説明

物理量センサー素子、物理量センサーおよび電子機器

【課題】高感度化、製造効率の改善、低コスト化、高信頼性化の少なくとも1つを実現した物理量センサー素子、物理量センサー素子を備える物理量センサー、および、物理量センサー素子を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の物理量センサー素子1は、絶縁基板2と、絶縁基板2の上方に設けられている可動部33と、可動部33に設けられている可動電極指361〜365、371〜375と、絶縁基板2上に設けられ、且つ可動電極指361〜365、371〜375に対向して配置された固定電極指381〜388、391〜398と、を含み、絶縁基板2には、配線41、42、43を有する凹部22、23、24が設けられ、平面視で配線41、42、43と重なる位置の素子片3に凸部471、472、481、482、50が設けられ、配線41、42、43と凸部471、472、481、482、50とが接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量センサー素子、物理量センサー素子を備える物理量センサー、および物理量センサー素子を備える電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物理量センサー素子としては、固定配置された固定電極と、固定電極に対して間隔を隔てて対向するとともに変位可能に設けられた可動電極とを有し、固定電極と可動電極との間の静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出する形態の素子が知られている。
例えば、特許文献1に記載の物理量センサー素子は、単層の半導体基板、またはSOI(Silicon On Insulator)基板を用い、固定電極および可動電極が、それぞれ櫛歯状をなすように並ぶ複数の電極指を有し、互いに噛み合うように配置されている。
【0003】
また、特許文献1に記載の物理量センサー素子では、可動電極の隣り合う2つの電極指間に、固定電極の2つの電極指が臨むように設けられていると共に、当該固定電極の2つの電極指が互いに電気的に絶縁されている。これにより、固定電極の当該2つの電極指の一方の電極指とそれに対向する可動電極の電極指との間の静電容量と、固定電極の当該2つの電極指の他方の電極指とそれに対向する可動電極の電極指との間の静電容量と、を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて(いわゆる差動検出方式を用いて)、物理量を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4238437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の物理量センサー素子では、固定電極および可動電極の各々が導通しないように電極指を個別に絶縁分離する必要があり製造効率が悪い。また、上述の差動検出方式において、固定電極および可動電極の厚みが大きい(アスペクト比が高い)と感度が高くなる。しかし、特許文献1の場合、基板の厚み方向に第1のエッチングを施してから、横方向に第2のエッチングを施す必要があり、固定電極および可動電極の厚みを大きくするには基板を予め厚くする必要があり、製造効率の観点から電極の厚みを大きくすることが困難であった。また、SOI基板は一般的に高価であり、製品コストが高くなる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、高感度化、製造効率の改善、低コスト化、高信頼性化の少なくとも1つを実現した物理量センサー素子、この物理量センサー素子を備える物理量センサー、および、この物理量センサー素子を備える電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の適用例により達成される。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る物理量センサー素子は、絶縁基板と、前記絶縁基板の上方に設けられている可動部と、前記可動部に設けられている可動電極指と、前記絶縁基板上に設けられ、且つ、前記可動電極指に対向して配置されている固定電極指と、を含み、前記絶縁基板には、凹部が設けられ、前記凹部内には、配線が設けられ、前記固定電極指は、前記凹部を跨いで配置され、且つ、平面視で前記配線と重なる位置に凸部が設けられ、前記配線と前記凸部とが接続されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成を有する物理量センサー素子によれば、絶縁基板上に固定電極指を形成しているので、可動電極指および固定電極指の各々に対し絶縁膜を埋め込んで絶縁分離する必要がなくなり製造効率が非常に良い。また、高価なSOI基板を用いる必要が無いので、製品コストを抑えることができる。
また、物理量センサー素子は、可動部、可動電極指および固定電極指を絶縁基板とは別体の基板から一括して形成することができるので製造効率が非常に良い。さらに、物理量センサー素子は、可動電極指および固定電極指の各々を、基板の厚み方向のエッチングだけで形成することができるので、特許文献1と比較して電極指を容易に厚くすること等ができ、例えば物理量センサー素子を物理量センサーとして用いた場合は、高感度化を図ることができる。
また、物理量センサー素子は、絶縁基板と固定電極指とを接触させる際に、絶縁基板に設けられた凹部と、固定電極指に設けられた凸部と、をはめ合わせることにより、絶縁基板と固定電極指との間のアライメント精度が向上するため、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
また、固定電極指に凸部を設けない場合には、絶縁基板の凹部に設けた配線を厚くすることで可動部と接続させる必要があるが、物理量センサー素子では、固定電極指に凸部を設けることで配線を薄くでき、製品コストを抑えることができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係る物理量センサー素子において、前記凸部には、前記固定電極指より電気抵抗が小さい部分が含まれること、が好ましい。
【0010】
これにより、固定電極指を構成する材料の電気抵抗が大きい場合でも、配線と接続される凸部の抵抗値が小さくなることで接触抵抗が小さくなり、信頼性に優れた物理量センサー素子を提供することができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係る物理量センサー素子は、前記固定電極指が半導体材料で構成され、前記凸部の少なくとも一部には前記半導体材料とは異種の材料がドープされていること、が好ましい。
【0012】
これにより、固定電極指が半導体材料で構成された場合でも、異種の材料をドープすることで電気抵抗を小さくすることができ、接触抵抗が大幅に低下し信頼性に優れた物理量センサー素子を提供することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係る物理量センサー素子は、前記凸部の少なくとも一部が金属で構成されていること、が好ましい。
【0014】
これにより、電気抵抗が小さい金属材料により接触抵抗が大幅に低下し、信頼性に優れた物理量センサー素子を提供することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係る物理量センサー素子は、前記凸部の前記金属と前記配線とが同一材料であること、が好ましい。
【0016】
これにより、製造工程において複数の材料を用いる必要がなくなり、製造効率の優れた物理量センサー素子を提供することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係る物理量センサー素子は、前記凸部の少なくとも一部が、金、白金、銀、銅、アルミニウム、錫、チタン、ゲルマニウム、シリコン、亜鉛、インジウム、またはこれらの少なくとも1つを主成分とする化合物で構成されていること、が好ましい。
【0018】
これにより、比較的容易に入手可能な材料を使うことができるため、低コストで物理量センサー素子を製造することができる。
【0019】
[適用例7]本適用例に係る物理量センサーは、上記適用例のいずれかに記載の物理量センサー素子と、集積回路と、を備えていることを特徴とする。
【0020】
