成膜装置のクリーニング方法および成膜方法
【課題】電極上の付着物に加え、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物を速やかに除去することができる成膜装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】プラズマ状態の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第2の条件は、第1の条件に比して、第1の対の電極11、12間において外周方向へプラズマを拡げる条件である。第1の対の電極11、12に接続されたインピーダンス整合回路41の回路定数の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるものである。第2の条件は、NF3ガス流量に対するArガス流量の比率である流量比が高い条件である。
【解決手段】プラズマ状態の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第2の条件は、第1の条件に比して、第1の対の電極11、12間において外周方向へプラズマを拡げる条件である。第1の対の電極11、12に接続されたインピーダンス整合回路41の回路定数の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるものである。第2の条件は、NF3ガス流量に対するArガス流量の比率である流量比が高い条件である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置のクリーニング方法、および成膜方法に関し、特にプラズマを用いて成膜を行うための成膜装置のクリーニング方法、および成膜方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、薄膜太陽電池などの半導体装置の製造方法において、シリコン系薄膜が成膜されることがある。この成膜は、たとえばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置によって行われる。この成膜が繰り返されるにしたがって、成膜装置の成膜室内にはシリコン系付着物が蓄積されてくる。この付着物は、成膜室内におけるパーティクルの増大につながるため、定期的に除去される必要がある。すなわち定期的に成膜装置のクリーニングが行われる必要がある。
【0003】
特開平6−318580号公報(特許文献1)によれば、上記クリーニングを行うためのプラズマが、NF3ガスおよびArガスの混合ガスを用いて発生させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−318580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した付着物は、プラズマを発生させるための電極上に付着するだけでなく、電極の外周近傍に設けられた部材上にも付着する。このような部材としては、たとえば、電極電位を制御するための配線、電極に内蔵されたヒータに電力を供給するための配線、および、電極にプロセスガスを供給するための配管がある。
【0006】
上述した従来のクリーニング方法では、電極上の付着物は比較的速やかに除去されるものの、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物の除去に長時間を要するという問題があった。
【0007】
それゆえ本発明の目的は、電極上の付着物に加え、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物を速やかに除去することができる成膜装置のクリーニング方法を提供することであり、またこのクリーニング方法を利用した成膜方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成膜装置のクリーニング方法は、第1の対の電極の間に交流電圧を印加することで発生されたプラズマを用いてシリコン系薄膜の成膜を行なうための成膜装置が有する成膜室内に付着したシリコン系付着物を除去する、成膜装置のクリーニング方法であって、以下の工程を有する。
【0009】
第1の対の電極の間に第1の条件でプラズマが発生させられる。次に、第1の条件と異なる第2の条件でプラズマが発生させられる。第2の条件は、第1の条件に比して、第1の対の電極の間において外周方向へプラズマを拡げる条件である。上記のクリーニング方法は、第1の対の電極の間のプラズマ状態の変化を検知する工程をさらに有する。プラズマ状態の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。プラズマ状態の変化を検知する工程は、第1の対の電極に接続されたインピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程を含む。インピーダンス整合回路の回路定数の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるものである。第2の条件は、NF3ガス流量に対するArガス流量の比率である流量比が高い条件である。
【0010】
本発明の成膜装置のクリーニング方法によれば、まず第1の条件で発生させられたプラズマによって第1の対の電極上の付着物が除去された後、プラズマの発生条件が第2の条件に切り替えられることで、プラズマが第1の対の電極の外周方向に拡げられる。これにより、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物が速やかに除去される。
