説明

施設検索装置、及びナビゲーション装置

【課題】巨大施設に含まれる部分施設の検索を可能とする施設検索装置を提供するとともに、その部分施設への経路案内を行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】S110において検索したA施設に対応する部分施設情報が有ると判定される場合(S150)には、例えば、「A施設のどちらへ行きますか。」等のメッセージを通知した後、A施設に対応する部分施設詳細情報を用いて、検索キーと一致する部分施設の検索を行う(S210)。S220では、S210における部分施設の検索結果を通知し、この通知に対して、ユーザから目的地として設定する入力が得られた場合には、その部分施設(AA部分施設とする)を目的地として設定し、この設定した目的地と出発地とを結ぶ経路を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載して使用するのに適した施設検索装置、及びナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているナビゲーション装置では、使用者によって指定された検索条件に従って一の特定施設を検索し、この特定施設の周辺の所定範囲に存在する周辺施設を検索する。そして、この検索された周辺施設に関する施設情報を表示する。これにより、利用者は、所望の特定施設の検索を行う際に、特別な操作を行うことなく周辺施設に関する施設情報が取得可能となる。
【特許文献1】特開2003−344078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した、従来のナビゲーション装置によって、特定施設の周辺に存在する周辺施設の検索が可能となるが、その特定施設に含まれる特定の店舗や小施設を検索することができない。すなわち、例えば、ショッピングモールや大型遊園地等の巨大施設は、多数の店舗を含んでいる場合もあれば、多数の小施設によって構成されている場合もあるが、従来のナビゲーション装置では、この巨大施設内の店舗や小施設(以下、部分施設)を検索することができない。
【0004】
また、従来のナビゲーション装置では、巨大施設に含まれる部分施設を経路の目的地として設定することもできない。そのため、例えば、「映画館付きのショッピングモール」へ「映画を見に行く」ユーザに対して、巨大施設内の映画館近くまで経路案内を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、巨大施設に含まれる部分施設の検索を可能とする施設検索装置を提供するとともに、その部分施設への経路案内を行うことができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の施設検索装置は、
施設に関する施設情報と、施設に含まれる部分施設に関する部分施設情報と、を関連付けて記憶する施設関連情報記憶手段と、
施設情報を用いて施設を検索する施設検索手段と、
施設検索手段の検索した施設に対応する部分施設情報が有るか否かを判定する部分施設判定手段と、
部分施設判定手段によって部分施設情報が有ると判定された場合に、部分施設情報を用いて施設に含まれる部分施設を検索する部分施設検索手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、施設情報を用いて検索した施設に店舗や小施設等の部分施設が含まれる場合には、上記部分施設情報を用いて、その施設に含まれる部分施設を検索することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の施設検索装置によれば、施設関連情報記憶手段は、部分施設情報として、施設に含まれる部分施設毎の名称、ジャンル、位置、及び電話番号の少なくとも1つの部分施設詳細情報を含んで記憶するものであって、
部分施設検索手段は、部分施設詳細情報を検索キーとして用いて検索することを特徴とする。
【0009】
これにより、例えば、「映画」等のジャンルを検索キーとして検索することができるため、ユーザは、ショッピングモールや大型遊園地等の巨大施設に含まれる部分施設の正しい名称を知らなくとも、その巨大施設に含まれる部分施設を検索することができる。
【0010】
請求項3に記載の施設検索装置は、部分施設判定手段によって部分施設情報が有ると判定された場合に、施設に含まれる部分施設の検索が可能である旨を報知する検索可能報知手段を備えることを特徴とする。これにより、ユーザは、巨大施設に含まれる部分施設の検索が可能であることを把握することができる。
【0011】
請求項4に記載の施設検索装置は、部分施設検索手段による検索結果を報知する検索結果報知手段を備えることを特徴とする。これにより、ユーザは、巨大施設に含まれる部分施設の検索結果を把握することができる。
【0012】
請求項5に記載のナビゲーション装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の施設検索装置と、部分施設検索手段の検索した部分施設を経路の目的地として設定する目的地設定手段と、を備えることを特徴とする。これにより、巨大施設に含まれる部分施設を経路の目的地として設定することができる。
【0013】
請求項6に記載のナビゲーション装置によれば、目的地設定手段は、施設検索手段の検索した施設を目的地として設定した後、部分施設検索手段が施設に含まれる部分施設を検索した場合に、部分施設を目的地として再設定することを特徴とする。
【0014】
