説明

検出装置およびその製造方法

【課題】 経済性に優れ、かつ不良画素率を低くしながら高い接合歩留りを可能にする、検出装置、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の検出装置の製造方法は、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の、少なくとも一方に、接合のためのバンプ9b,92bを設ける工程と、バンプが設けられた、受光素子アレイおよび/または読み出し回路に、バンプ高さを調整するためのバンプ高さ調整部材21を固定する工程と、平坦板41を、バンプの先端から押し当て、該平坦板がバンプ高さ調整部材の先端に当るまで該バンプを変形させる工程とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外の波長域に受光感度を有する検出装置、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトダイオードが配列された検出装置では、信号読み出し用シリコンIC(ROIC:Read Out
IC)の読み出し電極と、当該フォトダイオード配列の電極とが向き合って、両方の間に介在するバンプによって導通がとられる。フォトダイオードは、可視域より長波長側の近赤外域または赤外域では、化合物半導体により形成されるため、化合物半導体とシリコン(IC)とのハイブリッド構成と呼ばれることがある。上記の化合物半導体の結晶は、機械的力には弱いため、上記のハイブリッド構成を形成するとき、バンプには、融点が低く柔らかいインジウム(In)が用いられることが多い。
インジウムのバンプは上記特性に起因して、フォトダイオードの電極またはROICの読み出し電極に設けられる際、形が乱れて不揃いになりやすい。たとえば円柱状に揃わず、頂部の縁に沿ってバリが突き出したり、片側に崩壊して錐台状にそげたりした形状、になる場合が多い。1つの検出装置には数万個〜数十万個のバンプが設けられるが、このような形状逸脱が大きいバンプは必ず生成する。形状逸脱が大きいバンプは、圧着、ろう接などの際、1対1の導通を実現せず、当該バンプの領域(当該画素領域)をはみ出して隣のバンプに接触し、または1対1の導通すら実現しないものとなりやすい。このような不良画素は、黒背景画面で白点が、また断線した画素は白背景画面では黒点となる。不良画素は、撮像の場合は見苦しく、また物質検出や検査の場合は分解能悪化の原因となり、商品価値を低下させる。
【0003】
上記の問題を解決するため、多くの提案がなされてきた。上記ハイブリッド構成におけるInバンプの形状を均一に制御するために、(d1)合金化して低融点化したInの蒸着膜を用いて、リフトオフの際に加熱溶融させて、Inバンプの形状を揃えやすくする方法が提案されている(特許文献1)。また、(d2)ハイブリッド構成のバンプ同士の接合の際、横ずれを防止するために、化合物半導体基板とシリコン基板とに、凹凸部による嵌め合わせ構造を設ける提案がなされた(特許文献2)。また、(d3)バンプ同士の接合の際に、バンプの接合不良防止を目的に、縦方向(厚み方向)の間隔を適切にするための間隔調整部材を装入する方法が提案された(特許文献3)。さらに、(d4)絶縁樹脂の格子状部材を用い、格子中の孔に上記のバンプを入れ、非孔部によりバンプを取り囲んで、隣のバンプから隔離する方法が提案された(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−136147号公報
【特許文献2】特開平7−38076号公報
【特許文献3】特開2002−299650号公報
【特許文献4】特開平7−153905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の改良方法(d1)〜(d4)は、つぎの点に問題がある。
(d1)(i)用途が限定される。融点160℃のInをさらに低融点化するという方法であるため、ICでの発熱、夏季の大気温度などにより、当該低融点化されたバンプがもたない。このため、用途は、MCT(HgCdTe)のように冷却して用いる赤外線センサなどに限定される。またハイブリッド構成した後、パッケージに搭載する際のダイボンド材、さらにはパッケージにリッドを接合して封止する際の接合材は、画素間のショートなどの原因ともなるバンプの再溶融を防ぐ観点から、さらに低融点の材料を選ぶ必要があり、極めて選択肢が少なくなる。(ii)In蒸着の場合、蒸着量の位置ばらつきがあるので、Inバンプの高さを揃えることが難しい。たとえばフォトダイードおよびROICの両方にInバンプを形成してばらつきを吸収しようとしてもInバンプの頂部は平坦ではないので、接合時に滑って、画素間短絡の原因になりかねない。
(d2)高コストになる。凹凸の嵌合構造を形成するのに、化合物半導体基板およびシリコン基板の両方に、マスクパターンを形成し、ドライエッチングなどを行う必要がある。このための工数が増大する。
(d3)接合の歩留りが低い。高さばらつきや、形状ばらつきがあるInバンプを用いて接合する際、接合初期に、接合むらが発生する。
(d4)接合の歩留りが低い。格子の非孔部により横方向ずれに起因する短絡は防止できるが、高さばらつきに起因するオーバーフローによる短絡あるいは高さ不足部分の断線は抑えることができない。
【0006】
本発明は、経済性に優れ、かつ不良画素率を低くしながら高い製造歩留りを可能にする、検出装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検出装置の製造方法は、化合物半導体の積層体に形成された受光素子アレイと、シリコンに形成され、該受光素子アレイからの光電流を読み出す読み出し回路と、を備えた検出装置を製造する方法である。この製造方法は、受光素子アレイおよび読み出し回路の、少なくとも一方の電極に、接合のためのバンプを設ける工程と、バンプが設けられた、受光素子アレイおよび/または読み出し回路に、当該バンプの高さを調整するためのバンプ高さ調整部材を固定する工程と、平坦板を、バンプの先端から押し当て、該平坦板がバンプ高さ調整部材の先端に当るまで該バンプを変形させる工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記の方法によれば、バンプを介在させて受光素子アレイと読み出し回路とを結合する前に、バンプ高さを調整することで、上記結合の際に隣接する画素同士が短絡等する割合を低減することができる。また、接合前のバンプの先端面を平坦にすることができ、接合時に、相手(相手側の電極またはバンプ)との間のすべりなどを防止することができる。このため、高い製造歩留りを得ながら不良画素率を低くすることができる。上記の方法は、平坦板をバンプに押し当てて変形させる際に、プレスが必要となるが既存のプレスを用いることができ、他に大掛かりな装置は不要であり、工数の増大もそれほど多くない。このため、経済性に優れている。また、バンプの組成をとくに低融点化することは不要なので、温度制御を前提としない。
なお、バンプは、受光素子アレイおよび読み出し回路の、一方側にのみ設けてもよいし、両方に設けてもよい。バンプ高さ調整部材は、バンプを一方側にのみ設ける場合は、そのバンプを設けた一方側にのみ固定する。そして、バンプを両方に設ける場合には、バンプ高さ調整部材は、一方側にのみ1つだけ設けてもよいし、2つ準備して両方に1つずつ設けてもよい。通常は、バンプを両方に設ける場合でも、バンプ高さ調整部材は、一方側にのみ1つだけ設ける。