【0011】
好ましくは、上記のクリーング方法において、成膜室内に第2の対の電極が設けられている。
【0012】
本発明の成膜方法は、上述した成膜装置のクリーニング方法によってシリコン系付着物を除去する工程と、この工程の後に、成膜装置を用いてシリコン系薄膜の成膜を行う工程とを有する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物が速やかに除去される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1におけるインピーダンス整合回路を概略的に示す回路図である。
【図3】図1の成膜装置を用いた成膜方法の様子を概略的に示す断面図である。
【図4】図1の成膜装置に導入されるプロセスガスの混合比とプラズマの分布との関係を概略的に示す図である。
【図5】図4の流量領域R1でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図6】図4の流量領域R2でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図7】図4の流量領域R3における破線La近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図8】図4の流量領域R3における破線Lb近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図9】図4の流量領域R3における破線Lc近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図10】図4の流量領域R4でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における第1の電極の間の自己バイアスの絶対値の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図12】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における図2のインピーダンス整合回路の回路定数の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図13】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における、第1の電極の対の外周からの光の強度の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図14】本発明の実施の形態2における成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の成膜装置について、以下に説明する。
【0016】
図1および図2を参照して、本実施の形態の成膜装置100は、成膜室10と、カソード電極11と、アノード電極12と、配線21〜23と、ガス配管24と、フィードスルー31〜35と、インピーダンス整合回路41と、電圧計42と、発光分光装置43と、流量制御器51および52と、NF3ガスボンベ61と、Arガスボンベ62と、RF(Radio Frequency)電源71(交流電源)と、真空ポンプ72と、ヒータ電源73と、ヒータ素子74とを有する。
【0017】
成膜室10は、成膜処理を行うための真空チャンバである。
カソード電極11およびアノード電極12は、互いに対向して配置されることで、1対の電極(第1の対の電極)をなしている。図中、カソード電極11およびアノード電極12の間の領域Sのうち、その中央部が中央領域SCとして示され、その外周部が外周領域SEとして示されている。
【0018】
カソード電極11は、配線21、フィードスルー31、およびインピーダンス整合回路41を順に介して、RF電源71に接続されている。またカソード電極11は、カソード電極11およびアノード電極12の間の領域Sに向かってプロセスガスを供給するための穴を有する。
【0019】
アノード電極12は、配線22およびフィードスルー32を順に介して、接地されている。またアノード電極12の内部にはヒータ素子74が配置されている。ヒータ素子74は、配線23およびフィードスルー33を順に介して、ヒータ電源73に接続されている。
【0020】
NF3ガスボンベ61およびArガスボンベ62のそれぞれは、流量制御器51および52によって混合比が制御されたNF3ガスおよびArガスの混合ガスを図中矢印Gに示すように供給することができるように接続されている。またフィードスルー34およびガス配管24は、この混合ガスをカソード電極11に供給するように接続されている。
【0021】
真空ポンプ72は、成膜室10内のガスを、図中矢印EVに示すように排気することができるように接続されている。これにより成膜室10内の圧力を調整することができる。
【0022】
電圧計42は、一端がカソード電極11およびインピーダンス整合回路41の間に接続され、他端が接地されている。これにより、カソード電極11およびアノード電極12の間の自己バイアスの絶対値を検出することができる。
【0023】
インピーダンス整合回路41は、図2に示すように、キャパシタンスC1およびC2と、インダクタンスL1とを有する。キャパシタンスC1およびC2が最適化されることで、カソード電極11およびアノード電極12の間に発生されるプラズマのインピーダンスと、RF電源71のインピーダンスとの整合が取られる。
【0024】
発光分光装置43は、フィードスルー35を介して、図中破線矢印で示すように、外周領域SEからの光の強度を測定することができるものである。
【0025】
