説明

孔形状検査方法および孔形状検査プログラム

【課題】被検出形状に縁部における輝度変化を除去し、欠けや異物の検出を確実に行える孔形状検査方法および孔形状検査プログラムを提供する。
【解決手段】孔形状良否を判定する孔形状検査方法およびプログラムであって、前記孔の孔形状撮像工程と、前記孔形状画像の2値化画像形成工程と、前記孔の面積が既定値であるかを判定する孔面積判定工程と、前記孔の内形状の孔重心を求める孔重心演算工程と、前記孔形状画像に前記孔重心を中心とする同心フィルターをかけ、前記孔重心を中心とする同心形状上の画素の平均輝度と、1画素の画素輝度と、の差によるフィルタリング画像形成工程と、前記フィルタリング画像の2値化フィルタリング画像形成工程とを有し、前記2値化フィルタリング画像の画素数が所定の値以下である場合、前記孔を良品と判定する良否判定工程を有する孔形状検査方法、およびその検査方法をコンピューターに実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔形状検査方法および孔形状検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体あるいは気体などを吐出させるための微小な貫通孔を有する部品、装置の場合、貫通孔の形状や大きさに高い精度が要求されることが多く、その検査には正確さと検査作業性の良さが要求されている。例えば、インクジェットプリンターの液滴吐出装置に備える液滴吐出ノズルの貫通孔の場合は、貫通孔形状の正確さのみならず、貫通孔の吐出端面部(外面端部)に極めて微小な欠けや異物の付着が存在することによって、液滴の吐出の正確さが損なわれ、液滴被吐出媒体に形成される印刷画像に品質の低下を招いてしまう。このような欠陥を検出する方法として、貫通孔の撮像画像によって欠陥の有無を検出する方法が一般的に用いられている。
【0003】
特許文献1では撮像した画像の2値化データから最小二乗法によって求めた直線式と、画像データとの交点を求め、隣り合う交点座標の差から欠陥を算定する方法が開示されている。しかし、特許文献1では直線状の形状であることが条件となり、貫通孔のような円形状の検出には適さない方法であった。この課題を解決する方法として、特許文献2には直線か曲線かを、撮像画像の2値化データを複数に短絡分化してショートベクトルとして表し、隣り合うショートベクトルの変位角を算出して直線か曲線かを認識する方法が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献2では、被検出形状が直線か曲線かを認識する方法は開示されているものの欠陥の検出方法については開示されていない。そこで、特許文献3では撮像画像の2値化データから被検出形状の輪郭近似線を算出し、輪郭近似線を含む画素を走査し、画像データが1から0に変わる直前の画素を欠け検出開始点と識別し、この検出開始点から画像データを走査し欠けの大きさを算出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−263774号公報
【特許文献2】特開平1−116772号公報
【特許文献3】特開平9−281055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の特許文献3であっても、被検出形状を撮像する際の照明が、落射照明または透過照明であっても、被検出形状の形状を示す縁部分の輝度変化は、例えば被検出形状が貫通孔であった場合には貫通孔の内側から外側に向かって徐々に変化し、従来のエッジ検出処理を行なうと縁部分がエッジとして検出され、この縁部分に欠けや異物が存在しても、縁部分からの分離が困難となる課題があった。
【0007】
そこで、被検出形状に縁部における欠けや異物の検出を確実に行える孔形状検査方法および孔形状検査プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0009】
