説明

抗腫瘍剤

【課題】 抗腫瘍剤の毒性により、抗腫瘍剤の使用が制限されることから、抗腫瘍剤の持つ抗腫瘍効果を維持したまま、毒性を低減させる効果を有する補助剤、抗腫瘍剤の開発が望まれている。
【解決手段】 補助剤として微粒子ハイドロキシアパタイトが配合されている抗腫瘍剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍剤の効果を減じないで毒性を低減する方法、及びその毒性を低減した抗腫瘍剤で、経口投与、注射・点滴等による血管、腹腔、筋肉、皮下内投与に使用できる抗腫瘍剤に関する。
【背景技術】
【0002】
化学療法においては、胃癌、食道癌、肝癌、結腸癌、直腸癌、膵癌、肺癌、甲状腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、舌癌、口唇癌、咽頭癌、喉頭癌、口腔癌、肺癌、皮膚癌、悪性黒色腫、横紋筋肉腫、尿管腫瘍、膀胱癌、前立腺癌、睾丸腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫、骨腫瘍、神経腫瘍、神経膠腫等、種々の腫瘍に対して、アルルキ基を導入することで癌細胞のDNAを破壊したり複製を阻止するアルキル化剤、癌細胞の代謝を阻害することによって、がん細胞の機能に障害を与えて癌細胞の増殖を抑える代謝拮抗剤、自然界の微生物から得られた抗生物質の中で癌の細胞膜を破壊したり、DNAを分解したり、合成を阻止する等の抗ガン性のある抗腫瘍性抗生物質、植物から得られた植物アルカロイドにより細胞分裂を停止させ細胞障害を与える植物製剤、癌細胞にホルモンが結合する部分に反対の作用をするホルモン剤、またはホルモン拮抗剤が先に結合して、抗癌作用を示すホルモン製剤、免疫系を活性化することを目的とした免疫賦活剤や、癌に対する免疫応答の調整、増強を目的としたサイトカインなどの免疫治療剤、DNAと結合することにより癌細胞の細胞分裂を阻害する白金製剤、その他、キナーゼ阻害剤、ヒスタミンAの誘導体、放線菌のアミノペプチダーゼ、アルキル化剤や代謝拮抗剤に似た作用があるマンニトール誘導体、血中のL−アスパラギンを分解してアスパラギン要求性腫瘍細胞を栄養欠乏状態にする酵素製剤、ビスジオキソピペラジン誘導体、膀胱腫瘍再発抑制剤のアセグラトンなどの前記に分類されない抗腫瘍剤など、様々な抗腫瘍剤が開発され、また外科的療法、放射線療法、陽子線療法、免疫療法、リンパ球療法、遺伝子療法、温熱療法等種々の治療方法が開発され、併用されるようになり、治療効果の向上がみられるようになってきた。
【0003】
しかしながら、抗腫瘍剤投与による癌治療において、癌細胞のみに選択的に作用する抗腫瘍剤は皆無で、抗腫瘍剤が正常細胞にも様々な影響を及ぼして副作用が現れることから、抗腫瘍剤の使用が制限されたり、副作用が患者にとって耐え難く、薬剤投与の中断が余儀なくされたり、薬剤本来の効果が充分に活かされていないのが現状である。
【0004】
また抗腫瘍剤として有用な効果を有しているにもかかわらず、その副作用、毒性から開発を中止した化合物も多い。
抗腫瘍剤の副作用、毒性を低減させる効果を有する補助剤、当該物質を含有する抗腫瘍剤の開発が望まれている。
【0005】
ところで、ハイドロキシアパタイトは、通常、Ca10(PO4)6(OH)2 なる化学量論組成で示される骨や歯の無機主成分で、生体親和性が良く、タンパク質などを吸着する作用があることから、人工骨、骨補填剤、歯磨剤等として製品化され、また薬剤の補助成分として各種考案、開示されている。
【0006】
制癌剤を吸着させた、平均粒径が10〜1000μmのハイドロキシアパタイトを、腫瘍局部に通ずる動脈内に注入し、微小塞栓として腫瘍内に停滞させて腫瘍への栄養補給を絶つと共に制癌剤を腫瘍局部に長時間高濃度に保つことにより腫瘍の発育を抑制する方法(特公平1−51266号公報)、抗腫瘍剤を埋入した100〜500μmのハイドロキシアパタイト体内に埋め込み、薬剤を徐放させる方法(特開平2−200628号公報)、リン酸カルシウム微結晶体に薬剤を添加し、血管内に投与することにより、薬剤の効果を促進または遅延させたり、ガン細胞などの各種細胞、エイズ、ATL、肝炎ウイルスなどのウイルスなどに選択的に吸着させ、分化、増殖をコントロールし、同時に薬剤を作用させる方法(特開平5−255095号公報)、抗腫瘍剤を吸着させた1,250〜1,500μmのハイドロキシアパタイトを腫瘍部に埋め込み、加温して、温熱化学療法に用いる方法(「癌と化学療法」19(10):1644−1647,1992)、徐放化剤とて平均粒子径が36.1μmで表面積が2.5m/gの多孔性ハイドロキシアパタイトを用い、徐放化カルボプラチンを制作調整して、これを腹腔内や、胸腔縦隔内に投与し、カルボプラチンを徐放させる方法(「癌と化学療法」26(12):1791−1793,1999)が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特公平1−51266号公報
【特許文献2】特開平2−200628号公報
【特許文献3】特開平5−255095号公報
【非特許文献1】「癌と化学療法」19(10):1644−1647,1992
【非特許文献2】「癌と化学療法」26(12):1791−1793,1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、抗腫瘍剤の効果を減じないで毒性を低減する方法、及びその毒性を低減した抗腫瘍剤、経口投与、注射・点滴等による血管、腹腔、筋肉、皮下内投与に使用できる抗腫瘍剤の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、抗腫瘍剤に、微小粒子のハイドロキシアパタイトを担持させて、経口、注射・点滴等による投与、特に血管内投与を行なうことにより、抗腫瘍剤の持つ抗腫瘍効果を維持したまま抗腫瘍剤の毒性を低減することを見出し、本発明を成すに至った。
【0010】
前述のように、ハイドロキシアパタイトは、生体親和性や、タンパク質などの吸着作用から人工骨、骨補填剤、歯磨剤として、また抗腫瘍剤を吸着させたハイドロキシアパタイト粒子を用いて、動脈内に注入して腫瘍への栄養補給を絶つと共に、制癌剤を腫瘍局部に長時間高濃度に保つ微小塞栓として、体内に埋め込み、抗腫瘍剤を徐放させる徐放剤として、腫瘍部に埋め込み、加温して、温熱化学療法用材料として、薬剤を吸着させたハイドロキシアパタイト微粒子を血管内に投与して、薬剤の効果を促進または遅延させたり、ガン細胞やウイルスなどの分化、増殖をコントロールし、同時に薬剤を作用させる方法、抗腫瘍剤で処理した多孔性ハイドロキシアパタイト粒子を腔内に投与して、抗腫瘍剤を徐放させる等が開示されているが、塞栓として用いる為には大変な技術を要し、また他の方法はいずれも抗腫瘍剤を徐放させることを目的としており、各種の抗腫瘍剤が持つ抗腫瘍効果を充分に発揮させるものではない。
【0011】
本発明は、ハイドロキシアパタイトを各種の抗腫瘍剤に配合、吸着させて、各種抗腫瘍剤の最適投与量を、血管内投与することにより、抗腫瘍剤の持つ抗腫瘍効果を維持したまま、抗腫瘍剤の持つ毒性を低減させることを見出した。
本願に用いるハイドロキシアパタイトは、通常、Ca10(PO4)6(OH)2 なる化学量論組成で示されるが、Ca/Pモル比が1.67にならない非化学量論的な場合であっても、ハイドロキシアパタイトの性質を示し、アパタイト構造を取りうるという特徴がある。
