説明

携帯電話機能利用ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置に接続した携帯電話の機能を有効に利用できる「携帯電話機能利用ナビゲーション装置」とする。
【解決手段】接続した携帯電話の機能のうち、例えば「財布機能付携帯」の機能のように、少なくとも施設利用についての特定の機能を備えるか否かを検出し、その特定機能を備えるときにはその特定機能を利用可能な施設を取り込み、その施設を地図画面上に表示出力する。その際特定機能を利用可能な施設を地図上において、他の検索機能により検出した施設より明瞭に優先的表示を行う。また、ユーザーが選択した施設に走行する誘導経路を演算して走行案内を行うことができるようにする。更に、選択した施設に関する情報をナビゲーション装置のデータを用い、或いは携帯電話のiモード機能等を利用して取り込み、表示可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置に接続した携帯電話が備えている、例えば財布機能付携帯等の機能をナビゲーション装置に有効に利用することができるようにした携帯電話機能利用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の普及により各車から種々の機能を備えた携帯電話が大量に市販されている。携帯電話のユーザーは各ユーザーの好みにあったこれらの新しい機能に注目し、新しい携帯電話を購入して利用するようになっている。そのため各ユーザーは、その携帯電話に例えば効率的な曲のダウンロード機能があることによりそれを有効に利用することがあっても、その外の各種機能の多くの部分を知らないことが多い。
【0003】
一方、近年の多くの車両にはナビゲーション装置を備えており、地図画面に自車両位置を表示して自車両が現在どの地点を走行しているかを容易に知ることができ、また目的地を設定してその地点までの誘導経路の演算し、設定された誘導経路に沿った車両の案内を行うことにより、安全に目的地へ到着できるようになっている。
【0004】
このようなナビゲーション装置に対して携帯電話を接続し、例えば車両用情報センターから、ドライブ情報等の各種の情報を入手することも行われており、特に携帯電話の通話料金固定制等の利用によって、携帯電話のデータ通信機能を有効に利用できるようになっている。しかしながら前記のように携帯電話のユーザーは自分が所有している携帯電話の各種の機能を必ずしも知っているとは限らず、ナビゲーション装置に接続した携帯電話についても実際はどのような機能があるのかわからずに接続していることが多い。
【0005】
それに対して携帯電話における種々の機能の内、携帯電話に非接触式ICカード機能を備え、その機能を利用できる商店等では現金を支払うことなく携帯電話を所定の機器に近接させるだけで料金の支払いを行うことができるシステムが開発されている。このようなシステムは携帯電話が財布の機能を備えているという点から「おサイフケータイ(登録商標)」と呼ばれ、この機能を備えた携帯電話は携帯電話各社から販売され、広く利用されているとともに、この機能を利用することができる商店等の施設も多くなっている。なお、以下このような非接触式ICカード機能を「財布機能付携帯」と略称する。
【0006】
携帯電話が備えている機能には更に種々のものがあり、特にインターネットと接続できるiモードの機能によって、各種の検索サイトを利用できるようになり、例えば現在地周辺のレストランを検索して紹介するサイト、それらのレストランから現在特別割引等のサービスを行っているレストラン等の情報のように、各施設の施設情報を初め多くの情報を容易に取り込むことができるようになっている。
【0007】
なお、ナビゲーション装置に接続した携帯電話が、PHS形式の携帯電話か、デジタル携帯電話かの種別を検知し、その種別に応じた機能を選択する技術は特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−194164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ナビゲーション装置に携帯電話を接続したとき、その携帯電話に上記のような「財布機能付携帯」の機能を備えているとき、ユーザーはその携帯電話により現在地点周辺の、財布機能付携帯利用可能施設を、携帯電話で検索し表示できるようになっている。しかしながらユーザーはこの機能を必ずしも熟知してはおらず、またこの機能を利用できる施設が現在位置に対してどのような位置にあるのかは、その携帯電話では容易に知ることができない。このことは前記のように現在地周辺のレストランを携帯電話のiモード機能によって検索した結果を表示したときも同様である。また、その携帯電話に各種の施設検索機能があってもこれを有効に利用していない、という基本的な問題もある。
