説明

多層物品およびその製造方法

軸対称物体を形成する多層物品を製造する方法であって、該物品は、少なくとも、平均厚さTおよび高さHの側壁に接続される径Dの基部を含み、該方法は、同時押出成形された多層仕込み品を金型のキャビティ中に供給し、次に、物品を形成するために該仕込み品を圧縮することに存し、仕込み品は対称軸に関して軸対称の物体を形成すると共に、仕込み品はそれらの少なくとも一つが薄い機能層であるいくつかの層の放射状スタックからなり、該仕込み品の外径はほぼDに等しくあり、圧縮の方向は該仕込み品の対称軸に平行であると共に、圧縮は仕込み品の一つの面上で行われるが、この方法は、仕込み品が該面の一部上でのみ圧縮されるという事実を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂の同時押出成形された仕込み品の圧縮成形による多層物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特許JP2098415号明細書には、いくつかの合成樹脂層の放射状スタックからなる円筒状多層仕込み品の圧縮成形により多層物品を製造することが提案されている。その対称軸に平行な方向に沿っての、且つ仕込み品の放射状流を作り出してのこの仕込み品の圧縮成形は、多層構造を有する物品をもたらす。特許JP2098415号明細書に開示されている方法に従って、この仕込み品を押しつぶし、図3に示されるような多層物品をもたらす。
【0003】
図1に示される3層仕込み品を用いることが、特許JP2098415号明細書に提案されており、この仕込み品は、仕込み品の中心部分を形成する第一樹脂4、第一樹脂の側面のみを覆う第二樹脂3、および第二樹脂の側面のみを覆う第三樹脂2から構成される。この仕込み品は、ダイ6およびパンチ7を含む圧縮成形機5中に位置付けられる。その対称軸に沿っての成形機(金型)5中のこの複合仕込み品の押しつぶしは図2に示される。押しつぶしは仕込み品の放射状流を作り出す。
【0004】
特許JP2098415号明細書に開示されている方法により得られる多層物品は、図3に示される。得られる多層構造は、物品の厚さ中に埋め込まれる二重機能層3により特徴付けられ、該層3は折り畳みを形成し、二つの自由端を有する。特許JP2098415号明細書に開示されている該発明により製造される多層包装は、特に、機能層が包装中に含有される食物の保存を改善することを可能とする酸素バリア層である場合に多くの利点を有する。しかし、特許JP2098415号明細書に開示されている方法を適用することにより、二重機能層3は物品の厚さのほぼ中心にあって得られる。今、機能層が内壁に近くあることは便利であるであろう。こうした構成は、包装化製品から包装の壁中に、または包装の壁から包装化製品中に移動する分子の量を減じる利点を有するであろう。特許JP2098415号明細書に開示されている方法は、該部分の厚さ中の機能層の位置が変わることを可能としない。
【0005】
従って、上記の問題を解決できることに対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
次に見られるように、本発明は、部分の厚さ中の機能層の位置を変えて、物品の外壁よりも内壁により近い距離にそれを置くことを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は軸対称物体を形成する多層物品を製造する方法からなり、該物品は、少なくとも、厚さTおよび高さHの側壁に接続される径Dの基部を含む。本方法は、同時押出成形された多層仕込み品を金型のキャビティ中に供給し、次に、物品を形成するために該仕込み品を圧縮することに存し;圧縮の方向は該仕込み品の対称軸に平行であり、圧縮は仕込み品の一つの面に加えられる。仕込み品は、対称軸に関して軸対称の物体を形成すると共に、それらの少なくとも一つが薄い機能層であるいくつかの層の放射状スタックからなる。前記仕込み品の外径はほぼDに等しくある。本方法は、仕込み品が前記面の一部上でのみ圧縮されるという事実を特徴とする。
【0008】
本発明は、また、それらの少なくとも一つが薄い機能層であるいくつかの層の放射状スタックからなる径Dの仕込み品の圧縮成形により多層物品を製造し、本発明によって、機能層を包装の内壁近くに位置付けることに存する。多層仕込み品は金型中に供給され、仕込み品の対称軸の方向に圧縮される。金型中の仕込み品の心出しは、物品の全周にわたる層の正確な分配を得るために重要である。有利には、仕込み品はその表面全体にわたり圧縮されるのではなく、仕込み品のほんの一部の中心部上で圧縮され、該中心部の径はD未満である。
【0009】
