説明

放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体

【課題】放送波の受信状況を考慮したドライブプランを容易にユーザに計画させること。
【解決手段】放送波情報表示装置100は、記憶部101と、取得部102と、検索部103と、判断部104と、表示部105とによって構成されている。記憶部101は、放送施設情報を記憶する。取得部102は、地図情報を取得する。検索部103は、記憶部101に記憶されている放送施設情報の中から、移動体の現在地を含む所定範囲内に存在する放送施設に関する放送施設情報を検索する。表示部105は、取得部102によって取得された地図情報と検索部103によって検索された放送施設情報とを関連付けて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送波の受信状況に関する情報を表示する放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体に搭載されているナビゲーション装置の中には、出発地や目的地に加え、距離優先/時間優先/費用優先など、ユーザによって設定された様々な経路探索条件を考慮した経路を探索することができるだけでなく、TVチューナーなどの受信機を備えたことにより、TV番組などの放送番組を視聴することができるものがある(たとえば、下記特許文献1参照。)。このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは、所望する放送番組を視聴しながら、各種経路探索条件を満たす最適な経路の誘導を受けることができるものとされている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−185456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術にあっては、地図上および目的地までの移動体の経路上における放送波の受信状況をユーザに提示することができない。このため、ユーザは、視聴中の放送番組の放送波の受信状況が良好な方向に向かって移動したり、移動経路上において放送波の受信状況が良好な放送番組を好んで視聴するなどといった、放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランの計画を容易におこなうことができず、「移動中に放送が途切れてしまうかもしれない」といった不安を抱えたまま放送番組を視聴していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる放送波情報表示装置は、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する取得手段と、放送波を発する放送施設に関する情報を記憶するデータベースの中から、前記所定範囲内に存在する前記放送施設に関する情報を検索する検索手段と、前記取得手段によって取得された地図情報と前記検索手段によって検索された前記放送施設に関する情報とを関連付けて表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項7の発明にかかる放送波情報表示方法は、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する取得工程と、放送波を発する放送施設に関する情報を記憶するデータベースの中から、前記所定範囲内に存在する前記放送施設に関する情報を検索する検索工程と、前記取得工程によって取得された地図情報と前記検索工程によって検索された前記放送施設に関する情報とを関連付けて表示する表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0007】
また、請求項8の発明にかかる放送波情報表示プログラムは、請求項7に記載の放送波情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項9の発明にかかる記録媒体は、請求項8に記載の放送波情報表示プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(放送波情報表示装置の機能的構成)
まず、本実施の形態にかかる放送波情報表示装置の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる放送波情報表示装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、放送波情報表示装置100は、記憶部101と、取得部102と、検索部103と、判断部104と、表示部105とによって構成されている。
【0011】
記憶部101は、放送波を発する放送施設に関する情報(以下、「放送施設情報」という)を記憶するデータベースである。放送施設情報には、たとえば、放送波を発する放送局や中継局の放送施設ごとに、放送施設の位置情報や、放送施設から発せられる放送波の放送局、放送施設から発せられる放送波の受信レベルなどが設定されている。また、上記受信レベルは、たとえば、放送施設の位置からの距離ごとに設定されている。なお、放送施設情報は、本実施の形態のように放送波情報表示装置100(記憶部101)に記憶されているものの利用に限らず、たとえば、放送波情報表示装置100と接続された別の装置に記憶されているものを利用するようにしてもよい。
【0012】
取得部102は、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する。また、取得部102は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する。経路情報には、たとえば、出発地、経由地、目的地、各経由地および目的地への到達予定時刻などの情報が含まれている。たとえば取得部102は、放送波情報表示装置100に内蔵されたメモリなどの記録媒体から経路情報や地図情報を取得する。なお、取得部102は、放送波情報表示装置100と接続された別の装置から経路情報や地図情報を取得するようにしてもよい。
【0013】
検索部103は、記憶部101に記憶されている放送施設情報の中から、移動体の現在地を含む所定範囲内に存在する放送施設に関する放送施設情報を検索する。
【0014】
判断部104は、検索部103によって検索された放送施設情報ごとに、取得部102によって取得された経路情報に基づいて、移動体の経路上において受信可能な放送波を発する放送施設に関する放送施設情報か否かを判断する。たとえば、判断部104は、移動体の経路上における放送波の受信レベルが所定値以上の場合、この放送波を発する放送施設を、「移動体の経路上において受信可能な放送波を発する放送施設である」と判断する。
【0015】
表示部105は、取得部102によって取得された地図情報と検索部103によって検索された放送施設情報とを関連付けて表示する。このとき、表示部105は、検索部103によって検索された放送施設情報のうち、移動体の経路上において受信可能な放送波を発すると判断部104によって判断された放送施設に関する放送施設情報を表示する。
【0016】
