説明

液晶表示装置及びその製造方法

【課題】本発明は、金属パターンの下に配置される半導体パターンを適切に処理することを目的とする。
【解決手段】半導体パターン16及び金属パターン18を、半導体パターン16が、金属パターン18の下に積層された第1部分26と、第1部分26から金属パターン18の外側にはみ出す第2部分28と、を有するように形成する。金属パターン18及び半導体パターン16を覆う絶縁層30を形成する。絶縁層30の、金属パターン18の上方の第1領域と、半導体パターン16の少なくとも第2部分28の上方の第2領域と、に対してエッチングを行う。エッチング工程で、第1領域では絶縁層30をエッチングして金属パターン18との電気的接続のための貫通穴34を形成し、第2領域では絶縁層30及び半導体パターン16をエッチングして、半導体パターン16の第2部分28を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置では、薄膜トランジスタを構成するため、半導体層及び金属層が積層されている。ボトムゲート型の薄膜トランジスタでは、金属層からパターニングされたドレイン電極及びソース電極及びドレイン配線(画素電極を駆動するための映像信号が供給される配線)が、半導体層の上に形成される。このような構造において、半導体層は、ドレイン配線がソース配線などの交差する配線を乗り越える領域などに、段差を小さくするために使用される場合がある(特許文献1)。
【0003】
また、近年は画素の高精細化が進み、一つの画素間に2本のドレイン配線が形成される場合がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO01/01857号公報
【特許文献2】特開2005−77424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体層を先にパターニングしてからドレイン電極及びソース電極、及びドレイン電極に接続するドレイン配線の金属層をパターニングする方法では、位置ずれを考慮して、半導体層を重畳する金属層よりも幅広に形成する。そのため、ドレイン配線下の半導体層は、特に交差する他の配線を乗り越える領域において、ドレイン配線からはみ出して形成される。
【0006】
また、半導体層の上に金属層を積層し、1つのエッチングレジストを使用して、金属層及び半導体層を連続的にパターニングする方法では、金属層はウエットエッチングのサイドエッチングによってエッチングレジストよりも小さくなるため、ドレイン配線下の半導体層がドレイン配線からはみ出す。
【0007】
特許文献2に示されるような、画素間にドレイン配線が2本形成される場合、隣接するドレイン配線下のはみ出した半導体層が、お互いに接触してしまう可能性がある。このような場合は、電気的なショート発生の原因となり得る。この状況を回避するためには、ドレイン配線間を広くすることが考えられるが、ドレイン配線上は光の散乱が生じるため、ドレイン配線よりも幅の広いブラックマトリクスを形成しなければならない。しかし、ドレイン配線の間隔が広がると、必然的に開口率が低下する。
【0008】
本発明は、金属パターンの下に配置される半導体パターンを適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、第1基板に半導体パターン及び金属パターンを、前記半導体パターンが、前記金属パターンの下に積層された第1部分と、前記第1部分から前記金属パターンの外側にはみ出す第2部分と、を有するように形成する工程と、前記金属パターン及び前記半導体パターンを覆う絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の、前記金属パターンの上方の第1領域と、前記半導体パターンの少なくとも前記第2部分の上方の第2領域と、に対して行うエッチング工程と、その後、前記第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板との間に、シールに囲まれて封止されるように液晶を配置する工程と、を含み、前記エッチング工程で、前記第1領域では前記絶縁層をエッチングして前記金属パターンとの電気的接続のための貫通穴を形成し、前記第2領域では前記絶縁層及び前記半導体パターンをエッチングして、前記半導体パターンの前記第2部分を除去することを特徴とする。本発明によれば、半導体パターンの第2部分の除去を、電気的接続のための貫通穴を形成する工程で行うので、工程を増やすことなく、半導体パターンを適切に処理することができる。
【0010】
(2)(1)に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記金属パターンは、間隔をあけて並列する複数の配線を含み、前記半導体パターンの前記第2部分は、隣同士の前記配線の間の領域の下方に位置することを特徴としてもよい。
【0011】
(3)(1)に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記第2領域は、前記半導体パターンの前記第1部分及び前記第2部分並びに前記第1部分上の前記金属パターンの上方にあり、前記エッチング工程で、前記第1部分上の前記金属パターンをマスクとして、前記第1部分を残すように、前記半導体パターンの前記第2部分を除去することを特徴としてもよい。
【0012】
(4)(3)に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記金属パターンは、配線を含み、前記半導体パターンの前記第2部分は、前記配線の幅方向の両側にはみ出すことを特徴としてもよい。