本発明においては、化学量論組成及び非化学量論組成のハイドロキシアパタイトのいずれも使用することができ、Ca/Pモル比1.4〜1.8のものを使用することができる。
【0012】
ハイドロキシアパタイトのCa/Pモル比の制御は、原料の塩の調合比及び合成条件の制御にて行う。例えば、ハイドロキシアパタイトの湿式合成法において、合成時にアンモニア水等で水溶液を塩基性に調整すると、Ca/Pモル比が高くなり、水溶液を希酸で中性或いは弱酸性に調整するとCa/Pモル比を低くすることができる。
【0013】
本発明で使用する前記ハイドロキシアパタイトとしては、結晶性及び低結晶性のいずれも使用することができるが、低結晶性或いは非晶質のものが好ましい。
本発明でいう「低結晶性」とは、X線回折ピークが高結晶性の粉体に較べてブロードな結晶質粉体のことを言う。
「非晶質」とは、X線回折パターンが幅広いハローを示し、結晶の特徴を示す回折パターンが得られない微小な粒子からなる粉体をいう。以下、低結晶性のハイドロキシアパタイト、非晶質のハイドロキシアパタイトをそれぞれ、「低結晶性アパタイト」及び「非晶質アパタイト」と称する。
【0014】
本発明で使用する低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトとしては、例えば、前記したごとく湿式法により合成したアパタイトを凍結乾燥もしくは100℃以下の温度で乾燥したもの、或いは300℃程度以下の温度で焼成したものを使用する。
低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトは、結晶性の高いハイドロキシアパタイト(以下、「結晶質アパタイト」と称する。)と比較して、粒径の小さい粒子からなる。
【0015】
本発明で使用するハイドロキシアパタイト粒子としては、最大粒径が1.0μm以下のものが好ましく、平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなって、薬剤を吸着する性質が高められることから、最大粒径0.1μm以下のものが更に好ましい。同様の理由により、粒子の平均粒径の下限は特に限定されない。また経口投与では、胃から吸収されて効果を発揮する抗腫瘍剤や、腸から吸収されて効果を発揮する抗腫瘍剤において、胃酸によりハイドロキシアパタイトが溶解しないようにカプセル化や、コーティング等の胃酸による不溶化処理を施さない場合は、最大粒径が5μm以下のものが好ましく、更に0.5μm以下のものが好ましい。
ハイドロキシアパタイト粒子を最大粒径5μm以下、1.0μm以下、0.5μm以下、及び0.1μm以下に調整する方法は、粉砕により行なうことが可能である。この際、ハイドロキシアパタイトを粉砕した後に、各種抗腫瘍剤と混合して使用することが可能であるが、抗腫瘍剤をハイドロキシアパタイトにあらかじめ担持させた後、粉砕を行なうことが、各種抗腫瘍剤の毒性を低減する効果の上から、より好ましい。
紛体、固体状の抗腫瘍剤については、そのままハイドロキシアパタイトと混合して使用することも可能であるが、紛体、固体状の抗腫瘍剤を溶解してハイドロキシアパタイトに担持させた後で粉砕を行なう。蒸留水や生理食塩水等の注射・点滴に支障の無い溶媒で溶解させた抗腫瘍剤以外の抗腫瘍剤については、得られた抗腫瘍溶液を乾燥する等の方法により溶媒を除去してから用いることが、各種抗腫瘍剤の毒性を低減する効果の上から、より好ましい。
【0016】
抗腫瘍剤に担持させるハイドロキシアパタイトの配合量は、抗腫瘍剤により異なる為、一概に決めることは困難であるが、抗腫瘍剤に対して0.1〜1000%が好ましく、また抗腫瘍剤の投与量の点から0.1〜500%が、更に毒性低減効果の点、抗腫瘍剤の投与量の点から1〜200%が好適である。
以下に本発明の実施例について説明するが、下記実施例は、毒性試験としてLD50測定用に使用した実施例を記したものであり、本発明の範囲がこれによって限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、副作用を持つ各種抗腫瘍剤の毒性を低減できるため、抗腫瘍剤が本来持つ抗腫瘍効果を充分に活かした抗腫瘍剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】細胞増殖抑制曲線を示す図である。
【図2】細胞増殖抑制曲線を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ハイドロキシアパタイト添加各種抗腫瘍剤溶液の調整]
ハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に、各種抗腫瘍剤をそれぞれ所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成した。反応を促進するために、シクロホスファミド及びインターフェロンβを除いた他の抗腫瘍剤について、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
シクロホスファミドとインターフェロンβについては、4℃で上記と同様の操作にて撹拌を行なった。攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が100nm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。最大粒径は粉砕毎に多少異なるが、0.03〜0.1μmであった(実施例1−1〜実施例1−11、実施例1−20〜実施例1−33)。
【0021】
また、蒸留水にハイドロキシアパタイトを2%添加して、ダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が0.1μm以下になったところで粉砕を終了し、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を得た。最大粒径は0.07μmであった。
フルオロウラシル、塩酸ブレオマイシン、シスプラチン、マイトマイシンCに、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を添加、混合して、それぞれのハイドロキシアパタイト添加抗腫瘍剤を得た。ハイドロキシアパタイトの添加量は、上記で作成した各ハイドロキシアパタイト添加抗腫瘍溶液と同じ量に調整した(実施例1−12〜実施例1−15)。
【0022】
更に、ハイドロキシアパタイトを5%添加した蒸留水中に、フルオロウラシル、塩酸ブレオマイシン、シスプラチン、マイトマイシンCをそれぞれ所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成した。反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が1μm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。最大粒径は粉砕毎に多少異なるが、0.1〜1μmであった(実施例1−16〜実施例1−19)。
【0023】
ソブゾキサンを、クロロホルムで溶解させ、その溶液をハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液を作成した。
反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が0.1μm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。得られた抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が0.1μm以下の溶媒を除去したハイドロキシアパタイト添加・粉砕ソブゾキサン抗腫瘍紛体を得た(実施例1−34)。