これにより、一度は施設検索手段の検索した施設を目的地として設定するものの、その施設に含まれる部分施設が検索できた場合には、その部分施設を目的地として再度設定し直すことができる。
【0015】
請求項7に記載のナビゲーション装置によれば、施設関連情報記憶手段は、部分施設情報として、駐車場に関する情報を含んで記憶するものであって、目的地設定手段は、部分施設の付近の駐車場を目的地として設定することを特徴とする。
【0016】
これにより、例えば「映画館付きのショッピングモール施設」で「映画を見にいく」ユーザに対して、従来のように、巨大施設の付近で経路案内を終了することなく、巨大施設内の映画館の近くに設けられた駐車場まで案内することができる。
【0017】
その結果、ユーザは、映画館のより近くに車両を駐車することが可能となるため、映画館の反対方向に位置する駐車場や映画館からは程遠い駐車場に駐車する等の不快感をユーザに与えることがなくなり、ナビゲーション装置の利便性を向上させることができる。
【0018】
請求項8に記載のナビゲーション装置によれば、施設関連情報記憶手段は、部分施設情報として、施設に含まれる部分施設毎の入口の位置を含んで記憶するとともに、駐車場に関する情報として、駐車場の代表位置、駐車場内の駐車スペースの区画及び通路の位置を含んで記憶するものであって、
目的地設定手段が部分施設の付近の駐車場を目的地として設定する場合、施設関連情報記憶手段の記憶する部分施設情報に基づいて、駐車場から部分施設の入口までの移動距離、及び移動所要時間の少なくとも一方を算出する移動関連情報算出手段と、
移動関連情報算出手段の算出した移動距離、及び移動所要時間の少なくとも一方を報知する部分施設入口情報報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
このように、駐車場から部分施設の入口までの移動距離や移動所要時間をユーザに報知することで、ユーザは、駐車スペースのどのエリアに駐車すればよいか判断できるようになる。
【0020】
請求項9に記載のナビゲーション装置は、目的地設定手段の設定した目的地と出発地とを結ぶ経路を演算する経路演算手段と、経路演算手段の演算した案内する経路案内手段と、を備えることを特徴とする。これにより、出発地から目的地までの経路を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の施設検索装置、及びナビゲーション装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明の施設検索装置、及びナビゲーション装置をカーナビゲーション装置の機能として適用した場合の例について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係わるカーナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態のカーナビゲーション装置は、表示装置1、マイク2、地図DISC8、位置検出器11、スピーカ13、及びこれらと接続する制御装置20によって構成される。
【0023】
制御装置20は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示せず)が備えられている。この制御装置20は、表示装置1、マイク2、地図DISC8、位置検出器11から入力された各種情報に基づき、所定の処理(例えば、施設検索処理、目的地設定処理、経路演算処理、経路案内処理等)を実行する。
【0024】
表示装置1は、地図画面や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。この表示装置1は、表示装置1と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置20へ各種機能(例えば、施設検索、目的地設定、経路演算、経路案内開始等)の操作指示を行う。
【0025】
マイク2は、ユーザが発声した音声を電気信号として音声制御部12に入力する。スピーカ13は、制御装置20から入力された音声出力信号に基づいて、所定の音声(案内のための音声や画面操作の説明、音声認識結果等)を外部に報知する。
【0026】
位置検出器11は、何れも図示しない、周知の地磁気センサ、ジャイロセンサ、距離センサ、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これら各センサは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器1を上述した内の一部で構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
【0027】
地図DISC8は、道路ネットワーク情報、施設情報等によって構成される地図データを記憶する記憶媒体であり、図示しない地図データ格納装置に格納される。この地図データ格納装置は、制御装置20からの要請により各種データを送信する。これら各種データを記憶する記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等の書き込み可能な記憶媒体を採用してもよい。ここで、道路ネットワーク情報を構成するリンク情報とノード情報、及び施設情報について説明する。
【0028】