【0013】
(5)(1)に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記金属パターンは、前記シールで囲まれる領域内に位置する複数の第1配線と、前記シールで囲まれる前記領域の外側に位置する複数の第2配線と、を含み、前記複数の第1配線は、隣同士の間隔をあけて並列し、隣同士の前記第1配線の間の領域の下方に、エッチングされる前記第2部分が位置し、前記複数の第2配線は、隣同士の間隔をあけて並列し、隣同士の前記第2配線の間の領域の下方に、前記エッチング工程で残される前記半導体パターンの第3部分が位置することを特徴としてもよい。
【0014】
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記エッチング工程後に、前記第2部分が除去されて形成されたスペースを絶縁材料で埋める工程をさらに含むことを特徴としてもよい。
【0015】
(7)(6)に記載された液晶表示装置の製造方法において、前記絶縁材料は、カラーフィルタの少なくとも1色の着色層を形成する材料であることを特徴としてもよい。
【0016】
(8)本発明に係る液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成された第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶と、前記第1基板と前記第2基板の間で前記液晶の周囲に配置されたシールと、を含み、前記第1基板には、半導体パターン及び金属パターンが、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層されるように形成され、前記半導体パターンの側面と前記金属パターンの側面が面一になっていることを特徴とする。
【0017】
(9)本発明に係る液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成された第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶と、前記第1基板と前記第2基板の間で前記液晶を囲むように配置されたシールと、を含み、前記第1基板には、半導体パターン及び金属パターンが、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層されるように形成され、前記半導体パターン及び前記金属パターンは、前記シールに囲まれた領域から前記シールに囲まれた前記領域の外側に至るように形成され、前記シールに囲まれた前記領域の外側では、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層された部分と前記金属パターンからはみ出す部分を有し、前記シールに囲まれた前記領域では、前記半導体パターンの側面と前記金属パターンの側面が面一になっていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図1B】図1Aに示す構造のIB−IB線断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図2B】図2Aに示す構造のIIB−IIB線断面図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3B】図3Aに示す構造のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5】第1の実施形態の変形例を説明する図である。
【図6】第1の実施形態の変形例を説明する図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を説明する図である。
【図8】第1の実施形態の変形例を説明する図である。
【図9】第1の実施形態の変形例を説明する図である。
【図10A】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図10B】図10Aに示す構造のXB−XB線断面図である。
【図11A】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図11B】図11Aに示す構造のXIB−XIB線断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
【図13】第2の実施形態の変形例を説明する図である。
【図14】第2の実施形態の変形例を説明する図である。
【図15】第2の実施形態の変形例を説明する図である。
【図16】第2の実施形態の変形例を説明する図である。
【図17】第2の実施形態の変形例を説明する図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1A〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。図1Bは、図1Aに示す構造のIB−IB線断面図である。図2Bは、図2Aに示す構造のIIB−IIB線断面図である。図3Bは、図3Aに示す構造のIII−III線断面図である。
【0021】
本実施形態では、図1Bに示すように、第1基板10を用意する。第1基板10は光透過性を有する材料からなる。第1基板10にゲート配線12を形成する。ゲート配線12は、薄膜トランジスタのゲート電極として機能する部分を有し、銅などの金属からなる。第1基板10の全面に金属膜を形成し、金属膜をエッチングしてゲート配線12を形成することができる。ゲート配線12を覆うように、第1基板10にゲート絶縁膜14を形成する。ゲート絶縁膜14は無機材料(例えばSiN)からなる。
