説明

欠陥修正装置及び欠陥修正方法

【課題】欠陥修正工程の作業効率を向上させ、タクトタイムの短縮及び作業者の工数費の削減を図る。
【解決手段】複数の配線パターン及びその周辺回路が形成された配線基板内の欠陥を検査し、検出された欠陥をレーザ光を用いて修正する際、配線基板を繰り返しパターンが形成された第1の範囲と、繰り返しパターンが形成されていない第2の範囲と、繰り返しパターンと独自パターンが混在して形成された第3の範囲とに分類し、予め各範囲ごとに欠陥修正手法をデータベースに登録しておく。そして、検査対象の配線基板を撮影した欠陥画像と、欠陥のない参照画像とを照合して欠陥を検出し、その検出された欠陥の配線基板内における位置に基づいて、データベースから欠陥修正手法を読み出して選定し、その選定された欠陥修正手法に基づき欠陥の修正を実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置の製造工程で行われる欠陥修正の技術に関し、特にフラットパネルディスプレイ(FPD;Flat Panel Display)のTFT(Thin Film Transistor)基板等の基板上に形成されたデバイスパターンや配線パターンにおける欠陥を修正するのに好適な欠陥修正装置及び欠陥修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイ装置として、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや液晶ディスプレイなどの所謂フラットパネルディスプレイが広く知られ、普及している。これらのディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ(TFT)やキャパシタなどの素子、及びこれらの素子に電気的に連結された複数の配線(例えば信号配線や電位供給配線)などの様々な導電部材を含む配線基板によって構成される。
【0003】
このディスプレイ装置を構成する配線基板の量産においては、例えば異物の存在によって、本来互いに離れて設けられる配線や素子が電気的に連結された短絡や、本来連続的に設けられる配線や素子が内部で互いに分離された断線などの、所謂欠陥が生じることがある。このような量産時の欠陥の発生は、ディスプレイ装置が大型化するにつれ、その駆動用の配線基板となるTFT基板に生じる欠陥箇所が増加して歩留まりが低下するため、欠陥箇所を修正する欠陥修正工程が必須となっている。
【0004】
このような短絡や断線などの欠陥に対する修正手法としては、例えばレーザ光照射による短絡箇所を切断する手法(レーザリペア)のほか、レーザCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法による断線箇所の結線などが挙げられる。欠陥修正を行う装置の一例として、所用の加工形状に整合したビーム形状で均等なエネルギーのレーザ光を対象物に照射して所定箇所を正確に、かつ能率よく加工し、修正を行うレーザ加工装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−186100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のように、単純に欠陥画像(被検査画像)と基準パターン画像(参照画像)との差画像を欠陥範囲として修正を行った場合、その欠陥の種類を把握していないと修正に失敗する可能性がある。というのも、欠陥修正手法の選定や欠陥に照射するレーザ光のパルス周期、レーザパワー、レーザ光のスポット形状や発振時間等の各パラメータの選定を作業員のスキルや経験に頼っており、それによってその選定結果が異なってくるからである。
【0006】
例えば、ディスプレイ用のTFT基板などの場合には、各画素に対応する配線部内に、信号配線や走査配線のみならず複数の電位供給配線が存在するため、画素内の配線密度の増大化や画素構造の複雑化が著しい。
同一の配線に接して生じている欠陥や、配線部内で略同位置に生じている欠陥等の修正においても、周囲に位置している部材の種類や有無に応じてそれぞれ異なる欠陥修正手法を選定することが必要となる。例えば、レーザ光照射による短絡箇所の切断を検討する場合、熱拡散によって周囲の薄膜トランジスタ(TFT)等に変質が生じることを回避する必要がある。
特に、有機ELディスプレイのように配線部(画素)を構成する配線の種類や配置が複雑な場合とか、配線の両端に電源が接続されている電位供給配線などの両側駆動の配線が他の片側駆動配線と混在して配線部を構成している場合などには、欠陥に対する修正手法の選択肢が極端に増大し、これに伴って適切な修正手法を選びとることも困難となる。
【0007】
このようにフラットパネルディスプレイのパネル製造においては、欠陥の発生態様とこれに対する修正手法(修正手順)の選択肢が著しく増加している。1つの欠陥の修正を行うために複数箇所にレーザ光照射を行う必要性が生じると、レーザ光照射条件(レーザ加工パラメータ)の設定に手間と時間がかかり作業効率が悪化する。
【0008】
しかして、パネル製造ラインの欠陥修正工程では、作業者がその場で欠陥を確認して、欠陥修正手法を決定し、レーザリペア等の欠陥修正作業を行うため、タクトタイムがかかりすぎ、欠陥修正工程の作業速度がライン全体の量産速度に追いついていない問題がある。
【0009】
多くのパネル製造工場では、複数台の欠陥修正装置(レーザリペア機)を購入し、各欠陥修正装置を担当する作業者を増員することで、このような問題を回避している。
【0010】
しかしながら、このような回避方法を採用した場合、欠陥修正装置や作業者数の著しい増加により、装置コストや作業者の工数費が膨らみ、利益が著しく低下するという深刻な問題が発生する。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、欠陥修正工程の作業効率を向上させ、タクトタイムの短縮と作業者の工数費の削減を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の配線パターン及びその周辺回路が形成された配線基板内の欠陥を検査し、検出された欠陥をレーザ光を用いて修正する際、配線基板を繰り返しパターンが形成された第1の範囲と、前記配線パターンが形成されていない第2の範囲と、配線パターンと独自パターンが混在して形成された第3の範囲とに分類し、各々の範囲に応じた欠陥修正手法を予めデータベースに登録しておく。そして、配線基板の検査対象箇所を撮影した欠陥画像と、欠陥のない参照画像とを照合して欠陥を検出し、その検出された欠陥の配線基板内における位置に基づいて、データベースから欠陥修正手法を読み出して選定し、その選定された欠陥修正手法に基づき欠陥の修正を実行することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、基板上に形成されたTFT基板等の配線基板内における欠陥修正対象領域を、欠陥修正方法別に複数の区域に設定することで、検出された配線基板に対する座標から登録済みの適切な欠陥修正手法を選択、実行することができる。このように、配線基板内で特徴的な区域を指定し、それぞれに最適な欠陥修正方法を設定することにより、欠陥修正装置が欠陥座標の存在する範囲に応じて予め登録された最適な欠陥修正手法を自動で選択し、実行できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の欠陥修正装置及び欠陥修正方法によれば、欠陥修正装置が欠陥座標の存在する範囲に応じて最適な欠陥修正手法を自動で選択し、実行できるので、欠陥修正工程の作業効率が向上し、タクトタイムの短縮と作業者の工数費の削減が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態例について、図1〜図19を参照しながら説明する。