これにより、上述の効果を備えている物理量センサーを実現できる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の物理量センサー素子を備えていることを特徴とする。
【0022】
これにより、上述の効果を備えている電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物理量センサー素子を示す斜視図である。
【図2】図1に示す物理量センサー素子を示す平面図である。
【図3】図2中のA−A線における断面図である。
【図4】図3を部分拡大した断面図である。
【図5】図2中のB−B線における断面図である。
【図6】図5を部分拡大した断面図である。
【図7】物理量センサー素子の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】物理量センサー素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】物理量センサー素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】物理量センサー素子の製造工程(配線、接点、絶縁膜を形成する工程)を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る物理量センサー素子を示す平面図である。
【図12】本発明の物理量センサーの一例を示す模式図である。
【図13】本発明の電子機器(ノート型パーソナルコンピューター)を示す斜視図である。
【図14】本発明の電子機器(携帯電話機)を示す斜視図である。
【図15】本発明の電子機器(ディジタルスチルカメラ)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の物理量センサー素子、物理量センサーおよび電子機器の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサー素子を示す斜視図、図2は、図1に示す物理量センサー素子を示す平面図、図3は、図2中のA−A線における断面図、図4は、図3を部分拡大した断面図、図5は、図2中のB−B線における断面図、図6は、図5を部分拡大した断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。また、図1〜3、5では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。また、以下では、X軸に平行な方向(左右方向)を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向(上下方向)を「Z軸方向」と言う。また図1〜3、5、8、9では、説明の便宜上、後述する絶縁膜6(図4)およびそれに対応するもの(絶縁膜106、106A(図10(b)(c))の図示を省略している。なお、本実施形態では、物理量センサー素子を加速度、角速度等の物理量を測定するための素子として用いる場合の例について説明する。
【0026】
(物理量センサー素子)
図1に示す物理量センサー素子1は、絶縁基板2と、この絶縁基板2に接合・支持された素子片3と、素子片3に電気的に接続された導体パターン4と、素子片3を覆うように設けられた蓋部材5とを有する。
【0027】
以下、物理量センサー素子1を構成する各部を順次詳細に説明する。
(絶縁基板)
絶縁基板2は、素子片3を支持する機能を有する。
この絶縁基板2は、板状をなし、その上面(一方の面)には、空洞部21が設けられている。この空洞部21は、絶縁基板2を平面視したときに、後述する素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35を包含するように形成されていて、内底を有する。このような空洞部21は、素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35が絶縁基板2に接触するのを防止する逃げ部を構成する。これにより、素子片3の可動部33の変位を許容することができる。
なお、この逃げ部は、空洞部21(凹部)に代えて、絶縁基板2をその厚さ方向に貫通する開口部であってもよい。また、本実施形態では、空洞部21の平面視形状は、四角形(具体的には長方形)をなしているが、これに限定されるものではない。
【0028】
また絶縁基板2の上面には、前述した空洞部21の外側に、その外周に沿って、凹部22、23、24が設けられている。この凹部22、23、24は、平面視で導体パターン4に対応した形状をなしている。具体的には、凹部22は、後述する導体パターン4の配線41および電極44に対応した形状をなし、凹部23は、後述する導体パターン4の配線42および電極45に対応した形状をなし、凹部24は、後述する導体パターン4の配線43および電極46に対応した形状をなす。
【0029】
また、凹部22の電極44が設けられた部位の深さは、凹部22の配線41が設けられた部位よりも深くなっている。同様に、凹部23の電極45が設けられた部位の深さは、凹部23の配線42が設けられた部位よりも深くなっている。また凹部24の電極46が設けられた部位の深さは、凹部24の配線43が設けられた部位よりも深くなっている。
【0030】
このように凹部22、23、24の一部の深さを深くすることにより、後述する物理量センサー素子1の製造時において、素子片3を形成する前の基板103Aを基板102Aに接合したとき(図8(e)参照)、その基板103Aが電極44、45、46と接合してしまうのを防止することができる。
このような絶縁基板2の構成材料としては、具体的には、高抵抗なシリコン材料、ガラス材料を用いるのが好ましく、特に、素子片3がシリコン材料を主材料として構成されている場合、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような珪素酸ガラス)を用いるのが好ましい。これにより、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
【0031】
また絶縁基板2の構成材料は、素子片3の構成材料との熱膨張係数差ができるだけ小さいのが好ましく、具体的には、絶縁基板2の構成材料と素子片3の構成材料との熱膨張係数差が3ppm/℃以下であるのが好ましい。これにより、絶縁基板2と素子片3との接合時等に高温下に晒されても、絶縁基板2と素子片3との間の残留応力低減することができる。
【0032】
(素子片)
素子片3は、固定部31、32と、可動部33と、連結部34、35と、可動電極部36、37と、固定電極部38、39とで構成されている。
このような素子片3は、例えば、加速度、角速度等の物理量の変化に応じて、可動部33および可動電極部36、37が、連結部34、35を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の隙間、および、可動電極部37と固定電極部39との間の隙間の大きさがそれぞれ変化する。すなわち、このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の静電容量、および、可動電極部37と固定電極部39との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。したがって、これらの静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出することができる。
【0033】
この固定部31、32、可動部33、連結部34、35および可動電極部36、37は、一体的に形成されている。
固定部31、32は、それぞれ、前述した絶縁基板2の上面に接合されている。具体的には、固定部31は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−X方向側(図中左側)の部分に接合され、また、固定部32は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+X方向側(図中右側)の部分に接合されている。また、固定部31、32は、平面視したときに、それぞれ、空洞部21の外周縁を跨ぐように設けられている。
【0034】
なお、固定部31、32の位置および形状等は、連結部34、35や導体パターン4等の位置および形状等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。このような2つの固定部31、32の間には、可動部33が設けられている。本実施形態では、可動部33は、X軸方向に延びる長手形状をなしている。なお、可動部33の形状は、素子片3を構成する各部の形状、大きさ等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。