【0022】
図1A及び図1Bに示すように、ゲート絶縁膜14上に、半導体パターン16及び金属パターン18を形成する。半導体パターン16は、薄膜トランジスタの半導体層を形成するときに同時に同じ材料(アモルファスシリコンなどの半導体)から形成することができるが、薄膜トランジスタの一部ではない。ゲート絶縁膜14の下にはゲート配線12が配置されているため、ゲート絶縁膜14の表面には、ゲート配線12の厚みによって凸部が形成されている。このため、ゲート絶縁膜14の表面には段差が形成されるので、段差を小さくするために半導体パターン16がゲート絶縁膜14上に形成されている。半導体パターン16は、ゲート絶縁膜14を介して、ゲート配線12と立体交差するように配置されている。
【0023】
金属パターン18は、間隔をあけて並列する複数の配線20(データ配線ともいう)を含む。配線20は、ゲート配線12と立体交差するように形成される。詳しくは、配線20は、ゲート配線12、ゲート絶縁膜14及び半導体パターン16と重なる部分と、ゲート絶縁膜14及び半導体パターン16と重なるがゲート配線12とは重ならない部分と、ゲート絶縁膜14と重なるがゲート配線12及び半導体パターン16とは重ならない部分と、を含む。
【0024】
金属パターン18は、相互に分離(電気的に絶縁)されたドレイン電極22及びソース電極24を含む。ドレイン電極22及びソース電極24の一方は配線20と接続されている。ドレイン電極22と接続された配線20をドレイン配線ともいう。ドレイン電極22及びソース電極24は半導体層上に載って、薄膜トランジスタを構成している。
【0025】
半導体パターン16は、金属パターン18(配線20)の下に積層された第1部分26と、第1部分26から金属パターン18(配線20)の外側にはみ出す第2部分28と、を有するように形成する。第1部分26は配線20と接触している。半導体パターン16の第2部分28は、隣同士の配線20の間の領域の下方に位置する。第2部分28は、第1部分26と一体的に形成されている。
【0026】
次に、金属パターン18及び半導体パターン16を覆う絶縁層30を形成する。絶縁層30は無機材料(例えばSiO)からなる。
【0027】
図2A及び図2Bに示すように、絶縁層30上にエッチングレジスト32を配置する。エッチングレジスト32は、フォトレジストからなり、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する。
【0028】
図3A及び図3Bに示すように、絶縁層30をエッチングする。エッチングは、エッチングレジスト32をマスクとして行う。詳しくは、絶縁層30の、金属パターン18(詳しくはドレイン電極22及びソース電極24の一方)の上方の第1領域33と、半導体パターン16の少なくとも第2部分28の上方の第2領域35と、に対してエッチング(例えばドライエッチング)を行う。
【0029】
エッチング工程で、第1領域33では絶縁層30をエッチングして金属パターン18(詳しくはドレイン電極22及びソース電極24の一方)との電気的接続のための貫通穴34を形成する(図3A参照)。また、第2領域35では絶縁層30及び半導体パターン16をエッチングして、半導体パターン16の第2部分28を除去する(図3B参照)。これにより、隣同士の配線20の下にある第1部分26が分離される。
【0030】
エッチングは、半導体パターン16を超えてゲート絶縁膜14に至るように行ってもよい。ただし、ゲート絶縁膜14を構成する材料(例えばSiN)に対するエッチングスピードが、半導体パターン16を構成する材料(例えばアモルファスシリコン)に対するエッチングスピードよりも遅ければ、エッチングがゲート絶縁膜14を貫通する前にエッチングを止めることが容易になる。
【0031】
本実施形態によれば、半導体パターン16の第2部分28の除去を、電気的接続のための貫通穴34を形成する工程で行うので、工程を増やすことなく、半導体パターン16を適切に処理することができる。詳しくは、半導体パターン16の第2部分28が隣同士の配線20の間に残っていたので、第2部分28に光が入るとキャリアが発生して隣同士の配線20が導通するおそれがあったが、第2部分28を除去するので導通を防止することができる。また、導通を防止するために隣同士の配線20の間隔を拡げる必要もない。
【0032】
図4に示すように、エッチング工程後に、第2部分28が除去されて形成されたスペースを絶縁材料(無機材料又は有機材料)で埋めて第1パッシベーション膜36を形成する。第1パッシベーション膜36は、絶縁層30上に載るように形成する。
【0033】
IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であれば、第1パッシベーション膜36上に第1電極38を形成する。そして、第1電極38を覆うように第1パッシベーション膜36上に第2パッシベーション膜40を形成し、その上に第2電極42を形成する。第1電極38及び第2電極42の一方が画素電極であり、他方が共通電極である。画素電極及び共通電極は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料から形成する。
【0034】