本実施形態では、目的とする配線基板がディスプレイ装置を構成する場合について、つまり配線基板を構成する多数の配線部をディスプレイ装置の画素に対応して2次元マトリクス状に多数形成するとともに、これと周辺回路を配線により結線する場合について、説明を行う。
【0016】
図1は、本発明のディスプレイ装置が適用されたフラットパネルディスプレイの製造過程における基板の一実施の形態の例を示すものである。
この例では、共通の基板3に4台分のフラットパネルディスプレイの配線基板1が形成されている。配線基板1は、後述する繰り返しパターンを有するエリア(繰り返しパターン区域53、図5参照)、配線52を介して繰り返しパターンから外部へ接続する周辺回路51のエリア(周辺回路区域57、図16参照)、繰り返しパターン区域53と周辺回路区域57の境となるエリア(最外周区域54、図14参照)に分けられる。繰り返しパターン区域53と最外周区域54は、配線部2の繰り返しにより構成される。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る配線基板の製造工程のフローチャートである。このフローチャートは、配線パターン形成工程から、欠陥検査工程を経て、欠陥修正工程までの流れを示している。
本実施形態においては、まず、基板3上に、走査配線と、層間絶縁膜と、信号配線及び電位供給配線とを、目的とする配線部2の主要構成として積層形成することによって、配線部形成工程を実施する(ステップS1,S2,S3)。また、周辺回路51及び配線52を形成し、周辺回路51と最外周区域の配線部2を接続する。この周辺回路51と配線52の形成工程は、上記ステップS1〜S3における走査配線、層間絶縁膜、信号配線及び電位供給線を形成する工程の前後いずれでもよい。
【0018】
続いて、最終的な配線基板1を構成する共通の基板3に対し、多数の配線部2を光学的に観察して欠陥配線部2aを検出する光学検査工程を実施する(ステップS4)。欠陥配線部2aの基板3における欠陥位置情報が欠陥修正装置のコンピュータ等の制御部に送られる。この光学検査工程においては、欠陥配線部2aを含む画像(欠陥画像)から、欠陥配線部2aの存在のみならず、欠陥(パターン欠陥、異物など)及びその位置をはじめとする所謂パターン欠陥分類情報のほか、欠陥のサイズや種類(材料や状態など)等の特徴をも特定する。
【0019】
そして、欠陥修正工程では、欠陥修正装置が自動的に上記欠陥位置情報を読み込むことにより、欠陥修正装置のステージが制御されて欠陥位置に移動し、観察系で欠陥を確認し、レーザ照射等を行うことにより欠陥を修正する。
【0020】
後述するように、予めデータベースに蓄積された、又は過去に実施された欠陥修正手法を含む欠陥修正手法(テンプレート)を、光学検査工程で検出された欠陥と、目的とする所定の配線部2を構成する複数の領域との位置関係に対応して選択的に読み出して(ステップS5)、選択された適切な欠陥修正手法によって、欠陥配線部2aを修正し(ステップS6)、配線基板1の製造を完了する。
【0021】
本発明では、予め登録されている、又は過去の欠陥修正手法(欠陥修正手順)のデータファイル(テンプレート)を呼び出せるようにしたことで欠陥修正工程を大幅に効率化できる。さらに、欠陥の位置、サイズ、種類等を検出して、適切な修正データが選択されることで欠陥の修正工程の自動化が可能となるものである。
【0022】
図3に、配線基板に対する欠陥修正工程を実行する欠陥修正装置の一例の構成図を示す。
本実施形態に係る欠陥修正装置200は、レーザ光照射により短絡箇所を切断する装置、所謂レーザリペア装置の例であるが、レーザCVD法などの配線の結線処理を行える装置に適用することも可能であり、本例の構成に限られるものではない。
【0023】
図3において、欠陥修正装置200は、予め欠陥検査装置300によって行われた欠陥検査の結果として、基板3上の欠陥の位置情報を、欠陥修正装置200内にある全体制御部(以下、「制御部」という。)202により受け取ることができる。この制御部202はパーソナルコンピュータ等のコンピュータ(演算処理装置)であり、画像解析及び修正方法生成部201とともに修正方法生成手段を構成する。
【0024】
制御部202ではステージ制御部207にコマンドを送り、基板3が搭載されたXYステージ205を動かし、欠陥検査装置300で検出された欠陥箇所が対物レンズ208の真下になるように調整する。次にフォーカスステージ210を動かして対物レンズ208と基板3の間隔を調整し、撮像装置217で光学レンズ214gを透過した光の合焦点画像が撮像できるようにする。なお、ここではハーフミラー215a,215b、光学レンズ214a、及びランプ209による落射照明により、適切な明るさを持つ画像が得られるようにしている。撮像された欠陥箇所が含まれる画像(欠陥画像)は、欠陥画像メモリ218に一旦保存される。
【0025】
次に、制御部202はステージ制御部207にコマンドを送ってXYステージ205を動かし、欠陥箇所の隣接画素もしくは当該欠陥箇所から繰り返しとなるパターン数個分、即ち全く同じ画素パターンとなる位置まで移動した位置が対物レンズ208の真下になるようにして、欠陥の無い画像(参照画像)を撮像し、参照画像メモリ219に保存する。ここでいう画素は、図1に示した配線部2に相当するものである。
【0026】
欠陥抽出部(欠陥検出部)220は、欠陥画像メモリ218に保存された欠陥画像と、参照画像メモリ219に保存された参照画像とを位置合わせした後に差画像を生成することで、欠陥部位の画像を抽出し、抽出した欠陥部位の画像を詳細位置情報抽出部221及び特徴抽出部222に出力する。
【0027】
詳細位置情報抽出部221は、抽出された欠陥の基板3上における正確な位置をXYステージ205の現在位置及び欠陥画像から算出し、その情報を領域判定部224と修正方法生成部226に送る。
【0028】
領域判定部224は、欠陥の正確な位置と正規画素パターンメモリ223に保存されている正規画素パターン情報を基に、欠陥が正規画素パターンのどの領域に属するかを示す領域情報を出力する機能を備える。正規画素パターンメモリ223は記憶手段の一例であり、また正規画素パターンは欠陥の無い単位画素もしくは配線部(図6参照)であって、正規画素パターンメモリ223は正規画素の配線パターンを複数の領域に区分して記憶している。
この領域判定部224は、詳細位置情報抽出部221及び正規画素パターンメモリ223とともに欠陥情報抽出手段として機能する。
【0029】
また、特徴抽出部222は欠陥抽出部220で抽出された欠陥の形態及び種類を特定するための情報である欠陥の色、大きさ、コントラスト、形状等の各種特徴情報を数値化して修正方法生成部226へ出力する。
【0030】
修正方法生成部226は、詳細位置情報221、領域判定部224及び特徴抽出部222から得られる詳細位置情報、特徴情報、領域情報から、修正機構部204の各ユニットをどのように動作させるかを規定するための適切な欠陥修正情報(リペアレシピ情報)を修正手法データベース225から読み出す。
具体的には、例えば欠陥位置情報抽出部221からの詳細位置情報に基づいて、欠陥箇所が後述する複数のエリア(区域)に区分けされた配線基板のどの区域に存在するかを判定し、各区域に適した欠陥修正処理が実施されるような制御を実行する。この欠陥修正処理については、後に区域毎に詳細に説明する。
【0031】
