説明

基板角度位置補正装置

【課題】構造の複雑化による装置の大型化及び設備コストの上昇、並びに、製造プロセスの長時間化による製造コストの上昇を生じることなく基板の角度位置を制御する。
【解決手段】基板受け渡し部材12が基板把持部1のフィンガ3と干渉する場合には、フィンガ3を含む基板把持部1を基板Wとともにさらに補正角度値だけ回転させ、下限位置から搬出入位置まで上昇する基板受け渡し部材12が基板把持部1のフィンガ3に当接しないようにする。演算処理部8は補正角度値をロボット制御部22に伝送し、ロボット制御部22は演算処理部8から伝送された補正角度値だけ基板把持部1の回転方向とは反対方向にロボットハンド11を水平面内で回転させる。ロボットハンド11における基板Wの相対的な角度は適正なままにされ、その後に基板Wを搬入すべきプロセス装置に対して適正な角度位置で基板Wが搬入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造装置において任意の角度位置で搬入されるシリコンウェハ等の円形薄型基板を所定の角度位置に制御して搬出するエッジホールド式の基板角度位置補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造に用いられるシリコンウェハ等の円形薄型基板(以下、単に基板という。)には、製造プロセスにおいて必要とされる結晶方向を明示するため、予め基板の外周部に直線部分(オリフラ)又はV字状の切欠き(ノッチ)が形成されている。半導体の製造プロセスでは、一般に、複数枚の基板がカセットケースに収納されており、カセットケースから1枚ずつ基板を取り出してプロセス装置に搬入される。
【0003】
通常、互いの角度位置を統一せずに複数枚の基板がカセットケースに収納されているため、カセットケースから基板を取り出した後、プロセス装置に搬入する前に、オリフラ又はノッチを基準にして基板を所定の角度位置に制御する工程が必要となる。なお、カセットケースからの基板搬出及びプロセス装置への基板搬入は、ロボットアームを介して行われる。
【0004】
このため、基板に形成されたノッチの検出結果に基づいて、基板を載置した回転テーブルを回転させることにより、基板の角度位置を制御する装置が用いられていた。この種の装置は、基板を回転テーブル上に固定するために基板裏面の中心部を真空吸着しているが、基板裏面に微小な汚染物質(パーティクル)が付着するために、基板の厳密な清浄度が要求される製造プロセスには適さない。
【0005】
そこで、基板の厳密な清浄度が要求される製造プロセスに使用できる装置として、基板裏面の内部領域を避けて、基板の端縁部を把持又は支持する機構を回転テーブル上に設けた基板角度位置補正装置がある。
【0006】
ところが、回転を停止した回転テーブルの角度位置によっては、所定の角度方向から基板の搬出入を行うロボットアームが、基板の端縁部を把持又は支持する機構と干渉する虞があるため、回転テーブルに対する基板の搬出入に際し、ロボットアームに干渉しない角度位置で昇降する基板受け渡し用の支持機構、又は、ロボットアームに干渉しない角度位置の基板受け渡し位置まで回転テーブルを昇降させる昇降機構が別途必要になる。
【0007】
ただし、基板受け渡し用の支持機構も、基板の端縁部にのみ接触可能とする制約下、回転を停止した回転テーブルの角度位置によっては、基板の搬出入の際の昇降時に、回転テーブル上に配置された基板の端縁部を把持又は支持する機構と干渉する虞がある。
【0008】
そこで、従来の装置では、図6に示すように、基板Wの中心軸回りに回動可能かつ中心軸に沿って昇降可能にされた基板保持手段101、及び、基板保持手段101の昇降動作に同期して基板Wの側面を把持及び開放する機構を備え、基板保持手段101が下降して基板Wの側面の把持が開放されると同時に予め基板保持手段101の下方で待機する基板受け渡し手段112に基板Wを載置し、回転を停止した基板保持手段101がその角度位置によって下降の際に基板受け渡し手段112と干渉する場合には、基板受け渡し手段112を基板の中心軸回りに所定の角度だけ回転させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
この構成によれば、基板の搬入から搬出に至る一連の工程で、ロボットハンド111、基板受け渡し手段112及び基板保持手段101が相互に干渉することなく基板の角度位置の制御ができるとされている。