次に本実施の形態の成膜方法について、以下に説明する。
図3を参照して、アノード電極12上に基板91が載置される。次に、シリコン系薄膜を成膜するためのプロセスガスが、そのためのガス系統(図示せず)を介して成膜室10内に導入される。このプロセスガスは、たとえばシランガスおよび水素ガスの混合ガスである。
【0026】
次にカソード電極11およびアノード電極12に間に、インピーダンス整合回路41を介してRF電源71から交流電圧が供給される。これによりカソード電極11およびアノード電極12の間にプラズマが発生することで、プラズマCVDによるシリコン系薄膜の成膜が行われる。
【0027】
上記の成膜が繰り返されると、成膜室10内にシリコン系付着物が蓄積されてくる。この付着物は、カソード電極11およびアノード電極12上に付着するだけでなく、両電極の外周近傍に設けられた、配線21〜24およびガス配管24の上にも付着する。
【0028】
次に上記の付着物を除去するために、後述するクリーニングが行われる。このクリーニングによって付着物が除去された後、成膜が再開される。これにより、よりパーティクルの少ない環境下での成膜が可能となる。
【0029】
次に、本クリーニング方法で用いられる混合ガスの混合比と、プラズマの分布との関係について、以下に説明する。なお本クリーニング方法では、上記の混合ガスとして、ArガスおよびNF3ガスの混合ガスが矢印G(図1)に示すように導入されつつ、プラズマが発生させられることで、クリーニングが行われる。
【0030】
図4を参照して、このプラズマの分布は、ArガスおよびNF3ガスの流量条件に依存して変化し得る。図中、縦軸および横軸のそれぞれは、ArガスおよびNF3ガスの流量を、縦軸および横軸の間で共通の任意単位を用いて示している。
【0031】
図5を参照して、流量条件が流量領域R1(図4)にある場合、プラズマは分布PL1を有する。分布PL1は中央領域SCに集中しており、電極の損傷が発生しやすい。よって分布PL1の使用は避けることが好ましい。
【0032】
図6を参照して、流量条件が流量領域R2(図4)にある場合、プラズマは分布PL2を有する。分布PL2は中央領域SCにやや集中している。
【0033】
図7を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線La近傍にある場合、プラズマは分布PL3aを有する。分布PL3aは、おおよそ領域S全体に広がっているが、外周領域SEでのプラズマ放電はやや弱くなっている。
【0034】
図8を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線Lb近傍にある場合、プラズマは分布PL3bを有する。分布PL3bは領域S全体に広がっている。
【0035】
図9を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線Lc近傍にある場合、プラズマは分布PL3cを有する。分布PL3cは、おおよそ領域S全体に広がっているが、外周領域SEでのプラズマ放電はやや強くなっている。
【0036】
図10を参照して、流量条件が流量領域R4(図4)にある場合、プラズマは分布PL4を有する。分布PL4は外周領域SEに集中しており、異常放電が発生しやすい。よって分布PL4の使用は避けることが好ましい。
【0037】
次に、本実施の形態における具体的なクリーニング方法について、以下に説明する。
はじめに、カソード電極11およびアノード電極12の間に、流量領域R3(図4)における破線LaまたはLbの流量条件(第1の条件)でプラズマが発生させられる。すなわち分布PL3aまたはPL3bを有するプラズマが発生させられる。このプラズマが一定時間維持されると、カソード電極11およびアノード電極12上の付着物は除去されるが、外周領域SEにおけるプラズマの強度が低いために、外周領域SE近傍に位置する部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物は、この時点ではあまり除去されていない。
【0038】
また上記のようにカソード電極11およびアノード電極12の上の付着物が除去されると、プラズマ状態に変化が生じる。この変化は、以下に示す第1〜第3の検知方法のいずれかによって検知することができる。
【0039】
図11を参照して、第1に、カソード電極11およびアノード電極12の上の付着物が除去された時点tcで、カソード電極11およびアノード電極12の間の自己バイアスの絶対値Vpが低下する。この変化は、電圧計(第1の検知部)42(図1)によって検知することができる(第1の検知方法)。
【0040】
図12を参照して、第2に、インピーダンス整合回路(第2の検知部)41の回路定数が変化する。すなわちキャパシタンスC1およびC2が変化する。よって回路定数をモニタすることで、この変化を検知することができる(第2の検知方法)。
【0041】
図13を参照して、第3に、外周領域SEにおけるプラズマの強度が低下し、プラズマ分布が中央領域SCに収縮するような変化が生じる。この変化は、発光分光装置(第3の検知部)43(図1)によって検知することができる(第3の検知方法)。
【0042】
本実施の形態においては、上記の第1〜第3の検知方法の少なくともいずれかによる検知に対応して、流量条件が、破線Lc(図4)近傍に位置する条件(第2の条件)へと移行される。すなわち領域Sにおける外周方向へプラズマが拡げられる。この結果、分布PL3cを有するプラズマが発生させられる。このプラズマが一定時間維持されると、外周領域SEにおけるプラズマの強度が高いために、外周領域SE近傍に位置する部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物が、効率的に除去される。