さらに他の機能として、検出された欠陥が後述する複数の領域に分類された繰り返しパターン(配線基板)のどの領域に存在するかを示す領域情報と欠陥修正手法に紐つけられた領域情報が一致する欠陥修正手法(テンプレート)の中から、さらに詳細位置情報、特徴情報などに基づいてより優先度の高い欠陥修正手法を修正手法データベース225から読み出す(例えば、図13参照)。
【0032】
制御部202は修正方法生成部226によって生成された欠陥修正情報に基づく修正手法(テンプレート)を、欠陥画像と重ね合わせてディスプレイ(表示装置)227に表示する。なお、制御部202は、状況に応じて位置や特徴等の欠陥情報に基づき欠陥修正情報のリペアオブジェクトの一部を補正することができる。また、一つの欠陥修正情報には複数の修正手法が含まれることもある。
【0033】
作業員はディスプレイ227に表示された修正手法を見て問題があると判断すれば、例えばキーボートやマウス等の入力装置(入力部)228を操作して別の修正手法を選択することもできるし、修正手法(欠陥修正情報)の一部又は全部を変更することもできる。更に修正方法生成部226にて修正手法データベース225から複数の欠陥修正手法が読み出された場合、その複数の欠陥修正手法をディスプレイ227に表示して作業員に選択を促し、作業員が入力装置228を操作して選択した欠陥修正手法に従い、欠陥修正を行う。
【0034】
制御部202は、入力装置228から入力された操作信号を受信すると、欠陥修正手法の選択や変更の履歴を、修正手法データベース225に記録する。修正手法データベース225に蓄積された修正手法は、次回以降の欠陥修正に利用される。
【0035】
最終的に欠陥修正手法が決定されれば、その欠陥修正手法に従って制御部202は、修正機構部制御部216にコマンドを送り、修正機構部204内の各ユニットを動作させ、欠陥の修正を行う。修正機構部204は、レーザ光源213から照射されたレーザビームを光学レンズ214b,214cにて補正した後に、可変スリット212を通過させることにより、照射サイズ、角度を変更できるようにしてある。
【0036】
可変スリット212は、例えば、XY−θスリットと呼ばれるもので、長方形のX、Y方向の開口長と、回転角θが変更できるスリットであり、修正機構制御部216からの駆動信号により駆動できるものとする。
【0037】
可変スリット212によって照射形状を整形されたレーザビームは、光学レンズ214dを通り、ガルバノミラー211a,211bで反射される。ガルバノミラー211a,211bは、2次元に角度可変なミラーであり、修正機構制御部216の制御に従って駆動することで、XYステージ205を動かさずに、対物レンズ208の視野範囲内でレーザビームの光軸、すなわち照射位置を動かすことができる。
【0038】
このような可変スリット212、ガルバノミラー211a,211bを備える欠陥修正装置200は、欠陥に対し十分な位置精度を持ってレーザビームを照射できるため、精度よくパターン欠陥の修正が可能となる。
【0039】
そして、ガルバノミラー211a,211bで反射されたレーザビームは、各種光学レンズ214e,214fを透過し、ハーフミラー215aで反射後に、対物レンズ208を介して、基板3に照射される。
【0040】
上記欠陥検査装置300は、欠陥を探索する方法として光学式検査機を使えるため、導通状態が正常であるパターン欠陥に対しての修正が可能となる。
【0041】
本実施形態の欠陥修正装置は、過去の修正データ(欠陥修正手法)を呼び出せることで修正工程を大幅に効率化できる。さらに、欠陥位置に見合った、すなわち欠陥が配線基板内で所属する区域に見合った適切な欠陥修正手法が選択されることで、欠陥の修正工程の自動化が可能となる。例えば、修正方法生成部226によって生成された欠陥修正手法の中の最も優先度の高い修正方法を常に自動で選択、実行することにより、作業員なしに完全自動で欠陥修正することも可能である。
【0042】
次に、欠陥修正装置200により行われる欠陥修正方法について説明する。
図4は、図1に示した欠陥修正工程(ステップS5,S6)で行われる処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、配線基板1における欠陥が存在するエリアを特定し、各エリアに最適な欠陥修正手法を選定するための一連の処理である。
【0043】
図4において、まず、欠陥修正装置200は欠陥検査装置300から欠陥情報を入手する(ステップS11)。領域判定部226は検出された欠陥の座標が欠陥修正処理が可能な領域であるリペア対象領域57(図17A参照)内かどうかを判断する(ステップS12)。ここで欠陥座標がリペア対象領域57内である場合、続いて欠陥座標が画素エリア内(繰り返しパターン区域53又は最外周区域54)であるかどうかを判断する(ステップS13)。ここで欠陥座標が画素エリア内である場合、さらに欠陥座標が最外周区域54であるか否かを判断する(ステップS14)。
【0044】
ステップS14の判断処理において、欠陥座標が最外周区域54に存在しない、すなわち繰り返しパターン区域53に存在すると判断した場合、修正方法生成部226は繰り返しパターン区域53に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する(ステップS15)。
【0045】
一方、ステップS14の判断処理において、欠陥座標が最外周区域54に存在すると判断した場合、修正方法生成部226は最外周区域54に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する(ステップS21)。
【0046】
また、ステップS13の判断処理において、欠陥座標が画素エリア内に存在しないと判断した場合、修正方法生成部226は周辺回路区域55(図16参照)に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する(ステップS20)。
【0047】
ステップS15,ステップS21,ステップS20においてそれぞれに最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用後、それぞれ欠陥修正を実行する(ステップS16)。
【0048】
そして、各区域ごとに欠陥修正処理を実施後、欠陥修正未処理の欠陥が基板3に存在するかどうかを判断する(ステップS17)。ここで未処理の欠陥が存在する場合には、ステップS11に戻って欠陥情報入力処理を実施する。未処理の欠陥が存在しない場合は、欠陥修正工程を終了し、次の工程へ移行する(ステップS18)。
【0049】
ところで、上記ステップS12において、欠陥座標がリペア対象領域57内に存在しない場合、リペア対象領域外での処理を適用する(ステップS19)。すなわち、欠陥修正処理を行うことなくステップS17へ移行し、未処理の欠陥の有無に応じた処理を実行する。
【0050】
上述の一連の欠陥修正処理を、基板3に形成された各々の配線基板1に検出された欠陥配線部2aについて実施する。
【0051】
ここで、図4に示した欠陥修正工程のステップS15における、繰り返しパターン区域53に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する処理について、具体的に説明する。
【0052】
図5は、複数の配線パターン(配線部2)が基板3上に形成されてなる繰り返しパターン区域53を示すものである。繰り返しパターン区域53は、配線部2が繰り返し形成された領域のうちの最外周区域を除いた部分である。
【0053】
繰り返しパターン区域53の検査対象とする配線部2(単位画素)の概略構成を、図6Aに示す。
この配線部2は、基板3上に走査配線(破線図示)4が設けられ、この走査配線4上に、層間絶縁膜5を介して、信号配線6,電流供給配線7,グラウンド電極8が、走査配線4とは直交する方向に主として延在して配置されている。
