説明

基板処理装置

【課題】ガスノズルのガス噴出口の閉塞を抑制する。
【解決手段】基板を処理する処理室201と、処理室内に配設された複数本のガスノズル231a,231bと、複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、複数本のガスノズルを介して処理室内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給系と、処理室内を排気する排気系と、を備え、ガスノズルの少なくとも1本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、内管のガス噴出口が、外管のガス噴出口の内側で重なるように開設され、内管のガス噴出口の先端が、外管のガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、内管から処理ガスが供給され、外管から不活性ガスが供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばDRAM等の半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に薄膜を形成する基板処理工程が実施されてきた。かかる基板処理工程は、基板を収納して処理する処理室と、処理室内に配設されるガスノズルと、このガスノズルを介して処理室内に原料ガスや反応ガス等の処理ガスを供給するガス供給系と、処理室内を排気する排気系と、を有する基板処理装置により実施されている。ガスノズルには、多数のガス噴出口が開設されており、1重管で構成されたものと、内管及び外管から成る2重管で構成されたものとがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−113419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば反応ガスが供給された処理室内に、上述の1重管のガスノズルを用いて原料ガスを供給する場合、原料ガスと反応ガスとが、ガスノズルのガス噴出口付近で反応し、反応生成物がガス噴出口に堆積し、ガス噴出口が閉塞してしまうことがあった。このため、ガスノズルの内部が高圧になり、ガスノズルが破損する場合があった。
【0005】
特許文献1に記載の2重管のガスノズルは、内管のガス噴出口の先端の位置が、外管のガス噴出口の先端の位置よりも内側であった。このため、1重管の場合と同様に、原料ガスと反応ガスとが、外管のガス噴出口付近で反応し、ガス噴出口が閉塞してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、ガスノズルのガス噴出口の閉塞を抑制することが可能な基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも1本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記内管から前記処理ガスが供給され、前記外管から前記不活性ガスが供給される基板処理装置が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも2本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記2本のガスノズルの内の一方では、前記内管から原料ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給され、
前記2本のガスノズルの内の他方では、前記内管から反応ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給される基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る基板処理装置によれば、ガスノズルのガス噴出口の閉塞を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置が備える処理炉の縦断面図である。
【図2】図1に示す処理炉が備えるガスノズルの縦断面図である。
【図3】(a)は図2に示すガスノズルのA−A’線断面図を、(b)はその変形例を示している。
【図4】図1に示す処理炉が備えるガス供給系の概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置が備えるガス供給系の概略構成図であり、2本のガスノズルが2重管である場合を示している。
【図6】(a)は従来の処理炉が備えるガスノズルを示す縦断面図であり、(b)は(a)に示すガスノズルのA−A’線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本発明の第1の実施形態>
以下に、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0012】
(1)基板処理装置の構成
まず、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成例について、図1〜図4を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分の縦断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置が備えるガスノズルの縦断面図である。図3は、本発明に係る基板処理装置が備えるガスノズルの横断面図であり、(a)は図1のA−A線断面図であり、(b)はその変形例である。図4は、本実施形態に係る基板処理装置が備えるガス供給系の概略構成図である。
【0014】
(反応容器)
図1に示されているように、処理炉202は反応管としてのプロセスチューブを備えている。プロセスチューブは、内部反応管としてのインナチューブ203aと、その外側に