【0043】
以上により、本実施の形態のクリーニング方法が行なわれる。
本実施の形態のクリーニング方法によれば、まず、破線LaまたはLb(図4)近傍の流量条件で発生させられた、分布PL3a(図7)またはPL3b(図8)を有するプラズマによって、カソード電極11およびアノード電極12(図1)上の付着物が速やかに除去される。
【0044】
次に流量条件が破線Lc(図4)近傍の流量条件に切り替えられることで、プラズマが領域Sにおける外周方向に拡げられる。これにより、外周領域SE近傍に設けられた部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物が速やかに除去される。
【0045】
(実施の形態2)
図14を参照して、本実施の形態の成膜装置は、成膜装置100(図1:実施の形態1)と異なり、複数の基板上に同時に成膜することができるものである。このために、カソード電極11aおよびアノード電極12aからなる1対の電極(第2の対の電極)がさらに設けられている。またこの第2の対の電極を、実施の形態1の第1の対の電極(図1:カソード電極11およびアノード電極12)と同様に用いるために、成膜装置100の構成に加えて、配線21a〜23aと、ガス配管24aと、フィードスルー31a、32a、33aおよび35aと、インピーダンス整合回路41aと、電圧計42aと、発光分光装置43aと、ヒータ電源73aと、ヒータ素子74aとが設けられている。
【0046】
本実施の形態によれば、複数の基板上に同時に成膜する成膜装置を用いた場合においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0047】
また時点tc(図11〜図13)に相当する時点を第2の対の電極についても検知するようにした場合、第1および第2の対の電極の各々の外周近傍に位置する部材上の付着物を、より確実に、かつ効率よく除去することができる。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、プラズマを用いて成膜を行うための成膜装置のクリーニング方法および成膜方法に特に有利に適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 成膜室、11,11a カソード電極、12,12a アノード電極、21〜23,21a〜23a 配線、24,24a ガス配管、31〜35,31a〜33a,35a フィードスルー、41,41a インピーダンス整合回路、42,42a 電圧計、43,43a 発光分光装置、51,52 流量制御器、61 NF3ガスボンベ、62 Arガスボンベ、71 RF電源(交流電源)、72 真空ポンプ、73,73a ヒータ電源、74,74a ヒータ素子、100 成膜装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置のクリーニング方法、および成膜方法に関し、特にプラズマを用いて成膜を行うための成膜装置のクリーニング方法、および成膜方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、薄膜太陽電池などの半導体装置の製造方法において、シリコン系薄膜が成膜されることがある。この成膜は、たとえばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置によって行われる。この成膜が繰り返されるにしたがって、成膜装置の成膜室内にはシリコン系付着物が蓄積されてくる。この付着物は、成膜室内におけるパーティクルの増大につながるため、定期的に除去される必要がある。すなわち定期的に成膜装置のクリーニングが行われる必要がある。
【0003】
特開平6−318580号公報(特許文献1)によれば、上記クリーニングを行うためのプラズマが、NF3ガスおよびArガスの混合ガスを用いて発生させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−318580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した付着物は、プラズマを発生させるための電極上に付着するだけでなく、電極の外周近傍に設けられた部材上にも付着する。このような部材としては、たとえば、電極電位を制御するための配線、電極に内蔵されたヒータに電力を供給するための配線、および、電極にプロセスガスを供給するための配管がある。
【0006】
上述した従来のクリーニング方法では、電極上の付着物は比較的速やかに除去されるものの、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物の除去に長時間を要するという問題があった。
【0007】
それゆえ本発明の目的は、電極上の付着物に加え、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物を速やかに除去することができる成膜装置のクリーニング方法を提供することであり、またこのクリーニング方法を利用した成膜方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成膜装置のクリーニング方法は、第1の対の電極の間に交流電圧を印加することで発生されたプラズマを用いてシリコン系薄膜の成膜を行なうための成膜装置が有する成膜室内に付着したシリコン系付着物を除去する、成膜装置のクリーニング方法であって、以下の工程を有する。
【0009】