信号配線6は、グラウンド電極8に連結されたキャパシタ(容量素子)12に対し、第1TFT素子7のゲートを介して対向する構成とされ、更にキャパシタ12は、電流供給配線7がソースとなる第2のTFT素子10のゲートとして設けられている。電流供給配線7に対して第2のTFT素子10を介して対抗する配線は、発光部となる有機EL素子(図示せず)のアノード電極11に連結されている。
【0054】
この配線部2における動作は、走査配線4をa1、信号配線6をb1、電位供給配線7をb2、グラウンド配線8をb3、第1及び第2のTFT素子9及び10をTr1及びTr2、アノード電極11を有する発光部をEL、キャパシタ12をcとすると、図6Bに示す等価回路図に沿ってなされる。
すなわち、電位供給配線b2には常時電流が供給されており、走査配線a1に走査パルスが印加されかつ信号配線b1に所要の信号が供給されると、第1のTFT素子Tr1がオン状態になり、キャパシタcに所要の信号が書き込まれる。この書き込まれた信号に基づいて第2のTFT素子Tr2がオン状態になり、信号量に応じた電流が電位供給配線b2を通して発光部ELに供給され、発光部ELにおける発光表示がなされる。
【0055】
図7は、図6に示した配線部2(単位画素)を基板上に複数形成した例(繰り返しパターン例)を示したものである。
本実施形態に係る配線基板の欠陥修正手法においては、配線部を複数の領域(本例では4つ)に区分し、当該配線部を構成する有限数の領域のうちのどの領域で欠陥が生じているかに応じて、つまり光学検査工程で検出された欠陥の位置に応じて、前述した欠陥修正工程で修正手法データベース225から読み出す欠陥配線部2aの修正手法(リペアレシピ)を大別する。
なお以降の説明において、配線部(単位画素)上の欠陥が存在する領域を特に欠陥領域ともいう。
【0056】
図8に欠陥配線部2aの一例の構成を示すように、この例では単位画素を以下の4つの領域に分割する。
第1領域14:配線部分(走査線あり)
第2領域15:配線部分(走査線なし)
第3領域16:TFT素子部(走査線あり)
第4領域17:キャパシタ及びTFT素子部(走査線なし)
【0057】
第1領域14及び第2領域15には熱拡散によって変質する部材が存在しないことから、例えば異物などによる短絡箇所にレーザ光を直接照射して完全修正を行うことが可能な領域である。但し、第1領域14は直下に走査配線4が存在するため、その直上ではレーザ光照射時に注意を要する領域であり、第2領域15は下層に走査配線が存在しないため、例えばより高いエネルギーでレーザ光の照射を行うことが可能な領域となる。
これに対し、第3領域16及び第4領域17は、TFT素子ややキャパシタなどの部材が存在する領域であり、これらに新たな欠陥や変質が生じたりすると、完全修復が難しい領域である。更に、第3領域16では下層に走査配線が存在するため、この第3領域16は、可能な限り直接的な修正加工を避け、やむを得ない場合にも低いエネルギーでレーザ光照射を行うなどの配慮が必要となる、更に難しい領域となる。
このように、それぞれの領域によって適宜適切な修正手法を用いて欠陥修正を行う必要がある。
【0058】
本実施形態に係る欠陥修正工程においては、少なくとも光学検査工程に先立って、前述した本来の等価回路に基づいて欠陥の無い配線部2を有限数の領域に分類することによって、欠陥配線部2aに対しても光学検査工程において、図8に示すように、第1領域14〜第4領域17の中のどの領域に欠陥20が生じているかを判定することが可能となる。
なお、このように配線部2を有限数の領域に分類することは、予めデータベースに欠陥修正手法を蓄積(記録)する最初の段階で、つまり配線部形成工程に先立って行うことが、生産における垂直立ち上げ(迅速な量産化)などを可能とする上で、より好ましいと考えられる。
【0059】
次に、配線部2を第1領域14〜第4領域17に分類した後、画像座標系と、正確な欠陥修正手法を自動選択するのに必要となる欠陥サイズや欠陥種類の情報とを基に、図9に示すように、A1,B1,C1・・・と更に細分化する。
【0060】
本実施形態に係る配線基板の製造工程では、光学検査工程において欠陥の有無のみならずその位置やサイズ及び種類を特定するものであるが、欠陥の位置を特定する具体的な手段としては、図10に示すように、単位画素に対応する配線部の一角(例えば左上)を座標原点(0,0)とし、XY座標系にある欠陥20aの座標系情報を(x1,y1)として特定する手法が挙げられる。また、欠陥のサイズや種類を特定する具体的な手法としては、欠陥部における反射率や明暗等の物理的特性の、所定の構成における場合との差を検出する手法が挙げられる。
【0061】
また、前述した第1領域14〜第2領域17について領域毎の欠陥情報を検出し、当該検出した欠陥を識別するためには、欠陥画像からどの領域(領域)に欠陥があるか、すなわち欠陥領域を認識する必要がある。
そのため、予め図11に示すような一画素分の領域登録情報を修正手法データベース225に用意し、各領域の画像を個別に作成する。そして、欠陥画像21の各領域とのパターンマッチング(照合)を行い、欠陥20bの位置を算出する。その際、登録領域情報とパターンマッチングを行う欠陥画像21の領域は、例えば図11の例の第1領域14のように、欠陥が無い箇所でかつ完全に一致する領域とする。欠陥画像21における欠陥の存在する領域(第4領域17)を、マッチングされた領域(第1領域14)との相対位置から算出することにより、欠陥20bによるパターンマッチングの誤差や欠陥20bのある領域に位置ずれや欠損等がある場合でも、正しい欠陥領域の取得が可能となる。
なお、領域取得の精度を上げる手法として、欠陥画像21と近接する配線部を撮像した画像(もしくは隣接する配線部の画像)を用いて先の登録領域情報の領域毎にパターンマッチングを行うことも挙げられる。
【0062】
また、図12に示すように、欠陥20cが登録領域情報の複数、例えば2つの近接領域に跨って存在する場合、欠陥20cの中心部が含まれる第4領域17を主領域(メイン領域)、それ以外の中心部は含まれないが欠陥20cが存在する第2領域を副領域(サブ領域)と定義する。このように主領域とそれ以外の副領域を定義することで欠陥20cの種類やリペア方法をより詳細なものとして定義できる。
【0063】
さらに、副領域は同一画素(同一配線部)内に存在するものの他に、近接画素(近接配線部)に跨って存在する場合がある。その場合、基準画素(基準配線部)と近接画素(近接配線部)からなる補足領域情報を定義する。具体的には、欠陥の中心部が含まれる画素を基準画素(基準配線部)、欠陥のそれ以外の部分が含まれる画素を近接画素(近接配線部)とする。この近接画素において、基準画素の第1領域〜第4領域に相当する第5領域〜第8領域を設定する。そして、欠陥の中心部が含まれる基準画素(基準配線部)に主領域、及び欠陥のそれ以外の部分が含まれる近接画素(近接配線部)に副領域を定義する。このように、基準画素(基準配線部)と、その基準画素の上下左右に近接画素(近接配線部)の領域を拡張して定義する。基準画素は欠陥が存在する主領域の位置によって左右、あるいは上下に切り替えて表示することができる。
【0064】
また、拡張する領域は、上記のように一画素分をそのまま拡張する他に、欠陥の大きさやリペア箇所によって必要な領域だけ拡張することで、リペア対象の欠陥に係る情報として登録する領域情報を最小限に抑えて参照することができる。つまりある欠陥に係る情報として登録する領域の数を任意に変更することができる。
【0065】
次に、欠陥修正手法を視認可能な形式で表したテンプレート(「リペアレシピ情報」ともいう。)について説明する。