たとえば表示部105は、放送施設情報として、検索部103によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信可能エリアを表示する。たとえば、表示部105は、上記受信可能エリアを示す、放送施設を中心とした円などの図形を表示する。また、たとえば表示部105は、移動体の現在地からの、検索部103によって検索された放送施設の方向または検索部103によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信可能方向を表示する。たとえば、表示部105は、上記放送施設の方向または上記受信可能方向を示す、矢印などの図形を表示する。
【0017】
また、たとえば表示部105は、放送施設情報として、放送施設から発せられた放送波の、放送局ごと、受信可能エリアごと、移動体からの放送施設の方向、または移動体からの受信可能方向ごとに、受信レベルを表示する。たとえば、表示部105は、「強/弱」や数値などの文字列や、グラフなどの図形によって上記受信レベルを示す。また、たとえば、表示部105は、上記受信可能エリア、上記放送施設の方向、または上記受信可能方向が図形によって示されている場合、この図形の色や大きさを変化させることによって、上記受信可能エリア、上記放送施設の方向、または上記受信可能方向ごとの受信レベルを示す。
【0018】
(放送波情報表示装置100による放送波情報表示処理の手順)
つぎに、本実施の形態にかかる放送波情報表示装置100による放送波情報表示処理の手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかる放送波情報表示装置100による放送波情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0019】
まず、取得部102によって、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する。(ステップS201)。つぎに、検索部103によって、記憶部101に記憶されている放送施設情報の中から、移動体の現在地を含む所定範囲内に存在する放送施設に関する放送施設情報を検索する(ステップS202)。そして、表示部105によって、ステップS201で取得された地図情報とステップS202で検索された放送施設情報とを関連付けて表示して(ステップS203)、一連の処理を終了する。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態にかかる放送波情報表示装置100は、地図情報を取得し、移動体周辺の放送施設に関する放送施設情報を検索し、取得された地図情報と検索された放送施設情報とを関連付けて表示することができる構成とした。これにより、放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランを容易にユーザに計画させることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【実施例】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体の好適な実施例を詳細に説明する。本実施例では、たとえば車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置300によって、この発明にかかる放送波情報表示装置、放送波情報表示方法、放送波情報表示プログラム、および記録媒体を実施した場合の一例について説明する。
【0022】
(ナビゲーション装置300のハードウエア構成)
まず、ナビゲーション装置300のハードウエア構成について説明する。図3は、ナビゲーション装置300のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0023】
図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317とを備えており、上記各構成部は、バス320などによってそれぞれ接続されている。
【0024】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、経路探索プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0025】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0026】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0027】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0028】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0029】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、一つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0030】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0031】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0032】
スピーカ310は、音声I/F308によって音声信号からD/A変換された音声を出力する。スピーカ310は固定式のものに限らず、たとえばヘッドフォンなどであってもよい。
【0033】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0034】
映像I/F312は、ディスプレイ313およびカメラ317に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0035】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。たとえば、ディスプレイ313は、車両内部の運転席前方に設けられている。また、ディスプレイ313は、たとえば車両内部の運転席前方に設けられているメインディスプレイなど1台のディスプレイ313によって構成されていてもよく、車両内部の運転席前方に設けられているメインディスプレイと車両内部の後部座席前方に設けられているサブディスプレイとの組み合わせなど複数台のディスプレイ313によって構成されていてもよい。
【0036】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0037】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0038】
また、通信I/F314は、TVチューナーを備え、このTVチューナーによって放送局からの放送番組を受信する。TVチューナーによって受信された放送番組のうち、音声データは、たとえば、音声I/F308の制御によってスピーカ310から出力される。また、映像データは、たとえば、映像I/F312の制御によってディスプレイ313から出力される。