【0035】
このような可動部33は、固定部31に対して連結部34を介して連結されるとともに、固定部32に対して連結部35を介して連結されている。より具体的には、可動部33の左側の端部が連結部34を介して固定部31に連結されるとともに、可動部33の右側の端部が連結部35を介して固定部32に連結されている。
この連結部34、35は、可動部33を固定部31、32に対して変位可能に連結している。本実施形態では、連結部34、35は、図2にて矢印aで示すように、X軸方向(+X方向または−X方向)に可動部33を変位し得るように構成されている。
【0036】
具体的に説明すると、連結部34は、2つの梁341、342で構成されている。そして、梁341、342はそれぞれ、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなしている。言い換えると、梁341、342は、それぞれ、Y軸方向に複数回(本実施例では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁341、342の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
【0037】
同様に、連結部35は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなす2つの梁351、352で構成されている。
なお、連結部34、35は、可動部33を絶縁基板2に対して変位可能に支持するものであれば、上述したものに限定されず、例えば、可動部33の両端部から+Y方向および−Y方向にそれぞれ延出する1対の梁で構成されていてもよい。
【0038】
このように絶縁基板2に対してX軸方向に変位可能に支持された可動部33の幅方向での一方側(+Y方向側)には、可動電極部36が設けられ、他方側(−Y方向側)には、可動電極部37が設けられている。
可動電極部36は、可動部33から+Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指361、362、363、364、365を備えている。これら可動電極指361〜365は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。同様に、可動電極部37は、可動部33から−Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指371、372、373、374、375を備える。これら可動電極指371〜375は、−X方向側から+X方向側へ、この順で並んでいる。
【0039】
このように複数の可動電極指361〜365および複数の可動電極指371〜375は、それぞれ、可動部33の変位する方向(すなわちX軸方向)に並んで設けられている。これにより、後述する固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および、固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との静電容量、を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。同様に、後述する固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量、および固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との静電容量を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。そのため、物理量センサー素子1は、検出精度の優れたものとすることができる。
このような可動電極部36は、固定電極部38に対して間隔を隔てて対向する。また、可動電極部37は、固定電極部39に対して間隔を隔てて対向する。
【0040】
固定電極部38は、前述した可動電極部36の複数の可動電極指361〜365に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ、複数の固定電極指381〜388を備える。このような複数の固定電極指381〜388の、可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+Y方向側の部分に接合されている。このとき、固定電極指381〜388と絶縁基板2との上面が接合されると共に、固定電極指381〜388の絶縁基板2と接合される面側に形成された凸部471、481が、それぞれ、後述する導体パターン4の配線41、42と電気的に接続されている。そして、各固定電極指381〜388は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延びている。
【0041】
この固定電極指381〜388は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指381、382は、対をなし前述した可動電極指361と可動電極指362との間に、固定電極指383、384は、対をなし可動電極指362と可動電極指363との間に、固定電極指385、386は、対をなし可動電極指363と可動電極指364との間に、固定電極指387、388は、対をなし可動電極指364と可動電極指365との間に臨むように設けられている。
【0042】
ここで、固定電極指382、384、386、388は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指381、383、385、387は、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指381〜388は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指362、363、364、の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。また、可動電極指361、365のいずれかの側に第1固定電極指または第2固定電極指が配置されている。
【0043】
このような第1固定電極指である固定電極指382、384、386、388と第2固定電極指である固定電極指381、383、385、387とは、絶縁基板2上で互いに分離している。言い換えると、固定電極指382、384、386、388、固定電極指381、383、385、387は、絶縁基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、固定電極指382、384、386、388と固定電極指381、383、385、387とを電気的に絶縁することができる。そのため、固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および、固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
【0044】
本実施形態では、固定電極指381〜388が絶縁基板2上で互いに分離している。言い換えると、固定電極指381〜388は、それぞれ、絶縁基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、固定電極指381〜388のY軸方向の長さを揃えることができる。そのため、各固定電極指381〜388と絶縁基板2との各接合部の十分な接合強度を得るのに必要な面積を確保しつつ、固定電極指381〜388の小型化を図ることができる。
【0045】
同様に、固定電極部39は、前述した可動電極部37の複数の可動電極指371〜375に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ、複数の固定電極指391〜398を備える。このような複数の固定電極指391〜398の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−Y方向側の部分に接合されている。このとき、固定電極指391〜398と絶縁基板2との上面が接合されると共に、固定電極指391〜398の絶縁基板2と接合される面側に形成された凸部472、482が、それぞれ、後述する導体パターン4の配線41、42と電気的に接続されている。そして、各固定電極指391〜398は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延びている。