図13に、本実施形態の欠陥修正処理の一例を示す。配線部(繰り返しパターン)内においては、どの条件(欠陥の位置、大きさ、形状、種類等)の欠陥に対してどのような欠陥修正手法を用いるかという情報をテンプレートとして修正手法データベース225に登録しておき、欠陥位置と繰り返しパターンの基準座標を入力することで、修正手法データベース225から最適な欠陥修正情報を持つテンプレートを検索し、検索したテンプレートを欠陥画像に重ね合わせて最適な欠陥修正手法を適用する方法などが有効である。
なお、最適なテンプレートを選択する際に、上記情報に加えて、既述した欠陥箇所が配線パターン(配線部)のどの領域に属するかを示す領域情報を参照するようにしてもよい。
【0066】
欠陥修正手法を表すテンプレートは、欠陥を模した欠陥オブジェクトと、配線部上における欠陥オブジェクトの位置及びその特徴に応じて修正処置が施される部分を示したリペアオブジェクトとを含むデータファイルである。例えば欠陥オブジェクトは、当該欠陥オブジェクトの位置や属する領域、規模、形状、当該欠陥オブジェクトが位置する回路等を表示したものである。またリペアオブジェクトは、その欠陥に対応するレーザ照射の位置、出力等を表示したものである。
【0067】
なお、配線パターンを複数の領域に分割して欠陥修正を実施する場合、欠陥修正情報が蓄積される修正手法データベース225の仕様及び欠陥修正手法の表示方法は、欠陥領域と欠陥の位置、大きさ等によりその表示内容が異なってくるので、その条件毎に欠陥修正情報を登録する手法をとる。
【0068】
具体的には、過去の例から欠陥修正情報の「レシピ名(もしくはレシピ番号)」、欠陥の存在する領域を示す「領域番号」、副領域があれば「副領域番号」、配線基板1上の基準画素の位置を示す「基準画素番号」、その基準画素の上下、左右の近接画素の有無とその位置を示す「近接画素番号」、並びにレシピ登録される欠陥や欠陥修正手法を表すリペアオブジェクトの「オブジェクト数」をレシピヘッダ情報としてまず登録する。
なお、「欠陥情報」は、外部のADC(欠陥自動分類装置)による欠陥の分類結果等の欠陥情報である。
【0069】
次に、ヘッダ情報に登録されたオブジェクト数だけ欠陥オブジェクト(もしくはリペアオブジェクト)をオブジェクト情報として登録する。オブジェクト情報はレシピヘッダとの照合のための「レシピ名(もしくはレシピ番号)」、配線部内のオブジェクトの位置を示す「座標」、「オブジェクトの形状」、「角度」、「位置補正情報」が基本情報として登録される。これらの登録は欠陥オブジェクト及びリペアオブジェクトの双方について行われる。
なお「補正情報」は、実際の欠陥画像の欠陥位置との比較による位置補正のための情報である。また、「角度」とは、XYステージ205上における欠陥の正規の位置からの回転角度である。
【0070】
図13の例においては、欠陥オブジェクト32、それに対するリペアオブジェクト33a,33bをそれぞれ登録する。欠陥オブジェクト32は第2領域15と第4領域17に架かるので、領域番号として第2領域が、副領域として第4領域の情報が登録される。
【0071】
またオブジェクト情報においては、基準画素に予め原点(図10参照)を設けておき、その原点からの相対座標と角度でオブジェクト位置情報を登録する。データベースからリペアレシピ情報を読み込み、欠陥画像に重ね合わせて欠陥修正情報を表示装置に表示することより、作業員が視認可能となり欠陥修正手法の内容を確認できる。
【0072】
また欠陥の特徴を示すデータをヘッダ情報もしくは欠陥オブジェクト情報の欠陥情報に、ADC(欠陥自動分類装置)での分類結果等を保持しておくことで、欠陥の特徴から自動リペアレシピ検出も行うことが可能となる。
【0073】
データベースに登録された欠陥修正情報を実際の欠陥画像に自動的に反映させる具体的な方法として、以下のようなものが挙げられる。
【0074】
第1に、欠陥画像の欠陥位置の領域を検出し、その欠陥領域をヘッダ情報に有する欠陥修正情報を欠陥修正処理の候補とする方法である。
【0075】
第2に、上記第1の方法に加えて、更に副領域が一致するヘッダ情報を有する欠陥修正情報を候補とする方法である。これは、欠陥が複数の領域に架かる場合に適用される。
【0076】
第3に、上記第1の方法に加えて、欠陥修正情報に登録されている欠陥位置情報(座標系)と欠陥の位置が一致する欠陥修正情報を候補とする方法である。
【0077】
第4に、上記第1の方法に加えて、欠陥修正情報に登録されているADC等の欠陥分類情報など欠陥の特徴が一致する欠陥修正情報を候補とする方法である。
【0078】
これらの諸条件について、基板3の特性を考慮して組み合わせ優先順位付けを行い、欠陥修正情報すなわち欠陥修正手法候補を選出する。選出された欠陥修正情報はリペアオブジェクトのみ欠陥画像に重ね合わせ表示する。
【0079】
ここで、修正手法データベース225に登録された欠陥修正情報(テンプレート)を実際の欠陥画像に自動的に反映させる処理について、図13を参照してより具体的に説明する。
【0080】
図13において、欠陥画像34の欠陥20fは、配線部分の短絡欠陥の例であり、走査線なしの領域(第2領域15)に存在する。まず詳細位置情報抽出部221において、繰り返しパターンの基準座標からの相対位置を計算する。そして、修正方法生成部226において、欠陥画像34の欠陥20fの条件に見合った登録テンプレートを修正手法データベース225から読み出す。
【0081】
この例では、第2領域15又は隣接する第4領域17も含む領域において考えられる欠陥位置に応じた欠陥修正手法として、例えばテンプレート1〜テンプレート3が修正手法データベース225に登録されているとする。修正方法生成部226は、この欠陥位置により、つまり欠陥と有限数領域との位置関係に基づいて、テンプレート1〜テンプレート3の中から欠陥20fの修正に最も適した修正手法を選択する。
【0082】
テンプレート1の欠陥オブジェクト32aは、欠陥画像34の欠陥20fと画素座標系が略同じであり、グラウンド電極8と信号配線6が短絡している欠陥である。テンプレート2の欠陥オブジェクト32bは、第4領域17にかかっており欠陥画像34の欠陥20fと画素座標系が異なる。また、テンプレート3の欠陥オブジェクト32cは、画素座標系は略一致するものの欠陥サイズが大きく、電流供給配線7a,グラウンド電極8,信号配線6が短絡しているため、やはり異なる。
【0083】
したがって、修正方法生成部226は、欠陥オブジェクト32aの画素座標系の一致及び欠陥サイズの一致による、テンプレート1に表示された欠陥修正手法が最適であると判断し、修正手法データベース225から読み出して制御部202へ出力する。そして、制御部202へ読み出されたテンプレート1が、ディスプレイ227に表示される。このとき、当該テンプレート1対して配線パターンの基準座標を原点とする座標変換を行い、欠陥画像34にリペアオブジェクト33cを重ね合わせる(図示略)。
【0084】
テンプレート1のリペアオブジェクト33cは、欠陥32aによるグラウンド電極8と信号配線6の短絡部分を切断する処理を示している。すなわち、グラウンド電極8と信号配線6を短絡している欠陥20fに対応する欠陥オブジェクト32aが表示されている部分にレーザ光を照射して欠陥20fを切断し、完全修正を行う。
【0085】
なお、テンプレート2は、信号配線6の上部及び下部のリペアオブジェクト33d,33eをレーザ光照射により切断する処理を示す。信号配線6を一部、リペアオブジェクト33d,33e間で切断しても、図6Bの等価回路に示すように、信号配線6(b1)と第1のTFT素子9(Tr1)の接続が維持されるため、最終的に得るディスプレイ装置全体の非点灯や所謂滅線の発生を回避することができる。また、テンプレート3のリペアオブジェクト33f,33gは、それぞれ欠陥32cによる電流供給配線7a,グラウンド電極8,信号配線6の短絡部分を切断する処理を示す。