本発明の優先形態により、Dに等しい径の多層仕込み品は、金型のキャビティ中に供給され、仕込み品の径は金型キャビティの径に近くあり、仕込み品の径は、好ましくは、該金型キャビティの径より僅かに小さくある。多層仕込み品は、ほぼ(D−2T)に等しい表面上で圧縮される(Tは成形部分厚さに等しい)。本発明のこの優先形態により、仕込み品は、主として、放射状ではなく圧縮方向に流れる。この優先実施形態により、機能層は、好ましくは、(D−2T)/6〜(D−2T)/2間の距離で仕込み品中において放射状に位置付けられる。前述の方法により製造される多層包装が包装の内壁に極めて近い機能層を有することが、観察されてきた。この包装は、機能層がバリア層である場合に特に有利である。上述のより小さな距離(D−2T)/6は、機能層が適正に包装壁内に保持されることを可能とする限界に相当する。
【0010】
本発明は、それらの高さHがDよりも大きくある物品を製造するために特に有利である。高さHが該径Dに較べて十分大きくあるような物品に対して、機能層が該物品の内壁に近く存在すると共に、該物品の壁のほんの小さな部分だけが多層構造を持たないという事実に連関する、いくつかの特に興味のある特性が得られる。
【0011】
本発明は、以下の図面により示される以下の実施例の詳細説明によってより良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、多層仕込み品の圧縮成形により多層物品を製造する方法に関する。
【0013】
多層仕込み品は、いくつかの樹脂を放射状に重ねることにより形成されると共に、径Dの円筒型構造を有する。本発明は、改善されたガスおよび芳香バリア特性を有する多層包装製造用に意図されるがそれに限定されるものではない。この理由により、多層仕込み品は、そのバリア特性用に選択される薄い機能層を優先的に含む。この機能層は、物品を製造する工程の間流動し、物品の壁内部に広がる。薄い機能樹脂層は、従って、仕込み品中で、物品の壁を形成するための樹脂層間に埋め込まれる。機能層は、多くの場合、層間の接着性を改善するために機能層の両側上に置かれる二つの薄い接着剤樹脂層と組み合わされる。接着剤層は、本発明の説明を増大させないように本発明の文書の残りでは記述されない。同じ意味合いで、本発明の文書は、二つの樹脂のみを含む仕込み品により作製されるが、しかし、現存の製品に較べて有意な利点を構成する、より多くの樹脂および層を含む仕込み品は、容易に製造することが可能である。
【0014】
本発明の説明において用いられる多層仕込み品は図4に示される。円筒型構造のこの仕込み品1は、層2および4を形成する第一樹脂を含み、少なくとも80%の仕込み体積を構成し、薄い機能層3は仕込み品の対称軸から距離Rに位置する。Rが(D−2T)/6〜(D−2T)/2間にある(Tは製造される物品の平均厚さである)場合に、機能層が物品中でより良く広がることは、実験により見出されてきた。本発明のこの態様は、本文書のさらに先でより詳しく再述される。
【0015】
多層仕込み品1は、ロッドの同時押出成形により製造される。好ましくは、該ロッドは、一定速度で押出成形され、一連の多層仕込み品を形成するために規則的に切断される。製造しようとする仕込み品を可能とする方法および装置は先行技術において記載されているので、仕込み品を製造する原則のみが提供される。多層仕込み品1は、また、各仕込み品を個別に形成するためにバッチ同時押出成形により得ることが可能である。
【0016】
多層仕込み品は金型5のキャビティ中に供給され、該金型5は、少なくとも二つの部品、仕込み品を受け取るダイと呼ばれる第一部品6、およびその動きにおいて仕込み品を圧縮するパンチと呼ばれる第二部品7を含む。仕込み品は、仕込み品の対称軸が金型キャビティの対称軸と並ぶように金型中に正確に置かれる。本発明の第一部品は、図4に示されるように金型キャビティの径に近い径Dの仕込み品を製造することに存する。図4および続く図面に示される成形装置は、本発明を説明するためだけに用いられる略図である。本発明により物品を製造するために必要とされる金型装置は公知であり、従って、本文書の範囲内には入らない。ダイ6により形成されるキャビティは、必ずしも図4に示されるような円筒形とは限らないが、しかし、該キャビティの壁は、物品が再成形されることを可能とする3°付近の逃げ角か、または物品が円錐状である場合より大きな角度であることが可能である対称軸との角度を形成することが可能である。本発明の範囲内で、作り出される物品のテーパ角は、一般に、10°未満であり、円錐角は対称軸に対して規定される。
【0017】
仕込み品1は、次に、金型中で対称軸に平行な方向に従って圧縮される。先行技術、特に特許JP2098415号明細書に記載されているそれとは対照的に、仕込み品はその中心部分上のみで圧縮され、該中心部分の径はほぼ(D−2T)に等しい。図5は、仕込み品1の上層の中心部分を圧縮するパンチ7の降下を示す。パンチ7の動きは仕込み品の変形、および仕込み品の非圧縮部分の流れを作り出す。機能層は折り畳みを形成し、完全に層4と2間に埋め込まれて残りながらパンチ7の壁に沿って流れる。試験の間に観察されるパンチ壁に沿っての機能層3の流れは、完全に予想外のものであった。この流れは、本発明の範囲内に記載される特定条件下で現れる。