【0046】
この固定電極指391、392、393、394、395、396、397、398は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指391、392は、対をなし前述した可動電極指371と可動電極指372との間に、固定電極指393、394は、対をなし可動電極指372と可動電極指373との間に、固定電極指395、396は、対をなし可動電極指373と可動電極指374との間に、固定電極指397、398は、対をなし可動電極指374と可動電極指375との間に臨むように設けられている。
【0047】
ここで、固定電極指392、394、396、398は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指391、393、395、397は、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指391〜398は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指372、373、374の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。また、可動電極指371、375のいずれかの側に第1固定電極指または第2固定電極指が配置されている。
【0048】
このような第1固定電極指である固定電極指392、394、396、398と第2固定電極指である固定電極指391、393、395、397とは、前述した固定電極部38と同様、絶縁基板2上で互いに分離している。これにより、固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量、および、固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
【0049】
本実施形態では、複数の固定電極指391〜398は、前述した固定電極部38と同様、絶縁基板2上で互いに分離している。これにより、各固定電極指391〜398と絶縁基板2との各接合部の面積を十分なものとしつつ、固定電極指391〜398の小型化を図ることができる。そのため、物理量センサー素子1の耐衝撃性を優れたものとしつつ、物理量センサー素子1の小型化を図ることができる。
【0050】
このような素子片3(すなわち、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375)は、後述する1つの基板103をエッチングすることにより形成されたものである。
これにより、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375の厚さを厚くすることができる。また、これらの厚さを簡単かつ高精度に揃えることができる。このようなことから、物理量センサー素子1の高感度化を図ることができると共に、物理量センサー素子1の耐衝撃性を向上させることができる。
【0051】
また、素子片3の構成材料としては、前述したような静電容量の変化に基づく物理量の検出が可能であれば、特に限定されないが、半導体(半導体材料)が好ましく、具体的には、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン等のシリコン材料を用いるのが好ましい。
すなわち、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375は、それぞれ、シリコンを主材料として構成されているのが好ましい。
【0052】
シリコンはエッチングにより高精度に加工することができる。そのため、素子片3をシリコンを主材料として構成することにより、素子片3の寸法精度を優れたものとし、その結果、物理量センサー素子1の高感度化を図ることができる。また、シリコンは疲労が少ないため、物理量センサー素子1の耐久性を向上させることもできる。
また、素子片3を構成するシリコン材料には、リン、ボロン等の不純物(異種の材料)がドープされているのが好ましい。これにより、素子片3の導電性を優れたものとすることができる。
【0053】
また、素子片3は、前述したように、絶縁基板2の上面に固定部31、32および固定電極部38、39が接合されることにより、絶縁基板2に支持されている。本実施形態では、後述する絶縁膜6を介して絶縁基板2と素子片3とが接合されている。
このような素子片3(具体的には、前述した固定部31、32および各固定電極指381〜388、391〜398)と絶縁基板2との接合方法は、特に限定されないが、陽極接合法を用いるのが好ましい。これにより、固定部31、32および固定電極部38、39(各固定電極指381〜388、391〜398)を絶縁基板2に強固に接合することができる。そのため、物理量センサー素子1の耐衝撃性を向上させることができる。また、固定部31、32および固定電極部38、39(各固定電極指381〜388、391〜398)を絶縁基板2の所望の位置に高精度に接合することができる。そのため、物理量センサー素子1の高感度化を図ることができる。この場合、前述したように、シリコンを主材料として素子片3を構成し、かつ、アルカリ金属イオンを含むガラス材料で絶縁基板2を構成する。
【0054】
(導体パターン)
導体パターン4は、前述した絶縁基板2の上面(固定電極部38、39側の面)上に設けられている。
この導体パターン4は、配線41、42、43と、電極44、45、46とで構成されている。
配線41は、前述した絶縁基板2の空洞部21の外側に設けられ、空洞部21の外周に沿うように形成されている。そして、配線41の一端部は、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、電極44に接続されている。
【0055】
このような配線41は、前述した素子片3の第1固定電極指である各固定電極指382、384、386、388および各固定電極指392、394、396、398に電気的に接続されている。ここで、配線41は、第1固定電極指に電気的に接続された第1配線である。
また、配線42は、前述した配線41の内側、かつ、前述した絶縁基板2の空洞部21の外側でその外周縁に沿って設けられている。そして、配線42の一端部は、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、前述した電極44に対して間隔を隔てて並ぶように配置された電極45に接続されている。また、この配線42は、第2固定電極指に電気的に接続された第2配線である。
【0056】
配線43は、絶縁基板2上の固定部31との接合部から、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上に延びるように設けられている。そして、配線43の固定部31とは反対側の端部は、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、前述した電極44、45に対して間隔を隔てて並ぶように配置された電極46に接続されている。
【0057】
このような配線41〜43の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In33、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物(透明電極材料)、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0058】
中でも、配線41〜43の構成材料としては、透明電極材料(特にITO)を用いるのが好ましい。配線41、42がそれぞれ透明電極材料で構成されていると、絶縁基板2が透明基板である場合、絶縁基板2の固定電極部38、39側の面上に存在する異物等を絶縁基板2の固定電極部38、39とは反対の面側から容易に視認することができる。そのため、高感度な物理量センサー素子1をより確実に提供することができる。
【0059】
また、電極44〜46の構成材料としては、それぞれ、前述した配線41〜43と同様、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができる。本実施形態では、電極44〜46の構成材料として、後述する凸部471、472、481、482の構成材料と同じものが用いられている。