バンプを両側に設けるのは、シリコンや化合物半導体の反りや凹凸などの影響を吸収するために、バンプ高さを高くしておいて、接合時のバンプ圧縮代を大きくとりたい場合などに行う。その場合、バンプの形成に蒸着法などを用いる場合、受光素子アレイおよび読み出し回路の両方にバンプを設けるほうが、能率よくバンプ高さを得ることができる。
ここで、受光素子アレイおよび読み出し回路を指すのに、一方側、両方、相手側などという用語を用いるが、前後の文脈から常識で、それと判断することができる。また、受光素子アレイと読み出し回路とを、バンプを介在させて結合する前に、バンプを上記の一方側または両方に設けることは、「設ける」または「形成する」により表現する。上記の結合を指す用語には、「接合」、「接続」、また荷重を用いることから「圧着」などの語を用いる。
【0009】
受光素子アレイおよび/または読み出し回路に、受光素子アレイと読み出し回路との間隔を調整するためのギャップ調整部材を固定する工程と、変形されたバンプを介在させて、受光素子アレイ電極と読み出し回路の電極とを接合する工程とを備え、接合工程では、ギャップ調整部材を、(g1)該ギャップ調整部材が固定されていない相手側、(g2)該相手側に固定されたバンプ高さ調整部材、または(g3)ギャップ調整部材が複数の部分部材で構成され、その部分部材が相手側に固定された場合の該部分部材、に当接させることができる。これによって、受光素子アレイと読み出し回路との結合時に、両者の間隔を全面にわたって適正にとることができ、バンプのはみ出しなどによって隣接する画素同士が短絡等するのを防止することができる。
【0010】
たとえば、接合工程では、ギャップ調整部材を、(g2)バンプ高さ調整部材に当接させる場合において、ギャップ調整部材およびバンプ高さ調整部材には、先端ほど薄くなるテーパ面を設けておいて、該テーパ面同士を当接させることができる。これによって、縦方向(厚みまたはギャップ)の寸法の調整だけでなく、横方向の位置決めの機能を得ることができる。
【0011】
本発明の検出装置は、化合物半導体の積層体に形成された受光素子アレイと、シリコンに形成され、該受光素子アレイからの光電流を読み出す読み出し回路とを備えた検出のための装置である。この装置は、受光素子アレイの電極と、読み出し回路の読み出し電極との間に介在して接合するバンプと、受光素子アレイおよび読み出し回路の少なくとも一方側に固定され、バンプの接合前における高さの調整に用いられた、バンプ高さ調整部材とを備え、バンプ高さ調整部材の先端が、当該バンプ高さ調整部材が固定されていないほうの相手側本体から離れていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によって、高い製造歩留りを得ながら不良画素率が低減された検出装置を得ることができる。また、バンプの組成をとくに低融点化することは不要なので、温度制御を前提としない。ここで、相手側本体とは、相手側(受光素子アレイまたは読み出し回路)の本来の機能を得るための装置部分をいい、このあと説明する、ギャップ調整部材も含まないし、その他のバンプ高さ調整部材も含まないものをさす。
またバンプ高さ調整部材の先端は、当該バンプ高さ調整部材が固定されていないほうの相手側本体から離れているので、受光素子アレイと読み出し回路との圧着またはろう接時に、多少の荷重をかけながら押し込んで、バンプを少し押し潰した状態で接合することも可能である。これにより、より確実な接合ができるようになる。
【0013】
受光素子アレイおよび/または読み出し回路に固定され、受光素子アレイと読み出し回路との間隔を調整するためのギャップ調整部材を備え、そのギャップ調整部材が、(g1)該ギャップ調整部材が固定されていない相手側、(g2)該相手側に固定されたバンプ高さ調整部材、または(g3)ギャップ調整部材が複数の部分部材で構成され、その部分部材が相手側に固定された場合の該部分部材、に当接することができる。これによって、バンプ高さを調整した上で、受光素子アレイと読み出し回路とのギャップを全面にわたって適正にすることができる。この結果、簡単な機構によって高い製造歩留りを得た上で画素抜けなどの不良を低減することができる。
【0014】
ギャップ調整部材およびバンプ高さ調整部材には、先端ほど薄くなるテーパ面が設けられ、ギャップ調整部材が、(g2)バンプ高さ調整部材に当接する場合において、テーパ面同士が当接する構造をとることができる。このような簡単な機構によって、横方向(面内方向)の位置決めを行うことで、さらに不良画素率を低減することができる。
【0015】
ギャップ調整部材は、受光素子または読み出し電極ごとに孔があいた格子状部材であり、非孔部がバンプを取り囲むようにできる。これによって、受光素子アレイと読み出し回路とのギャップを適正にした上で、隣り合う画素同士を確実に隔離することができ、隣り合う画素間短絡等を確実に防止することができる。
【0016】
バンプ高さ調整部材、または、ギャップ調整部材を、絶縁材で形成することができる。バンプと接触しても濡れにくい場合が多く、接触による不良のおそれが低減する。また接触しても電気的に導通しないので、短絡のおそれがない。
【0017】
バンプ高さ調整部材、または、ギャップ調整部材を、ポリイミドで形成することができる。これによって、フォトリソグラフィ法などを用いて、これら調整部材を簡単に形成することができる。
【0018】
バンプを、In、AgSn若しくはAuSn、またはこれらに微量不純物を含有させたもので形成することができる。Inについては、柔らかいので、室温にて荷重をかけることで容易にバンプ高さを揃えることができる。また、AgSn、AuSnまたはこれらに微量不純物を含有させたものについても、Inほどではないが、融点が低く、柔らかく、低温で変形が容易にできるので、容易に高さを揃えることができる。
バンプを、導電性樹脂で形成することができる。導電性樹脂の成分や配合比率を変えることにより、柔らかく、所望の耐熱性をもったバンプを要因得ることができる。
【0019】
化合物半導体の積層体が、InP基板と、該InP基板上に形成され、バンドギャップ波長が1.6μm以上3.0μm以下である光吸収層とを有し、光吸収層は、InP基板の格子定数との相違が0.2%以下の、GaAsSb/InGaAs、GaAsSb/InGaAsN、GaAsSb/InGaAsNP、またはGaAsSb/InGaAsNSb、のタイプ2の量子井戸構造によって形成されていてもよい。
また、化合物半導体の積層体が、InP基板と、該InP基板上に形成され、バンドギャップ波長が1.6μm以上3.0μm以下である光吸収層とを有し、光吸収層は、InP基板の格子定数との相違が0.2%以下の、InGaAs、GaInNAsP、GaInNAsSb、またはGaInNAsによって形成される構成をとることができる。
上記の2つの構成の受光素子アレイは、いずれも、ノイズが小さく室温でも使用できる。また、バンプを介在させた電極間の接合時に、隣接画素間の短絡などが防止されて、確実に読み出し回路と、電極同士接合できれば、冷却時の応力や変形などによる接合部の劣化のおそれは生じない。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、経済性に優れ、かつ不良画素率を低くしながら高い接合歩留りを可能にする、検出装置、およびその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における検出装置を示す断面図である。
【図2】図1の検出装置の受光素子アレイをマルチプレクサ側から見た平面図である。
【図3】図2における画素の拡大図である。
【図4】本発明に係る、図1の検出装置の変形例を示す平面図である。
【図5】図1の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図6】バンプ高さ調整部材と平坦板とを用いてバンプを圧縮整形している状態を示す断面図である。