【0086】
本実施形態の繰り返しパターン区域における欠陥修正方法によれば、欠陥箇所の繰り返しパターン(配線部)内における位置に基づいて、最適なテンプレートを選択することができる。特に、繰り返しパターン内の配線などに関する情報をも、分類された有限数の領域と欠陥に対応づけて(紐つけて)記録したデータベースを構築することにより、位置関係に対応して選択される欠陥修正手法の読み込みによって欠陥修正工程を自動化することができ、人為的に区別を行う煩雑さを回避することが可能となる。
【0087】
なお、欠陥修正データベース225からの修正手順読み出しの際に、テンプレート1〜3の中に該当する欠陥修正手法がない場合は、最も優先度の高い、例えば使用頻度の高い欠陥修正手法のテンプレートあるいは修正難易度が低い欠陥修正手法のテンプレートなどが自動的に選択され、ディスプレイ227に表示される。そして、表示されたテンプレートによる修正手法を自動的に実行するか、もしくは作業員が目視確認した後に実行する。
【0088】
また、対象となる欠陥に対して、適した加工設定ファイル(テンプレート)が無い場合は、作業員が入力装置28を操作してマニュアルでレーザ加工条件を設定することが可能であり、更に修正手法データベース227にその設定ファイルを追加することもできる。
【0089】
また、欠陥が複数の配線部に跨って存在する場合には、欠陥の基準画素に係る主領域及び近接画素に係る副領域と、データベースに蓄積されている欠陥修正手法に紐つけられた主領域及び副領域とが一致する欠陥修正手法を、データベースから優先的に読み出して表示するようにすることで、最適な欠陥修正処理が実施できる。
【0090】
なお、上述した実施形態では、繰り返しパターン(配線部)を第1領域〜第4領域の4つの領域に分類したが、この例に限るものではなく、例えば繰り返しパターンを分類せず、欠陥位置と繰り返しパターンの基準座標に基づいて適切なテンプレートを選定してもよい。
【0091】
次に、図4に示した欠陥修正工程のステップS21における、最外周区域54に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する処理について、具体的に説明する。
【0092】
図14は、配線基板1の最外周区域54を示すものである。図14に示すように、最外周区域54は、配線パターン(配線部)が繰り返し形成された領域(画素エリア)のうちの上下左右の端部である。
【0093】
最外周区域54の上部において繰り返し形成された配線パターン(配線部)の例を、図15に示す。最外周区域54においては、配線パターン(配線部2)を構成するグラウンド電極8、電位供給配線7及び信号配線6の上部の配線部(破線囲い部)が長く、他の繰り返しパターン区域53のものと比べて長さが異なる。繰り返しパターン区域53の繰り返しパターンと全く同じ形状であれば問題ないが、このように最外周区域54の配線部は、周辺回路51に繋がる配線部分の長さが他の繰り返しパターンと異なったり、一部特殊な形状をすることがあり、その形状は上下左右、さらに四隅で異なったりする。
【0094】
そのため、繰り返しパターン(配線部)と共通して使えるテンプレートと、使えないテンプレートが混在し、欠陥修正を行っても正しく修正できないことがある。さらには、誤ったテンプレートを用いた欠陥修正処理を実施することにより新たな欠陥を作り出す可能性が出てくる。この問題を回避する方法として、最外周区域54の欠陥修正については繰り返しパターン区域53とは別に専用のテンプレートを作成して適用する、あるいは、随時欠陥修正情報を設定して欠陥修正を行うようにする。さらに、欠陥の条件によっては、例えば配線基板1の品質に影響がなければ、欠陥修正処理を行わない(スキップ)という選択肢もある。
【0095】
次に、図4の欠陥修正工程のステップS20における、周辺回路区域55に最適な欠陥修正手法、もしくは参照画像取得方法を適用する処理について、具体的に説明する。
【0096】
図16は、配線基板1の周辺回路区域55を示すものである。図16に示すように、周辺回路区域55は、周辺回路51と配線部52から構成され、繰り返しパターン区域53の周辺に位置する。
周辺回路区域55は、周辺回路51の領域と、繰り返しパターン区域53と周辺回路51に繋がる配線2を含む領域とで成り立っており、繰り返しパターン区域53のテンプレートは全く適用できない。周辺回路51はある特定のパターンの繰り返しからなり、所定の欠陥修正手法が特定できるのであれば繰り返しパターン部分と同様にテンプレートの登録手法が有効であるが、上下左右で全く対称とは限らないため、使用箇所に合わせた周辺回路個別のテンプレートを作成及び登録する必要がある。さらに配線52は配線基板1の中心から放射線状に延在しており、かつ上下左右で非対称の場合があるため、テンプレートを登録、適用させるのは現実的ではない場合が多い。
【0097】
このように欠陥修正手法の事前登録による自動修正(テンプレート方式)が適用できず、繰り返しパターンが無いなど登録した区域の欠陥修正手法が不明な場合、画像から欠陥の情報を取得するには、欠陥画像を欠陥がない状態で撮影された参照画像と比較し、欠陥の位置と形状等の条件を求めて随時欠陥修正手法を設定することで実現できる。
【0098】
上述したように、欠陥修正手法(テンプレート)を決定するにあたり、欠陥が配線基板1内のどの区域に存在するかという情報は重要である。図17A,Bに、配線基板1内のそれぞれの区域を示す。図17Aにおいて、画素エリアの大部分を占める繰り返しパターン区域53の外周部分に最外周区域54があり、その外側に周辺回路区域55が区分されている。なお、本実施形態では、周辺回路51よりも外側の領域は欠陥修正処理の対象外としている。
【0099】
図17Bにおいて、配線基板1の原点(基準座標)56、もしくは基板3の原点(基準座標)58(図18参照)が指定されるとき、リペア対象領域57内に設定されているいずれかの原点からの距離、もしくは座標を指定すれば配線基板1内の各区域の座標が決定される。図17Bにおいて、FrameSizeは配線基板1の原点56を基準とした周辺回路区域55の寸法、OuterPitchは配線基板1の原点56を基準とした最外周区域54の寸法、PanelSizeは画素パターン区域(配線部2の繰り返しからなる区域)の寸法である。繰り返しパターン区域53は、画素パターン区域から最外周区域54を除くことにより求められる。
【0100】
図17Bに示すような配線基板の様式が明示され入力装置226を操作して各区域の範囲を変更できる設定画面、又は各区域の寸法を入力する入力欄を設けた設定画面などをディスプレイ227に表示し、予め作業員が入力装置228を操作して設定画面上の各寸法を指定することで、制御部202を介して修正手法データベース225等の記憶手段に記憶させる。このようにすると、それぞれの区域を視覚的に登録、編集することができる。
【0101】
ところで、欠陥画像と比較検討するための参照画像の取得方法は上に示した各区域によって異なってくる。
繰り返しパターン区域53に関しては、撮像装置217の撮影対象の位置を繰り返しパターン(配線部2)のサイズ分、近接する領域にシフト(移動)させて参照画像を取得すればよい。
また、最外周区域54に関しては、シフトさせる方向を上下端では横方向、左右端では縦方向に繰り返しパターン(配線部)のサイズ分、近接する領域にシフト(移動)させることで、繰り返しパターン区域53と一部(配線の長さ等)形状の異なる画像であっても参照画像が取得できる。ただし、最外周区域53の四隅の位置、及び周辺回路51では近接する配線2や対角上にある配線2が対象画像と同一の配線になるとは限らないため、別の配線基板1で目的とする箇所(座標)に相当する部分の画像を取得する。あるいは、他の基板上の対応する配線基板の同一座標の画像を取得するようにしてもよい。
