのウエハWの搬入を開始する。基板収納部P1内に例えば25枚のウエハWが収納されており、大気搬送部ARが例えば5枚のウエハWを同時に搬送可能である場合には、基板収納部P1内から予備室LC1内への大気搬送部ARによる搬入動作を5回繰り返す。
【0035】
ロード処理が終了したら、統括制御コントローラ90は、予備室LC1内の減圧を開始する。予備室LC1内が所定の圧力まで減圧したら、統括制御コントローラ90は、真空搬送部VRを動作させ、予備室LC1内のウエハWを処理室PC1内に搬送し、処理室PC1内で処理を開始する。処理が終了したら、統括制御コントローラ90は、真空搬送部VRを動作させ、処理後のウエハWを処理室PC1内から予備室LC2内に搬送する。
【0036】
処理後のウエハWが全て予備室LC2内に搬入されたら、統括制御コントローラ90は、例えば、操作部100からの「アンロード処理の開始要求」の入力に応じて、アンロード処理を開始する。先ず、統括制御コントローラ90は、予備室LC2内に不活性ガスを供給するパージ処理を開始する。
【0037】
パージ処理が完了して予備室LC2内が大気圧に復帰したら、大気搬送部ARを動作させて、予備室LC2内から基板収納部P2へのウエハWの搬出を開始する。予備室LC2内に例えば25枚のウエハWが収納されており、大気搬送部ARが例えば5枚のウエハWを同時に搬送可能である場合には、予備室LC2内から基板収納部P2内への大気搬送部ARによる搬出動作を5回繰り返す。
【0038】
アンロード処理が終了したら、処理済のウエハWを格納したポッドを基板収納部P2から搬出する。これにより、1ロット分のウエハWの基板処理工程全体を終了する。
【0039】
(ロード処理)
次に、上述のロード処理について図4を参照しながら説明する。ロード処理は、例えばロードポートLP上に複数枚のウエハWを格納したポッドP1,P2が載置され、例えば、操作部100から「ロード処理の開始要求」が入力されると開始される。
【0040】
まず、統括制御コントローラ90は、共有メモリ93を参照して排他制御フラグがONかOFFかを判断する(ステップS110)。
【0041】
排他制御フラグがONであれば(ステップS110で「Yes」の場合)、統括制御コントローラ90は、ロード要求フラグをONに変更し(ステップS111)、排他制御フラグがOFFに変更されるまで、大気搬送部ARによるロード処理の実行を開始させずに待機させる。
【0042】
排他制御フラグがOFFであるか、又はOFFに変更されたら(ステップS110で「No」の場合)、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグをONに変更する(ステップS120)と共に、ロード要求フラグをOFFに変更する(ステップS121)。
【0043】
そして、統括制御コントローラ90は、予備室LC1内に不活性ガスを供給するパージ処理を開始し、予備室LC1を大気圧状態とする(ステップS130)。
【0044】
そして、統括制御コントローラ90は、ウエハWの枚数に応じて何回搬入するか繰り返し回数の算出を行う(ステップS140)。例えば、ロードポートLP上の基板収納部(ポッド)P1に25枚のウエハWが収納されており、大気搬送部ARが5枚のウエハWを同時に搬送可能である場合には、統括制御コントローラ90は、繰り返し回数が5回であるものと算出する。
【0045】
そして、統括制御コントローラ90は、ゲートバルブG2を開け、基板収納部P1から予備室LC1内への大気搬送部ARによるウエハWの搬入動作を、ステップS140で算出した繰り返し回数分実行する(ステップS150〜170)。
【0046】
大気搬送部ARによる搬入動作の繰り返しが終了したら、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグをOFFに変更し(ステップS180)、ロード処理を終了する。
【0047】
(アンロード処理)
次に、上述のアンロード処理について図5を参照しながら説明する。アンロード処理は、例えば処理後のウエハWが全て予備室LC2内に搬入され、操作部100から「アンロード処理の開始要求」が入力されると開始される。
【0048】
まず、統括制御コントローラ90は、共有メモリ93を参照して排他制御フラグがONかOFFかを判断する(ステップS210)。
【0049】
排他制御フラグがONであれば(ステップS210で「Yes」の場合)、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグがOFFに変更されるまで、大気搬送部ARによるアンロード処理の実行を開始させずに待機させる。
【0050】
排他制御フラグがOFFであるか、又はOFFに変更されたら(ステップS210で「No」の場合)、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグをONに変更する(ステップS220)。
【0051】