【図7】(a)は圧縮整形前のバンプを、(b)は圧縮整形後のバンプを示す図である。
【図8】本実施の形態の検出装置における受光素子アレイを説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態2における検出装置を示す断面図である。
【図10】図9の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図11】バンプ高さ調整部材と平坦板とを用いてバンプを圧縮整形している状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3における検出装置を示す断面図である。
【図13】図12の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態4における検出装置を示す断面図である。
【図15】図14の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態5における検出装置の断面図である。
【図17】図16の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態6における検出装置の断面図である。
【図19】図18の検出装置の受光素子アレイをマルチプレクサ側から見た平面図である。
【図20】ギャップ調整部材の斜視図である。
【図21】図19に示す受光素子アレイの画素の拡大図である。
【図22】図18の検出装置の受光素子アレイとマルチプレクサとを結合する前の状態を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態7における検出装置を示す断面図である。
【図24】図23の検出装置の受光素子アレイ側をマルチプレクサ側から見た平面図である。
【図25】本発明の実施の形態8における検出装置の断面図である。
【図26】図25の検出装置の受光素子アレイ側をマルチプレクサ側から見た平面図である。
【図27】本発明の実施例における本発明例A1の表示画面であり、(a)は背景黒色の場合、(b)は背景白色の場合、を示す図である。
【図28】本発明の実施例における比較例B1の表示画面であり、(a)は背景黒色の場合、(b)は背景白色の場合、を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態における検出装置の具体的な構造について説明する前に、本発明の検出装置の多様な種類を整理しておく。本発明に係る検出装置は、(バンプ高さ調整部材、ギャップ調整部材、バンプ)の3つの構成要素によって次のように、類別される。
−基本形−
(1)バンプ高さ調整部材:受光素子アレイか、または読み出し回路に、検出装置あたり1式設けられる。この1式のバンプ高さ調整部材は、4隅、対向する2隅、アレイを取り囲む枠体(連続一体物)、など、様々な形態で配置される。バンプ高さ調整部材は、製品の状態では、相手側本体からその先端部が浮いているのが、普通である。
(2)ギャップ調整部材:(i)ギャップ調整部材がない構造がある。(ii)ギャップ調整部材が設けられる場合は、1式である。ただし、1式のギャップ調整部材は、1つの部材で構成される場合と、複数の部材で構成される場合がある。固定する位置は、バンプ高さ調整部材が固定された側でも、その相手側でもよい。ギャップ調整部材は、その先端部を相手側の受光素子アレイか、または読み出し回路に当接させる。
(3)バンプ:接合前の段階で、(i)受光素子アレイおよび読み出し回路の一方側に設けられるのが普通であるが、(ii)とくにギャップ長を大きくする場合、上述のように両方に設けておく。
−基本形の変形構造−
(H1):(i)バンプ高さ調整部材が、ギャップ調整部材と当接する構造がある。この場合、両部材は、同じ側には固定されず、異なる側に固定されている。(ii)また、上記(i)に属するが、バンプ高さ調整部材およびギャップ調整部材は、ともに、先細り(先薄肉)のテーパ面が付され、そのテーパ面同士が当接する場合がある。
(H2)ギャップ調整部材が、隣り合う画素を隔離する格子状構造の場合がある。
−基本形の範囲外の変形構造−
バンプ高さ調整部材が、2つ配置される構造がある。ギャップ調整部材は1つであるが、複数の部分部材で構成される場合がある。
【0023】
(実施の形態1−(バンプ高さ調整部材自由端/ギャップ調整部材なし/バンプ片側)タイプ−)
図1は、本発明の実施の形態1における検出装置100を示す断面図である。受光素子アレイ50は、InP基板1/n型バッファ層2/受光層(光吸収層)3/窓層4、の積層体に形成されている。各受光素子では、p型不純物の亜鉛(Zn)が選択拡散されて導入され、p型領域6が形成され、pn接合15が形成されている。p型領域6にはp側電極11がオーミック接触しており、p側電極11/金属被覆層11bを経て、バンプ9により読み出し回路のマルチプレクサ70の読み出し電極71に接続されている。読み出し回路のマルチプレクサ70には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が用いられている。p型領域6/p側電極11/金属被覆層11bが、画素に対応する部分である。これらp側電極11に対して共通の接地電位を与えるn側電極12は、n側バッファ層2にオーミック接触され、n側電極配線12a/金属被覆層12bを経て、バンプ92により読み出し回路のマルチプレクサ70の接地電極72に接続される。接地電極72は、読み出し回路のマルチプレクサ70の各読み出し電極71に共通に、1つ設けられる。光が入射されるInP基板1の底面には反射防止膜35が配置されている。また、p型領域6の選択拡散に用いられた選択拡散マスクパターン36は、そのまま残され、選択拡散マスクパターン36の開口部または窓層4の表面、および当該選択拡散マスクパターン36を被覆する保護膜43が設けられている。
バンプ高さ調整部材21は、受光素子アレイ50の側に固定されている。そして、バンプ高さ調整部材21の先端部は、相手側の読み出し回路のマルチプレクサ70の本体からは離れており、間隔Gを保っていて自由端となっている。バンプ高さ調整部材21は、絶縁材料、たとえばポリイミドで形成するのがよい。また、本実施の形態では、ギャップ調整部材は用いられていない。
図2は、受光素子アレイ50を読み出し回路のマルチプレクサ70の側から見た図である。たとえば、画素Pは320×256個、ピッチ25μm、全体サイズ10mm□とされる。受光素子アレイ50に共通にn側電極配線12aおよびn側バンプ92が、画素配列を取り囲んで設けられる。バンプ高さ調整部材21は、4つのコーナ部に設けられている。図1および図2を合わせて、バンプ高さ調整部材21は、柱状であり、この検出装置100において、柱が4本配置される。
図3は、画素Pを示す図である。破線の円形はp型領域6を示し、その内部にp側電極(図示せず)の金属被覆層11bが位置する。p側電極の周囲は、SiON等からなる保護膜43によって被覆される。
図4は、図2の受光素子アレイ50に対応する図であり、図2に対してバンプ高さ調整部材21を変形している。すなわち、図4の受光素子アレイ50は、図1および図2の受光素子アレイ50の変形例である。図4において、この変形例では、バンプ高さ調整部材21は、塀状に延びるように形成されている。このあと説明するように、バンプ高さ調整部材21の使用のされ方において、複数本の柱状のものでも、複数の延在する塀状のものでも、同様に、有効に機能する。
【0024】