〔適用例1〕本適用例の孔形状検査方法は、物体に形成された孔の形状良否を判定する孔形状検査方法であって、前記孔の内形状を撮像して孔形状画像を得る孔形状撮像工程と、前記孔形状画像を2値化して2値化画像を得る2値化画像形成工程と、前記2値化画像形成工程によって形成された前記2値化画像により前記孔の面積が既定値であるかを判定する孔面積判定工程と、前記2値化画像から前記孔の内形状の孔重心を求める孔重心演算工程と、前記孔形状画像に対して、前記孔重心を中心とする同心フィルターをかけ、前記孔重心を中心とする同心形状上の画素の1画素当たりの平均輝度と、前記同心形状上の1画素の画素輝度と、の差によるフィルタリング画像を得るフィルタリング画像形成工程と、前記フィルタリング画像を2値化して2値化フィルタリング画像を得る2値化フィルタリング画像形成工程と、を有し、前記2値化フィルタリング画像の画素数が所定の値以下である場合、前記孔を良品と判定する良否判定工程を有することを特徴とする。
【0010】
従来のエッジ検出画像による欠陥部もしくは異物の検出では、欠陥部もしくは異物が極めて微小である場合、エッジ画像に埋もれてしまい検出が困難であった。しかし、本適用例の孔形状検査方法である、被検査対象の孔の撮像画像を被検査対象の孔形状と同心形状上での平均輝度と、個々の画素の輝度を比較し、その輝度の差を2値化して形成される鮮明な白黒画像によって良否判定を行うことによって、極めて微小な欠陥部もしくは異物であっても、対応した画像を抽出することができる。よって、検査の精度を高めることが可能となり、不良品の流動を防止することができる。
【0011】
〔適用例2〕上述の適用例において、前記物体が液滴吐出ノズルプレートであることを特徴とする。
【0012】
液滴吐出ノズルプレートは極めて微小な液滴吐出孔を、複数備え、その吐出孔に欠陥部もしくは異物が存在していると液滴の吐出方向、量の不具合を生じてしまう。その液滴吐出ノズルプレートの孔形状検査を、上述の適用例による検査方法で行うことにより、極めて微小な欠陥部もしくは異物を確実に検出することができる。
【0013】
〔適用例3〕本適用例のプログラムは、物体に形成された孔の形状良否を判定する孔形状検査方法をコンピューターに実現させる孔形状検査プログラムであって、前記孔の内形状を撮像して孔形状画像を得る孔形状撮像ステップと、前記孔形状画像を2値化して2値化画像を得る2値化画像形成ステップと、前記2値化画像形成ステップによって形成された前記2値化画像により前記孔の面積が既定値であるかを判定する孔面積判定ステップと、前記2値化画像から前記孔の内形状の孔重心を求める孔重心演算ステップと、前記孔形状画像に対して、前記孔重心を中心とする同心フィルターをかけ、前記孔重心を中心とする同心形状上の画素の1画素当たりの平均輝度と、前記同心形状上の1画素の画素輝度と、の差によるフィルタリング画像を得るフィルタリング画像形成ステップと、前記フィルタリング画像を2値化して2値化フィルタリング画像を得る2値化フィルタリング画像形成ステップと、を有し、前記2値化フィルタリング画像の画素数が所定の値以下である場合、前記孔を良品と判定する良否判定ステップを有することを特徴とする。
【0014】
本適用例の孔形状検査方法のプログラムは、被検査対象の孔の撮像画像を被検査対象の孔形状と同心形状上での平均輝度と、個々の画素の輝度との差で形成される画像を2値化して良否判定を検査装置に実行させる。2値化された鮮明な画像を得ることによって、極めて微小な欠陥部もしくは異物であっても、対応した画像を抽出することができる。よって、検査の精度を高めることが可能となり、不良品の流動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る孔形状検査装置を示す構成図。
【図2】本実施形態に係る孔形状検査方法を示すフローチャート。
【図3】(a)はノズル孔を示す概略斜視図、(b)はノズル孔の撮像画像。
【図4】図3(b)に示す撮像画像を2値化した画像を模式的に示す模式図。
【図5】撮像画像の輝度分布を説明する、(a)は被検査対象ノズル孔の形態を示す概略斜視図、(b)は(a)に示すA−A´位置での輝度分布図。
【図6】(a)は図5(b)で示す輝度分布を立体的に示す線図、(b)はフィルタリング後の画像。