そして、統括制御コントローラ90は、予備室LC2内に不活性ガスを供給するパージ処理を開始し、予備室LC2を大気圧状態とする(ステップS230)。
【0052】
そして、統括制御コントローラ90は、ウエハWの枚数に応じて何回搬出するか繰り返し回数の算出を行う(ステップS240)。例えば、予備室LC2内に25枚のウエハWが収納されており、大気搬送部ARが5枚のウエハWを同時に搬送可能である場合には、統括制御コントローラ90は、繰り返し回数が5回であるものと算出する。
【0053】
そして、統括制御コントローラ90は、ゲートバルブG2を開け、予備室LC2内から基板収納部P2上への大気搬送部ARによる処理済みウエハWの搬出動作を、ステップS240で算出した繰り返し回数分実行する(ステップS250〜270)。
【0054】
なお、予備室LC2内から基板収納部P2上への大気搬送部ARによる処理済みウエハWの搬出動作を繰り返す度、統括制御コントローラ90は、共有メモリ93を参照し、ロード要求フラグがONかOFFかを判断する(ステップS251)。
【0055】
ステップS251においてロード要求フラグがOFFであれば(S251で「No」場合)、大気搬送部ARによるウエハWの搬出動作の繰り返しを継続する。大気搬送部AR
による搬出動作の繰り返しが終了したら、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグをOFFに変更し(ステップS280)、アンロード処理を終了する。
【0056】
ロード要求フラグがONであれば(S251で「Yes」の場合)、統括制御コントローラ90は、ウエハWの搬出動作の繰り返しを中断して、排他制御フラグをOFFに変更し(ステップS252)、ロード処理の実行を許可する。なお、上述したように、ロード処理が開始されると、統括制御コントローラ90によって排他制御フラグがONに変更され、ロード要求フラグがOFFに変更される(ステップS120,121)。そして、ロード処理が終了すると、統括制御コントローラ90によって排他制御フラグがOFFに変更される(ステップS180)。
【0057】
統括制御コントローラ90は、ウエハWの搬出動作の繰り返しを中断した後、共有メモリ93を周期的に参照して、ロード要求フラグ及び排他制御フラグが共にOFFになるまで待機する(ステップS253,S254)。
【0058】
そして、統括制御コントローラ90は、ロード要求フラグ及び排他制御フラグが共にOFFになったら、排他制御フラグをONに変更し(ステップS255)、中断していたウエハWの搬出動作の繰り返しを再開させる。そして、大気搬送部ARによる搬出動作の繰り返しが終了したら、統括制御コントローラ90は、排他制御フラグをOFFに変更し(ステップS280)、アンロード処理を終了する。
【0059】
このように本実施形態では、排他制御フラグ及びロード要求フラグを用いる制御により、アンロード処理中に、ロード処理を優先的に実行することができるように構成されている。
【0060】
(4)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、排他制御フラグ及びロード要求フラグを用いる上述の制御により、アンロード処理中に、ロード処理を優先的に実行することができるように構成されている。これにより、例えば、ロット1を先に開始させ、ロット1のアンロード処理が完了する前にロット2のロード処理を開始させるような場合、ロット1におけるアンロード処理の完了を待つことなく、ロット2のロード処理を開始させることが可能となる。その結果、ロード処理が開始されてから基板処理の開始までの時間を同じにすることができるので、処理室内のウォームアップ(準備処理)の時間が同一となり、基板の品質の低下が抑えられる。更に、ロット2の真空処理を待ち時間なく速やかに開始させることが可能となり、基板処理の全体の生産性を向上させることができる。
【0061】
なお、従来の基板処理工程、及び従来のロード処理及びアンロード処理を、図6、図7、図9にそれぞれ示す。図6、図7に示すように、従来のロード処理及びアンロード処理は排他制御フラグのみを用いており、ロード処理とアンロード処理とは排他的に行われるように構成されていた。すなわち、図9に例示するように、先発ロットのアンロード処理が完了するまでは、後発ロットのロード処理を開始することができないように構成されていた。その結果、ロット間で基板処理までにかかる時間が異なるため、基板の品質の低下してしまう場合があった。又、条件によっては、後発ロットの真空処理の開始が遅れてしまい、基板処理の生産性が低下してしまう場合があった。
【実施例1】
【0062】
以下に、本発明の実施例1を比較例1と共に説明する。図11は実施例1に係る基板処理工程を示すタイミング図であり、図10は比較例1に係る基板処理工程を示すタイミング図である。いずれも、先行ロットであるロット1のアンロード処理におけるパージ処理(ステップS220)の完了前に、後発ロットであるロット2の「ロード処理の開始要求