【特許文献1】特開2003−163258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1等に開示されている装置では、基板保持手段101を回転させる機構、基板保持手段101を昇降させる機構、及び、基板Wの側面を把持及び開放する機構に加えて、基板受け渡し手段112を回転させる機構が必要になり、構造の複雑化による装置の大型化及び設備コストの上昇を招く問題がある。
【0011】
また、基板を把持した基板保持手段101を下降させて基板を基板受け渡し手段112に支持させ、所定角度回転させた後に再度基板保持手段101に基板を把持させて上昇させる工程が必要になり、製造プロセスが長時間化して製造コストの上昇を招く問題がある。
【0012】
この発明の目的は、基板受け渡し手段の回転動作を不要にし、構造の複雑化による装置の大型化及び設備コストの上昇、並びに、製造プロセスの長時間化による製造コストの上昇を生じることなく高精度に基板の角度位置を制御することができる基板角度位置補正装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、この発明の基板角度位置補正装置は、以下の構成を備えたものである。
【0014】
(1)各関節部出独立に回動可能な水平多関節型のロボットアームを介して搬入された円形薄型基板の端縁部における所定の角度位置に当接して前記円形薄型基板を保持する基板受け渡し部材と、
前記基板受け渡し部材に保持された前記円形薄型基板の端縁部における前記所定の角度位置と異なる角度位置に前記基板受け渡し部材の下方から当接して前記円形薄型基板を把持する基板把持部と、
前記円形薄型基板を把持した前記基板把持部を前記円形薄型基板の中心軸回りに回転させる基板回転機構と、
前記基板受け渡し部材を前記基板把持部より上方の搬出入位置及び下方の下限位置の間で前記円形薄型基板の中心軸に沿って昇降させる基板昇降機構と、
前記基板回転機構によって回転している前記基板把持部に把持された前記円形薄型基板の端縁部において予め形成されたノッチを検出するノッチ検出器と、
前記基板把持部の回転角度を検出する角度検出器と、
前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に基づいて、前記ロボットアームを介して前記円形薄型基板を搬出する際の前記ノッチの角度位置を示す制御角度値、及び、前記ロボットアームの角度位置を示す補正角度値を演算し、制御角度値及び補正角度値に基づいて前記基板回転機構を動作させるとともに、補正角度値を前記ロボットアームの制御部に伝送する演算処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成においては、ノッチ検出器が回転中の基板把持部が把持している円形薄型基板のノッチを検出したときの基板把持部の角度位置に基づいて演算された制御角度値及び補正角度値にしたがって基板把持部が回転駆動されるとともに、補正角度値がロボットアームの制御部に伝送される。したがって、基板の回転角度の補正がロボットアームの回動によって実現され、基板把持部を補正角度値だけ余分に回転させた際に、基板を搬出する前に基板を補正角度値だけ逆方向に回転させるための機構を備える必要がない。
【0016】
(2)前記演算処理部は、前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に予め設定された所定角度値を加算して制御角度値を演算するとともに、演算した制御角度値に基づいて前記基板昇降機構により上昇する前記基板受け渡し部材が干渉しない角度位置に前記基板把持部を位置させるための角度値を補正角度値として演算することを特徴とする。
【0017】
この構成においては、ノッチ検出器がノッチを検出したときの角度検出器の検出角度値に所定角度値を加算した制御角度値だけ基板把持部を回転させることにより、基板の角度位置が適正にされて搬出される。このとき、基板受け渡し部材が干渉しない角度位置に基板把持部を位置させるための角度値である補正角度値だけ基板把持部を余分に回転させることにより、基板受け渡し部材と基板把持部との干渉が回避される。
【0018】