図5は、接合する前の受光素子アレイ50と、読み出し回路のマルチプレクサ70とを示す図である。接合前のバンプ9b,92bは、受光素子アレイ50の金属被覆層11b,12bに設けられている。バンプ9b,92bは、凹凸が大きくついており、さらに片側に崩壊して凹凸の斜面をなす場合もある。図6は、このようなバンプ9b,92bに対して、バンプ高さ調整部材21を用いて調整する状態を示す図である。バンプ9b,92の調整には、平坦板41を、その平坦面をバンプ9b,92bの先端に押し当て、荷重を加えて圧縮変形する。平坦板41は、たとえばガラス板などを用いることができる。平坦板41は、当該平坦板41がバンプ高さ調整部材21に当るまで、バンプ9b,92bを圧縮変形させる。バンプ9b,92bの高さは、バンプ高さ調整部材21の先端の高さ位置によって決められる。バンプ高さ調整部材21が柱状の場合、3本以上配置されないと、平坦板41を受光素子アレイ50の面、たとえばInP基板1の面に安定的に並行させることは難しい。塀状に延びるバンプ高さ調整部材21の場合(図4参照)は、離れて2つあれば、安定して上記並行性を得ることができる。
図7は、平坦板41と、バンプ高さ調整部材21とを用いてバンプ9b,92bの調整を行う前(図7(a))と、後(図7(b)の状態を示す図である。これらバンプ9b,92bはインジウムによって形成された例である。図7(a)に示すように、接合前において、バンプ9bは先端がひどく傾斜して、その傾斜面が凹凸面で形成される。これに対して、図6の押し当て圧縮処理を行ったあとは、図7(b)に示すように、バンプ9はずんぐりとまとまり、その先端面Fは平坦になる。平坦面Fに連なる側面には、外側に少し張り出す張出し部9eが形成される。図7(a)に示すバンプ9bでは、それが数万個〜数10万個ある場合、その形状は多様であり、図5に示す読み出し回路のマルチプレクサ70の読み出し電極71と接合される場合、読み出し電極71との接触面積が極端に小さかったり、さらには接触しないものがある。受光素子アレイ50と読み出し回路のマルチプレクサ70との接合の際、バンプ9b,92bは所定の加圧力または押し込み量のもとで加熱されるが、その際バンプにおいて接触面積が不足すると断線の原因となり、接触面積を大きくするために加圧力や押し込み量を増していくと、潰れすぎて隣接画素とのショート不良の原因となる。数万個〜数10万個全てのバンプが各々読み出し回路のマルチプレクサ70の読み出し電極71と適度に接触するように加圧力や押し込み量を調整するのは極めて困難である。しかし、図7(b)に示すように、予め高さが調整され、平坦面Fを持つようにされていれば、数万個〜数10万個全てのバンプが各々読み出し回路のマルチプレクサ70の読み出し電極71と適度に接触させることが容易である。また受光素子アレイ50と読み出し回路のマルチプレクサ70とを接合する前にバンプを平坦化しているので、平坦化状態を検査しながら適度な平坦化を行ったうえで、実際の受光素子アレイ50と読み出し回路のマルチプレクサ70とを接合を行うことができる。これにより、確実に数万個〜数10万個全てのバンプを相手方と接合することができ、不良画素率が非常に低く抑制された検出装置100を得ることができる。
【0025】
バンプ9b,92bは、受光素子アレイ50のp側電極11,12の金属被覆層11b,12bにリフトオフ法などで設けられ、先端側が図6に示す圧縮整形加工を受ける。そのあと相手の読み出し回路のマルチプレクサ70の読み出し電極71に押し付けられながら接合される。リフトオフ法で形成されたときの根元部は、図7(a)に示すようにほぼ直線状の母線によって外形は形成され、それは接合後も大きく変わらない。また、バンプ先端側は、接合後であっても、平坦板を押し当てられ、少し外側に張り出す張り出し部9eもつので、根元部と区別して識別することは容易である。バンプ高さ調整部材21の先端の高さ位置は、バンプ9の先端の高さ位置とほぼ同じか、接合時の圧縮分だけわずかに高い位置となる。
本実施の形態の場合と異なり、両側にバンプ9b,92b設ける場合、根元部は、上記と同じであり、両側のバンプ9b,92bが会合する部分で、両方のバンプに張り出し部9eが生成する。そして、張り出し部の先端の高さ位置は、バンプ高さ調整部材21の先端の高さ位置と、接合時の圧縮変形の範囲内で一致する。また、バンプ高さ調整部材21の根元は接着層21sにより、受光素子アレイ50に固定されるが、基本形では先端は自由端であり、相手側本体から浮いている。
【0026】
−受光素子アレイ−
本実施の形態における受光素子アレイについて説明する。本実施の形態の検出装置100は、どのような波長域の光にも適用することができるが、とくに近赤外光を用いた検出に適している。バンプ圧着の際、加熱されるが、柔らかい化合物半導体のために、圧着を短時間で、簡単かつ確実にすませたいからである。このためにバンプは、予め圧縮整形加工しておくのがよい。以下において、近赤外光に受光感度をもつInP系受光素子アレイ50の場合について、とくに説明する。
(1)半導体受光素子アレイの詳細構造
図8は、本実施の形態における受光素子アレイ50を説明するための図である。図8において、各画素の受光素子Pは、InP基板1の上に次の構成のIII−V族半導体積層構造(エピタキシャルウエハ)を有する。
(InP基板1/n型InPバッファ層2/InGaAsまたはGaInNAsとGaAsSbとの多重量子井戸構造の受光層3/拡散濃度分布調整層14/InP窓層4)
InP窓層4から多重量子井戸構造の受光層3にまで届くように位置するp型領域6は、SiN膜の選択拡散マスクパターン36の開口部から、p型不純物のZnが選択拡散されることで形成される。各画素の周縁部の内側に、平面的に周囲限定されての拡散導入は、上記SiN膜の選択拡散マスクパターン36を用いて拡散することによって実現される。
p型領域6にはAuZnによるp側電極11が、またn型InPバッファ層2には図示しないAuGeNiのn側電極が、それぞれオーミック接触するように設けられている。この場合、n型InPバッファ層2にはn型不純物がドープされ、所定レベルの導電性を確保されている。InP基板1の裏面には、またSiONの反射防止膜35を設け、InP基板の裏面側から光を入射するようにして使用することもできるようになっている。
【0027】
多重量子井戸構造の受光層3には、上記のp型領域6の境界フロントに対応する位置にpn接合15が形成され、上記のp側電極11およびn側電極間に逆バイアス電圧を印加することにより、n型不純物濃度が低い側(n型不純物バックグラウンド)により広く空乏層を生じる。多重量子井戸構造の受光層3におけるバックグラウンドは、n型不純物濃度(キャリア濃度)で5×1015/cm程度またはそれ以下である。そして、pn接合15の位置は、多重量子井戸の受光層3のバックグラウンド(n型キャリア濃度)と、p型不純物のZnの濃度プロファイルとの交点で決まる。多重量子井戸構造の受光層3が、p型不純物の選択拡散導入によって、結晶性を損なわれないようにした上でp側電極11との電気伝導性を良好にするために、受光層3と窓層4との間に、拡散濃度分布調整層14を挿入する。拡散濃度分布調整層14内の窓層4の側の厚み部分では、Zn濃度を高くして、受光層3の側の厚み部分ではZn濃度を、上記のように低めにする。拡散濃度分布調整層14内では、InP窓層4の表面から選択拡散されたp型不純物の濃度が、InP窓層側における高濃度領域から受光層側にかけて急峻に低下するようにする。この拡散濃度分布調整層14はバンドギャップエネルギが比較的低いために不純物濃度が低い厚み部分(受光層側の所定厚み部分)があっても電気抵抗が大きくなりにくいInGaAsで形成するのがよい。図1においては、拡散濃度分布調整層は図示されていないが、多重量子井戸構造の受光層3の結晶性を良好にするためには、拡散濃度分布調整層14はあったほうがよい。しかし、拡散濃度分布調整層が無くてもよい。このあと説明する、本発明の実施の形態2〜8においても、拡散濃度分布調整層はとくに図示していないが、多重量子井戸構造の受光層3の結晶性を良好にするためには、拡散濃度分布調整層14はあったほうがよい。