【0018】
本発明は、また、本発明の方法により得られる多層物品に関する。
【0019】
図6は得られる多層物品を示す。この物品は、物品の壁を形成する層4と2間に埋め込まれる二重層を形成する機能層3を含む。機能層は物品の上端で折り畳み段を形成し、該物品の基部のレベルに位置する二つの自由端を有する。得られる多層物品は該物品の内壁に近い二重機能層を有する。図6は二重層3aおよび3bを形成する機能層3を示し、層3aは層2aによる包装の内壁から分離され、層4は層3aと3bを分離し、層2bは層3を包装の外壁から分離する。第一機能層3aは、T/6未満の物品の内壁からの距離に位置し、第二機能層3bは2T/3未満、一般にT/3未満の距離に位置する。本発明は、特許JP2098415号明細書により得られる先行技術の物品に対して、包装の壁から包装化製品に移動する分子、または包装化製品から包装の壁に移動する分子数の少なくとも30%分を減じることを可能とする。
【0020】
本発明により製造される物品は、それらの高さHがD以上である場合に特に有利な特性を有する。実際、Dを超える高さHを有する物品に対して、機能層は、該物品の不浸透性におけるかなりの改善を可能とする、少なくとも物品の80%中に広がるバリアを形成する。
【0021】
仕込み品中の機能層の放射状の位置は、物品内の前記機能層の分配に大きな影響を与える。従って、機能層が(D−2T)/6未満の半径Rで仕込み品中に位置付けられる場合、機能層が物品の側壁内で部分的にしか広がらないことが観察されてきた。さらに詳細には、機能層は、物品の側壁の端からなくなっていることが見出される。たいていの場合、機能層が物品の端まで広がることは望ましいが、しかし、バリア特性が物品の側壁のただ一部上だけで必要とされるだけであり、それらに対してバリア層が(D−2T)/6未満の距離に位置付けられることが可能である一部の物品が存在する。仕込み品中の機能層の放射状位置が、機能層が物品の壁中に埋め込まれて残るように、(D−2T)/2を超えてはならないことも、また、観察されてきた。機能層の放射状位置が(D−2T)/2を超える場合に、機能層は物品の側壁の表面上であちこちに見られる。たいていの場合において、特に機能層が水分感受性である場合に、機能層を埋められたままに保持することは望ましい。
【0022】
本方法は、2軸ブロー成形により中空物体を形成するための多層予備成形物を製造する上で大いに有利である。図7は、本発明の方法により得られる多層予備成形物を示す。この予備成形物は側壁の高さに二重の保護3aと3bを形成する薄い機能層3を有する。機能層3は予備成形物の壁を形成する主樹脂2中に埋め込まれ、該機能層3は、基部レベルで二つの自由端を、また首の下に折り畳みを有する。機能層3は側壁の高さに二つの層3aと3bを形成し、該層3aと3bは予備成形物の内壁に近く位置付けられる。層3aと3bは、それぞれ、予備成形物の内壁からT/6およびT/3未満の距離に位置付けられ、Tは考えられている位置での予備成形物の壁の厚さである。機能層3は基部と首高さを除いて全体予備成形物にわたって広がる。この物品中の機能層の百分率は2%未満である。一例として、本発明はPETまたはPP予備成形物がPAMXD6またはEVOH機能層により製造されることを可能とする。接着剤樹脂層は機能層の両側に添加することが可能である。
【0023】
包装を形成する中空物体は、図7に示される予備成形物の金型中でのブロー成形により得られる。基部、首および基部を首に接続する側壁を含むこの中空物体は、特に、それが改善されたバリア特性を有するので有利である。前記中空物体の90%を超える壁は機能層により改善される不浸透性を有する。二重保護を形成する機能層は、中空物体の壁から内容物への、または内容物から中空物体の壁への分子の移動をかなり限定する前記中空物体の内壁近くに見出される。機能層は前記中空物体の壁を形成する主樹脂中に埋め込まれ、該機能層は基部レベルに二つの自由端を、また首下に折り畳みを有する。機能層は側壁の高さに二つの層を形成し、該層は中空物体の内壁近くに位置付けられる。機能層は、それぞれ、中空物体の内壁からF/6およびF/3未満の距離に位置付けられ、Fは考えられている位置での中空物体の壁の厚さである。機能層は基部と首高さを除いて中空物体全体にわたって広がる。この中空物体中の機能層の百分率は2%未満である。中空物体の壁から包装化製品への分子の移動、または包装化製品から中空物体の壁への分子の移動は、先行技術に対して少なくとも50%分減少する。