(3)前記演算処理部は、前記基板回転機構によって前記制御角度値だけ回転させた前記基板把持部が、前記基板受け渡し部材に干渉する場合にのみ、前記補正角度値の演算を行うことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、制御角度値だけ回転させた基板把持部が基板受け渡し部材に干渉する場合にのみ補正角度値が演算される。したがって、制御角度値だけ回転させた基板把持部が基板受け渡し部材に干渉しない場合には補正角度値の演算は行われず、不要な処理が省略される。
【発明の効果】
【0020】
この発明の基板角度位置補正装置によれば、以下の効果を奏することができる。
【0021】
(1)基板の回転角度の補正がロボットアームの回動によって実現され、基板把持部を補正角度値だけ余分に回転させた際に、基板を搬出する前に基板を補正角度値だけ逆方向に回転させるための機構が不要になり、構造の複雑化による装置の大型化及び設備コストの上昇、並びに、製造プロセスの長時間化による製造コストの上昇を生じることなく高精度に基板の角度位置を制御することができる。
【0022】
(2)ノッチ検出器がノッチを検出したときの角度検出器の検出角度値に所定角度値を加算した制御角度値だけ基板把持部を回転させて基板の角度位置を適正にした際に、基板受け渡し部材が干渉しない角度位置に基板把持部を位置させるための角度値である補正角度値だけ基板把持部を余分に回転させることにより、基板受け渡し部材と基板把持部との干渉を確実に回避できる。
【0023】
(3)制御角度値だけ回転させた基板把持部が基板受け渡し部材に干渉しない場合には補正角度値の演算は行わないようにし、不要な処理を省略して製造プロセスを短時間化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、この発明の実施形態に係る基板角度位置補正装置の全体の構成を示す概略図である。この実施形態に係る基板角度位置補正装置20は、円形薄型基板である基板Wを把持する基板把持部1、基板把持部1を基板Wの中心軸回りに回転させる基板回転機構4、基板Wを中心軸に沿って昇降させる基板昇降機構5、基板Wの端縁部に形成されたノッチを検出するノッチ検出器6、基板Wの回転角度を検出する角度検出器7、ノッチ検出器6及び角度検出器7によって測定されたノッチの角度位置に予め設定された所定の角度値を加算して制御角度値を演算するとともに、制御角度値に基づいて補正角度値を演算する演算処理部8、並びに、基板回転機構4及び基板昇降機構5に含まれるモータの駆動状態を制御するモータ制御部9を備えている。
【0025】
演算処理部8は、ロボット装置21のロボット制御部22に接続されており、演算した補正角度値をロボット制御部22に伝送する。ロボット制御部22は、先端にロボットハンド11を軸支した水平多関節型ロボットアーム10を備えており、演算処理部8から伝送された制御角度値だけロボットハンド11を水平面内で回転させる。ロボットハンド11は、図示しない把持機構によって基板Wの端縁部を基板Wの中心に向って把持する。このため、ロボットハンド11による把持により、基板Wの中心位置の位置決め(センタリング)は完了する。
【0026】
図2は、上記基板角度位置補正装置の要部の構成を示す平面図及び左右の側面図である。基板角度位置補正装置20において、基板把持部1は、基板Wの端縁部に接触する爪部2を備えたフィンガ3を、基板Wの円周方向に沿って等角度間隔で3個備えている。フィンガ3は、基板Wの中心に向う方向に沿って同時に同一速度で接近又は離間する開閉動作を行う。爪部2は互いに近接する方向に移動して基板Wを把持し、互いに離間する方向に移動して基板Wの把持状態を解除する。
【0027】
フィンガ3における爪部2の開閉動作機構としては、一般にエアチャックが用いられるが、モータ駆動されるリンク機構を用いることもできる。爪部2における基板Wの端縁部との接触面は、水平面に対して5度程度傾斜している。爪部2が基板Wの端縁部と点接触するようにして両者の接触面積を最小にし、基板Wの裏面へのパーティクルの付着や摩擦によるパーティクルの発生を抑制するためである。
【0028】
基板回転機構4は、例えばエンコーダである角度検出器7が同軸に組つけられたモータ4Aの出力軸である原動軸の回転を、原動軸側のタイミングプーリ4Bと従動軸側のタイミングプーリ4Dとの間に張架されたタイミングベルト4Cを介して、基板把持部1が軸支された従動軸に伝達する。