このような配線41、42(第1配線および第2配線)が絶縁基板2の上面に設けられていることにより、配線41を介して、第1固定電極指である固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および第1固定電極指である固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量、を測定すると共に、配線42を介して、第2固定電極指である固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量、および第2固定電極指である固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量、を測定することができる。
【0060】
本実施形態では、電極44および電極46を用いることにより、固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量、を測定することができる。また、電極45および電極46を用いることにより、固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量、および固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量、を測定することができる。
また、このような配線41、42は、絶縁基板2の上面上(すなわち固定電極部38、39側の面上)に設けられているので、固定電極部38、39に対する電気的接続およびその位置決めが容易である。そのため、物理量センサー素子1の信頼性(特に、耐衝撃性および検出精度)を向上させることができる。
【0061】
また、配線41および電極44は、前述した絶縁基板2の凹部(第1凹部)22内に設けられ、配線42および電極45は、前述した絶縁基板2の凹部(第2凹部)23内に設けられ、配線43および電極46は、前述した絶縁基板2の凹部(第3凹部)24内に設けられている。これにより、配線41〜43が絶縁基板2の板面から突出するのを防止することができる。そのため、各固定電極指381〜388、391〜398と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続、および固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。同様に、固定部31と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。ここで、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41〜43が設けられた部分の深さをそれぞれdとしたとき、t<dなる関係を満たす。
【0062】
特に、第1配線である配線41上には、導電性を有する第1凸部である複数の凸部481および複数の凸部482が設けられている。複数の凸部481は、第1固定電極指である複数の固定電極指382、384、386、388に対応して設けられ、複数の凸部482は、第1固定電極指である複数の固定電極指392、394、396、398に対応して設けられている。
【0063】
そして、複数の凸部481を介して、固定電極指382、384、386、388と配線41とが電気的に接続されると共に、複数の凸部482を介して、固定電極指392、394、396、398と配線41とが電気的に接続されている。
これにより、配線41と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続を行うことができる。
【0064】
同様に、第2配線である配線42上には、導電性を有する第2凸部である複数の凸部471および複数の凸部472が設けられている。複数の凸部471は、第2固定電極指である複数の固定電極指381、383、385、387に対応して設けられ、複数の凸部472は、第2固定電極指である複数の固定電極指391、393、395、397に対応して設けられている。
【0065】
そして、複数の凸部471を介して、固定電極指381、383、385、387と配線42とが電気的に接続されると共に、複数の凸部472を介して、固定電極指391、393、395、397と配線42とが電気的に接続されている。
これにより、配線42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。
【0066】
このような凸部471、472、481、482の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、錫、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、インジウム、またはこれらを主成分とする化合物が好適に用いられる。このような金属を用いて凸部471、472、481、482を構成することにより、配線41、42と固定電極部38、39との間の接点抵抗を小さくすることができる。即ち、凸部471、472、481、482には、第1固定電極指および第2固定電極指より電気抵抗が小さい部分が含まれていること、になる。さらに、この場合、既述したように、凸部471、472、481、482と配線41、42、43とが、同一の材料で形成されているため、製造工程において複数の材料を用いる必要等がなくなり、優れた製造効率で物理量センサー素子1を製造することができる。
【0067】
また、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41〜43が設けられた部分の深さをそれぞれdとし、凸部471、472、481、482の高さをそれぞれhとしたとき、d≒t+hなる関係を満たす。
また、図4、6に示すように、配線41〜43上には、絶縁膜6が設けられている。この絶縁膜6は、導体パターン4と素子片3との不本意な電気的接続(短絡)を防止する機能を有する。そして、絶縁膜6は、前述した各凸部471、472、481、482、50と対向する部分には形成されていない。これにより、配線41、42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、第1固定電極指である固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続、および第2固定電極指である固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。また、配線43と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
【0068】
本実施形態では、絶縁膜6は、後述する凸部471、472、481、482、50および電極44〜46の形成領域を除いて、絶縁基板2の上面の略全域に亘って形成されている。なお、絶縁膜6の形成領域は、配線41〜43を覆うことができれば、これに限定されず、例えば、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位や蓋部材5との接合部位を除くような形状をなしていてもよい。
【0069】
また、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41が設けられた部分の深さをそれぞれdとしたとき、d>tなる関係を満たす。これにより、例えば、図4に示すように、固定電極指391と配線41上の絶縁膜6との間には、隙間221が形成されている。図示しないが、この隙間221と同様の隙間が他の各固定電極指と配線41、42上の絶縁膜6との間にも形成されている。このような隙間は、後述する物理量センサー素子1の製造において、基板102Aと基板103Aとの間にも同様に形成され、陽極接合時に生じるガスを排出することができる。
【0070】
また、図6に示すように、蓋部材5と配線43上の絶縁膜6との間には、隙間222が形成されている。図示しないが、この隙間222と同様の隙間が蓋部材5と配線41、42上の絶縁膜6との間にも形成されている。これらの隙間は、蓋部材5内を減圧したり、不活性ガスを充填したりするのを用いることができる。なお、これらの隙間は、蓋部材5と絶縁基板2とを接着剤により接合する際に、接着剤により塞いでもよい。
【0071】
このような絶縁膜6の構成材料としては、特に限定されず、絶縁性を有する各種材料を用いることができるが、絶縁基板2がガラス材料(特に、アルカリ金属イオンが添加されたガラス材料)で構成されている場合、二酸化珪素(SiO2)を用いるのが好ましい。これにより、前述したような不本意な電気的接続を防止するとともに、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜6が存在していても、絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