【0024】
本発明は改善された特性を有する多層中空物体を製造することを可能とする。本発明は、きわめて薄い層を有すると共に、多数の層を有する多層物品を製造することを可能とする。この結果は、仕込み品を形成するための連続同時押出成形法により得ることが可能である。この連続同時押出成形法は、最近用いられている多層射出成形法のようなバッチ法とは違って、きわめて薄い層および多数の層を得ることを可能とする。
【0025】
図8は、該首の機械的性質を弱めることなく、機能層3を予備成形物の首の中に広げる可能性を示す。実際、本発明は、バリア層の各側面に接着剤層を添加し、機能層を形成する3層のセットが物品体積の2%未満しか与えないように、十分に薄い厚さを有するこれらの層を押出成形することを可能とする。層の薄い厚さと組み合わせた層間の接着性の改善は、これらの層が該首の機械的性質を弱めることなく予備成形物の首の中に広がることを可能とする。
【0026】
図8に示される予備成形物の金型中でのブロー成形により得られる中空物体は、基部、首および基部と首を接続する側壁を含む。この中空物体は、特に、それが改善されたバリア特性を有するので有利である。前記中空物体の90%を超える壁は機能層により改善される不浸透性を有する。二重保護を形成する機能層は、中空物体の壁から内容物への、または内容物から中空物体の壁への分子の移動をかなり限定する前記中空物体の内壁近くに見出される。機能層は側壁および首の高さに二つの層を形成し、該層は中空物体の内壁近くに位置付けられる。機能層は、それぞれ、中空物体の内壁からF/6およびF/3未満の距離に位置付けられ、Fは考えられている位置での中空物体の壁の厚さである。機能層は基部レベルを除いて中空物体全体にわたって広がる。機能層は中空物体を形成するために必要とされる樹脂の2%未満である。包装の壁から包装化製品への分子の移動、または包装化製品から包装の壁への分子の移動は、少なくとも50%分減少する。
【0027】
包装の壁から包装化製品へ移動する分子は、樹脂を製造する工程から生じる、または処理工程の間の樹脂の分解から生じる低質量の分子である。一例として、これらの分子は、モノマー、可塑剤、アジュバントまたはPETの場合にアセトアルデヒド分子であることが可能である。また、一例として、包装化製品から包装の壁へ移動する分子は、アロマ、着色剤、アジュバント、安定剤、防腐剤または風味剤であることが可能である。
【0028】
本発明の範囲内で用いられる樹脂は、日常用いられる熱可塑性樹脂、さらに具体的には包装産業で用いられるものに対応する。機能層3を形成するために用いることが可能であるバリア樹脂の中では、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ナイロン・MXD6などのポリアミド、アクリロニトリル/アクリル酸メチルコポリマー(BAREX)およびPVDFなどのフルオロポリマーを挙げることが可能である。また、物品の構造2を形成するために用いることが可能である一部の樹脂を挙げることが可能である:ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)およびポリエステル(PET)。この一覧は網羅したものではない。樹脂を選択する場合に、類似の粘度を有する製品を選択することは重要である。一般に、運転温度で10未満の粘度比を有する樹脂を用いることは好ましく、望ましくは3未満の粘度比が選択される。
【0029】
圧縮成形法は、融解状態の合成樹脂の多層仕込み品を金型キャビティ中に供給し、該金型キャビティ中での該仕込み品の圧縮成形により物品を形成し、該物品を冷却し、次にそれを金型から取り外すことに存する。
【0030】
本明細書において提供される実施例において、仕込み品および物品は簡単な構造のものであるが、しかし、言うまでもないが、本発明は種々の仕込み品および物品構造に関する。一例として、オリフィスを有する仕込み品は、基部レベルで開口部を有する物品を形成するために用いることが可能である。
【0031】
本発明により得られる物品は、物品周辺高さで少なくとも一つの折り畳みを形成する機能層3を組み込む。また物品の対称軸近くの第二折り畳みを組み込む物品は、得ることが可能である。ジグザグ形状にある機能層の配置は物品中に得ることが可能である。
【0032】
いくつかの機能層3を含む仕込み品は、また、用いることが可能であり、該機能層は、すべて、該仕込み品の対称軸上に中心を置く。得られる多層物品は、機能層が少なくとも部分的に重ね合わされ、それぞれが少なくとも一つの折り畳みを形成するという事実を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】多層仕込み品を金型キャビティ中に供給することからなる、特許JP2098415号明細書による多層物品を製造する方法の第一段階を説明する図である。