【0009】
したがって本発明は、ナビゲーション装置に接続した携帯電話の機能を検出し、特にナビゲーション装置に接続したときに有効に利用できる機能を生かして、例えば「財布機能付携帯」の機能を利用することができる施設、或いは携帯電話で検索した現在地周辺のレストラン等の施設を地図上に示し、利用者がそれらの施設の利用について適切に判断することができるようにするとともに、ナビゲーション装置の機能を利用してそれらの施設迄の誘導経路を演算し、案内を行うことができるようにした携帯電話機能利用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯電話機能利用ナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、接続した携帯電話の機能のうち少なくとも施設利用についての特定の機能を備えるか否かを検出する接続携帯電話機能検出部と、前記接続携帯電話機能検出部で検出した特定機能を利用可能な施設を取り込む携帯電話特定機能利用可能施設取込部と、前記携帯電話特定機能利用可能施設取込部で取り込んだ施設を、地図画面上に表示出力する特定機能利用可能施設出力部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の携帯電話機能利用ナビゲーション装置は、前記携帯電話機能利用ナビゲーション装置において、前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設を、地図上に他の検索機能により検出した施設より明瞭に優先的表示を行う特定機能利用施設優先表示手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る他の携帯電話機能利用ナビゲーション装置は、前記携帯電話機能利用ナビゲーション装置において、前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設の内、ユーザーが選択した施設に走行する誘導経路を演算する誘導経路演算部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他の携帯電話機能利用ナビゲーション装置は、前記携帯電話機能利用ナビゲーション装置において、前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設について、該施設に関する情報を取り込む利用可能施設情報取込部を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他の携帯電話機能利用ナビゲーション装置は、前記携帯電話機能利用ナビゲーション装置において、前記携帯電話特定機能が、非接触式ICカード機能であることを特徴とする。
ことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記のように構成したので、ナビゲーション装置に接続した携帯電話の機能を検出し、特にナビゲーション装置に接続したときに有効に利用できる機能を生かして、例えば「財布機能付携帯」の機能を利用することができる施設、或いは携帯電話で検索した現在地周辺のレストラン等の施設を地図上に示し、利用者がそれらの施設の利用について適切に判断することができるとともに、更にはナビゲーション装置の機能を利用してそれらの施設迄の誘導経路を演算し、案内を行うことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明はナビゲーション装置に接続した携帯電話の機能を有効に利用するという目的を、接続した携帯電話の機能のうち少なくとも施設利用についての特定の機能を備えるか否かを検出する接続携帯電話機能検出部と、前記接続携帯電話機能検出部で検出した特定機能を利用可能な施設を取り込む携帯電話特定機能利用可能施設取込部と、前記携帯電話特定機能利用可能施設取込部で取り込んだ施設を、地図画面上に表示出力する特定機能利用可能施設出力部とを備えことにより実現した。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明の実施例において、携帯電話を接続したナビゲーション装置における特に接続した携帯電話の機能を利用して、各種の案内を行うことができるようにした接続携帯電話利用案内処理部30を中心に示した機能ブロック図である。なお、図示実施例においてはナビゲーション装置に携帯電話を接続して、携帯電話の機能を利用する各種の案内を行う例を示しているが、近年の車両用ナビゲーション装置においては、車両のオーディオ装置を初めナビゲーション装置の機能部を備えるとともに、車両に搭載した各種AV機器を総合的に作動する車両用ヘッドユニットが用いられている。したがって本発明は、このようなヘッドユニットに対して携帯電話を接続し、ナビゲーション装置の機能を利用して携帯電話の機能を利用した案内を行う場合を含むが、ここでは上記のようにナビゲーション装置に携帯電話を接続した例について説明する。