上記のような拡散濃度分布調整層14の挿入によって、受光層3内では、Zn濃度は5×1016/cm以下の不純物濃度を容易に実現することができる。本発明が対象とする受光素子アレイ50は、近赤外域からその長波長側に受光感度を有することを追求するので、窓層4には、受光層3のバンドギャップエネルギより大きいバンドギャップエネルギの材料を用いるのが好ましい。このため、窓層4には、通常、受光層よりもバンドギャップエネルギが大きく、格子整合の良い材料であるInPが用いられる。InPとほぼ同じバンドギャップエネルギを有するInAlAsを用いてもよい。
【0028】
受光層3は、タイプ2の多重量子井戸構造を用いるのがよい。タイプ1の量子井戸構造では、バンドギャップエネルギの小さい半導体層を、バンドギャップエネルギの大きい半導体層で挟みながら、近赤外域に受光感度を持たせる受光素子の場合、小さいバンドギャップエネルギの半導体層のバンドギャップにより受光感度の波長上限(カットオフ波長)が定まる。すなわち、光による電子または正孔の遷移は、小さいバンドギャップエネルギの半導体層内で行われる(直接遷移)。この場合、カットオフ波長をより長波長域まで拡大する材料は、III−V族化合物半導体内で、非常に限定される。これに対して、タイプ2の量子井戸構造では、フェルミエネルギを共通にして異なる2種の半導体層が交互に積層されたとき、第1の半導体の伝導帯と、第2の半導体の価電子帯とのエネルギ差が、受光感度の波長上限(カットオフ波長)を決める。すなわち、光による電子または正孔の遷移は、第2の半導体の価電子帯と、第1の半導体の伝導帯との間で行われる(間接遷移)。このため、第2の半導体の価電子帯のエネルギを、第1の半導体の価電子帯より高くし、かつ第1の半導体の伝導帯のエネルギを、第2の半導体の伝導帯のエネルギより低くすることにより、1つの半導体内の直接遷移による場合よりも、受光感度の長波長化を実現しやすい。
【0029】
(2)受光素子アレイの製造方法
上述のように、選択拡散マスクパターン36を用いて選択拡散により、受光素子の周縁部より内側に、平面的に周囲限定してp型不純物を拡散導入するので、上記のpn接合15は受光素子の端面に露出しない。この結果、光電流のリークは抑制される。図8に示すように、画素部Pが、複数個、素子分離溝なしに配列されている。上述のように、各画素部Pの内側にp型領域6が限定され、隣接する画素部Pとは、確実に区分けされている。
InP基板1上に、2μm厚みのn型InPバッファ層2またはn型InGaAsバッファ層2を成膜する。次いで、(InGaAs/GaAsSb)または(GaInNAs/GaAsSb)の多重量子井戸構造の受光層3を形成する。InPと格子整合するようInGaAsの組成はIn0.53Ga0.47Asとし、GaAsSbの組成はGaAs0.52Sb0.48とする。これにより格子整合度(|Δa/a|:ただし、aは格子定数、Δaは相互間の格子定数差)を0.002以下とする。
単位量子井戸構造を形成するInGaAs層(またはGaInNAs層)の厚みは5nmであり、ペア数(単位量子井戸の繰り返し数)は300である。次いで、受光層3の上に、Zn拡散導入の際の拡散濃度分布調整層14として、厚み1μmのInGaAs層をエピタキシャル成長し、次いで、最後に厚み1μmのInP窓層4をエピタキシャル成長する。上記の受光層3および拡散濃度分布調整層14は、ともにMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によってエピタキシャル成長するのがよい。また、InP窓層4は、MBE法でエピタキシャル成長してもよいし、拡散濃度調整層14を成長させた後、MBE装置から取り出して、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法によってエピタキシャル成長してもよい。
【0030】
InP基板1は、Fe含有の半絶縁性基板を用いるのが、良好な結晶性を得やすいので好ましい。半絶縁性InP基板1を用いる場合は、n型InPバッファ層2またはn型InGaAsバッファ層2は、図1等に示すようにn側電極12と良好な導電性のコンタクトをとるため、n型不純物をドープするのがよい。たとえばSiなどn型ドーパントを1×1017/cm程度ドープするのがよい。GaInNAs/GaAsSbの多重量子井戸構造の受光層3、InGaAsの拡散濃度分布調整層14、およびInP窓層4は、ノンドープが望ましいが、Siなどn型ドーパントを極微量(たとえば2×1015/cm程度)ドーピングしてもよい。また、InP基板1とバッファ層2との間に、n型ドーパントを1E18cm−3程度ドープしたn側電極を形成するための高濃度のn側電極形成層を挿入してもよい。
図8において、pn接合15は、次のように、広く解釈されるべきである。受光層3内において、p型不純物元素Znが選択拡散で導入される側と反対の面側の領域の不純物濃度が、真性半導体とみなせるほど低い不純物領域(i領域と呼ばれる)であり、上記拡散導入されたp型領域6と当該i領域との間に形成される接合をも含むものである。すなわち上記のpn接合は、pi接合などであってもよく、さらに、これらpi接合におけるp濃度が非常に低い場合も含むものである。
【0031】
上述のように、InP窓層4の表面に形成したSiNマスクパターン36を用いて、その開口部からZnを選択拡散してInGaAs/GaAsSb(またはGaInNAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光層3内に届くようにp型領域6を形成する。p型領域6のフロント先端部がpn接合15を形成する。このとき、Zn濃度が1×1018/cm程度以上の高濃度領域は、InGaAs拡散濃度分布調整層14内に限定されるようにするのがよい。すなわち、上記高濃度不純物分布は、InP窓層4の表面から深さ方向に、InGaAs拡散濃度分布調整層14内にまで連続し、さらに拡散濃度分布調整層14内のより深い位置で5×1016/cm以下に低下する。そして、pn接合15の近傍におけるZn濃度分布は、傾斜型接合を示すような分布になっている。
【0032】
受光素子アレイ50は、素子分離用のメサエッチングをすることなくZnの選択拡散(受光素子の周縁部の内側になるように平面的に周囲限定した拡散)によって、隣り合う受光素子どうし分離する。すなわち、Zn選択拡散領域6が1つの画素部Pの主要部となるが、Znが拡散していない領域が、各画素を分離する。このため、メサエッチングに付随する結晶の損傷などを受けることがなく、暗電流を抑制することができる。
上記のように、本実施の形態における受光素子アレイ50は、脆弱なIII−V族化合物半導体の積層体に、微細な加工を施すことで形成されている。このため、読み出し回路のマルチプレクサ70と受光素子アレイ50との接合において、柔らかいバンプ9b,92bを用いることが重要である。In等の柔らかいバンプは、図7(a)に示すように、突出部を持ち、確実な1対1の接合を難しくする。本発明に係るアイデアは、このような背景の下に生まれた。
【0033】
不純物の選択拡散によってpn接合15を形成する場合、拡散が深さ方向だけでなく横方向(深さ直交方向)にも進行するので、素子間隔を一定以上、狭くすることができない懸念があるが、実際にZnの選択拡散を行ってみると、最表面にInP窓層4があり、その下にInGaAs拡散濃度分布調整層14が配置された構造では、横方向の拡散は、深さ方向と同程度またはそれ以下に収まることが確認された。すなわち、Znの選択拡散において、Znはマスクパターン36の開口径よりも横方向に広がるが、その程度は小さく、図8などに模式的に示すように、マスクパターン開口部よりも少し広がるだけである。