【0024】
また粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が10μm以下、5.0μm以下、0.5μm以下になった時に溶液を取り出し、それぞれの抗腫瘍溶液を乾燥して溶媒を除去し、それぞれ最大粒径が10μm以下(実施例1−37)、5.0μm以下(実施例1−36)、0.5μm以下(実施例1−35)の溶媒を除去したソブゾキサンにハイドロキシアパタイトを添加した抗腫瘍紛体を得た。
上記と同様の方法で、ハイドロキシアパタイトを第3リン酸カルシウムに変えて抗腫瘍粉体を作成し、最大粒径が0.1μm以下の溶媒を除去した第3リン酸カルシウム添加・粉砕ソブゾキサン抗腫瘍粉体を得た(比較例1−1)。
【0025】
トレチノインを、ジクロルメタンで溶解させ、その溶液を、ハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液を作成した。
反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
【0026】
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が0.1μm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕トレチノイン抗腫瘍溶液を得た。得られた抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が0.1μm以下の溶媒を除去したハイドロキシアパタイト添加・粉砕トレチノイン抗腫瘍紛体を得た(実施例1−38)。
【0027】
ハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に、トレチノイン紛体を所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁したトレチノイン溶液を作成した。反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。
【0028】
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が0.1μm以下になったところで粉砕を終了し、最大粒径が0.1μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕トレチノイン抗腫瘍溶液を得た(実施例1−39)。
水溶性のリン酸エストラムスチンナトリウム、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクスファート、ドキシフルリジン、及び水に不溶のクエン酸トレミフェン、メルカプトプリン、ブスルファンの紛体を、ハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成した。反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
【0029】
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が5μm以下になったところで、ドキシフルリジン、ブスルファンとネダプラチンについて粉砕を終了し、最大粒径が5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕ドキシフルリジン抗腫瘍溶液(実施例1−47)、最大粒径が5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕ブスルファン抗腫瘍溶液(実施例1−48)、及び最大粒径が5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕ネダプラチン抗腫瘍溶液(実施例1−49)を得た。また最大粒径が0.5μm以下になったところでヒドロキシカルバミド、シタラビンオクホスファートと、メルカプトプリンについて粉砕を終了し、最大粒径が0.5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕ヒドロキシカルバミド抗腫瘍溶液(実施例1−43)、最大粒径が0.5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕シタラビンオクホスファート抗腫瘍溶液(実施例1−44)、及び最大粒径が0.5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕メルカプトプリン抗腫瘍溶液(実施例1−45)を得た。更に最大粒径が0.1μm以下になったところでリン酸エストラムスチンナトリウムと、クエン酸トレミフェンについて粉砕を終了し、最大粒径が0.1μmのハイドロキシアパタイト添加・粉砕リン酸エストラムスチンナトリウム抗腫瘍溶液(実施例1−40)、及び最大粒径が0.1μmのハイドロキシアパタイト添加・粉砕クエン酸トレミフェン抗腫瘍溶液(実施例1−41)を得た。
【0030】
フルタミドをエタノールに溶解、クエン酸タモキシフェンを氷酢酸に溶解、及びゲフィチニブをジメチルスルホキシドに溶解し、それぞれの溶液を、ハイドロキシアパタイトを2%添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁したフルタミド、クエン酸タモキシフェンとゲフィチニブの抗腫瘍溶液を作成した。
反応を促進するために、50℃の高温槽で暗所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始から約2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、クエン酸タモキシフェンについては、最大粒径が5μm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕クエン酸タモキシフェン抗腫瘍溶液を得た。フルタミドと、ゲフィチニブについては、最大粒径が0.5μm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕フルタミド抗腫瘍溶液と、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕ゲフィチニブ抗腫瘍溶液を得た。
【0031】
得られたそれぞれの抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が5μm以下のハイドロキシアパタイト添加・粉砕クエン酸タモキシフェン抗腫瘍溶粉体(実施例1−46)、溶媒を除去した最大粒径が0.5μm以下のフルタミドにハイドロキシアパタイトを添加した抗腫瘍紛体(実施例1−42)と、溶媒を除去した最大粒径が0.5μm以下のゲフィチニブにハイドロキシアパタイトを添加した抗腫瘍紛体(実施例1−50)を得た。
【0032】
また、蒸留水にハイドロキシアパタイトを2%添加して、ダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、5℃以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し(マイクロトラック7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が0.1μm以下になったところで粉砕を終了し、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を得た。最大粒径は0.08μmであった。