第1変形例として、図5に示すように、第2部分28が除去されて形成されたスペースを避けてカラーフィルタ層44を形成し、第2部分28が除去されて形成されたスペースを絶縁材料(無機材料、有機材料、カラーフィルタ用材料又は遮光性材料)で埋めてパッシベーション膜37を形成してもよい。パッシベーション膜37は、カラーフィルタ層44上に載るように形成する。IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であれば、カラーフィルタ層44上に第1電極38を形成する。そして、第1電極38を覆うようにカラーフィルタ層44上にパッシベーション膜37を形成し、その上に第2電極42を形成する。第1電極38及び第2電極42の一方が画素電極であり、他方が共通電極である。
【0035】
第2変形例として、図6に示すように、第2部分28が除去されて形成されたスペースを埋める絶縁材料として、カラーフィルタの少なくとも1色の着色層46を形成する材料を使用してもよい。例えば、カラーフィルタ層44の隣同士の着色層46の端部同士で、第2部分28が除去されて形成されたスペースを埋める。そして、カラーフィルタ層44上にパッシベーション膜37を形成する。その他の構成は図5に示す例と同じである。
【0036】
さらに変形例として、図4に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図7に示すように、パッシベーション膜39上に画素電極48を形成する。あるいは、図5に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図8に示すように、パッシベーション膜39上に画素電極48を形成する。また、図6に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図9に示すように、パッシベーション膜39上に画素電極48を形成する。
【0037】
その後、液晶表示装置の公知の製造プロセスを行うことで、液晶表示装置を製造することができる。
【0038】
[第2の実施形態]
図10A〜図12は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。図10Bは、図10Aに示す構造のXB−XB線断面図である。図11Bは、図11Aに示す構造のXIB−XIB線断面図である。
【0039】
本実施形態で、第1基板10、ゲート配線12及びゲート絶縁膜14については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0040】
図10A及び図10Bに示すように、ゲート絶縁膜14上に、半導体パターン116及び金属パターン118を形成する。また、半導体パターン116と同じ層に、薄膜トランジスタの半導体層を形成する。これらの形成方法の概要(図示省略)は、半導体膜及び金属膜を積層して形成し、同一のエッチングレジストを使用して、半導体膜及び金属膜に対して複数回のエッチングを行うというものである。この方法では、同一のエッチングレジストを使用するため、その形成のためのフォトリソグラフィの回数が1回で済む。ただし、金属パターン118に対してはサイドエッチングが進行するため、図10Bに示すように、金属パターン118が、その下の半導体パターン116よりも小さくなる。その詳細は、公知であるため説明を省略する。
【0041】
金属パターン118全体の下には半導体パターン116が存在している。したがって、金属パターン118は、ゲート配線12、ゲート絶縁膜14及び半導体パターン116と重なる部分と、ゲート絶縁膜14及び半導体パターン116と重なるがゲート配線12とは重ならない部分を含む。しかし、第1の実施形態とは違って、金属パターン118には、半導体パターン116とは重ならない部分は存在しない。
【0042】
金属パターン118は、配線120(データ配線ともいう)を含む。配線120は、ゲート配線12と立体交差するように形成される。金属パターン118がドレイン電極122及びソース電極124を含むことは、第1の実施形態と同じである。
【0043】
半導体パターン116は、金属パターン118(配線120)の下に積層された第1部分126と、第1部分126から金属パターン118(配線120)の外側にはみ出す第2部分128と、を有するように形成する。第1部分126は配線120と接触している。半導体パターン116の第2部分128は、配線120の幅方向の両側にはみ出す。第2部分128は、第1部分126と一体的に形成されている。
【0044】
次に、金属パターン118及び半導体パターン116を覆う絶縁層130を形成する。絶縁層130は無機材料(例えばSiO)からなる。そして、絶縁層130上にエッチングレジスト132を配置する。エッチングレジスト132は、フォトレジストからなり、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する。
【0045】
図11A及び図11Bに示すように、絶縁層130をエッチングする。エッチングは、エッチングレジスト132をマスクとして行う。詳しくは、絶縁層130の、金属パターン118(詳しくはドレイン電極122及びソース電極124の一方)の上方の第1領域133と、半導体パターン116の第2領域135と、に対してエッチング(例えばドライエッチング)を行う。第2領域135は、半導体パターン116の第1部分126及び第2部分128並びに第1部分126上の金属パターン118の上方にある。
【0046】