【0072】
また、絶縁膜6の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、10〜1000nm程度であるのが好ましく、10〜200nm程度であるのがより好ましい。このような厚さの範囲で絶縁膜6を形成すると、前述したような不本意な電気的接続を防止することができる。また、絶縁基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、かつ、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜6が存在していても、絶縁膜6を介して絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
【0073】
(蓋部材)
蓋部材5は、前述した素子片3を保護する機能を有する。
この蓋部材5は、板状をなし、その一方の面(下面)に凹部51が設けられている。この凹部51は、素子片3の可動部33および可動電極部36、37等の変位を許容するように形成されている。
【0074】
そして、蓋部材5の下面の凹部51よりも外側の部分は、前述した絶縁基板2の上面に接合されている。本実施形態では、前述した絶縁膜6を介して絶縁基板2と蓋部材5とが接合されている。
蓋部材5と絶縁基板2との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接合方法、陽極接合法、直接接合法等を用いることができる。
また、蓋部材5の構成材料としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコン材料、ガラス材料等を好適に用いることができる。
【0075】
(物理量センサー素子の製造方法)
次に、本発明の物理量センサー素子の製造方法を説明する。なお、以下では、前述した物理量センサー素子1を製造する場合の一例を説明する。
図7は、物理量センサー素子の製造方法を示すフローチャート、図8および図9は、それぞれ、物理量センサー素子の製造方法を説明するための断面図、図10は、物理量センサー素子の製造工程(配線、接点、絶縁膜を形成する工程)を説明するための断面図である。なお、図8および図9は、それぞれ、図1中のA−A線断面に対応する断面を示している。
以下では、絶縁基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、かつ、素子片3がシリコンで構成されている場合を例に説明する。
【0076】
[1]
まず、図7に示すフローチャートの最初の工程であるステップS1において、第1基板の用意をする。即ち、図8(a)に示すように、第1基板である基板102を用意する。
この基板102は、後述する工程を経て絶縁基板2となるものである。
また、基板102は、アルカリ金属を含むガラス材料で構成されている。
【0077】
[2]
次に、ステップS2において、空洞部および凹部の形成をする。即ち、図8(b)に示すように、第1基板である基板102の上面をエッチングすることにより、空洞部21、と凹部22、23を形成する。このとき、図8(b)では図示しないが、上記エッチングにより凹部24も同時に形成する。これにより、空洞部21と凹部22〜24とが複数形成された基板102Aを得る。つまり、基板102Aには、複数の物理量センサー素子1が形成されることになる。
【0078】
このような空洞部21と凹部22〜24の形成方法(エッチング方法)としては、特に限定されないが、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
【0079】
また、上述したようなエッチングに際しては、例えば、フォトリソグラフィー法により形成されたマスクを好適に用いることができる。また、マスク形成、エッチング、マスク除去を複数繰り返し、空洞部21と凹部22〜24を順に形成することができる。そして、このマスクは、エッチング後に、除去される。このマスクの除去方法としては、例えば、マスクがレジスト材料で構成される場合には、レジスト剥離液、マスクが金属材料で構成される場合には、リン酸溶液のようなメタル剥離液等を用いることができる。
なお、マスクとして、例えば、グレースケールマスクを用いることにより、空洞部21と凹部22〜24(深さの異なる複数の凹部)を一括形成してもよい。
【0080】
[3]
次に、ステップS3において、導体パターンの形成をする。即ち、図8(c)に示すように、基板102Aの上面上に、導体パターン4を形成する。その後、図8(c)では図示しないが、絶縁膜106A(図10(c))を形成する。
ここで、絶縁膜106Aは、後述する個片化を経て絶縁膜6となるものである。
【0081】
以下、図10に基づき、導体パターン4および絶縁膜106Aの形成について詳述する。なお、図10では、基板102Aの固定電極指391との接合部近傍における導体パターン4および絶縁膜106Aの形成を代表的に図示している。
【0082】
導体パターン4を形成するに際しては、まず、図10(a)に示すように、凹部22内に配線41を形成すると共に、凹部23内に配線42を形成する。このとき、図10では図示しないが、凹部24内に配線43を、配線41、42と同時に、形成する。
配線41、42、43の形成方法(成膜方法)としては、特に限定されないが、例えば、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、薄膜の接合等が挙げられる。なお、以下の各工程における成膜においても、同様の方法を用いることができる。
【0083】
次に、図10(b)に示すように、配線41、42等を覆うように、基板102Aの上面に絶縁膜106を形成(成膜)する。
次に、図10(c)に示すように、後述する接合工程[5]で各凸部472と配線42とが接続される部分、に対応する絶縁膜106を除去する。また、図10(c)では図示しないが、絶縁膜106の各凸部471、凸部50および電極44〜46に対応する部分も除去する。これにより、電極44〜46を露出させると共に、各凸部471、472、50が貫通可能な構成となった、絶縁膜106Aが得られる。
以上のようにして、導体パターン4および絶縁膜106Aが得られる。
【0084】
[4]
次に、図7に戻って、ステップS4において、第2基板の載置をする。このステップでは、まず、図8(d)に示すように、第2基板である基板103を用意する。
この基板103は、後述する工程を経て素子片3となるものである。
また、基板103は、シリコンを主材料とする材料で構成されている。
【0085】
そして、図8(d)に示すように、基板103の下面に凸部471、472を形成する。凸部471、472の形成方法としては、特に限定されないが、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて、凸部となる部分にレジストパターンを形成し、ドライエッチングやウェットエッチングを用いて凸部以外の部分を除去する。このとき、凸部の高さがhとなるようにエッチング時間を調整する。ステップS4では、このようにして、基板103Aを得る。
なお、後述する接合工程[5]において、凸部471、472、50と配線41、42、43の電気的接続をより確実なものとするために、凸部471、472、50の凸部上面に金属材料、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、錫、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、インジウム、またはこれらを主成分とする化合物を形成してもよく、また、凸部に異種材料をドープしてもよい。
【0086】
[5]
次に、ステップS5において、両基板の接合をする。即ち、図8(e)に示すように、基板102Aの上面に、基板103Aを陽極接合法により接合する。これにより、基板103Aの各凸部471、472、50と、基板102Aの配線41、42、43と、が接続される。
この基板103Aは、後述する薄肉化、パターニングおよび個片化を経て素子片3となるものである。
また、基板103Aの厚さは、素子片3の厚さよりも厚くなっている。これにより、基板103Aの取り扱い性を向上させることができる。なお、基板103Aの厚さが素子片3の厚さと同じであっても良く、この場合、後述する薄肉化工程[6]を省略すればよい。