メシル酸イマチニブ、オキザリプラチン、ユーエフティー、カルモフール、アセグラトン、アナストロゾール、ウベニメクス、塩酸ファドロゾール水和物、塩酸プロカルバジン、ビカルタミドに、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を添加、混合して、最大粒径が0.1μm以下の、それぞれのハイドロキシアパタイト添加抗腫瘍剤を得た。(実施例1−51〜実施例1−60)。
【0033】
毒性試験用に作成した各種抗腫瘍剤に対するハイドロキシアパタイトの配合量を表1、及び表2に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
[各種腫瘍剤の単回投与による毒性低減効果試験]
実施例1―1〜実施例1−9、実施例1−12〜実施例1−14、実施例1−16〜実施例1−18、実施例1−20〜実施例1−28の試料については、ハイドロキシアパタイトを配合した各種抗腫瘍剤溶液をC57BL/6マウスの雄(7週齢)の血管内に投与した。投与は一回とし、投与から14日間観察を行い、その間の死亡数を確認し、用量と死亡数から、LD50を算出した(試験例2−1〜試験例2−9、試験例2−12〜試験例2−14、試験例2−16〜試験例2−18、試験例2−20〜試験例2−28)。実施例1−29〜実施例1−32については腹腔内投与を、実施例1−33については皮下投与を、実施例1−34〜実施例1−49、実施例1−4、実施例1−7、実施例1―8、実施例1―19、実施例1−23、実施例1−25、実施例1−28及び比較例1−1については経口投与を行なった。投与は一回とし、投与から14日間観察を行い、その間の死亡数を確認し、用量と死亡数から、LD50を算出した(試験例2−29〜試験例2−56、比較例2−1)。
【0037】
最大粒径0.1μm以下の抗腫瘍剤(実施例1−34、実施例1−38〜実施例1−41、実施例1−4、実施例1−7、実施例1―8、実施例1−23、実施例1−25、実施例1−28、及び比較例1−1)の経口投与は、抗腫瘍剤がマウスの胃酸で溶解する前に胃を通過させる為に、マウスを空腹状態にして行なった。最大粒径0.5μm以下(実施例1−35、実施例1−42〜実施例1−45)、最大粒径1μm以下(実施例1−19)、最大粒径5μm以下(実施例1−36、実施例1−46〜実施例1−49)、及び最大粒経10μm以下(実施例1−37)の抗腫瘍剤については、充分に摂餌させて投与した。
【0038】
比較として各種抗腫瘍剤について同様の試験、血管内投与試験(比較試験例2−1〜比較試験例2−18)、腹腔内投与試験(比較試験例2−19〜比較試験例2−22)、皮下投与試験(比較試験例2−23)、経口投与試験(比較試験例2−24〜比較試験例2−41)を行なった。
下記試験例の数値は、投与量に引き続き、投与した動物に対する死亡数を記載した(試験例2−1−1〜試験例2−14−4、試験例2−34−1〜試験例2−34−4、試験例2−42−1〜試験例2−42−4、試験例2−44−1〜試験例2−44−4、比較試験例2−1〜比較試験例2−8、比較試験例2−24、比較試験例2−28、比較試験例2−30)。また各抗腫瘍剤についての試験例、及び比較試験例のLD50を表3及び表4に示す。
【0039】
[試験例2−1−1]ハイドロキシアパタイト0.1%添加・粉砕シクロホスファミド溶液
25 mg/kg 0/5
50 1/6
125 2/6
150 3/5
225 5/6
250 5/8
275 6/6
【0040】
[試験例2−1−2]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕シクロホスファミド溶液
25 mg/kg 0/8
50 1/6
125 2/6
150 3/5
225 4/6
250 5/8
300 6/6
【0041】
[試験例2−1−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕シクロホスファミド溶液
100 mg/kg 0/6
150 1/6
200 2/6
250 2/5
300 3/5
400 4/6
500 4/6
600 5/5
【0042】
[試験例2−1−4]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕シクロホスファミド溶液
100 mg/kg 0/6
150 1/6
200 2/6
250 2/5
300 3/5
400 3/5
500 4/6
600 5/5
【0043】
[比較試験例2−1]シクロホスファミド
25 mg/kg 0/6
50 1/5
125 2/6
150 3/6
200 4/6
250 4/5
300 6/6
【0044】
[試験例2−2−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕フルオロウラシル溶液
200 mg/kg 0/6
300 1/5
400 3/6
500 4/6
600 5/6
700 6/6
【0045】
[試験例2−2−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕フルオロウラシル溶液
400 mg/kg 0/5
500 1/6
600 1/5
700 2/6
800 3/5
900 5/8
1000 6/6
【0046】
[試験例2−2−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕フルオロウラシル溶液
500 mg/kg 0/6
600 1/6
700 2/6
800 3/5
900 4/7
1000 4/5
1100 6/6
【0047】
[試験例2−2−4]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕フルオロウラシル溶液
400 mg/kg 0/5
500 1/6
600 1/6
700 2/6
800 3/6
900 4/7
1000 4/5
1100 5/5
【0048】
[比較試験例2−2]フルオロウラシル
50 mg/kg 0/5
100 1/5
150 1/5
200 2/5
250 2/6
300 3/5
350 5/6
400 6/6
【0049】
[試験例2−3−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/6
700 1/6
800 2/6
900 4/5
1000 6/8
1200 6/7
1400 6/6
【0050】
[試験例2−3−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/6
1500 1/7
2000 2/7
2500 3/6
3000 3/5
3500 5/7
4000 4/5
4500 5/5
【0051】
[試験例2−3−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/7
1500 1/7
2000 2/7
2500 2/6
3000 3/5
3500 4/6
4000 4/5
4500 6/6
【0052】