設けられ、インナチューブ203aを取り囲む外部反応管としてのアウタチューブ203bと、を備えている。
【0015】
インナチューブ203a及びアウタチューブ203bは、それぞれ例えば石英(SiO)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性を有する非金属材料から構成されている。インナチューブ203aは、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナチューブ203a内の筒中空部には、基板としてのウエハ200上に薄膜を形成する処理を行う処理室201が形成されている。処理室201は、ウエハ200をボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。インナチューブ203aの内径は、ウエハ200を装填したボート217の最大外径よりも大きくなるように形成されている。アウタチューブ203bは、インナチューブ203aと同心円状に設けられている。アウタチューブ203bは、内径がインナチューブ203aの外径よりも大きく、上端が閉塞し、下端が開口した円筒形状に形成されている。
【0016】
アウタチューブ203bの下方には、アウタチューブ203bと同心円状にインレットフランジ209及び炉口フランジ209aが配設されている。インレットフランジ209及び炉口フランジ209aは、例えばSUS等の金属材料により構成されている。インレットフランジ209及び炉口フランジ209aは、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インレットフランジ209及び炉口フランジ209aの内径は、ウエハ200を装填したボート217の最大外径よりも大きくなるように形成されている。インレットフランジ209の上端部は、インナチューブ203aの下端部とアウタチューブ203bの下端部とにそれぞれ係合している。インレットフランジ209は、インナチューブ203aの下端部とアウタチューブ203bの下端部とをそれぞれ支持するように設けられている。炉口フランジ209aは、インレットフランジ209の下端部に係合している。炉口フランジ209aは、インレットフランジ209を支持するように設けられている。なお、インレットフランジ209とアウタチューブ203bとの間には、シール部材としてのOリングが設けられている。インレットフランジ209と炉口フランジ209aとの間には、シール部材としてのOリングが設けられている。インレットフランジ209が図示しないヒータベースに支持されることにより、インナチューブ203a及びアウタチューブ203bは垂直に据え付けられた状態となっている。主に、インナチューブ203aと、アウタチューブ203bと、インレットフランジ209とにより反応容器が形成されている。
【0017】
(ガスノズル)
インナチューブ203a内には、内管233a及び外管233bから成る2重管構造の第1のガスノズル231aと、1重管構造の第2のガスノズル231bとが、それぞれ配設されている。第1のガスノズル231aの内管233a、第1のガスノズル231aの外管233b及び第2のガスノズル231bは、例えば石英等により構成されている。第1のガスノズル231aの内管233a、第1のガスノズル231aの外管233b及び第2のガスノズル231bは、垂直部と水平部とを有するL字形状にそれぞれ構成されている。第1のガスノズル231aの内管233a、第1のガスノズル231aの外管233b及び第2のガスノズル231bの垂直部は、ウエハ200が積層される方向に沿って、それぞれ配設(延設)されている。第1のガスノズル231aの内管233a、第1のガスノズル231aの外管233b及び第2のガスノズル231bの水平部は、インレットフランジ209の側壁を貫通するようにそれぞれ設けられている。
【0018】
第1のガスノズル231aの内管233aの外径は、第1のガスノズル231aの外管233bの内径よりも小さくなるように構成されている。そして、第1のガスノズル231aは、内管233aを外管233bで覆うことにより、2重管構造に構成されている。従って、内管233aと外管233bとの間に空間ができる。これにより、内管233a
と外管233bとから、それぞれ異なるガスを供給することができる。すなわち、例えば内管233aから原料ガスを供給し、外管233bから(内管233aと外管233bとの間の空間から)、不活性ガスを供給することが可能となる。
【0019】
第1のガスノズル231aの内管233a及び第1のガスノズル231aの外管233bの垂直部側面には、ガス噴出口248a及びガス噴出口248bが、ウエハ200が積層される方向(鉛直方向)に沿って、それぞれ複数個ずつ開設されている。ガス噴出口248a及びガス噴出口248bは、複数枚のウエハ200のそれぞれに対応する位置(高さ位置)に開設されている。また、ガス噴出口248a及びガス噴出口248bは、それぞれウエハ200の中心に向けて開口されている。
【0020】
内管233aのガス噴出口248aは、外管233bのガス噴出口248bの内側で重なるように開設されている。すなわち、内管233aのガス噴出口248aの外径は、外管233bのガス噴出口248bの内径よりも小さくなるように構成されている。なお、ガス噴出口248a及びガス噴出口248bの開口径は、インナチューブ203a内のガスの流量分布や速度分布を適正化するように適宜調整することができる。すなわち、ガス噴出口248a及びガス噴出口248bの開口径は、下部から上部にわたって同一としてよく、下部から上部にわたって徐々に大きくしてもよい。また、ガス噴出口248aとガス噴出口248bとの差α(図3(a)参照)を調整することにより、ガスの流量や速度を適宜調整可能なように構成される。差αは、下部から上部にわたって同一としてよく、下部から上部にわたって徐々に大きくしてもよい。