【0087】
[6]
次に、ステップS6において、素子片となる基板の薄肉化をする。即ち、基板103Aを薄肉化して、図9(f)に示すように、基板103Bを得る。
この薄肉化は、基板103Bの厚さが素子片3の厚さと同じになるように行われる。
また、基板103Aの薄肉化方法は、特に限定されないが、例えば、CMP法、ドライポリッシュ法を好適に用いることができる。
【0088】
[7]
次に、ステップS7において、素子片の形成をする。即ち、図9(g)に示すように、基板103Bをエッチングする。このエッチングによるパターニングによって、固定電極指381〜388、391〜398、および可動電極部36、37等を形成することができる。これにより、図9(g)に示すような素子片3を得る。
【0089】
[8]
次に、ステップS8において、蓋部材の接合をする。即ち、図9(h)に示すように、基板102Aの上面に、凹部51を有する蓋部材105を接合する。これにより、基板102Aと蓋部材105とが素子片3を収納するようにして接合された接合体101が得られる。
この蓋部材105は、後述する個片化を経て蓋部材5となるものである。
【0090】
[9]
次に、ステップS9において、接合体の個片化をする。即ち、接合体101を個片化(ダイシング)することにより、図9(i)に示すような物理量センサー素子1が、複数得られる。
【0091】
以上説明した第1実施形態に係る物理量センサー素子1によれば、第1固定電極指(固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398)と第2固定電極指(固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397)とが互いに電気的に絶縁されているため、第1固定電極指と可動電極部36、37との間の静電容量、および、第2固定電極指と可動電極部36、37との静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
【0092】
また、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375を絶縁基板2とは別体の基板から形成(特に一括形成)することができるため、これらの各可動電極指および各固定電極指の厚さを厚くして、物理量センサー素子1の高感度化を図ることができる。また、固定部31、32、可動部33および連結部34、35の厚さを厚くして、物理量センサー素子1の耐衝撃性を優れたものとすることができる。
<第2実施形態>
【0093】
次に、本発明の物理量センサー素子の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサー素子を示す平面図である。
本実施形態にかかる物理量センサー素子1Aは、固定電極部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサー素子1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー素子1Aに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の物理量センサー素子1Aは、絶縁基板2の上面に、素子片3Aが接合されている。
【0094】
素子片3Aは、固定部31、32と、可動部33と、連結部34、35と、可動電極部36、37と、固定電極部38A、39Aとで構成されている。
固定電極部38Aは、可動電極部36の複数の可動電極指361〜365に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指381A〜388Aと、固定電極指382A、384A、386A、388Aと一体的に形成された基部389とを備える。
【0095】
このような複数の固定電極指381A〜388Aの可動部33とは反対側の端部および基部389は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指381A〜388Aは、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延びている。
この固定電極指381A、382A、383A、384A、385A、386A、387A、388Aは、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指381A、382Aは、前述した可動電極指361と可動電極指362との間に、固定電極指383A、384Aは、可動電極指362と可動電極指363との間に、固定電極指385A、386Aは、可動電極指363と可動電極指364との間に、固定電極指387A、388Aは、可動電極指364と可動電極指365との間に臨むように設けられている。
【0096】
ここで、固定電極指382A、384A、386A、388Aは、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指381A、383A、385A、387Aは、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指381A〜388Aは、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。
【0097】
同様に、固定電極部39Aは、前述した可動電極部37の複数の可動電極指371〜375に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指391A〜398Aと、固定電極指392A、394A、396A、398Aと一体的に形成された基部399とを備える。このような複数の固定電極指391A〜398Aの可動部33とは反対側の端部および基部399は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指391A〜398Aは、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延びている。
【0098】
この固定電極指391A、392A、393A、394A、395A、396A、397A、398Aは、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指391A、392Aは、前述した可動電極指371と可動電極指372との間に、固定電極指393A、394Aは、可動電極指372と可動電極指373との間に、固定電極指395A、396Aは、可動電極指373と可動電極指374との間に、固定電極指397A、398Aは、可動電極指374と可動電極指375との間に臨むように設けられている。
【0099】
ここで、固定電極指392A、394A、396A、398Aは、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指391A、393A、395A、397Aは、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指391A〜398Aは、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。
【0100】
このような素子片3Aでは、第1固定電極指である固定電極指382A、384A、386A、388Aが基部389から突出して一体的に形成されている。これにより、固定電極指382A、384A、386A、388Aの間の電気抵抗を小さくすることができる。その結果、物理量センサー素子1Aの検出精度を高めることができる。同様に、第1固定電極指である固定電極指392A、394A、396A、398Aが基部399から突出して一体的に形成されている。これにより、固定電極指392A、394A、396A、398Aの間の電気抵抗を小さくすることができる。その結果、物理量センサー素子1Aの検出精度を高めることができる。
以上説明したような第2実施形態に係る物理量センサー素子1Aによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー素子1と同様、高感度化を図るとともに、耐衝撃性を優れたものとすることができる。
【0101】
(物理量センサー)
次に、図12に基づいて、本発明の物理量センサー素子1を用いた物理量センサーを説明する。
図12は、本発明の物理量センサーの一例を示す模式図である。