」が入力された場合を示している。
【0063】
なお、本実施例及び本比較例では、ポッドP1,P2上、予備室LC1,LC2内にはそれぞれ25枚のウエハWが収納されると共に、大気搬送部ARは5枚のウエハWを同時に搬送可能に構成されており、ロード処理における繰り返し回数、及びアンロード処理における繰り返し回数は共に5回であるものとする。また、係る条件は後述の実施例及び比較例でも同じである。
【0064】
図11に示す実施例1では、ロット1のアンロード処理が中断され、ロット2のロード処理が優先的に実施されている。これに対し、図10に示す比較例1では、ロット1のアンロード処理が優先的に実施され、ロット2のロード処理は、ロット1のアンロード処理の終了を待ってから開始されている。
【0065】
すなわち、図11に示す実施例1では、ロット1のアンロード処理のパージ中に基板収納部P2上にロット2を載置した後、真空処理の開始を指示してロード処理の開始要求を受け付けている。そして、ロード処理の開始要求を受け付けたら、ロット1のアンロード処理を中断し、ロット1のパージ処理後にロット2のロード処理を割り込ませている。これにより、ロット2は、大気搬送部ARによる5回の搬出(5搬出時間)を待つことなく、その分真空処理を早く開始できている。又、各ロットでロード処理から真空処理までの間が同じになっている。
【0066】
図10に示す比較例1では、同様にロード処理の開始要求を受け付けても、ロット1のアンロード処理の終了を待ち、アンロード処理完了後、ロット2のロード処理を開始している。このため、比較例1では、ロット1の大気搬送部ARによる5回の搬出(5搬出時間)分、ロット2の真空処理の開始が遅れているため、ロード処理から真空処理に至るまでの時間がロット間で異なっている。
【0067】
なお、ここで、アンロード処理後に同一の予備室LC(例えば、LC1)から搬入搬出する基板処理動作において、真空処理が可能な時点をPポイントと定義する。実施例1と比較例1とでは、Pポイントの位置が同じである。しかし、実施例1では、真空処理の開始を大気搬送部ARの5回の搬出分早くしているので、その分真空処理を早く終了してロット3のロード処理終了待ち(真空処理の予備時間)となる。このため、実施例1では、ロット2の真空処理の処理時間に余裕ができるので、その分基板処理の処理時間を長くすることが可能であり、また、その分真空処理の処理時間を長くしてもPポイントに影響しない。
【実施例2】
【0068】
次に、本発明の実施例2を比較例2と共に説明する。図13は実施例2に係る基板処理工程を示すタイミング図であり、図12は比較例2に係る基板処理工程を示すタイミング図である。いずれも、先行ロットであるP1−LC1ロットのアンロード処理における3回目の繰り返し処理の実行中に、後発ロットであるP2−LC2ロットの「ロード処理の開始要求」が入力された場合を示している。
【0069】
図13に示す実施例2では、ロット1のアンロード処理が中断され、ロット2のロード処理が優先的に実施されている。これに対し、図12に示す比較例2では、ロット1のアンロード処理が優先的に実施され、ロット2のロード処理は、ロット1のアンロード処理の終了を待ってから開始されている。
【0070】
すなわち、図13に示す実施例2では、ロット1のアンロード処理の搬出中に基板収納部P2上にロット2を載置した後、真空処理の開始を指示してロード処理の開始要求を受
け付けている。そして、ロード処理の開始要求を受け付けたら、ロット1のアンロード処理を中断し、ロット1の大気搬送部ARによる4回の搬出後に、ロット2のロード処理を割り込ませている。これにより、ロット2は、大気搬送部ARによる残り1回の搬出(1搬出時間)を待つことなく、その分真空処理を早く開始できている。又、ロード処理を割り込ませることで、ロード処理から真空処理までの間が、同一となっている。
【0071】
これに対し、図14に示す比較例2では、同様にロード処理の開始要求を受け付けても、ロット1のアンロード処理の終了を待ち、アンロード処理完了後、ロット2のロード処理を開始している。このため、比較例2では、ロット1の大気搬送部ARによる残り1回の搬出分、ロット2の真空処理の開始が遅れている。また、実施例2と比較例2とではPポイントの位置が同じであるが、実施例2では真空処理の開始が大気搬送部ARの残り1回の搬出(1搬出時間)分早くなるので、その分真空処理を早く終了し、ロット3のロード処理終了待ち(真空処理の予備時間)となる。
【実施例3】
【0072】
次に、本発明の実施例3を比較例3と共に説明する。図15は実施例3に係る基板処理工程を示すタイミング図であり、図14は比較例3に係る基板処理工程を示すタイミング図である。いずれも、先行ロットであるP1−LC1ロットのアンロード処理における3回目の繰り返し処理の実行中に、後発ロットであるP2−LC2ロットの「ロード処理の開始要求」が入力された場合を示している。また、いずれも、真空処理の処理時間を、大気搬送部ARによる2回の搬出(2搬出時間)分長くしている。すなわち、「真空処理の処理時間=LP搬出+LP搬入+ロード処理時間+2搬出時間」としている。