[試験例2−3−4]ハイドロキシアパタイト200%添加・粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/6
1500 1/7
2000 1/6
2500 1/5
3000 3/6
3500 4/6
4000 6/7
4500 5/5
【0053】
[比較試験例2−3]塩酸ブレオマイシン
200 mg/kg 0/5
250 1/6
300 3/7
350 4/6
400 4/5
500 5/6
600 6/6
【0054】
[試験例2−4−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕エトポシド溶液
30 mg/kg 0/6
40 1/7
50 1/6
60 2/5
70 4/7
80 5/6
90 5/5
【0055】
[試験例2−4−2]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/6
200 1/8
250 1/6
300 2/5
400 5/7
450 5/6
500 6/6
【0056】
[試験例2−4−3]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/7
200 1/7
250 1/6
300 3/7
400 4/8
450 5/7
500 7/7
【0057】
[試験例2−4−4]ハイドロキシアパタイト200%添加・粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/6
200 1/7
250 1/6
300 3/6
400 3/7
500 4/5
600 5/5
【0058】
[比較試験例2−4]エトポシド
10 mg/kg 0/6
20 1/6
30 2/6
40 5/7
50 5/6
60 6/6
【0059】
[試験例2−5−1]ハイドロキシアパタイト0.1%添加・粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
1.0 mg/kg 0/5
1.5 2/5
2.0 3/8
2.5 3/5
3.0 6/7
3.5 4/5
4.0 6/6
【0060】
[試験例2−5−2]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
1.5 mg/kg 0/5
2.0 1/6
2.5 3/5
3.0 6/8
3.5 6/8
4.0 7/8
4.5 6/6
【0061】
[試験例2−5−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
2.0 mg/kg 0/6
3.0 1/6
4.0 1/5
5.0 2/5
6.0 3/6
7.0 5/6
8.0 5/5
【0062】
[試験例2−5−4]ハイドロキシアパタイト200%添加・粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
4.0 mg/kg 0/7
5.0 1/8
6.0 1/6
7.0 1/6
8.0 2/6
9.0 4/6
10.0 4/5
11.0 5/5
【0063】
[比較試験例2−5]硫酸ビンクリスチン
1.0 mg/kg 0/5
1.5 2/5
2.0 3/8
2.5 4/6
3.0 7/8
3.5 8/8
【0064】
[試験例2−6−1]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕インターフェロンβ溶液
6000 mg/kg 0/5
8000 1/6
10000 2/8
12000 3/7
14000 4/8
16000 4/5
18000 5/6
20000 6/6
【0065】
[試験例2−6−2]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕インターフェロンβ溶液
18000 mg/kg 0/6
20000 1/6
22000 1/5
24000 3/6
26000 4/6
28000 4/5
30000 5/5
【0066】
[試験例2−6−3]ハイドロキシアパタイト200%添加・粉砕インターフェロンβ溶液
15000 mg/kg 0/5
20000 1/6
25000 2/6
30000 4/6
35000 5/6
40000 6/6
【0067】
[試験例2−6−4]ハイドロキシアパタイト500%添加・粉砕インターフェロンβ溶液
20000 mg/kg 0/6
22000 2/10
24000 2/8
26000 2/8
28000 3/8
30000 6/8
32000 8/9
33000 8/8
【0068】
[比較試験例2−6]インターフェロンβ
600 mg/kg 0/6
800 1/7
1000 2/6
1200 4/7
1500 5/8
1700 7/7
【0069】
[試験例2−7−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/6
10.0 3/6
15.0 6/7
20.0 5/6
25.0 5/5
【0070】
[試験例2−7−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/5
10.0 2/6
15.0 4/6
20.0 5/6
25.0 5/5
【0071】
[試験例2−7−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5.0 1/6
10.0 2/6
15.0 3/6
20.0 5/6
25.0 6/6
【0072】
[試験例2−7−4]ハイドロキシアパタイト200%添加・粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/5
10.0 2/5
15.0 4/8
20.0 5/6
25.0 6/7
30.0 6/6
【0073】
[比較試験例2−7]シスプラチン
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/8
7.5 2/7
10.0 5/8
12.5 6/8
15.0 5/6
17.5 6/6
【0074】
[試験例2−8−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕カルボプラチン溶液
70 mg/kg 0/5
80 1/5
90 1/5
100 4/6
110 4/5
120 5/5
【0075】
[試験例2−8−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕カルボプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/6
100 3/6
120 5/6
140 6/7
160 6/6
【0076】
[試験例2−8−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕カルボプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/6
100 2/6
120 5/8
140 7/8
160 6/6
【0077】
[試験例2−8−4]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕カルボプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/8