先ず、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定されるものであり、このリンクを接続することにより道路を構成する。リンク情報は、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別(高速道路、有料道路、国道、都道府県道等)、道路幅員、リンク旅行時間(徒歩や自動車で移動した場合の移動時間)等の各データから構成される。
【0029】
また、ノード情報は、地図上の各道路が交差・分岐・合流するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標(緯度・経度)、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンク等の各種情報から構成される。
【0030】
一方、施設情報は、施設等の検索等に主に用いられる情報であり、施設の名称、種別、住所、電話番号、位置(緯度・経度)等の各種情報で構成される。また、ショッピングモールや大型遊園地等の巨大施設(すなわち、多数の店舗を含んでいる施設や多数の小施設で構成される集合施設)の場合には、その巨大施設に含まれる店舗や小施設(部分施設)に関する部分施設情報が施設毎に関連付けられている。
【0031】
この部分施設情報には、巨大施設に含まれる部分施設毎の名称、ジャンル(映画、レストラン、ペット等)、代表位置の座標、出入口の座標、及び電話番号で構成される部分施設詳細情報と、巨大施設の駐車場に関する駐車場情報(駐車場の代表位置の座標、駐車場内の駐車スペースの区画及び通路の位置座標、駐車スペース全体のレイアウトを描画するためのポリゴン情報、収容可能台数等)が含まれている。
【0032】
図1に示すように、制御装置20は、表示処理部3、地図描画部4、施設検索部5、部分施設詳細情報格納部6、地図データ読み出し部7、経路案内制御部9、車両位置計算部10、及び音声制御部12の各機能ブロックにより構成される。
【0033】
表示処理部3は、地図描画部4、施設検索部5、経路案内制御部9、及び音声制御部12から各種データを入力し、表示装置1へ表示するための処理を実行する。地図描画部4は、表示装置1へ表示する地図の画像データを生成する。施設検索部5は、地図データ読み出し部7の読み出した地図データを用いて施設検索の処理を行う。
【0034】
部分施設詳細情報格納部6は、地図DISC8から部分施設詳細情報を取得して格納する。経路案内制御部9は、目的地と出発地とを結ぶ経路を演算するとともに、車両位置計算部10からの車両の位置情報に応じて、目的地までの経路を案内する処理を実行する。
音声制御部12は、マイク2を介し発声されたユーザの入力音声と、内部に記憶する認識辞書(図示せず)中の語彙データ(比較対象パターン)とを照合し、最も一致度の高いものを認識結果として表示処理部3に入力する。また、音声制御部12は、音声入力のあったユーザに対し、スピーカ13を通じてトークバック出力制御(音声出力)する。
【0035】
このように構成される本実施形態のカーナビゲーション装置は、上記施設検索処理を実行して目的地として設定する施設を検索する際、その施設がショッピングモールや大型遊園地等の巨大施設である場合には、その巨大施設に含まれる部分施設を検索して、その部分施設を経路の目的地として設定することを特徴としている。
【0036】
以下、本実施形態の特徴部分である、目的地として設定する施設を検索する際の施設検索処理について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。同図に示すステップ(以下、Sと記す)100では、表示装置1の目的地入力部から、目的地とする施設を検索する際の検索キーを入力する。なお、マイク2を介して検索キーを音声により入力してもよい。ここで入力する検索キーとしては、名称(50音)、種別、住所、電話番号等である。
【0037】
S110では、S100にて入力された検索キーに対応する施設を検索する。このS110では、上述した地図データの施設情報(部分施設情報を除く)を用いて検索する。また、S110にて複数の施設が検索される場合には、施設を絞り込むための処理を実行して1つの施設に絞り込んだり、あるいは、ユーザに1つの施設を指定させたりしてもよい。
【0038】
S120では、施設が検索できたか否か(検索が成功したか否か)を判定する。ここで、肯定判定される場合には、S110にて検索した施設(A施設とする)を目的地として設定した後に、S140へ処理を進める。
【0039】
一方、S120において否定判定される場合には、S130においてエラー通知をするとともに、再度検索キーの入力を通知してS100へ処理を移行する。このS130におけるエラー通知としては、例えば、「該当する施設が検索できません。」等の内容を通知するとよい。
【0040】
S140では、地図データを参照して、S110において検索したA施設に対応する部分施設情報を検索する。S150では、A施設に対応する部分施設情報が有るか否かを判定する。ここで、肯定判定される場合にはS160へ処理を進め、否定判定される場合にはS170において、S110における検索結果を通知する。
【0041】
このS170では、例えば、「検索したA施設を目的地として設定しますか。」等のメッセージを通知し、ユーザから、この通知に対して肯定する入力が得られた場合には、本施設検索処理を終了する。
【0042】
その後、A施設を目的地とする経路を演算する経路演算処理が実行される。なお、この経路演算処理によって演算される経路の最終地点は、A施設の入り口付近の地点や任意の代表地点に設定される。また、上記通知に対して否定する入力が得られた場合には、S100へ処理を移行し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0043】