図12に示す物理量センサー200は、前述した物理量センサー素子1と、物理量センサー素子1に電気的に接続された集積回路である電子部品201とを有する。
【0102】
電子部品201は、例えばIC(Integrated Circuit)チップであり、物理量センサー素子1を駆動する機能を有する。この電子部品201に角速度検出回路や加速度検出回路を形成することにより物理量センサー200をジャイロセンサーや加速度センサーとして構成することができる。
なお、図12では、物理量センサー200が1つの物理量センサー素子1を有する場合を図示しているが、物理量センサー200が複数の物理量センサー素子1を有していてもよい。また、物理量センサー200は、物理量センサー素子1と、物理量センサー素子1とは異なる構成の物理量センサー素子とを有していてもよい。
このような物理量センサー200は、感度および耐衝撃性の優れた物理量センサー素子1を備えるので、優れた信頼性を有する。
【0103】
(電子機器)
次に、本発明の電子機器を説明する。
図13は、本発明の電子機器(ノート型パーソナルコンピューター)を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー素子1が内蔵されている。
【0104】
図14は、本発明の電子機器(携帯電話機)を示す斜視図である。この携帯電話機には、PHSも含まれる。
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1207が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー素子1が内蔵されている。
【0105】
図15は、本発明の電子機器(ディジタルスチルカメラ)を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
【0106】
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1303が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1303は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
【0107】
撮影者が表示部1303に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
【0108】
このようなディジタルスチルカメラ1300には、物理量センサー素子1が内蔵されている。
そして、既述した各種の電子機器は、感度および耐衝撃性に優れた物理量センサー素子1を備えるので、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子機器は、図13のパーソナルコンピューター(ノート型(モバイル型)パーソナルコンピューター)1100、図14の携帯電話機1200、図15のディジタルスチルカメラ1300の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
【0109】
以上、本発明の物理量センサー素子、物理量センサーおよび電子機器について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、固定電極部は、櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指の少なくとも1つの固定電極指がその他の固定電極指に対して絶縁基板上で分離していれば、前述した実施形態に限定されない。
【0110】
また、固定電極部の複数の固定電極指と、これに噛み合うように設けられた可動電極部の複数の可動電極指と、の本数、配置および大きさ等の形態は、前述した実施形態に限定されない。
また、可動部をY軸方向に変位させるように構成してもよいし、可動部をX軸に平行な軸線まわりに回動させるように構成してもよい。この場合、可動電極指と固定電極指との対向面積の変化による静電容量変化に基づいて物理量を検出すればよい。
また、上述の実施例では、物理量センサー素子1は、各実施形態による例示に限定されず、例えば、固定電極指と可動電極指に異なる電圧を加えてクーロン力により可動電極指を駆動させることにより固有周波数を発振する共振子として、本発明の物理量センサー素子を用いても良い。
【符号の説明】
【0111】
1‥‥物理量センサー素子 1A‥‥物理量センサー素子 2‥‥絶縁基板 3‥‥素子片 3A‥‥素子片 4‥‥導体パターン 5‥‥蓋部材 6‥‥絶縁膜 21‥‥空洞部 22‥‥凹部(第1凹部) 23‥‥凹部(第2凹部) 24‥‥凹部(第3凹部) 31‥‥固定部 32‥‥固定部 33‥‥可動部 34‥‥連結部 35‥‥連結部 36‥‥可動電極部 37‥‥可動電極部 38‥‥固定電極部 38A‥‥固定電極部 39‥‥固定電極部 39A‥‥固定電極部 41‥‥配線(第1配線) 42‥‥配線(第2配線) 43‥‥配線 44‥‥電極 45‥‥電極 46‥‥電極 50‥‥凸部 51‥‥凹部 101‥‥接合体 102‥‥基板(第1基板) 102A‥‥基板 103‥‥基板(第2基板) 103A‥‥基板 103B‥‥基板 105‥‥蓋部材 106‥‥絶縁膜 106A‥‥絶縁膜 200‥‥物理量センサー 201‥‥電子部品 221‥‥隙間 222‥‥隙間 341、342‥‥梁 351、352‥‥梁 361〜365‥‥可動電極指 371〜375‥‥可動電極指 381〜388‥‥固定電極指 391〜398‥‥固定電極指 381A〜388A‥‥固定電極指 391A〜398A‥‥固定電極指 389、399‥‥基部 471‥‥凸部(第2凸部) 472‥‥凸部(第2凸部) 481…凸部(第1凸部) 482‥‥凸部(第1凸部) 1100‥‥パーソナルコンピューター 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッターボタン 1308‥‥メモリー 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニター 1440‥‥パーソナルコンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の上方に設けられている可動部と、
前記可動部に設けられている可動電極指と、
前記絶縁基板上に設けられ、且つ、前記可動電極指に対向して配置されている固定電極指と、を含み、
前記絶縁基板には、凹部が設けられ、
前記凹部内には、配線が設けられ、
前記固定電極指は、前記凹部を跨いで配置され、且つ、平面視で前記配線と重なる位置に凸部が設けられ、前記配線と前記凸部とが接続されていることを特徴とする物理量センサー素子。
【請求項2】
前記凸部には、前記固定電極指より電気抵抗が小さい部分が含まれることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサー素子。
【請求項3】
前記固定電極指が半導体材料で構成され、前記凸部の少なくとも一部には前記半導体材料とは異種の材料がドープされていることを特徴とする請求項2に記載の物理量センサー素子。
【請求項4】
前記凸部の少なくとも一部が金属で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の物理量センサー素子。
【請求項5】
前記凸部の前記金属と前記配線とが同一材料であることを特徴とする請求項4に記載の物理量センサー素子。
【請求項6】
前記凸部の少なくとも一部が、金、白金、銀、銅、アルミニウム、錫、チタン、ゲルマニウム、シリコン、亜鉛、インジウム、またはこれらの少なくとも1つを主成分とする化合物で構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の物理量センサー素子。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の物理量センサー素子と、
集積回路と、を備えていることを特徴とする物理量センサー。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の物理量センサー素子を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−68450(P2013−68450A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205672(P2011−205672)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】