【0018】
図1に示すナビゲーション装置においては、従来のものと同様に、システム制御部10に各種の所定の機能を総合的に行うためのソフトウェアを記録したROM、そのソフトウェアを処理するためのCPU及びRAM等を備え、これと接続した各機能部の制御を行っている。図示のナビゲーション装置においては、このシステム制御部10に対して、携帯電話11と通信可能に接続した携帯電話接続部12が接続し、携帯電話11の種々のデータを取り込み可能としている。
【0019】
携帯電話11から取込データとしては、接続した携帯電話の機種データ、その携帯電話で利用可能となっている機能のデータ、携帯電話で1モード接続によって検索した各種施設検索の結果のデータ等が取り込まれる。また必要に応じて、後述する接続携帯電話利用案内処理部30からの施設検索指示を、携帯電話接続部12を介して携帯電話に出力し、iモード等を利用した携帯電話による検索を行うことができるようにする。
【0020】
システム制御部10には更に従来より用いられている車両位置検出部15が接続し、GPS受信器13の位置データを入力し、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部14からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。
【0021】
また、指示信号入力部18においては、このナビゲーション装置での利用者によるリモコン16等の指示信号を入力している。更に必要に応じて利用者の音声を認識する処理によって利用者の指示信号を入力する音声認識部17の信号も、この指示信号入力部17に入力している。
【0022】
またデータ取込部20においては、CD−ROM、DVD−ROM、或いはハードディスク等の地図・情報データ記録媒体19から必要な地図データ、施設情報等を取り込み、更にそのデータ記録媒体がハードディスクのように容易にデータの書き込みができるような場合には、外部から取り込んだデータや、他の機能部で処理したデータを後に読み取って利用することができるように、そのデータ記録媒体にデータ入力もできるようにしている。
【0023】
このナビゲーション装置においては地図や案内情報を画像出力部22からモニタ21に画像表示し、音声出力部24からの案内音声等をスピーカ23から音声出力している。誘導経路演算部25においては、車両位置検出部3で検出した車両の現在地を取り込み、また、画面に表示されるカーソルの操作による地図のスクロールにより、或いは住所を入力することにより、更には電話番号を入力する等の種々の手法により設定された経由地及び最終目的地を取り込み、最短所要時間、最短距離、一般道路優先等の種々の条件において最適の誘導経路を演算して提示する。
【0024】
この誘導経路演算部25では、特に後述する接続携帯電話機能利用案内処理部30における、携帯電話特定機能利用可能施設への誘導経路演算指示部37から特定の施設への誘導経路演算指示があったときには、その施設を新たな目的地として、或いは一連の目的地への車両誘導途中であるときには一経由地として、従来の誘導経路演算と同様の手法によって演算を行う。
【0025】
誘導経路案内出力部26では、前記のようにして演算された誘導経路について、利用者が最終的に選択した誘導経路を記憶し、現在位置から経由地を経て最終目的地まで、安全に且つ間違いなく走行できるように、音声及び画面によって案内を行う。また、前記のように携帯電話特定機能利用可能施設への誘導経路演算指示部37で指示した施設を、誘導経路演算部25で演算したときには、その案内も行うこととなる。
【0026】
本発明におけるナビゲーション装置に接続した携帯電話の機能を利用して案内の処理を行う接続携帯電話機能利用案内処理部30では、その処理を行うに当たってユーザーの各種指示を入力する指示入力部31を備え、例えばリモコン16等からの指示信号のうち、必要なものをここで入力する。接続携帯電話機能検出部32では、前記のように携帯電話接続部12に接続した携帯電話11が行うことができる機能を検出する。その機能検出に際しては、接続携帯電話が行うことができる機能を全て検出する必要はなく、例えば「財布機能付携帯」の機能はあるか、またその機能の登録を行っているか、iモードの機能を備えて各種施設検索を行う機能を有するか否か等の、少なくとも施設利用についても特定の機能を備えているか否かを検出するのみでも良い。
【0027】