【0073】
図15に示す実施例3では、ロット1のアンロード処理が中断され、ロット2のロード処理が優先的に実施されている。これに対し、図14に示す比較例3では、ロット1のアンロード処理が優先的に実施され、ロット2のロード処理は、ロット1のアンロード処理の終了を待ってから開始されている。従って、本実施例によれば、ロット2の真空処理を迅速に開始できており、基板処理の生産性を向上出来ていることが分かる。
【0074】
すなわち、図15に示す実施例3では、実施例2と同様にロット2がアンロード処理の搬出中に載置されてロット1の大気搬送部ARによる4回の搬出後に、ロット2のロード処理を割り込ませている。このため、実施例3では、真空処理の開始が大気搬送部ARの残り1回の搬出(1搬出時間)分早くなる。これにより、実施例3では、真空処理の処理時間を大気搬送部ARによる2回の搬出(2搬出時間)分長くしてもPポイントが1搬出時間分延びるのみであり、ロット3は真空処理が1搬出時間分だけ、ロット2の真空処理待ちである。つまり、比較例3と実施例3と比較して、実施例3では、Pポイントが早くなっている。
【0075】
これに対し、図14に示す比較例3では、同様にロード処理の開始要求を受け付けても、ロット1のアンロード処理の終了を待ち、アンロード処理完了後、ロット2のロード処理を開始している。このため、比較例3では、ロット1の大気搬送部ARによる残り1回の搬出(1搬出時間)分、ロット2の真空処理の開始が遅れている。また、比較例3では、真空処理の処理時間の延長時間分(2搬出時間)がPポイントに影響してロット3の真空処理が3搬出時間遅れている。又、本実施においても、ロット間でロード処理から真空処理までの時間が統一されていることが分かる。
【実施例4】
【0076】
次に、本発明の実施例4を比較例4と共に説明する。図17は実施例4に係る基板処理工程を示すタイミング図であり、図16は比較例4に係る基板処理工程を示すタイミング図である。いずれも、先行ロットであるP1−LC1ロットのアンロード処理における1
回目の処理の実行中に、後発ロットであるP2−LC2ロットの「ロード処理の開始要求」が入力された場合を示している。また、いずれも、真空処理の処理時間を、大気搬送部ARによる2回の搬出(2搬出時間)分長くしている。すなわち、「真空処理の処理時間=LP搬出+LP搬入+ロード処理時間+2搬出時間」としている。
【0077】
図17に示す実施例4では、ロット1のアンロード処理が中断され、ロット2のロード処理が優先的に実施されている。これに対し、図16に示す比較例4では、ロット1のアンロード処理が優先的に実施され、ロット2のロード処理は、ロット1のアンロード処理の終了を待ってから開始されている。従って、本実施例によれば、Pポイントが早くなっているので、ロット2の真空処理を迅速に開始できており、基板処理の生産性を向上出来ていることが分かる。
【0078】
すなわち、図17に示す実施例4では、ロット2のウエハWをアンロード処理の搬出中に載置して、ロット1の大気搬送部ARによる2回の搬出後に、ロット2のロード処理を割り込ませている。このため、実施例4では、真空処理の開始を大気搬送部ARの残り3回の搬出(3搬出時間)分早くしている。これにより、実施例4では、真空処理の処理時間を大気搬送部ARによる2回の搬出(2搬出時間)分長くしても、早くなった真空処理の処理時間分(3搬出時間)に相殺されることにより、Pポイントに影響せずロット3の真空処理を実施することができる。
【0079】
これに対し、図16に示す比較例4では、同様にロード処理の開始要求を受け付けても、ロット1のアンロード処理の終了を待ち、アンロード処理完了後、ロット2のロード処理を開始している。このため、比較例4では、ロット1の大気搬送部ARによる残り3回の搬出(3搬出時間)分、ロット2の真空処理の開始が遅れている。また、比較例4では、真空処理の処理時間の延長時間分(2搬出時間)がPポイントに影響してロット3の真空処理が5搬出時間遅れている。又、本実施例においても、ロット間でロード処理から真空処理までの時間が統一されていることが分かる。
【0080】
<本発明の他の実施形態>
本発明は、例えば、ウエハW上への酸化膜、窒化膜、金属を含む膜等の薄膜形成処理、ウエハW表面の酸化或いは窒化処理、エッチング処理等の処理を含む基板処理を有する。
【0081】
また、本発明は、処理室の構成に限定されず、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法の他に、PVD(Physical Vapor Deposition)法、拡散、アニール等の基板処理を実施する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0082】