【0021】
また、内管233aのガス噴出口248aの先端は、外管233bのガス噴出口248bの先端と同じ位置まで突出するように構成されている。なお、外管233bのガス噴出口248bの先端とは、開口部における外管233bの外周と一致する部分を含む。すなわち、図3(a)に示すように、外管233bのガス噴出口248bが突出していない場合には、ガス噴出口248bにおける外管233bの外周と一致する部分と、内管233aのガス噴出口248aの先端とが、同じ位置になるように構成されている。なお、図3(b)に示すように、外管233bのガス噴出口248bが突出していてもよい。この場合には、内管233aのガス噴出口248aの先端と、外管233bのガス噴出口248bの先端とが同じ位置になるように構成されている。
【0022】
これにより、ガス噴出口248aから供給される原料ガスは、ガス噴出口248bから供給される不活性ガスで周囲を囲われながら、処理室201内へ供給される。このため、処理室201内の雰囲気と原料ガスとが、ガス噴出口248aの付近で反応することを抑制することができる。従って、ガス噴出口248a,248bに反応生成物が堆積することを抑制でき、ガス噴出口248a,248bの閉塞を抑制することができる。
【0023】
第2のガスノズル231bの垂直部側面には、図示しないガス噴出口が、ウエハ200が積層される方向(鉛直方向)に沿って、複数個開設されている。ガス噴出口は、複数枚のウエハ200のそれぞれに対応する位置(高さ位置)に開設されている。ガス噴出口は、それぞれウエハ200の中心に向けて開口されている。また、ガス噴出口の開口径は、インナチューブ203a内のガスの流量分布や速度分布を適正化するように適宜調整することができ、下部から上部にわたって同一としてよく、下部から上部にわたって徐々に大きくしてもよい。
【0024】
なお、本発明は、インナチューブ203a内に、第1のガスノズル231a及び第2のガスノズル231bが直接設けられる場合に限定されない。例えば、インナチューブ203aに予備室が設けられることとしてもよい。すなわち、インナチューブ203aの側壁には、ウエハ200が積載される方向(鉛直方向)に沿って、インナチューブ203aの
側壁よりもインナチューブ203aの径方向外側(アウタチューブ203bの側壁側)に突出した予備室が設けられることとしてもよい。この場合、予備室と処理室201との間には隔壁が設けられておらず、予備室内と処理室201内とはガスの流通が可能なように連通している。
【0025】
(ガス供給系)
第1のガスノズル231aの内管233aの下部には、原料ガス供給管232aが接続され、第1のガスノズル231aの外管233bの下部には、第1不活性ガス供給管232bが接続されている。また、第2のガスノズル231bの下部には、反応ガス供給管232cが接続されている。このように、インナチューブ203aには、2本のガスノズル231a、231bが接続されている。2本のガスノズル231a、231bには、3本のガス供給管232a、232b、232cが接続されており、処理室201内へ複数種類、ここでは3種類のガスを供給することができるように構成されている。
【0026】
原料ガス供給管232aには、上流側から順に、原料ガス供給源242a、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a、及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。また、原料ガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、第2不活性ガス供給管232dが接続されている。第2不活性ガス供給管232dには、上流側から順に、第2不活性ガス供給源242d、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241d、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。原料ガス供給管232aの先端部には、上述の第1のガスノズル231aの内管233aが接続されている。
【0027】
第1不活性ガス供給管232bには、上流側から順に、第1不活性ガス供給源242b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241b、及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。第1不活性ガス供給管232bの先端部には、上述の第1のガスノズル231aの外管233bが接続されている。
【0028】
マスフローコントローラ241a,241b,241d及びバルブ243a,243b,243dには、後述するコントローラ280が電気的に接続されている。コントローラ280は、処理室201内に供給するガスの流量が所定のタイミングにて所定の流量となるように、マスフローコントローラ241a,241b,241dの開度を制御するように構成されている。
【0029】
主に、第1のガスノズル231aの内管233a、原料ガス供給管232a、原料ガス供給源242a、マスフローコントローラ241a、バルブ243aにより、本実施形態に係る原料ガス供給系が構成される。また、主に、第1のガスノズル231aの外管233b、第1不活性ガス供給管232b、第1不活性ガス供給源242b、マスフローコントローラ241b、バルブ243bにより、本実施形態に係る第1不活性ガス供給系が構成される。また、主に、第2不活性ガス供給管232d、不活性ガス供給源242d、マスフローコントローラ241d、バルブ243dにより、本実施形態に係る第2不活性ガス供給系が構成される。
【0030】