【0029】
基板昇降機構5は、平面視において部分円弧状の昇降部材5Aに基板Wの端縁部に下方から当接する当接面を備えた基板受け渡し部材12を、基板Wの円周方向に沿って等角度間隔で3個備えている。基板Wの円周方向における各基板受け渡し部材12の位置は、変化しない。基板受け渡し部材12における基板Wの端縁部との当接面は、水平面に対して5度程度傾斜している。爪部2が基板Wの端縁部と点接触するようにして両者の接触面積を最小にし、基板Wの裏面へのパーティクルの付着や摩擦によるパーティクルの発生を抑制するためである。
【0030】
基板昇降機構5は、昇降部材5Aが垂直方向(基板Wの中心軸に平行な方向)に摺動するガイドレール5Bを備えている。また、基板昇降機構5は、図3に示すように、原動軸側のタイミングプーリ5Dと従動軸側のタイミングプーリ5Eとの間に張架されたタイミングベルト5Fのスパン部にクランプ5Gを介して昇降部材5Aを固定しており、図示しないモータの回転軸である原動軸5Cの回転をベルト伝動方式によって昇降部材5Aに伝達する。なお、図3は、図2における矢印B方向から見た図である。
【0031】
基板昇降機構5は、ベルト伝動方式に代えてボールネジとガイドレールとの構成、又は、エアシリンダ等による空気圧駆動によって昇降部材5Aを昇降させることもできる。
【0032】
ノッチ検出器6は、例えば、投光素子と受光素子とが基板Wの端縁部を上下に挟んで対向するライン式レーザセンサ、LEDセンサ又はファイバセンサ等によって構成されている。ノッチ検出器6は、基板Wの円周方向における所定の角度位置に固定されており、基板回転機構4によって基板Wが回転することにより、基板Wの端縁部に形成されたノッチを検出する。
【0033】
図4は、上記基板角度位置補正装置の動作を説明する図である。また、図5は、上記基板角度位置補正装置の演算処理部における処理手順を示すフローチャートである。基板角度位置補正装置20と協働する水平多関節型のロボットアーム10は、例えば、各関節部独立に回動可能な2リンク/自由度3軸で構成されており、基板把持部1上に把持された基板Wの中心軸を回転軸として、任意の角度位置にロボットハンド11を配置することができる。このロボットアーム10は、各関節部が独立に回動可能な構成であればよく、3リンク/自由度4軸のロボットアームであってもよい。
【0034】
演算処理部8は、基板Wがロボットハンド11に把持されて搬入されると(S1)、基板昇降機構5によって基板受け渡し部材12を搬出入位置まで上昇させ(S2,S3)、基板受け渡し部材12に基板Wを載置し、ロボットハンド11が退避すると(S4)、基板昇降機構5によって基板受け渡し部材12を下限位置まで下降させる(S5,S6)。この下降途中に、フィンガ3の爪部2に基板Wが載置される。
【0035】
演算処理部8は、基板受け渡し部材12が下限位置まで下降すると、フィンガ3の爪部2を互いに近接する方向に移動させて基板把持部1に基板Wを把持させた後(S7)、基板回転機構4によって基板把持部1を基板Wとともに、基板Wの中心軸回りに所定の回転速度で360度以上の角度範囲にわたって回転させ(S8)、ノッチ検出器6がノッチTを検出すると基板把持部1の回転を停止する(S9,S10)。
【0036】
演算処理部8は、ノッチ検出器6がノッチTを検出したときの角度検出器7の検出結果に基づいてノッチTの角度位置を表す角度値を測定し(S11)、その角度値に演算処理部8に予め設定されている所定角度値を加算して制御角度値を算出し、算出した制御角度値の角度位置まで基板把持部1を回転させ(S13)、基板昇降機構5によって基板受け渡し部材12を所定の搬出入位置まで上昇させる(S14,S15)。基板受け渡し部材12が搬出入位置に達すると、フィンガ3の爪部2を互いに離間する方向に移動させて基板把持部1における基板Wの把持状態を解除する(S16)。基板Wは、この間に基板受け渡し部材12に載置され、搬出入位置に達するとロボットハンド11によって搬出される。演算処理部8は、基板Wが搬出されると基板受け渡し部材12を下限位置まで下降させる(S17〜S19)。
【0037】