【0102】
別の配線基板1の同一座標を求めるには、基板3上に形成された配線基板1の配置情報がさらに必要となる。図18に、基板3に基板原点58を中心として配線基板1が4つ配置されている例を示す。この例では、配線基板A,Bと、配線基板C,Dでは、向きが180度逆になっている。
【0103】
図18に示す例の場合、配線基板Aで欠陥が検出された配線部60aの参照画像を、配線基板Cから取得するには、配線基板Cにおいて配線基板Aの配線部60aに相当する位置にある配線部60cの画像を撮影すればよい。それには、座標変換が必要となるため、各配線基板において「基板原点58から配線基板原点56までの距離(座標)」、「配線基板の寸法」、「リペア対象領域の指定」のほか、「配線基板の向き(角度)」を設定して求める。
【0104】
配線基板Aに対して配線基板Cが角度θ回転しているとき、配線基板Aの座標(Xa,Ya)に対応する配線基板Cの座標(Xc,Yc)は、
Xc=Xa*cosθ−Ya*sinθ
Yc=Xa*sinθ+Ya*cosθ
で求められる。
【0105】
このように、同一基板3に複数の配線基板1が形成されている場合、個々の配線基板1の基板3上での位置情報(座標)及び向き(角度)を指定して座標変換を行うことにより、異なる配線基板間で欠陥修正手法(テンプレート)と各区域の設定を共有できる。例えば、配線基板のある欠陥画像とデータベースに設定されている欠陥修正手法の向きが異なる場合に座標変換を行い、配線基板すなわち欠陥画像の向きを変えることによって当該欠陥修正手法を利用できるようになる。また、座標変換により異なる配線基板間で参照用の画像を共有することもできる。
【0106】
以上説明したように、本発明によれば、基板上に形成されたTFT基板等の配線基板内におけるリペア対象領域を、欠陥修正方法別に複数の区域に設定することで、検出された欠陥の配線基板に対する座標から登録済みの適切な欠陥修正手法(テンプレート)や参照画像取得方法を選択、実行することができる。このように、配線基板内で特徴的な区域を指定し、それぞれに最適な欠陥修正方法を設定することにより、欠陥修正装置が欠陥座標の位置に応じて予め登録された最適な欠陥修正手法(テンプレート)を自動で選択し、実行することが可能になる。なお、上述した実施形態では、欠陥によって短絡した箇所をレーザ光照射により切断する修正処理について述べたが、レーザCVDを用いた修正処理にも適用可能であることは勿論である。
また、同一基板内に複数の配線基板が存在する場合、個々の配線基板の区域指定方法を共有化することにより、欠陥画像と同じ位置に相当する参照用画像を、繰り返しパターン区域以外でも取得することが可能になり、欠陥の詳細情報の抽出、欠陥修正手法(テンプレート)の取得が可能となる。
さらに、今まで欠陥自動修正の対象外としていた繰り返しパターン区域以外の区域、例えば最外周区域及び周辺回路区域においてもテンプレートを用いた欠陥修正が可能となり、最終的に欠陥修正工程で自動化できるリペア対象領域の拡張が可能となる。
【0107】
したがって、適切な欠陥修正手法が容易かつ精度良く決定され、欠陥修正工程の作業効率が大幅に向上し、タクトタイムを短縮できるとともに作業員の工数費を削減できる。
【0108】
また、欠陥修正手法を表すテンプレートを欠陥画像と重ね合わせて表示できるようにしたので、作業員が表示された内容を容易かつ明確に視認でき、呼び出された欠陥修正手法が適切かどうかを簡単に判別できる。
【0109】
また、欠陥位置が繰り返しパターン区域に存在する場合であって、配線パターン(画素パターン)を複数の領域に分類した場合、正規の画素パターン(配線部)のいずれの領域であるか領域判別を行うことにより、画素の回路構成を考慮した適切な欠陥修正手法が選出される。
【0110】
また、実際に使われた回数の多い欠陥修正手法を優先的に選出することで、適切な欠陥修正手法が選出されやすくなり、最終的に欠陥修正工程の自動化が可能となる。
【0111】
また、例えば同一の配線に接して生じている欠陥や、配線部内で略同位置に生じている欠陥の修正においても、周囲に位置している部材の種類や有無に応じて異なる修正手順を選定することが、作業員への負担を軽減しながら、つまり作業効率の向上とともに可能となる。これは特に、本実施形態におけるよりも複雑な配線パターンを有する場合の欠陥配線部についても、前述したように等価回路に基づいて有限数の領域への分類を施して修正を行うようにすることによって、より顕著に改善がなされると考えられる。
【0112】
なお、以上の説明で挙げた使用材料及びその量、処理時間及び寸法などの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法形状及び配置関係も概略的なものである。すなわち、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
【0113】
例えば、リペア対象領域内の区域の数は、分類することによって区域毎に欠陥修正方法を適切に適用することが可能となる特定の複数であれば良く、本例におけるように、単純に同一の繰り返しパターンのみで構成された繰り返しパターン区域と、そうではない周辺回路区域、さらに繰り返しパターンと独自パターンが混在する最外周区域とに分類する場合をはじめとして、目的に応じた区域分類が可能であるなど、本発明は種々の変形及び変更をなされうる。
【0114】
さらに、上述した実施形態では、フラットパネルディスプレイのガラス基板上に形成されたデザインパターンの欠陥修正を行なう場合について説明したが、修正対象はこの例に限定されるものではなく、例えば半導体ウェハ、フォトマスク、磁気ディスク等、修正対象基板上に所定パターンが形成されたものに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板の構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る配線基板の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態に係る欠陥修正装置の一例の構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る欠陥修正工程における処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態に係る繰り返しパターン区域の説明に供する図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る単位画素の説明に供する図であり、Aは本発明の一実施の形態に係る単位画素の概略構成、Bはその等価回路を示す。
【図7】本発明の一実施の形態に係る単位画素の繰り返しパターン例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る単位画素の領域分割の説明に供する図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る欠陥分類の説明に供する図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る画素座標系の説明に供する図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る欠陥領域の特定の説明に供する図(1)である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る欠陥領域の特定の説明に供する図(2)である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る欠陥修正情報の例を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る最外周区域の説明に供する図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る最外周区域における配線部の説明に供する図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る周辺回路区域の説明に供する図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る配線基板内に設定された区域の説明に供する図であり、Bは配線基板内の各区域、Aは欠陥が属する区域の算出方法を示す。