反応ガス供給管232cには、上流側から順に、反応ガス供給源242c、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、反応ガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、第3不活性ガス供給管232eが接続されている。第3不活性ガス供給管232eには、上流側から順に、Nガス等の不活性ガスを供給する第3不活性ガス供給源242e、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241e、及び開閉弁であるバルブ243eが設けられている。反応ガス供給管232cの先端部
には、上述の第2のガスノズル231bが接続されている。
【0031】
マスフローコントローラ241c,241e及びバルブ243c,243eには、後述するコントローラ280が電気的に接続されている。コントローラ280は、処理室201内に供給するガスの流量が所定のタイミングにて所定の流量となるように、マスフローコントローラ241c,241eの開度を制御するように構成されている。
【0032】
主に、第2のガスノズル231b、反応ガス供給管232c、反応ガス供給源242c、マスフローコントローラ241c、バルブ243cにより、本実施形態に係る反応ガス供給系が構成される。また、主に、第3不活性ガス供給管232e、不活性ガス供給源242e、マスフローコントローラ241e、バルブ243eにより、本実施形態に係る第3不活性ガス供給系が構成される。
【0033】
そして、主に原料ガス供給系、反応ガス供給系、第1不活性ガス供給系、第2不活性ガス供給系、第3不活性ガス供給系により、本実施形態に係るガス供給系が構成される。
【0034】
原料ガス供給管232aからは、原料ガスとして、例えばシリコン元素(Si)を含むガス(シリコン含有ガス)が、マスフローコントローラ241a、バルブ243a、第1のガスノズル231aの内管233aを介して処理室201内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばジクロロシラン(SiHCl、略称:DCS)ガスを用いることができる。
【0035】
反応ガス供給管232cからは、反応ガスとして、例えば窒素元素(N)を含むガス(窒素含有ガス)が、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、第2のガスノズル231bを介して処理室201内に供給される。窒素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH)ガスを用いることができる。
【0036】
第1不活性ガス供給管232bからは、不活性ガスとして、例えば窒素(N)ガスが、マスフローコントローラ241b、バルブ243b、第1のガスノズル231aの外管233bを介して処理室201内に供給される。
【0037】
第2不活性ガス供給管232dからは、不活性ガスとして、例えば窒素(N)ガスが、マスフローコントローラ241d、バルブ243d、原料ガス供給管232a、第1のガスノズル231aの内管233aを介して処理室201内に供給される。
【0038】
第3不活性ガス供給管232eからは、不活性ガスとして、例えば窒素(N)ガスが、マスフローコントローラ241e、バルブ243e、反応ガス供給管232c、第2のガスノズル231bを介して処理室201内に供給される。
【0039】
(排気系)
インレットフランジ209の側壁には、処理室201内を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インレットフランジ209の側面部を貫通しており、インナチューブ203aとアウタチューブ203bとの隙間によって形成される筒状空間の下端部に連通している。排気管231の下流側(インレットフランジ209との接続側と反対側)には、上流側から順に、圧力検出器としての圧力センサ245、圧力調整装置としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244、真空ポンプ246が設けられている。
【0040】
圧力センサ245及びAPCバルブ244には、後述するコントローラ280が電気的に接続されている。コントローラ280は、圧力センサ245により検知した圧力情報に
基づいて、処理室201内の圧力が所定のタイミングにて所定の圧力(真空度)となるように、APCバルブ244の開度を制御するように構成されている。
【0041】
主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ244及び真空ポンプ246により、本実施形態に係る排気系が構成される。
【0042】
(シールキャップ)
炉口フランジ209aの下端開口には、反応容器を気密に閉塞することが可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属により構成されており、円板状に形成されている。シールキャップ219の上面には、炉口フランジ209aの下端と接合するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219は、炉口フランジ209aの下端に、反応容器の垂直方向下側から当接し、処理室201を閉塞するように構成されている。
【0043】
(ボート)
処理室201内には、基板保持具としてのボート217が、インレットフランジ209の下端開口の下方側から搬入されるように構成されている。ボート217は、複数枚の基板としてのウエハ200を、水平姿勢であって互いに中心を揃えた状態で、所定の間隔で配列させて保持するように構成されている。ボート217は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料により構成されている。ボート217の下部には、円板形状をした断熱部材としての断熱板217aが、水平姿勢で多段に複数枚配置されている。断熱板217aは、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料により構成されている。断熱板217aは、後述するヒータ207からの熱をインレットフランジ209側に伝え難くするように構成されている。