S13で加算される所定角度値は、ノッチ検出器6に対向している状態のノッチTが示す基板Wの結晶方向と、後に基板Wが搬入されるべきプロセス装置における処理に適合した結晶方向と、の角度差である。したがって、ロボットハンド11に把持された基板Wの円周方向について、基板角度位置補正装置20におけるノッチ検出器6の配置角度が、基板Wの結晶方向をプロセス装置において適正にした場合のノッチTの角度位置に一致する場合には、所定角度値は0となる。
【0038】
演算処理部8は、S11の処理においてノッチTの角度位置を測定する際、現在下限位置にある基板受け渡し部材12を上昇させたときに、基板受け渡し部材12が基板把持部1のフィンガ3と干渉するか否かの判別を行う(S12)。
【0039】
即ち、基板Wの円周方向における基板受け渡し部材12の位置は不変てあるため、ノッチ検出器6がフィンガ3に把持された基板WのノッチTを検出した角度位置から、フィンガ3とともに基板Wを所定角度だけ回転させた際に、基板Wの円周方向におけるフィンガ3の位置が基板受け渡し部材12の位置に一致する場合がある。この場合に、そのまま基板受け渡し部材12を上昇させると、基板受け渡し部材12がフィンガ3と当接して破損や故障を生じる。
【0040】
そこで、演算処理部8は、基板受け渡し部材12が基板把持部1のフィンガ3と干渉すると判断した場合には、フィンガ3を含む基板把持部1を基板Wとともにさらに補正角度値だけ回転させ(S21)、下限位置から搬出入位置まで上昇する基板受け渡し部材12が基板把持部1のフィンガ3に当接しないようにする。このとき、演算処理部8は、補正角度値をロボット制御部22に伝送する(S22)。
【0041】
ロボット制御部22は、演算処理部8から補正角度値が伝送されると、基板回転機構4による基板把持部1の回転方向とは反対方向に補正角度値だけロボットハンド11を水平面内で回転させる。これによって、ロボットハンド11における基板Wの相対的な角度は適正なままにされ、その後に基板Wを搬入すべきプロセス装置に対して適正な角度位置で基板Wを搬入することができる。
【0042】
なお、演算処理部8は、基板把持部1のフィンガ3と基板受け渡し部材12との干渉を回避できる必要最小限の角度を補正角度値として演算する。ただし、補正角度値は、平面視において基板受け渡し部材12と重ならない位置までフィンガ3を回転させるために十分な一定の角度を予め設定しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施形態に係る基板角度位置補正装置の全体の構成を示す概略図である。
【図2】上記基板角度位置補正装置の要部の構成を示す平面図及び左右の側面図である。
【図3】上記基板角度位置補正装置の基板昇降機構の構成を示す図である。
【図4】上記基板角度位置補正装置の動作を説明する図である。
【図5】上記制御部における処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来の基板角度位置補正装置の構成を示す平面図及び正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 基板把持部
2 爪部
3 フィンガ
4 基板回転機構
5 基板昇降機構
6 ノッチ検出器
7 角度検出器
8 演算処理部
10 ロボットアーム
11 ロボットハンド
12 基板受け渡し部材
20 基板角度位置補正装置
21 ロボット装置
T ノッチ
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各関節部出独立に回動可能な水平多関節型のロボットアームを介して搬入された円形薄型基板の端縁部における所定の角度位置に当接して前記円形薄型基板を保持する基板受け渡し部材と、
前記基板受け渡し部材に保持された前記円形薄型基板の端縁部における前記所定の角度位置と異なる角度位置に前記基板受け渡し部材の下方から当接して前記円形薄型基板を把持する基板把持部と、
前記円形薄型基板を把持した前記基板把持部を前記円形薄型基板の中心軸回りに回転させる基板回転機構と、
前記基板受け渡し部材を前記基板把持部より上方の搬出入位置及び下方の下限位置の間で前記円形薄型基板の中心軸に沿って昇降させる基板昇降機構と、
前記基板回転機構によって回転している前記基板把持部に把持された前記円形薄型基板の端縁部において予め形成されたノッチを検出するノッチ検出器と、
前記基板把持部の回転角度を検出する角度検出器と、