【図7】(a)は2値化された欠陥部を示す画像、(b)は判定方法を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0017】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る孔形状検査に用いる孔形状検査装置の概要を示す構成図である。図1に示すように、孔形状検査装置100(以下、検査装置100という)は、被検査物としてのノズルプレート10が載置される検査台20と、落射照明装置33が備えられる顕微鏡31に、顕微鏡31によって拡大されるノズルプレート10の円筒形の被検査孔10a(以下、ノズル孔10aという)を撮像するカメラ32が装着される撮像装置30と、を備えている。また、検査台20に載置されるノズルプレート10を挟んで顕微鏡31が設置される方向とは反対の側には透過光を検査台20側に投光する透過照明装置50が備えられていても良い。孔形状検査において、落射照明装置33による落射照明を用いるか、透過照明装置50による透過照明を用いるかは、被検査物、検査部位、検査精度などの条件より適宜決定すればよい。
【0018】
撮像装置30によって取得されるノズル孔10aの画像データは、制御装置40に有する画像処理手段41によって、後述する所定の画像処理が行われる。また、検査台20は制御装置40に有する駆動制御手段42からの制御信号により、図示しない検査台20に備える駆動手段を制御し、検査台20を図示する矢印方向に駆動し、ノズル孔10aが顕微鏡31の対物側に対向するように検査台20を移動させることができる。なお、本実施形態では、円筒形のノズル孔10aを例に説明するが、これに限定されず矩形、多角形などであっても良い。
【0019】
検査装置100を用いた孔形状検査方法について説明する。図2は、本実施形態に係る孔形状検査方法を示すフローチャートである。検査装置100の検査台20に被検査物としてのノズルプレート10が載置され、図3(a)に示すように顕微鏡31の対物側にノズル孔10aの内、検査対象となるノズル孔10xが対向配置され、撮像装置30の所定の焦点が合わされた状態から検査が開始される。
【0020】
<形状撮像工程>
形状撮像工程(S11)では、図3(a)に示すように、検査装置100に備える撮像装置30の顕微鏡31によるノズル孔10xの拡大画像を、カメラ32を介して画像データとして取得し、画像処理手段41に図3(b)に示す撮像画像の画像データを格納する。ノズル孔10xには、欠陥部Dが存在しており、図3(b)に示す画像データにおいても画像dとして識別される。なお、本実施形態では落射照明装置33を用いた図示矢印Ld方向に照明する落射照明によって画像を取得する方法を例示する。
【0021】
<2値化画像形成工程>
形状撮像工程(S11)によって取得された画像データを2値化し、2値化画像を形成する2値化画像形成工程(S12)に移行する。2値化とは得られた画像の輝度値が、所定の閾値以上であれば「白」に、閾値未満であれば「黒」に変換する処理である。この2値化画像形成工程(S12)によって、得られる2値化画像の模式図を図4に示す。図4に示す、2値化された画像において、図示黒塗り部Sが示す孔形状の面積を演算し、面積判定工程(S13)に移行する。
【0022】
<面積判定工程>
面積判定工程(S13)は、被検査物であるノズルプレート10は、いわゆるインクジェットヘッドに用いられ、所定量の液滴をノズル孔10aから吐出させるために、ノズル孔10xの面積が所定の面積範囲にあるかによって、ノズル孔10xの孔形状の適否を判定する。すなわち、図4に示すノズル孔10xの孔形状の2値化画像である図示された黒塗り部Sの面積を演算し、演算された黒塗り部Sの面積が、規定された孔面積の上下限値内である場合にはノズル孔10xが所定の孔形状であると良品判定する。黒塗り部Sの面積が規定された孔面積の上下限値外である場合にはノズル孔10xが所定の孔形状ではないと不良品判定して不良品処理へ移行する。
【0023】
<孔重心演算工程>
面積判定工程(S13)により、良品と判定されたノズル孔10xにおいて、図4に示す2値化画像からノズル孔10xの重心を演算し求める孔重心演算工程(S14)に移行する。孔重心演算工程(S14)では図4に示す黒塗り部Sの面積を構成する形状の重心(または図心ともいう)Gを求める。
【0024】
<フィルタリング画像形成工程>