【0044】
(ボート回転機構)
シールキャップ219の下方(すなわち処理室201側とは反対側)には、ボート217を回転させるボート回転機構267が設けられている。ボート回転機構267が備える回転軸255は、シールキャップ219を貫通するように設けられている。回転軸255の上端部は、ボート217を下方から支持している。ボート回転機構267を作動させることにより、インナチューブ203a内の気密を保持したまま、複数枚のウエハ200を搭載したボート217を処理室201内で回転させることが可能に構成されている。
【0045】
(ボートエレベータ)
シールキャップ219は、アウタチューブ203bの外部に垂直に設けられた図示しない昇降機構としてのボートエレベータによって、垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータを作動させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬送(ボートロード或いはボートアンロード)させることが可能に構成されている。
【0046】
ボート回転機構267及びボートエレベータには、後述するコントローラ280が電気的に接続されている。制御部280は、ボート回転機構267及びボートエレベータが所定の動作をするよう所定のタイミングにて制御するように構成されている。
【0047】
(ヒータ)
アウタチューブ203bの外側には、アウタチューブ203bの側壁面を囲う同心円状に、加熱部としてのヒータ207が設けられている。ヒータ207は円筒形状に形成されている。ヒータ207は、図示しない保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。インナチューブ203aとアウタチューブ203bとの間には、図示しない温度検出器としての温度センサが設置されている。ヒータ207及び温度センサには、後述するコントローラ280が電気的に接続されている。コントローラ2
80は、処理室201内の温度が所定の温度分布となるように、温度センサにより検出された温度情報に基づいてヒータ207への通電具合を所定のタイミングにて制御するように構成されている。
【0048】
(コントローラ)
制御部であるコントローラ280は、ヒータ207、APCバルブ244、真空ポンプ246、ボート回転機構267、図示しないボートエレベータ、バルブ243a,243b,243c,243d,243e、マスフローコントローラ241a,241b,241c,241d,241e等にそれぞれ接続されている。コントローラ280により、ヒータ207の温度調整動作、APCバルブ244の開閉及び圧力調整動作、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータの昇降動作、バルブ243a,243b,243c,243d,243eの開閉動作、マスフローコントローラ241a,241b,241c,241d,241eの流量調整等の制御が行われる。
【0049】
(2)基板処理工程
次に、上述の基板処理装置の処理炉202を用いて、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板としてのウエハ200上に窒化シリコン(SiN)膜を成膜する工程例について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
【0050】
なお、本実施形態では、一例として、原料ガスとしてシリコンを含むDCSガスを、反応ガスとして窒素含有ガスであるNHガスを、不活性ガスとして希釈ガスあるいはキャリアガスであるNガスを加熱された処理室201内に供給し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりウエハ200上にSiN膜を形成する。
【0051】
(基板搬入工程)
まず、複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)する。そして、図1に示すように、複数枚のウエハ200を保持したボート217を、図示しないボートエレベータによって持ち上げて処理室201内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220を介して炉口フランジ209aの下端をシールした状態となる。
【0052】
(圧力・温度調整工程)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気する。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ244の弁の開度をフィードバック制御する(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度となるように、ヒータ207によって加熱する。この際、処理室201内が所望の温度分布、具体的には処理室201内でCVD反応が生じるような温度分布となるように、図示しない温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合をフィードバック制御する(温度調整)。続いて、ボート回転機構267によりボート217、すなわちウエハ200の回転を開始する。圧力調整、温度調整、ウエハ200の回転は、少なくとも後述する成膜工程の終了まで継続する。
【0053】
(成膜工程)