S160では、A施設に含まれる部分施設の検索が可能であることを通知した後、部分施設の検索を実行するか否かを判定する。ここで、ユーザから肯定する入力が得られた場合にはS180へ処理を進め、否定判定される場合には上述したS170へ処理を進める。このように、部分施設の検索が可能である旨を報知することで、ユーザは、巨大施設に含まれる部分施設の検索が可能であることを把握することができる。
【0044】
S180では、例えば、「A施設のどちらへ行きますか。」等のメッセージを通知した後、部分施設を検索する際の検索キーの入力をユーザに促す。S190では、ユーザによって検索キーが入力されると、この入力された検索キーと一致する部分施設詳細情報がA施設の部分施設情報に含まれているか否かを判定する。ここで、肯定判定される場合にはS210へ処理を進め、否定判定される場合にはS200へ処理を進める。
【0045】
S200では、例えば、「該当する部分施設が検索できません。」等のエラー通知をした後、S160へ処理を進め、上述した処理を繰り返し行う。S210では、A施設に対応する部分施設詳細情報を用いて、検索キーと一致する部分施設の検索を行う。
【0046】
例えば、「レストラン」の検索キーでレストラン街、また、「ペット」の検索キーでペットショップなど、様々な検索キーを用いることにより、ユーザの意とする部分施設を高い精度で検索することができる。
【0047】
このように、「映画」、「レストラン」、「ペット」等の様々なジャンルを検索キーとして検索することができるため、ユーザは、ショッピングモールや大型遊園地等の巨大施設に含まれる部分施設の正しい名称を知らなくとも、その巨大施設に含まれる部分施設を検索することができる。
【0048】
S220では、S210における部分施設の検索結果を通知する。これにより、ユーザは、巨大施設に含まれる部分施設の検索結果を把握することができる。なお、S210において、同じ検索キーに該当する部分施設が複数存在する場合が想定されるが、この場合、各部分施設に対して優先度(例えば、50音順、部分施設の大きさ等)を予め設定しておき、この優先度の高い順にユーザへ通知するようにするとよい。
【0049】
S220における通知に対して、ユーザから目的地として設定する入力が得られた場合には、その部分施設(AA部分施設とする)を目的地として設定する。これにより、巨大施設に含まれる部分施設を経路の目的地として設定することができる。
【0050】
なお、上述したS120において、S110にて検索したA施設を目的地として設定しているため、上記AA部分施設を目的地として再設定する。これにより、一度はA施設を目的地として設定するものの、そのA施設に含まれるAA部分施設が検索できた場合には、そのAA部分施設を目的地として再度設定し直すことができる。
【0051】
また、A施設の部分施設情報に駐車場情報が含まれている場合には、AA部分施設により近い駐車場を経路の目的地として設定する。その後、この設定された目的地と出発地とを結ぶ経路を演算する経路演算処理を実行して、この演算した経路を案内する経路案内処理を実行する。
【0052】
これにより、例えば「映画館付きのショッピングモール施設」で「映画を見にいく」ユーザに対して、従来のように、巨大施設の付近で経路案内を終了することなく、巨大施設内の映画館の近くに設けられた駐車場まで案内することができる。
【0053】
その結果、ユーザは、映画館のより近くに車両を駐車することが可能となるため、映画館の反対方向に位置する駐車場や映画館からは程遠い駐車場に駐車する等の不快感をユーザに与えることがなくなり、ナビゲーション装置の利便性を向上させることができる。
【0054】
(変形例)
本実施形態のカーナビゲーション装置は、AA部分施設を目的地として設定したとき、A施設の部分施設情報に駐車場情報が含まれている場合には、AA部分施設により近い駐車場を経路の目的地として設定し、その後、この設定された目的地と出発地とを結ぶ経路を案内するものである。
【0055】
本変形例では、AA部分施設により近い駐車場を経路の目的地として設定された場合、このAA部分施設により近い駐車場からAA部分施設の入口までの距離や移動所要時間等の情報をユーザに報知する。
【0056】
例えば、図3に示すように、駐車場情報に基づいて、AA部分施設の最寄り駐車場の駐車スペースのレイアウトを表示するとともに、駐車スペースのエリア毎に、そのエリアからAA部分施設の出入口までの移動距離(例えば、徒歩での移動距離)や移動所要時間(例えば、徒歩での所要時間)を表示する。
【0057】
以下、本変形例における施設検索処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、S100〜S220の処理は、図2に示したフローチャートと同一であるため、その処理の図示及び説明を省略する。
【0058】
AA部分施設により近い駐車場を経路の目的地として設定した場合、S230では、AA部分施設における出入口の座標の情報を部分施設情報から取得する。S240では、AA部分施設における出入口の座標と、駐車場内の駐車スペースの区画及び通路の位置座標とから、各区画から出入口までの徒歩での移動距離を算出する。S250では、徒歩での移動速度(例えば、1分間に約80mとする)と各区画からの移動距離とから、各区画から出入口までの徒歩での移動所要時間を算出する。
【0059】