第1の対の電極の間に第1の条件でプラズマが発生させられる。次に、第1の条件と異なる第2の条件でプラズマが発生させられる。第2の条件は、第1の条件に比して、第1の対の電極の間において外周方向へプラズマを拡げる条件である。上記のクリーニング方法は、第1の対の電極の間のプラズマ状態の変化を検知する工程をさらに有する。プラズマ状態の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。プラズマ状態の変化を検知する工程は、第1の対の電極に接続されたインピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程を含む。インピーダンス整合回路の回路定数の変化に対応して、第1の条件でプラズマを発生させる工程から第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われる。第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるものである。第2の条件は、NF3ガス流量に対するArガス流量の比率である流量比が高い条件である。
【0010】
本発明の成膜装置のクリーニング方法によれば、まず第1の条件で発生させられたプラズマによって第1の対の電極上の付着物が除去された後、プラズマの発生条件が第2の条件に切り替えられることで、プラズマが第1の対の電極の外周方向に拡げられる。これにより、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物が速やかに除去される。
【0011】
好ましくは、上記のクリーング方法において、成膜室内に第2の対の電極が設けられている。
【0012】
本発明の成膜方法は、上述した成膜装置のクリーニング方法によってシリコン系付着物を除去する工程と、この工程の後に、成膜装置を用いてシリコン系薄膜の成膜を行う工程とを有する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、電極の外周近傍に設けられた部材上の付着物が速やかに除去される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1におけるインピーダンス整合回路を概略的に示す回路図である。
【図3】図1の成膜装置を用いた成膜方法の様子を概略的に示す断面図である。
【図4】図1の成膜装置に導入されるプロセスガスの混合比とプラズマの分布との関係を概略的に示す図である。
【図5】図4の流量領域R1でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図6】図4の流量領域R2でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図7】図4の流量領域R3における破線La近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図8】図4の流量領域R3における破線Lb近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図9】図4の流量領域R3における破線Lc近傍でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図10】図4の流量領域R4でのプラズマの分布を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における第1の電極の間の自己バイアスの絶対値の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図12】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における図2のインピーダンス整合回路の回路定数の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図13】本発明の実施の形態1におけるクリーニング方法における、第1の電極の対の外周からの光の強度の時間変化を概略的に示すグラフ図である。
【図14】本発明の実施の形態2における成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の成膜装置について、以下に説明する。
【0016】
図1および図2を参照して、本実施の形態の成膜装置100は、成膜室10と、カソード電極11と、アノード電極12と、配線21〜23と、ガス配管24と、フィードスルー31〜35と、インピーダンス整合回路41と、電圧計42と、発光分光装置43と、流量制御器51および52と、NF3ガスボンベ61と、Arガスボンベ62と、RF(Radio Frequency)電源71(交流電源)と、真空ポンプ72と、ヒータ電源73と、ヒータ素子74とを有する。
【0017】
成膜室10は、成膜処理を行うための真空チャンバである。
カソード電極11およびアノード電極12は、互いに対向して配置されることで、1対の電極(第1の対の電極)をなしている。図中、カソード電極11およびアノード電極12の間の領域Sのうち、その中央部が中央領域SCとして示され、その外周部が外周領域SEとして示されている。
【0018】
カソード電極11は、配線21、フィードスルー31、およびインピーダンス整合回路41を順に介して、RF電源71に接続されている。またカソード電極11は、カソード電極11およびアノード電極12の間の領域Sに向かってプロセスガスを供給するための穴を有する。
【0019】