続いて、まず、処理室201内に反応ガスであるNHガスを供給する。具体的には、反応ガス供給管232cに設けられたバルブ243cを開ける。これにより、マスフローコントローラ241cにより流量調整しつつ、反応ガス供給源242cから供給されたNHガスの第2のガスノズル231bを介した処理室201内への供給が開始される。同
時に、処理室201内に不活性ガスであるNガスを供給してもよい。具体的には、第3不活性ガス供給管232eに設けられたバルブ243eを開ける。これにより、マスフローコントローラ241eにより流量調整しつつ、第3不活性ガス供給源242eから供給されたNガスの、反応ガス供給管232c及び第2のガスノズル231bを介した処理室201内への供給が開始される。
【0054】
次に、NHガスで充満した処理室201内に、原料ガスであるDCSガス及び不活性ガスであるNガスを供給する。具体的には、原料ガス供給管232aに設けられたバルブ243aを開けることで、原料ガス供給源242aから供給されたDCSガスの第1のガスノズル231aの内管233aを介した処理室201内への供給が開始される。また、バルブ243aを開けると同時に、第1不活性ガス供給管232bに設けられたバルブ243bを開ける。これにより、第1不活性ガス供給源242bから供給されたNガスの第1のガスノズル231aの外管233bを介した処理室201内への供給が開始される。このとき、第2不活性ガス供給系からも不活性ガスを処理室201内に供給してもよい。具体的には、バルブ243a及びバルブ243bを開けると同時に、第2不活性ガス供給管232dに設けられたバルブ243dを開けてもよい。これにより、第2不活性ガス供給源242dから供給されたNガスの、原料ガス供給管232a及び第1のガスノズル231aの内管233aを介した処理室201内への供給が開始される。
【0055】
NHガスで充満した処理室201内に供給されたDCSガスは、Nガスにより希釈及び拡散されつつ、処理室201内を通過する際に加熱されたウエハ200の表面と接触する。その結果、ウエハ200上にSiN膜が堆積(デポジション)する。
【0056】
上述したように、内管233aから供給されるDCSガスは、外管233bから供給されるNガスで周囲を囲われて処理室201内へ供給される。このため、処理室201内のNHガスと内管233aから供給されるDCSガスとが、第1のガスノズル231aのガス噴出口248a,248bの付近で反応することを抑制することができる。従って、第1のガスノズル231aのガス噴出口248a,248bに反応生成物が堆積することを抑制でき、ガス噴出口248a,248bの閉塞を抑制することができる。
【0057】
また、外管233bを流れるNガスが、パージガス、希釈ガスとして機能するだけでなく、内管233aを冷却する冷却ガスとしても機能する。すなわち、第1のガスノズル231aは、ヒータ207によって加熱されるため、内管233aも高熱となる。このとき、外管233bを流れるNガスが、内管233aの熱を吸収して冷却し、内管233aの温度上昇を抑えることができる。これにより、内管233aを流れるDCSガスの温度上昇を抑えることができる。この結果、DCSガスの熱分解を防ぐことができ、内管233aの内部で分解生成物等が堆積することを抑制することができる。その結果、内管233aの内部の閉塞を抑制することができる。
【0058】
所定時間が経過して、SiN膜が所定の膜厚となったら、バルブ243aを閉じ、処理室201内へのDCSガスの供給を停止する。このとき、第1不活性ガス供給系及び第2不活性ガス供給系のバルブ243b及びバルブ243dは、それぞれ閉じてもよく、開けたままでもよい。
【0059】
バルブ243aを閉じてDCSガスの供給を停止した後、バルブ243cを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。このとき、第3不活性ガス供給系のバルブ243eは閉じてもよく、開けたままでもよい。
【0060】
(パージ工程)
処理室201内へのDCSガス及びNHガスの供給を停止した後は、バルブ243b
は開いたままとし、処理室201内へのNガスの供給を継続して行う。これにより、処理室201内をNガスによりパージし、処理室201内に残留している残留ガスや反応生成物を除去する。なお,この際、バルブ243d及びバルブ243eを更に開けることにより、原料ガス供給管232a内、第1のガスノズル231aの内管233a内、反応ガス供給管232c内、第2のガスノズル231b内を併せてパージしてもよい。
【0061】
(大気圧復帰工程、基板搬出工程)
パージが完了したら、ヒータ207への電力供給を停止して処理室201内を降温させると共に、APCバルブ244の開度を調整して処理室201内の圧力を大気圧に復帰させる。そして、上述した基板搬入工程に示した手順とは逆の手順によりボート217を処理室201内から搬出(ボートアンロード)し、所定膜厚のSiN膜が成膜されたウエハ200をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
【0062】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0063】
(a)本実施形態によれば、ガスノズルの少なくとも1本を、内管233a及び外管233bから成る2重管構造としている。そして、内管233aのガス噴出口248aが、外管233bのガス噴出口248bの内側で重なるようにしている。そして、内管233aのガス噴出口248aの先端が、外管233bのガス噴出口248bの先端と同じ位置まで突出している。そして、1本のガスノズルから処理ガス及び不活性ガスの2種類のガスを別々に供給する。具体的には、例えば内管233aから原料ガスを供給し、外管233bから不活性ガスを供給することができる。これにより、内管233aから供給される原料ガスを、外管233bから供給される不活性ガスで周囲を囲いながら処理室201内に供給することができる。このため、第1のガスノズル231aのガス噴出口248a,248b付近で、原料ガスと反応ガスとが混合し、反応することを抑制できる。従って、反応生成物がガス噴出口248a,248bに堆積することを抑制することができ、ガス噴出口248a,248bが閉塞することを抑制することができる。その結果、ガスノズル内が高圧になることを防止することができ、ガスノズルの破損を抑制することができる。