【図2】仕込み品の放射状流を作り出すために金型中の仕込み品を圧縮することからなる、特許JP2098415号明細書による多層物品を製造する方法の第二段階を示す図である。
【図3】特許JP2098415号明細書に開示される方法により得られる多層物品を説明する図であり、この物品は、物品を形成する二つの樹脂層2および4間に埋め込まれる薄い機能樹脂層3を含む。
【図4】多層仕込み品の金型キャビティ中への供給を示す図である。
【図5】仕込み品の圧縮は中心部分上のみで起こり、仕込み品の圧縮は圧縮方向における流れを作り出す、本方法による仕込み品の圧縮を示す図である。
【図6】本発明の方法により得られる多層物品を説明する図であり、この物品は、物品を形成する二つの樹脂層2および4間に埋め込まれる薄い機能樹脂層3を含み、機能樹脂層3は物品の内壁近くに存在する。
【図7】2軸延伸ブロー成形による中空物体製造用の多層予備成形物を説明する図である。
【図8】2軸延伸ブロー成形による中空物体製造用の多層予備成形物を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸対称物体を形成する多層物品を製造する方法であって、該物品は、平均厚さTおよび高さHの側壁に接続される径Dの基部を少なくとも含み、該方法は、同時押出成形された多層仕込み品を金型のキャビティ中に供給し、次に、物品を形成するために該仕込み品を圧縮することからなり、仕込み品は対称軸に関して軸対称の物体を形成すると共に、仕込み品はそれらの少なくとも一つが薄い機能層であるいくつかの層の放射状スタックからなり、該仕込み品の外径はほぼDに等しく、圧縮の方向は該仕込み品の対称軸に平行であると共に、圧縮は仕込み品の一つの面上で行われるが、この方法は、仕込み品が該面の一部上でのみ圧縮されることを特徴とする方法。
【請求項2】
圧縮を受ける面の部分が仕込み品の対称軸周りに集中することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
仕込み品の前記中心部分の径がほぼD−2Tに等しいことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記機能層が(D−2T)/2未満である対称軸からの距離で放射状に位置付けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記機能層が(D−2T)/6を超える対称軸からの距離で放射状に位置付けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
機能層が物品の外壁よりも内壁により近い距離に存在することを特徴とする、請求項1カラのいずれか1項に記載の方法により得られる多層物品。
【請求項7】
a.薄い機能層が折り畳みを形成し、
b.薄い機能層が基部レベルに位置する二つの自由端を有し、
c.薄い機能層が側壁の厚さ中に二重層を形成する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の多層物品。
【請求項8】
首、基部、および基部と首の間に位置付けられ、可変であることが可能である厚さTの側壁を含む2軸延伸ブロー成形により製造される多層中空物体からなる、請求項6または7に記載の多層物品。
【請求項9】
前記物品の高さHがD以上であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の多層物品。
【請求項10】
それが、首、基部、および基部と首を接続する側壁を含む2軸延伸ブロー成形による多層中空物体製造用の予備成形物であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の多層物品。
【請求項11】
その割合が2体積%未満である機能層を有する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の予備成形物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−504457(P2009−504457A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527559(P2008−527559)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052838
【国際公開番号】WO2007/023428
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508053821)エイサパック ホールディング ソシエテ アノニム (16)
【Fターム(参考)】