100 2/6
120 5/7
140 7/8
160 8/8
【0078】
[比較試験例2−8]カルボプラチン
70 mg/kg 0/6
80 1/7
90 3/6
100 5/8
110 7/8
120 7/7
【0079】
[試験例2−12−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加フルオロウラシル溶液
200 mg/kg 1/6
300 1/5
400 2/5
500 4/6
600 5/6
700 6/6
【0080】
[試験例2−12−2]ハイドロキシアパタイト10%添加フルオロウラシル溶液
100 mg/kg 0/5
200 1/5
300 1/5
400 4/8
500 4/7
600 6/8
700 6/6
【0081】
[試験例2−12−3]ハイドロキシアパタイト50%添加フルオロウラシル溶液
100 mg/kg 0/7
200 1/6
300 1/5
400 3/8
500 3/6
600 5/7
700 5/5
【0082】
[試験例2−12−4]ハイドロキシアパタイト100%添加フルオロウラシル溶液
200 mg/kg 0/5
300 1/5
400 2/6
500 2/5
600 4/7
800 6/7
1000 6/6
【0083】
[試験例2−13−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加塩酸ブレオマイシン溶液
50 mg/kg 0/5
100 1/8
200 2/8
400 3/8
600 4/7
800 6/8
1000 5/5
【0084】
[試験例2−13−2]ハイドロキシアパタイト10%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/6
800 1/7
1000 1/5
1200 3/6
1400 3/5
1600 4/5
1800 6/6
【0085】
[試験例2−13−3]ハイドロキシアパタイト50%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/5
800 1/7
1000 1/6
1200 2/6
1400 4/6
1600 4/5
1800 5/5
【0086】
[試験例2−13−4]ハイドロキシアパタイト100%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/7
800 1/7
1000 1/6
1200 2/7
1400 4/7
1600 4/5
1800 7/7
【0087】
[試験例2−14−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5 1/6
10 4/7
15 6/8
20 7/8
25 6/6
【0088】
[試験例2−14−2]ハイドロキシアパタイト10%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5 1/6
10 2/6
15 5/7
20 7/8
25 6/6
【0089】
[試験例2−14−3]ハイドロキシアパタイト50%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5 1/6
10 2/6
15 4/6
20 5/6
25 6/7
30 5/5
【0090】
[試験例2−14−4]ハイドロキシアパタイト100%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5 1/5
10 2/6
15 4/6
20 6/7
25 7/8
30 7/7
【0091】
[試験例2−34−1]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕ソブゾキサン粉体
2000 mg/kg 0/5
2400 1/6
2800 1/6
3200 1/5
3400 2/5
3600 3/5
3800 4/5
4000 5/5
【0092】
[試験例2−34−2]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕ソブゾキサン粉体
2400 mg/kg 0/5
2800 1/6
3200 1/5
3600 2/6
4000 4/7
4400 4/5
4800 5/5
【0093】
[試験例2−34−3]ハイドロキシアパタイト500%添加・粉砕ソブゾキサン粉体
2000 mg/kg 0/5
3000 1/7
4000 2/5
5000 3/5
6000 3/6
7000 4/5
8000 5/5
【0094】
[試験例2−34−4]ハイドロキシアパタイト1000%添加・粉砕ソブザキサン粉体
3000 mg/kg 0/5
4000 1/5
5000 1/5
6000 2/5
7000 3/5
8000 4/5
9000 5/5
【0095】
[比較試験例2−24]ソブゾキサン
200 mg/kg 0/5
400 1/5
600 1/6
800 2/5
1000 3/5
1200 4/5
1400 6/6
【0096】
[試験例2−42−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕フルタミド粉体
2000 mg/kg 0/5
3000 1/5
3200 2/5
3400 3/5
3600 3/5
3800 4/5
4000 4/5
4200 5/5
【0097】
[試験例2−42−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕フルタミド粉体
3000 mg/kg 0/5
3200 1/5
3400 1/5
3600 2/5
3800 3/5
4000 4/5
4200 5/5
【0098】
[試験例2−42−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕フルタミド粉体
4200 mg/kg 0/5
4400 1/5
4600 1/5
4800 2/5
5000 3/5
5200 3/5
5400 4/5
5600 5/5
【0099】
[試験例2−42−4]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕フルタミド粉体
4600 0/5
4800 1/5
5000 1/5
5200 2/5
5400 2/5
5600 4/5
5800 5/5
【0100】
[比較試験例2−28]フルタミド
250 mg/kg 0/5
500 1/5
750 3/5
1000 3/5
1250 4/5
1500 4/5
2000 5/5
【0101】
[試験例2−44−1]ハイドロキシアパタイト1.0%添加・粉砕シタラビンオクスファート粉体
500 mg/kg 0/5
750 1/5
1000 1/5
1250 2/5
1500 3/5
1750 3/5
2000 4/5
2250 5/5
【0102】
[試験例2−44−2]ハイドロキシアパタイト10%添加・粉砕シタラビンオクスファート粉体
1250 mg/kg 0/5
1500 1/5
1750 2/5
2000 3/5
2250 3/5
2500 4/5
2750 4/5
3000 5/5
【0103】
[試験例2−44−3]ハイドロキシアパタイト50%添加・粉砕シタラビンオクスファート粉体
1750 mg/kg 0/5
2000 1/5
2250 2/5
2500 2/5
2750 2/5