そして、S260では、例えば、移動距離50m以内であるとともに移動所要時間1分以内の区画の集合を第1のエリアとして層別し、移動距離150m以内であるとともに移動所要時間3分以内の区画の集合を第2のエリアとして層別する。その後、S260では、各エリア毎に、そのエリアからAA部分施設の出入口までの移動距離と移動所要時間を図3に示すように表示する。
【0060】
以上、本変形例の施設検索処理により、ユーザは、駐車スペースのどのエリアに駐車すればよいか判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】カーナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】施設検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の変形例に係わる、AA部分施設の出入口までの徒歩での移動距離及び徒歩での移動所要時間の情報を表示装置1に表示させた場合のイメージ図である。
【図4】本実施形態の変形例に係わる、施設検索処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 表示装置
2 マイク
3 表示処理部
4 地図描画部
5 施設検索部
6 部分施設情報格納部
7 地図データ読み出し部
8 地図DISC
9 経路案内制御部
10 車両位置計算部
11 位置検出器
12 音声制御部
13 スピーカ
20 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に関する施設情報と、前記施設に含まれる部分施設に関する部分施設情報と、を関連付けて記憶する施設関連情報記憶手段と、
前記施設情報を用いて施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段の検索した施設に対応する部分施設情報が有るか否かを判定する部分施設判定手段と、
前記部分施設判定手段によって部分施設情報が有ると判定された場合に、前記部分施設情報を用いて前記施設に含まれる部分施設を検索する部分施設検索手段と、を備えることを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
前記施設関連情報記憶手段は、前記部分施設情報として、前記施設に含まれる部分施設毎の名称、ジャンル、位置、及び電話番号の少なくとも1つの部分施設詳細情報を含んで記憶するものであって、
前記部分施設検索手段は、前記部分施設詳細情報を検索キーとして用いて検索することを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記部分施設判定手段によって部分施設情報が有ると判定された場合に、前記施設に含まれる部分施設の検索が可能である旨を報知する検索可能報知手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の施設検索装置。
【請求項4】
前記部分施設検索手段による検索結果を報知する検索結果報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の施設検索装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の施設検索装置と、
前記部分施設検索手段の検索した部分施設を経路の目的地として設定する目的地設定手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
前記目的地設定手段は、前記施設検索手段の検索した施設を目的地として設定した後、前記部分施設検索手段が前記施設に含まれる部分施設を検索した場合に、前記部分施設を目的地として再設定することを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記施設関連情報記憶手段は、前記部分施設情報として、駐車場に関する情報を含んで記憶するものであって、
前記目的地設定手段は、前記部分施設の付近の駐車場を目的地として設定することを特徴とする請求項5又は6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記施設関連情報記憶手段は、前記部分施設情報として、前記施設に含まれる部分施設毎の入口の位置を含んで記憶するとともに、前記駐車場に関する情報として、前記駐車場の代表位置、前記駐車場内の駐車スペースの区画及び通路の位置を含んで記憶するものであって、
前記目的地設定手段が前記部分施設の付近の駐車場を目的地として設定する場合、前記施設関連情報記憶手段の記憶する前記部分施設情報に基づいて、前記駐車場から前記部分施設の入口までの移動距離、及び移動所要時間の少なくとも一方を算出する移動関連情報算出手段と、
前記移動関連情報算出手段の算出した移動距離、及び移動所要時間の少なくとも一方を報知する部分施設入口情報報知手段と、を備えることを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記目的地設定手段の設定した目的地と出発地とを結ぶ経路を演算する経路演算手段と、
前記経路演算手段の演算した案内する経路案内手段と、を備えることを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−308554(P2006−308554A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12851(P2006−12851)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】