InP基板1は、(100)から[111]方向または[11−1]方向に5度〜20度傾斜したオフアングル基板とするのがよい。より望ましくは、(100)から[111]方向または[11−1]方向に10度〜15度傾斜させる。このような大きなオフ角基板を用いることにより、欠陥密度が小さく結晶性に優れたn型InPバッファ層2、タイプIIの量子井戸構造の受光層3、InGaAs拡散濃度分布調整層14およびInP窓層4を得ることができる。
【0034】
(実施の形態2−(バンプ高さ調整部材自由端/ギャップ調整部材有り/バンプ両側)タイプ−)
図9は、本発明の実施の形態2における検出装置100を示す断面図である。図10は、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の接合前の状態を示す図である。また、図11は、バンプ9b,92bに対して、バンプ高さ調整部材21と平坦板41とを用いて圧縮加工をする状態を示す図である。受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70については、実施の形態1と同じなので、説明を省略する。以後の実施の形態においても、とくに断らない限り、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70は、実施の形態1のものと同じである。本実施の形態における検出装置100の特徴は、つぎの2点にある。
(1)受光素子アレイ50と、読み出し回路のマルチプレクサ70との間の間隔が大きい。すなわち、バンプ9,92の高さが大きい。これは、図10に示すように、バンプ9b,92bを両側に設けたためである。バンプ9b,92bを両側に設けるのは、シリコンや化合物半導体の反りや凹凸などの影響を吸収するために、バンプ高さを高くしておいて、接合時のバンプ圧縮代を大きくとりたい場合などに行う。その場合、バンプの形成に蒸着法などを用いる場合、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の両方にバンプ9b,92bを設けるほうが、効率よくバンプ高さを得ることができる。
(2)ギャップ調整部材31を用い、そのギャップ調整部材31を読み出し回路のマルチプレクサ70に接着層31sによって固定する。ギャップ調整部材31の先端面31tは、受光素子アレイ50の化合物半導体層、たとえばn型バッファ層2に接触する。ギャップ調整部材31の先端面31tが、3個以上接触することで、読み出し回路のマルチプレクサ70と受光素子アレイ50との間隔は、全面にわたって安定的に一定に保つことができる。接着層21sで化合物半導体層に固定されたバンプ高さ調整部材21の先端21fは、自由端である。接着層21s,31sは、機械的な固定具で置き換えることができる。
【0035】
バンプを両方に設ける場合であっても、図10および図11に示すように、バンプ高さ調整部材21は、一方側にのみ設けるのがよい。図11に示すように、バンプ高さ調整部材21を一方側にのみ設けて圧縮加工をした場合、図7(a),(b)に示すように、一方側のバンプ9b,92bは図7(a)の凹凸が突出した形状を持つが、圧縮加工されたほうのバンプ9b,92bは図7(b)に示すようにずんぐりしてまとまり、平坦面Fをもつ。両方共に図7(a)の形状のバンプ9b,92bを接合する場合、バンプ同士滑って隣の画素領域に逸れてはみ出す画素部分が多く発生する。数万個〜数十万個の画素では、図7(a)のバンプの場合、このような、バンプ同士の滑り、逸れ、はみ出し等は、かなり大きな割合で発生する。これに対して、一方側だけでも、図7(b)に示すように平坦面Fを持つように整形されていれば、平坦面Fが相手のバンプの突出部の受け部になり、隣の画素領域に逸らすことは大幅に抑制される。
【0036】
(実施の形態3−(バンプ高さ調整部材自由端/ギャップ調整部材有り/バンプ片側)タイプ−)
図12は、本発明の実施の形態3における検出装置100を示す断面図である。また図13は、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の接合前の状態を示す図である。本実施の形態は、実施の形態2の検出装置100と同じ部分が多いが、特徴は、次のとおりである。
(1)バンプ高さ調整部材21は、接着層21sによって受光素子アレイ50の側に固定されている。そして、バンプ9b,92bは、一方の側にのみ設けられ、当然、バンプ高さ調整部材21が固定された方に設けられている。
(2)ギャップ調整部材31は、読み出し回路のマルチプレクサ70の側に固定され、その先端を化合物半導体層のn型バッファ層2にコンタクトさせている。バンプ高さ調整部材21の先端21fは、自由端とされている。
上記の構成によれば、図13におけるバンプ9b,92bは、バンプ調整部材21と平坦板とによって圧縮整形加工されている。このため、接合時、バンプ9b,92bが隣の画素にはみ出す現象は、大幅に抑制される。この結果、不良画素率は非常に小さくされる。
【0037】
(実施の形態4−(バンプ高さ調整部材・ギャップ調節部材当接/バンプ片側)タイプ−)
図14は、本発明の実施の形態4における検出装置100を示す断面図である。また図15は、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の接合前の状態を示す図である。本実施の形態の特徴は、次のとおりである。
(1)バンプ高さ調整部材21およびギャップ調整部材31は、それぞれ、1つ設けられ、その先端面31t,21fを当接させている。バンプ高さ調整部材21およびギャップ調整部材31は、ともに接着層21s,31sにより固定されている。
上記の構造によれば、上述のように、不良画素率を低減した上で、ギャップ調整部材31は、その高さを大きく減じることができる。これによって部材コストを低減し、かつ軽量化にも役立つ。また、バンプ高さ調整部材21の先端を自由にしておかず、ギャップ調整部材31と当接するので、バンプ高さ調整部材21の安定保持に有益である。
【0038】
−バンプ高さ調整部材21とギャップ調整部材31とが当接する構造−
ここで、標記の構造について整理をする。
(1)本実施の形態では、バンプ高さ調整部材21の先端はギャップ調整部材31と当接しており、バンプ高さ調整部材21の先端が浮いていないケースに該当する。ギャップ調整部材31は、根元部が接着層31sで固定され、先端がバンプ高さ調整部材21と当接する。図14に示す接合状態のバンプ9,92の根元部および先端部は、上記の形状の特徴から識別容易であるので、いずれがバンプ高さ調整部材21かギャップ調整部材31か、という識別は容易である。
(2)バンプ9b,92bが両側に設けられる場合も、バンプ高さ調整部材21とギャップ調整部材31との識別は容易である。バンプ高さ調整部材21およびギャップ調整部材31の接着層21s,31sと、バンプ9,92の形状を見れば、上述のように簡単に両者の識別をすることができる。通常は、アレイまたはICの上に設ける(例えばフォトリソグラフィと金属蒸着/ポリイミド膜形成などによる)が、稀に半導体エピタキシャル層を部分エッチングなどで突起形状化し、それを高さ調整部材とする場合もあるが、そのような場合でも、上記の識別をすることができる。上記の接着層21s,31sは、上記したように機械的な固定具の場合であってもよい。