さらに、また、本発明は、薄膜形成等を実施する基板処理装置に限らず、露光装置、リソグラフィ装置、塗布装置等の他の基板処理装置にも好適に適用できる。
【0083】
また、本発明は、半導体製造装置等のウエハWを処理する基板処理装置に限らず、プリント配線基板、液晶パネル、磁気ディスクやコンパクトディスク等の基板を処理する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0085】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0086】
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室に連通する真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、
複数の前記予備室に連通する大気搬送室と、
前記大気搬送室に接続され複数枚の前記基板を収納する基板収納部を載置する収納容器載置部と、
前記基板収納部と前記予備室内との間で前記基板を搬送する大気搬送部と、
少なくとも前記大気搬送部による搬送動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記予備室内から前記基板収納部への前記基板を搬出するアンロード処理の実行中に、前記基板収納部から前記予備室内への前記基板を搬入するロード処理の開始要求を受け付けたら、前記アンロード処理の実行を中断させ、前記ロード処理の実行を優先的に開始させるように前記大気搬送部を制御する
基板処理装置が提供される。
【0087】
また、好ましくは、
前記制御部は、
前記ロード処理の実行が完了したら、中断していた前記アンロード処理の実行を再開させるように前記大気搬送部を制御する。
【0088】
また、好ましくは、
前記制御部は、
読み書き可能に構成された共有メモリを備え、
前記共有メモリには、
前記ロード処理又は前記アンロード処理のいずれかが実行中であればONを示し、前記ロード処理又は前記アンロード処理がいずれも実行中でなければOFFを示す排他制御フラグと、
前記ロード処理の開始要求を受け付けたらONを示し、前記ロード処理の実行が開始されたらOFFを示すロード要求フラグと、が格納されるよう構成されている。
【0089】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室に連通する真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、
複数の前記予備室に連通する大気搬送室と、
前記大気搬送室に接続され複数枚の前記基板を収納する基板収納部を載置する収納容器載置部と、
前記基板収納部と前記予備室内との間で前記基板を搬送する大気搬送部と、
少なくとも前記大気搬送部による搬送動作を制御する制御部と、
を備えた基板処理装置により実施される半導体装置の製造方法であって、
前記基板収納部から前記予備室内への前記大気搬送部による前記基板の搬入動作を繰り返すロード工程と、
前記予備室内から前記基板収納部への前記大気搬送部による前記基板の搬出動作を繰り返すアンロード工程と、を有し、
前記アンロード工程の実行中に前記制御部が前記ロード工程の開始要求を受け付けたら、前記アンロード工程の実行が中断され、前記ロード工程の実行が優先的に開始される半導体装置の製造方法が提供される。
【符号の説明】
【0090】
90 統括制御コントローラ
93 共有メモリ
94 CPU
95 RAM
W ウエハ(基板)
PC1,PC2 処理室
VM 真空搬送室
LC1,LC2 予備室
LM 大気搬送室
P1,P2 基板収納部
AR 大気搬送部
CNT 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室に連通する真空搬送室に連通し雰囲気可変に構成された予備室と、
複数の前記予備室に連通する大気搬送室と、
前記大気搬送室に接続され複数枚の前記基板を収納する基板収納部を載置する収納容器載置部と、
前記基板収納部と前記予備室内との間で前記基板を搬送する大気搬送部と、
少なくとも前記大気搬送部による搬送動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記予備室内から前記基板収納部への前記基板を搬出するアンロード処理の実行中に、
前記基板収納部から前記予備室内への前記基板を搬入するロード処理の開始要求を受け付けたら、前記アンロード処理の実行を中断させ、
前記ロード処理の実行を優先的に開始させるように前記大気搬送部を制御する
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−71425(P2011−71425A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222921(P2009−222921)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】