アノード電極12は、配線22およびフィードスルー32を順に介して、接地されている。またアノード電極12の内部にはヒータ素子74が配置されている。ヒータ素子74は、配線23およびフィードスルー33を順に介して、ヒータ電源73に接続されている。
【0020】
NF3ガスボンベ61およびArガスボンベ62のそれぞれは、流量制御器51および52によって混合比が制御されたNF3ガスおよびArガスの混合ガスを図中矢印Gに示すように供給することができるように接続されている。またフィードスルー34およびガス配管24は、この混合ガスをカソード電極11に供給するように接続されている。
【0021】
真空ポンプ72は、成膜室10内のガスを、図中矢印EVに示すように排気することができるように接続されている。これにより成膜室10内の圧力を調整することができる。
【0022】
電圧計42は、一端がカソード電極11およびインピーダンス整合回路41の間に接続され、他端が接地されている。これにより、カソード電極11およびアノード電極12の間の自己バイアスの絶対値を検出することができる。
【0023】
インピーダンス整合回路41は、図2に示すように、キャパシタンスC1およびC2と、インダクタンスL1とを有する。キャパシタンスC1およびC2が最適化されることで、カソード電極11およびアノード電極12の間に発生されるプラズマのインピーダンスと、RF電源71のインピーダンスとの整合が取られる。
【0024】
発光分光装置43は、フィードスルー35を介して、図中破線矢印で示すように、外周領域SEからの光の強度を測定することができるものである。
【0025】
次に本実施の形態の成膜方法について、以下に説明する。
図3を参照して、アノード電極12上に基板91が載置される。次に、シリコン系薄膜を成膜するためのプロセスガスが、そのためのガス系統(図示せず)を介して成膜室10内に導入される。このプロセスガスは、たとえばシランガスおよび水素ガスの混合ガスである。
【0026】
次にカソード電極11およびアノード電極12に間に、インピーダンス整合回路41を介してRF電源71から交流電圧が供給される。これによりカソード電極11およびアノード電極12の間にプラズマが発生することで、プラズマCVDによるシリコン系薄膜の成膜が行われる。
【0027】
上記の成膜が繰り返されると、成膜室10内にシリコン系付着物が蓄積されてくる。この付着物は、カソード電極11およびアノード電極12上に付着するだけでなく、両電極の外周近傍に設けられた、配線21〜24およびガス配管24の上にも付着する。
【0028】
次に上記の付着物を除去するために、後述するクリーニングが行われる。このクリーニングによって付着物が除去された後、成膜が再開される。これにより、よりパーティクルの少ない環境下での成膜が可能となる。
【0029】
次に、本クリーニング方法で用いられる混合ガスの混合比と、プラズマの分布との関係について、以下に説明する。なお本クリーニング方法では、上記の混合ガスとして、ArガスおよびNF3ガスの混合ガスが矢印G(図1)に示すように導入されつつ、プラズマが発生させられることで、クリーニングが行われる。
【0030】
図4を参照して、このプラズマの分布は、ArガスおよびNF3ガスの流量条件に依存して変化し得る。図中、縦軸および横軸のそれぞれは、ArガスおよびNF3ガスの流量を、縦軸および横軸の間で共通の任意単位を用いて示している。
【0031】
図5を参照して、流量条件が流量領域R1(図4)にある場合、プラズマは分布PL1を有する。分布PL1は中央領域SCに集中しており、電極の損傷が発生しやすい。よって分布PL1の使用は避けることが好ましい。
【0032】
図6を参照して、流量条件が流量領域R2(図4)にある場合、プラズマは分布PL2を有する。分布PL2は中央領域SCにやや集中している。
【0033】
図7を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線La近傍にある場合、プラズマは分布PL3aを有する。分布PL3aは、おおよそ領域S全体に広がっているが、外周領域SEでのプラズマ放電はやや弱くなっている。
【0034】
図8を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線Lb近傍にある場合、プラズマは分布PL3bを有する。分布PL3bは領域S全体に広がっている。
【0035】
図9を参照して、流量条件が流量領域R3(図4)における破線Lc近傍にある場合、プラズマは分布PL3cを有する。分布PL3cは、おおよそ領域S全体に広がっているが、外周領域SEでのプラズマ放電はやや強くなっている。
【0036】
図10を参照して、流量条件が流量領域R4(図4)にある場合、プラズマは分布PL4を有する。分布PL4は外周領域SEに集中しており、異常放電が発生しやすい。よって分布PL4の使用は避けることが好ましい。
【0037】
次に、本実施の形態における具体的なクリーニング方法について、以下に説明する。
はじめに、カソード電極11およびアノード電極12の間に、流量領域R3(図4)における破線LaまたはLbの流量条件(第1の条件)でプラズマが発生させられる。すなわち分布PL3aまたはPL3bを有するプラズマが発生させられる。このプラズマが一定時間維持されると、カソード電極11およびアノード電極12上の付着物は除去されるが、外周領域SEにおけるプラズマの強度が低いために、外周領域SE近傍に位置する部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物は、この時点ではあまり除去されていない。
【0038】
また上記のようにカソード電極11およびアノード電極12の上の付着物が除去されると、プラズマ状態に変化が生じる。この変化は、以下に示す第1〜第3の検知方法のいずれかによって検知することができる。