次に、図3(b)に示す撮像画像に対して、フィルターをかけフィルタリング後の画像を形成するフィルタリング画像形成工程(S15)に移行する。フィルタリング画像形成工程(S15)では、図3(b)に示す撮像画像に対して、孔重心演算工程(S14)において求められた図4に示す重心Gを中心として同心形状、本例であれば円筒状のノズル孔10aであるので、ノズル孔10aの孔内部から孔外部に向けて同心円フィルターを掛けてノイズ除去を行なう。
【0025】
次に、得られたフィルタリング後の画像を、孔重心演算工程(S14)において求められた図4に示す重心Gを中心として同心円上の画素1周分の平均輝度を求める。図5(a)に示すように欠陥部Dが存在するノズル孔10xにおいてA−A´部に対する撮像画像に同心円フィルターを掛けて得られるフィルタリング後の画像の輝度分布は、模式図的に表すと、図5(b)のようになる。図5(b)に示すように、欠陥の無いA方向の輝度は輝度Bで示すように、ノズル孔10xのエッジ部で輝度を変化させる。しかし、欠陥部Dが存在するA´方向の輝度は、欠陥部Dの形態によって、欠陥の無い部分の仮想輝度B´(輝度Bに相当)に対して低い輝度となる輝度Bdで示すようになる。
【0026】
図5(b)に示すような輝度分布のノズル孔10xの撮像画像(図3(b)参照)のフィルタリング後の画像に対して、次に同心円上の画素の平均輝度を求める。すなわち、図5(b)に示す輝度分布を立体模式図とした図6に示すように、輝度B,Bdに対して孔重心演算工程(S14)おいて求められた重心Gを中心とする半径Rxの同心円上の画素Prxの1画素あたりの平均輝度を求める。次に、求められた平均輝度と、画素Prx毎に輝度の差を求める。この同心円上の画素の平均輝度、各画素と平均輝度との差、とを求める工程を、ノズル孔10xの内形から外形まで実行し、輝度の差を画像として形成する。
【0027】
このようにして輝度の差を画像として形成すると、図5(b)および図6からも分かるように、欠陥部Dにおいては輝度の差が大きくなる。すなわち図5(b)における仮想輝度B´と欠陥部Dの輝度Bdとの差が画像データとして、図6(b)に示すように欠陥部Dのフィルタリング画像が形成される。
【0028】
<2値化フィルタリング画像形成工程>
図6(b)に示すフィルタリング画像を2値化する、2値化フィルタリング画像形成工程(S16)に移行する。図7は2値化フィルタリング画像形成工程(S16)によって得られた2値化フィルタリング画像を模式的に示す。図7(a)に示すように2値化によって、図6(b)に示すフィルタリング画像が所定の閾値により白黒化された欠陥部Dの画像を得ることができる。
【0029】
<良否判定工程>
2値化フィルタリング画像形成工程(S16)によって得られた2値化フィルタリング画像から、欠陥部Dの有無、もしくは欠陥部Dを示す画素数(面積)によって良否を判定する良否判定工程(S17)に移行する。良否判定の規格は、ノズルプレート10のノズル孔10aに対する要求品質、すなわち検査規格により既定される。例えば、欠陥部Dの検査規格を3μm以下が良品とした場合、1画素のサイズが0.2μmで形成されている画像であると、図7(b)に示すように、画素pは良否判定領域となるP1×P2には各辺に15画素配置される。この、P1×P2の領域内の大きさの欠陥部Dの画像であれば「良品」と判定され、P1×P2の領域内の大きさを超える欠陥部Dの画像であれば「不良品」と判定される。なお、欠陥部Dの検査規格、画像形成画素の大きさなどは、検査対象品、要求品質などから適宜、設定され、本例に限定されない。また、良否判定基準は、本例では図7(b)におけるP1辺、P2辺の画素数を基準としたが、欠陥部Dを形成する画素数、すなわち欠陥部D画像の面積で判定しても良い。
【0030】
上述したとおり、従来は本実施形態での2値化画像形成工程(S12)により形成される2値化画像、すなわちエッジ検出画像により欠陥部の検出を行っていたことにより、微小な欠陥部はエッジ画像に埋もれてしまい、欠陥部の検出を困難にしていた。しかし、本実施形態に係る孔形状検査方法によると、孔中心を中心とする同心形状上の1周分の画素輝度の1画素あたりの平均輝度と、その同心円上の各々の画素との輝度の差を求めることにより、微小な欠陥であっても確実に検出することが可能となる。
【0031】