携帯電話特定機能利用可能施設取込部33においては、ユーザーの指示により、接続携帯電話機能検出部32で検出した機能の内、例えば「財布機能付携帯」等の特定の機能について、その機能を利用することができる、特に携帯電話が存在する地点の周辺の施設の取り込みを行う。このとき、携帯電話が存在する地点の検出に際しては、携帯電話自体が備えている通信アンテナ特定による地域検出のほか、このナビゲーション装置が備えている車両位置検出部15のデータを用いることもできる。
【0028】
接続した携帯電話が備えている特定機能について、その利用可能施設の取り込みとしては、前記のような「財布機能付携帯」の機能に限らず、携帯電話で今後普及することが期待されている、携帯電話等で予約した各種劇場やイベント会場のチケットを、それら劇場や会場のほか所定のコンビニでも所定の機械に携帯電話を近接させるだけで支払いを済ませ、切符を受け取る機能が既に一部で行われており、同様の機能をレストランの予約と支払いを行う等の各種分野で普及することが予測されている。更に本発明の特定機能としては、特定の会員証を利用することができる施設、また特定のポイントカードを得ることができる施設等も挙げることができる。したがって、今後携帯電話で行われる種々の同様の特定機能において、接続携帯電話の機能検出、及びその特定機能を利用することができる周辺施設の検索等に用いられる。
【0029】
特定機能利用可能施設出力部34では、携帯電話特定機能利用可能施設取込部33で取り込んだ施設について、現在ナビゲーション装置に表示している地図に応じて、表示できる範囲の施設を、その施設に予め定めた所定のマークを付すための出力を行う。なお、必要に応じて前記のような地図上に表示する以外に、周辺のそれらの施設をリスト表示し、その中からユーザーが選択することができるようにしても良い。また、前記のような地図上に表示する特定機能利用可能施設については、特定機能利用施設優先表示指示部35に出力し、特定機能を利用可能な施設に対して他の表示とは異なった、ユーザーに分かり易い優先的な表示を行うことができるようにする。
【0030】
携帯電話特定機能利用可能施設への誘導経路演算指示部36においては、前記のように特定機能利用可能施設出力部34で出力された施設について、ユーザーの指示により選択された施設までの誘導経路を出力するため、通常の誘導経路演算を行っている誘導経路演算部25に対して指示を行い、現在地から選択された施設までの誘導経路を得る。その後は通常と同様に誘導経路案内出力部26からその施設までの経路案内が行われる。
【0031】
利用可能施設情報取込部37においては、ユーザーの指示により、例えば地図上に表示された特定施設のうち任意の施設について、或いは利用可能施設としてリストアップされた施設の中から選択した任意の施設について、例えばレストランのメニューと値段、各種施設の営業時間等々の情報を取り込む。この情報はナビゲーション装置が備えている地図・情報データ記録媒体19のデータを用いることができるが、その外携帯電話11のiモード等を利用して選択した施設を検索し、その施設の最新情報を取り込むこともできる。このようにして取り込んだ利用可能施設の情報は、利用可能施設情報出力部38から画像出力部22を介してモニタ21に表示する。
【0032】
上記のような接続携帯電話機能利用案内処理部30においては、例えば図2及び図3に示す作動フローによって順に作動させて実施することができる。図2には本発明による接続携帯電話利用可能施設案内処理を、特に前記のような「財布機能付携帯」の機能を利用する際の例について示している。但し、本発明においては携帯電話の他の機能を利用する際も、同様の手法によって実施することができる。以下この作動フローを、前記図1の機能ブロック図及ぶ図4等の案内画面表示例を参照しつつ説明する。
【0033】
図2に示す財布機能付携帯利用可能施設案内処理の例においては、最初接続した携帯電話の機能の検出を行う。但し、このナビゲーション装置において、携帯電話が接続されたときには、自動的にその電話の機能の検出を行うようにしても良い。次いで接続した携帯電話には「財布機能付携帯」の機能はあるか否かを判別する。これらの処理は図1の接続携帯電話機能検出部32において、ユーザーの指示により、或いは自動的に行う。
【0034】
ステップS2において接続した携帯電話に財布機能付携帯の機能がないと判別したときはこの処理を終了し(ステップS9)、その機能があると判別したときには周辺の「財布機能付携帯」利用可能施設の取り込みを行う(ステップS3)。これは図1の携帯電話特定機能利用可能施設取込部33において行われる。その後取り込んだ周辺の「財布機能付携帯」利用可能施設を地図画面上に、「財布機能付携帯」の機能を利用することができる施設であることがユーザーに容易に識別できるように表示する(ステップS4)。これは図1の特定機能利用可能施設出力部34によって行われ、特に特定機能利用施設優先表示指示部35によって、予め設定されている所定の表示を行い、ユーザーが容易に識別できるようにする。
【0035】