【0064】
(b)本実施形態によれば、特に、内管233aのガス噴出口248aの先端が、外管233bのガス噴出口248bの先端と同じ位置まで突出している。これにより、例えば、反応ガスが供給された処理室201内に、内管233aから原料ガスを供給し、外管233bから不活性ガスを供給する場合、処理室201内の反応ガスが、第1のガスノズル231aの内管233aの内部や、第1のガスノズル231aの外管233bの内部に進入することを抑制できる。これにより、第1のガスノズル231aのガス噴出口248a,248b付近や、第1のガスノズル231aの内部で、原料ガスと反応ガスとが混合し、反応することを抑制できる。このため、反応生成物がガス噴出口248a,248b付近に堆積することを抑制することができ、ガス噴出口248a,248bが閉塞することをより抑制することができる。
【0065】
(c)本実施形態によれば、外管233bを流れる不活性ガスが、内管233aを冷却する冷却ガスとしても機能する。これにより、内管233aを流れる処理ガスの熱分解を防ぐことができ、内管233aの内部で分解生成物等が堆積することを抑制することができる。その結果、内管233aの内部の閉塞を抑制することができ、ガスノズルの破損を抑制することができる。
【0066】
(d)本実施形態によれば、ガス噴出口248a,248bに、処理ガスと反応ガスとの反応生成物が堆積することを抑制することができる。これにより、石英等で構成されるガ
スノズルと、SiN等で形成される堆積物との熱膨張率の違いによって生じる熱応力を低減できる。その結果、ガスノズルの破損を抑制することができる。
【0067】
(e)本実施形態によれば、ガスノズルの破損を抑制することができる。これにより、ガスノズルを交換する回数を低減することができる。その結果、メンテナンスコストを削減することができる。そして、ガスノズルの交換回数が減ることで、ガスノズルの交換に伴って発生するボート217やインナチューブ203a等の破損も回避することができる。
【0068】
以下、参考までに、従来のガスノズルについて図6を用いて説明する。図6に示すように、従来のガスノズル233’は1重管で構成されていた。そのため、例えば反応ガスが供給された処理室内に、ガスノズル233’から原料ガスを供給する場合、原料ガスと反応ガスとがガスノズル233’のガス噴出口248’付近で反応し、反応生成物がガス噴出口248’に堆積し、ガス噴出口248’が閉塞してしまうことがあった。これに対し、本実施形態によれば、ガスノズルの少なくとも1本を、内管233a及び外管233bから成る2重管構造としている。また、内管233aのガス噴出口248aが、外管233bのガス噴出口248bの内側で重なるようにしている。さらに、内管233aのガス噴出口248aの先端が、外管233bのガス噴出口248bの先端と同じ位置まで突出している。このため、この課題を効果的に解決することができる。
【0069】
<本発明の第2の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0070】
第1の実施形態では、処理室201内に配設された2本のガスノズルのうち、原料ガスを供給する第1のガスノズル231aのみを、内管233a及び外管233bから成る2重管構造とした。しかしながら、反応ガスを供給する第2のガスノズル231bを、内管及び外管から成る2重管構造のガスノズルとしてもよい。以下、このような構成を備えた実施形態について説明する。
【0071】
図5は、本実施形態に係る基板処理装置が備えるガス供給系の概略構成図である。本実施形態に係るガス供給系には、処理室201内に配設された反応ガスを供給する第2のガスノズル231bを、内管233c及び外管233fから成る2重管構造とした点が、第1の実施形態と異なる。その他は、第1の実施形態と同様である。
【0072】
本実施形態において、第2のガスノズル231bの内管233cの下部には、反応ガス供給管232cが接続され、第2のガスノズル231bの外管233fの下部には、第4不活性ガス供給管232fが接続されている。反応ガス供給管232cには、上流側から順に、反応ガス供給源242c、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、反応ガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、第3不活性ガス供給管232eが接続されている。第4不活性ガス供給管232fには、上流側から順に、第4不活性ガス供給源242f、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241f、及び開閉弁であるバルブ243fが設けられている。第4不活性ガス供給管232fの先端部には、上述の第2のガスノズル231bの外管233fが接続されている。主に、第2のガスノズル231b、反応ガス供給管232c、反応ガス供給源242c、マスフローコントローラ241c、バルブ243cにより、本実施形態に係る反応ガス供給系が構成される。また、主に、第2のガスノズル231bの外管233f、第4不活性ガス供給管232f、第4不活性ガス供給源242f、マスフローコントローラ241f、バルブ243fにより、本実施形態に係る第4不活性ガス供給系が構成される。