(3)仮に、バンプ高さ調整部材21が受光素子アレイ50と一体物であり、ギャップ調整部材が読み出し回路のマルチプレクサ70と一体物であったとした場合でも、バンプ9,92の形状から、バンプの先端の高さ位置と一致するのは、バンプ高さ調整部材21の先端の高さ位置であることから、一方をバンプ高さ調整部材21と識別することができる。
(4)上記(3)に対する補足として、バンプ9b,92bが両側に設けられた場合、バンプ高さ調整部材21が両側に固定されて、両者の先端が当接することで、ギャップの調整が出来そうにみえる。しかし、そのような構造はあり得ない。両側のバンプ9b,92bが、図6の圧縮加工を受けて、両側のバンプ高さ調整部材21の先端が当接したのでは、両側のバンプ間に少しの重複部もなく、接合できないからである。
(5)バンプ高さ調整部材21は、ギャップ調整部材31と当接しない限り、その先端は自由端である。また、バンプ高さ調整部材21の先端が当接している場合、その当接相手はギャップ調整部材31とみることができる。
【0039】
(実施の形態5−(バンプ高さ調整部材自由端/ギャップ調整部材なし/バンプ両側)タイプ−)
図16は、本発明の実施の形態5における検出装置100を示す断面図である。また図17は、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の接合前の状態を示す図である。本実施の形態の特徴は、次のとおりである。
(1)図17に示すように、バンプ9b,92bは、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70の両方に設けられている。このため、実施の形態2と同様に、読み出し回路のマルチプレクサ70との間の間隔が大きい。この結果、シリコンや化合物半導体の反りや凹凸などの影響を吸収することができる。
(2)実施の形態2と異なり、ギャップ調整部材は用いない。バンプ高さ調整部材21は、その先端は自由端とするが、上記(1)のように、バンプ9b,92bを両方に設けるので、バンプを片側にのみ設ける構造に比較して、読み出し回路のマルチプレクサ70との間隔Gは大きいものになる。
【0040】
図17から分かるように、受光素子アレイ50の側のバンプ9b,92bに対して、バンプ高さ調整部材21および平坦板41による圧縮整形加工を行う。上述のように、両方共に図7(a)の形状のバンプ9b,92bを接合する場合、バンプ同士滑って隣の画素領域に逸れてはみ出す画素部分が多く発生する。数万個〜数十万個の画素では、図7(a)のバンプの場合、このような、バンプ同士の滑り、逸れ、はみ出し等は、かなり大きな割合で発生する。これに対して、一方側だけでも、図7(b)に示すように平坦面Fを持つように整形されていれば、平坦面Fが相手のバンプの突出部の受け部になり、隣の画素領域に逸らすことは大幅に抑制される。この結果、シリコンや化合物半導体の反りや凹凸などの影響を吸収した上で、不良画素率を低減することができる。
【0041】
(実施の形態6−(バンプ高さ調整部材自由端/格子状ギャップ調整部材有り/バンプ両側)タイプ−)
図18は、本発明の実施の形態6における検出装置100を示す断面図である。各受光素子(画素)を隔離するように、受光素子間にギャップ調整部材31が配置されている。図19は、受光素子アレイ50を読み出し回路のマルチプレクサ70の側から見た平面図である。また、図20はギャップ調整部材31の斜視図であり、図21は画素Pの平面図である。そして、図22は、接合前の、受光素子アレイ50および読み出し回路のマルチプレクサ70を示す図である。本実施の形態の検出装置100の特徴は、次のとおりである。
(1)ギャップ調整部材31は、隣の画素と隔離する画素隔離の機能を奏する。このために、図19〜図21に示すように、ギャップ調整部材31は、画素Pのp型領域6に対応する部分を含む大きさの円孔31hがあけられた、格子状部材によって構成される。
(2)バンプ高さ調整部材21と平坦板とを用いたバンプ9b,92bの圧縮整形は、図22に示すように、読み出し回路のマルチプレクサ70の側において行われる。これによって、上述のように、不良画素率を大幅に低減することができる。しかし、上記の(1)における格子状のギャップ調整部材31を用いることで、接合時に、自ずと、バンプ9b,92bは隣のバンプ9b,92bとは確実に隔離される。この結果、より一層確実に、隣り合う画素間の短絡を防止することができ、不良画素率を非常に低く抑えることができる。
【0042】
(実施の形態7−(バンプ高さ調整部材・ギャップ調整部材テーパ面当接/バンプ片側)タイプ−)
図23は、本発明の実施の形態7における検出装置100を示す断面図である。また、図24は、当接しているバンプ高さ調整部材21とギャップ調整部材31を含んで、受光素子アレイ50を読み出し回路のマルチプレクサ70の側から見た平面図である。この検出装置100の特徴は次のとおりである。
(1)4つのコーナに位置する、ギャップ調整部材31およびバンプ高さ調整部材21にはテーパ面31k,21kが設けられている。ギャップ調整部材31とバンプ高さ調整部材21とが当接する場合に、テーパ面31k,21k同士が当接している。これによって、化合物半導体層の面内方向(横方向)の位置決めの機能を奏することができる。この結果、バンプ9b,92bの圧縮整形加工による寄与に加えて、上記のテーパ面21k,31kの接触によって横ずれを防止して、さらに安定して不良画素率を低減することができる。
【0043】
(実施の形態8−(バンプ高さ調整部材自由端/両電極間隔離のギャップ調整部材/バンプ片側)タイプ−)
図25は、本発明の実施の形態8における検出装置100を示す断面図である。また、図26は、バンプ高さ調整部材21とギャップ調整部材31を含んで、受光素子アレイ50を読み出し回路のマルチプレクサ70の側から見た平面図である。この検出装置100の特徴は次のとおりである。
(1)ギャップ調整部材31を、受光素子アレイ50の外縁部に配置しないで、共通の接地電位を与えるn側電極12の側のバンプ92と、受光素子のp側電極11側のバンプ9との間に配置した。これによって、共通の接地電位側のバンプ92と、画素部のバンプ9とを隔離することができる。この結果、画素Pのバンプ9が接地側に短絡することが、確実に防止され、とくに表示画面の周縁部の不良画素をなくすことができる。
【実施例】
【0044】
−不良画素の検証−
本発明の検出装置における不良画素が従来に比べてどの程度低減されるか、実施例により検証した。用いた試験体は、次の2体である。
(本発明例A1):画素配列320×256(8万画素)とし、本実施の形態1における検出装置を用いた。
(比較例B1):同じ画素配列で、本実施の形態1におけるギャップ高さ調整部材がないものを用いた。
短絡不良の評価は検出装置に光が入らない状態で像を得ることで行った。短絡不良の画素は、ノイズ電流が良好な画素に対して極端に大きいので、暗状態でも電荷が蓄積していき、信号量が大きくなる。
またオープン不良の評価は、ハロゲンランプを光源とし、光の拡散板を通して全ての画素に一様に光が入射される状態で像を得ることで行った。受光素子アレイと読み出し回路との接合が良好な画素は、各受光素子で光電変換された信号が読み出し回路側に転送されるのに対し、オープン不良の画素は信号が転送されない。
【0045】
結果を図27および図28に示す。信号量が多い画素を白色で、信号量が少ない画素を黒色で示している。(a)は検出装置に光が入らない暗状態で撮像しているので、全体的に背景が黒色である。短絡不良の画素は、前述のように信号量が大きいので白色となる。(b)は検出装置に光が入射して撮像しているので、全体的に背景が白色である。オープン不良の画素は前述のように信号が転送されないので、黒色となる。比較例B1では、図28(a),(b)に示すように、短絡は全面にわたってくまなく発生している。また、オープンは、画面の下半分に密集して多く発生している。比較例B1の不良画素率は17%と評価された。これに対して、本発明例A1では、図27(a),(b)に示すように、短絡およびオープンともにほとんど認めることができず、良好な結果が得られた。本発明例A1の不良画素率は、1%未満という格段に良好な評価結果となった。