【図18】本発明の一実施の形態に係る基板の構成例を示す図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るテンプレートの座標変換の説明に供する図である。
【符号の説明】
【0116】
1…配線基板、2…配線部(単位画素)、2a…欠陥配線部、3…基板、14…第1領域、15…第2領域、16…第3領域、17…第4領域、20a,20b,20c,20f…欠陥、21,22,34…欠陥画像、32,32a,32b,32c…欠陥オブジェクト、33c,33d,33e,33f,33g…リペアオブジェクト、51…周辺回路、52…配線、53…繰り返しパターン区域、54…最外周区域、55…周辺回路区域、56…配線基板原点、57…リペア対象領域、58…基板原点、60a,60c…配線部、200…欠陥修正装置、202…全体制御部、225…修正手法データベース、226…修正方法生成部、227…ディスプレイ、228…入力装置、300…欠陥検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で、複数の配線パターン及びその周辺回路が形成された配線基板内の欠陥を検査し、検出された欠陥をレーザ光を用いて修正する欠陥修正装置において、
配線基板の検査対象箇所を撮影した欠陥画像と、欠陥のない参照画像とを照合して欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記配線基板を複数の配線パターンが繰り返し形成された第1の範囲と、前記配線パターンが形成されていない第2の範囲と、前記配線パターンと独自パターンが混在して形成された第3の範囲に分類して各々の範囲に応じた欠陥修正手法が蓄積されたデータベースと、
前記欠陥検出部で検出された欠陥の前記配線基板内における位置に基づいて、前記データベースから欠陥修正手法を読み出して選定する修正方法生成部と、
前記修正方法生成部で選定された欠陥修正手法に基づき前記欠陥の修正を実行する修正機構部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする欠陥修正装置。
【請求項2】
前記配線基板は、ディスプレイ装置の表示パネルを構成する配線基板であって、
前記第1の範囲は、前記配線パターンが繰り返し形成された範囲のうち最外周部を除いた繰り返しパターン部分であり、
前記第2の範囲は、前記配線パターンが繰り返し形成された範囲のうち最外周の部分であり、
前記第3の範囲は、前記第2の範囲と接続する配線及び周辺回路を含む部分である
ことを特徴とする請求項1に記載に欠陥修正装置。
【請求項3】
入力操作が行われる入力部とを有し、
前記制御部は、前記入力部からの範囲指定に基づいて、前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲のそれぞれの範囲を、前記データベースに登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥修正装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力部からの範囲指定に基づいて、前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲から構成される欠陥修正処理の対象範囲と、欠陥修正処理の対象外とする無効範囲を、前記データベースに登録する
ことを特徴とする請求項3に記載の欠陥修正装置。
【請求項5】
表示装置に、前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲のそれぞれの範囲を設定する設定画面を表示し、前記入力部から各範囲を指定できるように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の欠陥修正装置。
【請求項6】
同一基板に第1の配線基板と第2の配線基板が形成されている場合、前記第1の配線基板と前記第2の配線基板のそれぞれの基板上での位置情報及び角度情報に基づいて、前記第1の配線基板に対して前記第2の配線基板を座標変換し、前記第2の配線基板において前記第1の配線基板の前記第1〜第3の範囲の設定を利用する
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥修正装置。
【請求項7】
登録された範囲の欠陥修正手法が不明、又は欠陥修正手法の事前登録による欠陥修正が不可能な場合、欠陥画像を欠陥がない状態で撮影された参照画像と比較して欠陥の位置と条件を取得し、当該欠陥の位置及び条件に基づいた欠陥修正手法を生成する。
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥修正装置。
【請求項8】
前記欠陥検出部で検出された欠陥の位置が前記データベースに登録されている欠陥修正手法に該当しない場合、欠陥修正手法の一部もしくは全部を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥修正装置。
【請求項9】
前記欠陥画像と同じ箇所の参照画像を作成する場合、前記欠陥の所属が前記第1の範囲及び前記第2の範囲において、前記欠陥の位置に近接する前記繰り返しパターンの画像を取得し、
前記欠陥の所属が近接する箇所が欠陥画像と同一とならない範囲もしくは前記第3の範囲において、同一基板上の他の配線基板の同一座標、又は別基板の対応する配線基板の同一座標を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥修正装置。
【請求項10】
複数の配線パターン及びその周辺回路が形成された配線基板内の欠陥を検査し、検出された欠陥をレーザ光を用いて修正する欠陥修正方法において、
前記配線基板を繰り返しパターンが形成された第1の範囲と、前記配線パターンが形成されていない第2の範囲と、前記配線パターンと独自パターンが混在して形成された第3の範囲とに分類し、各々の範囲に応じた欠陥修正手法をデータベースに登録する工程と、
配線基板の検査対象箇所を撮影した欠陥画像と、欠陥のない参照画像とを照合して欠陥を検出する工程と、
前記検出された欠陥の配線基板内における位置に基づいて、前記データベースから欠陥修正手法を読み出して選定する工程と、
前記選定された欠陥修正手法に基づき前記欠陥の修正を実行する工程と
を有することを特徴とする欠陥修正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−155263(P2008−155263A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348374(P2006−348374)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】