【0039】
図11を参照して、第1に、カソード電極11およびアノード電極12の上の付着物が除去された時点tcで、カソード電極11およびアノード電極12の間の自己バイアスの絶対値Vpが低下する。この変化は、電圧計(第1の検知部)42(図1)によって検知することができる(第1の検知方法)。
【0040】
図12を参照して、第2に、インピーダンス整合回路(第2の検知部)41の回路定数が変化する。すなわちキャパシタンスC1およびC2が変化する。よって回路定数をモニタすることで、この変化を検知することができる(第2の検知方法)。
【0041】
図13を参照して、第3に、外周領域SEにおけるプラズマの強度が低下し、プラズマ分布が中央領域SCに収縮するような変化が生じる。この変化は、発光分光装置(第3の検知部)43(図1)によって検知することができる(第3の検知方法)。
【0042】
本実施の形態においては、上記の第1〜第3の検知方法の少なくともいずれかによる検知に対応して、流量条件が、破線Lc(図4)近傍に位置する条件(第2の条件)へと移行される。すなわち領域Sにおける外周方向へプラズマが拡げられる。この結果、分布PL3cを有するプラズマが発生させられる。このプラズマが一定時間維持されると、外周領域SEにおけるプラズマの強度が高いために、外周領域SE近傍に位置する部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物が、効率的に除去される。
【0043】
以上により、本実施の形態のクリーニング方法が行なわれる。
本実施の形態のクリーニング方法によれば、まず、破線LaまたはLb(図4)近傍の流量条件で発生させられた、分布PL3a(図7)またはPL3b(図8)を有するプラズマによって、カソード電極11およびアノード電極12(図1)上の付着物が速やかに除去される。
【0044】
次に流量条件が破線Lc(図4)近傍の流量条件に切り替えられることで、プラズマが領域Sにおける外周方向に拡げられる。これにより、外周領域SE近傍に設けられた部材、すなわち配線21〜24およびガス配管24の上の付着物が速やかに除去される。
【0045】
(実施の形態2)
図14を参照して、本実施の形態の成膜装置は、成膜装置100(図1:実施の形態1)と異なり、複数の基板上に同時に成膜することができるものである。このために、カソード電極11aおよびアノード電極12aからなる1対の電極(第2の対の電極)がさらに設けられている。またこの第2の対の電極を、実施の形態1の第1の対の電極(図1:カソード電極11およびアノード電極12)と同様に用いるために、成膜装置100の構成に加えて、配線21a〜23aと、ガス配管24aと、フィードスルー31a、32a、33aおよび35aと、インピーダンス整合回路41aと、電圧計42aと、発光分光装置43aと、ヒータ電源73aと、ヒータ素子74aとが設けられている。
【0046】
本実施の形態によれば、複数の基板上に同時に成膜する成膜装置を用いた場合においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0047】
また時点tc(図11〜図13)に相当する時点を第2の対の電極についても検知するようにした場合、第1および第2の対の電極の各々の外周近傍に位置する部材上の付着物を、より確実に、かつ効率よく除去することができる。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、プラズマを用いて成膜を行うための成膜装置のクリーニング方法および成膜方法に特に有利に適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 成膜室、11,11a カソード電極、12,12a アノード電極、21〜23,21a〜23a 配線、24,24a ガス配管、31〜35,31a〜33a,35a フィードスルー、41,41a インピーダンス整合回路、42,42a 電圧計、43,43a 発光分光装置、51,52 流量制御器、61 NF3ガスボンベ、62 Arガスボンベ、71 RF電源(交流電源)、72 真空ポンプ、73,73a ヒータ電源、74,74a ヒータ素子、100 成膜装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の対の電極の間に交流電圧を印加することで発生されたプラズマを用いてシリコン系薄膜の成膜を行なうための成膜装置が有する成膜室内に付着したシリコン系付着物を除去する、成膜装置のクリーニング方法であって、
前記第1の対の電極の間に第1の条件でプラズマを発生させる工程と、
前記第1の対の電極の間のプラズマ状態の変化を検知するために、前記第1の対の電極に接続されたインピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程と、
前記第1の条件でプラズマを発生させる工程の後に、前記第1の条件と異なる第2の条件でプラズマを発生させる工程とを備え、
前記インピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程により検出される前記インピーダンス整合回路の回路定数の変化に対応して、前記第1の条件でプラズマを発生させる工程から前記第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われ、
前記第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるもので
あり、