【0046】
上記の検出装置は、明示して説明しなかったが、レンズや回折格子等の光学装置を含むことは前提としており、撮像対象の物を結像する機構をもつ。このため撮像装置を兼ねることが多い。また、近赤外域に受光感度をもつ半導体は、化合物半導体であり、衝撃等の外力に弱いので、本発明を好適に用いることができる。近赤外域に受光感度をもつ化合物半導体は、実施の形態1において詳細に説明したタイプ2の多重量子井戸構造の受光層だけでなく、Nを含有するGaInNAs、GaInNAsSb、GaInNAsPであってもよい。
【0047】
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の検出装置によれば、経済性に優れ、かつ不良画素率を低くしながら高い接合歩留りを可能にする。このため、近年、注目を集める近赤外光を用いた検出装置において、温度制御等をすることなく鮮明な画像を提供することに貢献することが期待される。
【符号の説明】
【0049】
1 InP基板、2 バッファ層、3 受光層、4 窓層、6 p型領域、9 p側のバンプ、9b バンプ、9e 張り出し部、11 p側電極、11b 金属被覆層、12 n側電極、12a n側電極配線、12b 金属被覆層、14 拡散濃度分布調整層、15 pn接合、21 バンプ高さ調整部材、21f 先端部、21k テーパ面、21s 接着層、31 ギャップ調整部材、31h ギャップ調整部材の画素孔(格子孔)、31k テーパ面、31s 接着層、31t 先端面、35 反射防止膜、36 選択拡散マスクパターン、41 平坦板、43 保護膜、50 受光素子アレイ、70 読み出し回路のマルチプレクサ、71 読み出し電極、72 接地電極、92 接地電極側のバンプ、100 検出装置、F 平坦面、G バンプ高さ調整部材と相手側との間隙、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物半導体の積層体に形成された受光素子アレイと、シリコンに形成され、該受光素子アレイからの光電流を読み出す読み出し回路と、を備えた検出装置の製造方法であって、
前記受光素子アレイおよび読み出し回路の、少なくとも一方の電極に、接合のためのバンプを設ける工程と、
前記バンプが設けられた、前記受光素子アレイおよび/または読み出し回路に、当該バンプの高さを調整するためのバンプ高さ調整部材を固定する工程と、
平坦板を、前記バンプの先端から押し当て、該平坦板が前記バンプ高さ調整部材の先端に当るまで該バンプを変形させる工程とを備えることを特徴とする、検出装置の製造方法。
【請求項2】
前記受光素子アレイおよび/または読み出し回路に、前記受光素子アレイと前記読み出し回路との間隔を調整するためのギャップ調整部材を固定する工程と、
前記変形されたバンプを介在させて、前記受光素子アレイ電極と前記読み出し回路の電極とを結合する工程とを備え、
前記接合工程では、前記ギャップ調整部材を、(g1)該ギャップ調整部材が固定されていない相手側、(g2)該相手側に固定された前記バンプ高さ調整部材、または(g3)前記ギャップ調整部材が複数の部分部材で構成され、その部分部材が前記相手側に固定された場合の該部分部材、に当接させることを特徴とする、請求項1に記載の検出装置の製造方法。
【請求項3】
化合物半導体の積層体に形成された受光素子アレイと、シリコンに形成され、該受光素子アレイからの光電流を読み出す読み出し回路と、を備えた検出装置であって、
前記受光素子アレイの電極と、前記読み出し回路の読み出し電極との間に介在して接合するバンプと、
前記受光素子アレイおよび読み出し回路の少なくとも一方側に固定され、前記バンプの接合前における高さの調整に用いられた、バンプ高さ調整部材とを備え、
前記バンプ高さ調整部材の先端が、当該バンプ高さ調整部材が固定されていないほうの相手側本体から離れていることを特徴とする、検出装置。
【請求項4】
前記受光素子アレイおよび/または読み出し回路に固定され、前記受光素子アレイと前記読み出し回路との間隔を調整するためのギャップ調整部材を備え、そのギャップ調整部材が、(g1)該ギャップ調整部材が固定されていない相手側、(g2)該相手側に固定された前記バンプ高さ調整部材、または(g3)前記ギャップ調整部材が複数の部分部材で構成され、その部分部材が前記相手側に固定された場合の該部分部材、に当接していることを特徴とする、請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記ギャップ調整部材および前記バンプ高さ調整部材には、先端ほど薄くなるテーパ面が設けられ、前記ギャップ調整部材が、(g2)前記バンプ高さ調整部材に当接する場合において、前記テーパ面同士が当接していることを特徴とする、請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記ギャップ調整部材は、前記受光素子または読み出し電極ごとに孔があいた格子状部材であり、非孔部が前記バンプを取り囲むことを特徴とする、請求項4または5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記バンプ高さ調整部材、または、ギャップ調整部材が、絶縁材で形成されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記バンプ高さ調整部材、または、ギャップ調整部材が、ポリイミドで形成されていることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記バンプが、In、AgSn若しくはAuSn、またはこれらに微量不純物を含有させたもの、若しくは導電性樹脂で形成されていることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記化合物半導体の積層体が、InP基板と、該InP基板上に形成され、バンドギャップ波長が1.6μm以上3.0μm以下である光吸収層とを有し、前記光吸収層は、InP基板の格子定数との相違が0.2%以下の、GaAsSb/InGaAs、GaAsSb/InGaAsN、GaAsSb/InGaAsNP、またはGaAsSb/InGaAsNSb、のタイプ2の量子井戸構造によって形成されていることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記化合物半導体の積層体が、InP基板と、該InP基板上に形成され、バンドギャップ波長が1.6μm以上3.0μm以下である光吸収層とを有し、前記光吸収層は、InP基板の格子定数との相違が0.2%以下の、InGaAs、GaInNAsP、GaInNAsSb、またはGaInNAsによって形成されていることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか1項に記載の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−157667(P2010−157667A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−378(P2009−378)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】