エッチング工程で、第1領域133では絶縁層130をエッチングして金属パターン118(詳しくはドレイン電極122及びソース電極124の一方)との電気的接続のための貫通穴134を形成する(図11A参照)。また、第2領域135では絶縁層130及び半導体パターン116をエッチングする。そして、第1部分126上の金属パターン118をマスクとして、第1部分126を残すように、半導体パターン116の第2部分128を除去する。エッチングの詳細は、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0047】
本実施形態によれば、半導体パターン116の第2部分128の除去を、電気的接続のための貫通穴134を形成する工程で行うので、工程を増やすことなく、半導体パターン116を適切に処理することができる。
【0048】
詳しくは、配線120の外側に残っていた半導体パターン116の第2部分128は、光の散乱が生じるため、これを覆うように幅の広いブラックマトリクスを形成しなければならなかったが、第2部分128を除去するのでブラックマトリクスの幅を狭くすることができる。これにより、開口率の低下を避けることができる。
【0049】
図12に示すように、エッチング工程後に、第2部分128が除去されて形成されたスペースを絶縁材料(無機材料又は有機材料)で埋めて第1パッシベーション膜136を形成する。第1パッシベーション膜136は、絶縁層130上に載るように形成する。
【0050】
IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であれば、第1パッシベーション膜136上に第1電極138を形成する。そして、第1電極138を覆うように第1パッシベーション膜136上に第2パッシベーション膜140を形成し、その上に第2電極142を形成する。第1電極138及び第2電極142の一方が画素電極であり、他方が共通電極である。画素電極及び共通電極は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料から形成する。
【0051】
第1変形例として、図13に示すように、第2部分128が除去されて形成されたスペースを避けてカラーフィルタ層144を形成し、第2部分128が除去されて形成されたスペースを絶縁材料(無機材料、有機材料、カラーフィルタ用材料又は遮光性材料)で埋めてパッシベーション膜137を形成してもよい。パッシベーション膜137は、カラーフィルタ層144上に載るように形成する。IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であれば、カラーフィルタ層144上に第1電極138を形成する。そして、第1電極138を覆うようにカラーフィルタ層144上にパッシベーション膜137を形成し、その上に第2電極142を形成する。第1電極138及び第2電極142の一方が画素電極であり、他方が共通電極である。
【0052】
第2変形例として、図14に示すように、第2部分128が除去されて形成されたスペースを埋める絶縁材料として、カラーフィルタの少なくとも1色の着色層146を形成する材料を使用してもよい。例えば、カラーフィルタ層144の隣同士の着色層146の端部同士で、第2部分128が除去されて形成されたスペースを埋める。そして、カラーフィルタ層144上にパッシベーション膜137を形成する。その他の構成は図13に示す例と同じである。
【0053】
さらに変形例として、図12に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図15に示すように、第2パッシベーション膜140上に画素電極148を形成する。あるいは、図13に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図16に示すように、パッシベーション膜139上に画素電極148を形成する。また、図14に示す例をVA(Vertical Alignment )方式に変形するには、図17に示すように、パッシベーション膜139上に画素電極148を形成する。
【0054】
その後、液晶表示装置の公知の製造プロセスを行うことで、液晶表示装置を製造することができる。
【0055】
[第3の実施形態]
図18は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置を示す図である。
【0056】
本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法では、第1の実施形態及び第2の実施形態の少なくとも一方で説明した工程を行う。その後、第1基板10と、第1基板10に対向する第2基板50との間に、シール52に囲まれて封止されるように液晶54を配置する。
【0057】
液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成された第1基板10と、第1基板10に対向する第2基板50と、第1基板10と第2基板50の間に配置された液晶54と、第1基板10と第2基板50の間で液晶54の周囲に配置されたシール52と、を含む。
【0058】
第1基板10には、半導体パターン216及び金属パターン218が、半導体パターン216が金属パターン218の下に積層されるように形成されている。半導体パターン216及び金属パターン218は、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した半導体パターン16,116及び金属パターン18,118の内容が該当する。
【0059】