3000 4/5
3250 4/5
3500 5/5
【0104】
[試験例2−44−4]ハイドロキシアパタイト100%添加・粉砕シタラビンオクスファート粉体
2000 mg/kg 0/5
2250 1/5
2500 2/5
2750 2/5
3000 3/5
3250 3/5
3500 4/5
3750 5/5
【0105】
[比較試験例2−30]シタラビンオクスファート
250 mg/kg 0/5
300 1/5
400 2/5
500 2/5
600 3/5
700 3/5
800 4/5
1000 5/5
【0106】
【表3】


【0107】
【表4】

【0108】
[各種腫瘍剤の連続投与による毒性低減効果試験]
実施例1−9〜1−11、1−15と、1−19の試料については、ハイドロキシアパタイトを配合した各種抗腫瘍剤溶液をBDFマウスの後足皮下にルイス肺癌細胞10個を移植し、腫瘍移植後6日目から薬剤連日投与を行ない、投与9日目までに50%以上が死亡した容量をLD50とした(試験例3−9〜3−11、試験例3−15、試験例3−19)。比較として、各種抗腫瘍剤について同様の試験を行なった(比較試験例3−1〜3−3)。連続投与試験によるLD50を表5に示す。
【0109】
【表5】

【0110】
以上の結果より、ハイドロキシアパタイトを添加した各種抗腫瘍剤の毒性が、各抗腫瘍剤の毒性に比べて低減されており、特に抗腫瘍剤とハイドロキシアパタイトを混合してから粉砕を行なった抗腫瘍剤の毒性が著しく低減されていることがわかる。
他のリン酸カルシウムを用いた比較として行った、第3リン酸カルシウム添加・粉砕ソブゾキサン抗腫瘍剤では、多少毒性の低減がみられるものの、ハイドロキシアパタイト添加・粉砕ソブゾキサン抗腫瘍剤ほどの低減は見られないことがわかる。
【0111】
[細胞成長抑制試験]
実施例1−4、1−5、1−7、1−8、1−9、1−10、1−12、1−16の試料について、in vitroを用いた細胞成長抑制試験を行った(試験例4−1〜4―8)。
【0112】
試験は、ヒト癌細胞である子宮頸部癌としてHeLa,SiHa、線維肉腫としてHT1080、扁平上皮癌としてA431、口腔癌としてHSC3,HSC4,KB、胃癌としてAZ521,Kato-III,NUGC-4、大腸癌としてSW837,LoVo、肝癌としてHepG2、肺癌としてLu65,Lu99の15種類を用い、以下の手順で50%細胞成長抑制パラメーター(GI50:the 50% growth inhibition parameter)の平均を算出した。5%の牛胎児血清を添加した培地で浮遊した各ヒト癌細胞を96穴プレートに適当量播種し、一晩、37℃のCOインキュベータ内でウエルに接着させた。
これらの癌細胞に48時間、各抗癌剤を暴露した。細胞の成長は、MTTを用いることによってアッセイを行った。対照ウエル(C)とテストウエル(T)に対する吸光度は550nmで測定を行った。
また、薬物を添加した直後のテストウエル(T0)の吸光度を測定した。これらの測定値を用いて、薬物のそれぞれのGI50を計算し、そのときの薬物濃度を求めた。比較として、それぞれの抗癌剤について同様の試験を行った(比較試験例4−1〜4−7)。細胞成長抑制試験によるGI50を表6に示す。
【0113】
【表6】

【0114】
上記と同様の細胞成長抑制試験を、各種腫瘍剤の単回投与による毒性低減効果試験の実施例1−20〜1−32の試料、及び比較として、それぞれの抗癌剤について同様の試験を行った結果、表6に示した結果と同様、ハイドロキシアパタイトを添加した抗腫瘍剤のGI50は、いずれも比較で行った抗腫瘍剤のGI50に比べてわずかに小さな値であった。
【0115】
[抗腫瘍試験]
前述の[ハイドロキシアパタイト添加各種抗腫瘍剤溶液の調整]で記した調整方法で、シクロホスファミド、フルオロウラシル、エトポシド、硫酸ビンクリスチン及びシスプラチンに、最大粒子径50nmのハイドロキシアパタイト粒子をそれぞれ10%吸着させて、以下の方法で抗腫瘍試験を行った(試験例5−1〜5−5)。フルオロウラシル、及びシスプラチンについては、最大粒子径0.8μmのハイドロキシアパタイト粒子をそれぞれ10%吸着させて、同様の方法で抗腫瘍試験を行った(試験例5−6、5−7)。
【0116】
試験には、BALB/cを遺伝的にバックグランドに持つメスのヌードマウスを7週齢(16〜22g)で使用した。試験に使用したヒト癌細胞は胃癌細胞のGCIY、大腸癌としてHCT-15、肺癌のA549、卵巣癌のOVCAR-3である。ヒト癌細胞は、ヌードマウスの皮下に移植して腫瘍塊を形成させた後、これらの癌腫を試験に用いた。
【0117】
無菌的に採取した腫瘍を3×3×3mmの腫瘍片にして新たなヌードマウスの皮下に移植した。腫瘍が100〜300mmの体積に達したとき、動物を任意に6匹ずつの群に分け(Day0)、以下の投与スケジュールに従って、Day0より投与を開始した。シクロホスファミドは投与量を260mg/kgとして、単回投与、フルオロウラシルは50mg/kgの用量で4日間隔で3回投与、エトポシドは12mg/kgで5日連続投与、硫酸ビンクリスチンは1.6mg/kgで単回投与、シスプラチンは10mg/kgの投与量で単回投与とした。投与経路は全て血管内投与とした。
【0118】
投与後、動物はDays24〜31までの間、一週間に二回、腫瘍塊の長さ(L)と幅(W)を測定し、TV=(L×W2)/2の式に従って腫瘍体積(TV)を計算した。抗腫瘍の判定は、Day14に行った。Day0とDay14の腫瘍体積をTV0とTV14とした場合、この値を用いて、次の式から相対的な腫瘍体積(RTV)を求めた。即ち、RTV=TV14/TV0である。抗腫瘍性の評価は、Day14における腫瘍退縮率(T/C%)として行った。T/C%=100×(処置群の平均RTV)/(対照群のRTV)である。
【0119】
比較として、シクロホスファミド、フルオロウラシル、エトポシド、硫酸ビンクリスチン及びシスプラチンに、粒子径30〜50μmのハイドロキシアパタイト粒子を10%吸着させて、上記と同じ投与スケジュール、投与量で、腹腔内投与し、抗腫瘍効果試験を行なった(比較試験例5−1〜5−5)。
【0120】
更に、比較としてシクロホスファミド、フルオロウラシル、硫酸ビンクリスチン、シスプラチンに、粒子径約150〜250μmのハイドロキシアパタイト粒子を10%吸着させて、腫瘍部に埋め込み、抗腫瘍効果試験を行なった(比較試験例5−6〜5−9)。また対照として、ハイドロキシアパタイトに吸着させない各薬物の試験を行った(比較試験例5−10〜5−14)。抗腫瘍試験による各移植癌の退縮率(%)を表7に示す。
【0121】
【表7】

【0122】
以上の結果より、各種抗腫瘍剤にハイドロキシアパタイト微粒子を添加した抗腫瘍溶液の血管内投与は、各種抗腫瘍剤の効果を低減させないで、毒性を低減することがわかる。
【0123】
[細胞増殖抑制試験]
実施例1―34(ソブザキサン)、実施例1−42(フルタミド)、実施例1−2(フルオロウラシル)、実施例1−1(シクロホスファミド)、実施例1−44(シタラビンオクホスファート)、実施例1−50(ゲフィチニブ)、実施例1−4(エトポシド)の試料についてin vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。
【0124】