実施形態に係る検査装置100には、図2のフローチャートに示す工程のS11からS17を制御装置40に実行させる孔形状検査プログラムが、図示しないデータ格納部に格納されている。この検査用のプログラムを制御装置40が実行することにより、検査装置100は上述の孔形状検査を行い、被検査物であるノズルプレート10の良否を判定する。
【0032】
これにより、孔形状検査を自動化することができ、高い生産性を実現させることができる。また、上述の実施形態に係る孔形状検査方法は、1つのノズル孔10xを検査する例で説明したが、被検査物のノズルプレート10には複数のノズル孔10aが形成されており、検査台20を図示しない駆動装置を駆動制御手段によって駆動し、順次孔形状検査を実行させることも、本実施形態に係るプログラムに含ませることもできる。
【0033】
なお、本願発明の適用例としては上述のノズルプレートには限定されず、例えば、ベアリング用のボール外形検査、有機ELプリンターヘッド(OPH)の発光素子の点灯検査、などに適用することができる。ベアリング用ボールであれば、落射照明によって同心円状に輝度が変化する反射光を撮像することができるため、上述の実施形態に係る検査方法を適用することができる。また、有機ELプリンターヘッド(OPH)の発光素子であれば、同心円状に輝度が変化して発光する状態を撮像することができるので、上述の実施形態に係る検査方法を適用した点灯検査をすることができる。
【符号の説明】
【0034】
10…ノズルプレート、20…検査台、30…撮像装置、40…制御装置、50…透過照明装置、100…孔形状検査装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に形成された孔の形状良否を判定する孔形状検査方法であって、
前記孔の内形状を撮像して孔形状画像を得る孔形状撮像工程と、
前記孔形状画像を2値化して2値化画像を得る2値化画像形成工程と、
前記2値化画像形成工程によって形成された前記2値化画像により前記孔の面積が既定値であるかを判定する孔面積判定工程と、
前記2値化画像から前記孔の内形状の孔重心を求める孔重心演算工程と、
前記孔形状画像に対して、前記孔重心を中心とする同心フィルターをかけ、前記孔重心を中心とする同心形状上の画素の1画素当たりの平均輝度と、前記同心形状上の1画素の画素輝度と、の差によるフィルタリング画像を得るフィルタリング画像形成工程と、
前記フィルタリング画像を2値化して2値化フィルタリング画像を得る2値化フィルタリング画像形成工程と、を有し、
前記2値化フィルタリング画像の画素数が所定の値以下である場合、前記孔を良品と判定する良否判定工程を有する、
ことを特徴とする孔形状検査方法。
【請求項2】
前記物体が液滴吐出ノズルプレートである、
ことを特徴とする請求項1に記載の孔形状検査方法。
【請求項3】
物体に形成された孔の形状良否を判定する孔形状検査方法をコンピューターに実現させる孔形状検査プログラムであって、
前記孔の内形状を撮像して孔形状画像を得る孔形状撮像ステップと、
前記孔形状画像を2値化して2値化画像を得る2値化画像形成ステップと、
前記2値化画像形成ステップによって形成された前記2値化画像により前記孔の面積が既定値であるかを判定する孔面積判定ステップと、
前記2値化画像から前記孔の内形状の孔重心を求める孔重心演算ステップと、
前記孔形状画像に対して、前記孔重心を中心とする同心フィルターをかけ、前記孔重心を中心とする同心形状上の画素の1画素当たりの平均輝度と、前記同心形状上の1画素の画素輝度と、の差によるフィルタリング画像を得るフィルタリング画像形成ステップと、
前記フィルタリング画像を2値化して2値化フィルタリング画像を得る2値化フィルタリング画像形成ステップと、を有し、
前記2値化フィルタリング画像の画素数が所定の値以下である場合、前記孔を良品と判定する良否判定ステップを有する、
ことを特徴とする孔形状検査プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−251823(P2012−251823A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123487(P2011−123487)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】