半導体パターン216(第1部分226)の側面と金属パターン218(配線220)の側面が面一になっている。これら側面は絶縁材料236によって被覆されている。第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したように、絶縁材料236によって、パッシベーション膜又はカラーフィルタ層などを形成する。第1部分226及び配線220は、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した第1部分26,126及び配線20,120の内容が該当する。絶縁材料236は、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した第1パッシベーション膜36,136、パッシベーション膜37,39,137,139、着色層46,146を構成する材料の内容が該当する。
【0060】
本実施形態によれば、半導体パターン216が金属パターン218(配線220)からはみ出さないので、配線220を狭ピッチで配列することができる。
【0061】
[第4の実施形態]
図19は、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置を示す図である。
【0062】
本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法では、第1の実施形態及び第2の実施形態の少なくとも一方で説明した工程を行う。
【0063】
詳しくは、金属パターン318は、シール52で囲まれる領域内に位置する複数の第1配線320を含む。複数の第1配線320は、隣同士の間隔をあけて並列している。半導体パターン316のパターニングプロセスで、隣同士の第1配線320の間の領域の下方に第2部分(図1Bの第2部分128参照)が位置するのでこれを除去する(第2の実施形態参照)。半導体パターン316及び金属パターン318の詳細は、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した半導体パターン16,116及び金属パターン18,118の内容が該当する。
【0064】
本実施形態では、シール52で囲まれる領域の外側(外気に晒される領域)では、本発明を適用しない。すなわち、金属パターン318は、シール52で囲まれる領域の外側に位置する複数の第2配線322を含む。複数の第2配線322は、隣同士の間隔をあけて並列している。隣同士の第2配線322の間の領域の下方に半導体パターン316の第3部分356が位置するが、これは除去せずに残す。
【0065】
その後、第1基板10と、第1基板10に対向する第2基板50との間に、シール52に囲まれて封止されるように液晶54を配置する。
【0066】
液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成された第1基板10と、第1基板10に対向する第2基板50と、第1基板10と第2基板50の間に配置された液晶54と、第1基板10と第2基板50の間で液晶54を囲むように配置されたシール52と、を含む。
【0067】
第1基板10には、半導体パターン316及び金属パターン318が、半導体パターン316が金属パターン318の下に積層されるように形成されている。半導体パターン316及び金属パターン318は、シール52に囲まれた領域からシール52に囲まれた領域の外側に至るように形成されている。
【0068】
シール52に囲まれた領域では、半導体パターン316の側面と金属パターン318の側面が面一になっている。これら側面は、絶縁材料によって被覆されていないとしても、液晶54の封止領域内にあるため、外気からは遮断されている。
【0069】
シール52に囲まれた領域の外側では、半導体パターン316が金属パターン318(第2配線322)の下に積層された第1部分326と金属パターン318からはみ出す第3部分356を有している。第3部分356は、上述したように除去される第2部分328とは異なり、除去されずに残る部分である。すなわち、シール52に囲まれた領域の外側では、半導体パターン316の金属パターン318からはみ出した部分を除去する工程を行わないため、その上の絶縁層330がエッチングされない。したがって、絶縁層330によって、第2配線322は被覆された状態になっている。
【0070】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 第1基板、12 ゲート配線、14 ゲート絶縁膜、16 半導体パターン、18 金属パターン、20 配線、22 ドレイン電極、24 ソース電極、26 第1部分、28 第2部分、30 絶縁層、32 エッチングレジスト、33 第1領域、34 貫通穴、35 第2領域、36 第1パッシベーション膜、37 パッシベーション膜、38 第1電極、39 パッシベーション膜、40 第2パッシベーション膜、42 第2電極、44 カラーフィルタ層、46 着色層、48 画素電極、50 第2基板、52 シール、54 液晶、116 半導体パターン、118 金属パターン、120 配線、122 ドレイン電極、124 ソース電極、126 第1部分、128 第2部分、130 絶縁層、132 エッチングレジスト、133 第1領域、134 貫通穴、135 第2領域、136 第1パッシベーション膜、137 パッシベーション膜、138 第1電極、139 パッシベーション膜、140 第2パッシベーション膜、142 第2電極、144 カラーフィルタ層、146 着色層、148 画素電極、216 半導体パターン、218 金属パターン、220 配線、226 第1部分、236 絶縁材料、316 半導体パターン、318 金属パターン、320 第1配線、322 第2配線、326 第1部分、328 第2部分、330 絶縁層、356 第3部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板に半導体パターン及び金属パターンを、前記半導体パターンが、前記金属パターンの下に積層された第1部分と、前記第1部分から前記金属パターンの外側にはみ出す第2部分と、を有するように形成する工程と、