【0039】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0040】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や状態を判断するための情報を出力する。これら各種センサ316によって出力された情報は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出などに用いられる。一方、車両外部に複数設けられた電波線センサ、赤外線センサ、超音波センサなどの各種センサ316は、たとえば、車両の周辺に存在する物体を検出し、この物体をカメラ317によって撮影するための情報を出力する。
【0041】
カメラ317は、車両外部の画像を撮影する。カメラ317によって撮影される画像は、静止画に限らず動画であってもよい。また、カメラ317によって撮影された画像は、たとえば、映像I/F312の制御によってディスプレイ313に表示される。
【0042】
なお、図1に示した実施の形態にかかる放送波情報表示装置100の機能的構成は、具体的には、たとえば記憶部101は、ROM302、RAM303、磁気ディスク305、および光ディスク307が、取得部102、検索部103、判断部104は、CPU301が、表示部105は、ディスプレイ313が、それぞれその機能を実現する。
【0043】
(ナビゲーション装置300による放送波情報表示処理の手順)
つぎに、ナビゲーション装置300による放送波情報表示処理の手順について説明する。図4は、ナビゲーション装置300による放送波情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
まず、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報および目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する(ステップS401)。ここで、まだ目的地までの経路探索処理がおこなわれてなく、経路情報がない場合は、経路探索処理をおこなって、経路情報を生成するようにしてもよい。つぎに、ステップS401で取得された地図情報および経路情報を表示する(ステップS402)。
【0045】
つぎに、データベースに記憶されている放送施設情報の中から、移動体の現在地を含む所定範囲内に存在する放送施設に関する放送施設情報を検索する(ステップS403)。そして、移動体の現在地を含む所定範囲内の放送施設に関する放送施設情報が存在するか否かを判断する(ステップS404)。
【0046】
ステップS404において、放送施設情報が存在しないと判断した場合(ステップS404:No)は、一連の処理を終了する。一方、ステップS404において、放送施設情報が存在すると判断した場合(ステップS404:Yes)は、まず、ステップS403で検索された放送施設情報の中から放送施設を選択する(ステップS405)。
【0047】
続いて、ステップS405で選択された放送施設に関して、移動体の経路上において受信可能な放送波を発する放送施設か否かを判断する(ステップS406)。ステップS406において、移動体の経路上において受信可能な放送波を発する放送施設でないと判断した場合(ステップS406:No)は、ステップS410へ進む。
【0048】
一方、ステップS406において、移動体の経路上において受信可能な放送波を発する放送施設であると判断した場合(ステップS406:Yes)は、ステップS405で選択された放送施設を表示し(ステップS407)、また、ステップS405で選択された放送施設から発せられた放送波の受信可能エリアを表示し(ステップS408)、さらに、移動体からのステップS405で選択された放送施設の方向を表示して(ステップS409)、ステップS410へ進む。
【0049】
そして、ステップS403で検索された放送施設情報の中から放送施設が全て選択されたか否かを判断する(ステップS410)。ステップS410において、放送施設が全て選択されたと判断した場合(ステップS410:Yes)は、一連の処理を終了する。一方、ステップS410において、放送施設が全て選択されていないと判断した場合(ステップS410:No)は、ステップS410で放送施設が全て選択されたと判断されるまで、ステップS405〜ステップS410を繰り返しおこなう。
【0050】
(ディスプレイ313の画面上に表示された放送施設情報の一例)
つぎに、ディスプレイ313の画面上に表示された放送施設情報の一例について説明する。図5および図6は、ディスプレイ313の画面上に表示された放送施設情報の一例を示す説明図である。
【0051】
図5において、ディスプレイ313の画面上には、地図情報、移動体を示すアイコン510、移動体の目的地を示すアイコン520、および移動体の経路Aに加えて、放送施設を示すアイコン501,502,503,504と、放送施設の方向を示す矢印505および矢印506が放送施設情報として表示されている。
【0052】
また、図5においては、放送施設を示す各アイコン501〜504に対し、放送施設を中心とした複数の同心円によって当該放送施設から発せられた放送波の受信可能エリアが示されている。ここで、図5においては、放送波の受信可能エリアが、放送波の受信レベルに応じて3段階で示されている。
【0053】
たとえば、放送波の受信レベルが高い受信可能エリアは太線で示されている。また、放送波の受信レベルが普通の受信可能エリアは実線で示されている。そして、放送波の受信レベルが低い受信可能エリアは点線で示されている。なお、線の種別によって受信レベルを示しているが、これに限らず、たとえば受信可能エリアを受信レベルに応じた色に着色するようにしてもよい。
【0054】
なお、アイコン503およびアイコン504によって示された放送施設は、移動体の経路A上において受信可能な放送波を発する放送施設ではないことから、図4に示した手順による放送波情報表示処理がおこなわれた場合は、このアイコン503およびアイコン504は表示されない。
【0055】
一方、図6において、地図情報をドライバーズビューで表示した例であり、ディスプレイ313の画面上には、地図情報に加えて、方向(N/E/S/W)と、方向ごとの放送波の受信レベルを示すアイコン601が放送施設情報として示されている。
【0056】
このアイコン601においては、放送波の受信レベルが、受信レベルに応じた色によって示されている。たとえば、図6に示すアイコン601においては、方向「N」が着色されている。これにより、たとえばユーザは、視聴中の放送番組を視聴しながら移動するためには、方向「N」へ移動すればよいと判断することができる。また、方向「N」の受信レベルを判断することができる。
【0057】
また、たとえば、図示していないが、アイコン601において、受信レベルが低いことを意味する赤色に方向「W」が着色されており、かつ受信レベルが高いことを意味する青色に方向「E」が着色されている場合は、ユーザは、この色から、方向「E」に移動したほうが、良好な受信状況で視聴中の放送番組を視聴することができると判断することができる。
【0058】