前記第2の条件は、前記第1の条件に比して、前記第1の対の電極の間において外周方向へプラズマを拡げる条件であり、かつNF3ガス流量に対するArガス流量の比率であ
る流量比が高い条件である、成膜装置のクリーニング方法。
【請求項2】
前記第1の条件におけるプロセスガスの全圧と、前記第2の条件におけるプロセスガスの全圧とが同じとされる、請求項1に記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項3】
前記第1および第2の条件の各々はNF3ガス流量よりもArガス流量が大きい条件であり、
前記第1の条件は、プラズマの拡がりの程度が互いに等しく、かつArガス流量およびNF3ガス流量が異なる複数の流量比を含む第1の条件群のうちのひとつの条件であり、
前記第2の条件は、プラズマの拡がりの程度が互いに等しく、かつArガス流量およびNF3ガス流量が異なる複数の流量比を含む第2の条件群のうちのひとつの条件であり、
前記第2の条件群に関するArガス流量に対するNF3ガス流量のグラフの曲線の傾き
は、前記第1の条件群に関するArガス流量に対するNF3ガス流量のグラフの曲線の傾
きに比して、Arガス流量が同一の場合、より緩やかである、請求項1または2に記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項4】
前記成膜室内に第2の対の電極が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置のクリーニング方法によって前記シリコン系付着物を除去する工程と、
前記シリコン系付着物を除去する工程の後に、前記成膜装置を用いて前記シリコン系薄膜の成膜を行う工程とを備えた、成膜方法。
【請求項1】
第1の対の電極の間に交流電圧を印加することで発生されたプラズマを用いてシリコン系薄膜の成膜を行なうための成膜装置が有する成膜室内に付着したシリコン系付着物を除去する、成膜装置のクリーニング方法であって、
前記第1の対の電極の間に第1の条件でプラズマを発生させる工程と、
前記第1の対の電極の間のプラズマ状態の変化を検知するために、前記第1の対の電極に接続されたインピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程と、
前記第1の条件でプラズマを発生させる工程の後に、前記第1の条件と異なる第2の条件でプラズマを発生させる工程とを備え、
前記インピーダンス整合回路の回路定数を検出する工程により検出される前記インピーダンス整合回路の回路定数の変化に対応して、前記第1の条件でプラズマを発生させる工程から前記第2の条件でプラズマを発生させる工程への移行が行われ、
前記第1および第2の条件の各々はArガスとNF3ガスとの混合ガスを用いるもので
あり、
前記第2の条件は、前記第1の条件に比して、前記第1の対の電極の間において外周方向へプラズマを拡げる条件であり、かつNF3ガス流量に対するArガス流量の比率であ
る流量比が高い条件である、成膜装置のクリーニング方法。
【請求項2】
前記第1の条件におけるプロセスガスの全圧と、前記第2の条件におけるプロセスガスの全圧とが同じとされる、請求項1に記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項3】
前記第1および第2の条件の各々はNF3ガス流量よりもArガス流量が大きい条件であり、
前記第1の条件は、プラズマの拡がりの程度が互いに等しく、かつArガス流量およびNF3ガス流量が異なる複数の流量比を含む第1の条件群のうちのひとつの条件であり、
前記第2の条件は、プラズマの拡がりの程度が互いに等しく、かつArガス流量およびNF3ガス流量が異なる複数の流量比を含む第2の条件群のうちのひとつの条件であり、
前記第2の条件群に関するArガス流量に対するNF3ガス流量のグラフの曲線の傾き
は、前記第1の条件群に関するArガス流量に対するNF3ガス流量のグラフの曲線の傾
きに比して、Arガス流量が同一の場合、より緩やかである、請求項1または2に記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項4】
前記成膜室内に第2の対の電極が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置のクリーニング方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置のクリーニング方法によって前記シリコン系付着物を除去する工程と、
前記シリコン系付着物を除去する工程の後に、前記成膜装置を用いて前記シリコン系薄膜の成膜を行う工程とを備えた、成膜方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−142363(P2011−142363A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95921(P2011−95921)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【分割の表示】特願2009−281328(P2009−281328)の分割
【原出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【分割の表示】特願2009−281328(P2009−281328)の分割
【原出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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