前記金属パターン及び前記半導体パターンを覆う絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の、前記金属パターンの上方の第1領域と、前記半導体パターンの少なくとも前記第2部分の上方の第2領域と、に対して行うエッチング工程と、その後、
前記第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板との間に、シールに囲まれて封止されるように液晶を配置する工程と、
を含み、
前記エッチング工程で、前記第1領域では前記絶縁層をエッチングして前記金属パターンとの電気的接続のための貫通穴を形成し、前記第2領域では前記絶縁層及び前記半導体パターンをエッチングして、前記半導体パターンの前記第2部分を除去することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記金属パターンは、間隔をあけて並列する複数の配線を含み、
前記半導体パターンの前記第2部分は、隣同士の前記配線の間の領域の下方に位置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記第2領域は、前記半導体パターンの前記第1部分及び前記第2部分並びに前記第1部分上の前記金属パターンの上方にあり、
前記エッチング工程で、前記第1部分上の前記金属パターンをマスクとして、前記第1部分を残すように、前記半導体パターンの前記第2部分を除去することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記金属パターンは、配線を含み、
前記半導体パターンの前記第2部分は、前記配線の幅方向の両側にはみ出すことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記金属パターンは、前記シールで囲まれる領域内に位置する複数の第1配線と、前記シールで囲まれる前記領域の外側に位置する複数の第2配線と、を含み、
前記複数の第1配線は、隣同士の間隔をあけて並列し、隣同士の前記第1配線の間の領域の下方に、エッチングされる前記第2部分が位置し、
前記複数の第2配線は、隣同士の間隔をあけて並列し、隣同士の前記第2配線の間の領域の下方に、前記エッチング工程で残される前記半導体パターンの第3部分が位置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記エッチング工程後に、前記第2部分が除去されて形成されたスペースを絶縁材料で埋める工程をさらに含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載された液晶表示装置の製造方法において、
前記絶縁材料は、カラーフィルタの少なくとも1色の着色層を形成する材料であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
薄膜トランジスタが形成された第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶と、
前記第1基板と前記第2基板の間で前記液晶の周囲に配置されたシールと、
を含み、
前記第1基板には、半導体パターン及び金属パターンが、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層されるように形成され、
前記半導体パターンの側面と前記金属パターンの側面が面一になっていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
薄膜トランジスタが形成された第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶と、
前記第1基板と前記第2基板の間で前記液晶を囲むように配置されたシールと、
を含み、
前記第1基板には、半導体パターン及び金属パターンが、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層されるように形成され、
前記半導体パターン及び前記金属パターンは、前記シールに囲まれた領域から前記シールに囲まれた前記領域の外側に至るように形成され、
前記シールに囲まれた前記領域の外側では、前記半導体パターンが前記金属パターンの下に積層された部分と前記金属パターンからはみ出す部分を有し、
前記シールに囲まれた前記領域では、前記半導体パターンの側面と前記金属パターンの側面が面一になっていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−107323(P2011−107323A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260984(P2009−260984)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】