【0073】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態によれば、原料ガスと反応ガスとが、第2のガスノズル231bの内管233c及び第2のガスノズル231bの外管233fにそれぞれ開設された図示しないガス噴出口で反応し、反応生成物がガス噴出口に堆積し、第2のガスノズル231bの内管233c及び第2のガスノズル231bの外管233fのガス噴出口を閉塞することを抑制することができる。そして、第2のガスノズル231bの破損を抑制することができる。
【0074】
<本発明の他の実施形態>
例えば、上述の実施形態では、処理室201内に2本のガスノズル231a、231bを設ける構成について説明したが、ガスノズルは2本に限らず、3本以上であってもよい。この場合、3本以上のガスノズルのうち、少なくとも1本が内管及び外管から成る2重管構造であればよい。
【0075】
また例えば、上述の実施形態では、処理ガスとしてDCSガス、NHガス及びNガスを用い、ウエハ200上にSiN膜を形成する場合について説明したが、本発明はかかる形態に限定されない。すなわち、ウエハ200上に異なる種類の薄膜を形成したり、異なる種類の処理ガスを用いたりする場合であっても本発明は好適に適用可能である。また、ウエハ200上に薄膜を形成する場合に限らず、ウエハ200の表面やウエハ200上に形成された薄膜を酸化、窒化又は炭化させたり、これらをエッチングしたりする場合にも本発明は好適に適用可能である。
【0076】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0077】
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも1本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記内管から前記処理ガスが供給され、前記外管から前記不活性ガスが供給される基板処理装置が提供される。
【0078】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも2本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記2本のガスノズルの内の一方では、前記内管から原料ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給され、
前記2本のガスノズルの内の他方では、前記内管から反応ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給される基板処理装置が提供される。
【0079】
本発明のさらに他の態様によれば、
基板が収容されるインナチューブと、
前記インナチューブを取り囲むアウタチューブと、
前記インナチューブ内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記インナチューブ内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給系と、
前記インナチューブの側壁に開設されたガス排気口と、
前記アウタチューブと前記インナチューブとに挟まれる空間を排気して前記ガス噴出口から前記ガス排気口へと向かうガス流を前記インナチューブ内に生成する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも1本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記内管から前記処理ガスが供給され、前記外管から前記不活性ガスが供給される基板処理装置が提供される。
【0080】
好ましくは、
前記内管の外径は、前記外管の内径よりも小さく、前記外管が前記内管を覆っている。
【符号の説明】
【0081】
201 処理室
231a 第1のガスノズル
231b 第2のガスノズル
233a 第1のガスノズルの内管
233b 第1のガスノズルの外管
248a 第1のガスノズルの内管のガス噴出口
248b 第1のガスノズルの外管のガス噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも1本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記内管から前記処理ガスが供給され、前記外管から前記不活性ガスが供給される
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に配設された複数本のガスノズルと、
前記複数本のガスノズルにそれぞれ開設されたガス噴出口と、
前記複数本のガスノズルを介して前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、を備え、
前記ガスノズルの少なくとも2本は、内管及び外管から成る2重管構造であり、
前記内管の前記ガス噴出口が、前記外管の前記ガス噴出口の内側で重なるように開設され、
前記内管の前記ガス噴出口の先端が、前記外管の前記ガス噴出口の先端と同じ位置まで突出し、
前記2本のガスノズルの内の一方では、前記内管から原料ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給され、
前記2本のガスノズルの内の他方では、前記内管から反応ガスが供給され、前記外管から不活性ガスが供給される
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253134(P2012−253134A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123468(P2011−123468)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】