その際には最初例えば図4(a)に示すように、誘導経路aに沿って走行している車両Aのユーザーが、この位置で「財布機能付携帯」が利用できる周辺施設を前記のようにして検索したとき、図4(a)のレストランSに「お財布マーク」のような特定マークMが付与され、そのマークが「財布機能付携帯利用可能施設」であることを注記表示部T等に表示する。
【0036】
図2に示す例においてはその後、特定施設の施設情報の表示要求があったか否かを判別し(ステップS5)、要求があったと判別したとき、即ちユーザーが表示された施設について、例えばそのレストランはどのようなメニューがあって値段はどの程度であるか等を知りたいと思ったときには、ナビゲーション装置に予め備えているデータに基づく施設情報表示機能を利用して情報を取り込み、或いは接続した携帯電話のiモード機能等によってインターネット接続し、その施設の情報の取り込みを行い、その結果を表示する(ステップS6)。これは図1における利用可能施設情報取込部37において情報を取り込み、利用可能施設情報出力部38からモニタ等に対して、例えば図4(b)のような2画面表示等を行うように出力する。同図の例においては、この財布機能付携帯利用可能施設としてのレストランが「みどり屋」であり、その所在地、電話番号、主要メニュー等が表示される例を示している。
【0037】
図2に示す例においては前記ステップS5において特定施設の施設情報の表示要求がなかった場合を含め、ステップS6以降はステップS7に進み、ステップS4で「財布機能付携帯」が利用できる特定施設を表示した後、ユーザーがこの施設を選択したときには、選択した特定施設に走行する経路の案内を行う必要があるか否かをユーザーが判断することとなる。縄地ステップS7においてはその判断に基づき、特定施設への経路案内指示があったか否かの判別を行う。
【0038】
その結果特定施設への経路案内指示があったと判別したときには、指示された施設への経路案内の指示をナビゲーション装置の他の機能部に対して行う。これは図1の携帯電話特定機能利用可能施設への誘導経路演算指示部36によって、現在位置から選択した特定施設への誘導経路の演算指示を、誘導経路演算部25に対して行う。その後、指示された施設への誘導経路の演算が行われ、その結果得られた誘導経路bを例えば図4(c)に示すように地図上に表示し、更にその後は従来のナビゲーション装置と同様に、誘導経路に沿った案内出力を行い(ステップS8)、前記ステップS2において接続した携帯電話には財布機能付携帯の機能がないと判別したとき、及び前記特定施設への経路案内指示がなかった場合を含め、この財布機能付携帯利用可能施設の案内処理を終了する(ステップS9)。
【0039】
一方、ナビゲーション装置で通常の施設検索を行うとともに、更に接続した携帯電話に「財布機能付携帯」等の特定の機能があり、且つ周辺でその財布機能付携帯が利用できる施設があるかを検索し、そのような施設があったとき通常の施設検索の結果得られたものよりも優先的な表示を行う機能は、例えば図3に示す作動フローによって行うことができる。即ち図3に示す携帯電話データ利用施設検索案内処理の例においては、最初施設検索を指示したか否かの判別を行い(ステップS11)、利用者から施設検索を行う指示があったときには、次いで検索施設カテゴリーの表示を行い、ユーザーがその表示された各種カテゴリーから例えばレストラン等を選択決定する(ステップS12)。
【0040】
その後選択決定したカテゴリーでの周辺施設検索が行われ、検索結果の表示がなされる(ステップS13)。この検索結果の表示は例えば図5(a)のように、現在表示している地図画面に周辺のレストランQ、R、Sを表示することにより行う。なお、現在表示している地図が細街路表示等の詳細地図であって、その中には適切な施設が存在しないときには、ユーザーの操作等によってより広域の地図を表示し、その中に検索結果の施設が存在するか否かのチェックを繰り返すようにしても良い。
【0041】
このような通常のナビゲーション装置の機能としての施設検索を行った後、ユーザーが更に携帯電話の機能の一つとしての「財布機能付携帯」の機能を利用することができるレストランを検索しようとしたとき、最初に財布機能付携帯利用可能の周辺施設を検索するか否かの判別を行い(ステップS14)、そのような要求をユーザーが行ったと判別したときには、ステップS12において選択決定したカテゴリーについて、財布機能付携帯利用可能な周辺施設の検索を行い、その検索結果の表示を行う(ステップS15)。
【0042】
その後財布機能付携帯利用可能周辺施設はあるか否かを判別し(ステップS16)、現在表示している地図画面上にあるときには、その財布機能付携帯利用可能施設について、他の検索結果得られた施設よりもユーザにわかりやすい優先的な表示を行う。その優先表示に際しては、例えば図5(b)に示すように、前記図4の例と同様に、財布機能付携帯が利用できるレストランSに対して「お財布マーク」のような特定マークMを付すとともに、この特定マークが「財布機能付携帯利用可能施設」であることを注記表示部Tに表示し、更にレストランマークを他のレストランマークよりも強調表示するとともに、このレストランが「みどり屋」であることを示す等の各種の優先表示を行うことができる。