試験は、実施例1―34の試料について、Colon26結腸癌細胞とLewis肺癌細胞を用い、以下の手順で50%細胞増殖抑制濃度(IC50:the 50% growth inhibition parameter)の平均を算出した。5%の牛胎児血清を含有する培地で浮遊したColon26結腸癌細胞と、Lewis肺癌細胞をそれぞれ96穴プレートに、104個/mlに調整した細胞を各ウエルに100μl播種し、一晩、37℃のCOインキュベータ内でウエルに接着させた。
【0125】
これらの癌細胞に48時間、各抗癌剤を暴露した。細胞の成長は、MTTを用いることによってアッセイを行った。対照ウエル(C)とテストウエル(T)に対する吸光度は550nmで測定を行った。
これらの測定値を用いて薬物のそれぞれのIC50を計算し、薬物濃度を求めた(試験例6−1〜試験例6−2)。比較として、ソブゾキサンについて同様の試験を行った(比較試験例6−1、比較試験例6−2)。細胞増殖抑制試験によるIC50を表8に示す。
また、Colon26結腸癌細胞を用いた細胞増殖抑制試験による細胞増殖抑制曲線を図1に、Lewis肺癌細胞を用いた細胞増殖抑制試験による細胞増殖抑制曲線を図2に示す。
[試験試料]
比較:ソブゾキサン、HAP10%:実施例1−34−1、HAP100%:実施例1−34−2、HAP500%:実施例1−34−3、HAP1000%:実施例1−34−4
【0126】
【表8】

【0127】
実施例1−42の試料について、Lewis肺癌細胞、P388白血病細胞、及びDU145前立腺癌細胞を用いて、上記と同様の方法でin vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物のIC50を計算し、薬物濃度を求めた(試験例6−3〜試験例6−5)。比較としてフルタミドについて同様の試験を行った(比較試験例6−3〜比較試験例6−5)。細胞増殖抑制試験によるIC50を表9に示す。
【0128】
【表9】

【0129】
実施例1−2の試料について、Colon26結腸癌細胞、Lewis肺癌細胞、及びP388白血病細胞を用いて、上記と同様の方法でin vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物のIC50を計算し、薬物濃度を求めた(試験例6−6〜試験例6−8)。比較としてフルオロウラシルについて同様の試験を行った(比較試験例6−6〜比較試験例6−8)。細胞増殖抑制試験によるIC50を表10に示す。
【0130】
【表10】

【0131】
実施例1−1、実施例1−44、及び実施例1−50の試料について、Lewis肺癌細胞を用いて、上記と同様の方法でin vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物のIC50を計算し、薬物濃度を求めた(試験例6−9〜試験例6−11)。比較としてシクロホスファミド、シタラビンオクホスファートと、ゲフィニチブについて同様の試験を行った(比較試験例6−9〜比較試験例6−11)。細胞増殖抑制試験によるIC50を表11に示す。
【0132】
【表11】

【0133】
実施例1−4の試料について、P388肺癌細胞を用いて、上記と同様の方法でin vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物のIC50を計算し、薬物濃度を求めた(試験例6−12)。比較としてエトポシドについて同様の試験を行った(比較試験例6−12)。細胞増殖抑制試験によるIC50を表12に示す。
【0134】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗腫瘍成分にハイドロキシアパタイトを配合したことを特徴とする抗腫瘍剤。
【請求項2】
ハイドロキシアパタイトを配合した抗腫瘍剤の投与方法が、注射・点滴による投与、及び/又は経口による投与であることを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
【請求項3】
抗腫瘍成分が、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、植物製剤、ホルモン製剤、免疫治療剤、白金製剤、前記に分類されない抗腫瘍剤である請求項1及び、請求項2記載の抗腫瘍剤。
【請求項4】
抗腫瘍成分が、シクロホスファミド、フルオロウラシル、塩酸ブレオマイシン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、エトポシド、硫酸ビンクリスチン、インターフェロンβ、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、ニムスチンハイドロクロライド、フルオロウラシル、カルボコン、パクリキタセル、メルファラン、硫酸ビンブラスチン、ダカルバジン、イホスファミド、チオテバ、酒石酸ビノレルビン、ビノレルビン、ネオカルチノスタチン、テガフール、メトトレキサート、硫酸ビンデシン、酢酸ゴセレリン、ソブゾキサン、トレチノイン、リン酸エストラムスチンナトリウム、クエン酸トレミフェン、フルタミド、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクホスファート、メルカプトプリン、クエン酸タモキシフェン、ドキシフルリジン、ブスルファン、ゲフィニチブ、メシル酸イマチニブ、オキザリプラチン、ユーエフティー、カルモフール、アセグラトン、アナストロゾール、ウベニメクス、塩酸ファドロゾール水和物、塩酸プロカルバジン、ビカルタミドである請求項1乃至3記載の抗腫瘍剤。
【請求項5】
ハイドロキシアパタイトの最大粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の抗腫瘍剤。
【請求項6】
ハイドロキシアパタイトの最大粒子径が0.1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の抗腫瘍剤。
【請求項7】
ハイドロキシアパタイトの最大粒子径が5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の経口投与用の抗腫瘍剤。
【請求項8】
ハイドロキシアパタイトの最大粒子径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の経口投与用の抗腫瘍剤。
【請求項9】
ハイドロキシアパタイトの配合量が抗腫瘍成分に対して0.1〜1000%であることを特徴とする請求項1乃至4記載の抗腫瘍剤。
【請求項10】
抗腫瘍成分とハイドロキシアパタイトの混合物を、粉砕処理することを特徴とする請求項1乃至4記載の抗腫瘍剤。

【図1】
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【図2】
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【国際公開番号】WO2005/074991
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【発行日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517665(P2005−517665)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001338
【国際出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000130776)株式会社サンギ (17)
【Fターム(参考)】