前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に基づいて、前記ロボットアームを介して前記円形薄型基板を搬出する際の前記ノッチの角度位置を示す制御角度値、及び、前記ロボットアームの角度位置を示す補正角度値を演算し、該制御角度値及び補正角度値に基づいて前記基板回転機構を動作させるとともに、該補正角度値を前記ロボットアームの制御部に伝送する演算処理部と、を備えたことを特徴とする基板角度位置補正装置。
【請求項2】
前記演算処理部は、前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に予め設定された所定角度値を加算して制御角度値を演算するとともに、演算した制御角度値に基づいて前記基板昇降機構により上昇する前記基板受け渡し部材が干渉しない角度位置に前記基板把持部を位置させるための角度値を補正角度値として演算することを特徴とする請求項1に記載の基板角度位置補正装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、前記基板回転機構によって前記制御角度値だけ回転させた前記基板把持部が、前記基板受け渡し部材に干渉する場合にのみ、前記補正角度値の演算を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板角度位置補正装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各関節部独立に回動可能な水平多関節型のロボットアームを介して搬入された円形薄型基板の端縁部における所定の角度位置に当接して前記円形薄型基板を保持する基板受け渡し部材と、
前記基板受け渡し部材に保持された前記円形薄型基板の端縁部における前記所定の角度位置と異なる角度位置に前記基板受け渡し部材の下方から当接して前記円形薄型基板を把持する基板把持部と、
前記円形薄型基板を把持した前記基板把持部を前記円形薄型基板の中心軸回りに回転させる基板回転機構と、
前記基板受け渡し部材を前記基板把持部より上方の搬出入位置及び下方の下限位置の間で前記円形薄型基板の中心軸に沿って昇降させる基板昇降機構と、
前記基板回転機構によって回転している前記基板把持部に把持された前記円形薄型基板の端縁部において予め形成されたノッチを検出するノッチ検出器と、
前記基板把持部の回転角度を検出する角度検出器と、
前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に基づいて、前記ロボットアームを介して前記円形薄型基板を搬出する際の前記ノッチの角度位置を示す制御角度値、及び、前記ロボットアームの角度位置を示す補正角度値を演算し、該制御角度値及び補正角度値に基づいて前記基板回転機構を動作させるとともに、該補正角度値を前記ロボットアームの制御部に伝送する演算処理部と、を備えたことを特徴とする基板角度位置補正装置。
【請求項2】
前記演算処理部は、前記ノッチ検出器が前記ノッチを検出したときの前記角度検出器の検出角度値に予め設定された所定角度値を加算して制御角度値を演算するとともに、演算した制御角度値に基づいて前記基板昇降機構により上昇する前記基板受け渡し部材が干渉しない角度位置に前記基板把持部を位置させるための角度値を補正角度値として演算することを特徴とする請求項1に記載の基板角度位置補正装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、前記基板回転機構によって前記制御角度値だけ回転させた前記基板把持部が、前記基板受け渡し部材に干渉する場合にのみ、前記補正角度値の演算を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板角度位置補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−19645(P2006−19645A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198229(P2004−198229)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000108753)タツモ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】