【0043】
このとき、前記のように現在表示している地図が細街路表示等の詳細地図であって、その中には前記の通常の施設検索で得られた施設があっても、特定機能利用可能な施設が存在しないときには、ユーザーの操作等によってより広域の地図を表示し、更にその中に特定機能利用可能な施設が存在するか否かのチェックを繰り返すようにしても良い。その後、前記ステップS14において財布機能付携帯利用可能周辺施設を検索しないと判別したとき、及びステップS16において財布機能付携帯利用可能周辺施設がないと判別したときも含めこの処理を終了する(ステップS18)。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例において、財布機能付携帯利用可能施設案内処理を行う作動フロー図である。
【図3】同実施例において、携帯電話データ利用施設検索案内処理を行う作動フロー図である。
【図4】同実施例における画面表示例を示す図である。
【図5】同実施例における他の画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10 システム制御部
11 携帯電話
12 携帯電話接続部
13 GPS受信器
14 走行距離・方位検出部
15 車両位置検出部
16 リモコン
17 音声認識部
18 指示信号入力部
19 地図・情報データ記録媒体
20 データ取込部
21 モニタ
22 画像出力部
23 スピーカ
24 音声出力部
25 誘導経路演算部
26 誘導経路案内出力部
27 施設検索部
28 施設情報取込部
29 施設情報表示出力部
30 接続携帯電話機能利用案内処理部
31 指示入力部
32 接続携帯電話機能検出部
33 携帯電話特定機能利用可能施設取込部
34 特定機能利用可能施設出力部
35 特定機能利用施設優先表示指示部
36 携帯電話特定機能利用可能施設への誘導経路演算指示部
37 利用可能施設情報取込部
38 利用可能施設情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続した携帯電話の機能のうち少なくとも施設利用についての特定の機能を備えるか否かを検出する接続携帯電話機能検出部と、
前記接続携帯電話機能検出部で検出した特定機能を利用可能な施設を取り込む携帯電話特定機能利用可能施設取込部と、
前記携帯電話特定機能利用可能施設取込部で取り込んだ施設を、地図画面上に表示出力する特定機能利用可能施設出力部とを備えたことを特徴とする携帯電話機能利用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設を、地図上に他の検索機能により検出した施設より明瞭に優先的表示を行う特定機能利用施設優先表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機能利用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設の内、ユーザーが選択した施設に走行する誘導経路を演算する誘導経路演算部を備えることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機能利用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記検出した携帯電話特定機能を利用可能な施設について、該施設に関する情報を取り込む利用可能施設情報取込部を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機能利用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記携帯電話特定機能は、非接触式ICカード機能であることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機能利用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−309489(P2008−309489A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154598(P2007−154598)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iモード
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】