また、図5および図6に示した放送施設情報は、一例として、視聴中の一放送番組に関する放送施設情報を示したものであり、たとえば、視聴予定の放送番組に関する放送施設情報を表示したり、複数の放送番組に関する放送施設情報を同時に表示したり、放送番組を変更するたび、変更された放送番組に関する放送施設情報を表示するようにしてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得し、放送波を発する放送施設に関する放送施設情報を記憶するデータベースの中から、所定範囲内に存在する放送施設に関する放送施設情報を検索し、取得された地図情報と検索された放送施設情報(放送施設、放送施設の方向、受信可能エリア、受信レベル)とを関連付けて表示する構成とした。これにより、放送番組の放送波の地域ごとの受信状況を容易にユーザに把握させることができ、放送番組の放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランを容易にユーザに計画させることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【0060】
また、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得し、取得された経路情報に基づいて、検索された放送施設ごとに、移動体の経路上において受信可能な放送波を発するか否かを判断し、検索された放送施設に関する情報のうち、移動体の経路上において受信可能な放送波を発すると判断された放送施設に関する情報を表示する構成とした。これにより、移動体の経路に関係のない、ユーザにとって不要な放送施設に関する放送施設情報の表示を排除することができる。このため、ユーザは、不要な情報に惑わされることなく、放送番組の放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランを計画したりすることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【0061】
なお、本実施の形態で説明した放送波情報表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施の形態にかかる放送波情報表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる放送波情報表示装置による放送波情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置による放送波情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイの画面上に表示された放送施設情報の一例を示す説明図である。
【図6】ディスプレイの画面上に表示された放送施設情報の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
100 放送波情報表示装置
101 記憶部
102 取得部
103 検索部
104 判断部
105 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する取得手段と、
放送波を発する放送施設に関する情報を記憶するデータベースの中から、前記所定範囲内に存在する前記放送施設に関する情報を検索する検索手段と、
前記取得手段によって取得された地図情報と前記検索手段によって検索された前記放送施設に関する情報とを関連付けて表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする放送波情報表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記放送施設に関する情報として、前記検索手段によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信可能エリアを表示することを特徴とする請求項1に記載の放送波情報表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記放送施設に関する情報として、前記検索手段によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信レベルを表示することを特徴とする請求項1または2に記載の放送波情報表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記移動体の現在地からの、前記検索手段によって検索された放送施設の方向または前記検索手段によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信可能方向を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放送波情報表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、
前記検索手段によって検索された放送施設の方向または前記検索手段によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信可能方向ごとに、前記検索手段によって検索された放送施設から発せられた放送波の受信レベルを表示することを特徴とする請求項4に記載の放送波情報表示装置。
【請求項6】
目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報取得手段によって取得された前記経路情報に基づいて、前記検索手段によって検索された放送施設ごとに、前記移動体の経路上において受信可能な放送波を発するか否かを判断する判断手段と、をさらに備え、
前記表示手段は、
前記検索手段によって検索された前記放送施設に関する情報のうち、前記移動体の経路上において受信可能な放送波を発すると前記判断手段によって判断された放送施設に関する情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の放送波情報表示装置。
【請求項7】
移動体の現在地を含む所定範囲の地図情報を取得する取得工程と、
放送波を発する放送施設に関する情報を記憶するデータベースの中から、前記所定範囲内に存在する前記放送施設に関する情報を検索する検索工程と、
前記取得工程によって取得された地図情報と前記検索工程によって検索された前記放送施設に関する情報とを関連付けて表示する表示工程と、
を含んだことを特徴とする放送波情報表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載の放送波情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする放送波情報表示プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の放送波情報表示プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−160445(P2008−160445A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346412(P2006−346412)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】